説明

車両用情報提供装置

【課題】 運転者が有している嗜好性により適合するように、様々な情報を適切な態様で提供可能とする。
【解決手段】 車両用情報提供装置1のエージェント機能部5は、携帯電話機2又はICカード3より運転者を特定するための個人情報を取得すると共に、その個人情報に対応する嗜好性情報を取得すると、取得した嗜好性情報に適合するように、運転者に提供する情報の種類や、運転者に情報を提供する頻度若しくは割合を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行中に、運転者に対して各種の情報を提供する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者が車両を運転している場合に、その運転状態に関する情報を運転者や車両にフィードバックすることで、安全運転に資することを目的としたシステムには、例えば特許文献1に開示されているように、ステアリングセンサ等により運転の「ふらつき」を判断して警告する技術がある。また、例えば車両の現在位置がナビゲーション用の地図データ上で何処辺りに相当するかや、特許文献2に開示されているように、車載レーダによって検出される道路状況に応じて車両の走行を制御する技術などがある。
【特許文献1】特開2005−82029号公報
【特許文献2】特開2005−158012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の先行技術は、車両の走行に関する状態として客観的に得られるデータに基づいて運転者に情報を提供するものであり、提供した情報が運転者の主観によってどのように受け取られるか、という点については全く考慮されていない。即ち、運転者夫々が有している個人的な嗜好や能力により、必要とされる情報の種類や、好ましい情報提供のタイミングなどは異なっているはずであり、客観状況に応じて一方的に提供された情報が、必ずしも必要であるとは限らないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者が有している嗜好性により適合するように、様々な情報を適切な態様で提供可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の車両用情報提供装置によれば、個人情報取得手段により運転者を特定するための個人情報を取得し、嗜好性情報取得手段によって前記個人情報に対応する嗜好性情報を取得する。そして、情報提供制御手段は、取得された嗜好性情報に適合するように、運転者に提供する情報の種類、及び/又は前記運転者に情報を提供する頻度若しくは割合を変化させるように制御する。従って、運転者は、自身がより好ましいと感じるような態様で情報提供を受けることができるようになり、車両の運転をより快適に行うことが可能となる。
【0005】
請求項2記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、車両が走行している道路の状況に関する情報を加味して当該車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて情報提供制御の状態を変化させる。従って、例えば車両が走行中の道路の交通量が多い場合や、渋滞している場合などに危険度がより高いと判定すると、安全運転に寄与するために有益な情報を選択して運転者に提供することができる。
【0006】
請求項3記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、車両の運転状況に関する情報を加味して当該車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて情報提供制御の状態を変化させる。従って、例えば車両の走行速度が速い状態にあることから危険度がより高いと判定された場合には、請求項2と同様に、安全運転に寄与するために有益な情報を選択して運転者に提供することができる。
【0007】
請求項4記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、取得した情報に基づいて運転者の運転技量を判断し、その運転技量のレベルを考慮して危険度を判定する。即ち、一般に車両の運転に対する危険の度合いは運転者の運転技量の高低に応じて相対的に変化する。従って、例えば、車両の運転状況に関する情報に基づいて運転技量を判断し、その技量レベルに応じて危険度をより適切に判定することができる。
【0008】
請求項5記載の車両用情報提供装置によれば、報提供制御手段は、危険度が低レベルであると判定すると、運転者に対して「気晴らし系」の情報を提供する割合を上昇させる。ここで「気晴らし系」の情報とは、例えば、運転者が興味を持っているジャンルのニュースや、運転者の嗜好に応じたラジオ番組や音楽などであり、車両の運転等には直接関連しない情報を言う。即ち、危険度が低レベルであれば(例えば、交通量が少なく、道幅の広い道路を比較的低速で走行しているような場合)運転者は車両の運転にそれ程気を使う必要がないので、「気晴らし系」情報の提供割合を上昇させれば、運転者に快適な運転環境を提供することができる。
【0009】
