説明

遊技機システム及び遊技機

【課題】所定の遊技機において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行できる遊技機システムやこの遊技機システムを構成する遊技機を提供する。
【解決手段】通信可能に接続された複数台の遊技機を具備する遊技機システムである。各遊技機は、エラー状態が発生したと判断すると所定の報知手段にエラー報知を実行させるエラー報知実行手段と、エラー報知が正常に実行可能か否かを判断するエラー報知判断手段と、エラー報知判断手段が否定判断したときに、外部に報知エラー信号を出力する報知エラー信号出力手段とを備える。所定の遊技機が前記報知エラー信号を出力すると、報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の報知手段によってエラー報知を代行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の遊技機を用いた遊技機システムと、この遊技機システムを構成する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機を回胴式の遊技機と弾球式の遊技機とに分類することができる。このうち、回胴式の遊技機は遊技媒体としてメダル若しくは遊技球を用いる遊技機であり、横方向に並ぶ複数列の表示リール(回胴)を具備する図柄表示装置を備えている。これらの表示リールは、回転軸を水平にしかも同軸上に並べつつ、遊技機の内部において回転可能とされている。また、各表示リールの外周面(外周部)にはその周回方向に沿って種々の図柄が連続配置されている。
【0003】
この回胴式の遊技機では、所定個数の遊技メダルをベットした(賭けた)後、遊技者がスタートレバーを操作すると、複数列の表示リールは回転を開始するとともに、入賞役の成立を許容するか否かの抽選を行う。そして、遊技者が個々の表示リールに対応して設けられた停止スイッチを、個々の表示リールを停止させる際に操作する。そして、抽選手段の抽選結果と遊技者が各停止スイッチに施した停止操作の態様等とを考慮しつつ個々の表示リールを所定位置(回転位置)で停止させるように表示リールの停止制御が実行される。
【0004】
この回胴式の遊技機においては図柄表示装置を構成する全表示リールの回転を停止したとき、この図柄表示装置によって「入賞役の成立確定を示す表示」がなされると、この確定表示の態様に応じた個数の遊技メダルが、遊技者に払い出される。
【0005】
一方、弾球遊技機は遊技媒体として遊技球を用いる遊技機であり、外枠と、遊技盤を保持しつつ外枠に開閉可能な状態に取り付けられる本体枠と、本体枠の前面側に配設されるガラス扉枠等を備えている。また、遊技盤の前面部に形成される遊技領域には、各種の入賞装置(始動入賞装置、大入賞装置、その他の入賞装置等)、入球ゲート、表示装置(液晶表示装置)等の種々の盤部品が配設される。そして、遊技者が発射ハンドルを操作することに伴って遊技球が遊技領域に打ち出される。更に、この遊技球が何れかの入賞装置に入賞することによって遊技球が遊技者に払い出される。
【0006】
このように、何れの遊技機(回胴式の遊技機、弾球式の遊技機)においても、遊技者によって正当に施される操作と正当な入賞を経て遊技媒体(メダル、遊技球)の払い出しが行われるのであるが、遊技機に不正な操作(以下、「不正行為」という。)が行われ、不正に遊技媒体を獲得しようとする者(以下、「不正行為者」という。)も存在する。このため、不正行為が行われたときに、演出装置(スピーカ、ランプ等)等を用いてエラー報知を行うことが従来より行われている(特許文献1を参照、以下「従来例」という。)。
【特許文献1】特開2007−282964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この従来例においては不正行為者が「演出装置を動作不能な状態」とした場合等においては、不正行為が行われたのにもかかわらず、エラー報知を行うことができないことになる。例えば、不正行為者がスピーカ等を破壊した後、不正行為を行えば、不正行為が行われたにもかかわらず、エラー報知を行うことができないことになる。従って、この従来例によると、不正行為が行われたのにもかかわらず、エラー報知を確実に行うことができない場合がある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、所定の遊技機において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行することができるようにした遊技機システムと、かかる遊技機システムを構成する遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の遊技機システムは、
通信可能に接続された複数台の遊技機を具備する遊技機システムであって、
各遊技機は、
エラー状態が発生したと判断すると所定の報知手段にエラー報知を実行させるエラー報知実行手段と、
前記エラー報知が正常に実行可能か否かを判断するエラー報知判断手段と、
前記エラー報知判断手段が否定判断したときに、外部に報知エラー信号を出力する報知エラー信号出力手段と、
を備え、
所定の遊技機が前記報知エラー信号を出力すると、前記報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の前記報知手段によって前記エラー報知を代行することを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明の遊技機システムを構成する遊技機においては、エラー状態を発生すると、当該遊技機においてエラー報知が正常に実行可能か否かを判断する。次いで、当該遊技機においてエラー報知が正常に実行できない場合は、当該遊技機の外部に報知エラー信号が出力され、当該報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機が、その報知手段を用いてエラー報知を代行する。
【0011】
つまり、請求項1の発明の遊技機システムにおいては、例えば、不正行為者が特定の遊技機の報知手段を動作不能な状態(例えば、破壊した状態、ショートさせた状態)とした後に、当該特定の遊技機に不正行為を施した場合等にも、当該遊技機システム内の他の遊技機によってエラー報知を代行することになる。従って、請求項1の発明の遊技機システムによると、所定の遊技機において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行することができる。
【0012】
尚、通常、複数台の遊技機を具備する遊技機システムは、外部制御装置(遊技機の外部に配設される制御装置であって請求項6を参照)、つまり、ホールコンピュータや島コンピュータ等に接続されることになる。ところが、仮に、これらの外部制御装置がエラー報知判断手段を構成することとすれば、当該外部制御装置の負担が増大することとなる。これに対して、請求項1の発明では、遊技機システムを構成する各遊技機がエラー報知判断手段として機能するため、これらの外部制御装置の負担が増大しないとともに、「エラー報知の代行」を円滑に行うことができる。
【0013】
ここで、各請求項の発明の遊技機システムは通信可能に接続された複数台の遊技機を備えるが、外部制御装置が当該遊技機システムの範囲外とされてもよいし、外部制御装置が当該遊技機システムの範囲内とされてもよい。すなわち、「エラー報知の代行」のための制御を、遊技機システムを構成する複数台の遊技機のみで行ってもよいし、遊技機システムを構成する複数台の遊技機と外部制御装置とが協働して{但し、エラー報知判断手段や、実際にエラー報知を代行する手段(演出装置)は、各遊技機によって構成される。}行ってもよい。但し、各請求項の発明では、何れの場合においても、実際にエラー報知を代行する手段が各遊技機の報知手段によって構成されるため、「エラー報知の代行」がなされたときに不正行為者に与えるインパクトは大きなものとなる。
【0014】
つまり、遊技機システムを構成する特定の遊技機の報知手段を動作不能な状態とし、当該報知手段を用いた「特定態様のエラー報知」を実行不能としたはずなのに、当該遊技機システム内の他の遊技機によって「同様な態様のエラー報知」が「エラー報知の代行」として行われることになる。このため、不正行為者にとっては、「エラー報知の代行に接したときの精神的なダメージ」や「自己の不正行為の発覚を恐れる恐怖心」が大きくなる。
【0015】
また、不正行為者が遊技機システムを構成する遊技機を2台以上壊したとしても、遊技機システムに無事な遊技機が存在する限りは「エラー報知の代行」が行われる可能性が残ることになる。つまり、遊技機システムは不正行為者とって手強く、攻略困難なものであるため、不正行為の実行を抑止することができる。
【0016】
通常、遊技機は、遊技の基本進行を司る主制御部と、遊技上の演出を司る演出制御部と、演出制御部によって作動を制御された演出装置とを備えている。つまり、「演出制御部」は、主制御部と別個に設けられて主制御部から送信されてくるコマンドに基づき、遊技の基本進行を司る主制御処理(つまり、主たる遊技制御処理)以外の制御処理を行う制御部、すなわち、遊技上の演出を司る制御部である。この「演出制御部」は、図柄表示による視覚的な演出制御、音声による聴覚的な演出等を制御するための音声制御部と、ランプの点灯や点滅等による装飾的な演出等を制御するためのランプ制御部等とのうちの少なくとも1つを実行する。
【0017】
各請求項の遊技機システムを構成する遊技機においては、例えば、演出制御部によって、「エラー報知実行手段」、「エラー報知判断手段」、「報知エラー信号出力手段」を構成してもよいし、演出制御部と双方向通信可能な状態に接続される制御部(制御基板)によって、「エラー報知実行手段」、「エラー報知判断手段」及び「報知エラー信号出力手段」のうちの少なくとも何れかを構成してもよい。尚、各請求項の発明の遊技機システムを構成する各遊技機においては、主制御部と演出制御部との接続を、「主制御部から演出制御部へは通信可能であるが演出制御部から主制御部への通信不可能とするように行うこと」が望ましい。つまり、主制御部への遊技機外部からの不正なアクセスを防止する上で、主制御部から演出制御部への「一方向通信」のみを可能とすることが望ましい。
【0018】
各請求項の発明の遊技機が備える「演出装置」としては、「音声による聴覚的な演出を行う発音装置(スピーカ等)」、「ランプの点灯や点滅等による装飾的な演出を行うランプ装置」、「図柄表示による視覚的な演出表示を行う図柄表示装置」等を例示できる。そして、各請求項の発明の遊技機は、これらの「演出装置」を用いて「報知手段」を構成してもよいが、その場合、全ての「演出装置」が報知手段を構成することは必ずしも必要とされず、これらの「演出装置」の1つ若しくは2つ以上が報知手段を構成してもよい。また、各請求項の遊技機システムを構成する遊技機は、「演出装置」によって構成される報知手段とは別に報知手段を備えてもよいし、「演出装置」によっては報知手段を構成せず、「演出装置」とは別の装置によって報知手段を構成してもよい。
【0019】
