説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】トレンチ分離されたSOI基板にIGBTとその制御回路等が形成される半導体装置において、IGBTの高耐圧化及びターンオフ特性の改善等が必要になる。
【解決手段】ダミー半導体基板16にN型エピタキシャル層8を形成し、N型エピタキシャル層8にトレンチ30を形成し、トレンチ30側壁及びN型エピタキシャル層8表面にN型バッファ層7、次にP型埋め込みコレクタ層6を形成し、トレンチ30底面及びP+型埋め込みコレクタ層6上を埋め込み絶縁膜5で被覆する。埋め込み絶縁膜5上をポリシリコン膜3で被覆し、該ポリシリコン膜3と絶縁膜2を介してP型半導体基板1を貼り合わせた後、ダミー半導体基板16を除去し、略同一平面状に露出するトレンチ30底面の埋め込み絶縁膜5、P+型埋め込みコレクタ層6、N型バッファ層7、N型ドリフト層8a等を具備するSOI基板を形成する。該SOI基板にIGBT等を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレンチ分離されたSOI(Silicon on Insulator)基板に形成されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transisitor)を内蔵する半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トレンチ分離されたSOI基板に形成された、IGBTとその制御回路・ドライブ回路等を内蔵する半導体装置について図10に基づいて説明する。IGBT54や制御回路55等が誘電体分離層56等で分離して形成されたP−型半導体基板51が、埋め込み絶縁膜52を介して、該P−型半導体基板51と絶縁された支持基板であるP−型半導体基板53に貼り合わされる。
【0003】
埋め込み絶縁膜52と隣接するP−型半導体基板51の底面部には、IGBT54形成領域にP+型埋め込みエミッタ層59a、制御回路55等形成領域にP+型埋め込み層59bが形成される。IGBT54形成領域には、P+型埋め込み層59aと接続され誘電体分離層56等の側壁をP−型半導体基板51の表面まで延在しエミッタ電極Eと接続するP+型エミッタ層60が形成される。
【0004】
IGBT54は、N+型エミッタ層、P型ベース層、及び前記P+型エミッタ層60と接続されるエミッタ電極E、P+型コレクタ層と接続されるコレクタ電極C、P+型コレクタ層を取り囲むN型ドリフト層及びN−型ドリフト層、及びN−型ドリフト層上からN+型エミッタ層上までゲート絶縁膜を介して延在するゲート電極Gから構成される。
【0005】
制御回路55は、種々のデバイス素子から形成されるが代表してNPNバイポーラトランジスタとPNPバイポーラトランジスタについて図示する。NPNバイポーラトランジスタは、P+型埋め込み層59b上のP−型半導体基板51に形成されたN+型エミッタ層と接続されるエミッタ電極E、N+型エミッタ層を取り囲むP型ベース層と接続されるベース電極B、P型ベース層を取り囲むN型コレクタ層、及びN+型埋め込み層と接続されるコレクタ電極Cから構成される。
【0006】
また、PNPバイポーラトランジスタは、P型エミッタ層と接続されるエミッタ電極Eと、P型コレクタ層と接続されるコレクタ電極Cと、N型ベース層を取り囲むN+型埋め込み層と接続されるベース電極Bから構成される。この場合、NPNバイポーラトランジスタのN+型埋め込みコレクタ層等はP−型半導体基板51の表面から数μm程度の内部に入った領域に形成される。
【0007】
同図におけるIGBT54は誘電体分離層56、57に隣接してエミッタ領域が形成され、誘電体分離層56、57の間のSOIアイランドの中央部分にコレクタ領域が形成されている。この構成ではコレクタ電流が横方向に流れるためチャネル密度が低くなる。そのため、エミッタ領域をSOIアイランド中央に複数形成しチャネル密度を上げ、誘電体分離層56、57に隣接してコレクタ領域を形成し、縦方向にコレクタ電流を流す構成が採用される。
【0008】
この場合、P+型埋め込みエミッタ層59aはP+型埋め込みコレクタ層59aとなるが、該P+型埋め込みコレクタ層59aの不純物濃度はオン抵抗を低下させるためできるだけ高くする必要がある。SOIアイランド内のP−型半導体基板51はN−型半導体基板を使用する等によりN型ドリフト層になる。
【0009】
係るトレンチ分離されたSOI基板に形成されたIGBTとその制御回路・ドライブ回路を内蔵する半導体装置については、以下の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−45699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載のIGBTの変形である、SOI基板のアイランドの中央部にエミッタ領域を、誘電体分離層56等に隣接してコレクタ領域を構成した前述のIGBTにおいては、前述のようにオン抵抗低減のためP+型埋め込みコレクタ層59aの不純物濃度をより高くした構成にする。
