説明

移動センサ

【課題】 磁気抵抗効果素子を用いた非接触式の移動センサに係り、特に、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが可能な移動センサを提供することを目的としている。
【解決手段】 第1の磁石4と第2の磁石5とをX磁状に交差させ、前記磁石4,5間の空間内を、磁気抵抗効果素子(GMR素子)15を直線移動させる。前記磁石4,5間には、左側端部4b,5bから右側端部4c,5cにかけて外部磁界が回転変位した回転磁場領域が形成され、前記磁気抵抗効果素子15は前記回転磁場領域内を通るように移動支持されているので、移動に伴って、前記磁気抵抗効果素子15のフリー磁性層の磁化方向が漸次的に変動する。よって、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気抵抗効果素子を用いた非接触式の移動センサに係り、特に、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが可能な移動センサに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気抵抗効果を利用したMR素子は以下の特許文献1に記載されている移動センサ等に使用される。前記MR素子は、外部磁界の方向変化を、前記方向変化に伴う電気抵抗変化に基づき高精度に検知できるため、環境変化や磁石の磁力低下等に関係なく検知可能で、ホール素子等のように外部磁界の磁界強度変化を読み取る素子に比べて高性能且つ高寿命を期待できる。
【0003】
特許文献1に記載された発明では、例えば特許文献1の図5や図7に示されるように永久磁石と磁気検出素子とが対向配置され、前記永久磁石が直線方向へ移動支持されている。
【0004】
このような配置とした場合、前記永久磁石の磁極付近に前記磁気検出素子が配置されたとき、前記磁気検出素子には、前記永久磁石から前記磁気検出素子の前記永久磁石との対向面に直交する方向の外部磁界が侵入し、また特許文献1の図7のように、前記磁気検出素子が磁極間にある場合には、前記磁気検出素子の前記対向面と平行な方向の外部磁界が侵入する。
【0005】
このように、特許文献1では、前記磁気検出素子に侵入する外部磁界の方向が、前記永久磁石を移動させることで変化するため、磁気検出素子が磁気抵抗効果を利用したMR素子であると、前記外部磁界の方向変化によって前記磁気検出素子の電気抵抗値が変化する。
【特許文献1】特開平5−280916号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、前記磁気検出素子の前記対向面と平行な方向に侵入する外部磁界領域が長すぎ、位置検出のリニアリティ(直線性)を適切に向上させることができないと考えられる。
【0007】
特許文献1の図5等に示すように、特許文献1に記載された発明では、永久磁石は棒形状であり、前記磁気検出素子の相対移動方向と、前記永久磁石の幅方向の中心を通る中心線方向とは一致している。このため、特許文献1の図7に示す永久磁石の磁極間領域では、前記磁気検出素子には、ほぼ一方向からの外部磁界のベクトル成分が支配的に侵入し、磁極間領域での前記磁気検出素子(MR素子)の電気抵抗変化が小さくなり(あるいは電気抵抗変化が無く)、したがって、位置検出のリニアリティ(直線性)を適切に向上させることができないと考えられる。
【0008】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、磁気抵抗効果素子を用いた非接触式の移動センサに係り、特に、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが可能な移動センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における移動センサは、外部磁界の方向変化に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した積層構造の磁気抵抗効果素子と、前記外部磁界を発生させるための磁石とを有し、
前記磁気抵抗効果素子及び磁石の一方が移動可能に支持されており、
前記磁気抵抗効果素子と前記磁石は、高さ方向に間隔を空け、前記高さ方向の真上から見たときに、前記磁石の幅寸法の中心を通る中心線と、前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路とが途中で交差すると共に、交差点から磁気抵抗効果素子の相対移動の出発点及び相対移動の終点に向けて徐々に前記中心線と前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路間の間隔が幅方向に広がるように対向配置され、
