説明

超臨界二酸化炭素処理を用いて基板を処理するためのシステム及び方法

膜除去システム(200、201)中の基板(178、265)を処理するための方法及びシステムである。本方法は、膜除去システム(200、201)の基板チャンバ(250)内にミクロフィーチャ(170)の側壁(183)上の誘電体膜(182)及び誘電体膜(182)の一部を覆うフォトレジスト膜(184)を有するミクロフィーチャを有する基板(178、265)を提供する段階と、フォトレジスト膜(184)によって覆われていない誘電体膜(182)の部分(186)を除去するため超臨界CO処理を用いた第一の膜除去プロセスを実施する段階と、を含む。第一の膜除去プロセスの後、フォトレジスト膜(184)を除去するため超臨界CO処理を用いた第二の膜除去プロセスが実行されてよい。他の実施形態では、第一の膜除去プロセスまたは第二の膜除去プロセスの一つを実行するため湿式処理が用いられてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造に関し、より詳細には、基板上のミクロフィーチャから膜を除去するために超臨界CO処理を利用することに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業において、マイクロ電子デバイスの最小フィーチャのサイズは、より速く、より低動力のマイクロプロセッサ及びデジタル回路に対する要求を満たすためにディープサブミクロン領域に接近している。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスのトレンチキャパシタの製造において、深いトレンチ(DT)がシリコン基板内部に数ミクロン(μm)エッチングされる。深いトレンチキャパシタの製造の間、例えば、ドーピングされた二酸化シリコン膜(例えば、ひ素含有シリケートガラス(ASG)ともよばれる、ひ素ドープ二酸化シリコン)等の誘電体膜が、キャパシタの一つのプレートを形成するため、ドープ誘電体膜からシリコントレンチ側壁内部へのドーパント(例えば、ひ素、As)の外側拡散(out−diffusion)を提供するためにトレンチの側壁に堆積される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最新のトレンチキャパシタ技術において、トレンチの幅は約0.2ミクロン、またはそれ以下であってよく、直径に対するトレンチ深さのアスペクト比は約50:1と同じぐらい大きいか、またはさらに大きくてもよい。これら先端のトレンチディメンションに起因して、トレンチ内に位置する膜を処理することは難しい場合がある。直線状の垂直側壁を有するトレンチを利用することに加えて、最新のトレンチキャパシタ技術においては、キャパシタの表面積を増やすために、トレンチ最上部よりも広くなるようにトレンチの底部がエッチングされる「ボトル型」トレンチが使われる可能性がある。トレンチ内に位置する膜を処理することに関して、これはさらなる困難をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[発明の要約]
基板上のミクロフィーチャから誘電体膜とフォトレジスト膜を除去することに対して、システムと方法が提供される。ミクロフィーチャの側壁上の誘電体膜及び誘電体膜の一部を覆うフォトレジスト膜を含むミクロフィーチャを有する基板を処理するための、及び、超臨界CO処理を用いて基板上で第一の膜の除去処理を実施するための方法であって、フォトレジスト膜で覆われていない誘電体膜の一部分が除去される方法が提供される。
【0005】
本発明の一つの実施形態では、前記方法は、フォトレジスト膜を除去するために超臨界CO処理を用いて基板上で行なわれ得る第二の膜除去プロセスをさらに含むものであって、第二の膜除去プロセスは第一の膜除去プロセスの後に行なわれる。
【0006】
もう一つの本発明の実施形態では、第二の膜除去プロセスはフォトレジスト膜を除去するために湿式処理を用いて基板上で行なわれ得るものであって、第二の膜除去プロセスは第一の膜除去プロセスの後に行なわれる。
【0007】
本発明のさらにもう一つの実施形態では、ミクロフィーチャの側壁上に誘電体膜と、誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜とを含むミクロフィーチャを有する基板を処理し、湿式処理を用いて基板上で第一の膜除去プロセスを実行し、第一の膜除去プロセスではフォトレジスト膜によって覆われない誘電体膜の一部分が除去され、フォトレジスト膜を除去するために超臨界CO処理を用いて基板上で第二の膜除去プロセスを実行し、第二の膜除去プロセスは第一の膜除去プロセスの後に行なわれる、処理方法が提供される
【0008】
膜除去システムは基板を処理するために提供され、前記システムは、基板を膜除去システム内部に移送するために構成される基板移送システム、誘電体膜及び誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜を含むミクロフィーチャを有する基板上で超臨界CO膜除去プロセスを実行するため構成され、前記超臨界CO膜除去プロセスはフォトレジスト膜によって覆われていない誘電体膜を除去するための少なくとも一つの第一膜除去プロセス及び第一膜除去プロセス後にフォトレジスト膜を除去するための第二膜除去プロセスを含む基板チャンバ、基板チャンバを超臨界CO流体で加圧するために構成されたCO供給システム、基板チャンバへと溶媒を運ぶために構成された溶媒供給システム、及び、膜除去システムを制御するために構成されるコントローラを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[本発明のいくつかの実施形態の詳細な記述]
ミクロフィーチャという用語は、ここに使われるように、基板及び/または基板上に形成された一つ以上の層に形成されたフィーチャを参照し、マイクロメータースケールの次元、一般的にはサブミクロンスケール、すなわち1μm未満の次元を有する。図1Aは、本発明の実施形態による、トレンチの側壁上の誘電体膜と、該誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜とを有するトレンチを含むミクロフィーチャの断面の概略的に示す。ミクロフィーチャ170は、硬いマスク膜172(例えば、ホウケイ酸ガラス、BSG)、パッド窒化物膜174、パッド酸化物膜176及びシリコン基板178を含む。ミクロフィーチャ170は、膜172−176を通じたシリコン基板178内部へのエッチングによって形成されるトレンチ180をさらに含む。
【0010】
トレンチ180はフォトリソグラフィックプロセス及びリソグラフィ及びプラズマエッチングの技術における当業者にはよく知られているドライエッチング技術を用いて形成されてよい。典型的なトレンチ180は約0.2ミクロンまたはそれ以下の幅を有してよく、トレンチアスペクト比は50:1、またはさらに大きくてよい。図1Aにおいて、シリコン基板178にエッチングされたトレンチ180の一部分は、側壁183上の誘電体膜182及び誘電体膜182の部分186以外の誘電体膜182を覆うフォトレジスト膜184を含む。誘電体膜182は、例えば、ひ素ドープ二酸化シリコン膜であってよい。
【0011】
誘電体膜182及びフォトレジスト膜184を堆積するための方法は当業者によく知られている。例えば、フォトレジスト膜184は、トレンチ180の内部にフォトレジスト溶液をスピンコーティングし、その後フォトレジスト溶液を焼成することによって、形成されてよい。それから、酸素プラズマが、誘電体膜がトレンチ内で終わるべきであるレベルでフォトレジスト膜184を終わらせるために使われてよい。次に、誘電体膜182の部分186はトレンチ180から除去される。
