振幅変調された高周波エネルギーを使用してゲート誘電体をプラズマ窒化するための方法及び装置
【課題】二酸化シリコン層及びシリコン基板を窒素イオンで過剰にダメージを生じさせることのないプラズマ窒化プロセスのための方法及び装置を提供する。
【解決手段】窒化ゲート誘電体層を形成するための方法及び装置。この方法は、電子温度スパイクを減少するために、滑らかに変化する変調のRF電源により処理チャンバー内に窒素含有プラズマを発生することを含む。電源が滑らかに変化する変調のものであるときには、方形波変調のものに比して、電界効果トランジスタのチャンネル移動度及びゲート漏洩電流の結果が改善される。
【解決手段】窒化ゲート誘電体層を形成するための方法及び装置。この方法は、電子温度スパイクを減少するために、滑らかに変化する変調のRF電源により処理チャンバー内に窒素含有プラズマを発生することを含む。電源が滑らかに変化する変調のものであるときには、方形波変調のものに比して、電界効果トランジスタのチャンネル移動度及びゲート漏洩電流の結果が改善される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、ゲート誘電体を形成する方法及び装置に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、窒化ゲート誘電体層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]集積回路は、多数の、例えば、数百万の、トランジスタ、キャパシタ及び抵抗器等のデバイスで構成される。電界効果トランジスタのようなトランジスタは、通常、ソース、ドレイン及びゲートスタックを含む。ゲートスタックは、通常、シリコン基板のような基板と、ゲート誘電体と、該ゲート誘電体に設けられた多結晶シリコンのようなゲート電極とを備えている。ゲート誘電体層は、二酸化シリコン(SiO2)のような誘電体材料、或いは誘電率が4.0より大きな高Kの誘電体材料、例えば、SiON、SiN、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)等で形成される。しかしながら、この膜スタックは、他の材料で形成された層を含んでもよいことに注意されたい。
【0003】
[0003]図1は、ゲート誘電体層104を合体したFET(電界効果トランジスタ)100の断面図である。図示したように、基板102の上にゲート誘電体104が配置され、ゲート電極106がゲート誘電体104の上に横たわる。ゲート誘電体104及びゲート電極106の垂直側壁に隣接して側壁スペーサ108が示されている。基板102には、ゲート電極106の両垂直側壁に実質的に隣接してソース/ドレイン接合110が形成される。
【0004】
[0004]集積回路のサイズ及びその上のトランジスタのサイズが減少するにつれて、トランジスタの速度を高めるために必要なゲート駆動電流が増加する。駆動電流は、ゲートキャパシタンスの増加と共に増加し、ゲートの誘電率をkとし、誘電体厚みをdとし、デバイスの面積をAとすれば、キャパシタンス=kA/dである。ゲート誘電体の誘電体厚みを減少し且つ誘電率を増加することが、ゲートキャパシタンス及び駆動電流を増加する方法である。
【0005】
[0005]SiO2ゲート誘電体の厚みを20Å未満に減少するための試みがなされている。しかしながら、20Å未満のSiO2ゲート誘電体を使用すると、ゲートの性能及び耐久性に望ましからぬ影響がしばしば生じることが分かった。例えば、ホウ素ドープのゲート電極からのホウ素が薄いSiO2ゲート誘電体を貫通してその下に横たわるシリコン基板に到達し得る。また、通常、薄い誘電体ではゲート漏洩電流即ちトンネル電流が増加して、ゲートにより消費される電力量を増大させる。薄いSiO2ゲート誘電体は、NMOSホットキャリア劣化を受け易く、この場合、誘電体を横切って進む高エネルギーキャリアがチャンネルにダメージを及ぼし又はそれを破壊することがある。また、薄いSiO2ゲート誘電体は、PMOS負バイアス温度不安定性(NBTI)も受け易く、この場合は、ゲートの動作でスレッシュホールド電圧又は駆動電流がドリフトする。
【0006】
[0006]MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)のゲート誘電体層として使用するのに適した誘電体層を形成する方法は、薄い酸化シリコンを窒素含有プラズマで窒化することを含む。ゲート酸化物の正味の窒素含有量を増加して誘電率を高めることは、多数の理由で望ましい。例えば、酸化物誘電体のバルクにプラズマ窒化プロセス中に窒素を軽く合体させて、出発酸化物上の等価酸化物厚み(EOT)を減少することができる。これは、未窒化の酸化物誘電体と同じEOTにおいて、FETの動作中のトンネル作用によるゲート漏洩を減少することができる。同時に、このように高い窒素含有量は、その後の処理動作中にファウラー・ノルトハイム(F−N)トンネル電流により誘起されるダメージも減少できる。但し、誘電体の厚みがF−N範囲内にある場合に限る。ゲート酸化物の正味の窒素含有量を増加する別の利点は、窒化たゲート誘電体が、ゲートエッチングアンダーカットの問題にもっと耐え、ひいては、ゲートのエッジにおける欠陥状態及び電流漏洩を減少することである。
【0007】
[0007]2003年8月26日に発行されたマックファデン氏等の「PlasmaNitridation For Reduced Leakage Gate Dielectric Layers」と題する米国特許第6,610,615号では、熱及びプラズマの両窒化プロセスに対して酸化シリコン膜の窒素プロフィールが比較されている(図2を参照)。窒化された酸化物膜は、シリコン基板上に配置される。図2は、酸化物膜の下の結晶シリコンにおける窒素プロフィールも示している。熱窒化酸化物に対する窒素プロフィールデータ202は、酸化物層の上面における第1の窒素濃度と、酸化物の深部に向かって一般的に降下する窒素濃度と、酸化物−シリコンの界面における窒素の界面累積と、最後に、基板への距離と共に一般的に降下する窒素濃度勾配とを示している。これに対して、プラズマ窒化プロセスは、酸化物層の上面から酸化物−シリコンの界面を経て基板へと本質的に単調に減少する窒素プロフィール204を形成することが明らかである。熱窒化プロセスで見られる窒素の望ましからぬ界面累積は、窒素プラズマのオン衝撃では生じない。更に、基板における窒素濃度は、あらゆる深さにおいて、熱窒化プロセスで得られるものより低い。
【0008】
[0008]先に述べたように、ゲート電極−ゲート酸化物界面における窒素濃度を高める利点は、ポリシリコンゲート電極からゲート酸化物へ、又はゲート酸化物を通して外部拡散するホウ素のようなドーパントが減少されることである。これは、例えば、ホウ素ドープのポリシリコンゲート電極からの内部拡散ホウ素によりゲート酸化物のバルクに生じる欠陥状態を減少することによりデバイスの信頼性を改善する。ゲート酸化物−シリコンチャンネル界面における窒素含有量を減少する別の利点は、固定電荷及び界面状態密度の減少である。これは、チャンネルの移動度及びトランスコンダクタンスを改善する。それ故、プラズマ窒化プロセスは、熱窒化プロセスに勝る効果を有する。
【0009】
[0009]プラズマ窒化プロセスのプラズマは、種々のイオン化電源により形成することができ、これは、例えば、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、マグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源、或いは処理チャンバー内でのプラズマ発生を容易にするために使用できる他のイオン化電源を含むことができる。表面波電源は、非常に高い周波数(100MHz−10GHz)のプラズマ電源で、ガス衝突周波数が電磁波の周波数より著しく低く、「表面波」又は「波加熱」をベースとするエネルギー伝達メカニズムにより電磁電力がプラズマへと吸収される。このような電源は、通常、非常に高い周波数の電源と、電源をチャンバーへ接続する導波器と、誘電体チャンバー壁と、非常に高い周波数の電力がチャンバーへ結合されるところの誘電体壁に隣接した開口又はスロットの配列体とを含む。マイクロ波イオン化電源は、表面波電源の一形式である。
【0010】
[0010]電源の形式に関わりなく、電源からプラズマへの著しい容量性結合が生じて、数十ボルト程度の比較的大きなプラズマ電位を形成する。このような大きなプラズマ電位は、窒素イオンによる二酸化シリコンの過剰な衝撃を引き起こすことがあり、二酸化シリコン層にダメージを生じさせる。また、大きなプラズマ電位は、窒素をその下に横たわるシリコンへ合体させることもあって、ゲート酸化物における窒素合体の効果を低減させる。
【0011】
[0011]それ故、この技術では、二酸化シリコン層及びシリコン基板を窒素イオンで過剰にダメージを生じさせることのないプラズマ窒化プロセスのための方法及び装置が要望される。
【発明の概要】
【0012】
[0012]本発明は、一般に、プラズマ電子温度スパイクを減少するための滑らかに変化する変調の電源によりゲート誘電体をプラズマ窒化する方法及び装置に係る。
【0013】
[0013]本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0014】
[0014]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップであって、滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、を備えた方法を提供する。
【0015】
[0015]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0016】
[0016]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0017】
[0017]また、本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、プラズマ窒化プロセスチャンバーと、滑らかに変化する変調の電源電力を発生できる電力発生器と、を備えた装置も提供する。
【0018】
[0018]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0019】
[0035]本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法及び装置を包含する。より詳細には、本発明は、滑らかに変化する変調(又はパルス化)の電源電力を使用することにより窒化プラズマの電子温度におけるスパイクを減少するための方法及び装置を包含する。
【0020】
[0036]図3は、プラズマ窒化されたゲート誘電体を形成するためのプロセスフローの実施例を示す。プロセスは、ステップ300においてシリコン基板を用意することでスタートする。第1に、ステップ302において、炉又は急速熱処理チャンバーのいずれかでSiウェハ上に約5Åから約40Åの熱酸化物膜が成長される。ここでは、一実施例として、二酸化シリコン(SiO2)ゲート誘電体について説明する。本発明は、誘電率が4.0より大きな高Kの誘電体材料である他の形式のゲート誘電体、例えば、SiON、SiN、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)、等に適用することもできる。第2に、ステップ304において、プラズマ窒化のために少なくとも窒素含有ガスを収容するプラズマチャンバーに基板が移送される。プラズマ窒化プロセスは、ステップ304で、SiOxNy形成における窒化ドーズを制御するために約2秒から約20分間続けられる。その後、ステップ306において、SiOxNy膜の任意の窒化後アニールのために、急速熱処理チャンバーへ基板を移送することができる。この窒化後アニールは、不活性又は酸化周囲環境において約700−1100℃の温度で行うことができる。或いはまた、この任意の窒化後アニールは、不活性又は還元ステップの後に酸化ステップが続く2段階プロセスで構成されてもよい。ゲート誘電体を形成した後に、ステップ308において、ポリシリコンのようなゲート電極が低圧力化学気相堆積(LPCVD)により堆積される。ゲート電極は、金属層であってもよい。
