説明

常時噛合式変速機の制御装置

【課題】アクチュエータによりシフト操作が行われるときに、シフト操作に要する時間のばらつきを抑えることができる常時噛合式変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】ECUは、シフトシリンダの油圧から算出された力積の値を記憶部から呼び出し(ステップS100)、その力積の値からシフト操作に必要な力積を想定して、シフト操作に要する時間が所定の時間となるようにシフトシリンダの出力が補正される油圧回路の制御態様を決定する(ステップS120)。そして、このように決定された油圧回路の制御態様に基づいて変速機のシフト操作を実行する(ステップS140)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータによりシフト操作を行う常時噛合式変速機の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示されるように、アクチュエータによりシフト操作を行うようにした常時噛合式変速機が知られている。このような常時噛合式変速機には、減速比の異なる複数のギア対毎に噛合クラッチが設けられている。そして、駆動源を所定の態様で制御してアクチュエータを駆動し、その噛合クラッチを選択的に作動させて、各ギア対を動力伝達状態又は動力非伝達状態とすることで所望の変速比が得られるようにしている。また、この噛合クラッチには、係合状態になる時に互いに回転数の異なる部位がスムーズに同期して回転できるように摩擦を利用した同期機構が設けられている。こうした常時噛合式変速機のシフト操作時には、まず、アクチュエータを駆動して変速比を決定していたギア対の噛合クラッチの係合を解き、引き続きアクチュエータを駆動して新たに設定される変速比を決定するギア対の噛合クラッチを作動させて、前記同期機構により噛合クラッチを係合状態にする。このように、駆動源から所定の態様で制御されるアクチュエータの駆動力によって常時噛合式変速機のシフト操作が行われるようになっている。
【特許文献1】特開2003−278897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような常時噛合式変速機にあっては、駆動源から所定の態様で制御されるアクチュエータの駆動力によってシフト操作を行うようにしているので、アクチュエータの動作環境や製造誤差等によりその駆動特性にばらつきが生じると、シフト操作に要する時間にばらつきが生じることとなる。また、アクチュエータにより作動される噛合クラッチには摩擦を利用した同期機構が設けられているため、摩擦面の摩耗等に起因して経年的に噛合クラッチの作動効率が低下すると、シフト操作に要する時間が長くなってしまう。シフト操作中はエンジンの出力軸と変速機の入力軸との間に設けられたクラッチによってその動力伝達が断たれているため、このようにシフト操作に要する時間がばらつくと、前記クラッチにより動力伝達を断っておく時間、すなわち変速時間が長くなってしまうことがある。変速時間が長くなると、エンジンの出力が伝達されない車両の空走時間が長くなり、運転者に違和感を与える虞がある。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、アクチュエータによりシフト操作が行われるときに、シフト操作に要する時間のばらつきを抑えることができる常時噛合式変速機の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、減速比の異なる複数のギア対に対して設けられる噛合クラッチと、同噛合クラッチを作動させるアクチュエータと、同アクチュエータを駆動する駆動源とを備え、前記駆動源を所定の態様で制御して前記アクチュエータを駆動し、前記噛合クラッチを選択的に作動させることによりシフト操作を行う常時噛合式変速機の制御装置において、前記アクチュエータに与えられる駆動力を検出する駆動力検出手段と、前記検出される駆動力からシフト操作に必要な力積を算出し、その算出結果に基づいて前記アクチュエータの出力が補正されるように前記駆動源を制御する制御手段とを備えることをその要旨としている。
【0006】
同構成によれば、常時噛合式変速機の制御装置は、アクチュエータに与えられる駆動力からシフト操作に必要な力積を算出し、その算出結果に基づいてアクチュエータの出力が補正されるように駆動源を制御してシフト操作を行う。常時噛合式変速機のシフト操作は、アクチュエータの出力の時間積分値である力積がシフト操作に必要な力積を与えることで行われる。この構成のようにアクチュエータに与えられる実際の駆動力によって力積を算出すると、駆動源により制御されるアクチュエータの駆動特性のばらつきを含めて、シフト操作に必要な力積を算出することができる。また、アクチュエータに与えられる実際の駆動力によって力積を算出するため、噛合クラッチの作動効率等の影響を含めてシフト操作に必要な力積を精度よく算出することができる。そして、精度よく算出された力積に基づいてアクチュエータの出力を補正してシフト操作を行うため、シフト操作時間のばらつきを極力抑えることができるようになる。これにより、変速時間が長くなってしまうことを抑えることができ、変速中の車両の空走時間を短縮して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
