車両用アンテナ
【課題】後退補助指示システムは、車両の後方に、所定のカバレッジゾーンにおいて検出カバレッジを提供するセンサを含む。
【解決手段】センサは、近傍界において擬似コリメートアンテナパターンを有するRF信号を送信するようになっている送信アンテナを含む。送信アンテナは、バンパ横板部を横切って配置されるハウジングと、ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、複数の柔軟導波チャネルの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの同軸プローブとを備える。
【解決手段】センサは、近傍界において擬似コリメートアンテナパターンを有するRF信号を送信するようになっている送信アンテナを含む。送信アンテナは、バンパ横板部を横切って配置されるハウジングと、ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、複数の柔軟導波チャネルの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの同軸プローブとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用アンテナに関し、詳細には、車両における後退補助指示器として使用されるレーダ用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車走行に伴う危険性について、自動車のドライバ支援を強化することが現在もなお必要とされている。ドライバ支援を向上させる可能性のある分野の1つに、車両後方における物体の検出がある。車両が前進または後退しながら物体(たとえば、他の車両、歩行者および障害物)に接近する際、または物体が車両に接近する際、ドライバは常に物体を検出し、この物体との衝突を回避するために必要な予防措置を取ることができるとは限らない。たとえば、トラックの安全性を向上させるために、トラックの周囲の物体を検出するセンサシステムまたはより簡単に「センサ」が提案されてきた。かかるセンサは、通常、前進または後退する車両の経路における障害物を検出する音響、光学または赤外線(IR)検出器を含む。音響および光学センサを使用する従来技術によるシステムは、バンパの近く、および、カバレッジゾーンの遠端の方にはカバレッジエリアがない。音響センサは、深さカバレッジが制限されており、天候によってこれらのセンサの性能が低下する。
【0003】
当該技術分野において知られているように、市販のセンサ製品にレーダシステムを組み入れる傾向が高まっている。たとえば、自動車、トラック、ボート、飛行機および他の輸送手段にレーダシステムを組み入れることが望ましい。かかるレーダシステムは、小型でありかつ比較的低コストでなければならない。さらに、用途によっては、最低動作性能要件に加えて構造の物理的サイズに対する制限を含む、比較的困難な設計パラメータを有する。かかる競合する設計要件(たとえば、低コスト、小型サイズ、高性能パラメータ)により、かかるレーダシステムの設計は比較的困難なものになる。特に、設計の難題は、低コスト、小型および高性能であるという設計目標を満たすアンテナシステムを提供するという難題である。
【0004】
かかる安全性の用途では、車両の進路にある物体を正確かつ確実に検出することができるセンサを提供することが必要である。レーダは、自動車およびトラック等の輸送手段で使用されるセンサを実現する適当な技術である。この目的に適した1つのタイプのレーダは、周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave(FMCW))レーダである。通常のFMCWレーダでは、送信CW信号の周波数は、第1の所定周波数から第2の所定周波数まで直線的に増加する。FMCWレーダには、高感度、比較的低い送信機出力および優れた距離分解能という利点がある。
【0005】
自動車レーダシステムでは、コストおよびサイズの問題が非常に重要である。さらに、自動車レーダ用途の性能要件(たとえば、カバレッジエリア)を満たすために、アレイアンテナが必要である。自動車レーダ用途のために製造されるアンテナアレイで使用されるように提案されてきたアンテナエレメント(素子)によっては、パッチアンテナ素子、プリントダイポールアンテナ素子およびキャビティ付きパッチアンテナ素子がある。これらのアンテナ素子の各々には、自動車レーダ用途で使用される場合、1つまたは複数の制限がある。自動車用途用のアレイアンテナはどれも、小型およびコストの理由でエリアが制限されるだけである。プリントダイポールアンテナは、高密度回路構成で動作することができるが、プリントダイポールアンテナ素子によって可能になるアレイアンテナは、時に、アンテナ放射パターンに「盲点」を生じさせる。
【0006】
車両に配置されたセンサは、乗客の安全性に影響を与える可能性のある消費者製品であり、これらのセンサの精度および信頼性は重要である。その精度および信頼性に寄与するセンサの特徴には、そのノイズに対する感受性と、受信無線周波数(RF)信号を処理してセンサの視野内で物体を検出する全体的精度と、がある。ノイズに対する感受性は、たとえば、偽検出の原因となる可能性があり、あるいはさらに危険なことには、物体が検出されないままになる可能性がある。
【0007】
センサのさらに重要な属性は、その物理的サイズおよび形状係数に関連する。好ましくは、センサは、車両の表面背後に取付可能な比較的小型のエンクロージャまたはハウジングに収容される。精度および信頼性については、送信アンテナおよび受信アンテナとセンサの回路とは車両の属性によって影響を受けず、センサは予測可能なアライメントで車両に取り付けられることが必要である。さらに、後退補助指示器として使用される場合、センサには、車両を後退し駐車する動作に矛盾しないカバレッジエリアが必要である。従来のFMCWレーダシステムは、後退補助には適していない最小検出距離しか有していない。たとえば、システムによっては、最小検出距離は1.5mを超えてしまう。
【0008】
駐車、後退、車線変更および車両の側方の物体の検出に役立つレーダシステムの使用には、信頼性のある低コストのレーダに加えて、特定の用途に合う種々の幾何学上のカバレッジの問題に対する解決法が必要である。コリメートされていない信号を使用する従来技術によるシステムは、カバレッジエリアの側部が平行でなくカバレッジエリアの幅が比較的狭いように広がる典型的な開口テーパ形成ビームを有するビームを提供する。このため、従来技術によるシステムのカバレッジは、所望の直線状の後退カバレッジエリアに十分に適合していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、停止しているかまたは移動している車両の後方の物体の存在を検出することができるセンサシステムを提供し、さらに、それら物体が移動している場合はそれらの速度を検出することが望ましい。このため、車両の運転者(オペレータ)に警告することが望ましく、それによって運手者が車両を安全に操縦することができる。さらに、小型で、高密度回路構成で動作することができ、比較的低コストである後退補助システムを提供することが望ましい。さらに、偽検出を減らすために一般的な駐車および後退カバレッジを含むカバレッジゾーンを提供することも望ましい。さらに、低コストであり、後退および駐車を補助するために適した最小検出距離を提供するように車両に柔軟に取り付けることができるアンテナを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、後退補助指示システムは、車両(輸送手段)の後方の所定カバレッジゾーンにおいて検出カバレッジを提供するセンサを含む。センサは、ニアフィールド(近傍界)において擬似コリメートアンテナパターンを有するRF信号を送信するようになっている送信アンテナを含む。本システムはさらに、送信RF信号として周波数変調連続波FMCWチャープ信号とパルス波形信号との一方を選択的に提供する波形発生器を含む。かかる構成により、停止または移動している車両の後方の物体の存在を検出し、それら物体が移動している場合はその速度を検出し、偽検出を減らすために一般的な駐車および後退カバレッジを含むカバレッジゾーンにおいて目標物に送られるエネルギーを増大させる、小型後退補助指示システムを提供する。さらに、この構成により、送信ー受信間漏れが減り、受信エコーのスペクトルスミア(smearing)が減り、カバレッジエリアの十分にカバーされない部分のサイズが小さくなり、カバレッジエリアの左および右境界における利得ロールオフが鮮鋭化し、狭帯域波形と広帯域波形とがともにサポートされる。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、外部車両アンテナは、バンパ横板部(フェイシア:fascia)を横切って配置されるハウジングと、ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、を有する。本アンテナはさらに、複数の柔軟性導波チャネルのうちの所定のいくつかに結合された少なくとも1つの同軸プローブを有する。この構成により、低コストであり、後退および駐車補助のために適した最小検出距離を提供するように車両に柔軟に取り付けることができるアンテナが提供される。
【0012】
一実施形態では、アンテナエレメント(素子)は、車両バンパに取り付けられる、プラスチックの射出成形されたわずかに柔軟性のある金属被覆(金属化)された導波路アンテナから提供される。別の実施形態では、アンテナ素子は、車両バンパに取り付けられる、プラスチックの多層テープのわずかに柔軟性のあるストリップラインアンテナから提供される。
【0013】
この発明の上述した特徴と発明自体とは、図面の以下の説明からより完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の詳細な説明を提供する前に、本明細書において後退補助(back-up aid(BUA))として説明するシステムはまた、センサの動作制御と車両の運転者(オペレータ)に提供されるフィードバックまたはセンサ指示とを変更することにより追加のセンサの有無に係らず駐車補助(parking aid(PA))としても動作することができる、ということに留意しなければならない。
【0015】
図1を参照すると、レーダシステム10は、アンテナ組立品14と、送信機22および受信機24をともに有するマイクロ波部20と、デジタル信号プロセッサ(DSP)30、電源32、制御回路34およびデジタルインタフェースユニット(DIU)36を有する電子回路部28と、を備える。送信機22は、後述するように、電圧制御発振器(VCO)に対する制御信号を生成するデジタルランプ信号発生器を有する。
【0016】
アンテナ組立品14は、RF信号を受信する内部受信アンテナ16とRF信号を送信する内部送信アンテナ18とを有する。アンテナ組立品14はまた、受信機24に結合され内部受信アンテナ16とRF信号を受信する外部受信アンテナ16’とに選択的に結合されるスイッチ17と、内部送信アンテナ18とRF信号を送信する外部送信アンテナ18’とに選択的に結合されるスイッチ19と、も備える。スイッチ17、19は、内部アンテナとの動作かまたは外部アンテナとの動作のいずれかを選択する。レーダシステム10を、それが互いに近接して位置付けられた別々の送信アンテナと受信アンテナとを有するため、バイスタティックレーダシステムとみなしてもよい。アンテナ16、18は、送信および受信ビームが同じ方向を指すように平行に制御されるステアリング角で複数のビームを提供する。それぞれのアンテナ16、18の角度を選択するために、多位置スイッチを含むさまざまな回路15が適している。アンテナ16’、18’は、後退カバレッジエリア(カバレッジゾーンとも呼び、図3および図4に関して説明する)を提供するように複数ビームを提供する。当業者には、外部送信アンテナ18’への信号と外部受信アンテナ16’からの信号とを、任意の制御およびサブアレイセレクタ回路(図示せず)に結合することにより、外部アンテナ内のアンテナサブアレイの選択および制御を行うことができる、ということが理解されよう。
【0017】
レーダシステム10は、レーダ技術を利用して、システム10の視野内の1つまたは複数の物体すなわち目標物を検出するものであり、これをさまざまな用途で使用することができる。例示的な実施形態では、レーダシステム10は、自動車レーダシステム(図2)のモジュールであり、特に、自動車または他の輸送手段40に取り付けられ、限定されないが、車両が後退しまたは駐車している時にいる経路に近接して位置する可能性のある他の車両、木、標識、歩行者または他の物体を含む物体を検出する目的で、車両の後部バンパまたは後方部分に配置される、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’を有するようになっている、後退補助(BUA)/駐車補助(PA)システム(以下、BUAシステム10とも呼ぶ)である。
【0018】
BUA10はまた、車両の側部に沿った経路に近接して位置する可能性のある物体を検出する目的で、自動車または他の輸送手段40に取り付けられるようになっている側方物体検出(side object detection(SOD))システムに対しても使用することができる。なお、SODSの用途では、システムが、車両の側部の外側で扇形状のビームを切り替える必要があるが、バンパ上に外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’を備えるレーダシステム10は、およそ3および10mゾーンの後退エリアをカバーする1つの広い平行エッジビームか、または同じゾーンをカバーするおよそ平行エッジであるMサブビーム、たとえば4つのサブビームを提供する。
【0019】
当業者には明らかなように、レーダシステム10はまた、限定されないが、レーダシステム10をボート、船または他の船舶に配置することができる海洋の用途を含む多くの異なるタイプの用途での使用に適している。
【0020】
1つのモードでは、送信機22は、送信信号の周波数が第1の所定周波数、ここではたとえば24.05GHzから第2の所定周波数、ここではたとえば24.25GHzまで直線的に増加する、周波数変調連続波(FMCW)レーダとして動作する。FMCWレーダは、高感度、比較的低い送信機出力および優れた距離分解能という利点を有する。しかしながら、他のタイプの送信機を使用してもよい、ということが理解されよう。
【0021】
制御信号は、車両40により制御信号バス42を介してレーダシステム10に供給され、車両40に関連するヨーレートに対応するヨーレート信号と、車両の速度に対応する速度信号と、を含んでもよい。DSP30は、レーダシステム10の視野内の物体を検出するために、これらの制御信号と受信機24によって受信されるレーダ反射(return)信号とを処理する。レーダシステム10は、車両に対し、その視野内の物体を特徴付ける1つまたは複数の出力信号を車両への出力信号バス46を使用して供給する。これらの出力信号は、目標物に関連する距離を示す距離信号と、目標物に関連する距離レートを示す距離レート信号と、車両40に対する目標物に関連する方位角を示す方位角信号と、を含んでもよい。出力信号を、衝突回避システム等のさまざまな用途に対する車両40の制御ユニットに結合してもよい。
【0022】
ここで図2を参照すると、図1のBUAシステム10に対する応用例が、自動車近接物体検出(NOD)システム50の一部として示されている。NODシステム50は、車両52上に配置されており、車両52は、たとえば、自動車、オートバイまたはトラック等の自動車両、ボート等の海洋輸送手段または水中輸送手段、あるいは刈り取り機等の農業車両として提供してもよい。この特定の実施形態では、NODシステム50は、本発明の譲受人に譲渡され参照により本明細書に援用される、2000年1月4日に発行され「Radar System and Method of Operating Same」と題する米国特許第6,011,507号に記載されているタイプのものであってもよい前方監視センサ(FLS)システム54と、光電センサ(EOS)システム56と、本発明の譲受人に譲渡され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、2001年8月16日に出願され「Near Object Detection (NOD) System」と題する米国特許出願第09/931,631号に記載されているような複数の側方監視センサ(SLS)システム58または等価な側方物体検出(SOD)システム58と、を備える。本発明のBUAシステム10は、米国特許出願第09/931,631号における後方監視センサ(RLS)に置換されるかまたはそれを補足する。
