説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】平流しの搬送ライン上で被処理基板に供給した第1の処理液を分別回収して第2の処理液に置き換える動作を効率よくスムースに行い、現像斑の発生を抑制する。
【解決手段】被処理基板Gを平流し搬送する基板搬送路2と、前記基板搬送路を搬送される被処理基板に第1の処理液を供給する第1の処理液供給手段9と、前記基板搬送路を搬送され、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付ける気体供給手段21と、前記気体供給手段によりガス流が吹き付けられ、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し、所定の流速で第2の処理液を供給する第1のリンス手段22と、前記第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し、前記第1のリンス液供給手段よりも高流速で前記第2の処理液を供給する第2のリンス手段23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理基板上に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理技術に係り、特に基板を平流し方式で水平方向に搬送しながら液処理を行う基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LCD(液晶表示ディスプレイ)製造におけるレジスト塗布現像処理システムでは、LCD用基板(たとえばガラス基板)の大型化に有利に対応できる現像方式として、コロを水平方向に敷設した搬送路上で基板を搬送しながら現像、リンス、乾燥等の一連の現像処理工程を行うようにした、いわゆる平流し方式が普及している。このような平流し方式は、基板を回転運動させるスピンナ方式と較べて、大型基板の取扱いが簡単であり、ミストの発生ないし基板への再付着が少ない等の利点がある。
【0003】
しかしながら、前記平流し方式による現像処理工程にあっては、基板上の現像液をリンス液(一般に純水)で置換する際、現像液を除去してからリンス液が供給されるまでの時間が長すぎると、基板表面内における外観上の相違(現像斑と呼ぶ)が発生するという課題があった。
このような課題に対し、本願出願人は、基板を平流し搬送しながら現像処理を施し、リンス処理を行うリンス部において搬送コロを山なりに傾斜配置した現像ユニットを特許文献1に開示した。
【0004】
図6に、特許文献1に開示された現像ユニットにおけるリンス部200の構成を示す。尚、図6(a)はリンス部200の平面図、図6(b)はその側面図である。
図示するリンス部200の構成において、複数の搬送コロ201が敷設された山なりの搬送路202が設けられている。前段処理において現像液Dが液盛りされた基板Gが平らな搬送路202の区間M1から次第に上り斜面となる区間M2を搬送されると、基板G上の現像液Dは後方(搬送方向上流)に流れ落ちる。基板Gが山なりの搬送路202を下る区間M3に入ると、上方に配置された基板幅方向に延びるリンス液供給ノズル203から純水等のリンス液Sが基板G上に供給される。これにより基板Gが区間M3、M4を通過する間に現像液Dがリンス液Sに置き換えられる。
【0005】
このように特許文献1に開示されたリンス部200によれば、搬送コロ201により山なりに構成された搬送路202を基板搬送しながら基板上の現像液Dを流し落として回収し、その後、基板上にリンス液Sを供給して現像液Dをリンス液Sに置換するようになされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−5695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記リンス部200にあっては、基板上の現像液Dを効率よく流し落とし、現像液Dの回収率を向上するために、山なりの搬送路202の段差(高低差)が大きくなるよう搬送コロ201を配置していた。
【0008】
しかしながら、そのように山なりの搬送路202の段差を大きくすると、図6(a)の平面図に示すように、基板Gの隆起部Gaの少し手前(上流側)において、流れ落ちる現像液Dに筋状の部分Lが生じ、それが現像斑の原因となるという課題があった。
また、図6に示す構成のリンス部200にあっては、リンス液Sが搬送路の上流側(区間M1、M2側)に流れないよう、リンスノズル203を基板Gの隆起部Gaから下流側にある程度離して配置する必要があった。そのため、基板上において液切れする領域の基板搬送方向の距離dが大きくなり、リンス液Sが供給されるまでの時間を要するために、それが現像斑となるという虞があった。
【0009】
また、基板上の現像液Dをリンス液Sに置換する際の斑の発生を抑制する他の解決方法として、図7(a)の平面図及び、図7(b)の側面図に示すように、リンス部200において搬送路202を水平に構成し、エアナイフ204により基板上にカーテン状のガス流を吹き付けて現像液Dを除去する方法が考えられる。
【0010】
しかしながら、そのような構成の場合、エアナイフ204から噴出されるエアは、搬送路の上流側に向ける必要があるため、現像液Dの液面が波打ち、その影響により基板Gに微小な現像斑が生じるという課題があった。
