説明

半導体装置とその製造方法、及び電子機器

【課題】寄生容量を低減し、高性能化を図った固体撮像装置等の半導体装置とその製造方法、前記固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器を提供するものである。
【解決手段】本発明の半導体装置は、2つ以上の半導体チプ部22,26が貼り合わされた積層半導体チップ27を有する。積層半導体チップ27では、少なくとも第1の半導体チップ部22に画素アレイ23と多層配線層41が形成され、第2の半導体チップ部26にロジック回路25と多層配線層55が形成される。第1の半導体チップ部22には、一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域52が形成され、半導体除去領域52内に第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26との間を接続する複数の接続配線67が形成される。この半導体装置は、裏面照射型の固体撮像装置として構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置等の半導体装置とその製造方法、及びこの固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のMOS型イメージセンサに代表される増幅型固体撮像装置が知られている。また、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代表される電荷転送型固体撮像装置が知られている。これら固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどに広く用いられている。近年、カメラ付き携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載される固体撮像装置としては、電源電圧が低く、消費電力の観点などからMOS型イメージセンサが多く用いられている。
【0003】
MOS型の固体撮像装置は、単位画素が光電変換部となるフォトダイオードと複数の画素トランジスタで形成され、この複数の単位画素が2次元アレイ状に配列された画素アレイ(画素領域)と、周辺回路領域を有して構成される。複数の画素トランジスタは、MOSトランジスタで形成され、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅とトランジスタの3トランジスタ、あるいは選択トランジスタを加えた4トランジスタで構成される。
【0004】
従来、このようなMOS型固体撮像装置において、複数の画素を配列した画素アレイが形成された半導体チップと、信号処理を行うロジック回路が形成された半導体チップとを電気的に接続して1つのデバイスとして構成した固体撮像装置が種々提案されている。例えば、特許文献1では、各画素セル毎にマイクロパッド有する裏面照射型のイメージセンサチップと、信号処理回路が形成されマイクロパッドを有する信号処理チップとを、マイクロバンプによって接続した半導体モジュールが開示されている。
【0005】
特許文献2では、イメージセンサを備えた第1の半導体チップと、アナログ/デジタル変換器アレイを備えた第2の半導体チップと、メモリ素子アレイを備えた第3の半導体チップとを積層した半導体イメージセンサ・モジュールが開示されている。第1の半導体チップと第2の半導体チップとは導電性接続導体であるバンプを介して接続される。第2の半導体チップと第3の半導体チップとは、第2の半導体チップを貫通する貫通コンタクトにより接続される。
【0006】
引用文献1等に示されるように、イメージセンサチップと信号処理を行うロジック回路などの異種回路チップを混載する技術は、種々提案されている。従来技術では、機能チップがほぼ完成した状態で貫通接続孔を形成してチップ間を相互接続したり、バンプを介してチップ間を相互接続していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−49361号公報
【特許文献2】WO2006/129762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願人は、先に、画素アレイを備えた半導体チップ部と、ロッジク回路を備えた半導体チップ部とを貼り合わせ、夫々の性能を十分発揮できるようにして高性能化を図り、かつ量産性、コスト低減を図った固体撮像装置を提案した。この固体撮像装置は、共に半製品状態の画素アレイを備えた第1半導体チップ部と、ロッジク回路を備えた第2半導体チップ部とを貼り合わせ、第1半導体チップ部を薄膜化した後、画素アレイとロジック回路の接続がなされる。接続は、第1半導体チップ部の所要の配線に接続する接続導体と、第1半導体チップ部を貫通して第2半導体チップ部の所要の配線に接続する貫通接続導体と、両接続導体を繋ぐ連結導体からなる接続配線を形成して行われる。その後、完成品状態にしてチップ化して、裏面照射型の固体撮像装置として構成される。
【0009】
ところで、この固体撮像装置では、接続導体及び貫通接続導体は、第1半導体チップ部のシリコン基板を貫通する貫通孔内に絶縁膜を介して埋め込むように形成される。接続導体及び貫通接続導体は、横断面積が比較的に大きい。このため、接続導体及び貫通接続導体とシリコン基板との間に形成される寄生容量が無視できない場合、この寄生容量は、回路の駆動速度の低下を招き、固体撮像装置での高性能化の阻害要因となることが判明した。
【0010】
さらに、貼り合わせ半導体チップ部間を接続導体及び貫通接続導体で接続する構成の固体撮像装置においては、各垂直信号線に相当する配線(つまり引き回し配線)毎に、対をなす上記の導体(接続導体及び貫通接続導体)が接続される。このとき、寄生容量である対グランド容量と隣接カップリング容量が発生する。対グランド容量は、配線とグランド電位である例えば半導体基板との間の寄生容量である。隣接カップリング容量は、隣り合う引き回し配線間、あるいは隣り合う対の導体間の寄生容量である。対グランド容量は、電源を強化したり、バッファ回路を設けて電流を流すようにすれば解消が可能である。しかし、隣接カップリング容量は、隣の列との干渉であるため、解消できない。
【0011】
このような寄生容量の問題点は、それぞれ半導体集積回路を備えた半導体チップ部を貼り合わせて、両半導体チップ部間を接続導体及び貫通接続導体で接続した半導体装置においても起こり得る。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、寄生容量を低減し、高性能化を図った固体撮像装置等の半導体装置とその製造方法を提供するものである。また、本発明は、上記固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る半導体装置は、2つ以上の半導体チプ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に画素アレイと多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部にロジック回路と多層配線層が形成された積層半導体チップを有する。第1の半導体チップ部は、その一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域を有する。そして、本発明の半導体装置は、この半導体除去領域内に第1の半導体チップ部と第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線を有して、裏面照射型の固体撮像装置として構成される。
【0014】
本発明の半導体装置では、画素アレイが形成された第1の半導体チップの一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域を形成し、この半導体除去領域内に第1及び第2の半導体チップ部間を接続する接続配線が形成される。これにより、接続配線と半導体間の寄生容量を低減することができる。
【0015】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、少なくとも、第1の半導体ウェハと第2の半導体ウェハを含む、2つの半導体ウェハを貼り合わせる工程を有する。第1の半導体ウェハは、第1の半導体チップ部となる領域に画素アレイと多層配線層が形成されている。第2の半導体ウェハは、第2の半導体チップ部となる領域にロジック回路と多層配線層が形成されている。次に、第1の半導体ウェハにおける第1の半導体チップ部となる領域の一部の半導体部分を全て除去して半導体除去領域を形成する工程を有する。さらに、半導体除去領域内に、第1の半導体チップ部と第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線を形成する工程と、完成品状態にしてチップ化する工程を有して、裏面照射型の固体撮像装置を製造する。
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法では、2つ以上の半導体ウェハを貼り合わせた後、画素アレイが形成された第1の半導体チップ部となる領域の一部の半導体部分を全て除去し、その半導体除去領域内に第1、第2の半導体チップ部間を接続する接続配線を形成する。これにより、接続配線と半導体間の寄生容量が低減された裏面照射型の固体撮像装置が製造される。
【0017】
本発明に係る電子機器は、固体撮像装置と、固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備える。固体撮像装置は、2つ以上の半導体チプ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に画素アレイと多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部にロジック回路と多層配線層が形成された積層半導体チップを有する。第1の半導体チップ部は、その一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域を有する。そして、本発明の固体撮像装置は、半導体除去領域内に形成された第1の半導体チップ部と第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線とを有して、裏面照射型の固体撮像装置として構成される。
【0018】
本発明の電子機器では、固体撮像装置として上述した構成の裏面照射型の固体撮像装置を備えている。したがって、固体撮像装置において、第1、第2の半導体チップ部間を接続する接続配線と半導体間の寄生容量を低減することができる。
【0019】
本発明に係る半導体装置は、2つ以上の半導体チプ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に第1の半導体集積回路と多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部に第2の半導体集積回路と多層配線層が形成され積層半導体チップを有する。第1の半導体チップ部は、その一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域を有する。さらに、本発明の半導体装置は、半導体除去領域内に形成された第1の半導体チップ部と第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線を有する。
【0020】
本発明の半導体装置では、第1の半導体チップ部の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域を形成し、この半導体除去領域内にそれぞれ半導体集積回路が形成された第1、第2の半導体チップ部間を接続する接続配線が形成される。これにより、接続配線と半導体間の寄生容量を低減することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る半導体装置によれば、第1及び第2の半導体チップ部間を接続する接続配線と半導体間の寄生容量が低減するので、貼り合わせチップによる裏面照射型の固体撮像装置の高性能化を図ることができる。
【0022】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、第1及び第2の半導体チップ部間を接続する接続配線と半導体間の寄生容量を低減させることができ、貼り合わせチップによる高性能の裏面照射型の固体撮像装置を製造することができる。
【0023】
本発明に係る電子機器によれば、寄生容量を低減して高性能化を図った、貼り合わせチップによる裏面照射型の固体撮像装置を備えることにより、高品質のカメラ等の電子機器を提供することができる。
【0024】
本発明に係る半導体装置によれば、第1及び第2の半導体チップ部間を接続する接続配線と半導体間の寄生容量が低減するので、貼り合わせチップによる半導体集積回路装置の高性能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に適用されるMOS固体撮像装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】A〜C 本発明の実施の形態に係る固体撮像装置と従来例に係る固体撮像装置の模式図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図4】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その1)である。
【図5】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その2)である。
【図6】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その3)である。
【図7】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その4)である。
【図8】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その5)である。
【図9】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その6)である。
【図10】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その7)である。
【図11】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その8)である。
【図12】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その9)である。
【図13】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その10)である。
【図14】第1実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その11)である。
【図15】A,B 本発明に係る半導体除去領域の位置を示す概略平面図である。
【図16】本発明の第2実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図17】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その1)である。
【図18】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その2)である。
【図19】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その3)である。
【図20】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その4)である。
【図21】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その5)である。
【図22】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その6)である。
【図23】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その7)である。
【図24】第2実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その8)である。
【図25】本発明の第3実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図26】第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その1)である。
【図27】第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その2)である。
【図28】第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その3)である。