【0007】
また、アクチュエータに与えられる実際の駆動力を検出しているため、アクチュエータを駆動する駆動源をフィードバック制御することにより、アクチュエータの出力を適宜調整しながらシフト操作を行うようにすることができ、シフト操作時間のばらつきをより一層抑えるように構成することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、前記アクチュエータは油圧シリンダで、前記駆動源は前記油圧シリンダに供給する作動油の油圧を調圧する油圧回路であり、前記駆動力検出手段は、前記油圧シリンダの油圧を検出し、前記制御手段は、前記油圧シリンダの出力が補正されるように前記油圧回路を制御することをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、油圧回路を制御して油圧シリンダを駆動し、噛合クラッチを選択的に作動させることによりシフト操作を行う常時噛合式変速機の制御装置において、駆動力検出手段により検出される油圧シリンダの油圧からシフト操作に必要な力積を算出し、その算出結果に基づいて油圧シリンダの出力が補正されるように制御することができる。このため、油圧を利用したアクチュエータにより常時噛合式変速機のシフト操作を行う場合においても、油圧シリンダの実際の油圧からシフト操作に必要な力積を精度よく算出することができ、精度よく算出された力積に基づいて油圧シリンダの出力を補正することにより、シフト操作時間のばらつきを抑えるように構成することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、前記制御手段は、前記油圧シリンダに供給される作動油の温度に応じて前記油圧回路の制御態様を修正することをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、油圧シリンダに供給される作動油の温度に応じて油圧回路の制御態様を修正するため、温度による作動油の粘性変化により油圧の応答性が変化することを考慮してシフト操作時間のばらつきを抑えるように油圧回路を制御することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記検出される走行速度に応じて前記算出された力積の値を修正することをその要旨としている。
【0013】
常時噛合式変速機のシフト操作時において、新たに設定される変速比を決定するギア対に設けられた噛合クラッチを係合状態にする際に、車両の駆動輪側と変速機の入力軸側との回転数を同期させる必要がある。この場合、変速機の入力軸側の慣性モーメントは、車両の駆動輪側の慣性モーメントに比べて無視できる値であるため、回転数を同期させるにあたっては、車両の駆動輪側の回転数、すなわち車両の走行速度によって必要な力積が変化する。
【0014】
この点、請求項4に記載の構成によれば、車両の走行速度に応じて算出された力積の値を修正するため、シフト操作に必要な力積を車両の運転状態に応じてより適正に設定することができる。これにより、シフト操作時間のばらつきをより一層抑えることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、前記制御手段は、シフト操作に要した力積が前記算出された力積より所定量以上大きくなったときに、前記常時噛合式変速機が異常である旨判定することをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、シフト操作に要した力積が算出された力積より所定量以上大きくなったときに常時噛合式変速機が異常である旨判定するため、上記のように精度よく算出されたシフト操作に必要な力積とシフト操作に実際に要した力積とを比較することで、常時噛合式変速機の異常を精度よく判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜8を参照して、本発明にかかる常時噛合式変速機の制御装置の一実施形態について説明する。
図1は常時噛合式変速機である変速機11を搭載した車両1の概略構成図である。車両1は、車両走行用の駆動源であるエンジン12と、エンジン12のクランクシャフト21と変速機11の入力軸22とを連結状態又は非連結状態とするクラッチ13と、変速機11の出力軸23が連結されて車両1の駆動輪24を駆動する出力シャフト14とを備えている。エンジン12のクランクシャフト21の出力は、クラッチ13を介して変速機11の入力軸22に伝達され、変速機11で設定された変速比によって減速される。変速機11で減速された出力は、変速機11の出力軸23から出力シャフト14に伝達され、出力シャフト14は駆動輪24を回転駆動する。
【0018】