また、エアナイフ204から噴出されるエアによって基板上の現像液Dは効率的に除去されるが、図6の構成と同様に、図7(a)に示すように基板上において液切れする領域の基板搬送方向の距離dが大きくなり、リンス液Sが供給されるまでの時間を要するために、それが現像斑となるという課題があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、平流しの搬送ライン上で被処理基板に供給した第1の処理液を分別回収して第2の処理液に置き換える動作を効率よくスムースに行い、現像斑の発生を抑制することのできる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決するために、本発明に係る基板処理装置は、被処理基板に第1の処理液を供給して所定の液処理を施し、前記第1の処理液を回収して第2の処理液により洗浄する基板処理装置であって、前記被処理基板を平流し搬送する基板搬送路と、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に第1の処理液を供給する第1の処理液供給手段と、前記基板搬送路を搬送され、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付ける気体供給手段と、前記気体供給手段によりガス流が吹き付けられ、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、所定の流速で前記第2の処理液を供給する第1のリンス手段と、前記第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、前記第1のリンス液供給手段よりも高流速で前記第2の処理液を供給する第2のリンス手段とを備えることに特徴を有する。
【0013】
このような構成によれば、第1の処理液が供給され平流し搬送される基板に対し、前記第1の処理液の回収時に気体供給手段により所定のガス流が基板搬送方向(下流側)に向けて吹き付けられる。これにより、基板から除去される第1の処理液の前端部(上流側)が引き伸ばされる。
そして、第1の処理液が除去された基板面に対し直ぐさま第1のリンス手段により所定の流速(好ましくは供給時のインパクト(衝撃)が小さくなる流速)で第2の処理液が供給され、さらに第2のリンス手段から、より高流速で第2の処理液が供給される。これにより、基板上の第1の処理液が第2の処理液に置き換えられる間の液切れ領域が微小なものとなり、第1の処理液を直ぐさま第2の処理液に置換することができる。
その結果、従来のように前記第1の処理液としての現像液が流れ落ちて斑上に残った状態で放置される時間が殆ど無く、現像斑の発生を抑制することができる。
また、前記ガス流は、鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けられるため、第1の処理液が波打つこともなく、微小な現像斑の発生も抑制される。
【0014】
また、前記基板搬送路は、水平な搬送路を形成する第1の搬送区間と、前記第1の搬送区間に続く上り傾斜の搬送路を形成する第2の搬送区間と、前記第2の搬送区間に続く下り傾斜の搬送路を形成する第3の搬送区間とを有し、前記第1の処理液供給手段は前記第1の搬送区間に設けられ、前記気体供給手段は前記第2の搬送区間に設けられ、前記第1のリンス手段及び第2のリンス手段は、前記第2の搬送区間と第3の搬送区間とによって搬送路に形成される隆起部の上方に配置されることが望ましい。
このように構成することにより、上り傾斜である第2の搬送区間により基板上から第1の処理液を効率的に除去することができ、且つ第1の処理液から第2の処理液への置換を直ぐさま行うことができる。
【0015】
また、前記気体供給手段により前記被処理基板の基板面に吹き付けられるガス流は、基板幅方向に直線状に延びるカーテン状のガス流であることが望ましい。
このようにガス流を基板幅方向に直線状に延びるカーテン状とすることによって、基板から除去される第1の処理液の先端部における基板幅方向のばらつき発生を抑制することができる。
また、前記第2のリンス手段は、前記第2の処理液を吐出するリンスノズルを有し、前記リンスノズルは、前記基板搬送路を搬送される被処理基板の基板面に対し、その吐出方向が鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けられた状態で配置されることが望ましい。
このように構成することによって、被処理基板に供給された第2の処理液の基板上での逆流を防止することができる。
【0016】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る基板処理方法は、被処理基板に第1の処理液を供給して所定の液処理を施し、前記第1の処理液を回収して第2の処理液により洗浄する基板処理方法であって、基板搬送路において前記被処理基板を平流し搬送し、基板上に第1の処理液を供給するステップと、前記基板搬送路を搬送され、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けるステップと、前記所定のガス流が吹き付けられ、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、所定の流速で前記第2の処理液を供給するステップと、前記第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、より高流速で前記第2の処理液を供給するステップとを実行することに特徴を有する。
【0017】
