説明

携帯端末によるナビゲーション方法

【課題】
携帯端末の利用者にナビゲーションサービスを提供する際に、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションサービスの提供が可能な、携帯端末によるナビゲーション方法に関する。
【解決手段】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、携帯端末は、携帯端末で取得した位置情報をナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに送信することで、ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信し、携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合には、ナビゲーションに関する情報のうち音声情報を再生し、画像情報の表示又は更新を行わない、携帯端末におけるナビゲーション方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末の利用者にナビゲーションサービスを提供する際に、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションの提供が可能な、携帯端末によるナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両などで出発地から目的地まで移動しようと思う場合、その移動経路が分からないことが多く、そのような場合にカーナビゲーションシステムを利用することが多い。しかしカーナビゲーションシステムの専用端末は高価であり、気軽に誰でもが導入することが出来るものではない。
【0003】
そのような観点から、カーナビゲーションシステムの専用端末を用いずとも、GPSを搭載した携帯端末(ネットワーク機能を有する携帯電話、PHS、PDA等)のナビゲーション機能を用いて、カーナビゲーションシステムの専用端末の代替とする発明が下記特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−340633号公報
【特許文献2】特開2003−333175号公報
【特許文献3】特開2004−23496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示の発明を用いることによって、携帯端末をカーナビゲーションシステムの専用端末の代替とすることは出来る。しかし、携帯端末は電源を自らの電源を利用しているため、長時間、液晶画面やバックライトを連続使用することが難しい。例えば現在市販されている携帯電話の場合、1時間から2時間程度しか連続使用することが出来ない。
【0006】
一方、車両での移動は長時間要する場合もある。その場合には、途中で携帯端末の電源がなくなってしまい、新たな電源に交換する等をしなければならないが、これは利用者に新たな電池パックの購入、或いは車両のバッテリーからの電源供給を受けるコード等の購入の必要性がある。
【0007】
そこで携帯端末の電源消費を極力抑えることが求められる。その方法として、上記特許文献2及び特許文献3に開示のように、携帯端末の画面の表示を消す、或いは画面を暗くする、などのように、携帯端末に所定時間の操作等がなければ、所謂スクリーンセーバーモードに切り替えることが考えられる。
【0008】
しかしスクリーンセーバーモードでは、運転者は携帯端末の画面に表示される地図情報を見ることが出来ず、運転者に対してナビゲーションサービスを提供する、といった元々の目的を果たすことが出来ない。つまりこのままでは携帯端末によるナビゲーションにおいて、スクリーンセーバーモードを利用することが出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、携帯端末でナビゲーションサービスを提供中に、所定時間、何らの操作もない場合には携帯端末の表示のみを消す、バックライトのみを消す等のスクリーンセーバーモードになった場合には、ナビゲーションを地図などの画像表示から音声案内に切り替え、音声によるナビゲーションを運転者に提供する、携帯端末によるナビゲーション方法を発明した。
【0010】
請求項1の発明は、携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、前記携帯端末は、前記携帯端末で取得した位置情報を前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに送信することで、前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち音声情報を再生し、画像情報の表示又は更新を行わない、携帯端末におけるナビゲーション方法である。
【0011】
本発明によって、所定時間、携帯端末に対する操作がない場合には、最も電力消費の激しい表示装置(画面)の表示を消す等のスクリーンセーバーモードに切り替わることで携帯端末の電源が節約される一方、利用者に対しては音声案内によるナビゲーションに切り替えることで、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションサービスを提供することが出来る。これによって従来よりも長時間、携帯端末を稼動させることが出来、より長時間のナビゲーションサービスを提供出来る。
【0012】
請求項2の発明は、携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、前記携帯端末は、前記携帯端末の位置情報を取得し、前記携帯端末の現在の状態を検知し、前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、少なくとも画像情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションサーバに対して、音声情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、前記ナビゲーションサーバからナビゲーション情報を受信し、前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーション情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーション情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、携帯端末におけるナビゲーション方法である。