【0012】
露出した誘電体膜182をトレンチ180から除去した後に、フォトレジスト膜184はトレンチ180から除去される。フォトレジスト膜184の除去は、パッド酸化物176、パッド窒化物174、硬いマスク172、残りの誘電体膜182、及びトレンチ側壁183上のシリコンを含むミクロフィーチャ170内の他の材料に大きな影響を与えることなく行なわれなくてはならない。
【0013】
本発明の実施形態では、超臨界二酸化炭素(CO)処理を用いてミクロフィーチャから選択的に膜を除去するための方法を提供する。CO液体は臨界温度Tcである約31℃以上、臨界圧力Pcである1平方インチあたり約1、070ポンド(psig)以上であるとき、超臨界状態にある。超臨界CO流体は事実上粘性または表面張力を持たず、その結果、深いトレンチまたは穴の底部までずっと浸透すること、及びトレンチまたは穴から膜を除去することに困難を有しない。さらに、超臨界CO処理は、非常に高い温度で頻繁に使われる、危険且つ環境上有害なウェッティング化学薬品の使用を避けるか、または減らすことができる。
【0014】
超臨界CO処理のさらなる利益は、従来の湿式処理に関連する大量の水の排除、及び湿式処理の間の不適切な水洗の結果として起こり得る硫黄残留物の排除である。超臨界CO処理のさらにもう一つの利益は、水または水に溶解された材料がトレンチから除去される必要がないので、トレンチ内における湿式処理にしばしば関連付けられるウォータマークが起こらないことである。さらに、ミクロフィーチャを処理するとき、超臨界CO処理を用いて少なくとも一つの膜除去プロセスを行なうことで、従来の湿式処理と比較されるとき、全体的な処理時間を減らすことができる。
【0015】
図1Bは、本発明の実施形態によりフォトレジスト膜184によって覆われなかった誘電体膜182の部分186が除去された後の図1Aのミクロフィーチャ170の概略的な断面図を示す。発明の一つの実施形態によれば、誘電体膜182の部分186が、超臨界CO流体及び超臨界CO流体に溶解された第一の溶媒にミクロフィーチャ170をさらすことによって選択的にトレンチ180から除去されてよい。超臨界CO流体に溶解された第一の溶媒は、フォトレジスト膜184及びミクロフィーチャ170内の他の物質に大きく影響を与えることなく、露出した誘電体膜182を分解/溶解することができる。第一の溶媒は、例えば、HF(aq)またはHF:ピリジンを含んでよい。ミクロフィーチャ170は、誘電体膜180の部分186が分解/溶解され、超臨界CO流体とともにミクロフィーチャ170から除去されるまで、超臨界CO及び第一の溶媒に接触するよう保持される。
【0016】
図1Cは、本発明の実施形態によりフォトレジスト膜184を除去した後の、図1Bのミクロフィーチャの断面図を示す。本発明の一つの実施形態では、フォトレジスト膜184は、トレンチ180からフォトレジスト膜184を選択的に除去するために超臨界CO流体及び超臨界CO流体に溶解された第二の溶媒にさらされてよい。超臨界COに溶解された第二の溶媒は、ミクロフィーチャ170の他の材料に大きく影響を与えずにフォトレジスト膜184を分解/溶解することができる。第二の溶媒は、例えば、Nメチルピロリドン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、またはジグリコールアミン、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせを含んでよい。
【0017】
また、第二の溶媒は、例えば、さらに次の化学物質:メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、アセトン、ブチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、乳酸エチル、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、酸素、オゾン、硝酸、酢酸、またはギ酸、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせ、のうち一つを含んでよい。当業者は正当に評価するであろうが、トレンチ180からフォトレジスト膜184を除去することに対して、本発明はこれらの溶媒と化学物質に限定されておらず、本発明の実施形態を遂行するために多くの他の溶媒及び化学物質が使われてよい。フォトレジスト膜184が分解/溶解され超臨界CO流体とともにミクロフィーチャ170から除去されるまで、ミクロフィーチャ170は超臨界COと第二の溶媒との混合物に接触して保持される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、(a)誘電体膜182の部分186、及びその後(b)フォトレジスト膜184は、超臨界CO処理によってトレンチ180から取り除かれてよい。
【0019】
もう一つの発明の実施形態によれば、誘電体膜182の部分186及びフォトレジスト膜184を除去するための湿式処理と連続して超臨界CO処理が行なわれてよい。言い換えれば、誘電体膜182の部分186は超臨界CO処理によって除去され、そしてフォトレジスト膜184は湿式処理により除去されてよく、または他の実施形態では、誘電体膜182の部分186は湿式処理によって除去され、フォトレジスト膜184は超臨界CO処理によって除去されてよい。誘電体膜182の湿式処理は、例えば、フッ化水素酸水溶液(HF(aq))、HF:ピリジン、またはHF/NHFのような酸浴を利用してよい。フォトレジスト膜184の湿式処理は、例えば、約120℃またはそれ以上に加熱された硫酸と過酸化水素との混合物(SPM)の水溶液、HF/HNO、またはHO/Oを使用してよい。
【0020】
明らかに、他の形態、例えば穴または他の複雑な形態の幾何学的形状を有するミクロフィーチャが本発明の実施形態により処理され得るのだから、本発明の実施形態はトレンチを有するミクロフィーチャに制限されない。
【0021】
図2Aは本発明の実施形態による膜除去システムを示す概略図である。図2Aにおける膜除去システム200は、基板チャンバ250、基板チャンバ250に連結したチャンバヒーター204、CO供給システム206、循環ループ208、循環ポンプ210、溶媒供給システム212、分離ベッセル214、液体/固体廃棄物収集ベッセル217及び液化/精製システム219を含む。基板265が(自動化された)基板移送システム269を用いて膜除去システム200の内部に転送される。基板265はどのような大きさでもよく、例えば200mmの基板、300mmの基板、またはさらに大きい基板であってよい。
【0022】
基板チャンバ250は、チャンバハウジング270、基板ホルダー260、及び基板265を処理するための処理ゾーン267を含む。処理ゾーン267の内部へ超臨界CO流体を導入するために基板チャンバ250は注入ノズル275をさらに含む。超臨界CO処理の間、基板265は処理ゾーン267内に存在し、処理ゾーン267では超臨界CO流体が溶媒とともに基板265上のミクロフィーチャから膜を除去するために使われる。プロセスチャンバヒーター204は基板チャンバ250を加熱し、それはヒーティングブランケットであってよい。
【0023】
CO供給システム206は、CO供給ベッセル216、粒子フィルター225、COポンプ218及びCOヒーター220を含む。溶媒供給システム212は、化学溶媒ベッセル222及び224、第一及び第二の高圧注入ポンプ226及び228を含む。
