基板表面温度測定方法
【課題】酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供された基板の最表面温度を測定する。
【解決手段】酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定する。前記酸化処理ガスとしては酸素ガス等の酸化性ガスが挙げられる。前記酸化膜の膜厚は楕円偏光解析法またはX線光電子分光法が例示される。前記酸化プロセス系内では基板を中空に配置させると、光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できる。
【解決手段】酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定する。前記酸化処理ガスとしては酸素ガス等の酸化性ガスが挙げられる。前記酸化膜の膜厚は楕円偏光解析法またはX線光電子分光法が例示される。前記酸化プロセス系内では基板を中空に配置させると、光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体ポリシリコンTFT、FET素子におけるゲート酸化膜の作製技術関連、その他、オゾン酸化を用いる半導体製造プロセス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体分野において、量産性及び低コスト化の観点から半導体製造プロセス温度の低温化が要求されている。オゾンは強い酸化力を持つことが知られており、半導体製造プロセスの低温化にオゾン技術へ注目が集まっている。一例として、TFT(薄膜トランジスタ)素子におけるゲート酸化膜作製(Si酸化技術)においては、オゾンを用いることにより、従来1000℃以上必要だった製膜温度が、400℃にまで低減可能となっている(特許文献1参照)。ここでオゾンによる強い酸化力は、実際にはオゾン分解の際に生じる原子状酸素(O*)が担っていることが知られている。
【0003】
オゾンの分解反応は(1)式によって与えられえる。
【0004】
O3→O*+O2 …(1)
オゾンの熱分解が400℃以上で確率が高いことが、Si酸化温度の下限を決めている。オゾン分解は熱以外に光によっても誘起されることが知られている。オゾン分子は200−300nmの波長帯に大きな吸収端(ハートリーバンド)を有し、この波長帯の光によって、分解反応が起きる。この光分解を用いることによりSi酸化温度を室温近くまで低減可能としている(特許文献2参照)。室温近くまで低温化が行えることは、オゾン技術が将来、半導体素子の量産化・低コスト化に寄与できるのみならず、フレキシブル・ディスプレイ等の次世代機器の製造プロセスへの寄与も多くできることが期待される。
【0005】
オゾン技術は、以上述べたようなプロセス製膜技術だけでなくエッチング、表面改質、クリーニングなどにも適用可能であり広く利用されることが期待されている。
【特許文献1】特開2003−209108号公報(段落0117〜0123)
【特許文献2】特開2006−080474号公報(段落0011〜0034)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紫外光を用いてオゾン分解させる場合、オゾンから光分解し生成した励起状酸素原子は、極めて反応性が高いがすぐに失活して酸素になることが知られている(特許公開2004−085407号公報参照)。このためオゾン光酸化処理では、紫外光を処理基板表面に当たるような配置で行うのが一般的である。これは対象試料の表面ごく近傍で励起状酸素原子を生成させるためである。一方でこのような光源の配置では、紫外光が基板の表面にも到達する。このとき基板の表面は光吸収により温度上昇が起きているものと推測される。このような表面加熱効果は、酸化速度を決めるのに重要な要因である一方、低温作製の観点からはこの熱が下地の基板に影響を与える懸念が生じる。したがって、基板の表面温度を知ることが、プロセス制御に欠かせない。しかしながら、加熱は基板表面の近傍で起きているために基板内の厚み方向に対して大きな熱勾配があり、従来の温度計を近くに置いた方法では基板の最表面の温度を調べることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、前記課題を解決するための基板表面温度測定方法は酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定する。酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚は前記基板の最表面温度と相関性を有しているので、前記基板の表面温度を測定できる。評価可能温度範囲は室温〜1000℃と幅広い。また、測定された膜厚の分布によって基板の表面方向の温度分布を把握できるので基板表面方向の空間分解能が得られる。
【0008】
前記基板表面温度測定方法において、前記酸化膜の膜厚の測定法としては楕円偏光解析法またはX線光電子分光法が例示される。前記酸化処理ガスは酸素ガスに例示される酸化性ガスである。
