説明

情報受信装置

【課題】情報の受信に際し、その情報が装置の使用者にとって緊急度が高いか否かに併せて、その情報が装置の周辺にいる人々へ与える影響度が高いか否かに依存して、情報の受信を報知する方法を選択する。
【解決手段】受信された情報の装置の周辺にいる人々へ与える影響度が高いか否かを判断し(ステップS102)、更に、その情報が装置の使用者にとって緊急度が高いか否かを判断し(ステップS103)、判断された影響度及び緊急度に関連付けられて記憶された報知方法によって、情報の受信を報知する(ステップS104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信装置に係り、特に、緊急度が高い情報を受信した際の情報受信報知動作に関する。
【背景技術】
【0002】
情報受信装置、例えば、移動通信端末装置は、受話音声、電子メールの受信、放送の受信(以後、放送は、デジタルテレビ放送として説明をするが、その放送に限らず、アナログテレビ放送及びラジオ放送を含む。)などの手段によって情報を受信する。受話音声の受信には、装置の使用者による発呼または着呼の操作が必要であるが、留守番電話の設定がされていれば、使用者による操作なしに受信され、録音される。
【0003】
電子メールの受信は、使用者による操作なしで可能である。放送の受信は、通常は使用者による操作によって行われるが、待機状態にある際に緊急警報放送を受信することによって、使用者の操作なしに自動的に放送を受信することがある。
【0004】
使用者による操作なしに情報が受信される際、装置は、その旨を装置の使用者に報知する。例えば、留守番電話の受話音声の受信と録音に先んじて、通話着信を報知し、また、録音がされた場合、受話音声が録音されたことを報知する。電子メールの受信の際、電子メール着信を報知する。また、緊急警報放送によって放送が受信されると、装置は、受信された放送の映像を表示し、音声を出力することによって報知する。
【0005】
これらの報知動作は、装置の周辺にいる人々に迷惑となる可能性があるため、装置の使用者によって、例えば、着信音の鳴動による報知を停止し、バイブレータの振動による報知のみを行う設定とされることがある。ここで、装置の周辺にいる人々は、装置の使用者を含まないとする。しかし、受信された情報が緊急度の高い情報であれば、使用者が報知に気付かない可能性を小さくすることが望まれる。
【0006】
そこで、電子メールが受信され、受信された電子メールに所定のキーワードが含まれている場合、その電子メールは、緊急度が高いと判断して、気付き易い報知を行う、即ち、緊急度が高くない電子メールが受信された場合と異なる手段によって電子メール着信を報知することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、使用者による放送の受信が行われていない際に緊急警報放送が受信され、装置がその緊急警報放送に係わる地域に位置していると判断された場合、警告音を鳴動させ、また、放送された映像を表示させる処理が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2006−72755号公報(第2頁、図7)
【特許文献2】特開2007−81516号公報(第2−3頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、たとえ緊急度が高い電子メールが受信されたとしても、装置の周辺にいる人々にとって、その電子メールの着信を報知する動作は、迷惑を上回るメリットがあるか否かが考えられていない問題点があった。
【0009】
また、上述した特許文献2に開示されている方法では、たとえ装置が位置している地域に係わる緊急警報放送が受信されたとしても、その緊急警報放送によって直ちに放送が受信され、装置の使用者及び装置の周辺にいる人々に視聴される必要があるか否かが考えられていない問題点があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、情報の受信に際し、その情報の緊急度が高いか否かに併せて、その情報が装置の周辺にいる人々へ与える影響度が高いか否かに依存して、情報の受信を報知する方法を選択する情報受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の情報受信装置は、受信された情報の装置の周辺にいる人々に対する影響の程度である影響指標を判断し、その受信された情報の装置の使用者に対する緊急の程度である緊急指標を判断する指標判断手段と、前記指標判断手段によって判断された影響指標と、前記指標判断手段によって判断された緊急指標とに依存して第1の報知手段を動作させ、また、前記指標判断手段によって判断された緊急指標に依存して第2の報知手段を動作させる報知制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、情報の受信に際し、その情報の緊急度が高いか否かに併せて、その情報が装置の周辺にいる人々へ与える影響度が高いか否かに依存して、情報の受信を報知する方法を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による情報受信装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる情報受信装置が適用された移動通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
この移動通信端末装置は、装置全体の制御を行う制御部11と、基地局(図示せず)との間で電波の送受を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、受話音声発生用のスピーカ14aと、送話音声入力用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、表示部15と、入力装置16とを備える。
【0015】
この移動通信端末装置は、更に、留守番電話部21と、電子メール送受信部22と、放送受信部23と、報知方法選択部24と、測位部25と、放送された音声発生用、かつ、報知音発生用のスピーカ26と、報知のための振動を発生するバイブレータ27と、報知等のために点灯される、例えばLEDである通知ランプ28とを備える。報知方法選択部24の内部には緊急情報報知設定24aが記憶される。
【0016】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信端末装置の各部の動作を図1を参照して説明する。通信部12bは、アンテナ12aによって受信された高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力された高周波信号をアンテナ12aより送信する。
【0017】
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによってデジタル信号を得て、得られた通話音声信号を通話部14cに、着信信号を含む制御信号を制御部11に、受信された電子メールを電子メール送受信部22に送る。
