説明

接続状態検査装置、接続状態検査方法および接続システム

【課題】接続状態を短時間で正確に検査することが可能な接続状態検査装置、接続状態検査方法および接続システムを提供する。
【解決手段】可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査装置101であって、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影部4と、撮影した接続部分の画像に基づいて、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定部1とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続状態検査装置に関し、特に、可視光が透過可能な透光性部品に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査装置、接続状態検査方法および接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示モジュールでは、液晶表示パネルとPCB(Printed Circuit Board)とが、たとえば駆動IC(Integrated Circuit)等が搭載されたフィルム状部品であるSOF(System On Film)等を介して接続される。そして、液晶表示パネルとSOF、およびSOFとPCB(Printed Circuit Board)は、それぞれACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)等を介して接続される。ここで、ACFとは、樹脂ボールにめっき処理したものまたは半田等の導電性粒子を、内部に分散させた高分子膜のことである。ACFを上下の電極で挟んで圧力をかけながら押さえると導電性粒子を介して上下方向が導通状態となる。このとき、左右方向は絶縁状態である。
【0003】
たとえば、特許文献1には、以下のような構成が開示されている。すなわち、中央部に表示部が設けられ、少なくとも一辺の周辺部に入力端子接続電極と表示部に接続された出力端子接続電極とが形成されているガラス基板と、インナーリード部に駆動用ICの電極が接続され、入力端子および出力端子を構成するアウターリード部が絶縁テープ上に形成されている第1種テープキャリアパッケージとを備える。入力端子および出力端子と入力端子接続電極および出力端子接続電極とが異方性導電フィルムによって接続されている。
【0004】
また、特許文献2には、以下のような構成が開示されている。すなわち、それぞれ所定の位置に対となったアラインメントマークを形成した電子部材の一方を所定の基準位置に配置した基準側となし、他方の電子部材をこの基準側の電子部材に対して位置合わせされる調整側の電子部材とする。そして、画像認識手段でこれら両電子部材のアラインメントマークを認識した上で、調整側の電子部材の位置調整を行った後に、両電子部材を重ね合わせるための方法である。この方法において、基準側の電子部材の一方のアラインメントマークが画像認識手段で認識できない時に、過去のアラインメントマークの位置検出データに基づいて認識できなかったアラインメントマークの位置を推定して、この推定位置に調整側の電子部材を接続する。
【0005】
また、特許文献3には、以下のような構成が開示されている。すなわち、透明な実装用基板の電極パッドに導電性粒子が含まれる異方性導電膜を介して半導体素子や回路基板等の電子素子が熱圧着により実装される電子素子の実装状態検査方法である。この方法において、実装用基板の電極パッドに対する導電性粒子の圧着箇所の隆起状態を透明な実装用基板を介して光学顕微鏡に干渉装置を取り込んだ微分干渉顕微鏡により観察することにより、電子素子の実装用基板に対する実装状態を検査する。
【0006】
また、特許文献4には、以下のような構成が開示されている。すなわち、薄膜トランジスタ表示板と色フィルター表示板との間に液晶が注入された液晶表示パネルを製造する液晶表示パネル製造装置、液晶表示パネルにテープキャリアパッケージを付着させるTCP(Tape Carrier Package)付着装置、テープキャリアパッケージに印刷回路基板を付着させるPCB付着装置、及びテープキャリアパッケージが液晶表示パネルに付着された状態を検査する付着検査装置を含む。
【特許文献1】特開平8−304845号公報
【特許文献2】特開平11−186701号公報
【特許文献3】特開2003−269934号公報
【特許文献4】特開2005−222058号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
液晶表示パネルとフィルム状部品とのACFを介した接続状態を検査する方法としては、たとえば特許文献3に記載されているように液晶表示パネルが含むガラス基板が透明であることを利用してガラス基板を介して導電性粒子、より詳細には導電性粒子の圧着箇所の隆起状態を観察する方法が知られているに過ぎない。
【0008】
すなわち、特許文献1〜特許文献4では、不透明基板であるPCBと、ACFとの接続状態を定量的に検査する技術は開示されておらず、従来は、たとえば検査員の目視によって接続状態が検査されていた。
【0009】
このような従来の検査方法では、接続状態の良否が検査員の感覚で判定されるため、検査員によって判定結果がばらつき、検査結果の客観性が乏しい。また、PCBとACFとの圧着状態、PCBに設けられた端子とACFに設けられた端子との位置ずれ、および異物混入等の検査項目を端子全数に対して実施するため、多大な検査時間が必要になる。
【0010】
それゆえに、本発明の目的は、接続状態を短時間で正確に検査することが可能な接続状態検査装置、接続状態検査方法および接続システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる接続状態検査装置は、可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査装置であって、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影部と、撮影した接続部分の画像に基づいて、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定部とを備える。
【0012】
好ましくは、接続状態判定部は、撮影した接続部分の画像に基づいて異方性導電材料または透光性部品に設けられた端子の変形状態を測定し、測定結果に基づいて接続状態を判定する。
【0013】
好ましくは、液晶表示パネルが含むガラス基板に設けられた端子に接続される端子が透光性部品の第1主表面上にさらに設けられる。
【0014】
好ましくは、透光性部品は、フィルム状部品である。
好ましくは、基板は、プリント基板である。
