説明

安全運転支援装置、安全運転支援方法及びプログラム

【課題】交差点において、自車両周辺の他車両が、安全に走行できるように支援することが可能な安全運転支援装置、安全運転支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、交差点手前で停止した際に、自車両2が走行する車線の左側の車線を走行する接近車両と対向車線の右折車両とを検出した場合には、走行上の優先度が低い右折車両の進行方向前方の交差点内路面に、この右折車両に対して停止するように通知する停止メッセージを視認可能なレーザー光で表示する(S11〜S18:YES〜S20)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点において安全に走行するように支援することが可能な安全運転支援装置、安全運転支援方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、交差点において安全に走行するように支援することが可能な装置に関し種々提案されている。
例えば、車両の進行方向前方の交差点の一時停止の必要な箇所を検知し、この検知した一時停止の必要な箇所及び車両の走行状態に応じて光源の点灯消灯制御及びアクチュエータの駆動制御を行ってヘッドランプからの光軸及び照射範囲を変更し、車両が前記検知した一時停止の必要な箇所付近を走行中乃至停止中に、少なくとも車両の通常走行時のヘッドランプの照射範囲よりも車両の近傍且つ交差点内の路面上の所望位置に投光若しくは映像の投影を行うように構成した車両用灯火装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
これにより、歩行者、自転車等に自車両の接近を知らせ、つまり、交差点に向かって走行する車両に先だって路面上を照射若しくは映像を投影し、予め他の交通者に自車両が走行して行くことの注意を促すことができる。
【特許文献1】特開2004−306894号公報(段落(0012)〜(0124)、図1〜図32)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車両用灯火装置では、自車両の存在を他の交通者に対して通知することはできるが、交差点において自車両によって生成される死角に対応した、他車両の走行を支援することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、交差点において、自車両周辺の他車両が、安全に走行できるように支援することが可能な安全運転支援装置、安全運転支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る安全運転支援装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段(11)と、交差点の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段(12)と、前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定手段(13、21、65)と、自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速した場合に、対向車線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出手段(51、53)と、自車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出手段(51、53)と、自車両の前方路面に視認可能な図形又は文字を表示する路面表示手段(61、62)と、前記横断車両を検出し、且つ、前記接近車両を検出した場合には、該横断車両と該接近車両との走行上の優先度を判定する優先度判定手段(13)と、前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に前記路面表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る安全運転支援装置は、請求項1に記載の安全運転支援装置(1)において、前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車両の走行車線から道路端縁側に車線があるか否かを判定する車線判定手段(13)を備え、前記優先度判定手段(13)は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線があるか否かに基づいて前記横断車両と前記接近車両との走行上の優先度を判定することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る安全運転支援装置は、請求項2に記載の安全運転支援装置(1)において、前記優先度判定手段(13)は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線がある場合には、前記接近車両の優先度が前記横断車両の優先度よりも高いと判定し、前記表示制御手段(13)は、前記接近車両の優先度が前記横断車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記横断車両の進行方向前方の路面に前記停止通知を表示するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る安全運転支援装置は、請求項2又は請求項3に記載の安全運転支援装置(1)において、前記優先度判定手段(13)は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線が無い場合には、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定し、前記表示制御手段(13)は、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記接近車両の進行方向前方の路面に前記停止通知を表示するように制御することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係る安全運転支援装置は、請求項4に記載の安全運転支援装置(1)において、前記表示制御手段(13)は、