【0018】
更には、送受信部13は、デジタル信号、即ち、通話部14cから出力された通話音声信号、制御部11から出力された制御信号、及び電子メール送受信部22から出力された送信される電子メールを変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送って送信させる。
【0019】
通話部14cは、送受信部13から出力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されたアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
【0020】
表示部15は、例えば、LCDであり、制御部11に制御されることで、文字・数字や映像データの表示動作を行い、表示されているデータは、入力装置16からの入力操作や着信信号に応答して制御部11からの指示を受けることで切換わる。
【0021】
入力装置16は、通信相手の電話番号などを指定するため、また、送信される電子メールを作成するための数字キーと複数の機能キーを含むキーからなる。そして、入力装置16のキーが操作されると、そのキーの識別子が制御部11に通知され、制御部11によって、表示部15に文字として表示され、または、制御が行われる。
【0022】
留守番電話部21は、通話着信信号が受信され、その後、所定の時間に渡って入力装置16の所定のキー操作による着呼操作がされない場合、制御部11からの指示によって動作を開始する。そして、上記着信信号に着呼し、留守番電話部21内に記憶された所定のメッセージを送話音声として送受信部13に送信させ、次に、送受信部13によって受信された受話音声を留守番電話部21内に記憶する。呼が切断されると、受話音声が記憶されたことを制御部11に通知する。
【0023】
電子メール送受信部22は、電子メールの送受信を行う処理部であり、使用者が入力装置16の所定のキーを操作することにより、制御部11からの指示によって、電子メールの送信動作を開始する。
【0024】
電子メール送受信部22は、続いて、入力装置16から送信されたキーの識別子に従って、電子メールの宛先メールアドレスと、本文データとからなる電子メール(送信メール)を作成する。そして、作成された送信メールを送受信部13に送信させる。この送信メールは、通信部12b、アンテナ12a、基地局を介してメールサーバ装置(図示せず)に送信される。
【0025】
また、電子メール送受信部22は、電子メール着信信号が受信されることにより、制御部11からの指示によって、メールサーバ装置から送信され、送受信部13によって受信された電子メール(受信メール)を受信する。そして、受信された受信メールを、電子メール送受信部22内に記憶して、動作を終了する。
【0026】
また、電子メール送受信部22は、入力装置16の所定のキーが操作されることにより、制御部11からの指示によって、電子メール送受信部22内に記憶された受信メールの一覧を表示部15に送って表示させる。そして、入力装置16の所定のキー操作によって、その受信メールの中の1つを選択し、選択された受信メールを表示部15に送って表示させる。この動作によって、使用者は、受信メールを読むことができる。
【0027】
放送受信部23は、デジタルテレビ放送を受信する処理部であり、制御部11からの指示によって、以下の2つの動作のいずれかを開始し、また、終了する。第1の動作は、待機動作であって、放送受信部23内に設けられたアンテナによって受信された高周波放送信号の中から、所定のチャンネルの高周波信号を選択する。そして、選択された高周波信号を中間周波数の信号に変換し、制御信号を調べることによって、緊急警報信号が受信されたか否かを検出する動作である。
【0028】
待機動作中に緊急警報信号が受信されたことが検出されると、放送受信部23は、その旨を制御部11に通知する。この第1の動作中、放送受信部23は、映像信号及び文字を表示部15に表示させることはなく、また、音声信号をスピーカ26から発生させることはない。
【0029】
ここで、上記所定のチャンネルは、緊急警報信号を放送するチャンネルである。そこで、災害対策基本法に基づいて指定公共機関として指定される日本放送協会が放送するチャンネルが適切であるが、これに限るものではない。入力装置16の所定のキー操作によって指定されたチャンネルでも良い。
【0030】
放送受信部23の第2の動作は、通常受信動作であって、上記選択された高周波信号を中間周波数の信号に変換し、変換された信号を復調することによって、符号化されたテレビ放送コンテンツを得る。ここで、テレビ放送コンテンツは、MPEG方式によって符号化された信号であるが、これに限るものではない。
【0031】
放送受信部23は、得られたテレビ放送コンテンツを復号し、復号された映像信号を表示部15に表示させる。また、復号された音声信号をスピーカ26から発生させる。また、テレビ放送コンテンツに文字情報が含まれている場合、その文字を表示部15に表示させる。
【0032】
ここで、表示部15に表示させる際の輝度、及びスピーカ26から発生させる際の音量は、制御部11からの指示により、その指示は、通常入力装置16の所定のキー操作に基づく。なお、放送受信部23は、第2の動作中に、第1の動作で説明した、緊急警報信号が受信されたか否かを検出し、検出されると、その旨を制御部11に通知する動作を併せて行う。
【0033】
報知方法選択部24は、制御部11からの指示によって報知動作を行う。この指示に際して、報知するイベントをパラメータとして受信する。イベントは、送受信部13による通話着信信号の受信、留守番電話部21による録音、電子メール送受信部22による受信メールの受信、及び、放送受信部23による緊急警報信号の受信、のいずれである。
【0034】
なお、報知動作の指示が連続してあった際、報知方法選択部24は、それぞれの指示に従う報知動作が排他的でない場合、双方の指示に基づいた報知動作を併せて行う。一方、排他的である場合、それぞれの指示に従う報知動作の中で、装置の使用者または装置の周辺にいる人々が気付き易い報知動作を行う。または、新たに指示があった際、その指示以前の指示に基づいた報知動作を終了し、新たな指示に基づいた報知動作を行う。
【0035】
報知方法選択部24は、これらのイベントをスピーカ26から音声を発生させる、バイブレータ27を振動させる、通知ランプ28を点灯させる、の中の1つまたは複数によって報知する。ここで、報知方法の詳細、即ち、発生させる音声、振動のパターン、点灯のパターンは、緊急情報報知設定24aに従う。上記の他、報知方法選択部24は、表示部15に表示させることによりイベントを報知する。
【0036】
報知方法選択部24は、イベントが留守番電話部21による録音がされた、電子メール送受信部22によって受信メールが受信された、及び、放送受信部23によって緊急警報信号が受信された、のいずれかである場合、それぞれ、録音された音声信号、受信された受信メール、受信された緊急警報信号を解析し、影響度及び緊急度を求める。そして、求められた影響度及び緊急度に従って、報知方法を選択する。