【0021】
[0037]プラズマ窒化処置の間に高エネルギーイオンが当たることによりゲート酸化物及びシリコンチャンネルに生じるダメージは、チャンネル移動度の減少に貢献し得る。電子温度(kTe)とは、プラズマにおける自由電子のエネルギー分布を記述するエネルギースケールである。電子温度が低いことは、高エネルギー電子が少なく、従って、高エネルギー窒素イオンが少ないことを意味する。プラズマ窒化SiOxNyゲート誘電体をもつトランジスタのチャンネル移動度の改善は、窒素プラズマが低い電子温度を有するときに生じる。電子温度の低下は、イオン化電源電力を「変調」(又はパルス化)するか、イオン化電源電力をkHz周波数でターンオン及びオフすることにより可能となる。
【0022】
[0038]2003年6月12日に出願された「PlasmaMethod and Apparatus for Processing a Substrate」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/461,083号では、窒素含有プラズマをプラズマ変調シーケンスを経て制御して、従来のプラズマ処理により与えられるものより低い電子温度を発生するという発明が説明されている。プラズマに対する制御は、低い電子温度を与えるように構成され、これは、例えば、ゲート窒化プロセスに使用してデバイス特性を改善し、即ちトランスコンダクタンスがあまり低下しないようにすることができ、これは、ゲート誘電体型のデバイスではチャンネル移動度の改善を表わす。
【0023】
[0039]米国特許出願第10/461,083号は、一般に、窒素含有プラズマを短い時間周期中付勢するように動作し、次いで、プラズマがある時間周期中弛緩又は消散するのを許容するプラズマ変調(又はパルス化)シーケンスを説明している。この消散時間周期(又は残光周期)は、窒素含有プラズマを維持しながら、電子温度が低下するのを許容する。イオン化電源変調のオフ又は弛緩部分の間に、プラズマ内の電子が自由に拡散する。しかしながら、電子がいかに速く拡散するかは、電子のエネルギーに直接関係していることが知られている。それ故、高エネルギーの電子、即ちホット電子は、低エネルギーの電子よりもプラズマから急速に拡散し、その結果、プラズマの構成成分の平均エネルギーが低くなり、即ち電子温度が低くなると共にプラズマの温度が低くなる。また、前記特許出願には、イオン化電源により与えられる変調(又はパルス)のデューティサイクルも、プラズマの構成成分の平均温度に影響することが開示されている。デューティサイクルは、各サイクル中にRF電力がオンである時間のパーセンテージとして定義される。特に、長い変調オン(又はパルスオン)時間に対応する大きなデューティサイクルは、変調オン時間中のより長い時間周期にプラズマの電子が励起されるので、よりホットなプラズマを発生する。
【0024】
[0040]図4Aは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライド・マテリアルズにより製造された減結合プラズマ窒化プロセスリアクタ400の概略断面図である。本発明を実施するのに使用できるリアクタの一実施例は、誘導プラズマ電源リアクタである。リアクタ400は、ウェハ支持ペデスタル416を導電性本体(壁)430内に有するプロセスチャンバー410と、コントローラ440とを備えている。チャンバー410は、実質的にフラットな誘電体天井420と共に供給される。チャンバー410の他の変形例は、他の形式の天井、例えば、ドーム形状の天井を有してもよい。天井420の上には、少なくとも1つの誘導性コイル要素412を含むアンテナが配置されている(2つの同軸要素412が示されている)。誘導性コイル要素412は、第1マッチング回路網419を経てプラズマ電源418に結合される。このプラズマ電源418は、通常、50kHzから13.56MHzの範囲の同調可能な周波数において3000Wまで発生することができる。
【0025】
[0041]支持ペデスタル(カソード)416は、第2のマッチング回路網424を経てバイアス電源422に結合される。このバイアス電源422は、一般に、50kHzから13.56MHzの同調可能な周波数及び0から5000ワットの電力をもつRF信号を発生することができる。しかしながら、これは、処理中には切断される。任意であるが、バイアス電源422は、DC又はパルス化DC電源でよい。コントローラ440は、中央処理ユニット(CPU)444と、メモリ442と、CPU444のサポート回路446とを備え、以下に述べるように、チャンバー410の要素、ひいては、窒化プロセスの制御を容易にする。
【0026】
[0042]運転中に、半導体ウェハ414がペデスタル416にのせられると共に、ガスパネル438から導入ポート426を経てプロセスガスが供給されて、混合ガス450を形成する。この混合ガス450は、プラズマ電源418から電力を印加することにより点火されてチャンバー410にプラズマ455を形成する。チャンバー410の内部の圧力は、スロットルバルブ427及び真空ポンプ436を使用して制御される。通常、チャンバー壁430は、電気的接地点434に結合される。壁430の温度は、壁430を通して延びる液体含有コンジット(図示せず)を使用して制御される。
【0027】
[0043]ウェハ414の温度は、支持ペデスタル416の温度を安定化することにより制御される。一実施形態では、ガス源448からのヘリウムガスが、ガスコンジット449を経て、ウェハ414の下のペデスタル面に形成されたチャンネル(図示せず)に供給される。ヘリウムガスは、ペデスタル416とウェハ414との間の熱伝達を容易にするために使用される。処理中に、ペデスタル416は、ペデスタル内の抵抗性ヒータ(図示せず)により定常温度に加熱することができ、次いで、ヘリウムガスがウェハ414の均一加熱を容易にする。このような熱制御を使用して、ウェハ414は、約20℃から350℃の温度に維持される。
【0028】
[0044]上述したプロセスチャンバー410の制御を容易にするために、コントローラ440は、種々のチャンバー及びサブプロセッサを制御するための工業用設定に使用できる何らかの形式の汎用コンピュータプロセッサの1つでよい。CPU444のメモリ442又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、入手容易なメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、或いは他の形式のローカル又はリモートのデジタル記憶装置の1つ以上でよい。サポート回路346は、プロセッサを従来の仕方でサポートするためにCPU444に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路及びサブシステム、等を含む。本発明の方法は、一般に、ソフトウェアルーチンとしてメモリ442に記憶される。また、ソフトウェアルーチンは、CPU444により制御されるハードウェアからリモート位置にある第2のCPU(図示せず)により記憶及び/又は実行されてもよい。
【0029】
[0045]図4Bは、図4Aのプラズマ電源418により発生される非変調のイオン化電源電力波形の一実施例を示す。この電力は、高周波(RF)で動作される。図4Cは、方形波変調(又はパルス化)イオン化電源電力波形の一実施例を示す。電力変調周波数は、通常、kHz周波数においてターンオン及びオフされる。図4B及び図4CにおけるAC電力の発振周波数(RF)は、正しいスケールで描かれていない。ピークRF電力は、通常、約50ワットから約3000ワットにセットされる。変調(又はパルス)のデューティサイクルは、約5%から約90%でよく、また、イオン化電力は、プラズマの構成成分の希望の平均温度を発生するために約0%から約100%の間で変化させてもよい。プラズマ窒化プロセスは、通常、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される。N2又はNH3のような窒素含有ガスについては、流量が約50sccmから約20slmである。窒素含有ガスに加えて、プロセスガスは、プラズマを維持すると共に電子温度を変更するために、He、Ar、Ne(ネオン)、Kr(クリプトン)又はXe(キセノン)のような不活性ガスを含むことができる。不活性ガスの流量は、約0sccmから約20slmである。プロセスを実行するのに使用できるプラズマリアクタの一実施例は、図4Aにおいて説明した、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライド・マテリアルズにより製造された減結合プラズマ窒化(DPN)チャンバーである。しかしながら、プラズマ窒化プロセスのプラズマは、例えば、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、マグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源、或いは処理チャンバー内でのプラズマ発生を容易にするために使用できる他のイオン化電源を含む種々のイオン化電源により形成できることに注意されたい。表面波電源は、非常に高い周波数(100MHz−10GHz)のプラズマ電源で、ガス衝突周波数が電磁波の周波数より著しく低く、「表面波」又は「波加熱」をベースとするエネルギー伝達メカニズムにより電磁電力がプラズマへと吸収される。このような電源は、通常、非常に高い周波数の電源と、電源をチャンバーへ接続する導波器と、誘電体チャンバー壁と、非常に高い周波数の電力がチャンバーへ結合されるところの誘電体壁に隣接した開
口又はスロットの配列体とを含む。マイクロ波イオン化電源は、表面波電源の一形式である。
【0030】
[0046]図5Aは、NMOS(nチャンネル金属酸化物半導体)の場合に、最大チャンネルトランスコンダクタンス(gmmax)(対非ドープSiO2)の変化を、膜内の窒素のパーセンテージの関数として表わすデータを示している。トランジスタの製造においては、トランスコンダクタンスの変化又はシフトの可能性が最低であるのが望ましいことに注意されたい。しかしながら、一般に、トランジスタ製造プロセスには窒素が導入される。というのは、トランジスタのゲート漏洩を減少し、ポリシリコンゲート電極からホウ素が拡散するのを防止し、且つ電気的な厚みを減少して、改善されたオフ状態制御を与えることが知られているからである。それ故、高い濃度の窒素合体が望まれる。最大チャンネルトランスコンダクタンスのシフト(又は低下)は、窒素を排除することで減少できるが、窒素を排除すると、ゲート漏洩、拡散及びオフ状態制御に著しい悪影響を及ぼすことになる。従って、目標は、充分な窒素の合体と、窒素の合体により与えられる利益とを維持しながら、最大チャンネルトランスコンダクタンスのシフトを減少することである。
【0031】
