説明

感光性樹脂組成物、それを用いた硬化レリーフパターンの製造方法及び半導体装置

【課題】本発明は、半導体フォトレジスト並みのリソグラフィー性能を有し、低温キュアで耐熱性に優れた硬化レリーフパターンを形成することができる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いる硬化レリーフパターンの製造方法、および該製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置を提供する。
【解決手段】特定の構造を含有するポリアミド樹脂、感光剤、スルホン酸エステル基を2つ以上有する化合物を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いる硬化レリーフパターンの製造方法、および該製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、表示デバイス用の層間絶縁膜として使用されるポジ型高耐熱性感光性樹脂組成物、該ポジ型高耐熱性感光性樹脂組成物を用いた耐熱性を有する硬化レリーフパターンの製造方法及びレリーフパターンを含有する半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜には、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂は、現在は一般に感光性ポリイミド前駆体組成物の形で供され、塗布、活性光線によるパターニング、現像、熱イミド化処理等を施すことによって、半導体装置上に表面保護膜、層間絶縁膜等を容易に形成させることが出来、従来の非感光性ポリイミド前駆体組成物に比べて大幅な工程短縮が可能となるという特徴を有している。
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN-メチル-2-ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の
高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
【0003】
中でも、アルカリ性水溶液可溶性のヒドロキシポリアミド、例えばポリベンズオキサゾール(以下、PBOともいう)前駆体を、感光性ジアゾキノン化合物などの光活性成分と混合したPBO前駆体組成物をポジ型感光性樹脂組成物として用いる方法が、近年注目されている。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの形成が可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
他方、感光性と未露光部の不溶性の機能を分離する技術として、半導体フォトレジストの分野では露光で触媒量の酸を発生させ、引き続く加熱プロセスにより組成物中のアルカリ不溶の基を露光で発生した酸を触媒とする化学反応でアルカリ可溶の基に変換する化学増幅型の感光性組成物が数多く適用されている。本技術分野に於いても、化学増幅型の感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかし、近年の半導体技術の発展に伴い、より微細なパターンの形成及びパターン形成後の硬膜温度(キュア温度)を下げる要求がある。
特にキュア温度を下げた場合、熱ベンゾオキサゾール環化が進行しにくくなることが知られている。この問題に関しては、例えばスルホン酸、スルホン酸エステル化合物等を添加することにより改善されることが既に報告されている(特許文献3、4)。しかし、これら化合物においても十分でないことがわかった。
すなわち、優れたリソグラフィー性能(残膜率、解像性能)を有し、250℃以下の低温で硬化し、耐熱性を示す材料は未だ見いだされていない。
【特許文献1】特開昭56−27140号公報
【特許文献2】特表2002−526793号公報
【特許文献3】特開2006−010781号公報
【特許文献4】特開2006−126809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体フォトレジスト並みのリソグラフィー性能を有し、低温キュアで耐熱性に優れた硬化レリーフパターンを形成することができる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いる硬化レリーフパターンの製造方法、および該製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、特定の構造を有するポリアミド樹脂と感光剤に加え、特定の構造を有するスルホン酸エステル化合物を含有する感光性樹脂組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明の課題は以下によって達成された。
【0008】
〔1〕(A)一般式(1)で表される構造を含有するポリアミド樹脂
(B)感光剤
(C)一般式(2)で表されるスルホン酸エステル
を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【0009】
【化1】

【0010】
(式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基を表し、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基を表す。
G及びRは、独立に、水素原子または炭素数1から20までの有機基のいずれかを示す。mは0から2までの整数を示す。p及びqは、独立に、0から4までの整数を示す。ただしp+q>0である。)
【0011】
【化2】

【0012】
Aは、h価の連結基を表す。
0は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、または環状アルキル基を表す。
0’は、水素原子、アルキル基、またはアラルキル基を表す。
hは、2〜8を表す。
【0013】
〔2〕前記ポリアミド樹脂が、下記一般式(3)で表される構造を含有することを特徴と
する上記〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
【0014】
【化3】

【0015】
式中、Arは4価の芳香族基および4価のヘテロ環基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表し、Gは一般式(1)記載の定義に同じである。
【0016】
〔3〕前記ポリアミド樹脂が、さらに下記一般式(4)で表される構造を含有することを特徴とする上記〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
【0017】
【化4】

【0018】
式中、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂環基、および珪素を含んでいても良い2価の脂肪族基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表す。
【0019】
〔4〕上記〔2〕の一般式(3)における、Gで表される保護基が、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基であること特徴とする、上記〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
【0020】
〔5〕更に(D)アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を含有する化合物を含有することを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【0021】
〔6〕更に(E)密着促進剤を含むことを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【0022】
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を半導体基板上に形成し、マスクを介して光線、電子線、イオン線で露光し、露光部を水性アルカリ現像液で除去し、得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
〔8〕上記〔7〕に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置。
【発明の効果】
【0023】
優れたリソグラフィー性能を有し、低温キュアで耐熱性に優れた硬化レリーフパターンを形成することができる感光性樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で表される構造を有するポリアミド樹脂、(B)感光剤、(C)下記一般式(2)表されるスルホン酸エステルを含有する。
【0025】
(1)ポリアミド樹脂
本発明のポリアミド樹脂は下記一般式(1)で表される構造を有する。
【0026】
【化5】

【0027】
式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基を表し、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基を表す。
G及びRは、独立に、水素原子または炭素数1から20までの有機基のいずれかを示す。mは0から2までの整数を示す。p及びqは、独立に、0から4までの整数を示す。ただしp+q>0である。
【0028】
本発明のポリアミド樹脂としては特に下記一般式(3)および一般式(4)で表される構造を含有するポリアミド樹脂が好ましい。
【0029】
【化6】