【0013】
上述の発明は、本発明のように実現することも出来る。このような構成をとることによって、上述の効果の他、スクリーンセーバーモードの場合には画像情報を携帯端末に送信しないので、ナビゲーションサーバの負荷を軽減することも出来る。
【0014】
請求項3の発明は、携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、前記携帯端末は、前記携帯端末の位置情報を取得し、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、ナビゲーションに関する情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信し、前記携帯端末の現在の状態を検知し、前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、携帯端末におけるナビゲーション方法である。
【0015】
上述の発明は、本発明のように実現することも出来る。このような構成をとることによって、上述と同様の効果を得ることが出来る。
【0016】
請求項4の発明において、前記携帯端末は、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報に画像情報を含めない、携帯端末におけるナビゲーション方法である。
【0017】
本発明を請求項3の発明に更に適用することによって、スクリーンセーバーモードの場合には画像情報を携帯端末に送信しないので、ナビゲーションサーバの負荷を軽減することも出来る。
【0018】
請求項5の発明において、前記スクリーンセーバーモードは省電力モードである、携帯端末におけるナビゲーション方法である。
【0019】
スクリーンセーバーモードとは、通常状態よりも電力を消費しない省電力モードの状態のことである。
【0020】
請求項6の発明は、携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーションシステムであって、前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記携帯端末の現在の状態を検知するモード検知手段と、前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、少なくとも画像情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションサーバに対して、音声情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信するナビゲーション情報要求手段と、前記ナビゲーションサーバからナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、前記受信したナビゲーション情報を前記携帯端末の記憶装置に記憶させるナビゲーション情報記憶手段と、前記携帯端末が通常モードの場合に、前記記憶装置に記憶したナビゲーション情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示する画像情報表示手段と、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合に、前記記憶装置に記憶した前記ナビゲーション情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する音声情報再生手段と、を有する携帯端末におけるナビゲーションシステムである。
【0021】
上述の発明は、本発明のように構成することが出来る。これによって、所定時間、携帯端末に対する操作がない場合には、最も電力消費の激しい表示装置(画面)の表示を消す等のスクリーンセーバーモードに切り替わることで携帯端末の電源が節約される一方、利用者に対しては音声案内によるナビゲーションに切り替えることで、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションを提供することが出来る。これによって従来よりも長時間、携帯端末を稼動させることが出来、より長時間のナビゲーションを提供出来る。
【0022】
またスクリーンセーバーモードに切り替わることによって、運転者が携帯端末の画面を注視することを抑制出来る。これによって事故の防止に繋がる。更にスクリーンセーバーモードの場合、携帯端末は地図情報を更新しないので、ナビゲーションサーバの負荷を軽減することにも繋がる。
【0023】
請求項7の発明は、携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーションシステムであって、前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、ナビゲーションに関する情報の取得要求と前記位置情報とを送信するナビゲーション情報要求手段と、前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、前記受信したナビゲーションに関する情報を前記携帯端末の記憶装置に記憶させるナビゲーション情報記憶手段と、前記携帯端末の現在の状態を検知するモード検知手段と、前記携帯端末が通常モードである場合には、前記記憶装置に記憶したナビゲーションに関する情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示する画像情報表示手段と、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記記憶装置に記憶したナビゲーションに関する情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する音声情報再生手段と、を有する携帯端末におけるナビゲーションシステムである。