【0024】
CO供給ベッセル216は、CO配管230を経由して循環ループ208に連結される。CO配管230は、COポンプ218と循環ループ208との間に配置されるヒーター220を含む。循環ポンプ210は循環ループ208上に配置され、循環ループ208は循環インレット232及び循環アウトレット234において基板チャンバ250に連結される。溶媒供給ベッセル222及び224が、各々溶媒供給ライン236及び238を経由して循環ループ208に連結される。
【0025】
分離ベッセル214は、排出ガス配管240を経由してプロセスチャンバ250に連結される。液体/固体廃棄物収集ベッセル217は分離ベッセル214に連結される。分離ベッセル214も、循環ガス配管241を経由して液化/精製システム219に連結される。液化/精製システム219は、液体CO配管243を経由してCO供給ベッセル216に連結される。他の実施形態では、オフサイトの位置に液化/精製システム219の場所が提供され、ガス収集ベッセル内に排出ガスを収容して、液体COベッセル内に液体COを戻す。
【0026】
第一及び第二のフィルター、221及び223、は循環ループ208に連結される。第一のフィルター221は、例えば、プロセスチャンバ250への循環インレット232に達するよりも前に、クリーニング流体から0.05μm以上の粒子をフィルタリングするよう構成される微細フィルターであってよい。第二のフィルター223は、例えば、クリーニング流体が循環アウトレット234を経由してプロセスチャンバ250を離れた後に、クリーニング流体から2−3μm以上の粒子をフィルタリングするよう構成される粗いフィルターであってよい。第三のフィルター225は、CO供給ベッセル216をCOポンプ218に連結する。第三のフィルター225は、例えば、CO液体が循環ループ208に到達するより前に、CO液体から0.05μm以上の粒子をフィルタリングするように構成されてよい。
【0027】
コントローラー290は、基板チャンバ250、CO供給システム206、溶媒供給システム212及び基板移送システム269を含む膜除去システム200の複数の構成要素と連結され、情報を交換する。加えて、コントローラー290は、膜除去システム200のバルブ、ポンプ、圧力計、ヒーター及び温度計と連結され、情報交換する。コントローラー290は、膜除去システム200からの出力をモニターする一方で、膜除去システム200のインプットを伝達及び制御するのに十分な制御信号を生成することができる。
【0028】
膜除去システム200が、バルブ、制御回路、及び超臨界流体処理システムにおいて一般的な実用的な接続をさらに含むことは、当業者には明白であるだろう。さらに、注入ノズル275がチャンバハウジング270の一部としてよりむしろ基板ホルダー260の一部として構成されてよいことは当業者には明白であるだろう。
【0029】
図2Aの膜除去システム200は、膜除去システム200内に配置される湿式処理システム280をさらに含む。湿式処理システム280は、コントローラー290及び基板移送システム269と連結され、情報交換する。本発明の実施形態によれば、超臨界CO処理が基板265上のミクロフィーチャから膜を除去するための湿式処理と連続して行なわれてよい。例えば、図1A−1Cに記述されるように、誘電体膜182の部分186が超臨界CO処理によって除去され、フォトレジスト膜184は湿式処理によって除去されてよく、他の実施形態では、誘電体膜182の部分186は湿式処理によって除去され、フォトレジスト膜184は超臨界CO処理によって除去されてよい。湿式処理システム280は、湿式処理の当業者によく知られている従来の湿式処理システムであってよい。
【0030】
図2Bはもう一つの本発明の実施形態による膜除去システムを示す概略図である。図2Bにおいて、湿式処理システム281は独立しているが、操作上は超臨界CO膜除去システム201に連結されている。膜除去システム201は、図2Aの膜除去システム200の超臨界CO部分と同じか、または類似していてよく、すなわち、それは湿式処理システム280を除く、図2Aに示されるすべての構成要素を含んでよい。独立した湿式処理システム281は、それ自身のコントローラー(図示せず)で操作されてよい。
【0031】
図2A及び2Bで説明される膜除去システムの操作が今記述される。超臨界CO流体を含むように構成された膜除去システム200及び201の部分は、例えばヒーター204及び220によって、臨界温度である31℃以上の温度に加熱される。本発明の一つの実施形態では、温度は約31℃から約200℃の間であってよい。他の実施形態では、温度は約40℃から約120℃の間であってよい。さらに他の実施形態では、温度は約60℃から約80℃の間であってよい。
【0032】
基板265は基板移送システム269を用いて基板チャンバ250内に提供される。超臨界CO流体が、CO供給ベッセル216及びCOポンプ218を用いて循環ループに208内部に導入される。溶媒が、第一の注入ポンプ226または第二の注入ポンプ228を使用して、溶媒供給ライン236または238を経由して、溶媒供給ベッセル222または224から循環ループ208内部に導入される。超臨界COと溶媒の混合における溶媒の比率は、例えば、体積にして約0.1%から約33%の間であってよい。次に、システムは操作圧力に加圧される。膜除去システム200または201における超臨界COの圧力は、例えば、約1、070psigから約6,000psigの間であってよい。本発明の一つの実施形態では、超臨界COの圧力は約2,000psigから約2,500psigの間であってよい。溶媒を含む超臨界CO流体は、ポンプ210によって所望の膜が基板265から除去されるまで処理ゾーン267及び循環ループ208を通して循環される。
【0033】
次に、循環ループ208への溶媒供給は中止され、処理ゾーン267及び循環ループ208は、臨界圧力以上に圧力を保持する一方で、CO供給ベッセル216から処理ゾーン267を通して新鮮な超臨界COを流し、分離ベッセル214に流体を排出することによって所定の時間連続的に洗浄される。所定の時間とは、例えば、約10秒から約1200秒の間であってよく、他の実施形態では、約20秒から約600秒の間であってよく、さらに他の実施形態では、約30秒から約180秒の間にあってよい。洗浄は、処理ゾーン267内及び循環ループ208内の圧力を臨界CO圧力以上に保持する一方で、超臨界CO流体で処理ゾーン267を連続的に加圧すること、及びその後分離ベッセル216へ超臨界CO流体を排出することを含む、一連の所定の減圧段階をさらに含んでよい。
【0034】
次に、処理ゾーン267は減圧され、基板265は基板移送システム269によって基板ホルダー260から取り除かれる。
【0035】
基板265は、さらなる処理のために基板チャンバ265から湿式処理システム280または281まで移送されてよく、そして逆もまた同様である。基板265上のミクロフィーチャから膜を除去する湿式処理において、基板265は湿式処理システム280または281内でウェット液体にさらされる。誘電体膜に関しては、ウェット液体は誘電体膜を基板265から除去することができ、そして、例えば、HF(aq)液体であってよい。フォトレジスト膜に関しては、ウェット液体はフォトレジスト膜を基板265から除去することができ、そして、例えば、硫酸と過酸化水素の混合物の水溶液であってよい。湿式処理が所望の時間誘電体膜またはフォトレジスト膜を除去するために実施されたとき、基板265は脱イオン水で洗浄されて、そして乾燥される。
【0036】