このような方法によれば、第1の処理液が供給され平流し搬送される基板に対し、前記第1の処理液の回収時に所定のガス流が基板搬送方向(下流側)に向けて吹き付けられる。これにより、基板から除去される第1の処理液の前端部(上流側)が引き伸ばされる。
そして、第1の処理液が除去された基板面に対し直ぐさま所定の流速(好ましくは供給時のインパクトが小さくなる流速)で第2の処理液が供給され、さらに高流速で第2の処理液が供給される。これにより、基板上の第1の処理液が第2の処理液に置き換えられる間の液切れ領域が微小なものとなり、第1の処理液を直ぐさま第2の処理液に置換することができる。
その結果、従来のように前記第1の処理液としての現像液が流れ落ちて斑上に残った状態で放置される時間が殆ど無く、現像斑の発生を抑制することができる。
また、前記ガス流は、鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けられるため、第1の処理液が波打つこともなく、微小な現像斑の発生も抑制される。
【0018】
また、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けるステップは、上り傾斜となされた前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し実行されることが望ましい。
このようにすることにより、上り傾斜である第2の搬送区間により基板上から第1の処理液を効率的に除去することができ、且つ第1の処理液から第2の処理液への置換を直ぐさま行うことができる。
【0019】
また、前記所定の流速で第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、より高流速で前記第2の処理液を供給するステップは、前記上り傾斜の基板搬送路に続く下り傾斜の基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し実行されることが望ましい。尚、前記基板搬送路を搬送される被処理基板の基板面に対し、鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて前記第2の処理液が吐出されることが望ましい。
このようにすれば、被処理基板に供給された第2の処理液の基板上での逆流を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、平流しの搬送ライン上で被処理基板に供給した第1の処理液を分別回収して第2の処理液に置き換える動作を効率よくスムースに行い、現像斑の発生を抑制することのできる基板処理装置及び基板処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の基板処理装置を適用可能な現像ユニット(DEV)の全体構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は、第1の隆起部を通過する基板の状態を示す平面図及び側面図である。
【図3】図3は、第1の隆起部に配置されたエアナイフ、第1のリンスノズル、第2のリンスノズルの相互の配置関係をより具体的に示す側面図である。
【図4】図4は、第1の隆起部を搬送される基板に対する処理液置換の状態を示す側面図である。
【図5】図5は、図4の処理液置換の状態に対応する基板上の現像液及びリンス液の状態を示す平面図である。
【図6】図6は、従来のリンス部の構成を示す平面図及び側面図である。
【図7】図7は、従来の他のリンス部の構成を示す平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の基板処理装置及び基板処理方法にかかる実施の形態につき、図に基づいて説明する。本発明の基板処理装置は、たとえばLCD用のガラス基板を被処理基板(以下、基板と呼ぶ)とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィ工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の各処理を行う塗布現像処理システムの一部構成に適用することができる。
具体的には、基板上にフォトレジストが塗布され、マスクパターンを介して露光処理が施された基板に現像及びリンス処理を施す現像ユニット(DEV)に適用することができる。以下、図を参照して本発明を現像ユニット(DEV)に適用した一実施形態を説明する。
【0023】
図1に、この実施形態における現像ユニット(DEV)1の全体構成を模式的に示す。この現像ユニット(DEV)1は、図示するように、プロセスラインAに沿って水平方向(X方向)に延びる平流しの搬送ライン2(基板搬送路)を設置しており、この搬送ライン2に沿って上流側から順に現像部3、リンス部4および乾燥部5を設けている。
【0024】
搬送ライン2は、基板Gを、その被処理面を上に向けた仰向けの姿勢(所謂平流し方式)として所定速度(例えば60mm/s)で搬送するためのコロ6(搬送体)を搬送方向(X方向)に一定間隔(例えば100mm間隔)で敷設してなり、各コロ6は、たとえば電気モータを有する搬送駆動部(図示せず)に歯車機構またはベルト機構等の伝動機構を介して接続されている。
【0025】
この搬送ライン2は、搬送方向(X方向)において始点から終点まで同じ高さ位置で続いているのではなく、途中で所定の箇所にコロ6の配置により隆起形成される第1の隆起部2a,第2の隆起部2b,および段差部2cを有している。図1に示すように、搬送ライン2は、搬送方向(X方向)の一サイドから見た搬送路の形状に応じて9つの搬送区間M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M9に区分できる。