【0009】
前記基板表面温度測定方法においては、前記膜厚測定に用いる装置をチャンバ内に設けると、酸化プロセス中のその場で表面温度を測定できる。
【0010】
前記基板表面温度測定方法においては、前記表面温度を測定することでプロセス光照射量のフィードバックをかけることが可能なる。
【0011】
前記光照射に係る光の周波数は紫外光から可視光の領域であるとすると、基板表面の損傷を引き起こすことなく基板表面温度を測定できる。
【0012】
前記酸化プロセス系内では基板を中空に配置させると、光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できる。
【発明の効果】
【0013】
したがって、以上の発明によれば酸化処理ガスと光照射を用いた酸化プロセス系に供されている基板の最表面温度を測れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明に係る基板表面温度測定方法は光照射された試料の最表面温度を測るにあたり酸化膜の酸化速度と温度の関係に基づき算出する。図1は発明に係る基板表面温度測定の手順を示したフローチャート図である。
【0015】
先ず、酸化試料を準備する(S1)。ここでは酸化できるものに限る(例えば、アルミ、Siなど)。予め洗浄を行い、自然酸化膜を除去する。次に、酸化チャンバ内で光照射を用いた酸化処理を行う(S2)。前記光照射に係る光の周波数は紫外光から可視光の領域であるとよい。200nm以下の波長光は望ましくはない。200nm以下の波長光は下地の試料(基板(Si))を損傷させる。酸化膜厚の酸化温度依存性を利用して、膜厚から酸化試料の表面温度を知る。つまり、光照射された場所は表面温度に応じた速度で酸化が進行することを利用する。酸化処理を終えたら、膜厚評価する(S3)。膜厚測定としてはエリプソメーター(楕円偏光解析法)等による光学測定法やXPS(X線光電子分光法)等のX線測定法があげられる。得られた膜厚を基本データ(リファレンス)と比較する(S4)。そして、酸化試料の表面温度を推定する。前記リファレンスは光を用いずホットプレート等で加熱された状態で酸化(熱酸化)して得られた酸化膜厚である。熱酸化による酸化膜厚をリファレンスとした理由はホットプレートで加熱された試料は試料内で温度が均一であり、前記試料の表面温度も同じであるとみなさせるからである。以下の紫外光(波長248nm)照射を適用したSi(100)基板の表面温度を推定した実施例を参照しながら発明の実施形態について説明する。また膜厚測定プローブをチャンバ内に設けることにより、その場測定が可能となる。その場解析により光照射量のフィードバックが可能となる。
【0016】
(第一の実施形態)
本実施形態ではKrFエキシマレーザー(波長:248nm)照射によるシリコン(100)の表面温度も求めている。図1の基板表面温度の推定に供される酸化処理用基板としてSi(100)を準備した。Siは表面の平坦に優れ、きわめて薄い膜(<1nm)でも精密に測定できることから表面温度測定に適する。また、光源のKrFエキシマレーザーは、オゾンを光励起するのに最適な波長を有する光源である。したがって、オゾンの低温酸化に対する表面温度を知ることを想定しており、以下の実施例は光による表面加熱の影響を観測できたというものである。
【0017】
[1]光酸化処理
図2は発明の実施形態に係る酸化処理装置1の概略構成図である。酸化処理装置1は酸化処理ガス供給装置11とチャンバ12と排気ポンプ13とを備える。図示された矢印はガス流を表す。酸化処理ガス供給装置11とチャンバ12とを連結する配管系及びチャンバ12と排気ポンプ13とを連結する配管系は室温が望ましい。
【0018】
酸化処理ガス供給装置11は酸化処理ガスボンベまたは発生装置である。酸化処理ガスとしては酸素混合ガス等の酸化性ガスが用いられる。実施例では純度100%の酸素ガスを使用した。リファレンスでも熱酸化に酸素100%ガスが用いられ熱酸化速度が算出されているからである。酸素濃度は酸化速度に影響を与えるのでそろえる必要がある。
【0019】
チャンバ12は図3に示されたように酸化処理に供される基板20を格納する。チャンバ12には酸化処理ガス供給装置11から酸化処理ガスが供給される配管21と排気ポンプ13によって吸引されたガスが排出される配管22が接続されている。配管21,22の態様は特開2006−080474に開示された光励起オゾン酸化に係る酸化膜形成装置の配管系に準ずればよい。チャンバ12内の基板20はサセプタ23上に載置される。サセプタ23は移動機構24によってチャンバ12内を移動できるようになっている。移動機構24は半導体製造技術に採用される基板の移動手段を適用すればよい。
【0020】
チャンバ12には圧力計25が具備される。圧力計25は圧力範囲が0.1Pa−100000Paである仕様のものが採用される。
【0021】