【0023】
FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々は、センサプロセッサ62に結合されている。この特定の実施形態では、センサプロセッサ62を、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々がバスまたは他の手段を介して結合される中央プロセッサとして示す。代替実施形態では、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムのうちの1つまたは複数が、後述する処理を実行する図1のDSP30等のそれ自体のプロセッサを有してもよい、ということを理解しなければならない。この場合、NODシステム50を、分散プロセッサシステムとして提供する。
【0024】
NODシステム50が単一プロセッサを含むか複数のプロセッサを含むかに係らず、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々によって収集される情報は、センサプロセッサ62(または分散システムの場合は複数のプロセッサ)で共有される。NODシステム50を、限定されないが盲点検出、車線変更検出、車両のエアバッグ作動準備を含む複数の機能のために使用してもよく、これを使用して車線持続機能を実行してもよい。たとえば、センサプロセッサ62を車両52のエアバッグシステム64に結合してもよい。FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムのうちの1つまたは複数からの信号に応答して、センサプロセッサ62は、車両のエアバッグを「準備」するのに適当であるか否かを判断する。他の例もまた可能である。
【0025】
EOSシステム56は、光または赤外線(IR)、もしくはセンサの方位面において比較的高い分解能を提供する他のセンサを有する。FLSセンサ54は、本発明の譲受人に譲渡され参照により本明細書に援用される、1999年7月27日に発行された「Automotive Forward Looking Sensor Architecture」と題する米国特許第5,929,802号に記載されているタイプのものであってもよい。
【0026】
センサシステムの各々は、複数のカバレッジゾーンが車両の周囲に存在するように、車両52上に配置されている。したがって、車両は、センサゾーンの繭のような網または覆いに包囲されている。図2に示す特定の構成では、4つのカバレッジゾーン66a〜66dを使用する。カバレッジゾーン66a〜66dの各々は、1つまたは複数のRF検出システムを利用する。RF検出システムは、カバレッジゾーン66a〜66dの各々において複数のビームを提供するアンテナシステムを利用する。このように、別の物体が車両に接近するかまたはその逆の場合の特定の方向を発見することができる。特に、ゾーン#3は、図3および図4に関連して説明する後退カバレッジエリアに対応することができる。
【0027】
なお、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムを、車両上に着脱可能に配置してもよい、ということを理解しなければならない。すなわち、実施形態によっては、SLS、FLSおよびBUAセンサを、車両の本体の外部に配置してもよく(すなわち、車両本体の露出面上に)、他のシステムでは、FLS54、SLS58およびBUA10システムを、バンパまたは他の車両の部分(たとえば、ドア、パネル、クオータパネル、車両の前端および車両の後端)に埋め込んでもよい。また、車両内部(たとえば、バンパ内または他の場所)に取り付けられかつ着脱可能でもあるシステムを提供することも可能である。取り付けるためのシステムは、「Portable Object Detection System」と題する2001年8月16日に出願された米国特許出願第09/931,276号かまたは2001年8月16日に出願された「System and Technique for Mounting a Radar System on a Vehicle」と題する米国特許出願第09/930,868号に記載されているタイプのものであってもよい。これらの特許出願の各々は、本発明の譲受人に譲渡され、各々参照により本明細書に援用される。
【0028】
ここで図3を参照すると、車両72の後方に、例示的な後退エリア70(後退カバレッジゾーン70とも呼ぶ)が位置しており、それは車両72よりわずかに広く、ここではおよそ3mであり、車両72の後部バンパのおよそ0.1m後方から開始しておよそ9.9mの距離、車両72の後方に延在する。
【0029】
ここで図4を参照すると、車両72の後方に位置する例示的な後退エリア70を、ビーム仰角を示すように断面図で示す。後退エリア70は、車両の後部バンパから仰角がおよそ20度のカバレッジゾーンを有する。当業者には、BUAシステム10によって提供される後退エリア70を、さまざまな用途の要件を満たす種々の幅、長さおよび仰角を有するように構成することができる、ということが理解されよう。
【0030】
ここで図5Aを参照すると、BUAシステム10によりFMCWチャープ信号80が提供される。特に、信号は、線形FMCWアップチャープ波形であり、ここでは190MHz周波数レンジにガードバンドを足したものを有する。後退カバレッジゾーン70における物体からの対応するエコー信号82は、物体を検出する手段を提供する。後退カバレッジゾーン70(図3および図4)における物体の比較的正確な分解能と比較的小さい最小距離カバレッジとを提供するために、代替的にチャープ信号80とともに追加の信号(図5Bに関連して後述する)を使用する。SODSでも使用するFMCWチャープは、およそ1〜10mの範囲を有する。当業者には、検出された物体からの伝搬遅延を測定するために、擬似ランダム符号および位相変調(PM)符号化信号等の他の信号を使用することができる、ということが理解されよう。
【0031】
後退カバレッジゾーン70における物体までの距離は、当該技術分野において既知であるようなFFT処理から確定される。いずれの波形を使用するかの選択は、BUAシステム10内に位置するプロセッサかまたは車両センサによって確定され、その確定は、限定されないが後退カバレッジゾーン70における最も近接した物体の位置と、車両に高速で接近している物体の検出と、車両の現動作モードと、を含む複数の要素に基づく。
【0032】
ここで図5Bを参照すると、BUAにより時間領域(ドメイン)パルス信号86が提供される。後退カバレッジゾーン70における物体からの対応する反射パルス信号(図示せず)は、物体を検出する手段を提供する。特に、時間領域パルス信号86は、広い方のスペクトル成分の帯域幅を最小限にするために比較的長い総パルス幅を有する急上昇する立上り縁(エッジ)90を含む。検出された物体の距離は、測定された伝播(搬)遅延に比例する。時間領域パルス信号86は、センサ視野において2つの物体の比較的不十分な分解能を提供するが、およそ0.1m未満の精度で2つ以上の物体のうちの最も近接する物体に対し比較的より優れた最小距離性能を提供する。時間領域パルス信号86をチャープ信号80とともに代替的に使用することにより、車両の後部バンパに近接する物体のより正確な測定が可能になる。物体の距離は、反射パルス信号の立上り縁から確定される。
【0033】
一実施形態では、時間領域パルス86をおよそ10〜200Hzの周波数で繰り返すことにより、車両の後部バンパ近くの物体を連続的に測定する。BUAシステム10またはNODシステム50におけるプロセッサのうちの1つが、検出された物体の位置および距離を保存するトラックファイルを保持する。
【0034】
ここで図6を参照すると、側方物体検出(SOD)システムとして使用されるように図1および図2それぞれに関して上述したレーダシステムに類似してもよく、自動車レーダ用途においてBUAシステム10として使用されるように拡張される、例示的なレーダシステム100をより詳細に示す。レーダシステム100、ここではFMCWレーダは、時間の経過により所定の方法で変化する周波数を有する送信信号102を送信する。送信信号102は、概して、VCO制御またはランプ信号104を電圧制御発振器(VCO)106に供給することによって提供される。ランプ信号104に応答して、VCO106は、チャープ信号108を生成する。
【0035】
RF信号の送信時間の測度を、反射信号110(受信信号110とも呼ぶ)の周波数を送信信号のサンプル112の周波数と比較することによって確定することができる。このため、送信信号のサンプル112と反射信号110との周波数間のビート周波数を測定することにより、距離を確定することができる。ビート周波数は、反射信号110の時間遅延を乗算したランプ信号104の勾配に等しい。
【0036】
測定された周波数は、さらに、目標物とレーダシステムとの間の相対速度によるドップラ周波数を含む。測定された周波数シフトに対する2つの寄与を分離し識別することを可能にするために、チャープ後にCWトーンを生成することにより、そこからの反射信号がドップラ周波数とは異なるようにする。
【0037】
一実施形態では、デジタル回路および技術によりVCO制御ランプ信号104を生成する。この実施形態では、ランプ信号104を、DSP114およびデジタル・アナログ変換器(DAC)116によって生成する。図6のSODシステムにおいて、ランプ信号104を生成するためにDSP114およびDAC116を使用することが可能である。それは、限定されないが検出ゾーンサイズ、形状および分解能を含む検出ゾーン特性の適当な選択により、チャープ信号108の正確な線形性が不要である、と判断されたためである。この構成により、送信信号102の周波数は、正確かつ容易に制御可能であり、それによっていくつかの特徴の実現が容易になる。一例として、ランプ信号104における連続的なランプの1つまたは複数の特性を、同様の近接するレーダシステム間の干渉を低減するためにランダムに変化させる。別の例として、ランプ信号104を適当に調整することにより、温度補償を実現する。さらに別の例は、VCO動作における非線形性に対する補償である。さらに、ハードウェア変更または調整が必要であるはずのSODシステムの変更を、単にDSP114にソフトウェアをダウンロードすることにより容易に行うことができる。たとえば、SODシステムの動作の周波数帯域を、SODを異なる国において異なる動作周波数要件で使用する場合に所望に応じて容易に変更することができる。
【0038】
SODシステムの電子回路部120は、DSP114と、電源122と、コネクタ124と、を有する。コネクタ124を通して、信号バスが、SODシステムとそのSODシステムが配置されている車両との間に結合される。コントローラエリアネットワーク(CAN)トランシーバ(XCVR)126の形態で、デジタルインタフェースユニットが提供され、それは、CANマイクロコントローラ128を介してDSP114に結合される。CANコントローラ128には、周波数安定性を提供するためにシステムクロック130が結合される。一実施形態では、システムクロックを、水晶制御発振器として提供する。アナログ‐デジタル(A/D)変換器132は、ビデオ増幅器134の出力を受け取り、その信号を、検出処理のためにDSP114に結合するようにデジタル形式に変換する。一実施形態では、A/D変換器132を、12ビットA/D変換器として提供する。しかしながら、当業者は、特定の用途に対して十分な分解能を有する任意のA/D変換器を使用してもよい、ということを理解するであろう。スイッチ回路を備えるスイッチを駆動する制御信号を提供するために、アンテナスイッチ回路140、142に、信号バス136を結合する。また、SODシステムの電子回路部120において、ソフトウェア命令またはコードおよびデータが格納されるメモリも提供する。図6の例示する実施形態において、メモリをフラッシュメモリとして提供する。
【0039】
DSP114は、出力信号またはワードをDAC116に提供し、DAC116は、そのDSP出力ワードをそれぞれのアナログ信号に変換する。VCO106にランプ制御信号を提供すべくステップDAC出力を平滑化するために、DAC116の出力にアナログ平滑化回路144が結合される。DSP114は、DSP出力信号またはワードのセットをそれぞれのDSP出力信号によって生成される送信信号の周波数に関連して含むルックアップテーブルが格納されるメモリ装置146を含む。
【0040】
VCO106は、ランプ信号104をアナログ平滑化回路144から受け取る。一実施形態では、VCOは、24.05から24.25GHzの間の送信周波数範囲で動作し、図示するように、出力信号を帯域通過フィルタ148に提供する。
【0041】
VCO106の出力を、帯域通過フィルタ148によってフィルタリングし、増幅器150によって増幅する。増幅器150からの出力信号の一部を、カプラ152を介して結合することにより、送信信号102を送信アンテナ154に提供する。増幅器150からの出力信号の別の部分は、受信信号経路におけるミキサ156のLO入力ポートに供給される局部発振器(LO)信号に対応する。
【0042】
スイッチ回路140、142を、バトラー(Butler)マトリクス(図6には図示せず)を通して送信アンテナ154および受信アンテナ158に結合する。アンテナ154、158およびスイッチ回路140、142ならびにバトラーマトリクスは、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Slot Antenna Element for an Array Antenna and Switched Beam Antenna Architecture」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,633号に記載されているタイプのものとすることができる。ここでは、スイッチ回路とバトラーマトリクスとについては、SODシステムの目標物を検出する能力を向上させるアンテナビーム特性を有する切り替えられたアンテナビームを有するアンテナを提供するように動作する、ことを述べるにとどめる。
【0043】
反射信号110を、図示するように、RF低ノイズ増幅器(LNA)160と、帯域通過フィルタ162と、もう1つの低ノイズ増幅器(LNA)164と、によって処理する。図示するように、LNA164の出力信号を、送信機から結合される局部発振器信号を受け取るミキサ156によってダウンコンバートする。LNA164からのRF信号と局部発振器信号との例示的な周波数は、およそ24GHzである。例示する受信機は直接変換のホモダイン受信機であるが、SODレーダシステムにおいて他の受信機トポロジを使用してもよい。
【0044】
ビデオ増幅器134は、例示的な実施形態では1KHzと40KHzとの間の周波数を有する、ダウンコンバートされた信号を増幅しフィルタリングする。ビデオ増幅器は、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Video Amplifier for a Radar Receiver」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,593号に記載されているように、温度補償、漏れ信号のフィルタリングおよび周波数に基づく感度制御を含む機能を組み込んでもよい。
【0045】
A/D変換器132は、ビデオ増幅器134のアナログ出力を、さらに処理するためにデジタル信号サンプルに変換する。特に、デジタル信号サンプルを、さまざまな周波数レンジ(すなわち、周波数ビン)内の反射信号の内容を確定するためにDSP内で高速フーリエ変換(FFT)により処理する。FFT出力は、信号プロセッサ114の残りの部分に対するデータとしての役割を果たし、そこでは、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Radar Transmitter Circuitry and Techniques」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,636号に記載されているように、視野内の物体を検出する1つまたは複数のアルゴリズムを実施する。