例示的な実施形態では、湿式処理システム280または281は必要とされず、超臨界CO処理が誘電体膜とフォトレジスト膜両方を除去するために使われる。この実施形態において、誘電体膜が例えば溶媒供給ベッセル222からの第一の溶媒を含む超臨界CO流体によって基板265から取り除かれた後、処理ゾーン267及び循環ループ208が、第一の溶媒がそれから取り除かれるまで、新しい超臨界COで上述のように洗浄される。その後、基板265を移送することなく、第二の溶媒が、例えば溶媒供給ベッセル224から、超臨界CO液体と混合するため、循環ループ208に導入される。第二の溶媒を含む超臨界CO流体は、フォトレジスト膜が基板265から取り除かれるまで、処理ゾーン267及び循環ループ208を通して、ポンプ210によって循環される。第二の溶媒が処理ゾーン267及び循環ループ208から洗浄されるまで、洗浄プロセスはその後繰り返される。
【0037】
図3Aは本発明の実施形態による誘電体膜除去プロセスの単純化された順序を示すフローチャートである。誘電体膜除去プロセス300において、図2Aにおける膜除去システム200または超臨界CO膜除去システム201または図2Bの湿式処理システム281が、基板265上のミクロフィーチャから誘電体膜を除去するために使われてよい。302において、処理は開始される。312において、基板が基板チャンバに供給される。基板は、ミクロフィーチャの側壁上に誘電体膜及び誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜を含むミクロフィーチャを有する。320において、誘電体膜除去プロセスが、フォトレジスト膜によって覆われない誘電体膜の部分を除去するために基板上で行なわれる。332で、処理は終わる。
【0038】
図3Bは本発明のもう一つの実施形態によるフォトレジスト膜除去プロセスの単純化された順序を示すフローチャートである。膜除去プロセス350において、図2Aの膜除去システム200または超臨界CO膜除去システム201または図2Bの湿式処理システム281が、基板265上のミクロフィーチャからに誘電体膜を除去するために使われてよい。352において、処理は開始される。362において、基板が基板チャンバに供給される。基板は図3Aの誘電体膜除去プロセス300によって処理されたミクロフィーチャを含んでよい。372において、膜除去プロセスがフォトレジスト膜をミクロフィーチャから除去するために基板上で行なわれる。382において、プロセスは終わる。誘電体膜除去プロセス300またはフォトレジスト膜除去プロセス350のうち少なくとも一つが超臨界CO処理を用いて実施される。
【0039】
本発明の一つの実施形態では、誘電体膜除去プロセス300及びフォトレジスト膜除去プロセス350の両方が超臨界CO処理を用いて実施されてよい。もう一つの本発明の実施形態では、誘電体膜除去プロセス300は超臨界CO処理を用いて行なわれてよく、フォトレジスト膜除去プロセス350は湿式処理を用いて行なわれてよい。本発明のさらにもう一つの実施形態では、誘電体膜除去プロセス300は湿式処理を用いて行なわれてよく、フォトレジスト膜除去プロセス350は超臨界CO処理を用いて行なわれてよい。
【0040】
図4は、本発明の実施形態が実行されてよいコンピュータシステム1201を説明する。コンピュータシステム1201は、上述の機能のいずれかまたは全てを実行するために、それぞれ、図2A及び図2Bのシステム200及び201におけるコントローラー290として使用されてよい。コンピュータシステム1201は、同じく図2Bの湿式処理システム281のための(図示されない)コントローラーとして使用されてよい。コンピュータシステム1201は、情報を伝達するためのバス1202または他の伝達メカニズム、及び情報を処理するためにバス1202と連結されたプロセッサ1203を含む。コンピュータシステム1201は同じく、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、または他のダイナミック記憶装置(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)及び同期的なDRAM(SDRAM))等の、プロセッサ1203によって実行される情報及び指示を保存するためにバス1202に連結されたメインメモリ1204を含む。加えて、メインメモリ1204は、プロセッサ1203による指示の実行の間、一時的な変数または他の中間情報を保存しておくために使われてよい。コンピュータシステム1201は、リードオンリー・メモリ(ROM)1205、または、プロセッサ1203に関するスタティックな情報及び指示を保存するため、バス1202に連結された他のスタティックな記憶装置(例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)及び電気的に消去可能なPROM(EEPROM))をさらに含む。
【0041】
コンピュータシステム1201は、同じく、情報及び指示を保存するために、例えば磁気ハードディスク1207等、一つ以上の記憶装置を制御するためにバス1202に連結されたディスク・コントローラ1206、、及びリムーバブルメディアドライブ1208(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、リードオンリーコンパクトディスクドライブ、リード/ライトコンパクトディスクドライブ、テープドライブ及びリムーバブル磁気光学式ドライブ)も含む。記憶装置は、適切な装置インタフェース(例えば、小さなコンピュータシステムインタフェース(SCSI)、インテグレイテッド・デバイスエレクトロニクス(IDE)、拡張されたIDE(E‐IDE)、ダイレクトメモリアクセス(DMA)、またはウルトラDMA)を用いて、コンピュータシステム1201に加えられてよい。
【0042】
コンピュータシステム1201は、特別な目的の論理回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASICs))、または構成可能な論理回路(例えば、単純なプログラムマブル論理回路(SPLDs)、複雑なプログラマブル論理回路(CPLDs)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)(図示されない)を同じく含んでよい。コンピュータシステムは、テキサス・インスツルメンツ社のTMS320シリーズチップ、モトローラ社のDSP56000、DSP56100、DSP56300、DSP56600及びDSP96000シリーズのチップ、ルーセント・テクノロジー社のDSP1600及びDSP3200シリーズ、またはアナログ・デバイシズ社のADSP2100及びADSP21000シリーズ等の、一つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)(図示されない)を同じく含んでよい。特にデジタルドメインに変換されたアナログシグナルを処理するよう設計された他のプロセッサが同じく使われてよい。
【0043】
コンピュータシステム1201は、コンピュータ・ユーザに対して情報を表示するためのディスプレイ1210を制御するためにバス1202に連結されたディスプレイコントローラー1209を同じく含んでよい。コンピュータシステムは、コンピュータ・ユーザと相互に対話してプロセッサ1203に情報を提供するためのキーボード1211及びポインティングデバイス1212のような、入力装置を含む。ポインティングデバイス1212は、プロセッサ1203に方向の情報とコマンド選択を伝達するための、及びディスプレイ1210上のカーソルの動きを制御するための、例えば、マウス、トラックボール、またはポインティングスティックであってよい。加えて、(図示されない)プリンターが、コンピュータシステム1201によって保存された及び/または生成されたデータの印刷されたリストを提供してよい。