[0047]より詳細には、図5Aは、非変調のRF構成により発生される窒素含有プラズマに対する最大チャンネルトランスコンダクタンス(501)と、方形波変調RF電源の場合(502)との相違を示す。非変調構成(501)及び方形波変調構成(502)に対するデータポイントの各々は、マッチング圧力(20ミリトール)、電力(500ワットから750ワット)、時間巾(10秒)、N2流量(50sccmから20slm)、及びデューティサイクル(50%)を使用して収集される。このデータは、方形波変調電源を使用した窒素含有プラズマ(白丸及び曲線502)が、非変調構成により発生された窒素含有プラズマ(黒丸及び曲線501)よりも、最大チャンネルトランスコンダクタンスの低下を減少する(即ち改善する)ことを示している。また、図5Aに示されたgmmaxの変化における同様の改善が、スレッシュホールド電圧のシフト及び飽和ドレイン電流についても得られ、これは、2003年6月12日に出願された「Plasma Method and Apparatus for Processing a Substrate」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/461,083号に説明されている。図5Bに示すように、PMOS(pチャンネル金属酸化物半導体)トランジスタの場合にも、同様の改善(非変調については黒丸及び曲線503、方形波変調については白丸及び曲線504)を得ることができる。
【0032】
[0048]方形波変調(又はパルス化)電源電力によるプラズマ窒化は、図5A及び図5Bに各々示すように、NMOS及びPMOSの場合に、ゲート酸化物の所与の窒素濃度においてチャンネル移動度の尺度である最大トランスコンダクタンスの低下について、非変調電源に勝る改善を示したが、時間の関数として電源電力が急激に変化すると、電源電力の方形波変調を使用するときに電子温度に短命であるが大きさの大きいスパイクを招く。方形波変調電源電力でのプラズマ窒化プロセスに対する時間の関数としての電子温度の測定(曲線602)が図6に示されている。また、図6に参照としてプロットされているのは、非変調の電源電力についてその他同じ条件で測定された電子温度(曲線601)である。電子温度の測定は、誘導性結合のRFプラズマリアクタにラングミュアプローブを使用して実行される。このラングミュアプローブは、プラズマ内の荷電粒子の密度及びエネルギーの測定を許容する。プローブは、チャンバーの中心においてウェハ上約4cmに位置される。プローブ収集の時定数は、パルス化RFの場合にRFオン及びRFオフの両周期にわたり平均化を行うに充分な長さである。方形波変調プロセスの場合の時間平均化電子温度は、非変調プロセスの場合より低いが、方形波変調プロセスは、電子温度に著しいスパイクを有する。方形波変調電源電力に対して図6に示された電子温度のオーバーシュートは、RF電力の急激な変化によるものである。RF電力の時間導関数が不連続性をこうむるときに電子温度がスパイク状になる。高い電子温度は、高いエネルギーをもつイオンを反射するので、電子温度のこれらスパイクは、チャンネル移動度にダメージを及ぼすことになる。10kHzの典型的な変調周波数において、ウェハは、毎秒10000個のこのようなスパイクを経験する。累積されるダメージは、甚だしいものとなる。
【0033】
[0049]更に、図7Aは、方形波変調電源電力を使用するときに、時間平均化される電子温度(<kTe>)が望ましくは長いオフ時間(例えば、固定周波数においてパルスデューティを減少することによる)と共に低下することを示している。ここで、<kTe>は、パルス周期をτとすれば、式(1)において通常のやり方で定義される。
【0034】
【数1】
【0035】
しかしながら、図7Aに示すように、種々の方形波変調パラメータに対して最大電子温度スパイクを減少することができない。特に、図7Aは、方形波変調電源電力を使用するときに長いオフ時間を使用すると(例えば、固定周波数において変調デューティを減少することにより)、大きな電子温度スパイク(高いMax kTe)を生じることを示す。図7Aのデータは、10ミリトールのチャンバー圧力、100ワットの有効電力、10kHzの変調周波数、及び10−50%のデューティサイクルのもとで収集される。N2の流量は、50sccmから20slmである。有効電力は、デューティサイクルにピーク電力を乗算することにより計算される。
【0036】
[0050]方形波変調(又はパルス化)電源電力の改善は、電子温度スパイクを減少することである。本発明は、滑らかに変化する変調(又はパルス化)電源電力の使用により電子温度のスパイクを減少して、チャンネル移動度を改善すると共に、トランスコンダクタンスシフト低下を減少する方法及び装置を包含する。
【0037】
[0051]図8に示すような滑らかに変化する変調高周波(RF)波形は、窒素プラズマを発生するためのイオン化電源電力として使用される。図7Bは、滑らかに変化する変調のRF波形を使用してパーセント電力オフ時間(又は1−デューティサイクル)の関数として収集された最大電子温度(Max kTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を示す。この結果は、低い<kTe>の利益に加えて、最大電子温度が長い電力オフ時間と共にフラットのままであることを示している。また、図7Aのデータは、図7Bのデータと同様のプロセス条件のもとでも収集される。
【0038】
[0052]2kHzのパルス周波数及び50%デューティサイクルにおける滑らかに変化する変調及び方形波変調RFプラズマの時間分析電子温度測定が図9Aに示されている。曲線901は、方形波変調RFプラズマに対する測定をトレースしたもので、電力が約100μsにターンオンされたときに大きなスパイクを示している。曲線902は、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する測定をトレースするもので、電力がターンオンされたときに非常に小さなスパイクを示している。その結果は、滑らかに変化する変調電源電力プラズマに対して小さな最大値kTeを指示する。10kHzパルス周波数及び50%デューティサイクルにおける方形波変調RFプラズマと滑らかに変化する変調のRFプラズマとの間の同様の比較が図9Bに示されている。曲線903は、方形波変調RFプラズマに対する測定をトレースし、一方、曲線904は、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する測定をトレースする。また、図9Bの結果も、方形波変調RFプラズマに比して、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する小さな電子温度スパイクを示している。両方の場合に、電子温度におけるオーバーシュート又はスパイクは、滑らかに変化する変調プロセスを方形波変調プロセスと比較したときに著しく減少される。特に、本発明は、比較的長い電力オフ時間、例えば、曲線902に示す2kHzデータの場合に250μsの電力オフ時間の場合でも、電子温度のオーバーシュートを制御する能力を立証した。低いパルス周波数を使用するか、低いデューティサイクルを使用するか、又はその両方により長い電力オフ時間を達成することは、最小の平均電子温度(<kTe>)を得るために望ましい。滑らかに変化する変調がないと、最大電子温度(Max kTe)は、2kHzプロセスに対して非常に高くなる(曲線901を参照)。滑らかに変化する変調は、Max kTeを増加せずに、長いオフ時間が<kTe>を減少できるようにする。
【0039】
[0053]図8に示すような滑らかに変化する変調電力波形は、図4Aのプラズマ電源418において、方形波変調RF波形をRC(抵抗器−キャパシタ)フィルタに送給し、該フィルタが高周波を減衰して波形を平滑化し、滑らかに変化する変調のRF波形(図10Aを参照)とすることにより、発生することができる。フィルタの抵抗(R)及びキャパシタンス(C)を調整することにより、滑らかに変化するパルス高周波波形を発生することができる。また、滑らかに変化する変調のRF波形は、関数発生器によるか、或いはRCフィルタ及び/又はブロードバンド増幅器との組み合せにより発生することもできる。滑らかに変化する変調のRF電力を発生するのに必要な要素の一実施例が図10Bに示されている。関数発生器、RCフィルタ及びブロードバンド増幅器により発生された滑らかに変化する変調のRF電源電力は、RFマッチング回路及びコイルに送給される。関数発生器、RCフィルタ及びブロードバンド増幅器は、図4Aのプラズマ電源418の要素である。
【0040】
[0054]図8に示す滑らかに変化する変調波形は、非変調の波形又は方形波変調の波形に勝る改善を与える唯一の波形ではないことに注意されたい。他の一般的な波形属性も著しい改善を与えることができる。一般に、イオン化電源電力の大きさの時間導関数に不連続性がなくて、時間の関数としてのイオン化電源の大きさが区分的に滑らかであることで、電子温度のスパイクを防止することができる。更に、イオン化電力の大きさがゼロである限定部分を伴う滑らかに変化する変調のRF波形は、電子温度の時間平均値を減少することができる。他の形式の滑らかに変化する変調のRF波形の2つの実施例が図11A及び11Bに示されている。図11A及び図11Bにおける上方傾斜及び下方傾斜時間並びに勾配は、等しくてもよいし異なってもよい。図11A及び図11Bにおける電力オフ時間は、電力オン時間より長くてもよいし短くてもよい。
【0041】
[0055]図12は、他の点では同一の処理条件にある3つのケース、即ち非変調、方形波変調、及び滑らかに変化する変調のRF電源に対して、サイクル当りのオフ時間の関数として時間平均化電子温度(<kTe>)をプロットしたものである。両変調RFプロセスは、非変調プロセスより低い<kTe>を有する。方形波変調RFプロセスについて図7Aに示された結果と同様に、図12も、滑らかに変化する変調のRFプロセスに対してオフ時間の増加に伴い<kTe>が減少されることを示している。しかしながら、図13は、方形波変調RFプロセスが、滑らかに変化する変調のRFプロセスと比較したときに、ほぼ2倍も大きな最大電子温度(Max kTe)を有することを示している。図12及び13の両方において、滑らかに変化する変調のRFプロセスに対して、傾向を示す破線が引かれ、減少する<kTe>と、オフ時間の増加に伴いほぼ一定の最大電子温度とを示している。これらの傾向に続いて、滑らかに変化する変調のRFプロセスでは、長い電力オフ時間において、改善されたチャンネル移動度が期待される。
【0042】
[0055]図14A及び14Bは、1.2nmの固定EOT(有効酸化物厚み)を有する誘電体の場合に、NMOS(図13A)及びPMOS(図13B)について、チャンネル導電率(Ko)対ゲート漏洩磁束(Jg)のデータプロットを示す。チャンネル導電率(Ko)は、移動度をEOTで除算したものに等しく、チャンネル移動度の尺度である。固定EOTにおいてコンダクタンス(Ko)が増加することは、移動度の増加を反映する。NMOS及びPMOSの両方に対して、このデータは、滑らかに変化する変調のRF波形が、方形波変調のRFプロセスよりもチャンネル移動度を改善する(高くする)ことを示している。ゲート漏洩磁束(Jg)については、NMOS及びPMOSの両方の結果は、滑らかに変化する変調のプロセスが方形波変調プロセスより若干の改善を与える(ゲート漏洩を少なくする)ことを示している。
【0043】
[0057]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、他の及び更に別の実施形態を案出することができ、それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明により製造できる従来のFETを示す概略断面図である。