尚、「演出装置」が報知手段を構成する場合、演出制御部から送信されるコマンドに基づいてエラー報知を行うが、その際の報知態様は、通常報知時(エラーを生じていない状態で報知を行う時)の報知態様と異なったものとされる。例えば、発音装置でエラー報知を行う場合、その報知音を通常報知時の報知音よりも大音量とする態様を例示できる。
【0020】
請求項1の発明及び請求項7の発明において、報知エラー信号が出力される「外部」とは、当該「報知エラー信号された遊技機」の外部である。例えば、遊技機システムを構成する他の遊技機が、この外部の一具体例を構成する。また、外部制御装置が遊技機システムの範囲内とされる場合、外部制御装置も、この外部の一具体例を構成する。
【0021】
各請求項の発明の「遊技機システムを構成する遊技機の台数」は特に問わないが、3台〜30台とすることが望ましい。「エラー報知の代行」を確実に行うためには、遊技機の台数が3台以上であることが望ましい。一方、遊技機の台数を、30台を超えるものとして、実際にエラー状態となった遊技機から大きく離れた位置の遊技機によって「エラー報知の代行」が行われても、「エラー報知の代行」の効果が低くなるからである。尚、各請求項の発明の遊技機システムを構成する全ての遊技機がその「通信手段」の中に「通信(制御)プログラム」を含んでいてもよいが、遊技機システムを遊技機のうちの幾つか(例えば、1台、特に、後述するホスト遊技機)のみが、「通信手段」の中に「通信(制御)プログラム」を含んでいてもよい。
【0022】
各請求項の発明の遊技機は、他の遊技機との通信を行うための通信手段を主制御部及び演出制御部から独立した状態で備えてもよいし、演出御部若しくは主制御が通信手段を備えてもよい。例えば、演出制御部を構成する演出制御基板や主制御部を構成する主制御基板に、通信用の部品{通信用の入出力部(通信用の入出力ポート等)}を追加したり、これらの基板に搭載された記憶装置(ROM)に通信プログラムを格納してもよい。通信手段(通信制御基板等)を主制御部及び演出制御部から独立した状態で備える場合、主制御部と演出制御部とを主制御部から演出制御部への通信のみが可能な一方向通信可能な状態に接続すると共に、演出制御部と通信手段(通信制御基板等)とを双方向通信可能な状態に接続することが望ましい。
【0023】
各請求項の発明の遊技機システムを構成する遊技機同士を、有線による伝送媒体で接続してもよいし、無線による伝送媒体で接続してもよい。また、各請求項の発明の遊技機システムを構成する遊技機の接続形態として、バス型の接続形態を例示でき、例えば、(a)本遊技機システムを構成する各遊技機とは独立した伝送経路に対して、該各遊技機が並列に接続される態様や、(b)本遊技機システムを構成する各遊技機を、所定の設置箇所(島設備等)に連続配置する際に、隣合う遊技機同士を接続する態様を例示できる。
【0024】
各請求項の発明の遊技機は、回胴式の遊技機であってもよいし、弾球式の遊技機であってもよい。
【0025】
ここで、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、前扉等のように、「扉の如く、開閉可能な部材において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
【0026】
請求項2記載の遊技機システムは、請求項1に記載の遊技機システムにおいて、
前記各遊技機の前記エラー報知実行手段は、
前記報知手段との間の接続状態を監視するとともに、前記報知手段との間の接続状態に前記エラー報知を実行不可能とする異常を生ずると、前記エラー状態が発生したと判断することを特徴とする。
【0027】
請求項2の発明によると、不正行為の発覚を妨害する行為(以下、「発覚妨害行為」をより確実に発見することができる。つまり、「発覚妨害行為」としては、不正部材自体を破壊等してエラー報知を不可能とする行為(例えば、スピーカを破壊等する行為)の他に、エラー報知実行手段と報知手段との接続状態に異常を生じさせ、エラー報知を不可能とする行為を例示することができる。つまり、後者の発覚妨害行為の具体例としては、エラー報知実行手段と報知手段とを接続するための配線(信号線)を断線(切断)する行為やショートさせる行為を例示できるが、これらの行為の痕跡は遊技機の外部からは判り難い。
【0028】
これに対して、請求項2の発明では、遊技機システムを構成する所定の遊技機において、エラー報知実行手段と報知手段との接続状態に異常を生じた場合、エラー報知実行手段がエラー状態と判断する。このとき、エラー報知実行手段がエラー報知を正常に行うことができないため、報知エラー信号出力手段が外部に報知エラー信号を出力する。このため、接続状態に異常を生じた遊技機とは異なる遊技機によってエラー報知が代行される。従って、請求項2の発明によると、「エラー報知実行手段と報知手段との接続状態に異常を生じさせることを内容とした発覚妨害行為」をより確実に発見することができる。
【0029】
請求項3の遊技機システムは、請求項1又は2に記載の遊技機システムにおいて、
前記エラー報知の代行を、前記報知エラー信号を出力した遊技機に隣接して設置される遊技機が優先して行うことを特徴とする。
【0030】
請求項3の発明によると、エラー報知の代行を「不正行為が行われた遊技機」に隣接する遊技機が優先して行う。つまり、不正行為者に近接する遊技機が優先的にエラー報知を代行するため、パチンコホールの店員等が「不正行為が行われた遊技機」を把握することが容易である。また、不正行為者に近接する遊技機によってエラー報知の代行が行われるため、このエラー報知の代行によって「不正行為者」に強いインパクトを与えることができる。
【0031】
ここで、請求項3の発明の「隣接して設置される遊技機(以下、「優先代行台」という。)を、例えば、以下のように定めることができる。つまり、(1)報知エラー信号を出力した遊技機(以下、「出力元台」という。)が所定の島設備に設置されている場合に、この島設備の幅方向に「出力元台」と隣合う遊技機を「優先代行台」とする態様、(2)「出力元台」が所定の島設備に設置されている場合に、この出力元台が設置される島設備と、通路を挟み対向する他の島設備に配置されて出力元台と対向する遊技機を「優先代行台」とする態様、(3)「出力元台」が所定の島設備に設置されている場合、この島設備の幅方向に「出力元台」と隣合う遊技機と、出力元台が設置される島設備と通路を挟み対向する他の島設備に配置されて出力元台と対向する遊技機と、の双方を「優先代行台」とする態様、等を例示できる。
【0032】
請求項3の発明において、「優先代行台」が複数存在する場合(例えば、出力元台の両脇に存在する場合)、その全てがエラー報知の代行を行ってもよいし、そのうちの幾つかのみが行ってもよい。更に、その幾つか(例えば、1個)がエラー報知の代行を行うことができる場合、その幾つかのみがエラー報知の代行を行い、その幾つか(例えば、1個)がエラー報知の代行を行うことができない場合(キャンセルする場合であって、請求項5を参照)に、他の幾つか(例えば、他の1個)がエラー報知の代行を行うこととしてもよい。
【0033】
(1)〜(3)の場合においては、「優先代行台」に隣接して設置される1台若しくは複数台の遊技機(但し、出力元台を除く)も、優先代行台とともにエラー報知の代行を行ってもよい。また、(1)〜(3)の場合においては、「優先代行台」が、エラー報知の代行を行うことができない場合(キャンセルする場合であって、請求項5を参照)、この「優先代行台」に隣接して設置される1台若しくは複数台の遊技機がエラー報知の代行を行ってもよい。
【0034】
請求項4の発明の遊技機システムは、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機システムにおいて、
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記報知エラー信号出力手段は、前記遊技機システムを構成する他の遊技機に前記報知エラー信号を出力し、
前記遊技機システムを構成する各遊技機は、前記報知エラー信号を受信したときに、前記エラー報知の代行の可否判断を行う代行可否判断手段を備えるとともに、該代行可否判断手段が肯定判断したときに、前記エラー報知を代行し、該代行可否判断手段が否定判断したときに、前記報知エラー信号を前記遊技機システムを構成する更に他の遊技機に出力することを特徴とする。
【0035】
請求項4の発明の遊技機システムでは、外部制御装置を頼りにせずに、当該遊技機システムを構成する遊技機のみによって「エラー報知の代行」を行う。つまり、外部制御装置に負担を与えることなく、「エラー報知の代行」を円滑に行うことができる。
【0036】
請求項5の発明の遊技機システムは、請求項4に記載の遊技機システムにおいて、
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記代行可否判断手段は、当該遊技機において遊技がされていないとき、若しくは、特別遊技状態でないときに肯定判断を行うことを特徴とする。
【0037】
請求項5の発明では、遊技機が空き状態であるときに、「エラー報知の代行」を行うこととしている。
【0038】
請求項6の発明の遊技機システムは、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機システムにおいて、
前記遊技機システムは、前記複数台の遊技機が接続された外部制御装置を備え、
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記報知エラー信号出力手段は、前記外部制御装置に前記報知エラー信号を出力し、
該外部制御装置は前記報知エラー信号を受信すると、前記報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の報知手段によって前記エラー報知を代行させることを特徴とする。
【0039】
請求項6の発明の遊技機システムは、複数台の遊技機の他に外部制御装置を備えるため、「エラー報知の代行」をより統制のとれた状態で行うことができる。ここで、「外部制御装置」としては、ホールコンピュータや島コンピュータ等を例示できる。
【0040】
請求項7の発明の遊技機は、
エラー状態が発生したと判断すると所定の報知手段にエラー報知を実行させるエラー報知実行手段と、
前記エラー報知が正常に実行可能か否かを判断するエラー報知判断手段と、
前記エラー報知判断手段が否定判断したときに、外部に報知エラー信号を出力する報知エラー信号出力手段と、
前記エラー報知実行手段と前記エラー報知判断手段と前記報知エラー信号出力手段とを具備する他の遊技機との通信を行うための通信手段と、
前記他の遊技機が出力した前記報知エラー信号を受信すると、前記エラー報知の代行の可否判断を行う代行可否判断手段と、を備え、
前記代行可否判断手段が肯定判断したときに、前記他の遊技機から受信した前記報知エラー信号に係るエラー報知を代行することを特徴とする。
【0041】
請求項7の発明の遊技機は、請求項1の発明の遊技機システムを構成する遊技機である。そして、請求項7の発明によると、請求項1の発明と同様な効果を得ることができる。尚、請求項7の発明には、請求項1〜6の発明の限定を加えることもできる。
【0042】
つまり、請求項7の発明の遊技機においては、
前記エラー報知実行手段が、
