説明

半導体装置

【課題】リーク電流が発生しにくく、低消費電力化に好適な半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置は、半導体基板12内に埋め込まれてX方向に並列して延在する複数のビット線BLと、X方向と交差するY方向に延在するワード線と、ビット線BLと前記第2配線との交点に設けられたメモリセルMと、複数のビット線BLのうち最外列のビット線BLの外側に設けられ、X方向に延在してビット線BLと並走するダミービット線DBLとを含み、ダミービット線DBLが、半導体基板12に供給される電位と同じ電位が供給されるダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、リーク電流が発生しにくく、低消費電力化に好適な半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置の一例として、メモリセルブロックの縁部にダミー配線が配置されているものがある。ダミー配線は、配線の疎密による影響を抑制するために形成される。例えば、メモリセルブロックには、通常、微細なパターンからなる複数のビット線が繰り返し配置されている。メモリセルブロックの最外列に配置されるビット線のさらに外側にダミービット線を形成すると、最外列に配置されるビット線の形状を他のビット線の形状と等しく高精度で形成することができる。
【0003】
従来のダミー配線を有する半導体装置としては、例えば、特許文献1に記載の半導体記憶装置が挙げられる。特許文献1には、第1のダミーセル群を選択するダミーワード線と、第1のダミーセル群のデータが転送されるダミービット線とを具備する半導体記憶装置が記載されている。引用文献1に記載のダミービット線(DBL)はダミーワード線(DWL)の電位制御に応答してその電位が変化するものである。
【0004】
また、半導体装置の小型化に伴って、近年、縦構造トランジスタのような小面積構造のトランジスタを備える半導体装置が検討されている。縦構造トランジスタは、トランジスタの3端子(ソース/ゲート/ドレイン)を半導体基板の平面方向に並べるのではなく、半導体基板に垂直な方向に並べることで、トランジスタの平面積を小さくできるものである。
例えば、特許文献2には、第1の導電型のゲート電極を共有した複数の角柱縦型MOSトランジスタからなるトランジスタ列が複数配置され、アレイ状に形成された半導体装置が記載されている。
【0005】
また、従来の半導体装置の一例として、例えば、選択メモリセルのドレイン側であるサブビット線の隣のサブビット線にドレイン電位と実質同電位の電位を供給する第3メインビット線を含む不揮発性半導体記憶装置がある(例えば、特許文献3参照)。
また、従来の半導体装置の一例として、例えば、データ回路にデータがロードされた後、電流漏れ不良のあるビット線を検索し、データ回路のデータのうち不良ビット線に対応するデータの内容のみを設定し直すデータ再設定手段を具備してなる不揮発性半導体記憶装置がある(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−250020号公報
【特許文献2】特開2009−81377号公報
【特許文献3】特開2003−22684号公報
【特許文献4】特許第3512833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下は本願発明者の検討により与えられる内容である。
特許文献2に示されるような縦構造トランジスタをメモリセルトランジスタに用いた半導体装置においては、ビット線及びダミービット線は、半導体基板内に絶縁膜を介して其々形成される事となる。
【0008】
ここで、ダミービット線は上述のように端部に配置されるビット線の形状を他のビット線の形状と同等とするために設けられるものであるが、ダミービット線自身の形状が保証されるものではない。従って、ダミービット線部分において、それを覆う絶縁膜を含めて形状が均一化されず、絶縁膜が薄く形成されてしまった場合などにはダミービット線と半導体基板間においてリーク電流が発生してしまうことが考えられる。
【0009】
このリーク電流が発生すると半導体装置のスタンバイ電流等を増加させるため、これを防止することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために、ダミー配線の電位に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、半導体基板内に埋め込まれた配線およびダミー配線を有する半導体装置において、ダミー配線を、半導体基板に供給される電位と同じ電位が供給されるものとすることで、ダミー配線と半導体基板とのショートが生じたとしてもリーク電流が発生しないようにすればよいことを見出し、本発明の半導体装置を想到した。