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記横断車両の進行方向前方の路面に前記接近車両を注意するように指示する注意通知を表示するように制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る安全運転支援方法は、自車位置を検出する自車位置検出工程(S11)と、前記自車位置と地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定工程(S12)と、前記自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合に、対向車線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出工程(S13)と、前記横断車両を検出した場合に、自車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出工程(S14)と、前記接近車両を検出した場合には、前記横断車両と該接近車両との走行上の優先度を判定する優先度判定工程(S15〜S16)と、前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に路面表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御工程(S17〜S18、S19〜S21)と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係るプログラムは、コンピュータに、自車位置を検出する自車位置検出工程(S11)と、前記自車位置と地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定工程(S12)と、前記自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合に、対向車線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出工程(S13)と、前記横断車両を検出した場合に、自車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出工程(S14)と、前記接近車両を検出した場合には、前記横断車両と該接近車両との走行上の優先度を判定する優先度判定工程(S15〜S16)と、前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に路面表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御工程(S17〜S18、S19〜S21)と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に係る安全運転支援装置では、自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速した場合には、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行上の優先度に基づいて、この横断車両又は接近車両の進行方向前方の路面に停止通知を表示して、注意を促すことができる。これにより、交差点において、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行状態を考慮して、この横断車両と接近車両とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に係る安全運転支援装置では、自車両の走行車線から道路端縁側に車線があるか否かに基づいて、横断車両と後方からの接近車両との走行上の優先度を判定するため、この優先度をより正確に判定をすることが可能となる。
【0015】
また、請求項3に係る安全運転支援装置では、自車両の走行車線から道路端縁側に車線がある場合には、自車両の後方から接近する接近車両の優先度が、横断車両の優先度よりも高いと判定し、この横断車両の進行方向前方の路面に停止通知を表示する。このため、走行上の優先度が低い横断車両に対して確実に停止するように注意を促すことができ、対向車線からの横断車両に対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に係る安全運転支援装置では、自車両の走行車線から道路端縁側に車線が無い場合には、横断車両の優先度が、接近車両の優先度よりも高いと判定し、走行上の優先度が低い接近車両の進行方向前方の路面に停止通知を表示する。このため、当該接近車両に対して確実に停止するように注意を促すことができ、この接近車両に対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0017】
更に、請求項5に係る安全運転支援装置では、自車両が走行する車線の後方から接近する接近車両を検出した場合には、走行上の優先度が高い横断車両の進行方向前方の路面に注意通知を表示するため、横断車両に対して確実に注意を促すことができ、当該横断車両に対して更に安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0018】
また、請求項6に係る安全運転支援方法では、自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速した場合には、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行上の優先度に基づいて、この横断車両又は接近車両の進行方向前方の路面に停止通知を表示して、注意を促すことができる。これにより、交差点において、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行状態を考慮して、この横断車両と接近車両とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0019】