【0012】
このことはIGBT54がオン状態のときP+型埋め込みコレクタ層59aからのN型ドリフト層への正孔注入量が増加し低濃度のN型ドリフト層のオン抵抗を低減させることになり、いわゆる導電変調効果に対して有利となる。しかし、逆に言えばIGBTがオフしたとき過剰に注入された正孔が完全に再結合して消滅するまでの時間が長くなりターンオフ特性の劣化へとつながるという問題がある。
【0013】
また、高耐圧IGBTを形成する場合、P−型半導体基板51は酸素等の不純物濃度の低いFZウエハを使用することが望ましいが、半導体ウエハの大口径化が進む中、大口径化の難しいFZウエハに換えてCZウエハを使用せざるを得ない。そのため、高耐圧化やリーク電流の低減の観点で問題を抱える。
【0014】
また、P−型半導体基板51内に制御回路を構成するNPNバイポーラトランジスタの埋め込みコレクタ層等を形成する場合やレベルシフタに用いられる高耐圧接合型FETのP型低濃度埋め込みを形成する等の場合は、P−型半導体基板51の表面から数μm程度内部に入った領域に形成する必要がある。そのためには、高電流、高加速エネルギーを有するイオン注入装置が必要になり、イオン注入時の結晶欠陥発生防止のための対策も必要になる。係るP−型半導体基板51を使用することによる諸問題への対応も必要になる。
【0015】
また、高耐圧IGBTの場合、SOI層の膜厚が厚くなるため、該SOI層に深いトレンチを形成する必要がある。深いトレンチの場合、該トレンチ内を充填するポリシリコンの膜厚も厚くなり、またトレンチ部分のポリシリコンに窪み部が生じる。係るP−型半導体基板にIGBT等のデバイス素子を形成する場合、ポリシリコン膜上から平坦化処理を行わなければならないとの問題もある。
【0016】
上記のターンオフ特性劣化、P−型半導体基板51の使用に伴う諸問題、及びトレンチを被覆する厚いポリシリコン膜形成に伴う問題等の解決が課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の半導体装置は、第1導電型のエピタキシャル層及び該エピタキシャル層に形成された第1導電型のドリフト層と、前記エピタキシャル層に、その底面から表面まで延在して形成されたトレンチと、前記エピタキシャル層に前記トレンチの側壁から該エピタキシャル層の底面まで延在して形成された第1導電型のバッファ層と、前記バッファ層上に形成された第2導電型の埋め込みコレクタ層と、前記トレンチの底面から前記埋め込みコレクタ層上を延在して被覆する埋め込み絶縁膜と、前記トレンチ内を含む前記埋め込み絶縁膜上を被覆するポリシリコン膜と、前記ポリシリコン膜と、その表面に形成された絶縁膜を介して貼り合わされた第2導電型の半導体基板と、を具備することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の半導体装置は、前記エピタキシャル層の不純物濃度が該エピタキシャル層の両面から内部に向かって低くなり該エピタキシャル層内部に不純物濃度の低い領域を具備することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の半導体装置は、前記エピタキシャル層がノンドープ層からなる高抵抗エピタキシャル層であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の半導体装置は、前記埋め込みコレクタ層が前記トレンチ底面から前記バッファ層を延在して被覆する第2エピタキシャル層に第2導電型の不純物を拡散して形成されたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ダミー半導体基板に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層に前記ダミー半導体基板の表面まで延在するトレンチを形成する工程と、前記エピタキシャル層に前記トレンチの側壁から該エピタキシャル層の表面まで延在する第1導電型のバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層を被覆する第2導電型の埋め込みコレクタ層を形成する工程と、前記トレンチ底面から前記埋め込みコレクタ層上を延在して被覆する埋め込み絶縁膜を形成する工程と、前記トレンチ内を含む前記埋め込み絶縁膜上を被覆するポリシリコン膜を形成する工程と、前記ポリシリコン膜と、その表面に形成された絶縁膜を介して第2導電型の半導体基板を貼り合わせる工程と、前記半導体基板の貼り合わせ後に