画像関連情報表示システム
【課題】ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間を大幅に削減し、最新の背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、軽快な操作を行うことができる。
【解決手段】画像関連情報取得システムは、三次元地物地名情報データベース5と、配信サービス契約者一覧データベースとを備えたホストシステム6と、ホストシステム6から、地物地名情報を受信する複数の移動端末装置3a・・とを有して構成されている。ホストシステム6には、三次元地物地名情報データベース5に加えて、配信サービス契約者一覧データベース11が設けられている。ホストシステム6は、移動端末装置3からの地物情報の要求に対して、三次元地物地名情報データベース5への検索処理を行う検索処理部7と、移動端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部8と、を備えている。
【解決手段】画像関連情報取得システムは、三次元地物地名情報データベース5と、配信サービス契約者一覧データベースとを備えたホストシステム6と、ホストシステム6から、地物地名情報を受信する複数の移動端末装置3a・・とを有して構成されている。ホストシステム6には、三次元地物地名情報データベース5に加えて、配信サービス契約者一覧データベース11が設けられている。ホストシステム6は、移動端末装置3からの地物情報の要求に対して、三次元地物地名情報データベース5への検索処理を行う検索処理部7と、移動端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部8と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像関連情報カメラ撮影機能を持つ携帯端末(移動端末)装置が撮影し表示させた画像に対応する地図データや位置情報などの関連情報を取得し表示する画像関連情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両や道路交通網、公共輸送手段の発達に伴い、手軽に遠隔地に移動可能になってきている。しかしながら不慣れな地域においては、地図などの情報が不可欠なものとなる。
【0003】
近年、携帯電話機などの移動端末を利用し、人工衛星からの電波を受信して検出した現在位置をホストシステムに送信し、現在位置周辺の地図情報を取得して利用者に現在位置と目的地とを提供するGPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステムが普及してきている。
【特許文献1】特開2001−204062号公報(ナビゲーションシステム及びそれを用いたセンタ局及び無線基地局及び携帯端末及び地図抽出方法及び利用料金決済方法)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩行者用ナビゲーションシステムを用いて目的地を案内する場合に重要なことは、自分が現在居る場所と向いている方角に見える地物や建物を把握することである。そのためには、一般的な二次元の地図に現在地と現在進んでいる(向かっている)方角を表示する方法と、現在地と、向かっている方角に基づく三次元地図情報を表示する方法とがある。前者と後者とでは、後者の方法がより視覚的に認識しやすく直感的な把握も簡単であるため、有望である。
【0005】
しかしながら、三次元地図情報を用いると、処理に必要なデータ量が多くなりすぎる。さらに、三次元図形表面にテクスチャ画像の貼り付け処理を行う場合には、その画面生成処理に要する計算量は膨大なものになる。ホストコンピュータでの処理、データ転送、端末表示の時間も長くなり、操作を開始してから端末に表示させるまでの遅延時間が大きすぎるという不都合が生じる。さらに、例えば景勝地などにおいて、複数の山などの同種の地物が多く観察できる場所、例えば展望台など目標とする地物が小さくなり定まりにくいところでは、現在注目したい地物(例えば山、視認が難しい建物)が具体的にどれであるかを同定することが難しくなるという不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、画像関連情報を表示する場合において、軽快な操作を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影視点情報を元に地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することによって、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間を大幅に削減し、その場で撮影した背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、利用者が現在注目している地物を正確に同定でき、軽快な操作が行える地図関連情報配信システムを提供することにある。
【0008】
本発明の一観点によれば、地物の三次元位置情報と地物と関連する地物関連情報とを有する三次元地物地名情報を格納する三次元地物地名情報データベースを備えたホストシステムと、該ホストシステムと接続可能な複数の移動端末装置と、を有する画像関連情報表示システムであって、前記移動端末装置は、画像を撮影する画像撮影部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、撮像時の三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、通信部と、を有し、前記ホストシステムは、前記現在位置と前記三次元姿勢及び撮影方角とを前記移動端末装置から受け取り、これらの条件に基づいて前記三次元地物地名情報データベースを検索する検索部を有し、該検索部により検索された地物情報を受け取った前記移動体装置は、前記撮影画像と前記地物情報とを重畳して表示部に表示する表示制御部を備えることを特徴とする地図関連情報配信システムが提供される。
【0009】
また、現在位置を取得する現在位置検索部と、三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、画像を撮影する撮像部と、通信部と、を有する移動端末装置であって、前記画像撮影部により撮影した画像を背景とし、前記現在位置と前記三次元姿勢と撮影方角とに基づいて、画像に対応する地物関連情報を取得し、前記撮影画像と前記地物地名情報とを重畳表示する表示制御部と、を有することを特徴とする移動端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の地図関連情報配信システムによれば、次のような効果がある。
(1)移動端末装置にあっては、三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影条件情報を元に視認される地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することができる。従って、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間を大幅に削減し、最新の背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、軽快な操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書において、地物関連情報とは、主として、地物(建物、公園、橋、タワーなど)を特定するための情報(地物の名称など)と、地物と関連する情報(タワーの高さなど)を含むものである。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態による画像関連情報表示システムについて説明する。図1は、本実施の形態による画像関連情報表示システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、画像関連情報取得システムは、三次元地物地名情報データベース5と、配信サービス契約者一覧データベースDB11と、接続されているホストシステム6と、ホストシステム6から、地物地名情報を受信する複数の移動端末装置3a、3b、…と、を有して構成され、この移動端末装置3a、3b、…は、無線回線によって基地局4と接続されている。そして、基地局4は例えば有線の公衆回線網によるネットワーク9と接続され、このネットワーク9にホストシステム6が接続されている。移動端末装置3a、3bは、例えば携帯電話機、PDAなどである。