前記報知手段との間の接続状態を監視するとともに、前記報知手段との間の接続状態に前記エラー報知を実行不可能とする異常を生ずると、前記エラー状態が発生したと判断してもよい(以下、「関連発明1」という。)。
【0043】
請求項7の発明又は関連発明1の遊技機においては、
前記エラー報知の代行を、前記報知エラー信号を出力した前記遊技機に隣接して設置される他の遊技機に優先して行わせてもよい(以下、「関連発明2」という。)。
【0044】
請求項7の発明、関連発明1及び関連発明2のうちの何れかの発明に係る遊技機においては、
前記報知エラー信号出力手段は、他の遊技機に前記報知エラー信号を出力し、
前記報知エラー信号を受信したときに、前記エラー報知の代行の可否判断を行う代行可否判断手段を備えるとともに、該代行可否判断手段が肯定判断したときに、前記エラー報知を代行し、該代行可否判断手段が否定判断したときに、前記報知エラー信号を他の遊技機に出力することを特徴としてもよい(以下、「関連発明3」という。)。
【0045】
請求項7の発明の遊技機は、関連発明3に係る遊技機においては、
前記代行可否判断手段は、当該遊技機において遊技がされていないとき、若しくは、特別遊技状態でないときに肯定判断を行うことを特徴としてもよい(以下、「関連発明4」という。)。
【0046】
請求項7の発明、関連発明1及び関連発明2のうちの何れかの発明に係る遊技機においては、
前記報知エラー信号出力手段は、外部制御装置に前記報知エラー信号を出力し、
該外部制御装置は前記報知エラー信号を受信すると、前記報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の報知手段によって前記エラー報知を代行させることとしてもよい(以下、「関連発明5」という。)。
【0047】
各請求項の発明及び各関連発明の遊技機において「エラー状態」とは、遊技の進行を妨げるような障害を生ずる状態を指す。例えば、対象となる遊技機が回胴式の遊技機である場合、(A)遊技中は閉めておく扉型の部材(例えば、受皿扉ユニットであって、後述する。)が開放されたことを内容とするエラー状態、(B)遊技機から払い出される遊技媒体(メダル)を貯留するための貯留皿(例えば、受皿本体であって、後述する。)が満タンとなったことを内容とするエラー状態、(C)遊技媒体(メダル)の払出異常を内容とするエラー状態、(D)モータの空回りを内容とするエラー状態、(E)ハーネスの断線又は抜けを内容とするエラー状態、(F)原点センサエラーを内容とするエラー状態、(G)メダルセレクタ内でのメダル詰まりやメダル逆流等のメダルセレクタに関するエラー状態、等を例示できる。
【0048】
対象となる遊技機が弾球式の遊技機である場合、(a)遊技中は閉めておく扉型の部材(例えば、ガラス扉枠等であって、後述する。)が開放されたことを内容とするエラー状態、(b)遊技機から払い出される遊技媒体(遊技球)を貯留するための貯留皿(例えば、下皿等であって、後述する。)が満タンとなったことを内容とするエラー状態、(c)遊技媒体(遊技球)の払出異常を内容とするエラー状態、(d)モータの空回りを内容とするエラー状態、(e)ハーネスの断線又は抜けを内容とするエラー状態、(f)原点センサエラーを内容とするエラー状態、(g)大入賞口エラー(大入賞口の閉口後に入賞があった場合、つまり、大入賞口の閉口制御後に不正な入賞を生じた場合)等を例示できる。
【発明の効果】
【0049】
以上記述したように請求項1〜6の各発明によれば、所定の遊技機において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行することができるようにした遊技機システムが得られる。また、請求項7の発明によれば、所定の遊技機において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行することができるようにした遊技機システムを構成する遊技機が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、遊技媒体として遊技メダルを用いる「回動式の遊技機(スロットマシン)」に適用した具体例と、「弾球式の遊技機(パチンコ機)」に適用した具体例とについて説明する。
【0051】
A.実施例1
A−1遊技機システムの概要
本遊技機システムSは、回動式の遊技機(スロットマシン)1への適用例を示すものであり、図1及び図2に示すように、30台の遊技機1(台番号;1番〜30番)を伝送媒体(例えば、ワイヤ−ハーネス)YHを用いて接続して構成されている。また、本遊技機システムSでは、「ネットワークの接続形態」として「リング型」を使用している。尚、図1及び図2に模式的に示す遊技機1には台番号が併記されている。
【0052】
本遊技機システムSを構成する30台の遊技機1は、図2に示すように、所定のパチンコホールRの「2つの島(島設備)R1、R2」を用いて配置されている。これらの島(島設備)R1、R2は、パチンコホールRの通路RVを挟んで対向する位置に配置されている。そして、一方の島(以下、「第1の島」という。)R1にはその長手方向に沿って15台の遊技機1が連続配置され、他方の島(以下、「第2の島」という。)R2にはその長手方向に沿って残りの15台の遊技機1が連続配置されている。
【0053】
ここで、本実施例では、第1の島R1及び第2の島R2において、パチンコホールRの入口部REに近い側の端部を一端部と称し、入口部REから遠い側の端部を他端部と称する。そして、本遊技機システムSでは、30台の遊技機1の台番号が以下のように定められている。すなわち、第1の島R1に配置される15台の遊技機1は、第1の島R1の一端部に最も近い位置に配置されるものを「1番台」とし、他端部に近づくに従って台番号が大きくなるように(「2番台」、「3番台」…、「14番台」、「15番台」と昇順になるように)定められている。また、第2の島R2に配置される15台の遊技機1は、第2の島R2の他端部に最も近い位置に配置されるものを「16番台」とし、一端部に近づくに従って台番号が大きくなるように(「16番台」、「17番台」…、「29番台」、「30番台」と昇順になるように)定められている。
【0054】
図1に示すように、(a)第1の島R1及び第2の島R2においては隣合う遊技機1同士が接続されているとともに、(b)第1の島R1の一端部に設置される遊技機(1番台)1と第2の島R2の一端部に設置される遊技機(30番台)1とが接続され、更に、(c)第2の島R2の他端部に設置される遊技機(15番台)1と第2の島R2の他端部に設置される遊技機(16番台)1とが接続されることで、「リング型のネットワーク」を形成している。
【0055】
図1に示すように、本遊技機システムSを構成する各遊技機1は、信号を外部(自身の外部)に出力するための出力ポートPOと、外部から信号を取り入れるための入力ポートPIとを備えている。そして、各遊技機1の出力ポートPOが「自信の台番号(n)に「+1」した台番号(n+1)の遊技機1」の入力ポートPIに接続されている。但し、「最大の台番号(30)を有する遊技機1」の出力ポートPOは、「最小の台番号(1)を有する遊技機1」の入力ポートPIに接続されている。尚、本実施例では、各遊技機1において「信号の出力先の遊技機1」を「次の遊技機1」と称し、「信号の出力元の遊技機1」を「前の遊技機1」と称することとする。
【0056】
A−2遊技機の概要
次に、本遊技機システムSを構成する遊技機1(台番号1〜30)の概要を説明する。
【0057】
a.機械的な構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図3〜図5を参照して説明する。この遊技機1は遊技機本体1Hと、この遊技機本体1Hの前面側に開閉可能な状態に装着された受皿扉ユニット3Bとを備えている。尚、この遊技機1(回胴式遊技機)においては、その外郭体を構成する部分が筐体2と称されている。
【0058】
この筐体2は、図3及び図4に示すように、前面側(遊技者側)に開口する開口部を有する略容器状の外郭本体部3Aと、前述の受皿扉ユニット3Bとを備えている。そして、外郭本体部3Aは遊技機本体1Hの外郭部を構成する部材である。また、受皿扉ユニット3Bは外郭本体部3Aの前面側左端縁にヒンジを介して装着され、外郭本体部3Aの開口部を開閉可能とされている。
【0059】
図4及び5に示すように、外郭本体部3A内の上下方向略中間部には図柄表示装置10が配設されている。また、外郭本体部3A内において図柄表示装置10の上方に主制御基板ケース100Kとモータ駆動基板ケース50Kとが配設されている。尚、主制御基板ケース100Kには、遊技全体の基本制御を司る主制御基板(後述する。)100Aが格納され、モータ駆動基板ケース50Kには図柄表示装置(後述する。)10を駆動するためのモータ駆動基板(つまり、後述するモータ駆動回路50を構成する基板)が格納されている。また、図柄表示装置10の下方にはリアスピーカ8Rが配設されている。更に、リアスピーカ8Rの下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパ65や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置65H等が配設されている。
【0060】
図柄表示装置10は筐体2の内部であって表示窓4(後述する。)の後方の位置に配設されている。この図柄表示装置10は、フレーム10Fと3つの表示リール(回胴)11a〜11cとを備えている。このうち、フレーム10Fは前面部を開口部とする略容器形状を備えており、3つの表示リール11a〜11cを横方向に並べた状態で保持している。つまり、3つの表示リール11a〜11cは何れもその回転軸を水平に向けつつ、フレーム10Fに回転可能な状態に保持されている。また、何れの表示リール11a〜11cも、その後半部をフレーム10F内に収納し、その前半部をフレーム10Fの開口部から前方に露呈させている。
【0061】
表示リール(回胴)11a〜11cは、リールドラムとその外周面に貼着されたリール帯とを備えている。また、リールドラムは略円筒状の外形を備える枠状に構成され、フレーム10F内において横方向に配設された支持軸によって回転可能な状態に支持されている。また、リール帯は、合成樹脂製で帯状の基材の表面に対し、透光性を備えるインクを用いて図柄を印刷(シルクスクリーン印刷等)した構成とされている。つまり、このリール帯の表面には、所定のコマ数(例えば、21コマ)の図柄が所定間隔(等ピッチ)で連続されている。リール帯が、かかる構成を備えるため、各表示リール11a〜11cの外周面には複数の図柄が連続配置され、図柄列を構成している。
【0062】
尚、図6(b)に示すように、各表示リール11a〜11cの外周面には、(1)赤色の7を用いた図柄(以下、単に「赤7図柄」という。)と、(2)青色の7を用いた図柄(以下、単に「青7図柄」という。)と、(3)BARなる文字を用いた図柄(以下、単に「BAR図柄」という。)と、(4)replyなる文字を用いた図柄(以下、単に「reply図柄」という。)と、(5)スイカの図形を用いた図柄(以下、単に「スイカ図柄」という。)と、(6)ベルの図形を用いた図柄(以下、単に「ベル図柄」という。)と、(7)チェリーの図形を用いた図柄(以下、単に「チェリー図柄」という。)と、が所定の間隔で連続配置され、図柄列を構成している。尚、各図において、「赤7図柄」を「白抜きの表示」で示し、「青7図柄」を「ハッチング」で示すことで、両者を区別している。
