説明

多層配線基板およびその製造方法ならびにウエハ一括コンタクトボード

【課題】多層配線基板において、配線層の酸化を防止し、接続不良を防止する。
【解決手段】 ガラス基板11の温度を200℃に設定し、インラインスパッタ成膜法にて、10−7Torrで、スパッタガスとして、水素ガスを5vol%添加されたArガスを用いて、Cr膜を700Å、Cu膜を6μm、およびNi膜を700Åの膜厚で順次成膜して、Ni/Cu/Cr多層配線層12を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ上に多数形成された半導体デバイスを一括して試験するためのウエハ一括コンタクトボードと、それを構成する多層配線基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ上に複数形成された半導体デバイスの検査は、プローブカードによる製品検査(電気的特性試験)と、その後に行われる信頼性試験であるバーンイン試験に大別される。バーンイン試験は、固有欠陥のある半導体デバイス、あるいは製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こすデバイスを除くために行われるスクリーニング試験の一つである。プローブカードによる検査が製造したデバイスの電気的特性試験であるのに対し、バーンイン試験は熱加速試験と言える。
【0003】
これまで、電気的特性試験は、テスター装置に取り付けられたプローブカードによってウエハ上の素子を1チップ毎に行われており、またバーンイン試験は、ダイシングして実装した後、1つずつ行われていた。しかし、近年のCOP実装やベアチップ搭載等の要望から、ダイシングする前にウエハを一括して試験する方法がとられており、そのためのプローブカード、つまりウエハ一括コンタクトボードの開発が進められている(特許文献1)。
【0004】
ウエハ一括コンタクトボードは、多層配線基板上に、異方性導電ゴムシートを介して、バンプ付きメンブレンリングを固定した構造を有する。バンプ付きメンブレンリングは、リングと、リングに張り渡された絶縁性薄膜の一方の面に設けられた導電性材料からなる半球状のバンプと、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられた導電性材料からなるパッドとを備える。金属バンプは、ウエハ上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数が、絶縁性薄膜上に形成されている。異方性導電ゴムシートは、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体であり、多層配線基板上の端子とバンプ付きメンブレンリングのパッドとを電気的に接続する。異方性導電ゴムシートは、その表面に形成された凸部でバンプ付きメンブレン上のパッドに押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッドとバンプ付きメンブレンリング上のバンプとを確実に接続する。多層配線基板は、バンプ付きメンブレンリング上に孤立する各バンプにパッドを介して所定のバーンイン試験信号を付与するための配線を積層構造で有する。多層配線基板の製造方法としては、絶縁性基材上に導電層を積層して所望のパターンに形成した後、絶縁層を積層し、該絶縁層にコンタクトホールを形成した後、その上に導電層を積層することによりコンタクトホールを介して下層の導電層と導通させ、この一連の工程を複数回行うことにより、ウエハ上の多数のパッドに電気信号を送るための複数の配線を設ける方法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−164651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体素子の微細化及び小型化に従って、配線が多層化しているため、それぞれの配線の抵抗を低減する必要がある。低抵抗化のため、材質には主にCuが用いられており、その厚さも1つの層で約10μmと厚膜化が進んでいる。配線の成膜方法としては、膜質や膜厚の均一性の観点からスパッタ成膜法が有効である。しかし、スパッタ成膜法では、ターゲットが小さいため、320mm角程度の大きな基板に約10μmの配線層を形成するためには、インラインスパッタ方式で複数回スパッタ成膜する必要がある。しかし、各スパッタ成膜間に、チャンバー内の微量の酸素や水分によってCuが酸化されるという問題がある。特に、コンタクトホールにおいては、その形状から表面積も広くなるため酸化の度合いが顕著であり、Cu層内の各スパッタ成膜間に酸化銅が形成され、その部分で割れが発生し接続不良となるという問題ある。さらには、コンタクトホールでの酸化物の存在は、コンタクト抵抗を高くしたり、配線間の密着強度を低下させ、接続不良が発生するという問題がある。
一方、前述の絶縁層に用いているポリイミドや、下地基板にも微量の水分が含まれており、この水分が配線層に侵入し配線層の金属を酸化したり、変性させてしまうという問題もある。
【0007】