【0013】
このように、移動端末装置3a、3b、…とホストシステム6とは、基地局4に至る無線回線およびネットワーク9を介して接続されている。基地局4は、移動端末装置3a、3b、…の無線送受信手段として、例えば携帯電話を利用した場合は携帯電話事業者が管理する基地局に相当する。ホストシステム6には、三次元地物地名情報データベース5に加えて、配信サービス契約者一覧データベース11が設けられている。
【0014】
ホストシステム6の三次元地物地名情報データベース5には、例えば日本全国の地物の三次元の代表点座標データと、これに対応する地物種別53、地物名称54、アクセス情報55などを含む地物関連情報が登録されている。
【0015】
ホストシステム6は、移動端末装置3からの地物情報の要求に対して、三次元地物地名情報データベース5への検索処理を行う検索処理部7と、移動端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部8と、を備えている。
【0016】
ネットワーク9には、各地域の観光協会や地域自治体に設置されたホスト端末10が接続されていても良く、このホスト端末10によって、担当地域あるいは管轄地域の地物情報を登録したり更新したりすることができるように構成されていても良い。
【0017】
図2は、移動端末装置3a、3bの一構成例を示す図である。移動端末装置3a、3bは、自装置の姿勢を検出するジャイロ部31と、衛星からの電波を受信して自装置の現在位置を検出するGPS部32と、画像を撮影する撮影装置(カメラ)33と、処理結果を表示するLCD表示装置34と、撮影情報と地物情報とに基づいて表示情報を作成するデータ処理部35と、ホストコンピュータ6(図1)から取得した地物情報を格納する地物情報格納部36と、撮影画像を記憶する撮影画像記憶部37と、ホストコンピュータ6との通信を行う送受信部38と、を有している。撮影装置(カメラ)33には、測距に基づく合焦判定部が設けられていても良い。
【0018】
データ処理部35は、撮影データ処理部351と地物地名データ処理部352とを備えている。ジャイロ部31は、移動端末装置3a、3bのカメラ撮影方向を検出するために、地磁気を検知する方位センサ(ヨー方向)と重力方向を検知する重力センサ(ロール&ピッチ方向)を備えている。
【0019】
三次元地物地名情報データベース5に格納される地物情報は、図 3(A)、(B)に示すように、ID51と、三次元地物代表点座標(NEH) 52、地物種別53、地物名称54、情報を取得することができる情報URL55、三次元地物代表点座標(xyz)56、の各データを含むように構成されている。三次元地物代表点座標(NEH) 52は、携帯電話などでも用いられるWGS84(world geodetic system)座標系に基づいた(緯度、経度、標高(m))の測地系座標で定義される地物の代表点である。三次元地物代表点座標(xyz)56は三次元地物代表点座標(NEH) 52に基づいて地心座標系へ変換を行った(x, y, z)の三次元座標であり、単位はメートルである。
【0020】
前述のように、図3に示す三次元地物地名情報データベース5には、地物を管理するID51と、三次元地物代表点座標(NEH)52と、地物の種別を表す地物種別53と、地物名称54と、情報URL55と、三次元地物代表点座標(xyz)56と、を含む情報を有して構成されているが、三次元地物代表点座標(NEH)52と、三次元地物代表点座標(xyz)56と、は、地物の三次元図形情報を簡略化したものであり、1つの地物について1つ以上定義する。三次元地物代表点座標(NEH)52は、該当する地物の代表点を、緯度(N)、経度(E)、標高(H)を用いて表したものであり、三次元地物代表点座標(xyz)56には、三次元地物代表点座標(NEH)52に基づいて、三次元の地心座標系に変換したx, y, z座標値が登録されている。
【0021】
従って、地物ID51との対応は、別データテーブルにして管理している。代表点の基準は、情報を知りたい地物の、特に注目される地点を登録することである。例えば、山であれば山頂、湖であればその中央部、建物であれば一階中心地点や建物の屋上中心地点などが代表点として挙げられ、公園など、領域が広範囲にわたる場合には、その領域に対して複数地点を例えば均等に割り当てるなどの手法を用いることができる。
【0022】
図4は、サービス利用可能な移動端末を特定する配信サービス契約者一覧データベース11が持つ主なデータ構成例を示す図である。図4には、契約者氏名111、電話番号112、契約期間113、課金割引率114が含まれており、各契約者毎のデータにより構成されている。
【0023】
図5は、移動端末3a、3bがホストシステム6に対して地物情報の要求を行う送信データのフレーム構成例を示す図である。図5に示すように、撮影地点のx座標201、撮影地点のy座標202、撮影地点のz座標203、カメラ画角(対角線)204、カメラ姿勢(ロール)205、カメラ姿勢(ヨー)206、カメラ姿勢(ピッチ)207、発信元ID208、被写界深度209、被写体距離210、最大望遠距離211とを有して構成されている。撮影地点における座標値は、測地座標系に基づいて例えばGPSにより取得できる座標値であり、緯度経度、標高に基づいて、最終的に地心座標系の三次元座標に変換された値である。尚、この座標変換はホストシステム側で行ってもよい。
【0024】
被写界深度は、カメラ撮影装置のピントが合っている範囲を示す値である。被写体距離(メートル単位)は、最もピントが合っている場所と焦点との距離を示す値である。カメラ姿勢(ロール)/(ヨー)/(ピッチ)は、カメラの撮影方向が地面と水平かつ真北を指すときを基準とした角度で示される。最大望遠距離は、移動端末側で利用者が選択肢などから設定する値であり、撮影位置から代表点までの有効検索距離を決定するものである。これ以上離れた地物の代表点は検索対象から除外する。この値は、利用者の注目する地物について適切に検索条件を絞り込むとともに、地面を撮影して地球裏側の地物が検索結果に含まれてしまうといった不都合を防止する。
【0025】
図6は、移動端末がホストシステムから受信する地物情報が持つデータの最低限の構成例を示す図である。地物を管理するID501と、地物名称502と、撮影中心を原点とする画角円周を単位円とみなしたときの地物の画面表示位置503と、地物種別504と、情報URL505と、を含む情報を有して構成されている。
【0026】
以下、上記のように構成された歩行者用ナビゲーションシステムに関する動作について説明する。図7は、移動端末で実際に行われる操作ならびに動作を示すフローチャート図である。適宜、図1、図2を参照する。まず入力装置39においてナビゲーション撮影モードに設定する(S301)。次に、カメラ撮影装置33により、情報を取得したい領域を撮影する(S302)。カメラ撮影装置33により例えばその周辺を撮影すると、移動端末3aでは、GPS部32で現在位置を取得し(S303)、ジャイロ部31で移動端末3の姿勢情報を取得し(S304)、カメラ撮影装置33で撮影画像とカメラ画角と被写体距離と被写界深度とを取得する(S305)。
【0027】
撮影画像データと取得情報とは、データ処理部35の撮影データ処理部351に送られる。撮影画像は、撮影データ処理部351から撮影画像記憶部37に送られ、取得情報は351内でホストシステムへの送信データ(詳細は図5を参照)に変換される。撮影データ処理部351は、このフレームを作成し送受信部38を通してホストシステム6に送信する(S306)。ホストシステムでは、このデータを受信して返り値として地物情報(詳細は図3を参照)を送信(図8を参照して後述)する。移動端末3aは、ホストシステムから送信された地物情報を送受信部38で受信する(S307)。受信した地物情報は、データ処理部35の地物地名データ処理部352に送られ、地物情報の解析を行う。次いで、データ処理部35において、撮影画像データと地物情報とをあわせて表示可能なデータに変換して表示装置34に送り、重畳表示させる。後述する図14は、この重畳表示の画面表示例を示す図である。画面表示を完了した後は、入力装置39から継続操作を行うと撮影処理S302に移行し、終了操作を行うとナビゲーション撮影モード終了S309に移行することができる(S308、S308’)。
【0028】
また、カメラ撮影装置に動画撮影機能が備えられている場合は、スナップショット的に一定時間間隔で撮影情報をホストシステムに送信し、対応する地物情報を受信して画面に重畳表示することにより、撮影動画への対応も可能となる。
【0029】