また、チャンバ12の天井部には紫外線の光源26から発せされた紫外光を導入するための照射窓27が設けられている。照射窓27は光源24の光を透過する材料から成る。実施例では光源24としてKrFエキシマレーザーが適用されているので、200nm−300nmの波長帯の光を透過する材料からなるもの(例えば合成石英)が用いられる。尚、光源26の光は基板20表面に照射されるように設定されるのであれば、光源26はレーザータイプに限定されずランプタイプのものでもよい。
【0022】
排気処理対応のために、チャンバ12の材質は、アルミ金属、SUS金属または石英ガラスによる真空対応のものに限定される。また、減圧の際、チャンバ12の材質から汚染物質を排出しないようチャンバ12内の表面は電界研磨処理等の加工処理が施される。
【0023】
図4は基板表面の酸化処理に供される酸化処理ガス(酸素)のガス流と紫外光の照射領域の位置関係を示した斜視図である。図示された矢印は酸化処理ガス流の方向を示す。光源の光波長は200nm以上のものを用いる。Si基板にダメージを与えないためである。照射方式は連続光方式、パルス光方式のいずれに限定されない。実施例では、光源26には例えばKrFエキシマレーザー(波長:248nm)が使用される。光源26からの紫外光は例えば照射面積1cm×20cmの照射領域28のように長方形状に照射される。酸化処理ガスのガス流は照射領域28の長辺と垂直方向となるように制御される。基板20及びサセプタ23は大きさが8インチウエハに対応できるものが使用される。
【0024】
[2]酸化膜厚測定
酸化処理ガスによって基板20に形成される酸化膜の膜厚測定法はリファレンスと整合できれば特に限定しない。例えば、Si(100)基板のSiO2膜の場合、膜厚2nmの場合は分光エリプソメーターを用いた楕円偏光解析法、膜厚2nm以下の場合はX線光電子分光法(XPS)を用いる。
【0025】
図5はSi(100)を酸化した試料のXPSの測定結果を示した特性図である。膜厚2つの場合について測定しており、分光エリプソメーター(SOPRA製 GESP5 )で測定した膜厚3.1nm、4.9nmに対し、それぞれのXPS測定装置(PHI製 ESCA model 5800)の測定データの曲線形が異なる。具体的にはSiと記した99eV付近のピーク強度とSi4+(SiO2)と記したピーク強度との比が異なる。一般に、膜が厚くなる程Si4+(SiO2)のピーク強度が増加する。このように強度比から膜厚を求めることができる。また、本実施例では表面温度が500℃以下の範囲を対象にしたので、評価用酸化膜が薄い(<1nm)のでXPSの測定結果によって膜厚を求めた。
【0026】
[3]リファレンス
発明に係る基板表面温度測定法では温度推定にリファレンスデータが必要である。Si(100)の酸化速度は古くから研究されておりリファレンスが得やすい。図6はSi基板の熱酸化時間に対する膜厚を示した特性図である。同じ熱酸化時間でも温度ごとに膜厚が異なる。図7は酸化時間が1時間に固定された場合の基板の温度と前記基板に形成されている酸化膜の膜厚の関係を示した特性図である。この特性図に示されたように低温域のデータは高温域のデータからの延長線で予想できる。実施例では600℃以下の温度域のデータを用いた。また、図6ではSi(100)の酸化膜厚の他にSi(111)の酸化膜厚の結果(破線)が開示されている。同一の温度でもSi(100)基板とSi(111)基板とでは形成されている酸化膜の膜厚が異なる。したがって、SiウエハでもSi基板の結晶方位面が同一のもの(実施例ではSi(100))を使用することが重要である。
【0027】
[4]Si低温酸化での適用例
Si基板(100)に対してSiO2製膜したプロセスから表面加熱温度を用いる。
【0028】
図3に示された光源26には以下の仕様のKrFエキシマレーザーを用いた。
【0029】
波長 248nm
繰り返し周波数 15−100Hz
照射パルス時間 〜10ns
照射強度 100−5mJ/cm2
照射面積 1cm × 3−20cm
光源26からKrF光をチャンバ12(容積〜5000cm3)に入射する。酸素ガスは、前記KrF光の光路に対して垂直方向に流れるように制御した。チャンバ12に供給された酸素ガスは紫外光の光路を通過して排気される。チャンバ12の壁は室温に保持された。基板20及びサセプタ23は室温に保持した。光酸化処理に用いた酸素ガスは〜100%濃度を使用した。膜厚はXPS測定装置(PHI製 ESCA model 5800)を用いて評価した。
【0030】
[5]結果
(1)リファレンス
図8は熱酸化での実施例を示したものである。20℃、150℃、320℃の温度のもとで1時間酸化した場合のSi(100)基板に対するXPSによる膜厚の評価結果を示した特性図である。試料の加熱温度の増加に伴い形成されている酸化膜の膜厚が増えており、XPSによって膜厚評価ができているとみなせる。
【0031】
(2)光照射エネルギー依存性
図9は光照射の入射エネルギーに対するSi(100)基板の表面温度依存性を示した特性図である。下地の基板は加熱なし(室温)、酸化時間は1時間である。照射エネルギーの増加に伴い表面温度は上昇する。また、表面温度は室温よりもはるかに高い温度を示しており、このことから光吸収にともなう表面の局所加熱効果が起きていることが実証された。