請求項6記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、危険度が前記低レベルよりも高い注意レベルであると判定すると運転者に対して車両の走行に関連した道路情報等を提供する割合を上昇させるので、運転者に注意を促すことができる。
請求項7記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、危険度が前記注意レベルよりも高い警告レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関する警告情報を提供するので、運転者に危険レベルが上昇したことを警告することができる。
【0010】
請求項8記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、危険度が前記警告レベルよりも高い緊急レベルであると判定すると、車両側に配置されている走行制御手段に対して、当該車両の走行を安全な状態にするための制御信号を出力する。即ち、車両がそのままの状態で走行を継続すると事故が発生する蓋然性が極めて高い、というように危険度が高い場合は、車両側の走行制御手段に制御信号を出力して、例えば走行速度を低下させたり、或いは走行を停止させることで、危険度を低下させることができる。
【0011】
請求項9記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、提供した情報に対する運転者の反応が、肯定的,否定的の何れであるかを反応検知手段によって検知し、その検知結果に応じて情報提供の制御状態を変化させる。例えば、特許文献1のように、ステアリングセンサの検出結果に基づいて運転の「ふらつき」、即ち居眠り運転のような状態を判断して警告した場合でも、運転者が実際に居眠りしているとは限らない。すると、運転者にとってはシステムが誤動作したようにみなされるため、そのような状態が何回か発生すればシステムの信頼性が低下して、利用されなくなってしまうことが想定される。
そこで、提供した情報に対する運転者の反応を検知し、肯定的な反応を示した場合は提供した情報が好ましい、適切な情報であると判断されたものと推定して当該情報の提供割合を上昇させ、逆に、運転者が否定的な反応を示した場合は、提供した情報が不要,不適切であると判断されたものと推定して当該情報の提供割合を低下させるようにする。従って、運転者が示した反応に応じて情報提供の態様を最適化することができる。
【0012】
請求項10記載の車両用情報提供装置によれば、反応検知手段をスイッチで構成し、情報提供制御手段は、運転者が提供された情報に対して前記スイッチをオン操作した場合、運転者の反応が否定的であると検知するので、運転者がスイッチをオン操作したか否かによって、提供した情報に対する運転者の反応が否定的/肯定的であったかを明確に判別することができる。
【0013】
請求項11記載の車両用情報提供装置によれば、反応検知手段を、オン操作速度若しくはオン操作強度が検出可能であるプッシュスイッチとして構成する。そして、情報提供制御手段は、運転者が、提供された情報に対してプッシュスイッチをオン操作して反応を返す場合に、その操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱に応じて運転者の反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知する。即ち、一般に、反応が肯定的である場合は、運転者はプッシュスイッチを軽く操作し、反応が否定的である場合は逆に強く操作すると推定されるので、操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱によって運転者がどのような反応を示したのかを妥当に推定することができる。
【0014】
請求項12記載の車両用情報提供装置によれば、音声認識手段は、運転者が発した音声を認識することで運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する。即ち、提供した情報に対する運転者の反応としては、運転者がその情報について抱いた感情が、発した音声に表わされることも想定される。従って、運転者が発した音声を認識して、その音声の言語内容や抑揚などから運転者の感情を分析することで、運転者が示した反応を妥当に推定することができる。
【0015】
請求項13記載の車両用情報提供装置によれば、画像認識手段は、運転者の顔の画像を撮像し、その画像を認識して運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する。即ち、提供した情報に対する運転者の反応としては、運転者がその情報について抱いた感情が顔の表情として表わされることも想定される。従って、運転者の顔の画像を認識して、その表情変化より運転者の感情を分析することで、運転者が示した反応を妥当に推定することができる。
【0016】
請求項14記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、運転者が否定的な反応を示す蓋然性が高いと想定される情報を所定のタイミングで提供すると、その情報提供に対して運転者が反応を返すか否かで当該運転者の注意力の状態を判定し、注意力が低下していると判定すると警告情報を提供するので、その警告により運転者の注意力を喚起することができる。
