説明

発光素子および発光素子の製造方法

【課題】本発明は、信頼性が向上し、発光構造物のクラック及びひび割れなどの損傷を防止し、発光効率を向上させる発光素子の製造方法を提供するためのものである。
【解決手段】本発明に従う発光素子の製造方法は、多数のチップ領域及びアイソレーション領域を含む基板の上に多数の化合物半導体層を形成するステップと、前記各チップ領域に発光構造物を形成し、前記アイソレーション領域に緩衝構造物を形成するために前記化合物半導体層をエッチングするステップと、前記発光構造物及び前記緩衝構造物の上に伝導性支持部材を形成するステップと、レーザリフトオフ工程を用いて前記基板を除去するステップと、前記発光構造物を分離するステップと、を含み、前記緩衝構造物は前記発光構造物から離隔する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子および発光素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は電気エネルギーを光に変換する半導体素子である。発光ダイオードは、蛍光灯、白熱灯など、既存の光源に比べて低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、及び環境親和性の長所を有する。ここに、既存の光源を発光ダイオードに取り替えるための多くの研究が進められている。発光ダイオードは室内外で使われる各種ランプの光源、液晶表示装置の光源、電光板の光源、及び街灯の光源として使用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、信頼性が向上した発光素子および発光素子の製造方法を提供することにある。
【0004】
本発明の他の目的は、発光構造物のクラック、ひび割れなどの損傷を防止する発光素子および発光素子の製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明の更に他の目的は、発光効率を向上させる発光素子および発光素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従う発光素子の製造方法は、多数のチップ領域とアイソレーション領域とを含む基板の上に多数の化合物半導体層を形成するステップと、前記各チップ領域に発光構造物を形成し、前記アイソレーション領域に緩衝構造物を形成するために前記化合物半導体層をエッチングするステップと、前記発光構造物と前記緩衝構造物の上に伝導性支持部材を形成するステップと、レーザリフトオフ工程を用いて前記基板を除去するステップと、前記発光構造物を分離するステップと、を含み、前記緩衝構造物は前記発光構造物から離隔される。
本発明に従う発光素子は、伝導性支持部材上で各発光構造を定義する複数のチップ領域と、前記伝導性支持部材上で前記チップ領域の間を定義するアイソレーション領域と、前記アイソレーション領域に配置された少なくとも1つの緩衝構造物と、を含み、前記発光構造物および前記緩衝構造物は、第1導電型半導体層、活性層および第2 導電型半導体層を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、信頼性が向上した発光素子および発光素子の製造方法を得ることができる。
【0008】
また、本発明によれば、発光構造物のクラック、ひび割れなどの損傷を防止する発光素子および発光素子の製造方法を得ることができる。
【0009】
また、本発明によれば、発光効率を向上させる発光素子および発光素子の製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に従う発光素子の断面図である。
【図2A】図1の発光素子の平面図である。
【図2B】図1の発光素子の平面図である。
【図2C】図1の発光素子の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図5A】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図(平面図)である。
【図5B】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図(平面図)である。
【図5C】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図(平面図)である。
【図6】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に従う発光素子の製造工程を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に従う発光素子の断面図である。
【図12】本発明の実施形態に従う発光素子を含む発光素子パッケージの断面図である。
【図13】本発明の実施形態に従う表示装置の分解斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に従う表示装置を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に従う照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されることと記載される場合において、“上(on)”と“下(under)”は、“直接(directly)”または“他の層を介して(indirectly)”形成されることを全て含む。また、各層の上または下に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0012】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明すると、次の通りである。図面において、各層の厚さやサイズは説明の便宜及び明確性のために誇張、省略、または概略的に図示された。また、各構成要素のサイズは実際のサイズを全的に反映するのではない。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態に従う発光素子の断面図で、図2A〜図2Cは図1の発光素子の平面図である。
【0014】
図1及び図2A〜図2Cを参照すると、第1実施形態に従う発光素子100は、伝導性支持部材160と、前記伝導性支持部材160の上に形成されて光を生成する発光構造物120と、前記伝導性支持部材160の上に前記発光構造物120から距離(d)に離隔するように形成され、前記発光素子100の製造工程で前記発光構造物120の損傷を防止する少なくとも1つの緩衝構造物180を含む。
【0015】