本発明の第一は、上記事情に鑑みてなされたものであり、配線層の内部および表面の酸化物を無くして、接続不良を防止できる多層配線基板を提供することを目的とする。また、本発明の第二は、配線層内部および表面の酸化を防止し、接続不良を防止できる多層配線基板の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の第三は、配線層内部の酸化を防止し、接続不良を防止できる多層配線基板を構成部品に備えた信頼性の高いウエハ一括コンタクトボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板上に、複数の配線層が絶縁層を介して積層されてなる多層配線基板であって、
前記配線層は、水素が含まれていることを特徴とする多層配線基板。
(構成2)
前記配線層における水素原子の含有量は、0.1at%以上10at%以下であることを特徴とする構成1記載の多層配線基板。
(構成3)
前記配線層は、インラインスパッタ成膜により、Cr層、Cu層およびNi層をこの順に積層されてなるものであることを特徴とする構成1または2記載の多層配線基板。
(構成4)
導電性材料からなる配線層をスパッタ成膜により形成する成膜工程を有する多層配線基板の製造方法であって、
前記成膜工程で使用するスパッタガスは、希ガスと水素ガスとを含む混合ガスであり、該水素ガスの含有量は、1vol%以上30vol%以下であることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
(構成5)
前記配線層は積層膜であって、該積層膜はインラインスパッタ成膜により形成することを特徴とする構成4記載の多層配線基板の製造方法。
(構成6)
前記構成4または5記載の製造方法により製造された多層配線基板と、
被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つバンプ付きメンブレンリングとを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多層配線基板によれば、配線層に水素が含まれていることにより、配線層において酸化物が存在せず、配線層の接続不良を防止することができる。また、コンタクトホールにおける酸化物による割れを防止できるので、接続不良を防止でき、高い層間密着強度を得ることができる。特に、本発明の多層配線基板の配線層に含まれる水素原子の含有量が0.1at%以上10at%以下、好ましくは1at%以上5at%以下あることが望ましい。
本発明の多層配線基板の製造方法によれば、配線層をスパッタ成膜により形成する際に使用するスパッタガスは、希ガスと水素ガスとを含む混合ガスであり、水素ガスを1vol%以上30vol%以下含むことにより、スパッタチャンバー雰囲気内の酸素、基板あるいは絶縁層に含まれる酸素を還元して除去することが可能となるので、配線層において酸化物が存在せず、配線層の接続不良を防止することができる。また、コンタクトホールにおける酸化物による割れを防止できるので、接続不良を防止でき、高い層間密着強度を得ることができる。
本発明のウエハ一括コンタクトボードによれば、配線層の接続不良を防止することができる多層配線基板を用いているので、高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の多層配線基板の製造過程を示す概略断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板の製造過程を示す概略断面図である。
【図3】本発明のウエハ一括コンタクトボードの一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態によるに多層配線基板の製造方法について図1および図2を参照しながら説明する。図1及び図2は、多層配線基板の製造工程を示す概略断面図である。
図1の工程(1)に示すように、表面を平らに研磨したガラス基板11(HOYA社製:NA40、大きさ320mm角、厚さ3mm)の片面に、インラインスパッタ法にて、Cr膜を約700Å、Cu膜を約6μm、Ni膜を約700Åの膜厚でこの順に成膜して、Ni/Cu/Cr(上からNi、CuおよびCrの順に積層された)多層配線層12を形成する。インラインスパッタ装置を用い、基板温度を200℃に設定し、高真空雰囲気、例えば10−7Torrで、スパッタガスとして水素(H)ガスを5vol%含むアルゴン(Ar)ガスを用いる。まず、Cr膜を、Crターゲットを用いて、1回の連続したスパッタで700Å形成する。次に、Cu膜を、Cuターゲットを用いて、3000Å形成できる1回の連続したスパッタを、20回繰り返して約6μm形成する。Ni膜も同様に、Niターゲットを用いて1回の連続したスパッタで700Å形成する。Cu膜は、20回の重ね塗りをしていることになるが、スパッタガスは、水素ガスが添加されたアルゴンガスであるので、Cu膜内部および表面が酸化されることなく、高純度なCu膜が形成される。
ここで、Cr膜はガラス基板とCu膜に対する密着力を強化する目的で設けている。また、Ni膜はCu膜表面の酸化を防止する目的、Cu膜とレジスト膜に対する密着力を強化する目的、及び、Cu膜とポリイミドとの反応によってコンタクトホール底部にポリイミドが残留するのを防止する目的で設けている。
【0012】