車両1は、変速機11の変速制御を司るECU15と、変速機11とクラッチ13とを作動させる油圧回路16とを更に備える。油圧回路16は、ECU15により制御され、変速機11の変速比を変更するためのセレクトシリンダ25及びシフトシリンダ26を駆動する。変速機11は、減速比の異なる複数のギア対を有している。変速比を変更するときは、セレクトシリンダ25により変速比を変更する対象となるギア対を選択するとともに、シフトシリンダ26を駆動させて選択されたギア対が動力伝達状態又は動力切断状態となるようにする。
【0019】
また、油圧回路16は、ECU15により制御され、クラッチ13を連結状態又は非連結状態に作動させるクラッチレリーズシリンダ27を駆動する。変速機11の変速比を変更するときには、クラッチ13が非連結状態となるようにクラッチレリーズシリンダ27を駆動する。すなわち、ECU15は、油圧回路16を制御して各シリンダを駆動することにより変速機11とクラッチ13とを作動させ、所望のギア段を形成する。
【0020】
また、ECU15には、運転者が変速モード又は変速比の設定を行うシフトレバー28のシフト位置に対応した信号が入力され、出力シャフト14の回転数を検出する走行速度検出手段としての回転数センサ29の信号が入力される。
【0021】
次に、変速機11について説明する。図2は変速機11の構成図である。変速機11は、平行に配置された一対の入力軸22及び出力軸23と、入力軸22及び出力軸23に設けられた減速比の異なる5組のギア対41〜45とを備えている。ギア対41〜45は、ギア対41からギア対45へと順に減速比が小さくなるように構成されており、ギア対41〜45のうち1つが選択されて動力伝達状態となることにより、前進5段の変速比が設定される。
【0022】
図2に示すように、ギア対41〜45を構成する2つのギアのうち、一方のギア41a〜45aは入力軸22又は出力軸23に対して空転するように支持され、他方のギア41b〜45bは入力軸22又は出力軸23と一体的に回転するように支持されている。そして、これらのギア対41〜45のギア41a〜45a,41b〜45bはそれぞれが常に噛合うように配置されている。
【0023】
入力軸22又は出力軸23対して空転するように支持されているギア41a〜45aには、それぞれクラッチギア46〜50が設けられている。また、これらのクラッチギア46〜50に対向する位置には、噛合クラッチとしてのシンクロメッシュ機構51〜53が設けられている。シンクロメッシュ機構51〜53は、ギア41a〜45aが支持されている入力軸22又は出力軸23とクラッチギア46〜50とを連結又は非連結とすることにより、ギア対41〜45を動力伝達状態と動力切断状態との間で切り換える。
【0024】
ギア対41〜45を動力伝達状態と動力切断状態との間で切り換えるときは、セレクトシリンダ25によりシンクロメッシュ機構51〜53のうち1つが選択され、シフトシリンダ26により選択されたシンクロメッシュ機構51〜53が駆動される。シンクロメッシュ機構51〜53によりいずれか1つのクラッチギア46〜50が入力軸22又は出力軸23と連結されると、連結されたクラッチギア46〜50に係るギア対41〜45が動力伝達状態となり、そのギア対に対応する変速比を得ることができる。また、入力軸22には後進ギア対54が設けられ、カウンタシャフト(図示省略)に設けられたアイドルギアと噛合うことによって後進変速比を設定できるようになっている。
【0025】
ここで、図3〜5を参照して、変速機11のシンクロメッシュ機構51について説明する。シンクロメッシュ機構52,53は、基本構成がシンクロメッシュ機構51と同一であるため、その説明を省略する。シンクロメッシュ機構51は、クラッチハブ61と、スリーブ62と、シンクロナイザキー63と、キースプリング64と、シンクロナイザリング65,66とを備えている。
【0026】
クラッチハブ61は、スプラインにより出力軸23に嵌合しており、出力軸23と共に回転する。スリーブ62は、スプラインによりクラッチハブ61の外周に嵌合しており(図示省略)、クラッチハブ61と共に回転する。スリーブ62の外周にはスリーブ62を図3中の矢印方向に駆動するシフトフォーク67が係合するための溝部62aが設けられている。シンクロナイザキー63は、クラッチハブ61の外周にある溝部に嵌っており(図示省略)、クラッチハブ61と共に回転する。シンクロナイザキー63の外周には突起部63aが設けられ、スリーブ62に設けられた凹部62bと係合している。キースプリング64は、シンクロナイザキー63をスリーブ62側に付勢している。シンクロナイザリング65は、ギア41aに円錐状に設けられたコーン部68に嵌っている。シンクロナイザリング65に設けられた溝にはシンクロナイザキー63が係合しており(図示省略)、シンクロナイザリング65とシンクロナイザキー63とは共に回転する。
【0027】
次に、シンクロメッシュ機構51の作用について説明する。空転しているギア41aのクラッチギア46と出力軸23とが連結されるとき、すなわちギア対41を動力切断状態から動力伝達状態に移行させて新たな変速比が設定されるときには、一般的にギア41aの回転数と出力軸23の回転数とが一致していない。このため、シンクロメッシュ機構51は、ギア41aの回転数と出力軸23の回転数とを同期させた後に、ギア41aのクラッチギア46と出力軸23とを連結させるように動作する。
