説明

目的地設定装置及び目的地設定用プログラム

【課題】複数の検索キーワードが入力された場合の処理を効率的に行う。
【解決手段】入力された2つのキーワードの関係が、直接継続して使用される場合だけであり、両キーワード間に他のキーワードが入る場合が存在しないという、一義的関係にある場合、両キーワードを連結して1つのキーワードとする。例えば、「とうきょう」に対する「れいんぼー」、「れいんぼー」に対する「らんど」が共に一義的関係にあれば、入力された各キーワードを連結し「とうきょうれいんぼーらんど」という検索キーワードにて目的地の候補を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地設定装置及び目的地設定用プログラムに関し、例えば、文字列を入力して目的地等の対象物件を検索するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、目的地を設定し、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
一般に、ナビゲーション装置では、特許文献1で提案されているように、目的地データに複数の項目(名称の読み、ジャンル、住所等)を保存しておき、目的地の地名・施設名などを検索する場合に、その名称の読みや、住所、電話番号等をタッチパネルから入力することで、候補地点を絞り込むようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−271084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなナビゲーション装置で希望する地名や物件を検索して目的地として設定する場合に、複数の条件を入力する場合がある。例えば、名称から検索する場合に、「とうきょう」と「らんど」と検索キーワードが入力される場合がある。
この場合、従来のナビゲーション装置では、「とうきょう」と「らんど」による両検索結果間で論理積を求めている。
【0005】
すなわち、キーワード「とうきょう」を読みに含む施設を目的データから検索し、候補施設としてメモリの第1所定領域に格納する。
またキーワード「らんど」を読みに含む施設を目的データから検索し、候補施設としてメモリの第2所定領域に格納する。
【0006】
そして、メモリの第1領域と第2領域の双方に含まれる施設情報を抽出して、メモリの第3領域に保存することで、キーワード「とうきょう」と「らんど」の論理積を満たす施設情報が抽出されることになる。
具体的には、メモリの第1領域に保存されている候補施設から施設名称を1つ読みだし、その施設名称が第2領域に含まれるか否かを判断し、含まれれば両キーワードを含む候補施設としてメモリの第3領域に保存する。この処理を第1領域に保存されている全ての候補施設に対して行うことになる。
【0007】
このように、従来の施設等の検索では、複数のキーワードに対して論理積の検索を行う場合(キーワードが複数入力された場合の全て、又は、複数キーワードが入力され論理咳が指定された場合)、各条件の結果を求めてメモリに保存する必要があるため、メモリの使用量が大きくなるという問題がある。
また、各条件の検索結果の論理積を行うため、CPUの処理負荷の増大や、検索処理時間が長くなるという問題がある。
【0008】
そこで、本願発明は、複数の検索キーワードが入力された場合の処理を効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)前記目的を達成するために請求項1記載の発明では、検索キーワードを含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段と、検索キーワードを入力するキーワード入力手段と、前記キーワード入力手段で入力された2つのキーワードについて、一方のキーワードに対する他方のキーワードの継続関係が一義的関係にあるか否かを判断する一義的関係判断手段と、前記一義的関係判断手段で一義的関係にあると判断した場合、前記一方のキーワードに前記他方のキーワードを連結して1つのキーワードとするキーワード連結手段と、前記連結したキーワードにより、目的地候補を検索する検索手段と、前記目的地候補を表示する表示手段と、前記表示された目的地候補を選択する目的地選択手段と、を具備したことを特徴とする目的地設定装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、1のキーワードに対する継続関係が一義的関係にあるキーワードを記憶した継続関係データベースを備え、前記一義的関係判断手段は、前記継続関係データーベースに基づき、2つのキーワードが一義的関係にあるか否かを判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記一義的関係判断手段は、前後して入力された2つのキーワードについての一義的関係について判断する、ことを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記入力された全てのキーワードに対する任意の2つのキーワードの組み合わせを作成する組み合わせ作成手段を備え、前記一義的関係判断手段は、前記組み合わせ作成手段で組み合わされた2つのキーワードについての一義的関係について判断する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の目的地設定装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、入力されたキーワードに対する論理演算の内容を指定する論理演算指定手段を備え、前記一義的関係判断手段は、論理積が連続しているキーワードのグループ単位で一義的関係について判断する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の目的地設定装置を提供する。