【図29】第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その4)である。
【図30】第3実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法例を示す製造工程図(その5)である。
【図31】本発明の第4実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図32】図31のA−A線上の概略断面図である。
【図33】図31のB−B線上の概略断面図である。
【図34】図31における第1の接続パッドを示す分解平面図である。
【図35】図31における第2の接続パッドを示す分解平面図である。
【図36】本発明の第5実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図37】本発明の第6実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図38】図37のA−A線上の概略断面図である。
【図39】本発明の第7実施の形態に係る固体撮像装置を示す要部の概略構成図である。
【図40】本発明の第8実施の形態に係る半導体装置を示す概略構成図である。
【図41】本発明の第9実施の形態に係る半導体装置を示す概略構成図である。
【図42】本発明の第10実施の形態に係る半導体装置を示す概略構成図である。
【図43】本発明に係る接続パッドのレイアウトを適用した固体撮像装置の他の例を示す概略構成図である。
【図44】図43の固体撮像装置における接続パッドのレイアウト例を示す概略平面図である。
【図45】本発明に係る接続パッドのレイアウトを適用した半導体装置の他の例を示す概略構成図である。
【図46】図45の半導体装置における接続パッドのレイアウト例を示す概略平面図である。
【図47】本発明に係る保護ダイオードを有する固体撮像装置の実施の形態を示す概略構成図である。
【図48】本発明に係る接続配線の領域の例を示す要部の概略断面図である。
【図49】図48のA−A線上の概略断面図である。
【図50】本発明に係る隣り合う接続導体の領域の例を示す要部の概略断面図である。
【図51】本発明に係る隣り合う貫通接続導体の領域構成例を示す要部の概略断面図である。
【図52】本発明に係る半導体チップ間の接続配線の、回路上の挿入位置の説明に供する模式的説明図である。
【図53】本発明の第11実施の形態に係る電子機器を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.MOS固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
3.第2実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
4.第3実施の形態(固体撮像装置の構成例とその製造方法例)
5.第4実施の形態(固体撮像装置の構成例)
6.第5実施の形態(固体撮像装置の構成例)
7.第6実施の形態(固体撮像装置の構成例)
8.第7実施の形態(固体撮像装置の構成例)
9.第8実施の形態(半導体装置の構成例)
10.第9実施の形態(半導体装置の構成例)
11.第10実施の形態(半導体装置の構成例)
12.第11実施の形態(電子機器の構成例)
【0027】
<1.MOS固体撮像装置の概略構成例>
図1に、本発明の半導体装置に適用されるMOS固体撮像装置の概略構成を示す。このMOS固体撮像装置は、各実施の形態の固体撮像装置に適用される。本例の固体撮像装置1は、図1に示すように、半導体基板11例えばシリコン基板に複数の光電変換部を含む画素2が規則的に2次元アレイ状に配列された画素アレイ(いわゆる画素領域)3と、周辺回路部とを有して構成される。画素2は、光電変換部となる例えばフォトダイオードと、複数の画素トランジスタ(いわゆるMOSトランジスタ)を有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば転送トランジスタ、リセットトランジスタ及び増幅トランジスタの3つのトランジスタで構成することができる。その他、選択トランジスタ追加して4つのトランジスタで構成することもできる。単位画素の等価回路は通常と同様であるので、詳細説明は省略する。画素2は、1つの単位画素として構成することができる。また、画素2は、共有画素構造とすることもできる。この画素共有構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有する1つのフローティングディフージョンと、共有する1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。すなわち、共有画素では、複数の単位画素を構成するフォトダイオード及び転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される。
【0028】
周辺回路部は、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8などを有して構成される。
【0029】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
【0030】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素アレイ3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換部となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム信号処理回路5に供給する。
【0031】
カラム信号処理回路5は、画素2の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム信号処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
【0032】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0033】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子12は、外部と信号のやりとりをする。
【0034】
図2に、本発明に係るMOS固体撮像装置の基本的な概略構成を示す。従来のMOS固体撮像装置151は、図2Aに示すように、1つの半導体チップ152内に、画素アレイ153と、制御回路154と、信号処理するためのロジク回路155とを搭載して構成される。通常、画素アレイ153と制御回路154でイメージセンサ156が構成される。これに対して、本発明の一実施の形態におけるMOS固体撮像装置20は、図2Bに示すように、第1の半導体チップ部22に画素アレイ23と制御回路24を搭載し、第2の半導体チップ部26に信号処理するための信号処理回路を含むロジック回路25を搭載する。この第1及び第2の半導体チップ部22及び26を相互に電気的に接続して1つの半導体チップとしてMOS固体撮像装置20が構成される。本発明の他の実施の形態におけるMOS固体撮像装置21は、図2Cに示すように、第1の半導体チップ部22に画素アレイ23を搭載し、第2の半導体チップ部26にと制御回路24、信号処理回路を含むロジック回路25を搭載する。この第1及び第2の半導体チップ部22及び26を相互に電気的に接続して1つの半導体チップとしてMOS固体撮像装置21が構成される。
【0035】
図示しないが、MOS固体撮像装置の構成によっては、2つ以上の半導体チップ部を貼り合わせて構成することもできる。例えば、上記の第1及び第2の半導体チップ部以外に、メモリ素子アレイを備えた半導体チップ部、その他の回路素子を備えた半導体チップ部などを追加して3つ以上の半導体チップ部を貼り合わせて、1つのチップとしたMOS固体撮像装置を構成することもできる。
【0036】
<2.第1実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図3に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第1実施の形態を示す。第1実施の形態に係る固体撮像装置28は、画素アレイ23と制御回路24が形成された第1の半導体チップ部22と、ロジック回路25が形成された第2の半導体チップ部26とが貼り合わされた積層半導体チップ27を有して構成される。第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26とは、互いの多層配線層41及び55が向かい合うようにして貼り合わされる。貼り合わせは、本例では保護膜42及び56を介して接着剤層57にてなされる。その他、プラズマ接合で貼り合わせることもできる。
【0037】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成され、この半導体除去領域52内において、第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26との間を接続する接続配線67が形成されて成る。半導体除去領域52は、画素アレイ23の各垂直信号線に相当する引き回し配線40dに接続される各接続配線67が形成される部分を包含する全体領域であり、図15Aに示すように、画素アレイ23の外側に形成される。半導体除去領域52は、いわゆる電極パッド領域に相当する。図15Aでは、半導体除去領域52が画素アレイ23の垂直方向の外側に形成される。
【0038】
第1の半導体チップ部22は、薄膜化された第1の半導体基板31に、光電変換部となるフォトダイオード(PD)と複数の画素トランジスタTr1、Tr2からなる画素アレイ23と、MOSトランジスタTr3、Tr4からなる制御回路24が形成される。画素トランジスタTr1及びTr2、MOSトランジスタTr3及びTr4は、それぞれ代表して示している。半導体基板31の表面31a側には、層間絶縁膜39を介して複数、本例では3層のメタルM1〜M3による配線40[40a,40b,40c]を配置した多層配線層41が形成される。画素トランジスタTr1、Tr2及び制御回路24のMOSトランジスタTr3、Tr4については、後の製造方法で詳細に説明される。
【0039】
第2の半導体チップ部26は、第2の半導体基板45に、MOSトランジスタTr6〜Tr8からなるロッジク回路25が形成される。半導体基板45の表面45a側には、層間絶縁膜49を介して複数、本例では3層のメタルM11〜M13による配線53[53a,53b,53c]を配置した多層配線層55が形成される。MOSトランジスタTr6〜Tr8については、後の製造方法で詳細に説明される。
【0040】
第1の半導体チップ部22の半導体除去領域52では、第1の半導体基板31の全てが例えばエッチングにより除去されている。半導体除去領域31の底面、側面から半導体基板の表面に延長して、例えばシリコン酸化(SiO2)膜58とシリコン窒化(SiN)膜59による積層絶縁膜61が形成される。積層絶縁膜61は、半導体除去領域52の凹部の側面に露出する半導体基板31を保護する保護用絶縁膜であり、かつ画素における反射防止膜を兼ねている。
【0041】
半導体除去領域52では、シリコン窒化膜59から第1の半導体チップ部22における多層配線層41の所要の配線、本例では3層目メタルM3による引き回し配線40dに電気的に繋がる第1の接続パッド65に達する接続孔64が形成される。また、第1の半導体チップ部22の多層配線層41を貫通して第2の半導体チップ部26における多層配線層55の所要の配線、本例では3層目メタルM13による引き回し配線53dに電気的に繋がる第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62が形成される。
【0042】
接続配線67は、接続孔64,62内に埋め込まれて第1の接続パッド65に電気的に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に電気的に接続する貫通接続導体69と、両導体68及び69の上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。
【0043】
第1の半導体チップ部22のフォトダイオード34の光入射面となる裏面31b側上に遮光を必要とする領域を覆う遮光膜72が形成される。さらに遮光膜72を覆うように平坦化膜73が形成され、平坦化膜73上に各画素に対応してオンチップカラーフィルタ74が形成され、その上にオンチップマイクロレンズ75が形成され、裏面照射型の固体撮像装置28が構成される。接続配線67の外部に露出する連結導体71が、外部配線とボンディングワイヤを介して接続するための電極パッドとなる。
【0044】
[固体撮像装置の製造方法例]
図4〜図14に、第1実施の形態に係る固体撮像装置28の製造方法を示す。
先ず、図4に示すように、第1の半導体ウェハ(以下、半導体基板という)31の各チップ部となる領域に半製品状態のイメージセンサ、すなわち画素アレイ23と制御回路24を形成する。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)31の各チップ部となる領域に、各画素の光電変換部となるフォトダイオード(PD)を形成し、半導体ウェル領域32に各画素トランジスタのソース/ドレイン領域33を形成する。半導体ウェル領域32は、第1導電型、例えばp型の不純物を導入して形成し、ソース/ドレイン領域33は、第2導電型、例えばn型の不純物を導入して形成する。フォトダイオード(PD)及び各画素トランジスタのソース/ドレイン領域33は、基板表面からのイオン注入で形成する。
【0045】
フォトダイオード(PD)は、n型半導体領域34と基板表面側のp型半導体領域35を有して形成される。画素を構成する基板表面上にはゲート絶縁膜を介してゲート電極36を形成し、ゲート電極36と対のソース/ドレイン領域33により画素トランジスタTr1、Tr2を形成する。図4では、複数の画素トランジスタを、2つの画素トランジスタTr1、Tr2で代表して示す。フォトダイオード(PD)に隣接する画素トランジスタTr1が転送トランジスタに相当し、そのソース/ドレイン領域がフローティングディフージョン(FD)に相当する。各単位画素30が素子分離領域38で分離される。素子分離領域38は、例えば基板に形成した溝内にSiO膜等の絶縁膜を埋め込んでなるSTI(Shallow Trench Isolation)構造に形成される。
【0046】
一方、制御回路24側では、半導体基板31に制御回路を構成するMOSトランジスタを形成する。図4では、MOSトランジスタTr3、Tr4で代表して、制御回路23を構成するMOSトランジスタを示す。各MOSトランジスタTr3、Tr4は、n型のソース/ドレイン領域33と、ゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極36とのより形成される。
【0047】
次いで、半導体基板31の表面上に、1層目の層間絶縁膜39を形成し、その後、層間絶縁膜39に接続孔を形成し、所要のトランジスタに接続する接続導体44を形成する。高さの異なる接続導体44の形成に際しては、トランジスタ上面を含む全面に第1絶縁薄膜膜43a、例えばシリコン酸化膜と、エッチングストッパとなる第2絶縁薄膜膜43b、例えばシリコン窒化膜を積層する。この第2絶縁薄膜43b上に1層目の層間絶縁膜39を形成する。そして、1層目の層間絶縁膜39に深さの異なる接続孔をエッチングストッパとなる第2絶縁薄膜43bまで選択的に形成する。次いで、各接続孔に連続するように、各部で同じ膜厚の第1絶縁薄膜43a及び第2絶縁薄膜43bを選択エッチングして接続孔を形成する。そして、各接続孔に接続導体44を埋め込む。
【0048】
次いで、各接続導体44に接続するように、層間絶縁膜39を介して複数層、本例では3層のメタルM1〜M3による配線40[40a、40b、40c]を形成して多層配線層41を形成する。配線40は、銅(Cu)で形成する。通常、各銅の配線は、Cu拡散を防止するバリアメタル膜で覆われる。このため、多層配線層41上に銅の配線40のキャップ膜、いわゆる保護膜42を形成する。これまでの工程で、半製品状態の画素アレイ23及び制御回路24を有する第1の半導体基板31を形成する。
【0049】
一方、図5に示すように、第2の半導体基板(半導体ウェハ)45の各チップ部となる領域に、半製品状態の信号処理するための信号処理回路を含むロジック回路25を形成する。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)45の表面側のp型の半導体ウェル領域46に、素子分離領域50で分離されるようにロジック回路を構成する複数のMOSトランジスタを形成する。ここでは、複数のMOSトランジスタを、MOSトランジスタTr6,Tr7、Tr8で代表する。各MOSトランジスタTr6、Tr7 、Tr8は、それぞれ1対のn型のソース/ドレイン領域47と、ゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極48を有して形成される。ロジック回路25では、CMOSトランジスタで構成することができる。素子分離領域50は、例えば基板に形成した溝内にSiO膜等の絶縁膜を埋め込んでなるSTI構造に形成される。