前記発光構造物120は、第1接着層158、前記第1接着層158の上に反射層157、前記第1接着層158及び反射層157の側面に拡散防止層(Diffusion Barrier Layer)159、前記反射層157の上に形成されて光を放出する多数の化合物半導体層145、及び前記化合物半導体層145に形成されて前記伝導性支持部材160と共に前記発光構造物120に電源を提供する電極170を含むことができる。前記電極170は、少なくとも1つの電極パッドを含むことができ、またアーム(ARM)電極構造を有することができる。前記緩衝構造物180及び前記発光構造物120は、同一な層の積層構造または同一な高さで形成できる。
【0016】
前記緩衝構造物180は、前記発光構造物120の側面から距離(d)に離隔するように少なくとも1つが形成できる。
【0017】
前記距離(d)は、例えば5μm乃至50μmでありうる。また、前記緩衝構造物180の幅(W1)は5μm乃至30μmでありうる。但し、前記距離(d)及び前記幅(W1)は、前記発光素子100の設計に従って変わることができ、これに対して限定するのではない。
【0018】
前記緩衝構造物180は光を生成しないことがあり、その代わり、実施形態に従う発光素子100の製造工程で発生できる衝撃を吸収して前記発光構造物120の損傷を防止する役割をすることができる。即ち、前記緩衝構造物180を形成することによって、実施形態に従う発光素子100及びその製造方法の信頼性が向上することができる。これに対しては詳細に後述する。
【0019】
以下、実施形態に従う発光素子100について構成要素及び作用を中心として詳細に説明する。
【0020】
前記伝導性支持部材160は、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180を支持すると共に、前記電極170と一緒に前記発光構造物120に電源を提供することができる。
【0021】
前記伝導性支持部材160は、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、またはキャリヤウエハ(例:Si、Ge、GaAs、ZnO、SiC、SiGe、GaN等)のうち、少なくともいずれか1つを含むことができる。
【0022】
前記伝導性支持部材160の上面には第2接着層161が形成できる。前記第2接着層161は接着力の良好なAuSn、AuIn、NiSnなどの接合金属で形成されることができ、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180と前記伝導性支持部材160との間を強固に結合させることができる。
【0023】
前記伝導性支持部材160の上には前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180が形成できる。前記緩衝構造物は、前記発光構造物120の側面から距離(d)に離隔するように形成できる。前記緩衝構造物は、前記発光構造物と同一な層の積層構造及び同一な高さで形成できる。
【0024】
図2Aに示すように、前記緩衝構造物180は、前記発光構造物120のエッジ領域から前記距離(d)に離隔するように形成できる。
【0025】
または、図2B及び図2Cに示すように、前記緩衝構造物180は、前記発光構造物120のエッジ領域、そして前記発光構造物120の各側面から前記距離(d)に離隔するように複数個または一体で配置されることもできる。即ち、ここで、一体ということは、前記緩衝構造物180が個別に形成されるのでなく、前記各側面に沿って連続して繋がるように形成されることを意味する。
【0026】
前記距離(d)は、前記緩衝構造物180の位置によって変わることができる。即ち、前記発光構造物120のエッジ領域から離隔した前記緩衝構造物180の距離(D1)が前記発光構造物120の各側面から離隔した前記緩衝構造物180の距離(D2)より大きいことがある。
【0027】
前記距離(d)は、例えば5μm乃至50μmでありうる。前記距離(d)は、実施形態に従う発光素子100の製造工程で複数個のチップを個別チップ単位で区分するために形成されるアイソレーション領域(Isolation area)の幅によって決定できるが、これに対しては詳細に後述する。
【0028】
前記緩衝構造物180の幅(W1)は、例えば、5μm乃至30μmでありうる。但し、前記幅(W1)も前記発光素子100の設計または製造工程などによって変わることができ、これに対して限定するのではない。
【0029】
また、前記緩衝構造物180の上面の形状は、例えば、プラス(+)形状、円形状、菱形状、扇形状、半円形状、多角形状、リング形状などを有することができ、これに対して限定するのではない。
【0030】
前記緩衝構造物180は光を生成しないことがあり、その代わり、実施形態に従う発光素子100の製造工程で発生できる衝撃を吸収して前記発光構造物120の損傷を防止する役割をすることができる。
【0031】
詳細に説明すれば、前記緩衝構造物180は基板を除去するレーザリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)工程で使われるレーザエネルギーによる衝撃を前記発光構造物120の代わりに吸収することができる。
【0032】
即ち、前記緩衝構造物180を形成していない一般的なレーザリフトオフ(LLO)工程で、LLO工程に使われるレーザエネルギーによる衝撃により発光構造物の側面やエッジ(edge)領域に、クラック、ひび割れなどの損傷が発生するようになることに反して、実施形態に従う発光素子100では前記レーザエネルギーによる衝撃を吸収する前記緩衝構造物180を形成して、前記発光構造物120にクラック、ひび割れなどの損傷が発生することを防止することができる。
【0033】
前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180は、同一な製造工程により同時に形成されることができ、この場合、2つの構造物の積層構造は少なくとも一部が同一でありうる。
【0034】
以下、実施形態では前記2つの構造物の積層構造の少なくとも一部が同一な場合を中心として説明する。但し、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180は互いに別途の製造工程により形成されて相異する材質で形成されることもでき、これに対して限定するのではない。
【0035】
前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180は、第1接着層158、前記第1接着層158の上に反射層157、前記第1接着層158及び反射層157の側面に拡散防止層(Diffusion Barrier Layer)159、及び前記反射層157の上に化合物半導体層145を含むことができる。