【0024】
上述の発明は、本発明のように実現することも出来る。このような構成をとることによって、上述と同様の効果を得ることが出来る。
【0025】
請求項8の発明において、前記音声情報再生手段は、更に、前記携帯端末が通常モードであって、前記ナビゲーション情報に音声情報が含まれる場合には、前記音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、携帯端末におけるナビゲーションシステムである。
【0026】
通常モードの場合であっても音声情報がある場合には、それを音声情報として提供できると良い。画像情報に加えて音声情報も提供することで、利用者の情報量が増えるからである。
【0027】
請求項9の発明において、前記携帯端末は、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報に画像情報を含めない、携帯端末におけるナビゲーションシステムである。
【0028】
本発明を請求項7の発明に更に適用することによって、スクリーンセーバーモードの場合には画像情報を携帯端末に送信しないので、ナビゲーションサーバの負荷を軽減することも出来る。
【0029】
請求項10の発明において、前記スクリーンセーバーモードは省電力モードである、携帯端末におけるナビゲーションシステムである。
【0030】
スクリーンセーバーモードとは、通常状態よりも電力を消費しない省電力モードの状態のことである。
【発明の効果】
【0031】
本発明を用いることで、所定時間、携帯端末に対する操作がない場合には、最も電力消費の激しい表示装置(画面)の表示を消す等のスクリーンセーバーモードに切り替えることで携帯端末の電源を節約する一方、運転者に対しては音声案内によるナビゲーションに切り替えることで、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションサービスを提供することが出来る。これによって従来よりも長時間、携帯端末を稼動させることが出来、より長時間のナビゲーションサービスを提供出来る。
【0032】
またスクリーンセーバーモードに切り替わることによって、運転者が携帯端末の画面を注視することを抑制出来る。これによって事故の防止に繋がる。更にスクリーンセーバーモードの場合、携帯端末は地図情報を更新しないので、ナビゲーションサーバの負荷を軽減することにも繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の概念図を図1に、本発明の携帯端末におけるナビゲーションシステム1のシステム構成の一例を図2に、本発明で用いる携帯端末のハードウェア構成図を図3に示す。図1(a)では、通常モードの場合の携帯端末のナビゲーションについて示しており、携帯端末の表示装置24では、地図情報などの画像情報が表示され、場合によっては音声情報も再生されることでナビゲーションを提供する場合を示す。図1(b)では、スクリーンセーバーモードの場合の携帯端末のナビゲーションについて示しており、携帯端末の表示装置24では地図情報などの画像情報の表示が行われず、音声情報のみが再生されることでナビゲーションを提供する場合を示している。
【0034】
本発明で用いる携帯端末は、その携帯端末の利用者がテンキーやファンクションキーなどによって情報の入力を行う入力装置20と、携帯端末における各手段(プログラムやモジュールなど)の演算処理をCPUなどで実行する演算装置21と、RAMなどにより情報を記憶する記憶装置22と、インターネットなどによりナビゲーションサーバ2との間で情報の送受信を行う通信装置23と、演算装置21による処理結果を表示する表示装置24と、音声情報の再生を行う音声再生装置25と、携帯端末の位置情報をGPSなどにより測位する測位装置26とを有している。
【0035】
携帯端末では、位置情報取得手段3とモード検知手段4とナビゲーション情報要求手段5とナビゲーション情報受信手段6とナビゲーション情報記憶手段7と画像情報表示手段8と音声情報再生手段9とを有している。
【0036】
位置情報取得手段3は、携帯端末の測位装置26により、その携帯端末の現在の位置情報を取得する手段である。
【0037】
モード検知手段4は、携帯端末において、その携帯端末が現在、通常モードなのか、スクリーンセーバーモードなのかを検知し、それをナビゲーション情報要求手段5に渡す手段である。通常モードとは、携帯端末の通常使用状態であり、スクリーンセーバーモードとは、携帯端末の電源消費を節約するために、携帯端末の表示装置24を暗くする、消す、バックライトを暗くする、消す、表示する色数を減らす、などの省電力モードの状態である。
【0038】
ナビゲーション情報要求手段5は、モード検知手段4から受け取った、携帯端末の現在のモードの情報に基づいて、ナビゲーションに必要なナビゲーション情報の取得要求をナビゲーションサーバ2に通信装置23を介して行う手段である。この取得要求の際に、位置情報取得手段3で取得した携帯端末の位置情報も併せて送信する。モード検知手段4で検知したモードが通常モードの場合、ナビゲーション情報要求手段5は、ナビゲーション情報として、現在の携帯端末の位置或いはその近傍の地図などの画像情報、場合によってはナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報の取得要求を行う。またモード検知手段4で検知したモードがスクリーンセーバーモードの場合、ナビゲーション情報要求手段5は、ナビゲーション情報としてナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報の取得要求を行う(或いは画像情報以外の情報をナビゲーション情報として取得要求を行う)。
【0039】