【0037】
測位部25は、測位する処理部、即ち、装置が位置する緯度、経度及び高度(海面からの高さ。)を測定する処理部であり、制御部11からの指示によって動作を開始する。そして、複数のGPS(Global Positioning System)衛星から送信された電波を受信して、電波が受信された時刻と、衛星の軌道とから測位する。ここで、測位部25は、測位にあたり、測位サーバ装置(図示せず)から送受信部13を介して送られたGPS衛星に関する情報、例えば、利用すべき衛星の識別子や、その衛星の軌道などを用いても良い。
【0038】
以下、本発明の実施形態に係わる移動通信端末装置の報知方法選択部24による、装置が受信した情報の影響度及び緊急度を判断し、判断された影響度及び緊急度に応じて適切な報知方法を選択して報知する処理を説明する。
【0039】
図2は、報知方法選択部24内に記憶される緊急情報報知設定24aの構成の一例を示す。この緊急情報報知設定24aは、影響度24bと、緊急度24cと、スピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとが関連付けられた情報からなる。
【0040】
なお、図2では、影響度24bと、緊急度24cと、スピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとが連続して記憶され、かつ、関連付けられた9組の情報が連続して記憶されるように図示したが、これは理解を容易にするためであって、これに限るものではない。
【0041】
影響度24bは、装置によって受信された情報の、装置の周辺にいる人々に対する影響の高低を示す指標である。影響度24bは、影響の高低を示す指標が高いものから低いものへ、「A」、「B」及び「C」の3段階のレベルのいずれかの値である。緊急度24cは、装置によって受信された情報の、装置の使用者に対する緊急の高低を示す指標である。緊急度24cは、緊急の高低を示す指標が高いものから低いものへ、「a」、「b」及び「c」の3段階のレベルのいずれかの値である。なお、影響度24b及び緊急度24cは、3段階の値のいずれかと限るものではない。4段階以上の値のいずれかでも良く、また、2段階の値のいずれかでも良い。
【0042】
スピーカからの報知音24dは、スピーカ26から発生される報知音の属性であって、図2では、音量を示し、「最大」及び「中」のいずれかの値であるが、これに限るものではない。例えば、自然数であって、音量が数段階に指定される値であっても良い。また、その報知音が記憶されたファイル(図示せず)のファイル名が含まれていても良い。また、報知音を発生させる時間が含まれていても良い。更に、報知音の発生が間欠して行われる場合、発生される時間及び発生されない時間が含まれていても良い。
【0043】
バイブレータの振動24eは、バイブレータ27の振動の属性であって、図2では、その振動は、「連続振動」及び「間欠振動」のいずれかの値であるが、これに限るものではない。例えば、振動の強さが含まれていても良い。また、振動のパターンの識別子が含まれていても良い。更に、振動を発生させる時間が含まれていても良い。また、間欠振動にあたり、振動される時間及び振動されない時間が含まれていても良い。
【0044】
通知ランプの点灯24fは、通知ランプ28の点灯の属性であって、図2では、その点灯は、「連続点灯」及び「間欠点灯」のいずれかの値であるが、これに限るものではない。例えば、点灯の輝度や、点灯の色や、色の時間的な変化が含まれていても良い。また、点滅のパターンの識別子が含まれていても良い。更に、点灯させる時間が含まれていても良い。また、間欠点灯にあたり、点灯される時間及び点灯されない時間が含まれていても良い。
【0045】
図2で、「※」は、影響度24bが「C」かつ緊急度24cが「c」、即ち、低影響度かつ低緊急度の情報が受信されたことを報知する際の、スピーカからの報知音24dの属性と、バイブレータの振動24eの属性と、通知ランプの点灯24fとの属性とを示す。
【0046】
緊急情報報知設定24aのスピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとに記憶される属性は、入力装置16の所定のキー操作によって設定され、報知方法選択部24内に記憶される。図2では「※」で示す、低影響度かつ低緊急度の情報が受信されたことを報知する際の属性についても、同じように入力装置16の所定のキー操作によって設定される。
【0047】
なお、低影響度かつ低緊急度の情報が受信されたことを報知する際の属性は、報知動作をさせないと設定されても良い。特に、スピーカからの報知音24dの属性は、装置の周辺にいる人々に迷惑とならないように、報知動作をさせないと設定されることが少なくない。
【0048】
なお、スピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとに記憶される属性は、報知が行われる契機となったイベントに依存して、異なる情報であっても良い。
【0049】
なお、図2に示す緊急情報報知設定24aで、スピーカからの報知音24dは、影響度24b及び緊急度24cに依存している。また、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとは、緊急度24cに依存し、影響度24bに依存していない。
【0050】
なぜなら、例えば、スピーカからの報知音24dが大きい音量を示している場合、装置の周辺に及ぶ報知が行われる。即ち、装置の周辺にいる人々に報知音が聞こえ、装置の周辺にいる人々が迷惑に感じる可能性もある。そこで、スピーカ26から発生される大きい音量の報知音は、受信された情報が装置の周辺にいる人々へ大きな影響がない場合には許されない。そこで、スピーカからの報知音24dは、影響度24bに依存することは必須である。
【0051】
一方、スピーカからの報知音24dが緊急度24cに依存し、影響度24bに依存しないことは、装置の周辺にいる人々への迷惑を避けるため、許されない。なぜなら、装置の使用者にとって緊急な情報が受信されたとは言え、その情報が装置の周辺にいる人々にとって緊急な情報であることを必ずしも意味しないからである。
【0052】
本実施形態では、更に、スピーカからの報知音24dを緊急度24cに依存させた。緊急度24cは、受信された情報が装置の使用者に対する緊急の高低を示す指標であるが、これを装置の周辺にいる人々に対する緊急の高低を示す指標として援用し、装置の周辺にいる人々へのメリットを伴わない迷惑を更に減らすためである。
【0053】
一方、例えば、バイブレータの振動24eが連続動作を示し、また、通知ランプの点灯24fが連続点滅を示している場合、装置の近傍に止まる報知が行われる。即ち、装置の使用者は、より確実にその報知に気が付き、一方、装置の周辺にいる人々がバイブレータ27の振動や、通知ランプ28の点滅を迷惑に感じる可能性は低い。そこで、バイブレータ27の振動や、通知ランプ28の点灯が、装置の使用者にとって緊急な情報が受信された場合の報知に適しているからである。