前記ダミー半導体基板を除去する工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記ダミー半導体基板が高濃度アンチモンドープ半導体基板であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記ダミー半導体基板上に前記トレンチ形成時のエッチングストッパとなり、且つ該ダミー半導体基板の除去時に同時に除去される第2導電型のトレンチエッチストッパ層を形成する工程を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記エピタキシャル層の不純物濃度が該エピタキシャル層の両面から内部に向かって低くなり該エピタキシャル層内部に不純物濃度の低い領域を形成することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記埋め込みコレクタ層が前記トレンチ底面から前記バッファ層を延在して被覆する第2エピタキシャル層に第2導電型の不純物を拡散して形成することを特徴とする。
【0026】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記埋め込み絶縁膜が前記埋め込みコレクタ層を熱酸化して形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明の半導体装置及びその製造方法によれば、IGBTの導電変調効果を高めつつターンオフ特性の劣化を防止することができ、P−型半導体基板の使用に伴う諸問題の解決、及びトレンチを充填するポリシリコン膜の有効活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1乃至第3の実施形態における半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における半導体装置のSOI基板の不純物プロファイルを示すグラフである。
【図10】従来の半導体装置及びその製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図1に基づいて説明する。図1はトレンチ30等からなる誘電体分離層31と埋め込み絶縁膜5等で分離されたIGBT形成領域40とその制御回路等形成領域41を拡大して示す半導体装置の断面図である。実際のIGBT形成領域40は同図のエミッタ電極15aの左側に右側部分と対称部分を有し、全体としてIGBT形成用のSOIアイランドを形成している。
【0030】
本実施形態のIGBT形成領域40のSOI基板は以下の構成を採用している。SOI層の中のS(Silicon)層が、N型ドリフト層8aとN型バッファ層7とP+型埋め込みコレクタ層6から構成され、SOI層の中のI(Insulater)層が埋め込み絶縁膜5と後述のポリシリコン膜3及びSOI層の支持基板となるP型半導体基板1上に形成された絶縁膜2から構成される。
【0031】
また、上記S層は、誘電体分離層31で分離されたN型エピタキシャル層8にN型ドリフト層8a及びN型バッファ層7が形成され、N型バッファ層7上にP+型埋め込みコレクタ層6が形成され構築される。N型バッファ層7及びP+型埋め込みコレクタ層6は同図に示すように、この順序でトレンチ30の側壁をN型ドリフト層8aの底面まで延在する。
【0032】
誘電体分離層31は、N型エピタキシャル層8の表面と略同一平面状態でトレンチ30の底面を被覆しP+型埋め込みコレクタ層6上を延在する埋め込み絶縁膜5と、P+型埋め込みコレクタ層6上からトレンチ30の底面まで延在する埋め込み絶縁膜5上に形成されトレンチ30内を完全又は不完全に埋め込むポリシリコン膜3から構成される。
【0033】
また、本実施形態のIGBTは高耐圧なのでN型ドリフト層8aとなるN型エピタキシャル層8の膜厚は厚くなる。そのためトレンチ30も深くなり、トレンチエッチング時のアスペクト比にもよるがトレンチ30の開口幅も大きくなる。従って、前述のポリシリコン膜3の膜厚も厚くなり、トレンチ30上を被覆するポリシリコン膜3には、同図に示すように窪み部4が形成される。トレンチ30の開口幅の大きさによっては、窪み部4はトレンチ30の内部まで形成される。
【0034】
上記構成をとるSOI構造のS層を構成するN型エピタキシャル層8は、IGBT形成領域40では、前述のようにN型ドリフト層8a等となる。N型ドリフト層8aにはP型ベース層9が形成される。また、P型ベース層9と同時にP型フィールドリング10が形成される。P型フィールドリング10は、IGBTに高電圧が印加されたときN型ドリフト層8aの表面に空乏層を拡げる役目を有し、IGBTが表面で絶縁破壊するのを防止している。
【0035】