更に、請求項7に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、該コンピュータは、自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速した場合には、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行上の優先度に基づいて、この横断車両又は接近車両の進行方向前方の路面に停止通知を表示して、注意を促すことができる。これにより、交差点において、対向車線からの横断車両と自車両の後方から接近する接近車両との走行状態を考慮して、この横断車両と接近車両とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る安全運転支援装置、安全運転支援方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1が搭載される車両2の概略構成図である。
【0022】
図1に示すように、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13には、CCDカメラ等を駆動制御するカメラECU(ElectronicControl Unit)51が電気的に接続されている。また、車両2の先端部及び後端部には、CCDカメラ等により構成される各車外カメラ53が設置されている。
また、ナビゲーション制御部13には、レーザー装置等を駆動制御するレーザーECU(ElectronicControl Unit)61が電気的に接続されている。また、車両2のフロントグリルの左端部には、視認可能なレーザー光を前方路面上に照射して文字や図形を描画するレーザー装置62が設置されている。
【0023】
また、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、液晶ディスプレイ(LCD)15に地図や目的地までの探索経路を表示すると共に、スピーカ16によって経路案内に関する音声ガイダンスを出力する。また、ナビゲーション装置1は、所定の条件を満たした場合には、カメラECU51に制御信号を送信し、車両2の前方及び後方の車両や自動二輪車等を検出することができる。また、ナビゲーション装置1は、所定の条件を満たした場合には、レーザーECU61に制御信号を送信し、車両2の左前方の路面上等に視認可能なレーザー光で文字や図形等を描画することができる。
【0024】
また、カメラECU51は、ナビゲーション装置1から受信した制御信号に基づいて、各車外カメラ53の映像信号を画像処理して、車両2の前方及び後方の車両や自動二輪車等の検出信号を出力する電子制御ユニットで、各車外カメラ53が接続されている。
また、レーザーECU61は、ナビゲーション装置1から受信した制御信号に基づいて、レーザー装置62を駆動制御して、視認可能なレーザー光を前方路面上に照射方向又は照射範囲又は照射光量又は色彩等を変更して照射する電子制御ユニットで、レーザー装置62が接続されている。
【0025】
次に、本実施例に係る車両2の制御系に係る構成について特にナビゲーション装置1を中心にして図2に基づき説明する。図2は車両2に搭載されるナビゲーション装置1を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
図2に示すように、車両2の制御系は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に対して電気的に接続されたカメラECU51とレーザーECU61を基本にして構成され、各制御装置に対して所定の周辺機器が接続されている。
【0026】
このナビゲーション装置1は、自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する現在地検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(LCD)15と、経路案内に関する音声ガイダンスや警告音を出力するスピーカ16と、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))等の情報センタとの間で携帯電話回線網等を介して相互に通信を行う通信装置17等から構成されている。また、ナビゲーション制御部13には、自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0027】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明する。
図2に示すように、現在地検出部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0028】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出する。また、方位センサ32は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等により構成され、自車方位を検出する。また、距離センサ33は、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等から構成され、自車の移動距離を検出する。
【0029】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部12の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクや、メモリーカード、CD、DVD、光ディスク、ICカード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0030】
また、地図情報DB25には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ(例えば、道路の車線数、道路属性(国道、県道、市道等である。)等である。)、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ、交差点における信号機等の各種地物に関する地物情報等から構成されている。また、地図情報DB25の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0031】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の停止メッセージ等を前方の路面に表示する表示処理プログラム(図3参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0032】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部12に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0033】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0034】
