説明

計測システムおよび計測方法

様々な計測システムおよび計測方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、発明の名称を「Multifunction Metrology System(多機能計測システム)」とする、2009年9月3日出願の米国特許出願第61/239,699号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、全般的には、計測システムおよび計測方法に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の説明および実施例は、本項に含まれることにより先行技術であると認められるものではない。
【0004】
計測プロセスは、半導体製作プロセスの様々な時点で、ウェハに対して実行され、ウェハ上のパターン構造の幅、ウェハ上に形成されたフィルムの厚さ、およびウェハの1つの層上のパターン構造の、そのウェハの別の層上のパターン構造に対する重ね合わせなどの、ウェハの様々な特性を判定する。光学限界寸法(CD)計測は、現在、分光スキャタロメトリまたは角度分解スキャタロメトリのいずれかを使用して実行される。光学重ね合わせ計測は、結像法またはスキャタロメトリに基づく方法(分光および角度分解の双方)のいずれかを使用して実行される。フィルムの計測は、分光エリプソメトリを使用して実行される。分光エリプソメトリの一例は、参照として全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,859,424号において説明されている。
【0005】
しかしながら、上述の現在使用されている計測方法は、数多くの不利点を有する。例えば、現在、光学CD計測方法は、より大きな回折格子標的サイズ(例えば、50マイクロメートル×50マイクロメートル)に制限される。同様に、スキャタロメトリに基づく重ね合わせ方法は、最小の回折格子セルサイズが15マイクロメートル×15マイクロメートルに制限される。旧来の方法の別の不利点は、スキャタロメトリに基づく重ね合わせ計測および結像に基づく重ね合わせ計測が、完全に別個のプラットフォーム上に実装されることである。
【0006】
したがって、上述の不利点のうちの1つ以上を有さない計測方法および計測システムを開発することが、有利であり得る。
【発明の概要】
【0007】
以下の様々な実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲の主題を限定するものとして、決して解釈されるべきではない。
【0008】
一実施形態は、計測システムに関する。この計測システムは、回折限界光ビームを生成するように構成されている光源を含む。この計測システムはまた、ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた位置における放射照度が、そのスポットの中心のピーク放射照度の10-6未満となる方式で照射光学装置の入射瞳内の光ビームを成形するように構成されているアポダイザーも含む。更には、この計測システムは、アポダイザーからの回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付け、かつ回折格子標的からの散乱光を収集するように構成されている光学素子を含む。この計測システムは、収集された散乱光の一部を排除するように構成される視野絞りを更に含む。この計測システムはまた、視野絞りを通過する散乱光を検出し、その検出された散乱光に応答して(対応する)出力を生成することにより、回折格子標的が、スキャタロメトリを使用する計測システムによって測定されるように構成されている検出器も含む。更には、この計測システムは、その出力を使用して、回折格子標的の特性を判定するように構成されているコンピュータシステムを含む。この計測システムは、本明細書で説明されるように更に構成することができる。
【0009】
別の実施形態は、計測方法に関する。この計測方法は、ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた位置における放射照度が、そのスポットの中心のピーク放射照度の10-6未満となる方式で照射光学装置の入射瞳内の回折限界光ビームを、成形することを含む。この計測方法はまた、回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付けることも含む。更には、この計測方法は、回折格子標的からの散乱光を収集することを含む。この計測方法は、回折格子標的から収集された散乱光の一部を排除することを更に含む。この方法はまた、収集された散乱光の一部の排除に続いて、散乱光を検出することも含む。更には、この方法は、検出された散乱光に応答する出力を生成することを含む。この方法は、その出力を使用して、回折格子標的の特性を判定することを更に含む。
【0010】
上述の方法の各工程は、本明細書で更に説明されるように実行することができる。上述の方法は、本明細書で説明される、いずれの他の方法の、いずれの他の工程をも含み得る。上述の方法は、本明細書で説明されるシステムの、いずれを使用しても実行することができる。
【0011】
本発明の更なる有利点が、以下の発明を実施するための形態により、また次の添付図面を参照して、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】計測システムの一実施形態の側面図を示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、様々な修正および代替形態が可能であるが、その特定の実施形態を、実施例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。図面は正確な縮尺ではない場合がある。しかしながら、図面およびその詳細な説明は、開示される具体的な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨および範囲内に含まれる、全ての修正、等価物、ならびに代替例を包含することにあると理解するべきである。
【0014】
ここで図面を参照すると、図は正確な縮尺で描かれていないことに留意されたい。具体的には、図の要素の一部の縮尺は、その要素の特性を強調するために大幅に誇張されている。
【0015】
一実施形態は、計測システムに関する。この計測システム(または「計測機器」)は、半導体デバイスの生産および関連用途での使用が意図される。本明細書で更に説明される様々な計測作業は、リソグラフィおよびエッチングなどの、半導体または関連デバイスの生産の様々な段階で実行することができる。一部の実施形態では、本明細書で説明される計測システムは、リソグラフィシステム、またはエッチングシステム、あるいは、何らかの方式でウェハを物理的、化学的、もしくは機械的に改変する任意の他のシステムなどの、半導体製造システム内に統合することができる。この計測システムは、半導体製造システムによってウェハに対して実行されるプロセスの工程中に、および/または半導体製造システムによってウェハに対して実行されるプロセスの工程の前に、工程の後に、もしくは工程の合間に、半導体製造システムからウェハを取り外すことなく(すなわち、ウェハが半導体製造システム内部に配置されている間に)、この計測システムがウェハを測定し、ウェハの特性を判定することができるように、半導体製造システム内に統合することができる。計測システムを半導体製造システム内に統合することができる方法の実施例が、参照として全体が本明細書に組み込まれる、共有の米国特許第6,891,627号(Levyら)で説明されている。
【0016】
図1は、計測システムの一実施形態を示す。この計測システムは、回折限界光ビームを生成するように構成される光源を含む。一実施形態では、この光源は、レーザーおよび単一モードファイバーを含む。この方式で、単一モードファイバーを通過するレーザーを供給源として使用することによって、照射ビームを生成することができる。例えば、図1に示すように、光源8は、レーザー10、および回折限界光ビーム14を生成する単一モードファイバー12を含み得る。そのような光源は、照射スポット(また恐らくは、回折限界照射スポット)を可能にし、この照射スポットは、本明細書で更に説明されるアポダイザーと共に、比較的小さい標的の計測を可能にする。光源は、1つの波長のみを有する光(すなわち、単色光)、多数の離散的波長を有する光(すなわち、多色光)、または多重波長を有する光(すなわち、広帯域光)を生成することができる。光源によって生成される光は、可視波長などの任意の好適な波長、または約190nm〜約900nmの任意の波長を有し得る。光源は、白色光源、紫外線(UV)光源、アーク灯、Energetiq Technology,Inc.(Wobum,Massachusetts)より市販のEQ−1000などのレーザー駆動光源、NKT Photonics Inc.(Morganville,New Jersey)より市販のKoheras Versaなどのスーパーコンティニュームレーザー(広帯域レーザー)、またはそれらの一部の組み合わせなどの、任意の他の好適な光源を含み得る。光源はまた、十分な輝度を有する光を提供するように構成することもでき、この輝度は、一部の場合では、約1W/(nm cm2 Sr)を超える輝度とすることができる。この計測システムはまた、光源に対する、そのパワーまたは波長を安定させるための、高速フィードバックも含み得る。光源に対するこの高速フィードバックは、本明細書で更に説明するように構成することができる。
