説明

経路探索装置

【課題】二酸化炭素排出量をより精度良く算出する。
【解決手段】外部メモリ17に記憶された各区間の両端の高低差を表す情報に基づいて各区間の道路勾配状況に応じた係数bを算出し、当該係数bを区間毎の距離Dに乗算して区間毎の距離に応じて変化する二酸化炭素排出量b・Ec・Dを特定する。また、区間毎の走行時間Tに応じて変化する二酸化炭素排出量a・Tと区間毎の停止回数に応じて変化する指標AEEに基づく二酸化炭素排出量c・Ec・AEEを特定する。特定した各二酸化炭素排出量を合計して区間毎の二酸化炭素排出量を算出し(S206)、出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量が最小となる経路を探索する(S206)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地に至る経路を探索する経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リンク毎の走行時間と地図情報と温室効果ガス計測装置の計測データを用いて指標となる各リンク毎の二酸化炭素排出量データを算出してデータ記憶部に記録し、算出した二酸化炭素排出量データと地図情報に基づいて温室効果ガス排出量が最小となる出発地−目的地間の経路を探索し、探索して経路を表示部に表示する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、車両の走行に伴って排出される二酸化炭素量を推定する技術として、走行時間T、走行距離D、加速エネルギーAEEを用いて、リンク毎の燃料消費量Q=0.3T+0.028D+0.056AEEを算出し、この燃料消費量Qからリンク毎の二酸化炭素排出量を推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−030823号公報
【非特許文献1】土木学会論文集(No.695/IV-54,125-136,2002.1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置は、交通情報を受信して得られた各リンクの走行時間と、地図情報より取得した各リンクの距離から各リンクの旅行速度を算出し、この各リンクの旅行速度から各リンクの二酸化炭素排出量を算出するようになっており、走行時間や走行距離等の影響等が考慮されていないため、二酸化炭素排出量の算出精度がよくないといった問題がある。
【0005】
そこで、非特許文献1に記載された上記算出式を用いることでリンク毎の二酸化炭素排出量を定量的に算出することが可能であるが、この計算式では、道路勾配による影響が考慮されていないので、二酸化炭素排出量の算出精度が十分でないといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、二酸化炭素排出量をより精度良く算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、車両の内燃機関から排出される二酸化炭素排出量を、出発地から目的地に至る各区間毎に算出する二酸化炭素排出量算出手段と、二酸化炭素排出量算出手段により算出された各区間の二酸化炭素排出量に基づいて出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量が最小となる二酸化炭素最小経路を探索する二酸化炭素最小経路探索手段と、を備えた経路探索装置であって、各区間の両端の高低差を表す情報を記憶する記憶手段を備え、二酸化炭素排出量算出手段は、記憶媒体に記憶された各区間の両端の高低差に基づいて各区間の道路勾配状況に応じた係数を特定し、当該係数を区間毎の距離に乗算して区間毎の距離に応じて変化する二酸化炭素排出量を特定するとともに区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量および区間毎の停止回数に応じて変化する指標に基づく二酸化炭素排出量を個別に特定し、該特定した各二酸化炭素排出量を合計して区間毎の二酸化炭素排出量を算出することである。
【0008】
このような構成では、記憶媒体に記憶された各区間の両端の高低差に基づいて各区間の道路勾配状況に応じた係数を算出し、当該係数を区間毎の距離に乗算して区間毎の距離に応じて変化する二酸化炭素排出量を特定するとともに区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量および区間毎の停止回数に応じて変化する指標に基づく二酸化炭素排出量を個別に特定し、該特定した各二酸化炭素排出量を合計して区間毎の二酸化炭素排出量が算出される。すなわち、高低差による影響を反映させて定量的に二酸化炭素排出量が算出されるので、二酸化炭素排出量をより精度良く算出することができる。
【0009】
また、本発明の第2の特徴は、二酸化炭素排出量算出手段は、各区間の両端の高低差から道路勾配が平坦であると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をgとして、係数b=μmgを算出することである。
【0010】
このように、各区間の両端の高低差から道路勾配が平坦であると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をgとして、係数b=μmgを算出することができる。
【0011】