【0011】
本発明の半導体装置は、半導体基板内に埋め込まれて第1の方向に並列して延在する複数の第1配線と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交点に設けられたメモリセルと、複数の前記第1配線のうち最外列の前記第1配線の外側に設けられ、前記第1の方向に延在して前記第1配線と並走するダミー配線とを含み、前記ダミー配線が、前記半導体基板に供給される電位と同じ電位が供給される第1ダミー配線を含むものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体装置は、半導体基板内に埋め込まれて第1の方向に並列して延在する複数の第1配線と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2配線と、前記第1配線と前記第2配線との交点に設けられたメモリセルと、複数の前記第1配線のうち最外列の前記第1配線の外側に設けられ、前記第1の方向に延在して前記第1配線と並走するダミー配線とを含み、前記ダミー配線が、前記半導体基板に供給される電位と同じ電位が供給される第1ダミー配線を含むものであるので、ダミー配線と半導体基板の間でショートが生じたとしてもリーク電流が発生しない。その結果、半導体装置の低消費電力化を妨げる半導体装置のスタンバイ電流の増加などの不都合が生じにくく、低消費電力化に好適な優れた半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の半導体装置の一例である半導体記憶装置(DRAM)を説明するための模式図である。
【図2】図2は、図1の半導体記憶装置の一部を拡大して示した図であり、図1に示す1つのバンクを示した拡大模式図である。
【図3】図3は、図2において点線で囲まれた領域を拡大して示した拡大模式図である。
【図4】図4は、図3において点線で囲まれた領域を拡大して示した拡大模式図である。
【図5】図5は、図1〜図4に示す半導体記憶装置の一部を示した図であり、メモリセルを模式的に示した斜視図である。
【図6A】図6Aは、図1〜図4に示す半導体記憶装置の一部を示した図であり、図4のA−A´断面に対応する縦断面図である。
【図6B】図6Bは、図1〜図4に示す半導体記憶装置の一部を示した図であり、図4のB−B´断面に対応する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態について詳細に説明する。尚、本発明
は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施
形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実
際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0015】
図1は、本発明の半導体装置の一例である半導体記憶装置(DRAM)を説明するための模式図である。図2は、図2は、図1の半導体記憶装置の一部を拡大して示した図であり、図1に示す1つのバンクを示した拡大模式図である。図3は、図2において点線で囲まれた領域を拡大して示した拡大模式図である。図4は、図3において点線で囲まれた領域を拡大して示した拡大模式図である。図5は、図1〜図4に示す半導体記憶装置の一部を示した図であり、メモリセルを模式的に示した斜視図である。また、図6Aおよび図6Bは、図1〜図4に示す半導体記憶装置の一部を示した図であり、図6Aは図4のA−A´断面に対応する縦断面図であり、図6Bは図4のB−B´断面に対応する縦断面図である。
【0016】
本実施形態の半導体記憶装置は、図1に示すように、格子状に配置された8つのバンク(BANK)と、複数のボンディングパッド1とを備えている。本実施形態においては、8つのバンク(BANK)を備えている場合を例に挙げて説明するが、バンクの数は特に限定されるものではなく、例えば4つであっても構わない。
【0017】
ボンディングパッド1は、外部とのインターフェースであり、データ入出力を行うためのものである。したがって、本実施形態の半導体記憶装置は、ボンディングパッド1から動作に必要な電源や、制御内容を示すコマンド、バンクの指定及びバンク内部のメモリセルの指定を含むアドレスなどを受けて動作し、ボンディングパッド1からデータを出力する。
