説明

半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法

【課題】開孔歩留まりの低下を抑制可能なコンタクトプラグを有する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体基板11の表面に形成された拡散層16を有するトランジスタ15、トランジスタ15の上方に配置された強誘電体キャパシタ30、強誘電体キャパシタ30の上方に配置された配線部50、拡散層16と強誘電体キャパシタ30と配線部50とをそれぞれ接続するコンタクトプラグ25、41、43、及び、強誘電体キャパシタ30を保護する下部の水素バリア膜21、上部の水素バリア膜37を有して、拡散層16と配線部50とを接続するコンタクトプラグ43は、上部の層間絶縁膜39、及び、下部の半導体基板11の表面に接して連続して形成された水素バリア膜21、37が開孔されて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強誘電体キャパシタを有する半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、強誘電体キャパシタを用いて不揮発にデータを記憶する半導体記憶装置(以下、FeRAM、Ferroelectric Random Access Memory)が知られている。FeRAMの内、チェーン型FeRAMは、トランジスタと強誘電体キャパシタを並列接続したものを、複数個直列接続してセルアレイブロックを構成している。強誘電体キャパシタは、絶縁膜で覆われた半導体基板上に下部電極、強誘電体膜、及び上部電極が積層して形成される。
【0003】
チェーン型FeRAMは、セルアレイブロック内で隣接するトランジスタの拡散層を共有することにより、また、強誘電体キャパシタにCOP(Capacitor On Plug)構造を用いることにより単位セルの微細化が見込まれている。COP構造は、トランジスタが形成された半導体基板上の層間絶縁膜にコンタクトプラグを埋め込み、このコンタクトプラグ上に強誘電体キャパシタを形成するものである。
【0004】
また、強誘電体キャパシタは、水素の還元作用により特性劣化が起こり易く、保護するために水素バリア膜で覆う構造とすることが多い。
【0005】
そこで、例えば、半導体基板と、半導体基板上に形成され、ゲート電極と1対の拡散層とを有するトランジスタと、半導体基板及びトランジスタ上に形成された第1の層間絶縁膜と、第1の層間絶縁膜上に選択的に形成され、下部電極と強誘電体膜と上部電極とを有する強誘電体キャパシタと、連続して形成された第1乃至第3の部分を有し、第1の部分は第1の層間絶縁膜上に設けられ、第2の部分は下部電極の側面、強誘電体膜の側面及び上部電極の側面をそれぞれ覆い、第3の部分は上部電極の上面上に設けられている第1の水素バリア膜と、第2の部分上に形成された介在層と、連続して形成された第4乃至第6の部分を有し、第4の部分は第1の部分の少なくとも一部と接触する接触部分を備え、第5の部分は介在層上に設けられ、第6の部分は第3の部分上に設けられている第2の水素バリア膜とを備え、更に、第2の水素バリア膜上に第2の層間絶縁膜を有して、第2の層間絶縁膜、第2及び第1の水素バリア膜、及び、第1の層間絶縁膜を貫通して形成されたコンタクトプラグを備えた半導体記憶装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかしながら、開示された半導体記憶装置では、水素バリア膜がトランジスタ上の第1の層間絶縁膜の上に存在する形状をなしており、コンタクト孔は、第2及び第1の中間で第2及び第1の水素バリア膜を貫通し、その後、更に第1の層間絶縁膜を貫通してコンタクト孔を形成する必要があり、安定的に開孔することが難しいという問題を有している。
【特許文献1】特開2005−268472号公報(第4、5頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、開孔歩留まりの低下を抑制可能なコンタクトプラグを有する半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の半導体記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板の表面にソース及びドレインとなる拡散層を有するトランジスタと、一端が一方の前記拡散層と接続され、層間絶縁膜に埋め込まれて形成された第1のコンタクトプラグと、下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順に有し、前記下部電極が前記第1のコンタクトプラグの他端と接続され、前記上部電極が第1の配線に接続された強誘電体キャパシタと、少なくとも前記トランジスタの一部を覆うように設けられた第1の水素バリア膜と、前記第1の配線へ接続される前記上部電極の接続部を除いて、前記強誘電体キャパシタ及び前記層間絶縁膜を覆い、前記第1の水素バリア膜と接して設けられた第2の水素バリア膜と、一端が、少なくとも前記第2の水素バリア膜を貫通して、他方の前記拡散層と接続され、他端が第2の配線と接続された第2のコンタクトプラグとを備えていること特徴とする。
【0009】