【0046】
レーダシステムは、温度補償機能を有してもよく、それにより、ランプ信号を調整することによって、送信信号の周波数の温度誘導変化を補償する。この目的のために、送信機101は、マイクロ波信号検出器168に結合された誘電性共振器166を有する。マイクロ波検出器の出力は、DSP114が処理するためにCANコントローラ128のアナログ‐デジタル変換器に結合される。かかる処理の詳細は、「Radar Transmitter Circuitry and Techniques」と題する上述の米国特許出願第09/931,636号に記載されている。
【0047】
一実施形態では、送信アンテナ154および受信アンテナ158の開口を、低温同時焼成セラミック(LTCC)基板(図示せず)の表面上に形成する。170で示すRF送信機および受信機コンポーネントを提供するRF回路コンポーネントは、LTCC基板内またはその上のいずれかに含まれる。
【0048】
VCO106を、LTCC基板の表面上に配置された表面実装コンポーネントとして提供する。同様に、増幅器150、160、164およびミキサ156を、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)として提供してもよく、LTCC基板の表面上に配置してもよい。
【0049】
同様に、電子回路部120を構成するコンポーネントを、プリント回路基板(図示せず)上に配置する。たとえば、DSP114、DAC116、電源122、LAN XCVRおよびコントローラ126、128ならびにA/D132を、すべてプリント回路基板の第1または第2の面に配置する。このように、BUAシステム10を、コンパクトパッケージでレーダシステム全体として提供する。
【0050】
ここで図6Aを参照すると(同様の参照番号は図6における同様の要素を示す)、BUAシステム10は、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’等のさらなるコンポーネントを含む。BUAシステム10は、さらに、モード選択入力178と、タイマ回路182と、CWRF信号源VCO106に結合されたパルス波形発生器180と、を有する。タイマ回路182を、反射パルス検出器172に結合する。パルス波形発生器180を、図6の回路において信号108または信号102として示す接続に含めることができる。
【0051】
パルス波形発生器180は、タイマ回路182に結合されたタイマ入力188を含む。パルス波形発生器180の出力は、スイッチ184の入力に結合される。スイッチ184は、内部送信アンテナ18に結合された第1の出力と外部送信アンテナ18’に結合された第2の出力とを有する。
【0052】
受信回路は、それぞれ内部受信アンテナ16と外部受信アンテナ16’とに結合された入力ポートを有するさらなるスイッチ186を含む。スイッチの出力ポートは、RF低ノイズ増幅器(LNA)160(図6)の入力に結合される。タイマ回路182は、BUAプロセッサ、たとえば距離測定を提供するDSPに結合される。RF低ノイズ増幅器(LNA)160の出力を、タイマ回路182に結合された検出器172に供給することにより、反射パルス90(図5B)を検出し測定する。
【0053】
一実施形態では、パルス波形発生器180は、たとえば、高速スイッチである。動作時、モード要求を、モード選択入力178を介してプロセッサに供給することにより、センサがSODモード、BUAモードまたは別のモードのいずれで動作しているかを選択する。BUAモードでは、スイッチ184および186の出力は、外部アンテナ16’および18’に結合される。パルス波形発生器180は、選択的に、タイマ回路182によって制御される時間領域パルス信号かまたはFMCWチャープ信号80を、送信アンテナ18または18’に選択的に結合されているスイッチ184に供給する。タイマ回路182は、相対的に高速な立上り時間と低速な減衰とを有する一続きのスイッチングパルスを供給する波形発生器180に対し、入力を供給する。パルス波形発生器180は、図5Aおよび図5Bに関連して上述したように、チャープ信号80かまたは時間領域パルス信号86のいずれかを代替的に供給する。一実施形態では、時間領域パルスが供給されると、純CWトーン信号がパルス波形発生器180に供給されるように、チャープ信号80がディスエーブル(動作不能)になる。代替的に、時間領域における検出を可能にする何らかの形式の周波数変調をまだ保持してもよい。チャープ発生からパルス発生への変更を、たとえば、チャープ発生器をCWトーン状態にし、タイマ回路182の制御下で送信CWトーンをオン・オフに切り替えることにより必要な立上りおよび立下り時間を有するパルスを形成することにより、達成する。チャープ発生器を、たとえば、DAC116からの一定出力を供給することによるかまたはVCO106をディスエーブルにすることにより、CWトーン状態にする。このため、BUAモードにおいて、BUAシステム10は、外部送信アンテナ18’に結合されたFMCWチャープ信号80と時間領域パルス信号86とをともに使用し、外部受信アンテナ16’において反射信号を受け取り、外部アンテナ16’および18’を後部バンパ上に配置する。SODモードにおいて、システムは、内部送信アンテナ18に結合されたFMCWチャープ信号80を使用し、内部受信アンテナ16において反射信号を受け取る。モードは、自動的に切り替えることができ、あるいは車両運転者が手動で設定することができる。たとえば、車両が低速で逆に動作している場合、システムはBUAモードに切り替わることができる。
【0054】
BUAシステム10は、さらに、アンテナにおいて、複数のサブアレイが使用される場合にアンテナに接続されるRFケーブルの数を低減する能動スイッチングを含む、代替送信アンテナ18”(および対応する受信アンテナ(図示せず))を含むことができる。この実施形態では、複数の論理ケーブルをスイッチ194a〜194nに結合することにより、アンテナサブアレイを制御する。多くのサブアレイを使用するほど、ゾーン確定および距離の精度および正確さを得ることができるが、複雑性が増大する。物体を検出した後、BUAシステムは、後退カバレッジゾーン76における物体の最新の既知の位置と距離との関数としての信号を送受信する特定のサブアレイを選択することができる。概して、最も近接する物体が最も重要であるが、システムは、後退カバレッジゾーン76に入る高速に移動する物体等の例外を処理することができる。一実施形態では、代替送信アンテナ18”は、さらなる切り替え能力を提供するためにバトラーマトリクスを含むことができる。
【0055】
物体が検出されると、BUAシステム10は、車両の運転者に対して指示を提供する。指示を、可聴音、LED指示器、ヘッドアップディスプレイまたは表示機能を有する車両ミラーに表示される画像として提供することができる。
【0056】
ここで、図7を参照すると、外部アンテナ組立品200(バンパアンテナ組立品200とも呼ぶ)は、バンパの横板部(フェイシア)204上に取り付けられており、送信アンテナ18’と受信アンテナ16’とを有する。アンテナ組立品200は、複数のケーブル206によりスイッチ184およびスイッチ186(図6A)に結合されている。ケーブル206は、RF信号かまたは論理信号のいずれかを制御アンテナサブアレイに伝送することができる。アンテナ組立品200は、後部バンパの横板部204上に取り付けられるか、または任意選択で後部バンパ内または車両の後部の他の場所に取り付けられる。
【0057】
ここで図8A乃至図8Cを参照すると、BUAシステム10に関連して使用される複数のソース224a〜224jにより、アンテナ放射パターンが提供される。隣接するソース224a〜224jのすべてまたはサブセットを結合することにより、さまざまな近方場(近傍界)およびファーフィールド(遠方界)ビームパターンが形成される。たとえば、隣接するソース224a〜224jを左および右半分、それぞれ224a〜224eおよび224f〜224jで結合することにより、図8Bに示すようなビーム226aおよび226bが提供される。
【0058】
図8Aは、外部アンテナ素子(エレメント)のうちの所定のいくつかを結合することによって提供されるアンテナシステムビームと、近傍界で動作している単一全幅開口を有するBUAシステム10によって提供することができる結果としての検出ゾーンと、のプロットを示す。図8Bは、近傍界で動作している右および左半分に分割された単一の全幅開口を示す。
【0059】
図8Bは、外部アンテナ素子のうちの所定のいくつかを結合することによって提供される外部アンテナシステムビームと、図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンと、のプロットである。結果としての結合されたビームアレイファクタを示す。結合されたビーム226aおよび226bは、仰角においておよそ20度のビーム拡散を有し、方位角において後退エリアをほぼカバーする。開口テーパ重み付けを使用するソースにおけるテーパ照射により、近傍界において擬似コリメートビームが提供される。結果として、例示的な後退カバレッジゾーン70’が提供される。
【0060】
後退システムによって使用される信号エネルギーの量は、政府規制により何らかの権限においてスペクトル範囲が制限される。BUAシステム10は短距離で動作しているため、ゲート受信機を使用して送信信号を十分に迅速にオンおよびオフすることは可能ではない。したがって、受信アンテナ16’と送信アンテナ18’との間に、十分な隔離が必要である。隔離は、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’の物理的分離によって達成される。チャープ信号80は、狭い帯域幅を有するが、パルス信号86は、比較的広い帯域幅を必要とする。近傍界で動作することにより、BUAシステム10とバンパアンテナ組立品200とは、所望の直線放射パターンを有する擬似コリメートビームを提供する。この放射パターンにより、エネルギーが目標物上に送られ十分な反射信号が供給されることが確実になる。直線形状を有する後退カバレッジゾーン70が提供される。物体を検出する方法は、上に参照した同時係属中の米国特許出願第09/931,631号に記載されている。
【0061】
図8Aおよび図8Bの例示的なBUAシステム10は、10個のアンテナ素子隣接ソース224a〜224jを有する。当業者には、本発明から逸脱することなく、他のビームの数(たとえば、10より少ないか多い)およびある範囲のスキャン角度を有することが可能であることを理解するであろう。特定の用途において使用するアンテナ素子の特定の数を、限定されないがカバレッジゾーンの形状、カバレッジゾーンのサイズ、必要な方位角分解能、複雑性およびコストを含む種々の要素に従って選択する。
【0062】
図8Cは、外部アンテナ素子のうちの所定のいくつかを結合することによって提供された遠方界パターンと結果としての検出ゾーン71とを示す。
ここで図9を参照すると、長さLと幅Wとを有するバンパアンテナ組立品200(図8A)は、外部送信アンテナ18’(図1)と外部受信アンテナ16’とを有する。一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、バンパ横板部を横切る金属被覆(金属化)されたプラスチック構造を有し、幅はおよそ10cmであり長さはおよそ2mである(図10および図11に関連してより詳細に説明する)。
【0063】
別の実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、能動部品をまったく有せずに受動アレイとして外部送信アンテナ18’と外部受信アンテナ16’とを有する。バンパアンテナ組立品200の外部送信アンテナ18’と外部受信アンテナ16’とは、衝撃に対して弾力性があり後退カバレッジゾーン70をカバーする波形を提供する。また、それらを、主電子回路に結合しわずか2つのRFケーブルによりRF制御することができる。外部アンテナ16’および18’を、所望の後退カバレッジゾーン70を最適にカバーするアンテナパターン(ゾーンカバレッジ特性と言う)をさらにもたらす、仰角が比較的狭く方位角がより広い波をもたらす照射テーパ(振幅および位相の両方において)により設計する。
【0064】
ここで図10を参照すると(図9の同様の要素は、同様の参照符号を有するように提示する)、外部送信アンテナ18’は、エレメント210a〜210mを有する複数アンテナ送信サブアレイ208a〜208n(全体的に送信サブアレイ208と呼ぶ)を有し、外部受信アンテナ16’は、エレメント214a〜214mを有する複数のアンテナ受信サブアレイ212a〜212n(概して受信サブアレイ212と呼ぶ)を有する。
【0065】
1つの特定の実施形態では、外部アンテナ受信サブアレイ212と送信サブアレイ208とを、金属被覆された射出成形プラスチックからなる柔軟導波路によって提供する。バンパアンテナ組立品200を、横板部に近いカバレッジエリアにおける間隙を最小限にするように設計する。これらの間隙における物体は、しばしば、従来のポイントセンサでは検出されない。この実施形態では、導波路エレメントは、RF信号に適当な位相および振幅を提供することにより、後退カバレッジゾーン70をカバーするビームを形成する。バンパアンテナ組立品200を、アンテナの近傍界特性を利用するために距離内を伝搬する、バンパ面に平行な波面を提供する複数のHuygen(ホイヘンス)ソースを提供するものとして見ることができる。
【0066】
2つの代替実施形態において、バンパアンテナ組立品200を、比較的低コストのプラスチックアンテナとして提供する。第1の実施形態では、内部が金属被覆されたプラスチックの射出成形導波路網を提供する。第2の実施形態では、裏面が金属被覆されたグラウンドプレーンを有し前面が複数のパッチラジエータを有する、粘着性(接着性)プラスチックテープ上にプリントされたストリップライン回路を提供する。
【0067】
バンパアンテナ組立品200は、たとえば、テーパ照射と所定偏光とを有するM個のサブアレイ(Mはたとえば1〜8に等しい)に32個の広帯域ラジエータを含むことができる。一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、各々が8つの広帯域ラジエータを有する4つのサブアレイを含む。バンパアンテナ組立品200は、コーポレート同相広帯域導波路給電網と、吸収性貼付式(stick-on)終端部またはリアクタンス性終端部で終端するロードポートを有するマジックTと、ケーブル・プローブコネクタインタフェースと、を有することができる。さらに、送信および受信開口を、物理的に分離する。
【0068】
ここで図11を参照すると(図10の同様の要素は同様の参照符号を有するように提示する)、送信アンテナ18’は、複数の導波路サブアレイ230a〜230nと関連する給電回路とを含む。
【0069】
ここで図11Aを参照すると、図11の導波路サブアレイは、第1のチャネル240に結合された給電部238(図12に関連してより詳細に説明する)を有する。第1のチャネルは、チャネル240から受け取られた信号を分割する第2レベルのチャネル242aおよび242bに結合される。チャネル242aおよび242bは、それぞれ導波路出力246a〜246dに信号を供給するチャネル244aおよび244bに信号を供給する。当業者には、チャネルおよび放射エレメントの数を、特定のアンテナ設計およびカバレッジエリアに合うように変更することができる、ということが理解されよう。
【0070】
一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、車両のバンパにおける標準的な衝撃に対し弾力性のある、プラスチックの射出成形されたわずかな柔軟構造を含む。その構造に対し、RF挿入損を最小限にし構造からの望ましくないRF漏れを最小限にするために、少なくとも導波路の内面を金属被覆する。アンテナは、種々の環境条件下で導波チャネルの低損失特性を保存するように導波チャネルを充填するように射出される独立気泡型の低密度低損失発泡体を含む。発泡体は、温度サイクルによる湿気蓄積を防止し、導波路への汚物粒子の侵入を防止する。バンパアンテナ組立品200を、送信アンテナと受信アンテナとの間のRF漏れを最小限にするように、横板部を通して安定したマイクロ波整合を維持する、バンパ横板部の裏面への間隙のない接着取付を使用して取り付ける。
【0071】