図8は、ホストシステム6が移動端末3aから送信されたデータから地物情報の検索を行い、検索結果を移動端末3aに送信するまでの処理の流れを示すフローチャート図である。まず、ホストシステム6は、送受信部8を通して移動端末3からの送信データを受信する(S401)。受信したデータは、検索処理部7に送られる。検索処理部7では、発信元ID208を取り出し、配信サービス契約者一覧データベース11に対して照合が行われる(S402)。取得した発信元ID208と同じ電話番号112を持つ契約者情報があり、かつ、そのアクセス日が契約期間113の範囲内にあることをもって、該当ありとみなす。該当がない場合は、ここで送受信部8を通して、エラーを移動端末3aに送信して処理を終了する(S407)。該当ありの場合は、検索処理部7において、残りの撮影情報を取り出し(S403)、撮影情報から得られる撮影空間領域で地物を検索する(S404)。取得した検索結果から、座標値変換や名称、URL情報などの地物関連情報の埋め込みを行い、その結果を移動端末への送信情報に変換する(S405)。このようにして変換した地物関連情報を移動端末に送信する(S406)。
【0030】
図9は、この撮影操作の具体的な状況を示す模式的な図である。図9(A)は側面図、図9(B)は上面図である。図9に示すように、撮影空間領域は、移動端末位置(x, y, z)を頂点に持ち、カメラ画角θを頂角に持ち、方向ベクトルr(rx, ry, rz)の方向に広がる三次元円錐形の領域となる。図5に示す取得した撮影情報のうち撮影地点x座標201、撮影地点y座標202、撮影地点z座標203を、移動端末のカメラ焦点位置とみなしてよい。また、カメラ姿勢(ロール)205、カメラ姿勢(ヨー)206、カメラ姿勢(ピッチ)207に基づいて、撮影方向である三次元方向ベクトルr(rx, ry, rz)とカメラ基準方向s(sx, sy, sz)とが定まる。撮影方向rは、カメラが向いている方向を示し、カメラ基準方向sは撮影画面の”上が向いている方向”を示す。画角204をもとに、三次元円錐形の頂角となる画角θが定まる。さらに、カメラ撮影装置にピント合わせ機能がある場合は、被写界深度209、被写体距離210の値を取得することにより、深度方向の有効範囲(ピントが合っている範囲)を定めることができる。この撮影空間領域を用いて、視認できる地物を三次元地物地名情報データベース5から検索する(S404)。
【0031】
図10から図12までは、S404のより具体的な検索方法を示す模式図である。図10は、一般的にカメラ装置によって被写体57を撮影する場合の被写体距離Lと被写界深度lとの関係を模式的に示した図である。ピントを合わせて(焦点53、画素51)撮影した場合の検索結果は、この被写界深度lの範囲外の地物が検索されないため、利用者が特に注目している地物について適切な検索結果を得ることができる。
【0032】
図11に示すように、この場合の検索条件として、移動端末3の位置(x, y, z)、カメラ装置の撮影方向ベクトル(rx, ry, rz)ならびにカメラ基準方向s(sx, sy, sz)、画角θ、さらにカメラ撮影装置にピント合わせ機能がある場合は被写界深度l、被写体距離L、の値を取得することができる。これらの値に基づいて、カメラが撮影可能な領域として頂点(x, y, z)、頂角θ、方向(rx, ry, rz)の円錐領域を定義することができる。さらに、被写界深度lと被写体距離Lとが取得できる場合は、焦点位置から距離[L - l/2, L + l/2]の範囲の円錐台が定義できる。この円錐領域または円錐台に含まれる地物43の代表点45(図9を参照)を求めることにより検索処理を行うことができる。
【0033】
但し、上記の円錐領域の検索処理においては、遠すぎる地物や、地球の裏側など本来見えない位置にあるデータを除外することが好ましい。そのために、利用者が適当な検索結果を得る目的で、円錐領域検索処理においては、焦点位置から代表点1〜3までの距離に対して適切な限界値M(例えば1km/5km/10km/50km)を移動端末3a側で設定できるのが好ましい。
【0034】
この円錐領域に含まれる地物の検索条件(ケース1)としては、焦点位置(x, y, z)から代表点(a, b, c)に向かうベクトルをt(tx, ty, tz)とし、撮影方向ベクトルをr(rx, ry, rz)としたとき、
(1):tの長さが限界値M以下であること
(2):tとrのなす角度がθ/2以下であること
である。
【0035】
さらに、被写界深度lと被写体距離Lとが取得できる場合の円錐台に含まれる地物の検索条件(ケース2)は、上記(1)、(2)を満たすものであり、かつ、
(3):焦点位置と代表点との距離Rが[L - l/2, L + l/2]の範囲にあること
である。
【0036】
いずれのケースにおいても、代表点列を取得する具体的な検索SQLは、ベクトルの角度を用いるため、検索する代表点の座標は緯度経度座標52ではなく、変換後の三次元座標56を用いて検索を行う。SQLは、ベクトルの内積公式とベクトルの長さとを用いて、例えば以下のように表すことができる。
【0037】
尚、t・rはベクトルの内積、|t|はベクトルtの長さ、|r|はベクトルrの長さである。また、ここで、|t| = sqrt(tx2 + ty2 + tz2)である。
尚、sqrt(x)はxの平方根を表す。
【0038】
また、ベクトルの内積の公式より、
t・r = (tx, ty, tz)・(rx, ry, rz) = tx*rx + ty*ry + tz*rz = |t||r|cos(α)
が成り立つ。
【0039】
ここで、cosは余弦関数を表し、αはベクトルtとrの成す角(ラジアン単位)を表す。このとき、上記(1)〜(3)の条件は、以下のように表現することができる。
(1)ベクトルtの長さがM以下より、|t|≦M と表すことができる。
(2)ベクトルtとrの成す角をφとすると、内積の公式より
t・r = |t||r|cos(φ)
t・r / |t||r| = cos(φ)
が成り立つ。
【0040】
ここで画角θは、一般的に0<θ<π(ラジアン)とし、この範囲でcos(θ)は単調減少関数であることより、φ≦αならばcos(α)≧cos(φ)が成り立つ。すなわちφ≦θ/2であればcos(φ) ≧ cos(θ/2)であり、したがって画角範囲内に収まる条件は、
t・r / |t||r| ≧ cos(θ/2)
と表すことができる。
【0041】
(3)ベクトルtの長さがL - l/2以上L + l/2以下より、
L - l/2 ≦ |t| ≦ L + l/2 と表すことができる。
【0042】
以上の結果より、
(ケース1)
Select * from 代表点テーブル
ここで、 (|t|≦M) and ( (t・r) / |t||r| ≧ cos(θ/2) )である。
【0043】
同様にして、ケース2において地物ID列を取得する具体的な検索SQLは次のように表すことができる。
【0044】
(ケース2)
Select * from 代表点テーブル
ここで (|t|≦M) and ( (t・r) / |t||r| ≧ cos(θ/2) ) and (L - l/2 ≦ |t| ≦ L + l/2)である。
【0045】
この検索を図11に当てはめると、代表点1は検索されるが、代表点2は条件(1)の限界値Mを超えるため検索されない。また、代表点3は条件(2)のなす角φが画角θ/2をはみ出すため検索されない。また、代表点4はケース2の場合に限り、条件(3)のピント範囲をはみ出すため検索されない(但し、ケース1ではピント範囲を条件に持たないため検索される)。
【0046】
次に、検索結果を移動端末への送信情報に変換する動作(S405)について説明する。以上の検索で得られた結果に対して、各代表点座標値56と撮影方向ベクトルrとカメラ基準方向sとを元に、画面表示位置503を求める。ここで、焦点位置(x,y,z)を原点(0,0,0)に平行移動したのち、原点を中心とする回転で撮影方向ベクトルrをr’(|r|,0,0)に移し、かつ、カメラ基準方向ベクトルsをs’(0,0,|s|)に移すような三次元ベクトルのアフィン変換を求め、すべての座標値に施す。これによって一般性を損なうことなく、計算しやすい形に帰着させることができる。
【0047】
図12は、上記のアフィン変換を行った前後の様子を示す図である。三次元アフィン変換前後において、この場合は、特に平行移動と回転移動だけである拡大縮小はない場合のそれぞれのベクトルが移る様子を図示したものである。図11に示されている図と同様の変換前の図(図12の下の図)から上の図へと変換される様子が示されている。尚、Y軸は紙面に垂直な軸である。図12に示すように、三次元アフィン変換により、原点(0,0,0)を通り方向ベクトルt’の直線が、平面X=-cot(θ/2)と交わる点として、単位円画面に投影された画面表示位置(Y,Z)を求めることができる。このようにして得られる地物情報を元に、移動端末受信データ(図6)を構成することができる。