また、本発明の別態様の半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板にソース及びドレインとなる拡散層を有するトランジスタを形成し、前記トランジスタを覆うように第1の水素バリア膜を形成する工程と、前記第1の水素バリア膜の上に、第1の層間絶縁膜を形成し、第1の層間絶縁膜を貫通して一方の前記拡散層と接続する第1のコンタクトプラグを形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜上に、第1のコンタクトプラグと接続する下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順に有する強誘電体キャパシタを形成する工程と、前記強誘電体キャパシタをマスクとして、少なくとも前記第1の層間絶縁膜をエッチングする工程と、前記強誘電体キャパシタ及び前記第1の層間絶縁膜を覆い、前記第1の水素バリア膜に接して、第2の水素バリア膜を形成する工程と、前記第2の水素バリア膜上に、第2の層間絶縁膜を形成し、少なくとも前記第2の水素バリア膜及び第2の層間絶縁膜を貫通して、前記上部電極と接続する上部コンタクトプラグを形成する工程と、少なくとも前記第2の水素バリア膜及び第2の層間絶縁膜を貫通して、他方の前記拡散層と接続する第2のコンタクトプラグを形成する工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開孔歩留まりの低下を抑制可能なコンタクトプラグを有する半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。各図では、同一の構成要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例1に係る半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図である。図2は、半導体記憶装置の製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図である。図3は、図2に続く、半導体記憶装置の製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図である。図4は、図3に続く、半導体記憶装置の製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図である。
【0013】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、半導体基板11、半導体基板11の表面に形成されたトランジスタ15、トランジスタ15の上方に配置された強誘電体キャパシタ30、強誘電体キャパシタ30の上方に配置された配線部50、トランジスタ15と強誘電体キャパシタ30と配線部50とをそれぞれ接続するコンタクトプラグ25、41、43、及び、強誘電体キャパシタ30を保護する下部の水素バリア膜21、上部の水素バリア膜37を有している。
【0014】
より詳しくは、半導体記憶装置1は、半導体基板11の表面にソース及びドレインとなる拡散層16を有するトランジスタ15と、一端を一方の拡散層16と接続され、層間絶縁膜23に埋め込まれて形成された第1のコンタクトプラグであるコンタクトプラグ25と、下部電極31、強誘電体膜32、及び、上部電極33を順に有し、下部電極31がコンタクトプラグ25の他端と接続され、上部電極33がコンタクトプラグ41を介して第1の配線であるプレート線51に接続された強誘電体キャパシタ30と、トランジスタ15を覆うように設けられた第1の水素バリア膜である水素バリア膜21と、上部電極33のコンタクトプラグ41への接続部を除いて、強誘電体キャパシタ30及び層間絶縁膜23を覆い、水素バリア膜21と接して設けられた第2の水素バリア膜である水素バリア膜37と、一端が、水素バリア膜21及び水素バリア膜37を貫通して、他方の拡散層16と接続され、他端が、第2の配線である配線53と接続された第2のコンタクトプラグであるコンタクトプラグ43とを備えている。
【0015】
半導体基板11は、例えば、p型の素子形成領域を有するシリコン基板である。半導体基板11の表面には、素子形成領域が形成され、素子分離領域13で分離されている。素子形成領域には、ソースまたはドレインとなるn型の拡散層16が離間して形成され、対をなす拡散層16の離間した部分の上部にゲート絶縁膜17を介してゲート電極18が形成されてトランジスタ15が構成されている。そして、拡散層16及びゲート電極18等からなるトランジスタ15、及び、半導体基板11の他の表面を覆うように水素バリア膜21が設けられている。なお、ゲート電極18側部のサイドウォール絶縁膜等は図示が省略されている。
【0016】
強誘電体キャパシタ30は、下側のトランジスタ15側から下部電極31、強誘電体膜32、及び、上部電極33が積層された構造である。強誘電体キャパシタ30の側面は、半導体基板11表面に対して垂直乃至垂直より緩やか傾斜をなしている。下部電極31は、コンタクトプラグ25を介して、トランジスタ15の一方の拡散層16と接続されている。また、下部電極31は、下部電極31の下面とほぼ同じ大きさの上面を有し、半導体基板11表面に対して垂直乃至垂直より緩やかな傾斜をなす側面を有する層間絶縁膜23の上に配置されている。
【0017】