操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種のキー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14としては、キーボード、マウス等や、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ15には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0035】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行案内等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等である。
そして、通信装置17は、情報配信センタや道路交通情報センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は情報配信センタ等に加えて、他の車両に搭載されたナビゲーション装置1とも双方向通信可能に構成されている。
【0036】
また、カメラECU51は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部51Aを備えると共に、この受信した制御情報に基づき各車外カメラ53を制御すると共に画像認識を行う画像認識部51Bを備えている。
また、レーザーECU61は、ナビゲーション制御部13から送信された制御情報を受信するデータ受信部61Aを備えている。また、レーザーECU61は、ナビゲーション制御部13から送信されるレーザー照射角度情報に基づいて所定照射形状を描画するためにレーザー光の照射角度を制御するレーザー照射角度制御部61Bと、ナビゲーション制御部13から送信される描画する図形や文字等の色彩データ等に基づいてレーザー光の出力を制御するレーザー出力制御部61Cを備えている。
【0037】
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、停止メッセージ等を前方の路面に表示する表示処理について図3乃至図5に基づいて説明する。
図3は本実施例に係るナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、停止メッセージ等を前方の路面に表示する表示処理を示すフローチャートである。図4は交差点で右折車両の進行方向前方の路面に停止メッセージを描画する一例を説明する図である。図5は交差点で後方から接近する二輪車の進行方向前方の路面に停止メッセージ等を描画する一例を説明する図である。
尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41によって実行される。また、図3に示すフローチャートで示される処理は、車が左側車線を通行する場合に実行されるものである。
【0038】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出部11により自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)及び自車の向きを表す自車方位を検出して、自車位置を表す座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)と自車方位をRAM42に記憶する。また、CPU41は、地図情報DB25に格納される地図情報から自車両が走行している道路の進行方向前方に、該自車両2から所定距離以内(例えば、約100m〜200m以内である。)の位置に存在する交差点に関する地図情報を取得してRAM42に記憶する。具体的には、CPU41は、当該交差点に関する交差点データ(例えば、交差点の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。))、及びリンクデータ(自車両2が走行している道路の車線数、交差する道路の車線数、道路属性(国道、県道、市道等である。)等である。)を読み出し、RAM42に記憶する。
【0039】
そして、S12において、CPU41は、上記交差点の座標データと自車位置の座標データとから、交差点の所定距離手前(例えば、約50m手前である。)からの車速を車速センサ21によって計測し、この交差点の所定距離手前(例えば、約1m〜3m手前である。)の車速が所定速度以下(例えば、約5km/時間以下である。)になったか否か、即ち、この交差点の手前で安全確認や前方車線が混んでいるために停止又は所定速度以下になったか否かを判定する判定処理を実行する。
【0040】
そして、この交差点の手前で停止又は所定速度以下になっていない場合には(S12:NO)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、レーザー装置62による路面上への停止メッセージ等の描画を行っているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、レーザー装置62による路面上への停止メッセージ等の描画を行っていない場合には(S13:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、レーザー装置62による路面上への停止メッセージ等の描画を行っている場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、レーザーECU61に対してレーザー出力を停止させる制御信号を出力して、レーザー装置62による路面上への停止メッセージ等の描画を終了後、当該処理を終了する。
【0041】
一方、この交差点で安全確認や前方車線が混んでいるために停止又は所定速度以下になった場合には(S12:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、自車位置とリンクデータとから自車両2が位置する車線を特定して、RAM42に記憶する。
【0042】