【0063】
これらの表示リール11a〜11cは、各々に対応して設けられた駆動源(ステッピングモータ12a、12b、12cであって、図7を参照)を用いつつ、各々独立した状態で回転と停止とを実行可能とされている。また、遊技機本体1H(外郭本体部3A)の右端側には上下に長尺な施錠装置10K(図4を参照、図5では図示を省略)が装着されている。また、遊技機本体1Hの右端側上部には扉センサ10S(図5を参照)が装着されている。
【0064】
図1に示すように、受皿扉ユニット3Bは遊技機1の前面部を構成するものであり、扉本体31Bと、扉本体31Bから前方に突出する状態に配置された受皿本体80とを具備している。このうち、扉本体31Bは、上部パネル部2Aと、表示パネル部2Bと、操作パネル部2Cと、下方パネル部2Dと、受皿パネル部2Eとを備えている。このうち、上部パネル部2Aは、本遊技機1の正面に着座する遊技者の略「視線の位置」よりも上方に配置されると共に、その中央に液晶表示装置6を配設している。この液晶表示装置6では、図柄変動遊技に伴う各種の演出を実行すると共に、遊技機1に関する情報(入賞図柄の態様や、個々の入賞態様毎の遊技メダルの付与枚数の表示等)を行う。また、上部パネル部2Aにおいて、液晶表示装置6の周囲には演出効果を高めるためのランプ装置7とスピーカ8とが配置されている。
【0065】
表示パネル部2Bは、上部パネル部2Aの下方であって、本遊技機1の正面に着座する遊技者の略「視線の位置」に配置される。この表示パネル部2Bの中央には、横長の略矩形状の表示窓4が設けられている。この表示窓4には透明な板が装着されているため、筐体2の前方に位置する遊技者は、この表示窓4を通じて筐体2の内部(但し、表示窓4を通じて目視可能な範囲)を視認可能となっている。
【0066】
扉本体31Bの裏面部において表示窓4の下方の位置には、メダルセレクタ31Vやコインシュータ31W等が設けられている。このうち、メダルセレクタ31Vはメダル投入ロ(後述する。)31から投入された遊技メダルの通路を構成するものであり、投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。また、コインシュータ31Wは遊技メダルを遊技メダル払出口(後述する。)41に導くための通路を構成する。
【0067】
筐体2内部の図柄表示装置10は前述のように表示窓4の後方の位置に配設されている(図4を参照)。そして、筐体2内の前方に位置する遊技者からは、表示窓4を通じて各表示リール11a〜11cの外周方向に沿った一部のみが視認可能とされている。つまり、図6(a)に示すように、各表示リール11a〜11cにおいては、「3コマの図柄に相当する円弧長を備える部分A1〜A3」が表示窓4を通じて前方に露呈している。
【0068】
各表示リール11a〜11cは、遊技者から見てより上方に位置するコマがより下方に移動するように回転することで変動表示を実行する。つまり、各表示リール11a〜11cは、筐体2内で回転することにより、遊技者が表示窓4を通じて目視可能な部位(コマ)が順次変化する。このため、遊技者が表示窓4を通じて目視する図柄が循環状に変更され、これにより、図柄の変動表示が行われる。
【0069】
図3に示すように、表示パネル部2Bの後方であって表示窓4の周囲に位置する部位には、多数のランプ21a、21b、21v、21w、21x、21y等が配設されている。つまり、表示窓4の左側方の位置には、第1メダルラインランプ21aと、第2メダルラインランプ21bと、第3メダルラインランプ21cと、遊技開始表示ランプ22とが設けられている。このうち、第1メダルラインランプ21aは、(1)遊技者によって1枚の遊技メダル(遊技媒体の具体例を構成)が賭けられたこと(以下、「BETされたこと」といい、詳細は後述する。)、(2)役の成立確定を示すための表示(「チェリー」を除き、図柄を組み合わせた表示である。)が「第1の入賞ラインN1」に沿って確定表示されたことを示すためのランプである。
【0070】
尚、本遊技機1においては、図6(a)に示すように5通りの入賞ラインN1〜N5が設定されている。つまり、第1の入賞ラインN1は表示窓4の上下方向に沿った中間部を水平に横切る状態に設定される入賞ラインである。また、第2の入賞ラインN2は、第1の入賞ラインN1よりも上方に位置しつつ表示窓4を水平に横切る状態に設定される入賞ラインであり、第3の入賞ラインN3は、第1の入賞ラインN1よりも下方に位置しつつ表示窓4を水平に横切る状態に設定される入賞ラインである。また、第4の入賞ラインN4は、右上がり傾斜状に表示窓4を通過する状態に設定される入賞ラインであり、第5の入賞ラインN5は、左上がり傾斜状に表示窓4を通過する状態に設定される入賞ラインである。
【0071】
第2メダルラインランプ21bは、(1)遊技者によって2枚の遊技メダルがBETされたことと、(2)役の成立確定を示すための表示が「第2の入賞ラインN2」に沿って確定表示されたこと、若しくは、「第3の入賞ラインN3」に沿って確定表示されたことを示すためのランプである。また、第3メダルラインランプ21cは、(1)遊技者によって3枚の遊技メダルがBETされたことと、(2)役の成立確定を示すための表示が「第4の入賞ラインN4」に沿って確定表示されたこと、若しくは、「第5の入賞ラインN5」に沿って確定表示されたことを示すためのランプである。
【0072】
遊技開始表示ランプ22は、表示リール11a〜11cの回転が開始可能であるときに点灯される。また、表示パネル部2Bにおいて表示窓4の右側方の位置には、打止め表示ランプ23と、再遊技ランプ24と、ビッグボーナス告知ランプ25a、25b、25cと、遊技メダル投入ランプ26とが設けられている。このうち、打止め表示ランプ23は、遊技機1が打ち止め状態となったときに点灯される。また、再遊技ランプ24は、再遊技役の入賞成立に基づく遊技(遊技メダルを使用することなく、実行可能な遊技)が行われることを示すためのランプである。更に、ビッグボーナス告知ランプ25a、25b、25cは、遊技機1が特別遊技状態に移行可能な状態にあること(本実施例では、ビッグボーナスゲームを実行できる遊技状態にあること)を示すためのランプである。また、遊技メダル投入ランプ25は、遊技メダルを受け入れ可能であることを示すランプである。
【0073】
表示パネル部2Bにおいて表示窓4の下側には、貯留枚数表示器28aと、役物当選回数表示器28bと、払出枚数表示器28cとが設けられている。このうち、貯留枚数表示器28aには、遊技機1に電子データとして貯留されている遊技メダルの枚数(いわゆるクレジット数)が表示され、役物当選回数表示器28bには、レギュラーボーナス役の入賞可能回数等が表示される。また、払出枚数表示器28cには、遊技機1から払い出される遊技メダルの枚数が表示される。
【0074】
操作パネル部2Cは、表示パネル部2Bの下方において遊技者方向に突出する状態に形成されている。この操作パネル部2Cの上面部には、メダル投入ロ31と、1ベットボタン32aと、3ベットボタン32bと、が設けられている。また、操作パネル部2Cの前面部には、精算ボタン33と、スタートレバー35と、停止ボタン36a、36b、36cと、返却ボタン38とが設けられている。
【0075】
このうち、メダル投入ロ31は、遊技メダルを遊技機1に投入するための投入口である。また、1ベットボタン32aは遊技機1に貯留されている遊技メダル
のうちで、1枚をベットするためのボタンであり、3ベットボタン32bは遊技機1に貯留されている遊技メダルのうちで、3枚をベットするためのボタンである。
【0076】
精算ボタン33は、例えば、遊技者が、遊技機1に貯留されている遊技メダルを外部に払い出したいときに使用されるボタンである。尚、遊技メダルは、図柄表示遊技において入賞の成立が確定した場合や、規定個数を超える個数の遊技メダルが遊技メダル投入口31より投入された場合等には、上限数を50個として遊技機1の内部に貯留される。また、スタートレバー35は、表示リール11a〜11cの回転を開始させるために用いられる。
【0077】
停止ボタン36a、36b、36cは、個々の表示リール11a〜11c毎に対応して設けられている。そして、遊技者が、個々の表示リール11a〜11cを停止させることを意図した場合に、この遊技者によって操作される。尚、左端の「表示リール(第1表示リール)11a」に停止操作を施す際には左端の停止ボタン36aが使用され、中央の「表示リール(第2表示リール)11b」に停止操作を施す際には中央の停止ボタン36b」が使用されると共に、右端の「表示リール(第3表示リール)11c」に停止操作を施す際には右端の停止ボタン36cが使用される。
【0078】
返却ボタン38は、遊技機1に投入された遊技メダルが、この遊技機1内部で詰まった場合に、この詰まりを解消する際に押されるボタンである。
【0079】
下方パネル部2Dは、操作パネル部2Cの下方に配置され、その前面部に「装飾用のセル画(図示を省略)」等を配置している。また、受皿パネル部2Eは下方パネル部2Dの下方に(つまり、扉本体31Bの最下方位置に)に配設されている。
【0080】
b.電子制御装置の構造
次に、本遊技機1を構成する電子制御装置の概略(本遊技機1の制御回路全体の構成の概略)について、図7及び図8を参照して説明する。この電子制御装置は、主制御部(メイン制御部)100と、演出制御部(サブ制御部)200とを主要部として構成されている。
【0081】
主制御部100は、遊技の基本進行を司る制御部(つまり、遊技制御部)であり、内部抽選(後述する。)等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、各種情報発信手段(スタートレバー35、停止ボタン36a〜36c、1BETボタン32a、3BETボタン32a、位置検出センサ12a〜12c等)から出力される情報を受け取って、所定の演算を行った後、演出制御部200等に各種のコマンドを出力する。
【0082】
主制御部100は、主制御基板100Aを用いて構成されている。この主制御基板100は、種々の制御プログラムを実行するCPU101と、ワークメモリ等として機能するRAM102と、制御プログラムや内部抽選に用いるデータ等を格納したROM103含む構成とされている。
【0083】
演出制御部200は、主制御部100に対して所定の伝送経路120を用いて接続されている。但し、この伝送経路120によるデータの伝送は、主制御部100から演出制御部200への一方向のみ可能とされている(演出制御部200から主制御部100へのデータの伝送は不可能とされている。)。この演出制御部200は、「エラー報知実行手段」、「報知エラー信号出力手段」、「代行可否判断手段」として機能する。
【0084】
演出制御部200は、主制御部100の管理の下で主に遊技上の演出を司る制御部(副制御部)であり、演出制御基板200Aを用いて構成されている。この演出制御基板200Aは、種々の制御プログラムを実行するCPU201と、ワークメモリ等として機能するRAM202と、制御プログラム等を格納したROM203含む構成とされている。また、演出制御部200には、表示装置駆動回路6Aを介して液晶表示装置6が接続されている。
【0085】