【0032】
(3)照射位置依存性
図10はSi(100)基板B上の一部に光を照射した場合の表面温度の分布を示した特性図である。横軸は照射領域Iの一端側からの距離Rを示す。横軸0mmが光照射を受けた場所を意味し、距離Rが増えるほど、照射領域Iから遠い場所であることを意味する。
【0033】
図10に示された測定結果によると、基板Bの表面温度Tは照射領域Iで最も高く、照射領域Iの一端から離れるにつれて表面温度Tが低くなることが確認できる。但し、照射領域Iの一端からの距離Rが15mmの場所でも表面温度Tがベースの室温よりも遥かに高い。これは照射領域Iから熱が拡散しているためと考えられる。このように基板表面の温度分布を測ることができることが確認された。
【0034】
以上述べた実施例から本実施形態に係る基板表面温度測定法によれば基板の再表面温度を測れることが明らかである。
【0035】
(第二の実施形態)
本実施形態に係る基板表面温度測定法は光照射された領域の裏面の表面温度を測る。本測定法は試料準備工程及び酸化処理工程以外は図1の第一の実施形態に係る測定法と同じである。
【0036】
図11は本実施形態に係る基板表面温度測定に供される試料の配置形態を示した斜視図である。先ず準備する評価試料は光が当たる面の裏面に酸化膜が形成できる材質が析出しているもの(例えば両面研磨Siウエハ、Si層体積ガラスなど)である。これは光が当たらない面の酸化速度を調べることで裏面の温度を知るためである。また、評価試料は照射光が裏面まで透過しない材料から成るものに限る。なぜなら照射光が透過してしまうと試料裏面の酸化する材質で光吸収が起きてしまうためである。
【0037】
したがって、本実施形態における光酸化の形態は図11に示したように評価試料30が中空に配置された状態となっている。すなわち、評価試料30がジグ31によってサセプタ23から浮いた状態で保持されている。ジグ31は系を汚さないクリーンな材質からなり、評価試料30の熱をサセプタ23に伝えない断熱材が望ましい。例えば前記材質としては合成石英を挙げることができる。評価試料30はサセプタ23から浮いた状態となっているので、酸化処理ガスが点線で示した光照射領域の評価試料30の裏面にも迂回してくるようになっている。したがって、評価試料30の表面に酸化膜3aが形成されるばかりでなくその裏面にも前記酸化処理ガスによって酸化膜30bが形成される。そして、酸化膜30bの膜厚を測定することにより、前記裏面の表面温度を知ることが可能となる。
【0038】
以上のように本実施形態の基板表面温度測定方法は低温酸化技術において基板の下地の熱ダメージを調べるのに有用な手法となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】発明に係る基板表面温度測定の手順を示したフローチャート図。
【図2】発明の実施形態に係る酸化処理装置の概略構成図。
【図3】酸化処理チャンバの概略構成図。
【図4】酸化処理ガスのガス流と紫外光の照射領域の位置関係を示した斜視図。
【図5】Si(100)を酸化した試料のXPSの測定結果を示した特性図。
【図6】Si基板の熱酸化時間に対する膜厚を示した特性図。
【図7】酸化時間が1時間である場合の基板の温度と前記基板に形成されている酸化膜の膜厚の関係を示した特性図。
【図8】20℃、150℃、320℃の温度のもとで1時間酸化した場合のSi(100)に対するXPSによる膜厚の評価結果を示した特性図。
【図9】光照射の入射エネルギーに対するSi(100)の表面温度依存性を示した特性図。
【図10】Si(100)基板上の一部に光を照射した場合の表面温度の分布を示した特性図。
【図11】発明の第二の実施形態に係る基板表面温度測定に供される試料の配置形態を示した斜視図。
【符号の説明】
【0040】
1…酸化処理装置
11…酸化処理ガス供給装置、12…チャンバ、13…排気ポンプ
20…基板、21,22…配管、23…サセプタ、24…移動機構、25…圧力計、26…光源、27…照射窓
28…照射領域
30…評価試料、31…ジグ、30a,30b…酸化膜
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体ポリシリコンTFT、FET素子におけるゲート酸化膜の作製技術関連、その他、オゾン酸化を用いる半導体製造プロセス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体分野において、量産性及び低コスト化の観点から半導体製造プロセス温度の低温化が要求されている。オゾンは強い酸化力を持つことが知られており、半導体製造プロセスの低温化にオゾン技術へ注目が集まっている。一例として、TFT(薄膜トランジスタ)素子におけるゲート酸化膜作製(Si酸化技術)においては、オゾンを用いることにより、従来1000℃以上必要だった製膜温度が、400℃にまで低減可能となっている(特許文献1参照)。ここでオゾンによる強い酸化力は、実際にはオゾン分解の際に生じる原子状酸素(O*)が担っていることが知られている。
【0003】
オゾンの分解反応は(1)式によって与えられえる。