【0030】
式中、Arは4価の芳香族基および4価のヘテロ環基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂環基、および珪素を含んでいても良い2価の脂肪族基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表し、Gは一般式(1)の定義に同じである。上記において、樹脂1分子中に含まれる一般式(3)で表される構造は5〜1000個であり、樹脂1分子中に含まれる一般式(4)で表される構造は0〜900である。
【0031】
一般式(1)で表される構造を有する樹脂は、一般的に10〜1000の重合度を有し、例えば、下記モノマー(A)、(B)、(C)を、塩基もしくは脱水縮合剤の存在下で反応させることにより合成することができる。
【0032】
【化7】

【0033】
式中、Ar1、Ar2、およびAr3はすでに定義した通りであり、Wは、−Cl、−OR、または−OHであり、ここでRはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、またはアリール基(好ましくは炭素数6〜10)を表し、例えば、−CH3、−C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、シクロヘキシル、フェニル、p−クロロフェニル、p−ニトロフェニルなどである。
【0034】
[(A)+(B)]/(C)の比は一般に約0.9〜1.1の間にある。モノマー(A)は[(A)+(B)]の約10〜100モル%であり、モノマー(B)は[(A)+(B)]の約0〜90モル%である。
【0035】
(A)Ar(NH(OH)の構造を有するビスアミノフェノールとしては、例えば、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、3,3’-ジアミノ4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジアミノ4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノ3,3’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス-(3-アミノ4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス-(3-アミノ4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(3-アミノ4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-(4-アミノ3-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス-(4-アミノ3-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス-(4-アミノ3-ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’-ジアミノ3,3’-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノ4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4-ジアミノ2,5-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジアミノ2,4-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジアミノ4,6-ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。これらのビスアミノフェノールは単独あるいは混合して使用してもよい。
【0036】
これらの(A)の構造を有するビスアミノフェノールのうち特に好ましいものは、Arが下記から選ばれる芳香族基の場合である。
【0037】
【化8】

【0038】
式中、X1は−O−、−S−、−C(CF3)2−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−
を表す。また、上記構造において、(A)の構造中に含まれる−OHと−NHとは互いにオルト位(隣接位)に結合する。
【0039】
(B)Ar(NHの構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、シリコンジアミンなどが挙げられる。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-
ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジアミノジフェニルケトン、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-1-ペンテン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-2-ペンテン、1,4-ビス(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)ベンゼン、イミノ-ジ-p-フェニレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)ペンタン、5(または6)-アミノ1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、ビス(p-アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、4,4’-ジアミノジフェニル尿素、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[4-(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(α,α―ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’-ジメトキシ4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、o-トルイジンスルホン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-ジ-(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
【0040】
また、基材との接着性を高めるためにシリコンジアミンを選択することができ、この例としては、ビス(4-アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(4-アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ
―アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4-ビス(γ―アミノプロピルジメ
チルシリル)ベンゼン、ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ
―アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
シリコンジアミンとして、下記構造も挙げることができる。
【0041】
【化9】

【0042】
上記において、RおよびRは2価の有機基を表し、RおよびRは1価の有機基を表す。RおよびRで表される2価の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、炭素数6〜20のフェニレン基、炭素数3〜20の2価の脂環基、またはこれらを組み合わせて構成される基を表す。RおよびRで表される1価の有機基としては、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐のアルキル基もしくは炭素数6〜20のアリール基を表す。
より具体的には、下記を挙げることができる。
【0043】
【化10】

【0044】
更に脂環基としては、炭素数3〜20の脂環基が好ましく。特に好ましい脂環基としては下記構造が挙げられる。
【0045】
【化11】

【0046】
(C)の構造を有する化合物としては、Arが下記から選ばれた芳香族基、ヘテロ環基、または脂肪族基である化合物が挙げられる。
芳香族基およびヘテロ環基の例としては、下記が挙げられる。
【0047】
【化12】

【0048】
(式中、Aは-CH-、-O-、-S-、-SO-、-CO-、-NHCO-、-C(CF-からなる群から選択される2価の基を意味する。)
【0049】
脂肪族基としては、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の2価の構造が挙げられる。特に好ましくは、炭素数3〜15の環状の脂肪族基として下記構造が挙げられる。
【0050】
【化13】

【0051】
Arで表される基は、置換基として−COORを有することも好ましく、Rは水素原子または炭素数1から20までの有機基を表す。
【0052】
また、保存性という観点から、上記樹脂のカルボキシル基やアミノ基末端を封止することが好ましい。
例えば以下のような一般式の構造を挙げることができる。
【0053】
【化14】

【0054】
一般式(4)の末端基導入は、末端のアミノ基と酸無水物や酸クロリドと反応させることにより容易に導入することができる。Z1はカルボニル基又はスルホニル基を介して結合する1価の有機基を表し、Z1で表される有機基には、カルボキシル基、エステル基、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有することが好ましい。キュア加熱時に重合点になるような末端基であると、キュア膜物性を向上させて特に好ましい。
は一価の有機基であり、好ましくは置換基を有して良いアリール基である。置換基としては、カルボキシル基、エステル基、アルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有することが好ましい。キュア加熱時に重合点になるような末端基であると、キュア膜物性を向上させて特に好ましい。
【0055】
具体的には、一般式(1)で示される構造や一般式(3)で示される構造を有する基本となるポリアミド樹脂(Z1を含まない)を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基を、カルボニル基又はスルホニル基を介して結合する、酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。Z1で表される基の好ましい具体例として、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
【化15】

【0057】
【化16】

【0058】
【化17】

【0059】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記より選ばれるものが挙げられ、これらは2種以上用いても良い。
【0060】
【化18】

【0061】
また、樹脂とアミド結合する結合炭素の隣接炭素原子上に−COOH基がある場合、イミド化させることも可能である。本発明の末端基としてはその様なものも好ましい。
イミド化した末端基の構造としては以下の様なものを挙げることができる。
【0062】
【化19】

【0063】
次に一般式(5)の末端基を有する樹脂の合成に際しては、上記(A)〜(C)のモノマーに単官能のアミン(Z−NH)を加えて反応させることにより合成することができる。
好ましい末端基としては以下のような構造を挙げることができる。
【0064】
【化20】