【0017】
この計測システムはまた、照射光学装置の入射瞳内の光ビームを、ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた放射照度が、そのスポットの中心のピーク放射照度の10-6未満となる方式で成形するように構成されるアポダイザーも含む。例えば、図1に示すように、この計測システムは、光源によって生成される回折限界光ビームの経路内に配置される、アポダイザー16を含み得る。このアポダイザーは、計測システムの照射瞳内に配置することができる。アポダイゼーションとは、一般に、光学システムの入射瞳内の光分布を変更する(例えば、マスクを使用して、照射ビームの振幅および/または位相を変更する)ことにより、照射ビームの強度プロファイルを変化させることとして定義することができる。本発明の場合では、アポダイザーは、照射スポットの「すそ部(縁部)」(例えば、照射スポットの中心から1.5マイクロメートルを超える、照射スポットの部分)での放射照度を、ピーク放射照度の10-6未満に低減することにより、いわゆる信号汚染を低減するように構成される。本明細書で説明される計測システム内に、そのようなアポダイザーを含むことは、比較的小さい回折格子標的に対する計測を可能にし得る特徴の1つである。
【0018】
この計測システムは、アポダイザーからの光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付け、かつ回折格子標的からの散乱光を収集するように構成される光学素子を更に含む。例えば、図1に示す実施形態では、光学素子は、屈折光学素子18および屈折光学素子20、ビームスプリッター22、屈折光学素子24、ビームスプリッター26、開口絞り28を備える対物素子30、屈折光学素子36、ビームスプリッター38およびビームスプリッター40、ならびに屈折光学素子42を含み得る。屈折光学素子18、20、24、36、および屈折光学素子42は、屈折レンズなどの、当該技術分野において既知の、任意の好適な屈折光学素子を含み得る。更には、屈折光学素子18、20、24、36、および屈折光学素子42は、図1では、従来的な同一の記法を使用して、同一の方式で概略的に示されているが、屈折光学素子の全て、または一部を、同一に、もしくは異なるように構成することができる。更には、屈折光学素子18、20、24、36、および屈折光学素子42のそれぞれは、1つ以上の屈折光学素子を含み得る。
【0019】
屈折光学素子18は、光源8からの回折限界光ビームを、アポダイザー16へと方向付けるように構成される。屈折光学素子20は、アポダイザーからの光ビームを、ダイクロイックビームスプリッターを含み得るビームスプリッター22に通過させ、屈折光学素子24へと方向付けるように構成される。屈折光学素子24は、任意の好適なビームスプリッターを含み得るビームスプリッター26に、光ビームを方向付けるように構成される。ビームスプリッター26は、屈折光学素子24からの光ビームを、対物素子30へと反射するように構成され、この対物素子30は、回折限界光ビームを、ウェハ34上の回折格子標的(図示せず)上の照射スポット32に集束させるように構成される。対物素子30は、任意の好適な屈折光学素子および/または任意の好適な反射光学素子を含み得る。例えば、この対物素子は、参照として全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,309,276号(Rodgers)および同第6,801,358号(Shaferら)に記載されているもののような、全反射の設計または反射屈折の設計を有し得る。この対物素子はまた、約150nm〜約1000nmの波長用に設計することもできる。更には、この対物素子は、照射内に中心オブスキュレーションを有さないように設計することができる。
【0020】
この対物素子(または「対物レンズ」)は、比較的高い開口数(NA)の対物レンズ(例えば、約0.9以上の開口数を有する)とすることができ、このことにより、照射瞳の最適な選択(瞳領域の選択は本明細書では示さず)が可能になる。比較的高いNAの対物素子とは、その用語が本明細書で使用されるとき、一般に、対物素子の入射瞳の半径が、その対物素子の焦点距離に匹敵すること、または換言すれば、対物素子からウェハ上へと発せられる光線が、比較的大きい円錐角を充たすことを意味する。例えば、0.9のNAを有する対物素子は、0.9fの入射瞳半径を有し、ここでfは、レンズの焦点距離である。このことは、ウェハに当たる光線の最大円錐角が、逆正弦0.9=64度であることに相当する。それゆえ、比較的高いNAの対物レンズは、比較的大きい入射瞳を有する。この方式で、種々の部分(例えば、入射瞳の一部分のみ)を、照射のために使用することができる。換言すれば、入射瞳(本明細書では照射瞳として使用される)が比較的大きいという事実は、この瞳の副領域の選択的な照射を可能にし、この照射は、次いで、対物レンズのNA全体によって提供される最大照射円錐の、副円錐へと変換される。
【0021】
瞳領域の選択は、光源からの光を照射瞳の特定の部分のみへと方向付けるために使用可能な、任意の好適な光学素子を使用して実行することができる。例えば、光学素子(図示せず)を使用して光源を変調することにより、計測システムによって実行される測定のために使用する、照射瞳の部分を選択することができる。光を空間的に変調するために使用することができる好適な光学素子の例としては、Texas Instruments(Dallas,Texas)より入手可能であるような反射マイクロミラーアレイデバイス、Fraunhofer Institute(Dresden,Germany)より入手可能であるような回折マイクロミラーアレイデバイス、液晶デバイス(LCD)、回折光学素子、固定絞り、光の空間的変調を実行することができる任意の他の光学素子、またはそれらの一部の組み合わせが挙げられる。あるいは、計測システムによって実行される測定で使用するための光学素子(図示せず)を、照射瞳の一部分または諸部分のみを選択する代わりに、使用することができる。
【0022】
回折光学素子18および回折光学素子20、ビームスプリッター22、回折光学素子24、ビームスプリッター26、ならびに対物素子30は、それゆえ、光源からの光をウェハへと方向付けるように構成される(例えば、スキャタロメトリ測定のために)、この計測システムの照射サブシステム(または「照射光学装置」)を形成する。この方式で、照射サブシステムを、スキャタロメトリ測定のために使用することができ、また、円で囲まれて示され、参照番号46によって指示されるような、照射サブシステム内の回折限界光ビームは、ガウスビームとすることができる。例えば、この計測システムの光源は、ガウスビームを提供するように構成することができ、アポダイザーは、回折限界光ビームのガウス的性質を変更することはできない。
【0023】
対物素子30はまた、ウェハからの光を収集するように構成される。ウェハから収集される光には、散乱光が含まれる。しかしながら、ウェハから収集される光はまた、ウェハからの他の光(例えば、反射光)も含み得る。対物素子30は、収集された光を、ビームスプリッター26に通過させて、回折光学素子36へと方向付け、この回折光学素子36は、収集された光を、ビームスプリッター38およびビームスプリッター40に通過させて、回折光学素子42へと方向付ける。回折光学素子42は、収集された散乱光を、検出器44へと方向付けるように構成される。検出器44は、本明細書で更に説明されるように構成することができる。この方式で、対物素子30、ビームスプリッター26、回折光学素子36、ビームスプリッター38およびビームスプリッター40、回折光学素子42、ならびに検出器44は、この計測システムの検出サブシステムを形成する。この検出サブシステムは、本明細書で更に説明するように、スキャタロメトリ測定のために使用することができる。