【0017】
請求項15記載の車両用情報提供装置によれば、嗜好性情報取得手段に、前記各手段を介して取得された情報を記録して分析し、個人情報に対応する嗜好性情報を学習する機能を備える。即ち、車両の走行中に得られる様々な情報を蓄積し、情報提供制御手段が提供した情報に対して、各手段によって取得された情報の種類や傾向を分析すれば、運転者がどの様な嗜好性を有しているのかを学習することができる。従って、運転者の嗜好性に一層適合するように情報を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。図1は、車両用情報提供装置のシステム構成を示す機能ブロック図であり、その機能の一部は、車両用ナビゲーション装置と同様のものである。車両用情報提供装置1は、運転者を特定するための個人情報を、携帯電話機2又はICカード3より、運転者識別機能部4を介して取得するようになっている。尚、以上の構成2〜4は、個人情報取得手段及び嗜好性取得手段を構成している。
【0019】
運転者識別機能部4は、携帯電話機2と例えばBluetooth(登録商標)などを介して通信を行うためのインターフェイス、また、ICカード3より情報を読み出すためのカードリーダなどで構成されている。そして、取得された個人情報は、車載コンピュータのソフトウエアにより実現されるエージェント機能部(総合判断ロジック,情報提供制御手段)5に与えられる。尚、「エージェント」とは、車両の運転者に代わって必要な情報を取得し、それらについて所定の加工を行なった後に、取得した情報を運転者に提供する機能を有するものを言う。
【0020】
ここで、個人情報は、例えば、運転者の年齢・性別・嗜好などである。「嗜好」とは、具体的には、車両の運転に関する嗜好が「走り重視」、或いは「乗り心地重視」であるとか、好きな食べ物や音楽、その他興味があるジャンルなどである。これらの情報を、携帯電話機2やICカード3のメモリに予め初期情報として設定記憶させておき、運転者識別機能部4を介してそれらを読み出すようにする。また、例えば一旦取得した情報を、運転者識別機能部4が自身のメモリなどに記憶しておき、次回以降は携帯電話機2の電話番号やICカード3のユーザIDのみを読出し、それらを記憶している個人情報と照合して設定しても良い。
【0021】
また、エージェント機能部5は、車両側に配置されているステアリングセンサ6、アクセルセンサ7、ブレーキセンサ8、車速センサ9、G(加速度)センサ10、ヨーレートセンサ11などから出力される各種のセンサ信号を、運転監視機能部12を介して取得する。更に、車両状態認識機能部13は、車両側のECU(Electronic Control Unit)などを介してエンジン回転数やエンジン温度、ガソリン残量やオイル圧力などの情報も取得するようになっている。尚、以上の構成6〜13は、運転情報取得手段を構成している。
また、エージェント機能部5は、運転者の画像を撮像する運転者カメラ(反応検知手段)14、運転者に取付けた生体センサ(例えば、心拍数、血圧、発汗などを検出)15、車室内部の気温を測定する内気温センサ16より出力される画像信号やセンサ信号などを、運転者状況監視機能部17を介して取得する。尚、以上の構成14〜17は、運転者に関する情報を取得するための運転者情報取得手段を構成する。
【0022】
更に、エージェント機能部5は、車両が走行する道路に関する各種の情報を、車両の前方,後方を夫々撮像する前方カメラ18、後方カメラ19、外気温センサ20、車両周辺に位置する障害物との距離を測定するためのレーダ(レーザ、又はミリ波などを用いたもの)21、また、障害物の有無を判別するための赤外線センサ22より、道路状況監視機能部23を介して取得する。尚、以上の構成18〜23は、道路情報取得手段を構成している。
加えて、エージェント機能部5は、走行中の車両に各種の情報(コンテンツ)を提供するために用意されているセンターサーバ24とセルラー通信機(自動車電話機)25とが通信を行うことで、ダウンロードしたコンテンツを外部通信機能部26を介して取得する。また、運転者自身の家庭に設置されているホームサーバ27と無線LANインターフェイス(I/F)28とが、図示しないアクセスポイントを介して通信を行い、ダウンロードしたコンテンツを外部通信機能部26を介して取得する。
【0023】
更に、外部通信機能部26は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)29を介して外部と近距離無線通信を行なうことも可能となっており、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System,登録商標)のインフラを介して交通情報(渋滞情報や天候情報など)を取得することもできる。
ナビ機能部30は、GPS(Global Positioning System)受信機31がGPS衛星より送信されているGPS信号を受信して車両の現在位置を取得すると、その位置情報と図示しない地図データとに基づいてナビゲーション機能を実行する。そして、エージェント機能部5は、そのナビゲーションに関する情報も取得可能となっている。
【0024】