【0028】
ギア41aのクラッチギア46と出力軸23とを連結してギア対41を動力切断状態から動力伝達状態に移行させるときは、シフトフォーク67を駆動しスリーブ62を図3中の矢印A方向に移動させる。スリーブ62が移動すると、凹部62bと突起部63aとの係合によってシンクロナイザキー63がスリーブ62と共に移動させられる。すると、図3に示すように、シンクロナイザキー63はシンクロナイザリング65と当接する。シンクロナイザキー63はシンクロナイザリング65をギア41aのコーン部68に押し付けるため、コーン部68において摩擦力を発生させる。これにより、ギア41aの回転数とシンクロナイザリング65の回転数との同期が開始され、ギア41aの回転数と出力軸23の回転数とが次第に等しくなる。
【0029】
スリーブ62を矢印A方向に更に移動させると、凹部62bと突起部63aとの係合が外れ、図4(a)に示すように、スリーブ62に設けられたスプライン62cとシンクロナイザリング65に設けられたスプライン65aとが当接する。図4(b)は図4(a)のC−C線に沿う断面図である。スプライン62c及びスプライン65aには、互いに当接する方向の先端部にテーパ面62d,65bが形成されている。スリーブ62を矢印A方向に移動させる力は、スプライン62cのテーパ面62d及びスプライン65aのテーパ面65bを通じてシンクロナイザリング65に伝達される。このとき、シンクロナイザリング65はギア41aのコーン部68を更に強く押圧するため、コーン部68における摩擦力は更に増加する。そして、ギア41aの回転数と出力軸23の回転数とが同期する。
【0030】
スリーブ62を矢印A方向に更に移動させると、図5(a)に示すように、スリーブ62のスプライン62cが、シンクロナイザリング65のスプライン65a及びギア41aに設けられたクラッチギア46と噛合わされる。図5(b)は図5(a)のD−D線に沿う断面図である。これにより、ギア41aと出力軸23とが連結され、ギア対41が動力伝達状態となる。
【0031】
なお、ギア対41を動力伝達状態から動力切断状態に移行させるときは、スリーブ62を図3中の矢印B方向に移動させることにより、スリーブ62のスプライン62cと、シンクロナイザリング65のスプライン65a及びギア41aに設けられたクラッチギア46との噛合い状態を解除する。
【0032】
また、ギア対42を動力切断状態から動力伝達状態に移行させるときは、スリーブ62を矢印B方向に移動させ、ギア対41の場合と同様にシンクロナイザリング66をギア42aのコーン部69に押し付けてギア42aの回転数と出力軸23の回転数とを同期させる。そして、スリーブ62のスプライン62cとギア42aのクラッチギア47とを噛合わせて、ギア42aと出力軸23とを連結する。また、ギア対42を動力切断状態に移行させるときは、スリーブ62を矢印A方向に移動させる。
【0033】
次に、シンクロメッシュ機構51を作動させるアクチュエータとしてのシフトシリンダ26について説明する。図6はシフトシリンダ26とシフトシリンダ26を駆動する油圧回路16の要部とを示す構成図である。シフトシリンダ26は、油圧シリンダであり、シリンダ内に設けられたピストン71を挟んで、ロッド72側の油室73とそれとは反対側の油室74とを備えている。ピストン71は、図示しないスプリングによって中立位置に向かうように付勢されている。シフトシリンダ26は、油圧回路16によって油室73,74の油圧が調圧され、ロッド72の往復運動によりシフトフォーク67を作動させる。
【0034】
駆動源としての油圧回路16は、作動油が蓄えられているリザーバタンク75と、リザーバタンク75から作動油を圧送するオイルポンプ76と、オイルポンプ76から吐出された作動油を調圧する圧力制御ソレノイドバルブ77と、油室74に対する作動油の供給又は排出を行う3ポートのシフトソレノイドバルブ78とを備えている。油室73には圧力制御ソレノイドバルブ77の出力圧が直接供給され、油室74にはシフトソレノイドバルブ78を介して供給されるようになっている。
【0035】
また、シフトシリンダ26には、ロッド72のストロークを検出するストロークセンサ79が設けられる。油室73に接続される作動油の通路には、油室73の油圧を検出する駆動力検出手段としての油圧センサ80が設けられる。圧力制御ソレノイドバルブ77と油室73とを接続する作動油の通路には、作動油の温度を検出する温度センサ81が設けられる。なお、この温度センサ81は、作動油の温度を間接的に検出又は推定できるように構成されていてもよい。これらのセンサ79,80,81により検出された信号は、ECU15に入力される。
【0036】
次に、油圧回路16により駆動されるシフトシリンダ26の作用について説明する。圧力制御ソレノイドバルブ77によって油室73が排圧され且つシフトソレノイドバルブ78によって油室74が排圧されされると、ピストン71が中立位置すなわちストロークの中間位置に位置させられ、ギア対41,42は動力切断状態となる。
【0037】