P型ベース層9にはN+型エミッタ層11が形成される。また、N+型エミッタ層11の端部からN型ドリフト層8a上まで、ゲート絶縁膜12を介してP型ベース層9上を延在するゲート電極13が形成される。ゲート電極13の下部のゲート絶縁膜12と隣接するP型ベース層9はゲート電極13に正電圧を印加した時にN型層に反転するチャネル層となる。
【0036】
層間絶縁膜14等に形成されたコンタクトホールを介して、エミッタ電極15aとN+型エミッタ層11とを接続し、コレクタ電極15bとP+型埋め込みコレクタ層6とを接続することによりIGBTが形成される。また制御回路等形成領域41には、例えば不図示のNPNバイポーラトランジスタ等が形成される。
【0037】
なお、同図ではN+型エミッタ層11は1個しか形成されていないが、実際は複数形成されておりチャネル密度を高めている。また、P型フィールドリング層10も1個のみしか記載していないが耐圧が高くなるに従い、その個数も増やすことになる。
【0038】
本実施形態のS層を構成するエピタキシャル層8等は、該エピタキシャル層8を堆積させた後述のダミー半導体基板16が存在しない状態でI層を介してP形半導体基板1に貼り合わされているが、実際は後述の半導体装置の製造方法で詳述するようにダミー半導体基板16上に堆積される。そして、ダミー半導体基板16の存在しないN型エピタキシャル層8は、N型エピタキシャル層8等の形成された面側にSOI層の支持基板となるP型半導体基板1を貼り合わせた後、ダミー半導体基板16を研削等して除去することにより形成される。
【0039】
以下に、本実施形態の半導体装置を構成するIGBTの備える特徴について説明する。特許文献1と大きく異なる第1の特徴は、SOI層のS層が引例と異なりN型エピタキシャル層8で構成され、高耐圧IGBTを実現していることである。半導体集積回路を形成する場合、通常、引例も含め半導体基板としてCZ法で形成されたCZ型半導体基板が使用される。
【0040】
比較的低耐圧のIGBTを備える半導体集積回路の場合はCZ型半導体基板でも問題ない。しかし、IGBTの耐圧が高くなると、通常のCZ型半導体基板の場合、不純物濃度、特に酸素濃度が高いため、それらが核となり結晶欠陥を発生させることからリーク電流が増大し耐圧の低下をきたしてしまう。
【0041】
通常、ディスクリートタイプの高耐圧IGBTは、FZ法で形成された酸素濃度等の不純物濃度の低いFZ型半導体基板に形成される。一方で、半導体集積回路製造ラインでは半導体基板の大口径化の進展が著しく300mmφ以上のCZ型半導体基板が主流となり製造ラインが構築されている。
【0042】
しかし、FZ型半導体基板は大口径化が難しく、IGBTとその制御回路等の周辺回路等を一体化した半導体集積回路からなる半導体装置を実現するためには、半導体集積回路製造ラインで主流となる大口径CZ型半導体基板を使用する必要がある。この場合、CZ型半導体基板では、前述したように高耐圧IGBTを実現するのが困難になる。
【0043】
そこでCZ型半導体基板上に成長させた酸素濃度等の不純物濃度の低いN型エピタキシャル層8をSOI層のS層として採用し高耐圧IGBTの実現を図っている。
【0044】
また本実施形態の高耐圧IGBTは、厚いN型エピタキシャル層8でIGBTのN型ドリフト層8aが構成されることから、IGBTに高電圧が印加された場合でも空乏層がP+型埋め込みコレクタ層6まで到達しない構造となっている。従って、オン抵抗の低減を図るため、N型ドリフト層8aの外側を取り囲み、且つN型ドリフト層8aより不純物濃度の高いN型バッファ層7を形成していることが第2の特徴である。
【0045】
また、高濃度のP+型埋め込みコレクタ層6を設けたことにより、IGBTのオン時に該P+型埋め込みコレクタ層6から多数の正孔がN型ドリフト層8a内に注入され、大きな導電変調効果を得ることができる。しかし、このことはIGBTがオフしたときに
過剰にN型ドリフト層8a内に注入された正孔の再結合による消滅が遅れ、ターンオフ特性の劣化を招く結果になる。
【0046】
そのため、N型ドリフト層8aより不純物濃度の高いN型バッファ層7を設けて、P+型埋め込みコレクタ層6からN型ドリフト層8aに注入された過剰な正孔の再結合速度を高め、ターンオフ特性の劣化を防止しているのが第3の特徴となる。
【0047】
このようなN型バッファ層7やP+型埋め込みコレクタ層6をN型エピタキシャル層8の底面に過剰な這い上がり層を発生させることなく形成したことが第4の特徴となる。ここで、N型エピタキシャル層8の底面とはIGBTのエミッタ電極15a等が形成されたN型エピタキシャル層8の面と相対する面のことである。
【0048】
通常のN型エピタキシャル層の成長方法では、厚いN型エピタキシャル層8の底面に過剰な這い上がり層を有さないようにP+型埋め込みコレクタ層6のようなものを形成することは困難である。本実施形態の製造方法では厚いN型エピタキシャル層8の底面に過剰な這い上がり層を有さないようにP+型埋め込みコレクタ層6等を形成することができる。この製造方法が第5の特徴となる。