【0048】
図13は、地物の画面表示位置座標の表示について示した模式的な図である。端末画面63の対角線65を直径とし、端末画面と中心(白抜きの丸印)を同じくする単位円61を仮想的に考えてみる。カメラ基準方向sを(0,1)として、取得した画面表示位置座標に地物名称をマッピングする。画面表示位置座標はサーバで単位円内に投影されているため、画面表示位置の各座標値は-1.0〜1.0の範囲の値となる。このように画面表示位置を単位円座標で表すことにより、移動端末のハードウェア的な仕様に依存しない画面表示位置を定義することができる。
【0049】
また、単位円61内であるが端末画面63内に入らない地物も存在しうるが、これらを区別せず移動端末3aに送信するデータに含める。但し、そのようなデータは、最終的に移動端末3a側の表示判定で画面外となるため、表示されないようになる。また、同じ地物の代表点が複数検索された場合の表示は、全て表示する方法又はいずれか1つ表示を行う方法のいずれでもよいが、移動端末側において設定しておくのが好ましい。このようにして構成した移動端末受信データを、送受信部8を通して移動端末3aに送信する(S406)。
【0050】
図13と図14とはそれぞれ対応する図であり、図13、図14に示すように、表示部3aの画像85には、地物71・73・75の画像の近傍の位置にその地物の名称等71a・73a・75aが表示される。これにより、ユーザは実際に見ているのと同様の3次元画像のうちの地物の位置と名称等を容易に認識することができる。また、移動により見える方向や大きさが異なるようになると、それに対応して地物の画像と名称も変更されていくため、移動し際して画像の見え方が変わってもそれに応じたナビゲートがされるという利点がある。
【0051】
以上に説明したように、本発明の実施の形態によれば、移動端末装置にあっては、三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影条件情報を元に視認されるべき(可能であればさらにピントが合っている)地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することができ、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間が大幅に削減され、最新の背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、軽快な操作を行うことができる。また、利用者が現在注目している地物を正確に同定できる情報を利用者に提供することができるという利点もある。
【0052】
以下に参考文献を示す。
1)緯度・経度からジオイド高を求めることに関する参考文献:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geoid/calcgh/calcframe.html
2)緯度・経度と地心直交座標の相互換算に関する参考文献:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/transf.html
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、携帯電話機を利用したナビゲート装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態による画像関連情報表示システムの一構成例を示すシステム構成図である。
【図2】本実施の形態による移動端末の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】三次元地物地名情報データベースに格納されているデータの構成例を示す図である。
【図4】配信サービス契約者一覧データベースに格納されているデータの構成例を示す図である。
【図5】移動端末がホストコンピュータへ送信するデータの構成例を示す図である。
【図6】移動端末がホストコンピュータから受信するデータの構成例を示す図である。
【図7】移動端末での処理手順の流れを示すフローチャート図である。
【図8】ホストシステムでの処理手順の流れを示すフローチャート図である。
【図9】撮影空間領域の具体的な形状例を示す模式図である。
【図10】被写体距離と被写界深度との具体的な関係を模式的に示す図である。
【図11】地物の具体的な検索方法を示す模式的な図である。
【図12】検索結果の代表点座標から画面表示位置の計算方法を示す模式的な図である。
【図13】地物の画面表示位置の座標の求め方について示した模式的な図である。
【図14】移動端末の表示画面への画像と地物情報との重畳表示の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
3a、3b…移動端末、4…基地局、5…三次元地物地名情報データベース、6…ホストシステム、7…検索処理部、8…送受信部、9…公衆回線網、10…ホスト端末、11…配信サービス契約者一覧データベース、31…ジャイロ部、32…GPS部、33…カメラ撮影装置、34…表示装置、35…データ処理部、351…撮影データ処理部、352…地物地名データ処理部、36…地物情報格納部、37…撮影画像記憶部、38…送受信部、39…入力装置、51…ID、52…三次元地物代表点座標(NEH)、53…地物情報、54…地物名称、55…情報URL、56…三次元地物代表点座標(xyz)、111…契約者氏名、112…電話番号、113…契約期間、114…課金割引率、201…撮影地点x座標、202…撮影地点y座標、203…撮影地点z座標、204…カメラ画角(対角線)、205…カメラ姿勢(ロール)、206…カメラ姿勢(ヨー)、207…カメラ姿勢(ピッチ)、208…発信元ID、209…被写界深度、210…被写体距離、211…最大望遠距離、501…ID、502…地物名称、503…画面表示位置(x,y)、504…地物種別
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像関連情報カメラ撮影機能を持つ携帯端末(移動端末)装置が撮影し表示させた画像に対応する地図データや位置情報などの関連情報を取得し表示する画像関連情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両や道路交通網、公共輸送手段の発達に伴い、手軽に遠隔地に移動可能になってきている。しかしながら不慣れな地域においては、地図などの情報が不可欠なものとなる。
【0003】
近年、携帯電話機などの移動端末を利用し、人工衛星からの電波を受信して検出した現在位置をホストシステムに送信し、現在位置周辺の地図情報を取得して利用者に現在位置と目的地とを提供するGPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステムが普及してきている。
【特許文献1】特開2001−204062号公報(ナビゲーションシステム及びそれを用いたセンタ局及び無線基地局及び携帯端末及び地図抽出方法及び利用料金決済方法)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歩行者用ナビゲーションシステムを用いて目的地を案内する場合に重要なことは、自分が現在居る場所と向いている方角に見える地物や建物を把握することである。そのためには、一般的な二次元の地図に現在地と現在進んでいる(向かっている)方角を表示する方法と、現在地と、向かっている方角に基づく三次元地図情報を表示する方法とがある。前者と後者とでは、後者の方法がより視覚的に認識しやすく直感的な把握も簡単であるため、有望である。
【0005】
しかしながら、三次元地図情報を用いると、処理に必要なデータ量が多くなりすぎる。さらに、三次元図形表面にテクスチャ画像の貼り付け処理を行う場合には、その画面生成処理に要する計算量は膨大なものになる。ホストコンピュータでの処理、データ転送、端末表示の時間も長くなり、操作を開始してから端末に表示させるまでの遅延時間が大きすぎるという不都合が生じる。さらに、例えば景勝地などにおいて、複数の山などの同種の地物が多く観察できる場所、例えば展望台など目標とする地物が小さくなり定まりにくいところでは、現在注目したい地物(例えば山、視認が難しい建物)が具体的にどれであるかを同定することが難しくなるという不都合が生じる。