代替実施形態では、バンパアンテナ組立品(図示せず)は、バンパへの標準的な衝突に対して弾力性のある低コストの複合体構造を提供するわずかに柔軟性のある、プラスチックの多層テープを含む。バンパアンテナ組立品は、裏層に金属被覆されたグランドプレーンを有し、中間層はプリントまたはロールされた(ローリング)伝送線を含み、表層は、横板部に向って複数のパッチまたはスロットラジエータを含む。アンテナ組立品200’は、横板部を通して安定したマイクロ波整合を維持し送信アンテナと受信アンテナとの間のRF洩れを最小限にするために間隙なしに接着材により、バンパ横板部の背面に取り付けられ、RF給電ケーブルの容量性または直接接触接続を含む。
【0072】
ここで図12を参照すると、導波路サブアレイ230の一部が、外部送信アンテナ18’に接続されている同軸プローブ270により、RFモジュールに結合される。同軸プローブ270は、クリップ機構264により導波路サブアレイ230に機械的に締結される。導波路サブアレイ230は、複数の導波チャネル272a〜272n上に配置された上部カバー262を有し、カバー262は、カバー262の開口(図示せず)に配置された同軸プローブ270により、クリップ機構264と導波チャネル272bとの間に配置されている。カバー262は、ここではプラスチックから形成されるハウジング266上に配置される。ハウジング266は、導波チャネル272を形成する、金属被覆された内面268と非金属面274とを有する。
【0073】
図12A、図12Bおよび図12Cは、同軸プローブ270の異なる構成を示す。ここで図12Aを参照すると、同軸プローブ270は、周囲に外部シールドが配置された中心導体を含む。導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270の端部は、外部シールド282の一部が取り除かれ、同軸プローブ誘電体284の一部が露出している。ここで図12Bを参照すると、同軸プローブ270’は、同軸プローブ270に類似するが、導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270’の端部の一部は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部とがともに取り除かれて中心導体280の一部が露出している。ここで図12Cを参照すると、同軸プローブ270’は同軸プローブ270に類似するが、導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270”の端部の近くの部分は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部との両方が取り除かれ、中心導体280の一部286が露出し、導波路272内に挿入される同軸プローブの端部の第2の部分は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部との両方が、プローブ誘電体284の一部288を残して取り除かれる。
【0074】
ここで、図13および図14を参照すると、従来技術によるビームパターン290と後退カバレッジエリアパターン292とが示されている。従来技術によるシステムは、在来、主に遠方界における特性を使用する。すなわち、
距離>2D2/λ
ここで、Dはアンテナ開口の物理的な大きさであり、
λは動作RF波長である。
従来の広い開口は、低サイドローブレベルに対して遠方界の非常にテーパがかけられた開口照射で細いビームを提供するが、近い距離において開口の外側部分でカバレッジが達しない。さらに、細いビームは、アンテナ開口に近接してあまりよく形成されない。
【0075】
物体が、アレイ224a〜224j(図8A)の幅に比較してアレイから遠い距離にある場合、個々のエレメント224a〜224jそれぞれから物体までの距離は、すべておよそ同じであり、エレメント比はおよそ均一である。物体がアレイに近づくと、物体からエレメントのうちのいくつか(たとえば、224eおよび224f)までの距離がさらに右および左の他のエレメント(たとえば、224jおよび224a)までの距離よりずっと小さいところに達する。これは、各エレメントから物体までの距離に比例する出力を有するアレイが、その物体に対する単一距離ではなく距離内の拡散を示すことを意味する。この距離における拡散の影響は、物体がアレイエレメントに近づくに従い固有に発生する距離係数重み付けによって軽減される。距離係数重み付けは、エレメントから物体までの距離に反比例する。特定のエレメントが物体から遠いほど、その物体に対する反応の大きさが小さくなる。逆に、物体に最も近いエレメントは、最大の応答を有する。このように、アレイの合計された応答を、物体が最も近接しているエレメントからの応答に向って距離係数により重み付けする。たとえば、FMCWレーダは、送信チャープ信号とその視野内の物体からアレイを通して受け取られるエコーとの間のビート周波数に比例するものとして距離を測定する。距離が大きいほどビート周波数が高くなる。
【0076】
表1は、32個のエレメントのアレイにおける個々のエレメントまでの距離によってもたらされるビート周波数の拡散の例を示す。周波数から距離への換算は、表1の例では、およそ0.83m/kHzである。このため、12.6kHzの周波数は、10.5mの距離測定値に対応し、0.6kHzは0.5mに対応する。
【0077】
【表1】
【0078】
表1は、FMCWチャープ波形使用からの、重み付けされていない周波数拡散対物体までの距離を示す。表1から理解されるように、物体が開口に近づくに従い、物体からエレメントまでの経路距離が、より広い間隔に亙って変化し、したがって周波数拡散が増大する。FMCWチャープレーダによって提供される距離は、合計信号の周波数に比例する。そして、合計信号は、周波数が異なるn個の信号の合計である。幸いにも、合計における最も大きい項は、距離係数重み付けにより最低周波数を有する項である。したがって、記録された距離は最も近い距離である。そのため、物体に対する真の距離に対して近い距離におけるアレイの広い物理的広がりによる周波数拡散にもかかわらず、記録された距離は、距離が最も近い物体に重み付けされる。
【0079】
近傍界において擬似コリメートアンテナパターンを生成するために開口テーパ重み付けを提供することにより、近傍界におけるアンテナパターンは、ゾーンカバレッジ特性を有する。このアンテナパターンは、近傍界において開口に実質的に比例して形成される合計波面を含む。結果としての開口テーパは、より小さく、コリメーションとサイドローブレベル(SLL)との間で平衡が保たれ、結果としてのフィールドパターンは、開口から広がる実質的に平行なエッジのビームを有する。このパターンは、所望のカバレッジゾーンの直線形状により近似し、この場合、ビームは、この所望の形状においてアンテナ開口に近接して形成され、カバレッジは、開口の全幅まで広がる。ゾーンカバレッジ特性は、方位角カバレッジとサイドローブレベルとメインローブを横切るリップルとを含むいくつかの特性のトレードオフである。
【0080】
ここで図15乃至図22を参照すると、擬似コリメートアンテナパターンのいくつかの例が示されている。図15は、第1の例示的な擬似コリメートアレイのさまざまな距離におけるクロスレンジアンテナパターン300を示す。図16は、図15のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン302の等高線プロットを示す。この第1の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン300とフィールドパターン302とを生成するアンテナ素子は、開口テーパを有してない。パターンは、比較的平行なビームを含み、拡散は比較的最小であり、アンテナフィールドパターン302は、図13および図14のそれぞれのパターン290および292に比較して、所望の直線ゾーン形状をよりよくカバーする。
【0081】
図17は、エレメントの間隔が変更された、第2の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン310を示す。図18は、図17のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン312を示す。第2の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン310と312とを生成するアンテナ素子は、依然として開口テーパを有していないが、エレメントの間隔が変更されている。パターン312は、平行な側部を維持しながら、左および右側において図16のパターン302より優れた減少を含む。
【0082】
図19は、開口テーパが付加された第3の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン320であり、ここでは開口テーパ重み付けは0.25ハミング(Hamming)テーパであって、それは、従来のハミングテーパの大きさの25%のみが適用されたことを意味する。図20は、図19のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン322を示す。第3の実施例における擬似コリメートアンテナパターン320および322を生成するアンテナ素子は、いくつかの開口テーパを有する。パターン322は、平行な側部を含み、左および右側に図18のパターン312より優れた減少を提供するが、依然として何らかの肩部分(shouldering)を含む。
【0083】
図21は、開口に0.10ハミングテーパが適用された、第4の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン330を示す。図22は、図21のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン332を示す。第4の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン330、332を生成するアンテナ素子は、非常に軽い開口テーパを有し、ここでは、開口テーパ重み付けは0.1である。フィールドパターン332は平行形状を維持し、上部が左および右側の両方のエッジより平坦であり比較的鮮明である。
【0084】
上述した実施形態では、矩形および部分的ハミングテーパの組合せを使用して、擬似コリメートアンテナパターンを提供する。当業者には、限定されないが、コサイン(Cosine)、2乗コサイン(Raised-Cosine)、カイザー(Kaiser)、ハニング(Hann)およびブラックマン(Blackman)開口テーパ重み付けを含む、さまざまな組合せにおける他のテーパを使用してもよい、ということが理解されよう。物理的な実施態様では、開口テーパを、いくつかの手段のうちの1つまたは複数により、たとえば、共通分割器のさまざまなレッグ(脚部)における電力分割の割合を変更すること、または個々の放射エレメントとエレメント給電線との間の結合係数を変更すること、および損失のある部品または利得を有する部品を含めることによって、提供する。
【0085】
ここで、当業者には、BUAシステム10を、独立型システムとして提供することもNODシステムの一部として提供することも可能である、ということが理解されるはずである。
【0086】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、ここで、当業者には、それらの概念を組み込んだ他の実施形態を使用してもよい、ということが明らかとなろう。したがって、これらの実施形態を、開示した実施形態に限定するべきではなく、むしろ特許請求の範囲の精神およびその範囲によってのみ限定されるべきである、ということは理解されるであろう。
【0087】
本明細書で引用した刊行物および参照文献はすべて、参照により明示的にその内容がすべて本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】後退補助指示器(BUA)システムのブロック図である。
【図2】図1の自動車BUAを含む近接物体検出システムのブロック図である。
【図3】図1のBUAシステムの後退カバレッジエリアの略平面図である。
【図4】図1のBUAシステムの後退カバレッジエリアの略側面図である。
【図5A】図1のBUAシステムによって提供されるFMCWチャープ信号と物体からの対応するエコーとのプロットである。
【図5B】図1のBUAシステムによって提供される時間領域パルス信号のプロットである。
【図6】図1に示すタイプのBUAシステムの詳細なブロック図である。
【図6A】図1に示すタイプのBUAシステムの波形発生回路およびアンテナ切替回路のブロック図である。
【図7】図1のBUAシステムの外部送信アンテナおよび受信アンテナの概略図で
【図8】図8Aは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供されるアンテナシステムビームと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。図8Bは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供される外部アンテナシステムビームと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。図8Cは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供される遠方界パターンと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。
【図9】車両バンパに取り付けられた外部送信および受信アンテナの平断面図である。
【図10】車両バンパに取り付けられた外部送信および受信アンテナの側断面図である。
【図11】図10の外部送信アンテナ素子の分解組立断面図である。図11Aは図11の導波路サブアレイの分解組立断面図である。
【図12】図10の外部送信アンテナ素子に結合された同軸プローブの断面図である。図12Aは図12の同軸プローブの図である。図12Bは図12の同軸プローブの図である。図12Cは図12の同軸プローブの図である。
【図13】従来技術によるコリメートされていない後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図14】従来技術によるコリメートされていない後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図15】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図16】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図17】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図18】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図19】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図20】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図21】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図22】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用アンテナに関し、詳細には、車両における後退補助指示器として使用されるレーダ用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車走行に伴う危険性について、自動車のドライバ支援を強化することが現在もなお必要とされている。ドライバ支援を向上させる可能性のある分野の1つに、車両後方における物体の検出がある。車両が前進または後退しながら物体(たとえば、他の車両、歩行者および障害物)に接近する際、または物体が車両に接近する際、ドライバは常に物体を検出し、この物体との衝突を回避するために必要な予防措置を取ることができるとは限らない。たとえば、トラックの安全性を向上させるために、トラックの周囲の物体を検出するセンサシステムまたはより簡単に「センサ」が提案されてきた。かかるセンサは、通常、前進または後退する車両の経路における障害物を検出する音響、光学または赤外線(IR)検出器を含む。音響および光学センサを使用する従来技術によるシステムは、バンパの近く、および、カバレッジゾーンの遠端の方にはカバレッジエリアがない。音響センサは、深さカバレッジが制限されており、天候によってこれらのセンサの性能が低下する。