下部電極31の下部側面のほぼ垂直下方に、トランジスタ15のゲート電極18が配置されている。従って、層間絶縁膜23の側面の一部は、ゲート電極18の上部で水素バリア膜21と接触している。
【0018】
上部電極33は、コンタクトプラグ41を介して、プレート配線51と接続されている。なお、上部電極33の上に、絶縁性の上部膜が、形成されていることは差し支えない。
【0019】
水素バリア膜37は、強誘電体キャパシタ30の上面のコンタクトプラグ41との接続部を除いた上面及び側面、層間絶縁膜23の側面、並びに、水素バリア膜21と接触して配置されている。従って、強誘電体キャパシタ30及び層間絶縁膜23は、水素バリア膜37及び水素バリア膜21によって、強誘電体キャパシタ30の上面のコンタクトプラグ41との接続部を除いて隙間なく覆われており、強誘電体キャパシタ30及び層間絶縁膜23が存在してない部分は、互いに接触した水素バリア膜37及び水素バリア膜21からなる2層が存在している。
【0020】
水素バリア膜37の上に層間絶縁膜39が配置され、層間絶縁膜39の上に、プレート線51及び層間絶縁膜45等を有し、その上に、コンタクトプラグ54及び層間絶縁膜47等を有し、更のその上に、ビット線55等を有する配線部50が構成されている。
【0021】
コンタクトプラグ43は、上端を配線53と接続され、下端を、層間絶縁膜39、水素バリア膜37、及び、水素バリア膜21を貫通して、拡散層16と接続されている。コンタクトプラグ43の側面と接する層間絶縁膜39、水素バリア膜37、及び、水素バリア膜21の側面は、半導体基板11表面に対して垂直乃至垂直より緩やかな傾斜をなしている。つまり、コンタクトプラグ43は、近似的に、柱状または下方ほど幅が狭まった錐状の一部をなしている。詳細に見ると、コンタクトプラグ43は、層間絶縁膜39中では、ほぼ一様な柱状または下方ほど幅が狭まった錐状の一部をなしているが、水素バリア膜37及び水素バリア膜21中では、層間絶縁膜39中の形状を延長した形状より一層幅が狭まった錐状の一部をなす形状を有することが多い。いずれの場合も、コンタクトプラグ43は、上下端方向の途中に接続部は存在しないので、一様な導電体で形成されて、拡散層16に接続されている。
【0022】
コンタクトプラグ25は、上端を、下部電極31と接続され、下端を、層間絶縁膜23、及び、水素バリア膜21を貫通して拡散層16と接続されている。コンタクトプラグ25は、層間絶縁膜23の中に、強誘電体キャパシタ30の幅より狭く形成されている。コンタクトプラグ25は、コンタクトプラグ43と類似の形状等を有しているが、コンタクトプラグ43より上下端方向の長さが短く、水素バリア膜21は1層だけなので、所望の形状が得られ易い。
【0023】
コンタクトプラグ41は、上端を、プレート線51と接続され、下端を、層間絶縁膜39、及び、水素バリア膜37を貫通して上部電極33と接続されている。コンタクトプラグ41は、層間絶縁膜43の中に、強誘電体キャパシタ30の幅より狭く形成されている。コンタクトプラグ41は、コンタクトプラグ43と類似の形状等を有しているが、コンタクトプラグ43より上下端方向の長さが短く、水素バリア膜37は1層だけなので、所望の形状が得られ易い。
【0024】
次に、半導体記憶装置1の製造方法について説明する。図2(a)に示すように、半導体基板11上のトランジスタ15は、周知の方法で形成される。それぞれソース及びドレインとなる拡散層16、ゲート電極18等を有するトランジスタ15、及び、半導体基板11の他の表面を覆うように、水素バリア膜21が形成される。水素バリア膜21は、SiN等の材料を用いて、例えば、P−CVD(Plasma enhanced・Chemical Vapor Deposition)等で形成される。
【0025】
図2(b)に示すように、水素バリア膜21上に、層間絶縁膜23を形成し、この層間絶縁膜23にコンタクト孔(図示略)を形成し、コンタクト孔に、導電性のコンタクトプラグ膜が、リフロースパッタリング法またはMOCVD(Metal Organic CVD)法等で形成される。この後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で表面が平坦化されて、コンタクトプラグ25となる。層間絶縁膜23は、例えば、BPSG(Boron Phosphorous Silicate Glass)、PSG、及びP−TEOS(P−CVD法によるTetra Ethoxy Silane)等を用いて形成され得る。コンタクトプラグ膜は、例えば、W、Al、及び多結晶シリコン等を用いて形成され得る。なお、コンタクトプラグ膜の外側面に、コンタクトプラグ膜を構成する金属等がトランジスタ15の拡散領域16に拡散することを防止する目的で、例えば、Ti及びTiN等を用いて、導電性のコンタクト反応防止膜を形成してもよい。
【0026】