【0015】
好ましくは、接続状態判定部は、撮影した接続部分の画像から所定の大きさ以上の圧痕を抽出し、抽出した圧痕の個数に基づいて接続状態を判定する。
【0016】
より好ましくは、接続状態判定部は、抽出した圧痕の個数が所定範囲内である場合には接続状態が良好であると判定し、抽出した圧痕の個数が所定範囲外である場合には接続状態が異常であると判定する。
【0017】
好ましくは、接続状態判定部は、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕のうち、所定値以上の大きさまたは所定値以上の長さを有する圧痕を異物であると判定する。
【0018】
好ましくは、接続状態判定部は、さらに、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕の位置に基づいて、透光性部品と基板とを接続する接続装置の位置の異常、接続装置の変形および接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出する。
【0019】
好ましくは、透光性部品および基板にはそれぞれ複数本の端子が設けられ、撮影部は、透光性部品に設けられた各端子と基板に設けられた各端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影し、接続状態判定部は、さらに、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕の位置に基づいて、透光性部品と基板とを接続する接続装置の位置の異常、接続装置の変形および接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出する。
【0020】
好ましくは、接続状態判定部は、撮影した接続部分の画像から透光性部品に設けられた端子および基板に設けられた端子を抽出し、抽出結果に基づいて透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との位置ずれを検出する。
【0021】
好ましくは、接続状態検査装置は、さらに、撮影部が撮影した接続部分の画像および接続状態判定部が判定した接続状態を記憶する記憶部を備える。
【0022】
好ましくは、接続状態検査装置は、さらに、撮影部が撮影した接続部分の画像および接続状態判定部が判定した接続状態を外部へ転送する転送部を備える。
【0023】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる接続状態検査方法は、可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査方法であって、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影ステップと、撮影した接続部分の画像に基づいて、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定ステップとを含む。
【0024】
好ましくは、接続状態判定ステップにおいては、撮影した接続部分の画像に基づいて異方性導電材料または透光性部品に設けられた端子の変形状態を測定し、測定結果に基づいて接続状態を判定する。
【0025】
好ましくは、液晶表示パネルが含むガラス基板に設けられた端子に接続される端子が透光性部品の第1主表面上にさらに設けられる。
【0026】
好ましくは、透光性部品は、フィルム状部品である。
好ましくは、基板は、プリント基板である。
【0027】
好ましくは、接続状態判定ステップにおいては、撮影した接続部分の画像から所定の大きさ以上の圧痕を抽出し、抽出した圧痕の個数に基づいて接続状態を判定する。
【0028】
より好ましくは、接続状態判定ステップにおいては、抽出した圧痕の個数が所定範囲内である場合には接続状態が良好であると判定し、抽出した圧痕の個数が所定範囲外である場合には接続状態が異常であると判定する。
【0029】
好ましくは、接続状態判定ステップにおいては、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕のうち、所定値以上の大きさまたは所定値以上の長さを有する圧痕を異物であると判定する。
【0030】
好ましくは、接続状態検査方法は、さらに、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕の位置に基づいて、透光性部品と基板とを接続する接続装置の位置の異常、接続装置の変形および接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出するステップを含む。
【0031】
好ましくは、透光性部品および基板にはそれぞれ複数本の端子が設けられ、撮影ステップにおいては、透光性部品に設けられた各端子と基板に設けられた各端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影し、接続状態検査方法は、さらに、撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、抽出した圧痕の位置に基づいて、透光性部品と基板とを接続する接続装置の位置の異常、接続装置の変形および接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出するステップを含む。
【0032】
好ましくは、接続状態判定ステップにおいては、撮影した接続部分の画像から透光性部品に設けられた端子および基板に設けられた端子を抽出し、抽出結果に基づいて透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との位置ずれを検出するステップを含む。
【0033】
好ましくは、接続状態検査方法は、さらに、撮影ステップにおいて撮影された接続部分の画像および接続状態判定ステップにおいて判定された接続状態を記憶するステップを含む。
【0034】
好ましくは、接続状態検査方法は、さらに、撮影ステップにおいて撮影された接続部分の画像および接続状態判定ステップにおいて判定された接続状態を外部へ転送するステップを含む。