【0050】
次いで、半導体基板45の表面上に、1層目の層間絶縁膜49を形成し、その後、層間絶縁膜49に接続孔を形成し、所要のトランジスタに接続する接続導体54を形成する。高さの異なる接続導体54の形成に際しては、前述と同様に、トランジスタ上面を含む全面に第1絶縁薄膜膜43a、例えばシリコン酸化膜と、エッチングストッパとなる第2絶縁薄膜膜43b、例えばシリコン窒化膜を積層する。この第2絶縁薄膜43b上に1層目の層間絶縁膜49を形成する。そして、1層目の層間絶縁膜39に深さの異なる接続孔をエッチングストッパとなる第2絶縁薄膜43bまで選択的に形成する。次いで、各接続孔に連続するように、各部で同じ膜厚の第1絶縁薄膜43a及び第2絶縁薄膜43bを選択エッチングして接続孔を形成する。そして、各接続孔に接続導体44を埋め込む。
【0051】
次いで、各接続導体54に接続するように、層間絶縁膜49を介して複数層、本例では3層のメタルM11〜M13による配線53[53a、53b,53c]を形成して多層配線層55を形成する。配線53は、銅(Cu)で形成する。上述と同様に、層間絶縁膜49上に銅の配線53のキャップ膜、いわゆる保護膜56を形成する。これまでの工程で、半製品状態のロジック回路25を有する第2の半導体基板45を形成する。
【0052】
次に、図6に示すように、第1の半導体基板31と第2の半導体基板45とを、互いの多層配線層41及び55が向き合うように、貼り合わせる。貼り合わせは、例えばプラズマ接合と、接着剤による接合がある。本例では接着剤で貼り合わせる。接着剤を用いる場合は、図7に示すように、第1及び第2の半導体基板31及び45の接合面の一方に接着剤層58を形成し、この接着剤層58を介して重ね合わせて両者を接合する。すなわち、第1及び第2の半導体基板31及び45を貼り合わせる。
【0053】
なお、プラズマ接合の場合は、図示しないが、第1の半導体ウェハ31と第2の半導体ウェハ45の接合面に、それぞれプラズマTEOS膜、プラズマSiN膜、SiON膜(ブロック膜)、あるいはSiC膜などの膜を形成する。この膜が形成された接合面をプラズマ処理して重ね合わせ、その後アニール処理して両者を接合する。貼り合わせ処理は、配線などに影響を与えない400℃以下の低温プロセスで行うことが好ましい。
【0054】
次に、図8に示すように、第1の半導体基板31の裏面31b側から研削、研磨して第1の半導体基板31を薄膜化する。この薄膜化は、フォトダイオード(PD)が臨むように行われる。薄膜化した後、フォトダイオード(PD)の裏面に暗電流抑制のためのp型半導体層を形成する。半導体基板31の厚さは例えば600μm程度あるが、例えば3〜5μm程度まで薄膜化する。従来、このような薄膜化は、別途用意した支持基板を貼り合わせて行われていた。しかし、本実施の形態では、ロジック回路25が形成された第2の半導体基板45を支持基板に兼用して第1の半導体基板31の薄膜化が行われる。この第1の半導体基板31の裏面31bが裏面照射型の固体撮像装置として構成されたときの、光入射面となる。
【0055】
次に、図9に示すように、貼り合わされた第1及び第2の半導体基板31及び45において、完成後の第1の半導体チップ部となる領域の一部の半導体部分、すなわち一部の半導体基板31の全てを除去して半導体除去領域52を形成する。この半導体除去領域52は、画素アレイの各垂直信号線に相当する引き回し配線40dに接続される各接続配線が形成される部分を包含する全体領域であり、図15Aに示すように、画素アレイ23の外側に形成される。図15Aでは、半導体除去領域52は画素アレイ23の垂直方向の外側に形成される。
【0056】
次に、図10に示すように、半導体除去領域52の内面から制御回路24及び画素アレイ23の裏面(光入射面)にわたって、シリコン酸化(SiO2)膜58及びシリコン窒化(SiN)膜59の積層絶縁膜61を被着形成する。積層絶縁膜61は、半導体除去領域52の半導体側面の保護膜となると共に、画素アレイ23での反射防止膜を兼ねている。
【0057】
次に、図11に示すように、半導体除去領域52において、積層絶縁膜61から第1の半導体基板31の多層配線層41を貫通して第2の半導体基板45の多層配線層55の所要の配線53に繋がる第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62を形成する。本例の貫通接続孔62は、多層配線層の最上層、すなわち3層目メタルM13による配線53dに電気的に繋がる第2の接続パッド63に達する。貫通接続孔62は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第2の接続パッド63に繋がる3層目メタルM13による配線53dは、垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第2の接続パッド63は、3層目メタルM13で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線53dに連続して形成される。
【0058】
次に、図12に示すように、半導体除去領域52において、積層絶縁膜61から第1の半導体基板31の多層配線層41の所要の配線40に繋がる第1の接続パッド65に達する接続孔64を形成する。本例では、多層配線層41の3層目メタルM3による配線40dに電気的に繋がる第1の接続パッド65に達する接続孔64を形成する。接続孔64は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第1の接続パッド65に繋がる3層目メタルM3による配線40dは、垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第1の接続パッド65は、3層目メタルM3で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線40dに連続して形成される。
【0059】
次に、図13に示すように、第1の接続パッド65と第2の接続パッド63を電気的に接続する接続配線67を形成する。すなわち、両接続孔62及び64内に埋め込まれるように、第1の半導体基板31の裏面上にわたって導電膜を形成した後、エッチバック、パターニングを行って接続配線67を形成する。接続配線67は、接続孔64内に埋め込まれて第1の接続パッド65に接続する接続導体68と、貫通接続孔62内に埋め込まれて第2の接続パッドに接続する貫通接続導体69を有する。さらに、接続配線67は、半導体除去領域の露出する底面上に在って接続導体68と貫通接続導体69とを電気的に連結する連結導体71とを有する。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は同じ金属で一体に形成される。接続配線67は、バリアメタル(TiNなど)を介したタングステン(W)、あるいはアルミニウム(Al)、金(Au)などのパターニング可能な金属で形成することができる。
【0060】
次に、図14に示すように、遮光すべき領域上に遮光膜72を形成する。遮光膜72は、図では模式的に制御回路24上に形成しているが、その他、画素トランジスタ上にも形成することができる。遮光膜72としては、例えばタングステン(W)などの金属を用いることができる。この遮光膜72を被覆するように、画素アレイ23上にわたって平坦化膜73を形成する。さらに、平坦化膜73上に各画素に対応して、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のオンチップカラーフィルタ74を形成し、その上にオンチップマイクロレンズ75を形成する。第1の半導体基板31においては、画素アレイ23、制御回路25が完成品状態となる。接続配線67の連結導体71は、外部に露出した電極パッドとなる。第2の半導体基板45においては、ロジック回路25が完成品状態となる。
【0061】
次いで、各チップに分割して、図3に示す目的の裏面照射型の固体撮像装置28を得る。この固体撮像装置28は、接続配線67の連結導体71による電極パッドに対して、ワイヤボンディングにて外部配線に接続される。
【0062】
第1実施の形態に係る固体撮像装置及びその製造方法によれば、第1の半導体チップ部22に画素アレイ23及び制御回路24を形成し、第2の半導体チップ部26に信号処理するロジック回路25を形成している。このように画素アレイの機能とロジック機能を異なるチップ部に形成して貼り合わせた構成であるので、画素アレイ23、ロジック回路25のそれぞれに最適なプロセス技術を用いることができる。従って、画素アレイ23、ロジック回路25のそれぞれの性能を十分に発揮させることができ、高性能の固体撮像装置を提供することができる。
【0063】
そして、本実施の形態では、特に、第1の半導体チップ部22の一部、すなわち接続導体及び貫通接続導体が形成される領域の半導体部分を全て除去している。この半導体部分が除去された半導体除去領域52内に、接続導体68及び貫通接続導体69が形成されるので、接続導体68及び貫通接続導体69と半導体基板31との間の寄生容量が低減し、固体撮像装置のより高性能化を図ることができる。
【0064】
図2Cの構成を採用すれば、第1の半導体チップ部22側には光を受ける画素アレイ23を形成するだけで良く、制御回路24及びロジック回路25は分離して第2の半導体チップ部26に形成することができる。これによって、それぞれの半導体チップ部22,26の製造に最適なプロセス技術を独立して選択することがきると共に、製品モジュールの面積も削減することができる。
【0065】
第1実施の形態では、画素アレイ23及び制御回路24を有する第1の半導体基板31とロジック回路25を有する第2の半導体基板45を共に半製品状態で貼り合わせ、第1の半導体基板31を薄膜化している。つまり、第2の半導体基板45を、第1の半導体基板31の薄膜化の際の支持基板として用いている。これによって、部材の節約、製造工程の節減を図ることができる。
【0066】
本実施の形態では、第1の半導体基板31を薄膜化し、さらに半導体部分が除去された半導体除去領域52内に貫通接続孔62及び接続孔64の形成を行うので、孔のアスペクト比が小さくなり、高精度に接続孔62及び64を形成することができる。従って、高性能の固体撮像装置を高精度に製造することができる。
【0067】
<3.第2実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図16に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第2実施の形態を示す。第2実施の形態に係る固体撮像装置78は、画素アレイ23と制御回路24が形成された第1の半導体チップ部22と、ロジック回路25が形成された第2の半導体チップ部26とが貼り合わされた積層半導体チップ27を有して構成される。第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26とは、互いの多層配線層41及び55が向かい合うようにして貼り合わされる。
【0068】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成され、半導体除去領域52の内面から半導体基板31の裏面31b上に延長する積層絶縁膜61が形成される。この半導体除去領域内に、半導体基板31上の積層絶縁膜の表面と面一となる平坦化された絶縁膜77が形成される。絶縁膜77は、積層絶縁膜61の表面側のシリコン窒化膜59とエッチングレートの異なる、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜で形成される。
【0069】
そして、この絶縁膜77を通してそれぞれ第1の接続パッド65及び第2の接続パッド63に達する接続孔64及び貫通接続孔62が形成され、この両接続孔64,62を通じて第1及び第2の接続パッド65及び63間を接続する接続配線67が形成される。接続配線67は、接続孔64,62内を埋め込むように第1の接続パッド65に電気的に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に電気的に接続する貫通接続導体69と、両導体68及び69を上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、所要の金属により一体的に形成される。連結導体71は、平坦化された絶縁膜77上に形成される。
【0070】
その他の構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図3と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0071】
[固体撮像装置の製造方法例]
図17〜図24に、第2実施の形態に係る固体撮像装置78の製造方法を示す。
図17は、前述した第1実施の形の固体撮像装置28の製造工程における図10と同じ構造である。図17に至る工程は、前述の図4から図10までの工程と同じであるため、詳細説明を省略する。
【0072】
図17の工程では、半導体除去領域52の内面から制御回路24及び画素アレイ23の裏面(光入射面)にわたって、シリコン酸化(SiO2)膜58及びシリコン窒化(SiN)膜59の積層絶縁膜61を被着形成する。
【0073】
次に、図18に示すように、半導体除去部領域52内を埋め込むように半導体基板31の裏面全面に、例えばシリコン酸化膜などの絶縁膜77を堆積する。
【0074】
次に、図19に示すように、絶縁膜77を所要の厚さまで化学機械研磨(CMP)法により研磨する。
【0075】
次に、図20に示すように、絶縁膜77を、フッ酸によるウェットエッチング法によりシリコン窒化膜59までエッチングしてシリコン窒化膜59と面一となるように平坦化する。このとき、シリコン窒化膜59は、エッチングストッパ膜となる。
【0076】
次に、図21に示すように、半導体除去領域52において、絶縁膜77及び多層配線層41を貫通して第2の半導体基板45の多層配線層55の所要の配線53dに繋がる第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62を形成する。本例の貫通接続孔62は、前述と同様に、多層配線層55の最上層、すなわち3層目メタルM13による配線53dに電気的に繋がる第2の接続パッド63に達する。貫通接続孔62は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第2の接続パッド63に繋がる3層目メタルM13による配線53dは垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第2の接続パッド63は、3層目メタルM13で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線53dに連続して形成される。
【0077】
次に、図22に示すように、半導体除去領域52において、絶縁膜77から第1の接続パッド65に達する接続孔64を形成する。本例の接続孔64は、多層配線層41の3層目メタルM3による配線40dに電気的に繋がる第2の接続パッド65に達する。接続孔64は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第1の接続パッド65に繋がる3層目メタルM3による配線40dは、垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第1の接続パッド65は、3層目メタルM3で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線40dに連続して形成される。
【0078】
次に、図23に示すように、第1の接続パッド65と第2の接続パッド63を電気的に接続する接続配線67を形成する。すなわち、両接続孔62及び64内に埋め込まれるように、絶縁膜77上及び第1の半導体基板31の裏面上の全面に導電膜を形成した後、エッチバック、パターニングを行って接続配線67を形成する。接続配線67は、接続孔64内に埋め込まれて第1の接続パッド65に接続する接続導体68と、貫通接続孔62内に埋め込まれて第2の接続パッドに接続する貫通接続導体69を有する。さらに、接続配線67は、平坦化されている絶縁膜77上に在って接続導体68と貫通接続導体69とを電気的に連結する連結導体71を有する。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、導電膜として同じ金属膜で一体に形成することができる。接続配線67は、バリアメタル(TiNなど)を介したタングステン(W)、あるいはアルミニウム(Al)、金(Au)などのパターニング可能な金属で形成することができる。
【0079】