【0054】
なお、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとは、緊急度24cのみならず、影響度24bにも依存するとしても良い。影響度24bは、装置の周辺にいる人々に対する影響の高低を示す指標であるが、これを装置の使用者に対する影響の高低を示す指標として援用するためである。
【0055】
なお、影響度24bに依存する報知方法、即ち、影響度24bが高い場合、装置の周辺にいる人々への報知も許される報知方法と、緊急度24cに依存する報知方法、即ち、緊急度24cが高い場合、装置の周辺にいる人々は迷惑を感じ難く、装置の使用者には確実に報知するための報知方法とは、必ずしも排他的ではなく、固定的ではない。
【0056】
例えば、劇場内では、スピーカ26からの大音量の報知音の発生に限らず、通知ランプ28の高輝度の点灯も、装置の周辺にいる人々への報知となる可能性がある。そこで、通知ランプの点灯24fは、影響度24bに依存した設定とする、即ち、装置の周辺にいる人々への報知も許される際の報知に高輝度の点灯が許されると設定することが適切である。
【0057】
そこで、報知方法選択部24は、複数の緊急情報報知設定24aを記憶し、報知方法選択部24が判断して、または、入力装置16の所定のキー操作によって、記憶された中から1つの緊急情報報知設定24aを選択して、用いるとしても良い。報知方法選択部24が複数の緊急情報報知設定24aの中の1つを選択する判断は、例えば、装置が位置する場所、時刻、曜日などによる。装置が位置する場所は、測位部25によって測位される。時刻及び曜日は、制御部11内のクロック(図示せず)が示す日時による。
【0058】
図3は、報知方法選択部24が適切な報知方法を選択して、選択された報知方法によって報知する動作のフローチャートを示す。報知方法選択部24は、制御部11から報知の指示を受けて、動作を開始する(ステップS101)。この際、パラメータとしてイベントを受信する。更に、そのイベントに関連するデータをパラメータとして用いる。
【0059】
次に、報知方法選択部24は、そのイベントの影響度を判断する(ステップS102)。ここで、影響度は、そのイベントに伴われた情報の装置の周辺にいる人々に対する影響の高低を示す指標である。影響度は、「A」(高い)、「B」(中程度)及び「C」(低い)の3つの値のいずれかであるが、これに限るものではない。2つの値のいずれかでも良く、4つ以上の値のいずれかでも良い。イベントの影響度は、イベントによって、以下に説明するように異なる基準で判断する。
【0060】
第1に、イベントが送受信部13による通話着信信号の受信である場合、報知方法選択部24は、影響度を「C」であると判断する。通話着信信号からは、その信号に対する着呼によって開始される通話の内容を判断することができないからである。しかし、通話着信信号に影響度を示す信号が付加される場合、この限りでない。付加された影響度を示す信号に従って、影響度を判断する。
【0061】
第2に、イベントが留守番電話部21による録音である場合、報知方法選択部24は、留守番電話部21によって録音された音声を認識して、文章に変換し、変換された文章を形態素解析して記憶する。そして、形態素解析結果を用いて文章が示す内容を判断する。その文章の形態素解析結果に「地震予報」なる語句と、装置が位置する場所における第1の値以上の予想震度を示す文字が含まれている場合、影響度を「A」であると判断する。
【0062】
なお、報知方法選択部24は、文章を形態素解析することによって文章が示す内容を判断すると限るものではなく、更に、意味解析を行って判断しても良い。また、所定の文字列と一致する文字列の有無によって、語句が含まれているか否かを判断しても良い。
【0063】
また、その文章に、「地震予報」と、装置が位置する場所における第1の値以下、かつ、第1の値より小さい第2の値以上の予想震度が含まれている場合、報知方法選択部24は、影響度を「B」であると判断する。第2の値以下の予想震度が含まれている場合、及び予想震度が含まれていない場合、影響度を「C」であると判断する。ここで、装置が位置する場所は、測位部25による測位結果による。
【0064】
また、報知方法選択部24は、「地震予報」と、予想震度に加えて、または、それらに代えて、「台風予報」と、予想風速や、予想雨量を用いて、同様に判断する。また、「大雨予報」と、予想雨量を用いて、同様に判断する。
【0065】
更に、「津波予報」と、予想される津波の高さを用いて、同様に判断する。ただし、津波予報に関して、装置が位置する場所の高度を参照して判断する。高度が高い程、影響度は低い。または、装置が位置する場所の海からの距離を参照して判断する。海から遠い程、影響度は低い。装置が位置する場所の高度は、測位部25による測位によって判断する。このように複数の語句を用いて複数の判断をした場合、判断された影響度の中で、最も高い影響度を最終的な判断結果とする。
【0066】
影響度を判断するために用いられる「地震予報」などの語句、及び予想震度の閾値などは、事前に報知方法選択部24内に記憶され、変更がされないとしても良く、入力装置16の所定のキー操作によって報知方法選択部24内に追加記憶、更新記憶及び削除されるとしても良い。
【0067】
例えば、「火災」なる語句と、火災発生場所が記憶され、上記の説明に準じて、火災の大きさと、火災発生場所と装置の位置する場所との間の距離によって影響度が判断されても良い。「事故」と、事故発生場所や、「重大犯罪の被疑者の逃亡」と、犯罪の重大さ及びその被疑者が逃亡していると予想される場所、などについても同様に用いて影響度が判断されるとしても良い。
【0068】
ただし、影響度は、装置の周辺にいる人々に対する影響の程度であり、装置の使用者のみに対する影響の程度ではない。そこで、装置の使用者の個人的な関心に依存した語句は、用いられない。
【0069】
なお、留守番電話部21による録音に係わる通話の発信元番号がアドレス帳(図示せず)に記憶されていない場合、上記の文章に含まれる語句などに基づいた判断に係らず、影響度を「C」であると判断しても良い。また、その番号がアドレス帳に記憶され、かつ、その番号に関連付けられて、所定の情報(信頼に足ることを示す情報。)が記憶されていない場合、影響度を「C」であると判断しても良い。発信者の発話内容は事実であって信頼に足ると判断される、即ち、その発話は、引用や、冗談などではないと判断される場合に限って、影響度を「A」または「B」と判断することが適切だからである。
【0070】
第3に、イベントが電子メール送受信部22による受信メールの受信である場合、報知方法選択部24は、上記イベントが留守番電話部21による録音である場合と同様に判断する。なお、イベントが受信メールの受信である場合には、音声を認識する処理は不要であり、受信メールの件名及び本文によって判断する。また、通話の発信元番号に代えて、受信メールの送信元アドレスがアドレス帳に記憶されているか否か、また、そのアドレスに関連付けられて所定の情報が記憶されているか否かによって判断する。
