説明

携帯電話及び電気錠システム

【課題】個人認証を要する機能について、その認証を常に行うことなく第三者の不正利用を有効に防止することが可能で高い安全性を備える携帯電話を提供する。
【解決手段】本発明に係る携帯電話は、個人認証を要する所定の機能を実行するために操作され、この操作時に使用者から指紋情報を取得する実行キー5と、実行キー5により取得された指紋情報が正規の使用者の指紋情報と一致するか否かを判断し、一致すると判断したときに前記所定の機能を実行する制御部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人認証を要する機能を備える携帯電話と、この携帯電話を用いた電気錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話が急速に普及し、従来は家族で共用されていた固定電話や公衆電話の代わりに携帯電話が使用されることが多くなった。携帯電話はもはや特定の人たちが所有するものではなく、年少者や高齢者も所有することが当たり前となり、将来においては一人一台所持するようになることも十分に予想される。また、携帯電話の多機能化も目覚ましく、いまや携帯電話は単なる通話用機器ではなく電子メールやインターネットのための通信機器として利用され、さらには身分証や電子マネー等の用途でも利用されつつある。そして、このように高性能な携帯電話を誰もが所持する状況であるならば、携帯電話にセキュリティの確保を条件に建物や自動車のドアの鍵の機能等を持たせることも考えられ、例えば特許文献1には、指紋認証によりセキュリティを確保して、ドア(扉)の施錠・解錠(開錠)を行う携帯電話が記載されている。
しかしながら、同文献に記載された携帯電話では、常に指紋照合が行われるので、バッテリーの消費が著しいとともに、指紋検出部が常に指の当たる場所になければならないというレイアウト上の制約があった。
これに対し、既存の指紋認証やパスワード認証を行う携帯電話では、予め指紋認証やパスワード認証により不正使用に対するロックを解除した状態の下で、使用者が必要に応じて機能を選択して実行している。よって、使用者が認証完了後に携帯電話を放置・紛失等してしまうと、それを第三者に不正利用されるおそれがあり好ましくない。
すなわち、このような携帯電話は、図11に示すように、使用者による指紋入力又はパスワード入力がなされると(ステップ1101(図中「S1101」と記載。以下同様))、予め登録された正規の使用者の指紋データ又はパスワードデータと照合を行い(ステップ1102)、ステップ1103において、この照合により使用者が正規であるかどうか確認し、正規であると判断すると、個人認証を要する所定の機能(例えば守秘性の高い情報の表示や電話機の設定変更、あるいは、上述したようなドアの施錠・解錠)を実行するために操作される操作手段の入力を受け付ける(ステップ1104)。そして、使用者により機能選択がなされてその操作手段が実際に操作されると、上記所定の機能が実行される(ステップ1105)。ここで、ステップ1103の認証とステップ1104の操作との間に時間的間隔がある場合(つまり、操作手段の操作待ち時間が長くなる場合)には、その間に第三者による不正利用が起こり得るという問題がある。また、使用者がステップ1103の認証を完了した後に携帯電話を無くしてしまうと、やはり第三者の不正利用を招くという問題がある。
【特許文献1】特許第3457930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたもので、個人認証を要する機能について、その認証を常に行うことなく第三者の不正利用を有効に防止することが可能で、高い安全性を備える携帯電話と、この携帯電話を用いた電気錠システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る携帯電話は、個人認証を要する所定の機能を実行するために操作される操作手段と、該操作手段が操作された際に使用者から生体情報を取得する生体情報取得手段と、該生体情報取得手段により取得された前記生体情報が正規の使用者の生体情報と一致するか否かを判断し、一致すると判断したときに前記所定の機能を実行する制御手段とを有することを特徴とする。
請求項2に係る携帯電話は、請求項1に記載の携帯電話において、施錠信号を受信して施錠され又は解錠信号を受信して解錠されるドアに対し、前記施錠信号又は前記解錠信号を送信する送信手段を有し、前記所定の機能が、前記送信手段による前記施錠信号又は前記解錠信号の送信であることを特徴とする。
請求項3に係る携帯電話は、請求項1又は請求項2に記載の携帯電話において、前記制御手段が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、携帯電話網又はパケット通信網を利用して予め登録された通報先に通報することを特徴とする。
請求項4に係る携帯電話は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯電話において、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
請求項5に係る携帯電話は、個人認証を要する所定の機能を実行するために操作される操作手段と、該操作手段が操作された際に使用者から前記生体情報を取得する生体情報取得手段と、該生体情報取得手段により取得された生体情報を、正規の使用者のものと照合した上で前記所定の機能を実行するために、照合装置に送信する送信手段とを有し、前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報が前記正規の使用者の前記生体情報と一致すると判断したときに、前記所定の機能を実行することを特徴とする。