【図2】従来の熱窒化プロセス及びプラズマ窒化プロセスに対し、二次イオン質量分光データに基づく窒素濃度プロフィールを示すグラフである。
【図3】本発明によるプロセスフローチャートである。
【図4A】本発明の実施形態によるプラズマリアクタの概略図である。
【図4B】周波数が正しい縮尺でないが、高周波における非変調イオン化電源電力を示す図である。
【図4C】周波数が正しい縮尺でないが、kHz周波数における方形波変調RFを示す図である。
【図5A】NMOSの場合に非窒化ゲート誘電体に対する窒化ゲート誘電体の最大トランスコンダクタンスシフトを窒素含有量の関数として示すグラフである。
【図5B】PMOSの場合に非窒化ゲート誘電体に対する窒化ゲート誘電体の最大トランスコンダクタンスシフトを窒素含有量の関数として示すグラフである。
【図6】非変調電源電力のケースと、方形波変調電源電力のケースとに対する時間分析電子温度を示す図である。
【図7A】窒素プラズマに対する最大電子温度(MaxkTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を、方形波変調電源電力に対する変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図7B】窒素プラズマに対する最大電子温度(MaxkTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を、滑らかに変化する変調電源電力に対する変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図8】滑らかに変化する変調のRF電源電力の概略図である。
【図9A】2kHzのパルス周波数において方形波変調及び滑らかに変化する変調のRF窒素含有プラズマに対する時間分析電子温度の測定値を示すグラフである。
【図9B】10kHzのパルス周波数において方形波変調及び滑らかに変化する変調のRF窒素含有プラズマに対する時間分析電子温度の測定値を示すグラフである。
【図10A】RCフィルタによる方形波変調RF電源電力を、滑らかに変化する変調のRF電源電力に変換する概略フローチャートである。
【図10B】滑らかに変化する変調のRF電源電力の形成を示す概略フローチャートである。
【図11A】滑らかに変化する変調のRF電源を例示する図である。
【図11B】滑らかに変化する変調のRF電源を例示する図である。
【図12】滑らかに変化する変調のRF、方形波変調RF、及び非変調プラズマに対する時間平均化kTe(<kTe>)を変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図13】滑らかに変化する変調のRF、方形波変調RF、及び非変調プラズマに対する最大kTeを変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図14A】NMOSの場合に、非変調RF及び滑らかに変化する変調のRFプラズマのチャンネル導電率対ゲート漏洩磁束を示すグラフである。
【図14B】PMOSの場合に、非変調RF及び滑らかに変化する変調のRFプラズマのチャンネル導電率対ゲート漏洩磁束を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
100・・・電界効果トランジスタFET、102・・・基板、104・・・ゲート誘電体、106・・・ゲート電極、108・・・スペーサ、110・・・ソース/ドレイン接合、400・・・プロセスリアクタ、410・・・プロセスチャンバー、412・・・誘導性コイル要素、414・・・半導体ウェハ、416・・・ウェハ支持ペデスタル、418・・・プラズマ電源、419、424・・・マッチング回路網、420・・・誘電体天井、422・・・バイアス電源、427・・・スロットルバルブ、430・・・導電性本体、434・・・電気的接地点、438・・・ガスパネル、440・・・コントローラ、442・・・メモリ、444・・・中央処理ユニット、446・・・サポート回路、448・・・ガス源、450・・・混合ガス、455・・・プラズマ
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般に、ゲート誘電体を形成する方法及び装置に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、窒化ゲート誘電体層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002]集積回路は、多数の、例えば、数百万の、トランジスタ、キャパシタ及び抵抗器等のデバイスで構成される。電界効果トランジスタのようなトランジスタは、通常、ソース、ドレイン及びゲートスタックを含む。ゲートスタックは、通常、シリコン基板のような基板と、ゲート誘電体と、該ゲート誘電体に設けられた多結晶シリコンのようなゲート電極とを備えている。ゲート誘電体層は、二酸化シリコン(SiO2)のような誘電体材料、或いは誘電率が4.0より大きな高Kの誘電体材料、例えば、SiON、SiN、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)等で形成される。しかしながら、この膜スタックは、他の材料で形成された層を含んでもよいことに注意されたい。
【0003】
[0003]図1は、ゲート誘電体層104を合体したFET(電界効果トランジスタ)100の断面図である。図示したように、基板102の上にゲート誘電体104が配置され、ゲート電極106がゲート誘電体104の上に横たわる。ゲート誘電体104及びゲート電極106の垂直側壁に隣接して側壁スペーサ108が示されている。基板102には、ゲート電極106の両垂直側壁に実質的に隣接してソース/ドレイン接合110が形成される。
【0004】
[0004]集積回路のサイズ及びその上のトランジスタのサイズが減少するにつれて、トランジスタの速度を高めるために必要なゲート駆動電流が増加する。駆動電流は、ゲートキャパシタンスの増加と共に増加し、ゲートの誘電率をkとし、誘電体厚みをdとし、デバイスの面積をAとすれば、キャパシタンス=kA/dである。ゲート誘電体の誘電体厚みを減少し且つ誘電率を増加することが、ゲートキャパシタンス及び駆動電流を増加する方法である。
【0005】
[0005]SiO2ゲート誘電体の厚みを20Å未満に減少するための試みがなされている。しかしながら、20Å未満のSiO2ゲート誘電体を使用すると、ゲートの性能及び耐久性に望ましからぬ影響がしばしば生じることが分かった。例えば、ホウ素ドープのゲート電極からのホウ素が薄いSiO2ゲート誘電体を貫通してその下に横たわるシリコン基板に到達し得る。また、通常、薄い誘電体ではゲート漏洩電流即ちトンネル電流が増加して、ゲートにより消費される電力量を増大させる。薄いSiO2ゲート誘電体は、NMOSホットキャリア劣化を受け易く、この場合、誘電体を横切って進む高エネルギーキャリアがチャンネルにダメージを及ぼし又はそれを破壊することがある。また、薄いSiO2ゲート誘電体は、PMOS負バイアス温度不安定性(NBTI)も受け易く、この場合は、ゲートの動作でスレッシュホールド電圧又は駆動電流がドリフトする。
【0006】
[0006]MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)のゲート誘電体層として使用するのに適した誘電体層を形成する方法は、薄い酸化シリコンを窒素含有プラズマで窒化することを含む。ゲート酸化物の正味の窒素含有量を増加して誘電率を高めることは、多数の理由で望ましい。例えば、酸化物誘電体のバルクにプラズマ窒化プロセス中に窒素を軽く合体させて、出発酸化物上の等価酸化物厚み(EOT)を減少することができる。これは、未窒化の酸化物誘電体と同じEOTにおいて、FETの動作中のトンネル作用によるゲート漏洩を減少することができる。同時に、このように高い窒素含有量は、その後の処理動作中にファウラー・ノルトハイム(F−N)トンネル電流により誘起されるダメージも減少できる。但し、誘電体の厚みがF−N範囲内にある場合に限る。ゲート酸化物の正味の窒素含有量を増加する別の利点は、窒化たゲート誘電体が、ゲートエッチングアンダーカットの問題にもっと耐え、ひいては、ゲートのエッジにおける欠陥状態及び電流漏洩を減少することである。
【0007】
[0007]2003年8月26日に発行されたマックファデン氏等の「PlasmaNitridation For Reduced Leakage Gate Dielectric Layers」と題する米国特許第6,610,615号では、熱及びプラズマの両窒化プロセスに対して酸化シリコン膜の窒素プロフィールが比較されている(図2を参照)。窒化された酸化物膜は、シリコン基板上に配置される。図2は、酸化物膜の下の結晶シリコンにおける窒素プロフィールも示している。熱窒化酸化物に対する窒素プロフィールデータ202は、酸化物層の上面における第1の窒素濃度と、酸化物の深部に向かって一般的に降下する窒素濃度と、酸化物−シリコンの界面における窒素の界面累積と、最後に、基板への距離と共に一般的に降下する窒素濃度勾配とを示している。これに対して、プラズマ窒化プロセスは、酸化物層の上面から酸化物−シリコンの界面を経て基板へと本質的に単調に減少する窒素プロフィール204を形成することが明らかである。熱窒化プロセスで見られる窒素の望ましからぬ界面累積は、窒素プラズマのオン衝撃では生じない。更に、基板における窒素濃度は、あらゆる深さにおいて、熱窒化プロセスで得られるものより低い。
【0008】
[0008]先に述べたように、ゲート電極−ゲート酸化物界面における窒素濃度を高める利点は、ポリシリコンゲート電極からゲート酸化物へ、又はゲート酸化物を通して外部拡散するホウ素のようなドーパントが減少されることである。これは、例えば、ホウ素ドープのポリシリコンゲート電極からの内部拡散ホウ素によりゲート酸化物のバルクに生じる欠陥状態を減少することによりデバイスの信頼性を改善する。ゲート酸化物−シリコンチャンネル界面における窒素含有量を減少する別の利点は、固定電荷及び界面状態密度の減少である。これは、チャンネルの移動度及びトランスコンダクタンスを改善する。それ故、プラズマ窒化プロセスは、熱窒化プロセスに勝る効果を有する。
【0009】
[0009]プラズマ窒化プロセスのプラズマは、種々のイオン化電源により形成することができ、これは、例えば、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、マグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源、或いは処理チャンバー内でのプラズマ発生を容易にするために使用できる他のイオン化電源を含むことができる。表面波電源は、非常に高い周波数(100MHz−10GHz)のプラズマ電源で、ガス衝突周波数が電磁波の周波数より著しく低く、「表面波」又は「波加熱」をベースとするエネルギー伝達メカニズムにより電磁電力がプラズマへと吸収される。このような電源は、通常、非常に高い周波数の電源と、電源をチャンバーへ接続する導波器と、誘電体チャンバー壁と、非常に高い周波数の電力がチャンバーへ結合されるところの誘電体壁に隣接した開口又はスロットの配列体とを含む。マイクロ波イオン化電源は、表面波電源の一形式である。
【0010】