(6)請求項6記載の発明では、検索キーワードを入力するキーワード入力機能と、前記キーワード入力機能で入力された2つのキーワードについて、一方のキーワードに対する他方のキーワードの継続関係が一義的関係にあるか否かを判断する一義的関係判断機能と、前記一義的関係判断機能で一義的関係にあると判断した場合、前記一方のキーワードに前記他方のキーワードを連結して1つのキーワードとするキーワード連結機能と、検索キーワードを含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段から、前記連結したキーワードと、連結していないキーワードにより、目的地候補を検索する検索機能と、前記目的地候補を表示する表示機能と、前記表示された目的地候補を選択する目的地選択機能と、をコンピュータに実現させるための目的地設定用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力された2つのキーワードについて、一方のキーワードに対する他方のキーワードの継続関係が一義的関係にあるか否かを判断し、一義的関係にあると判断した場合、一方のキーワードに他方のキーワードを連結して1つのキーワードとするので、複数の検索キーワードが入力された場合の処理を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明の目的地設定装置における実施形態について、ナビゲーション装置を例に図1から図4を参照しながら説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の目的地設定装置が適用されるナビゲーション装置では、入力された複数の条件間に依存関係が存在する場合には、依存関係に基づいた検索を行うことで、論理積演算処理を減らす。
例えば、目的地として「東京レインボーランド」を検索するために、キーワード(検索条件)として、「とうきょう」&「れいんぼー」&「らんど」が指定(「&」は論理積を示す)された場合に、指定された各キーワード間の依存関係を確認する。
【0012】
そして、2つのキーワードの関係が、直接継続して使用される場合だけであり、両キーワード間に他のキーワードが入る場合が存在しないという、一義的関係にある場合、両キーワードを連結して1つのキーワードとする。
上記例の、「とうきょう」に対する「れいんぼー」、「れいんぼー」に対する「らんど」が共に一義的関係にあれば、入力された各キーワードを連結し「とうきょうれいんぼーらんど」という検索キーワードにて目的地の候補を検索する。
【0013】
但し、依存関係が一定しない場合(一義的関係にない場合)、例えば、「東京/レインボー/ランド」(スラッシュはキーワードの区切りを表す)の他に、「レインボー/パーク/ランド」という施設が存在する場合には、キーワード「れいんぼー」と「らんど」は直接継続する「東京/レインボー/ランド」と、直接継続しない「レインボー/パーク/ランド」とが存在するので、一義的関係にはない。
従って、両キーワードは常に連結した「れいんぼーらんど」として使用される訳ではないので、通常通り各キーワード(条件)毎に検索結果を求め、各検索結果による論理積演算を行う。
【0014】
具体的には、検索対象となる施設等の読みを、意味や表記単位のキーワードに区切り、このキーワード単位で検索条件が入力された場合を想定し、各キーワード間の一義的関係を示す継続関係データを作成する。
【0015】
(2)実施形態の詳細
図1は本実施形態の目的地設定装置が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
このナビゲーション装置は、車両に搭載され、図1に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。
まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両がいずれの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方位を検出する手段であればよい。
【0016】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム或いは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。
また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0017】
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
【0018】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43またはスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0019】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置全体の総括的な演算及び制御を行う。