次に、図24に示すように、遮光すべき領域上に遮光膜72を形成する。遮光膜72は、図では模式的に制御回路24上に形成しているが、その他、画素トランジスタ上にも形成することができる。遮光膜72としては、例えばタングステン(W)などの金属を用いることができる。この遮光膜72を被覆するように、画素アレイ23上にわたって平坦化膜73を形成する。さらに、平坦化膜73上に各画素に対応して、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のオンチップカラーフィルタ74を形成し、その上にオンチップマイクロレンズ75を形成する。第1の半導体基板31においては、画素アレイ23、制御回路25が完成品状態となる。接続配線67の連結導体71は、外部に露出した電極パッドとなる。第2の半導体基板45においては、ロジック回路25が完成品状態となる。
【0080】
次いで、各チップに分割して、図16に示す目的の裏面照射型の固体撮像装置78を得る。
【0081】
第2実施の形態に係る固体撮像装置78及びその製造方法によれば、第1の半導体チップ部22の一部、すなわち接続導体68及び貫通接続導体69が形成される領域の半導体部分を全て除去し、その除去された半導体除去領域52内に絶縁膜77が埋め込まれる。この絶縁膜77に形成された接続孔64、貫通接続孔62内に接続導体68、貫通接続導体69が埋め込まれるので、接続導体68,69が絶縁膜77により半導体基板31側面から離れ、接続導体68、69と半導体基板31間の寄生容量を低減することができる。また、半導体除去領域52内が絶縁膜77で埋め込まれるので、半導体除去領域52の側壁に臨む半導体基板31の面を、積層絶縁膜61と協同して機械的に確実に保護することができる。従って、固体撮像装置のより高性能化を図ることができる。
【0082】
本実施の形態では、第1の半導体基板31を薄膜化して貫通接続孔62及び接続孔64の形成を行うので、孔のアスペクト比が小さくなり、高精度に接続孔62及び64を形成することができる。従って、高性能の固体撮像装置を高精度に製造することができる。
【0083】
その他、説明を省略するが、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0084】
<4.第3実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図25に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第3実施の形態を示す。第3実施の形態に係る固体撮像装置82は、画素アレイ23と制御回路24が形成された第1の半導体チップ部22と、ロジック回路25が形成された第2の半導体チップ部26とが貼り合わされた積層半導体チップ27を有して構成される。第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26とは、互いの多層配線層41及び55が向かい合うようにして貼り合わされる。
【0085】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成され、半導体除去領域52の内面から半導体基板31の裏面上に延長する積層絶縁膜61が形成される。この半導体除去領域52内に半導体基板31上の積層絶縁膜61の表面と面一となる平坦化された絶縁膜77が形成され、さらに絶縁膜77の接続配線67に対応する部分に表面から所要の深さの凹部81が形成される。絶縁膜77は、積層絶縁膜61の表面側のシリコン窒化膜59とエッチングレートの異なる例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜で形成される。
【0086】
そして、この凹部81下の絶縁膜77を通してそれぞれ第1の接続パッド65及び第2の接続パッド63に達する接続孔64及び貫通接続孔62が形成される。この両接続孔64及び62を通じて第1及び第2の接続パッド65及び63間を接続する接続配線67が形成される。接続配線67は、接続孔64,62内を埋め込むように第1の接続パッド65に電気的に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に電気的に接続する貫通接続導体69と、両導体68及び69を上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、所要に金属により一体的に形成される。連結導体71は、絶縁膜77の凹部81内に埋め込まれ、連結導体71の表面が絶縁膜77の表面と面一となるように形成される。
【0087】
その他の構成は、第1実施の形態で説明したと同様であるので、図3と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0088】
[固体撮像装置の製造方法例]
図26〜図30に、第3実施の形態に係る固体撮像装置82の製造方法を示す。
図26は、前述した第2実施の形の固体撮像装置78の製造工程における図20と同じ構造である。図26に至る工程は、前述の図4から図10を経てさらに図17から図20までの工程と同じであるため、詳細説明を省略する。
【0089】
図26の工程では、半導体除去領域52内に埋め込むように絶縁膜77が堆積された後、絶縁膜77の表面を化学機械研磨(CMP)及びウェットエッチングにより、積層絶縁膜61の表面と面一になるように平坦化する。
【0090】
次に、図27に示すように、絶縁膜77の表面側に、接続配線67を形成すべき領域に対応して、表面から所要の深さの凹部81を形成する。
【0091】
次に、図28に示すように、凹部81下の絶縁膜77及び多層配線層41を貫通して第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62を形成する。本例の貫通接続孔62は、前述と同様に、第2の半導体チップ部26の多層配線層55の最上層のメタル、すなわち3層目メタルM13の配線53dに電気的に繋がる第2の接続パッド63に達する。貫通接続孔62は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第2の接続パッド63に繋がる配線53dは、垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第2の接続パッド63は、3層目メタルM13で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線53dに連続して形成される。
【0092】
さらに、半導体除去領域52において、凹部81下の絶縁膜77から第1の接続パッド65に達する接続孔64を形成する。本例の接続孔64は、第1の半導体チップ部22の多層配線層41の3層目メタルM3による配線40dに電気的に繋がる第2の接続パッド65に達する。接続孔64は、画素アレイ23の各垂直信号線に対応する数だけ複数形成される。第1の接続パッド65に繋がる3層目のメタル配線40cは、垂直信号線に相当する引き回し配線となる。図示の例では、第1の接続パッド65は、3層目メタルM3で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線40dに連続して形成される。
【0093】
次に、図29に示すように、第1の接続パッド65と第2の接続パッド63を電気的に接続する接続配線67を形成する。すなわち、凹部81内及び両接続孔62、64内に埋め込まれるように、絶縁膜77上及び1の半導体基板31の裏面上の全面に導電膜を形成した後、エッチバックを行って接続配線67を形成する。接続配線67は、接続孔64内に埋め込まれて第1の接続パッド65に接続する接続導体68と、貫通接続孔62内に埋め込まれて第2の接続パッドに接続する貫通接続導体69を有する。さらに、接続配線67は、接続導体68と貫通接続導体69とを電気的に連結する連結導体71を有する。連結導体71は、凹部81内に埋め込まれて絶縁膜77の表面と面一となるように平坦化される。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、導電膜として同じ金属膜で一体に形成することができる。接続配線67は、エッチバックで形成されるので、銅(Cu)で形成することができる。接続配線67は、バリアメタル(TiNなど)を介したタングステン(W)、あるいはアルミニウム(Al)、金(Au)などの金属で形成することができる。
【0094】
次に、図30に示すように、遮光すべき領域上に遮光膜72を形成する。遮光膜72は、図では模式的に制御回路24上に形成しているが、その他、画素トランジスタ上にも形成することができる。遮光膜72としては、例えばタングステン(W)などの金属を用いることができる。この遮光膜72を被覆するように、画素アレイ23上にわたって平坦化膜73を形成する。さらに、平坦化膜73上に各画素に対応して、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のオンチップカラーフィルタ74を形成し、その上にオンチップマイクロレンズ75を形成する。第1の半導体基板31においては、画素アレイ23、制御回路25が完成品状態となる。接続配線67の連結導体71は、外部に露出した電極パッドとなる。第2の半導体基板45においては、ロジック回路25が完成品状態となる。
【0095】
次いで、各チップに分割して、図25に示す目的の裏面照射型の固体撮像装置82を得る。
【0096】
第3実施の形態に係る固体撮像装置及びその製造方法によれば、第1の半導体チップ部22の一部、すなわち接続導体68及び貫通接続導体69が形成される領域の半導体部分を全て除去し、その除去された半導体除去領域52内に絶縁膜77が埋め込まれる。さらに、この絶縁膜77に凹部81が形成され、凹部81下の絶縁膜77に形成された接続孔64及び貫通接続孔62内に接続導体68及び貫通接続導体69が埋め込まれる。これにより、両接続導体68,69が絶縁膜77により半導体基板31側面から離れ、両接続導体68,69と半導体基板31間の寄生容量を低減することができる。また、半導体除去領域52内が絶縁膜77で埋め込まれるので、半導体除去領域52の側壁に臨む半導体基板31の面を、積層絶縁膜61と協同して機械的に確実に保護することができる。従って、固体撮像装置のより高性能化を図ることができる。
【0097】
連結導体71が絶縁膜77の凹部81内に埋め込まれ、連結導体71が絶縁膜77の表面と面一となるように平坦化されるので、表面段差の少ない固体撮像装置を形成することができる。
【0098】
第3実施の形態では、第1の半導体基板31を薄膜化し、さらに絶縁膜77に凹部81を形成して貫通接続孔62及び接続孔64の形成を行うので、孔のアスペクト比がより小さくなり、高精度に接続孔62及び64を形成することができる。従って、高性能の固体撮像装置を高精度に製造することができる。
【0099】
その他、説明を省略するが、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0100】
上述の第2、第3実施の形態では、図2Cの構成を採用することもできる。
【0101】
上述の各実施の形態では、2つの半導体チップ部22及び26を貼り合わせた構成である。さらに、本発明の固体撮像装置は、2つ以上の半導体チップ部を貼り合わせた構成とすることもできる。2つ以上の半導体チップ部を貼り合わせた構成においても、画素アレイ23を有する第1の半導体チップ部22と、信号処理するためのロジック回路25を有する第2の半導体チップ部26間の接続部分では、半導体部分を全て除去した上述の構成が適用される。
【0102】
前述した半導体チップ部を貼り合わせ構造では、対グランド容量、対隣接カップリング容量などの寄生容量が生じる。特に、接続導体68及び貫通接続導体69は表面積が大きいので、隣接する列の接続導体間、あるいは隣接する列の引き回し配線間での隣接カップリング容量を低減させることが望まれる。ここでの接続導体間とは、接続導体68及び貫通接続導体69を対としたときの、隣接する対同士の接続導体間を指す。一方、第1の接続パッド65の面積及びピッチ、第2の接続パッド63の面積及びピッチは、画素面積及び画素ピッチに比べて大きいので、実用に供し得るレイアウトが望まれる。
【0103】
次に、対隣接カップリング容量の低減を図り、かつ実用に供し得るレイアウトを可能にした実施の形態を説明する。
【0104】
<5.第4実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図31〜図35に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第4実施の形態を示す。同図は、特に、第1及び第2の半導体チップ部間を電気的に接続する接続パッドを含む配線接続部分のレイアウトのみを示す。図31は接続パッドアレイの平面図、図32は図31のA−A線上の断面図、図33は図31のB−B線上の断面図である。図34及び図35は図31の分解平面図である。
【0105】
第4実施の形態に係る固体撮像装置84は、前述と同様に、2つの半導体チップ部22、26が貼り合わされ、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分が除去され、その半導体除去領域52内で接続配線67を介して両半導体チップ部22、26間が接続される。本実施の形態において、上記配線接続部分のレイアウトを除く他の構成は、前述の各実施の形態のいずれかの構成を適用できるので、詳細説明を省略する。
【0106】
第4実施の形態においては、第1の半導体チップ部22における多層配線層41の配線40[40a、40b、40c、40d]が複数層、本例では4層のメタルM1〜M4で形成される。第1の接続パッド65は、1層目のメタルM1で形成され、垂直信号線に相当する引き回し配線40dは2層目以降のメタルで形成される。本例では、垂直信号線に相当する引き回し配線40dが4層目のメタルM4で形成される。また、第2の半導体チップ部26における多層配線層55の配線53[53a、53b、53c、53d]が複数層、本例では4層のメタルM11〜M14で形成される。第2の接続パッド63は2層目以降、例えば3層目または4層目、本例では最上層の4層目のメタルM14で形成される。垂直信号線に相当する引き回し配線53dは、接続パッド63のメタルM14より下層のメタル、本例では1層目のメタルM11で形成される。第1の半導体チップ部22において、1層目のメタルで形成された第1の接続パッド65は、2層目、3層目のメタルによる接続部85及びビア導体86を介して4層目のメタルによる引き回し配線40dと電気的に接続される。第2の半導体チップ部26において、4層目のメタルで形成された第2の接続パッド63は、3層目、2層目のメタルによる接続部87及びビア導体88を介して1層目のメタルによる引き回し配線53dと電気的に接続される。
【0107】
第2の接続パッド63は、第1、第2の半導体チップ部22,26での貼り合わせの位置ずれを考慮して、第1の接続パッド65より広い面積で形成される。対をなす第1及び第2の接続パッド65及び63を纏めて、接続パッド対89という。
【0108】
通常は、画素ピッチ毎に垂直信号線を配置しているが、画素ピッチが微細化されると、接続パッド対89のピッチが相対的に画素ピッチより大きくなり、配線が困難になる。同時に、垂直信号線が密に配置され、垂直信号線間の隣接カップリング容量が大きくなり、不都合を生じる。本実施の形態は、それを回避するようにした接続配線及び垂直信号線のレイアウトである。1つの垂直信号線、あるいは1つの接続導体、あるいは1つの貫通接続導体における、対グランド容量は、20fF以下にすることが望まれる。また、隣接カップリング容量は、ストリーキング現象を回避するために、対グランド容量の約1/10以下、つまり2fF以下にすることが望まれる。
【0109】
第1及び第2の接続パッド65、63は、平面上から見て八角形、好ましくは正八角形に形成される。接続パッド対89を構成する第1及び第2の接続パッドは、水平方向に配列される。この接続パッド対89は、各列の引き回し配線40d,53dが配列される水平方向に沿って複数配列され、かつ垂直方向に複数段、本例では4段配列される。すなわち、両半導体チップ部22及び26の配線接続部分では、それぞれ正八角形をなす第1及び第2の接続パッド65及び63が水平方向及び垂直方向に交互に配列される。ここに、接続パッド対89を水平方向に複数配列すると共に、垂直方向に4段配列して成る接続パッドアレイ91が構成される。ここで、八角形を定義する。八角形の第1の接続パッド65は、引き回し配線40dとの接続に供するために、一部突出する接続用の突出部65aを一体に有する場合もある(図32参照)。この場合の形状は、突出量が全体の八角形の形状から見て僅かであるので、八角形の範疇に入る。
【0110】
接続パッドアレイ91では、第1、第2の接続パッド65、63が平面上から見て、例えば稠密に配列される。第1、第2の接続パッド65,63は互いに一部が重なるように配置することも可能である。第1、第2の接続パッド65,63にそれぞれ接続導体68、貫通接続導体69接続され、両接続導体68及び69間を連結する連結導体71を含む接続配線67を介して第1及び第2の半導体チップ部22及び26が電気的に接続される。接続導体68、貫通接続導体69は、それぞれその横断面形状を対応する接続パッド65、63の平面形状と同じ八角形となるように形成することができる。本例の接続配線67は、第3実施の形態と同様に形成される。すなわち、半導体除去領域52内に絶縁膜77が埋め込まれ、絶縁膜77を貫通するように接続導体65、貫通接続導体63が形成され、連結導体71の表面が絶縁膜77の表面と面一となるように平坦化される。