ナビゲーション情報受信手段6は、ナビゲーションサーバ2から送信されたナビゲーション情報を通信装置23を介して受信する手段である。個々で受信するナビゲーション情報として、通常モードのナビゲーション情報の取得要求を行った場合には、地図などの画像情報、場合によってはナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報を受信し、スクリーンセーバーモードのナビゲーション情報の取得要求を行った場合には、ナビゲーション情報としてナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報(或いは画像情報以外の情報をナビゲーション情報)を受信する。
【0040】
ナビゲーション情報記憶手段7は、ナビゲーション情報受信手段6で受信したナビゲーション情報を、携帯端末の記憶装置22に記憶させる手段である。
【0041】
画像情報表示手段8は、ナビゲーション情報記憶手段7に記憶するナビゲーション情報として画像情報がある場合には、その画像情報を携帯端末の表示装置24で表示する手段である。この表示は携帯端末が通常モードの場合に行われる。
【0042】
音声情報再生手段9は、ナビゲーション情報記憶手段7に記憶するナビゲーション情報として音声情報がある場合には、その音声情報を携帯端末の音声再生装置25で再生する手段である。この再生は携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合の他、通常モードの場合に行っても良い。
【0043】
ナビゲーションサーバ2は、携帯端末で表示する平面地図情報、立体地図情報、飲食店やガソリンスタンド、小売店などの各種施設に関する情報、渋滞に関する情報などを記憶し、携帯端末からの情報取得要求に基づいて、対応する情報を携帯端末に送信するサーバである。
【0044】
またナビゲーションサーバ2は、出発地と目的地の情報、高速道路の利用の有無、渋滞の回避の有無、優先度(料金の安さ、到達時間の早さ、移動距離の短さなど)など車両のナビゲーションに必要な探索条件を携帯端末から受信することで、出発地から目的地までの経路情報を探索条件に基づいて算出する。
【0045】
尚、ナビゲーションサーバ2は、その機能毎に分かれた複数のサーバで構成しても良いし、同一のサーバとしても良い。
【0046】
次に本発明の携帯端末におけるナビゲーションシステム1の処理プロセスの一例を図4のフローチャート、図1の概念図、図2のシステム構成図を用いて説明する。
【0047】
携帯端末の利用者(車両の運転者、或いは助手席などに着席する同乗者)は、所定の操作をすることにより、本発明の携帯端末におけるナビゲーションシステム1を起動し、出発地と目的地の情報、高速道路の利用の有無、渋滞の回避の有無、優先度(料金の安さ、到達時間の早さ、移動時間の短さなど)など車両のナビゲーションに必要な探索条件を携帯端末の入力装置20から入力する。これらの入力を受け付け、通信装置23を介してナビゲーションサーバ2に送信することでナビゲーションサーバ2から、出発地から目的地までの経路情報を携帯端末で取得する。
【0048】
携帯端末は、逐次所定のタイミングで、位置情報取得手段3が、測位装置26により携帯端末の現在の位置情報を取得し(S100)、目的地に到着するまでナビゲーションを開始する(S110)。
【0049】
またモード検知手段4も、逐次所定のタイミングで、携帯端末の現在のモードが通常モードであるか、スクリーンセーバーモードであるかを検知する(S120)。これは所定の方法で、携帯端末がスクリーンセーバーモードであるか否かを検知すればよい。
【0050】
S120におけるモードの検知の結果を、モード検知手段4はナビゲーション情報要求手段5に渡し、検知の結果が通常モードの場合には(S130)、ナビゲーション情報要求手段5は、現在の携帯端末の位置或いはその近傍の地図などの画像情報と、必要に応じてナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報とをナビゲーション情報として、位置情報取得手段3で取得した携帯端末の位置情報と併せて、ナビゲーション情報の取得要求を行う。つまり通常モードのナビゲーション情報の取得要求を、ナビゲーション情報要求手段5が通信装置23を介してナビゲーションサーバ2に送信する。
【0051】
ナビゲーション情報の取得要求を受信したナビゲーションサーバ2は、対応するナビゲーション情報を携帯端末に送信する。ここでは携帯端末の位置情報における、対応する画像情報と、場合によっては音声情報とをナビゲーション情報として携帯端末に送信する。
【0052】
ナビゲーションサーバ2から送信されたナビゲーション情報は、携帯端末のナビゲーション情報受信手段6で通信装置23を介して受信し、ナビゲーション情報記憶手段7が携帯端末の記憶装置22に記憶させる。
【0053】
記憶装置22に記憶させたナビゲーション情報のうち、画像情報は、画像情報表示手段8が携帯端末の表示装置24によって表示を行い、ナビゲーション情報として音声情報もある場合には、音声情報再生手段9が携帯端末の音声再生装置25によって再生を行う(S140)。このようにすることで、表示装置24と場合によっては音声再生装置25によって、通常のナビゲーションを提供することが出来る。このような通常モードでナビゲーションを行う携帯端末を図1(a)に示す。
【0054】
またS120のモード検知手段4におけるモード検知の結果がスクリーンセーバーモードの場合には(S130)、ナビゲーション情報要求手段5は、現在の携帯端末の位置或いはその近傍のナビゲーションの音声ガイダンスの音声情報をナビゲーション情報として、位置情報取得手段3で取得した携帯端末の位置情報と併せて、ナビゲーション情報の取得要求を行う。つまりスクリーンセーバーモードのナビゲーション情報の取得要求を、ナビゲーション情報要求手段5が通信装置23を介してナビゲーションサーバ2に送信する。
【0055】
ナビゲーション情報の取得要求を受信したナビゲーションサーバ2は、対応するナビゲーション情報を携帯端末に送信する。ここでは携帯端末の位置情報における、対応する音声情報をナビゲーション情報として携帯端末に送信する。
【0056】
ナビゲーションサーバ2から送信されたナビゲーション情報は、携帯端末のナビゲーション情報受信手段6で通信装置23を介して受信し、ナビゲーション情報記憶手段7が携帯端末の記憶装置22に記憶させる。