図2(c)に示すように、層間絶縁膜23及びコンタクトプラグ25の上に、強誘電体キャパシタ30を形成するための材料膜である下部電極膜、強誘電体膜、上部電極膜、及び、加工マスクとして使用されるマスク膜が、順次、堆積され、フォトリソグラフィ法及びRIE(Reactive Ion Etching)法でマスク膜35を形成後、電極膜と強誘電体膜をRIE法で加工する。その結果、下方ほど幅が広い形状を有する、下部電極31、強誘電体膜32、及び上部電極33からなる強誘電体キャパシタ30が形成され、マスク膜35が残される。下部及び上部電極膜は、例えば、Pt、Ir、IrO、SRO(SrRuO)、Ru、RuO等のいずれかが含まれる材料を用いて形成され得る。強誘電体膜は、例えば、PZT(Pb(ZrTi)O)、SBT(SrBiTa)、PZLT((Pb,La)(Zr,Ti)O)等の材料を用いて形成され得る。マスクは、例えば、TEOS、Al、TiAlN等の材料を用いて形成され得る。
【0027】
図2(d)に示すように、マスク膜35及び強誘電体キャパシタ30をマスクとして、層間絶縁膜23がRIE法を用いて除去され、水素バリア膜21が露出される。このとき、強誘電体キャパシタ30上のマスク膜35は除去される。なお、マスク膜は、残存させることが可能であり、特に、Al、TiAlN等のマスク膜は、上部電極33の上に残存させることが望ましい。
【0028】
図3(a)に示すように、水素バリア膜21、層間絶縁膜23、及び強誘電体キャパシタ30の上に、水素バリア膜37を、例えば、スパッタリング法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等で形成する。水素バリア膜37は、例えば、Al、SiN等の材料を用いて形成され得る。
【0029】
図3(b)に示すように、水素バリア膜37の上に、層間絶縁膜39が形成され、CMP法等で平坦化される。層間絶縁膜39は、層間絶縁膜23と同様に形成可能である。
【0030】
図3(c)に示すように、上部電極33と接続するコンタクトプラグのためのコンタクト孔をフォトリソグラフィ法及びRIE法を用いて形成し、次に、コンタクトプラグ41を形成する。コンタクトプラグ41は、コンタクトプラグ25と同様である。表面は、CMP法等で平坦化される。
【0031】
図4(a)に示すように、拡散層16と接続するコンタクトプラグを形成するために、まず、層間絶縁膜39に、コンタクト孔42aを、フォトリソグラフィ法及びRIE法を用いて形成する。RIE法で用いるエッチングガスは、CF系である。
【0032】
図4(b)に示すように、次に、コンタクト孔42aの底部の水素バリア膜37及び水素バリア膜21に開孔したコンタクト孔42bを、RIE法を用いて形成する。RIE法で用いるエッチングガスは、Cl系である。コンタクト孔42bは、層間絶縁膜39の上面から拡散層16の上面に通じている。
【0033】
図4(c)に示すように、コンタクト孔42bに、導電性のコンタクトプラグ膜が、リフロースパッタリング法またはCVD法等で、連続して形成される。この後、CMP法等で表面が平坦化されて、コンタクトプラグ43となる。コンタクトプラグ43は、上述のコンタクトプラグ25と同様である。
【0034】
次に、コンタクトプラグ41、43、及び、層間絶縁膜39等の上に、層間絶縁膜45、47、及び、ビット線55等が、順次、通常の半導体記憶装置の製造方法と同様にして形成され、図1に示すように、半導体記憶装置1が完成する。
【0035】
上述したように、半導体記憶装置1は、半導体基板11、半導体基板11の表面に形成された拡散層16を有するトランジスタ15、トランジスタ15の上方に配置された強誘電体キャパシタ30、強誘電体キャパシタ30の上方に配置された配線部50、拡散層16と強誘電体キャパシタ30と配線部50とをそれぞれ接続するコンタクトプラグ25、41、43、及び、強誘電体キャパシタ30を保護する下部の水素バリア膜21、上部の水素バリア膜37を有して、特に、拡散層16と配線部50とを接続するコンタクトプラグ43は、上部の層間絶縁膜39、及び、下部の半導体基板11の表面に接して連続して形成された水素バリア膜21、37が開孔されて形成されている。
【0036】
ところで、コンタクトプラグ用のコンタクト孔は、BPSGまたはP−TEOSを材料とする層間絶縁膜の部分では、RIE法を用いて、比較的容易に、半導体基板の表面に垂直乃至垂直に近い傾斜で形成することができる。一方、水素バリア膜では、特に、Alを材料とする場合、適切なエッチングガスを使用しても、RIE法を用いてコンタクト孔を形成することは難しい。つまり、エッチング速度が極端に遅くなり、孔径が狭まる傾向が強くなり、上部から層間絶縁膜、水素バリア膜、層間絶縁膜を有する比較構造(例えば、公知文献1)を有する場合には、中間の水素バリア膜の開孔を経て、その下部の層間絶縁膜の中に所望の開孔を行うことは難しく、コンタクト孔径が極端に狭まったり、コンタクト孔形状が不良となり、コンタクトプラグが所望の低い抵抗を得らないということが起こる。
【0037】
しかしながら、半導体記憶装置1は、水素バリア膜21、37の直下に拡散層16が存在するため、水素バリア膜21、37の下に、更に連続したコンタクト孔を形成する必要がないので、比較構造における下部の層間絶縁膜の開孔時に発生する製造工程の揺らぎによる開孔不良を起こすことが少なくなる。すなわち、コンタクト孔42bの下端部の孔径及び孔形状等の実質的に許容範囲が広くなり、半導体記憶装置1は、コンタクト孔42bの開孔歩留まりの低下を抑制でき、コンタクトプラグ43の製造歩留まりの低下を抑制可能となる。
【0038】
また、コンタクト孔42bの開孔歩留まりの低下を回避するために、層間絶縁膜39の上部の孔径を大きくする等の対策を採る必要がないので、トランジスタ15、強誘電体キャパシタ30、及び、コンタクトプラグ43を含むセルの微細化が可能となる。半導体記憶装置1は、セルの高集積化が可能となる。