前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴って、前記積層構造内に侵入する積層界面と平行な面方向からの前記外部磁界の侵入方向が回転変位し、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗値が変化することで移動位置が検出されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では上記構成により、従来に比べて、磁気抵抗効果素子を用いた非接触式の移動センサにおいて、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが出来る。
【0011】
すなわち本発明では、上記のように、磁石の前記中心線と、前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路とが、途中で交わると共に、交差点から磁気抵抗効果素子の相対移動の出発点、及び相対移動の終点に向けて徐々に前記中心線と前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路間の間隔が幅方向に広がるように、磁気抵抗効果素子と磁石とが対向配置されている。
【0012】
従来のように、磁石の前記中心線と前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路とが一致していると、前記磁石の中央付近では前記磁気抵抗効果素子に侵入する外部磁界の方向がほぼ一定となってしまい、この結果、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが出来なかった。
【0013】
これに対し本発明では、磁石の前記中心線と前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路とを一致させず、斜め方向から交差させているので、前記磁気抵抗効果素子を相対移動させると、前記磁気抵抗効果素子は、前記磁石の中心線に対して常に変動した位置にあり、これにより、前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴い、前記磁気抵抗効果素子の積層界面と平行な面方向からの外部磁界の侵入方向を漸次的に、回転変位させることが出来る。
【0014】
よって、従来に比べて、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが出来る。
【0015】
また本発明では、前記磁石は、幅方向の中心を通る中心線長さが前記幅方向の寸法よりも長く、且つ、前記中心線の両側に位置する両側面が前記中心線と平行な方向に延びる形状で形成されていることが、前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴い、前記磁気抵抗効果素子の積層界面と平行な面方向からの外部磁界の侵入方向を適切に、回転変位させることが出来、好適である。
【0016】
また、前記磁気抵抗効果素子は、直線状に相対移動すると直線式の移動センサとして使用可能となる。
【0017】
本発明では、前記磁気抵抗効果素子が移動可能に支持され、前記磁石が固定配置されていると、簡単な構成で且つ小型化を実現できる。
【0018】
本発明では、前記磁気抵抗効果素子は、前記積層構造の積層界面が、前記磁石の前記磁気抵抗効果素子との対向面に対して直交する方向に向けられ、前記磁石の前記対向面が単一の磁極面となっていることが好適である。このような構成とすることで、前記磁気抵抗効果素子の相対移動の出発点から交差点及び終点に向けて、前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴い、前記磁気抵抗効果素子の積層界面と平行な面方向からの外部磁界の侵入方向をより適切に、回転変位させることが出来る。
【0019】
本発明では、第1の磁性部材と、第2の磁性部材とが高さ方向に間隔を空けて対向するとともに、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材は、前記高さ方向の真上から見たときに、前記第1の磁性部材の幅寸法の中心を通る第1の中心線と、前記第2の磁性部材の幅寸法の中心を通る第2の中心線とが途中で交差すると共に、前記第1の中心線と前記第2の中心線とが交差点から一端部方向、及び交差点から他端部方向に向けて互いに幅方向に離れていく形状にて形成され、前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材のうち少なくとも一方が前記磁石で形成されており、
前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材間の空間内には、一方の磁性部材の対向面から他方の磁性部材の対向面に向けて発生する外部磁界の方向が、前記第1の磁性部材及び第2の磁性部材の一端部側から他端部側に向けて、徐々に回転変位する回転磁場領域が形成され、前記磁気抵抗効果素子は、前記積層構造の積層界面が、前記磁性部材の前記磁気抵抗効果素子との対向面に対して直交する方向に向けられるとともに、前記一端部側から前記他端部側に向けて、前記回転磁場領域内を通るように相対移動することが好ましい。