【0024】
対物素子に関する光学収差の仕様は、本明細書で更に説明される、スキャタロメトリスポットサイズから導かれる。例えば、この計測システムの、角度分解スキャタロメトリの実装に関する対物レンズの設計および製作は、好ましくは、上述の、照射スポットのすそ部での実質的に低い放射照度を確実にするように実行される。この光学設計は、好ましくは、対物素子の光学表面のいずれかからウェハに反射して戻る、比較的強いウェハ反射から生じ得る、最小限の量のゴースト発生を確実にする。この設計はまた、好ましくは、レンズの縁部からの散乱、およびコヒーレンス効果を低減するための少なくとも1mmの空隙からの散乱を最小限に抑えるための、大型の開口も提供する。照射からの散乱は、好ましくは、光学表面上およびコーティング上の比較的低い表面粗度(典型的には、2乗平均平方根(RMS)で約0.1mm)ならびに比較的低い表面欠陥(ISO10110による5/1X0.040およびL1X0.006と同様の、傷および穿)を確実にすることによって、更に最小限に抑えられる。この計測システム内に含まれる開口および絞りは、好ましくは、ウェハ内への最小限の散乱のための、入念に製作された縁部を有し、対物レンズ組立品の内側機械的表面は、好ましくは、いずれの散乱光をも吸収するように、機械加工および処理される。光学素子は、好ましくは、その光学素子上の塵芥粒子の数を、顕著な散乱を引き起こすレベルよりも低く保持するために、清浄な環境内で洗浄されて組み立てられる。それゆえ、本明細書で説明される実施形態は、比較的低い迷光、およびそのことによる比較的低い残留放射照度を確実にするための、表面粗度、傷および穿、欠陥、ならびに清浄度に関しての、光学製作要件に関する仕様を有し得る。対物レンズに関する上述の考察と同様の考察は、好ましくは、この計測システム内に含まれる全ての光学素子に適用される。比較的低い迷光に関するそのような光学製作要件は、本明細書で説明される他のいずれの実施形態とも組み合わせることができる。
【0025】
一実施形態では、回折格子標的上の照射スポットは、3マイクロメートル未満の直径を有する。例えば、上述のように、残留放射照度は、回折格子標的からの、限界寸法(CD)および重ね合わせ計測に関するパフォーマンス基準として確立され、残留放射照度は、ウェハ上の照射スポットの中心からの半径1.5マイクロメートル外側における放射照度であり、残留放射照度限界は、照射スポットの中心での放射照度の10-6である。それゆえ、照射スポットは、約1.5マイクロメートルの半径、および、それゆえ約3マイクロメートル以下である直径を有し得る。
【0026】
別の実施形態では、この計測システムは、回折格子標的を横断して照射スポットを走査する間に、回折格子標的からの散乱光が収集されているように構成される。例えば、図1に示すように、この計測システムは、例えば、光源を横方向に移動させることにより、回折限界光ビームを移動させることによって、方向48で、回折限界光ビーム14を横方向に走査するように構成することができる。この方式で、計測システムは、回折格子標的を横断して照射スポットをフィールド走査することができる。この計測システムは、ラスター様式または他の様式で、回折格子標的領域を横断してスポットを走査することができる。この計測システムは、任意の好適なデバイス(例えば、移動載物台)を使用して、回折格子標的を横断して照射スポットを走査するように構成することができる。標的上に拡張照射スポットを提供するのではなく、この方式で、回折格子標的領域の範囲内でスポットを走査することができる。(図1に示す光ビーム14の位置は、この光学システムの視野の中心を通過する光線を表すが、一方で、光ビーム50の位置は異なっており、この光学システムの瞳の中心を通過する光線を表す。この計測システムの光軸49に沿う点は、光ビーム14および光ビーム50によって表される異なる光線が、光軸に交差する地点を表す。)
【0027】
この方式で、本明細書で説明される計測システムの実施形態は、スキャタロメトリ測定のために現在使用される回折格子標的よりも小さい回折格子標的に対する測定を可能にする。例えば、一部の実施形態では、回折格子標的は、10マイクロメートル未満×10マイクロメートル未満の横方向(平面)寸法を有する。横方向寸法は、ウェハの上側表面に実質的に平行な平面内で定義される。そのような一実施形態では、回折格子標的は、5マイクロメートル×5マイクロメートルの横方向寸法を有し得る。例えば、本明細書で説明される実施形態は、比較的小さい回折格子標的(例えば、5マイクロメートル×5マイクロメートル)からの、実質的に正確なCDの光学測定を可能にする。更には、本明細書で説明される実施形態は、比較的小さい回折格子セル(例えば、5マイクロメートル×5マイクロメートル)からの、実質的に正確な光学スキャタロメトリ重ね合わせ測定を可能にする。この方式で、本明細書で説明される実施形態の1つの有利点は、この計測システムの構成が、5マイクロメートル×5マイクロメートルの小ささの回折格子標的に対する光学CD計測、および5マイクロメートル×5マイクロメートルの小ささのセルサイズの回折格子標的に対する、スキャタロメトリに基づく重ね合わせ計測を可能にすることである。回折格子標的自体は、当該技術分野において既知の、任意の好適な回折格子標的を含み得る。
【0028】
一実施形態では、光学素子は、収集された散乱光のゴースト像を、光学素子の結像瞳内の局所領域に集中させるか、またはゴースト像を結像瞳全体にわたって拡散させて、ゴースト像の放射照度を低減するように構成される。例えば、本明細書で説明される実施形態は、信号に対してコヒーレントであるゴースト像を、例えば0.1NAの半径の範囲内の瞳中心などの、瞳像内の特定の局所領域に集中させるか、またはゴーストの放射照度を、例えば、信号の10-6未満に最小化するように、それらを十分に広い領域にわたって拡散させるかのいずれかである、瞳結像システムに関する光学設計原理を使用して、構成することができる。そのような瞳のゴースト像の制御は、本明細書で説明される他の実施形態のいずれとも組み合わせて適用することができる。
【0029】
この計測システムはまた、収集された散乱光の一部分を排除するように構成される視野絞りを更に含む。例えば、一実施形態では、この計測システムは、収集される散乱光の経路内に配置された視野絞り52を含むことにより、この視野絞りが、収集された散乱光の一部分を排除することができる。この方式で、収集視野絞りが、スキャタロメトリ(例えば、角度分解スキャタロメトリ)に関する収集アーム内で使用される。この収集視野絞りは、標的の周囲の不要な信号の排除と十分な瞳分解能との最適化バランスを提供することによって、比較的小さいスキャタロメトリ計測標的を可能にすることが予想される。例えば、視野絞りのサイズは、所定の回折格子標的サイズに対して、信号汚染と瞳結像分解能との間のトレードオフに関して最適化することができる。
【0030】
この計測システムは、視野絞りを計測回折格子標的に位置合わせするための方法を実行するように構成することができる。視野絞りを計測回折格子標的に位置合わせすることは、スポット照射を使用し、様々な構成要素をこのスポットに位置合わせして、実行することができる。例えば、照射視野絞りの平面内の照射スポットを観察することができ、その照射視野絞りを、このスポットに位置合わせすることができる。鏡面ウェハ(または他の好適な反射表面)を対物素子の下の焦点に合わせることができる。照射視野絞りの平面内の反射した照射スポットを観察することができ、その照射視野絞りを、このスポットに位置合わせすることができる。ウェハ上の照射スポットは、別個の位置合わせ光学装置を通じて(例えば、本明細書で更に説明される、検出器66および対応する光学素子を使用して)観察することができ、これらの光学装置を、そのスポットに位置合わせすることができる。計測回折格子標的が視野内に持ち込まれると、検出器66およびその対応する光学素子を使用して、その標的を照射スポットの位置に引き込むことにより、視野絞りを計測回折格子標的に位置合わせすることができる。
【0031】
一実施形態では、視野絞りは、収集された散乱光が沿って移動する光軸上に中心を置かず、これにより、本明細書で更に説明される検出器上の、収集された散乱光のゴースト発生を低減する。例えば、視野絞りの任意選択的な実装は、光軸から視野絞りをオフセットさせる実装である。視野絞りのそのような位置決めは、ゴースト発生を低減するための追加的方策である。具体的には、ゴースト発生による信号汚染を低減し、更には最小化するために、軸外視野絞りを使用することができる。この方式で、収集視野絞りに至るまでの光学システム全体の設計および製作(収集視野絞りの縁部での光学信号のすそ部を抑制するための、アポダイザーの使用を含む)を、最小限の散乱レベルおよび最小限のゴースト発生レベルが確実となるように実行することができる。