【0036】
前記第1接着層158は、前記第2接着層161と同一な材質で形成されることができ、例えば、接着力の良好なAuSn、AuIn、NiSnなどの接合金属で形成できる。前記第1接着層158は前記第2接着層161と接合されて、前記伝導性支持部材160と前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180との間を強固に結合させることができる。
【0037】
前記反射層157は、前記化合物半導体層145及び前記伝導性支持部材160の間に形成されて、前記発光構造物120の化合物半導体層145で生成される光を反射させることによって、前記発光素子100の発光効率を向上させることができる。
【0038】
前記反射層157は、例えば、銀(Ag)、銀(Ag)を含む合金、アルミニウム(Al)、及びアルミニウム(Al)を含む合金のうち、いずれか1つで形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0039】
前記反射層157が前記化合物半導体層145とオーミック接触を形成しない場合、前記反射層157及び前記化合物半導体層145の間にはオーミック層(図示せず)がさらに形成されることもできる。
【0040】
前記第1接着層158及び前記反射層157の側面には前記拡散防止層(Diffusion Barrier Layer)159が形成できる。
【0041】
前記拡散防止層159は、前記第1接着層158、反射層157、第2接着層161、及び伝導性支持部材160などが層間拡散(Inter-diffusion)により劣化することを防止することができる。前記拡散防止層159は、例えば、Ti、Ni、W、及びPtからなるグループから選択された少なくとも1つを含む単層または多層構造を有することができるが、これに対して限定するのではない。
【0042】
前記反射層157の上には、前記化合物半導体層145が形成できる。前記化合物半導体層145は、例えば、3族乃至5族の化合物半導体、より具体的にはInAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0043】
前記発光構造物120に形成された前記化合物半導体層145の上面には前記電極170が形成できる。前記電極170及び前記伝導性支持部材160に電源が供給されて、前記化合物半導体層145から光が生成できる。
【0044】
前記化合物半導体層145は、例えば、第2導電型半導体層150、前記第2導電型半導体層150の上に活性層140、及び前記活性層140の上に第1半導体層130を含むことができる。
【0045】
前記第2導電型半導体層150は、例えば、p型ドーパントを含むp型半導体層でありうる。前記p型半導体層は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えばInAlGaN、GaN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、InNなどから選択されることができ、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのp型ドーパントがドーピングできる。
【0046】
前記第2導電型半導体層150の上には前記活性層140が形成できる。前記活性層140は、前記第1半導体層130を通じて注入される電子(または、正孔)と前記第2導電型半導体層150を通じて注入される正孔(または、電子)とが互いに再結合して、前記活性層140の形成物質に従うエネルギーバンド(Energy Band)のバンドギャップ(Band Gap)差に相応する波長の光を放出することができる。
【0047】
前記活性層140は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子線構造、または量子点構造で形成できるが、これに限定されるのではない。
【0048】
前記活性層140は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成できる。前記活性層140が前記多重量子井戸構造(MQW)で形成された場合、前記活性層140は複数の井戸層と複数の障壁層が積層されて形成されることができ、例えば、InGaN井戸層/GaN障壁層の周期で形成できる。
【0049】
前記活性層140の上及び/または下にはn型またはp型ドーパントがドーピングされたクラッド層(図示せず)が形成されることもでき、前記クラッド層(図示せず)はAlGaN層またはInAlGaN層で具現できる。
【0050】
前記活性層140の上には前記第1半導体層130が形成できる。前記第1半導体層130は第1導電型半導体層のみを含むか、前記第1導電型半導体層の上にアンドープド半導体層などをさらに含むこともできるが、これに対して限定するのではない。
【0051】
前記第1導電型半導体層は、例えば、n型ドーパントを含むn型半導体層を含むことができる。前記n型半導体層は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料、例えばInAlGaN、GaN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、InNなどから選択されることができ、Si、Ge、Snなどのn型ドーパントがドーピングできる。
【0052】
前記アンドープド半導体層は、導電型ドーパントがドーピングされないので、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層150に比べて格段に低い電気伝導性を有する層であって、前記第1導電型半導体層の結晶性の向上のために形成できる。
【0053】
一方、前述の説明とは異なり、前記第1半導体層130がp型ドーパントを含むp型半導体層であり、前記第2導電型半導体層150がn型ドーパントを含むn型半導体層を含むこともできる。また、前記第1半導体層130の上にはn型またはp型ドーパントを含む第3導電型半導体層(図示せず)が形成されることもでき、これによって、前記発光素子100はnp、pn、npn、pnp接合構造のうち、少なくともいずれか1つを有することができる。また、前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層150の内の導電型ドーパントのドーピング濃度は、均一または不均一に形成できる。即ち、前記化合物半導体層145の構造は多様に形成されることができ、これに対して限定するのではない。
【0054】