【0071】
また、受信メールの着信信号に影響度を示す信号が付加される場合、報知方法選択部24は、付加された影響度を示す信号に従って、影響度を判断する。また、受信メールの着信信号、または、ヘッダにその受信メールの内容を示す情報が含まれている場合、報知方法選択部24は、着信信号またはヘッダに含まれる情報によって影響度を判断する。受信メールの文章を解析して内容を判断する必要はない。
【0072】
また、報知方法選択部24は、受信メールが基地局から一斉送信された電子メールである場合、その受信メールの送信元アドレスに係らず、その受信メールの内容は信頼に足ると判断する。更に、一斉送信された電子メールは、基地局の近くに位置する装置に有効な情報を送るための手段である。そして、装置は、受信メールを送信した基地局の近くに位置していると考えられるので、測位部25による測位結果を参照せずに影響度が高いと判断しても良い。
【0073】
しかし、装置は、その基地局から遠い位置にあることも皆無ではないので、報知方法選択部24は、測位部25による測位結果を参照して判断しても良く、また、基地局から送信された電波の受信品質によって、装置がその基地局の近くに位置しているか否かを判断しても良い。
【0074】
第4に、イベントが放送受信部23による緊急警報信号の受信である場合、報知方法選択部24は、上記イベントが受信メールの受信である場合と同様に判断する。なお、イベントが緊急警報信号の受信である場合、緊急警報信号の種類によって如何なる内容であるかが示されるので、報知方法選択部24は、文章の解析や、内容の判断を必要としない。また、緊急警報信号は信頼に足ると判断する。
【0075】
次に、報知方法選択部24は、上記イベントの緊急度を判断する(ステップS103)。ここで、緊急度は、そのイベントに伴われた情報によって、装置の使用者が緊急に対応する必要の高低を示す指標である。緊急度は、「a」(高い)、「b」(中程度)及び「c」(低い)の3つの値のいずれかであるが、これに限るものではない。2つの値のいずれかでも良く、4つ以上の値のいずれかでも良い。イベントの緊急度は、イベントによって以下に説明するように異なる基準で判断する。
【0076】
第1に、イベントが送受信部13による通話着信信号の受信である場合、報知方法選択部24は、緊急度を「c」であると判断する。通話着信信号からは、その信号に対する着呼によって開始される通話の内容を判断することができないからである。しかし、通話着信信号に緊急度を示す信号が付加される場合、この限りでない。付加された緊急度を示す信号に従って、緊急度を判断する。
【0077】
第2に、イベントが留守番電話部21による録音である場合、報知方法選択部24は、ステップS102の動作で記憶された、録音された音声の認識によって得られた文章を形態素解析結果を用いて、ステップS102の動作で説明したような、「地震予報」、「台風予報」、「大雨予報」または「津波予報」なる語句が含まれていない場合、緊急度は「c」であると判断する。
【0078】
記憶された文章の形態素解析結果にこれらの語句が含まれており、更に、地震、台風、大雨または津波が発生する予想時刻が含まれている場合、報知方法選択部24は、その予想時刻と現在の時刻との差の時間が第1の時間以下である場合、緊急度を「a」であると判断する。また、その差の時間が第1の時間以上、かつ、第1の時間より大きい第2の時間以下の場合、緊急度を「b」であると判断する。
【0079】
その差の時間が第2の時間以上の場合、緊急度を「c」であると判断する。上記予想時刻が含まれていない場合、報知方法選択部24は、緊急度を「c」であると判断する。また、現在から発生予想時刻との差の時間が含まれている場合、報知方法選択部24は、その差の時間によって上記と同様に判断する。
【0080】
以上の説明に用いた「地震予報」などの語句、及び予想時刻までの時間の閾値などは、事前に報知方法選択部24内に記憶され、変更がされないとしても良く、入力装置16の所定のキー操作によって報知方法選択部24内に追加記憶、更新記憶及び削除されるとしても良い。
【0081】
緊急度の判断に際し、報知方法選択部24は、「地震予報」などの、装置の使用者のみならず装置の周辺にいる人々への影響を示唆する語句に限らず、個人名、会社名などの、装置の使用者に固有の語句を用いて判断しても良い。これらの語句に対して、予想時刻は、その人の到着予定時刻、その会社における打ち合わせの開始時刻などであるが、これに限るものではない。予想時刻は記憶されず、報知方法選択部24は、記憶された個人名や、会社名と関連付けて緊急度を記憶し、記憶された緊急度によって緊急度を判断するとしても良い。
【0082】
なお、既にステップS102の動作で説明したように、報知方法選択部24は、留守番電話部21による録音に係わる通話の発信元番号がアドレス帳に記憶されていない場合、また、信頼に足ることを示す情報が併せて記憶されていない場合、緊急度を「c」であると判断しても良い。
【0083】
第3に、イベントが電子メール送受信部22による受信メールの受信である場合、報知方法選択部24は、上記イベントが留守番電話部21による録音である場合と同様に緊急度を判断する。しかし、ステップS102の動作で説明したように、音声を認識する処理は不要であり、受信メールの件名及び本文によって判断する。また、受信メールの送信元アドレスがアドレス帳に記憶されているか否か、また、そのアドレスに関連付けられて所定の情報が記憶されているか否かによって判断する。
【0084】
また、ステップS102の動作で説明した影響度の判断の動作を準用し、報知方法選択部24は、受信メールの着信信号に緊急度を示す信号が付加されている場合、その付加された緊急度を示す信号に従って、緊急度を判断する。また、受信メールの着信信号、または、ヘッダにその受信メールの内容を示す情報が含まれている場合、報知方法選択部24は、受信メールの文章を解析して内容を判断する必要はない。なお、受信メールが基地局から一斉送信された電子メールである場合、報知方法選択部24は、その受信メールについて、信頼に足ると判断する。
【0085】
第4に、イベントが放送受信部23による緊急警報信号の受信である場合、報知方法選択部24は、報知方法選択部24は、上記イベントが受信メールの受信である場合と同様に判断する。なお、イベントが緊急警報信号の受信である場合、ステップS102の動作で説明したように、報知方法選択部24は、文章の解析や、内容の判断を必要としない。また、緊急警報信号は信頼に足ると判断する。
【0086】
次に、報知方法選択部24は、ステップS102の動作で判断された影響度と、ステップS103の動作で判断された緊急度とから、報知方法を検索して、検索された報知方法に従って、情報が受信されたことを報知する(ステップS104)。即ち、影響度24bがステップS102の動作で判断された影響度と等しく、かつ、緊急度24cがステップS103の動作で判断された緊急度と等しいことを検索キーに、関連付けられた情報を緊急情報報知設定24aから検索する。
【0087】