第1ROM22はナビゲーションに関するプログラム、特に、現在位置の検出、本実施形態における入力キーワードの連結処理、目的地の検索処理、検索した目的までの経路探索、表示案内などに関するナビゲーションプログラムを格納している。
入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
【0020】
RAM24は、後述する入力装置41により入力されたキーワードや、連結されたキーワード、更にキーワードから検索された目的地の候補を格納し、また、目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、または情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
通信インタフェース25は、現在位置検出装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0021】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。なお、第1ROM22と第2ROM26を共通する1のROMで構成するようにしてもよい。
画像プロセッサ27は、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
時計28は、時刻を刻む。
画像メモリ29は、画像プロセッサにより処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0022】
入出力装置40は、利用者により検索キーワード、目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
ディスプレイ42には、現在地周辺の地図や、目的地までの走行経路が表示される。
【0023】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、詳細目的地データファイル58、継続関係データファイル59、その他のデータファイル60を格納している。
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、各種半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
なお、書き換えが必要な情報については、書き換え可能なハードディスク、フラッシュメモリなどで構成し、その他の固定的な情報についてはCD−ROM、DVD−ROMなどのROMを使用するようにしてもよい。
【0024】
地図データファイル51には、全国道路地図、各地域の道路地図または住宅地図等の地図データが記憶されている。道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形及び、道路名称等が表示される市街図である。細街路とは、例えば、国道、県道以下の道幅が所定値以下の比較的狭い道路で、「一方通行」等の交通規制情報が付加されていない道路である。
【0025】
交差点データファイル52には交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが、ノードデータファイル53には地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が、道路データファイル54には道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが、写真データファイル55には各種施設や観光地、または主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データが、それぞれ記憶されている。
【0026】
目的地データファイル56には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地になる可能性の高い場所や施設等の位置と名称等のデータが記憶されている。
図2は、目的地データファイル56に記憶されるデータの内容を概念的に表したものである。
この図2に示されるように、目的地データファイル56には、目的地として検索対象となる施設や地点の名称(施設名称)、施設名称のキーワード、座標、住所、電話番号、ジャンル等のデータが記憶されている。
施設名称は、その施設名称の表記である。
キーワードは施設名称の読みを表す。この読みは意味や表記の単位で区切られ(図中スラッシュ(/)で示す)、この区切られた単位でキーワードが構成されている。
【0027】
案内地点データファイル57には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等、案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。
詳細目的地データファイル58には、上記目的地データファイル56に記憶されている目的地に関する詳細なデータが記憶されている。
【0028】
継続関係データファイル59には、キーワード相互の関係が一義的関係か否かを示すデータが記憶されており、継続関係データベースとして機能する。
図3は、継続関係データファイル59の内容を概念的に表したもので、図2に例示した目的地データから作成されているが、実際は全目的地データ(全施設のキーワード)に基づいて作成される。