車両用情報提供装置1は、画像を表示するディスプレイ32、操作スイッチ33、スピーカなどを含むオーディオ出力部34、マイク(反応検知手段)35等を備えており、エージェント機能部5は、それらとの間の各種信号の入出力を、ユーザ対話機能部(反応検知手段,音声認識手段)36を介して行なうようになっている。ユーザ対話機能部36は、マイク35を介して入力される運転者の音声信号を認識したり、エージェント機能部5より与えられる制御信号に基づき音声信号を合成して、オーディオ出力部34を介して外部に出力する。
【0025】
更にまた、エージェント機能部5は、車両制御機能部37を介して、車両側に配置されている図示しない制御ECU(走行制御手段)と通信を行い、ブレーキ、ステアリング、アクセル、パワーウインドウ、ドアロック等を制御することが可能となっている。
尚、以上の構成において、二重線で表されている機能ブロックは、車載コンピュータとその周辺のハードウエアとのインターフェイスとして位置づけられる機能であり、その機能は、インターフェイス用のハードウエア及び車載コンピュータのソフトウエアによって実現される。
【0026】
次に、本実施例の作用について図2も参照して説明する。図2は、車両用情報提供装置1のエージェント機能部5を中心に行われる制御内容を示すフローチャートである。エージェント機能部5は、先ず、上述したように運転者識別機能部4を介して運転者の個人を特定する情報、及びその個人情報に対応する嗜好情報を取得する(ステップS1)。この嗜好情報に基づいて、どのような種類の情報をどのような割合で提供するか、の初期状態が設定される。続いて、エージェント機能部5は、道路状況監視機能部23を介して走行中の道路に関する情報を取得し(ステップS2)、更に、運転監視機能部12及び車両状態認識機能部13を介して車両の運転状況を取得する(ステップS3)。
【0027】
そして、エージェント機能部5は、ステップS2並びにS3で取得した情報に基づいて運転者の運転スキルを判定すると(ステップS4)、その運転スキルに応じて車両が現在走行している状態について危険度を算出する(ステップS5)。即ち、道路状況からは、その道路の走行し易さ等を判定することができる。また、その道路状況と車両の運転状況とを対応させれば、運転者の運転スキルを判定することができる。具体的には、例えば、道路を通過する際の運転操作の正確さや、前方の障害物や歩行者を認識してから減速操作を行うまでの時間やその正確さなどにより運転スキルを判定する。更に、道路状況と判定した運転スキルとを対応させると、車両の走行状態について危険度を判定することができる。
【0028】
続くステップS6〜S9において、エージェント機能部5は、危険度を「注意レベル」、「警告レベル」、「緊急レベル」、「低レベル」の4段階で評価する。「低レベル」は(ステップS9,「YES」)危険度が最も低いため、運転者は車両の運転にそれ程気を使う必要がない状況にある。例えば、道路が渋滞しており、車両が極めて低速でしか、若しくは断続的にしか走行できないような場合である。従って、この場合は「気晴らし系」の情報を提供する確率(割合)をアップさせる(ステップS13)。すると、それに応じて他の情報の提供確率は相対的にダウンすることになる。また、渋滞情報の提供確率を同時にアップさせても良い。
【0029】
ここで、「気晴らし系」の情報とは、例えば、運転者が興味を持っているジャンルのニュースや、運転者の嗜好に応じたラジオ番組や音楽などであり、車両の運転等には直接関連しない情報を言う。また、この場合、これらの情報をいきなり自動提供するのではなく、例えば、オーディオ出力部34を介して「ラジオ番組○○○を聴きますか?」という音声メッセージを出力し、運転者がそれに対して「はい」と答えた音声(肯定的な反応)を認識した場合に、ラジオをオンして情報を提供するようにしても良い。
【0030】
また、「気晴らし系」の情報は、例えばインターネットを介して上記ジャンルに関するニュースのコンテンツを、センターサーバ24やその他適当なサイトからダウンロードして提供したり、ホームサーバ27に接続してテレビ番組の案内を行う、という形態で提供することも可能である。そして、後者の場合については、運転者の指示によりホームサーバ27に番組の録画予約を行なわせるなどしても良い。また、「気晴らし系」の情報は記録媒体で提供されるものを、例えばカーディーラ等において予め購入しておき、車両用情報提供装置1が有するハードディスクなどにインストールしておいたものを、所定のタイミングで提供させても良い。
【0031】
「注意レベル」は(ステップS6,「YES」)危険度が「低レベル」よりも高く設定されており、この場合エージェント機能部5は、道路・安全系の情報を提供する確率をアップさせる(ステップS10)。ここで、「注意レベル」は、例えば走行中の道路についての標準走行速度に対して、実際の車両の速度がやや高く「飛ばし気味」である、と判定されるようなレベルである。
【0032】
尚、上記「標準走行速度」の決定には、雨、雪等の天候情報や、周囲の明るさ、或いは通行時間帯などを加味しても良い。また、「道路・安全系の情報」とは、進行方向先にあるカーブの情報や、渋滞情報、事故情報、前方カメラ18によって捉えられた歩行者の存在情報などを言う。例えば、「この先に、カーブがあります」というような情報は、渋滞中の道路を低速で走行している場合には不要な情報であるが、走行速度がある程度高くなった場合は必要な情報となる。