【0065】
上記樹脂の水酸基を保護する基Gとしては、水酸基を保護できる有機基であれば特に限定されず、酸の作用により脱離する基であっても、酸の作用により脱離しない基であってもよい。
保護する反応としては、例えば、ヒドロキシル基を有する樹脂を塩基性条件下、アルキルハライドやアシルハライドとの反応によるエーテル化、エステル化により、エーテル結合もしくはエステル結合を形成する反応が適用できる。
【0066】
保護基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ベンジル)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイル、ベンゾイル)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブ
トキシカルボニル)、および炭素数1〜10のカルバモイル基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、モルホリン−4−イルカルボニル)が挙げられる。
【0067】
特に好ましい基としては、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、および置換カルバモイル基を挙げることができる。ここで示すアルキル基とは置換基を有していても良い炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐、環状のアルキルである。
好ましい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基を挙げることができる。また、カルボニル基もしくはスルホニル基に近い炭素の置換基、もしくはアルキル基の炭素数により、熱安定性を調整することができる。
【0068】
特に好ましいアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ヘキサデカニルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等を挙げることができる。
特に好ましいアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ヘキサデカニルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基等を挙げることができる。
【0069】
置換カルバモイル基は、−CO−NH−Rまたは−CO−N(−R)で表され、Rは脂肪族基、置換脂肪族基、芳香族基、複素芳香族基、置換芳香族基または置換複素芳香族基である。 特に好ましいのは、−CO−N(−R)である。ここで、脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜15であることがさらに好ましく、1〜10であることがさらにまた好ましく、1〜6であることが最も好ましい。脂肪族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、炭素数1〜4の脂肪族基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜12シクロアルキル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基である。芳香族炭化水素基の炭素原子数は6〜18が好ましい。芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、置換芳香族基、置換複素芳香族基の置換基と同様である。複素環基は、5員または6員の複素環を有することが好ましい。複素環に、他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。複素環の複素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子であることが好ましい。複素環基は置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例は、置換芳香族基、置換複素芳香族基の置換基の例と同様である。好ましい置換カルバモイル基としては、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−ジプロピルカルバモイル基、N,N−ジブチルルカルバモイル基、N,N−ジフェニルカルバモイル基を挙げることが出来るがこれに限定されるものではない。
【0070】
保護基としては、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基(水酸基やカルボキシル基)を生じる基(酸分解性基)、または酸の作用により離脱して樹脂側に水酸基を生ずる基が、さらに好ましい。
【0071】
好ましい酸分解性基としては、下記式で表されるアセタール型基及びエステル型基が挙げられる。
【0072】
【化21】

【0073】
上記アセタール型基において、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。Wは、直鎖、分岐あるいは環状の炭素数1〜10までのアルキル基を表す。nは1〜4の整数を表す。上記アセタール型基において、Wが直鎖、分岐あるいは環状の炭素数1〜6のアルキル基であり、nが1または2である基であることが好ましい。
【0074】
アセタール型基としては、例えば次の構造を有するものが挙げられる。
【0075】
【化22】

【0076】
式中、R'、R''及びR'''は、各々独立に炭素数5以下のアルキル基を表し、Xは炭素数3以上(好ましくは20以下)の2価のアルキレン基(側鎖を有していても良い)を表す。
アセタール型基の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、アルコキシ置換テトラヒドロピラニル基、アルコキシ置換テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
【0077】
上記エステル型基において、Rは独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、kは0〜4の整数を表し、Rは分岐あるいは環状の3級アルキル基を表す。上記エステル型基において、kが0または1である基であることが好ましい。Rの好ましい炭素数の範囲は4〜15であり、更に好ましくは4〜13である。Rの具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基を挙げることができる。
【0078】
酸の作用により脱離する基としては、さらにアルキルシリル基(好ましい炭素数1〜20、メチルシリル基、エチルシリル基等)を挙げることができる。
【0079】
本発明の樹脂は、Gを有さない未保護の樹脂のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の2.38質量%水溶液(23℃)に対する溶解速度が0.1μm/秒以上の樹脂を保護したものが好ましい。また、保護した後の樹脂の2.38質量%TMAH水溶液に対する溶解速度が0.04μm/秒以下になるように調整することが好ましい。
具体的な保護率としては、樹脂中の全水酸基の0.5モル%以上50モル%以下を保護することが好ましい。更に、好ましくは1モル%以上40モル%以下。特に好ましくは3モル%以上30モル%以下である。保護率が高すぎると基板との密着性が低下する、キュア時の膜の質量減少が増加するなどの問題があり好ましくない。
【0080】
(B)感光剤
本発明の感光剤は、露光により画像を形成する機能を感光剤に付与するかつ/またはそのきっかけを与える化合物を指す。具体的には露光による酸を発生する化合物(光酸発生剤)や感光性のキノンジアジド化合物、ジヒドロピリジン化合物を挙げることができる。これら感光剤は2種以上を併用して用いることもできる。また、感度調整のために、増感剤などを併用して用いることもできる。好ましい感光剤は、光酸発生剤と感光性ナフトキノンジアジドである。
【0081】
(B1)キノンジアジド感光剤
o−キノンジアジド感光剤は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
【0082】
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できるが、感度の点ではナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドの使用が好ましい。
【0083】
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
【0084】
アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが使用できる。
【0085】
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、1/1〜1/0.9の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜24時間とされる。
【0086】
反応溶媒としては、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチル
アミノピリジンなどが挙げられる。
【0087】
本発明の感光性樹脂組成物において、キノンジアジド感光剤の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、樹脂の総量100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、8〜20質量部がより好ましい。
キノンジアジド感光剤以外の感光剤の配合量は、樹脂の総量100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
【0088】
キノンジアジド感光剤としては、例えば、以下の構造を有する化合物を挙げることができる。
【0089】
【化23】