【0026】
第1の搬送区間M1は、前段の処理部から現像部3内の出口よりも少し手前(上流側)の位置に設定された第1の区間変更点P1までの区間であり、所定の高さ位置(第1のボトム位置とする)を保ったまま、ほぼ水平一直線に延びる水平搬送路を有している。
第2の搬送区間M2は、前記第1の区間変更点P1から現像部3とリンス部4との境界付近の位置に設定された第2の区間変更点P2までの区間であり、搬送路の高さが徐々に高くなるようコロ6が配置されている。これにより第2の搬送区間M2は、区間変更点P1の高さ位置よりも所定量(たとえば6mm)高くなされた第1の隆起部2aの頂上まで所定の傾斜角で上る上り傾斜の搬送路を有している。
【0027】
第3の搬送区間M3は、前記第2の区間変更点P2からリンス部4の入口付近に設定された第3の区間変更点P3までの区間であり、搬送路の高さが徐々に低くなるようコロ6が配置されている。これにより前記第1の隆起部2aの頂上からそれよりも所定量(たとえば6mm)低い第1のボトム位置まで所定の傾斜角で下る下り傾斜の搬送路を有している。
【0028】
第4の搬送区間M4は、リンス部4内で入口付近の上記第3の区間変更点P3から内奥の所定位置に設定された第4の区間変更点P4までの区間であり、前記第1のボトム位置と同じ高さでほぼ水平一直線に延びる水平搬送路を有している。
【0029】
第5の搬送区間M5は、リンス部4内で上記第4の区間変更点P4からそれよりも所定の距離だけ下流側の位置に設定された第5の区間変更点P5までの区間であり、第1のボトム位置よりも所定量(たとえば10〜25mm)高い第2の隆起部2bの頂上まで所定の傾斜角で上る上り傾斜の搬走路を有している。
第6の搬送区間M6は、リンス部4内で前記第5の区間変更点P5からそれよりも所定の距離だけ下流側の位置に設定された第6の区間変更点P6までの区間であり、前記第2の隆起部2bの頂上からそれよりも所定量(たとえば10〜25mm)低い位置(第2のボトム位置とする)まで所定の傾斜角で下る下り傾斜の搬走路を有している。
【0030】
第7の搬送区間M7は、リンス部4内で前記第6の区間変更点P6からそれよりも所定の距離だけ下流側の位置、即ち出口より少し手前(上流側)の位置に設定された第7の区間変更点P7までの区間であり、前記第2のボトム位置と同じ高さでほぼ水平一直線に延びる水平搬送路を有している。
第8の搬送区間M8は、前記第7の区間変更点P7からリンス部4と乾燥部5との境界付近に設定された第8の区間変更点P8までの区間であり、前記第2のボトム位置よりも所定量(たとえば4〜25mm)高い段差部2cの上段位置まで所定の傾斜角で上る上り傾斜の搬送路を有している。
第9の搬送区間M9は、前記第8の区間変更点P8から乾燥部5および後段の処理部まで至る区間であり、前記段差部2cの上段位置の高さを一定に保ったまま水平一直線に延びる水平搬送路を有している。
【0031】
また、現像部3においては、第1の搬送区間M1内の所定位置に、搬送ライン2上をコロ搬送で移動する水平姿勢の基板Gに向けて、上方から基準濃度の現像液(第1の処理液)を吐出する第1の処理液供給手段としての現像液供給ノズル(以下、現像ノズルと呼ぶ)9が配置されている。現像ノズル9は、基板幅方向に延びる例えばスリット状の吐出口または1列に配置された多数の微細径吐出口を有する長尺型のノズルからなり、図示しない現像液供給源から配管を介して現像液を給液されるようになっている。
【0032】
現像部3内には、搬送ライン2の下に落ちた現像液を受け集めるためのパン10が設けられている。このパン10の排液口は排液管11を介して現像液再利用機構12に通じている。現像液再利用機構12は、現像液ノズル9により基板G上に現像液を盛る際にこぼれ落ちた現像液をパン10および排液管11を介して回収し、回収した現像液に原液や溶媒を加え、基準濃度に調整したリサイクルの現像液を前記現像液供給源に送るようになっている。
【0033】
また、現像部3の出口付近の第2の搬送区間M2において、第1の隆起部2aよりも少し手前(上流側)の上方位置には、鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて所定のガス流、具体的には基板幅方向に直線状に延びるカーテン状のガス流を噴出するエアノズル21(気体供給手段)が設けられている。このエアカーテン状のガス流によって、基板傾斜面を流れ落ち薄膜状となった現像液を前記第1の隆起部2a付近まで引き伸ばし、基板G上の液切れ領域を微小とするようになされている。
【0034】
また、現像部3とリンス部4との間、即ち前記第2の搬送区間と第3の搬送区間とによって形成された前記第1の隆起部2aの上方には、現像液が流れ落ちた基板G上に直ぐさま純水等のリンス液(第2の処理液)を低流速で、即ち吐出時のインパクト(衝撃)が小さくなる流速で供給するための第1のリンスノズル22(第1のリンス手段)が配置されている。
尚、この第1のリンスノズル22から供給されたリンス液は、前記エアノズル21により形成されるエアカーテンによって、第2の搬送区間M2を搬送方向反対側に流れ落ちないよう堰き止められる。
また、第3の搬送区間M3には、前記リンスノズル22よりも高流速で、即ち吐出時のインパクトがより大きくなる流速で、液置換(現像停止)用のリンス液を供給する第2のリンスノズル23(第2のリンス手段)が配置されている。
【0035】