ピストン71が中立位置にある状態から、圧力制御ソレノイドバルブ77により油室73のみが昇圧されると、ピストン71がロッド72とは反対側へ駆動されることから、シンクロメッシュ機構51のスリーブ62とギア41aのクラッチギア46とが噛合うため、ギア対41は動力伝達状態となる。
【0038】
また、ピストン71が中立位置にある状態から、圧力制御ソレノイドバルブ77により油室73が昇圧され、且つシフトソレノイドバルブ78によって油室74も昇圧されると、油室73と油室74とに同じ油圧が作用することとなり、ピストン71の両面の受圧面積差に従ってピストン71がロッド72側へ駆動される。これにより、シンクロメッシュ機構51のスリーブ62とギア42aのクラッチギア47とが噛合うため、ギア対42は動力伝達状態となる。
【0039】
次に、上記のように構成された車両1において、変速機11の変速比が変更される、すなわちシフト操作が行われるときの、制御手段としてのECU15が行う制御について説明する。変速機11のシフト操作は、運転者によりシフトレバー28が操作され変速操作が行われたとき、又は自動変速モード等に設定されており変速比の変更が必要と判断されたときに行われる。ここでは、変速機11の変速比が1段から2段にシフトされる場合、すなわちギア対41からギア対42へと動力伝達状態が変更される場合について説明する。
【0040】
変速機11のシフト操作が行われるときには、変速に関与するギア対41,42及びシンクロメッシュ機構51にエンジン12の負荷が加わらないように、まず、クラッチ13を連結状態から非連結状態へと切り換えておく必要がある。このため、ECU15は、油圧回路16を制御してクラッチレリーズシリンダ27を駆動し、変速機11のシフト操作の開始に先立ってクラッチ13を切断状態にする。
【0041】
変速機11のシフト操作が開始されると、ECU15は油圧回路16を制御してセレクトシリンダ25及びシフトシリンダ26を駆動し、シンクロメッシュ機構51を作動させる。これにより、ギア対41を動力伝達状態から動力切断状態に移行させ、ギア対42を動力切断状態から動力伝達状態に移行させる。図7は、変速機11のシフト操作が行われるときの、油圧センサ80により検出されるシフトシリンダ26の油室73の油圧と、ストロークセンサ79により検出されるロッド72のストロークとを示したものである。図7に示すように、ECU15は、シフト操作が開始された時点t1から、油室73及び油室74の油圧を上昇させるように圧力制御ソレノイドバルブ77及びシフトソレノイドバルブ78を制御し、ピストン71をロッド72側へと駆動する。ロッド72は、スリーブ62とクラッチギア46とが噛合ってギア対41が動力伝達状態となっている位置Eから作動を開始し、時点t2においてピストン71が中立位置となる位置Fに達する。これにより、ギア対41が動力切断状態となる。
【0042】
ロッド72は、引き続き作動させられ、時点t3においてシンクロナイザキー63がシンクロナイザリング65と当接する直前の位置Gに達する。ロッド72が位置Gに達したときに、ECU15は、圧力制御ソレノイドバルブ77を制御して油室73の油圧を低下させる。これは、その後に行われるギア41aの回転数と出力軸23の回転数との同期状態において、シンクロナイザリング66とギア42aのコーン部69との間に発生する摩擦力が過大になることを抑制するためである。
【0043】
そして、ロッド72が位置Gから僅かに移動した位置Hになった時点t4から同期期間が開始する。同期期間中は、シンクロナイザリング66がコーン部69に押し付けられる状態が継続するため、ロッド72の移動速度が遅くなる。時点t5においてギア42aの回転数と出力軸23の回転数との同期が完了すると、スリーブ62がクラッチギア47と噛合う方向に移動するため、ロッド72の移動速度が速くなる。このとき、ECU15は、圧力制御ソレノイドバルブ77を制御して油室73の油圧を上昇させて速やかにロッド72を移動させる。ロッド72は、スリーブ62とクラッチギア47とが噛合った状態となる位置Iに達し、ギア対42が動力伝達状態になる。これにより、変速機11の変速比が1段から2段に変更されるシフト操作が終了する。
【0044】
また、変速比が他の段から他の段にシフトされるときについても同様に、ECU15が油圧回路16を制御することにより変速比の変更に関与するシンクロメッシュ機構51〜53を作動させて変速機11のシフト操作を行う。そして、ECU15は、変速機11のシフト操作が行われた後にクラッチ13を非連結状態から連結状態へと切り換え、車両1の変速動作を完了させる。
【0045】
このようにして、ECU15は、油圧回路16を所定の態様で制御して変速機11のシフト操作を行うようにしている。ところで、シンクロメッシュ機構51〜53を駆動するシフトシリンダ26が、動作環境や製造誤差等によりその駆動特性にばらつきが生じるようになると、シフト操作に要する時間にばらつきが生じてしまうことがある。また、シンクロメッシュ機構51〜53は、摩擦を利用して入力軸22又は出力軸23とギア41a〜45aとの同期を行うため、摩耗等に起因して経年的にシフト操作に要する時間が変化してしまうことがある。このため、ECU15は、シフト操作に要する時間のばらつきを抑えるために、シフトシリンダ26の油室73における実際の油圧を油圧センサ80で検出してシフト操作に必要な力積を算出しておき、その算出結果に基づいてシフトシリンダ26の出力が補正されるように油圧回路16を制御する。油室73の油圧を用いて力積を算出すると、上記のようなシフト操作時間のばらつきや変化に関与する要素を含めてシフト操作に必要な力積を求めておくことができ、シフト操作に要する時間のばらつきを抑えることができる。