【0004】
O3→O*+O2 …(1)
オゾンの熱分解が400℃以上で確率が高いことが、Si酸化温度の下限を決めている。オゾン分解は熱以外に光によっても誘起されることが知られている。オゾン分子は200−300nmの波長帯に大きな吸収端(ハートリーバンド)を有し、この波長帯の光によって、分解反応が起きる。この光分解を用いることによりSi酸化温度を室温近くまで低減可能としている(特許文献2参照)。室温近くまで低温化が行えることは、オゾン技術が将来、半導体素子の量産化・低コスト化に寄与できるのみならず、フレキシブル・ディスプレイ等の次世代機器の製造プロセスへの寄与も多くできることが期待される。
【0005】
オゾン技術は、以上述べたようなプロセス製膜技術だけでなくエッチング、表面改質、クリーニングなどにも適用可能であり広く利用されることが期待されている。
【特許文献1】特開2003−209108号公報(段落0117〜0123)
【特許文献2】特開2006−080474号公報(段落0011〜0034)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紫外光を用いてオゾン分解させる場合、オゾンから光分解し生成した励起状酸素原子は、極めて反応性が高いがすぐに失活して酸素になることが知られている(特許公開2004−085407号公報参照)。このためオゾン光酸化処理では、紫外光を処理基板表面に当たるような配置で行うのが一般的である。これは対象試料の表面ごく近傍で励起状酸素原子を生成させるためである。一方でこのような光源の配置では、紫外光が基板の表面にも到達する。このとき基板の表面は光吸収により温度上昇が起きているものと推測される。このような表面加熱効果は、酸化速度を決めるのに重要な要因である一方、低温作製の観点からはこの熱が下地の基板に影響を与える懸念が生じる。したがって、基板の表面温度を知ることが、プロセス制御に欠かせない。しかしながら、加熱は基板表面の近傍で起きているために基板内の厚み方向に対して大きな熱勾配があり、従来の温度計を近くに置いた方法では基板の最表面の温度を調べることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、前記課題を解決するための基板表面温度測定方法は酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定する。酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚は前記基板の最表面温度と相関性を有しているので、前記基板の表面温度を測定できる。評価可能温度範囲は室温〜1000℃と幅広い。また、測定された膜厚の分布によって基板の表面方向の温度分布を把握できるので基板表面方向の空間分解能が得られる。
【0008】
前記基板表面温度測定方法において、前記酸化膜の膜厚の測定法としては楕円偏光解析法またはX線光電子分光法が例示される。前記酸化処理ガスは酸素ガスに例示される酸化性ガスである。
【0009】
前記基板表面温度測定方法においては、前記膜厚測定に用いる装置をチャンバ内に設けると、酸化プロセス中のその場で表面温度を測定できる。
【0010】
前記基板表面温度測定方法においては、前記表面温度を測定することでプロセス光照射量のフィードバックをかけることが可能なる。
【0011】
前記光照射に係る光の周波数は紫外光から可視光の領域であるとすると、基板表面の損傷を引き起こすことなく基板表面温度を測定できる。
【0012】
前記酸化プロセス系内では基板を中空に配置させると、光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できる。
【発明の効果】
【0013】
したがって、以上の発明によれば酸化処理ガスと光照射を用いた酸化プロセス系に供されている基板の最表面温度を測れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明に係る基板表面温度測定方法は光照射された試料の最表面温度を測るにあたり酸化膜の酸化速度と温度の関係に基づき算出する。図1は発明に係る基板表面温度測定の手順を示したフローチャート図である。
【0015】
先ず、酸化試料を準備する(S1)。ここでは酸化できるものに限る(例えば、アルミ、Siなど)。予め洗浄を行い、自然酸化膜を除去する。次に、酸化チャンバ内で光照射を用いた酸化処理を行う(S2)。前記光照射に係る光の周波数は紫外光から可視光の領域であるとよい。200nm以下の波長光は望ましくはない。200nm以下の波長光は下地の試料(基板(Si))を損傷させる。酸化膜厚の酸化温度依存性を利用して、膜厚から酸化試料の表面温度を知る。つまり、光照射された場所は表面温度に応じた速度で酸化が進行することを利用する。酸化処理を終えたら、膜厚評価する(S3)。膜厚測定としてはエリプソメーター(楕円偏光解析法)等による光学測定法やXPS(X線光電子分光法)等のX線測定法があげられる。得られた膜厚を基本データ(リファレンス)と比較する(S4)。そして、酸化試料の表面温度を推定する。前記リファレンスは光を用いずホットプレート等で加熱された状態で酸化(熱酸化)して得られた酸化膜厚である。熱酸化による酸化膜厚をリファレンスとした理由はホットプレートで加熱された試料は試料内で温度が均一であり、前記試料の表面温度も同じであるとみなさせるからである。以下の紫外光(波長248nm)照射を適用したSi(100)基板の表面温度を推定した実施例を参照しながら発明の実施形態について説明する。また膜厚測定プローブをチャンバ内に設けることにより、その場測定が可能となる。その場解析により光照射量のフィードバックが可能となる。