また、中心部の第5の搬送区間M5内の所定位置に、搬送ライン2の前記第2の隆起部2bの上り斜面を通過する基板Gに向けて上方から洗浄用のリンス液を吐出する第3のリンスノズル24が搬送方向に沿って配置されている。
また、その下流側隣の第6の搬送区間M6内の所定位置に、搬送ライン2の第2の隆起部2bの下り斜面を通過する基板Gに向けて上方から仕上げ洗浄用のリンス液を吐出する第4のリンスノズル25が搬送方向に沿って配置されている。
【0036】
さらに、出口付近にて第8の搬送区間M8内の所定位置に、搬送ライン2の上り段差部2cを上る基板Gに向けて上方から最終洗浄用のリンス液を吐出する第5リンスノズル26が搬送方向に沿って配置されている。各リンスノズル22〜26は、前記現像液ノズル9と同様の構成を有する長尺型ノズルからなり、図示しないリンス液供給源から配管を介してリンス液を給液されるようになっている。
【0037】
リンス部4内には、搬送ライン2の下に落ちたリンス液を受け集めるためのパン17が設けられている。このパン17の排液口は排液管18を介してリンス液回収部(図示せず)に通じている。図示省略するが、搬送ライン2の下から基板Gの下面に対して洗浄用のリンス液を噴き掛ける下部リンスノズルを設けることもできる。
【0038】
乾燥部5においては、第9の搬送区間M9の始端付近の所定位置に、搬送ライン2の前記段差部2cを上ってきた直後の基板Gに向けて上方から搬送方向と逆向きに液切りないし乾燥用の高圧ガス流(通常はエア流)を当てる長尺型のガスノズルまたはエアナイフ20が搬送方向に沿って1本または複数本配置されている。搬送ライン2の下から基板Gの下面に向けて液切りないし乾燥用の高圧ガス流を当てる下部エアナイフ(図示せず)も設置可能である。また、乾燥部5内で搬送ライン2の下に落ちた液を受け集めるためのパン(図示せず)を設けてもよい。
【0039】
尚、現像ユニット(DEV)1は、一体的なハウジング30内に現像部3,リンス部4および乾燥部5を収容しており、異なる処理部間の境界には搬送ライン2に沿った周囲の空間を上流側と下流側とに隔てるための鉛直方向に延在する隔壁30a,30bを設けている。より詳細には、現像部3とリンス部4との境界つまり第2の搬送区間M2と第3の搬送区間M3との境界付近に隔壁30aが設けられ、リンス部4と乾燥部5との境界つまり第8の搬送区間M8と第9の搬送区間M9との境界付近に隔壁30bが設けられる。各隔壁30a,30bには、搬送ライン2を通す開口31,32がそれぞれ形成されている。
【0040】
また、この現像ユニット(DEV)1において、各処理部3,4,5内の空間は隔壁30a,30bの開口31,32を介して相互に連通している。現像部3および乾燥部5では、室外の空気を引き込むためのファン33,34と、これらのファン33,34からの空気流を除塵するエアフィルタ35,36とによって、天井から清浄な空気がダウンフローで室内に供給されるようになっている。このうち、現像部3の天井から供給される清浄空気は、現像処理時に発生する現像液のミストを巻き込むようにして前記隔壁30aの開口31を通ってリンス部4の室内に流入する。
【0041】
一方、乾燥部5の天井から供給される清浄空気は、乾燥(液切り)処理で発生するリンス液のミストを巻き込むようにして前記隔壁30bの開口32を通ってリンス部4の室内に流入するようになっている。リンス部4の底部には、たとえば排気ポンプまたは排気ファンを有する排気機構37に通じる排気口38が設けられている。
前記のようにして現像部3側から流入してきたミスト混じりの空気と、乾燥部5側から流入してきたミスト混じりの空気は、リンス部4内で発生するミストをも巻き込んで左右から合流して排気口38から排出されるようなっている。
【0042】
続いて、第2の搬送区間M2及び第3の搬送区間における液処理の構成について、さらに詳しく説明する。
図2(a)は、搬送区間M2、M3により形成された第1の隆起部2aを通過する基板Gの状態を示す平面図であり、図2(b)はその側面図である。また、図3は、前記搬送区間M2、M3に配置されたエアナイフ21、第1のリンスノズル22、第2のリンスノズル23の相互の配置関係をより具体的に示す側面図である。
図2に示すように、第1の隆起部2aにおいて、基板幅方向に延びる長尺型のエアナイフ21、第1のリンスノズル22、第2のリンスノズル23が基板搬送方向に沿って順に配置されている。
【0043】
前記エアナイフ21は、上り傾斜の搬送区間M2を搬送される基板Gに対し、所定の高圧ガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けるように、基板面から例えば5〜15mmの高さ位置に配置されている。即ち、図3に示すようにエアナイフ21は、搬送区間M2の上方において、その噴射方向が、垂直下方(鉛直方向)を0°として下流側に所定角度θ1(例えば0°〜10°)傾斜した状態で設けられている。
具体的には、このエアナイフ21により、基板Gから流れ落ちる現像液Dの先端部分に対し、基板幅方向に直線状に延びるカーテン状の高圧ガス流が、基板搬送方向(下流側)に向けて所定流量(例えば300〜500リットル/min)で吹き付けられる。これにより、基板後方(上流側)に流れ落ちる現像液Dが筋状にならず、薄膜の状態が基板隆起部Ga付近まで引き伸ばされるようになされている。
また、前記ガス流を、基板搬送方向(下流側)に向けて吹き付けることにより、現像液Dの波打ちを防止し、微小な現像斑の発生を抑制するようになされている。
【0044】