【0046】
以下、ECU15が、シフト操作に必要な力積を算出して油圧回路16を制御する手法について説明する。図8はECU15で処理するシフト操作制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、算出された力積に基づいて油圧回路16を制御することで変速機11のシフト操作に要する時間のばらつきを抑えるとともに、変速機11の異常を判定するようにしたものである。
【0047】
このシフト操作制御ルーチンは、変速機11のシフト操作が実行されるタイミングごとに繰り返して行われる。シフト操作制御ルーチンが開始されると、ECU15は、ECU15内の記憶部に記憶されているシフト操作に実際に要した力積の値を呼び出す(ステップS100)。ECU15の記憶部には、以前にシフト操作が行われたときに、油室73の油圧を用いて算出されたシフト操作に要した力積の値が記憶されている。シフト操作に要する力積は、いずれのシンクロメッシュ機構51〜53が作動するかによって異なるため、ECU15は、設定される変速比等に応じて記憶部から呼び出す最も適切な力積の値を選択する。
【0048】
次いで、ECU15は、回転数センサ29で検出される回転数、すなわち車両1の走行速度に応じて、前記呼び出した力積の値を修正する(ステップS110)。シンクロメッシュ機構51〜53により回転数の同期が行われる際、変速機11の入力軸22側はクラッチ13によってエンジン12との連結が断たれており、変速機11の出力軸23側は車両1の駆動輪24と連結された状態になっている。このため、入力軸22側の慣性モーメントは、出力軸23側の慣性モーメントに比べて無視できる値であるため、回転数の同期が行われる際に必要な力積は変速機11の出力軸23側の回転数、すなわち車両1の走行速度に応じて変化する。そこで、ECU15は、車両1の走行速度に応じて前記呼び出した力積の値を修正するようにしている。
【0049】
次いで、ECU15は、上記のように求められた力積からシフト操作に必要な力積を想定し、シフト操作に要する時間が所定の時間となるようにシフトシリンダ26の出力が補正される油圧回路16の制御態様を決定する(ステップS120)。例えば、油室73の油圧を用いて算出されたシフト操作に実際に要した力積の値が、当初想定されていた力積の値よりも大きくなっているような場合は、シフトシリンダ26に作用させる油圧が大きくなるように油圧回路16を制御し、シフト操作時間が所定の時間になるようにする。
【0050】
次いで、ECU15は、温度センサ81により検出される作動油の温度により、油圧回路16の制御態様を修正する(ステップS130)。作動油の粘性は作動油の温度により変化するため、シフトシリンダ26に作用させる油圧の応答性は作動油の温度により変化する。このため、ECU15は、作動油の温度により油圧回路16の制御態様を修正し、シフト操作時間のばらつきを抑える。
【0051】
そして、ECU15は、上記のように求められた油圧回路16の制御態様に基づいて変速機11のシフト操作を実行する(ステップS140)。このようにして、シフトシリンダ26の油室73の油圧を用いて算出された力積を基に、車両1の走行速度及び作動油の温度を勘案し、求められた油圧回路16の制御態様によりシフト操作を行うため、シフト操作時間のばらつきを抑えることができる。なお、ECU15は、変速機11のシフト操作の実行中に、油圧センサ80によりシフトシリンダ26の油室73の油圧を監視しているため、油圧回路16をフィードバック制御することにより、シフトシリンダ26の出力を適宜調整しながらシフト操作を行うようにすることができ、シフト操作時間のばらつきをより一層抑えるようにすることができる。
【0052】
次いで、ECU15は、油圧センサ80から得られたシフト操作中の油室73の油圧の値に基づいて、シフト操作に要した力積の値を算出する(ステップS150)。シフト操作時にシフトシリンダ26のピストン71がロッド72とは反対側に駆動されるときは、シフトシリンダ26の油室73のみが昇圧されるため、油室73の油圧にピストン71の受圧面積を乗じて作動力を算出し、時間で積分することによってシフト操作に要した力積を算出する。一方、シフト操作時にシフトシリンダ26のピストン71がロッド72側に駆動されるときは、シフトシリンダ26の油室73,74が共に昇圧されるため、油室73の油圧にピストン71の両面の受圧面積差を乗じて作動力を算出し、時間で積分することによってシフト操作に要した力積を算出する。算出された力積の値はECU15の記憶部に記憶され、以後にシフト操作が行われるときに、このシフト操作制御ルーチンのステップS100において参酌される。
【0053】