【0003】
当該技術分野において知られているように、市販のセンサ製品にレーダシステムを組み入れる傾向が高まっている。たとえば、自動車、トラック、ボート、飛行機および他の輸送手段にレーダシステムを組み入れることが望ましい。かかるレーダシステムは、小型でありかつ比較的低コストでなければならない。さらに、用途によっては、最低動作性能要件に加えて構造の物理的サイズに対する制限を含む、比較的困難な設計パラメータを有する。かかる競合する設計要件(たとえば、低コスト、小型サイズ、高性能パラメータ)により、かかるレーダシステムの設計は比較的困難なものになる。特に、設計の難題は、低コスト、小型および高性能であるという設計目標を満たすアンテナシステムを提供するという難題である。
【0004】
かかる安全性の用途では、車両の進路にある物体を正確かつ確実に検出することができるセンサを提供することが必要である。レーダは、自動車およびトラック等の輸送手段で使用されるセンサを実現する適当な技術である。この目的に適した1つのタイプのレーダは、周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave(FMCW))レーダである。通常のFMCWレーダでは、送信CW信号の周波数は、第1の所定周波数から第2の所定周波数まで直線的に増加する。FMCWレーダには、高感度、比較的低い送信機出力および優れた距離分解能という利点がある。
【0005】
自動車レーダシステムでは、コストおよびサイズの問題が非常に重要である。さらに、自動車レーダ用途の性能要件(たとえば、カバレッジエリア)を満たすために、アレイアンテナが必要である。自動車レーダ用途のために製造されるアンテナアレイで使用されるように提案されてきたアンテナエレメント(素子)によっては、パッチアンテナ素子、プリントダイポールアンテナ素子およびキャビティ付きパッチアンテナ素子がある。これらのアンテナ素子の各々には、自動車レーダ用途で使用される場合、1つまたは複数の制限がある。自動車用途用のアレイアンテナはどれも、小型およびコストの理由でエリアが制限されるだけである。プリントダイポールアンテナは、高密度回路構成で動作することができるが、プリントダイポールアンテナ素子によって可能になるアレイアンテナは、時に、アンテナ放射パターンに「盲点」を生じさせる。
【0006】
車両に配置されたセンサは、乗客の安全性に影響を与える可能性のある消費者製品であり、これらのセンサの精度および信頼性は重要である。その精度および信頼性に寄与するセンサの特徴には、そのノイズに対する感受性と、受信無線周波数(RF)信号を処理してセンサの視野内で物体を検出する全体的精度と、がある。ノイズに対する感受性は、たとえば、偽検出の原因となる可能性があり、あるいはさらに危険なことには、物体が検出されないままになる可能性がある。
【0007】
センサのさらに重要な属性は、その物理的サイズおよび形状係数に関連する。好ましくは、センサは、車両の表面背後に取付可能な比較的小型のエンクロージャまたはハウジングに収容される。精度および信頼性については、送信アンテナおよび受信アンテナとセンサの回路とは車両の属性によって影響を受けず、センサは予測可能なアライメントで車両に取り付けられることが必要である。さらに、後退補助指示器として使用される場合、センサには、車両を後退し駐車する動作に矛盾しないカバレッジエリアが必要である。従来のFMCWレーダシステムは、後退補助には適していない最小検出距離しか有していない。たとえば、システムによっては、最小検出距離は1.5mを超えてしまう。
【0008】
駐車、後退、車線変更および車両の側方の物体の検出に役立つレーダシステムの使用には、信頼性のある低コストのレーダに加えて、特定の用途に合う種々の幾何学上のカバレッジの問題に対する解決法が必要である。コリメートされていない信号を使用する従来技術によるシステムは、カバレッジエリアの側部が平行でなくカバレッジエリアの幅が比較的狭いように広がる典型的な開口テーパ形成ビームを有するビームを提供する。このため、従来技術によるシステムのカバレッジは、所望の直線状の後退カバレッジエリアに十分に適合していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、停止しているかまたは移動している車両の後方の物体の存在を検出することができるセンサシステムを提供し、さらに、それら物体が移動している場合はそれらの速度を検出することが望ましい。このため、車両の運転者(オペレータ)に警告することが望ましく、それによって運手者が車両を安全に操縦することができる。さらに、小型で、高密度回路構成で動作することができ、比較的低コストである後退補助システムを提供することが望ましい。さらに、偽検出を減らすために一般的な駐車および後退カバレッジを含むカバレッジゾーンを提供することも望ましい。さらに、低コストであり、後退および駐車を補助するために適した最小検出距離を提供するように車両に柔軟に取り付けることができるアンテナを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、後退補助指示システムは、車両(輸送手段)の後方の所定カバレッジゾーンにおいて検出カバレッジを提供するセンサを含む。センサは、ニアフィールド(近傍界)において擬似コリメートアンテナパターンを有するRF信号を送信するようになっている送信アンテナを含む。本システムはさらに、送信RF信号として周波数変調連続波FMCWチャープ信号とパルス波形信号との一方を選択的に提供する波形発生器を含む。かかる構成により、停止または移動している車両の後方の物体の存在を検出し、それら物体が移動している場合はその速度を検出し、偽検出を減らすために一般的な駐車および後退カバレッジを含むカバレッジゾーンにおいて目標物に送られるエネルギーを増大させる、小型後退補助指示システムを提供する。さらに、この構成により、送信ー受信間漏れが減り、受信エコーのスペクトルスミア(smearing)が減り、カバレッジエリアの十分にカバーされない部分のサイズが小さくなり、カバレッジエリアの左および右境界における利得ロールオフが鮮鋭化し、狭帯域波形と広帯域波形とがともにサポートされる。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、外部車両アンテナは、バンパ横板部(フェイシア:fascia)を横切って配置されるハウジングと、ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、を有する。本アンテナはさらに、複数の柔軟性導波チャネルのうちの所定のいくつかに結合された少なくとも1つの同軸プローブを有する。この構成により、低コストであり、後退および駐車補助のために適した最小検出距離を提供するように車両に柔軟に取り付けることができるアンテナが提供される。
【0012】
一実施形態では、アンテナエレメント(素子)は、車両バンパに取り付けられる、プラスチックの射出成形されたわずかに柔軟性のある金属被覆(金属化)された導波路アンテナから提供される。別の実施形態では、アンテナ素子は、車両バンパに取り付けられる、プラスチックの多層テープのわずかに柔軟性のあるストリップラインアンテナから提供される。
【0013】
この発明の上述した特徴と発明自体とは、図面の以下の説明からより完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の詳細な説明を提供する前に、本明細書において後退補助(back-up aid(BUA))として説明するシステムはまた、センサの動作制御と車両の運転者(オペレータ)に提供されるフィードバックまたはセンサ指示とを変更することにより追加のセンサの有無に係らず駐車補助(parking aid(PA))としても動作することができる、ということに留意しなければならない。
【0015】
図1を参照すると、レーダシステム10は、アンテナ組立品14と、送信機22および受信機24をともに有するマイクロ波部20と、デジタル信号プロセッサ(DSP)30、電源32、制御回路34およびデジタルインタフェースユニット(DIU)36を有する電子回路部28と、を備える。送信機22は、後述するように、電圧制御発振器(VCO)に対する制御信号を生成するデジタルランプ信号発生器を有する。
【0016】
アンテナ組立品14は、RF信号を受信する内部受信アンテナ16とRF信号を送信する内部送信アンテナ18とを有する。アンテナ組立品14はまた、受信機24に結合され内部受信アンテナ16とRF信号を受信する外部受信アンテナ16’とに選択的に結合されるスイッチ17と、内部送信アンテナ18とRF信号を送信する外部送信アンテナ18’とに選択的に結合されるスイッチ19と、も備える。スイッチ17、19は、内部アンテナとの動作かまたは外部アンテナとの動作のいずれかを選択する。レーダシステム10を、それが互いに近接して位置付けられた別々の送信アンテナと受信アンテナとを有するため、バイスタティックレーダシステムとみなしてもよい。アンテナ16、18は、送信および受信ビームが同じ方向を指すように平行に制御されるステアリング角で複数のビームを提供する。それぞれのアンテナ16、18の角度を選択するために、多位置スイッチを含むさまざまな回路15が適している。アンテナ16’、18’は、後退カバレッジエリア(カバレッジゾーンとも呼び、図3および図4に関して説明する)を提供するように複数ビームを提供する。当業者には、外部送信アンテナ18’への信号と外部受信アンテナ16’からの信号とを、任意の制御およびサブアレイセレクタ回路(図示せず)に結合することにより、外部アンテナ内のアンテナサブアレイの選択および制御を行うことができる、ということが理解されよう。
【0017】
レーダシステム10は、レーダ技術を利用して、システム10の視野内の1つまたは複数の物体すなわち目標物を検出するものであり、これをさまざまな用途で使用することができる。例示的な実施形態では、レーダシステム10は、自動車レーダシステム(図2)のモジュールであり、特に、自動車または他の輸送手段40に取り付けられ、限定されないが、車両が後退しまたは駐車している時にいる経路に近接して位置する可能性のある他の車両、木、標識、歩行者または他の物体を含む物体を検出する目的で、車両の後部バンパまたは後方部分に配置される、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’を有するようになっている、後退補助(BUA)/駐車補助(PA)システム(以下、BUAシステム10とも呼ぶ)である。
【0018】
BUA10はまた、車両の側部に沿った経路に近接して位置する可能性のある物体を検出する目的で、自動車または他の輸送手段40に取り付けられるようになっている側方物体検出(side object detection(SOD))システムに対しても使用することができる。なお、SODSの用途では、システムが、車両の側部の外側で扇形状のビームを切り替える必要があるが、バンパ上に外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’を備えるレーダシステム10は、およそ3および10mゾーンの後退エリアをカバーする1つの広い平行エッジビームか、または同じゾーンをカバーするおよそ平行エッジであるMサブビーム、たとえば4つのサブビームを提供する。
【0019】
当業者には明らかなように、レーダシステム10はまた、限定されないが、レーダシステム10をボート、船または他の船舶に配置することができる海洋の用途を含む多くの異なるタイプの用途での使用に適している。
【0020】
1つのモードでは、送信機22は、送信信号の周波数が第1の所定周波数、ここではたとえば24.05GHzから第2の所定周波数、ここではたとえば24.25GHzまで直線的に増加する、周波数変調連続波(FMCW)レーダとして動作する。FMCWレーダは、高感度、比較的低い送信機出力および優れた距離分解能という利点を有する。しかしながら、他のタイプの送信機を使用してもよい、ということが理解されよう。
【0021】
制御信号は、車両40により制御信号バス42を介してレーダシステム10に供給され、車両40に関連するヨーレートに対応するヨーレート信号と、車両の速度に対応する速度信号と、を含んでもよい。DSP30は、レーダシステム10の視野内の物体を検出するために、これらの制御信号と受信機24によって受信されるレーダ反射(return)信号とを処理する。レーダシステム10は、車両に対し、その視野内の物体を特徴付ける1つまたは複数の出力信号を車両への出力信号バス46を使用して供給する。これらの出力信号は、目標物に関連する距離を示す距離信号と、目標物に関連する距離レートを示す距離レート信号と、車両40に対する目標物に関連する方位角を示す方位角信号と、を含んでもよい。出力信号を、衝突回避システム等のさまざまな用途に対する車両40の制御ユニットに結合してもよい。
【0022】
ここで図2を参照すると、図1のBUAシステム10に対する応用例が、自動車近接物体検出(NOD)システム50の一部として示されている。NODシステム50は、車両52上に配置されており、車両52は、たとえば、自動車、オートバイまたはトラック等の自動車両、ボート等の海洋輸送手段または水中輸送手段、あるいは刈り取り機等の農業車両として提供してもよい。この特定の実施形態では、NODシステム50は、本発明の譲受人に譲渡され参照により本明細書に援用される、2000年1月4日に発行され「Radar System and Method of Operating Same」と題する米国特許第6,011,507号に記載されているタイプのものであってもよい前方監視センサ(FLS)システム54と、光電センサ(EOS)システム56と、本発明の譲受人に譲渡され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、2001年8月16日に出願され「Near Object Detection (NOD) System」と題する米国特許出願第09/931,631号に記載されているような複数の側方監視センサ(SLS)システム58または等価な側方物体検出(SOD)システム58と、を備える。本発明のBUAシステム10は、米国特許出願第09/931,631号における後方監視センサ(RLS)に置換されるかまたはそれを補足する。
【0023】
FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々は、センサプロセッサ62に結合されている。この特定の実施形態では、センサプロセッサ62を、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々がバスまたは他の手段を介して結合される中央プロセッサとして示す。代替実施形態では、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムのうちの1つまたは複数が、後述する処理を実行する図1のDSP30等のそれ自体のプロセッサを有してもよい、ということを理解しなければならない。この場合、NODシステム50を、分散プロセッサシステムとして提供する。
【0024】
NODシステム50が単一プロセッサを含むか複数のプロセッサを含むかに係らず、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムの各々によって収集される情報は、センサプロセッサ62(または分散システムの場合は複数のプロセッサ)で共有される。NODシステム50を、限定されないが盲点検出、車線変更検出、車両のエアバッグ作動準備を含む複数の機能のために使用してもよく、これを使用して車線持続機能を実行してもよい。たとえば、センサプロセッサ62を車両52のエアバッグシステム64に結合してもよい。FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムのうちの1つまたは複数からの信号に応答して、センサプロセッサ62は、車両のエアバッグを「準備」するのに適当であるか否かを判断する。他の例もまた可能である。
【0025】