【0049】
また、埋め込み絶縁膜5上を被覆するポリシリコン膜3とSOI層の支持基板となるP型半導体基板1とが、該P型半導体基板1上に形成された絶縁膜2を介して貼り合わされていることが第6の特徴となる。埋め込み絶縁膜5及び絶縁膜2のそれぞれの膜厚を薄くすることができ、埋め込み絶縁膜5と絶縁膜2に挟まれたポリシリコン膜3と共にI層が形成される。その結果、薄い埋め込み絶縁膜5等とポリシリコン膜3のバッファ効果によりN型エピタキシャル層8が熱処理等でP型半導体基板1から受ける応力を緩和することができる。
【0050】
また、特許文献1のように、P−型半導体基板51のエミッタ電極E等を形成する面側からトレンチ内を含むP−型半導体基板51の表面にポリシリコン膜を形成した場合、トレンチ内等に形成されるポリシリコン膜の窪み部を平坦化する処理が必要になる。しかし、本実施形態では、その上に絶縁膜2を介してP型半導体基板1を貼り合わせるだけなので、例え窪み部4が多少トレンチ30内に入り込んで形成されても平坦化処理は必要でない。これが第7の特徴となる。
【0051】
最後の特徴は、特許文献1の場合に比べ、本実施形態ではSOI層の中のS層の膜厚のばらつき幅が4分の1程度に改善されることである。本実施形態におけるS層のばらつきはN型エピタキシャル層8の膜厚のばらつきがメインであり±10%以内である。それに対して引例ではP−型半導体基板51の膜厚のばらつきに加えP−型半導体基板1を研削、エッチングするときのばらつき等が重畳され全体として少なくとも±40%程度のばらつきとなる。本実施形態のIGBTはその分だけIGBTのオン抵抗、耐圧等の設計自由度が高くなる。
【0052】
本実施形態の半導体装置の製造方法について、図1〜図6に基づいて以下に説明する。先ず、図2に示すように、ダミー半導体基板16上にN型エピタキシャル層8を所定のエピタキシャル法で成長させる。次に、N型エピタキシャル層8の表面からダミー半導体基板16の表面まで延在するトレンチ30を、不図示の絶縁膜マスクにより所定の異方性ドライエッチング法等により形成する。
【0053】
次に、トレンチ30の側壁に露出したN型エピタキシャル層8から該N型エピタキシャル層8の表面に延在するN型バッファ層7を三塩化オキシリン(POCl)等の熱拡散、又はリン(P)のイオン注入及び熱拡散により形成する。前述の絶縁膜マスクによりトレンチ30の側壁部分はPOClからのリン(P)拡散により、N型エピタキシャル層の表面はリン(P)のイオン注入のよりN型バッファ層7を形成しても良い。この場合、側壁部は表面部分より高濃度で抵抗の低いN型バッファ層7にすることができる。なお、N型バッファ層7の内側のN型エピタキシャル層8はN型ドリフト層8aになる。
【0054】
次に、トレンチ30の底面から延在してN型バッファ層7を被覆する第2のエピタキシャル層8bを所定の方法により形成する。次に図3に示すように、エピタキシャル層8b内に三臭化ボロン(BBr)等を不純物源としてボロン(B)を熱拡散してエピタキシャル層8bを高濃度のP+型埋め込みコレクタ層6に変換する。
【0055】
次に、P+型埋め込みコレクタ層6の表面に熱酸化等により埋め込み絶縁膜5を形成する。その後、トレンチ30内を含む埋め込み絶縁膜5上を被覆するポリシリコン膜3を所定の減圧CVD法等により形成する。この場合、トレンチ30上のポリシリコン膜3には窪み部4が形成される。
【0056】
なお、P+型埋め込みコレクタ層6を形成する場合、必ずしも図2における第2のエピタキシャル層8bを形成しなくとも良い。N型エピタキシャル層8の更におくまでリン(P)等の不純物を拡散させN型バッファ層7を形成し、該N型バッファ層7にBBr等を不純物源としてボロン(B)を熱拡散して形成することができる。この場合、埋め込み絶縁膜5は、トレンチ30底面においてダミー半導体基板16に形成されることになる。
【0057】
膜厚の厚いN型エピタキシャル層8に形成されるトレンチ30は深さが深く、またドライエッチング等のアスペクト比にもよるがその開口幅も大きくなる。開口幅が大きくなった場合、ポリシリコン膜3がトレンチ30内を十分に充填することができず不完全埋め込み状態となる。この場合、窪み部4がトレンチ30の内部まで延在する。
【0058】
次に、図4に示すように、トレンチ30の内部を含む埋め込み絶縁膜5上に形成されたポリシリコン膜3とP型半導体基板1とを、該P型半導体基板1上に形成された絶縁膜2を介して貼り合わせる。その後、高温炉中で熱処理することにより支持基板としてのP型半導体基板1と上記構成のSOI層とが一体物となりSOI基板が形成される。この場合、P型半導体基板1とSOI層のトレンチ30形成部分との間にポリシリコン膜3の窪み部4が挟み込まれ平坦性が悪くなるが、この部分にデバイス素子等が形成されることがないので特に問題となることはない。