【0035】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる接続システムは、可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とを異方性導電材料を介して接続する接続装置と、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続状態を検査する接続状態検査装置とを備え、接続状態検査装置は、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続部分を透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影部と、撮影した接続部分の画像に基づいて、透光性部品に設けられた端子と基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定部とを含み、接続装置は、接続状態の判定結果に基づいて、可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とを異方性導電材料を介して接続する。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、接続状態を短時間で正確に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0038】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置の構成を示す図である。
【0039】
図1を参照して、接続状態検査装置101は、接続状態判定部1と、Y軸−θ軸ロボット2と、X軸−Z軸ロボット3と、画像データ取得用カメラ(撮影部)4と、治具ステージ5と、操作部7と、モニタ8と、記憶部9と、データ転送部10とを備える。
【0040】
接続状態検査装置101は、液晶表示モジュールを検査部材6として治具ステージ5に搭載した状態で、作業者が操作部7を操作することによりセットおよびリセットを手動で行ない、検査は接続状態検査装置101が自動で行なうセミオート機である。
【0041】
接続状態検査装置101の正面左側には操作ボタン類を配置した操作部7が配置されている。治具ステージ5は、Y軸方向すなわち接続状態検査装置101の正面を見た状態における前後方向に移動し、また、θ軸方向に移動する、すなわち水平方向に回転するY軸−θ軸ロボット2に取り付けられている。Y軸−θ軸ロボット2は、治具ステージ5に搭載された検査部材6を検査位置に移動させる。
【0042】
X軸−Z軸ロボット3は、X軸方向すなわち接続状態検査装置101の正面を見た状態における左右方向に移動し、また、Z軸方向すなわち接続状態検査装置101の正面を見た状態における上下方向に移動する。
【0043】
画像データ取得用カメラ4は、X軸−Z軸ロボット3に取り付けられており、検査部材6の検査位置を順次変更して、画像データの取り込み動作を行なう。すなわち、画像データ取得用カメラ4は、検査部材6の接続部分を撮影することにより、画像データを取得する。
【0044】
なお、X軸−Z軸ロボット3は、検査高さ位置を変える機能と、画像データ取得用カメラ4のピント調整機能とを有する2段構造であることが望ましい。
【0045】
接続状態判定部1は、画像データ取得用カメラ4の撮影した画像に基づいて、検査部材6の接続状態を判定する。
【0046】
記憶部9は、画像データ取得用カメラ4によって撮影された画像データと、2値化画像等、画像データに対してデータ処理を行なった結果、および接続状態の検査結果を記憶する。
【0047】
データ転送部10は、記憶部9の記憶データを装置外部の記憶装置に転送する。このような構成により、検査結果を整理し、管理することが可能となる。また、検査結果を継続的に取得してCpK(工程管理能力指数)管理を行なうことにより、液晶表示モジュールの品質の安定性を向上させることができる。
【0048】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置の検査対象である液晶表示モジュールの外観を概略的に示す図である。
【0049】
図2を参照して、液晶表示モジュール51は、液晶表示パネル41と、複数のソース側SOF11Sと、ソース側PCB13Sと、複数のゲート側SOF11Gと、ゲート側PCB13Gとを備える。ソース側SOF11Sおよびゲート側SOF11Gには駆動ICが搭載されている。
【0050】
液晶表示パネル41のソース側の辺には、複数のソース側SOF11Sが接続されている。さらに、複数のソース側SOF11Sは、1枚のソース側PCB13Sに接続されている。
【0051】
液晶表示パネル41のゲート側の辺には、複数のゲート側SOF11Gが接続されている。さらに、複数のゲート側SOF11Gは、1枚のゲート側PCB13Gに接続されている。
【0052】
液晶表示パネルとSOF、およびSOFとPCBは、それぞれACFを介して接続されている。液晶表示パネル41と、ソース側SOF11Sと、ソース側PCB13Sとは、電機的にも接続されている。また、液晶表示パネル41と、ゲート側SOF11Gと、ゲート側PCB13Gとは、電気的にも接続されている。
【0053】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る接続装置の構成を示す図である。
図3を参照して、接続装置201は、パネル搭載用ステージ61と、PCB搭載用ステージ62と、ヒーターブロック64と、圧着ツール65と、緩衝材67とを備える。ヒーターブロック64は、たとえばステンレス製であり、ヒーター63を含む。圧着ツール65は、熱電対66を含む。
【0054】
パネル搭載用ステージ61上に、液晶表示パネル41が載せられる。PCB搭載用ステージ62上に、PCB13が載せられる。
【0055】
ヒーター63が発する熱がヒーターブロック64を介して圧着ツール65の先端部に伝達される。
【0056】
熱電対66は、圧着ツール65の先端部の温度を検出する。検出した温度は、ヒーターブロック64にフィードバックされ、ヒーター63の温度調整に用いられる。
【0057】
圧着ツール65は、圧着ツール65の先端部と支持部であるバックアップ60との間においてSOF11およびPCB13を加熱状態で圧着する。液晶表示パネル41の一辺に対応する複数のSOF11と、PCB13とは、一括して圧着される。
【0058】
圧着ツール65の先端部の幅は1mm〜3mm程度である。圧着ツール65とSOF11との間には、シリコン等を含む耐熱性が高い緩衝材67が挿入される。これにより、圧着ツール65の先端部が熱変形等することを防ぎ、SOF11およびPCB13の圧着状態を安定化する。
【0059】
図4は、SOFとPCBとの接続状態の一例を示す断面図である。図5は、SOF11の主表面S2側から見たSOFとPCBとの接続状態の一例を示す図である。
【0060】
図4および図5を参照して、SOF11と、PCB13とがACF12を介して接続されている。
【0061】
より詳細には、SOF11の主表面S1上にSOF側端子21が設けられる。PCB13の主表面上にPCB側端子22が設けられる。SOF11およびPCB13がACF12を介して加熱状態で押圧されることにより、SOF11に設けられたSOF側端子21と、PCB13に設けられたPCB側端子22とがACF12内の導電性粒子23を介して電気的に接続される。SOF側端子21およびPCB側端子22は、たとえば銅箔である。