【0020】
上記した構成では、2つの磁性部材を高さ方向にて対向させ、しかも各磁性部材の前記中心線を高さ方向の真上から見たときに斜め方向から交差するようにしているので、前記磁性部材間に、一端部側から他端部側に向けて、徐々に外部磁界が回転変位する回転磁場領域を形成することが簡単且つ適切に出来る。
【0021】
そして、前記磁性部材間であって、前記回転磁場領域内を前記磁気抵抗効果素子が相対移動するように規制することで、前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴い前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗値を連続的に変化させることができ、より効果的に、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが出来る。
【0022】
本発明では、前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材の各対向面は帯形状で、前記高さ方向の真上から見たときにX字状に交差しており、前記磁気抵抗効果素子は、前記高さ方向の真上から見たときに、前記第1の磁性部材の第1の中心線と前記第2の磁性部材の第2の中心線間の幅方向の中心を直線状に相対移動することが、より効果的に、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させた直線式の移動センサとして使用可能である。
【0023】
本発明では、前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材は共に磁石で形成され、前記第1の磁性部材の対向面、及び前記第2の磁性部材の対向面が異極に着磁されていることが、前記磁性部材間に外部磁界の乱れが少なく適切に回転変位した回転磁場領域を形成でき、さらに、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが可能である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の移動センサによれば、従来に比べて、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本実施形態における移動センサの内部構造を示すための部分斜視図、図2は図1に示す移動センサを構成する磁気抵抗効果素子の移動方向と、磁石及び磁気抵抗効果素子との位置関係を示すための部分平面図、図3(a)〜(e)は、図2に示すAからEの位置まで磁気抵抗効果素子が移動した際、各線上に沿って磁気抵抗効果素子及び磁石を高さ方向に切断し、矢印方向から見た部分断面図、図4は磁気抵抗効果素子の積層構造の膜厚方向からの断面図、図5は、図3(c)の拡大断面図、である。
【0026】
図1に示すように本実施形態における移動センサ1は、筐体2と、前記筐体2内部に設けられる磁気抵抗効果素子を備えた磁気検出部3、第1の磁石4、及び第2の磁石5とを有して構成される。
【0027】
ここで各図において図示X方向を幅方向、図示Y方向を長さ方向、図示Z方向を高さ方向として説明する。各方向は残り2つの方向と直交する関係にある。なお高さ方向は磁石と磁気抵抗効果素子とが所定の間隔を空けて対向する方向を指している。
【0028】
図1に示すように、前記筐体2の上面2aには、図示Y方向に沿って直線状の開口部6が形成されている。図1に示すように磁気検出部3は基板7に設けられ、前記基板7に接続されたレバー8が、前記開口部6を介して外部に露出している。
【0029】
前記基板7は、幅方向(図示X方向)に所定の間隔を空けて長さ方向(図示Y方向)に平行に延びる2本のレール部9,10に支持されており、前記レバー8を図示Y方向に移動させることで前記基板7が前記レール部9,10に沿って図示Y方向に移動する。この結果、前記磁気検出部3を図示Y方向に沿って移動させることが出来る。
【0030】
前記磁気検出部3は少なくとも一つの磁気抵抗効果素子15を備える。前記磁気検出部3には図示しない固定抵抗素子も設けられ、前記磁気抵抗効果素子15と出力取り出し部を介して直列回路が構成されている。あるいは前記磁気抵抗効果素子15と固定抵抗素子とでブリッジ回路が構成されている。また図示しないが、前記磁気抵抗効果素子15の電気抵抗変化に基づく電圧変化から移動位置を検出するための検出回路が筐体2内部あるいは外部に設けられる。
【0031】
図1ないし図3に示すように、前記磁石4,5は、高さ方向(図示Z方向)に所定の間隔を空けて対向配置されている。前記第1の磁石4の前記第2の磁石5との対向面(下面)4aは、S極に着磁され、前記第1の磁石4の前記対向面4aとの逆面(上面)がN極に着磁されている。一方、前記第2の磁石5の前記第1の磁石4との対向面(上面)5aは、N極に着磁され、前記第2の磁石5の前記対向面5aと逆面(下面)がS極に着磁されている。