なお、本実施形態の半導体記憶装置においては、電源として、そのまま内部の回路において用いられるVDD(電源電位)やVSS(接地電位)以外に、図1に示す内部電源発生回路2において発生されてビット線のプリチャージ等の所定の用途に用いられるVBL(ビット線プリチャージ電位)も用いられる。
【0018】
バンク(BANK)は、図2に示すように、メモリセルブロック3とセンスアンプ4とサブワードドライバー5とからなる単位構造を複数備えるものである。
図2に示すように、メモリセルブロック3は、X方向(第1の方向)およびX方向に直交するY方向(第2の方向)に沿ってアレイ状に複数並べられている。各メモリセルブロック3のY方向に沿う縁部の外側にはセンスアンプ4およびダミービット線電源供給領域(電源供給領域)4a(図2においては図示略)が配置され、各メモリセルブロック3のX方向に沿う縁部の外側にはサブワードドライバー5およびダミーワード線電源供給領域5a(図2においては図示略)が配置されている。
【0019】
また、本実施形態においては、図2に示すように、各メモリセルブロック3が、X方向においてはセンスアンプ4に挟まれ、Y方向においてはサブワードドライバー5に挟まれた状態となっている。
また、図2に示すように、バンク(BANK)のX方向に沿う縁部に配置されたサブワードドライバー5のメモリセルブロック3と反対側の縁部には、それぞれメインワードドライバー6が配置されている。また、センスアンプ4のX方向に沿う縁部とサブワードドライバー5のY方向に沿う縁部とによって囲まれた領域には、それぞれアレイ制御回路7が配置されている。アレイ制御回路7は、センスアンプ4とサブワードドライバー5の制御信号等を出力するものである。
【0020】
図3に示すように、メモリセルブロック3は、X方向に並列して延在する複数のビット線BL(第1配線)と、Y方向に並列して延在する複数のワード線WL(第2配線)と、ビット線BLとワード線WLとの交点に配置された複数のメモリセル(図3においては不図示)と、複数のビット線BLのうち最外列のビット線BLの外側に設けられ、X方向に延在してビット線BLと並走するダミービット線DBL(ダミー配線)とを含むものである。
【0021】
また、本実施形態においては、図3に示すように、複数のワード線WLのうち、最外列のワード線が、ダミーワード線DWL(第3ダミー配線)とされている。ダミーワード線DWLの内側には、ウエハレベルバーンイン用ダミーワード線DMYWLTが設けられている。ウエハレベルバーンインは、初期故障不良を除くために実施されるものであり、ウエハレベルバーンイン時にはウエハ状態で全部のワード線WLに通常の使用状態の電位レベルより高く設定された電位が供給される。ウエハレベルバーンイン用ダミーワード線DMYWLTは、ウエハレベルバーンイン時にワード線WLと同じ電位が供給されるものである。
ウエハレベルバーンイン用ダミーワード線DMYWLTが設けられていることで、ウエハレベルバーンイン用ダミーワード線DMYWLTに接続されるメモリセルやキャパシタが、ウエハレベルバーンイン用ダミーワード線DMYWLTの内側に配置されたワード線WLや、それに接続されるメモリセルやキャパシタと比較して、ウエハレベルバーンイン時にストレス不足になることを回避できる。
【0022】
ビット線BLは、センスアンプ4(SAMP)に接続されている。センスアンプ4は、メモリセルブロック3に隣接配置されて、ビット線BLを制御するものであり、ビット線BLのデータ(電圧)を増幅し、ビット線BLにVBL(ビット線プリチャージ電位)を供給するものである。
また、ダミービット線DBLは、メモリセルブロック3の縁部に配置され、ダミービット線電源供給領域4aに接続されている。ダミービット線電源供給領域4aは、図3に示すように、ダミービット線DBLに電位を供給するものであり、隣接するメモリセルブロック3間に、各センスアンプ4のY方向端部を挟むように配置されている。
【0023】
また、本実施形態においては、図4に示すように、センスアンプ4に、1ペアのビット線(例えば、図4において最外列のビット線BLとBLB<0>)の電位を増幅するアンプと、1ペアのビット線の電位を信号PRECに応答してVBLにプリチャージするプリチャージ回路とが設けられている。なお、VBL(ビット線プリチャージ電位)は、図4に示すCSPとCSNとの間(CSP−CSN間)の電位差の実質的に半分とされている。
【0024】
また、ダミービット線DBLは、図3に示すように、メモリセルブロック3のX方向に沿う両縁部に4本ずつ設けられている。
本実施形態においては、ダミービット線DBLがメモリセルブロック3の両縁部に、それぞれ4本ずつ設けられている場合を例に挙げて説明するが、ダミービット線DBLの数は特に限定されるものではなく、メモリセルブロック3の両縁部にそれぞれ3本ずつ設けられていてもよいし、2本ずつ設けられていても構わない。