請求項6に係る携帯電話は、請求項5に記載の携帯電話において、前記照合装置がドア又はその周囲に設けられ、前記所定の機能が前記ドアの施錠又は解錠であることを特徴とする。
請求項7に係る携帯電話は、請求項5又は請求項6に記載の携帯電話において、前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、予め登録された通報先に通報することを特徴とする。
請求項8に係る携帯電話は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の携帯電話において、前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
請求項9に係る携帯電話は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の携帯電話において、前記操作手段が、前記生体情報取得手段と共通であることを特徴とする。
請求項10に係る携帯電話は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の携帯電話において、前記生体情報が、前記使用者の指紋についての情報又は前記使用者の顔についての情報であることを特徴とする。
請求項11に係る電気錠システムは、ドアの施錠又は解錠を行うために操作される操作手段、該操作手段が操作された際に使用者から生体情報を取得する生体情報取得手段、及び、該生体情報取得手段により取得された前記生体情報を、正規の使用者のものと照合した上で前記ドアの施錠又は解錠を行うために、前記ドア又はその周囲に設けられた照合装置に送信する送信手段を有する携帯電話と、前記ドア及び前記照合装置とを備え、該照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報が前記正規の使用者の生体情報と一致すると判断したときに、前記ドアの施錠又は解錠を行うことを特徴とする。
請求項12に係る電気錠システムは、請求項11に記載の電気錠システムにおいて、前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、予め登録された通報先に通報することを特徴とする。
請求項13に係る電気錠システムは、請求項12に記載の電気錠システムにおいて、前記携帯電話が、前記予め登録された通報先として、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の前記生体情報とが一致しない旨の通報を前記照合装置から受けるとともに、携帯電話網又はパケット通信網を利用してさらに他の通報先に通報することを特徴とする。
請求項14に係る電気錠システムは、請求項11から請求項13のいずれかに記載の電気錠システムにおいて、前記携帯電話又は前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
請求項15に係る電気錠システムは、請求項11から請求項14のいずれかに記載の電気錠システムにおいて、前記操作手段が、前記生体情報取得手段と共通であることを特徴とする。
請求項16に係る電気錠システムは、請求項11から請求項15のいずれかに記載の電気錠システムにおいて、前記生体情報が、前記使用者の指紋についての情報又は前記使用者の顔についての情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る携帯電話及び電気錠システムによれば、個人認証を要する所定の機能を実行するための操作手段が、予め認証が行われた状態で必要に応じて操作されるのではなく、そのような操作手段が実際に操作される際に使用者から生体情報が取得されて個人認証が行われるので、上記所定の機能について個人認証を常に行わなくても第三者の不正利用を有効に防止することができ、安全性を高めることができる。
【実施例1】
【0006】
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る携帯電話と、この携帯電話により施錠されるドアを示す説明図、図2は、図1の携帯電話の内部構成を示すブロック図である。この携帯電話1は、筐体2の正面に、表示部3、ボタン4、実行キー5及びカメラ6を有する。表示部3は液晶又は有機EL等により構成され、この表示部3には発信番号や着信番号、送受信メールの内容、待受画面、操作状態等の各種情報が表示される。ボタン4は番号(及び文字)入力用のテンキー又は各種機能が割り当てられたファンクションキーとして機能する。
実行キー5は、個人認証を要する所定の機能を実行するために操作されるが、本実施例では実行キー5が使用者の指紋情報を取得する指紋リーダーを兼ね、実行キー5の操作は使用者がそこに指を当てて指紋情報を入力することにより行われる。
カメラ6は、使用者が任意に静止画撮影及び動画撮影に用いることができるほか、実行キー5の操作と連動して起動するように設定して認証に供することもできるが、これについては後述する(実施例2参照)。
ドア7又はその周囲には、携帯電話1から届くはずの施錠信号が予め登録され、かつ、現にステップ307で送信された施錠信号を受信する受信部15と、施錠・解錠機構16とが設けられている。
【0007】
図2に示すように、筐体2の内部には、無線信号の送受信を行うアンテナ8と、アンテナ8で送受信する送信信号及び受信信号の送信処理及び受信処理を行う送受信部9と、着信やアラームを振動により使用者に知らせるバイブレーター10と、発話音声が入力されるマイクロホン11と、受話音声等を出力するスピーカー12と、これら装置各部を統合制御する制御部13と、制御部13の制御処理に用いられるとともに、使用者の個人情報等を記憶するメモリ14とが設けられている。