また、基板隆起部Ga付近に配置された第1のリンスノズル22は、基板後方(上流側)に現像液Dが流れ落ちた基板上に直ぐさま低流速(例えば0.0247〜0.074m/s)でリンス液Sを吐出供給し、基板上で液切れする領域を極力小さくするために設けられている。この第1のリンスノズル22は、基板面から例えば2mmの高さに配置され、その吐出方向は、略垂直下方(垂直下方を0°として±10°傾斜)に向けられている。
【0045】
また、搬送区間M3に配置された第2のリンスノズル23は、下り斜面である搬送区間M3を搬送される基板Gに対し、より高流速(例えば1.7581m/s)でリンス液Sを吐出供給し、現像液Dを完全にリンス液Sに置換するためのノズルである。この第2のリンスノズル23は、例えば基板面から10〜30mmの高さに配置され、その吐出方向は、基板搬送方向(下流側)となるよう配置されている。即ち、図3に示すようにリンスノズル23は、搬送区間M3の上方において、その噴射方向が、垂直下方(鉛直方向)を0°として下流側に所定角度θ2(例えば0°〜70°)傾斜した状態で設けられている。
【0046】
また、第2の搬送区間M2と第3の搬送区間M3において第1の隆起部2aを構成するための搬送コロ6は、例えば図3に示すように配置される。即ち、基板の隆起部Gaが形成される最も高い位置の搬送コロ6は、第1の隆起部2aにおいて最も低い位置の搬送コロ6の高さを0mmとすれば、例えば0〜9mm(好ましくは6mm)の高さとなされる。この高さは、従来、高低差が大きく設定されていた隆起部段差よりも小さくなるよう設定されることが望ましく、それにより筋状に流れ落ちる現像液の発生を抑制し、エアナイフ21から吹き付けるガス流により、現像液Dを薄く引き伸ばし易くすることができる。
また、基板G上において、エアナイフ21により噴出されるガス流の供給位置と第1のリンスノズル22によるリンス液の供給位置との距離は、例えば20〜40mm(好ましくは30mm)に設定されている。また、基板G上において、エアナイフ21により噴出されるガス流の供給位置と第2のリンスノズル23によるリンス液の供給位置との距離は、例えば150〜350mm(好ましくは200mm)に設定されている。
【0047】
続いて、この現像ユニット(DEV)1における全体の動作を、図4、図5の状態遷移図を適宜用いて説明する。尚、図4は搬送区間M2、M3を搬送される基板Gに対する処理液置換の状態を示す側面図であり、図5はそのときの基板G上の現像液D及びリンス液Sの状態を示している。
前段処理部を搬出された基板Gが一定速度(例えば60mm/s)のコロ搬送で現像ユニット(DEV)1に搬入されると、最初に現像部3において、基板Gが搬送ライン2の第1の搬送区間M1内を水平姿勢で移動する間に定置の現像ノズル9より現像液Dを供給される。基板G上には基板前端から基板後端に向かって搬送速度と等しい走査速度で現像液Dが盛られる。基板Gからこぼれた現像液Dはパン10に受け集められる。
【0048】
前記のようにして現像液Dを盛られた基板Gは、直後に山なりの第1の隆起部2aの上り傾斜を形成する第2の搬送区間M2に搬送される。
基板Gが第2の搬送区間M2を搬送されると、基板上の現像液Dが下方つまり後方へ重力で移動し始める。ここで、図4(a)に示すように、エアナイフ21からは、その下方を通過する基板Gに対し、所定流量(例えば300〜500リットル/min)の高圧ガス流が吹き付けられる。エアナイフ21の下方を基板Gが通過する間、搬送される基板Gから流れ落ちる現像液Dの上端部分(先端部分)には、基板搬送方向に向けて常にカーテン状のガス流が当てられる。
基板Gから流れ落ちる現像液Dの上端部分(先端部分)は、前記ガス流によって基板搬送方向に引き伸ばされ、図5(a)に示すように現像液Dの薄膜部D2が広く形成される(尚、基板後方側(下流側)は厚膜部D1となる)。また、この薄膜部D2の先端部分は、隆起部2a頂上(基板隆起部Ga)付近まで引き伸ばされる。
【0049】
また、図4(b)に示すように、基板先端が第3の搬送区間M3(第1の隆起部2a)に差し掛かると、直ぐさま第1のリンスノズル22から低流速(例えば0.0247〜0.074m/s)で、即ち吐出時のインパクトが小さくなる流速でリンス液S1が基板Gに供給される。
これにより図5(b)に示すように基板上には、現像液D(薄膜部D2)の先端部分から、さほど距離を空けずにリンス液Sの薄膜部S1が形成される。
即ち、現像液Dの薄膜部D2とリンス液Sの薄膜部S1との間に形成される液切れ領域Eの基板搬送方向の幅は現像斑の発生に影響しない微小なものとなる。
【0050】
前記第1のリンスノズル22からリンス液S1が供給された基板Gには、リンス液Sが途切れないように図4(c)に示すように第2のリンスノズル23からさらに高流速(例えば1.7581m/s)で、即ち吐出時のインパクトがより大きくなる流速でリンス液S2が供給される。これにより図5(c)に示すようにリンス液Sの薄膜部S1に続けて厚膜部S2が形成される。
このようにして基板Gが第2の搬送区間M2から第3の搬送区間M3に搬送されるにしたがい、基板上の現像液Dはリンス液Sに置換されていく。即ち、図4(d)に示すように基板Gの全体が第3の搬送区間M3まで搬送された時点では、図5(d)に示すように基板Gの上面は全てリンス液S2に置換され、現像が停止する。
尚、基板Gの前方へ流れおちた現像液およびリンス液はパン17に受け集められる。
【0051】