演出制御部200にはスピーカ駆動回路8Aと接続確認回路8Bとを介してスピーカ8が接続されている。この接続確認回路8Bはスピーカ8に接続される配線8Dの接続状態を確認するための回路(換言すると、断線等を検出するための回路)である。この接続確認回路8Bは配線8Dに流れる電流8Iを検出し、電流8Iの値に異常が生じた場合に演出制御基板200A(CPU201)に検出信号を出力するものである。
【0086】
すなわち、実施例において、演出制御基板200Aとスピーカ8とを接続する配線8Dには、スピーカ8に向かって常に微弱な電流が流されている。つまり、スピーカ8においては発音を行わないとき(以下、「無音時」という。)には、配線8Dに「0.05A」の電流(微弱な電流)が流されている。また、スピーカ8においては発音を行うとき(以下、「有音時」という。)には、配線8Dに「1A」の電流が流される。従って、接続確認回路8Bは、配線8Dが正常な場合(正常に接続されている場合)には「0.05A〜1A」の電流値を検出し、配線8Dが異常な場合は「0Aの電流値(断線した場合)」を検出するか、「1Aを超える電流値(ショートした場合)」を検出することになる。
【0087】
演出制御部200には、ランプ駆動回路9Aを介してランプ21v、21w、21x、21y等が接続されている。また、演出制御部200には、ランプ駆動回路9Aと、接続確認回路9Bとを介してランプ装置7が接続されている。この接続確認回路9Bも前述の接続確認回路8Bと同様に、接続確認回路9Bとランプ装置7との間の配線9Dが正常であるか否かを検出する。尚、ランプ装置7はスピーカ8とともに「報知手段」の具体例を構成する。
【0088】
演出制御部200のCPU201は、本遊技機システムSを構成する他の遊技機1(前の遊技機1及び次の遊技機1)との通信の制御も行う。また、演出制御部200のROM203には、本遊技機システムSを構成する他の遊技機1(前の遊技機1及び次の遊技機1)との通信を制御するための通信制御プログラムが格納されている。更に、演出制御部200のRAM202は本遊技機システムSを構成する他の遊技機1(前の遊技機1及び次の遊技機1)との通信時(送信時、受信時)のデータバッファとしても機能する。
【0089】
演出制御部200には、信号を外部に出力するための出力ポートPOと、外部から信号を取り入れるための入力ポートPIとが設けられている。そして、各遊技機1の出力ポートPOが次の遊技機1の入力ポートPIに伝送媒体(ワイヤーハーネス)YHを介して接続され、各遊技機1の入力ポートPIが前の遊技機1の出力ポートPOと伝送媒体(ワイヤーハーネス)YHを介して接続されている。尚、各演出制御部200では、出力ポートPOとCPU201との接続が、「CPU201から出力ポートPOへの一方向」のみで信号が送信可能となるように行われ、入力ポートPIとCPU201との接続が、「入力ポートPIからCPU201への一方向」のみで信号が送信可能となるように行われている。
【0090】
主制御部100には、中継基板300を介して、スタートレバーユニット35Aと、停止ボタン36a〜36cと、精算ボタン33と、1BETボタン32aと、3BETボタン32bと、返却ボタン38とが接続されている。尚、このスタートレバーユニット35Aは、前述のスタートレバー35と、このスタートレバー35に施された操作を検出するための「操作検出回路(図示せず)」等を用いて構成されている。
【0091】
スタートレバー35が操作されたことを「操作検出回路(図示せず)」が検出すると、操作された旨を示す信号(以下、「操作信号」という。)が、中継基板300を介して主制御部100に伝送されるため、主制御部100は、スタートレバー35の操作状態を認識することができる。また、停止ボタン36a〜36c、精算ボタン33、BETボタン32、若しくは、返却ボタン38が操作されると、「操作信号」が、中継基板300を介して主制御部100に伝送されるため、主制御部100は、この「操作信号」によって、これらのボタン36a〜36c、33、32、38の操作状態を認識できる。
【0092】
また、主制御部100には、中継基板300を介して、貯留枚数表示器28aと、役物当選回数表示器28bと、払出枚数表示器28cと、各種ランプ装置7、21a〜21c、22〜26等が接続されている。
【0093】
主制御部100は、モータ駆動回路50を介して、図柄表示装置(図柄表示手段の具体例)10が接続されている。また、図柄表示装置10は、表示リール11a〜11cと、個々の表示リール11a〜11c毎に配置されたモータ(ステッピングモータ)12a〜12cと、個々の表示リール11a〜11c毎に配置されたセンサ(光学センサ)13a〜13cと、備える。また、センサ(光学センサ)13a〜13cは、リール位置検出回路55を介して主制御部100に接続されている。
【0094】
各モータ(ステッピングモータ)12a〜12cは、各々、対応する表示リール11a〜11cの回転と、停止とを実行するためのモータである。また、各モータ(ステッピングモータ)12a〜12cのシャフトは、対応する表示リール11a〜11cの回転軸として用いられている。更に、各モータ(ステッピングモータ)12a〜12cの回転動作と停止動作は、主制御部100から送信される制御信号を用いて制御されている。
【0095】
センサ(光学センサ)13a〜13cは、対応する表示リール11a〜11cに設けられたインデックス部(基準位置を特定するためのものであって、図示を省略)の通過を検出するに用いられる。つまり、各表示リール11a〜11cの周方向に沿った特定の位置に設けられたインデックス部は、各表示リール11a〜11cと一体で回転し、一回転する間(360度回転する間)に、一度だけ、センサ(光学センサ)13a〜13cの検出範囲を通過する。そして、回転する表示リール11a〜11cに設けられたインデックス部が、センサ(光学センサ)13a〜13cの検出範囲を通過する度に、このセンサ(光学センサ)13a〜13cからリール位置検出回路55に通過信号が送信される。
【0096】
このように、リール位置検出回路55が通過信号を受信すると、このリール位置検出回路55から、主制御部100に検出信号が送信される。このため、主制御部100は、この検出信号を用いて、各表示リール11a〜11cの現状の位相(回転角度)を把握することができる。つまり、検出信号の受信のタイミングと、この受信後に各モータ(ステッピングモータ)12a〜12cに供給した駆動パルスの数と、を主制御部100が管理する。これによって、この主制御部100は、各表示リール11a〜11cの現状の位相(回転角度)を把握することができる。
【0097】
本遊技機1では、主制御部100が各表示リール11a〜11cの現状の位相(回転角度)を正確に把握することができることを利用して、所謂「引き込み制御」を実行する。この「引き込み制御」とは、各停止ボタン36a〜36cが操作され、主制御部100に操作信号(停止信号)が入力されても、対応する表示リール11a〜11c(対応するモータ12a〜12c)の回転を瞬時に停止されるのではなく、必要に応じて、この表示リール11a〜11cを付加的な回転角度分だけ回転させた後に回転を停止させるような制御を指す。例えば、各停止ボタン36a〜36cが操作され、主制御部100に操作信号(停止信号)が入力された後に、必要に応じ、所定のコマ数(例えば4コマ)を限度として複数の図柄分だけ、対応する表示リール11a〜11cを付加的に回転させた後、当該、表示リール11a〜11cの停止を完了する制御を指す。かかる「引き込み制御」を行うと、主制御部100は、有効な入賞ライン(有効ライン)上に、所望の図柄を停止可能なように、表示リール11a〜11cを停止させることができる。
【0098】
また、主制御部100には、ホッパー駆動回路60を介してホッパー65が接続されている。そして、このホッパー65が駆動すると、遊技メダル払出口41から受皿本体80に向かって所定数の遊技メダルが払い出される。尚、受皿本体80に貯留されるメダル量が、遊技メダル払出口41内に設けられる所定の満タン検出センサ(図示省略)まで達することで、満タンエラーが検出される。
【0099】
A−3図柄変動遊技の概略
本遊技機1において、図柄変動遊技は以下のように実行される。先ず、規定枚数の遊技メダルがベットされると、そのベット数に応じて入賞ラインN1〜N5が有効化される。ここで、本遊技機1は、3枚賭け専用の遊技機であるため、規定枚数は一律に3枚であると共に、図柄変動遊技を開始する際には、常に、全ての入賞ラインN1〜N5が有効化される。但し、後述する「ジャックゲーム中」は、1枚賭けで、図柄変動遊技を開始できる。
【0100】
そして、スタートレバー35が操作され、図柄変動遊技の開始条件が成立すると、全表示リール11a〜11cの回転を開始し、図柄表示装置10のうちで、表示窓4を通じて視認可能な部位(3個のコマ単位部11Kに相当する円弧長の部位)で複数の図柄が循環的に表示され、図柄の変動表示が開始される。また、スタートレバー35が操作されると、主制御部100において、所謂「内部抽選」が開始される。この「内部抽選」は、役の成立を許容するか否を抽選するために行われるものである。
【0101】
「内部抽選」が完了するころに、全表示リール11a〜11cの回転速度が一定になる。そして、遊技者が、各停止ボタン36a、36b、36cを所望の順序で操作すると(例えば、順押し)、各表示リール11a〜11cが、各停止ボタン36a、36b、36cの操作順序に対応した順に停止する。尚、通常、表示リール11a〜11cは、内部抽選の結果と、各停止ボタン36a、36b、36cに施された操作態様とに基づいて、所定の位相(角度位置)で停止する。つまり、表示リール11a〜11cを停止させるときに、前述の「引き込み制御」が実行される。
【0102】
このように、全表示リール11a〜11cの回転が停止すると、一回の図柄変動遊技を終了する。そして、図柄表示装置10において、予め設定された有効ライン(本実施例では、N1〜N5)に沿って停止表示された停止図柄によって、当該「図柄変動遊技の結果(役の成立が確定したか否か)」が判定される。そして、有効ラインN1〜N5に沿って停止表示された停止図柄によって構成される表示が、内部抽選で当選した役を成立させる確定表示となり、当該役の成立が確定を示す「確定表示(入賞役確定表示、若しくは、再遊技役確定表示)」がなされると、遊技者には、遊技機1の遊技状態に応じて、以下に示すような遊技価値が付与される。
【0103】
a.一般遊技状態の場合
遊技機1の遊技状態が、一般遊技状態(後述する。)であるときには、確定表示の態様に応じて、図9に示すような遊技価値が付与される。つまり、(1)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「7(赤)図柄」、若しくは、「7(青)図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると(つまり、「BB入賞役の確定表示がなされると)、ビッグボーナス役(以下、「BB役」といい、詳細を後述する。)の成立が確定し、15枚の遊技メダルが付与される。
【0104】