【0008】
次に、個人認証を要する所定の機能として、携帯電話1が建物のドア7の施錠を行う場合について説明する。
図3は、本実施例に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャートである。
携帯電話1によりドア7の施錠を行う場合には、図3に示すように、使用者はボタン4を操作して表示部3に表示されるメニューの中から「ドアの施錠」を選択し(ステップ301)、この選択を確定するために手指の指紋を実行キー5に当てる(ステップ302)。携帯電話1には、その所有者等である正規の使用者の手指の指紋情報が予めメモリ14に登録されており、制御部13はステップ302で使用者の指紋情報を取得すると、それがメモリ14に記憶された正規の使用者のものと照合する(ステップ303)。
ステップ303の照合後、ステップ304において、入力された指紋情報とメモリ14に登録された指紋情報とが一致するかどうか確認し、一致しないと判断すると、制御部13は表示部3にエラーメッセージを表示する(ステップ305)。一方、ステップ304においてそれらの指紋情報が一致すると判断すると、制御部13はドア7を施錠するための施錠信号を生成し(ステップ306)、これを送受信部9及びアンテナ8を介してドア7に向けて送信する(ステップ307)。
受信部15は施錠信号を受信すると、それが登録された施錠信号と一致するかどうか確認し、(ステップ308)、それが登録された施錠信号と一致する限りドア7の施錠・解錠機構16に作用して、ドア7が解錠されている場合にそれを施錠する(ステップ309)。なお、ステップ303,304における指紋情報の照合やステップ306における施錠信号の生成は、例えば指紋情報の暗号化により暗証番号を生成して行えばよく、ドア7の解錠についても上記施錠の場合と同様に行えばよい。
【0009】
本実施例に係る携帯電話では、個人認証を要する所定の機能を実行するための実行キー5が、予め認証を行って不正使用に対するロックを解除した状態で必要に応じて操作されるのではなく、実行キー5が実際に操作される段階になって使用者の生体情報(指紋情報)が取得されて認証が行われるので、実行キー5の操作タイミングと認証タイミングとが時間的に接近し、個人認証を常に行わなくても第三者の不正利用を有効に防止することができる。本実施例では、特に、実行キー5が指紋情報の取得についても共通して担うので、部品の削減やその配置スペースの狭小化を図ることができるのみならず、上記操作タイミングと認証タイミングとが一致して略同時となり不正利用が確実に防止される。
【実施例2】
【0010】
実施例1では個人認証に使用者の指紋情報のみを用いたが、本実施例では使用者の顔情報も併せて用いた場合について説明する。
図4は、本実施例に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、制御部13はステップ302で使用者の指紋情報を取得すると、これに続いてカメラ6を起動して使用者の顔画像を撮影する(ステップ401)。本実施例では、メモリ14には正規の使用者の顔画像情報も予め登録されており、制御部13は取得した指紋情報が正規のものであるか否かを登録情報と照合して判断するとともに(ステップ303,304)、取得した顔画像情報が正規のものであるか否かについても登録情報と照合して判断する(ステップ402,403)。なお、ステップ401とステップ303,304とは、その順序を逆にして、ステップ304で指紋認証が取れた場合にのみ撮影を行うようにしてもかまわない。
ステップ403において、制御部13は、入力された顔画像情報とメモリ14に登録された顔画像情報とが一致しないと判断すると、表示部3にエラーメッセージを表示する(ステップ404)。一方、制御部13がそれらの顔画像情報が一致すると判断すると、あとは実施例1と同様にステップ306以降の処理がなされる。
本実施例に係る携帯電話では、使用者の認証に指紋情報のみならず顔情報も利用されるので、認証の精度が厳しくなり第三者の不正利用をより確実に防止することができる。
【実施例3】
【0011】
実施例1において、制御部13は、取得した指紋情報と予め登録された指紋情報とが一致しないと判断したときには、表示部3にエラーメッセージを表示したが、本実施例ではエラーメッセージを表示する代わりに(又はエラーメッセージを表示するとともに)、メモリ14に予め登録された通報先にその旨を通報する場合について説明する。
図5は、本実施例に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ304において、入力された指紋情報が登録されたものと一致しないと判断すると、制御部13はステップ305の代わりに(又はステップ305を経た後に)携帯電話網又はパケット通信網を利用して上記予め登録された通報先に電話、ファクス又は電子メールにより通報を行う(ステップ501)。このステップ501における通報内容は、単に不正使用(不正利用)があった旨でもよいが、実施例4で述べるようにメモリ14に過去の不正使用の履歴が残っている場合には、その過去の履歴と対応させた通報(例えば○年○月○日○時○分の不正使用者と同一の者による不正使用があった旨の通報)を行ってもよい。
本実施例に係る携帯電話では、第三者による不正利用の可能性を早期に関係各所に連絡することができ、セキュリティの一層の向上を図ることができる。
【実施例4】
【0012】
本実施例では、図6に示す携帯電話による施錠手順を示すフローチャートように、制御部13は取得した指紋情報と予め登録された指紋情報とが一致するか否かを判断した後に、その判断対象(取得した指紋情報)及び判断結果(正規使用か不正使用か)をメモリ14に照合履歴として保存し、また、その更新についても履歴を保存する(ステップ601,602)。これにより、ドア7の施錠・解錠の管理や不正使用者の特定に供することができる。