【0059】
SOI層のI層は、前述のように埋め込み絶縁膜5、絶縁膜2、及び埋め込み絶縁膜5と絶縁膜2に挟まれたポリシリコン膜3からなる構成を採っている。埋め込み絶縁膜5や絶縁膜2の膜厚がそれぞれ特許文献1の埋め込み絶縁膜51の半分程度の薄い膜からなり、且つポリシリコン膜3がバッファとなるため、SOI層が熱処理時にP型半導体基板1から受ける応力が小さくなる。従って、SOI層が反ることもなくSOI層に形成されたIGBT等の特性も安定化する。
【0060】
次に、図5に示すように、N型エピタキシャル層8が堆積されたダミー半導体基板16を所定の方法で所定の厚さ分だけ研削し、残りのダミー半導体基板16、及びN型エピタキシャル層8、N型バッファ層7、P+型埋め込みコレクタ層6の一部を所定の方法でエッチバック処理する。
【0061】
この結果、裏面側に支持基板としてのP型半導体基板1が貼り合わされ、表面側にN型ドリフト層8aを含むN型エピタキシャル層8、N型バッファ層7、P+型埋め込み層6、及びトレンチ30の底面の埋め込み絶縁膜5が露出したSOI基板が完成する。
【0062】
なお、ダミー半導体基板16としては高濃度アンチモン(Sb)ドープのダミー半導体基板16の使用が有効である。P型半導体基板1を貼り合わせた後でダミー半導体基板16を一部残して研削等するが、残存する高濃度アンチモン(Sb)ドープされたダミー半導体基板16をフッ酸、硝酸、酢酸等からなる混酸で十分オーバーエッチングすることができる。N型エピタキシャル層8に対してエッチング速度が2桁程度速いからである。従って、ダミー半導体基板16の膜厚がばらついていてもS層の膜厚ばらつきへの影響が少ないという利点が有る。
【0063】
第2のエピタキシャル層8bを形成せず、P+型埋め込みコレクタ層6をN型バッファ層7に形成した場合は、前述したようにトレンチ30の底面の埋め込み絶縁膜5はダミー半導体基板16に形成される。従って、ダミー半導体基板16等を研削、エッチングしてN型エピタキシャル層等を露出させると、トレンチ30の底面の埋め込み絶縁膜5はN型エピタキシャル層8等より該埋め込み絶縁膜5の膜厚の4割程度高い面を持って露出する。しかし、その段差は小さく平坦化への影響は少ない。
【0064】
前述したように、IGBT形成領域40のN型エピタキシャル層8であってN型バッファ層7に囲まれた領域はIGBTのN型ドリフト層8aとなる。次に、N型ドリフト層8aにP型ベース層9及びP型フィールドリング10を形成する。その後ゲート絶縁膜12を形成し、P型ベース層9上にゲート絶縁膜12を介してN型ドリフト層8a上まで延在するゲート電極13を形成する。次にゲート電極13をマスクとしてP型ベース層9にN+型エミッタ層11を形成する。
【0065】
制御回路等形成領域41のS層にも例えば不図示のNPNバイポーラトランジスタ等、必要なデバイス素子を形成する。次に、図1に示すように、層間絶縁膜14を所定のCVD法等により形成し、該層間絶縁膜14等に所定のフォトエッチング工程を経てコンタクトホールを形成する。次に、所定のCVD法やスパッタ法で金属膜を形成し、該金属膜から所定のフォトエッチング工程を経て、SOI層のN+型エミッタ層11等と接続されるエミッタ電極15a等を形成する。
【0066】
その後多層配線構造等を所定の方法で形成した後、パッシベーション用のシリコン窒化膜等からなる保護膜を形成することによりウエハ状態でのIGBT及びその制御回路等を内蔵する半導体装置は完成する。
【0067】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態について図1、図5、図6〜図8に基づいて説明する。本実施形態の半導体装置の断面図は第1の実施形態を示す図1と同一である。従って、SOI基板の構成、及びIGBTの特徴も第1の実施形態と同一である。製造方法に第1の実施形態との相違点がある。
【0068】
第1の実施形態との相違点を半導体装置の製造方法を示す図6〜図8に基づいて説明する。先ず、図6に示すように、ダミー半導体基板16を準備するがこれは第1の実施形態と同様である。次に、N型エピタキシャル層8を成長する前にダミー半導体基板16に所定の方法によりボロン(B)を拡散等してP+型トレンチエッチストッパ17を形成する。この工程を採用することにより後述の特徴がもたらされる。その後、N型エピタキシャル層8を形成し、次に該N型エピタキシャル層にダミー半導体基板16の表面にいたるトレンチ30を形成する。
【0069】
この場合、トレンチ30形成のため通常のドライエッチング法等が採用されるが、完全にN型エピタキシャル層8をエッチングせず、所定の膜厚分だけ残す。その後、高濃度のP+型チャネルストッパ17のエッチングレートがN型エピタキシャル層8に対するエッチングレートに対して10分の1程度と遅いアルカリ系エッチング液で仕上げのエッチングを行う。