また、「警告レベル」は(ステップS7,「YES」)危険度が「注意レベル」よりも高く設定されており、この場合エージェント機能部5は、警告情報の提供をユーザ対話機能部36に指示する(ステップS11)。警告情報は、例えば、車両の走行速度を安全と判断される速度まで減速させることを促すメッセージなどである。
【0033】
ここで、警告情報をどのような態様で与えるかは、運転者の状況(個人情報を含む)に応じて可変とする。例えば、個人情報から運転者が初心者や高齢者等であることを認識し、事故を起こす確率が比較的高いと予測される場合は標準走行速度を低めに設定して、より低速の段階から警告を与えるようにする。また、ステップS4で判定した運転スキルも考慮して標準走行速度を設定する。更に、生体センサ15を介して得られる情報から、運転者の健康状態や疲労状態を検出し、それらの状態に応じて警告の与え方を変更しても良い。加えて、DSRC通信機29を介して、VICSやその他のインフラより提供される情報を反映して警告の与え方を変更しても良い。例えば、前記の情報より通学時間帯のスクールゾーンを通過しようとしていることを認識すると、標準走行速度を低めに設定して対応する。
【0034】
そして、「緊急レベル」は(ステップS8,「YES」)危険度が「警告レベル」よりも高い最高レベルに設定されている。例えば、ステアリングセンサ6のセンサ出力による運転監視機能部12や、運転者カメラ14の画像を認識する運転者状況監視機能部17が、運転者が居眠りしている状態を検出し、居眠りに対する警告を与えても解消されないような状態である。この場合、エージェント機能部5は、車両制御機能部37を介して車両を減速させたり停車させるようにするための制御指示を出力する(ステップS12)。また、商用車であれば車両の管理者と通信を行い、運転者の状況を伝達することも考えられる。
【0035】
以上のステップS6〜S13の処理により、運転者に対して提供する各情報の確率が初期状態より修正され、その確率に応じて運転者に所定の種類の情報提供が行なわれる(ステップS14)。そして、情報の提供を行なった後は、その情報提供に対する運転者の応答(フィードバック)を確認し(ステップS15)、応答が否定的であったかどうかを判定する(ステップS16)。
【0036】
ステップS16では、運転者が発した音声を認識した結果により判定する。例えば、「OK」、「はい」、「ありがとう」といった音声が発せられた場合は、肯定的な応答であったと判定し(「NO」)ステップS2に移行する。一方、「うるさい」、「だまれ」といった音声が発せられた場合や、応答が所定時間以内になかった場合は否定的な応答であったと判定し(「YES」)その時点に提供した情報の提供確率を低下させる(ステップS17)。
【0037】
以上のように本実施例によれば、車両用情報提供装置1のエージェント機能部5は、携帯電話機2又はICカード3より運転者を特定するための個人情報を取得すると共に、その個人情報に対応する嗜好性情報を取得すると、取得した嗜好性情報に適合するように、運転者に提供する情報の種類や、運転者に情報を提供する頻度若しくは割合を変化させるようにした。従って、運転者は、自身がより好ましいと感じるような態様で情報提供を受けることができるようになり、車両の運転をより快適に行うことが可能となる。
【0038】
また、エージェント機能部5は、車両が走行している道路の状況に関する情報や、車両の運転状況に関する情報等に基づいて運転者の運転技量を判定し、その運転技量のレベルを考慮して危険度を判定すると、その危険度のレベルに応じて情報提供制御の状態を変化させるようにした。従って、例えば車両が走行中である道路の交通量が多い場合や、車両の走行速度が所定速度以上で且つある程度渋滞している場合、また、車両の走行速度が速い状態にある場合に、運転者の運転技量に応じて危険度が高いと判定すれば、安全運転に寄与するために有益な情報を選択して運転者に提供することができる。
更に、エージェント機能部5は、危険度が低レベルであると判定すると、運転者に対して「気晴らし系」の情報を提供する割合を上昇させることで、運転者に快適な運転環境を提供することができ、危険度が低レベルよりも高い注意レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関連した道路情報等を提供する割合を上昇させて、運転者に注意を促すことができる。
【0039】
また、エージェント機能部5は、危険度が注意レベルよりも高い警告レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関する警告情報を提供するので、運転者に危険レベルが上昇したことを警告することができ、危険度が警告レベルよりも高い緊急レベルであると判定すると、車両制御機能部37を介して車両の走行を安全な状態にするための制御信号を出力するので、例えば車両の走行速度を低下させたり、或いは走行を停止させることで、危険度を低下させることができる。
加えて、エージェント機能部5は、提供した情報に対する運転者の反応が、肯定的,否定的の何れであるかをユーザ対話機能部36により検知し、その検知結果に応じて情報提供の制御状態を変化させるので、運転者が示した反応に応じて情報提供の態様を最適化することができる。
【0040】
(第2実施例)