【実施例5】
【0013】
上記各実施例では、入力された指紋情報等の照合は携帯電話1により行われていたが、本実施例では、図7に示す本実施例に係る電気錠システムを示す説明図のように、その照合はドア7又はその周囲に設けられた照合装置17により行われ、その携帯電話1、ドア7及び照合装置17により電気錠システム18が構成されている。
照合装置17には、無線信号の送受信を行うアンテナ19と、アンテナ19で送受信する送信信号及び受信信号の送信処理及び受信処理を行う送受信部20と、制御部21と、メモリ22と、LED等からなるエラーランプ23とが設けられている。メモリ22には、正規の使用者の手指の指紋情報が予め暗証番号に変換されて登録されている。
【0014】
ここで、本実施例の電気錠システムによる施錠手順について、図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すように、ステップ302において指紋情報が入力されると、制御部13はそれを暗証番号に変換した後に送受信部9及びアンテナ8を介して照合装置17に向けて送信する(ステップ801)。この携帯電話1からの暗証番号を、照合装置17の送受信部20がアンテナ19を介して受信すると(ステップ802)、制御部21は受信した暗証番号とメモリ22に登録されている暗証番号とを照合し(ステップ803)、それらの暗証番号が一致するか否かについて確認する(ステップ804)。制御部21は、ステップ804において両暗証番号が一致しないと判断すると、エラーランプ23を点灯させて使用者にその旨を知らせ(ステップ805)、両暗証番号が一致すると判断すると、施錠・解錠機構16を介してドア7が解錠されている場合にそれを施錠する(ステップ806)。
【0015】
本実施例に係る電気錠システムでは、指紋情報の照合がドア7の側に設けられた照合装置17により行われるので、携帯電話1における処理の負担を軽減することができ、消費電力の抑制、制御部14を構成するデバイスが減少することや高パフォーマンスが要求されなくなること等による制御部14の低廉化及び小型化、さらには、携帯電話端末そのものの小型化を図ることが可能となる。また、照合の基準となる正規の使用者の指紋情報がドア7の側に登録されているので、携帯電話1の紛失等に伴う個人情報流出の可能性や、施錠信号や解錠信号の偽造の可能性を低減させることができる。
さらに、ドア7の側に指紋リーダーを設置して認証を行う場合との比較について付言しておくと、このような場合には指紋リーダーが汚れやすく衛生面や指紋認識率の面で劣ることになり、様々な体格(身長)の人々が共通して使用するような状況では指紋リーダーを適切な位置に設置することも困難である。加えて、指紋リーダーのドアごとの設置にはコストがかかるという問題や、特にマンションのオートロック等で一次認証用として指紋リーダーを設置する際には利用者の指紋パターンそのものが第三者に提供され得るという問題があるが、本電気錠システムによればこれらの問題は生じない。
【0016】
なお、本発明は以上説明した形態に限られるものではなく、例えば実施例2から実施例4では実施例1に対する変更例を示したが、これらの変更は実施例5に対して適用しても、また、適宜組み合わせてもかまわない。
ここで、図9及び図10に示す、図7の電気錠システムによる施錠手順の他の例を示すフローチャートを用いて、不正使用時に通報を発する構成を実施例5に適用した場合について例示すると、制御部21は図9ではエラーランプ23を点灯させる代わりに(又はエラーランプ23を点灯させるとともに)所定の通報先に公衆電話回線網又は専用回線等を利用して直接通報する(ステップ901)。これに対し、図10では、制御部21は所定の通報先として携帯電話1に通報し(ステップ1001)、携帯電話1の発信機能を利用して(形態電話網又はパケット通信網を利用して)さらに他の通報先に通報する(ステップ1002)。
また、上記各実施例では操作手段及び生体情報取得手段として実行キー5を共通に用いたが、各手段を別々な形で設けてもよく、指紋情報によらず顔情報その他の生体情報により個人認証を行ってもかまわない。
また、本実施例では、暗証番号を用いて説明したが、暗証番号による認証に限定されること無く、指紋形状を固体認識のために利用した認証など、暗証番号の他に他の認証データによる認証方法を用いてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1に係る携帯電話と、この携帯電話により施錠されるドアを示す説明図
【図2】図1の携帯電話の内部構成を示すブロック図
【図3】実施例1に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャート
【図4】実施例2に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャート
【図5】実施例3に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャート
【図6】実施例4に係る携帯電話による施錠手順を示すフローチャート
【図7】実施例5に係る電気錠システムを示す説明図
【図8】図7の電気錠システムによる施錠手順を示すフローチャート
【図9】図7の電気錠システムによる施錠手順の他の例を示すフローチャート
【図10】図7の電気錠システムによる施錠手順のさらに他の例を示すフローチャート
【図11】個人認証を要する機能について、従来の携帯電話による実行手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0018】
1 携帯電話