続いて、S16において、CPU41は、カメラECU51を介して自車両2の先端部に配置される車外カメラ53の映像信号を画像処理して、対向車線からの右折車両がいるか否か、即ち、自車両2が走行する車線を横断する右折車両がいるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、対向車線からの右折車両がいない場合には(S16:NO)、CPU41は、上記S13の処理に移行する。
【0043】
一方、対向車線からの右折車両がいる場合には(S16:YES)、CPU41は、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、カメラECU51を介して自車両2の後端部に配置される車外カメラ53の映像信号を画像処理して、左後方からの接近車両(例えば、自動車、自動二輪車、原動機付き自転車等である。)がいるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、左後方からの接近車両がいない場合には(S17:NO)、CPU41は、上記S13の処理に移行する。
【0044】
一方、左後方からの接近車両がいる場合には(S17:YES)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、自車位置とリンクデータとから自車両2が位置する車線の左側に、即ち、自車両2の走行車線から道路端縁側に、更に車線があるか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車両2が位置する車線の左側に、更に車線がある場合には(S18:YES)、CPU41は、左後方からの接近車両の走行上の優先度が当該右折車両の走行上の優先度よりも高いと判断して、S19の処理に移行する。
【0045】
S19において、CPU41は、自車両2の先端部に配置される車外カメラ53の映像信号を画像処理して、自車両2と対向車線からの右折車両との相対位置関係(例えば、相対距離、相対角度等である。)を算出する。そして、CPU41は、自車位置と当該交差点に関する交差点データに基づいて、この右折車両が通過する交差点内の自車位置前方の座標位置データを算出して、右折車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージ(図4参照)を描画する描画目標位置の座標データとしてRAM42に記憶する。
【0046】
続いて、S20において、CPU41は、描画目標位置の座標データと自車位置と自車方位とをRAM42から再度読み出して、レーザー光を照射して右折車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージを描画するレーザー照射角度を算出して、レーザー照射角度情報としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、RAM42から再度、レーザー照射角度情報を読み出すと共に、交差点内前方の路面上に描画する所定の停止メッセージ等の形状データや色彩データ(例えば、赤色である。)等をROM43から読み出し、レーザーECU61に対して送信後、当該処理を終了する。
【0047】
これにより、レーザーECU61は、レーザー照射角度情報に基づいてレーザー照射角度制御部61Bによりレーザー装置62のレーザー光の照射角度を制御すると共に、交差点内の前方路面上に描画する所定の停止メッセージ等の形状データや色彩データ等に基づいてレーザー出力制御部61Cにより視認可能な所定の色のレーザー光を右折車両が通過する交差点内の前方路面上に照射して、右折車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージ等を描画する。
【0048】
例えば、図4に示すように、前方車線が混んでいるため、自車両2が交差点71の手前で停止している際に、先端部に配置される車外カメラ53を介して右折車両72を検出すると共に、左後方からの接近車両75を検出した時に、自車両2が位置する車線73の左側に、更に車線74がある場合には(S11〜S18:YES)、CPU41は、左後方からの接近車両75の走行上の優先度が当該右折車両72の走行上の優先度よりも高いと判断する。そして、CPU41は、走行上の優先度が低い右折車両72が通過する交差点内の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「止まれ」と大きく停止メッセージ76を描画すると共に、その下側に停止線77を描画する(S19〜S20)。
【0049】
これにより、CPU41は、走行上の優先度が低い右折車両72に対して、停止するように通知することが可能となり、自車両2の左後方から交差点71内に接近している接近車両75と右折車両72とに対して安全に走行するように支援することが可能となる。
尚、自車両2が交差点71内に走行を開始した場合には、この「止まれ」等のレーザー光による描画は停止される(S12:NO〜S14)。また、接近車両75が自車両2の横を通過して交差点内に入った場合にも、この「止まれ」等のレーザー光による描画は停止される(S17:NO〜S14)。
【0050】
また一方、上記S18で自車両2が位置する車線の左側に、即ち、自車両2の走行車線から道路端縁側に、更に車線が無い場合には(S18:NO)、CPU41は、当該右折車両の走行上の優先度が左後方からの接近車両(例えば、自動二輪車等である。)の走行上の優先度よりも高いと判断して、S21の処理に移行する。
【0051】
S21において、CPU41は、自車両2の先端部に配置される車外カメラ53の映像信号を画像処理して、自車両2と自車両2の走行する車線の交差点入口左端部との相対位置関係(例えば、相対距離、相対角度等である。)とを算出する。そして、CPU41は、自車位置と当該交差点に関する交差点データに基づいて、左後方からの接近車両が走行する交差点入口左端側の自車位置前方の座標位置データを算出して、左後方からの接近車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージ(図5参照)を描画する停止描画目標位置の座標データとしてRAM42に記憶する。また同時に、CPU41は、自車両2の先端部に配置される車外カメラ53の映像信号を画像処理して、対向車線からの右折車両との相対位置関係(例えば、相対距離、相対角度等である。)を算出する。そして、CPU41は、自車位置と当該交差点に関する交差点データに基づいて、この右折車両が通過する交差点内の自車位置前方の座標位置データを算出して、右折車両に対して自車両2の左後方からの接近車両の存在を注意するように通知する所定の注意メッセージ(図5参照)を描画する注意描画目標位置の座標データとしてRAM42に記憶する。