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第1実施例では、提供した情報に対する運転者の反応を検出するのに、ユーザ対話機能部36を介して運転者が発した音声を認識することで行なった。これに対して、第2実施例では、運転者の反応をより直接的に検出するため、図3に示すように「おせっかいボタン」(反応検出手段)41を、車室内のセンターコンソール付近に設けている。
【0041】
おせっかいボタン41は、プッシュ式のスイッチであり、運転者が、提供された情報を不要、不快だと感じた場合におせっかいボタン41をオン操作することを予め定めておく。また、おせっかいボタン41の出力信号は、図1に示す構成では、例えばユーザ対話機能部36、或いは運転者状態監視機能部17を介してエージェント機能部5に与えるようにすれば良い。
【0042】
次に、第2実施例の作用について説明する。例えば、エージェント機能部5がある種の情報を提供した場合に、運転者がその情報を不要、不快だと感じればおせっかいボタン41をオン操作するように設定しておく。従って、エージェント機能部5は、情報の提供後、所定時間内におせっかいボタン41が操作されなければ、図2に示すステップS16においてその際の情報提供は運転者にとって好ましいものであった(肯定的)と判定する。
一方、おせっかいボタン41がオン操作された場合はその時点で情報提供を中止し、ステップS17において当該情報を以降に提供する確率を低下させる。例えば、運転者が良く知っている近隣の店舗の広告情報が提供されたような場合、運転者は、おせっかいボタン41をオン操作して不要な情報の提供を中止させれば良い。
【0043】
以上のように第2実施例によれば、エージェント機能部5は、運転者が提供された情報に対しておせっかいボタン41をオン操作した場合は、運転者の反応が否定的であると検知するので、運転者がおせっかいボタン41をオン操作したか否かによって、提供した情報に対する運転者の反応が否定的/肯定的であったかを明確に判別することができる。そして、エージェント機能部5は、おせっかいボタン41がオン操作されたか否かによって運転者の情報の好みを学習することができる。また、運転者は、おせっかいボタン41をオンすることで不要な情報提供を速やかに停止させることができると共に、不要な情報が提供されたことによるストレスを解消することもできる。
【0044】
(第3実施例)
図4は本発明の第3実施例を示すものである。第3実施例において、エージェント機能部5は、第2実施例のおせっかいボタン41を利用して運転者の注意力をチェックする処理を行なう。図4に示すフローチャートは、例えば図2のフローチャートと並行して、所定時間毎に割り込み処理的に実行される。
先ず、エージェント機能部5は、図2におけるステップS1で直接取得した嗜好性情報、或いは図2のフローチャートに従う処理をある程度の期間に亘って実行した結果として把握される運転者の嗜好性に基づき、運転者にとって不要であろうと思われる蓋然性が高い情報を敢えて提供してみる(ステップS21)。そして、その情報提供に対し、運転者がおせっかいボタン41をオン操作したか否かを判断する(ステップS22)。
【0045】
ここで、運転者がおせっかいボタン41をオン操作すれば(「YES」)、運転者は不要な情報の提供を正常に知覚・認識していると推定されるので、運転者の注意力は正常であると判定される(ステップS23)。この場合は、特に処理を行なうことなくそのままメインルーチンにリターンする。
一方、不要な情報を提供しても、運転者が所定時間内におせっかいボタン41をオン操作しなければ(ステップS22,「NO」)、運転者は不要な情報の提供を知覚しておらず、注意力が低下していると判定される。従って、この場合は、運転者の注意力を喚起するため音声で警告メッセージを出力させたり(例えば、「注意力が低下しているようです。気をつけて下さい」など)、休憩を取ることを勧めるメッセージを出力する(例えば、「注意力が低下しているようです。休憩をとられては如何でしょうか?」など)(ステップS24)。
【0046】
以上のように第3実施例によれば、エージェント機能部5は、運転者が否定的な反応を示す蓋然性が高いと想定される情報を所定のタイミングで提供し、その情報提供に対して運転者がおせっかいボタン41をオン操作して反応を返すか否かで当該運転者の注意力の状態を判定し、注意力が低下していると判定すると警告情報を提供するようにしたので、その警告により運転者の注意力を喚起することができる。
【0047】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
運転者識別機能部4は、携帯電話機2,ICカード3の何れか一方から個人情報及び嗜好性情報を取得すれば良い。また、個人情報と嗜好性情報とを必ずしも同じ対象から取得する必要は無く、例えば、前者を携帯電話機2より取得して、後者をICカード3から取得しても良い。
個人情報取得手段は、その他、メモリーカードや車両のキーレスエントリシステムに使用されるリモコンであっても良い。
運転情報取得手段や道路情報取得手段は、上記実施例に開示されているものを全て備える必要は無く、個別の設計に応じて必要となるものを適宜選択すれば良い。
危険レベルは、4段階に判定するものに限らず、2段階,3段階,若しくは5段階以上に判定しても良い。