[0010]電源の形式に関わりなく、電源からプラズマへの著しい容量性結合が生じて、数十ボルト程度の比較的大きなプラズマ電位を形成する。このような大きなプラズマ電位は、窒素イオンによる二酸化シリコンの過剰な衝撃を引き起こすことがあり、二酸化シリコン層にダメージを生じさせる。また、大きなプラズマ電位は、窒素をその下に横たわるシリコンへ合体させることもあって、ゲート酸化物における窒素合体の効果を低減させる。
【0011】
[0011]それ故、この技術では、二酸化シリコン層及びシリコン基板を窒素イオンで過剰にダメージを生じさせることのないプラズマ窒化プロセスのための方法及び装置が要望される。
【発明の概要】
【0012】
[0012]本発明は、一般に、プラズマ電子温度スパイクを減少するための滑らかに変化する変調の電源によりゲート誘電体をプラズマ窒化する方法及び装置に係る。
【0013】
[0013]本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0014】
[0014]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップであって、滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、を備えた方法を提供する。
【0015】
[0015]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0016】
[0016]本発明の実施形態は、更に、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を基板に形成するステップと、を備えた方法を提供する。
【0017】
[0017]また、本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、プラズマ窒化プロセスチャンバーと、滑らかに変化する変調の電源電力を発生できる電力発生器と、を備えた装置も提供する。
【0018】
[0018]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、前記で簡単に要約した本発明を、添付図面に幾つか示された実施形態を参照して、より詳細に説明する。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、それ故、本発明の範囲を何ら限定するものではなく、本発明は、他の等しく有効な実施形態も受け入れられることに注意されたい。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0019】
[0035]本発明の実施形態は、ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法及び装置を包含する。より詳細には、本発明は、滑らかに変化する変調(又はパルス化)の電源電力を使用することにより窒化プラズマの電子温度におけるスパイクを減少するための方法及び装置を包含する。
【0020】
[0036]図3は、プラズマ窒化されたゲート誘電体を形成するためのプロセスフローの実施例を示す。プロセスは、ステップ300においてシリコン基板を用意することでスタートする。第1に、ステップ302において、炉又は急速熱処理チャンバーのいずれかでSiウェハ上に約5Åから約40Åの熱酸化物膜が成長される。ここでは、一実施例として、二酸化シリコン(SiO2)ゲート誘電体について説明する。本発明は、誘電率が4.0より大きな高Kの誘電体材料である他の形式のゲート誘電体、例えば、SiON、SiN、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)、等に適用することもできる。第2に、ステップ304において、プラズマ窒化のために少なくとも窒素含有ガスを収容するプラズマチャンバーに基板が移送される。プラズマ窒化プロセスは、ステップ304で、SiOxNy形成における窒化ドーズを制御するために約2秒から約20分間続けられる。その後、ステップ306において、SiOxNy膜の任意の窒化後アニールのために、急速熱処理チャンバーへ基板を移送することができる。この窒化後アニールは、不活性又は酸化周囲環境において約700−1100℃の温度で行うことができる。或いはまた、この任意の窒化後アニールは、不活性又は還元ステップの後に酸化ステップが続く2段階プロセスで構成されてもよい。ゲート誘電体を形成した後に、ステップ308において、ポリシリコンのようなゲート電極が低圧力化学気相堆積(LPCVD)により堆積される。ゲート電極は、金属層であってもよい。
【0021】
[0037]プラズマ窒化処置の間に高エネルギーイオンが当たることによりゲート酸化物及びシリコンチャンネルに生じるダメージは、チャンネル移動度の減少に貢献し得る。電子温度(kTe)とは、プラズマにおける自由電子のエネルギー分布を記述するエネルギースケールである。電子温度が低いことは、高エネルギー電子が少なく、従って、高エネルギー窒素イオンが少ないことを意味する。プラズマ窒化SiOxNyゲート誘電体をもつトランジスタのチャンネル移動度の改善は、窒素プラズマが低い電子温度を有するときに生じる。電子温度の低下は、イオン化電源電力を「変調」(又はパルス化)するか、イオン化電源電力をkHz周波数でターンオン及びオフすることにより可能となる。
【0022】
[0038]2003年6月12日に出願された「PlasmaMethod and Apparatus for Processing a Substrate」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/461,083号では、窒素含有プラズマをプラズマ変調シーケンスを経て制御して、従来のプラズマ処理により与えられるものより低い電子温度を発生するという発明が説明されている。プラズマに対する制御は、低い電子温度を与えるように構成され、これは、例えば、ゲート窒化プロセスに使用してデバイス特性を改善し、即ちトランスコンダクタンスがあまり低下しないようにすることができ、これは、ゲート誘電体型のデバイスではチャンネル移動度の改善を表わす。
【0023】
[0039]米国特許出願第10/461,083号は、一般に、窒素含有プラズマを短い時間周期中付勢するように動作し、次いで、プラズマがある時間周期中弛緩又は消散するのを許容するプラズマ変調(又はパルス化)シーケンスを説明している。この消散時間周期(又は残光周期)は、窒素含有プラズマを維持しながら、電子温度が低下するのを許容する。イオン化電源変調のオフ又は弛緩部分の間に、プラズマ内の電子が自由に拡散する。しかしながら、電子がいかに速く拡散するかは、電子のエネルギーに直接関係していることが知られている。それ故、高エネルギーの電子、即ちホット電子は、低エネルギーの電子よりもプラズマから急速に拡散し、その結果、プラズマの構成成分の平均エネルギーが低くなり、即ち電子温度が低くなると共にプラズマの温度が低くなる。また、前記特許出願には、イオン化電源により与えられる変調(又はパルス)のデューティサイクルも、プラズマの構成成分の平均温度に影響することが開示されている。デューティサイクルは、各サイクル中にRF電力がオンである時間のパーセンテージとして定義される。特に、長い変調オン(又はパルスオン)時間に対応する大きなデューティサイクルは、変調オン時間中のより長い時間周期にプラズマの電子が励起されるので、よりホットなプラズマを発生する。
【0024】
[0040]図4Aは、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライド・マテリアルズにより製造された減結合プラズマ窒化プロセスリアクタ400の概略断面図である。本発明を実施するのに使用できるリアクタの一実施例は、誘導プラズマ電源リアクタである。リアクタ400は、ウェハ支持ペデスタル416を導電性本体(壁)430内に有するプロセスチャンバー410と、コントローラ440とを備えている。チャンバー410は、実質的にフラットな誘電体天井420と共に供給される。チャンバー410の他の変形例は、他の形式の天井、例えば、ドーム形状の天井を有してもよい。天井420の上には、少なくとも1つの誘導性コイル要素412を含むアンテナが配置されている(2つの同軸要素412が示されている)。誘導性コイル要素412は、第1マッチング回路網419を経てプラズマ電源418に結合される。このプラズマ電源418は、通常、50kHzから13.56MHzの範囲の同調可能な周波数において3000Wまで発生することができる。
【0025】
[0041]支持ペデスタル(カソード)416は、第2のマッチング回路網424を経てバイアス電源422に結合される。このバイアス電源422は、一般に、50kHzから13.56MHzの同調可能な周波数及び0から5000ワットの電力をもつRF信号を発生することができる。しかしながら、これは、処理中には切断される。任意であるが、バイアス電源422は、DC又はパルス化DC電源でよい。コントローラ440は、中央処理ユニット(CPU)444と、メモリ442と、CPU444のサポート回路446とを備え、以下に述べるように、チャンバー410の要素、ひいては、窒化プロセスの制御を容易にする。
【0026】
[0042]運転中に、半導体ウェハ414がペデスタル416にのせられると共に、ガスパネル438から導入ポート426を経てプロセスガスが供給されて、混合ガス450を形成する。この混合ガス450は、プラズマ電源418から電力を印加することにより点火されてチャンバー410にプラズマ455を形成する。チャンバー410の内部の圧力は、スロットルバルブ427及び真空ポンプ436を使用して制御される。通常、チャンバー壁430は、電気的接地点434に結合される。壁430の温度は、壁430を通して延びる液体含有コンジット(図示せず)を使用して制御される。
【0027】
[0043]ウェハ414の温度は、支持ペデスタル416の温度を安定化することにより制御される。一実施形態では、ガス源448からのヘリウムガスが、ガスコンジット449を経て、ウェハ414の下のペデスタル面に形成されたチャンネル(図示せず)に供給される。ヘリウムガスは、ペデスタル416とウェハ414との間の熱伝達を容易にするために使用される。処理中に、ペデスタル416は、ペデスタル内の抵抗性ヒータ(図示せず)により定常温度に加熱することができ、次いで、ヘリウムガスがウェハ414の均一加熱を容易にする。このような熱制御を使用して、ウェハ414は、約20℃から350℃の温度に維持される。
【0028】
[0044]上述したプロセスチャンバー410の制御を容易にするために、コントローラ440は、種々のチャンバー及びサブプロセッサを制御するための工業用設定に使用できる何らかの形式の汎用コンピュータプロセッサの1つでよい。CPU444のメモリ442又はコンピュータ読み取り可能な媒体は、入手容易なメモリ、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、或いは他の形式のローカル又はリモートのデジタル記憶装置の1つ以上でよい。サポート回路346は、プロセッサを従来の仕方でサポートするためにCPU444に結合される。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路及びサブシステム、等を含む。本発明の方法は、一般に、ソフトウェアルーチンとしてメモリ442に記憶される。また、ソフトウェアルーチンは、CPU444により制御されるハードウェアからリモート位置にある第2のCPU(図示せず)により記憶及び/又は実行されてもよい。
【0029】