また、本発明の第3の特徴は、二酸化炭素排出量算出手段は、各区間の両端の高低差から道路勾配が上りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))+H)を算出することである。
【0012】
このように、各区間の両端の高低差から道路勾配が上りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))+H)を算出することができる。
【0013】
また、本発明の第4の特徴は、二酸化炭素排出量算出手段は、各区間の両端の高低差から道路勾配が下りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の水平距離をL、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、μmgL≧mgHの場合には、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))−H)を算出し、μmgL<mgHの場合には、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=0とすることである。
【0014】
このように、各区間の両端の高低差から道路勾配が下りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の水平距離をL、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、μmgL≧mgHの場合には、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))−H)を算出し、μmgL<mgHの場合には、各区間の道路勾配状況に応じた係数b=0とすることができる。
【0015】
また、本発明の第5の特徴は、二酸化炭素排出量算出手段は、車両の内燃機関の排気量および車両の燃料種別により特定される係数を区間毎の走行時間に乗算して区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量を算出することである。
【0016】
このように、車両の内燃機関の排気量および車両の燃料種別により特定される係数を区間毎の走行時間に乗算して区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量を算出することができる。
【0017】
また、本発明の第6の特徴は、二酸化炭素排出量と異なる評価値を用いて出発地から目的地までの総評価値が最小となる経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された経路に対して、出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量を算出する総二酸化炭素排出量算出手段と、総二酸化炭素排出量算出手段により経路に対した算出された総二酸化炭素排出量と二酸化炭素最小経路の総二酸化炭素排出量とを比較する二酸化炭素排出量比較画面を表示する二酸化炭素排出量比較画面表示手段と、を備えたことである。
【0018】
ここで、二酸化炭素排出量と異なる評価値を用いて出発地から目的地までの総評価値が最小となる経路を探索する経路探索手段は、所要時間が最小となる時間優先ルート探索処理、所要距離が最小となる距離優先ルート探索処理、一般道路を優先的に探索する一般道優先ルート探索処理、高速道路を優先的に探索する高速道優先ルート探索処理等である。
【0019】
このような構成では、二酸化炭素排出量と異なる評価値を用いて出発地から目的地までの総評価値が最小となる経路を探索する経路探索手段により探索された経路に対して、出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量を算出する総二酸化炭素排出量算出手段と、総二酸化炭素排出量算出手段により経路に対して算出された総二酸化炭素排出量と二酸化炭素最小経路の総二酸化炭素排出量とを比較する二酸化炭素排出量比較画面が表示されるので、探索された各経路の二酸化炭素排出量を容易に比較することができる。
【0020】
また、本発明の第7の特徴は、出発地から目的地までの所要時間が最小となる時間優先経路を探索する時間優先経路探索手段と、二酸化炭素最小経路探索手段により探索された二酸化炭素最小経路に対して出発地から目的地に至る所要時間を算出する所要時間算出手段と、所要時間算出手段により二酸化炭素最小経路に対して算出された出発地から目的地に至る所要時間と時間優先経路の出発地から目的地に至る所要時間を比較する所要時間比較画面を表示する所要時間比較画面表示手段と、を備えたことである。
【0021】
このような構成では、二酸化炭素最小経路に対して算出された出発地から目的地に至る所要時間と時間優先経路の出発地から目的地に至る所要時間を比較する所要時間比較画面が表示されるので、所要時間比較画面により各経路の所要時間を容易に比較することができる。
【0022】
また、本発明の第8の特徴は、出発地から目的地までの所要距離が最小となる距離優先経路を探索する距離優先経路探索手段と、二酸化炭素最小経路探索手段により探索された二酸化炭素最小経路に対して出発地から目的地に至る所要距離を算出する所要距離算出手段を備え、所要距離算出手段により算出された二酸化炭素最小経路の出発地から目的地に至る所要距離と距離優先経路探索手段により探索された距離優先経路の出発地から目的地までの所要距離とを比較する所要距離比較画面を表示する所要距離比較画面表示手段と、を備えたことである。
【0023】