この検索によって、報知方法選択部24は、スピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとを得る。そして、得られたスピーカからの報知音24dに従ってスピーカ26から報知音を発生させ、得られたバイブレータの振動24eに従ってバイブレータ27を振動させ、得られた通知ランプの点灯24fに従って通知ランプ28を点灯させる。
【0088】
ステップS104の動作による報知を開始すると、必ずしもその報知の終了を待つことなく、報知方法選択部24は、放送受信部23に放送を受信させるか否かの判断を行う(ステップS105)。即ち、受信された情報に係る詳細が放送されていると判断されると、放送受信部23に放送を受信させると判断し、その詳細が放送されていないと判断されると、受信させないと判断する。
【0089】
受信された情報に係る詳細が放送されていると判断されるのは、以下の場合である。第1に、イベントが放送受信部23による緊急警報信号の受信である場合である。この場合、当然、緊急事態、例えば、災害に関する情報が放送される。第2に、イベントが電子メール送受信部22による受信メールの受信であって、その受信メールが基地局から一斉送信された電子メールである場合である。この一斉送信された電子メールが送信されるのは、緊急警報信号が送信される場合に準じると考えられるからである。これらの場合、報知方法選択部24は、放送受信部23に放送を受信させると判断する。
【0090】
イベントが送受信部13による通話着信信号の受信である場合、留守番電話部21による録音である場合、及び、電子メール送受信部22による受信メールの受信であって、その受信メールが一斉送信された電子メールでない場合、受信された情報に係る詳細が放送されている可能性は必ずしも高くない。そこで、報知方法選択部24は、放送受信部23に放送を受信させないと判断する。しかし、これに限るものではなく、特に、ステップS102の動作で判断された影響度が高い場合、詳細が放送されている可能性があるので、報知方法選択部24は、放送受信部23に放送を受信させると判断しても良い。
【0091】
ステップS105の動作で、放送受信部23に放送を受信させないと判断された場合、報知方法選択部24は、報知動作を終了する(ステップS106)。なお、ステップS104で開始させた報知動作が終了していない場合、その終了を待って、報知方法選択部24は、報知動作を終了する。
【0092】
一方、ステップS105の動作で、放送受信部23に放送を受信させると判断された場合、報知方法選択部24は、放送受信部23に放送を受信させて、(ステップS107)、報知動作を終了する(ステップS106)。なお、ステップS104で開始させた報知動作が終了していない場合、その終了を待って、報知方法選択部24は、報知動作を終了しても良く、また、その報知動作を暫時続けた後に報知動作を終了しても良い。なぜなら、放送受信部23によって受信された放送の映像表示及び音声発生が報知動作を兼ねるからである。
【0093】
ステップS107の放送受信部23に放送を受信させる動作において、報知方法選択部24は、放送受信部23によって受信された緊急警報信号、または、電子メール送受信部22によって受信された基地局から一斉送信された電子メールにチャンネルを示す信号が含まれていれば、その信号に従って受信させるチャンネルを選択する。
【0094】
チャンネルを示す信号が含まれていない場合、報知方法選択部24は、既に述べた理由により、日本放送協会によって放送されているチャンネルを選択する。ここで、受信された映像を表示部15に表示させること、及び、受信された音声をスピーカ26から発生させることは、報知動作となる。
【0095】
そこで、報知方法選択部24は、受信された映像を表示部15に表示させる際の輝度を、ステップS104で検索された通知ランプの点灯24fに準じて決定する。また、受信された音声をスピーカ26から発生させる際の音量を、ステップS104で検索されたスピーカからの報知音24dに準じて決定する。
【0096】
即ち、通知ランプの点灯24fが「連続点灯」であり、高輝度の点灯であり、または、長時間に渡る点灯である場合、受信された映像を高輝度で表示させる。一方、通知ランプの点灯24fが「間欠点灯」であり、低輝度の点灯であり、または、短時間に渡る点灯である場合、受信された映像を低輝度で表示部15に表示させる。また、通知ランプの点灯24fが「※」である場合、報知方法選択部24内に記憶された低影響度かつ低緊急度の情報が受信されたことを報知する際の属性に準じて、高輝度または低輝度で表示させる。
【0097】
更に、スピーカからの報知音24dが「最大」であり、または、長時間に渡る報知音の発生である場合、受信された音声を比較的大きな音量で発生させる。また、スピーカからの報知音24dが「中」であり、または、短時間に渡る報知音の発生である場合、受信された音声を比較的小さい音量で発生させる。また、スピーカからの報知音24dが「※」である場合、報知方法選択部24内に記憶された低影響度かつ低緊急度の情報が受信されたことを報知する際の属性に準じて、大きい音量または小さい音量で発生させる。
【0098】
なお、受信された映像を表示部15に表示させる際の輝度と、受信された音声をスピーカ26から発生させる際の音量は、それぞれ、通知ランプの点灯24fと、スピーカからの報知音24dに準じるとしたが、これに限るものではない。例えば、影響度24b及び緊急度24cと関連付けられた輝度及び音量の設定が緊急情報報知設定24aに記憶されるとし、報知方法選択部24は、検索された設定に従うとしても良い。
【0099】
なお、イベントが送受信部13による通話着信信号の受信である場合、留守番電話部21による録音である場合、及び、電子メール送受信部22による受信メールの受信であって、その受信メールが一斉送信された電子メールでない場合、報知方法選択部24は、緊急情報報知設定24aに記憶された報知方法に係らず、受信された映像を低輝度で表示部15に表示し、また、受信された音声を小音量でスピーカ26から発生させても良い。
【0100】
なぜなら、緊急事態、例えば、災害に関する情報が放送されていない可能性があり、これらの表示及び音声が装置の使用者及び装置の周辺にいる人々に有益でない可能性があるからである。
【0101】
以上の説明では、報知方法選択部24は、送受信部13による通話着信信号の受信、留守番電話部21による録音、電子メール送受信部22による受信メールの受信、及び、放送受信部23による緊急警報信号の受信、の際に制御部11からの指示によって報知動作を行うとしたが、これに限るものではない。
【0102】
例えば、報知方法選択部24は、放送受信部23によって受信された放送の内容、即ち、その文字、音声、映像から影響度及び緊急度を判断して、判断された影響度及び緊急度に応じた報知動作を行っても良い。映像から影響度及び緊急度を判断するには、例えば、映像に含まれる文字の認識結果による。また、映像と、例えば地震などの被害を撮影した映像との類似度の算出による。なお、受信された放送の内容は、必ずしも表示部15に表示され、スピーカ26から音声が発生されていると限るものではない。