【0039】
また、半導体記憶装置1のコンタクトプラグ43は、上下端方向の途中にコンタクトプラグ膜の中断接続部等がなく、拡散層16上面から配線部50まで連続して形成されているので、接続部における接触抵抗の上昇等がなく、コンタクトプラグ43の抵抗が安定的に低く抑えられる。
【0040】
また、半導体記憶装置1の強誘電体キャパシタ30は、下部から水素バリア膜21、上部から水素バリア膜37によって保護されるので、P−CVD工程等で発生する水素の侵入がより確実に防止され、半導体記憶装置1は、特性劣化の抑制された強誘電体キャパシタ30を有する。
【実施例2】
【0041】
本発明の実施例2に係る半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5は半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図である。実施例1の半導体記憶装置1とは、下部の水素バリア膜と上部の水素バリア膜との接触を少なくする点が異なる。なお、実施例1と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0042】
図5に示すように、半導体記憶装置2は、層間絶縁膜23と接して下部に存在する水素バリア膜61は、実施例1の半導体記憶装置1と同様に配置されている。その他の領域には、水素バリア膜61は存在しない。例えば、トランジスタ15のゲート電極18の上面では、コンタクトプラグ25側に水素バリア膜61があり、コンタクトプラグ43の側に水素バリア膜37があり、水素バリア膜61と水素バリア膜37は互いに接している。つまり、強誘電体キャパシタ30及び層間絶縁膜23は、実施例1の半導体記憶装置1と同様に、下部から水素バリア膜61で、上部から水素バリア膜37で覆われているが、他の領域は、水素バリア膜37で覆われている。
【0043】
次に、半導体記憶装置2の製造方法について説明する。実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様に進めて、半導体記憶装置2の製造では、図2(d)を参考にして示すように、層間絶縁膜23が残されてない箇所、例えば、ゲート電極18上の一部及び他の半導体基板11の表面の一部等、の水素バリア膜61がRIE法を用いて除去される。水素バリア膜61は、エッチング速度が遅い条件に設定されて、拡散層16の表面のオーバーエッチングをできるだけ少なくすることが望ましい。その後、図4(a)に示す工程までは、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同じように進める。
【0044】
図4(b)を参考にして示す工程において、半導体記憶装置2の製造では、コンタクト孔42aの底部の水素バリア膜37に開孔したコンタクト孔42bに相当するコンタクト孔を、RIE法を用いて形成する。拡散層16の表面のオーバーエッチングをできるだけ少なくすることが望ましい。コンタクト孔42b相当孔は、層間絶縁膜39の上面から拡散層16の上面に通じている。
【0045】
その後の工程は、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様にして、図5に示すように、半導体記憶装置2が完成する。なお、水素バリア膜61は、水素バリア性がより強いAlを材料とすることが望ましい。
【0046】
上述したように、半導体記憶装置2は、実施例1の半導体記憶装置1が有する効果と同様な効果を有している。その他に、水素バリア膜61と水素バリア膜37は、重ねられていないので、後工程で、両膜の密着性の不良、及び、上部の水素バリア膜37の剥がれによる製造歩留低下等が抑制される。また、コンタクト孔42b相当孔の下端部は、水素バリア膜37の開孔のみで形成できるので、開孔歩留まりの低下を一層抑制でき、コンタクトプラグ43の製造歩留まりの低下を抑制可能となる。
【実施例3】
【0047】
本発明の実施例3に係る半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法について、図6を参照しながら説明する。図6は半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図である。実施例1の半導体記憶装置1とは、下部電極の下部に接して水素バリア性メタルが形成された点が異なる。なお、実施例1と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
図6に示すように、半導体記憶装置3は、層間絶縁膜23と下部電極31との間に、導電性の水素バリア性メタル74が配置されて、水素バリア性メタル74、下部電極31、強誘電体膜32、及び、上部電極33を有する強誘電体キャパシタ30が形成されている。コンタクトプラグ25は、水素バリア性メタル74と接続される。その他は、実施例1の半導体記憶装置1と同様である。
【0049】