EOSシステム56は、光または赤外線(IR)、もしくはセンサの方位面において比較的高い分解能を提供する他のセンサを有する。FLSセンサ54は、本発明の譲受人に譲渡され参照により本明細書に援用される、1999年7月27日に発行された「Automotive Forward Looking Sensor Architecture」と題する米国特許第5,929,802号に記載されているタイプのものであってもよい。
【0026】
センサシステムの各々は、複数のカバレッジゾーンが車両の周囲に存在するように、車両52上に配置されている。したがって、車両は、センサゾーンの繭のような網または覆いに包囲されている。図2に示す特定の構成では、4つのカバレッジゾーン66a〜66dを使用する。カバレッジゾーン66a〜66dの各々は、1つまたは複数のRF検出システムを利用する。RF検出システムは、カバレッジゾーン66a〜66dの各々において複数のビームを提供するアンテナシステムを利用する。このように、別の物体が車両に接近するかまたはその逆の場合の特定の方向を発見することができる。特に、ゾーン#3は、図3および図4に関連して説明する後退カバレッジエリアに対応することができる。
【0027】
なお、FLS54、EOS56、SLS58およびBUA10システムを、車両上に着脱可能に配置してもよい、ということを理解しなければならない。すなわち、実施形態によっては、SLS、FLSおよびBUAセンサを、車両の本体の外部に配置してもよく(すなわち、車両本体の露出面上に)、他のシステムでは、FLS54、SLS58およびBUA10システムを、バンパまたは他の車両の部分(たとえば、ドア、パネル、クオータパネル、車両の前端および車両の後端)に埋め込んでもよい。また、車両内部(たとえば、バンパ内または他の場所)に取り付けられかつ着脱可能でもあるシステムを提供することも可能である。取り付けるためのシステムは、「Portable Object Detection System」と題する2001年8月16日に出願された米国特許出願第09/931,276号かまたは2001年8月16日に出願された「System and Technique for Mounting a Radar System on a Vehicle」と題する米国特許出願第09/930,868号に記載されているタイプのものであってもよい。これらの特許出願の各々は、本発明の譲受人に譲渡され、各々参照により本明細書に援用される。
【0028】
ここで図3を参照すると、車両72の後方に、例示的な後退エリア70(後退カバレッジゾーン70とも呼ぶ)が位置しており、それは車両72よりわずかに広く、ここではおよそ3mであり、車両72の後部バンパのおよそ0.1m後方から開始しておよそ9.9mの距離、車両72の後方に延在する。
【0029】
ここで図4を参照すると、車両72の後方に位置する例示的な後退エリア70を、ビーム仰角を示すように断面図で示す。後退エリア70は、車両の後部バンパから仰角がおよそ20度のカバレッジゾーンを有する。当業者には、BUAシステム10によって提供される後退エリア70を、さまざまな用途の要件を満たす種々の幅、長さおよび仰角を有するように構成することができる、ということが理解されよう。
【0030】
ここで図5Aを参照すると、BUAシステム10によりFMCWチャープ信号80が提供される。特に、信号は、線形FMCWアップチャープ波形であり、ここでは190MHz周波数レンジにガードバンドを足したものを有する。後退カバレッジゾーン70における物体からの対応するエコー信号82は、物体を検出する手段を提供する。後退カバレッジゾーン70(図3および図4)における物体の比較的正確な分解能と比較的小さい最小距離カバレッジとを提供するために、代替的にチャープ信号80とともに追加の信号(図5Bに関連して後述する)を使用する。SODSでも使用するFMCWチャープは、およそ1〜10mの範囲を有する。当業者には、検出された物体からの伝搬遅延を測定するために、擬似ランダム符号および位相変調(PM)符号化信号等の他の信号を使用することができる、ということが理解されよう。
【0031】
後退カバレッジゾーン70における物体までの距離は、当該技術分野において既知であるようなFFT処理から確定される。いずれの波形を使用するかの選択は、BUAシステム10内に位置するプロセッサかまたは車両センサによって確定され、その確定は、限定されないが後退カバレッジゾーン70における最も近接した物体の位置と、車両に高速で接近している物体の検出と、車両の現動作モードと、を含む複数の要素に基づく。
【0032】
ここで図5Bを参照すると、BUAにより時間領域(ドメイン)パルス信号86が提供される。後退カバレッジゾーン70における物体からの対応する反射パルス信号(図示せず)は、物体を検出する手段を提供する。特に、時間領域パルス信号86は、広い方のスペクトル成分の帯域幅を最小限にするために比較的長い総パルス幅を有する急上昇する立上り縁(エッジ)90を含む。検出された物体の距離は、測定された伝播(搬)遅延に比例する。時間領域パルス信号86は、センサ視野において2つの物体の比較的不十分な分解能を提供するが、およそ0.1m未満の精度で2つ以上の物体のうちの最も近接する物体に対し比較的より優れた最小距離性能を提供する。時間領域パルス信号86をチャープ信号80とともに代替的に使用することにより、車両の後部バンパに近接する物体のより正確な測定が可能になる。物体の距離は、反射パルス信号の立上り縁から確定される。
【0033】
一実施形態では、時間領域パルス86をおよそ10〜200Hzの周波数で繰り返すことにより、車両の後部バンパ近くの物体を連続的に測定する。BUAシステム10またはNODシステム50におけるプロセッサのうちの1つが、検出された物体の位置および距離を保存するトラックファイルを保持する。
【0034】
ここで図6を参照すると、側方物体検出(SOD)システムとして使用されるように図1および図2それぞれに関して上述したレーダシステムに類似してもよく、自動車レーダ用途においてBUAシステム10として使用されるように拡張される、例示的なレーダシステム100をより詳細に示す。レーダシステム100、ここではFMCWレーダは、時間の経過により所定の方法で変化する周波数を有する送信信号102を送信する。送信信号102は、概して、VCO制御またはランプ信号104を電圧制御発振器(VCO)106に供給することによって提供される。ランプ信号104に応答して、VCO106は、チャープ信号108を生成する。
【0035】
RF信号の送信時間の測度を、反射信号110(受信信号110とも呼ぶ)の周波数を送信信号のサンプル112の周波数と比較することによって確定することができる。このため、送信信号のサンプル112と反射信号110との周波数間のビート周波数を測定することにより、距離を確定することができる。ビート周波数は、反射信号110の時間遅延を乗算したランプ信号104の勾配に等しい。
【0036】
測定された周波数は、さらに、目標物とレーダシステムとの間の相対速度によるドップラ周波数を含む。測定された周波数シフトに対する2つの寄与を分離し識別することを可能にするために、チャープ後にCWトーンを生成することにより、そこからの反射信号がドップラ周波数とは異なるようにする。
【0037】
一実施形態では、デジタル回路および技術によりVCO制御ランプ信号104を生成する。この実施形態では、ランプ信号104を、DSP114およびデジタル・アナログ変換器(DAC)116によって生成する。図6のSODシステムにおいて、ランプ信号104を生成するためにDSP114およびDAC116を使用することが可能である。それは、限定されないが検出ゾーンサイズ、形状および分解能を含む検出ゾーン特性の適当な選択により、チャープ信号108の正確な線形性が不要である、と判断されたためである。この構成により、送信信号102の周波数は、正確かつ容易に制御可能であり、それによっていくつかの特徴の実現が容易になる。一例として、ランプ信号104における連続的なランプの1つまたは複数の特性を、同様の近接するレーダシステム間の干渉を低減するためにランダムに変化させる。別の例として、ランプ信号104を適当に調整することにより、温度補償を実現する。さらに別の例は、VCO動作における非線形性に対する補償である。さらに、ハードウェア変更または調整が必要であるはずのSODシステムの変更を、単にDSP114にソフトウェアをダウンロードすることにより容易に行うことができる。たとえば、SODシステムの動作の周波数帯域を、SODを異なる国において異なる動作周波数要件で使用する場合に所望に応じて容易に変更することができる。
【0038】
SODシステムの電子回路部120は、DSP114と、電源122と、コネクタ124と、を有する。コネクタ124を通して、信号バスが、SODシステムとそのSODシステムが配置されている車両との間に結合される。コントローラエリアネットワーク(CAN)トランシーバ(XCVR)126の形態で、デジタルインタフェースユニットが提供され、それは、CANマイクロコントローラ128を介してDSP114に結合される。CANコントローラ128には、周波数安定性を提供するためにシステムクロック130が結合される。一実施形態では、システムクロックを、水晶制御発振器として提供する。アナログ‐デジタル(A/D)変換器132は、ビデオ増幅器134の出力を受け取り、その信号を、検出処理のためにDSP114に結合するようにデジタル形式に変換する。一実施形態では、A/D変換器132を、12ビットA/D変換器として提供する。しかしながら、当業者は、特定の用途に対して十分な分解能を有する任意のA/D変換器を使用してもよい、ということを理解するであろう。スイッチ回路を備えるスイッチを駆動する制御信号を提供するために、アンテナスイッチ回路140、142に、信号バス136を結合する。また、SODシステムの電子回路部120において、ソフトウェア命令またはコードおよびデータが格納されるメモリも提供する。図6の例示する実施形態において、メモリをフラッシュメモリとして提供する。
【0039】
DSP114は、出力信号またはワードをDAC116に提供し、DAC116は、そのDSP出力ワードをそれぞれのアナログ信号に変換する。VCO106にランプ制御信号を提供すべくステップDAC出力を平滑化するために、DAC116の出力にアナログ平滑化回路144が結合される。DSP114は、DSP出力信号またはワードのセットをそれぞれのDSP出力信号によって生成される送信信号の周波数に関連して含むルックアップテーブルが格納されるメモリ装置146を含む。
【0040】
VCO106は、ランプ信号104をアナログ平滑化回路144から受け取る。一実施形態では、VCOは、24.05から24.25GHzの間の送信周波数範囲で動作し、図示するように、出力信号を帯域通過フィルタ148に提供する。
【0041】
VCO106の出力を、帯域通過フィルタ148によってフィルタリングし、増幅器150によって増幅する。増幅器150からの出力信号の一部を、カプラ152を介して結合することにより、送信信号102を送信アンテナ154に提供する。増幅器150からの出力信号の別の部分は、受信信号経路におけるミキサ156のLO入力ポートに供給される局部発振器(LO)信号に対応する。
【0042】
スイッチ回路140、142を、バトラー(Butler)マトリクス(図6には図示せず)を通して送信アンテナ154および受信アンテナ158に結合する。アンテナ154、158およびスイッチ回路140、142ならびにバトラーマトリクスは、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Slot Antenna Element for an Array Antenna and Switched Beam Antenna Architecture」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,633号に記載されているタイプのものとすることができる。ここでは、スイッチ回路とバトラーマトリクスとについては、SODシステムの目標物を検出する能力を向上させるアンテナビーム特性を有する切り替えられたアンテナビームを有するアンテナを提供するように動作する、ことを述べるにとどめる。
【0043】
反射信号110を、図示するように、RF低ノイズ増幅器(LNA)160と、帯域通過フィルタ162と、もう1つの低ノイズ増幅器(LNA)164と、によって処理する。図示するように、LNA164の出力信号を、送信機から結合される局部発振器信号を受け取るミキサ156によってダウンコンバートする。LNA164からのRF信号と局部発振器信号との例示的な周波数は、およそ24GHzである。例示する受信機は直接変換のホモダイン受信機であるが、SODレーダシステムにおいて他の受信機トポロジを使用してもよい。
【0044】
ビデオ増幅器134は、例示的な実施形態では1KHzと40KHzとの間の周波数を有する、ダウンコンバートされた信号を増幅しフィルタリングする。ビデオ増幅器は、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Video Amplifier for a Radar Receiver」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,593号に記載されているように、温度補償、漏れ信号のフィルタリングおよび周波数に基づく感度制御を含む機能を組み込んでもよい。
【0045】
A/D変換器132は、ビデオ増幅器134のアナログ出力を、さらに処理するためにデジタル信号サンプルに変換する。特に、デジタル信号サンプルを、さまざまな周波数レンジ(すなわち、周波数ビン)内の反射信号の内容を確定するためにDSP内で高速フーリエ変換(FFT)により処理する。FFT出力は、信号プロセッサ114の残りの部分に対するデータとしての役割を果たし、そこでは、2001年8月16日に出願され参照によりその内容がすべて本明細書に援用される、「Radar Transmitter Circuitry and Techniques」と題する同時係属中の米国特許出願第09/931,636号に記載されているように、視野内の物体を検出する1つまたは複数のアルゴリズムを実施する。
【0046】
レーダシステムは、温度補償機能を有してもよく、それにより、ランプ信号を調整することによって、送信信号の周波数の温度誘導変化を補償する。この目的のために、送信機101は、マイクロ波信号検出器168に結合された誘電性共振器166を有する。マイクロ波検出器の出力は、DSP114が処理するためにCANコントローラ128のアナログ‐デジタル変換器に結合される。かかる処理の詳細は、「Radar Transmitter Circuitry and Techniques」と題する上述の米国特許出願第09/931,636号に記載されている。
【0047】
一実施形態では、送信アンテナ154および受信アンテナ158の開口を、低温同時焼成セラミック(LTCC)基板(図示せず)の表面上に形成する。170で示すRF送信機および受信機コンポーネントを提供するRF回路コンポーネントは、LTCC基板内またはその上のいずれかに含まれる。
【0048】
VCO106を、LTCC基板の表面上に配置された表面実装コンポーネントとして提供する。同様に、増幅器150、160、164およびミキサ156を、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)として提供してもよく、LTCC基板の表面上に配置してもよい。
【0049】
同様に、電子回路部120を構成するコンポーネントを、プリント回路基板(図示せず)上に配置する。たとえば、DSP114、DAC116、電源122、LAN XCVRおよびコントローラ126、128ならびにA/D132を、すべてプリント回路基板の第1または第2の面に配置する。このように、BUAシステム10を、コンパクトパッケージでレーダシステム全体として提供する。
【0050】
ここで図6Aを参照すると(同様の参照番号は図6における同様の要素を示す)、BUAシステム10は、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’等のさらなるコンポーネントを含む。BUAシステム10は、さらに、モード選択入力178と、タイマ回路182と、CWRF信号源VCO106に結合されたパルス波形発生器180と、を有する。タイマ回路182を、反射パルス検出器172に結合する。パルス波形発生器180を、図6の回路において信号108または信号102として示す接続に含めることができる。