このような構成では、二酸化炭素最小経路の出発地から目的地に至る所要距離と距離優先経路の出発地から目的地までの所要距離とを比較する所要距離比較画面が表示されるので、所要距離比較画面により各経路の所要距離を容易に比較することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係る経路探索装置の構成を図1に示す。本実施形態に係る経路探索装置は、ナビゲーション装置1として構成されている。
【0025】
本ナビゲーション装置1は、位置検出器10、地図データ入力器15、操作スイッチ群16、外部メモリ17、表示装置18、リモコンセンサ19、送受信機20および制御回路21を備えている。
【0026】
位置検出器10は、いずれも周知の地磁気センサ11、ジャイロスコープ12、距離センサ13、GPS受信機14等を備え、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路21に出力する。
【0027】
地図データ入力器15は、地図データを記憶したハードディスクドライブ(HDD)等の不揮発性の記憶媒体およびこの記憶媒体に対してデータの読み出しおよび書き込みを行う装置から成る。
【0028】
地図データには、各リンクの距離、道路種別、車線数、信号機の位置等を表す道路データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、所在位置、施設種類等を示す施設データ等が含まれる。
【0029】
操作スイッチ群16は、表示装置18のディスプレイの周囲等に設けられたメカニカルスイッチ、表示装置18のディスプレイの前面に重ねて設けられたタッチスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチへの操作に応じた信号を制御回路21へ出力する。
【0030】
外部メモリ17は、後述する制御回路21に設けられたRAMやROMとは別に設けられたメモリであり、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体によって構成されている。
【0031】
本実施形態における外部メモリ17には、二酸化炭素排出量の算出に必要な各種パラメータがエコマップとして記憶されている。二酸化炭素排出量の算出に必要な各種パラメータには、各リンクの始点と終点の高低差を表す情報、車両重量、燃料タイプ等がある。
【0032】
表示装置18は、液晶等のディスプレイを有し、制御回路21から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0033】
リモコンセンサ19は、ユーザの操作に基づいて赤外線等による無線信号を送信するリモコン19aから受信した信号を制御回路21へ出力する。
【0034】
送受信機18は、VICSセンタ3とデータの送受信を行うための装置である。VICSセンタ3は、図示しないプローブカーの走行に伴って収集されたプローブ情報(走行中のリンク情報、リンク毎の走行時間等)を受信して格納するデータベースを有しており、このデータベースに格納されたプローブ情報から得られる交通情報(渋滞情報、リンク毎の走行時間等)を路側に設けられた路側機を介して走行車両に提供する。なお、渋滞情報は、リンクに対応付けて順調、混雑、渋滞の3段階で提供される。
【0035】
制御回路21は、送受信機18を介してVICSセンタ3から提供される交通情報を受信すると、受信した交通情報を外部メモリ17に記憶するようになっている。
【0036】
制御回路21は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各所処理を実施する。制御回路21の処理としては、位置検出器10から入力される車両の現在位置や向きを特定するための情報に基づいて現在位置や車両の向きを特定する現在位置特定処理、自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねて表示装置18のディスプレイに表示させる地図表示処理、ユーザの操作に応じて目的地を検索する目的地検索処理、出発地から目的地に至る案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う経路案内処理等がある。
【0037】
また、本ナビゲーション装置は、経路探索処理において、出発地から目的地までの所要時間が最小となる時間優先ルートを探索する時間優先ルート探索処理、出発地から目的地までの所要距離が最小となる距離優先ルートを探索する距離優先ルート探索処理および出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量が最小となる二酸化炭素排出量優先ルートを探索する二酸化炭素排出量優先ルート探索処理を実施し、ユーザの選択操作に応じて好みのルートを表示装置18のディスプレイに表示させることが可能となっている。
【0038】
図2に、この経路探索処理のフローチャートを示す。制御回路21は、目的地検索処理によって目的地が検索され、ユーザの操作に応じてこの目的地に至る経路の探索を指示する信号が入力されると、図2に示す処理を実施する。
【0039】
まず、目的地を特定し(S100)、次に、表示順序の設定を行う(S102)。この表示順序の設定は、後述するS500において、時間優先ルート、距離優先ルートおよび二酸化炭素排出量優先ルートの中から地図上に優先的に表示させるルートを決定するための処理である。本実施形態では、二酸化炭素排出量優先ルート、距離優先ルート、時間優先ルートの順に表示順序が設定されている。なお、この表示順序は、ユーザの操作に応じて変更することも可能となっている。