次に、半導体記憶装置3の製造方法について説明する。実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様に進めて、半導体記憶装置3の製造では、図2(c)を参考にして示すように、下部電極膜を堆積する前に、まず、水素バリア性メタル膜を堆積し、その後、水素バリア性メタル膜、電極膜、及び強誘電体膜の加工は、RIE法で、水素バリア性メタル膜を加工するための時間の延長等で行うことが可能である。水素バリア性メタル膜は、例えば、導電性のTiAlN、他に、Ir、IrO、Ru、RuO等のいずれかが含まれる材料を用いて形成され得る。
【0050】
その後の工程は、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様にして、図6に示すように、半導体記憶装置3が完成する。
【0051】
上述したように、半導体記憶装置3は、実施例1の半導体記憶装置1が有する効果と同様な効果を有している。その他に、強誘電体キャパシタ30は、下部から、水素バリア膜21及び水素バリア性メタル74で、上部から、水素バリア膜37で覆われるので、下部からの水素侵入がより強力に保護される。その結果、下部の水素バリア膜21をより薄く形成するという変形が可能となる。
【実施例4】
【0052】
本発明の実施例4に係る半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法について、図7を参照しながら説明する。図7は半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図である。実施例3の半導体記憶装置3とは、密着性のよい密着膜が上部の水素バリア膜の下部に、及び、上部の水素バリア膜と下部の水素バリア膜との間に付加的に形成された点が異なる。なお、実施例1及び3と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0053】
図7に示すように、半導体記憶装置4は、内側または下側で強誘電体キャパシタ70、層間絶縁膜23、水素バリア膜21と接し、且つ、外側または上側で水素バリア膜37と接して、密着膜81が、実施例3の半導体記憶装置3に付加された構成を有している。強誘電体キャパシタ70は、上部から水素バリア膜37及び密着膜81で覆われ、下部から水素バリア膜21及び構成要素の水素バリア性メタル74で保護されている。コンタクトプラグ43は、水素バリア膜37、密着膜81、及び、水素バリア膜21の3層を貫通して形成される。
【0054】
次に、半導体記憶装置4の製造方法について説明する。実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様に進めて、半導体記憶装置4の製造では、図3(a)を参考にして示すように、水素バリア膜21、層間絶縁膜23、及び、強誘電体キャパシタ30に代えた強誘電体キャパシタ70の上に、密着膜81を、例えば、スパッタリング法、ALD法等で形成する。密着膜81は、水素バリア性及び絶縁性を有するTiO等の材料を用いて形成され得る。その後、水素バリア膜37が、密着膜81を覆うように上部に形成される。
【0055】
その後、図3(b)に示す工程までは、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同じように進める。図3(c)を参考にして示すように、上部電極33と接続するコンタクトプラグのためのコンタクト孔を、フォトリソグラフィ法及びRIE法を用いて。水素バリア膜37及び密着膜81を貫通して形成し、次に、コンタクトプラグ41を形成する。
【0056】
その後、図4(a)に示す工程までは、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同じように進める。図4(b)を参考にして示すように、コンタクト孔42aの底部の水素バリア膜37、密着膜81、及び、水素バリア膜21にRIE法を用いて開孔して、コンタクト孔42b相当孔とする。RIE法で用いるエッチングガスは、Cl系である。コンタクト孔42b相当孔は、層間絶縁膜39の上面から拡散層16の上面に通じている。
【0057】
その後の工程は、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様にして、図7に示すように、半導体記憶装置4が完成する。
【0058】
上述したように、半導体記憶装置4は、実施例1及び3の半導体記憶装置1及び3が有する効果と同様な効果を有している。その他に、水素バリア膜21と水素バリア膜37は、密着膜81を介して重ねられているので、後工程で、両膜の密着性の不良、及び、上部の水素バリア膜37の剥がれ等が抑えられ、製造歩留低下を抑制され得る。また、実施例2の半導体記憶装置2と比較すると、半導体記憶装置4では、ゲート電極の上面を露出させる必要がないので、RIE工程でのゲート電極へのプラズマ電荷の蓄積等が抑制され、ゲート絶縁膜17の破壊が抑制される。
【実施例5】
【0059】
本発明の実施例5に係る半導体記憶装置及び半導体記憶装置の製造方法について、図8を参照しながら説明する。図8は半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図である。実施例3の半導体記憶装置3とは、密着性のよい密着膜が下部の水素バリア膜上に付加的に形成された点が異なる。なお、実施例1、3、及び4と同一構成部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0060】