【0111】
本実施の形態では、各4列の垂直信号線に相当する引き回し配線40d、53dが、各4段の接続パッド対89の第1、第2の接続パッド65、63にそれぞれ接続されて構成される。第1の半導体チップ部22では、第1の接続パッド65が1層目のメタルM1で形成され、各引き回し配線40dがそれ以外の層のメタル、本例では4層目のメタルM4で形成される。このため、引き回し配線40dは、第1の接続パッド65の下を横切るように配線でき、隣り合う引き回し配線40d間の距離を広げることができる。同様に、第2の半導体チップ部26では、第2の接続パッド63が4層目のメタルM14で形成され、各引き回し配線53dがそれ以外の層のメタル、本例では1層目のメタルM11で形成される。このため、引き回し配線53dは、第2の接続パッド63の下を横切るように配線できるので、隣り合う引き回し配線53d間の距離を広げることができる。
【0112】
本実施の形態では、接続パッド対89の水平方向の1ピッチP内に、垂直方向の接続パッド対89の複数段に対応した複数列の垂直信号線が配列されるようにレイアウトされる。図31では、接続パッド対89の1ピッチP内に、垂直方向の接続パッド対89の4段に対応した各4列の垂直信号線に相当する引き回し配線40d、53dが配列されるようにレイアウトされる。
【0113】
第4実施の形態に係る固体撮像装置84によれば、第1、第2の接続パッド65、63の平面形状が八角形に形成され、この第1、第2の接続パッド65、63が水平、垂直方向に交互に稠密に配列された接続パッドアレイ91が形成される。すなわち、両半導体チップ部22、26の配線接続部分に、稠密の接続パッドアレイ91が形成される。接続パッドアレイ91の各4段の接続パッド対89に対して各4列の垂直信号線に相当する引き回し配線40d、52dが接続されるので、隣り合う引き回し配線40d間、引き回し配線53d間の間隔が広がり、隣接カップリング容量を低減することができる。また、隣り合う接続導体対間には絶縁膜77が存在するので、接続導体対間における隣接カップリング容量も低減することができる。
【0114】
第1の半導体チップ部22では、接続導体68が1層目のメタルM1による接続パッド65に接続するようにしているので、接続孔の深さが短くなり、接続孔の加工がしやすくなり、また接続導体68の埋め込みがしやすくなる。
【0115】
接続パッド対89では、第1の半導体チップ部22側の接続パッド65の面積に比較して、第2の半導体チップ部26の接続パッド63の面積が大きく形成される。第1の半導体チップ部22における接続孔64と、接続パッド65との位置は、第1の半導体チップ部22に形成されているアライメントマークを基準に正確に合わせることができる。一方、第1の半導体チップ部22と第2の半導体チップ部26を貼り合わせたときに、貼り合わせずれが生じる懼れがあるが、接続パッド63の面積が大きいので、貫通接続孔62と接続パッド63とを合わせることができる。従って、前述したように、貼り合わせの位置ずれがあっても、接続パッド65及び63と、接続導体64及び貫通接続導体69との接続を可能にする。
【0116】
2列4段の接続パッド対89が、大小の接続パッド63及び65の向きを反転するように、水平、垂直方向に交互に配置されるので、接続パッド63,65の稠密配置を可能にする。これにより、画素の微細化に伴って画素ピッチが微細化されても、引き回し配線の引き回しを可能にする。
【0117】
対をなす第1及び第2の接続パッド65及び63を水平方向に配列した構成では、後述の対をなす第1及び第2の接続パッド65及び63を垂直方向に配列した構成に比較して4列の引き回し配線での配線長さの違いによる配線抵抗差が少なくなる。
【0118】
接続パッド65,63の面積、ピッチは、画素の面積、ピッチより大きいが、接続パッド65,63のレイアウトを上記のようにすることにより、配線40d,53dの引き回しが可能になり、高性能の固体撮像装置を提供できる。
【0119】
第4実施の形態においても、第1、第2実施の形態の接続配線67の構成を採用しても、同様に隣接カップリング容量を低減することができる。
【0120】
第4実施の形態においては、その他、第1〜第3実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0121】
<6.第5実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図36に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第5実施の形態を示す。同図は、特に、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を電気的に接続する接続パッド65、63を含む配線接続部分のレイアウトのみを示す。
【0122】
第5実施の形態に係る固体撮像装置93は、前述と同様に、2つの半導体チップ部22、26が貼り合わされ、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分が除去され、その半導体除去領域52内で接続配線67を介して両半導体チップ部22、26間が接続される。本実施の形態において、上記配線接続部分のレイアウトを除く他の構成は、前述の各実施の形態のいずれかの構成を適用できるので、詳細説明を省略する。
【0123】
第5実施の形態では、画素アレイ23を挟んで垂直方向に相対向する両外側に接続パッドアレイ91A及び91Bが配置され、それぞれの接続パッドアレイ91A及び91Bに交互に垂直信号線に相当する引き回し配線40d,53dを接続して構成される。本実施の形態では、例えば図31と同様に、対をなす第1、第2の接続パッド65、63を水平方向に配置した接続パッド対89を垂直方向に複数段、本例では2段に配置される。それぞれの接続パッドアレイ91A、91Bの接続パッド対89は、例えば稠密に配置される。そして、2列置きに、対の引き回し配線40d、53dが交互に接続パッドアレイ91A、91Bの2段の接続パッド対89に接続される。両接続パッドアレイ91A及び91Bは、図15Bに示す半導体除去領域52a,52bに形成される。
【0124】
図36では、接続パッド65、63の平面形状を八角形、好ましくは正八角形としたが、配線間を広げられるので、接続パッドの平面形状を四角形状、六角形(好ましくは正六角形)とすることもできる。また、本実施の形態では、接続パッド対89を、後述する第1及び第2の接続パッド65及び63を垂直方向に配列した接続パッド対に置き換えた構成にも適用できる。
【0125】
第5実施の形態の固体撮像装置93によれば、接続パッドアレイ91A、91Bが画素アレイ23を挟んで配置し、垂直信号線に相当する引き回し配線を複数列、本例では2列毎に交互に接続パッドアレイ91A、91Bの2段の接続パッド対89に接続している。この構成により、隣り合う引き回し配線40d間、引き回し配線53d間を無理に狭くする必要がなくなる。換言すれば、隣り合う引き回し配線40d間、引き回し配線53d間を余裕をもって広げることができる。従って、隣接カップリング容量を低減することができる。また引き回し配線間での配線長も差が小さくなり、配線抵抗差をより少なくすることができる。
【0126】
接続パッド65,63の面積、ピッチは、画素の面積、ピッチより大きいが、接続パッドのレイアウトを上記のようにすることにより、配線40d、53dの引き回しが可能になり、高性能の固体撮像装置を提供できる。
【0127】
第5実施の形態においても、第1、第2、第3実施の形態の接続配線の構成を採用しても、同様に隣接カップリング容量を低減することができる。
【0128】
第5実施の形態においては、その他、第1〜第3実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0129】
<7.第6実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図37及び図38に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第6実施の形態を示す。同図は、特に、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を電気的に接続する接続パッド65、63を含む配線接続部分のレイアウトのみを示す。
【0130】
第6実施の形態の固体撮像装置95は、前述と同様に、2つの半導体チップ部22、26が貼り合わされ、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分が除去され、その半導体除去領域52内で接続配線67を介して両半導体チップ部22及び26間が接続される。本実施の形態において、上記配線接続部分のレイアウトを除く他の構成は、前述の各実施の形態のいずれかの構成を適用できるので、詳細説明を省略する。
【0131】
第6実施の形態では、例えば図31と同様の正八角形の第1、第2の接続パッド65、63を垂直、水平に交互に配列した接続パッドアレイ91が形成され、この接続パッドアレイ91の各4段の接続パッド対89に4列毎の引き回し配線40d、53dが接続される。第1の半導体チップ部22における第1の接続パッド65は1層目のメタルM1で形成され、この接続パッド65に接続される引き回し配線40dは4層目のメタルM4で形成される。第2の半導体チップ部26における第2の接続パッド63は4層目のメタルM14で形成され、この接続パッド63に接続される引き回し配線53dは1層目のメタルM11で形成される。
【0132】
第1の半導体チップ部22における引き回し配線40dは、接続されない他の所要の第1の接続パッド65下を横切って配線される。接続パッド65は比較的面積が広いので、この接続パッド65を横切る電位の異なる引き回し配線40dとの間にカップリング容量が発生する恐れがある。このため、本実施の形態では、第1の接続パッド65と所要の引き回し配線40dとの間に、この第1の接続パッド65と引き回し配線40dと間の層のメタルでシールド配線96が形成される。すなわち、第1の接続パッド65と引き回し配線40dとの間に、2層目あるいは3層目、本例では2層目のメタルM2によるシールド配線96が形成される。例えば、図38に示すように第1の接続パッド65下に3本の引き回し配線40dが横切ることもあるので、シールド配線96は接続パッド65の幅に相当する幅で、各4段の接続パッド対89に連続して形成される。
【0133】
また、図示しないが、第2の半導体チップ部26における引き回し配線53dは、接続されない他の所要の第2の接続パッド63下を横切って配線される。第2の接続パッド63も面積が広いので、この接続パッド63を横切る電位の異なる引き回し配線53dとの間にカップリング容量が発生する恐れがある。このため、第2の接続パッド63と所要の引き回し配線53dとの間に、この第2の接続パッド63と引き回し配線53dと間の層のメタルでシールド配線が形成される。すなわち、第2の接続パッド63と引き回し配線53dとの間に、3層目あるいは2層目、本例では3層目のメタルM13によるシールド配線が形成される。例えば第2の接続パッド63下に3本の引き回し配線53dが横切ることもあるので、シールド配線は接続パッド63の幅に相当する幅で、各4段の接続パッド対89に連続して形成することができる。
【0134】
第6実施の形態に係る固体撮像装置によれば、第1の接続パッド65と、この接続パッド65下を横切る引き回し配線40dとの間に配置されたシールド配線96により、電位の異なる接続パッド65と引き回し配線40d間でカップリング容量の発生が回避される。また、第2の接続パッド63と、この接続パッド63下を横切る引き回し配線53dとの間に配置されたシールド配線により、電位の異なる接続パッド63と引き回し配線53d間でカップリング容量の発生が回避される。従って、固体撮像装置のより高性能化が図られる。
【0135】
第6実施の形態においては、その他、第1〜第3実施の形態で説明したと同様の、寄生容量の低減等の効果を奏する。
【0136】
第6実施の形態では、接続パッド65の平面形状、あるいは接続パッド65のレイアウトによらず、シールド配線96による効果を奏する。
【0137】
<8.第7実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
図39に、本発明に係る半導体装置、すなわちMOS固体撮像装置の第7実施の形態を示す。同図は、特に、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を電気的に接続する接続パッド65、63を含む配線接続部分のレイアウトのみを示す。
【0138】
第7実施の形態に係る固体撮像装置97は、前述と同様に、2つの半導体チップ部22、26が貼り合わされ、第1の半導体チップ部22の一部の半導体部分が除去され、その半導体除去領域52内で接続配線67を介して両半導体チップ部22、26間が接続される。本実施の形態において、上記配線接続部分のレイアウトを除く他の構成は、前述の各実施の形態のいずれかの構成を適用できるので、詳細説明を省略する。
【0139】
第7実施の形態においては、対をなす第1及び第2の接続パッド65及び63が、垂直信号線に相当する引き回し配線40d、53dが延長する垂直方向(いわゆる縦方向)に配列される。この接続パッド対99が、引き回し配線40d、53dが配列される水平方向に沿って複数配列されると共に、垂直方向に複数段、本例では3段配列されて、接続パッドアレイ98が構成される。
【0140】
第1及び第2の接続パッド65及び63は、第4実施の形態で説明したと同様に、平面上から見て例えば八角形、好ましくは正八角形に形成される。この第1及び第2の接続パッド65及び63は、前述と同様に、接続導体68、貫通接続導69体及び連結導体71からなる接続配線67を介して、互いに電気的に接続される。
【0141】
第1の半導体チップ部22では、多層配線層41の配線40を複数層、例えば4層のメタルM1〜M4で構成することができる。このとき、第1の接続パッド65は1層目のメタルM1で形成し、この接続パッド65に接続される引き回し配線40dは4層目のメタルM4で形成することが好ましい。なお、これに限らず、第1の接続パッド65及び引き回し配線40dは、いずれの層のメタルで形成することもできる。
【0142】
第2の半導体チップ部26では、多層配線層55の配線53を複数層、例えば4層のメタルM11〜M14で構成することができる。このとき、第2の接続パッド63は4層目のメタルM14で形成し、この接続パッド63に接続される引き回し配線53dは1層目のメタルM11で形成することが好ましい。なお、これに限らず、第2の接続パッド63及び引き回し配線53dは、いずれの層のメタルで形成することもできる。そして、3列置きに、引き回し配線40d,53dが接続パッドアレイ98の3段の接続パッド対99に接続される。
【0143】
第7実施の形態に係る固体撮像装置97によれば、第1及び第2の接続パッド65及び63を垂直方向に配列した接続パッド対99を複数段配置した接続パッドアレイ98を構成することにより、配線40d、53dの引き回しが可能になる。特に、画素面積より大きな接続パッド65、63であっても、配線40d、53dの引き回しが可能になり、高性能の固体撮像装置を提供できる。引き回し配線40d、53dがそれぞれ接続パッド65,63を横切るように配置されるときは、隣り合う引き回し配線間を余裕をもって広げることができ、引き回し配線間に生じる隣接カップリング容量を低減することができる。
【0144】
第7実施の形態においても、第1、第2、第3実施の形態の接続配線の構成を採用しても、同様に隣接カップリング容量を低減することができる。
【0145】
第7実施の形態においては、その他、第1〜第3実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0146】
上例では、接続パッド65、63の平面形状を八角形にしたが、その他、四角形、六角形(好ましくは正六角形)などの多角形、円形などとすることも可能である。接続導体68、貫通接続導体69は、その横断面形状を接続パッド65,63の平面形状となるように形成することができる。接続パッド65,63の平面形状と、接続導体68、貫通接続導体69の横断面形状とを互いに異なる形状とすることも可能である。
【0147】
なお、上述の実施の形態に係る固体撮像装置では、信号電荷を電子とし、第1導電型をp型、第2導電型をn型として構成したが、信号電荷を正孔とする固体撮像装置にも適用できる。この場合、各半導体基板、半導体ウェル領域あるいは半導体領域の導電型を逆にし、n型が第1導電型,p型が第2導電型となる。ロジック回路におけるMOSトランジスタもnチャネルトランジスタ、pチャネルトランジスタを適用できる。
【0148】
<9.第8実施の形態>
[半導体装置の構成例]