【0052】
続いて、S22において、CPU41は、停止描画目標位置の座標データと自車位置と自車方位とをRAM42から再度読み出して、レーザー光を照射して左後方からの接近車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージを描画するレーザー照射角度を算出して、レーザー照射角度情報としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、RAM42から再度、レーザー照射角度情報を読み出すと共に、交差点入口左端側の前方の路面上に描画する所定の停止メッセージ等の形状データや色彩データ(例えば、赤色である。)等をROM43から読み出し、レーザーECU61に対して送信する。
【0053】
これにより、レーザーECU61は、レーザー照射角度情報に基づいてレーザー照射角度制御部61Bによりレーザー装置62のレーザー光の照射角度を制御すると共に、交差点入口左端側の前方路面上に描画する所定の停止メッセージ等の形状データや色彩データ等に基づいてレーザー出力制御部61Cにより視認可能な所定の色のレーザー光を、左後方から接近する接近車両が通過する交差点入口左端側の前方路面上に照射して、左後方からの接近車両に対して停止するように通知する所定の停止メッセージ等を描画する。
【0054】
そして、S23において、CPU41は、注意描画目標位置の座標データと自車位置と自車方位とをRAM42から再度読み出して、レーザー光を照射して右折車両に対して自車両2の左後方からの接近車両の存在を注意するように通知する所定の注意メッセージを描画するレーザー照射角度を算出して、レーザー照射角度情報としてRAM42に記憶する。そして、CPU41は、RAM42から再度、レーザー照射角度情報を読み出すと共に、交差点内前方の路面上に描画する所定の注意メッセージ等の形状データや色彩データ(例えば、赤色である。)等をROM43から読み出し、レーザーECU61に対して送信後、当該処理を終了する。
【0055】
これにより、レーザーECU61は、レーザー照射角度情報に基づいてレーザー照射角度制御部61Bによりレーザー装置62のレーザー光の照射角度を制御すると共に、交差点内の前方路面上に描画する所定の注意メッセージ等の形状データや色彩データ等に基づいてレーザー出力制御部61Cにより視認可能な所定の色のレーザー光を右折車両が通過する交差点内の前方路面上に照射して、右折車両に対して自車両2の左後方からの接近車両の存在を注意するように通知する所定の注意メッセージ等を描画する。
【0056】
例えば、図5に示すように、前方車線が混んでいるため、自車両2が交差点81の手前で停止している際に、先端部に配置される車外カメラ53を介して右折車両82を検出すると共に、自車両2が位置する車線83の左側に、更に車線が無い場合には(S11〜S18:NO)、CPU41は、当該右折車両82の走行上の優先度が左後方から接近する自動二輪車84の走行上の優先度よりも高いと判断する。そして、CPU41は、左後方から接近する自動二輪車84が通過する交差点入口左端側の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「止まれ」と大きく停止メッセージ86を描画すると共に、その下側に停止線87を描画する(S22)。また同時に、CPU41は、右折車両82が通過する交差点内の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「二輪注意」と大きく注意メッセージ88を描画する(S23)。
【0057】
これにより、CPU41は、左後方から接近する自動二輪車84に対して、停止するように通知することが可能となると共に、右折車両82に対して、自車両2の左後方から接近する自動二輪車84を注意するように通知することが可能となり、自車両2の左後方から交差点81内に接近している自動二輪車84と右折車両82とに対して安全に走行するように支援することが可能となる。
尚、自車両2が交差点81内に走行を開始した場合には、この「止まれ」及び「二輪注意」等のレーザー光による描画は停止される(S12:NO〜S14)。また、自動二輪車84が交差点内に入った場合にも、この「止まれ」及び「二輪注意」等のレーザー光による描画は停止される(S17:NO〜S14)。
【0058】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、交差点手前で停止した際に、自車両2が走行する車線の左側の車線を走行する接近車両と対向車線の右折車両とを検出した場合には、右折車両の進行方向前方の交差点内路面に、この右折車両に対して停止するように通知する停止メッセージを視認可能なレーザー光で表示する(S18:YES〜S20)。これにより、CPU41は、走行上の優先度が低い右折車両に対して停止するように確実に注意を促すことができ、左側の車線を走行する後方からの接近車両と右折車両とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0059】
また、CPU41は、交差点手前で停止した際に、自車両2が走行する車線の後方から接近する自動二輪車等の接近車両と対向車線の右折車両とを検出し、且つ、自車両2が走行する車線の左側に車線が無い場合には、この接近車両の進行方向前方の交差点入口左端の路面に、この接近車両に対して停止するように通知する停止メッセージを視認可能なレーザー光で表示する。更に、CPU41は、右折車両の進行方向前方の交差点内の路面に、右折車両に対して注意するように通知する所定の注意メッセージを視認可能なレーザー光で表示する(S18:NO〜S23)。これにより、CPU41は、左後方から接近する自動二輪車等の走行上の優先度が低い接近車両に対して、停止するように確実に通知することが可能となると共に、走行上の優先度が高い右折車両に対して、注意するように確実に通知することが可能となり、自車両2の左後方から交差点内に接近している自動二輪車等の接近車両と右折車両とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0060】