【0070】
この結果、トレンチ形成時にアルカリ系エッチング液でオーバーエッチングしてもN型エピタキシャル層8の表面からダミー半導体基板16の表面まで、ダミー半導体基板16をエッチングすることなくトレンチ30を形成することができる。これが本実施形態の特徴である。
【0071】
第1の実施形態の場合はオーバーエッチングした分だけトレンチ30底面のダミー半導体基板16がエッチングされ窪みが形成される。従って、トレンチ30底面の埋め込み絶縁膜5にも窪み部が残る。この後のN型バッファ層7、第2のエピタキシャル層8aの形成は第1の実施形態と同様である。
【0072】
次に、図7に示すように、P+型埋め込みコレクタ層6、埋め込み絶縁膜5ポリシリコン膜3を形成するが、これも第1の実施形態と同様である。P+型トレンチエッチストッパ17の有無だけが異なる。トレンチ30上のポリシリコン膜3の窪み部4は、第1の実施形態に比べて、トレンチ30形成時のオーバーエッチングによるダミー半導体基板16の窪みが存在しないだけ浅くなる。
【0073】
次に図8に示すようにSOI層の支持基板となるP型半導体基板1にSOI層を貼り合わせるが、その内容は第1の実施形態と同様である。この段階でもダミー半導体基板16上にはP+型トレンチエッチストッパ17は残存している。
【0074】
次に、図5に示すように、ダミー半導体基板16を研削、エッチングするが、この時点でダミー半導体基板16の表面に形成されていたP+型トレンチエッチストッパ17もエッチバックして除去される。その後の工程は第1の実施形態と同様であり、本実施形態の半導体装置が完成する。
【0075】
[第3の実施形態]
本発明の実施形態に係る半導体装置の断面図は第1の実施形態の図1とほぼ同様である。従って、その特徴も第1の実施形態の特徴を全て備えている。第1の実施形態との相違点はN型エピタキシャル層8の不純物プロファイルがN型エピタキシャル層8の両端から中央部に向かい傾斜している点である。
【0076】
その様子を図9に、規格化されたエピタキシャル層の膜厚と規格化された不純物濃度の関係として示す。同図のAはP型ベース層9、DはP+型埋め込みコレクタ層6、CはN型バッファ層7、そしてBはN型エピタキシャル層8の不純物プロファイルを示している。N型エピタキシャル層8は、その両端から中央に向かい不純物濃度が徐々に低下しており不純物濃度の最低部を有する。該不純物濃度の最低部はN型エピタキシャル層8の中央部からP型ベース層9よりの部分に形成される方が望ましい。
【0077】
N型エピタキシャル層8はIGBTのN型ドリフト層8aを構成しており、IGBTがオン状態のときN+型エミッタ層11から電子が注入され、P+型埋め込みコレクタ層6から正孔が注入され、いわゆる導電変調効果を発揮しIGBTのオン抵抗を低減している。
【0078】
この場合、第1図に示すN型ドリフト層8aの上下両端から徐々に不純物濃度が低下し、N型ドリフト層8aの内部に不純物濃度の低い窪み部が形成されると、P+型埋め込みコレクタ層6からその窪み部に注入された正孔はその中から脱出しにくくなる。その結果、N型ドリフト層8aの内部に正孔の多い領域が形成され、更に導電変調効果を高めることになる。これが本実施形態の特徴である。
【0079】
本実施形態の半導体装置の製造方法もN型エピタキシャル層8の不純物濃度をその中央部に向かって低下させている以外は第1の実施形態と同様である。N型エピタキシャル層8の不純物濃度をその中央部に向かって低下させるためにはN型エピタキシャル層8の成長時間と共にフォスフィンガス(PH)の流量を変化するだけでよい。
【0080】
[第4の実施形態]
本発明の実施形態に係る半導体装置の断面図も第1の実施形態と同様である。従って、その特徴も第1の実施形態と変わらない。第1の実施形態との相違点はN型エピタキシャル層8をノンドープエピタキシャル層に変更した点である。この効果はエピタキシャル層の膜厚を薄くできることであり、その結果トレンチ30の深さを浅くでき、またその開口幅を小さくできる。従ってその分だけチャネル密度等を高めることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 P型半導体基板 2 絶縁膜 3 ポリシリコン膜 4 窪み部
5 埋め込み絶縁膜 6 P+型埋め込みコレクタ層 7 N型バッファ層
8 N型エピタキシャル層 8a N型ドリフト層 8b 第2のエピタキシャル層
9 P型ベース層 10 P型フィールドリング 11 N+型エミッタ層
12 ゲート絶縁膜 13 ゲート電極 14 層間絶縁膜
15a エミッタ電極 15b コレクタ電極 16 ダミー半導体基板