【0016】
(第一の実施形態)
本実施形態ではKrFエキシマレーザー(波長:248nm)照射によるシリコン(100)の表面温度も求めている。図1の基板表面温度の推定に供される酸化処理用基板としてSi(100)を準備した。Siは表面の平坦に優れ、きわめて薄い膜(<1nm)でも精密に測定できることから表面温度測定に適する。また、光源のKrFエキシマレーザーは、オゾンを光励起するのに最適な波長を有する光源である。したがって、オゾンの低温酸化に対する表面温度を知ることを想定しており、以下の実施例は光による表面加熱の影響を観測できたというものである。
【0017】
[1]光酸化処理
図2は発明の実施形態に係る酸化処理装置1の概略構成図である。酸化処理装置1は酸化処理ガス供給装置11とチャンバ12と排気ポンプ13とを備える。図示された矢印はガス流を表す。酸化処理ガス供給装置11とチャンバ12とを連結する配管系及びチャンバ12と排気ポンプ13とを連結する配管系は室温が望ましい。
【0018】
酸化処理ガス供給装置11は酸化処理ガスボンベまたは発生装置である。酸化処理ガスとしては酸素混合ガス等の酸化性ガスが用いられる。実施例では純度100%の酸素ガスを使用した。リファレンスでも熱酸化に酸素100%ガスが用いられ熱酸化速度が算出されているからである。酸素濃度は酸化速度に影響を与えるのでそろえる必要がある。
【0019】
チャンバ12は図3に示されたように酸化処理に供される基板20を格納する。チャンバ12には酸化処理ガス供給装置11から酸化処理ガスが供給される配管21と排気ポンプ13によって吸引されたガスが排出される配管22が接続されている。配管21,22の態様は特開2006−080474に開示された光励起オゾン酸化に係る酸化膜形成装置の配管系に準ずればよい。チャンバ12内の基板20はサセプタ23上に載置される。サセプタ23は移動機構24によってチャンバ12内を移動できるようになっている。移動機構24は半導体製造技術に採用される基板の移動手段を適用すればよい。
【0020】
チャンバ12には圧力計25が具備される。圧力計25は圧力範囲が0.1Pa−100000Paである仕様のものが採用される。
【0021】
また、チャンバ12の天井部には紫外線の光源26から発せされた紫外光を導入するための照射窓27が設けられている。照射窓27は光源24の光を透過する材料から成る。実施例では光源24としてKrFエキシマレーザーが適用されているので、200nm−300nmの波長帯の光を透過する材料からなるもの(例えば合成石英)が用いられる。尚、光源26の光は基板20表面に照射されるように設定されるのであれば、光源26はレーザータイプに限定されずランプタイプのものでもよい。
【0022】
排気処理対応のために、チャンバ12の材質は、アルミ金属、SUS金属または石英ガラスによる真空対応のものに限定される。また、減圧の際、チャンバ12の材質から汚染物質を排出しないようチャンバ12内の表面は電界研磨処理等の加工処理が施される。
【0023】
図4は基板表面の酸化処理に供される酸化処理ガス(酸素)のガス流と紫外光の照射領域の位置関係を示した斜視図である。図示された矢印は酸化処理ガス流の方向を示す。光源の光波長は200nm以上のものを用いる。Si基板にダメージを与えないためである。照射方式は連続光方式、パルス光方式のいずれに限定されない。実施例では、光源26には例えばKrFエキシマレーザー(波長:248nm)が使用される。光源26からの紫外光は例えば照射面積1cm×20cmの照射領域28のように長方形状に照射される。酸化処理ガスのガス流は照射領域28の長辺と垂直方向となるように制御される。基板20及びサセプタ23は大きさが8インチウエハに対応できるものが使用される。
【0024】
[2]酸化膜厚測定
酸化処理ガスによって基板20に形成される酸化膜の膜厚測定法はリファレンスと整合できれば特に限定しない。例えば、Si(100)基板のSiO2膜の場合、膜厚2nmの場合は分光エリプソメーターを用いた楕円偏光解析法、膜厚2nm以下の場合はX線光電子分光法(XPS)を用いる。
【0025】
図5はSi(100)を酸化した試料のXPSの測定結果を示した特性図である。膜厚2つの場合について測定しており、分光エリプソメーター(SOPRA製 GESP5 )で測定した膜厚3.1nm、4.9nmに対し、それぞれのXPS測定装置(PHI製 ESCA model 5800)の測定データの曲線形が異なる。具体的にはSiと記した99eV付近のピーク強度とSi4+(SiO2)と記したピーク強度との比が異なる。一般に、膜が厚くなる程Si4+(SiO2)のピーク強度が増加する。このように強度比から膜厚を求めることができる。また、本実施例では表面温度が500℃以下の範囲を対象にしたので、評価用酸化膜が薄い(<1nm)のでXPSの測定結果によって膜厚を求めた。