次に、図1の工程(2)に示すように、所定のフォトリソグラフィー工程(レジストコート、露光、現像、エッチング)を行い、Ni/Cu/Crの積層膜からなる多層配線層12をパターニングして、1層目の配線パターン12aを形成する。詳しくは、まず、レジストを3μmの厚みにコートし、90℃で30分間ベークし、所定のマスクを用いてレジストを露光、現像して、所望のレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、多層配線層12をエッチングし、その後レジスト剥離液を用いてレジストを剥離し、水洗して乾燥させて、1層目の配線パターン12aを形成する。
【0013】
次に、図1の工程(3)に示すように、1層目の配線パターン上に感光性ポリイミド前駆体を、スピンナー等を用いて10μmの厚みで塗布して、ポリイミド絶縁層13を形成する。このポリイミド絶縁層13に、コンタクトホール14を形成する。詳しくは、塗布した感光性ポリイミド前駆体を80℃で30分間ベークし、所定のマスクを用いて露光、現像して、コンタクトホール14を形成する。窒素雰囲気中にて350℃で4時間キュアを行い、感光性ポリイミド前駆体を完全にポリイミド化した後、酸素プラズマ処理によって、ポリイミド表面を粗面化して次工程にて形成する2層目の配線層との密着力を高めるとともに、コンタクトホール14内のポリイミド、現像液等の残さ等の有機物を酸化し除去する。
【0014】
次に、図1の工程(4)に示すように、上記工程(1)と同様に、インラインスパッタにより、10−7Torrで、スパッタガスとしてHガスを5%含むArガスを用いて、2層目のNi(700Å)/Cu(6μm)/Cr(700Å)の積層膜からなる多層配線層15を形成する。次に、図1の工程(5)に示すように、上記工程(2)と同様にしてNi(700Å)/Cu(6μm)/Cr(700Å)多層配線層15をパターニングして、2層目の配線パターン15aを形成する。
【0015】
次に、図2の工程(1)に示すように、上記工程の図1(3)から図(5)を同様に繰り返して、2層目のポリイミド絶縁層16及びコンタクトホール17の形成、3層目の配線パターン18a形成を順次行い、3層構造のガラス多層配線基板を得た。ただし、3層目の配線パターン18aは、異方性導電膜との電気的コンタクト性を良くする等の目的で、Au/Ni/Cu/Crの積層構造の多層配線とした。Ni膜上にAu膜を電解めっき法で0.5μmの厚みで形成し、Au膜のエッチングをヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液を使用して行ったこと以外は、1層目の配線パターンと同様にして3層目の配線パターンを形成した。なお、Ni膜は、Au膜とCuの密着力を強化する役割を果たす。Ni膜上にAu膜を無電解めっき法で形成することもできるが、Au膜の膜厚を厚くできない。
【0016】
次に、Au/Ni/Cu/Crの積層構造を有する3層目の配線パターン18aのうち所定の部分について、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr薄膜抵抗部を形成する。この工程を具体的に説明すると、図2(2)に示すように、3層目の配線パターン18a上にレジスト19をコートし、次いで図2(3)に示すように、所定のマスクを用いて露光、現像を行い、Cr薄膜抵抗部を形成すべき部分だけレジストを除去したレジストパターン19aを形成する。このとき、使用するレジストがポジタイプであれば、抵抗形成部だけを未露光とし抵抗形成部のレジストを除去し、また、使用するレジストがネガタイプであれば、抵抗形成部だけを露光し抵抗形成部のレジストを除去する。続いて、図2(4)に示すように、レジストパターン19aをマスクとして、塩化第2鉄水溶液等のエッチング液を使用して、Au/Ni/CuまでをエッチングしてCr膜を残してCr薄膜抵抗部18bを形成する。なお、このCr薄膜抵抗は、全てのI/O共通配線から分岐した全ての各I/O分岐配線上に設けている。各Cr薄膜抵抗の抵抗値は、高抵抗、例えば、50〜200Ωとした。また、Cr薄膜抵抗は、200μmの配線長、100μmの配線幅、300〜400オングストロームの厚みである。
【0017】
次に、図2(5)に示すように、レジストを除去後、基板上に絶縁膜としてのポリイミドを塗布し、これをパターニングして保護用絶縁膜21を形成して、多層配線基板を得た。
なお、上記実施形態では、スパッタガスとして、水素ガスが5vol%添加されたアルゴンガスを用いた場合について説明したが、水素ガスの含有量は、1vol%以上30vol%以下が望ましく、さらには、5vol%以上10vol%以下が望ましい。
また、上記実施形態では、3層の配線層が絶縁層であるポリイミド層を介して積層された、3層構造の多層配線基板について説明したが、図2(1)の工程において、図1(3)から図1(5)までに示す工程、すなわち、配線層と絶縁層の形成を繰り返すことにより、4層以上の多層配線構造とすることが可能である。
【0018】
上記実施形態に示す製造方法により、5層構造の多層配線基板を100枚作製し、配線抵抗を測定した。比較例として、スパッタガスに水素ガスを添加しないで、Arガスのみで配線層の形成を行った5層構造の多層配線基板を100枚作製した。
本発明の実施例における多層配線基板の配線層における水素を、固体中水素分析装置にて測定したところ、水素が含まれていることを確認した。水素含有量は、0.2at%であった。
一方、比較例の多層配線基板においては、配線層における水素含有量は、0at%であった。