【0062】
SOFは、近年、薄型化が進んでおり、可視光が透過可能となってきている。ここで、導電性粒子23およびPCB側端子22は熱圧着により変形しているため、SOF11の主表面S2から熱圧着による導電性粒子23およびPCB側端子22の圧痕を観察することができる。したがって、画像データ取得用カメラ4は、SOF側端子21とPCB側端子22との接続部分71を、図4の矢印Aで示す方向から、すなわちSOF11の主表面S2側から撮影することができる。
【0063】
また、SOF11の主表面S1には、液晶表示パネル41が含むガラス基板に設けられた端子に接続される端子がさらに設けられる。この端子と液晶表示パネル41との接続状態は、図4においてPCB13を液晶表示パネル41のガラス基板に置き換えた状態と同様である。
【0064】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置で撮影した画像の一例を示す図である。
【0065】
図6を参照して、PCB側端子22が薄い白色で観察される。また、SOF側端子21がPCB側端子22と比べてはっきりした白色でPCB側端子22の上方に観察される。これは、撮影時に画像データ取得用カメラ4から照射された光が銅箔であるSOF側端子21およびPCB側端子22で反射するため、画像データ取得用カメラ4において白い像として写るからであると考えられる。SOF側端子21およびPCB側端子22の重なり部分に圧痕24が黒色で観察される。
【0066】
図7は、圧着されたSOFおよびPCBを剥がした状態を示す図である。図7では、図6において黒色で観察される圧痕24すなわち導電性粒子23およびSOF側端子21の圧着による変形状態が示されている。
【0067】
図7を参照して、導電性粒子23が圧着によって変形し、SOF側端子21とPCB側端子22との電気的接続に有効に寄与していることを示す有効圧痕24Aが観察される。また、導電性粒子23の変形度合いが弱く、SOF側端子21とPCB側端子22との電気的接続に寄与していないことを示す無効圧痕24Bが観察される。たとえば面積が小さい圧痕、あるいは端子に対応しない位置に存在している圧痕は無効圧痕24Bと判定される。
【0068】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置および接続装置を用いた液晶表示パネル、SOFおよびPCBの接続工程および検査工程を定めたフローチャートである。
【0069】
図8を参照して、液晶表示パネル41およびPCB13が接続装置201のパネル搭載用ステージ61およびPCB搭載用ステージ62にそれぞれ供給される(ステップS1)。
【0070】
次に、液晶表示パネル41とSOF11とが接続装置201によって接続される(ステップS2)。
【0071】
次に、検査員が液晶表示パネル41とSOF11との接続状態を目視または拡大鏡により検査する(ステップS3)。液晶表示パネル41とSOF11との接続状態が良好でない場合には(ステップS3でNO)、接続装置201が操作されることによってパネル搭載用ステージ61が移動し、液晶表示パネル41およびSOF11が取り出され(ステップS4)、そして修理される(ステップS5)。
【0072】
一方、液晶表示パネル41とSOF11との接続状態が良好である場合には(ステップS3でYES)、PCB13とSOF11とが接続装置201によって接続される(ステップS6)。
【0073】
次に、SOF11を介して接続された液晶表示パネル41およびPCB13は、接続状態検査装置101の冶具ステージ5上に載せられる。そして、接続状態検査装置101は、PCB13とSOF11との接続状態を検査する(ステップS7)。PCB13とSOF11との接続状態が良好でない場合には(ステップS7でNO)、接続状態検査装置101から液晶表示パネル41、SOF11およびPCB13が取り出され(ステップS8)、そして修理される(ステップS9)。
【0074】
一方、PCB13とSOF11との接続状態が良好である場合には(ステップS7でYES)、完成品である液晶表示モジュール51が接続状態検査装置101から取り出される(ステップS10)。
【0075】
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態を検査する際に用いる2値化画像を示す図である。
【0076】
図9を参照して、接続状態判定部1は、画像データ取得用カメラ4が撮影した画像データに対して2値化処理等のデータ処理を行なって2値化画像を生成する。
【0077】
そして、接続状態判定部1は、生成した2値化画像において、SOF側端子21内に検査エリア31を設定し、検査エリア31におけるたとえば論理値”1”の画素、図9では黒色の丸印で示された領域(以下、検出領域とも称する)の大きさを測定する。
【0078】
接続状態判定部1は、所定の大きさ、たとえば画素数で表わされる所定面積以上の検出領域を有効圧痕と判定する。そして、接続状態判定部1は、有効圧痕と判定された検出領域の個数をカウントし、カウント結果が所定範囲内である場合には、PCB13とSOF11との接続状態が良好であると判定する。一方、カウント結果が所定範囲の最小値に達しない場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22間で電気信号を伝達するための導電性粒子23の面積が十分に確保できていないため、接続状態が良好でないと判定される。また、カウント結果が所定範囲の最大値を超える場合には、ACF12が2重に貼り付けられていたり、誤った種類のACFが用いられていたりする可能性があるため、接続状態が良好でないと判定される。
【0079】
さらに、接続状態判定部1は、2値化画像にx座標およびy座標を設定し、抽出したすべての有効圧痕に位置座標データ(x,y)を付与する。たとえば、接続状態判定部1は、図6において、SOF側端子21およびPCB側端子22の整列方向をx軸とし、SOF側端子21およびPCB側端子22の延在方向をy軸とする。そして、接続状態判定部1は、有効圧痕の分布のy軸方向における両端位置およびそのy軸方向の両端位置間における有効圧痕の分布状態に基づいて、圧着ツール65の位置、圧着ツール65の変形、圧着ツール65への異物付着、ならびにSOF側端子21およびPCB側端子22への異物付着等の異常を検出する。たとえば、接続状態判定部1は、有効圧痕がx軸およびy軸と平行な方形状に分布していない場合には、圧着ツール65の位置がずれているか、あるいは圧着ツール65が変形していると判定する。
【0080】