前記化合物半導体層145の側面には第1保護層155が形成できる。前記第1保護層155は、SiO、Si、Si、Si、SiO、Al、TiO、及びMgFからなるグループから選択された少なくとも1つを含み、前記化合物半導体層145が前記伝導性支持部材160と電気的にショート(short)されることを防止することができる。
【0055】
一方、図示したように、光を生成しない前記緩衝構造物180の化合物半導体層145の側面には前記第1保護層155が形成されないこともある。
【0056】
前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の側面と、前記伝導性支持部材160の上には第2保護層165が形成できる。具体的に、前記第2保護層165は、前記第1保護層の側面、前記拡散防止層の側面、及び前記第2接触層161の上に形成できる。
【0057】
前記第2保護層165は、前記発光素子100の製造工程で前記第1保護層155が損傷される場合に備えて形成できる。即ち、前記第2保護層165は、前記第1保護層155にクラック、ひび割れなどが発生して、前記発光構造物120が前記伝導性支持部材160や前記緩衝構造物120と電気的にショートされることを防止することができる。
【0058】
前記第2保護層165は、前記第1保護層155のような材質で形成されることができ、例えば、SiO、Si、Si、Si、SiO、Al、TiO、及びMgFからなるグループから選択された少なくとも1つの材質で蒸着方式により形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0059】
以下、実施形態に従う発光素子100の製造工程について詳細に説明する。但し、前述した内容と重複する内容に対しては省略または簡略に説明する。
【0060】
図3乃至図10は、本発明の第1実施形態に従う発光素子100の製造工程を示す図である。
【0061】
図3を参照すると、基板110の上に前記化合物半導体層145を成長して形成することができる。前記化合物半導体層145は、例えば、第1半導体層130、前記第1半導体層130の上に活性層140、及び前記活性層140の上に第2導電型半導体層150を含むことができる。
【0062】
前記化合物半導体層145は、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD:Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0063】
図4及び図5A乃至図5Cを参照すると、前記化合物半導体層145を選択的に除去して複数の第1構造物120a及び複数の第2構造物180aを形成することができる。前記化合物半導体層145は、例えば、エッチング工程により選択的に除去できるが、これに対して限定するのではない。なお、図図5A乃至図5Cは、平面視で見た図である。
【0064】
前記第1構造物120a及び第2構造物180aは、製造工程を経て各々前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180で形成されるようになる。
【0065】
この際、前記複数の第1構造物120aの間の幅、即ち、複数個のチップを個別チップ(1CHIP)単位で区分するアイソレーション領域(Isolation area)(M)の幅(x)は、例えば、5μm乃至100μmでありうる。前記アイソレーション領域(M)の幅(x)は、隣接するチップの間の距離で定義できる。そして、前記複数の第2構造物180aは、前記アイソレーション領域(M)の中間部分、言い換えると、前記アイソレーション領域(M)の幅(x)の1/2に該当する部分に形成できる。
【0066】
したがって、後続工程により形成される前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180は、互いに前記アイソレーション領域(M)の幅(x)の略1/2の距離(d)に離隔するように形成できる。
【0067】
一方、前記複数の第2構造物180aの上面の形状は図5の(a)及び(b)のように円形、多角形などで形成されるか、図5の(c)のように前記複数の第1構造物120aの側面に沿って格子形態で形成できる。但し、前記複数の第2構造物180aの形状に対して限定するのではない。
【0068】
図6を参照すると、前記複数の第1構造物120a及び複数の第2構造物180aの上に、前記反射層157、第1接着層158、及び拡散防止層159を形成することによって、実施形態に従う発光構造物120及び緩衝構造物180が提供できる。
【0069】
前記反射層157を形成する前に、前記発光構造物120及び緩衝構造物180の側面には前記第1保護層155がさらに形成されることもできる。
【0070】
図7を参照すると、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の上に前記伝導性支持部材160を形成することができる。
【0071】
例えば、前記伝導性支持部材160は、シートプレート(sheet)形態で用意されて、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の上にボンディングできる。
【0072】
この場合、前記伝導性支持部材160の下面には前記第2接着層161が形成できる。前記第2接着層161が前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の上面の前記第1接着層158とボンディングできる。
【0073】
図8を参照すると、レーザリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)工程を実施して前記基板110を除去することができる。
【0074】
前記レーザリフトオフ(LLO)工程は、前記基板110の下面に加えられるレーザエネルギーにより前記化合物半導体層145と前記基板110とを互いに分離させる工程である。
【0075】
一般的なレーザリフトオフ(LLO)工程では、前記レーザエネルギーによる衝撃により発光構造物の側面やエッジ(edge)領域にクラック、ひび割れなどの損傷が発生するようになる。
【0076】
しかしながら、実施形態に従う発光素子100では、前記レーザエネルギーによる衝撃を吸収する前記緩衝構造物180を形成するので、前記発光構造物120の側面にエッジ(edge)領域に加えられる衝撃が前記緩衝構造物180により吸収されて、前記発光構造物120にクラック、ひび割れなどの損傷が防止される効果がある。
【0077】
前記緩衝構造物180は、前記レーザエネルギーを吸収するので、ひび割れやクラックなどを含むことができる。