このように基板G上の処理液を現像液Dからリンス液Sに置き換える処理においては、エアノズル21から吹き付けられるエアカーテン状のガス流によって、基板傾斜面を流れ落ち薄膜状となった現像液Dが基板隆起部Ga付近まで引き伸ばされ、直ぐさま第1のリンスノズル22によって基板隆起部Ga付近にリンス液Sが供給される。このため、基板G上の液切れ領域が微小となり、時間を殆ど空けずに基板上の現像液Dをリンス液Sに置換することができる。
さらには、前記エアカーテン状のガス流によって、第1のリンスノズル22から供給されたリンス液Sが搬送方向反対側(第2の搬送区間M2)に流れ落ちないよう堰き止められるため、現像液Dとリンス液Sとが殆ど混ざらない状態とすることができる。
したがって、従来のように現像液Dが流れ落ちて斑に残った状態で放置される時間が殆ど無く、現像斑の発生を抑制することができる。
また、エアノズル21から噴射されるエアカーテン状のガス流が、基板搬送方向(下流側)に向けられているため、現像液Dが波打つこともなく、微小な現像斑の発生を抑制することができる。
【0052】
現像処理を終えた基板Gは、水平な第4の搬送区間M4を通過し、次の第5の搬送区間M5で第2の隆起部2bの上り傾斜路を上る。この時、基板G上に残っている置換用のリンス液が基板前端側から後方へ重力で移動して基板後端から流れ落ちる。さらに、上方のリンスノズル24より基板G上に一次洗浄用のリンス液が供給され、古いリンス液を追い出しながらこの新たなリンス液も基板後端から流れ落ちる。
基板の後方に流れ落ちたリンス液はパン17に受け集められる。こうして、第2の隆起部2bの頂点を越える基板Gは、その上面に一次洗浄用のリンス液が薄い液膜で残っている状態で、第2の隆起部2bの下り傾斜路(第6の搬送区間M6)に差し掛かる。
【0053】
次いで、第2の隆起部2bの下り傾斜路(M6)を基板Gが下りる際には、上方のリンスノズル25により基板G上に二次洗浄用の新たなリンス液が供給され、基板G上に薄く残っていた一次洗浄液を前方に追いやりながら新たなリンス液も基板前端から流れ落ちる。基板Gの前方に流れ落ちたリンス液はパン17に受け集められる。
【0054】
前記のようにしてリンス処理を終えた基板Gは、水平な第7の搬送区間M7を通過し、次の第8の搬送区間M8で上り段差部2cの傾斜路を上る。この時、基板G上に残っている仕上げ用リンス液が基板前端側から後方へ重力で移動して基板後端から流れ落ちる。さらに、上方のリンスノズル26より基板G上に最終洗浄用のリンス液が供給され、古いリンス液を追い出しながらこの新たなリンス液も基板後端から流れ落ちる。基板Gの後方に流れ落ちたリンス液はパン17に受け集められる。
【0055】
そして、基板Gが段差部2cを上り、乾燥部5側つまり第9の搬送区間M9内の上段搬走路に入ると、エアナイフ20が基板Gに対して搬送方向と逆向きに高圧ガス流を当てることにより、基板G上の残っていたリンス液が基板後方へ寄せられて基板後端から追い出される(液切りされる)。基板Gの後方に飛ばされたリンス液はパン17に受け集められる。
こうして現像ユニット(DEV)1内で一連の現像処理工程を終えた基板Gは、そのまま搬送ライン2上をまっすぐ移動して後段の処理部に送られる。
【0056】
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、現像液Dが供給され平流し搬送される基板Gに対し、前記現像液Dの回収時にエアナイフ21により基板幅方向に直線状に延びるカーテン状のガス流が鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けられる。これにより、基板Gから除去される現像液Dの前端部(上流側)が引き伸ばされる。
そして、現像液Dが除去された基板面に対し直ぐさま第1のリンスノズル22により低流速(吐出時のインパクトが小さい流速)でリンス液Sが供給され、さらに第2のリンスノズル23から、より高流速(吐出時のインパクトがより大きい流速)でリンス液Sが供給される。これにより、基板G上の現像液Dがリンス液Sに置き換えられる間の液切れ領域が微小なものとなり、現像液Dを直ぐさまリンス液Sに置換することができる。
その結果、従来のように現像液Dが流れ落ちて斑上に残った状態で放置される時間が殆ど無く、現像斑の発生を抑制することができる。
【0057】
尚、前記実施の形態においては、前記エアナイフ21、第1のリンスノズル22、第2のリンスノズル23を第1の隆起部2aの上方に配置し、第2の搬送区間M2の上り傾斜により基板上から現像液Dを除去する構成としたが、本発明にあっては、それに限定されるものではない。
例えば、水平な搬送路の上方に前記エアナイフ21、第1のリンスノズル22、第2のリンスノズル23を全て並べて配置した構成であってもよい。その場合、基板上の現像液の除去は、エアナイフ21から噴射する前記カーテン状の高圧ガス流によって行うことができる。
また、前記実施の形態においては、エアナイフ21と第1のリンスノズル22とを別体として示したが、一体物として構成してもよい。
また、前記実施の形態に示した各リンスノズルは、基板幅方向に延びる長尺型のノズルとして示したが、それに限定されず、微細径吐出口をそれぞれ有する複数のノズル(例えばスプレータイプのノズル)を基板幅方向に並べて構成するようにしてもよい。
【0058】
また、前記実施の形態においては、第1のリンスノズル22による吐出時のインパクトが、第2のリンスノズル23の吐出よりも小さくなるよう、吐出流速を規定したが、第1のリンスノズル22と第2のリンスノズル23のノズル形状が同一であれば、吐出流量により規定することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1 現像ユニット(基板処理装置)