ここで、接続装置201において、PCB13およびSOF11の位置合わせが誤った状態で両者が圧着された場合には、有効圧痕の分布は、x軸およびy軸に対して偏った形状となることが多い。また、圧着ツール65の先端部の面とバックアップ60の先端部の面との平行バランスが崩れた場合には、たとえばPCB13の左側における有効圧痕の方が右側よりも多い等、有効圧痕の分布に偏りが生じてしまう。しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置では、有効圧痕の位置に基づいてこれらの接続不良を検出することができる。
【0081】
また、圧着ツール65に異物が付着した場合には、2値化画像において部分的に圧痕が集中するため、有効圧痕の位置に基づいてこの異常を検出することができる。
【0082】
なお、接続状態判定部1は、複数対のSOF側端子21およびPCB側端子22について上記有効圧痕の抽出および位置座標データの付与を行ない、上記のような圧着ツール65、SOF側端子21およびPCB側端子22等の異常を検出する構成であってもよい。このような構成により、異常をより正確に検出することができる。
【0083】
また、圧着ツール65が変形したり、緩衝材67が切れたりした場合には、複数対のSOF側端子21およびPCB側端子22において、部分的に圧痕が無い箇所が存在するため、有効圧痕の位置に基づいてこれらの異常を検出することができる。
【0084】
図10は、異物が存在する場合の2値化画像を示す図である。
ここで、図9において説明したように単に所定の大きさ以上の検出領域を有効圧痕と判定する構成では、円形の異物32および糸状の異物33等であっても所定面積以上を有していれば有効圧痕であると判定してしまう。
【0085】
このため、接続状態判定部1は、有効圧痕と判定する面積の上限より大きい面積を異物閾値として設定し、この閾値以上の面積を有する検出領域は異物であると判定する。また、接続状態判定部1は、検出領域の面積が異物閾値より小さい場合でも、2値化画像のx座標方向またはy座標方向に所定画素数以上連続して存在している検出領域は糸状の異物であると判定する。接続状態判定部1は、異物が存在する場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態は良好でないと判定する。このような構成により、液晶表示モジュールに不良が発生することを防ぐことができる。
【0086】
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の位置ずれを検査する方法を示す図である。
【0087】
図11を参照して、接続状態判定部1は、生成した2値化画像に基づいて、SOF側端子21およびPCB側端子22を抽出し、抽出した端子の形状に基づいてSOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態を判定する。より詳細には、接続状態判定部1は、PCB側端子22の幅WPを測定し、幅WPの中間位置を通り、かつPCB側端子22の延在方向と平行なPCB端子中央仮想線32を設定する。同様に、接続状態判定部1は、生成した2値化画像に基づいて、SOF側端子21の幅WSを測定し、幅WPの中間位置を通り、かつSOF側端子21の延在方向と平行なSOF端子中央仮想線31を設定する。
【0088】
ここで、x軸方向におけるSOF11およびPCB13の位置ズレは、接続装置201における圧着位置決めの精度、およびSOF11とPCB13との伸びの差によって生じる。圧着位置決めの精度は、接続装置201の機械精度および圧着時の振動によって決まると考えられる。また、SOF11とPCB13との伸びの差は、両者の熱膨張率の差に起因すると考えられる。両者の熱膨張率の差については、設計段階でSOF側端子21の端子ピッチおよびPCB側端子22の端子ピッチを変えることにより対応することが考えられる。しかしながら、フィルム状部材であるSOF11は吸湿によって伸びが生じることもあり、SOF11およびPCB13の圧着時に両者の伸び量を完全に一致させることは困難である。
【0089】
ここで、接続状態判定部1は、PCB端子中央仮想線32とSOF端子中央仮想線31とのx軸方向の距離すなわちPCB側端子22とSOF側端子21とのズレ量ΔXを測定する。これにより、PCB側端子22とSOF側端子21との位置ズレを検出することができる。
【0090】
接続状態判定部1は、ズレ量ΔXが所定値以下である場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続位置が良好であると判定し、ズレ量ΔXが所定値を超える場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22に位置ずれが発生していると判定する。
【0091】
このような構成により、PCB側端子22とSOF側端子21との接続幅が確保されているか、また、隣接端子間の距離が短く電気的にリークする危険性がないか等について判定することができるため、液晶表示モジュールに不良が発生することを防ぐことができる。
【0092】
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の位置ずれを検査する他の方法を示す図である。
【0093】
図12を参照して、接続状態判定部1は、生成した2値化画像に基づいて、PCB側端子22の左端位置とSOF側端子21の左端位置との差a、およびPCB側端子22の右端位置とSOF側端子21の右端位置との差bを測定する。そして、接続状態判定部1は、(a−b)の絶対値が所定値以下である場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続位置が良好であると判定する。一方、接続状態判定部1は、(a−b)の絶対値が所定値より大きい場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22に位置ずれが発生していると判定する。
【0094】
ところで、特許文献1〜特許文献4では、不透明基板であるPCBと、ACFとの接続状態を定量的に検査する技術は開示されておらず、従来は、たとえば検査員の目視によって接続状態が検査されていた。このような従来の検査方法では、接続状態の良否が検査員の感覚で判定されるため、検査員によって判定結果がばらつき、検査結果の客観性が乏しい。また、PCBとACFとの圧着状態、PCBに設けられた端子とACFに設けられた端子との位置ずれ、および異物混入等の検査項目を端子全数に対して実施するため、多大な検査時間が必要になる。
【0095】
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置では、画像データ取得用カメラ4は、SOF11の主表面S1上に設けられたSOF側端子21とPCB13に設けられたPCB側端子22との接続部分をSOF11の主表面S2側から撮影する。そして、接続状態判定部1は、撮影した接続部分の画像に基づいて、SOF側端子21とPCB側端子22との接続状態を判定する。
【0096】