[0045]図4Bは、図4Aのプラズマ電源418により発生される非変調のイオン化電源電力波形の一実施例を示す。この電力は、高周波(RF)で動作される。図4Cは、方形波変調(又はパルス化)イオン化電源電力波形の一実施例を示す。電力変調周波数は、通常、kHz周波数においてターンオン及びオフされる。図4B及び図4CにおけるAC電力の発振周波数(RF)は、正しいスケールで描かれていない。ピークRF電力は、通常、約50ワットから約3000ワットにセットされる。変調(又はパルス)のデューティサイクルは、約5%から約90%でよく、また、イオン化電力は、プラズマの構成成分の希望の平均温度を発生するために約0%から約100%の間で変化させてもよい。プラズマ窒化プロセスは、通常、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される。N2又はNH3のような窒素含有ガスについては、流量が約50sccmから約20slmである。窒素含有ガスに加えて、プロセスガスは、プラズマを維持すると共に電子温度を変更するために、He、Ar、Ne(ネオン)、Kr(クリプトン)又はXe(キセノン)のような不活性ガスを含むことができる。不活性ガスの流量は、約0sccmから約20slmである。プロセスを実行するのに使用できるプラズマリアクタの一実施例は、図4Aにおいて説明した、カリフォルニア州サンタクララに所在するアプライド・マテリアルズにより製造された減結合プラズマ窒化(DPN)チャンバーである。しかしながら、プラズマ窒化プロセスのプラズマは、例えば、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、マグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源、或いは処理チャンバー内でのプラズマ発生を容易にするために使用できる他のイオン化電源を含む種々のイオン化電源により形成できることに注意されたい。表面波電源は、非常に高い周波数(100MHz−10GHz)のプラズマ電源で、ガス衝突周波数が電磁波の周波数より著しく低く、「表面波」又は「波加熱」をベースとするエネルギー伝達メカニズムにより電磁電力がプラズマへと吸収される。このような電源は、通常、非常に高い周波数の電源と、電源をチャンバーへ接続する導波器と、誘電体チャンバー壁と、非常に高い周波数の電力がチャンバーへ結合されるところの誘電体壁に隣接した開
口又はスロットの配列体とを含む。マイクロ波イオン化電源は、表面波電源の一形式である。
【0030】
[0046]図5Aは、NMOS(nチャンネル金属酸化物半導体)の場合に、最大チャンネルトランスコンダクタンス(gmmax)(対非ドープSiO2)の変化を、膜内の窒素のパーセンテージの関数として表わすデータを示している。トランジスタの製造においては、トランスコンダクタンスの変化又はシフトの可能性が最低であるのが望ましいことに注意されたい。しかしながら、一般に、トランジスタ製造プロセスには窒素が導入される。というのは、トランジスタのゲート漏洩を減少し、ポリシリコンゲート電極からホウ素が拡散するのを防止し、且つ電気的な厚みを減少して、改善されたオフ状態制御を与えることが知られているからである。それ故、高い濃度の窒素合体が望まれる。最大チャンネルトランスコンダクタンスのシフト(又は低下)は、窒素を排除することで減少できるが、窒素を排除すると、ゲート漏洩、拡散及びオフ状態制御に著しい悪影響を及ぼすことになる。従って、目標は、充分な窒素の合体と、窒素の合体により与えられる利益とを維持しながら、最大チャンネルトランスコンダクタンスのシフトを減少することである。
【0031】
[0047]より詳細には、図5Aは、非変調のRF構成により発生される窒素含有プラズマに対する最大チャンネルトランスコンダクタンス(501)と、方形波変調RF電源の場合(502)との相違を示す。非変調構成(501)及び方形波変調構成(502)に対するデータポイントの各々は、マッチング圧力(20ミリトール)、電力(500ワットから750ワット)、時間巾(10秒)、N2流量(50sccmから20slm)、及びデューティサイクル(50%)を使用して収集される。このデータは、方形波変調電源を使用した窒素含有プラズマ(白丸及び曲線502)が、非変調構成により発生された窒素含有プラズマ(黒丸及び曲線501)よりも、最大チャンネルトランスコンダクタンスの低下を減少する(即ち改善する)ことを示している。また、図5Aに示されたgmmaxの変化における同様の改善が、スレッシュホールド電圧のシフト及び飽和ドレイン電流についても得られ、これは、2003年6月12日に出願された「Plasma Method and Apparatus for Processing a Substrate」と題する共通に譲渡された米国特許出願第10/461,083号に説明されている。図5Bに示すように、PMOS(pチャンネル金属酸化物半導体)トランジスタの場合にも、同様の改善(非変調については黒丸及び曲線503、方形波変調については白丸及び曲線504)を得ることができる。
【0032】
[0048]方形波変調(又はパルス化)電源電力によるプラズマ窒化は、図5A及び図5Bに各々示すように、NMOS及びPMOSの場合に、ゲート酸化物の所与の窒素濃度においてチャンネル移動度の尺度である最大トランスコンダクタンスの低下について、非変調電源に勝る改善を示したが、時間の関数として電源電力が急激に変化すると、電源電力の方形波変調を使用するときに電子温度に短命であるが大きさの大きいスパイクを招く。方形波変調電源電力でのプラズマ窒化プロセスに対する時間の関数としての電子温度の測定(曲線602)が図6に示されている。また、図6に参照としてプロットされているのは、非変調の電源電力についてその他同じ条件で測定された電子温度(曲線601)である。電子温度の測定は、誘導性結合のRFプラズマリアクタにラングミュアプローブを使用して実行される。このラングミュアプローブは、プラズマ内の荷電粒子の密度及びエネルギーの測定を許容する。プローブは、チャンバーの中心においてウェハ上約4cmに位置される。プローブ収集の時定数は、パルス化RFの場合にRFオン及びRFオフの両周期にわたり平均化を行うに充分な長さである。方形波変調プロセスの場合の時間平均化電子温度は、非変調プロセスの場合より低いが、方形波変調プロセスは、電子温度に著しいスパイクを有する。方形波変調電源電力に対して図6に示された電子温度のオーバーシュートは、RF電力の急激な変化によるものである。RF電力の時間導関数が不連続性をこうむるときに電子温度がスパイク状になる。高い電子温度は、高いエネルギーをもつイオンを反射するので、電子温度のこれらスパイクは、チャンネル移動度にダメージを及ぼすことになる。10kHzの典型的な変調周波数において、ウェハは、毎秒10000個のこのようなスパイクを経験する。累積されるダメージは、甚だしいものとなる。
【0033】
[0049]更に、図7Aは、方形波変調電源電力を使用するときに、時間平均化される電子温度(<kTe>)が望ましくは長いオフ時間(例えば、固定周波数においてパルスデューティを減少することによる)と共に低下することを示している。ここで、<kTe>は、パルス周期をτとすれば、式(1)において通常のやり方で定義される。
【0034】
【数1】
【0035】
しかしながら、図7Aに示すように、種々の方形波変調パラメータに対して最大電子温度スパイクを減少することができない。特に、図7Aは、方形波変調電源電力を使用するときに長いオフ時間を使用すると(例えば、固定周波数において変調デューティを減少することにより)、大きな電子温度スパイク(高いMax kTe)を生じることを示す。図7Aのデータは、10ミリトールのチャンバー圧力、100ワットの有効電力、10kHzの変調周波数、及び10−50%のデューティサイクルのもとで収集される。N2の流量は、50sccmから20slmである。有効電力は、デューティサイクルにピーク電力を乗算することにより計算される。
【0036】
[0050]方形波変調(又はパルス化)電源電力の改善は、電子温度スパイクを減少することである。本発明は、滑らかに変化する変調(又はパルス化)電源電力の使用により電子温度のスパイクを減少して、チャンネル移動度を改善すると共に、トランスコンダクタンスシフト低下を減少する方法及び装置を包含する。
【0037】
[0051]図8に示すような滑らかに変化する変調高周波(RF)波形は、窒素プラズマを発生するためのイオン化電源電力として使用される。図7Bは、滑らかに変化する変調のRF波形を使用してパーセント電力オフ時間(又は1−デューティサイクル)の関数として収集された最大電子温度(Max kTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を示す。この結果は、低い<kTe>の利益に加えて、最大電子温度が長い電力オフ時間と共にフラットのままであることを示している。また、図7Aのデータは、図7Bのデータと同様のプロセス条件のもとでも収集される。
【0038】
[0052]2kHzのパルス周波数及び50%デューティサイクルにおける滑らかに変化する変調及び方形波変調RFプラズマの時間分析電子温度測定が図9Aに示されている。曲線901は、方形波変調RFプラズマに対する測定をトレースしたもので、電力が約100μsにターンオンされたときに大きなスパイクを示している。曲線902は、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する測定をトレースするもので、電力がターンオンされたときに非常に小さなスパイクを示している。その結果は、滑らかに変化する変調電源電力プラズマに対して小さな最大値kTeを指示する。10kHzパルス周波数及び50%デューティサイクルにおける方形波変調RFプラズマと滑らかに変化する変調のRFプラズマとの間の同様の比較が図9Bに示されている。曲線903は、方形波変調RFプラズマに対する測定をトレースし、一方、曲線904は、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する測定をトレースする。また、図9Bの結果も、方形波変調RFプラズマに比して、滑らかに変化する変調のRFプラズマに対する小さな電子温度スパイクを示している。両方の場合に、電子温度におけるオーバーシュート又はスパイクは、滑らかに変化する変調プロセスを方形波変調プロセスと比較したときに著しく減少される。特に、本発明は、比較的長い電力オフ時間、例えば、曲線902に示す2kHzデータの場合に250μsの電力オフ時間の場合でも、電子温度のオーバーシュートを制御する能力を立証した。低いパルス周波数を使用するか、低いデューティサイクルを使用するか、又はその両方により長い電力オフ時間を達成することは、最小の平均電子温度(<kTe>)を得るために望ましい。滑らかに変化する変調がないと、最大電子温度(Max kTe)は、2kHzプロセスに対して非常に高くなる(曲線901を参照)。滑らかに変化する変調は、Max kTeを増加せずに、長いオフ時間が<kTe>を減少できるようにする。
【0039】
[0053]図8に示すような滑らかに変化する変調電力波形は、図4Aのプラズマ電源418において、方形波変調RF波形をRC(抵抗器−キャパシタ)フィルタに送給し、該フィルタが高周波を減衰して波形を平滑化し、滑らかに変化する変調のRF波形(図10Aを参照)とすることにより、発生することができる。フィルタの抵抗(R)及びキャパシタンス(C)を調整することにより、滑らかに変化するパルス高周波波形を発生することができる。また、滑らかに変化する変調のRF波形は、関数発生器によるか、或いはRCフィルタ及び/又はブロードバンド増幅器との組み合せにより発生することもできる。滑らかに変化する変調のRF電力を発生するのに必要な要素の一実施例が図10Bに示されている。関数発生器、RCフィルタ及びブロードバンド増幅器により発生された滑らかに変化する変調のRF電源電力は、RFマッチング回路及びコイルに送給される。関数発生器、RCフィルタ及びブロードバンド増幅器は、図4Aのプラズマ電源418の要素である。