【0040】
次に、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)探索処理を実施する(S200)。この二酸化炭素排出量優先ルート探索処理の詳細なフローチャートを図3に示す。この処理では、まず、渋滞情報を取得する(S202)。具体的には、外部メモリ17から渋滞情報を読み出す。
【0041】
次に、リンク毎のコストを算出する(S204)。具体的には、出発地から目的地に至る各リンクの燃料消費量を算出し、この燃料消費量に変換係数を乗算して二酸化炭素排出量を算出する。ここで、燃料消費量を算出について説明する。
【0042】
各リンクの燃料消費量Qは、車両のエンジン排気量および燃料タイプに応じて決定される係数a、リンクの走行時間T、リンクの始点と終点の高低差等に応じて決定される係数b、リンクの距離D、車両重量に応じて決定される係数cおよび道路種別、車線数、信号機の数等に応じて決定される加速エネルギーAEEを用いて、数式1を用いて算出することができる。
【0043】
(数1)
Q=aT+bD+cAEE
この数式1において、第1項はアイドリング状態で消費される燃料消費量、第2項は一定速走行時に消費される燃料消費量、第3項は停止状態から走行状態になるときの加速等によって消費される燃料消費量を表している。数式1に示されるように、第1項〜3項を合計することにより燃料消費量Qを定量的に算出することができる。
【0044】
本実施形態では、係数a、係数cを定数とし、走行道路の高低差による二酸化炭素消費量の影響を反映させるために係数bを変数として燃料消費量Qを算出する。
【0045】
第1項のaTは、リンクの距離D、平均車速vを用いて、aT=aD/vとして算出することができる。係数aは、車両の内燃機関の排気量および車両の燃料種別に応じて決定される。ナビゲーション装置1の取り付け時に作業者により車両の内燃機関の排気量および車両の燃料種別の入力操作が行われると、車両の内燃機関の排気量および車両の燃料種別が外部メモリ17に記憶されるようになっており、制御回路21は、この外部メモリ17に記憶された情報に基づいて係数aを決定する。本実施形態では、係数a=0.25として説明する。また、本実施形態では、交通の流れが順調なリンクについては平均速度vを時速25キロメートル(秒速6.9メートル)、混雑中のリンクについては平均速度vを時速15キロメートル(秒速4.2メートル)、渋滞中のリンクについては平均速度vを時速5キロメートル(秒速1.4メートル)に設定してaTの算出を行う。
【0046】
数式1の第2項の係数bの算出は、リンクの勾配に応じて(1)平坦、(2)上り、(3)下りの3つの場合に分類して行う。
【0047】
(1)平坦な場合、摩擦係数μ、車両重量m、重力加速度gを用いて、係数b=μmgとして算出される。
【0048】
(2)上りの場合、図4に示すように距離Dを区間長としたときの水平成分をL、区間の高低差をHとすると、μmgcosθ+mgsinθ=bの関係からμmgL+mgH=bDが成り立つ。ここで、L=Dcosθとすると、b=(mg/D)・(μDcosθ+H)となる。また、sinθ=H/Dの関係から、cosθ=√(1−(H/D))が得られる。したがって、係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))+H)として算出することができる。
【0049】
(3)下りの場合、更に(3−1)μmgL≧mgHの場合と(3−2)μmgL<mgHの場合に分類される。
【0050】
(3−1)μmgL≧mgHの場合、mg(μL−H)=bDの関係が成り立つ。ここで、L=Dcosθとすると、係数b=(mg/D)・(μDcosθ−H)となる。また、上記したように、cosθ=√(1−(H/D))の関係から、係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))−H)として算出することができる。
【0051】
(3−2)μmgL<mgHの場合、係数b=0とする。
【0052】
上記したようにリンクの勾配に応じて係数bを算出し、この係数bをリンクの距離Dに乗算して、数式1の第2項を算出する。なお、リンクの距離Dは地図データから取得することができ、リンクの高低差Hは、外部メモリ17に記憶された各リンクの始点と終点の高低差を表す情報から特定することができる。また、摩擦係数μは、上りの場合と下りの場合とで異なるが、本実施形態では、摩擦係数μ=0.01として係数bを算出するようにしている。なお、上りの場合と下りの場合とで摩擦係数μを異ならせて係数bを算出してもよい。
【0053】
数式1の第3項のAEEは、停止回数に応じて変化する指標である。リンクにおける平均速度をvとした場合、cAEE=(1/2)mvとして算出することができる。ただし、実際には、1ccの燃料から得られるエネルギーは約8200Jであるため、cAEE=(1/2)mv/8200として算出する。また、本実施形態では、係数c=(1/2)m、交通の流れが順調なリンクについては平均速度vを時速25キロメートル(秒速6.9メートル)、混雑中のリンクについては平均速度vを時速15キロメートル(秒速4.2メートル)、渋滞中のリンクについては平均速度vを時速5キロメートル(秒速1.4メートル)に設定してcAEEの算出を行う。
【0054】