次いで、ECU15は、ステップS150で算出された力積の値が、ステップS120で想定されたシフト操作に必要な力積の値より所定量以上大きいか否かを判定する(ステップS160)。シフト操作に実際に要した力積の値が想定された力積の値に比べて過大となるときは、変速機11が異常であると推定することができる。このため、ステップS150で算出された力積の値が、シフト操作前に想定された力積の値より所定量以上大きいときは、変速機11が異常である旨の判定を行う(ステップS170)。変速機11の異常判定が行われたときは、警告灯を点灯させる等の手法で運転者にその旨を通知する。そして、このルーチンを終了する。
【0054】
このようにして、シフトシリンダ26に作用する油圧を用いてシフト操作に実際に要した力積を精度よく算出し、その算出結果に基づいてシフトシリンダ26の出力が補正されるように油圧回路16を制御して変速機11のシフト操作を行うため、シフト操作に要する時間のばらつきを抑えるようにすることができる。また、シフト操作に実際に要した力積の値から、変速機11の異常を精度よく判定することができる。
【0055】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ECU15は、シフトシリンダ26の油室73の油圧から変速機11のシフト操作に必要な力積を算出し、その算出結果に基づいてシフトシリンダ26の出力が補正されるような油圧回路16の制御態様を決定して変速機11のシフト操作を行う。変速機11のシフト操作は、シフトシリンダ26の出力の時間積分値である力積がシフト操作に必要な力積を与えることで行われるため、シフトシリンダ26に作用する実際の油圧によって力積を算出すると、シフトシリンダ26の駆動特性のばらつきを含めて、シフト操作に必要な力積を算出することができる。また、シフトシリンダ26に作用する実際の油圧によって力積を算出するため、シンクロメッシュ機構51〜53の摩擦部の摩耗状態によるシフト操作への影響を含めてシフト操作に必要な力積を精度よく算出することができる。そして、このように精度よく算出された力積に基づいてシフトシリンダ26の出力を補正してシフト操作を行うため、シフト操作時間のばらつきを抑えることができる。これにより、シフト操作時にクラッチ13が切断状態となるいわゆる変速時間が長くなってしまうことを抑えることができ、車両1の空走時間を短縮して、運転者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
【0056】
(2)上記実施形態では、ECU15は、回転数センサ29で検出される車両1の走行速度に応じて、シフト操作に必要な力積の値を修正する。シンクロメッシュ機構51〜53により回転数の同期が行われる際、変速機11の入力軸22側の慣性モーメントは、変速機11の出力軸23側の慣性モーメントに比べて無視できる値であるため、回転数の同期が行われる際に必要な力積は出力軸23側の回転数に応じて変化する。このため、車両1の走行速度に応じてシフト操作に必要な力積の値を修正すると、シフト操作に必要な力積を車両1の運転状態に応じてより適正に設定することができる。これにより、シフト操作時間のばらつきをより一層抑えることができる。
【0057】
(3)上記実施形態では、ECU15は、温度センサ81により検出される作動油の温度により、シフト操作を行うための油圧回路16の制御態様を修正する。このため、温度による作動油の粘性変化により油圧の応答性が変化することを考慮してシフト操作時間のばらつきを抑えるように油圧回路16を制御することができる。
【0058】
(4)上記実施形態では、ECU15は、変速機11のシフト操作の実行中に、油圧センサ80によりシフトシリンダ26の油室73の油圧を監視している。このため、油圧回路16をフィードバック制御することにより、シフトシリンダ26の出力を適宜調整しながらシフト操作を行うようにすることができ、シフト操作時間のばらつきをより一層抑えるようにすることができる。
【0059】
(5)上記実施形態では、ECU15は、シフト操作に実際に要した力積の値が、シフト操作前に想定された力積の値より所定量以上大きいときは、変速機11が異常である旨の判定を行う。シフト操作に実際に要した力積に基づいて変速機11が異常である旨の判定を行うため、変速機11の異常を精度よく判定することができる。
【0060】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、変速機11のシフト操作を行うためのアクチュエータとして、油圧シリンダからなるシフトシリンダ26を用いているが、電源により駆動される電動モータをアクチュエータとして用いてもよい。この場合は、電動モータの駆動電流を検出し、検出された駆動電流から変速機11のシフト操作に必要な力積を算出しておき、その算出結果に基づいて電動モータの出力が補正されるように電源を制御して、変速機11のシフト操作を行う。このように構成しても、油圧シリンダを用いて変速機11のシフト操作を行う場合と同様に、シフト操作時間のばらつきを抑えることができる。
【0061】