図8に示すように、半導体記憶装置5は、内側または下側にある水素バリア膜21と接し、且つ、外側または上側にある層間絶縁膜23及び水素バリア膜37と接して、密着膜91が、実施例3の半導体記憶装置3に付加された構成を有している。強誘電体キャパシタ70は、上部から水素バリア膜37で覆われ、下部から水素バリア膜21、密着膜91、及び構成要素の水素バリア性メタル74で保護されている。コンタクトプラグ43は、水素バリア膜37、密着膜91、及び、水素バリア膜21の3層を貫通して形成される。
【0061】
次に、半導体記憶装置5の製造方法について説明する。実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様に進めて、半導体記憶装置5の製造では、図2(a)を参考にして示すように、水素バリア膜21の上に、密着膜91を、例えば、スパッタリング法、ALD法等で形成する。密着膜91は、TiO等の材料を用いて形成され得る。その後、層間絶縁膜23が、密着膜91を覆うように上部に形成される。
【0062】
その後、図2(b)を参考にして示すように、拡散層16と水素バリア性メタル74を接続するコンタクトプラグのためのコンタクト孔を、フォトリソグラフィ法及びRIE法を用いて、密着膜91及び水素バリア膜21を貫通して形成し、次に、コンタクトプラグ25を形成する。
【0063】
その後、図4(a)に示す工程までは、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同じように進める。図4(b)を参考にして示すように、コンタクト孔42aの底部の水素バリア膜37、密着膜81、及び、水素バリア膜21にRIE法を用いて開孔して、コンタクト孔42b相当孔とする。RIE法で用いるエッチングガスは、Cl系である。コンタクト孔42b相当孔は、層間絶縁膜39の上面から拡散層16の上面に通じている。
【0064】
その後の工程は、実施例1の半導体記憶装置1の製造工程と同様にして、図8に示すように、半導体記憶装置5が完成する。
【0065】
上述したように、半導体記憶装置5は、実施例1及び3の半導体記憶装置1及び3が有する効果と同様な効果を有している。その他に、水素バリア膜21と水素バリア膜37は、密着膜91を介して重ねられているので、後工程で、両膜の密着性の不良、及び、上部の水素バリア膜37の剥がれ等が抑えられ、製造歩留低下を抑制され得る。
【0066】
また、実施例4の半導体記憶装置4と比較すると、半導体記憶装置5では、TiO等からなる還元能力の高い金属が、強誘電体膜32に接して形成されていないので、分極特性の劣化、分極保持特性の劣化を抑制することが可能となる。すなわち、半導体記憶装置5は、還元能力の高い余剰な金属が、後の熱工程(300℃〜500℃程度)で、PZT等からなる強誘電体膜32の側面の酸素を奪い、酸素欠損を発生させる可能性を低減されている。
【0067】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々、変形して実施することができる。
【0068】
例えば、実施例では、水素バリア性メタルを有する強誘電体キャパシタと、密着層を付加した水素バリア膜とを組み合わせる例を示したが、水素バリア性メタルを有してない強誘電体キャパシタと、密着層を付加した水素バリア膜とを組み合わせることは可能である。
【0069】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 半導体基板と、前記半導体基板の表面にソース及びドレインとなる拡散層を有するトランジスタと、一端が一方の前記拡散層と接続され、層間絶縁膜に埋め込まれて形成された第1のコンタクトプラグと、下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順に有し、前記下部電極が前記第1のコンタクトプラグの他端と接続され、前記上部電極が第1の配線に接続された強誘電体キャパシタと、少なくとも前記トランジスタの一部を覆うように設けられた第1の水素バリア膜と、前記第1の配線へ接続される前記上部電極の接続部を除いて、前記強誘電体キャパシタ及び前記層間絶縁膜を覆い、前記第1の水素バリア膜と接して設けられた第2の水素バリア膜と、一端が、少なくとも前記第2の水素バリア膜を貫通して、他方の前記拡散層と接続され、他端が第2の配線と接続された第2のコンタクトプラグとを備えていること特徴とする半導体記憶装置。
【0070】
(付記2) 前記第1の水素バリア膜は、前記強誘電体キャパシタが前記半導体基板の表面方向に投影されて形成された影となる前記トランジスタの一部分及び前記半導体基板の表面の一部分を覆うように設けられている付記1に記載の半導体記憶装置。
【0071】
(付記3) 前記第1の水素バリア膜と前記第2の水素バリア膜との間にあって、前記第1の水素バリア膜に接して設けられた密着膜を有する付記1に記載の半導体記憶装置。
【0072】
(付記4) 前記第2のコンタクトプラグは、同一種の導電体からなり、前記一端から前記他端まで、継ぎ目のない形状を有している付記1に記載の半導体記憶装置。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図。
【図2】本発明の実施例1に係る半導体記憶装置の製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図。