(2)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「BAR図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると(つまり、RB入賞役の確定表示がなされると)、レギュラーナス役(以下、「RB役」といい、詳細を後述する。)の成立が確定し、15枚の遊技メダルが付与される。
【0105】
(4)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「ベル図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると(つまり、ベルの小役の確定表示がなされると)、ベルの小役の成立が確定し、15枚の遊技メダルが付与される。また、(5)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「スイカ図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると(つまり、スイカの小役の確定表示がなされると)、スイカの小役の成立が確定し、10枚の遊技メダルが付与される。更に、(6)有効ラインN1〜N5上の何れかの位置に、「チェリー図柄」が、確定表示されると(つまり、チェリーの小役の確定表示がなされると)、チェリーの小役の成立が確定し、2枚の遊技メダルが付与される。更に、(7)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「replay図柄(リプレイ図柄)」が、3つ揃った状態に確定表示されると(つまり、再遊技役の確定表示がなされると)、再遊技役が確定し、再遊技に係る遊技価値が付与される。
【0106】
b.レギュラーナスゲームを実行する遊技状態の場合
遊技機1の遊技状態が、レギュラーボーナスゲーム(以下、「RBゲーム」という。)を実行する状態にあるときには、確定表示の態様に応じて、図22に示すような遊技価値が付与される。つまり、(11)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「リプレイ図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると(以下、「ジャック入賞確定図柄」と称することがある。)、15枚の遊技メダルが付与される。尚、以下の説明においてレギュラーボーナスを「RB」と表記する。
【0107】
c.ビッグボーナスゲームを実行する遊技状態の場合
遊技機1の遊技状態が、ビッグボーナスゲーム(以下、「BBゲーム」という。)を実行する状態にあるときには、確定表示の態様に応じて、図27に示すような遊技価値が付与される。つまり、(21)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「リプレイ図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると、「RB役」の成立が確定し(以下、「ジャックイン」ということがある。)、3枚の遊技メダルが付与される。
【0108】
(22)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「ベル図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると、ベルの小役の成立が確定し、8枚の遊技メダルが付与される。また、(23)何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、「スイカ図柄」が、3つ揃った状態に確定表示されると、スイカの小役の成立が確定し、7枚の遊技メダルが付与される。更に、(24)有効ラインN1〜N5上の何れかの位置に、「チェリー図柄」が、確定表示されると、チェリーの小役の成立が確定し、2枚の遊技メダルが付与される。尚、以下の説明においてビッグボーナスを「BB」と表記する。
【0109】
A−4主制御部によって実行される主要な処理の概要
a.一般遊技処理
この一般遊技処理は遊技機1に電源が投入され、当該遊技機1において所定の初期化処理(RAMクリア等の処理)が行われた後に実行される。尚、この一般遊技処理は主制御部100によって実行される最も基本的な処理である。
【0110】
この一般遊技処理では、図10に示すように、先ず、遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S10)。つまり、本遊技機1に対して規定個数(図柄変動遊技を開始するために、遊技者が賭けることを必要とする遊技メダルの個数であって、本実施例では3枚の遊技メダルが賭けられているか否か判断する(S10)。具体的には、(1)規定個数の遊技メダルがメダル投入口31を通じて遊技機1に投入されたこと、(2)遊技機1に貯留されている(クレジットされている)遊技メダルのうちで規定個数(本実施例では、3個)がベットされたこと(賭けられたこと)、(3)再遊技役の成立の確定に基づいて自動再投入がなされ、規定個数(本実施例では、3個)の遊技メダルがベットされたことのうちの何れかが成立すると、S10の処理において肯定的な判断がなされる。
【0111】
S10の処理において肯定的な判断が得られると、主制御部100から演出制御部200に向かって「BET信号(CBT)」が送信される(S15)。尚、S10の処理において否定的な判断がなされる場合(S10;NO)、このS10の判断を繰り返し、S10の処理で肯定的な判断がなされるまでの間待機する。このBET信号(CBT)は「遊技メダルがベットされたことを示す信号」であって、演出制御部200は当該BET信号(CBT)を受信することを契機として、「当該BET信号(CBT)を受信する前から遊技機1で行われていた演出」を終了させる。
【0112】
S15の処理の後、回転開始処理(S20)に移行する。この回転開始処理(S20)では、先ず、スタートレバー35が操作されたか否かを判断し、操作された場合は、ウェイトタイムを経過している否かを判断する。そして、ウェイトタイムを経過していれば、全表示リール11a〜11cの回転を開始させる。尚、表示リール11a〜11cの回転の開始は主制御部100からモータ12a〜12cに駆動信号を出力することによって行われる。
【0113】
本実施例では、(a)規定数の遊技コインがベットされたこと(S10)と、(b)スタートレバー35が操作されたことと、(c)ウェイトタイムが経過したことを満足することによって、「図柄変動遊技の開始条件」が成立し、全表示リール11a〜11cが回転を開始し、図柄表示装置10の各表示領域部において、(全表示リール11a〜11cのうちで、表示窓5から視認可能な部位)において図柄の変動表示が開始される。
【0114】
この後、抽選処理(以下、「一般遊技中抽選処理」という。)を行う(S30)。この「一般遊技中抽選処理」は、「一般遊技」中において図柄変動遊技を実行する毎に主制御部100によって実行される抽選に関する処理である。この抽選は入賞役や再遊技役の成立を許容するか否かを決定するために遊技機1の側で内部的に行われるもの(以下、「内部抽選」という。)である。尚、一回の図柄変動遊技において「内部抽選」により、入賞役や再遊技役の成立を許容するか旨の抽選結果が得られたとしても、遊技者が各停止ボタン36a、36b、36cに施す操作が適切なものでなければ、当該一回の図柄変動遊技中に、入賞役や再遊技役の成立が確定することはない。
【0115】
「一般遊技中抽選処理(S30)」を終了したころには表示リール11a〜11cの回転速度が一定となり、「回転停止処理(S100)」が実行される。この「回転停止処理(S100)」は、表示リール11a〜11cの回転を停止させ、有効ラインN1〜N5に沿って、所定の停止図柄を表示させるための処理である。この回転停止処理(S100)では、停止ボタン36a、36b、36cが操作されるか否かが監視され、個々の停止ボタン36a、36b、36cが操作されると、主制御部100は、操作された停止ボタン36a、36b、36cに対応する表示リール11a〜11cの停止位置を決定する処理と、当該停止位置が決定された表示リール11a〜11cを停止させるための処理とを実行する。つまり、個々の表示リール11a〜11c毎に、対応する停止ボタン36a、36b、36cに施された停止操作のタイミングと、前述の内部抽選の結果と、引き込み制御の実行の可否等を考慮しつつ、個々の表示リール11a〜11cの停止位置を決定する。即ち、各表示リール11a〜11cに表示された図柄の「4コマ」分を限度として引き込み制御が実行される。
【0116】
この回転停止処理(S100)において全ての表示リール11a〜11cが停止すると、当該「回転停止処理(S100)」を終了し、S160の処理に移行する。そして、全ての表示リール11a〜11cが停止すると、「一回の図柄変動遊技」を終了する。このS160の処理は、終了した「図柄変動遊技」の結果を判定する処理である。つまり、何れかの役(入賞役、若しくは、再遊技役)の成立が確定したか否かを判断する。この判断は、有効ラインN1〜N5に沿って停止表示された停止図柄によって構成される表示が、内部抽選で当選した役の成立を確定させる表示であるか否かを判断することによって行われる。このS160の処理で、何れかの役の成立が確定したと判断されると(S160;YES)、確定した役に応じた遊技価値が遊技者に付与される。
【0117】
一方、S160の処理で何れの役の成立も確定しなかったと判断される場合(S160;NO)、S10の処理に戻って再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0118】
S160の処理で肯定的な判断がなされた場合(S160;YES)、先ず、成立が確定した役が「再遊技役」であるか否かを判断する(S170)。そして、再遊技役である場合には(S170;YES)、「リプレイ当りフラグ」を解除し(S171)、自動再投入を実行した後(S175)、S10の処理に戻り、遊技メダルが自動的にベットされるまで待機する。ここで、自動再投入とは、S150の処理で終了した図柄変動遊技においてベットされた個数と同一個数の遊技メダルが、次回の図柄変動遊技を開始させるための遊技メダルとして自動的に(遊技者の負担を伴うこと無く)ベットされることをいう。
【0119】
S170の処理で否定的な判断がなされると(S170;NO)、何れかの入賞役の成立が確定しているため、「成立が確定した入賞役」に対応する遊技メダルを付与する処理を実行する(S180)。つまり、このS180の処理では、図9に示すように、「成立が確定した入賞役」に対応する遊技メダルが、遊技者に付与される。尚、本実施例の遊技機1において遊技者に付与される遊技メダルは一度、遊技機1内に貯留される。
【0120】
このように、遊技メダルを付与する処理(S180)を実行した後、「成立が確定した入賞役」の種類に応じて遊技機1の遊技状態が制御される。つまり、「成立が確定した入賞役」が「小役」である場合、「小役当りフラグ」を解除した後、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。この場合、遊技機1の遊技状態は、通常遊技状態に維持される。
【0121】