【0103】
ただし、テレビ放送される内容は、例えば、ドラマなどの架空のものである可能性がある。そこで、報知方法選択部24は、放送受信部23によって受信された放送に、その放送が地震などの災害の予想などの番組である旨の信号、例えば、文字が付加されている場合、放送受信部23によって受信された放送の内容による報知動作を行っても良い。
【0104】
また、ステップS107の動作によって放送受信部23を動作させた後に限って、放送受信部23によって受信された放送の内容による報知動作を行っても良い。この動作によれば、ステップS104の動作での影響度及び緊急度の判断に比較して、より適切な判断が可能になる。なぜなら、緊急警報放送に含まれる情報に比較して、放送の内容は、はるかに多くの情報を含むからである。
【0105】
また、受信された放送の映像が表示部15に表示され、または、その放送の音声がスピーカ26から発生されている場合、報知方法選択部24は、放送受信部23によって受信された放送の内容から判断された影響度及び緊急度に応じた報知方法に比較して、その表示の輝度や、その音声の音量が充分でない、即ち、気が付き難いと判断される場合に限って報知動作を行っても良い。
【0106】
以上の説明は、緊急情報報知設定24aのスピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとに記憶される属性は、入力装置16の所定のキー操作によって設定されるとしたが、これに限るものではない。「C」である影響度24b及び「c」である緊急度24cと関連付けられた属性以外の属性の一部または全部は、事前に設定され、その設定は、入力装置16のキー操作によって変更されないとしても良い。
【0107】
例えば、「A」である影響度24b及び「a」である緊急度24cと関連付けて記憶されるスピーカからの報知音24dは、事前に「最大」が記憶され、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。また、そのスピーカからの報知音24dは、所定の報知音が記憶されたファイルのファイル名であり、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。
【0108】
更には、1つまたは複数の所定の影響度24b及び緊急度24cの組み合わせと関連付けて記憶されるスピーカからの報知音24d、バイブレータの振動24e及び通知ランプの点灯24fの1つまたは複数に記憶される属性は、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。また、それらの属性は、上記の影響度24b及び緊急度24cの組み合わせ以外と関連付けて記憶されることはないとしても良い。
【0109】
例えば、「A」である影響度24b及び「a」である緊急度24cと関連付けて記憶されるスピーカからの報知音24dは、例えば、「最大」と、サイレン音が記憶されたファイルのファイル名であり、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。また、そのファイル名は、上記「A」である影響度24b及び「a」である緊急度24cと関連付けられたスピーカからの報知音24d以外の属性としては入力装置16のキー操作によって記憶させることができないとしても良い。
【0110】
以上の説明は、情報が受信されたことを、受信された情報の影響度及び緊急度に依存して、緊急情報報知設定24aのスピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとに記憶された属性のいずれかに従って報知し、更には、放送受信部23による放送受信動作により行うとしたが、これに限るものではない。
【0111】
例えば、報知方法選択部24は、これらの報知動作に加えて、表示部15に表示させることによって報知しても良い。即ち、留守番電話部21によって受話音声が録音されていることをカセットテープ状の図形の表示により報知し、電子メール送受信部22によって受信メールが受信されていることを封筒状の図形の表示により報知する。この表示は、表示部15の、例えば上部に設けられたピクト欄に表示されても良い。
【0112】
そして、これらの図形の表示属性、例えば、形状の変化、図形の色、図形の背景色、図形の大きさ、図形の点滅の有無、図形の点滅周期などは、影響度24b及び/または緊急度24cの程度が高い程、気が付き易いように、例えば、大きく、目立つ色で、点滅して表示される。これらの図形の表示属性は、緊急情報報知設定24aに記憶されるとし、報知方法選択部24は、判断された影響度及び/または緊急度を検索キーに緊急情報報知設定24aを検索して、検索された属性によって報知する。
【0113】
これらの図形の表示属性は、緊急情報報知設定24aのスピーカからの報知音24dと、バイブレータの振動24eと、通知ランプの点灯24fとに記憶される属性と同様に、入力装置16の所定のキー操作によって設定されるとし、または、変更ができないとする。
【0114】
更に、ある図形の表示属性は、1つまたは複数の所定の影響度24b及び緊急度24cの組み合わせと関連付けて記憶され、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。また、その図形の表示属性は、上記の影響度24b及び緊急度24cの組み合わせ以外と関連付けて記憶されることはないとしても良い。
【0115】
例えば、「A」である影響度24b及び「a」である緊急度24cと関連付けて記憶される図形の表示属性は、入力装置16のキー操作によって更新記憶させることができないとしても良い。また、その属性は、「A」である影響度24b及び「a」である緊急度24cと関連付けられた属性以外の属性としては入力装置16のキー操作によって設定ができないとしても良い。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信端末装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係る緊急情報報知設定の構成の一例を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る報知方法選択部の報知方法選択動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0117】
11 制御部
13 送受信部
15 表示部
16 入力装置
21 留守番電話部
22 電子メール送受信部
23 放送受信部
24 報知方法選択部
24a 緊急情報報知設定
24b 影響度
24c 緊急度
24d スピーカからの報知音
24e バイブレータの振動
24f 通知ランプの点灯
25 測位部
26 スピーカ
27 バイブレータ
28 通知ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された情報の装置の周辺にいる人々に対する影響の程度である影響指標を判断し、その受信された情報の装置の使用者に対する緊急の程度である緊急指標を判断する指標判断手段と、