【図3】本発明の実施例1に係る半導体記憶装置の図2に続く製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図。
【図4】本発明の実施例1に係る半導体記憶装置の図3に続く製造方法を工程順に模式的に示す構造断面図。
【図5】本発明の実施例2に係る半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図。
【図6】本発明の実施例3に係る半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図。
【図7】本発明の実施例4に係る半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図。
【図8】本発明の実施例5に係る半導体記憶装置の構造を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
【0074】
1、2、3、4、5 半導体記憶装置
11 半導体基板
13 素子分離領域
15 トランジスタ
16 拡散層
17 ゲート絶縁膜
18 ゲート電極
21、37、61 水素バリア膜
23、39、45、47 層間絶縁膜
25、41、43、54 コンタクトプラグ
30、70 強誘電体キャパシタ
31 下部電極
32 強誘電体膜
33 上部電極
35 マスク膜
42a、42b コンタクト孔
50 配線部
51 プレート線
53 配線
55 ビット線
74 水素バリア性メタル
81、91 密着膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の表面にソース及びドレインとなる拡散層を有するトランジスタと、
一端が一方の前記拡散層と接続され、層間絶縁膜に埋め込まれて形成された第1のコンタクトプラグと、
下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順に有し、前記下部電極が前記第1のコンタクトプラグの他端と接続され、前記上部電極が第1の配線に接続された強誘電体キャパシタと、
少なくとも前記トランジスタの一部を覆うように設けられた第1の水素バリア膜と、
前記第1の配線へ接続される前記上部電極の接続部を除いて、前記強誘電体キャパシタ及び前記層間絶縁膜を覆い、前記第1の水素バリア膜と接して設けられた第2の水素バリア膜と、
一端が、少なくとも前記第2の水素バリア膜を貫通して、他方の前記拡散層と接続され、他端が第2の配線と接続された第2のコンタクトプラグと、
を備えていること特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記強誘電体キャパシタは、前記下部電極の前記拡散層側に水素バリア性メタルを有していること特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1の水素バリア膜及び前記第2の水素バリア膜は、前記強誘電体キャパシタ及び前記層間絶縁膜を、前記第1のコンタクトプラグと前記拡散層との接続部及び前記第1の配線へ接続される前記上部電極の接続部を除いて、覆うように設けられていること特徴とする請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1の水素バリア膜と前記第2の水素バリア膜との間に、密着膜を有すること特徴とする請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
半導体基板にソース及びドレインとなる拡散層を有するトランジスタを形成し、前記トランジスタを覆うように第1の水素バリア膜を形成する工程と、
前記第1の水素バリア膜の上に、第1の層間絶縁膜を形成し、第1の層間絶縁膜を貫通して一方の前記拡散層と接続する第1のコンタクトプラグを形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜上に、第1のコンタクトプラグと接続する下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順に有する強誘電体キャパシタを形成する工程と、
前記強誘電体キャパシタをマスクとして、少なくとも前記第1の層間絶縁膜をエッチングする工程と、
前記強誘電体キャパシタ及び前記第1の層間絶縁膜を覆い、前記第1の水素バリア膜に接して、第2の水素バリア膜を形成する工程と、
前記第2の水素バリア膜上に、第2の層間絶縁膜を形成し、少なくとも前記第2の水素バリア膜及び第2の層間絶縁膜を貫通して、前記上部電極と接続する上部コンタクトプラグを形成する工程と、
少なくとも前記第2の水素バリア膜及び第2の層間絶縁膜を貫通して、他方の前記拡散層と接続する第2のコンタクトプラグを形成する工程と、
を備えていることを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−94363(P2009−94363A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264857(P2007−264857)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】