30 トレンチ 31 誘電体分離層 40 IGBT形成領域
41 制御回路等形成領域 51 P−型半導体基板 52 埋め込み絶縁膜
53 P−型半導体基板 54 IGBT 55 制御回路
56,57,58 誘電体分離層 59a P+型埋め込みエミッタ層
59b P+型埋め込み層 60 P+型エミッタ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のエピタキシャル層及び該エピタキシャル層に形成された第1導電型のドリフト層と、
前記エピタキシャル層に、その底面から表面まで延在して形成されたトレンチと、
前記エピタキシャル層に前記トレンチの側壁から該エピタキシャル層の底面まで延在して形成された第1導電型のバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第2導電型の埋め込みコレクタ層と、
前記トレンチの底面から前記埋め込みコレクタ層上を延在して被覆する埋め込み絶縁膜と、
前記トレンチ内を含む前記埋め込み絶縁膜上を被覆するポリシリコン膜と、
前記ポリシリコン膜と、その表面に形成された絶縁膜を介して貼り合わされた第2導電型の半導体基板と、を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記エピタキシャル層の不純物濃度が該エピタキシャル層の両面から内部に向かって低くなり該エピタキシャル層内部に不純物濃度の低い領域を具備することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記エピタキシャル層がノンドープ層からなる高抵抗エピタキシャル層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記埋め込みコレクタ層が前記トレンチ底面から前記バッファ層を延在して被覆する第2のエピタキシャル層に第2導電型の不純物を拡散して形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
ダミー半導体基板に第1導電型のエピタキシャル層を形成する工程と、
前記エピタキシャル層に前記ダミー半導体基板の表面まで延在するトレンチを形成する工程と、
前記エピタキシャル層に前記トレンチの側壁から該エピタキシャル層の表面まで延在する第1導電型のバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層を被覆する第2導電型の埋め込みコレクタ層を形成する工程と、
前記トレンチ底面から前記埋め込みコレクタ層上を延在して被覆する埋め込み絶縁膜を形成する工程と、
前記トレンチ内を含む前記埋め込み絶縁膜上を被覆するポリシリコン膜を形成する工程と、
前記ポリシリコン膜と、その表面に形成された絶縁膜を介して第2導電型の半導体基板を貼り合わせる工程と、
前記半導体基板の貼り合わせ後に前記ダミー半導体基板を除去する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ダミー半導体基板が高濃度アンチモンドープ半導体基板であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ダミー半導体基板上に前記トレンチ形成時のエッチングストッパとなり、且つ該ダミー半導体基板の除去時に同時に除去される第2導電型のトレンチエッチストッパ層を形成する工程を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記エピタキシャル層の不純物濃度が該エピタキシャル層の両面から内部に向かって低くなり該エピタキシャル層内部に不純物濃度の低い領域を形成することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記埋め込みコレクタ層が前記トレンチ底面から前記バッファ層を延在して被覆する第2エピタキシャル層に第2導電型の不純物を拡散して形成することを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記埋め込み絶縁膜が前記埋め込みコレクタ層を熱酸化することにより形成することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−253883(P2011−253883A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125753(P2010−125753)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(311003743)オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド (166)
【Fターム(参考)】