更に、CPU41は、上記S18で自車両2の走行車線から左側、即ち、道路端縁側に車線があるか否かに基づいて、対向車線の右折車両と左後方からの接近車両との走行上の優先度を判定するため、この優先度をより正確に判定をすることが可能となる。
【0061】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0062】
(A)上記ステップ20の処理おいて、CPU41は、レーザー照射角度情報、及び所定の停止メッセージ等の形状データや色彩データをレーザーECU61に対して送信すると共に、通信装置17を介して対向車線の右折車両に搭載されているナビゲーション装置1に対して停止するように通知する所定の停止メッセージを送信するようにしてもよい。また、上記ステップ23において、CPU41は、レーザー照射角度情報、及び所定の注意メッセージ等の形状データや色彩データをレーザーECU61に対して送信すると共に、通信装置17を介して対向車線の右折車両に搭載されているナビゲーション装置1に対して注意するように通知する所定の注意メッセージを送信するようにしてもよい。
【0063】
これにより、対向車線の右折車両に搭載されているナビゲーション装置1は、受信した停止メッセージや注意メッセージを運転者に対して報知することが可能となり、自車両2の左側後方から接近する接近車両と右折車両とに対して更に安全に走行できるように支援することが可能となる。
【0064】
(B)また、脇道の手前で停止した際に、この脇道から自車両2の走行車線を横断する車両を検出した場合に、進行方向前方の路面上に所定の停止メッセージ等を描画するようにしてもよい。ここで、脇道の手前で停止した際に、この脇道から自車両2の走行車線を横断する車両を検出した場合に、進行方向前方の路面上に所定の停止メッセージ等を描画する一例について図6及び図7に基づいて説明する。
図6は脇道から右折する車両の進行方向前方に停止メッセージを描画する一例を説明する図である。図7は脇道で停止した場合に、後方から接近する自動二輪車の進行方向前方に停止メッセージ等を描画する一例を説明する図である。
【0065】
例えば、図6に示すように、自車両2が脇道91の手前で停止している際に、先端部に配置される車外カメラ53を介して脇道91から右折する右折車両92を検出すると共に、自車両2が位置する車線93の右側に、更に車線94がある場合には、CPU41は、後端部に配置される車外カメラ53を介して検出した右後方からの接近車両95の走行上の優先度が、当該右折車両92の走行上の優先度よりも高いと判断する。そして、CPU41は、走行上の優先度が低い右折車両92が通過する自車両2の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「止まれ」と大きく停止メッセージ96を描画すると共に、その下側に停止線97を描画するようにしてもよい。
【0066】
これにより、CPU41は、右折車両92に対して、停止するように確実に通知することが可能となり、自車両2の右後方から接近している接近車両95と右折車両92とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
尚、自車両2が走行を開始した場合には、この「止まれ」等のレーザー光による描画は停止される。また、接近車両95が自車両2の横を通り過ぎた場合にも、この「止まれ」等のレーザー光による描画は停止される。
【0067】
また、図7に示すように、自車両2が脇道101の手前で停止している際に、先端部に配置される車外カメラ53を介して脇道101から左折する左折車両102を検出すると共に、自車両2が位置する車線103の左側に、更に車線が無い場合には、CPU41は、当該左折車両102の走行上の優先度が、後端部に配置される車外カメラ53を介して検出した左後方から接近する自動二輪車104の走行上の優先度よりも高いと判断する。そして、CPU41は、走行上の優先度が低い左後方から接近する自動二輪車104が通過する脇道101の入口手前の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「止まれ」と大きく停止メッセージ106を描画すると共に、その下側に停止線107を描画する。また同時に、CPU41は、走行上の優先度が高い左折車両102が通過する自車両2の前方路面上に、レーザー装置62によって視認可能な所定の色(例えば、赤色である。)のレーザー光で「二輪注意」と大きく注意メッセージ108を描画するようにしてもよい。
【0068】
これにより、CPU41は、走行上の優先度が低い左後方から接近する自動二輪車104に対して、停止するように確実に通知することが可能となると共に、走行上の優先度が高い左折車両102に対して、注意するように確実に通知することが可能となり、自車両2の左後方から脇道101の手前に接近している自動二輪車104とに対して安全に走行できるように支援することが可能となる。
尚、自車両2が走行を開始した場合には、この「止まれ」及び「二輪注意」等のレーザー光による描画は停止される。また、自動二輪車104が自車両2の横を通り過ぎた場合にも、この「止まれ」及び「二輪注意」等のレーザー光による描画は停止される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置が搭載される車両の概略構成図である。
【図2】車両に搭載されるナビゲーション装置を中心とした制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】本実施例に係るナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、停止メッセージ等を前方の路面に表示する表示処理を示すフローチャートである。
【図4】交差点で右折車両の進行方向前方の路面に停止メッセージを描画する一例を説明する図である。
【図5】交差点で後方から接近する二輪車の進行方向前方の路面に停止メッセージ等を描画する一例を説明する図である。
【図6】脇道から右折する車両の進行方向前方に停止メッセージを描画する一例を説明する図である。