図40に、本発明に係る半導体装置の第8実施の形態を示す。第8実施の形態の半導体装置131は、第1の半導体チップ部101と、第2の半導体チップ部116とが貼り合わされた積層半導体チップ100を有して構成される。第1の半導体チップ部101は、第1の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第2の半導体チップ部116は、第2の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第1の半導体チップ部101と第2の半導体チップ部116とは、互いの多層配線層が向かい合うようにして貼り合わされる。貼り合わせは、本例では保護膜114、127を介して接着剤層129にてなされる。その他、プラズマ接合で貼り合わせることもできる。
【0149】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部101の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成される。この半導体除去領域52内において、第1の半導体チップ部101と第2の半導体チップ部116との間を接続する接続配線67が形成されて成る。半導体除去領域52は、半導体集積回路の各接続配線67が形成される部分を包含する全体領域であり、半導体チップ部101の例えば周辺部分に形成される。
【0150】
第1の半導体チップ部101は、薄膜化された第1の半導体基板103に第1の半導体集積回路、本例ではロジック回路102が形成される。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)103に形成した半導体ウェル領域104に、複数のMOSトランジスタTr11、Tr12、Tr13が形成される。各MOSトランジスタTr11〜Tr13は、1対のソース/ドレイン領域105と、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極106とを有して構成される。各MOSトランジスタTr11〜Tr13は、素子分離領域107により分離される。
【0151】
MOSトランジスタTr11〜Tr13は代表として示した。ロジック回路102は、CMOSトランジスタで構成することができる。このため、これら複数のMOSトランジスタとしては、nチャネルMOSトランジスタ、あるいはpチャネルトランジスタとして構成することができる。従って、nチャネルMOSトランジスタ形成するときは、p型半導体ウェル領域にソース/ドレイン領域が形成される。pチャネルMOSトランジスタを形成するときは、n型半導体ウェル領域にp型ソース/ドレイン領域が形成される。
【0152】
半導体基板103上には、層間絶縁膜108を介して複数層、本例では3層のメタルによる配線109を積層した多層配線層111が形成される。配線109は、例えばCu配線とすることができる。各MOSトランジスタTr11〜Tr13は、所要の1層目の配線109と接続導体112を介して接続される。また、3層の配線109は、接続導体を介して相互に接続される。
【0153】
第2の半導体チップ部116は、第2の半導体基板118に第2の半導体集積回路、本例ではロジック回路117が形成される。すなわち、半導体基板(例えばシリコン基板)118に形成した半導体ウェル領域119に、複数のMOSトランジスタTr21、Tr22、Tr23が形成される。各MOSトランジスタTr21〜Tr23は、1対のソース/ドレイン領域121と、ゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極122とを有して構成される。各MOSトランジスタTr21〜Tr23は、素子分離領域123により分離される。
【0154】
MOSトランジスタTr21〜Tr23は代表として示した。ロジック回路117は、CMOSトランジスタで構成することができる。このため、これら複数のMOSトランジスタとしては、nチャネルMOSトランジスタ、あるいはpチャネルトランジスタとして構成することができる。従って、nチャネルMOSトランジスタ形成するときは、p型半導体ウェル領域にソース/ドレイン領域が形成される。pチャネルMOSトランジスタを形成するときは、n型半導体ウェル領域にp型ソース/ドレイン領域形成される。
【0155】
半導体基板118上には、層間絶縁膜124を介して複数層、本例では3層のメタルによる配線125を積層した多層配線層126が形成される。配線125は、例えばCu配線とすることができる。各MOSトランジスタTr21〜Tr23は、所要の1層目の配線125と接続導体120を介して接続される。また、3層の配線125は、接続導体120を介して相互に接続される。この第2のチップ部116の半導体基板118は、薄膜化された第1の半導体チップ部101の支持基板を兼用する。
【0156】
なお、第1の半導体集積回路としては、ロジック回路102に代えて、例えば半導体メモリ回路とすることができる。この場合、第2の半導体集積回路となるロジック回路117は、半導体メモリ回路の信号処理に供される。
【0157】
半導体除去領域52では、第1の半導体基板118の全てが例えばエッチングにより除去されている。半導体除去領域52の底面、側面から半導体基板118の表面に延長して、例えばシリコン酸化(SiO2)膜58とシリコン窒化(SiN)膜59による積層絶縁膜61が形成される。積層絶縁膜61は、半導体基板118の表面、半導体除去領域52の側面に露出する半導体基板118を保護するものである。
【0158】
半導体除去領域52では、シリコン窒化膜59から第1の半導体チップ部101における多層配線111の所要の配線、本例では3層目メタルの配線109dに電気的に繋がる第1の接続パッド65に達する接続孔64が形成される。また、第1の半導体チップ部101を貫通して第2の半導体チップ部116における多層配線層126の所要の配線、本例では3層目メタルの配線125dに電気的に繋がる第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62が形成される。
【0159】
接続配線67は、接続孔64、62内を夫々埋め込むように、第1の接続パッド65に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に接続する貫通接続導体69と、両導体68及び69を上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。各接続配線67の外部に露出する連結導体71は、外部配線にボンディングワイヤを介して接続するための電極パッドとなる。
【0160】
第8実施の形態に係る半導体装置は、前述の第1実施の形態における製造方法を用いて製造することができる。但し、第1実施の形態の第1の半導体チップ部における画素アレイ及び制御回路を、第1の半導体集積回路に置き換え、第2の半導体チップ部におけるロジック回路を、第2の半導体集積回路に置き換える。
【0161】
第8実施の形態に係る半導体装置によれば、第1及び第2の半導体チップ部101及び116を貼り合わせた構成であるので、第1及び第2の半導体集積回路の形成にそれぞれに最適なプロセス技術を用いることができる。従って、第1の集積回路、第2の集積回路のそれぞれの性能を十分に発揮させることができ、高性能の半導体装置を提供することができる。
【0162】
そして、本実施の形態では、特に、第1の半導体チップ部101の一部、すなわち、接続導体68及び貫通接続導体69が形成される領域の半導体部分を全て除去している。この半導体除去領域52内に接続導体68及び貫通接続導体69が形成されるので、接続導体68及び貫通接続導体69と半導体基板104との間の寄生容量を低減することができ、半導体装置のより高性能化を図ることができる。
【0163】
第8実施の形態では、製造において、チップ化する前の第1の半導体基板104と第2の半導体基板118を共に半製品状態で貼り合わせ、第1の半導体基板104を薄膜化している。つまり、第2の半導体基板118を、第1の半導体基板104の薄膜化の際の支持基板として用いている。これによって、部材の節約、製造工程の節減を図ることができる。また、本実施の形態では、第1の半導体基板104を薄膜化し、さらに半導体部分が除去された半導体除去領域52内に接続孔64及び貫通接続孔62を形成するので、孔のアスペクト比が小さくなり、高精度に接続孔を形成することができる。従って、高性能の半導体装置を高精度に製造することができる。
【0164】
<10.第9実施の形態>
[半導体装置の構成例]
図41に、本発明に係る半導体装置の第9実施の形態を示す。第9実施の形態の半導体装置132は、第1の半導体チップ部101と、第2の半導体チップ部116とが貼り合わされた積層半導体チップ100を有して構成される。第1の半導体チップ部101は、第1の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第2の半導体チップ部116は、第2の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第1の半導体チップ部101と第2の半導体チップ部116とは、互いの多層配線層が向かい合うようにして貼り合わされる。
【0165】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部101の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成され、半導体除去領域52の内面から半導体基板103の裏面上に延長する積層絶縁膜61が形成される。この半導体除去領域52内に半導体基板103上の積層絶縁膜61の表面と面一となる平坦化された絶縁膜77が形成される。絶縁膜77は、前述と同様に、積層絶縁膜61の表面側のシリコン窒化膜59とエッチングレートの異なる例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜で形成される。
【0166】
そして、この絶縁膜77を貫通して夫々第1の接続パッド65及び第2の接続パッド63に達する接続孔64及び貫通接続孔62が形成される。この両接続孔64、62を通じて第1及び第2の接続パッド65及び63間を接続する接続配線67が形成される。接続配線67は、第1の接続パッド65に電気的に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に電気的に接続する貫通接続導体69と、両導体68,69を上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。接続導体68、貫通接続導体69は、それぞれ接続孔64、62内を埋め込むように形成される。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、所要に金属により一体的に形成され、連結導体71は、平坦化された絶縁膜77上に形成される。
【0167】
その他の構成は、第8実施の形態で説明したと同様であるので、図40と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0168】
第9実施の形態に係る半導体装置132は、前述の第2実施の形態における製造方法を用いて製造することができる。但し、第2施の形態の第1の半導体チップ部における画素アレイ及び制御回路を、第1の半導体集積回路に置き換え、第2の半導体チップ部におけるロジック回路を、第2の半導体集積回路に置き換える。
【0169】
第9実施の形態に係る半導体装置132によれば、第1の半導体チップ部101の一部、すなわち接続配線67が形成される領域の半導体部分を全て除去し、その除去された半導体除去領域52内に絶縁膜77が埋め込まれる。この絶縁膜77に形成された接続孔64、貫通接続孔62を通じて接続導体68、貫通接続導体69が埋め込まれるので、両接続導体68、69が絶縁膜77により半導体基板103側面から離れる。これにより、両接続導体68、69と半導体基板103との間の寄生容量を低減することができる。また、半導体除去領域52内が絶縁膜77で埋め込まれるので、半導体除去領域52の側壁に臨む半導体基板103の面を、積層絶縁膜61と協同して機械的に確実に保護することができる。従って、半導体装置のより高性能化を図ることができる。
【0170】
本実施の形態では、第1の半導体基板103を薄膜化して貫通接続孔62及び接続孔64の形成を行うので、孔のアスペクト比が小さくなり、高精度に接続孔62、64を形成することができる。従って、高性能の半導体装置を高精度に製造することができる。
【0171】
その他、説明を省略するが、第8実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0172】
<11.第10実施の形態>
[半導体装置の構成例]
図42に、本発明に係る半導体装置の第10実施の形態を示す。第10実施の形態の半導体装置133は、第1の半導体チップ部101と、第2の半導体チップ部116とが貼り合わされた積層半導体チップ100を有して構成される。第1の半導体チップ部101は、第1の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第2の半導体チップ部116は、第2の半導体集積回路と多層配線層が形成されている。第1の半導体チップ部101と第2の半導体チップ部116とは、互いの多層配線層が向かい合うようにして貼り合わされる。
【0173】
本実施の形態では、第1の半導体チップ部101の一部の半導体部分を全て除去した半導体除去領域52が形成され、半導体除去領域52の内面から半導体基板103の裏面上に延長する積層絶縁膜61が形成される。この半導体除去領域52内に半導体基板103上の積層絶縁膜61の表面と面一となる平坦化された絶縁膜77が埋め込まれ、さらに絶縁膜77の接続配線67に対応する部分に表面から所要の深さの凹部81が形成される。
【0174】
そして、この凹部81下の絶縁膜77を通してそれぞれ第1の接続パッド65、第2の接続パッド63に達する接続孔64、貫通接続孔62が形成される。この両接続孔64、62を通じて第1及び第2の接続パッド65、63間を接続する接続配線67が形成される。接続配線67は、第1の接続パッド65に電気的に接続する接続導体68と、第2の接続パッド63に電気的に接続する貫通接続導体69と、両接続導体68、69を上端で電気的に連結する連結導体71とにより形成される。接続導体68、貫通接続導体69は、それぞれ接続孔64、62内を埋め込むように形成される。接続導体68、貫通接続導体69及び連結導体71は、所要に金属により一体的に形成され、連結導体71は、絶縁膜77の凹部81内に埋め込まれ、連結導体71の表面が絶縁膜77の表面と面一となるように形成される。
【0175】
その他の構成は、第8実施の形態で説明したと同様であるので、図40と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0176】
第10実施の形態に係る半導体装置133は、前述の第3実施の形態における製造方法を用いて製造することができる。但し、第3施の形態の第1の半導体チップ部における画素アレイ及び制御回路を、第1の半導体集積回路に置き換え、第2の半導体チップ部におけるロジック回路を、第2の半導体集積回路に置き換える。
【0177】
第10実施の形態に係る半導体装置133によれば、第1の半導体チップ部101の一部、すなわち接続配線67が形成される領域の半導体部分を全て除去し、その除去された半導体除去領域52内に絶縁膜77が埋め込まれる。さらに、この絶縁膜77に凹部81が形成され、凹部81下の絶縁膜77に形成された接続孔64及び貫通接続孔62を通じて接続導体68及び貫通接続導体69が形成され、接続配線67が形成される。これにより、両接続導体68、69が絶縁膜77により半導体基板103側面から離れ、両接続導体68、69と半導体基板103との間の寄生容量を低減することができる。また、半導体除去領域52内が絶縁膜77で埋め込まれるので、半導体除去領域52の側壁に臨む半導体基板103の面を、積層絶縁膜61と協同して機械的に確実に保護することができる。従って、半導体装置のより高性能化を図ることができる。
【0178】
連結導体71が絶縁膜77の凹部81内に埋め込まれ、連結導体71が絶縁膜77の表面と面一となるように平坦化されるので、表面段差の少ない半導体装置を形成することができる。
【0179】
第10実施の形態では、第1の半導体基板103を薄膜化し、さらに絶縁膜77に凹部81を形成して貫通接続孔62及び接続孔64の形成を行っている。このため、孔のアスペクト比が小さくなり、高精度に接続孔64及び貫通接続孔62を形成することができる。従って、高性能の半導体装置を高精度に製造することができる。
【0180】
その他、説明を省略するが、第8実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0181】