すなわち、PCB13およびSOF11の接続部分の画像データを取得し、SOF側端子21およびPCB側端子22に挟まれているACF12内の導電性粒子23の圧着変形状態を圧痕として捕らえ、電気的に接続されている状態を判定する。このような構成により、作業者の感覚による検査結果の曖昧さを排除し、定量的な判定を行なうことができる。
【0097】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置では、接続状態を短時間で正確に検査することができる。
【0098】
なお、緩衝材67は、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態の均一性を保つ為の緩衝ゴムを含む。これにより、基板の反りおよび圧着ツール65の先端部の曲がりの影響を低減することができる。しかしながら、緩衝ゴムのシワ、蛇行および破れによってSOF11およびPCB13の圧着部分の一部の圧着度合いが弱くなると、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続不良が生じることがある。
【0099】
このような接続不良は、目視検査では検出することが困難であり、また、電機検査では良好であると判定されてしまうため、従来の検査方法では発見することが困難であった。
【0100】
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置では、接続状態判定部1が、2値化画像の検査エリア31において有効圧痕が存在しない場合すなわち有効圧痕の個数が所定範囲の最小値に達しない場合には、SOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態が良好でないと判定する。これにより、上記のような緩衝ゴムの不具合を検出することができる。
【0101】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置では、SOFおよびPCBの接続状態を判定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。SOFに限らず、可視光が透過可能な透光性部品であればどんなものでもよい。また、PCBに限らず、不透明基板であればどんなものでもよい。
【0102】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0103】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る接続状態検査装置および接続装置を組み合わせた液晶表示パネル接続システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る接続状態検査装置および接続装置と同様である。
【0104】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネル接続システムの構成を示す図である。
【0105】
図13を参照して、液晶表示パネル接続システム601は、接続状態検査装置101,301と、接続装置201,401と、ローダー装置501と、アンローダー装置502と、排出装置503,505と、PCB供給装置504とを備える。
【0106】
ローダー装置501は、トレイに搭載された液晶表示パネルを接続装置401に搬入する。
【0107】
接続装置401は、液晶表示パネルおよびSOFを加熱状態で圧着し、圧着された液晶表示パネルおよびSOFを接続状態検査装置301へ送る。接続装置401は、接続装置201と同じ構成要素を備える。
【0108】
接続状態検査装置301は、接続装置401から受けた液晶表示パネルおよびSOFの接続状態を判定する。接続状態検査装置301は、接続状態が良好であると判定した場合には、液晶表示パネルおよびSOFを接続装置201へ送る。一方、接続状態検査装置301は、接続状態に異常があると判定した場合には、液晶表示パネルおよびSOFを排出装置505経由で外部へ排出する。
【0109】
接続装置201は、SOFおよびPCBを加熱状態で圧着し、圧着された液晶表示パネル、SOFおよびPCBを接続状態検査装置101へ送る。
【0110】
接続状態検査装置101は、接続装置201から受けた液晶表示パネル、SOFおよびPCBにおけるSOFおよびPCBの接続状態を判定する。接続状態検査装置101は、接続状態が良好であると判定した場合には、液晶表示パネル、SOFおよびPCBをアンローダー装置502へ送る。
【0111】
アンローダー装置502は、接続状態検査装置101から受けた液晶表示パネル、SOFおよびPCBを完成品である液晶表示モジュールとして外部へ搬出する。
【0112】
一方、接続状態検査装置101は、接続状態に異常があると判定した場合には、液晶表示パネル、SOFおよびPCBを排出装置503経由で外部へ排出する。
【0113】
ここで、接続状態検査装置101は、SOFおよびPCBの接続状態に異常があると判定した場合には、判定した接続状態に基づいて接続装置201へ制御信号を出力する。接続装置201は、接続状態検査装置101から受けた制御信号に基づいて、SOFおよびPCBを圧着する。たとえば、接続装置201は、接続状態検査装置101から受けた制御信号に基づいて、圧着の圧力、圧着時間および加熱温度のうち少なくともいずれか1つを調整する。
【0114】
また、接続状態検査装置301は、液晶表示パネルおよびSOFの接続状態に異常があると判定した場合には、判定した接続状態に基づいて接続装置401へ制御信号を出力する。接続装置401は、接続状態検査装置301から受けた制御信号に基づいて、液晶表示パネルおよびSOFを圧着する。たとえば、接続装置401は、接続状態検査装置301から受けた制御信号に基づいて、圧着の圧力、圧着時間および加熱温度のうち少なくともいずれか1つを調整する。
【0115】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0116】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネル接続システムでは、本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置と同様に、接続状態を短時間で正確に検査することができる。
【0117】
また、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネル接続システムでは、以上のような構成により、液晶表示パネル、SOFおよびPCBの接続状態の判定結果をフィードバックして圧着用のパラメータを変更することができるため、液晶表示パネル、SOFおよびPCBの圧着を適切に行なうことができ、歩留まりを向上させることができる。