【0032】
更には、この計測システムは、回折格子標的が、スキャタロメトリを使用する計測システムによって測定されるように、視野絞りを通過する散乱光を検出し、その検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成される検出器を含む。例えば、検出器44は、スキャタロメトリを使用する計測システムによって回折格子標的が測定されるように、視野絞り52を通過する散乱光を検出し、その検出された散乱光に応答して出力を生成するように構成することができる。この検出器は、電荷結合素子(CCD)などの、任意の好適な検出器を含み得る。この方式で、上述の光源(例えば、レーザー10および単一モードファイバー12)をスキャタロメトリ光源として使用することができ、この検出器を、スキャタロメトリ計測検出器として使用することができる。一部の実施形態では、この計測システムは、5マイクロメートル×5マイクロメートルの計測標的からのスキャタロメトリ信号を、直径0.6マイクロメートルの照射スポットを使用して、ラスター様式または他の様式で、標的領域を横断してスポットを走査し、連続する走査点からシリアル方式で信号を収集することによって収集するように、構成することができる。
【0033】
一実施形態では、スキャタロメトリは、角度分解スキャタロメトリを含む。この方式で、計測システムを、角度分解スキャタロメータとして構成することができる。換言すれば、この計測システムは、散乱光の強度を、複数の離散的角度で測定するように構成することができる。そのような測定は、例えば、1つ以上の光学素子を、測定の合間に、または同時に移動させることにより、単一の検出器または2つ以上の検出器を使用して、収集スペースの範囲内の複数の離散的角度で、散乱光の強度を別個に測定することによって、逐次的に(離散的角度を次々に)実行することができる。更には、計測システムのそのような実施形態を、本明細書で説明される任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。例えば、この角度分解スキャタロメータの実施形態を、本明細書で説明されるように構成される視野絞りと組み合わせる一方で、同時に、不要な瞳のゴーストを局所的な瞳領域に集中させることができる。別の実施形態では、スキャタロメトリは、複数の離散的波長を使用して実行される角度分解スキャタロメトリを含む。計測システムは、幾つかの離散的波長を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用して、角度分解スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。そのような測定は、当該技術分野において既知の、多種多様な方法で実行することができる。この計測システムはまた、幾つかの離散的波長を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用し、かつ光源のパワーおよび波長を安定させるための高速フィードバックを使用して、角度分解スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。更には、本明細書で更に説明するように、光学素子は、1つ以上の偏光状態で測定を実行するために使用することができる、偏光子および検光子を含み得る。例えば、一実施形態では、計測システムは、幾つかの離散的波長を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用し、幾つかの偏光状態の使用を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に組み合わせて、角度分解スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。そのような測定は、当該技術分野において既知の、多種多様な方法で実行することができる。更には、この計測システムはまた、幾つかの離散的波長を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用し、幾つかの偏光状態の使用を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に組み合わせ、かつ光源のパワーおよび波長を安定させるための高速フィードバックを使用して、角度分解スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。
【0034】
更なる実施形態では、スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリを含む。分光スキャタロメトリは、当該技術分野において既知の、多種多様な方法で、この計測システムを使用して実行することができる。更なる実施形態では、スキャタロメトリは、複数の離散的角度を使用して実行される分光スキャタロメトリを含む。複数の離散的角度を使用する分光スキャタロメトリは、当該技術分野において既知の、多種多様な方法で、この計測システムを使用して実行することができる。この計測システムは、幾つかの離散的角度を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用して、分光スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。更には、この計測システムは、幾つかの離散的角度を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に使用し、幾つかの偏光状態の使用を、同時に(並列に)、または次々と逐次的に組み合わせて、分光スキャタロメトリを実行するように、構成することができる。そのような測定は、当該技術分野において既知の、多種多様な方法で実行することができる。更には、スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリ、または角度分解スキャタロメトリ、あるいは分光スキャタロメトリおよび角度分解スキャタロメトリの双方の組み合わせのいずれかとすることができる。
【0035】
一実施形態では、光学素子は、回折限界光ビームの経路内に配置される偏光子、および収集された散乱光の経路内に配置される検光子を含む。例えば、図1に示すように、光学素子は、回折限界光ビームの経路内に配置される偏光子54、および収集された散乱光の経路内に配置される検光子56を含み得る。そのような一実施形態では、偏光子および検光子は、複数の偏光状態を使用してスキャタロメトリを実行することができるように構成される。例えば、偏光子および検光子は、偏光子および検光子が回転される場合には、その偏光子および検光子がそれぞれ、回折限界光ビームおよび収集された散乱光に対して、種々の偏光を付与するように、構成することができる。それゆえ、この計測システムは、測定のために使用されている偏光状態に応じて、偏光子および/または検光子を回転させることができる。偏光子および検光子は、当該技術分野において既知の、任意の好適な偏光構成要素を含み得る。
【0036】
別のそのような実施形態では、計測システムは、少なくとも、光源、偏光子および検光子を含む光学素子、ならびにウェハのエリプソメトリ測定を実行するための検出器を使用するように構成される。エリプソメトリ測定は、当該技術分野において既知の任意の方式で、この計測システムを使用して実行することができる。エリプソメトリ測定としては、単一波長エリプソメトリ測定、分光エリプソメトリ測定、可変角度エリプソメトリ測定、可変角度分光エリプソメトリ測定、任意の他のエリプソメトリ測定、またはそれらの一部の組み合わせを挙げることができる。
【0037】
一部の実施形態では、計測システムは、ウェハの像を生成するように構成される追加的検出器を含む。この方式で、計測システムは、ウェハの結像に基づく計測の測定用に構成することができる。例えば、図1に示す実施形態では、計測システムは、任意の好適な光源を含み得る追加的光源58を含む。この光源は、1つの波長のみを有する光(すなわち、単色光)、多数の離散的波長を有する光(すなわち、多色光)、または多重波長を有する光(すなわち、広帯域光)を生成することができる。この光源によって生成される光は、UV波長などの、任意の好適な波長を有し得る。この光源は、光源8に関連して説明したように、更に構成することができる。更には、この計測システムは、2つの光源を含み、一方がスキャタロメトリまたは他の計測の測定用であり、他方が結像用であるように図1に示されるが、この計測システムは、スキャタロメトリおよび他の計測の測定を含めた、本明細書で説明される全ての測定のため、ならびに結像のために使用することができる、1つの光源のみを含み得る。