【0057】
記憶装置22に記憶させたナビゲーション情報における音声情報を、音声情報再生手段9が携帯端末の音声再生装置25によって再生を行う(S150)。このようにすることで、表示装置24での表示を行わずに、音声によってナビゲーションを行うことが出来る。このようなスクリーンセーバーモードでナビゲーションを行う携帯端末を図1(b)に示す。
【0058】
このような処理を目的地に到着するまで携帯端末は繰り返す(S110)。尚、スクリーンセーバーモードを解除するには、その解除方法、例えば携帯端末の入力装置20を押下する等の所定の操作を行うことによって可能である。
【0059】
尚、本実施例では、モード検知手段4で検知したモードに基づいて、ナビゲーション情報要求手段5が取得要求を行うナビゲーション情報の種類(画像情報を含めるか、画像情報を含めないか)を変える場合を説明したが、モードによってナビゲーション情報の種類を変えるのではなく、画像情報をナビゲーションサーバ2から受信したとしても、スクリーンセーバーモードにある場合には、その画像情報の表示を行わずに、音声情報のみの再生とするように構成しても良い。
【0060】
つまりナビゲーション情報要求手段5は、位置情報取得手段3で取得した位置情報を送信することで、通常モードとスクリーンセーバーモードの区別なくナビゲーションに関する情報(画像情報や音声情報等のナビゲーションに必要な情報)の取得要求を行い、それをナビゲーション情報受信手段6で受信し、ナビゲーション情報記憶手段7が携帯端末の記憶装置22に記憶させる。そしてモード検知手段4で通常モードを検知した場合には、画像情報表示手段8が記憶装置22からナビゲーションに関する情報における画像情報を、表示装置24で表示する。一方モード検知手段4でスクリーンセーバーモードを検知した場合には、画像情報表示手段8を機能させることなく、音声情報再生手段9が記憶装置22からナビゲーションに関する情報における音声情報を、音声再生装置25で再生する。
【0061】
このようにすることで、通常モード時には画像情報を含めてナビゲーションサービスを提供し、スクリーンセーバーモード時には画像情報を表示することなく、音声によってナビゲーションサービスを提供することが出来る。
【0062】
尚、本明細書では、本発明をカーナビゲーションに用いる場合で説明したが、歩行者、自転車、バイクなどのナビゲーションサービスであっても、携帯端末に独立して電源が必要になることは変わりないので、同様に適用することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明を用いることで、所定時間、携帯端末に対する操作がない場合には、最も電力消費の激しい表示装置24(画面)の表示を消す等のスクリーンセーバーモードに切り替えることで携帯端末の電源を節約する一方、運転者に対しては音声案内によるナビゲーションに切り替えることで、スクリーンセーバーモードであってもナビゲーションサービスを提供することが出来る。これによって従来よりも長時間、携帯端末を稼動させることが出来、より長時間のナビゲーションサービスを提供出来る。
【0064】
またスクリーンセーバーモードに切り替わることによって、運転者が携帯端末の画面を注視することを抑制出来る。これによって事故の防止に繋がる。更にスクリーンセーバーモードの場合、携帯端末は地図情報を更新しないので、ナビゲーションサーバ2の負荷を軽減することにも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図3】携帯端末のハードウェア構成図の一例である。
【図4】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1:携帯端末におけるナビゲーションシステム
2:ナビゲーションサーバ
3:位置情報取得手段
4:モード検知手段
5:ナビゲーション情報要求手段
6:ナビゲーション情報受信手段
7:ナビゲーション情報記憶手段
8:画像情報表示手段
9:音声情報再生手段
20:入力装置
21:演算装置
22:記憶装置
23:通信装置
24:表示装置
25:音声再生装置
26:測位装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、
前記携帯端末は、
前記携帯端末で取得した位置情報を前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに送信することで、前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信し、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち音声情報を再生し、画像情報の表示又は更新を行わない、
ことを特徴とする携帯端末におけるナビゲーション方法。
【請求項2】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の位置情報を取得し、
前記携帯端末の現在の状態を検知し、
前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、少なくとも画像情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションサーバに対して、音声情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、
前記ナビゲーションサーバからナビゲーション情報を受信し、
前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーション情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示し、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーション情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、
ことを特徴とする携帯端末におけるナビゲーション方法。