図3の説明に戻り、次のS206では、出発地から目的地までの総二酸化炭素(CO)排出量が最小となる二酸化炭素排出量優先ルートを探索する。二酸化炭素排出量は、燃料消費量に比例するため、各リンクの二酸化炭素排出量Eは、変換係数をEcとして、数式2を用いて算出することができる。
【0055】
(数2)
E=Ec・Q=Ec・(aT+bD+cAEE)
数式2を用いて各リンクの二酸化炭素(CO)排出量を算出し、各リンクの二酸化炭素(CO)排出量を合計することにより出発地から目的地までの総二酸化炭素(CO)排出量を求めることができる。
【0056】
ここで、図5(a)、(b)および図6を参照して、現在地を出発地として目的地までの各リンクの燃料消費量を算出する例について説明する。図5(a)中には、各リンクの(リンク番号,距離D、高低差H)および混雑状況が示されている。例えば、図中の(1,120,8)は、リンク番号が1、リンクの距離が120メートル、リンクの両端の高低差が8メートルであることを示している。図中に示されている各リンクの(リンク番号,距離D,高低差H)および混雑状況から数式1を用いて各リンクの燃料消費量Qを算出する。
【0057】
図6に、数式1を用いて各リンクの燃料消費量Qを算出した例を示す。ただし、図6の算出例では、μ=0.01、c=(1/2)m、m=1500、AEE=100として、すなわち、cAEE=(1/2)・1500・100/8200=9.146341として算出されている。
【0058】
また、例えば、リンク1のaTは、aT=aD/v=21.42857として算出され、リンク1のbDは、上りの場合の係数bの算出式を用いて、bD=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))+H)D=16.4879として算出されている。
【0059】
上記したように、各リンクの燃料消費量Qを算出し、この各リンクの燃料消費量Qを用いて、出発地から目的地までの総燃料消費量Qが最小となる経路を特定する。
【0060】
図5(b)には、各リンクの燃料消費量が示されている。例えば、リンク1の燃料消費量Qは47.1cc、リンク2の燃料消費量Qは15.3ccとなっている。各リンクを組み合わせて出発地から目的地までの総燃料消費量が最小となる経路を特定する。この例では、リンク2、3、7、8を通るルート(図中、太線で示す)が二酸化炭素排出量優先ルートとして特定されている。
【0061】
図2の説明に戻り、S200の二酸化炭素排出量優先ルート探索処理が終了すると、次に、S300の時間優先ルート探索処理を実施する。
【0062】
図7に、この時間優先ルート探索処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、渋滞情報を取得し(S302)、次に、リンク毎のコストを算出する(S304)。具体的には、出発地から目的地に至る各リンクの経路コストを算出する。この時間優先ルート探索処理における経路コストの算出は、周知の技術であり、例えば、各リンクの旅行時間にノードコストを加算して求めることができる。
【0063】
次に、総所要時間が最小となる経路を特定する(S306)。具体的には、ダイクストラ法等の手法を用いて出発地から目的地までの総所要時間が最小となる時間優先ルートを探索し、本処理を終了する。
【0064】
図2に示したように、S300の時間優先ルート探索処理が終了すると、次に、S400の距離優先ルート探索処理を実施する。
【0065】
図8に、距離優先ルート探索処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、リンク毎のコストを算出する(S402)。具体的には、出発地から目的地に至る各リンクの経路コストを算出する。この経路コストの算出も、周知の技術であり、例えば、リンク長×道路幅員係数×道路種別係数+信号機の存在する数として算出することができる。
【0066】
次に、総所要距離が最小となる経路を特定する(S404)。具体的には、ダイクストラ法等の手法を用いて出発地から目的地までの総所要距離が最小となる距離優先ルートを探索し、本処理を終了する。
【0067】
図2に示したように、S400の距離優先ルート探索処理が終了すると、次に、探索されたルートを表示する(S500)。図9に、表示装置18のディスプレイの表示例を示す。S102の表示順序の設定により、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)A、距離優先ルートB、時間優先ルートCの順に表示順序が設定されており、表示順序の最も高い二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)Aが地図上に重ねて表示されている。
【0068】
また、画面左上部には、優先ルートの表示を指定するための指示部が選択的に表示されており、ユーザのタッチパネル、リモコン19aの操作により所望の指示部が選択操作されると、選択操作された優先ルートの表示に切り替わるようになっている。
【0069】
このように、優先ルートが表示されると、本処理を終了する。なお、この処理が終了した後、表示された優先ルートに従って走行案内が開始される。
【0070】
また、本実施形態における制御回路21は、図9に示したような二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)Aが表示された状態で、二酸化炭素排出量の比較画面の表示を指示する指示部(図示せず)が選択操作されると、二酸化炭素排出量の比較画面を表示する二酸化炭素排出量比較画面表示処理を実施するようになっている。