【0044】
コンピュータシステム1201は、メインメモリ1204等のメモリに含まれる一つ以上の指示の一つ以上の配列を実行するプロセッサ1203に応答して、本発明の処理ステップの一部分またはすべてを実行する。このような指示は、ハードディスク1207及びリムーバブルメディアドライブ1208のような、もう一つの、コンピュータにより読み取り可能な媒体からメインメモリ1204に読み込まれてよい。マルチプロセッシングアレンジメントの一つ以上のプロセッサが、メインメモリ1204に含まれる指示の配列を実行するために同じく使用されてよい。他の実施形態では、ソフトウェア指示の代わりにまたは共に固定配線(hard−wired)電気回路が使われてよい。従って、実施形態はハードウェア電気回路及びソフトウェアのある特定の組み合わせに限定されていない。
【0045】
上述のように、発明の教示に従ってプログラムされた指示を保持することに対して、及びデータ構造、テーブル、レコード、またはここに記述された他のデータを含むことに対して、コンピュータシステム1201は少なくとも一つのコンピュータに読み取り可能なメディアまたはメモリを含む。コンピュータによって読み取り可能なメディアの例として、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、磁気光学式ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、または他のいかなる磁気メディア、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、または他のいかなる光学式メディア、パンチカード、ペーパーテープ、または他の物理メディアであるホールのパターン、(以下に記述された)搬送波、またはそれからコンピュータが読み取り可能な他のいかなるメディアが挙げられる。
【0046】
コンピュータによって読み取り可能なメディアまたはメディアを組み合わせたものに保存されて、本発明を実行するための装置を操作するために、及びコンピュータシステム1201が人間のユーザー(例えば、処理システム人員)と相互に対話することを可能にするために、本発明はコンピュータシステム1201を制御するためのソフトウェアを含む。このようなソフトウェアは、これらに制限されないが、デバイス・ドライバ、オペレーティング・システム、開発ツール及びアプリケーションソフトウェアを含んでよい。そのようなコンピュータが読み込み可能なメディアは、本発明の実行において実施される処理の(もしも処理が分散されるならば)一部分または全てを実施するための、本発明のコンピュータプログラム製品をさらに含む。
【0047】
本発明のコンピュータ・コードデバイスは、スクリプト、インタープリタ可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス及び完全に実行可能なプログラムを含むがそれらに限定されず、インタープリタ可能な、または実行可能などのようなコードメカニズムであってもよい。さらに、本発明の処理の一部は、より良いパフォーマンス、信頼性、及び/またはコストのために分散されてよい。
【0048】
ここに使われる「コンピュータによって読み取り可能な媒体」という用語は、プロセッサ1203に実行のための指示を提供することに使われるメディアを示す。コンピュータが読み取り可能なメディアは、非揮発性メディア、揮発性メディア、及び伝送メディアを含むがそれらに限定されず、多くの形態を有していてよい。非揮発性メディアは、例えば、光学、磁気ディスク、及び、ハードディスク1207またはリムーバブルメディアドライブ1208等の磁気光学ディスクを含む。揮発性メディアは、メインメモリ1204のような、ダイナミックメモリを含む。伝送メディアは、バス1202を構成するワイヤーを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送メディアは、電波と赤外線とのデータコミュニケーションの間に生成されたときのように、音響か、または光の波の形式もとってよい。
【0049】
コンピュータが読み取り可能なメディアの種々な形態は、実行のためにプロセッサ1203に一つ以上の指示の一つ以上の配列を実行することに関与してよい。例えば、指示は初めにリモートコンピュータの磁気ディスクに保持されてもよい。本発明のすべてまたは一部分を離れて実行するため、リモートコンピュータは指示をダイナミックメモリの内部へとロードして、そしてモデムを用いて電話線の上に指示を送ることができる。コンピュータシステム1201のローカルなモデムが、電話回線でデータを受け取ってよく、データを赤外線信号に変換するために赤外線送信機を使用してよい。バス1202に連結された赤外線検出器が、赤外線信号で運ばれたデータを受け取り、バス1202上にデータを配置することができる。バス1202は、プロセッサ1203がそこから指示を引き出し実行するメインメモリ1204にデータを運ぶ。メインメモリ1204によって受けられた指示は、任意に、プロセッサ1203による実行の前にまたは実行の後に、記憶装置1207または1208上に保存されてよい。
【0050】
コンピュータシステム1201は、バス1202に連結された通信インタフェース1213も含む。通信インタフェース1213は、例えば、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)1215に、またはインターネット等のもう一つのコミュニケーションネットワーク1216に接続されたネットワークリンク1214に連結された両方向のデータ伝達カップリングを提供する。例えば、通信インタフェース1213は、パケット交換のLANに取り付けられるネットワークインタフェースカードであってよい。もう一つの例として、通信インタフェース1213は、非対称デジタル加入者線(ADSL)カード、統合化されたサービスデジタルネットワーク(ISDN)カード、または対応するタイプの通信ラインにデータコミュニケーション接続を提供するモデムであってよい。ワイヤレス接続が同じく実行されてよい。そのような実行において、通信インタフェース1213は、種々のタイプの情報を表すデジタルデータの流れを運ぶ、電気的な、電磁気的な、または光学式の信号を送り、そして受け取る。
【0051】