最初にステップS1において、運転者の嗜好性情報をその個人情報と共に取得することは必ずしも必要ではなく、最初は、運転者を特定する個人情報だけを取得しても良い。そして、最初に提供する情報の種類や割合はデフォルトで設定しておき、そこから、図2のフローチャートを繰り返し実行した結果を分析し、各情報が運転者の嗜好に適合するものかどうかを嗜好性情報取得手段としてのエージェント機能部5が学習して、嗜好性情報を蓄積するようにしても良い。
【0048】
運転者の運転技量の判定は、必要に応じて行えば良く、危険度のレベル設定は、それ以外の情報に基づいて行っても良い。
第2実施例において、プッシュ式のおせっかいボタン41に代えてレバースイッチ(反応検知手段)を設けても良い。
第2実施例において、おせっかいボタン41を、オン操作時における操作速度、若しくは操作強度が測定可能となるように構成する。例えば、操作子の変位量が異なる位置で閉状態となるスイッチを2点設け、それら2点のスイッチが閉じる時間間隔により操作速度等を測定できる。そして、運転者が、提供された情報に対して、原則としておせっかいボタン41をオン操作して反応を返すように設定し、その操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱に応じて運転者の反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知しても良い。一般に、反応が肯定的である場合は、運転者はスイッチ41を軽く操作し、反応が否定的である場合は逆に強く操作すると推定されるので、操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱によってどのような反応を示したのかを妥当に推定することができる。
【0049】
提供した情報に対する運転者の反応としては、運転者がその情報について抱いた感情が顔の表情として表わされることも想定される。従って、例えば第1実施例において、運転者状況監視機能部17が、情報を提供した場合に、運転者カメラ14が捉えた運転者の顔の画像を認識することで運転者が示した感情を分析し、その結果が「不快」や「怒り」であったと判断するとその時提供した情報の提供率を低下させ、「喜び」や「感謝」であったと判断すると、情報の提供率を低下させるようにしても良い。
また、第1実施例では、運転者が発した音声の言語そのものを認識して反応を判断した。その言語自体によって運転者が示した感情を分析することも可能であるが、それに限ることなく、例えばユーザ対話機能部36が、音声認識処理により声の大小(音量)や発声の抑揚などに基づいて運転者が示した感情を分析し、上記と同様に分析結果が「不快」や「怒り」であったと判断した場合、「喜び」や「感謝」であったと判断した場合に応じて情報の提供率を変化させても良い。
第3実施例の注意力チェック処理を行なう場合、第1実施例のように、運転者の反応を音声認識により行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施例であり、車両用情報提供装置のシステム構成を示す機能ブロック図
【図2】車両用情報提供装置のエージェント機能部を中心に行われる制御内容を示すフローチャート
【図3】本発明の第2実施例であり、おせっかいボタンが配置されている車室内の状態を示す斜視図
【図4】本発明の第3実施例であり、運転者の注意力をチェックする処理内容を示すフローチャート
【符号の説明】
【0051】
図面中、1は車両用情報提供装置、2は携帯電話機(個人情報取得手段,嗜好性取得手段)、3はICカード(個人情報取得手段,嗜好性取得手段)、4は運転者識別機能部(個人情報取得手段,嗜好性取得手段)、5はエージェント機能部(情報提供制御手段)、12は運転監視機能部(運転情報取得手段)、13は車両状態認識機能部(運転情報取得手段)、14は運転者カメラ(反応検知手段,画像認識手段)、17は運転者状況監視機能部(運転者情報取得手段,反応検知手段,画像認識手段)、35はマイク(反応検知手段,音声認識手段)、36はユーザ対話機能部(反応検知手段,音声認識手段)、41はおせっかいボタン(反応検知手段,スイッチ)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行中に、運転者に対して各種の情報を提供する車両用情報提供装置において、
運転者を特定するための個人情報を取得する個人情報取得手段と、
前記個人情報に対応する嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得手段と、
前記嗜好性情報に適合するように、前記運転者に提供する情報の種類、及び/又は前記運転者に情報を提供する頻度若しくは割合を変化させるように制御する情報提供制御手段とを備えて構成されることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
前記車両が走行している道路の状況に関する情報を取得する道路情報取得手段を備え、
前記情報提供制御手段は、前記道路情報を加味して前記車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて前記情報提供制御の状態を変化させることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