【0071】
図10に、この二酸化炭素排出量比較画面表示処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)、時間優先ルート、距離優先ルートの各ルートに対して総二酸化炭素排出量を算出する(S600)。各ルートに対する総二酸化炭素排出量は、図4のS204、S206で示したように、数式1、2を用いて算出することができる。
【0072】
次に、二酸化炭素排出量の比較画面を表示する(S602)。図11に、二酸化炭素排出量の比較画面の表示例を示す。図に示すように、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)A、距離優先ルートB、時間優先ルートCの各二酸化炭素排出量をグラフ化した比較画面が表示装置18のディスプレイに表示される。このように比較画面を表示すると、本処理を終了する。
【0073】
また、本実施形態における制御回路21は、図2に示した経路探索処理により、時間優先ルートが表示された状態で、所要時間の比較画面の表示を指示する指示部(図示せず)が選択操作されると、所要時間の比較画面を表示する所要時間比較画面表示処理を実施するようになっている。
【0074】
図12に、この所要時間比較画面表示処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)、時間優先ルート、距離優先ルートの各ルートに対して総所要時間を算出する(S700)。各ルートに対する総所要時間は、図7のS304、S306と同様の方法で算出することができる。
【0075】
次に、所要時間の比較画面を表示する(S702)。図13に、所要時間の比較画面の表示例を示す。図に示すように、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)A、距離優先ルートB、時間優先ルートCの各所要時間をグラフ化した比較画面が表示装置18のディスプレイに表示される。このように比較画面を表示すると、本処理を終了する。
【0076】
また、本実施形態における制御回路21は、図2に示した経路探索処理により、距離優先ルートが表示された状態で、所要距離の比較画面の表示を指示する指示部(図示せず)が選択操作されると、所要距離の比較画面を表示する所要距離比較画面表示処理を実施するようになっている。
【0077】
図14に、この所要距離比較画面表示処理のフローチャートを示す。この処理では、まず、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)、時間優先ルート、距離優先ルートの各ルートに対して総所要距離を算出する(S800)。各ルートに対する総所要時間は、図8のS402、S404と同様の方法で算出することができる。
【0078】
次に、所要距離の比較画面を表示する(S802)。図15に、所要距離の比較画面の表示例を示す。図に示すように、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)A、距離優先ルートB、時間優先ルートCの各所要時間をグラフ化した比較画面が表示装置18のディスプレイに表示される。このように比較画面を表示すると、本処理を終了する。
【0079】
上記した構成によれば、外部メモリ17に記憶された各区間の両端の高低差に基づいて各区間の道路勾配状況に応じた係数を算出し、当該係数を区間毎の距離に乗算して区間毎の距離に応じて変化する二酸化炭素排出量を算出するとともに区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量および区間毎の停止回数に応じて変化する指標に基づく二酸化炭素排出量を個別に特定し、該特定した各二酸化炭素排出量を合計して区間毎の二酸化炭素排出量が算出される。すなわち、高低差による影響を反映させて定量的に二酸化炭素排出量が算出されるので、二酸化炭素排出量をより精度良く算出することができる。
【0080】
また、所要時間が最小となる時間優先ルート探索処理、所要距離が最小となる距離優先ルート探索処理等、二酸化炭素排出量と異なる評価値を用いて出発地から目的地までの総評価値が最小となる経路を探索し、探索された各経路に対して、出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量を算出し、算出した総二酸化炭素排出量と二酸化炭素最小経路の総二酸化炭素排出量とを比較する二酸化炭素排出量比較画面が表示されるので、探索された各経路の二酸化炭素排出量を容易に比較することができる。
【0081】
また、二酸化炭素最小経路に対して算出された出発地から目的地に至る所要時間と時間優先経路の出発地から目的地に至る所要時間を比較する所要時間比較画面が表示されるので、所要時間比較画面により各経路の所要時間を容易に比較することができる。
【0082】
また、二酸化炭素最小経路の出発地から目的地に至る所要距離と距離優先経路の出発地から目的地までの所要距離とを比較する所要距離比較画面が表示されるので、所要距離比較画面により各経路の所要距離を容易に比較することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0084】