【0090】
【化24】

【0091】
【化25】

【0092】
【化26】

【0093】
【化27】

【0094】
(式中、Dは、独立して、Hまたは以下の基のいずれかである。)
【0095】
【化28】

【0096】
ただし、各々の化合物において少なくとも1つのDが、上記のキノンジアジド基であればよい。
キノンジアジド感光剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法にて合成してもよい。
【0097】
(B2)光酸発生剤
光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0098】
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
【0099】
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物を樹脂の主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0100】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光によ
り酸を発生する化合物も使用することができる。
【0101】
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
【0102】
【化29】

【0103】
一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオ
ン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4-、PF6-、SbF6-などが挙げられ、好ましくは炭素原子を有する有機アニオンである。
【0104】
好ましい有機アニオンとしては、下記一般式に示す有機アニオンが挙げられる。
【0105】
【化30】

【0106】
上記一般式に於いて、
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換して
いてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基としては、Rc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、好ましくは、炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1及びRc3〜Rc5の有機基として、好ましくは1位がフッ素原子またはフロロア
ルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。また、Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
【0107】
一般式(ZI)に於いて、
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
【0108】
更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
【0109】
【化31】

【0110】
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
207a及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電
子吸引性基を表す。R207aとして好ましくは、アリール基である。R208として好ましく
は、電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
【0111】
本発明の感光性樹脂組成物において、光酸発生剤の配合量は、樹脂の総量100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
【0112】
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
【0113】
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の中でも、好ましいものの例としてオキシムスルホネート(ZVI)を挙げることができる。
好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、
【0114】
【化32】

【0115】
特定の置換基を有するトリアリールスルホニウム塩も好ましい例としてあげることができる。さらに増感剤を併用することが特に好ましい。
このような化合物は必要に応じて2種類以上併用して使用することができる。
【0116】
特定の置換基としては、トリアリールスルホニウム塩のアリール基の少なくとも一つが電子吸引性基を置換基として有することが好ましく、更に、アリール骨格に結合する置換基のハメット値の総和が0.18より大きいことが好ましい。
【0117】
ここで、電子吸引性基とは、ハメット値(Hammet置換基定数σ)が0より大きい置換基を意味する。本発明においては、高感度化の観点から、特定光酸発生剤中のアリール骨格に結合する置換基のハメット値の総和が0.18以上であることが好ましく、0.46より大きいことがより好ましく、0.60より大きいことが更に好ましい。
また、ハメット値は、トリアリールスルホニウム塩構造を有するカチオンの電子吸引性の程度を表すものであり、高感度化の観点からは特に上限値はないが、反応性と安定性との観点からは、0.46を超え4.0未満であることが好ましく、より好ましくは0.50を超え、3.5未満であり、特に好ましくは0.60を超え3.0未満の範囲である。
【0118】
なお、本発明におけるハメット値は、稲本直樹 編、化学セミナー10 ハメット則−構造と反応性−(1983年、丸善(株)発行)に記載の数値を用いている。
アリール骨格に導入する電子吸引性基としては、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、エステル基、スルホキシド基、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基等
が挙げられる。これらの置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF3、m:0.43、p:0.54)、ハロゲン原子〔例えば、−F(m:0.34、p:0.06)、−Cl(m:0.37、p:0.23)、−Br(m:0.39、p:0.23)、−I(m:0.35、p:0.18)〕、エステル基(例えば、−COCH3、o:0.37、p:0.45)、スルホキシド基(例えば、−SOCH3、m:0.5
2、p:0.45)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、アミド基(例えば、−NHCOCH3、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.37、p:0.45)、カルボニル基(−CHO、m:0.36、p:(043))等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。
【0119】
これらの置換基のなかでも、疎水性の観点から、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等の非イオン性の置換基が好ましく、なかでも、反応性の観点から−Clが好ましく、疎水性を与えるという観点からは、−F、−CF3、−Cl、−Brが好ましい。
【0120】
これらの置換基は、トリアリールスルホニウム塩構造の3つのアリール骨格のいずれか一つに導入されていてもよく、2以上のアリール骨格に導入されていてもよい。また、3つのアリール骨格のそれぞれに導入される置換基は、1つでも複数でもよい。本発明においては、これらのアリール骨格に導入された置換基のハメット値の総和が0.18を超えるものが好ましく、0.46を越えるものがより好ましい。導入される置換基の数は、任意である。例えば、トリアリールスルホニウム塩構造のアリール骨格のうち1ヶ所に特にハメット値の大きい(例えば、ハメット値が単独で0.46を超える)置換基を1つだけ導入していてもよい。また、例えば、複数の置換基が導入されそれぞれのハメット値の合計が0.46を超えるものを導入してもよい。
【0121】
上記のように、置換基のハメット値は導入される位置によって異なるため、本発明に係る特定光酸発生剤におけるハメット値の総和は、置換基の種類、導入位置、導入数により確定されることになる。
なお、ハメット側は、通常、m位、p位で表されるが、本発明においては、電子吸引性の指標として、o位での置換基効果はp位と同値として計算する。好ましい置換位置としては、合成上の観点からm位、p位が好ましく、p位が最も好ましい。
本発明において好ましいのは、ハロゲン原子により3置換以上されているスルホニウム塩であり、最も好ましいのは、クロロ基により3置換されているスルホニウム塩であり、具体的には、3つのアリール骨格のそれぞれにハロゲン原子、最も好ましくは、−Clが導入されたトリアリールスルホニウム塩構造を有するものが好ましく、−Clがp位に置換されているものがより好ましい。
【0122】
本発明の組成物が含有するトリアリールスルホニウム塩が有するスルホン酸アニオンとしては、例えば、アリールスルホン酸アニオン、アルカンスルホン酸アニオンなどが挙げられ、フッ素原子又はフッ素原子を有する有機基で置換されているアニオンが好ましい。
【0123】
トリアリールスルホニウム塩構造を有する化合物は、例えば、J.Am.Chem.Soc.第112巻(16)、1990年;pp.6004−6015、J.Org.Chem.1988年;pp.5571−5573、WO02/081439A1パンフレット、或いは欧州特許(EP)第1113005号明細書等に記載の方法により容易に合成することが可能である。
【0124】
以下に具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
【化33】