【図7】脇道で停止した場合に、後方から接近する自動二輪車の進行方向前方に停止メッセージ等を描画する一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ナビゲーション装置
2 車両(自車両)
11 現在地検出部
13 ナビゲーション制御部
21 車速センサ
25 地図情報DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 カメラECU
53 車外カメラ
61 レーザーECU
62 レーザー装置
71、81 交差点
72、82 右折車両
73、74、83 車線
75 接近車両
76、86 停止メッセージ
77、87 停止線
84 自動二輪車
88 注意メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
交差点の位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定手段と、
自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速した場合に、対向車線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出手段と、
自車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出手段と、
自車両の前方路面に視認可能な図形又は文字を表示する路面表示手段と、
前記横断車両を検出し、且つ、前記接近車両を検出した場合には、該横断車両と該接近車両との走行上の優先度を判定する優先度判定手段と、
前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に前記路面表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする安全運転支援装置。
【請求項2】
前記自車位置と前記地図情報とに基づいて自車両の走行車線から道路端縁側に車線があるか否かを判定する車線判定手段を備え、
前記優先度判定手段は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線があるか否かに基づいて前記横断車両と前記接近車両との走行上の優先度を判定することを特徴とする請求項1に記載の安全運転支援装置。
【請求項3】
前記優先度判定手段は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線がある場合には、前記接近車両の優先度が前記横断車両の優先度よりも高いと判定し、
前記表示制御手段は、前記接近車両の優先度が前記横断車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記横断車両の進行方向前方の路面に前記停止通知を表示するように制御することを特徴とする請求項2に記載の安全運転支援装置。
【請求項4】
前記優先度判定手段は、自車両の走行車線から道路端縁側に車線が無い場合には、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定し、
前記表示制御手段は、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記接近車両の進行方向前方の路面に前記停止通知を表示するように制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の安全運転支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記横断車両の優先度が前記接近車両の優先度よりも高いと判定された場合には、前記路面表示手段が前記横断車両の進行方向前方の路面に前記接近車両を注意するように指示する注意通知を表示するように制御することを特徴とする請求項4に記載の安全運転支援装置。
【請求項6】
自車位置を検出する自車位置検出工程と、
前記自車位置と地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したか否かを判定する停止判定工程と、
前記自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合に、対向車線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出工程と、
前記横断車両を検出した場合に、自車両の後方から接近する接近車両を検出する接近車両検出工程と、
前記接近車両を検出した場合には、前記横断車両と該接近車両との走行上の優先度を判定する優先度判定工程と、
前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に路面表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御工程と、
を備えたことを特徴とする安全運転支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、
自車位置を検出する自車位置検出工程と、
前記自車位置と地図情報とに基づいて自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減
速したか否かを判定する停止判定工程と、
前記自車両が交差点で停止又は所定速度以下に減速したと判定した場合に、対向車
線から自車両の走行車線を横断する横断車両を検出する横断車両検出工程と、
前記横断車両を検出した場合に、自車両の後方から接近する接近車両を検出する接
近車両検出工程と、
前記接近車両を検出した場合には、前記横断車両と該接近車両との走行上の優先度
を判定する優先度判定工程と、
前記優先度に基づいて前記横断車両又は前記接近車両の進行方向前方の路面に路面
表示手段を介して停止を指示する停止通知を表示するように制御する表示制御工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−287669(P2008−287669A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134634(P2007−134634)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】