ネットワークリンク1214は、一つ以上のネットワークを通して、他のデータ装置にデータコミュニケーションを一般的に提供する。例えば、ネットワークリンク1214は、ローカルネットワーク1215(例えば、LAN)を通して、またはコミュニケーションネットワーク1216を通してコミュニケーションサービスを提供するサービスプロバイダによって操作された装置を通して、もう一つのコンピュータに接続を提供してよい。ローカルネットワーク1214及びコミュニケーションネットワーク1216は、例えば、デジタルデータの流れを運ぶ、電気的な、電磁気的な、または光学式の信号、及び関連する物理的な膜(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバーなど)を使用する。コンピュータシステム1201に/からデジタルデータを運ぶ様々なネットワークを通じた信号及びネットワークリンク1214上の信号及び通信インタフェース1213を通じた信号は、ベースバンドシグナル、または搬送波ベースの信号で実行されてよい。ベースバンド信号は、デジタルデータビットの流れを記述する非変調電気パルスとしてデジタルデータを運び、「ビット」という用語は、概括的にそれぞれのシンボルが少なくとも1またはより多くの情報のビットを運ぶ信号を意味すると解釈されるはずである。デジタルデータは、振れ幅(amplitude)、フェーズ、及び/または、伝導性メディア上を伝播されるかまたは伝播メディアを通じて電磁波として伝達される周波数偏移変調信号等、搬送波を変調するためにも使われてよい。従って、デジタルデータは、「配線された」コミュニケーションチャンネルを通じて非変調ベースバンドデータとして送られてよく、及び/または、搬送波を変調することによって、ベースバンドとは異なる、所定の周波数帯で送られてよい。コンピュータシステム1201は、ネットワーク1215及び1216、ネットワークリンク1214及び通信インタフェース1213を通じて、プログラムコードを含むデータを送信し受け取ることができる。さらに、ネットワークリンク1214は、パーソナル・ディジタルアシスタント(PDA)ラップトップコンピュータ、または携帯電話のようなモバイル機器1217にLAN1215を通して接続を提供してよい。
【0052】
コンピュータシステム1201は、膜除去システム内の基板を処理するための本発明の方法を実行するよう設定されてよい。コンピュータシステム1201は、ミクロフィーチャから膜を除去するために、超臨界COシステムを制御するように、さらに設定されてよい。コンピュータシステム1201は、同じく超臨界CO膜除去システム内に配置された、または操作上連結された湿式処理システムを制御するように設定されてよい。
【0053】
この発明のある特定の実施形態だけが上に詳細に記述されたけれども、当業者は多くの修正が本質的にこの発明の新規の教示と利点から逸脱することなく、例示的な実施形態で可能であることを容易に理解するであろう。従って、すべてのそのような修正がこの発明の範囲の中に含まれるように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】本発明の実施形態による、誘電体膜及び誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜を有するトレンチを含むミクロフィーチャの断面の概略図を示す。
【図1B】本発明の実施形態による、フォトレジスト膜によって覆われない誘電体膜部分の除去後の図1Aのミクロフィーチャ断面図を概略的に示す。
【図1C】発明の実施形態による、フォトレジスト膜除去後の図1Bのミクロフィーチャ断面図を概略的に示す。
【図2A】本発明の実施形態による膜除去システムを示す概略図である。
【図2B】もう一つの発明の実施形態による、膜除去システムを示す概略図である;
【図3A】本発明の実施形態による、誘電体膜除去プロセスの簡単な手順を示すフローチャートである。
【図3B】もう一つの発明の実施形態による、フォトレジスト膜除去プロセスの簡単な手順を示すフローチャートである。
【図4】発明の実施形態を実行するために使われてよい多目的コンピュータを示す。
【符号の説明】
【0055】
170 ミクロフィーチャ
172 硬いマスク
174 パッド窒化物
176 パッド酸化膜
180 トレンチ
182 膜
183 トレンチ側壁
184 フォトレジスト膜
200 膜除去システム
201 超臨界CO膜除去システム
204 チャンバヒーター
206 CO供給システム
208 循環ループ
210 循環ポンプ
212 溶媒供給システム
214 分離ベッセル
217 液体/固体廃棄物収集ベッセル
250 基板チャンバ
265 基板
281 湿式処理システム
290 コントローラー
300 誘電体膜除去プロセス
350 膜除去プロセス
1201 コンピュータシステム
1202 バス
1203 プロセッサ
1204 メインメモリ
1205 リードオンリー・メモリ(ROM)
1207 ハードディスク
1208 リムーバブルメディアドライブ
1213 通信インタフェース
1214 ネットワークリンク
1215、1216 ネットワーク
1217 モバイル機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜除去システム内の基板を処理する方法であって、前記方法は、
前記膜除去システムの基板チャンバ内に前記基板を提供し、前記基板はミクロフィーチャ側壁上の誘電体膜及び前記誘電体膜の第一の部分を覆い且つ前記誘電体膜の第二の部分を覆わないフォトレジスト膜を含むミクロフィーチャを有するところの段階と、
前記フォトレジスト膜によって覆われない前記誘電体膜の前記第二の部分を除去するために前記基板上における第一の膜除去プロセスを実行する段階と、
前記フォトレジスト膜を除去するために前記基板上における第二の膜除去プロセスを実行し、前記第二の膜除去プロセスは前記第一の膜除去プロセスの後に行なわれるところの段階とを含むものであって、
前記第一の膜除去プロセスの実行及び前記第二の膜除去プロセスの実行のうち少なくとも一つは、超臨界CO処理の使用を含む方法。
【請求項2】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、前記基板を、超臨界CO流体及び前記誘電体膜の除去を可能にする第一の溶媒にさらすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一の溶媒は、HF水溶液またはHF:ピリジンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、
前記基板チャンバを前記超臨界CO流体で加圧する段階と、
前記超臨界CO流体内の前記第一の溶媒を移送する段階と、
前記誘電体膜の前記第二の部分が前記側壁から除去されるまで、前記超臨界CO流体及び前記第一の溶媒に前記基板をさらす段階と、
新しい超臨界CO流体で前記基板チャンバを洗浄する段階とをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約31℃から約200℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約40℃から約120℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約60℃から約80℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約1,070psigから約6,000psigの間にすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約2,000psigから約3,000psigの間にすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記超臨界CO流体と前記第一の溶媒の配合における前記第一の溶媒の比率は、体積にして約0.1%から約33%の間である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約10秒から約1200秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第一の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約20秒から約600秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第一の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記第一の膜除去