【0038】
この計測システムはまた、追加的光源58からの光をビームスプリッター22へと方向付けるように構成される、屈折光学素子60も含み得る。屈折光学素子60は、本明細書で説明されるように、更に構成することができる。ビームスプリッター22は、屈折光学素子60からの光を屈折光学素子24へと反射するように構成され、この屈折光学素子24は、その光をビームスプリッター26へと方向付ける。追加的光源からの光は、ビームスプリッター26によって反射して対物素子30を通過し、この対物素子30は、ウェハ上に光を集束させる。
【0039】
ウェハによって反射した光は、対物素子30によって収集され、この対物素子30は、収集された反射光を、ビームスプリッター26に通過させて、屈折光学素子36へと方向付ける。屈折光学素子36は、収集された反射光をビームスプリッター38へと方向付け、このビームスプリッター38は、収集された反射光を屈折光学素子62へと反射させる。屈折光学素子62は、収集された反射光を屈折光学素子64へと方向付け、この屈折光学素子64は、収集された反射光を追加的検出器66へと集束させる。屈折光学素子62および屈折光学素子64は、本明細書で説明されるように構成することができる。追加的検出器は、収集された反射光を使用して、ウェハの像を生成するように構成される。この追加的検出器は、CCDなどの任意の好適な検出器を含み得る。この結像検出器は、本明細書で更に説明されるような、結像に基づく計測のために使用することができる。更には、この計測システムは、2つのビームの結像用に、更に構成することができる。例えば、この計測システムは、参照として全体が本明細書に記載されるように組み込まれる、出願人所有の米国特許第7,528,941号(Kandelら)に記載されるような、2つのビームの結像を実行するように構成することができる。そのような実施形態では、対物素子に関する光学収差の仕様は、2つのビームの結像の装置誘因シフト(TIS)の誤差バジェットと組み合わせて、上述のように(例えば、スキャタロメトリスポットサイズの要件に関して)導くことができる。更には、この結像検出器は、光学素子に対するウェハのナビゲーションのために(例えば、追加的検出器によって生成されるウェハの像を使用することによって、ウェハ上の回折格子標的を、光学素子の視野内へと移動させるように)使用することができる。この方式で、本明細書で説明される計測システムの実施形態は、同一のプラットフォーム上に、スキャタロメトリのサブシステムおよび結像のサブシステムの組み合わせを含むことができ、この場合、スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリ、または角度分解スキャタロメトリ、あるいは双方の組み合わせのいずれかとすることができる。
【0040】
光学システムの射出瞳の像にアクセス可能となるように、ウェハの像を生成するために使用することができる光学素子を使用するか、または他の光学素子によって補完することができる。この方式で、開口68などの1つ以上の光学素子を、瞳像の平面内配置することができる。したがって、瞳像にアクセスするための選択肢が提供される。
【0041】
この計測システムは、他の光学素子を含み得る。例えば、図1に示すように、ビームスプリッター40は、収集された散乱光の一部分を、そのビームスプリッターに通過させるように構成することができ、収集された散乱光の他の部分を反射することができる。収集された散乱光の反射部分を使用して、計測システムの焦点を判定することができる。例えば、収集された散乱光の反射部分を、任意の好適なチョッパーを含み得る焦点検出チョッパー70へと方向付けることができる。焦点検出チョッパー70を通過する光は、検出器72によって検出することができる。検出器72は、検出器によって検出された光に応答して(対応する)出力を生成するように構成することができる。検出器72は、CCDなどの任意の好適な検出器を含み得る。本明細書で更に説明されるようなコンピュータシステムは、検出器72によって生成された出力を任意の好適な方式で使用して、ウェハ上の測定されている回折格子標的またはフィルムに焦点が合っているか否かを判定するように、構成することができる。この計測システムは、回折格子標的またはフィルムが焦点から外れていると判定された場合に、そのウェハまたは計測システムの1つ以上の光学素子を移動させるように構成される、載物台などの、1つ以上のデバイス(図示せず)を含み得る。
【0042】
上述のように、図1に示す計測システムは、多種多様な技術を使用する計測システムによって回折格子標的を測定することができるように、ウェハからの光を検出し、検出された光に応答して出力を生成するように構成される、多数の検出器を含む。図1に示す計測システムはまた、更なる検出器も含み得る。例えば、この計測システムは、ウェハからの光を検出し、検出された光に応答して出力を生成するように構成される分光計(図示せず)を含み得る。この分光計は、任意の好適な分光計を含み得る。ウェハから散乱した光は、収集される散乱光の経路内に配置されるビームスプリッター(図示せず)によって、分光計へと方向付けることができる。このビームスプリッターは、本明細書で更に説明されるように構成することができる。任意の他の好適な光学素子もまた、分光計によって検出される光の経路内に配置することができる。この分光計は、波長の関数としての、散乱光の強度を測定するように構成することができる。この方式で、この計測システムは、分光スキャタロメトリを使用してウェハの測定を実行するように構成することができる。図1に示す計測システムは、それゆえ、同一のプラットフォーム上に、スキャタロメトリのシステムおよび結像のシステムの組み合わせを含むことができ、この場合、スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリ、または角度分解スキャタロメトリ、あるいは双方の組み合わせのいずれかとすることができる。更には、図1に示す検出器のうちの1つを、分光計として構成するか、または置き換えることができる。例えば、ビームスプリッター38は、収集された散乱光の一部分を、図1に示す検出器66へと反射することができ、検出器66は、上述のように構成される分光計として構成するか、または置き換えることができる。
【0043】
この計測システムは、出力を使用して回折格子標的の特性を判定するように構成される、コンピュータシステムを更に含む。例えば、図1に示すように、この計測システムは、検出器44によって生成された出力を使用して、回折格子標的の特性を判定するように構成される、コンピュータシステム74を含む。この方式で、コンピュータシステムは、散乱光に応答する検出器からの出力を使用して、回折格子標的の特性を判定するように、構成することができる。更には、このコンピュータシステムは、検出器66からの出力を使用して、回折格子標的の特性を判定するように、構成することができる。この方式で、コンピュータシステムは、散乱光に応答する検出器からの出力、またはウェハの像を使用して、回折格子標的の特性を判定するように、構成することができる。このコンピュータシステムは、当該技術分野において既知の、任意の好適な方法、アルゴリズム、モデル、技術などを使用して、回折格子標的の特性を判定することができる。
【0044】
コンピュータシステム74は、検出器44および検出器66に結合されることにより(例えば、当該技術分野において既知の、任意の好適な伝送媒体を含み得る、図1の破線によって示される1つ以上の伝送媒体によって)、このコンピュータシステムは、検出器によって生成された出力を受信することができる。このコンピュータシステムは、任意の好適な方式で、各検出器に結合することができる。更には、このコンピュータシステムは、同様の方式で、計測システム内に含まれる任意の他の検出器に結合することができる。コンピュータシステム74は、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、システムコンピュータ、画像コンピュータ、プログラマブル画像コンピュータ、並列プロセッサ、または当該技術分野において既知の、任意の他のデバイスを含めた、様々な形態をとることができる。一般的には、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する、1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するように、広範に定義することができる。