・上記実施形態では、ギア対41〜45を動力伝達状態と動力切断状態との間で切り換えるために、シンクロメッシュ機構51〜53を噛合クラッチとして用いているが、シンクロメッシュ機構以外の同期噛合い式機構、例えばダブルコーンシンクロメッシュ機構等を噛合クラッチとして用いてもよい。
【0062】
・上記実施形態では、圧力制御ソレノイドバルブ77とシフトソレノイドバルブ78とによって、シフトシリンダ26の油室73,74に作用する油圧を制御しているが、1つのソレノイドバルブによって油室73,74に作用する油圧を制御するようにしてもよい。
【0063】
・上記実施形態では、常時噛合式変速機である変速機11を前進5段の変速比が設定できるように構成したが、5段以外の段数の変速比を設定できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】常時噛合式変速機を搭載した車両の概略構成図。
【図2】常時噛合式変速機の構成図。
【図3】シンクロメッシュ機構の同期動作前の状態を示す断面図。
【図4】(a)はシンクロメッシュ機構の同期動作中の状態を示す断面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図。
【図5】(a)はシンクロメッシュ機構の同期動作後の状態を示す断面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図。
【図6】シフトシリンダと油圧回路の要部とを示す構成図。
【図7】変速機のシフト操作が行われるときタイムチャート。
【図8】シフト操作制御ルーチンのフローチャート。
【符号の説明】
【0065】
1…車両、11…変速機、12…エンジン、13…クラッチ、14…出力シャフト、15…ECU、16…油圧回路、21…クランクシャフト、22…入力軸、23…出力軸、24…駆動輪、25…セレクトシリンダ、26…シフトシリンダ、27…クラッチレリーズシリンダ、28…シフトレバー、29…回転数センサ、41〜45…ギア対、46〜50…クラッチギア、51〜53…シンクロメッシュ機構、61…クラッチハブ、62…スリーブ、63…シンクロナイザキー、64…キースプリング、65,65…シンクロナイザリング、67…シフトフォーク、71…ピストン、72…ロッド、73,74…油室、75…リザーバタンク、76…オイルポンプ、77…圧力制御ソレノイドバルブ、78…シフトソレノイドバルブ、79…ストロークセンサ、80…油圧センサ、81…温度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速比の異なる複数のギア対に対して設けられる噛合クラッチと、同噛合クラッチを作動させるアクチュエータと、同アクチュエータを駆動する駆動源とを備え、前記駆動源を所定の態様で制御して前記アクチュエータを駆動し、前記噛合クラッチを選択的に作動させることによりシフト操作を行う常時噛合式変速機の制御装置において、
前記アクチュエータに与えられる駆動力を検出する駆動力検出手段と、
前記検出される駆動力からシフト操作に必要な力積を算出し、その算出結果に基づいて前記アクチュエータの出力が補正されるように前記駆動源を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする常時噛合式変速機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、
前記アクチュエータは油圧シリンダで、前記駆動源は前記油圧シリンダに供給する作動油の油圧を調圧する油圧回路であり、
前記駆動力検出手段は、前記油圧シリンダの油圧を検出し、
前記制御手段は、前記油圧シリンダの出力が補正されるように前記油圧回路を制御する
ことを特徴とする常時噛合式変速機の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、
前記制御手段は、前記油圧シリンダに供給される作動油の温度に応じて前記油圧回路の制御態様を修正する
ことを特徴とする常時噛合式変速機の制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、
車両の走行速度を検出する走行速度検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記検出される走行速度に応じて前記算出された力積の値を修正する
ことを特徴とする常時噛合式変速機の制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の常時噛合式変速機の制御装置において、
前記制御手段は、シフト操作に要した力積が前記算出された力積より所定量以上大きくなったときに、前記常時噛合式変速機が異常である旨判定する
ことを特徴とする常時噛合式変速機の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−120572(P2007−120572A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311544(P2005−311544)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】