例えば、上記実施形態では、リンクにおける平均速度をvとしてcAEEを算出する例を示したが、平均速度vはリンク内の停止回数により変化するため、例えば、信号機の数が多いリンクでは信号機の数が少ないリンクよりも平均速度を低く設定してcAEEを算出してもよい。また、例えば、片側1車線の道路を走行している場合には、前方に低速走行している車両があると信号等で停止する回数が多くなるのに対し、片側2車線以上の道路を走行する場合には、車線を変更して低速走行している車両の影響を受けることなく走行することが可能であるため、信号等で停止する回数が比較的少なくなる。したがって、1車線のリンクでは複数車線のリンクよりも平均速度を大きく設定してcAEEを算出してもよい。また、信号機の1サイクル当たりの通行許可時間(サイクルのうちの赤以外の時間)の時間配分を表すスプリットが長い程、平均速度を低く設定してcAEEを算出するようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、各リンクの燃料消費量を算出した後、各リンクの燃料消費量に変換係数Ecを乗算して各リンクの二酸化炭素排出量を算出し、各リンクの二酸化炭素排出量を合計して出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量を算出する例を示したが、例えば、各リンクの燃料消費量を算出した後、各リンクの燃料消費量を合計して出発地から目的地までの総燃料消費量を算出し、総燃料消費量に変換係数Ecを乗算して総二酸化炭素排出量を算出するようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、出発地から目的地までの二酸化炭素排出量が最小となる経路を二酸化炭素排出量優先ルートとして探索する例を示したが、出発地から目的地までの総燃料消費量が最小となる経路を二酸化炭素排出量優先ルートとして探索してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、外部メモリ17に各リンクの両端の高低差Hを記憶しておき、燃料消費量Qを算出する際に、この外部メモリ17に記憶された各リンクの両端の高低差Hに基づいて係数bを算出する例を示したが、このような例に限定されるものではなく、例えば、外部メモリ17に各リンクの両端の標高情報を記憶しておき、燃料消費量Qを算出する際に、この外部メモリ17に記憶された各リンクの両端の標高情報に基づいて係数bを算出するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、図10に示した二酸化炭素排出量比較画面表示処理、図12に示した所要時間比較画面表示処理、図14に示した所要距離比較画面表示処理において、二酸化炭素排出量優先ルート(CO優先ルート)と時間優先ルート、距離優先ルートを比較する画面を表示する例を示したが、このような例に限定されるものではなく、例えば、一般道路を優先して走行する一般道優先ルートを探索する一般道優先ルート探索処理、高速道路を優先して走行する一般道優先ルートを探索する高速道優先ルート探索処理、別ルートを探索する別ルート探索処理等によって探索された各経路と比較する画面を表示するようにしてもよい。
【0089】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S204が二酸化炭素排出量算出手段に相当し、S206が二酸化炭素最小経路探索手段に相当し、外部メモリ17が記憶手段に相当し、時間優先ルート探索処理、距離優先ルート探索処理、一般道優先ルート探索処理、高速道優先ルート探索処理等が経路探索手段に相当し、S600が総二酸化炭素排出量算出手段に相当し、S602が二酸化炭素排出量比較画面表示手段に相当し、時間優先ルート探索処理が時間優先経路探索手段に相当し、S700が所要時間算出手段に相当し、S702が所要時間比較画面表示手段に相当し、距離優先ルート探索処理が距離優先経路探索手段に相当し、S800が所要距離算出手段に相当し、S802が所要距離比較画面表示手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る経路探索装置の構成を示す図である。
【図2】経路探索処理のフローチャートである。
【図3】二酸化炭素排出量優先ルート探索処理のフローチャートである。
【図4】距離Dと高低差Hの関係について説明するための図である。
【図5】現在地を出発地として目的地までの各リンクの燃料消費量を算出する例について説明するための図である。
【図6】各リンクの燃料消費量の算出例について説明するための図表である。
【図7】時間優先ルート探索処理のフローチャートである。
【図8】距離優先ルート探索処理のフローチャートである。
【図9】距離優先ルート探索処理により探索されたルートの表示例を示す図である。
【図10】二酸化炭素排出量比較画面表示処理のフローチャートである。
【図11】二酸化炭素排出量の比較画面の表示例を示す図である。
【図12】所要時間比較画面表示処理のフローチャートである。
【図13】所要時間の比較画面の表示例を示す図である。
【図14】所要距離比較画面表示処理のフローチャートである。
【図15】所要距離の比較画面の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1…ナビゲーション装置、3…VICSセンタ、10…位置検出器、
11…地磁気センサ、12…ジャイロスコープ、13…距離センサ、
14…GPS受信機、15…地図データ入力器、16…操作スイッチ群、
17…外部メモリ、18…表示装置、19…リモコンセンサ、19a…リモコン、