【0118】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置の検査対象である液晶表示モジュールの外観を概略的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る接続装置の構成を示す図である。
【図4】SOFとPCBとの接続状態の一例を示す断面図である。
【図5】SOF11の主表面S2側から見たSOFとPCBとの接続状態の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置で撮影した画像の一例を示す図である。
【図7】圧着されたSOFおよびPCBを剥がした状態を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置および接続装置を用いた液晶表示パネル、SOFおよびPCBの接続工程および検査工程を定めたフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の接続状態を検査する際に用いる2値化画像を示す図である。
【図10】異物が存在する場合の2値化画像を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の位置ずれを検査する方法を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る接続状態検査装置が1対のSOF側端子21およびPCB側端子22の位置ずれを検査する他の方法を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示パネル接続システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1 接続状態判定部、2 Y軸−θ軸ロボット、3 X軸−Z軸ロボット、4 画像データ取得用カメラ(撮影部)、5 治具ステージ、6 検査部材、7 操作部、8 モニタ、9 記憶部、10 データ転送部、11 SOF、11S ソース側SOF、11G ゲート側SOF、12 ACF、13 PCB、13S ソース側PCB、13G ゲート側PCB、21 SOF側端子、22 PCB側端子、23 導電性粒子、24 圧痕、24A 有効圧痕、24B 無効圧痕、41 液晶表示パネル、51 液晶表示モジュール、61 パネル搭載用ステージ、62 PCB搭載用ステージ、63 ヒーター、64 ヒーターブロック、65 圧着ツール、66 熱電対、67 緩衝材、101,301 接続状態検査装置、201,401 接続装置、501 ローダー装置、502 アンローダー装置、503,505 排出装置、504 PCB供給装置、601 液晶表示パネル接続システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査装置であって、
前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続部分を前記透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影部と、
前記撮影した接続部分の画像に基づいて、前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定部とを備える接続状態検査装置。
【請求項2】
前記接続状態判定部は、前記撮影した接続部分の画像に基づいて前記異方性導電材料または前記透光性部品に設けられた端子の変形状態を測定し、前記測定結果に基づいて前記接続状態を判定する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項3】
液晶表示パネルが含むガラス基板に設けられた端子に接続される端子が前記透光性部品の前記第1主表面上にさらに設けられる請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項4】
前記透光性部品は、フィルム状部品である請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項5】
前記基板は、プリント基板である請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項6】
前記接続状態判定部は、前記撮影した接続部分の画像から所定の大きさ以上の圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の個数に基づいて前記接続状態を判定する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項7】
前記接続状態判定部は、前記抽出した圧痕の個数が所定範囲内である場合には前記接続状態が良好であると判定し、前記抽出した圧痕の個数が所定範囲外である場合には前記接続状態が異常であると判定する請求項6記載の接続状態検査装置。
【請求項8】
前記接続状態判定部は、前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕のうち、所定値以上の大きさまたは所定値以上の長さを有する前記圧痕を異物であると判定する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項9】
前記接続状態判定部は、さらに、前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の位置に基づいて、前記透光性部品と前記基板とを接続する接続装置の位置の異常、前記接続装置の変形および前記接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項10】
前記透光性部品および前記基板にはそれぞれ複数本の端子が設けられ、
前記撮影部は、前記透光性部品に設けられた各端子と前記基板に設けられた各端子との接続部分を前記透光性部品の第2主表面側から撮影し、
前記接続状態判定部は、さらに、前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の位置に基づいて、前記透光性部品と前記基板とを接続する接続装置の位置の異常、前記接続装置の変形および前記接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項11】
前記接続状態判定部は、
前記撮影した接続部分の画像から前記透光性部品に設けられた端子および前記基板に設けられた端子を抽出し、前記抽出結果に基づいて前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との位置ずれを検出する請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項12】
前記接続状態検査装置は、さらに、
