説明

圧電振動子及び圧電発振器

【課題】 圧電振動素子の大きさの影響を受けずに製造を容易とする。
【解決手段】 平面視四角形の容器体10の一方の主面に設けられた凹部13内に設けられている搭載パッド14と圧電振動素子20に設けられている励振電極22と接続する引回しパターン23とが導電性接着材Dで接合され、平面視四角形状の蓋体30で容器体10の凹部13を気密封止した圧電振動子100であって、圧電振動素子20に設けられている引回しパターン23が、圧電振動素子20の両主面にのみ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる圧電振動子及び圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器に用いられる表面実装可能な圧電振動子として、例えば、水晶振動子が用いられている。この水晶振動子は、凹部を有する絶縁材料からなる容器体に水晶振動素子が搭載された状態で絶縁材料又は金属材料からなる蓋体で気密封止した構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来から用いられている水晶振動子において、水晶振動素子の構成が、水晶板と、その両主面に設けられる励振電極と、これら励振電極と通電するために水晶板の一方の端部に設けられる引回しパターンとから構成されている。
これら引回しパターンは、2つ一対で設けられるのもので、一方の引回しパターンは、一方の主面に設けられた励振電極と接続しており、水晶板の一方の端部における片方の隅部まで引回されている。他方の引回しパターンは、他方の主面に設けられた励振電極と接続しており、水晶板の一方の端部における別の隅部まで引回されている。
それぞれの引回しパターンは、隅部において水晶板の両主面に対向するように引回されているために、水晶板の側面にも設けられていた。
【0004】
このような水晶振動素子を製造する場合、まず、水晶ウェハにフォトリソなどの手法を用いて複数の水晶振動素子となる水晶板の外形位置に励振電極の形状や引回しパターンを形成する。この際、水晶ウェハに電解メッキ、無電解メッキ、スパッタ、蒸着などにより金属膜を水晶ウェハに成膜し、これに水晶板の外形形状となる位置に合わせて励振電極及び引回しパターンとなる部分にレジストを塗布する。その後、エッチングを行って露出する金属膜を除去した後にレジストを除去して励振電極と引回しパターンとを水晶ウェハの両主面に形成する。各水晶板に個片化した後に、水晶板にマスクを施し、引回しパターンの一部である水晶板の側面に蒸着やスパッタなどで金属膜を形成して引回しパターンを完成させる。
【0005】
このように、従来から用いられている水晶振動素子は、電子機器の小型化に伴って小型化される傾向にあり、例えば、水晶振動子の容器体サイズが長さ2.0mm、幅1.6mmの大きさであれば、これよりも小さなサイズで製造しなければならない。
したがって、容器体サイズが小さくなればなるほど水晶振動素子の大きさも小さく製造しなければならないこととなる。また、例えば、1つの容器体に2つの凹部が設けられた構造の圧電発振器においても同様である。例えば、容器体の同一平面上に2つの凹部が形成される場合や、両主面に凹部がそれぞれ形成される圧電発振器の場合も小型化が進んでおり、これらに搭載される、例えば、水晶振動素子も小型化が要求されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−067795
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、水晶振動子及び水晶発振器に用いられる水晶振動素子を小さくするにつれて、水晶板に設ける励振電極が小さくなるために、水晶板の側面に引回しパターンの一部を形成するのは、マスキングの精度を高くしなければならず、作業性が悪くなることが考えられる。これにより、不良の多発や歩留まりの悪化が起こることが懸念される。
例えば、所定のパターンが施されたマスクを備えたホルダーからなる治具に容器体をつめなおす必要があるため、生産性が悪くなる。
また、水晶板が小さいためにハンドリングが悪く、水晶板の側面に引回しパターンの一部を形成するのが困難となってきている。
【0008】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、圧電振動素子の大きさの影響を受けずに製造を容易とする圧電振動子及び圧電発振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、容器体内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電振動子であって、前記圧電振動素子の引回しパターンが、前記圧電振動素子の両主面にのみ形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、この圧電振動子が、前記搭載パッドと引回しパターンとを接合する導電性接着材を備え、前記導電性接着材が、前記圧電振動素子の蓋体側を向く引回しパターンに接触するように前記搭載パッドと引回しパターンとを電気的かつ機械的に接合することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、1つの容器体に2つの凹部が設けられて、一方の凹部に圧電振動素子が搭載され、他方の凹部に発振回路を含む電子部品が搭載される圧電発振器であって、前記圧電振動素子の引回しパターンが前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、前記容器体の前記一方の凹部内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合されて構成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、この圧電発振器が前記搭載パッドと引回しパターンとを接合する導電性接着材を備え、該導電性接着材が、前記圧電振動素子の蓋体側を向く引回しパターンに接触するように前記搭載パッドと引回しパターンとを電気的かつ機械的に接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このような圧電振動子によれば、圧電振動素子の側面に引回しパターンの一部を設ける必要がないために、圧電振動子の製造を容易にすることができる。
また、このような圧電発振器によれば、圧電振動素子の側面に引回しパターンの一部を設ける必要がないために、圧電発振器の製造を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、圧電振動素子を水晶振動素子として説明する。また、各実施形態において、同一構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(第一の実施形態)
図1(a)は本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子に用いられる圧電振動素子の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体の一例を示す斜視図である。図2(a)は搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す斜視図であり、(b)は圧電振動素子を搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は圧電振動子の一例を示す斜視図である。図3は図2(c)のA−A断面図である。図4は水晶ウェハに励振電極及び引回しパターンを設けた状態の一例を示す斜視図である。図5はウェハの容器体となる部分に設けられた搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す部分斜視図である。図6は水晶振動素子を搭載した状態を示す斜視図である。図7は容器体となる部分が配列されたウェハと蓋体となるウェハとを接合した状態の一例を示す部分斜視図である。
【0016】
図1〜図3に示すように、本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子100は、容器体10と圧電振動素子である水晶振動素子20と蓋体30と導電性接着材Dとから主に構成されている。
【0017】
容器体10は、例えばガラス又は水晶からなり、図1(b)に示すように、平面視四角形状で一方の主面に凹部13を有しており、この凹部13内に水晶振動素子20を搭載するための搭載パッド14が2つ一対で設けられている。
具体的には、容器体10の凹部13が設けられていない面を下、凹部13が開口する面を上とした場合、凹部13底面であって、四隅のうちの、例えば、短辺に沿って隣り合う2つの隅側にそれぞれ1つずつ搭載パッド14が形成されて2つ一対となっている。
【0018】
この搭載パッド14は金属膜から成り、容器体10の内部を介して容器体10の下側の面12に設けられた外部端子Gと電気的に接続されている。なお、2つの搭載パッド14同士は、電気的に接続していない。
また、容器体10の凹部13が形成される主面11にはメタライズ層(図示せず)が設けられており、蓋体30(図2(c)参照)の封止材(図示せず)と接合できるようになっている。
【0019】
蓋体30は、例えばガラス又は水晶からなり、図2(c)及び図3に示すように、容器体10に設けられた凹部13を気密封止する役割を果たし、凹部13内に水晶振動素子20が搭載された後に容器体10に接合される。この蓋体30は、平面視四角形状で、金属材料で構成されている。
この蓋体30の一方の主面に封止材(図視せず)が設けられており、容器体10に設けられているメタライズ層(図示せず)と接合するようになっている。
なお、容器体10と蓋体30との接合には、封止材(図示せず)の材質により異なるが、シーム溶接、レーザー照射による接合、ハロゲンランプによる加熱接合など、封止材の材質に対応した接合方法を用いることができる。
【0020】
水晶振動素子20は、図1(a)及び図3に示すように、水晶板21と励振電極22と引回しパターン23とから構成されている。