上述の第8〜第10実施の形態では、2つの半導体チップ部を貼り合わせた構成である。さらに、本発明の半導体装置は、3つ以上の半導体チップ部を貼り合わせた構成とすることもできる。3つ以上の半導体チップ部を貼り合わせた構成でも、第1の半導体集積回路を有する第1の半導体チップと第2の半導体集積回路を有する第2の半導体チップ部間の接続部分では、半導体部分を全て除去した上述の構成が適用される。
半導体集積回路としては、ロジック回路以外に、メモリ回路、その他の電気回路を適用できる。
【0182】
上例では、第4〜第7実施の形態で説明した接続パッドアレイ91、91A及び91B、98のレイアウトを、第1〜第3実施の形態で示す接続配線67が形成される領域での半導体部分を全て除去した固体撮像装置に適用した。上記接続パッドアレイ91、91A及び91B、98のレイアウトは、第8〜第10実施の形態の半導体装置にも適用できる。上記接続パッドアレイ91、91A及び91B、98のレイアウトは、これらに限らず、異なるウェハやチップを貼り合わせて接続配線を形成する場合、接続配線の周囲の半導体を除去しない場合等に適用できる。例えば、上記半導体部分を除去せず、半導体基板を貫通して絶縁膜を介して接続導体68、貫通接続導体69を埋め込んで接続配線を形成した、固体撮像装置あるいは上記の半導体集積回路(半導体装置)等にも適用可能である。
【0183】
図43及び図44に、半導体部分を除去せずに接続配線を形成し、上記接続パッドレイアウトを適用した固体撮像装置の実施の形態を示す。本実施の形態の固体撮像装置135は、前述の図16に示す第2実施の形態において、接続配線67を形成する領域の半導体を除去しない構成とする。本実施の形態では、接続配線領域に、第1の半導体基板31を貫通して第1の接続パッド65に達する接続孔64と、半導体基板31を含む第1の半導体チップ22を貫通し第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62が形成される。接続孔64及び貫通接続孔62のそれぞれの内面には半導体基板31と絶縁するための絶縁膜136が形成される。そして、第1の接続パッド65及び第2の接続パッド63を接続するように、接続孔65及び貫通接続孔62内に接続導体68及び貫通接続導体69が埋め込まれ、連結導体71で連結された接続配線が形成される。その他の構成は、第2実施の形態で説明したと同様であるので、図16と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0184】
一方、図44に示すように、本実施の形態の固体撮像装置135では、接続パッド63及び65を含む配線接続部分のレイアウトが、図31で示す構成と同様に構成される。すなわち、八角形の接続パッド63、65による接続パッド対89を稠密に4段配列した接続パッドアレイ91が構成される。その他の詳細な構成は図31で説明したと同様であるので、図31と対応する部分に同一符号を付して重複説明を諸略する。
【0185】
本固体撮像装置135においても、図31で説明したと同様に、隣り合う引き回し配線40d間、引き回し配線53d間の間隔が広がり、隣接カップリング容量を低減することができる。
【0186】
図45及び図46に、半導体部分を除去せずに接続配線を形成し、上記接続パッドレイアウトを適用した半導体集積回路を有する半導体装置の実施の形態を示す。本実施の形態の半導体装置137は、前述の図41に示す第9実施の形態において、接続配線67を形成する領域の半導体を除去しない構成とする。本実施の形態では、接続配線領域に、第1の半導体基板31を貫通して第1の接続パッド65に達する接続孔64と、半導体基板31を含む第1の半導体チップ22を貫通し第2の接続パッド63に達する貫通接続孔62が形成される。接続孔64及び貫通接続孔62のそれぞれの内面には半導体基板31と絶縁するための絶縁膜136が形成される。そして、第1の接続パッド65及び第2の接続パッド63を接続するように、接続孔65及び貫通接続孔62内に接続導体68及び貫通接続導体69が埋め込まれ、連結導体71で連結された接続配線が形成される。その他の構成は、第6実施の形態で説明したと同様であるので、図41と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0187】
一方、図46に示すように、本実施の形態では、接続パッド63及び65を含む配線接続部分のレイアウトが、図31で示す構成と同様に構成される。すなわち、八角形の接続パッド63、65による接続パッド対89を稠密に4段配列した接続パッドアレイ91が構成される。その他の詳細な構成は図31で説明したと同様であるので、図31と対応する部分に同一符号を付して重複説明を諸略する。
【0188】
本半導体装置137においても、図31で説明したと同様に、隣り合う引き回し配線40d間、引き回し配線53d間の間隔が広がり、隣接カップリング容量を低減することができる。
【0189】
なお、半導体部分を除去せずに接続配線を形成する固体撮像装置、集積回路を有する半導体装置では、接続パッドのレイアウトとして、第5実施の形態(図36)、第6実施の形態(図37、図38)、第7実施の形態(図39)等のレイアウトも適用できる。
【0190】
上述の固体撮像装置に係る実施の形態では、第1の半導体チップ22の画素アレイ23が形成される半導体基板、あるいは半導体ウェル領域の電位を安定化させる必要がある。すなわち、動作時における貫通接続導体69及び接続導体68の電位変化に対しても、貫通接続導体69及び接続導体68の周りの半導体基板あるいは半導体ウェル領域の電位(いわゆる基板電位)が変動せずに、安定化していることが必要である。この基板電位を安定かさせるために、本例では半導体ウェル領域32に不純物拡散層によるコンタク部が形成され、このコンタクト部が接続導体44、配線40を通じて、第1の半導体チップ部22上の周辺に形成した電極パッド部に接続される。この電極パッド部に固定電圧、例えば電源電圧VDDまたはグランド電圧(0V)を供給することにより、コンタクト部を通じて半導体ウェル領域32に電源電圧またはグランド電圧(0V)が印加され、半導体ウェル領域の基板電位が安定化される。例えば、半導体基板あるいは半導体ウェル領域がn型であれば、電源電圧が供給され、半導体基板あるいは半導体ウェル領域がp型であれば、グランド電位が印加される。
【0191】
また、上述の固体撮像装置に係る実施の形態では、貫通接続導体69及び接続導体68からなる接続配線67を形成する加工時に、ロジック回路側のトランジスタがプラズマダメージを受けないように、保護ダイオードが設けられる。接続配線67の形成では、プラズマエッチングによりパッド部63、65に達する接続孔62,65が形成されるが、このプラズマ加工の際の過大なプラズマイオンが、特にロジック回路側の接続パッド63に帯電される。過大なプラズマイオンの帯電が配線53を通してロジック側のトランジスタに印加されると、トランジスタがいわゆるプラズマダメージを受けることになる。保護ダイードは、このプラズマダメージを防止するためのものである。
【0192】
本実施の形態では、カラム信号処理回路5の各カラム回路部を構成するロジック回路毎に保護ダイオードが形成される。前述したように、各垂直信号線に相当する引き回し配線は、それぞれ接続パッド63及び65を介して、各接続配線67の貫通接続導体69及び接続導体68に接続される。第2の半導体チップ部26には、各カラム回路部毎に、カラム回路部のMOSトランジスタが形成される半導体基板45に保護ダイオードが形成される。各保護ダイオードは、カラム回路部のMOSトランジスタのゲート電極が接続された同じ引き回し配線に接続される。引き回し配線に接続される保護ダイオードは、カラム回路部のMOSトランジスタよりも、接続パッド63に近い側に設けられる。プラズマ加工時に、ロジック回路側の接続パッド部63に帯電した過大なプラズマイオンによる電荷は、保護ダイオードに流れ、カラム回路部にダメージを与えることがない。従って、接続配線67加工時のカラム回路部へのプラズダメージを回避することができる。
なお、カラム回路部のプラズマダメージの回避以外にも、他の周辺回路を構成するMOSトランジスタのプラズマダメージを回避するために、同様の保護ダイオードを設けることができる。
【0193】
図47の模式図を参照して更に具体的な一例について詳述する。ここでは、前述の図43に示す接続配線67を形成する領域の半導体を除去しない固体撮像装置135に適用した例を示す。本例では、第1の半導体チップ部22と、第2の半導体チップ部26とが、接続配線67を介して電気的に接続される。第1の半導体チップ部22では、接続配線67の接続導体68が第1の半導体基板31を貫通して多層配線層41の1層目のメタルM1による第1の接続パッド65に接続される。第1の接続パッド65は、1層目のメタルM1の延長部65a、ビア導体88、第2層目のメタルM2、ビア導体88、第3層目のメタルM3、ビア導体88を介して、第4層目のメタルM4による引き回し配線40dに接続される。引き回し配線40dは、前述と同様に垂直信号線に相当する。
【0194】
第2の半導体チップ部26では、接続配線67の貫通接続導体69が第1の半導体チップ部22を貫通して多層配線層55の第4層目のメタルM14による第2の接続パッド63に接続される。第2の接続パッド63は、ビア導体88、第3層目のメタルM13、ビア導体88、第2層目のメタルM12及びビア導体88を介して第1層目のメタルM11による引き回し配線53dに接続される。引き回し配線53dは、前述と同様に垂直信号線に相当する。
【0195】
接続パッド65、63は、例えばAl膜で形成するのが好ましい。Al膜を用いるのは次の理由による。接続導体68、貫通接続導体69を埋め込む接続孔64、貫通接続孔62は、CFガスによるプラズマエッチングで形成される。このプラズマ加工はオーバーエッチングであり、接続パッド65、63がプラズマに晒されることになり、Cu膜であると除去できない反応物が接続パッド65、63の表面に付着してしまう。この反応物によりCuによる接続導体68,貫通接続導体69と接続パッド65,63との電気的な接続が良好に行えない。これに対し、Al膜の場合は、この反応物が付着されないので、接続導体68,貫通接続導体69と接続パッド65,63との電気的な接続が良好に行える。Al膜の場合は、その上にTi膜あるいはTiN膜を有する膜構成を含む。接続パッド65のメタルM1以外のメタル(M2〜M4)、接続パッド63のメタルM14以外のメタル(M13〜M11)は、Cu膜で形成される。
【0196】
そして、例えば、後述するように、接続配線67が比較器とカウンタ回路との間に設けられるときには、高速動作のカウンタ回路を構成するMOSトランジスタが形成が垂直信号線に接続される。このMOSトランジスタは、高速で駆動する高速トランジスタTr21で構成される。高速トランジスタTr21は、ゲート絶縁膜が薄く、最小トランジスタとも呼ばれる。従って、第2の半導体チップ部26側の垂直信号線となる引き回し配線53dには、この高速トランジスタTr21が接続される。
【0197】
プラズマ加工時に接続パッド63を通じて引き回し配線53dに過大な電流が流れ、カウンタ回路を構成する高速トランジスタTr21のゲート絶縁膜を破壊するなどのダメージを与える懼れがある。このため、高速トランジスタTr21より接続パッド63に近い引き回し配線53dの部分にpn接合を有する保護ダイードD21が接続される。この保護ダイオードD21により、プラズマ加工時に引き回し配線53dに過大電流が生じても、過大電流は保護ダイオードD21を通じて基板側に流れ、高速トランジスタTr21に対するダメージを防ぐことができる。
【0198】
前述の第6実施の形態(図38参照)では、第1の接続パッド65とその直下を横切る他の電位の異なる引き回し配線(垂直信号線)40dとの間にシールド配線96を配置し、隣接カップリング容量の発生を回避した。また、図示しないが、第2の接続パッド63とその直下を横切る他の電位の異なる引き回し配線(垂直信号線)53dとの間にシールド配線を配置し、隣接カップリング容量の発生を回避した。
【0199】
上述の固体撮像装置では、さらに、第1及び第2の半導体チップ部22及び26で、隣り合う引き回し配線間、隣り合う引き回し配線と接続導体又は貫通接続導体との間を電磁気的にシールドすることが好ましい。さらに、接続パッド対の配置に応じて、隣り合う接続導体と貫通接続導体間、あるいは隣り合う接続導体間、隣り合う貫通接続導体間を電磁気的にシールドすることが好ましい。これらの場合、多層配線層の所要の層のメタル配線を利用して、それぞれに対応したシールド配線を配置することができる。
【0200】
図示しないが、隣り合う引き回し配線間に、その引き回し配線と同層、あるいは引き回し配線に近接する異なる層のメタルによるシールド配線を配置する。シールド配線にはグランド電位が与えられる。これにより、隣り合う引き回し配線間の隣接カップリング容量を低減することができる。
【0201】
また、接続パッドと引き回し配線を同層のメタルで形成する場合、隣り合う接続導体68と引き回し配線40d間に、この配線40dと同層、あるいはこの配線40dに近接する異なる層のメタルによるシールド配線を配置する。また、隣り合う貫通接続導体69と引き回し配線53d間に、この配線53dと同層、あるいはこの配線53dに近接する異なる層のメタルによるシールド配線を配置する。これらシールド配線にはグランド電位が与えられる。これにより、隣り合う引き回し配線40dと接続導体68間、隣り合う引き回し配線53dと貫通接続導体69間のそれぞれの隣接カップリング容量を低減することができる。
【0202】
複数の接続配線67が形成される接続配線領域では、貫通接続導体、接続導体を、絶縁膜を介して囲むように所要導電型の半導体不純物領域を形成して隣接カップリング容量を低減することができる。すなわち、隣り合う貫通接続導体と接続導体間、あるいは隣り合う貫通接続導体間、あるいは隣り合う接続導体間の隣接カップリング容量を低減することができる。図48、図49(図49のA−A線上の断面図)は、その一例を模式的に示す。本例は、図43の固体撮像装置135に適用した場合である。
【0203】
図48、図49では、接続パッド対89が、図37に示すように、交互に反転して配置されている。接続配線領域では、半導体基板31の接続導体68、貫通接続導体69を囲う領域にp型半導体領域151が形成され、このp型半導体領域151が接地される。各接続導体68及び貫通接続導体69と、p型半導体領域151とは、絶縁膜136で電気的に分離される。この構成では、接地されたp型半導体領域151がシールド層の役割を果たし、隣り合う接続導体68及び貫通接続導体69間の隣接カップリング容量を低減することができる。p型半導体領域151は、各画素のフォトダイオードPDを分離する素子分離領域として、不純物拡散層、すなわちp型半導体領域を用いたときには、素子分離領域のp型半導体領域と同時に形成することができる。
【0204】
ここで、接地されたp型半導体領域151をシールド層として用いると、対グランド容量が増加する傾向となる。この対グランド容量の抑制は、絶縁膜136の膜厚t1を制御して行う。膜厚t1は、50nm以上で、300nm以下、例えば100nm程度とすることができる。膜厚t1を大きくするにつれて、対グランド容量[fF]は減少してゆくが、300nm以上になると、対グランド容量は殆ど変わらなくなる。
【0205】
図39に示すような、接続パッド対99の配列では、縦方向の隣り合う接続導体68及び貫通接続導体69間は、図49と同様の構成となる。横方向の隣り合う接続導体68間、及び隣り合う貫通接続導体69間の、それぞれの構成は、図50、及び図51に示す構成となる。図50及び図51では、図49と対応する部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0206】
接続導体68及び貫通接続導体69の周りのp型半導体領域151の電位、いわゆる基板電位を安定化させるために、図示しないが、p型半導体領域151に不純物拡散層によるコンタクト部(基板コンタクト部)が形成される。このコンタクト部は、複数の接続パッドアレイに対応した接続配線領域を囲むように形成し、第1の半導体チップ部22上の電極パッドに接続することができる。この電極パッドにグランド電圧(0V)を供給することにより、接続導体68及び貫通接続導体69の周りのp型半導体領域151の基板電位が安定化する。
【0207】
第1の半導体チップ部22の半導体基板31は、n型半導体基板を出発材料して形成される。第2の半導体チップ部26の半導体基板45は、p型半導体基板を出発材料としている。第1の半導体チップ22に、図2Bで示す制御回路24と画素アレイ23が形成されている場合には、画素アレイ23のp型半導体ウェル領域と、制御回路24のp型半導体ウェル領域との間に、n型基板が存在する。従って、第1の半導体チップ部22では、それぞれのp型半導体ウェル領域、n型半導体基板、p型半導体領域151に、電極パッドから基板コンタクト部を通じて、それぞれ対応する電位安定化のための電圧が供給される。第2の半導体チップ部においても、p型半導体基板、pチャネルMOSトランジスタが形成されるn型半導体ウェル領域に、それぞれ基板コンタクト部を通じて、それぞれ対応する電位安定化のための電圧が供給される。
【0208】