なお、ダミービット線DBLの数を多くすればするほど、メモリセルブロック3の平面積を広くしなければならない。このため、ダミービット線DBLの数は、最外列のビット線BLの形状を十分な精度で形成できる本数であって、かつ少ない本数であることが望ましい。
【0025】
本実施形態においては、図4に示すように、メモリセルブロック3の両縁部に配置された4本ずつのダミービット線DBLのうち、外側から3本目までのダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>は、半導体基板に供給される電位(VSS(接地電位))と同じ電位が供給されるものとなっている。
【0026】
なお、本実施形態において、半導体基板とは、メモリセルを構成するトランジスタ(縦型トランジスタ)が形成される基板のことをいうものとする。例えば、既知のトリプルウェル構成を用いてメモリセルのトランジスタが、半導体基板と異なるPウェルからなる領域に設けられている場合には、そのPウェルからなる領域を半導体基板という。
【0027】
また、メモリセルブロック3の両縁部に配置された4本のダミービット線DBLのうち、ビット線BLに隣接するダミービット線DBL(第2ダミー配線)<3>は、図4に示すように、ビット線BLに供給される電位と同じ、ビット線BLのプリチャージ電位(VBL)が供給されるものとなっている。
このように、ダミービット線DBLが複数本設けられ、最も内側に配置されたビット線BLに隣接するダミービット線DBL<3>が、ビット線BLに供給される電位と同じ電位が供給されるものとなっている場合、最外列のビット線BLの電位の環境を他のビット線BLの環境と同様にすることができる。
【0028】
具体的には、本実施形態においては、全てのビット線BLの電位の環境が、VBLの供給されたビット線BL間または、VBLの供給されたビット線BLとダミービット線DBLとの間に挟まれている環境となっている。このため、本実施形態においては、全てのビット線BLの電位の環境が同じとなり、全てのビット線BLの電位の環境が同じでない半導体記憶装置と比較して、信頼性に優れたものとなる。
【0029】
また、図3に示すように、ワード線WLは、メモリセルブロック3に隣接配置されたサブワードドライバー5(Word Driver)に接続されており、サブワードドライバー5において、活性/非活性が制御される。サブワードドライバー5およびメインワードドライバー6(図2参照)は、ワード線WLを制御するものである。
また、ダミーワード線DWLは、メモリセルブロック3の縁部に配置され、ダミーワード線電源供給領域5aに接続されている。ダミーワード線電源供給領域5aは、図3に示すように、ダミーワード線DWLに電位を供給するものであり、隣接するメモリセルブロック3間に、各サブワードドライバー5のX方向端部を挟むように配置されている。
【0030】
また、本実施形態においては、図4に示すように、サブワードドライバー5には、ワード線WLの駆動(活性)に用いられるVPP(昇圧電位)または、ワード線WLの非選択(非活性)時の電位として用いられるVKK(負電位)が供給されるようになっている。
【0031】
本実施形態においては、図3に示すように、ダミーワード線DWLは、メモリセルブロック3のY方向に沿う両縁部に、1本ずつ設けられている。ダミーワード線DWLの数は特に限定されるものではないが、ダミーワード線DWLの数を多くすればするほど、メモリセルブロック3の平面積を広くしなければならない。このため、ダミーワード線DWLの数は、最外列のワード線WLの形状を十分な精度で形成できる本数であって、かつ少ない本数であることが望ましい。
【0032】
また、メモリセルブロック3の両縁部に配置されたダミーワード線DWLは、図4に示すように、VSS(接地電位)が供給されている。
このように、最もワード線WLに近いダミーワード線DWLが、ワード線WLに供給される電位と同じ電位が供給されるものとなっている場合、最外列のワード線WLの電位の環境を他のワード線WLの環境と同様にすることができる。したがって、本実施形態においては、全てのワード線WLの電位の環境が同じでない半導体記憶装置と比較して、信頼性に優れたものとなる。
【0033】
次に、本実施形態の半導体記憶装置に備えられたメモリセルについて、詳細に説明する。
メモリセルMは、図5に示すように、柱状半導体13を有する縦型トランジスタと、縦型トランジスタに接続されたキャパシタ11とを含むものであり、ビット線BLとワード線WLとの交点に設けられている。なお、図5においては、図4に示す2本のワード線WLと3本のビット線BL(図5の奥に記載されたビット線はトランジスタに非接続)との交点部分のみを抜き出して記載している。また、図5においては、図面を見やすくするために、キャパシタ11は2つのみ記載し、残りの2つの柱状半導体13の上部に設けられたキャパシタ11の記載を省略している。