【請求項3】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーション方法であって、
前記携帯端末は、
前記携帯端末の位置情報を取得し、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、ナビゲーションに関する情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、
前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信し、
前記携帯端末の現在の状態を検知し、
前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示し、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、
ことを特徴とする携帯端末におけるナビゲーション方法。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報に画像情報を含めない、
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末におけるナビゲーション方法。
【請求項5】
前記スクリーンセーバーモードは省電力モードである、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯端末におけるナビゲーション方法。
【請求項6】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記携帯端末の現在の状態を検知するモード検知手段と、
前記携帯端末が通常モードである場合には、前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、少なくとも画像情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信し、前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションサーバに対して、音声情報を含むナビゲーション情報の取得要求と前記位置情報とを送信するナビゲーション情報要求手段と、
前記ナビゲーションサーバからナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、
前記受信したナビゲーション情報を前記携帯端末の記憶装置に記憶させるナビゲーション情報記憶手段と、
前記携帯端末が通常モードの場合に、前記記憶装置に記憶したナビゲーション情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示する画像情報表示手段と、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードの場合に、前記記憶装置に記憶した前記ナビゲーション情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する音声情報再生手段と、
を有することを特徴とする携帯端末におけるナビゲーションシステム。
【請求項7】
携帯端末の利用者に対してナビゲーションサービスを提供する携帯端末におけるナビゲーションシステムであって、
前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記ナビゲーションサービスを提供するナビゲーションサーバに対して、ナビゲーションに関する情報の取得要求と前記位置情報とを送信するナビゲーション情報要求手段と、
前記ナビゲーションサーバからナビゲーションに関する情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、
前記受信したナビゲーションに関する情報を前記携帯端末の記憶装置に記憶させるナビゲーション情報記憶手段と、
前記携帯端末の現在の状態を検知するモード検知手段と、
前記携帯端末が通常モードである場合には、前記記憶装置に記憶したナビゲーションに関する情報のうち、少なくとも画像情報を前記携帯端末の表示装置で表示する画像情報表示手段と、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記記憶装置に記憶したナビゲーションに関する情報のうち、音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する音声情報再生手段と、
を有することを特徴とする携帯端末におけるナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記音声情報再生手段は、更に、
前記携帯端末が通常モードであって、前記ナビゲーション情報に音声情報が含まれる場合には、前記音声情報を前記携帯端末の音声再生装置で再生する、
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の携帯端末におけるナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記携帯端末は、
前記携帯端末がスクリーンセーバーモードである場合には、前記ナビゲーションに関する情報に画像情報を含めない、
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯端末におけるナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記スクリーンセーバーモードは省電力モードである、
ことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の携帯端末におけるナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−78565(P2007−78565A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268275(P2005−268275)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】