第1キーワードは、目的地データの全てのキーワードが対象となる。実際にはあいうえお順にソートされているが、図3では、図2のキーワード欄に出現する順に第1キーワードを並べてある。
【0029】
関連キーワードには、各第1キーワードよりも後側(読みの後側)に存在するキーワードが格納される。
各関連キーワードは、第1キーワードに直接継続する場合にA(継続)が規定され、第1キーワードに他のキーワード(1又は複数)を挟んで継続する場合にはB(関連)が規定され、両方の場合が存在する場合にはA,B(継続,関連)が規定される。
そして、各関連キーワードのうち、A(継続)だけが規定されている関連キーワードが、その第1キーワードに対して一義的関係にあるキーワードである。
【0030】
例えば、第1キーワード「とうきょう」に対して、関連キーワード「すぷりんぐ」は、図2に施設名称「東京スプリングランド」と有るように、「とうきょう」と「すぷりんぐ」は直接継続する関係にあり、両キーワード間に他のキーワードが入る場合が無いので、一義的関係を示すAだけが規定されている。
【0031】
一方、第1キーワード「とうきょう」に対して、関連キーワード「らんど」は、図2の施設名称「東京ランドシー」のように両キーワードが直接継続するAの場合と、施設名称「東京レインボーランド」のように両キーワードの間に他のキーワード「レインボー」が入るBの場合とが存在する。このため、関連キーワード「らんど」にはA,B(継続,関連)が規定される。
【0032】
また、第1キーワード「とうきょう」に対して、関連キーワード「しー」は、図2の施設名称「東京ランドシー」や「東京レインボーシー」のように、間に他のキーワードが入る施設しか存在せず、「東京シー…」という直接連続関係にある施設名称が存在しないので、B(関連)が規定される。
【0033】
他の第1キーワードについても同様に規定されている。
なお、第1キーワード「しー」について、図2の例示にはないが、一義的関係にある「ぱらだいす」や、一義的関係にない「どっく」が関連キーワードとして格納されている。
【0034】
このように構成されたナビゲーション装置では、次のようにして経路案内が行われる。
ナビゲーション装置は、現在位置検出装置10で現在位置を検出し、情報記憶装置50の地図データファイル51から現在位置周辺の地図情報を読み込みディスプレイ42に表示する。
そして、入力装置41から1又は複数のキーワードが入力されると、情報処理制御装置20は、目的地の候補を検索する。この目的地候補の検索において、各キーワードに対する連結処理(後述)が行われる。
検索した目的地候補から目的地が選択されると、情報処理制御装置20は、現在位置から目的地に至る走行経路の候補を複数探索(演算)し、ディスプレイ42に表示した地図上に表示し、運転者がいずれかの走行経路を選択すると、選択した走行経路をRAM24に格納することで、走行経路を取得する(走行経路取得手段)。
【0035】
なお、情報処理制御装置20は、情報処理センタに車両現在位置(又は入力された出発地)と目的地を送信し、情報処理センタで探索された目的地までの走行経路を受信することにより走行経路を取得するようにしてもよい。この場合、目的地や走行経路の通信は通信インターフェイス25を介して、無線通信により行う。
また、自宅等のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を使用して、出発地から目的地までの走行経路を探索し、USBメモリ等の記憶媒体に格納し、該記憶媒体読取り装置を介して取得するようにしてもよい。この場合の記憶媒体読み取り装置は伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。そして、この場合の目的地の検索においても、キーワードの連結処理が行われるようにしてもよい。
【0036】
車両が走行すると、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
経路案内は、探索した走行経路に対応する道路データと現在位置検出装置10で検出される現在位置とのマップマッチングにより、地図上の車両位置を特定し、車両現在位置周辺の地図をディスプレイ42に表示すると共に、探索した走行経路と現在位置とを地図上に表示する。
また、探索した走行経路と現在位置との関係から、案内の必要性、すなわち直進が所定距離以上続く場合、所定の進路変更地点等の走行経路の案内、及び方面案内が必要か否か等について判断し、必要である場合にはディスプレイ42の表示及び音声による案内を実行する。
【0037】
次に、本実施形態において、目的地検索処理において実行されるキーワードの連結処理について説明する。
図4は、キーワードの連結処理の内容を表したフローチャートである。
情報処理制御装置20は、複数のキーワードが入力されると、n=1を設定し(ステップ11)、キーワードnとその次に入力されたキーワード(n+1)を取得する。なお、入力された各キーワードは、RAM24に格納されている。
【0038】
各キーワードは入力装置41から入力され、キーワードの区切りについてはユーザによる論理演算記号の入力によって指定される。
例えば、論理積と論理和をそれぞれ「*」「+」とし、ユーザによって順次「とうきょう*らんど*しー+としま*はうす」と入力された場合、キーワードは論理演算記号で区切った「とうきょう」「らんど」「としま」「はうす」となる。