【請求項3】
前記車両の運転状況に関する情報を取得する運転情報取得手段を備え、
前記情報提供制御手段は、前記運転情報を加味して前記車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて前記情報提供制御の状態を変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用情報提供装置。
【請求項4】
前記情報提供制御手段は、前記取得した情報に基づいて運転者の運転技量を判断し、その運転技量のレベルを考慮して、前記危険度を判定することを特徴とする請求項3記載の車両用情報提供装置。
【請求項5】
前記情報提供制御手段は、前記危険度が低レベルであると判定すると、運転者に対して「気晴らし系」の情報を提供する割合を上昇させることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の車両用情報提供装置。
【請求項6】
前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記低レベルよりも高い注意レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関連した道路情報等を提供する割合を上昇させることを特徴とする請求項5記載の車両用情報提供装置。
【請求項7】
前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記注意レベルよりも高い警告レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関する警告情報を提供することを特徴とする請求項6記載の車両用情報提供装置。
【請求項8】
前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記警告レベルよりも高い緊急レベルであると判定すると、車両側に配置されている走行制御手段に対して、当該車両の走行を安全な状態にするための制御信号を出力することを特徴とする請求項7記載の車両用情報提供装置。
【請求項9】
前記情報提供制御手段は、提供した情報に対して運転者が反応した場合に、その反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知する反応検知手段を備え、前記検知結果に応じて前記情報提供の制御状態を変化させることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の車両用情報提供装置。
【請求項10】
前記反応検知手段は、スイッチで構成され、
前記情報提供制御手段は、前記運転者が、前記提供された情報に対して前記スイッチをオン操作した場合、前記運転者の反応が否定的であると検知することを特徴とする請求項9記載の車両用情報提供装置。
【請求項11】
前記反応検知手段は、オン操作速度若しくはオン操作強度が検出可能であるプッシュスイッチとして構成され、
前記運転者が、前記提供された情報に対して前記プッシュスイッチをオン操作することで反応を返すように設定されている場合、
前記情報提供制御手段は、前記プッシュスイッチのオン操作速度の高低,若しくはオン操作強度の強弱に応じて、前記運転者の反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知することを特徴とする請求項9記載の車両用情報提供装置。
【請求項12】
前記反応検知手段は、運転者が発した音声を取得し、その音声を認識することで前記運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する音声認識手段とで構成されることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の車両用情報提供装置。
【請求項13】
前記反応検知手段は、運転者の顔の画像を撮像し、その画像を認識することで前記運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する画像認識手段で構成されることを特徴とする請求項9乃至12の何れかに記載の車両用情報提供装置。
【請求項14】
前記情報提供制御手段は、運転者が否定的な反応を示す蓋然性が高いと想定される情報を所定のタイミングで提供し、その情報提供に対して前記運転者が反応を返すか否かにより当該運転者の注意力の状態を判定し、注意力が低下していると判定すると、警告情報を提供することを特徴とする請求項9乃至13の何れかに記載の車両用情報提供装置。
【請求項15】
前記嗜好性情報取得手段は、前記各手段を介して取得された情報を記録して分析することで、前記個人情報に対応する嗜好性情報を学習する機能を備えていることを特徴とする請求項2乃至14の何れかに記載の車両用情報提供装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−86880(P2007−86880A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272094(P2005−272094)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】