第1の半導体チップ部22,第2の半導体チップ部26における基板コンタクト部を、全て例えば第1の半導体チップ部22の表面の電極パッドに接続するときは、別途の貫通接続導体及び接続導体、所要の層のメタル配線を通じてなされる。
【0209】
第1の半導体チップ部22,第2の半導体チップ部26における基板コンタクト部を、全て例えば第2の半導体チップ部26の端部表面の電極パッドに接続するときは、別途の貫通接続導体及び接続導体、所要の層のメタル配線を通じてなされる。
【0210】
次に、固体撮像装置の回路上での、前述の接続導体68及び貫通接続導体69による接続配線67の挿入箇所について説明する。図52に、固体撮像装置の要部を模式的に示す。固体撮像装置は、前述したと同様に、複数の画素2がマトリックス状に配列された画素アレイ3を有し、画素2の各列に対応する垂直信号線9にカラム信号処理回路5が接続される。カラム信号処理回路5は、カラムADC部13を有する。カラムADC部13は、変換開始から参照電圧(ランプ電圧)と処理対象信号電圧とが一致するまでの時間に基いて、アナログ信号をデジタル信号に変化する。原理的には、コンパレータ(電圧比較器)14とカウント回路15を有し、コンパレータ14にランプ電圧を供給すると同時に、カウント回路15に供給されるクロック信号でカウントを開始する。垂直信号線9を介して入力されたアナログの画像信号をランプ電圧と比較することによって、パルス信号が得られるまでカウントすることでAD変換を行う。
【0211】
本実施の形態では、図52において、コンパレータ14とカウンタ回路15との間の位置(1)において、接続配線67を配置することができる。この場合、コンパレータ14までの回路構成が画素アレイ3と共に第1の半導体チップ部22に形成される。第2の半導体チップ部26は、カウンタ回路15以降の回路構成が形成される。制御回路は第1の半導体チップ部22、あるいは第2の半導体チップ部26に形成することができる。そして、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を、接続導体68及び貫通接続導体69による接続配線67で接続するようになされる。
【0212】
カウンタ回路15は、処理スピードが速いので、カウンタ回路15を構成するトランジスタとしても、高速駆動が可能な高速トランジスタが要求される。高速トランジスタは最先端設備により製造することが必要となる。上記構成によれば、コンパレータ14までの回路構成を有する第1の半導体チップ部22と、高速トランジスタによるカウンタ回路15以降の回路構成を有する第2の半導体チップ部26とを、それぞれ最適な設備によって分けて製造することができる。
【0213】
また、固体撮像装置の性能(画質)を考慮したときには、図52において、位置(3)、あるいは位置(2)で接続配線67を配置することができる。すなわち、画素アレイ3とカラム信号処理回路5との間の位置(3)において、接続配線67を配置することができる。この場合、画素アレイ3を第1の半導体チップ部22に形成し、カラム信号処理回路5を含む信号処理回路を第2の半導体チップ部26に形成する。そして、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を、接続導体68及び貫通接続導体69による接続配線67で接続するようになされる。
【0214】
また、カウンタ回路15の出力の位置(2)で接続配線67を配置することができる。この場合、カウンタ回路15までの回路構成が画素アレイ3と共に第1の半導体チップ部22に形成される。第2の半導体チップ部26は、カウンタ回路15の出力以降の信号処理回路が形成される。そして、第1及び第2の半導体チップ部22及び26間を、接続導体68及び貫通接続導体69による接続配線67で接続するようになされる。
【0215】
上述の保護ダイードD21を設けた構成、図48〜図51の接続配線67周りのp型半導体領域151を設けた構成、基板コンタクト部の構成、隣接カップリング低減の各シールド配線の構成等は、上記各実施の形態に適用できる。
【0216】
<12.第11実施の形態>
[電子機器の構成例]
上述の本発明に係る固体撮像装置は、例えばデジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話、あるいは撮像機能を備えた他の機器、などの電子機器に適用することができる。
【0217】
図52に、本発明に係る電子機器の一例としてカメラに適用した第11実施の形態を示す。本実施の形態に係るカメラは、静止画像又は動画撮影可能なビデオカメラを例としたものである。本実施も形態のカメラ141は、固体撮像装置142と、固体撮像装置142の受光センサ部に入射光を導く光学系143と、シャッタ装置144を有する。さらに、カメラ141は、固体撮像装置142を駆動する駆動回路145と、固体撮像装置142の出力信号を処理する信号処理回路146とを有する。
【0218】
固体撮像装置142は、上述した各実施の形態の固体撮像装置のいずれかが適用される。光学系(光学レンズ)143は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置142の撮像面上に結像させる。これにより、固体撮像装置142内に、一定期間信号電荷が蓄積される。光学系143は、複数の光学レンズから構成された光学レンズ系としてもよい。シャッタ装置144は、固体撮像装置142への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路145は、固体撮像装置142の転送動作及びシャッタ装置144のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路145から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置142の信号転送を行う。信号処理回路146は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、或いは、モニタに出力される。
【0219】
第11実施の形態に係るカメラなどの電子機器によれば、固体撮像装置142において高性能化が図られ、信頼性の高い電子機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0220】
1・・固体撮像装置、2・・画素、3・・画素アレイ(画素領域)、4・・垂直駆動回路、5・・カラム信号処理回路、6・・水平駆動回路、7・・出力回路、8・・制御回路、9・・垂直信号線、10・・水平信号線、12・・入出力端子、20,21・・MOS固体撮像装置、22・・第1の半導体チップ部、23・・画素領域、24・・制御回路、25・・ロジック回路、26・・第2の半導体チップ部、27・・積層チップ、31・・第1の半導体基板、PD・・フォトダイオード、39・・層間絶縁膜、40・・配線、41・・多層配線層、45・・第2の半導体基板、49・・層間絶縁膜、52・・半導体除去領域、53・・配線、55・・多層配線層、62・・貫通接続孔、63・・第2の接続パッド、64・・接続孔、65・・第1の接続パッド、67・・接続配線、68・・接続導体、69・・貫通接続導体、71・・連結導体、74・・オンチップカラーフィルタ、75・・オンチップマイクロレンズ、89、99・・接続パッド対、131、132,133・・半導体装置、141・・カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の半導体チップ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に画素アレイと多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部にロジック回路と多層配線層が形成された積層半導体チップと、
前記第1の半導体チップ部の一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域と、
前記半導体除去領域内に形成され、前記第1の半導体チップ部と前記第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線とを有し、
裏面照射型の固体撮像装置として構成された
半導体装置。
【請求項2】
前記接続配線は、
前記第1の半導体チップ部における多層配線層内の所要の配線に繋がる第1の接続パッドに接続された接続導体と、
前記第1の半導体チップ部を貫通して前記第2の半導体チップ部における多層配線層内の所要の配線に繋がる第2の接続パッドに接続された貫通接続導体と、
前記接続導体と前記貫通接続導体とを連結する連結導体と
を有する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体除去領域の露出表面から画素アレイが形成された半導体基板表面に延長して反射防止膜を兼ねる保護用絶縁膜が形成される
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の半導体チップ部において、
前記第1の接続パッドが多層配線層の1層目メタルで形成され、前記第1の接続パッドに接続される前記所要の配線が2層目以降のメタルで形成される
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の接続パッドと前記所要の配線との間の層のメタルでシールド配線が形成される
請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体除去領域内に埋め込まれた絶縁膜と、
前記絶縁膜を貫通する前記接続導体及び前記貫通接続導体と
を有する請求項3乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
それぞれ八角形をなす前記第1の接続パッドと前記第2の接続パッドが、水平方向及び垂直方向に交互に配列され、水平方向に配列された対をなす第1及び第2の接続パッドが、垂直方向に複数段配列された接続パッドアレイを有し、
前記第1の接続パッドの面積に比べて、前記第2の接続パッドの面積が大きく設定され、
前記複数段配列された対をなす第1及び第2の接続パッドに、それぞれの垂直信号線に相当する所要の配線が接続される
請求項3乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
画素アレイを挟んで相対向する両外側に前記接続パッドアレイが配置され、
前記両外側の接続パッドアレイに交互にそれぞれの垂直信号線に相当する所要の配線が接続される
請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
垂直方向に配列された対をなす前記第1及び第2の接続パッドが、水平方向及び垂直方向に配列され、前記対をなす第1及び第2の接続パッドが、垂直方向に複数段配列された接続パッドアレイを有し、
前記複数段配列された対をなす第1及び第2の接続パッドに、それぞれの垂直信号線に相当する所要の配線が接続される
請求項3乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
少なくとも、第1の半導体チップ部となる領域に画素アレイと多層配線層が形成された第1の半導体ウェハと、第2の半導体チップ部となる領域にロジック回路と多層配線層が形成された第2の半導体ウェハとを含む、2つ以上の半導体ウェハを貼り合わせる工程と、
前記第1の半導体ウェハにおける第1の半導体チップ部となる領域の一部の半導体部分を全て除去して半導体除去領域を形成する工程と、
前記半導体除去領域内に、前記第1の半導体チップ部と前記第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線を形成する工程と、
完成品状態にしてチップ化する工程を有し、
裏面照射型の固体撮像装置を製造する
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記接続配線を形成する工程では、
前記第1の半導体チップ部における多層配線層の所要の配線に繋がる第1の接続パッドに達する接続孔と、前記第1の半導体チップ部を貫通して前記第2の半導体チップ部における多層配線層の所要の配線に繋がる第2の接続パッドに達する貫通接続孔を形成する工程と、
前記接続孔及び前記貫通接続孔内にそれぞれの第1の接続パッド及び第2の接続パッドに接続する接続導体及び貫通接続導体と、該接続導体と貫通接続導体を連結する連結導体とを形成する工程を有する
請求項10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記半導体除去領域を形成する工程の後に、
前記半導体除去領域の露出表面から画素アレイが形成された半導体ウェハ表面に延長して反射防止膜を兼ねる保護用絶縁膜を形成する工程を有する
請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1の接続パッドを多層配線層の1層目メタルで形成し、
前記第1の接続パッドに接続される前記所要の配線を2層目以降のメタルで形成する
請求項12記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記保護用絶縁膜を形成する工程の後に、
前記半導体除去領域内に絶縁膜を埋め込む工程と、
前記絶縁膜を貫通する前記接続孔及び前記貫通接続孔を形成する工程を有する
請求項12記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、
前記固体撮像装置は、
2つ以上の半導体チップ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に画素アレイと多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部にロジック回路と多層配線層が形成された積層半導体チップと、
前記第1の半導体チップ部の一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域と、
前記半導体除去領域内に形成され、前記第1の半導体チップ部と前記第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線とを有し、
裏面照射型の固体撮像装置として構成された
電子機器。
【請求項16】
前記固体撮像装置において、
前記半導体除去領域の露出表面から画素アレイが形成された半導体基板表面に延長して反射防止膜を兼ねる保護用絶縁膜が形成され、
前記接続配線は、
前記第1の半導体チップ部における多層配線層の所要の配線に繋がる第1の接続パッドに接続された接続導体と、
前記第1の半導体チップ部を貫通して前記第2の半導体チップ部における多層配線層の所要の配線に繋がる第2の接続パッドに接続された貫通接続導体と、
前記接続導体と前記貫通接続導体とを連結する連結導体と
を有する
請求項15記載の電子機器。
【請求項17】
前記固体撮像装置において、
前記半導体除去領域内に埋め込まれた絶縁膜と、
前記絶縁膜を貫通する前記接続導体及び前記貫通接続導体と
を有する
請求項16記載の電子機器。
【請求項18】
前記固体撮像装置において、
それぞれ八角形をなす前記第1の接続パッドと前記第2の接続パッドが、水平方向及び垂直方向に交互に配列され、水平方向に配列された対をなす第1及び第2の接続パッドが、垂直方向に複数段配列された接続パッドアレイを有し、
前記第1の接続パッドの面積に比べて、前記第2の接続パッドの面積が大きく設定され、
前記複数段配列された対をなす第1及び第2の接続パッドに、それぞれの垂直信号線に相当する所要の配線が接続される
請求項16記載の電子機器。
【請求項19】
2つ以上の半導体チプ部が貼り合わされ、少なくとも第1の半導体チップ部に第1の半導体集積回路と多層配線層が形成され、第2の半導体チップ部に第2の半導体集積回路多層配線層が形成され積層半導体チップと、
前記第1の半導体チップ部の一部の半導体部分が全て除去された半導体除去領域と、
前記半導体除去領域内に形成され、前記第1の半導体チップ部と前記第2の半導体チップ部との間を接続する複数の接続配線と
を有する半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図36】
image rotate

【図38】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図45】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図31】
image rotate

【図35】
image rotate

【図37】
image rotate

【図39】
image rotate

【図44】
image rotate

【図46】
image rotate


【公開番号】特開2011−151375(P2011−151375A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279833(P2010−279833)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】