【0032】
図2に示すように、第1の磁石4は、幅寸法がT1で形成され、前記幅寸法T1の中心を通る第1の中心線O1が前記幅寸法T1よりも長さ寸法L1で形成されている。また、前記幅寸法T1の両側に位置する両側面4d,4eは前記中心線O1と平行に形成されており、前記第1の磁石4の対向面4aは細長い帯形状で形成されている。また、第2の磁石5は、幅寸法がT2で形成され、前記幅寸法T2の中心を通る第2の中心線O2が前記幅寸法T2よりも長さ寸法L2で形成されている。また、前記幅寸法T2の両側に位置する両側面5d,5eは前記中心線O2と平行に形成されており、前記第2の磁石5の対向面5aは細長い帯形状で形成されている。前記幅寸法T1と幅寸法T2は同じ大きさであり、長さ寸法L1と長さ寸法L2は同じ長さである。
【0033】
図2に示すように、第1の磁石4は左側端部4b(一端部)が右側端部4c(他端部)よりも紙面上方向(図示X方向)に傾いており、また第2の磁石5は左側端部5bが右側端部5cよりも紙面下方向(図示X方向とは逆方向)に傾いている。そして図2に示すように、高さ方向(図示Z方向)の真上から見たときに、前記第1の中心線O1と第2の中心線O2とが各長さ寸法L1,L2の中心位置で交差している。よって、前記第1の中心線O1と第2の中心線O2は、交差点20から前記左側端部4b,5b方向に、及び前記交差点20から前記右側端部4c,5c方向に向けて徐々に幅方向(図示X方向)に離れている。図2に示すように前記第1の磁石4と第2の磁石5はX字状に交差している。
【0034】
上記したように、前記第1の磁石4の対向面(下面)4aはS極に、前記第2の磁石5の対向面(上面)5aはN極に着磁されているから、前記第2の磁石5の前記対向面5aから前記第1の磁石4の前記対向面4aに向けて外部磁界Hが生じている。
【0035】
図3(a)は、図2に示すA線上にて切断した断面図、図3(b)は、図2に示すB線上にて切断した断面図、図3(c)は、図2に示すC線上にて切断した断面図、図3(d)は、図2に示すD線上にて切断した断面図、図3(e)は、図2に示すE線上にて切断した断面図を示している。
【0036】
図3(a)の断面部分は、第1の磁と第2の磁石5とが幅方向(図示X方向)に比較的大きく、ずれている場所である。第1の磁石4は第2の磁石5に対して図示X方向とは逆方向にずれている。よって、前記第2の磁石5の対向面5aから第1の磁石4の対向面4aに向かう外部磁界H1の方向は、図示Z方向から図示X方向とは逆方向に大きく傾いている。図3(b)の断面部分は、第1の磁石4と第2の磁石5とが図3(a)に比べて図示X方向へのずれ量が小さく、前記第2の磁石5の対向面5aから第1の磁石4の対向面4aに向かう外部磁界H2の方向は、図3(a)に比べて、図示Z方向からの傾き角が小さくなっている。図3(c)の断面部分は、第1の磁石4と第2の磁石5とが高さ方向(図示Z方向)に一致している。このため、前記第2の磁石5の対向面5aから第1の磁石4の対向面4aに向かう外部磁界H3の方向は、図示Z方向に一致している。図3(d)の断面部分は、図3(b)と同じく、第1の磁石4と第2の磁石5との図示X方向へのずれ量が小さいが、図3(b)とは異なって、第1の磁石4は第2の磁石5に対して図示X方向にずれている。このため図3(d)に示すように、前記第2の磁石5の対向面5aから第1の磁石4の対向面4aに向かう外部磁界H4の方向は、図示Z方向から図示X方向に小さく傾いている。図3(e)の断面部分は、図3(a)と同じく、第1の磁石4と第2の磁石5との図示X方向へのずれ量が大きいが、図3(a)とは異なって、第1の磁石4は第2の磁石5に対して図示X方向にずれている。このため図3(e)に示すように、前記第2の磁石5の対向面5aから第1の磁石4の対向面4aに向かう外部磁界H5の方向は、図示Z方向から図示X方向に大きく傾いている。
【0037】
このように、前記第1の磁石4と第2の磁石5との間に発生する外部磁界Hは、左側端部4b,5bから右側端部4c,5c方向に向けて、図3(a)〜(e)の外部磁界H1〜H5に示すように、漸次的に回転変位している。
【0038】
図1に示すように、前記第1の磁石4と第2の磁石5との間には磁気検出部3が設けられるが、図2,図3では、前記磁気検出部3を構成する前記磁気抵抗効果素子15を図示している。前記磁気抵抗効果素子15は、図3に示すように、前記第1の磁石4及び第2の磁石5と高さ方向(図示Z方向)にて所定の間隔を空けており接触していない。図3に示すように前記磁気抵抗効果素子15の高さ方向の中心は、第1の磁石4及び第2の磁石5間の高さ方向(図示Z方向)の中心に位置している。
【0039】