【0026】
[3]リファレンス
発明に係る基板表面温度測定法では温度推定にリファレンスデータが必要である。Si(100)の酸化速度は古くから研究されておりリファレンスが得やすい。図6はSi基板の熱酸化時間に対する膜厚を示した特性図である。同じ熱酸化時間でも温度ごとに膜厚が異なる。図7は酸化時間が1時間に固定された場合の基板の温度と前記基板に形成されている酸化膜の膜厚の関係を示した特性図である。この特性図に示されたように低温域のデータは高温域のデータからの延長線で予想できる。実施例では600℃以下の温度域のデータを用いた。また、図6ではSi(100)の酸化膜厚の他にSi(111)の酸化膜厚の結果(破線)が開示されている。同一の温度でもSi(100)基板とSi(111)基板とでは形成されている酸化膜の膜厚が異なる。したがって、SiウエハでもSi基板の結晶方位面が同一のもの(実施例ではSi(100))を使用することが重要である。
【0027】
[4]Si低温酸化での適用例
Si基板(100)に対してSiO2製膜したプロセスから表面加熱温度を用いる。
【0028】
図3に示された光源26には以下の仕様のKrFエキシマレーザーを用いた。
【0029】
波長 248nm
繰り返し周波数 15−100Hz
照射パルス時間 〜10ns
照射強度 100−5mJ/cm2
照射面積 1cm × 3−20cm
光源26からKrF光をチャンバ12(容積〜5000cm3)に入射する。酸素ガスは、前記KrF光の光路に対して垂直方向に流れるように制御した。チャンバ12に供給された酸素ガスは紫外光の光路を通過して排気される。チャンバ12の壁は室温に保持された。基板20及びサセプタ23は室温に保持した。光酸化処理に用いた酸素ガスは〜100%濃度を使用した。膜厚はXPS測定装置(PHI製 ESCA model 5800)を用いて評価した。
【0030】
[5]結果
(1)リファレンス
図8は熱酸化での実施例を示したものである。20℃、150℃、320℃の温度のもとで1時間酸化した場合のSi(100)基板に対するXPSによる膜厚の評価結果を示した特性図である。試料の加熱温度の増加に伴い形成されている酸化膜の膜厚が増えており、XPSによって膜厚評価ができているとみなせる。
【0031】
(2)光照射エネルギー依存性
図9は光照射の入射エネルギーに対するSi(100)基板の表面温度依存性を示した特性図である。下地の基板は加熱なし(室温)、酸化時間は1時間である。照射エネルギーの増加に伴い表面温度は上昇する。また、表面温度は室温よりもはるかに高い温度を示しており、このことから光吸収にともなう表面の局所加熱効果が起きていることが実証された。
【0032】
(3)照射位置依存性
図10はSi(100)基板B上の一部に光を照射した場合の表面温度の分布を示した特性図である。横軸は照射領域Iの一端側からの距離Rを示す。横軸0mmが光照射を受けた場所を意味し、距離Rが増えるほど、照射領域Iから遠い場所であることを意味する。
【0033】
図10に示された測定結果によると、基板Bの表面温度Tは照射領域Iで最も高く、照射領域Iの一端から離れるにつれて表面温度Tが低くなることが確認できる。但し、照射領域Iの一端からの距離Rが15mmの場所でも表面温度Tがベースの室温よりも遥かに高い。これは照射領域Iから熱が拡散しているためと考えられる。このように基板表面の温度分布を測ることができることが確認された。
【0034】
以上述べた実施例から本実施形態に係る基板表面温度測定法によれば基板の再表面温度を測れることが明らかである。
【0035】
(第二の実施形態)
本実施形態に係る基板表面温度測定法は光照射された領域の裏面の表面温度を測る。本測定法は試料準備工程及び酸化処理工程以外は図1の第一の実施形態に係る測定法と同じである。
【0036】
図11は本実施形態に係る基板表面温度測定に供される試料の配置形態を示した斜視図である。先ず準備する評価試料は光が当たる面の裏面に酸化膜が形成できる材質が析出しているもの(例えば両面研磨Siウエハ、Si層体積ガラスなど)である。これは光が当たらない面の酸化速度を調べることで裏面の温度を知るためである。また、評価試料は照射光が裏面まで透過しない材料から成るものに限る。なぜなら照射光が透過してしまうと試料裏面の酸化する材質で光吸収が起きてしまうためである。
【0037】