20…送受信機、21…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内燃機関から排出される二酸化炭素排出量を、出発地から目的地に至る各区間毎に算出する二酸化炭素排出量算出手段と、
前記二酸化炭素排出量算出手段により算出された各区間の二酸化炭素排出量に基づいて前記出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量が最小となる二酸化炭素最小経路を探索する二酸化炭素最小経路探索手段と、を備えた経路探索装置であって、
前記各区間の両端の高低差を表す情報を記憶する記憶手段を備え、
前記二酸化炭素排出量算出手段は、前記記憶媒体に記憶された前記各区間の両端の高低差に基づいて前記各区間の道路勾配状況に応じた係数を算出し、当該係数を前記区間毎の距離に乗算して前記区間毎の距離に応じて変化する二酸化炭素排出量を特定するとともに前記区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量および前記区間毎の停止回数に応じて変化する指標に基づく二酸化炭素排出量を個別に特定し、該特定した各二酸化炭素排出量を合計して前記区間毎の二酸化炭素排出量を算出することを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記二酸化炭素排出量算出手段は、前記各区間の両端の高低差から前記道路勾配が平坦であると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をgとして、係数b=μmgを算出することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記二酸化炭素排出量算出手段は、前記各区間の両端の高低差から道路勾配が上りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、前記各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))+H)を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記二酸化炭素排出量算出手段は、前記各区間の両端の高低差から道路勾配が下りであると判定した場合、摩擦係数をμ、車両重量をm、重力加速度をg、区間の水平距離をL、区間の距離をD、区間の高低差をHとして、μmgL≧mgHの場合には、前記各区間の道路勾配状況に応じた係数b=(mg/D)・(μD√(1−(H/D))−H)を算出し、μmgL<mgHの場合には、前記各区間の道路勾配状況に応じた係数b=0とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記二酸化炭素排出量算出手段は、前記車両の内燃機関の排気量および前記車両の燃料種別により特定される係数を前記区間毎の走行時間に乗算して前記区間毎の走行時間に応じて変化する二酸化炭素排出量を算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記二酸化炭素排出量と異なる評価値を用いて出発地から目的地までの総評価値が最小となる経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された前記経路に対して、出発地から目的地までの総二酸化炭素排出量を算出する総二酸化炭素排出量算出手段と、
前記総二酸化炭素排出量算出手段により前記経路に対して算出された前記総二酸化炭素排出量と前記二酸化炭素最小経路の総二酸化炭素排出量とを比較する二酸化炭素排出量比較画面を表示する二酸化炭素排出量比較画面表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項7】
出発地から目的地までの所要時間が最小となる時間優先経路を探索する時間優先経路探索手段と、
前記二酸化炭素最小経路探索手段により探索された前記二酸化炭素最小経路に対して出発地から目的地に至る所要時間を算出する所要時間算出手段と、
前記所要時間算出手段により前記二酸化炭素最小経路に対して算出された出発地から目的地に至る所要時間と前記時間優先経路の出発地から目的地に至る所要時間を比較する所要時間比較画面を表示する所要時間比較画面表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の経路探索装置。
【請求項8】
出発地から目的地までの所要距離が最小となる距離優先経路を探索する距離優先経路探索手段と、
前記二酸化炭素最小経路探索手段により探索された前記二酸化炭素最小経路に対して出発地から目的地に至る所要距離を算出する所要距離算出手段を備え、
前記所要距離算出手段により算出された前記二酸化炭素最小経路の出発地から目的地に至る所要距離と前記距離優先経路探索手段により探索された前記距離優先経路の出発地から目的地までの所要距離とを比較する所要距離比較画面を表示する所要距離比較画面表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の経路探索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−79995(P2009−79995A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249192(P2007−249192)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】