2 搬送ライン(基板搬送路)
9 現像液供給ノズル(第1の処理液供給手段)
21 エアナイフ(気体供給手段)
22 第1のリンスノズル(第1のリンス手段)
23 第2のリンスノズル(第2のリンス手段)
G 被処理基板
D 現像液(第1の処理液)
M1 第1の搬送区間
M2 第2の搬送区間
M3 第3の搬送区間
S リンス液(第2の処理液)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に第1の処理液を供給して所定の液処理を施し、前記第1の処理液を回収して第2の処理液により洗浄する基板処理装置であって、
前記被処理基板を平流し搬送する基板搬送路と、
前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に第1の処理液を供給する第1の処理液供給手段と、
前記基板搬送路を搬送され、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付ける気体供給手段と、
前記気体供給手段によりガス流が吹き付けられ、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、所定の流速で前記第2の処理液を供給する第1のリンス手段と、
前記第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、前記第1のリンス液供給手段よりも高流速で前記第2の処理液を供給する第2のリンス手段とを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記基板搬送路は、水平な搬送路を形成する第1の搬送区間と、前記第1の搬送区間に続く上り傾斜の搬送路を形成する第2の搬送区間と、前記第2の搬送区間に続く下り傾斜の搬送路を形成する第3の搬送区間とを有し、
前記第1の処理液供給手段は前記第1の搬送区間に設けられ、前記気体供給手段は前記第2の搬送区間に設けられ、前記第1のリンス手段及び第2のリンス手段は、前記第2の搬送区間と第3の搬送区間とによって搬送路に形成される隆起部の上方に配置されることを特徴とする請求項1に記載された基板処理装置。
【請求項3】
前記気体供給手段により前記被処理基板の基板面に吹き付けられるガス流は、基板幅方向に直線状に延びるカーテン状のガス流であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された基板処理装置。
【請求項4】
前記第2のリンス手段は、前記第2の処理液を吐出するリンスノズルを有し、
前記リンスノズルは、前記基板搬送路を搬送される被処理基板の基板面に対し、その吐出方向が鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けられた状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された基板処理装置。
【請求項5】
被処理基板に第1の処理液を供給して所定の液処理を施し、前記第1の処理液を回収して第2の処理液により洗浄する基板処理方法であって、
基板搬送路において前記被処理基板を平流し搬送し、基板上に第1の処理液を供給するステップと、
前記基板搬送路を搬送され、前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けるステップと、
前記所定のガス流が吹き付けられ、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、所定の流速で前記第2の処理液を供給するステップと、
前記第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、より高流速で前記第2の処理液を供給するステップとを実行することを特徴とする基板処理方法。
【請求項6】
前記第1の処理液が供給された前記被処理基板の基板面に対し、所定のガス流を鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて吹き付けるステップは、上り傾斜となされた前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し実行されることを特徴とする請求項5に記載された基板処理方法。
【請求項7】
前記所定の流速で第2の処理液が供給され、前記基板搬送路を搬送される前記被処理基板の基板面に対し、より高流速で前記第2の処理液を供給するステップは、前記上り傾斜の基板搬送路に続く下り傾斜の基板搬送路を搬送される前記被処理基板に対し実行されることを特徴とする請求項6に記載された基板処理方法。
【請求項8】
前記基板搬送路を搬送される被処理基板の基板面に対し、鉛直方向乃至搬送方向下流側のいずれかに向けて前記第2の処理液が吐出されることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載された基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−199150(P2010−199150A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39683(P2009−39683)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】