したがって、本実施形態における光酸化の形態は図11に示したように評価試料30が中空に配置された状態となっている。すなわち、評価試料30がジグ31によってサセプタ23から浮いた状態で保持されている。ジグ31は系を汚さないクリーンな材質からなり、評価試料30の熱をサセプタ23に伝えない断熱材が望ましい。例えば前記材質としては合成石英を挙げることができる。評価試料30はサセプタ23から浮いた状態となっているので、酸化処理ガスが点線で示した光照射領域の評価試料30の裏面にも迂回してくるようになっている。したがって、評価試料30の表面に酸化膜3aが形成されるばかりでなくその裏面にも前記酸化処理ガスによって酸化膜30bが形成される。そして、酸化膜30bの膜厚を測定することにより、前記裏面の表面温度を知ることが可能となる。
【0038】
以上のように本実施形態の基板表面温度測定方法は低温酸化技術において基板の下地の熱ダメージを調べるのに有用な手法となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】発明に係る基板表面温度測定の手順を示したフローチャート図。
【図2】発明の実施形態に係る酸化処理装置の概略構成図。
【図3】酸化処理チャンバの概略構成図。
【図4】酸化処理ガスのガス流と紫外光の照射領域の位置関係を示した斜視図。
【図5】Si(100)を酸化した試料のXPSの測定結果を示した特性図。
【図6】Si基板の熱酸化時間に対する膜厚を示した特性図。
【図7】酸化時間が1時間である場合の基板の温度と前記基板に形成されている酸化膜の膜厚の関係を示した特性図。
【図8】20℃、150℃、320℃の温度のもとで1時間酸化した場合のSi(100)に対するXPSによる膜厚の評価結果を示した特性図。
【図9】光照射の入射エネルギーに対するSi(100)の表面温度依存性を示した特性図。
【図10】Si(100)基板上の一部に光を照射した場合の表面温度の分布を示した特性図。
【図11】発明の第二の実施形態に係る基板表面温度測定に供される試料の配置形態を示した斜視図。
【符号の説明】
【0040】
1…酸化処理装置
11…酸化処理ガス供給装置、12…チャンバ、13…排気ポンプ
20…基板、21,22…配管、23…サセプタ、24…移動機構、25…圧力計、26…光源、27…照射窓
28…照射領域
30…評価試料、31…ジグ、30a,30b…酸化膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定すること
を特徴とする基板表面温度測定方法。
【請求項2】
前記酸化膜の膜厚を楕円偏光解析法またはX線光電子分光法によって測定することを特徴とする請求項1に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項3】
前記酸化処理ガスは酸素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項4】
前記酸化プロセス系内で基板を中空に配置させたことで光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項5】
前記膜厚測定に用いる装置をチャンバ内に設けることにより、酸化プロセス中のその場で表面温度を測定すること特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項6】
前記表面温度を測定することでプロセス光照射量のフィードバックをかけることが可能なことを特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項1】
酸化処理ガスと光照射とを用いた酸化プロセス系に供されている基板に形成された酸化膜の膜厚の測定結果に基づき基板の表面温度を測定すること
を特徴とする基板表面温度測定方法。
【請求項2】
前記酸化膜の膜厚を楕円偏光解析法またはX線光電子分光法によって測定することを特徴とする請求項1に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項3】
前記酸化処理ガスは酸素ガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項4】
前記酸化プロセス系内で基板を中空に配置させたことで光が直接当たらない基板表面の表面温度測定に適用できることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項5】
前記膜厚測定に用いる装置をチャンバ内に設けることにより、酸化プロセス中のその場で表面温度を測定すること特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【請求項6】
前記表面温度を測定することでプロセス光照射量のフィードバックをかけることが可能なことを特徴とする請求項1または2に記載の基板表面温度測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−123850(P2009−123850A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294943(P2007−294943)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
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