【0040】
[0054]図8に示す滑らかに変化する変調波形は、非変調の波形又は方形波変調の波形に勝る改善を与える唯一の波形ではないことに注意されたい。他の一般的な波形属性も著しい改善を与えることができる。一般に、イオン化電源電力の大きさの時間導関数に不連続性がなくて、時間の関数としてのイオン化電源の大きさが区分的に滑らかであることで、電子温度のスパイクを防止することができる。更に、イオン化電力の大きさがゼロである限定部分を伴う滑らかに変化する変調のRF波形は、電子温度の時間平均値を減少することができる。他の形式の滑らかに変化する変調のRF波形の2つの実施例が図11A及び11Bに示されている。図11A及び図11Bにおける上方傾斜及び下方傾斜時間並びに勾配は、等しくてもよいし異なってもよい。図11A及び図11Bにおける電力オフ時間は、電力オン時間より長くてもよいし短くてもよい。
【0041】
[0055]図12は、他の点では同一の処理条件にある3つのケース、即ち非変調、方形波変調、及び滑らかに変化する変調のRF電源に対して、サイクル当りのオフ時間の関数として時間平均化電子温度(<kTe>)をプロットしたものである。両変調RFプロセスは、非変調プロセスより低い<kTe>を有する。方形波変調RFプロセスについて図7Aに示された結果と同様に、図12も、滑らかに変化する変調のRFプロセスに対してオフ時間の増加に伴い<kTe>が減少されることを示している。しかしながら、図13は、方形波変調RFプロセスが、滑らかに変化する変調のRFプロセスと比較したときに、ほぼ2倍も大きな最大電子温度(Max kTe)を有することを示している。図12及び13の両方において、滑らかに変化する変調のRFプロセスに対して、傾向を示す破線が引かれ、減少する<kTe>と、オフ時間の増加に伴いほぼ一定の最大電子温度とを示している。これらの傾向に続いて、滑らかに変化する変調のRFプロセスでは、長い電力オフ時間において、改善されたチャンネル移動度が期待される。
【0042】
[0055]図14A及び14Bは、1.2nmの固定EOT(有効酸化物厚み)を有する誘電体の場合に、NMOS(図13A)及びPMOS(図13B)について、チャンネル導電率(Ko)対ゲート漏洩磁束(Jg)のデータプロットを示す。チャンネル導電率(Ko)は、移動度をEOTで除算したものに等しく、チャンネル移動度の尺度である。固定EOTにおいてコンダクタンス(Ko)が増加することは、移動度の増加を反映する。NMOS及びPMOSの両方に対して、このデータは、滑らかに変化する変調のRF波形が、方形波変調のRFプロセスよりもチャンネル移動度を改善する(高くする)ことを示している。ゲート漏洩磁束(Jg)については、NMOS及びPMOSの両方の結果は、滑らかに変化する変調のプロセスが方形波変調プロセスより若干の改善を与える(ゲート漏洩を少なくする)ことを示している。
【0043】
[0057]以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、他の及び更に別の実施形態を案出することができ、それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明により製造できる従来のFETを示す概略断面図である。
【図2】従来の熱窒化プロセス及びプラズマ窒化プロセスに対し、二次イオン質量分光データに基づく窒素濃度プロフィールを示すグラフである。
【図3】本発明によるプロセスフローチャートである。
【図4A】本発明の実施形態によるプラズマリアクタの概略図である。
【図4B】周波数が正しい縮尺でないが、高周波における非変調イオン化電源電力を示す図である。
【図4C】周波数が正しい縮尺でないが、kHz周波数における方形波変調RFを示す図である。
【図5A】NMOSの場合に非窒化ゲート誘電体に対する窒化ゲート誘電体の最大トランスコンダクタンスシフトを窒素含有量の関数として示すグラフである。
【図5B】PMOSの場合に非窒化ゲート誘電体に対する窒化ゲート誘電体の最大トランスコンダクタンスシフトを窒素含有量の関数として示すグラフである。
【図6】非変調電源電力のケースと、方形波変調電源電力のケースとに対する時間分析電子温度を示す図である。
【図7A】窒素プラズマに対する最大電子温度(MaxkTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を、方形波変調電源電力に対する変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図7B】窒素プラズマに対する最大電子温度(MaxkTe)及び時間平均化電子温度(<kTe>)を、滑らかに変化する変調電源電力に対する変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図8】滑らかに変化する変調のRF電源電力の概略図である。
【図9A】2kHzのパルス周波数において方形波変調及び滑らかに変化する変調のRF窒素含有プラズマに対する時間分析電子温度の測定値を示すグラフである。
【図9B】10kHzのパルス周波数において方形波変調及び滑らかに変化する変調のRF窒素含有プラズマに対する時間分析電子温度の測定値を示すグラフである。
【図10A】RCフィルタによる方形波変調RF電源電力を、滑らかに変化する変調のRF電源電力に変換する概略フローチャートである。
【図10B】滑らかに変化する変調のRF電源電力の形成を示す概略フローチャートである。
【図11A】滑らかに変化する変調のRF電源を例示する図である。
【図11B】滑らかに変化する変調のRF電源を例示する図である。
【図12】滑らかに変化する変調のRF、方形波変調RF、及び非変調プラズマに対する時間平均化kTe(<kTe>)を変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図13】滑らかに変化する変調のRF、方形波変調RF、及び非変調プラズマに対する最大kTeを変調サイクル当りのオフ時間の関数として示すグラフである。
【図14A】NMOSの場合に、非変調RF及び滑らかに変化する変調のRFプラズマのチャンネル導電率対ゲート漏洩磁束を示すグラフである。
【図14B】PMOSの場合に、非変調RF及び滑らかに変化する変調のRFプラズマのチャンネル導電率対ゲート漏洩磁束を示すグラフである。
【符号の説明】
【0045】
100・・・電界効果トランジスタFET、102・・・基板、104・・・ゲート誘電体、106・・・ゲート電極、108・・・スペーサ、110・・・ソース/ドレイン接合、400・・・プロセスリアクタ、410・・・プロセスチャンバー、412・・・誘導性コイル要素、414・・・半導体ウェハ、416・・・ウェハ支持ペデスタル、418・・・プラズマ電源、419、424・・・マッチング回路網、420・・・誘電体天井、422・・・バイアス電源、427・・・スロットルバルブ、430・・・導電性本体、434・・・電気的接地点、438・・・ガスパネル、440・・・コントローラ、442・・・メモリ、444・・・中央処理ユニット、446・・・サポート回路、448・・・ガス源、450・・・混合ガス、455・・・プラズマ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)より成るグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記滑らかに変化する変調の電源は、イオン化電源電力の大きさの時間導関数に不連続性がなく、時間の関数としてのイオン化電力の大きさが区分的に滑らかである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0slmから約20slmの流量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項10】
上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によってイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項13】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)より成るグループから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
上記電源は、滑らかに変化する変調の電源であり、時間の関数としての電力の大きさの時間導関数は、区分的に滑らかである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0slmから約20slmの流量で含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記変調電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項21】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項24】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)を含むグループから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
上記電源は、電力の大きさの時間導関数に不連続性がないものであり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさは、区分的に滑らかである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0sccmから約20slmの流量で含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項32】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
滑らかに変化する変調電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項35】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
上記滑らかに変化する変調の電源は、電力の大きさの時間導関数に不連続性がなく、時間の関数としてのイオン化電力の大きさが区分的に滑らかである、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させること、及びイオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させることの少なくとも一方を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項41】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性がない変調電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項42】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