【0126】
【化34】

【0127】
(B3)増感剤
本発明の組成物には、活性光線または放射線を吸収して上記スルホニウム塩の分解を促進させるために増感剤を添加してもよい。増感剤は、活性光線または放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、スルホニウムと接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより重合開始剤は化学変化を起こして分解し、ラジカル、酸或いは塩基を生成する。
好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、
クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン)。
【0128】
より好ましい増感剤の例としては、下記式(IX)〜(XIV)で表される化合物が挙げら
れる。
【0129】
【化35】

【0130】
式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を
表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
【0131】
【化36】

【0132】
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合
を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に
示したものと同義である。
【0133】
【化37】

【0134】
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同
して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
【0135】
【化38】

【0136】
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、
62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同してして色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
【0137】
【化39】

【0138】
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素
原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
【0139】
【化40】

【0140】
式(XIV)中、R68、及びR69それぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す
。R70、及び、R71は、それぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表しnは0〜4の整数を表す。nが2以上のときR70、R71はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
【0141】
増感剤として、特にアントラセン誘導体が好ましい。
【0142】
式(IX)〜(XIV)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(C−1
)〜(C−26)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0143】
【化41】

【0144】
【化42】

【0145】
【化43】

【0146】
【化44】

【0147】
上述のような増感剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の合成方法により合成してもよい。
【0148】
増感剤の添加量は、感光剤100質量部に対して、20〜200質量部が好ましく、30〜150質量部がより好ましい。
【0149】
(C)スルホン酸エステル化合物
本発明にはスルホン酸エステルを添加するが、中でも一般式(2)で示すスルホン酸エステルを添加することにより、高い耐熱性が得られる。
スルホン酸エステルの分子量は、一般的には230〜1000、好ましくは230〜800である。
【0150】
【化45】

【0151】
Aは、h価の連結基を表す。
0は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、または環状アルキル基を表す。
0’は、水素原子、アルキル基、またはアラルキル基を表す。
hは、2〜8の整数を表す。
【0152】
Aとしての連結基は、例えば、アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン等)、シクロアルキレン基(シクロへキシレン、シクロペンチレン等)、アリーレン基(1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフチレン等)、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、およびこれらに基を組み合わせた基が挙げられる。Aとしての連結基の炭素数は一般的に1〜15であり、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。
0およびR0’のアルキル基としては、一般的には炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等を挙げることができる。
0およびR0’のアラルキル基としては、一般的には炭素数7〜25のアラルキル基であり、好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基、更に好ましくは炭素数7〜15のアラルキル基である。具体的にはベンジル、トルイルメチル、メシチルメチル、フェネチル等を挙げることができる。
0の環状アルキル基としては、一般的には炭素数3〜20の環状アルキル基であり、好ましくは炭素数4〜20の環状アルキル基、更に好ましくは炭素数5〜15の環状アルキル基である。具体的にはシクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、樟脳基等を挙げることができる。
【0153】
Aとしての連結基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基(炭素数1〜10のアルキル基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等)、アラルキル基(炭素数7〜15のアラルキル基であり、具体的にはベンジル、トルイルメチル、メシチルメチル、フェネチル等)、アリール基(炭素数
6〜10のアリール基であり、具体的にはフェニル、トルイル、キシリル、メシチル、ナフチル等)、アルコキシ基(アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、具体的には、メトキシ、エトキシ、直鎖又は分岐プロポキシ、直鎖又は分岐ブトキシ、直鎖又は分岐ペントキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、具体的にはフェノキシ、トルイルオキシ、1−ナフトキシ等)、アルキルチオ基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい、炭素数1〜10のアルキルチオ基であり、具体的には、メチルチオ、エチルチオ、直鎖又は分岐プロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜10のアリールチオ基であり、具体的にはフェニルチオ、トルイルチオ、1−ナフチルチオ等)、アシルオキシ基(炭素数2〜10のアシルオキシ基で、具体的には、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基であり、具体的にはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、直鎖又は分岐プロポキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等)、を挙げることができる。
【0154】
一般式(2)において、R0はアルキル基およびアリール基が好ましい。R0’は水素原子および炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基およびエチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0155】
本発明のスルホン酸エステルとしては、下記の様な具体的化合物を例としてあげることができるが、これに限るものではない。
【0156】
【化46】

【0157】
【化47】

【0158】
本発明のスルホン酸エステルは、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いてもよい。本発明のスルホン酸エステルは、例えば、塩基性条件下、スルホニルクロリド乃至はスルホン酸無水物を対応する多価アルコールと反応させることにより合成することができる。
本発明のスルホン酸エステルの添加量は、樹脂の全量100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、特に好ましくは2〜15質量部である。
【0159】
(D)アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を含有する化合物
本発明の組成物にはアルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を含有する化合物を添加しても良い。本化合物はリソグラフィー性能を損なうことなく、硬化時のパターンの融解や熱収縮を防止することが知られている。しかし、残念ながら低温キュアプロセスに適用した場合には、原因は明確でないがその効果が十分でなく、キュア膜の耐熱性が十分でないことが分かってきた。
発明者は、上記のスルホン酸エステルとの組み合わせにより特に良好な耐熱性や更に耐薬品性が改善できることを見いだした。
当該化合物が有するアルコキシメチル基またはアシルオキシメチル基は、炭素数2〜5が好ましく、炭素数2または3がさらに好ましい。アルコキシメチル基の場合には特に炭素数2が好ましく、アシルオキシメチル基の場合には特に炭素数3が好ましい。
当該化合物が有するアルコキシメチル基及びアシルオキシメチル基の総数は1〜10が好ましく、より好ましくは2〜8、特に好ましくは3〜6である。
当該化合物の分子量は好ましくは1500以下であり、180〜1200が好ましい。
本発明におけるアルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を含有する化合物としては、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基が、直接芳香族基や下記ウレア構造のN上に、トリアジン上に置換した化合物を代表的構造として挙げることができる。
【0160】
【化48】