「成立が確定した入賞役」が「RB役」である場合(S190;YES)、「RB当りフラグ」を解除する(S195)。そして、主制御部100から演出制御部200に向かって「RB成立信号(CCR)」が送信される(S198)。そして、このS198の処理を終了すると、レギュラーボーナス遊技処理(以下、「RB遊技処理」という。)を実行する(S200)。そして、「RB遊技処理」を完了した後、一般遊技処理の「S10の処理」に復帰する。尚、RB遊技を実行する遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利の遊技状態である。つまり、特別遊技状態の一つの具体例を構成するが、この「RB遊技処理」の詳細に関しては後述する。また、「RB成立信号(CCR)」は「RB役が成立確定した旨を示す信号」でありる。
【0122】
「成立が確定した入賞役」が「BB役」である場合(S190;NO、280;YES)、「BB当りフラグ」を解除する(S285)。そして、主制御部100から演出制御部200に向かって「BB成立信号(CCB)」が送信される(S288)。そして、このS288の処理を終了すると、ビッグボーナス遊技処理(以下、「BB遊技処理」という。)を実行する(S300)。そして、「BB遊技処理」を完了した後、一般遊技処理の「S10の処理」に復帰する。このBB遊技を実行する遊技状態は通常遊技状態よりも遊技者にとって有利の遊技状態である。つまり、特別遊技状態の他の具体例を構成するが、この「BB遊技処理」の詳細に関しては後述する。また、「BB成立信号(CCB)」は「BB役が成立確定した旨を示す信号」であり、演出制御部200は、この「BB成立信号(CCB)」を受信すると、代行報知を辞退する。
【0123】
b.RB遊技処理
次に、RB遊技処理について説明する。このRB遊技は、特定の入賞役(以下、「RB入賞役」という。)の成立確定が高確率で行われるものである。
【0124】
図11に示すように、このRB遊技が開始されると(S205)、遊技メダルがベットされたか否か判断し(S210)、ベットされるのを待って(S210;YES)、主制御部100から演出制御部200に向かって「BET信号(CBT)」が送信される(S215)。つまり、前述のS15の処理と同様の処理が、このRB遊技処理においても実行される。
【0125】
このS215の処理に続いて回転始動処理(S220)が実行される。そして、回転始動処理(S220)によって、表示リール11a〜11cの回転を開始すると、RB遊技中における「一回の図柄変動遊技」が開始される。尚、S210の処理は、ベットすべき遊技メダルの個数が1枚とされる点を除き、前述の「S10の処理」と同様である。
【0126】
回転始動処理(S220)に続いて「RB遊技中の抽選処理」を実行する(S230)。この「RB遊技中の抽選処理」は、「RB遊技中の抽選テーブル」を用いて行われる。ここで、「RB遊技中の抽選処理」は、「RB遊技」中において図柄変動遊技を実行する毎に、主制御部100によって実行される「内部抽選」に関する処理である。このRB遊技中の抽選処理において実行される「内部抽選」においては「RB入賞役」の成立を許容する抽選結果が得られる確率が高確率(99.8%)に設定されている。しかも、この「内部抽選」において導出され得る当選態様は、この「RB入賞役の成立を許容する抽選結果」のみとされている。尚、この「RB入賞役」は、「RB遊技中において何れかの有効ラインN1〜N5に沿ってリプレイ図柄を表示して構成される入賞役」である。
【0127】
この「RB遊技中の抽選処理」において内部抽選の結果が当選である場合、当りフラグ(当選を示すフラグ)がセットされる。この「RB遊技中の抽選処理」を終了すると、回転停止処理を実行する(S250)。この回転停止処理(S250)は、前述の回転停止処理(S100)と同様であるため、その説明を省略する。そして、この回転停止処理(S250)によって全表示リール11a〜11cの回転を停止すると、RB遊技中における「一回の図柄変動遊技」を終了する。
【0128】
尚、この回転停止処理(S100)においても個々の停止ボタン36a、36b、36cが操作されるタイミングが不適切であると、この回転停止処理(S100)の後に、何れかの有効ラインN1〜N5に沿ってリプレイ図柄を表示できない可能性がある。但し、各表示リール11a〜11cの外周部においては多数の「リプレイ図柄(5個若しくは6個)」が配置され、その配置間隔も狭く(3〜5コマ以内)されている。そして、回転停止処理(S250)の際に「引き込み制御」が実行されることを考慮すると、遊技者が略無作為に各停止ボタン36a、36b、36cを操作しても、この「回転停止処理(S250)」によって「RB入賞役」の成立が確定する可能性が高くなっている。
【0129】
この「回転停止処理(S250)」を終了し、RB遊技中における「一回の図柄変動遊技」を終了すると、この図柄変動遊技の結果を判定する処理を実行する(S260)。つまり、何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、RB入賞役が確定表示されたか否かを判断する。そして、このS260の処理で「RB入賞役」の成立が確定したと判断されると(S260;YES)、15個の遊技メダルが遊技者に付与され(S270)、当りフラグを解除する(S272)。一方、S260の処理で、RB入賞役の成立が確定しなかったと判断されると(S260;NO)、S210の処理に戻って再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0130】
S272の処理を行った場合は、RB遊技の終了条件を充足するか否かを判断する(S275)。つまり、この「RB遊技の終了条件」は、当該RB遊技を開始した後に実行された図柄変動遊技の回数が上限回数(本実施例では、12回)に到達するか、当該RB遊技を開始した後になされた「RB入賞役の成立確定の回数」が終了回数(本実施例では、8回)に到達すると成立する。
【0131】
このS275の処理において肯定的な判断がなされない場合(S275;NO)、S210の処理に戻って再び遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、S275の処理において肯定的な判断がなされた場合(S280;YES)、RB遊技を終了した後(S290)、一般遊技処理(図13)に復帰する。
【0132】
c.BB遊技処理
次に、BB遊技処理について説明する。このBB遊技処理によって実行される「BB遊技(BBゲーム)」は特別遊技の具体例を構成する。
【0133】
図12に示すように、このBB遊技が開始されると(S305)、抽選テーブル(BB遊技中抽選テーブル)を選択する処理を実行する(S310)。この抽選テーブル(BB遊技中抽選テーブル)は後述する「BB遊技中の抽選処理」において使用されるものである。ここで、BB遊技で使用する「BB遊技中の抽選テーブル」の候補として、テーブルA、テーブルB、テーブルC及びテーブルDの4つのテーブルが用意されている。そして、BB遊技が開始される毎に乱数を用いた抽選等によって当該開始されたBB遊技中に使用されるテーブルが、テーブルA、テーブルB及びテーブルCのうちから1つ選択される(S310)。
【0134】
S310の処理に続いて遊技メダルがベットされたか否か判断し(S320)、S320の処理で肯定的な判断がなされるのを待って、主制御部100から演出制御部200に向かって「BET信号(CBT)」が送信される(S322)。つまり、前述のS15の処理と同様の処理が、このBB遊技処理においても実行される。
【0135】
このS322の処理に続いて回転始動処理(S325)が実行される。そして、回転始動処理(S325)によって、表示リール11a〜11cの回転を開始すると、BB遊技中における「一回の図柄変動遊技」が開始される。尚、S320の処理は、前述の「S10の処理」と同様であり、S325の処理は前述の「S20の処理」と同様である。
【0136】
この回転始動処理(S325)に続いて「BB遊技中の抽選処理」を実行する(S330)。そして、内部抽選の結果が当選である場合、当りフラグ(当選を示すフラグ)をセットした後に、主制御部100から演出制御部200に向かって「内部当選状態信号(CTA)」が送信される。この「BB遊技中の抽選処理」を終了すると、回転停止処理を実行する(S350)。この回転停止処理(S350)は、前述の回転停止処理(S100)と同様であるため、その説明を省略する。そして、この回転停止処理(S350)によって全表示リール11a〜11cの回転を停止すると、BB遊技中における「一回の図柄変動遊技」を終了する。
【0137】
この「回転停止処理(S350)」を終了し、BB遊技中における「一回の図柄変動遊技」を終了すると、この図柄変動遊技の結果を判定する処理を実行する(S360)。つまり、何れかの有効ラインN1〜N5に沿って所定の入賞確定図柄が表示されたか否かを判断する。そして、S360の処理で否定的な判断を得ると(S360;NO)、S310の処理に戻って再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0138】
S360の処理で肯定的な判断がなされた場合(S360;YES)、確定した入賞役の対応に応じて定められた個数の遊技メダルが、遊技者に付与される(S370)。つまり、「RB役」の成立が確定すると、「3枚」の遊技メダルが付与され、「ベルの小役」の成立が確定すると、「8枚」の遊技メダルが付与される。また、「スイカの小役」の成立が確定すると、「7枚」の遊技メダルが付与され、「チェリーの小役」の成立が確定すると、「4枚」の遊技メダルが付与される。
【0139】
尚、BB遊技処理中において「RB役」の成立確定を示す図柄は、一般遊技処理中において「RB役」の成立確定を示す図柄と異なったものとされている。つまり、BB遊技処理中において「RB役」は、何れかの有効ラインN1〜N5に沿って、リプレイ図柄」が揃えて停止表示されると確定する。つまり、各表示リール11a〜11cの外周部に狭い配置間隔(3〜5コマ以内)で多数(5個若しくは6個)配置されたリプレイ図柄が利用すると共に、回転停止処理(S350)の際に「引き込み制御」が実行されることを考慮すると、遊技者が略無作為に各停止ボタン36a、36b、36cを操作すると、この「回転停止処理(S350)」によって「RB役」の成立確定を示す図柄が表示される可能性が高くなっている。また、BB遊技処理中に実行される「RBゲーム」を、以下の説明において「ジャックゲーム」と称することがある。
【0140】
また、回転停止処理(S350)によって、「RB役」の成立確定を示す図柄が停止表示されることを避け、「小役」の成立確定を示す図柄を停止表示させるためには、遊技者の技術介入が必要となる。つまり、遊技者が、表示窓4を通じて、回転中の「表示リール11a〜11c(実際に目視可能な部位は、表示領域部)」を目視し、各「表示リール11a〜11c」の回転位置を時々刻々と把握し、特定のタイミングで停止ボタン36a、36b、36cを操作すること(つまり、適切な「目押し」を行うこと)によって「小役」の成立確定を示す図柄を停止表示させる可能性が高められる。尚、このように、BB遊技処理中において「RB役」の成立確定することを、「ジャックイン」と称し、適切な「目押し」を行って「小役」の成立確定を得ることを「ジャック外し」と称することがある。
【0141】