【0078】
図9を参照すると、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の側面と、前記伝導性支持部材160の上には第2保護層165が形成できる。
【0079】
例えば、前記第2保護層165は、前記基板110が除去されるにつれて、露出された面に沿って蒸着工程を実施して形成できる。
【0080】
前記第2保護層165は、前記レーザリフトオフ(LLO)工程により損傷できる前記第1保護層155を補完するために形成できる。
【0081】
前記発光構造物120の下面には前記電極170を形成することができる。前記電極170は、例えば、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及び金(Au)からなるグループから選択された少なくとも1つを含む単層または多層構造で形成できる。
【0082】
図10を参照すると、チップ分離工程を実施して複数個のチップを個別チップ(1CHIP)単位で分離することによって、実施形態に従う発光素子100を提供することができる。
【0083】
前記チップ分離工程は、例えば、カッター(cutter)を使用するブレーキング工程、乾式または湿式エッチングを用いるエッチング工程、レーザを用いるレーザスクライビング(Laser Scribing)工程のうち、少なくとも1つを含むことができるが、これに対して限定するのではない。
【0084】
前記チップ分離工程により、前記緩衝構造物180はチップ境界に沿って分離及び除去できる。
【0085】
図11は、本発明の第2実施形態に従う発光素子の断面図である。
【0086】
第2実施形態は、緩衝構造物180がツェナー(Zener)素子を含むことを除いては、第1実施形態と殆ど同一である。したがって、第2実施形態で第1実施形態と同一な構成要素に対しては同一な図面番号を与えて、詳細な説明は省略する。
【0087】
図11を参考すると、第2実施形態に従う発光素子200は、伝導性支持部材160、前記伝導性支持部材160の上に形成されて光を生成する発光構造物120、及び前記伝導性支持部材160の上に前記発光構造物120から距離(d)に離隔するように形成され、前記発光素子100の製造工程で前記発光構造物120の損傷を防止する少なくとも1つの緩衝構造物180を含む。
【0088】
前記発光構造物120は、第1接着層158、前記第1接着層158の上に反射層157、前記第1接着層158及び反射層157の側面に拡散防止層(Diffusion Barrier Layer)159、前記反射層157の上に形成されて光を放出する多数の化合物半導体層145、及び前記化合物半導体層145に形成されて、前記伝導性支持部材160と一緒に前記発光構造物120に電源を提供する電極170を含むことができる。
【0089】
前記緩衝構造物180及び前記発光構造物120は、同一な層の積層構造または同一な高さで形成できる。
【0090】
例えば、前記緩衝構造物180は、前記第1接着層158及び多数の化合物半導体層145を含むことができる。
【0091】
前記緩衝構造物180は、前記発光構造物120の側面から距離(d)に離隔するように少なくとも1つが形成できる。
【0092】
前記緩衝構造物180は光を生成しないことがあり、その代わり、実施形態に従う発光素子100の製造工程で発生できる衝撃を吸収して前記発光構造物120の損傷を防止する役割をすることができる。即ち、前記緩衝構造物180を形成することによって、実施形態に従う発光素子100及びその製造方法の信頼性が向上することができる。
【0093】
前記伝導性支持部材160は、前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180を支持すると共に、前記電極170と一緒に前記発光構造物120に電源を提供することができる。
【0094】
前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180は、同一な製造工程により同時に形成されることができ、この場合、2つの構造物の積層構造は少なくとも一部が同一である。
【0095】
前記発光構造物120及び前記緩衝構造物180の側面及び前記伝導性支持部材160の上には第2保護層165が形成できる。具体的に、前記第2保護層165は、前記第1保護層155の側面、前記拡散防止層の側面、及び前記第2接触層161の上に形成できる。
【0096】
前記発光構造物120と前記緩衝構造物180との間の前記第2接着層161、または前記伝導性支持部材160の上に絶縁層210が形成できる。前記絶縁層210は、前記発光構造物120の第2保護層165の側面、前記第2接着層161または前記伝導性支持部材160の上面、そして前記緩衝構造物180の第1接着層158及び反射層157の側面に形成できる。
【0097】
前記絶縁層210は、例えば、SiO、Si、Si、Si、SiO、Al、TiO、及びMgFからなるグループから選択された少なくとも1つを含むことができる。
【0098】
前記緩衝構造物180はツェナー素子を含むことができる。このために、前記緩衝構造物に第1及び第2ツェナー電極220、230が電気的に連結できる。
【0099】
前記第1ツェナー電極220は、緩衝構造物180の第2導電型半導体層150に電気的に連結できる。前記第1ツェナー電極220は、前記緩衝構造物180の前記第2導電型半導体層150の側面に接触形成できる。前記第2導電型半導体層150に連結された前記第1ツェナー電極220は、前記発光構造物120の第1導電型半導体層130に電気的に連結できる。
【0100】
前記第1ツェナー電極220は、前記発光構造物120の第1導電型半導体層130と前記緩衝構造物180の第2導電型半導体層150との間で前記第2保護層165と前記絶縁層210の上に形成できる。
【0101】
前記絶縁層210及び前記第2保護層165は同一材質で形成できるが、これに対して限定するのではない。
【0102】
前記第2ツェナー電極230は、前記緩衝構造物180の第1導電型半導体層130に電気的に連結できる。
【0103】
前記第2ツェナー電極230は、前記緩衝構造物180の第1導電型半導体層130及び前記伝導性支持部材160に電気的に連結できる。
【0104】
前記第2ツェナー電極230は、前記第2保護層165の上に形成され、前記第2接着層161を貫通して前記伝導性支持部材160に電気的に連結できる。
【0105】
前記第2保護層165は、前記第2ツェナー電極230による前記第1導電型半導体層130と前記第2導電型半導体層150の電気的なショートを防止させることができる。
【0106】