図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子15は、前記第1の磁石4と第2の磁石5間を図示Y方向に沿って移動する。ここで前記磁気抵抗効果素子15の移動経路21は、前記磁気抵抗効果素子15の幅方向(図示X方向)の中心位置での移動経路と定義する。図2に示すように高さ方向(図示Z方向)の真上から見たときに、前記磁気抵抗効果素子15の移動経路21は、前記第1の磁石4の第1の中心線O1と第2の磁石5の第2の中心線O2との交差点20にて交わっている。
【0040】
図2に示すように、前記交差点20から前記磁気抵抗効果素子15の移動出発点22及び移動終点23に向けて、徐々に、中心線O1,O2と前記磁気抵抗効果素子15の移動経路21間の間隔が幅方向(図示X方向)に向けて広がっている。
【0041】
図2に示すような磁気抵抗効果素子15の移動経路21と磁石4,5との配置関係を設定することで、図3に示すように磁気抵抗効果素子15は、前記磁石4,5間での外部磁界Hの方向が回転変位している回転磁場領域を適切に移動する。
【0042】
磁気抵抗効果素子15は巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用したGMR素子である。
【0043】
図4に示すように、前記磁気抵抗効果素子15は、基板7上に下から絶縁層30、下地層31、反強磁性層32、固定磁性層33、非磁性中間層34、フリー磁性層35及び保護層36の順にスパッタ等の薄膜プロセスを用いて形成されている。反強磁性層32/固定磁性層33/非磁性中間層34/フリー磁性層35は逆積層であってもよい。
【0044】
反強磁性層32は、IrMnやPtMn等の反強磁性材料で形成される。固定磁性層33やフリー磁性層35はCoFeやNiFe等の磁性材料で形成される。非磁性中間層34はCu等の非磁性導電材料で形成される。保護層36はTa等で形成される。前記固定磁性層33やフリー磁性層35は例えば積層フェリ構造であってもよい。
【0045】
前記反強磁性層32と前記固定磁性層33とが接して形成されているため磁場中熱処理を施すことにより前記反強磁性層32と前記固定磁性層33との界面に交換結合磁界(Hex)が生じ、前記固定磁性層33の磁化方向33aは一方向に固定される。図4では前記磁化方向33aは図示Z方向に固定される。
【0046】
一方、フリー磁性層35の磁化方向35aは、無磁場状態では、前記固定磁性層33の磁化方向33aは前記固定磁性層33によるバイアス磁界を受け、平行か反平行となる。前記フリー磁性層35は固定磁性層33と違って磁化方向が固定されておらず外部磁界の侵入方向の変化によって磁化変動するようになっている。また例えば、図4に示すように前記フリー磁性層35の磁化方向35aを、固定磁性層33の磁化方向33aに対して直交させるにはハードバイアス層(図示しない)を設けることが必要となる。ただし、このようなハードバイアス層を設けず、フリー磁性層35の磁化方向35aを制御しなくてもよい。
【0047】
図4に示すように、磁気抵抗効果素子15は、固定磁性層33/非磁性中間層34/フリー磁性層35を有する積層構造で形成され、各層の積層界面37は、図示X−Z平面と平行な方向に形成されている。図5は、図3(c)を拡大して示す部分拡大断面図であり、前記磁気抵抗効果素子15はフリー磁性層35の膜厚中心から切断されている。なお図5に示す前記フリー磁性層35の切断面は、図4に示す積層界面37ではないが、前記フリー磁性層35の切断面と前記積層界面37は平行関係にあるので、便宜上、図5の断面図において「積層界面37」と符号した。なお後述する図7も同様である。
【0048】
前記積層界面37は、前記第1の磁石4及び第2の磁石5の各対向面4a,5aに対して直交する方向に向いている。また、前記磁気抵抗効果素子15の磁石4,5との対向面15a,15bは、前記磁石4,5の各対向面4a,5aと平行な方向を向いている。したがって磁気抵抗効果素子15には、前記積層界面37と平行な面方向(図示X−Z面方向)へ第1の磁石4及び第2の磁石5間で回転変位する外部磁界H1〜H5が侵入出来る位置関係となっている。
【0049】
磁気抵抗効果素子15はフリー磁性層35に侵入する積層界面37と平行な方向からの外部磁界Hを読み取る能力に優れる。図3で説明した外部磁界H1〜H5は、図示X−Z面内において回転変位するから、前記積層界面37を前記外部磁界Hの回転変位する面と一致させることで、前記磁気抵抗効果素子15には、前記積層界面と平行な面方向から回転変位した外部磁界H1〜H5が適切に侵入する。
【0050】
図5に示すように、磁気抵抗効果素子15を構成するフリー磁性層35の膜厚中心(図示Y方向への中心)が図2に示す交差点20の位置にまで移動すると、前記第2の磁石5の対向面5aから前記第1の磁石4の対向面4aに向けて高さ方向(図示Z方向)に発生する外部磁界H3の影響を受けて、前記フリー磁性層35の磁化方向35aは図示Z方向に変動する。
【0051】