また、実施例における多層配線基板の配線層の接続不良は100枚中0枚であったが、比較例における多層配線基板の配線層の接続不良は100枚中8枚であった。
このように、本発明の多層配線基板の製造方法によれば、配線層を成膜する際のスパッタガスを、希ガスと水素ガスとの混合ガスとすることにより、配線層の接続不良を防止することが可能である。また、本発明の多層配線基板によれば、配線層に酸化物がほとんど存在しないため、接続不良を防止することができる。
【0019】
次に、本発明のウエハ一括コンタクトボードの一実施形態について説明する。図4にそのウエハ一括コンタクトボードの概略構成図を示す。
本実施形態によるウエハ一括コンタクトボードは、図4に示すように、バンプ付きメンブレンリング40と、上記実施例のように作製される5層配線構造の多層配線基板60と、バンプ付きメンブレンリングと多層配線基板とを電気的に接続する異方性導電ゴムシート70とを有するものでる。
【0020】
バンプ付きメンブレンリング40は、リング43と、リングに張り渡された絶縁性薄膜42の一方の面に設けられた金属バンプ46と、このバンプと電気的に接続して他方の面に設けられた金属パッド41aとを備える。バンプ付きメンブレンリングにおいては、半導体ウエハ50上の各半導体チップの周縁又はセンターライン上に形成されたパッド51(約600〜1000ピン程度)に対応して、この数にチップ数を乗じた数の金属バンプが絶縁性薄膜上に形成されている。
【0021】
多層配線基板60は、メンブレン上に孤立する各金属バンプにパッドを介して、電源電圧および所定のバーンイン試験信号を付与するための配線層を5層積層構造として有する。
異方性導電ゴムシート70は、主面と垂直な方向にのみ導電性を有する弾性体、例えばシリコン樹脂からなり、金属粒子71がパッド電極部分に導通方向に沿って埋め込まれている。多層配線基板上の端子とバンプ付きメンブレンの金属パッド41aとを電気的に接続し、バンプ付きメンブレン上の金属パッド41aに押し当てることで、半導体ウエハ表面の凹凸及びバンプの高さのバラツキを吸収し、半導体ウエハ上のパッド51とバンプ付きメンブレンリング上の金属バンプ46とを確実に接続する。
【0022】
バンプ付きメンブレンリング40に設けられた金属バンプ46が、半導体ウエハ50上の金属パッド51と接触することにより、多層配線基板の配線層に接続された電源および信号源から印加される電源電圧およびバーンイン試験信号が、異方性導電ゴムシート70を介してバンプ付きメンブレンリングの金属パッド41aに送られ、金属パッド41aに導通する金属バンプ46からウエハ上の半導体デバイスに送られて、バーンイン試験が行われる。
上記のようにして作製されたウエハ一括コンタクトボードは、層間の密着強度が高く、配線層の接続不良を防止した多層配線基板を用いているので、信頼性が高い。
【符号の説明】
【0023】
11 ガラス基板
12、15、18 Ni/Cu/Cr多層配線層
12a、15a、18a 配線パターン
13、16 ポリイミド絶縁層
14、17 コンタクトホール
19 レジスト
21 保護用絶縁膜
40 バンプ付きメンブレンリング
41a 金属パッド
42 絶縁性薄膜
43 SiCリング
46 金属バンプ
60 多層配線基板
70 異方性導電ゴムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、複数の配線層が絶縁層を介して積層されてなる多層配線基板であって、
前記配線層は、水素が含まれていることを特徴とする多層配線基板。
【請求項2】
前記配線層における水素原子の含有量は、0.1at%以上10at%以下であることを特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
【請求項3】
前記配線層は、インラインスパッタ成膜により、Cr層、Cu層およびNi層をこの順に積層されてなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の多層配線基板。
【請求項4】
導電性材料からなる配線層をスパッタ成膜により形成する成膜工程を有する多層配線基板の製造方法であって、
前記成膜工程で使用するスパッタガスは、希ガスと水素ガスとを含む混合ガスであり、該水素ガスの含有量は、1vol%以上30vol%以下であることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記配線層は積層膜であって、該積層膜はインラインスパッタ成膜により形成することを特徴とする請求項4記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記請求項4または5記載の製造方法により製造された多層配線基板と、
被検査素子と直接接触するコンタクト部分を受け持つバンプ付きメンブレンリングとを有することを特徴とするウエハ一括コンタクトボード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−192637(P2010−192637A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34883(P2009−34883)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】