水晶板21は、例えば、ATカットの平面視四角形状となっており、水晶板21の両主面の所定の位置に励振電極22が設けられている。励振電極22は、互いに向かい合うように設けられている。
【0021】
図1(a)及び図2(b)、図3に示すように、引回しパターン23は、それぞれの励振電極22に1つ設けられる。この引回しパターン23は励振電極22から水晶板21の一方の端部側にある片方の隅部23Aまで達して設けられ、かつ、その裏側の隅部23Bにも設けられ、隅部23A、23Bで相対した状態となっている。しかし、水晶板21も側面には引回しパターン23は設けない。
そのため、同一極性で用いられる引回しパターン23が、水晶板21の一方の主面側に設けられる部分と他方の主面に設けられる部分とで電気的に接続していない状態となる。これらは後述するが導電性接着材Dを用いて容器体10に搭載されるときに電気的に接続した状態となる。
【0022】
また、同一極性で用いられる引回しパターン23が、水晶板21の一方の主面側に設けられる部分と他方の主面に設けられる部分とが隅部23A、23Bで相対しているため、2つの引回しパターン23は、それぞれ異なる別の隅部まで達するように設けられることとなる。これにより、後述する導電性接着材Dを用いて容器体10に接合した際に、接合強度を従来と同様に維持することができる。
【0023】
このような水晶振動素子20は、例えば、以下のような工程で製造される。
水晶ウェハの両主面に金属膜を電解メッキ、無電解メッキ、スパッタ、蒸着により成膜する金属膜製膜工程を行う。
次に、水晶板21の外形形状と対応させて励振電極22及び引回しパターン23となる位置にレジストを塗布するレジスト塗布工程を行う。
この状態で、エッチングを行い、レジストで覆われていない露出する金属膜を除去する金属膜除去工程を行う。
残ったレジストを除去して金属膜を露出させ(図4参照)、励振電極22及び引回しパターン23とするレジスト除去工程を行う。
この状態で、各水晶板21に個片化して水晶振動素子20を得る。
この工程からも解るように、水晶板21の側面に引回しパターン23の一部を設ける工程を不要としている。
【0024】
なお、励振電極22及び引回しパターン23と同一形状となる貫通部を有する金属製マスク(図示せず)を水晶ウェハに重ねる工程を行い、その後、蒸着やスパッタ等により貫通部内に金属膜を形成し、重ねた金属製マスクを剥がすことで励振電極22及び引回しパターン23を設ける工程を行っても良い。
【0025】
導電性接着材Dは、図2(b)及び図5、図6に示すように、容器体10の搭載パッド14と水晶振動素子20の隅部側の引回しパターン23とを電気的かつ機械的に接合する際に用いられる。この導電性接着材Dは、容器体10の搭載パッド14に接着しつつ水晶振動素子20の水晶板21の隅部側の両主面に設けられる引回しパターン23に接着することで、水晶振動素子20を搭載パッド14に接合した状態を維持させている。
【0026】
導電性接着材Dと水晶振動素子20の接合の関係について説明する。具体的には、図3に示すように、容器体10の凹部13の底面側を向く水晶振動素子20の引回しパターン23と容器体10の搭載パッド14とが導電性接着材Dで接合された状態となるが、容器体10の開口側を向く水晶振動素子20の引回しパターン23にも導電性接着材Dが付いている状態となっている。
これにより、容器体10の凹部13の底面側を向く水晶振動素子20の引回しパターン23は、接合強度を維持する役割を果たす。
【0027】
なお、図5に示すように、容器体10が個片化されるまえのウェハの状態で導電性接着材Dを塗布し、この状態で、図6に示すように、水晶振動素子20を容器体10に搭載しても良い。その後、図7に示すように、蓋体30が配列されたウェハを水晶振動素子20が搭載されたウェハに接合して圧電振動子100が配列されたウェハとする。このウェハをダイシング等により切断して個片化し、個々の圧電振動子100とする。
なお、この場合、容器体10が配列されたガラスからなるウェハと蓋体30が配列されたガラスからなるウェハとを直接接合により接合しても良いし、容器体10が配列された水晶からなるウェハと蓋体30が配列された水晶からなるウェハとを直接接合により接合しても良い。
【0028】
これにより、水晶振動素子20の側面に引回しパターン23の一部を設ける必要がないために、圧電振動子100の製造を容易にすることができる。
言い換えれば、水晶振動素子20の水晶板21の側面にまで引回しパターン23を設けなくても、圧電振動子100としての機能を維持することができる。また、水晶板21の側面に引回しパターン23の一部を設けないために、マスキングや蒸着、スパッタのどの高精度かつ煩雑な作業がなくなり、水晶振動素子20が小型化されても作業性を向上させることができる。
【0029】
(第一の実施形態の変形例)
このような圧電振動子100は、図示しないが、発振回路を備えた集積回路素子などが搭載された容器に接合して圧電発振器としても良いし、リードフレームを用いて発振回路を備えた集積回路素子を接合してモールド樹脂で外形を整えた圧電発振器としても良い。
【0030】
(第二の実施形態)