【0034】
メモリセルMを構成する各縦型トランジスタは、図6Aおよび図6Bに示すように、半導体基板12からなる柱状半導体13と、柱状半導体13の上部に形成された縦型トランジスタの他方のソース又はドレイン領域(S/D)である上部拡散層25と、柱状半導体13の下部に形成された縦型トランジスタの他方のソース又はドレイン領域(S/D)である下部拡散層26と、ゲート絶縁膜27(図5においては図示略)を介して柱状半導体13と対向する一対のゲート電極とを備えるものである。
そして、本実施形態においては、図6Aに示すように、ビット線BLが、ビット線コンタクトBCを介して縦型トランジスタの下部拡散層26に接続されており、ワード線WLが、縦型トランジスタのゲート電極として機能するものとなっている。
【0035】
また、メモリセルMの各縦型トランジスタの上部拡散層25の上には、ストレージノードコンタクトSC(図5においては図示略)を介してキャパシタ11が形成されている。キャパシタ11は、ストレージノードSNである下部電極と容量絶縁膜とセルプレートCPである上部電極とを備えている。柱状半導体13およびストレージノードコンタクトSCの各々は、層間絶縁膜23、24により絶縁分離されている。
【0036】
図5に示すように、本実施形態においては、ビット線BLおよびダミービット線DBLの延在方向(X方向)と、ワード線WLおよびダミーワード線DWLの延在方向(Y方向)とは、平面視で直交する方向となっている。そして、図6Aおよび図6Bに示すように、ダミービット線DBLとワード線WLとの交点には、ダミートランジスタが設けられている。ダミートランジスタは、メモリセルMの縦型トランジスタと同じトランジスタからなるものである。
【0037】
また、メモリセルMおよびダミートランジスタを構成する縦型トランジスタは、半導体基板12の活性領域であるPウェルからなる領域に設けられている。図5に示すように、半導体基板12には、X方向およびY方向に沿って延在する複数のトレンチ22が形成されている。そして、トレンチ22間の領域が、トランジスタのチャネルとなる部分を含む柱状半導体13となっている。なお、柱状半導体13は、半導体基板12の活性領域にX方向およびY方向にトレンチ22を形成することにより設けられたものであり、図5、図6A、図6Bに示すように、柱状半導体13の表面13aよりも下に配置された部材は、半導体基板12に埋め込まれた部材となっている。
【0038】
各トレンチ22の底部の内壁には、熱酸化膜などからなる絶縁膜14が形成されている。絶縁膜14の内側には、図5および図6Aに示すように、ビット線BLまたはダミービット線DBLが半導体基板12内に埋め込み形成されている。したがって、ビット線BLおよびダミービット線DBLは、絶縁膜14を介して半導体基板12と接するものとなっている。
【0039】
また、図5および図6Aに示すように、ダミービット線DBLは、ビット線BLと同じ断面形状を有するものであり、ダミービット線DBLとビット線BLとの間隔は、隣接するビット線BL間の間隔と同じとされている。
また、ビット線BLは、メモリセルMの縦型トランジスタのソース又はドレイン領域(S/D)であって、各柱状半導体13の下部に設けられた下部拡散層26に、導電材料からなるビット線コンタクトBCを介してそれぞれ接続されている。
【0040】
また、図6Aに示すように、ダミービット線DBLのうち、外側から2本目までのダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>は、半導体基板12に供給される電位(VSS(接地電位))と同じ電位が供給されるものであり、絶縁膜14によってダミートランジスタと絶縁されている。
また、ダミービット線DBL<0>、DBL<1>間に配置された柱状半導体13上には、キャパシタ11が形成されていない。
【0041】
また、ダミービット線DBLのうち、外側から3本目のダミービット線(第1ダミー配線)DBL<2>は、半導体基板12に供給される電位(VSS(接地電位))と同じ電位が供給され、ダミートランジスタの下部拡散層に導電材料からなるコンタクトDBCを介して接続されている。
また、図6Aに示すように、ダミービット線DBLのうちビット線BLに隣接するダミービット線DBL(第2ダミー配線)<3>は、ビット線BLに供給される電位と同じ電位(VBL)が供給され、ビット線BLと同様に、ダミートランジスタの下部拡散層に導電材料からなるコンタクトDBCを介して接続されている。