プロセスの実行は、約30秒から約180秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第一の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、前記基板を、前記超臨界CO流体及び前記フォトレジスト膜の除去を可能にする第二の溶媒にさらすことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記第二の溶媒が、N−メチルピロリドン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、またはジグリコールアミン、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第二の溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、アセトン、ブチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、乳酸エチル、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、酸素、オゾン、硝酸、酢酸、またはギ酸、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせ、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、
前記基板チャンバを前記超臨界CO流体で加圧する段階と、
前記超臨界CO流体内の前記第二の溶媒を移送する段階と、
前記誘電体膜の前記第一の部分から前記フォトレジスト膜が除去されるまで前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらす段階と、
新しい超臨界CO流体で前記基板チャンバを洗浄する段階とをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約31℃から約200℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約40℃から約120℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約60℃から約80℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約1,070psigから約6,000psigの間にすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約2,000psigから約3,000psigの間にすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記超臨界CO流体と前記第二の溶媒の配合における前記第二の溶媒の比率は、体積にして約0.1%から約33%の間である、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約10秒から約1200秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約20秒から約600秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約30秒から約180秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
前記ミクロフィーチャは約0.2ミクロン未満の直径を有するトレンチを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記ミクロフィーチャは、直径に対する深さのアスペクト比が約10:1よりも大きいトレンチを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記ミクロフィーチャは、直径に対する深さのアスペクト比が約50:1よりも大きいトレンチを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記誘電体膜が、ヒ素ドープ二酸化シリコン膜を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記第二の膜除去プロセスの実行が、前記フォトレジスト膜の除去のための湿式処理の使用を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
前記湿式処理が、硫酸及び過酸化水素の混合物の水溶液、HF/HNO、またはHO/Oを使用する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、前記基板を、超臨界CO流体及び前記フォトレジスト膜の除去を可能にする第二の溶媒にさらすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記第二の溶媒が、N−メチルピロリドン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、またはジグリコールアミン、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第二の溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、アセトン、ブチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、乳酸エチル、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、酸素、オゾン、硝酸、酢酸、またはギ酸、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせ、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、
前記基板チャンバを前記超臨界CO流体で加圧する段階と、
前記超臨界CO流体内の前記第二の溶媒を移送する段階と、
前記誘電体膜から前記フォトレジスト膜が除去されるまで前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらす段階と、
新しい超臨界CO流体で前記基板チャンバを洗浄する段階とをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約31℃から約200℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約40℃から約120℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約60℃から約80℃の間に前記超臨界CO流体を加熱することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約1,070psigから約6,000psigの間にすることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、CO圧力を約2,000psigから約3,000psigの間にすることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記超臨界CO流体と前記第二の溶媒の配合における前記第二の溶媒の比率は、体積にして約0.1%から約33%の間である、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約10秒から約1200秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約20秒から約600秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記第二の膜除去プロセスの実行は、約30秒から約180秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記第二の溶媒に前記基板をさらすことを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記第一の膜除去プロセスの実行が、前記誘電体膜の前記第二の部分の除去のための湿式処理の使用を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記湿式処理がHF水溶液、HF:ピリジン、またはHF/NHFを利用する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