【0161】
式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を表し、R101およびR102は一価の有機基を表し、R101とR102がで互い結合して5〜8員の環を形成してもよい。
アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基が直接芳香族基に置換した化合物としては、例えば下記一般式の様な化合物を挙げることができる。
【0162】
【化49】

【0163】
式中、個々のR104は独立にアルキル基乃至はアシル基を示し、R103は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、または、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基を示す。
105は各々独立にアルキル基又はアルケニル基を示し、a、b及びcは各々独立に1〜3であり、dは0〜4であり、eは独立に0〜3である。
Xは単結合又は2価の有機基を示す。
Xが2価の有機基を表す場合、2価の有機基としては、アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン等)、シクロアルキレン基(シクロへキシレン、シクロペンチレン等)、アリーレン基(1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフチレン等)、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、およびこれらに基を組み合わせた基が挙げられる。Xは単結合またはアルキレン基が好ましい。
【0164】
103としての酸により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基とは、酸の作用により分解し、樹脂側に水酸基、カルボキシル基のようなアルカリ可溶性基を生じる基であり、例えば、酸の作用により脱離する基、又は−C(R4)2−COOR5(R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は酸の作用により脱離する基を表す。)が挙げられる。
酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基として、R103が酸の作用により脱離する基であるとき、酸の作用により、R103自体が離脱することで、−OHが生じ、またR0が−C(R4)2COOR5であるとき、酸の作用によりR5が離脱することで、−COOHが生じる。
酸の作用により脱離する基としては、一般式(1)におけるGとしての酸の作用により脱離する基と同様のものが挙げられる。
【0165】
アルコキシメチル基を有する化合物としては、例えば、具体的に以下の構造を挙げることができる。
なお、アシルオキシメチル基を有する化合物は下記化合物のアルコキシメチル基をアシルオキシメチル基に変更した化合物を挙げることができる。
アルコキシメチル基又はアシルオキシメチルを分子内に有する化合物は、以下の化合物に限定されるものではない。
【0166】
【化50】