そして、図6Aに示すように、ダミービット線DBL<2>、DBL<3>と接続された柱状半導体13上には、それぞれダミーキャパシタ11aが形成されている。
【0042】
図6Aに示すように、本実施形態においては、ダミービット線DBL<0>、DBL<1>間に配置された柱状半導体13上には、キャパシタ11が形成されていないが、ダミービット線DBL<2>、DBL<3>と接続された柱状半導体13上には、それぞれダミーキャパシタ11aが形成されている。ダミーキャパシタ11aは、キャパシタ11の形状を安定して高精度で形成するために設けられるものである。本実施形態においては、ダミービット線DBL<2>、DBL<3>と接続された柱状半導体13上に、それぞれダミーキャパシタ11aが形成されているので、ダミービット線DBL<0>、DBL<1>間に配置された柱状半導体13上にキャパシタ11が形成されていなくても、キャパシタ11の形状を安定して高精度で形成できる。このため、ダミービット線DBL<0>、DBL<1>間に配置された柱状半導体13上にキャパシタ11を形成せず、生産性を向上させている。
【0043】
また、図6Aおよび図6Bに示すように、ダミービット線DBLのうち、外側から3本目までのダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>は、ビット線BLよりも上層に設けられた上層配線28(配線層)からコンタクトプラグ29を介して電位(VSS(接地電位))が供給されるようになっている。コンタクトプラグ29は、図3に示すメモリセルブロック3のY方向に沿う縁部の外側に配置されたダミービット線電源供給領域4aに設けられている。
【0044】
また、図6Aに示すように、ダミービット線DBLのうち、ビット線BLに隣接するダミービット線DBL(第2ダミー配線)<3>およびビット線BLは、ビット線BLよりも上層に設けられた上層配線18(配線層)からダミービット線電源供給領域4aまたはセンスアンプ4に設けられた図示しないコンタクトプラグを介して電位(VBL)が供給されるようになっている。
【0045】
また、図6Bに示すように、ワード線WLおよびダミーワード線DWLは、ワード線WLよりも上層に設けられた上層配線19(配線層)からサブワードドライバー5またはダミーワード線電源供給領域5aに設けられた図示しないコンタクトプラグを介して電位(VSS(接地電位))が供給されるようになっている。
【0046】
なお、図6Aおよび図6Bに示すように、ダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>に電位を供給する上層配線28と、ビット線BLに隣接するダミービット線DBL(第2ダミー配線)<3>およびビット線BLに電位を供給する上層配線18とは、基板深さ方向の位置が同じ層となっているが、上層配線28および上層配線18と、ワード線WLおよびダミーワード線DWLに電位を供給する上層配線19とは、基板深さ方向の位置が異なる層となっている。
【0047】
本実施形態の半導体記憶装置は、半導体基板12内に埋め込まれてX方向に並列して延在する複数のビット線BLと、X方向と交差するY方向に延在するワード線WLと、ビット線BLとワード線WLとの交点に設けられたメモリセルMと、複数のビット線BLのうち最外列のビット線BLの外側に設けられ、X方向に延在してビット線BLと並走するダミービット線DBLとを含み、ダミービット線DBLが、半導体基板12に供給される電位と同じ電位が供給されるダミービット線(第1ダミー配線)DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>を含むものであるので、ダミービット線DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>と半導体基板12の間でショートが生じたとしてもリーク電流が発生しない。その結果、半導体装置の低消費電力化を妨げる半導体装置のスタンバイ電流の増加などの不都合が生じにくく、低消費電力化に好適な優れた半導体装置を提供できる。
【0048】
また、本実施形態の半導体記憶装置は、ダミービット線DBLが、複数本設けられ、最も外側に配置されているダミービット線DBL<0>が、半導体基板12に供給される電位と同じ電位が供給されるものであるので、ダミービット線DBL<0>と半導体基板12の間でのショートに起因するリーク電流を効果的に防止できる。
【0049】
また、本実施形態の半導体記憶装置は、ダミービット線DBLが絶縁膜14を介して半導体基板12と接しているので、ダミービット線DBLと半導体基板12との間のショートを防止することができる。