【0051】
パルス波形発生器180は、タイマ回路182に結合されたタイマ入力188を含む。パルス波形発生器180の出力は、スイッチ184の入力に結合される。スイッチ184は、内部送信アンテナ18に結合された第1の出力と外部送信アンテナ18’に結合された第2の出力とを有する。
【0052】
受信回路は、それぞれ内部受信アンテナ16と外部受信アンテナ16’とに結合された入力ポートを有するさらなるスイッチ186を含む。スイッチの出力ポートは、RF低ノイズ増幅器(LNA)160(図6)の入力に結合される。タイマ回路182は、BUAプロセッサ、たとえば距離測定を提供するDSPに結合される。RF低ノイズ増幅器(LNA)160の出力を、タイマ回路182に結合された検出器172に供給することにより、反射パルス90(図5B)を検出し測定する。
【0053】
一実施形態では、パルス波形発生器180は、たとえば、高速スイッチである。動作時、モード要求を、モード選択入力178を介してプロセッサに供給することにより、センサがSODモード、BUAモードまたは別のモードのいずれで動作しているかを選択する。BUAモードでは、スイッチ184および186の出力は、外部アンテナ16’および18’に結合される。パルス波形発生器180は、選択的に、タイマ回路182によって制御される時間領域パルス信号かまたはFMCWチャープ信号80を、送信アンテナ18または18’に選択的に結合されているスイッチ184に供給する。タイマ回路182は、相対的に高速な立上り時間と低速な減衰とを有する一続きのスイッチングパルスを供給する波形発生器180に対し、入力を供給する。パルス波形発生器180は、図5Aおよび図5Bに関連して上述したように、チャープ信号80かまたは時間領域パルス信号86のいずれかを代替的に供給する。一実施形態では、時間領域パルスが供給されると、純CWトーン信号がパルス波形発生器180に供給されるように、チャープ信号80がディスエーブル(動作不能)になる。代替的に、時間領域における検出を可能にする何らかの形式の周波数変調をまだ保持してもよい。チャープ発生からパルス発生への変更を、たとえば、チャープ発生器をCWトーン状態にし、タイマ回路182の制御下で送信CWトーンをオン・オフに切り替えることにより必要な立上りおよび立下り時間を有するパルスを形成することにより、達成する。チャープ発生器を、たとえば、DAC116からの一定出力を供給することによるかまたはVCO106をディスエーブルにすることにより、CWトーン状態にする。このため、BUAモードにおいて、BUAシステム10は、外部送信アンテナ18’に結合されたFMCWチャープ信号80と時間領域パルス信号86とをともに使用し、外部受信アンテナ16’において反射信号を受け取り、外部アンテナ16’および18’を後部バンパ上に配置する。SODモードにおいて、システムは、内部送信アンテナ18に結合されたFMCWチャープ信号80を使用し、内部受信アンテナ16において反射信号を受け取る。モードは、自動的に切り替えることができ、あるいは車両運転者が手動で設定することができる。たとえば、車両が低速で逆に動作している場合、システムはBUAモードに切り替わることができる。
【0054】
BUAシステム10は、さらに、アンテナにおいて、複数のサブアレイが使用される場合にアンテナに接続されるRFケーブルの数を低減する能動スイッチングを含む、代替送信アンテナ18”(および対応する受信アンテナ(図示せず))を含むことができる。この実施形態では、複数の論理ケーブルをスイッチ194a〜194nに結合することにより、アンテナサブアレイを制御する。多くのサブアレイを使用するほど、ゾーン確定および距離の精度および正確さを得ることができるが、複雑性が増大する。物体を検出した後、BUAシステムは、後退カバレッジゾーン76における物体の最新の既知の位置と距離との関数としての信号を送受信する特定のサブアレイを選択することができる。概して、最も近接する物体が最も重要であるが、システムは、後退カバレッジゾーン76に入る高速に移動する物体等の例外を処理することができる。一実施形態では、代替送信アンテナ18”は、さらなる切り替え能力を提供するためにバトラーマトリクスを含むことができる。
【0055】
物体が検出されると、BUAシステム10は、車両の運転者に対して指示を提供する。指示を、可聴音、LED指示器、ヘッドアップディスプレイまたは表示機能を有する車両ミラーに表示される画像として提供することができる。
【0056】
ここで、図7を参照すると、外部アンテナ組立品200(バンパアンテナ組立品200とも呼ぶ)は、バンパの横板部(フェイシア)204上に取り付けられており、送信アンテナ18’と受信アンテナ16’とを有する。アンテナ組立品200は、複数のケーブル206によりスイッチ184およびスイッチ186(図6A)に結合されている。ケーブル206は、RF信号かまたは論理信号のいずれかを制御アンテナサブアレイに伝送することができる。アンテナ組立品200は、後部バンパの横板部204上に取り付けられるか、または任意選択で後部バンパ内または車両の後部の他の場所に取り付けられる。
【0057】
ここで図8A乃至図8Cを参照すると、BUAシステム10に関連して使用される複数のソース224a〜224jにより、アンテナ放射パターンが提供される。隣接するソース224a〜224jのすべてまたはサブセットを結合することにより、さまざまな近方場(近傍界)およびファーフィールド(遠方界)ビームパターンが形成される。たとえば、隣接するソース224a〜224jを左および右半分、それぞれ224a〜224eおよび224f〜224jで結合することにより、図8Bに示すようなビーム226aおよび226bが提供される。
【0058】
図8Aは、外部アンテナ素子(エレメント)のうちの所定のいくつかを結合することによって提供されるアンテナシステムビームと、近傍界で動作している単一全幅開口を有するBUAシステム10によって提供することができる結果としての検出ゾーンと、のプロットを示す。図8Bは、近傍界で動作している右および左半分に分割された単一の全幅開口を示す。
【0059】
図8Bは、外部アンテナ素子のうちの所定のいくつかを結合することによって提供される外部アンテナシステムビームと、図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンと、のプロットである。結果としての結合されたビームアレイファクタを示す。結合されたビーム226aおよび226bは、仰角においておよそ20度のビーム拡散を有し、方位角において後退エリアをほぼカバーする。開口テーパ重み付けを使用するソースにおけるテーパ照射により、近傍界において擬似コリメートビームが提供される。結果として、例示的な後退カバレッジゾーン70’が提供される。
【0060】
後退システムによって使用される信号エネルギーの量は、政府規制により何らかの権限においてスペクトル範囲が制限される。BUAシステム10は短距離で動作しているため、ゲート受信機を使用して送信信号を十分に迅速にオンおよびオフすることは可能ではない。したがって、受信アンテナ16’と送信アンテナ18’との間に、十分な隔離が必要である。隔離は、外部受信アンテナ16’および外部送信アンテナ18’の物理的分離によって達成される。チャープ信号80は、狭い帯域幅を有するが、パルス信号86は、比較的広い帯域幅を必要とする。近傍界で動作することにより、BUAシステム10とバンパアンテナ組立品200とは、所望の直線放射パターンを有する擬似コリメートビームを提供する。この放射パターンにより、エネルギーが目標物上に送られ十分な反射信号が供給されることが確実になる。直線形状を有する後退カバレッジゾーン70が提供される。物体を検出する方法は、上に参照した同時係属中の米国特許出願第09/931,631号に記載されている。
【0061】
図8Aおよび図8Bの例示的なBUAシステム10は、10個のアンテナ素子隣接ソース224a〜224jを有する。当業者には、本発明から逸脱することなく、他のビームの数(たとえば、10より少ないか多い)およびある範囲のスキャン角度を有することが可能であることを理解するであろう。特定の用途において使用するアンテナ素子の特定の数を、限定されないがカバレッジゾーンの形状、カバレッジゾーンのサイズ、必要な方位角分解能、複雑性およびコストを含む種々の要素に従って選択する。
【0062】
図8Cは、外部アンテナ素子のうちの所定のいくつかを結合することによって提供された遠方界パターンと結果としての検出ゾーン71とを示す。
ここで図9を参照すると、長さLと幅Wとを有するバンパアンテナ組立品200(図8A)は、外部送信アンテナ18’(図1)と外部受信アンテナ16’とを有する。一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、バンパ横板部を横切る金属被覆(金属化)されたプラスチック構造を有し、幅はおよそ10cmであり長さはおよそ2mである(図10および図11に関連してより詳細に説明する)。
【0063】
別の実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、能動部品をまったく有せずに受動アレイとして外部送信アンテナ18’と外部受信アンテナ16’とを有する。バンパアンテナ組立品200の外部送信アンテナ18’と外部受信アンテナ16’とは、衝撃に対して弾力性があり後退カバレッジゾーン70をカバーする波形を提供する。また、それらを、主電子回路に結合しわずか2つのRFケーブルによりRF制御することができる。外部アンテナ16’および18’を、所望の後退カバレッジゾーン70を最適にカバーするアンテナパターン(ゾーンカバレッジ特性と言う)をさらにもたらす、仰角が比較的狭く方位角がより広い波をもたらす照射テーパ(振幅および位相の両方において)により設計する。
【0064】
ここで図10を参照すると(図9の同様の要素は、同様の参照符号を有するように提示する)、外部送信アンテナ18’は、エレメント210a〜210mを有する複数アンテナ送信サブアレイ208a〜208n(全体的に送信サブアレイ208と呼ぶ)を有し、外部受信アンテナ16’は、エレメント214a〜214mを有する複数のアンテナ受信サブアレイ212a〜212n(概して受信サブアレイ212と呼ぶ)を有する。
【0065】
1つの特定の実施形態では、外部アンテナ受信サブアレイ212と送信サブアレイ208とを、金属被覆された射出成形プラスチックからなる柔軟導波路によって提供する。バンパアンテナ組立品200を、横板部に近いカバレッジエリアにおける間隙を最小限にするように設計する。これらの間隙における物体は、しばしば、従来のポイントセンサでは検出されない。この実施形態では、導波路エレメントは、RF信号に適当な位相および振幅を提供することにより、後退カバレッジゾーン70をカバーするビームを形成する。バンパアンテナ組立品200を、アンテナの近傍界特性を利用するために距離内を伝搬する、バンパ面に平行な波面を提供する複数のHuygen(ホイヘンス)ソースを提供するものとして見ることができる。
【0066】
2つの代替実施形態において、バンパアンテナ組立品200を、比較的低コストのプラスチックアンテナとして提供する。第1の実施形態では、内部が金属被覆されたプラスチックの射出成形導波路網を提供する。第2の実施形態では、裏面が金属被覆されたグラウンドプレーンを有し前面が複数のパッチラジエータを有する、粘着性(接着性)プラスチックテープ上にプリントされたストリップライン回路を提供する。
【0067】
バンパアンテナ組立品200は、たとえば、テーパ照射と所定偏光とを有するM個のサブアレイ(Mはたとえば1〜8に等しい)に32個の広帯域ラジエータを含むことができる。一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、各々が8つの広帯域ラジエータを有する4つのサブアレイを含む。バンパアンテナ組立品200は、コーポレート同相広帯域導波路給電網と、吸収性貼付式(stick-on)終端部またはリアクタンス性終端部で終端するロードポートを有するマジックTと、ケーブル・プローブコネクタインタフェースと、を有することができる。さらに、送信および受信開口を、物理的に分離する。
【0068】
ここで図11を参照すると(図10の同様の要素は同様の参照符号を有するように提示する)、送信アンテナ18’は、複数の導波路サブアレイ230a〜230nと関連する給電回路とを含む。
【0069】
ここで図11Aを参照すると、図11の導波路サブアレイは、第1のチャネル240に結合された給電部238(図12に関連してより詳細に説明する)を有する。第1のチャネルは、チャネル240から受け取られた信号を分割する第2レベルのチャネル242aおよび242bに結合される。チャネル242aおよび242bは、それぞれ導波路出力246a〜246dに信号を供給するチャネル244aおよび244bに信号を供給する。当業者には、チャネルおよび放射エレメントの数を、特定のアンテナ設計およびカバレッジエリアに合うように変更することができる、ということが理解されよう。
【0070】
一実施形態では、バンパアンテナ組立品200は、車両のバンパにおける標準的な衝撃に対し弾力性のある、プラスチックの射出成形されたわずかな柔軟構造を含む。その構造に対し、RF挿入損を最小限にし構造からの望ましくないRF漏れを最小限にするために、少なくとも導波路の内面を金属被覆する。アンテナは、種々の環境条件下で導波チャネルの低損失特性を保存するように導波チャネルを充填するように射出される独立気泡型の低密度低損失発泡体を含む。発泡体は、温度サイクルによる湿気蓄積を防止し、導波路への汚物粒子の侵入を防止する。バンパアンテナ組立品200を、送信アンテナと受信アンテナとの間のRF漏れを最小限にするように、横板部を通して安定したマイクロ波整合を維持する、バンパ横板部の裏面への間隙のない接着取付を使用して取り付ける。
【0071】
代替実施形態では、バンパアンテナ組立品(図示せず)は、バンパへの標準的な衝突に対して弾力性のある低コストの複合体構造を提供するわずかに柔軟性のある、プラスチックの多層テープを含む。バンパアンテナ組立品は、裏層に金属被覆されたグランドプレーンを有し、中間層はプリントまたはロールされた(ローリング)伝送線を含み、表層は、横板部に向って複数のパッチまたはスロットラジエータを含む。アンテナ組立品200’は、横板部を通して安定したマイクロ波整合を維持し送信アンテナと受信アンテナとの間のRF洩れを最小限にするために間隙なしに接着材により、バンパ横板部の背面に取り付けられ、RF給電ケーブルの容量性または直接接触接続を含む。
【0072】
ここで図12を参照すると、導波路サブアレイ230の一部が、外部送信アンテナ18’に接続されている同軸プローブ270により、RFモジュールに結合される。同軸プローブ270は、クリップ機構264により導波路サブアレイ230に機械的に締結される。導波路サブアレイ230は、複数の導波チャネル272a〜272n上に配置された上部カバー262を有し、カバー262は、カバー262の開口(図示せず)に配置された同軸プローブ270により、クリップ機構264と導波チャネル272bとの間に配置されている。カバー262は、ここではプラスチックから形成されるハウジング266上に配置される。ハウジング266は、導波チャネル272を形成する、金属被覆された内面268と非金属面274とを有する。
【0073】
図12A、図12Bおよび図12Cは、同軸プローブ270の異なる構成を示す。ここで図12Aを参照すると、同軸プローブ270は、周囲に外部シールドが配置された中心導体を含む。導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270の端部は、外部シールド282の一部が取り除かれ、同軸プローブ誘電体284の一部が露出している。ここで図12Bを参照すると、同軸プローブ270’は、同軸プローブ270に類似するが、導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270’の端部の一部は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部とがともに取り除かれて中心導体280の一部が露出している。ここで図12Cを参照すると、同軸プローブ270’は同軸プローブ270に類似するが、導波チャネル272内に挿入される同軸プローブ270”の端部の近くの部分は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部との両方が取り除かれ、中心導体280の一部286が露出し、導波路272内に挿入される同軸プローブの端部の第2の部分は、外部シールド282の一部と同軸プローブ誘電体284の一部との両方が、プローブ誘電体284の一部288を残して取り除かれる。