【0006】
本発明の目的は、画像関連情報を表示する場合において、軽快な操作を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影視点情報を元に地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することによって、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間を大幅に削減し、その場で撮影した背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、利用者が現在注目している地物を正確に同定でき、軽快な操作が行える地図関連情報配信システムを提供することにある。
【0008】
本発明の一観点によれば、地物の三次元位置情報と地物と関連する地物関連情報とを有する三次元地物地名情報を格納する三次元地物地名情報データベースを備えたホストシステムと、該ホストシステムと接続可能な複数の移動端末装置と、を有する画像関連情報表示システムであって、前記移動端末装置は、画像を撮影する画像撮影部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、撮像時の三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、通信部と、を有し、前記ホストシステムは、前記現在位置と前記三次元姿勢及び撮影方角とを前記移動端末装置から受け取り、これらの条件に基づいて前記三次元地物地名情報データベースを検索する検索部を有し、該検索部により検索された地物情報を受け取った前記移動体装置は、前記撮影画像と前記地物情報とを重畳して表示部に表示する表示制御部を備えることを特徴とする地図関連情報配信システムが提供される。
【0009】
また、現在位置を取得する現在位置検索部と、三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、画像を撮影する撮像部と、通信部と、を有する移動端末装置であって、前記画像撮影部により撮影した画像を背景とし、前記現在位置と前記三次元姿勢と撮影方角とに基づいて、画像に対応する地物関連情報を取得し、前記撮影画像と前記地物地名情報とを重畳表示する表示制御部と、を有することを特徴とする移動端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の地図関連情報配信システムによれば、次のような効果がある。
(1)移動端末装置にあっては、三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影条件情報を元に視認される地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することができる。従って、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間を大幅に削減し、最新の背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、軽快な操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書において、地物関連情報とは、主として、地物(建物、公園、橋、タワーなど)を特定するための情報(地物の名称など)と、地物と関連する情報(タワーの高さなど)を含むものである。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態による画像関連情報表示システムについて説明する。図1は、本実施の形態による画像関連情報表示システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、画像関連情報取得システムは、三次元地物地名情報データベース5と、配信サービス契約者一覧データベースDB11と、接続されているホストシステム6と、ホストシステム6から、地物地名情報を受信する複数の移動端末装置3a、3b、…と、を有して構成され、この移動端末装置3a、3b、…は、無線回線によって基地局4と接続されている。そして、基地局4は例えば有線の公衆回線網によるネットワーク9と接続され、このネットワーク9にホストシステム6が接続されている。移動端末装置3a、3bは、例えば携帯電話機、PDAなどである。
【0013】
このように、移動端末装置3a、3b、…とホストシステム6とは、基地局4に至る無線回線およびネットワーク9を介して接続されている。基地局4は、移動端末装置3a、3b、…の無線送受信手段として、例えば携帯電話を利用した場合は携帯電話事業者が管理する基地局に相当する。ホストシステム6には、三次元地物地名情報データベース5に加えて、配信サービス契約者一覧データベース11が設けられている。
【0014】
ホストシステム6の三次元地物地名情報データベース5には、例えば日本全国の地物の三次元の代表点座標データと、これに対応する地物種別53、地物名称54、アクセス情報55などを含む地物関連情報が登録されている。
【0015】
ホストシステム6は、移動端末装置3からの地物情報の要求に対して、三次元地物地名情報データベース5への検索処理を行う検索処理部7と、移動端末装置3との間でデータの送受信を行う送受信部8と、を備えている。
【0016】
ネットワーク9には、各地域の観光協会や地域自治体に設置されたホスト端末10が接続されていても良く、このホスト端末10によって、担当地域あるいは管轄地域の地物情報を登録したり更新したりすることができるように構成されていても良い。
【0017】
図2は、移動端末装置3a、3bの一構成例を示す図である。移動端末装置3a、3bは、自装置の姿勢を検出するジャイロ部31と、衛星からの電波を受信して自装置の現在位置を検出するGPS部32と、画像を撮影する撮影装置(カメラ)33と、処理結果を表示するLCD表示装置34と、撮影情報と地物情報とに基づいて表示情報を作成するデータ処理部35と、ホストコンピュータ6(図1)から取得した地物情報を格納する地物情報格納部36と、撮影画像を記憶する撮影画像記憶部37と、ホストコンピュータ6との通信を行う送受信部38と、を有している。撮影装置(カメラ)33には、測距に基づく合焦判定部が設けられていても良い。
【0018】
データ処理部35は、撮影データ処理部351と地物地名データ処理部352とを備えている。ジャイロ部31は、移動端末装置3a、3bのカメラ撮影方向を検出するために、地磁気を検知する方位センサ(ヨー方向)と重力方向を検知する重力センサ(ロール&ピッチ方向)を備えている。
【0019】
三次元地物地名情報データベース5に格納される地物情報は、図 3(A)、(B)に示すように、ID51と、三次元地物代表点座標(NEH) 52、地物種別53、地物名称54、情報を取得することができる情報URL55、三次元地物代表点座標(xyz)56、の各データを含むように構成されている。三次元地物代表点座標(NEH) 52は、携帯電話などでも用いられるWGS84(world geodetic system)座標系に基づいた(緯度、経度、標高(m))の測地系座標で定義される地物の代表点である。三次元地物代表点座標(xyz)56は三次元地物代表点座標(NEH) 52に基づいて地心座標系へ変換を行った(x, y, z)の三次元座標であり、単位はメートルである。
【0020】
前述のように、図3に示す三次元地物地名情報データベース5には、地物を管理するID51と、三次元地物代表点座標(NEH)52と、地物の種別を表す地物種別53と、地物名称54と、情報URL55と、三次元地物代表点座標(xyz)56と、を含む情報を有して構成されているが、三次元地物代表点座標(NEH)52と、三次元地物代表点座標(xyz)56と、は、地物の三次元図形情報を簡略化したものであり、1つの地物について1つ以上定義する。三次元地物代表点座標(NEH)52は、該当する地物の代表点を、緯度(N)、経度(E)、標高(H)を用いて表したものであり、三次元地物代表点座標(xyz)56には、三次元地物代表点座標(NEH)52に基づいて、三次元の地心座標系に変換したx, y, z座標値が登録されている。
【0021】
従って、地物ID51との対応は、別データテーブルにして管理している。代表点の基準は、情報を知りたい地物の、特に注目される地点を登録することである。例えば、山であれば山頂、湖であればその中央部、建物であれば一階中心地点や建物の屋上中心地点などが代表点として挙げられ、公園など、領域が広範囲にわたる場合には、その領域に対して複数地点を例えば均等に割り当てるなどの手法を用いることができる。