なお、本実施形態においては、ビット線BLに隣接するダミービット線DBL<3>の外側にもダミービット線DBLが設けられているので、ビット線BLに隣接するダミービット線DBL<3>の形状や、ダミービット線DBL<3>と半導体基板12との間の絶縁膜14の形状は、高精度で形成されたものとなる。したがって、ビット線BLのプリチャージ電位(VBL)が供給されるダミービット線DBLであるダミービット線DBL<3>と半導体基板12との間でのショートは、絶縁膜14によって効果的に防止される。
【0050】
また、本実施形態の半導体記憶装置は、メモリセルMが、縦型トランジスタを有するものであるので、小型化に適したものとなる。
また、本実施形態の半導体記憶装置は、ダミービット線DBLが、ビット線BLと同じ断面形状を有するものであり、ダミービット線DBLとビット線BLとの間隔が、隣接するビット線BL間の間隔と同じであるので、最外列に配置されるビット線BLの形状を他のビット線BLの形状と等しく高精度で形成することができる。
【0051】
また、本実施形態の半導体記憶装置は、ワード線WLが、半導体基板12内に埋め込まれて並列して延在する複数のものであり、複数のワード線WLのうち最外列のワード線WLが、ダミーワード線DWLであるので、ダミーワード線DWLに隣接して配置されるワード線WLの形状を他のワード線WLの形状と等しく高精度で形成することができる。
【0052】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、ビット線やワード線のような複数アレイ配置されている線を用いるものであって、その線自身が半導体基板内に埋め込まれている構成であれば、他の半導体メモリ(SRAM(Static Random Access Memory),フラッシュメモリ、PRAM(Phase Change Random Access Memory),MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等)や、コントローラ等の半導体装置においても本発明は同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…ボンディングパッド、2…内部電源発生回路、3…メモリセルブロック、4…センスアンプ、4a…ダミービット線電源供給領域(電源供給領域)、5…サブワードドライバー、5a…ダミーワード線電源供給領域、6…メインワードドライバー、7…アレイ制御回路、11…キャパシタ、11a…ダミーキャパシタ、12…半導体基板、13…柱状半導体、14…絶縁膜、18、19、28…上層配線(配線層)、22…トレンチ、23、24…層間絶縁膜、25…上部拡散層、26…下部拡散層、27…ゲート絶縁膜、29…コンタクトプラグ、BC…ビット線コンタクト、BL…ビット線(第1配線)、CP…セルプレート、DBC…コンタクト、DBL…ダミービット線(ダミー配線)、DBL<0>、DBL<1>、DBL<2>…第1ダミー配線(ダミー配線)、DBL<3>…第2ダミー配線(ダミー配線)、DWL…ダミーワード線(第3ダミー配線)、M…メモリセル、SC…ストレージノードコンタクト、VSS…接地電位、VBL…ビット線プリチャージ電位、WL…ワード線(第2配線)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板内に埋め込まれて第1の方向に並列して延在する複数の第1配線と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する第2配線と、
前記第1配線と前記第2配線との交点に設けられたメモリセルと、
複数の前記第1配線のうち最外列の前記第1配線の外側に設けられ、前記第1の方向に延在して前記第1配線と並走するダミー配線とを含み、
前記ダミー配線が、前記半導体基板に供給される電位と同じ電位が供給される第1ダミー配線を含むものであることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1配線がビット線であり、前記第2配線がワード線であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ダミー配線は、接地電位が供給されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ダミー配線が、複数本設けられ、
最も外側に配置されている前記ダミー配線が、前記第1ダミー配線であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