【0074】
ここで、図13および図14を参照すると、従来技術によるビームパターン290と後退カバレッジエリアパターン292とが示されている。従来技術によるシステムは、在来、主に遠方界における特性を使用する。すなわち、
距離>2D2/λ
ここで、Dはアンテナ開口の物理的な大きさであり、
λは動作RF波長である。
従来の広い開口は、低サイドローブレベルに対して遠方界の非常にテーパがかけられた開口照射で細いビームを提供するが、近い距離において開口の外側部分でカバレッジが達しない。さらに、細いビームは、アンテナ開口に近接してあまりよく形成されない。
【0075】
物体が、アレイ224a〜224j(図8A)の幅に比較してアレイから遠い距離にある場合、個々のエレメント224a〜224jそれぞれから物体までの距離は、すべておよそ同じであり、エレメント比はおよそ均一である。物体がアレイに近づくと、物体からエレメントのうちのいくつか(たとえば、224eおよび224f)までの距離がさらに右および左の他のエレメント(たとえば、224jおよび224a)までの距離よりずっと小さいところに達する。これは、各エレメントから物体までの距離に比例する出力を有するアレイが、その物体に対する単一距離ではなく距離内の拡散を示すことを意味する。この距離における拡散の影響は、物体がアレイエレメントに近づくに従い固有に発生する距離係数重み付けによって軽減される。距離係数重み付けは、エレメントから物体までの距離に反比例する。特定のエレメントが物体から遠いほど、その物体に対する反応の大きさが小さくなる。逆に、物体に最も近いエレメントは、最大の応答を有する。このように、アレイの合計された応答を、物体が最も近接しているエレメントからの応答に向って距離係数により重み付けする。たとえば、FMCWレーダは、送信チャープ信号とその視野内の物体からアレイを通して受け取られるエコーとの間のビート周波数に比例するものとして距離を測定する。距離が大きいほどビート周波数が高くなる。
【0076】
表1は、32個のエレメントのアレイにおける個々のエレメントまでの距離によってもたらされるビート周波数の拡散の例を示す。周波数から距離への換算は、表1の例では、およそ0.83m/kHzである。このため、12.6kHzの周波数は、10.5mの距離測定値に対応し、0.6kHzは0.5mに対応する。
【0077】
【表1】
【0078】
表1は、FMCWチャープ波形使用からの、重み付けされていない周波数拡散対物体までの距離を示す。表1から理解されるように、物体が開口に近づくに従い、物体からエレメントまでの経路距離が、より広い間隔に亙って変化し、したがって周波数拡散が増大する。FMCWチャープレーダによって提供される距離は、合計信号の周波数に比例する。そして、合計信号は、周波数が異なるn個の信号の合計である。幸いにも、合計における最も大きい項は、距離係数重み付けにより最低周波数を有する項である。したがって、記録された距離は最も近い距離である。そのため、物体に対する真の距離に対して近い距離におけるアレイの広い物理的広がりによる周波数拡散にもかかわらず、記録された距離は、距離が最も近い物体に重み付けされる。
【0079】
近傍界において擬似コリメートアンテナパターンを生成するために開口テーパ重み付けを提供することにより、近傍界におけるアンテナパターンは、ゾーンカバレッジ特性を有する。このアンテナパターンは、近傍界において開口に実質的に比例して形成される合計波面を含む。結果としての開口テーパは、より小さく、コリメーションとサイドローブレベル(SLL)との間で平衡が保たれ、結果としてのフィールドパターンは、開口から広がる実質的に平行なエッジのビームを有する。このパターンは、所望のカバレッジゾーンの直線形状により近似し、この場合、ビームは、この所望の形状においてアンテナ開口に近接して形成され、カバレッジは、開口の全幅まで広がる。ゾーンカバレッジ特性は、方位角カバレッジとサイドローブレベルとメインローブを横切るリップルとを含むいくつかの特性のトレードオフである。
【0080】
ここで図15乃至図22を参照すると、擬似コリメートアンテナパターンのいくつかの例が示されている。図15は、第1の例示的な擬似コリメートアレイのさまざまな距離におけるクロスレンジアンテナパターン300を示す。図16は、図15のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン302の等高線プロットを示す。この第1の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン300とフィールドパターン302とを生成するアンテナ素子は、開口テーパを有してない。パターンは、比較的平行なビームを含み、拡散は比較的最小であり、アンテナフィールドパターン302は、図13および図14のそれぞれのパターン290および292に比較して、所望の直線ゾーン形状をよりよくカバーする。
【0081】
図17は、エレメントの間隔が変更された、第2の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン310を示す。図18は、図17のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン312を示す。第2の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン310と312とを生成するアンテナ素子は、依然として開口テーパを有していないが、エレメントの間隔が変更されている。パターン312は、平行な側部を維持しながら、左および右側において図16のパターン302より優れた減少を含む。
【0082】
図19は、開口テーパが付加された第3の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン320であり、ここでは開口テーパ重み付けは0.25ハミング(Hamming)テーパであって、それは、従来のハミングテーパの大きさの25%のみが適用されたことを意味する。図20は、図19のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン322を示す。第3の実施例における擬似コリメートアンテナパターン320および322を生成するアンテナ素子は、いくつかの開口テーパを有する。パターン322は、平行な側部を含み、左および右側に図18のパターン312より優れた減少を提供するが、依然として何らかの肩部分(shouldering)を含む。
【0083】
図21は、開口に0.10ハミングテーパが適用された、第4の例示的な擬似コリメート後退エリアカバレッジクロスレンジカットパターン330を示す。図22は、図21のクロスレンジカットに対応するフィールドパターン332を示す。第4の実施例では、擬似コリメートアンテナパターン330、332を生成するアンテナ素子は、非常に軽い開口テーパを有し、ここでは、開口テーパ重み付けは0.1である。フィールドパターン332は平行形状を維持し、上部が左および右側の両方のエッジより平坦であり比較的鮮明である。
【0084】
上述した実施形態では、矩形および部分的ハミングテーパの組合せを使用して、擬似コリメートアンテナパターンを提供する。当業者には、限定されないが、コサイン(Cosine)、2乗コサイン(Raised-Cosine)、カイザー(Kaiser)、ハニング(Hann)およびブラックマン(Blackman)開口テーパ重み付けを含む、さまざまな組合せにおける他のテーパを使用してもよい、ということが理解されよう。物理的な実施態様では、開口テーパを、いくつかの手段のうちの1つまたは複数により、たとえば、共通分割器のさまざまなレッグ(脚部)における電力分割の割合を変更すること、または個々の放射エレメントとエレメント給電線との間の結合係数を変更すること、および損失のある部品または利得を有する部品を含めることによって、提供する。
【0085】
ここで、当業者には、BUAシステム10を、独立型システムとして提供することもNODシステムの一部として提供することも可能である、ということが理解されるはずである。
【0086】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、ここで、当業者には、それらの概念を組み込んだ他の実施形態を使用してもよい、ということが明らかとなろう。したがって、これらの実施形態を、開示した実施形態に限定するべきではなく、むしろ特許請求の範囲の精神およびその範囲によってのみ限定されるべきである、ということは理解されるであろう。
【0087】
本明細書で引用した刊行物および参照文献はすべて、参照により明示的にその内容がすべて本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】後退補助指示器(BUA)システムのブロック図である。
【図2】図1の自動車BUAを含む近接物体検出システムのブロック図である。
【図3】図1のBUAシステムの後退カバレッジエリアの略平面図である。
【図4】図1のBUAシステムの後退カバレッジエリアの略側面図である。
【図5A】図1のBUAシステムによって提供されるFMCWチャープ信号と物体からの対応するエコーとのプロットである。
【図5B】図1のBUAシステムによって提供される時間領域パルス信号のプロットである。
【図6】図1に示すタイプのBUAシステムの詳細なブロック図である。
【図6A】図1に示すタイプのBUAシステムの波形発生回路およびアンテナ切替回路のブロック図である。
【図7】図1のBUAシステムの外部送信アンテナおよび受信アンテナの概略図で
【図8】図8Aは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供されるアンテナシステムビームと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。図8Bは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供される外部アンテナシステムビームと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。図8Cは外部アンテナ素子のうちの所定のものを結合することによって提供される遠方界パターンと図1のBUAシステムによって提供することができる結果としての検出ゾーンとのプロットである。
【図9】車両バンパに取り付けられた外部送信および受信アンテナの平断面図である。
【図10】車両バンパに取り付けられた外部送信および受信アンテナの側断面図である。
【図11】図10の外部送信アンテナ素子の分解組立断面図である。図11Aは図11の導波路サブアレイの分解組立断面図である。
【図12】図10の外部送信アンテナ素子に結合された同軸プローブの断面図である。図12Aは図12の同軸プローブの図である。図12Bは図12の同軸プローブの図である。図12Cは図12の同軸プローブの図である。
【図13】従来技術によるコリメートされていない後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図14】従来技術によるコリメートされていない後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図15】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図16】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図17】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図18】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図19】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図20】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図21】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【図22】本発明による擬似コリメート後退エリアカバレッジビームのプロットである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段外部アンテナであって、
バンパ横板部を横切って配置されるハウジングと、
該ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、
該複数の柔軟導波チャネルのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの同軸プローブと、
を備えるアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記ハウジングは、前記内面に金属被覆加工を有する射出成形されたプラスチックからなる、アンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記少なくとも1つの同軸プローブを、前記複数の柔軟性導波チャネルのうちの所定のいくつかに締結するようになっている少なくとも1つの同軸プローブクリップ機構をさらに備えるアンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記ハウジングに、前記複数の柔軟性導波チャネルと前記少なくとも1つの同軸プローブとに近接して配置されるカバーをさらに備えるアンテナ。
【請求項1】
輸送手段外部アンテナであって、
バンパ横板部を横切って配置されるハウジングと、
該ハウジング内に配置され、各々が一対の内面とスロット面とを有する複数の柔軟性導波チャネルと、
該複数の柔軟導波チャネルのうちの少なくとも1つに結合された少なくとも1つの同軸プローブと、
を備えるアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記ハウジングは、前記内面に金属被覆加工を有する射出成形されたプラスチックからなる、アンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記少なくとも1つの同軸プローブを、前記複数の柔軟性導波チャネルのうちの所定のいくつかに締結するようになっている少なくとも1つの同軸プローブクリップ機構をさらに備えるアンテナ。
【請求項4】
請求項1に記載の輸送手段外部アンテナにおいて、前記ハウジングに、前記複数の柔軟性導波チャネルと前記少なくとも1つの同軸プローブとに近接して配置されるカバーをさらに備えるアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−274686(P2007−274686A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83420(P2007−83420)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【分割の表示】特願2003−553286(P2003−553286)の分割
【原出願日】平成14年12月16日(2002.12.16)
【出願人】(390039147)レイセオン・カンパニー (149)
【氏名又は名称原語表記】Raytheon Company
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【分割の表示】特願2003−553286(P2003−553286)の分割
【原出願日】平成14年12月16日(2002.12.16)
【出願人】(390039147)レイセオン・カンパニー (149)
【氏名又は名称原語表記】Raytheon Company
【Fターム(参考)】
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