前記第1及び第2ツェナー電極220、230は、前記発光構造物120の上に形成された電極170と同一な材質で形成されることもでき、そうでないこともある。前記第1及び第2ツェナー電極220、230は、例えば、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及び金(Au)からなるグループから選択された少なくとも1つを含む単層または多層構造で形成できる。
【0107】
このように、前記緩衝構造物180はツェナー素子を含むので、大きな逆方向電圧が印加される場合、電流が緩衝構造物180のツェナー素子に流れるようにして電流が発光構造物120に流れないようにして、発光構造物120の破損が防止できる。
【0108】
図12は、本発明の実施形態に従う発光素子を含む発光素子パッケージの断面図である。
【0109】
図12を参照すると、実施形態に従う発光素子パッケージ30は、胴体部20、前記胴体部20に設置された第1リード電極31及び第2リード電極32、前記胴体部20の上に前記第1リード電極31及び第2リード電極32と電気的に連結される前記発光素子100、及び前記胴体部20の上に前記発光素子100を囲むモールディング部材40を含む。
【0110】
前記胴体部20は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んで形成できる。前記胴体部20は、上から見て、内部に傾斜面53を有するキャビティ(cavity)50を有する。
【0111】
前記第1リード電極31及び前記第2リード電極32は互いに電気的に分離され、前記胴体部20の内部を貫通するように形成できる。即ち、前記第1リード電極31及び前記第2リード電極32の一側端部は前記キャビティ50の内部に配置され、他側端部は前記胴体部20の外部面に付着されて外部に露出されるようになる。
【0112】
前記第1リード電極31及び第2リード電極32は前記発光素子100に電源を供給し、前記発光素子100で発生した光を反射させて光効率を増加させることができ、前記発光素子100で発生した熱を外部に排出させる機能をすることもできる。
【0113】
前記発光素子100は、前記胴体部20の上に設置されるか、前記第1リード電極31または第2リード電極32の上に設置できる。
【0114】
前記モールディング部材40は、前記発光素子100を囲んで前記発光素子100を保護することができる。また、前記モールディング部材40には蛍光体が含まれ、このような蛍光体により前記発光素子100から放出された光の波長が変化できる。
【0115】
実施形態に従う発光素子または発光素子パッケージは、ライトユニットに適用できる。前記ライトユニットは、複数の発光素子または発光素子パッケージがアレイされた構造を含み、図13及び図14に図示された表示装置、及び図15に図示された照明装置を含み、照明灯、信号灯、車両前照灯、電光板などが含まれることができる。
【0116】
図13は、本発明の実施形態に従う表示装置の分解斜視図である。
【0117】
図13を参照すると、表示装置1000は、導光板1041、前記導光板1041に光を提供する発光モジュール1031、前記導光板1041の下に反射部材1022、前記導光板1041の上に光学シート1051、前記光学シート1051の上に表示パネル1061、及び前記導光板1041と発光モジュール1031と反射部材1022とを収納するボトムカバー1011を含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0118】
前記ボトムカバー1011、反射シート1022、導光板1041、及び光学シート1051は、ライトユニット1050と定義できる。
【0119】
前記導光板1041は、前記発光モジュール1031から提供された光を拡散させて面光源化させる役割をする。前記導光板1041は透明な材質からなり、例えば、PMMA(polymethyl metaacrylate)のようなアクリル樹脂系列、PET(polyethylene terephthlate)、PC(poly carbonate)、COC(cycloolefin copolymer)、及びPEN(polyethylene naphthalate)樹脂のうちの1つを含むことができる。
【0120】
前記発光モジュール1031は、前記導光板1041の少なくとも一側面に配置されて前記導光板1041の少なくとも一側面に光を提供し、窮極的には表示装置の光源として作用するようになる。
【0121】
前記発光モジュール1031は少なくとも1つを含み、前記導光板1041の一側面で直接または間接的に光を提供することができる。前記発光モジュール1031は、基板1033及び前記に開示された実施形態に従う発光素子パッケージ30を含み、前記発光素子パッケージ30は、前記基板1033の上に所定の間隔でアレイできる。前記基板は印刷回路基板(printed circuit board)でありうるが、これに限定するのではない。また、前記基板1033は、メタルコアPCB(MCPCB:Metal Core PCB)、軟性PCB(FPCB:Flexible PCB)などを含むこともでき、これに対して限定するのではない。前記発光素子パッケージ30は、前記ボトムカバー1011の側面または放熱プレートの上に搭載される場合、前記基板1033は除去できる。前記放熱プレートの一部は前記ボトムカバー1011の上面に接触できる。したがって、発光素子パッケージ30で発生した熱は放熱プレートを経由してボトムカバー1011に放出できる。
【0122】
前記複数の発光素子パッケージ30は、前記基板1033の上に光が放出される出射面が前記導光板1041と所定距離離隔するように搭載されることができ、これに対して限定するのではない。前記発光素子パッケージ30は、前記導光板1041の一側面である入光部に光を直接または間接的に提供することができ、これに対して限定するのではない。
【0123】
前記導光板1041の下には前記反射部材1022が配置できる。前記反射部材1022は、前記導光板1041の下面に入射された光を反射させて前記表示パネル1061に供給することによって、前記表示パネル1061の輝度を向上させることができる。前記反射部材1022は、例えば、PET、PC、PVCレジンなどで形成できるが、これに対して限定するのではない。前記反射部材1022は、前記ボトムカバー1011の上面でありうるが、これに対して限定するのではない。
【0124】
前記ボトムカバー1011は、前記導光板1041、発光モジュール1031、及び反射部材1022などを収納することができる。このために、前記ボトムカバー1011は、上面が開口されたボックス(box)形状を有する収納部1012が備えられることができ、これに対して限定するのではない。前記ボトムカバー1011は、トップカバー(図示せず)と結合されることができ、これに対して限定するのではない。