膜除去システム内で基板を処理する方法であって、前記方法は、
前記膜除去システムの基板チャンバ内に前記基板を提供し、前記基板はミクロフィーチャ側壁上の誘電体膜と前記誘電体膜の第一の部分を覆い且つ前記誘電体膜の第二の部分を覆わないフォトレジスト膜とを含むミクロフィーチャを有するところの段階と、
超臨界CO流体及び前記フォトレジスト膜によって覆われない前記誘電体膜の第二の部分を除去可能な第一の溶媒に前記基板をさらすことによって、前記基板上で第一の膜除去プロセスを実行する段階と、
前記第一の膜除去プロセスの後、前記超臨界CO流体及び前記フォトレジスト膜を除去可能な第二の溶媒に前記基板をさらすことによって、前記基板上で第二の膜除去プロセスを実行する段階と、
前記第一及び第二の膜除去プロセスの間、約31℃から約200℃の間の温度に、及び約1,070psigから約6,000psigの間の圧力に、前記超臨界CO流体を保持する段階とを含む方法。
【請求項49】
前記ミクロフィーチャは約0.2ミクロン未満の直径を有するトレンチを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ミクロフィーチャは、直径に対する深さのアスペクト比が約10:1よりも大きいトレンチを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記ミクロフィーチャは、直径に対する深さのアスペクト比が約50:1よりも大きいトレンチを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記誘電体膜が、ヒ素ドープ二酸化シリコン膜を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記第一の溶媒がHF水溶液またはHF:ピリジンを含み、前記第二の溶媒がN−メチルピロリドン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、またはジグリコールアミン、またはそれらのうち二つ以上の組み合わせを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記超臨界CO流体の保持は約40℃から約120℃の間の温度で行なわれる、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記超臨界CO流体の保持は約60℃から約80℃の間の温度で行なわれる、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記超臨界CO流体の保持は約2,000psigから約3,000psigの間のCO圧力で行なわれる、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記超臨界CO流体と各々前記第一及び前記第二の溶媒との配合における前記第一及び前記第二の溶媒の各々の比率は、体積にして約0.1%から約33%の間である、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
プロセッサにおける実行のためのプログラム指示を含み、前記プロセッサによって実行されるとき、膜除去システムが請求項1に記載された方法における段階を実行することを可能にする、コンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項59】
プロセッサにおける実行のためのプログラム指示を含み、前記プロセッサによって実行されるとき、膜除去システムが請求項48に記載された方法における段階を実行することを可能にする、コンピュータが読み取り可能なメディア。
【請求項60】
膜除去システム内部で基板を移送するために構成された基板移送システムと、
誘電体膜及び前記誘電体膜の一部分を覆うフォトレジスト膜を含むミクロフィーチャを有する基板上で超臨界CO膜除去プロセスを実行するため構成された基板チャンバであって、前記超臨界CO膜除去プロセスは、前記フォトレジスト膜によって覆われない前記誘電体膜を除去するための少なくとも一つの第一の膜除去プロセス、及び、前記第一の膜除去プロセスの後、前記フォトレジスト膜を除去するための第二の膜除去プロセスを含むところの前記基板チャンバと、
少なくとも温度が約31℃及び少なくとも圧力が約1070psigの超臨界CO流体を前記基板チャンバへと移送するために構成されたCO供給システムと、
前記超臨界CO流体とともに溶媒を前記基板チャンバへと移送するため構成された溶媒供給システムと、
前記膜除去システムを制御するため構成されたコントローラとを含む基板を処理するための膜除去システム。
【請求項61】
前記溶媒供給システムは、前記超臨界CO流体と前記溶媒との配合における前記溶媒の比率を体積にして約0.1%から約33%の間で提供するよう構成された、請求項60に記載の膜除去システム。
【請求項62】
前記コントローラは、約10秒から約1200秒の間の時間前記超臨界CO流体及び前記溶媒と前記基板との接触を維持するよう構成された、請求項60に記載の膜除去システム。
【請求項63】
前記膜除去システム内に配置された、または操作上連結された湿式処理システムであって、前記第一の膜除去プロセスまたは前記第二の膜除去プロセスを実行するため構成された前記湿式処理システムをさらに含む、請求項60に記載の膜除去システム。
【請求項64】
前記湿式処理システムは、HF水溶液、HF:ピリジン、またはHF/NHFを用いて前記第一の膜除去プロセスを実行するため構成された、請求項63に記載の膜除去システム。
【請求項65】
前記湿式処理システムは、硫酸及び過酸化水素の混合物の水溶液、HF/HNO、またはHO/Oを使用する前記第二の膜除去プロセスを実行するため構成された、請求項63に記載の膜除去システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−505484(P2008−505484A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519198(P2007−519198)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/013885
【国際公開番号】WO2006/007005
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(505390680)ト−キョ−・エレクトロン・アメリカ・インコーポレーテッド (64)
【Fターム(参考)】