5 実行キー(操作手段、生体情報取得手段)
7 ドア
9 送受信部(送信手段)
13 制御部(制御手段)
14 メモリ(記憶手段)
17 照合装置
18 電気錠システム
22 メモリ(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人認証を要する所定の機能を実行するために操作される操作手段と、
該操作手段が操作された際に使用者から生体情報を取得する生体情報取得手段と、
該生体情報取得手段により取得された前記生体情報が正規の使用者の生体情報と一致するか否かを判断し、一致すると判断したときに前記所定の機能を実行する制御手段とを有することを特徴とする携帯電話。
【請求項2】
施錠信号を受信して施錠され又は解錠信号を受信して解錠されるドアに対し、前記施錠信号又は前記解錠信号を送信する送信手段を有し、
前記所定の機能が、前記送信手段による前記施錠信号又は前記解錠信号の送信であることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
前記制御手段が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、携帯電話網又はパケット通信網を利用して予め登録された通報先に通報することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯電話。
【請求項4】
前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項5】
個人認証を要する所定の機能を実行するために操作される操作手段と、
該操作手段が操作された際に使用者から前記生体情報を取得する生体情報取得手段と、
該生体情報取得手段により取得された生体情報を、正規の使用者のものと照合した上で前記所定の機能を実行するために、照合装置に送信する送信手段とを有し、
前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報が前記正規の使用者の前記生体情報と一致すると判断したときに、前記所定の機能を実行することを特徴とする携帯電話。
【請求項6】
前記照合装置がドア又はその周囲に設けられ、
前記所定の機能が前記ドアの施錠又は解錠であることを特徴とする請求項5に記載の携帯電話。
【請求項7】
前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、予め登録された通報先に通報することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の携帯電話。
【請求項8】
前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項9】
前記操作手段が、前記生体情報取得手段と共通であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項10】
前記生体情報が、前記使用者の指紋についての情報又は前記使用者の顔についての情報であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の携帯電話。
【請求項11】
ドアの施錠又は解錠を行うために操作される操作手段、該操作手段が操作された際に使用者から生体情報を取得する生体情報取得手段、及び、該生体情報取得手段により取得された前記生体情報を、正規の使用者のものと照合した上で前記ドアの施錠又は解錠を行うために、前記ドア又はその周囲に設けられた照合装置に送信する送信手段を有する携帯電話と、
前記ドア及び前記照合装置とを備え、
該照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報が前記正規の使用者の生体情報と一致すると判断したときに、前記ドアの施錠又は解錠を行うことを特徴とする電気錠システム。
【請求項12】
前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の生体情報とが一致しないと判断したときに、予め登録された通報先に通報することを特徴とする請求項11に記載の電気錠システム。
【請求項13】
前記携帯電話が、前記予め登録された通報先として、前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報と前記正規の使用者の前記生体情報とが一致しない旨の通報を前記照合装置から受けるとともに、携帯電話網又はパケット通信網を利用してさらに他の通報先に通報することを特徴とする請求項12に記載の電気錠システム。
【請求項14】
前記携帯電話又は前記照合装置が、前記生体情報取得手段により取得された生体情報の履歴を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の電気錠システム。
【請求項15】
前記操作手段が、前記生体情報取得手段と共通であることを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の電気錠システム。
【請求項16】
前記生体情報が、前記使用者の指紋についての情報又は前記使用者の顔についての情報であることを特徴とする請求項11から請求項15のいずれかに記載の電気錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−188844(P2006−188844A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262(P2005−262)
【出願日】平成17年1月4日(2005.1.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】