同じように、前記磁気抵抗効果素子15が、図3(a)(b)、(d)(e)の位置に移動した場合には、前記フリー磁性層35に図示Z方向から図示X方向、あるいは図示X方向とは逆方向に傾いた外部磁界が夫々侵入し、前記フリー磁性層35の磁化方向35aが図5の点線に示すように変動する。このフリー磁性層35の変動磁化方向35aと、固定磁性層33の固定磁化方向33aとの関係で電気抵抗値が変化する。
【0052】
図1ないし図5に示す実施形態では、第1の磁石4と第2の磁石5との間に磁気抵抗効果素子15が設けられ、前記磁気抵抗効果素子15の積層構造の積層界面37は前記第1の磁石4及び第2の磁石5の対向面4a,5aに対して直交する方向に向けられている。
【0053】
前記第1の磁石4と第2の磁石5は、前記磁石4,5間の空間内に、前記磁石4,5の左側端部4b,5bから右側端部4c,5cに向けて、前記積層界面37と平行な面内にて回転変位する外部磁界の領域が形成されるように形状及び配置が決定されており、磁気抵抗効果素子15は回転磁場領域内を直線移動するように、前記磁石4,5の中心線O1,O2間の幅方向の中心であって、前記磁石4,5間の高さ方向の中心に移動支持されている。
【0054】
この結果、前記磁気抵抗効果素子15が図2に示す出発点22から終点23まで図示Y方向を直線移動すると、前記磁気抵抗効果素子15を構成するフリー磁性層35内部に侵入する外部磁界Hの方向が漸次的に変化することで、電気抵抗値が漸次的に変化し、この電気抵抗値の変化に基づく出力変化によって移動位置が検知される。本実施形態によれば、従来に比べて、磁気抵抗効果素子15を出発点22から終点23まで移動させると、電気抵抗値を漸次的に変化させることができ、位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることが可能である。
【0055】
図1ないし図5に示す実施形態において、第1の磁石4及び第2の磁石5のどちらか一方がヨークであってもよい。ただし、一方がヨークであると、移動センサ1の外部から内部へ及ぶ外乱磁界が、前記磁石4,5間にて回転変位する外部磁界Hに影響を与えて前記外部磁界Hの方向が乱されやすくなり、位置検出のリニアリティが低下しやすいので、両方とも磁石4,5を用いることが好適である。
【0056】
また磁石を1個だけ用いて移動センサを構成することも出来る。図6は第2実施形態の移動センサを構成する磁気抵抗効果素子と磁石との位置関係を示す部分平面図、図7は図6に示すF線上、G線上、H線上に沿って磁気抵抗効果素子及び磁石を高さ方向(図示Z方向)に沿って切断し矢印方向から見た部分断面図である。
【0057】
図6に示すように、磁石40は、幅寸法がT3で形成され、前記幅寸法T3の中心を通る中心線O3の長さ寸法L3が前記幅寸法T3よりも長く形成されている。また前記幅寸法T3の両側に位置する両側面40b,40cは前記中心線O3と平行に延びており、前記磁石40の前記磁気抵抗効果素子41との対向面40aは矩形状で形成されている。
【0058】
この実施形態では図7に示すように前記磁石40の表面(対向面)40aがN極に、裏面がS極に着磁されている。
【0059】
図6,図7に示す磁気抵抗効果素子41は、図4で示す磁気抵抗効果素子15と同じ積層構造で形成されている。
【0060】
前記磁気抵抗効果素子41は、図5と同様に、積層構造の積層界面42が、前記磁石40の前記磁気抵抗効果素子41との対向面40aと直交する方向(高さ方向)で、さらに幅方向(図示X方向)に向けられている。これによって前記磁石40からの外部磁界Hは、前記磁気抵抗効果素子41に前記積層界面42と平行な面方向(図示X−Z面方向)から侵入する。
【0061】
図6に示すように前記磁石40の前記中心線O3は、図示Y方向に沿って形成されている。一方、図6に示すように前記磁気抵抗効果素子41の移動経路43は、前記中心線O3に対して紙面左上方向から右下方向への斜め方向の直線経路であり、前記磁気抵抗効果素子41の移動経路43と前記磁石40の中心線O3とが磁石40の長さ方向(図示Y方向)の中心で交差している。
【0062】
このように、交差点44から前記磁気抵抗効果素子41の出発点45及び終点46に向けて徐々に前記中心線O3と前記磁気抵抗効果素子41の移動経路43間の幅方向(図示X方向)の間隔が広がるように、前記磁気抵抗効果素子41及び磁石40が配置されている。
【0063】
図7(a)は、図6のF−F線上から高さ方向へ切断した磁気抵抗効果素子及び磁石40の部分断面図、図7(b)は、図6のG−G線上から高さ方向へ切断した磁気抵抗効果素子及び磁石40の部分断面図、図7(c)は図6のH−H線上から高さ方向へ切断した磁気抵抗効果素子及び磁石40の部分断面図を示している。
【0064】
図7(a)に示すように、前記磁気抵抗効果素子41のフリー磁性層47の膜厚方向(図示Y方向)の中心が図6の図示左端の磁石40上に位置すると、フリー磁性層47には、ほぼ図示X方向から外部磁界H6が支配的に侵入する。