【0125】
前記ボトムカバー1011は金属材質または樹脂材質で形成されることができ、プレス成形または押出成形などの工程を用いて製造できる。また、前記ボトムカバー1011は熱伝導性の良い金属または非金属材料を含むことができ、これに対して限定するのではない。
【0126】
前記表示パネル1061は、例えばLCDパネルであって、互いに対向する透明な材質の第1及び第2基板、そして第1及び第2基板の間に介された液晶層を含む。前記表示パネル1061の少なくとも一面には偏光板が付着されることができ、このような偏光板の付着構造に限定するのではない。前記表示パネル1061は、前記発光モジュール1031から提供された光を透過または遮断させて情報を表示するようになる。このような表示装置1000は、各種の携帯端末機、ノートブックコンピュータのモニター、ラップトップコンピュータのモニター、テレビなどに適用できる。
【0127】
前記光学シート1051は、前記表示パネル1061と前記導光板1041との間に配置され、少なくとも一枚以上の透光性シートを含む。前記光学シート1051は、例えば拡散シート(diffusion sheet)、水平及び垂直プリズムシート(horizontal/vertical prism sheet)、及び輝度強化シート(brightness enhanced sheet)のようなシートのうち、少なくとも1つを含むことができる。前記拡散シートは入射される光を拡散させ、前記水平または/及び垂直プリズムシートは入射される光を前記表示パネル1061に集光させ、前記輝度強化シートは損失される光を再使用して輝度を向上させる。また、前記表示パネル1061の上には保護シートが配置されることができ、これに対して限定するのではない。
【0128】
前記発光モジュール1031の光経路上には光学部材として、前記導光板1041及び光学シート1051を含むことができ、これに対して限定するのではない。
【0129】
図14は、本発明の実施形態に従う表示装置を示す図である。
【0130】
図14を参照すると、表示装置1100は、ボトムカバー1152、前記に開示された発光素子パッケージ30がアレイ(配列)された基板1120、光学部材1154、及び表示パネル1155を含む。
【0131】
前記基板1120及び前記発光素子パッケージ30は発光モジュール1160と定義できる。前記ボトムカバー1152、少なくとも1つの発光モジュール1160、及び光学部材1154は、ライトユニット(図示せず)と定義できる。
【0132】
前記ボトムカバー1152には収納部1153を具備することができ、これに対して限定するのではない。
【0133】
前記光学部材1154は、レンズ、導光板、拡散シート、水平及び垂直プリズムシート、及び輝度強化シートなどのうち、少なくとも1つを含むことができる。前記導光板は、PC材質またはPMMA(Polymethyl methacrylate)材質からなることができ、このような導光板は除去できる。前記拡散シートは入射される光を拡散させ、前記水平及び垂直プリズムシートは入射される光を前記表示パネル1155に集光させ、前記輝度強化シートは損失される光を再使用して輝度を向上させる。
【0134】
前記光学部材1154は前記発光モジュール1160の上に配置され、前記発光モジュール1160から放出された光を面光源化するか、拡散、集光などを遂行するようになる。
【0135】
図15は、本発明の実施形態に従う照明装置の斜視図である。
【0136】
図15を参照すると、照明装置1500は、ケース1510、前記ケース1510に設置された発光モジュール1530、及び前記ケース1510に設置されて外部電源から電源の提供を受ける連結端子1520を含むことができる。
【0137】
前記ケース1510は放熱特性の良好な材質で形成されることが好ましく、例えば金属材質または樹脂材質で形成できる。
【0138】
前記発光モジュール1530は、基板1532、及び前記基板1532に搭載される実施形態に従う発光素子パッケージ30を含むことができる。前記発光素子パッケージ30は、複数個がマトリックス形態または所定の間隔で離隔してアレイできる。
【0139】
前記基板1532は絶縁体に回路パターンが印刷されたものであることがあり、例えば、一般印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)、メタルコア(Metal Core)PCB、軟性(Flexible)PCB、セラミックPCB、及びFR−44基板などを含むことができる。
【0140】
また、前記基板1532は光を効率的に反射する材質で形成されるか、表面が光が効率的に反射されるカラー、例えば白色、銀色などのコーティング層となることができる。
【0141】
前記基板1532の上には少なくとも1つの発光素子パッケージ30が搭載できる。前記発光素子パッケージ30の各々は少なくとも1つのLED(Light Emitting Diode)チップを含むことができる。前記LEDチップは、赤色、緑色、青色、または白色のような可視光線帯域の発光ダイオード、または紫外線(UV:Ultra Violet)を発光するUV発光ダイオードを含むことができる。
【0142】
前記発光モジュール1530は、色感及び輝度を得るために、多様な発光素子パッケージ30の組合を有するように配置できる。例えば、高演色性(CRI)を確保するために、白色発光ダイオード、赤色発光ダイオード、及び緑色発光ダイオードを組合せて配置できる。
【0143】
前記連結端子1520は、前記発光モジュール1530と電気的に連結されて電源を供給することができる。前記連結端子1520はソケット方式により外部電源に螺合して結合されるが、これに対して限定するのではない。例えば、前記連結端子1520は、ピン(pin)形態で形成されて外部電源に挿入されるか、配線により外部電源に連結されることもできる。
【0144】
実施形態によれば、発光素子は発光構造物から離隔した少なくとも1つの緩衝構造物を含むことによって、レーザリフトオフ固定時に加えられる衝撃から発生する発光構造物のクラック、ひび割れなどの損傷を防止することができる。
【0145】
実施形態によれば、前記緩衝構造物は各エッジ領域と各側面から離隔して個別的に、または一体で配置できる。ここで、一体の意味は、前述した通りである。このように、緩衝構造物を十分に確保することによって、発光構造物のクラック、ひび割れなどの損傷を防止し、信頼性を向上させることができる。
【0146】