【0045】
一実施形態では、特性には、回折格子標的内のパターン構造のCDが含まれる。コンピュータシステムは、参照により全体が本明細書に組み込まれる、出願人に譲渡された米国特許第7,511,830号(Fabrikantら)に記載されるようなスキャタロメトリ測定を使用して、パターン構造のCD(およびパターン構造の他の特性)を判定することができる。この方式で、本明細書で説明される実施形態は、光学CD計測のために、アポダイザー、視野絞り、および比較的小さい回折格子標的を組み合わせることができる。別の実施形態では、特性には、回折格子標的内のパターン構造の、ウェハ上に形成された別の回折格子標的のパターン構造に対する、重ね合わせが含まれる。その回折格子標的および他の回折格子標的は、ウェハの異なる層上に形成される。コンピュータシステムは、参照により全体が本明細書に組み込まれる、出願人所有の米国特許第7,616,313号(Kendalら)、および同第7,663,753号(Mieherら)に記載されるように、あるいは任意の他の好適な方式で、収集された散乱光に応答する出力を使用して、重ね合わせを判定するように、構成することができる。この方式で、本明細書で説明される実施形態は、スキャタロメトリ重ね合わせ計測のために、アポダイザー、視野絞り、および比較的小さい回折格子標的のセットを組み合わせることができる。更には、本明細書で説明される実施形態は、CDおよび重ね合わせの計測のために、アポダイザー、視野絞り、比較的小さい回折格子標的、および瞳結像を組み合わせることができる。更には、本明細書で説明される実施形態は、CDおよび重ね合わせの計測のために、アポダイザー、視野絞り、比較的小さい回折格子標的、瞳結像、ならびに、可視および近UVもしくは遠UVでの離散的照射スペクトル線を組み合わせることができる。更には、上述のように、スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリを含み得る。回折格子標的のCDおよび重ね合わせは、回折格子標的の分光スキャタロメトリ測定を使用して判定することができる。
【0046】
更に上記で説明される一実施形態では、計測システムは、ウェハの像を生成するように構成される追加的検出器を含む。そのような一実施形態では、コンピュータシステムは、その像を使用して回折格子標的の追加的特性を判定するように、構成することができる。このコンピュータシステムは、その像、および任意の好適な方法、アルゴリズム、技術、モデルなどを使用して回折格子標的の追加的特性を判定するように、構成することができる。一部のそのような実施形態では、特性には、スキャタロメトリに基づく重ね合わせが含まれ、追加的特性には、結像に基づく重ね合わせが含まれる。このコンピュータシステムは、結像に基づく重ね合わせを、任意の好適な方式で判定するように構成することができる。例えば、このコンピュータシステムは、参照により全体が本明細書に組み込まれる、出願人所有の米国特許第7,541,201号(Ghinovker)に記載されるように、結像を使用して重ね合わせを判定するように、構成することができる。したがって、本明細書で説明される実施形態は、単一のプラットフォーム上での、スキャタロメトリに基づく重ね合わせ計測および結像に基づく重ね合わせ計測の双方を可能にする。
【0047】
更なるそのような実施形態では、光学素子は、回折格子標的からの散乱光を収集するように構成され、かつ像を生成するために使用されるウェハからの光を収集するように構成される対物レンズを含む。例えば、図1に示すように、光学素子は、回折格子標的からの散乱光を収集するように構成され、かつ像を生成するために使用されるウェハからの光を収集するように構成される対物素子30を含み得る。この方式で、角度分解スキャタロメトリ対物素子および結像重ね合わせ対物素子を、同一の光学素子とすることができる。しかしながら、別の選択肢は、2つの別個の対物レンズ(図示せず)を実装し、一方を角度分解スキャタロメトリ用、および他方を結像重ね合わせ用とすることである。計測システムが、そのような2つの別個の対物レンズを含む場合には、この計測システムは、実行される測定(スキャタロメトリまたは結像)に応じて、それらの光学装置を移動させるように構成することができる。そのような場合には、計測システムは、異なる測定のタイプ間で対物レンズを切り換え、同時に、光学素子の残余内の2つの別個の光学部分組立品を、受動的または能動的に選択するように、構成することができる。あるいは、計測システムが、そのような2つの別個の対物レンズを含む場合には、この計測システムは、対物レンズ(および対応する光学素子)が定在するように構成することができる。そのような場合には、計測システムは、固定されて定在する2つの鏡筒(1つの鏡筒は、各対物レンズおよびその対応する光学素子用)を含み得、この計測システムは、ウェハに対して実行される測定に応じて、ウェハを移動させることにより、計測標的が一方の鏡筒の視野から他方へと移動するように、構成することができる。
【0048】
コンピュータシステムは、出力に対する視野絞りの影響を説明することによって、回折格子標的の特性を判定するように、構成することができる。例えば、コンピュータシステムは、ウェハから散乱した信号の、比較的小さい収集視野絞りによる変化を説明するためのアルゴリズムを使用するように、構成することができる。更には、本明細書で説明される実施形態は、CDおよび重ね合わせの計測のために、アポダイザー、収集視野絞り、および収集視野絞りによる散乱強度の変化を説明するためのアルゴリズムを組み合わせることができる。
【0049】
上述のように、計測システムは、ウェハのエリプソメトリ測定を実行するように構成することができる。そのような一実施形態では、コンピュータシステムは、エリプソメトリ測定中に検出器によって生成される出力を使用して、ウェハ上に形成されたフィルムの特性を判定するように、構成することができる。フィルムの特性としては、例えば、フィルム厚さ、屈折率、およびエリプソメトリ測定を使用して判定することができる任意の他の薄膜フィルム特性を挙げることができる。このコンピュータシステムは、フィルムの特性を、任意の好適な方式で判定するように構成することができる。例えば、このコンピュータシステムは、参照により全体が本明細書に組み込まれる、出願人所有の米国特許第7,515,253号(Bareketら)に記載されるようなエリプソメトリ測定を使用して、フィルムの特性および他の特性を判定するように、構成することができる。更には、このコンピュータシステムは、フィルムの分光スキャタロメトリ測定を使用して、フィルムの特性を判定するように、構成することができる。そのような実施形態は、本明細書で説明される任意の他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、この計測システムの一実施形態は、光学CD計測システム、スキャタロメトリおよび結像重ね合わせの計測システム、ならびにフィルム計測システムの、同一プラットフォーム上での組み合わせを含み得る。更には、上述のように、この計測システムは、半導体製造システム内に統合することができる。この方式で、この計測システムは、スキャタロメトリ重ね合わせ、CD、フィルム厚さ、およびUVの2つのビームの結像重ね合わせを測定するために使用することができる、リソグラフィシステムに関する単一の統合可能センサとして使用することができる。そのような計測システムは、16nm技術ノード要件に適合する。
【0050】
本明細書で説明される実施形態の1つの有利点は、この計測システムを、多機能計測システムとして構成し、使用することができる点である。例えば、この計測システムは、単一のプラットフォーム上に、種々の適用の組み合わせを提供するように構成される。この方式で、この計測システムは、本明細書で説明される技術のうちの1つ以上を使用して、ウェハ上の回折格子標的または他の構造(特徴)の2つ以上の特性を判定するように、構成することができる。換言すれば、スキャタロメトリおよび結像の方法などの種々の計測方法の、適切な選択または組み合わせによって、複数の計測作業を実行することができる。そのような一実施例では、コンピュータシステムは、この計測システムを使用して実行されるスキャタロメトリ測定を使用して、上述のような回折格子標的内のパターン構造のCDを判定することができ、スキャタロメトリ測定、この計測システムを使用して実行される他のスキャタロメトリ測定、またはこの計測システムを使用して実行される結像を使用して、その構造パターンの、他の構造パターンに対する重ね合わせを判定することができる。別の実施例では、コンピュータシステムは、スキャタロメトリ測定を使用して、CDを判定することができ、スキャタロメトリ測定または結像の結果を使用して、重ね合わせを判定することができ、エリプソメトリ測定を使用して、薄膜フィルム特性を判定することができる。この方式で、本明細書で説明される実施形態は、光学CD計測、光学重ね合わせ計測、およびフィルム計測の、計測作業を、1つの計測機器内に組み合わせることができる。更には、このコンピュータシステムは、本明細書で説明される技術の任意の組み合わせを使用して、本明細書で説明される特性の、任意の他の組み合わせを判定することができる。