【0065】
前記磁気抵抗効果素子41が前記移動経路43上を出発点45から交差点44方向へ移動すると、前記積層界面42と平行な面方向から侵入する前記磁石40からの外部磁界は図示X方向から徐々に図示Z方向に向くベクトル成分が増え始め、やがて、図7(b)に示すように、前記磁気抵抗効果素子41のフリー磁性層の膜厚方向(図示Y方向)の中心が前記交差点44上の位置に到達すると、前記フリー磁性層には、ほぼ図示Z方向の外部磁界H7が支配的に侵入する。
【0066】
次に、前記磁気抵抗効果素子41が前記交差点44の位置から終点46へ向けて移動すると、前記積層界面42と平行な面方向から侵入する前記磁石40からの外部磁界は、図示Z方向から徐々に図示X方向とは逆方向へ向くベクトル成分が増え始め、図7(c)に示すように、前記磁気抵抗効果素子41のフリー磁性層の膜厚中心が図示右端の磁石40上に位置すると、前記フリー磁性層には、図示X方向とはほぼ逆方向の外部磁界H8が支配的に侵入する。
【0067】
図6,図7に示すように磁石40が一個でも、前記磁気抵抗効果素子41の移動経路43と、磁石40の幅方向の中央を通る中心線O3とを斜め方向から交差させることで、前記磁気抵抗効果素子41の移動に伴って、前記磁気抵抗効果素子41の積層界面42と平行な面方向から侵入する前記磁石40からの外部磁界Hは回転変位する。前記磁気抵抗効果素子41の移動に伴って、回転変位する外部磁界Hの方向に、フリー磁性層47の磁化方向は変動し、これによって前記磁気抵抗効果素子41の電気抵抗値は変動する。このとき、前記フリー磁性層47の磁化方向は、磁気抵抗効果素子41の移動に伴って漸次的に変化するので、前記磁気抵抗効果素子41の電気抵抗値も漸次的に変動し、リニアリティ(直線性)の高い位置検出を行うことが出来る。
【0068】
ただし図6,図7に示すように磁石40は1個より、図1ないし図5に示した実施形態のように磁石4,5を2個用意して磁石4,5間に回転磁場領域を人為的に作る出すことが、より外部磁界を、漸次的に且つ直線的な方向性を持って回転変位させることができ、より位置検出のリニアリティ(直線性)を向上させることができ好適である。
【0069】
また上記した本実施形態を利用すれば図8に示すように、磁石50,51を、直交方向に2セット用意することで、X軸60及びY軸61に支持された磁気抵抗効果素子53のX方向及びY方向の2軸方向の移動を検知することも可能である。
【0070】
上記した移動センサは、いずれも磁気抵抗効果素子が移動支持され、磁石が固定支持されていたが、逆であってもよい。ただし、磁気抵抗効果素子を固定支持して磁石を移動させると、例えば図2の磁気抵抗効果素子15の出発点22から終点23までの相対移動距離を確保するには、前記磁石4,5の移動を確保すべく前記相対移動距離のほぼ2倍の移動スペースが必要となってしまうので、磁気抵抗効果素子を移動支持し、磁石を固定支持したほうが、簡単な構成で移動センサの小型化を実現できて好適である。
【0071】
また上記の実施形態では前記磁気抵抗効果素子の移動経路はいずれも直線状であったが、直線状以外であってもよい。ただし、直線状であるほうが、高い位置検出のリニアリティ(直線性)を確保でき好適である。
【0072】
また磁気抵抗効果素子は巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用したGMR素子以外に、異方性磁気抵抗効果(AMR効果)を利用したAMR素子、トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)を利用したTMR素子であってもよい。
【0073】
本実施形態における移動センサは、例えば、ミキサ用フェ−ダやそのほかコントロール用のスライドボリューム等に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態における移動センサの内部構造を示すための部分斜視図、
【図2】図1に示す移動センサを構成する磁気抵抗効果素子の移動方向と、磁石及び磁気抵抗効果素子との位置関係を示すための部分平面図、
【図3】(a)〜(e)は、図2に示すA線上からE線上の位置まで磁気抵抗効果素子が移動した際、各線上に沿って磁気抵抗効果素子及び磁石を高さ方向に切断し、矢印方向から見た部分断面図、
【図4】磁気抵抗効果素子の積層構造の膜厚方向からの断面図、
【図5】図3(c)の拡大断面図、
【図6】第2実施形態の移動センサを構成する磁気抵抗効果素子と磁石との位置関係を示す部分平面図、
【図7】図6に示すF線上、G線上、H線上の位置まで磁気抵抗効果素子が移動した際、各線上に沿って磁気抵抗効果素子及び磁石を高さ方向に切断し、矢印方向から見た部分断面図、
【図8】第3実施形態の移動センサを構成する磁気抵抗効果素子と磁石との位置関係を示す部分平面図、
【符号の説明】
【0075】
1 移動センサ
2 筐体
3 磁気検出部
4、5、40、50、51 磁石
15、41、53 磁気抵抗効果素子