上記電源は滑らかに変化する変調の電源であり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさの時間導関数は区分的に滑らかである、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させる、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形となるようにした電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項49】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項51】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項52】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項48に記載の装置。
【請求項53】
上記電源は電力の大きさの時間導関数に不連続性がないものであり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさは区分的に滑らかである、請求項48に記載の装置。
【請求項54】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させる、請求項52に記載の装置。
【請求項1】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)より成るグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記滑らかに変化する変調の電源は、イオン化電源電力の大きさの時間導関数に不連続性がなく、時間の関数としてのイオン化電力の大きさが区分的に滑らかである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0slmから約20slmの流量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
滑らかに変化する変調の電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項10】
上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によってイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項13】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)より成るグループから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
上記電源は、滑らかに変化する変調の電源であり、時間の関数としての電力の大きさの時間導関数は、区分的に滑らかである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0slmから約20slmの流量で含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性のない変調電源によりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記変調電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項21】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板をプラズマチャンバーに入れるステップと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップと、
を備えた方法。
【請求項24】
上記ゲート誘電体は、二酸化シリコン(SiO2)、シリコンオキシニトライド(SiON)、窒化シリコン(SiN)、酸化ハフニウム(HfO2)、珪酸ハフニウム(HfSiO2)、ハフニウムシリコンオキシニトライド(HfSiON)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、珪酸ジルコニウム(ZrSiO2)、バリウムストロンチウムチタネート(BaSrTiO3、又はBST)、鉛ジルコネートチタネート(Pb(ZrTi)O3、又はPZT)を含むグループから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記プラズマは、誘導性結合電源、容量性結合電源、表面波電源、マイクロ波電源、電子サイクロトロン共振電源(ECR電源)、及びマグネトロン又は変更型マグネトロン形式の電源より成るグループから選択されたプラズマ電源に電力を印加することにより与えられる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
上記電源は、電力の大きさの時間導関数に不連続性がないものであり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさは、区分的に滑らかである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上記プラズマプロセスは、約1ミリトールから約1トールの圧力で動作される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、不活性ガスを約0sccmから約20slmの流量で含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
上記電源はRF電源であり、上記変調周波数は約1kHzから約100kHzである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
ゲート誘電体をプラズマ窒化する方法において、
ゲート誘電体膜を含む基板を、誘導性結合されたプラズマチャンバーに入れるステップと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形電源となるようにしたものによりイオン化された窒素含有プラズマに上記基板を露出して、窒化されたゲート誘電体を上記基板に形成するステップであって、上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約1kHzから約100kHzの周波数において約5%から約90%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させ、更に、上記窒素含有プラズマのプロセスガスは、窒素(N2)及びアンモニア(NH3)ガスの少なくとも1つを約50sccmから約20slmの流量で含むようなステップと、
を備えた方法。
【請求項32】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約5kHzから約20kHzの周波数において約5%から約50%の間で変化させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記ピーク電力は約50ワットから約3000ワットである、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
滑らかに変化する変調電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項35】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
上記滑らかに変化する変調の電源は、電力の大きさの時間導関数に不連続性がなく、時間の関数としてのイオン化電力の大きさが区分的に滑らかである、請求項34に記載の装置。
【請求項40】
上記滑らかに変化する変調の電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させること、及びイオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させることの少なくとも一方を含む、請求項34に記載の装置。
【請求項41】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
電力の大きさの時間導関数に不連続性がない変調電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項42】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
上記電源は滑らかに変化する変調の電源であり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさの時間導関数は区分的に滑らかである、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させる、請求項45に記載の装置。
【請求項48】
ゲート誘電体をプラズマ処理する装置において、
プラズマ窒化プロセスチャンバーと、
方形波変調RF波形を抵抗器−キャパシタでフィルタして、滑らかに変化する変調のRF波形となるようにした電力を発生するように構成された電力発生器と、
を備えた装置。
【請求項49】
上記電力発生器は抵抗器−キャパシタフィルタを含む、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
上記電力発生器は関数発生器を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項51】
上記電力発生器は、関数発生器、RCフィルタ、及びブロードバンド増幅器を含む、請求項48に記載の装置。
【請求項52】
上記電力発生器は、デューティサイクルが約5%から約90%で、繰り返し周波数が1kHzから約100kHzで、且つ電力がピーク電力の約0%から約100%であるRF電力を発生するように構成される、請求項48に記載の装置。
【請求項53】
上記電源は電力の大きさの時間導関数に不連続性がないものであり、時間の関数としてのイオン化電力の大きさは区分的に滑らかである、請求項48に記載の装置。
【請求項54】
上記電源は、パルスのデューティサイクルを、約2kHzから約20kHzの繰り返し周波数において約5%から約50%の間で変化させると共に、イオン化電力をピーク電力の約0%から約100%の間で変化させる、請求項52に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2012−256900(P2012−256900A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−161707(P2012−161707)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2006−533375(P2006−533375)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161707(P2012−161707)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2006−533375(P2006−533375)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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