【0022】
図4は、サービス利用可能な移動端末を特定する配信サービス契約者一覧データベース11が持つ主なデータ構成例を示す図である。図4には、契約者氏名111、電話番号112、契約期間113、課金割引率114が含まれており、各契約者毎のデータにより構成されている。
【0023】
図5は、移動端末3a、3bがホストシステム6に対して地物情報の要求を行う送信データのフレーム構成例を示す図である。図5に示すように、撮影地点のx座標201、撮影地点のy座標202、撮影地点のz座標203、カメラ画角(対角線)204、カメラ姿勢(ロール)205、カメラ姿勢(ヨー)206、カメラ姿勢(ピッチ)207、発信元ID208、被写界深度209、被写体距離210、最大望遠距離211とを有して構成されている。撮影地点における座標値は、測地座標系に基づいて例えばGPSにより取得できる座標値であり、緯度経度、標高に基づいて、最終的に地心座標系の三次元座標に変換された値である。尚、この座標変換はホストシステム側で行ってもよい。
【0024】
被写界深度は、カメラ撮影装置のピントが合っている範囲を示す値である。被写体距離(メートル単位)は、最もピントが合っている場所と焦点との距離を示す値である。カメラ姿勢(ロール)/(ヨー)/(ピッチ)は、カメラの撮影方向が地面と水平かつ真北を指すときを基準とした角度で示される。最大望遠距離は、移動端末側で利用者が選択肢などから設定する値であり、撮影位置から代表点までの有効検索距離を決定するものである。これ以上離れた地物の代表点は検索対象から除外する。この値は、利用者の注目する地物について適切に検索条件を絞り込むとともに、地面を撮影して地球裏側の地物が検索結果に含まれてしまうといった不都合を防止する。
【0025】
図6は、移動端末がホストシステムから受信する地物情報が持つデータの最低限の構成例を示す図である。地物を管理するID501と、地物名称502と、撮影中心を原点とする画角円周を単位円とみなしたときの地物の画面表示位置503と、地物種別504と、情報URL505と、を含む情報を有して構成されている。
【0026】
以下、上記のように構成された歩行者用ナビゲーションシステムに関する動作について説明する。図7は、移動端末で実際に行われる操作ならびに動作を示すフローチャート図である。適宜、図1、図2を参照する。まず入力装置39においてナビゲーション撮影モードに設定する(S301)。次に、カメラ撮影装置33により、情報を取得したい領域を撮影する(S302)。カメラ撮影装置33により例えばその周辺を撮影すると、移動端末3aでは、GPS部32で現在位置を取得し(S303)、ジャイロ部31で移動端末3の姿勢情報を取得し(S304)、カメラ撮影装置33で撮影画像とカメラ画角と被写体距離と被写界深度とを取得する(S305)。
【0027】
撮影画像データと取得情報とは、データ処理部35の撮影データ処理部351に送られる。撮影画像は、撮影データ処理部351から撮影画像記憶部37に送られ、取得情報は351内でホストシステムへの送信データ(詳細は図5を参照)に変換される。撮影データ処理部351は、このフレームを作成し送受信部38を通してホストシステム6に送信する(S306)。ホストシステムでは、このデータを受信して返り値として地物情報(詳細は図3を参照)を送信(図8を参照して後述)する。移動端末3aは、ホストシステムから送信された地物情報を送受信部38で受信する(S307)。受信した地物情報は、データ処理部35の地物地名データ処理部352に送られ、地物情報の解析を行う。次いで、データ処理部35において、撮影画像データと地物情報とをあわせて表示可能なデータに変換して表示装置34に送り、重畳表示させる。後述する図14は、この重畳表示の画面表示例を示す図である。画面表示を完了した後は、入力装置39から継続操作を行うと撮影処理S302に移行し、終了操作を行うとナビゲーション撮影モード終了S309に移行することができる(S308、S308’)。
【0028】
また、カメラ撮影装置に動画撮影機能が備えられている場合は、スナップショット的に一定時間間隔で撮影情報をホストシステムに送信し、対応する地物情報を受信して画面に重畳表示することにより、撮影動画への対応も可能となる。
【0029】
図8は、ホストシステム6が移動端末3aから送信されたデータから地物情報の検索を行い、検索結果を移動端末3aに送信するまでの処理の流れを示すフローチャート図である。まず、ホストシステム6は、送受信部8を通して移動端末3からの送信データを受信する(S401)。受信したデータは、検索処理部7に送られる。検索処理部7では、発信元ID208を取り出し、配信サービス契約者一覧データベース11に対して照合が行われる(S402)。取得した発信元ID208と同じ電話番号112を持つ契約者情報があり、かつ、そのアクセス日が契約期間113の範囲内にあることをもって、該当ありとみなす。該当がない場合は、ここで送受信部8を通して、エラーを移動端末3aに送信して処理を終了する(S407)。該当ありの場合は、検索処理部7において、残りの撮影情報を取り出し(S403)、撮影情報から得られる撮影空間領域で地物を検索する(S404)。取得した検索結果から、座標値変換や名称、URL情報などの地物関連情報の埋め込みを行い、その結果を移動端末への送信情報に変換する(S405)。このようにして変換した地物関連情報を移動端末に送信する(S406)。
【0030】
図9は、この撮影操作の具体的な状況を示す模式的な図である。図9(A)は側面図、図9(B)は上面図である。図9に示すように、撮影空間領域は、移動端末位置(x, y, z)を頂点に持ち、カメラ画角θを頂角に持ち、方向ベクトルr(rx, ry, rz)の方向に広がる三次元円錐形の領域となる。図5に示す取得した撮影情報のうち撮影地点x座標201、撮影地点y座標202、撮影地点z座標203を、移動端末のカメラ焦点位置とみなしてよい。また、カメラ姿勢(ロール)205、カメラ姿勢(ヨー)206、カメラ姿勢(ピッチ)207に基づいて、撮影方向である三次元方向ベクトルr(rx, ry, rz)とカメラ基準方向s(sx, sy, sz)とが定まる。撮影方向rは、カメラが向いている方向を示し、カメラ基準方向sは撮影画面の”上が向いている方向”を示す。画角204をもとに、三次元円錐形の頂角となる画角θが定まる。さらに、カメラ撮影装置にピント合わせ機能がある場合は、被写界深度209、被写体距離210の値を取得することにより、深度方向の有効範囲(ピントが合っている範囲)を定めることができる。この撮影空間領域を用いて、視認できる地物を三次元地物地名情報データベース5から検索する(S404)。
【0031】
図10から図12までは、S404のより具体的な検索方法を示す模式図である。図10は、一般的にカメラ装置によって被写体57を撮影する場合の被写体距離Lと被写界深度lとの関係を模式的に示した図である。ピントを合わせて(焦点53、画素51)撮影した場合の検索結果は、この被写界深度lの範囲外の地物が検索されないため、利用者が特に注目している地物について適切な検索結果を得ることができる。
【0032】
図11に示すように、この場合の検索条件として、移動端末3の位置(x, y, z)、カメラ装置の撮影方向ベクトル(rx, ry, rz)ならびにカメラ基準方向s(sx, sy, sz)、画角θ、さらにカメラ撮影装置にピント合わせ機能がある場合は被写界深度l、被写体距離L、の値を取得することができる。これらの値に基づいて、カメラが撮影可能な領域として頂点(x, y, z)、頂角θ、方向(rx, ry, rz)の円錐領域を定義することができる。さらに、被写界深度lと被写体距離Lとが取得できる場合は、焦点位置から距離[L - l/2, L + l/2]の範囲の円錐台が定義できる。この円錐領域または円錐台に含まれる地物43の代表点45(図9を参照)を求めることにより検索処理を行うことができる。
【0033】
但し、上記の円錐領域の検索処理においては、遠すぎる地物や、地球の裏側など本来見えない位置にあるデータを除外することが好ましい。そのために、利用者が適当な検索結果を得る目的で、円錐領域検索処理においては、焦点位置から代表点1〜3までの距離に対して適切な限界値M(例えば1km/5km/10km/50km)を移動端末3a側で設定できるのが好ましい。
【0034】
この円錐領域に含まれる地物の検索条件(ケース1)としては、焦点位置(x, y, z)から代表点(a, b, c)に向かうベクトルをt(tx, ty, tz)とし、撮影方向ベクトルをr(rx, ry, rz)としたとき、