20、44 交差点
21、43 移動経路
22、45 出発点
23、46 終点
32 反強磁性層
33 固定磁性層
34 非磁性中間層
35、47 フリー磁性層
35a (フリー磁性層の)磁化方向
37、42 積層界面
H、H1〜H8 外部磁界
O1〜O3 (磁石の幅方向の中心を通る)中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部磁界の方向変化に対して電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した積層構造の磁気抵抗効果素子と、前記外部磁界を発生させるための磁石とを有し、
前記磁気抵抗効果素子及び磁石の一方が移動可能に支持されており、
前記磁気抵抗効果素子と前記磁石は、高さ方向に間隔を空け、前記高さ方向の真上から見たときに、前記磁石の幅寸法の中心を通る中心線と、前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路とが途中で交差すると共に、交差点から磁気抵抗効果素子の相対移動の出発点及び相対移動の終点に向けて徐々に前記中心線と前記磁気抵抗効果素子の相対移動経路間の間隔が幅方向に広がるように対向配置され、
前記磁気抵抗効果素子の相対移動に伴って、前記積層構造内に侵入する積層界面と平行な面方向からの前記外部磁界の侵入方向が回転変位し、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗値が変化することで移動位置が検出されることを特徴とする移動センサ。
【請求項2】
前記磁石は、幅寸法の中心を通る中心線長さが前記幅方向の寸法よりも長く、且つ、前記幅寸法の両側に位置する両側面が前記中心線と平行な方向に延びる形状で形成されている請求項1記載の移動センサ。
【請求項3】
前記磁気抵抗効果素子は、直線状に相対移動する請求項1又は2に記載の移動センサ。
【請求項4】
前記磁気抵抗効果素子が移動可能に支持され、前記磁石が固定配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の移動センサ。
【請求項5】
前記磁気抵抗効果素子は、前記積層構造の積層界面が、前記磁石の前記磁気抵抗効果素子との対向面に対して直交する方向に向けられ、前記磁石の前記対向面が単一の磁極面となっている請求項1ないし4のいずれかに記載の移動センサ。
【請求項6】
第1の磁性部材と、第2の磁性部材とが高さ方向に間隔を空けて対向するとともに、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材は、前記高さ方向の真上から見たときに、前記第1の磁性部材の幅寸法の中心を通る第1の中心線と、前記第2の磁性部材の幅寸法の中心を通る第2の中心線とが途中で交差すると共に、前記第1の中心線と前記第2の中心線とが交差点から一端部方向、及び交差点から他端部方向に向けて互いに幅方向に離れていく形状にて形成され、前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材のうち少なくとも一方が前記磁石で形成されており、
前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材間の空間内には、一方の磁性部材の対向面から他方の磁性部材の対向面に向けて発生する外部磁界の方向が、前記第1の磁性部材及び第2の磁性部材の一端部側から他端部側に向けて、徐々に回転変位する回転磁場領域が形成され、前記磁気抵抗効果素子は、前記積層構造の積層界面が、前記磁性部材の前記磁気抵抗効果素子との対向面に対して直交する方向に向けられるとともに、前記一端部側から前記他端部側に向けて、前記回転磁場領域内を通るように相対移動する請求項1ないし4のいずれかに記載の移動センサ。
【請求項7】
前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材の各対向面は帯形状で、前記高さ方向の真上から見たときにX字状に交差しており、前記磁気抵抗効果素子は、前記高さ方向の真上から見たときに、前記第1の磁性部材の第1の中心線と前記第2の磁性部材の第2の中心線間の幅方向の中心を直線状に相対移動する請求項6記載の移動センサ。
【請求項8】
前記第1の磁性部材及び前記第2の磁性部材は共に磁石で形成され、前記第1の磁性部材の対向面、及び前記第2の磁性部材の対向面が異極に着磁されている請求項6又は7に記載の移動センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−19552(P2010−19552A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298623(P2006−298623)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】