前記撮影部が撮影した接続部分の画像および前記接続状態判定部が判定した前記接続状態を記憶する記憶部を備える請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項13】
前記接続状態検査装置は、さらに、
前記撮影部が撮影した接続部分の画像および前記接続状態判定部が判定した前記接続状態を外部へ転送する転送部を備える請求項1記載の接続状態検査装置。
【請求項14】
可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とが異方性導電材料を介して接続されている状態を検査する接続状態検査方法であって、
前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続部分を前記透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影ステップと、
前記撮影した接続部分の画像に基づいて、前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定ステップとを含む接続状態検査方法。
【請求項15】
前記接続状態判定ステップにおいては、前記撮影した接続部分の画像に基づいて前記異方性導電材料または前記透光性部品に設けられた端子の変形状態を測定し、前記測定結果に基づいて前記接続状態を判定する請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項16】
液晶表示パネルが含むガラス基板に設けられた端子に接続される端子が前記透光性部品の前記第1主表面上にさらに設けられる請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項17】
前記透光性部品は、フィルム状部品である請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項18】
前記基板は、プリント基板である請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項19】
前記接続状態判定ステップにおいては、前記撮影した接続部分の画像から所定の大きさ以上の圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の個数に基づいて前記接続状態を判定する請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項20】
前記接続状態判定ステップにおいては、前記抽出した圧痕の個数が所定範囲内である場合には前記接続状態が良好であると判定し、前記抽出した圧痕の個数が所定範囲外である場合には前記接続状態が異常であると判定する請求項19記載の接続状態検査方法。
【請求項21】
前記接続状態判定ステップにおいては、前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕のうち、所定値以上の大きさまたは所定値以上の長さを有する前記圧痕を異物であると判定する請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項22】
前記接続状態検査方法は、さらに、
前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の位置に基づいて、前記透光性部品と前記基板とを接続する接続装置の位置の異常、前記接続装置の変形および前記接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出するステップを含む請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項23】
前記透光性部品および前記基板にはそれぞれ複数本の端子が設けられ、
前記撮影ステップにおいては、前記透光性部品に設けられた各端子と前記基板に設けられた各端子との接続部分を前記透光性部品の第2主表面側から撮影し、
前記接続状態検査方法は、さらに、
前記撮影した接続部分の画像から圧痕を抽出し、前記抽出した圧痕の位置に基づいて、前記透光性部品と前記基板とを接続する接続装置の位置の異常、前記接続装置の変形および前記接続装置への異物付着のうちの少なくともいずれか1つを検出するステップを含む請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項24】
前記接続状態判定ステップにおいては、前記撮影した接続部分の画像から前記透光性部品に設けられた端子および前記基板に設けられた端子を抽出し、前記抽出結果に基づいて前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との位置ずれを検出するステップを含む請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項25】
前記接続状態検査方法は、さらに、
前記撮影ステップにおいて撮影された接続部分の画像および前記接続状態判定ステップにおいて判定された前記接続状態を記憶するステップを含む請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項26】
前記接続状態検査方法は、さらに、
前記撮影ステップにおいて撮影された接続部分の画像および前記接続状態判定ステップにおいて判定された前記接続状態を外部へ転送するステップを含む請求項14記載の接続状態検査方法。
【請求項27】
可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とを異方性導電材料を介して接続する接続装置と、
前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続状態を検査する接続状態検査装置とを備え、
前記接続状態検査装置は、
前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続部分を前記透光性部品の第2主表面側から撮影する撮影部と、
前記撮影した接続部分の画像に基づいて、前記透光性部品に設けられた端子と前記基板に設けられた端子との接続状態を判定する接続状態判定部とを含み、
前記接続装置は、前記接続状態の判定結果に基づいて、可視光が透過可能な透光性部品の第1主表面上に設けられた端子と不透明基板に設けられた端子とを異方性導電材料を介して接続する接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−292303(P2008−292303A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138079(P2007−138079)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】