【0051】
一部の実施形態では、光学素子は、視野絞りを通過する散乱光を、検出器の第1の部分のみへと方向付けるように構成される。そのような一実施形態では、光学素子は、回折限界光ビームの一部分を、検出器の第2の部分のみへと方向付け、回折限界光ビームのその部分を最初にウェハへと方向付けることがないように構成され、検出器の第2の部分は、検出器の第1の部分と重複することがない。例えば、この計測システムは、空間的相関ノイズを測定し、かつ任意選択的に較正し、抑制し、排除するための方法を実行することができ、この場合、光源からの光の基準部分は、計測信号と重なり合うことなく、計測検出器(例えば、CCDまたはカメラ)の一部分へと方向付けられる。光源の基準部分は、好ましくは、ウェハから反射することなく、実際の信号経路と最大限可能な共通の経路を使用する。この較正の有利な特徴は、信号の収集と同時に較正を実施することができる点、および較正信号と同一の時間間隔内で収集された信号を較正するために使用することができる点である。この方式で、この計測システムは、光源に対して、そのパワーおよび波長を安定させるための高速フィードバックを実行するように、構成することができる。
【0052】
別の実施形態では、光学素子は、視野絞りを通過する散乱光を、検出器の第1の部分のみへと方向付ける一方で、検出器の第2の部分が光を認識しないように構成される。検出器の第1の部分と重複することがない、検出器の第2の部分のみによって生成される出力は、検出器の第1の部分で検出された散乱光に応答して、検出器によって生成される出力を較正するために、コンピュータシステムによって使用される。この方式で、検出器の一部分を較正のために使用することができる。例えば、この計測システムは、システム内のいずれの光によっても露光されていない計測検出器(例えば、CCDまたはカメラ)の一部分、例えば、信号自体、照射光ビームの上述の基準部分、または任意の他の光によって露光されていない部分を利用して、ダークノイズの空間的相関部分を測定し、かつ任意選択的に較正し、抑制し、排除するための方法を実行するように、構成することができる。この較正の有利な特徴は、信号の収集と同時に較正を実施することができる点、および較正信号と同一の時間間隔内で収集された信号を較正するために使用することができる点である。
【0053】
本明細書で説明される実施形態はまた、本明細書で説明される適用に関する将来の要件に適応するための、拡張可能な計測システムプラットフォームも提供する。例えば、上述のように、この計測システムは、可視光源を含み得る。この方式で、計測測定(例えば、角度分解スキャタロメトリ)を、可視スペクトル領域内で実行することができる。しかしながら、この角度分解スキャタロメータの運用は、近UVまたは遠UVのスペクトル領域内へと拡張することができる。そのようなスペクトル領域内での運用は、全ての光学構成要素に対して追加的要件を付与するが、具体的には対物レンズに対してである。更には、この計測システムは、構成可能(例えば、Kla−Tencor(Milpitas,California)より市販されるArcher300シリーズの機器などの、他の市販の計測システムと統合可能、組み合わせ可能であり、結像のみのために構成することができ、スキャタロメトリのみのために構成することができる、など)である。更には、本明細書で説明される計測システムは、オンザフライの構想(この場合には、計測システムが移動しながら標的を測定する)に適合するが、これは、この計測システムが、回折格子標的にわたって照射スポットを走査するように構成され得るためである。
【0054】
別の実施形態は、計測方法に関する。この計測方法は、照射光学装置の入射瞳内の回折限界光ビームを、ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた放射照度が、そのスポットの中心のピーク放射照度の10-6未満となる方式で成形することを含む。この方式で回折限界光ビームを成形することは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で更に説明されるようなアポダイザーを使用して)実行することができる。この計測方法はまた、回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の照射スポットへと方向付けることも含む。光ビームを照射スポットへと方向付けることは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で更に説明される光学素子を使用して)実行することができる。更には、この計測方法は、回折格子標的からの散乱光を収集することを含む。回折格子標的からの散乱光を収集することは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で更に説明される光学素子を使用して)実行することができる。この計測方法は、回折格子標的から収集された散乱光の一部分を排除することを更に含む。収集された散乱光の一部分を排除することは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で説明されるように構成される視野絞りを使用して)実行することができる。この計測方法はまた、収集された散乱光の一部分を排除することに続いて、散乱光を検出することも含む。更には、この計測方法は、検出された散乱光に応答する出力を生成することを含む。散乱光を検出すること、および出力を生成することは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で説明されるように構成される検出器を使用して)実行することができる。この計測方法は、出力を使用して、回折格子標的の特性を判定することを更に含む。特性を判定することは、本明細書で更に説明されるように(例えば、本明細書で説明されるように構成されるコンピュータシステムを使用して)実行することができる。
【0055】
この方法はまた、記憶媒体内に、この方法のいずれの工程の結果をも記憶させることを含み得る。この結果は、本明細書で説明される結果のいずれをも含み得(例えば、回折格子標的の特性)、当該技術分野において既知の、任意の方式で記憶させることができる。この記憶媒体は、当該技術分野において既知の、任意の好適な記憶媒体を含み得る。結果を記憶させた後、その結果は、記憶媒体内でアクセスされ、本明細書で説明されるように使用され、ユーザへの表示用にフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、別の方法、または別のシステムによって使用されることなどが可能である。更には、その結果は、「永久に」、「半永久に」、一時的に、またはある程度の期間、記憶させることができる。例えば、この記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)とすることができ、その結果は、この記憶媒体内に、必ずしも無期限に存続しなくともよい。
【0056】
上述の方法は、本明細書で説明される、いずれの方法のいずれの他の工程をも含み得る。更には、上述の方法は、本明細書で説明される、いずれの計測システムの実施形態によっても実行することができる。
【0057】
本発明の様々な態様の更なる修正および代替の実施形態は、この説明に鑑み、当業者には明らかであろう。例えば、計測システムおよび計測方法が提供される。したがって、この説明は、単なる例示として解釈するべきであり、本発明を実施する一般的な方式を当業者に教示することを目的とする。本明細書で示され、説明される、本発明の形態は、現時点で好ましい実施形態として見なすべきであることを理解されたい。本発明のこの説明の利益を得た後には、当業者には全て明らかとなるように、要素および材料は、本明細書で示され、説明されるものの代わりに置き換えることができ、部分およびプロセスは逆転させることができ、本発明の特定の特徴は、独立して利用することができる。本明細書で説明される要素の変更は、以下の特許請求の範囲に記載されるような、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測システムであって、