【0167】
【化51】

【0168】
【化52】

【0169】
アルコキシメチル基及びアシルオキシメチル基の少なくとも1つを含有する化合物は、市販のものを用いても、公知の方法により合成したものを用いても良い。
耐熱性の観点で、アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基が、直接芳香族基や下トリアジン上に置換した化合物が好ましい。
これら化合物の添加量は本発明の樹脂100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。
【0170】
(E)密着促進剤
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要により密着性付与のための有機ケイ素化合物、シランカップリング剤、レベリング剤等の密着性付与剤を添加してもよい。これらの例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。密着性付与剤を用いる場合は、樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
【0171】
(F)溶剤
溶剤は本発明の組成物を溶解できるものであれば特に限定されないが、塗布時に溶剤が必要以上に蒸発して塗布時に組成物の固形分が析出しないようにするため、100℃以上の沸点の溶剤が好ましい。
更に、キュア後に膜中に溶剤が残留すると十分な膜物性が得られないために、キュア温度以上の沸点の溶剤を溶剤中の60質量%以上含むことは好ましくない。また、先に説明したように沸点が低くても塗布時の蒸発で組成物の固形物が析出する可能性があり好ましくない。このため、溶剤の沸点が100℃以上170℃以下の溶剤(a)と沸点が170℃以上300℃以下の溶剤(b)を混合して用いることがこのましい。
(a)として好ましい溶媒には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3―エトキシプロピオン酸エチル、3―メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシブタノール、シクロヘキサノンを挙げることができる。(b)として好適な溶剤には、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネートおよびこれらの混合物のような有機溶剤があるが、これらに限定されない。好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトンおよびプロピレンカーボネートである。
【0172】
(a)と(b)の好ましい質量比は95/5〜30/70の範囲である。より好ましくは90/10〜50/50である。
【0173】
(G)パターン形成方法
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、レリーフパターンを形成する方法としては、(1)本発明の感光性樹脂組成物を適当な基板上にコートし、(2)コートされたこの基板をベーキングし(プリベーク)、(3)活性光線または放射線で露光し、(4)水性現像剤で現像し、そして(5)硬化することにより、硬化されたレリーフパターンを形成することができる。
【0174】
コートされ、露光された基板を、現像に先立って、高温でベーキングすることもできる。また、現像された基板を、硬化前にリンスしてもよい。
【0175】
このように、本発明の感光性樹脂組成物により、加熱硬化後の厚みが所定厚み(例えば0.1〜30μm)になるように、半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱硬化して半導体装置を製造できる。
【0176】
以下、レリーフパターンを形成する方法についてより詳細に説明する。
【0177】
本発明の感光性樹脂組成物は、好適な基板上にコートされる。基板は、例えばシリコンウエーハのような半導体材料またはセラミック基材、ガラス、金属またはプラスチックである。コーティング方法には、噴霧コーティング、回転コーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押し出しコーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、および浸漬コーティングがあるが、これらに限られることはない。
【0178】
該コーティング膜は、残留する溶媒を蒸発させるために、方法に応じて、約70〜120℃の高められた温度で数分から半時間予めベーキングされる。引き続いて、得られる乾燥フィルムはマスクを通して好ましいパターンで活性光線または放射線に露光される。活性光線または放射線として、X線、電子ビーム、紫外線、可視光線などが使用し得る。最も好ましい放射線は波長が436nm(g−ライン)および365nm(i−ライン)を有するものである。
【0179】
活性光線または放射線への露光に続いてコートされ、露光された基板を約70〜120℃の温度に加熱するのが有利である。コートされ、露光された基板は短時間、一般的には数秒〜数分、この温度範囲で加熱される。本方法のこの段階は普通、露光後ベーキングと技術上称される。
【0180】
次いで、該コーティング膜は水性現像剤で現像され、そしてレリーフパターンが形成される。水性現像剤には、無機アルカリ(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、1級アミン(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン)、2級アミン(例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン)、アルコールアミン(例えば、トリエタノールアミン)、4級アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド)、およびこれらの混合物のようなアルカリ溶液がある。最も好ましい現像剤はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含有するものである。加えて、現像剤に適当な量の界面活性剤が添加されてよい。現像は浸漬、噴霧、パドリング、または他の同様な現像方法によって実施されることができる。
【0181】
場合によっては、レリーフパターンは次いで脱イオン水を使用してすすぎ洗いされる。次いで、耐熱性の大きい樹脂の最終的なパターンを得るために、レリーフパターンを硬化することによりオキサゾール環が形成される。硬化は耐熱性の大きい最終的なパターンを形成するオキサゾール環を得るように、樹脂のガラス転移温度Tgで基板をベー
キングすることにより実施される。一般的には、約300〜400℃の温度で加熱硬化されてきた。一方、本発明の組成物は、300℃未満、より具体的には250℃付近で従来の組成物と同等以上の膜物性を有する膜が得られる。
【実施例】
【0182】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0183】
〔樹脂の調製〕
(1)樹脂A−1の合成
3つ口フラスコ3lに、293g(0.8mol)のヘキサフルオロ−2,2−ビス(
3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)プロパン(日本化薬(株)製)、126.6g(1.6mol)のピリジンおよび1.2kgのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。これを室温で撹拌し、次いでドライアイス/アセトンバスで−25℃まで冷却した。この溶液に、反応温度を−20℃〜−30℃を維持しながら、73.9g(0.364mol)のイソフタロイルクロライド(東京化成(株)製)、107.4g(0.364mol)の4,4’−オキシビスベンゾイルクロライド(4,4’−オキシビス安息香酸(Aldrich製)を定法にて酸クロリドに変換して得た。)、NMP700gの混合溶液を滴下した。添加が完了した後、得られる混合物を室温で16時間撹拌した。激しく撹拌した50Lの脱イオン水中で、アセトン2Lで希釈した溶液を投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水および水/メタノール(50/50)混合物によって洗浄した。真空下で樹脂を40℃において24時間乾燥させ、目的物である樹脂a−1を得た。収量はほとんど定量的であり、また樹脂a−1の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.4×10、分散度2.1であった。
上記樹脂a−1(400g)をPGMEAに溶解し15%溶液とし、これにクロロ蟻酸アリル(東京化成製)21gを添加し、室温で3時間攪拌した。得られた反応液を水洗した後、トルエン200gを加え、共沸脱水により系中の水分をのぞくため60℃で溶媒を留去し、固形分濃度15%の溶液とした。系中の水分は0.01%であった。エチルビニルエーテル15g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを添加、室温で3時間撹拌した。更に、エチルビニルエーテル15g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを添加、室温で3時間撹拌した。得られた溶液にトリエチルアミン20gを加え、反応液を3回水洗し、PGMEA1Lを加えていったん希釈した後、共沸脱水により系中の水分をのぞくため50℃で溶媒を留去し、固形分濃度45%の樹脂A−1のPGMEA溶液とした。
HNMRよりクロロ蟻酸アリルの導入率が定量的であったこと、水酸基のエチルアセタール基保護率が21mol%であることを確認した。
【0184】
(2)樹脂A−2の合成
合成例1で得た樹脂a−1を使用し、クロロ蟻酸アリルの代わりにエチルマロニルクロリド(Aldrich製)を使用した他は合成例1と同様にして樹脂A−2のPGMEA溶液(45%)を合成した。樹脂A−2の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.5×10、分散度2.1であった。HNMRよりエチルマロニルクロリドの導入率が定量的であったこと、エチルアセタール基保護率が22mol%であることを確認した。
【0185】
(3)樹脂A−3の合成
合成例1で得た樹脂a−1を使用し、クロロ蟻酸アリルの代わりに5−ノルボルネン2,3−ジカルボン酸無水物(Aldrich製)を使用し、反応時にピリジンを添加し、反応温度60℃で12時間反応した他は、他は合成例1と同様にして樹脂A−3のPGMEA溶液(45%)を合成した。樹脂A−3の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.6×10、分散度2.2であった。HNMRより5−ノルボルネン2,3−ジカルボン酸無水物(イミド体)の導入率が定量的であったこと、エチルアセタール基保護率が20mol%であることを確認した。
【0186】
(4)樹脂A−4の合成
3つ口フラスコ3lに、293g(0.8mol)のヘキサフルオロ−2,2−ビス(
3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)プロパン(日本化薬(株)製)、126.6g(1.6mol)のピリジンおよび1.2kgのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。これを室温で撹拌し、次いでドライアイス/アセトンバスで−25℃まで冷却した。この溶液に、反応温度を−20℃〜−30℃を維持しながら、44.7g(0.22mol)のイソフタロイルクロライド(東京化成(株)製)、147.6g(0.5mol)の4,4’−オキシビスベンゾイルクロライド(4,4’−オキシビス安息香酸(Aldrich製)を定法にて酸クロリドに変換して得た。)、NMP700gの混合溶液を滴下した。添加が完了した後、得られる混合物を室温で16時間撹拌した。
次に、CKK−1(富士フイルム(株)製)17g(0.1モル)をNMP5gで希釈
した溶液を10分かけて滴下した。更にピリジン50gを加えたのち、50℃で12時間攪拌した。得られた反応液を蒸留水2Lに1時間かけて滴下、投入し、析出した粉体を濾過し、再度蒸留水/メタノール1/1の溶液2Lに投入、洗浄し、濾過、乾燥し、樹脂A−4を得た。樹脂A−4の数平均分子量は、ポリスチレン換算で6.1×10、分散度2.0であった。
【0187】
【化53】

【0188】
(5)樹脂A−5の合成
上記樹脂A−4(400g)をPGMEAに溶解し15%溶液とし、共沸脱水により系中の水分をのぞくため60℃で溶媒を留去し、固形分濃度20%の溶液とした。系中の水分は0.01%であった。ブチルビニルエーテル20g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを添加、室温で3時間撹拌した。更に、ブチルビニルエーテル20g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを添加、室温で3時間撹拌した。得られた溶液にトリエチルアミン20gを加え、反応液を3回水洗し、PGMEA1Lを加えていったん希釈した後、共沸脱水により系中の水分をのぞくため60℃で溶媒を留去し、固形分濃度45%の樹脂A−5のPGMEA溶液とした。HNMRより水酸基のブチルアセタール基保護率が17mol%であることを確認した。
【0189】
【化54】