図8(a)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器に用いられる容器体の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体に圧電振動素子と集積回路素子とを搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器を示す斜視図である。
【0031】
図8に示すように、本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器200は、主面に少なくとも2つの凹部13A、13Bが設けられた容器体10Aと、一方の凹部13A内に搭載される圧電振動素子である水晶振動素子20と、これら凹部13A、13Bを気密封止する蓋体30と、他方の凹部13Bに搭載される発振回路を備えた集積回路素子40とから主に構成されている。
【0032】
本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器200で用いられる容器体10Aは、例えば、同一平面内であって、一方の主面に2つの凹部13A、13Bが設けられており、他方の主面には外部端子(図示せず)が設けられた構造となっている。
2つの凹部13A、13Bのうち、一方の凹部13Aには水晶振動素子20を搭載するための搭載パッド14Aが設けられ、他方の凹部13Bには発振回路を有する集積回路素子40を搭載するためのIC用パッド14Bが設けられている。なお、搭載パッド14AはIC用パッド14Bの所定の部分と電気的に接続している。また、IC用パッド14Bの所定の部分は、所定の外部端子と接続しており、実装基板(図示せず)より電圧を印加できるようになっている。
【0033】
このような容器体10Aにおいても、第一の実施形態に係る圧電振動子100で用いられる圧電振動素子20と同様の水晶振動素子20が用いられる。この水晶振動素子20の引回しパターン23は、前記したとおり、水晶振動素子20の両主面にのみ形成されており、側面には設けられていない構造となっている。この水晶振動素子20は、容器体10Aの一方の凹部13A内に設けられた搭載パッド14Aと水晶振動素子20の励振電極22と接続する引回しパターン23とを導電性接着材Dにより接合して用いる。
【0034】
これにより、水晶振動素子20の側面に引回しパターン23の一部を設ける必要がないために、圧電発振器200の製造を容易にすることができる。
言い換えれば、水晶振動素子20の水晶板21の側面にまで引回しパターン23を設けなくても、圧電発振器200としての機能を維持することができる。また、水晶板21の側面に引回しパターン23の一部を設けないために、マスキングや蒸着、スパッタなどの高精度かつ煩雑な作業がなくなり、水晶振動素子20が小型化されても作業性を向上させることができる。
【0035】
(第二の実施形態の変形例)
このような圧電発振器200は、図示しないが、容器体に設けられる凹部の側面が階段状に形成されている構造の発振器にも適用できる。例えば、凹部内の最も低い位置に発振回路を備えた集積回路素子を搭載し、階段状の側面の段差部分に水晶振動素子を搭載する構造で構成しても良い。つまり、凹部の中にさらに凹部を有した構造の容器体を用いることができる。
【0036】
(第三の実施形態)
図9は、本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器の一例を示す断面図である。
図9に示すように、本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器201は、両主面に凹部13C、13Dが設けられた容器体10Bと、一方の凹部13C内に搭載される圧電振動素子である水晶振動素子20と、この凹部13Cを気密封止する蓋体30と、他方の凹部13Dに搭載される発振回路を備えた集積回路素子40とから主に構成されている。
【0037】
このような容器体10Bにおいても、第一の実施形態に係る圧電振動子100で用いられる圧電振動素子20と同様の水晶振動素子20が用いられる。この水晶振動素子20の引回しパターン23は、前記したとおり、水晶振動素子20の両主面にのみ形成されており、側面には設けられていない構造となっている。この水晶振動素子20は、容器体10Bの一方の凹部13C内に設けられた搭載パッド14Cと水晶振動素子20の励振電極22と接続する引回しパターン23とを導電性接着材Dにより接合して用いる。
【0038】
これにより、水晶振動素子20の側面に引回しパターン23の一部を設ける必要がないために、圧電発振器201の製造を容易にすることができる。
言い換えれば、水晶振動素子20の水晶板21の側面にまで引回しパターン23を設けなくても、圧電発振器201としての機能を維持することができる。また、水晶板21の側面に引回しパターン23の一部を設けないために、マスキングや蒸着、スパッタなどの高精度かつ煩雑な作業がなくなり、水晶振動素子20が小型化されても作業性を向上させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、圧電振動素子としてセラミック等の圧電材料を用いることもできる。また、圧電振動素子が音叉型の形状となっていても良いし、励振振動させる部分を凹ませた形状や凸状に厚みを持たせた形状としても良いし、縁部分をベベル加工、プラノコンベックス加工、バイコンベックス加工を施した形状となっていても良い。