(1):tの長さが限界値M以下であること
(2):tとrのなす角度がθ/2以下であること
である。
【0035】
さらに、被写界深度lと被写体距離Lとが取得できる場合の円錐台に含まれる地物の検索条件(ケース2)は、上記(1)、(2)を満たすものであり、かつ、
(3):焦点位置と代表点との距離Rが[L - l/2, L + l/2]の範囲にあること
である。
【0036】
いずれのケースにおいても、代表点列を取得する具体的な検索SQLは、ベクトルの角度を用いるため、検索する代表点の座標は緯度経度座標52ではなく、変換後の三次元座標56を用いて検索を行う。SQLは、ベクトルの内積公式とベクトルの長さとを用いて、例えば以下のように表すことができる。
【0037】
尚、t・rはベクトルの内積、|t|はベクトルtの長さ、|r|はベクトルrの長さである。また、ここで、|t| = sqrt(tx2 + ty2 + tz2)である。
尚、sqrt(x)はxの平方根を表す。
【0038】
また、ベクトルの内積の公式より、
t・r = (tx, ty, tz)・(rx, ry, rz) = tx*rx + ty*ry + tz*rz = |t||r|cos(α)
が成り立つ。
【0039】
ここで、cosは余弦関数を表し、αはベクトルtとrの成す角(ラジアン単位)を表す。このとき、上記(1)〜(3)の条件は、以下のように表現することができる。
(1)ベクトルtの長さがM以下より、|t|≦M と表すことができる。
(2)ベクトルtとrの成す角をφとすると、内積の公式より
t・r = |t||r|cos(φ)
t・r / |t||r| = cos(φ)
が成り立つ。
【0040】
ここで画角θは、一般的に0<θ<π(ラジアン)とし、この範囲でcos(θ)は単調減少関数であることより、φ≦αならばcos(α)≧cos(φ)が成り立つ。すなわちφ≦θ/2であればcos(φ) ≧ cos(θ/2)であり、したがって画角範囲内に収まる条件は、
t・r / |t||r| ≧ cos(θ/2)
と表すことができる。
【0041】
(3)ベクトルtの長さがL - l/2以上L + l/2以下より、
L - l/2 ≦ |t| ≦ L + l/2 と表すことができる。
【0042】
以上の結果より、
(ケース1)
Select * from 代表点テーブル
ここで、 (|t|≦M) and ( (t・r) / |t||r| ≧ cos(θ/2) )である。
【0043】
同様にして、ケース2において地物ID列を取得する具体的な検索SQLは次のように表すことができる。
【0044】
(ケース2)
Select * from 代表点テーブル
ここで (|t|≦M) and ( (t・r) / |t||r| ≧ cos(θ/2) ) and (L - l/2 ≦ |t| ≦ L + l/2)である。
【0045】
この検索を図11に当てはめると、代表点1は検索されるが、代表点2は条件(1)の限界値Mを超えるため検索されない。また、代表点3は条件(2)のなす角φが画角θ/2をはみ出すため検索されない。また、代表点4はケース2の場合に限り、条件(3)のピント範囲をはみ出すため検索されない(但し、ケース1ではピント範囲を条件に持たないため検索される)。
【0046】
次に、検索結果を移動端末への送信情報に変換する動作(S405)について説明する。以上の検索で得られた結果に対して、各代表点座標値56と撮影方向ベクトルrとカメラ基準方向sとを元に、画面表示位置503を求める。ここで、焦点位置(x,y,z)を原点(0,0,0)に平行移動したのち、原点を中心とする回転で撮影方向ベクトルrをr’(|r|,0,0)に移し、かつ、カメラ基準方向ベクトルsをs’(0,0,|s|)に移すような三次元ベクトルのアフィン変換を求め、すべての座標値に施す。これによって一般性を損なうことなく、計算しやすい形に帰着させることができる。
【0047】
図12は、上記のアフィン変換を行った前後の様子を示す図である。三次元アフィン変換前後において、この場合は、特に平行移動と回転移動だけである拡大縮小はない場合のそれぞれのベクトルが移る様子を図示したものである。図11に示されている図と同様の変換前の図(図12の下の図)から上の図へと変換される様子が示されている。尚、Y軸は紙面に垂直な軸である。図12に示すように、三次元アフィン変換により、原点(0,0,0)を通り方向ベクトルt’の直線が、平面X=-cot(θ/2)と交わる点として、単位円画面に投影された画面表示位置(Y,Z)を求めることができる。このようにして得られる地物情報を元に、移動端末受信データ(図6)を構成することができる。
【0048】
図13は、地物の画面表示位置座標の表示について示した模式的な図である。端末画面63の対角線65を直径とし、端末画面と中心(白抜きの丸印)を同じくする単位円61を仮想的に考えてみる。カメラ基準方向sを(0,1)として、取得した画面表示位置座標に地物名称をマッピングする。画面表示位置座標はサーバで単位円内に投影されているため、画面表示位置の各座標値は-1.0〜1.0の範囲の値となる。このように画面表示位置を単位円座標で表すことにより、移動端末のハードウェア的な仕様に依存しない画面表示位置を定義することができる。
【0049】
また、単位円61内であるが端末画面63内に入らない地物も存在しうるが、これらを区別せず移動端末3aに送信するデータに含める。但し、そのようなデータは、最終的に移動端末3a側の表示判定で画面外となるため、表示されないようになる。また、同じ地物の代表点が複数検索された場合の表示は、全て表示する方法又はいずれか1つ表示を行う方法のいずれでもよいが、移動端末側において設定しておくのが好ましい。このようにして構成した移動端末受信データを、送受信部8を通して移動端末3aに送信する(S406)。
【0050】
図13と図14とはそれぞれ対応する図であり、図13、図14に示すように、表示部3aの画像85には、地物71・73・75の画像の近傍の位置にその地物の名称等71a・73a・75aが表示される。これにより、ユーザは実際に見ているのと同様の3次元画像のうちの地物の位置と名称等を容易に認識することができる。また、移動により見える方向や大きさが異なるようになると、それに対応して地物の画像と名称も変更されていくため、移動し際して画像の見え方が変わってもそれに応じたナビゲートがされるという利点がある。
【0051】
以上に説明したように、本発明の実施の形態によれば、移動端末装置にあっては、三次元地図情報のうち特に背景地図の情報の代わりに端末自身のカメラ撮影機能で撮影した画像を背景に用いることで、その撮影情報から得られる撮影条件情報を元に視認されるべき(可能であればさらにピントが合っている)地物名や建物名のデータのみをホストコンピュータから取得することができ、ホストコンピュータでの背景データの処理、データ転送、端末表示の時間が大幅に削減され、最新の背景地図を用いた三次元地図情報を端末装置上で構成し、軽快な操作を行うことができる。また、利用者が現在注目している地物を正確に同定できる情報を利用者に提供することができるという利点もある。
【0052】
以下に参考文献を示す。
1)緯度・経度からジオイド高を求めることに関する参考文献:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geoid/calcgh/calcframe.html
2)緯度・経度と地心直交座標の相互換算に関する参考文献:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/transf.html
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、携帯電話機を利用したナビゲート装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態による画像関連情報表示システムの一構成例を示すシステム構成図である。
【図2】本実施の形態による移動端末の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】三次元地物地名情報データベースに格納されているデータの構成例を示す図である。
【図4】配信サービス契約者一覧データベースに格納されているデータの構成例を示す図である。
【図5】移動端末がホストコンピュータへ送信するデータの構成例を示す図である。
【図6】移動端末がホストコンピュータから受信するデータの構成例を示す図である。
【図7】移動端末での処理手順の流れを示すフローチャート図である。