【0190】
〔感光剤の合成〕
(1)感光剤(P−1)の合成
3つ口フラスコに下記フェノール化合物(BP−1)21.6gと1,4−ジオキサン
200mLを加え均一になるまで溶解した。次に1,2−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホニルクロリド27gを加え溶解した。反応容器を氷水で10℃まで冷却し、ついでト
リエチルアミン11.1gを1時間かけて滴下した。滴下終了後24時間撹拌した。反応終了後蒸留水を加え析出した塩を溶解し30分撹拌し、希塩酸で中和した後、蒸留水1Lに晶析した。析出し濃黄色の粉体を濾取した。濾物をジオキサン200mLに再度溶解し、これを蒸留水1Lに晶析した。析出した濾物を濾過し、濾物を1Lの蒸留水で洗浄、濾過し、濃黄色の粉体である目的物(P−1)39gを回収した。得られた(P−1)を高速液体クロマトグラフィー(Waters社製S1525)により分析した結果、フェノール化合物(BP−1)のエステル化物の純度は98%であった(検出波長254nm)。
【0191】
【化55】

【0192】
(2)感光剤(P−2)の合成
使用したフェノール化合物を下記(BP−2)に変更し、使用した1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホニルクロリドの量を2倍にした他は上記合成例と同様の方法で感光剤(P−2)を合成した。得られた(P−2)を高速液体クロマトグラフィー(Waters社製S1525)により分析した結果、フェノール化合物(BP−2)のエステル化物の純度は97.5%であった(検出波長254nm)。
【0193】
【化56】

【0194】
〔感光性樹脂組成物の調製〕
表1に記載した樹脂、感光剤、添加剤、及び下記シランカップリング剤(全固形分中2質量%)、溶剤を混合撹拌した。ついでPTFE製カセット型フィルター(0.1μm)で濾過し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0195】
【化57】

【0196】
表1中に略号で示した、感光剤、添加剤、及びその他の添加剤として使用した化合物を以下に示す。
【0197】
【化58】

【0198】
【化59】

【0199】
GBL:γ−ブチロラクトン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EL:乳酸エチル
【0200】
<画像性能(限界解像力、残膜率)>
調製した組成物をシリコンウエーファ上にスピンコートし、そしてホットプレート上で、120℃、4分間ベーキングを行って厚さ7μmのフィルムを得た。このフィルムをi−ラインステッパーを使用し、4ミクロンのビアホール繰り返しパターンマスクを使用して、5ミクロンのパターンサイズが再現する露光量で露光した。
次に、組成物4、5を除いて90℃で3分後加熱し、次いで2.38質量%のTMAH水溶液を基板上に盛り60秒静止現像し、続いて脱イオン水ですすいだ。その後、100℃、2分間ホットプレート上でベーキングを行った。現像後の膜厚を測定し、残膜率を評価した。
残膜率(%)=(現像前膜厚−現像後膜厚)×100/現像前膜厚
更に得られたパターンをSEM観察し、限界解像力を評価した。
【0201】
<耐熱性>
調製した樹脂溶液をシリコンウエーハー上にスピンコートし、そしてホットプレート上で、120℃で4分間ベーキングを行い、更に窒素条件下250℃で60分加熱し、得られた膜の熱質量減少測定をTGA(30℃から400℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、その時の質量減少量を計測)で実施した。
<耐薬品性>
調製した樹脂溶液をシリコンウエーハー上にスピンコートし、そしてホットプレート上で、120℃で4分間ベーキングを行い、更に窒素条件下250℃で30分加熱し、得られた膜を、ウエハーから掻き取り、THFに2時間ディップ、引き上げで乾燥した後、ディップ前後で質量変化を計算した。
耐薬品性(%)
=100×(ディップ前の膜質量−ディップ後の膜質量)/ディップ前の膜質量
【0202】
上記評価結果を表1に示した。
【0203】
【表1】

【0204】
表1におけるように、本発明の組成物は、解像力とともに、残膜率、耐熱性、耐薬品性に優れていることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式(1)で表される構造を含有するポリアミド樹脂
(B)感光剤
(C)一般式(2)で表されるスルホン酸エステル
を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化1】

(式中Rは2個以上の炭素原子を有する2価から8価の有機基を表し、Rは2個以上の炭素原子を有する2価から6価の有機基を表す。
G及びRは、独立に、水素原子または炭素数1から20までの有機基のいずれかを示す。mは0から2までの整数を示す。p及びqは、独立に、0から4までの整数を示す。ただしp+q>0である。)
【化2】

Aは、h価の連結基を表す。
0は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、または環状アルキル基を表す。
0’は、水素原子、アルキル基、またはアラルキル基を表す。
hは、2〜8を表す。
【請求項2】
前記ポリアミド樹脂が、下記一般式(3)で表される構造を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【化3】

式中、Arは4価の芳香族基および4価のヘテロ環基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表し、Gは一般式(1)記載の定義に同じである。
【請求項3】
前記ポリアミド樹脂が、さらに下記一般式(4)で表される構造を含有することを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【化4】

式中、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂環基、および珪素を含んでいても良い2価の脂肪族基から選択される基を表し、Arは2価の芳香族基、2価のヘテロ環基、2価の脂肪族基、および2価の脂環基から選択される基を表す。
【請求項4】
請求項2の一般式(3)における、Gで表される保護基が、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基であること特徴とする、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
更に(D)アルコキシメチル基又はアシルオキシメチル基を含有する化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
更に(E)密着促進剤を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を半導体基板上に形成し、マスクを介して光線、電子線、イオン線で露光し、露光部を水性アルカリ現像液で除去し、得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の製造方法により得られた硬化レリーフパターンを含む半導体装置。

【公開番号】特開2009−36863(P2009−36863A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199341(P2007−199341)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】