また、容器体と蓋体との接合には、前記した方法以外の接合方法を用いることができる。例えば、容器体と蓋体との材質が同一材料の場合、例としてガラスを用いた場合、容器体と蓋体とを直接接合により接合しても良いし、容器体又は蓋体のいずれか一方にアルミニウムからなる接合膜を設け、陽極接合により接合しても良い。
また、励振電極や引回しパターンは、金属膜であればよく、従来周知の金属材料を用いることができる。例えば、下地に、Ti、Crなどを用い、下地の上にAuなどを設けた構成としても良い。
さらに、平板状の基板に圧電振動素子が搭載され凹部を有する蓋体で気密封止した構造の圧電振動子又は圧電発振器としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a)は本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子に用いられる圧電振動素子の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す斜視図であり、(b)は圧電振動素子を搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は圧電振動子の一例を示す斜視図である。
【図3】図2(c)のA−A断面図である。
【図4】水晶ウェハに励振電極及び引回しパターンを設けた状態の一例を示す斜視図である。
【図5】ウェハの容器体となる部分に設けられた搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す部分斜視図である。
【図6】水晶振動素子を搭載した状態を示す斜視図である。
【図7】容器体となる部分が配列されたウェハと蓋体となるウェハとを接合した状態の一例を示す部分斜視図である。
【図8】(a)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器に用いられる容器体の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体に圧電振動素子と集積回路素子とを搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器を示す斜視図である。
【図9】本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0041】
100 圧電振動子
200、201 圧電発振器
10、10A、10B 容器体
13、13A、13B、13C、13D 凹部
14、14A、14C 搭載パッド
14B、14D IC用パッド
20 水晶振動素子(圧電振動素子)
21 水晶板
22 励振電極
23 引回しパターン
30 蓋体
40 集積回路素子
D 導電性接着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電振動子であって、
前記圧電振動素子の引回しパターンが、
前記圧電振動素子の両主面にのみ形成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】
前記搭載パッドと引回しパターンとを接合する導電性接着材を備え、
前記導電性接着材は、
前記圧電振動素子の蓋体側を向く引回しパターンに接触するように前記搭載パッドと引回しパターンとを電気的かつ機械的に接合することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
【請求項3】
1つの容器体に2つの凹部が設けられて、一方の凹部に圧電振動素子が搭載され、他方の凹部に発振回路を含む電子部品が搭載される圧電発振器であって、
前記圧電振動素子の引回しパターンが前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、
前記容器体の前記一方の凹部内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合されて構成されることを特徴とする圧電発振器。
【請求項4】
前記搭載パッドと引回しパターンとを接合する導電性接着材を備え、
該導電性接着材は、
前記圧電振動素子の蓋体側を向く引回しパターンに接触するように前記搭載パッドと引回しパターンとを電気的かつ機械的に接合することを特徴とする請求項3に記載の圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−135749(P2009−135749A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310170(P2007−310170)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】