前記指標判断手段によって判断された影響指標と、前記指標判断手段によって判断された緊急指標とに依存して第1の報知手段を動作させ、また、前記指標判断手段によって判断された緊急指標に依存して第2の報知手段を動作させる報知制御手段とを有する
ことを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
前記第1の報知手段は、音声の発生により報知を行い、
前記第2の報知手段は、振動の発生により報知を行い、
前記報知制御手段は、前記影響指標が第1の影響レベル以下であり、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベル以下である場合、前記第1の報知手段を第1の音量で動作させ、前記影響指標が前記第1の影響レベルを超え、かつ、前記緊急指標が前記第1の緊急レベルを超える場合、前記第1の報知手段を前記第1の音量を超える第2の音量で動作させ、
前記報知制御手段は、前記緊急指標が第2の緊急レベル以下である場合、前記第2の報知手段を第1の振動量で動作させ、前記緊急指標が前記第2の緊急レベルを超える場合、前記第2の報知手段を前記第1の振動量を超える第2の振動量で動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項3】
前記第1の報知手段は、音声の発生により報知を行い、
前記第2の報知手段は、振動の発生により報知を行い、
前記報知制御手段は、前記影響指標が第1の影響レベル以下であり、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベル以下である場合、前記第1の報知手段を第1の音声発生時間に渡って動作させ、前記影響指標が前記第1の影響レベルを超え、かつ、前記緊急指標が前記第1の緊急レベルを超える場合、前記第1の報知手段を前記第1の音声発生時間を超える第2の音声発生時間に渡って動作させ、
前記報知制御手段は、前記緊急指標が第2の緊急レベル以下である場合、前記前記第2の報知手段を第1の振動量で動作させ、前記緊急指標が前記第2の緊急レベルを超える場合、前記第2の報知手段を前記第1の振動量を超える第2の振動量で動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項4】
前記第1の報知手段は、音声の発生により報知を行い、
前記第2の報知手段は、振動の発生により報知を行い、
前記報知制御手段は、前記影響指標が第1の影響レベル以下であり、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベル以下である場合、前記第1の報知手段を第1の音量で動作させ、前記影響指標が前記第1の影響レベルを超え、かつ、前記緊急指標が前記第1の緊急レベルを超える場合、前記第1の報知手段を前記第1の音量を超える第2の音量で動作させ、
前記報知制御手段は、前記緊急指標が第2の緊急レベル以下である場合、前記前記第2の報知手段を第1の振動時間に渡って動作させ、前記緊急指標が前記第2の緊急レベルを超える場合、前記第2の報知手段を前記第1の振動時間を超える第2の振動時間に渡って動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項5】
前記第1の報知手段は、音声の発生により報知を行い、
前記第2の報知手段は、振動の発生により報知を行い、
前記報知制御手段は、前記影響指標が第1の影響レベル以下であり、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベル以下である場合、前記第1の報知手段を第1の音声発生時間に渡って動作させ、前記影響指標が前記第1の影響レベルを超え、かつ、前記緊急指標が前記第1の緊急レベルを超える場合、前記第1の報知手段を前記第1の音声発生時間を超える第2の音声発生時間に渡って動作させ、
前記報知制御手段は、前記緊急指標が第2の緊急レベル以下である場合、前記前記第2の報知手段を第1の振動時間に渡って動作させ、前記緊急指標が前記第2の緊急レベルを超える場合、前記第2の報知手段を前記第1の振動時間を超える第2の振動時間に渡って動作させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項6】
前記報知制御手段は、前記影響指標が第1の影響レベル以下であり、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベル以下である場合、前記第1の報知手段を動作させず、前記影響指標が第1の影響レベルを超え、かつ、前記緊急指標が第1の緊急レベルを超える場合、前記第1の報知手段を動作させる
ことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報受信装置。
【請求項7】
放送受信手段を更に有し、
前記第1の報知手段は、前記放送受信手段によって受信された放送の音声を発生させて報知を行い、
前記第2の報知手段は、前記放送受信手段によって受信された放送の映像を表示させて報知を行う
ことを特徴とする請求項1項に記載の情報受信装置。
【請求項8】
電子メール受信手段を更に有し、
前記受信された情報は、前記電子メール受信手段によって受信された情報であり、
前記指標判断手段は、前記受信された情報に第1種の語句が含まれている場合の影響指標は、前記受信された情報に前記第1種の語句が含まれていない場合の影響指標を超えると判断し、前記受信された情報に第2種の語句が含まれている場合の緊急指標は、前記受信された情報に前記第2種の語句が含まれていない場合の緊急指標を超えると判断する
ことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報受信装置。
【請求項9】
前記指標判断手段は、受信された情報に影響指標が高い旨の信号が含まれている場合の影響指標は、その受信された情報に前記影響指標が高い旨の信号が含まれていない場合の影響指標を超えると判断し、受信された情報に緊急指標が高い旨の信号が含まれている場合の緊急指標は、その受信された情報に前記緊急指標が高い旨の信号が含まれていない場合の緊急指標を超えると判断する
ことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報受信装置。
【請求項10】
放送受信手段を更に有し、
前記受信された情報は、前記放送受信手段によって受信された緊急警報信号である
ことを特徴とする請求項9に記載の情報受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−65389(P2009−65389A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230751(P2007−230751)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】