回折限界光ビームを生成するように構成されている光源と、
ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた位置における放射照度が、前記スポットの前記中心のピーク放射照度の10-6未満となる方法で照射光学装置の入射瞳内の前記光ビームを成形するように構成されているアポダイザーと、
前記アポダイザーからの前記回折限界光ビームを、ウェハ上の回折格子標的上の前記照射スポットへと方向付け、かつ前記回折格子標的からの散乱光を収集するように構成されている光学素子と、
前記収集された散乱光の一部を排除するように構成されている視野絞りと、
前記視野絞りを通過する前記散乱光を検出し、前記検出された散乱光に応答して出力を生成することにより、スキャタロメトリを使用する前記計測システムによって前記回折格子標的が測定されるように構成されている検出器と、
前記出力を使用して、前記回折格子標的の特性を判定するように構成されているコンピュータシステムと、
を備える、計測システム。
【請求項2】
前記光源は、レーザーおよび単一モードファイバーを備える、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記回折格子標的上の前記照射スポットは、3マイクロメートル未満の直径を有する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項4】
前記回折格子標的は、10マイクロメートル未満×10マイクロメートル未満の横方向寸法を有する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記計測システムは、前記回折格子標的を横断して前記照射スポットを走査する間に、前記回折格子標的からの前記散乱光が収集されているように構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項6】
前記スキャタロメトリは、角度分解スキャタロメトリを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記スキャタロメトリは、複数の離散的波長を使用して実行される、角度分解スキャタロメトリを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
前記スキャタロメトリは、分光スキャタロメトリを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項9】
前記スキャタロメトリは、複数の離散的角度を使用して実行される、分光スキャタロメトリを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項10】
前記光学素子は、前記回折限界光ビームの経路内に配置される偏光子、および前記収集された散乱光の経路内に配置される検光子を備え、前記偏光子および前記検光子は、複数の偏光状態を使用して前記スキャタロメトリを実行することができるように構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項11】
前記光学素子は、前記回折限界光ビームの経路内に配置される偏光子、および前記収集された散乱光の経路内に配置される検光子を備え、前記計測システムは、少なくとも、前記光源、前記偏光子および前記検光子を備える前記光学素子、ならびに前記ウェハのエリプソメトリ測定を実行するための前記検出器を使用するように構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、前記エリプソメトリ測定中に前記検出器によって生成される出力を使用して、前記ウェハ上に形成されたフィルムの特性を判定するように更に構成されている、請求項11に記載の計測システム。
【請求項13】
前記視野絞りは、前記収集された散乱光が沿って移動する光軸上に中心を置かず、これにより、前記検出器上における、前記収集された散乱光のゴースト発生を低減する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項14】
前記光学素子は、前記光学素子の結像瞳内の局所領域に前記収集された散乱光のゴースト像を集中させて、あるいは前記結像瞳全体にわたって前記ゴースト像を拡散させて、前記ゴースト像の放射照度を低減するように更に構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項15】
前記特性は、前記回折格子標的におけるパターン構造の限界寸法を含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項16】
前記特性は、前記ウェハ上に形成されている別の回折格子標的のパターン構造に関する、前記回折格子標的内におけるパターン構造の重ね合わせを含み、前記回折格子標的および前記他の回折格子標的は、前記ウェハの異なる層上に形成される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項17】
前記ウェハの像を生成するように構成される追加的検出器を備え、前記コンピュータシステムは、前記像を使用して、前記回折格子標的の追加的特性を判定するように更に構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項18】
前記特性は、スキャタロメトリに基づく重ね合わせを含み、前記追加的特性は、結像に基づく重ね合わせを含む、請求項17に記載の計測システム。
【請求項19】
前記光学素子は、前記回折格子標的からの前記散乱光を収集するように構成され、かつ前記像を生成するために使用される前記ウェハからの光を収集するように構成されている対物レンズを含む、請求項17に記載の計測システム。
【請求項20】
前記光学素子は、前記視野絞りを通過する前記散乱光を、前記検出器の第1の部分のみへと方向付けるように更に構成され、前記光学素子は、前記回折限界光ビームの一部を、最初に前記ウェハへと方向付けることなく、前記検出器の第2の部分のみへと方向付けるように更に構成され、前記検出器の前記第2の部分は、前記検出器の前記第1の部分と重複しない、請求項1に記載の計測システム。
【請求項21】
前記光学素子は、前記視野絞りを通過する前記散乱光を、前記検出器の第1の部分のみへと方向付けるように更に構成され、前記検出器の第2の部分は光を認識せず、前記検出器の前記第2の部分のみによって生成される出力は、前記検出器の前記第1の部分内の前記検出された散乱光に応答して前記検出器によって生成される前記出力を較正するために前記コンピュータシステムによって使用され、前記検出器の前記第2の部分は、前記検出器の前記第1の部分と重複しない、請求項1に記載の計測システム。
【請求項22】
計測方法であって、
ウェハ平面内の照射スポットの中心から1.5マイクロメートル離れた位置における放射照度が、前記スポットの前記中心のピーク放射照度の10-6未満となる方式で照射光学装置の入射瞳内の回折限界光ビームを成形することと、
ウェハ上の回折格子標的上の前記照射スポットへ前記回折限界光ビームを方向付けることと、
前記回折格子標的からの散乱光を収集することと、
前記回折格子標的からの前記収集された散乱光の一部分を排除することと、
前記排除に続いて、前記散乱光を検出することと、
前記検出された散乱光に応答して出力を生成することと、
前記出力を使用して、前記回折格子標的の特性を判定することと、
を備える、計測方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−504063(P2013−504063A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528011(P2012−528011)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047539
【国際公開番号】WO2011/028807
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(502442049)ケーエルエー−テンカー・コーポレーション (77)
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
【Fターム(参考)】