実施形態によれば、前記緩衝構造物は前記発光構造物と同一な層の積層構造を有することによって、製造工程を非常に容易に遂行することができる。
【0147】
実施形態によれば、化合物半導体層の側面に第1保護層が配置されることによって、前記化合物半導体層が前記伝導性支持部材と電気的にショート(short)されることを防止することができる。
【0148】
実施形態によれば、前記伝導性支持部材と前記化合物半導体層との間に第1及び第2接着層を形成することによって、前記化合物半導体層と前記伝導性支持部材との間の接着性能を最大限向上させることができる。
【0149】
実施形態によれば、前記第1及び第2接着層の上に反射層が配置されることによって、前記化合物半導体層から放出された光を上方に反射させて発光効率を向上させることができる。
【0150】
実施形態によれば、発光素子は緩衝構造物をアイソレーション領域の幅の略半分に該当する領域に配置することによって、レーザリフトオフ固定時に加えられる衝撃から発生する発光構造物のクラック、ひび割れなどの損傷を防止することができる。
【0151】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるのではない。延いては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0152】
以上、実施形態を中心として説明したが、これは単に例示であり、本発明を限定するのでなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性から外れない範囲で以上に例示されていない種々の変形及び応用が可能であることが分かる。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができる。そして、このような変形及び応用に関連した差異点は特許請求範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のチップ領域及びアイソレーション領域を含む基板の上に多数の化合物半導体層を形成するステップと、
前記各チップ領域に発光構造物を形成し、前記アイソレーション領域に緩衝構造物を形成するために前記化合物半導体層をエッチングするステップと、
前記発光構造物及び前記緩衝構造物の上に伝導性支持部材を形成するステップと、
レーザリフトオフ工程を用いて前記基板を除去するステップと、
前記発光構造物を分離するステップと、を含み、
前記緩衝構造物は前記発光構造物から離隔することを特徴とする、発光素子の製造方法。
【請求項2】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物のエッジ領域から離隔した少なくとも1つの構造物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物のエッジ領域と側面から離隔した多数の構造物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物の側面に沿って平行に連続して形成された1つの構造物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記発光構造物及び前記緩衝構造物は同一な層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記発光構造物の側面に保護層を形成するステップと、
前記発光構造物の上に電極を形成するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記緩衝構造物は、前記アイソレーション領域の幅の半分に該当する領域に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
伝導性支持部材上で各発光構造を定義する複数のチップ領域と、
前記伝導性支持部材上で前記チップ領域の間を定義するアイソレーション領域と、
前記アイソレーション領域に配置された少なくとも1つの緩衝構造物と、を含み、
前記発光構造物および前記緩衝構造物は、第1導電型半導体層、活性層および第2導電型半導体層を含む発光素子。
【請求項9】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物のエッジ領域と側面から離して、個別に配置される請求項8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物の各エッジ領域と各側面から離して、前記各側面に沿って連続的につながるように配置される請求項8に記載の発光素子。
【請求項11】
前記発光構造物および前記緩衝構造物の間の距離は5μmないし50μmである請求項8に記載の発光素子。
【請求項12】
前記緩衝構造物の幅は5μmないし30μmである請求項8に記載の発光素子。
【請求項13】
前記発光構造物は、
前記第1導電型半導体層、前記活性層および前記第2 導電型半導体層の側面に第1保護層をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の発光素子。
【請求項14】
前記発光構造物と前記緩衝構造物は、
前記伝導性支持部材上に第1接着層と、
前記第1接着層上に第2接着層と、
前記第2接着層上に反射層と、
前記第2接着層の側面および前記反射層の面に拡散防止層と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の発光素子。
【請求項15】
前記発光構造物の側面および前記緩衝構造物の側面に形成された第2保護層をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の発光素子。
【請求項16】
前記緩衝構造物は、前記アイソレーション領域の幅の半分に該当する領域に配置されている請求項8に記載の発光素子。
【請求項17】
前記アイソレーション領域の幅は5μmないし100μmである請求項16に記載の発光素子。
【請求項18】
前記緩衝構造物は、前記発光構造物のエッジ領域と側面から離して、一体に配置される請求項8に記載の発光素子。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−187957(P2011−187957A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49897(P2011−49897)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(510110301)エルジー イノテック カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】