そして、論理積が指定されている「とうきょう」と「らんど」と「しー」についての連結処理と、「としま」と「はうす」についての連結処理とを別々に行う。このように論理積が連続しているキーワードのグループ単位で連結についての判断が行われる。上記例では、「らんど」と「としま」間は論理和が指定されているので連結処理についての判断は行われない。
なお、キーワード間の論理演算記号をユーザが指定する場合の他、一定の関係則に従って装置が自動的に判断する場合には、装置の判断結果を使用するようにしてもよい。
【0039】
次に情報処理制御装置20は、前後して入力された2つのキーワード、すなわち、キーワードnに対してキーワード(n+1)が一義的関係にあるか否かを判断する(ステップ13)。すなわち、情報処理制御装置20は、キーワードnを第1キーワードとして、継続関係データファイル59から、各関連キーワードを調べる。
そしてキーワードnに対してキーワード(n+1)が継続(A)だけの関係であれば一義的関係と判断する。一方、継続と関連(A,B)又は、関連(B)であれば一義的関係でないと判断する。
【0040】
キーワードnに対するキーワード(n+1)が一義的関係にない場合(ステップ13;N)、情報処理制御装置20は、キーワードnとキーワード(n+1)とは連結をせず、両キーワード間を論理積の関係とする(ステップ14)。これにより、メインの目的地検索処理では、キーワードnで検索した目的地候補と、キーワード(n+1)で検索した目的地候補の論理積をとることで、両キーワードnと(n+1)を含む目的地候補が抽出される。
【0041】
キーワードnとキーワード(n+1)が一義的関係にある場合(ステップ13;Y)、情報処理制御装置20は、キーワード(n−1)にキーワードnが連結されているか否かを判断する(ステップ15)。すなわち、1つ前のサイクルでキーワード(n−1)とキーワードnとが一義的関係にあると判断され、両キーワードが連結されているか否かを判断する。
【0042】
キーワード(n−1)とキーワードnとが連結されていない(ステップ15;N)場合、情報処理制御装置20は、キーワードnにキーワード(n+1)を連結する(ステップ16)。その結果、ユーザが入力した両キーワードが連結されて1つのキーワードn(n+1)となる。
一方、キーワード(n−1)とキーワードnとが連結されている場合(ステップ15;Y)には、すでに連結済みのキーワード(n−1)nにキーワード(n+1)を連結する(ステップ17)。その結果、ユーザが入力された3つのキーワードが1つのキーワード(n−1)n(n+1)となる。
ただし、一義的関係にあるキーワードが3つ以上連続して入力されていれば、全て連結され、…(n−2)(n−1)n(n+1)(n+2)…となる。
【0043】
例えば、3つのキーワードが、「とうきょう」、「らんど」、「しー」の順に入力された場合には次のようになる。
この場合、情報処理制御装置20は、図3の継続関係データファイル59から、第1キーワード「とうきょう」に対して関連キーワード「らんど」が一義的関係にないと判断し、第1キーワード「らんど」に対して関連キーワード「しー」が一義的関係にあると判断する。
そして、情報処理制御装置20は、キーワード連結処理の最初のサイクル(ステップ12〜19)でキーワード「とうきょう」と「らんど」は連結しないで論理積関係とし、次のサイクルではキーワード「らんど」に「しー」を連結して「らんどしー」という1つのキーワードにする。
この結果、目的地検索処理では、キーワード「とうきょう」の検索結果と、「らんどしー」の検索結果とのあいだで論理積をとることになる。
【0044】
一方、3つのキーワードが、「とうきょう」、「れいんぼー」、「らんど」の順に入力された場合には次のようになる。
この場合、情報処理制御装置20は、図3の継続関係データファイル59から、第1キーワード「とうきょう」に対する関連キーワード「れいんぼー」、第1キーワード「れいんぼー」に対する関連キーワード「らんど」は、それぞれ一義的関係にあると判断する。
そして情報処理制御装置20は、最初のサイクル(ステップ12〜19)でキーワード「とうきょう」に「れいんぼー」を連結して1つのキーワード「とうきょうれいんぼー」とし(ステップ17)、次のサイクルでキーワード「らんど」を更に連結してキーワード「とうきょうれいんぼーらんど」とする(ステップ17)。
【0045】
キーワードの連結(ステップ16、17)又は論理積関係(ステップ14)とした後、情報処理制御装置20は、キーワード(n+1)は入力された最後のキーワードか否かを判断し(ステップ18)、最後のキーワードでなければ(ステップ18;N)、n=n+1とし(ステップ19)、ステップ12に戻って次のキーワードについての一義的関係の判断を行う。
一方、キーワード(n+1)が最後のキーワードである場合には(ステップ18;Y)、キーワード連結処理を終了し、目的地検索処理にリターンする。
【0046】
以上説明したように本実施形態によるキーワード連結処理によれば、入力されたキーワードnに対して、次に入力されたキーワード(n+1)が一義的関係にあれば、両キーワードを連結したキーワードn(n+1)を1つのキーワードとするので、目的地検索において目的地候補を検索するキーワード数が減り、各キーワードの検索結果を保存するメモリ使用量を減らすことができる。
また、各キーワードの検索結果に対する論理積をとる回数を減らすことで、CPU21の処理負荷を減らすことができる。
【0047】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明ではこれに限定されるものではなく、請求項に記載した範囲で他の実施形態や変形例を採用することが可能である。