複数本の前記ダミー配線のうち前記第1配線に隣接する第2ダミー配線が、前記第1配線に供給される電位と同じ電位が供給されるものであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2ダミー配線は、ビット線プリチャージ電位が供給されるものであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の第1配線と、前記第2配線と、前記メモリセルと、前記ダミー配線とを含むメモリセルブロックが備えられ、
前記メモリセルブロックの前記第2の方向に沿う縁部の外側に、前記ダミー配線に電位を供給する電源供給領域が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記メモリセルブロックが複数備えられ、前記電源供給領域が、隣接する前記メモリセルブロック間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記メモリセルブロックの前記第2の方向に沿う縁部の外側に、前記第1配線に電位を供給するセンスアンプが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ダミー配線が絶縁膜を介して前記半導体基板と接していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記メモリセルが、前記半導体基板からなる柱状半導体と、前記柱状半導体の上部に形成された上部拡散層と、前記柱状半導体の下部に形成された下部拡散層と、ゲート絶縁膜を介して前記柱状半導体と対向するゲート電極とを備える縦型トランジスタを有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1配線が、ビット線コンタクトを介して前記下部拡散層に接続され、
前記第2配線が、前記ゲート電極として機能するものであることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記ダミー配線と前記第2配線との交点に設けられたダミートランジスタを含み、
前記ダミートランジスタが、前記メモリセルの前記縦型トランジスタと同じトランジスタからなるものであることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ダミー配線が、複数本設けられ、
複数本の前記ダミー配線のうち前記第1配線に隣接する第2ダミー配線が、前記第1配線に供給される電位と同じ電位が供給され、前記ダミートランジスタの前記下部拡散層にコンタクトを介して接続されているものであることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記ダミー配線が、複数本設けられ、
複数本の前記ダミー配線のうち最も外側に配置されたダミー配線が、前記ダミートランジスタと絶縁されていることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記メモリセルが、前記縦型トランジスタに接続されたキャパシタを含むことを特徴とする請求項11〜請求項15のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第2ダミー配線と前記第2配線との交点に設けられたダミートランジスタ上に、前記ダミートランジスタに接続されたダミーキャパシタが設けられていることを特徴とする請求項14〜請求項16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ダミー配線が、前記第1配線と同じ断面形状を有するものであり、
前記ダミー配線と前記第1配線との間隔が、隣接する前記第1配線間の間隔と同じであることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記ダミー配線が、前記第1配線よりも上層に設けられた配線層からコンタクトプラグを介して電位が供給されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第2配線が、半導体基板内に埋め込まれて並列して延在する複数のものであり、
複数の前記第2配線のうち少なくとも最外列の前記第2配線が、第3ダミー配線であることを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2012−43995(P2012−43995A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184131(P2010−184131)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】