【図8】ホストシステムでの処理手順の流れを示すフローチャート図である。
【図9】撮影空間領域の具体的な形状例を示す模式図である。
【図10】被写体距離と被写界深度との具体的な関係を模式的に示す図である。
【図11】地物の具体的な検索方法を示す模式的な図である。
【図12】検索結果の代表点座標から画面表示位置の計算方法を示す模式的な図である。
【図13】地物の画面表示位置の座標の求め方について示した模式的な図である。
【図14】移動端末の表示画面への画像と地物情報との重畳表示の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
3a、3b…移動端末、4…基地局、5…三次元地物地名情報データベース、6…ホストシステム、7…検索処理部、8…送受信部、9…公衆回線網、10…ホスト端末、11…配信サービス契約者一覧データベース、31…ジャイロ部、32…GPS部、33…カメラ撮影装置、34…表示装置、35…データ処理部、351…撮影データ処理部、352…地物地名データ処理部、36…地物情報格納部、37…撮影画像記憶部、38…送受信部、39…入力装置、51…ID、52…三次元地物代表点座標(NEH)、53…地物情報、54…地物名称、55…情報URL、56…三次元地物代表点座標(xyz)、111…契約者氏名、112…電話番号、113…契約期間、114…課金割引率、201…撮影地点x座標、202…撮影地点y座標、203…撮影地点z座標、204…カメラ画角(対角線)、205…カメラ姿勢(ロール)、206…カメラ姿勢(ヨー)、207…カメラ姿勢(ピッチ)、208…発信元ID、209…被写界深度、210…被写体距離、211…最大望遠距離、501…ID、502…地物名称、503…画面表示位置(x,y)、504…地物種別
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地物の三次元位置情報と地物と関連する地物関連情報とを有する三次元地物地名情報を格納する三次元地物地名情報データベースを備えたホストシステムと、該ホストシステムと接続可能な複数の移動端末装置と、を有する画像関連情報表示システムであって、
前記移動端末装置は、画像を撮影する画像撮影部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、撮像時の三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、通信部と、を有し、
前記ホストシステムは、前記現在位置と前記三次元姿勢及び撮影方角とを前記移動端末装置から受け取り、これらの条件に基づいて前記三次元地物地名情報データベースを検索する検索部を有し、
該検索部により検索された地物情報を受け取った前記移動体装置は、前記撮影画像と前記地物情報とを重畳して表示部に表示する表示制御部を備えることを特徴とする地図関連情報配信システム。
【請求項2】
現在位置を取得する現在位置検索部と、三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、画像を撮影する撮像部と、通信部と、を有する移動端末装置であって、
前記画像撮影部により撮影した画像を背景とし、前記現在位置と前記三次元姿勢と撮影方角とに基づいて、画像に対応し地物と関連する地物関連情報を取得し、前記撮影画像と前記地物地名情報とを重畳表示する表示制御部と、を有することを特徴とする移動端末装置。
【請求項3】
前記カメラ撮影装置が合焦機能を有し、前記画像撮影部により画像に撮影されており、かつ、合焦している地物に対して該地物と対応する前記地名関連情報を重畳表示することを特徴とする請求項2に記載の移動端末装置。
【請求項4】
前記合焦機能に基づいて、被写界深度lと、被写体距離Lと、を取得し、焦点位置から距離[L - l/2,L + l/2]の範囲の円錐台を定義し、該円錐台に含まれる地物の代表点を求め、この代表点より特定される地物を視認できる地物として前記三次元地物地名情報データベースに基づいて前記地物関連情報を検索することを特徴とする請求項3に記載の移動端末装置。
【請求項5】
前記移動端末位置(x, y, z)を頂点に持ち、カメラ画角θを頂角に持ち、方向ベクトルr(rx, ry, rz)の方向に広がる三次元円錐形の領域を仮想撮影空間領域として定義し、前記現在位置検出部により検出された位置をカメラ焦点位置とみなし、前記三次元姿勢方角検出部により検出されたカメラの姿勢に基づいて、撮影方向である三次元方向ベクトルr(rx, ry, rz)とカメラ基準方向s(sx, sy, sz)とを定め、カメラ画角をもとに、前記三次元円錐形の頂角となる画角θを定めることを特徴とする請求項2から4までのいずれか1項に記載の移動端末装置。
【請求項6】
位置情報を表示する際に、表示部の画面の対角線を直径とする単位円内平面で座標を定義することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の移動端末装置。
【請求項1】
地物の三次元位置情報と地物と関連する地物関連情報とを有する三次元地物地名情報を格納する三次元地物地名情報データベースを備えたホストシステムと、該ホストシステムと接続可能な複数の移動端末装置と、を有する画像関連情報表示システムであって、
前記移動端末装置は、画像を撮影する画像撮影部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、撮像時の三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、通信部と、を有し、
前記ホストシステムは、前記現在位置と前記三次元姿勢及び撮影方角とを前記移動端末装置から受け取り、これらの条件に基づいて前記三次元地物地名情報データベースを検索する検索部を有し、
該検索部により検索された地物情報を受け取った前記移動体装置は、前記撮影画像と前記地物情報とを重畳して表示部に表示する表示制御部を備えることを特徴とする地図関連情報配信システム。
【請求項2】
現在位置を取得する現在位置検索部と、三次元姿勢と撮影方角とを検出する三次元姿勢方角検出部と、画像を撮影する撮像部と、通信部と、を有する移動端末装置であって、
前記画像撮影部により撮影した画像を背景とし、前記現在位置と前記三次元姿勢と撮影方角とに基づいて、画像に対応し地物と関連する地物関連情報を取得し、前記撮影画像と前記地物地名情報とを重畳表示する表示制御部と、を有することを特徴とする移動端末装置。
【請求項3】
前記カメラ撮影装置が合焦機能を有し、前記画像撮影部により画像に撮影されており、かつ、合焦している地物に対して該地物と対応する前記地名関連情報を重畳表示することを特徴とする請求項2に記載の移動端末装置。
【請求項4】
前記合焦機能に基づいて、被写界深度lと、被写体距離Lと、を取得し、焦点位置から距離[L - l/2,L + l/2]の範囲の円錐台を定義し、該円錐台に含まれる地物の代表点を求め、この代表点より特定される地物を視認できる地物として前記三次元地物地名情報データベースに基づいて前記地物関連情報を検索することを特徴とする請求項3に記載の移動端末装置。
【請求項5】
前記移動端末位置(x, y, z)を頂点に持ち、カメラ画角θを頂角に持ち、方向ベクトルr(rx, ry, rz)の方向に広がる三次元円錐形の領域を仮想撮影空間領域として定義し、前記現在位置検出部により検出された位置をカメラ焦点位置とみなし、前記三次元姿勢方角検出部により検出されたカメラの姿勢に基づいて、撮影方向である三次元方向ベクトルr(rx, ry, rz)とカメラ基準方向s(sx, sy, sz)とを定め、カメラ画角をもとに、前記三次元円錐形の頂角となる画角θを定めることを特徴とする請求項2から4までのいずれか1項に記載の移動端末装置。
【請求項6】
位置情報を表示する際に、表示部の画面の対角線を直径とする単位円内平面で座標を定義することを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項に記載の移動端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−158583(P2008−158583A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343438(P2006−343438)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
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