例えば、説明した実施形態では、継続関係データファイル60として図3に示したように、第1キーワードに対して、継続だけの場合(A)、継続と関連がある場合(A,B)、関連だけの場合(B)について規定するようにした。
これに対して、一義的関係の有無についてだけ規定するようにしてもよい。すなわち、継続(A)を一義的関係有りとし、継続と関連(A,B)と関連(B)を一義的関係無しとして規定する。この場合の一義的関係の有無は、フラグの有無や、所定データの保存により規定する。
【0048】
また、第1キーワードに対して関連キーワードを保存する場合について説明したが、第1キーワードに対して一義的関係にあるキーワードだけを保存するようにしてもよい。
この場合、情報処理制御装置20は、第1キーワードnに対して、関連キーワード欄にキーワード(n+1)が存在するか否かを判断し、存在すれば一義的関係に有るのでキーワードの連結を行い、存在しなければ一義的関係に無いのでキーワードの連結を行わずに論理積の関係とする。
【0049】
また、説明した実施形態では、入力された複数のキーワードに対し、入力された順番を考慮して一義的関係の有無を判断する場合について説明した。
これに対して入力された順番とは関係無く、入力された全てのキーワードに対する任意の2つのキーワードの組み合わせに対して一義的関係の有無について判断するようにしてもよい。
例えば、キーワードA、B、C、Dの順に入力された場合、Aに対するB、Bに対するA、Aに対するC、Cに対するA、Aに対するD、Dに対するA、Bに対するC、Cに対するB、Bに対するD、Dに対するB、Cに対するD、Dに対するC、の各々について一義的関係があるか否かを判断し、一義的関係にある組み合わせの両キーワードについて連結を行う。
【0050】
このように入力された全てのキーワードに対する任意の2つのキーワードの組み合わせに対する一義的関係を判断すると、或るキーワードmが2つのキーワードと一義的関係を有する場合があり、この場合には次のように処理する。
(a)一義的関係にある2つのキーワードp、qに対してキーワードmが、第1キーワードである場合(他のキーワードqが連結されるmqの場合)、と関連キーワードである場合(他のキーワードpに連結するpm場合)、情報処理制御装置20は、3つのキーワードを連続して連結して、pmqとする。
ただし、後述の(c)の関係にもある場合には(c)を優先し、3つのキーワードは連結しない。
(b)一義的関係にある2つのキーワードp、qに対してキーワードmが、いずれも第1キーワードである場合(他のキーワードp、qが連結されるmpとmqの場合)、又はいずれも関連キーワードである場合(他のキーワードp、qに連結するpmとqmである場合)、情報処理制御装置20は、連結したキーワード同士の論理和をとり、(mp+mq)又は(pm+qm)とする。
(c)2つのキーワードmとpが、互いに一義的関係にある場合、すなわち、mpもpmも一義的関係にある場合には、連結した2つのキーワードmpとpmの論理和(mp+pm)とする。
【0051】
キーワードmが他の3つ以上のキーワードと一義的関係にある場合、上記(a)の場合があるか判断し、あれば(a)に従って3つのキーワードを連結する。他のキーワードとは、一義的関係に従ってそれぞれキーワードmと連結し、(a)に従って3つを連結したキーワードとの論理和をとる。
いずれも上記(a)の場合がなければ、キーワードmと各キーワードとを一義的関係に従って連結し、全体の論理和をとる。
【0052】
以上説明した、入力された順番とは関係無く、任意の2つのキーワードの一義的関係を判断する場合上記変形例において、上記(a)以外の場合には、いずれも連結せず、通常通り論理積を撮るようにしてもよい。
例えば、(b)のAB、ACの場合等や、(c)のAB、BAの場合に、AB、AC等の連結を行わず、通常通りA、B、Cの各検索結果毎の論理積をとる。
【0053】
このように入力順ではなく任意の2キーワードの組み合わせで一義的関係を判断することで、ユーザは検索しようとしている施設の名称等を構成する各キーワードについて、その順番を意識せずに入力することができる。
とくに、施設名を正確に覚えていない場合であっても、思い出した順番に入力することが可能になる。
【0054】
また、説明した実施形態では、日本国内で使用されることを想定したナビゲーション装置(目的地入力装置)について説明した。すなわち、キーワードを入力する入力装置41を入力を日本語の入力単位である50音キーで構成し、目的地データファイル56、継続関係データファイル59に、日本国内の目的地検索に関するデータを記憶した日本仕様のナビゲーション装置について説明した。
しかしながら、ナビゲーション装置が用いられる環境は、日本国内に限定されるものではない。入力装置41や各データの仕様を地域に対応させることにより、上述したキーワードデータを利用した入力機能を諸外国において使用することができる。
【0055】
例えば、日本国外向けのナビゲーション装置(目的地入力装置)の一例として、英語(英字)入力に対応したアルファベットキーを備えた装置としても良い。
更に、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語、中国語、韓国語、ロシア語など任意の言語入力に対応した装置とするようにしてもよい。例えば、中国語入力に対応したナビゲーション装置の場合、入力装置41は、中国語のピンイン入力に対応した入力キーボード422を備える。
【0056】
入力対象となる言語は、必ずしもナビゲーション装置の使用対象となる国(地域)に対応させる必要はない。例えば、ドイツ語入力対応のナビゲーション装置をフランス国内で使用できるようにしてもよい。この場合、目的地データファイル56や継続関係データファイル59などにおける、目的地検索を行う際に検索対象となるデータ、即ち、入力文字と比較されるデータ(例えば、目的地の名称、キーワード、住所など)には、入力言語に対応したデータを記憶する。
なお、検索対象となるデータには、入力言語の他に、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶するようにしてもよい。
また、目的地検索を行う際に検索対象とならないデータ、例えば、付加情報のデータは、入力言語に対応したデータを記憶する必要はない。検索対象とならないデータには、例えば、入力言語に対応したデータを記憶しても、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶しても、また、入力言語と使用対象となる国(地域)の言語の両方の言語に対応したデータを記憶してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態が適用されるナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】目的地データファイルに記憶される目的地データの内容について概念的に表した説明図である。
【図3】継続関係データファイルの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】キーワードの連結処理の内容を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
40 入出力装置
41 入力装置
42 ディスプレイ
50 情報記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索キーワードを含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段と、
検索キーワードを入力するキーワード入力手段と、
前記キーワード入力手段で入力された2つのキーワードについて、一方のキーワードに対する他方のキーワードの継続関係が一義的関係にあるか否かを判断する一義的関係判断手段と、
前記一義的関係判断手段で一義的関係にあると判断した場合、前記一方のキーワードに前記他方のキーワードを連結して1つのキーワードとするキーワード連結手段と、
前記連結したキーワードにより、目的地候補を検索する検索手段と、
前記目的地候補を表示する表示手段と、
前記表示された目的地候補を選択する目的地選択手段と、
を具備したことを特徴とする目的地設定装置。
【請求項2】
1のキーワードに対する継続関係が一義的関係にあるキーワードを記憶した継続関係データベースを備え、
前記一義的関係判断手段は、前記継続関係データーベースに基づき、2つのキーワードが一義的関係にあるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置。
【請求項3】
前記一義的関係判断手段は、前後して入力された2つのキーワードについての一義的関係について判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置。
【請求項4】
前記入力された全てのキーワードに対する任意の2つのキーワードの組み合わせを作成する組み合わせ作成手段を備え、
前記一義的関係判断手段は、前記組み合わせ作成手段で組み合わされた2つのキーワードについての一義的関係について判断する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の目的地設定装置。
【請求項5】
入力されたキーワードに対する論理演算の内容を指定する論理演算指定手段を備え、
前記一義的関係判断手段は、論理積が連続しているキーワードのグループ単位で一義的関係について判断する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の目的地設定装置。
【請求項6】
検索キーワードを入力するキーワード入力機能と、
前記キーワード入力機能で入力された2つのキーワードについて、一方のキーワードに対する他方のキーワードの継続関係が一義的関係にあるか否かを判断する一義的関係判断機能と、
前記一義的関係判断機能で一義的関係にあると判断した場合、前記一方のキーワードに前記他方のキーワードを連結して1つのキーワードとするキーワード連結機能と、
検索キーワードを含む目的地データを複数記憶する目的地データ記憶手段から、前記連結したキーワードと、連結していないキーワードにより、目的地候補を検索する検索機能と、
前記目的地候補を表示する表示機能と、
前記表示された目的地候補を選択する目的地選択機能と、
をコンピュータに実現させるための目的地設定用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−236860(P2009−236860A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86459(P2008−86459)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】