S370の処理に続いてS374の処理が行われ、S374の処理で「RB役の成立が確定した」と判断される場合(S374;YES)、「RB当りフラグ」が解除される(S375)。そして、主制御部100から演出制御部200に向かって「RB成立信号(CCR)」が送信される(S376)。そして、このS376の処理を終了すると、ジャックインし、RB遊技処理を実行した後(S378)、S380の処理に移行する。尚、このBB遊技処理において実行されるRB遊技処理(S378)は、一般遊技処理において実行されるRB遊技処理(S200、図11を参照)と同様の処理である。また、S376の処理は前述のS198の処理と同様な処理である。
【0142】
一方、S374で否定的な判断がなされる場合、つまり、S360の処理によって成立が確定した入賞役が「小役」である場合、「小役当りフラグ」を解除した後(S376)S380の処理に移行する。
【0143】
S380の処理はBB遊技(BB遊技処理)を終了させるか否かを判定するために行われる処理である。そして、このS380の処理において肯定的な判断がなされない場合(S380;NO)、S320の処理に戻って再び遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、S380の処理において肯定的な判断がなされた場合(S380;YES)、BB遊技を終了した後(S395)、一般遊技処理(図10)に復帰する。このとき、主制御部100から演出制御部200に向かって「BB終了信号(BBE)」が送信される(S397)。
【0144】
A−5エラー報知処理
次に、本遊技機システムSを構成する各遊技機1の演出制御部200によって実行されるエラー報知処理について説明する。
【0145】
a.エラーの概要
エラー信号としては、例えば、「受皿扉ユニット3Bが開放されたときに(扉センサ10Sによって受皿扉ユニット3Bの開放が検出されたときに)発信されるエラー信号(検出信号)」、「受皿本体80がメダルで満タンとなったとき(遊技メダル払出口41内の満タン検出センサにより、受皿本体80がメダルで満タンであることを検出したとき)に発信されるエラー信号(検出信号)」、「遊技メダルの払出異常(メダル払出装置65Hの払出異常)のときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「モータ(各モータ12a〜12c)の空回りのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「ハーネスの断線又は抜けのときに発信されるエラー信号」、「原点センサエラーのとき(センサ13a〜13cが、対応する表示リール11a〜11cの原点エラーを検出したとき)に発信されるエラー信号(検出信号)」、「メダルセレクタ31V内でのメダル詰まりや、メダルセレクタ31V内のセンサがメダルの逆流を検出した際に発信されるエラー信号(検出信号)」等を例示でき、これらのエラー信号は演出制御部200に向かって送信される。
【0146】
b.エラーの報知処理の内容
各遊技機1の演出制御部200は、図13及び図14に従ってエラーの報知処理を行う。つまり、各遊技機1の演出制御部200は、自らが「エラー信号」を発生させているか否かを判断し(S502)、発生させていない場合(S502;NO)、S530以降の処理に移行する。
【0147】
自らが「エラー信号」を発生させている場合(S502;YES)、演出制御基板200Aと、報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)との接続状態の確認を行う(S505、S510)。つまり、スピーカ8と演出制御基板200Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路8Bを用いて確認し、ランプ装置7と演出制御基板200Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路9Bを用いて確認する。すなわち、配線8Dや配線9Dが断線しているか否か、ショートしているか否かを検出する(S505、S510)。尚、S510の処理は、「エラー報知判断手段」としての処理の具体例を示す。
【0148】
演出制御基板200Aと、報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)との接続状態が正常な場合(S510;YES)、報知手段にエラー報知信号(エラーの内容に応じて異なる。)を出力する(S515)。そして、例えば、自らが台番号20の遊技機1であれば、自らの報知手段にエラー報知を開始させた後(S520)、「エラー報知処理」を終了する(図15を参照)。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1をリセットしたところで解除される。
【0149】
演出制御基板200Aと、報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)との接続状態が正常でない場合(S510;NO)、次の台番号の遊技機1に報知エラー信号を出力する(S525)。例えば、自らが台番号20の遊技機1であれば、図16に示すように、自らの出力ポートPOを介して、台番号21の遊技機1の入力ポートPIに向かって「報知エラー信号」を出力する(S525)。この「報知エラー信号」は、「自らはエラー報知を行うことができない。」旨を示す信号であるが、この信号には出力元の遊技機1に関する情報(台番号20等)を含むものとしてもよい。尚、S525の処理は、「エラー報知実行手段」としての処理の具体例を示す。
【0150】
この「報知エラー信号」を出力をした遊技機1(例えば、台番号20番)は、自らはエラー報知を行うことができないため、次の遊技機1(例えば、台番号21番の遊技機1)、或いは、それ以降の遊技機1(例えば、台番号22番の遊技機1)に「エラー報知」を委ねることになる。このため、「報知エラー信号」を出力した遊技機1(例えば、台番号20番)は「エラー報知処理」を終了する。
【0151】
各遊技機1の演出制御部200が、自らが「エラー信号」を発生させていないと判断すると(S502;NO)、報知エラー信号を受信していないか否かを判断する。例えば、自らが台番号21の遊技機1であり、自らが「エラー信号」を発生させていない場合には、遊技機システムSを構成する他の遊技機1(台番号1〜20、22〜30の遊技機1、特には、台番号20の遊技機1)が発信した「報知エラー信号」を受信しているか否かを判断する(S530)。すなわち、遊技機システムSを構成する他の遊技機1から「エラー報知の代行」を依頼されているか否かを判断する(S530)。
【0152】
各遊技機1の演出制御部200は、S530の処理で否定的な判断がなされると(S530;NO)、「エラー報知処理」を終了する。一方、S530の処理で肯定的な判断がなされると(S530;YES)、「エラー報知代行処理(S550)」を行った後に「エラー報知処理」を終了する。
【0153】
このエラー報知代行処理(S550)は図14に従って以下のように行われる。先ず、「報知エラー信号」を受信した遊技機1は、自らが報知代行を実行可能な状態であるか否か、つまり、「空き状態」であるか否かを判断する(S555、S560)。例えば、自らが台番号21の遊技機1である場合、当該台番号21の遊技機1が、遊技中であるか否か(S555)と、「大当り中(ビッグボーナスゲームの実行中)」であるか否か(S560)を判断する。
【0154】
つまり、自らが遊技中でなく(S555;NO)、しかも、大当り中でない場合(S660;NO)には「空き状態」とされ、S565以降の処理に移行する。一方、自らが遊技中であるか(S555;YES)、或いは、大当り中である場合(S560;YES)、S530の処理で受信した「報知エラー信号」を「更に次ぎの遊技機1」に転送する(S580)。例えば、自らが台番号21の遊技機1であれば、自らの出力ポートPOを介して、台番号22の遊技機1の入力ポートPIに向かって「報知エラー信号」を転送する(S580)。これは、「エラー報知の代行を依頼されたものの、空き状態でない遊技機1」が、更に他の遊技機1を「エラー報知」の代行させるための処理である(図17等を参照)。
【0155】
尚、S555の処理は、「自らの演出制御部200において、BET信号(S15、S215、S322)を受信しない時間が所定時間継続されているか否か」を判断することによって行われ、継続されている場合に遊技中でないと判断される(S555;NO)。また、S560の処理は、「BB成立信号(S288)」と、「BB終了信号(S397)」とを基準に行われる。つまり、「自らの演出制御部200において、BB成立信号(S288)を一旦受信すると、その後、BB終了信号(S397)を受信するまでの間」は、「当該遊技機1は大当り中である。」と判断する。このS555,S560の処理により、「BB遊技中に一時的に席を離れている」等の状況下では、エラー報知の代行を行う条件を満たすことがなくなる。このため、BB遊技を行う遊技者の邪魔をすることがない。尚、S555の処理及びS560の処理は、「代行可否判断手段」としての処理の具体例を示す。
【0156】
S555の処理及びS660の処理を経て「空き状態」と判断されると(S555;NO、S560;NO)、当該「エラー報知」の代行を依頼された遊技機1においても、スピーカ8と演出制御基板200Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路8Bによって確認し、ランプ装置7と演出制御基板200Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路9Bによって確認する(S566)。例えば、「エラー報知」の代行を依頼された遊技機1が、台番号21の遊技機1である場合において、当該台番号21の遊技機1の演出制御部200は、「自らの配線8Dや自らの配線9Dが断線していてるか否か、ショートしているか否か」を確認する(S565、S570)。
【0157】
このS565の処理及びS570の処理は、隣接配置される複数台の遊技機1に渡って不正行為(配線8Dや配線9Dを断線させたり、ショートさせる不正行為等)が行われる可能性があることを想定した処理である。そして、演出制御基板200Aと、報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)との接続状態が正常でない場合(S570;NO)、図17に示すように、更に次の台番号の遊技機1に「S530の処理で受信した報知エラー信号」を転送する(S580)。これは、「エラー報知」の代行を依頼されたものの、自らも「エラー報知」が不可能な遊技機1が、更に他の遊技機1を「エラー報知」の代行させるための処理である。
【0158】
演出制御基板200Aと、報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)との接続状態が正常な場合(S570;YES)、自らの報知手段によって「エラー報知(エラー報知代行)」を開始する(S575)。ここで、本実施例では、代行するエラー報知の態様として、自身の遊技機のエラーに対するエラー報知でない旨を示すことが外部に伝わる態様としている。つまり、通常の自身に対するエラー報知とは異なる態様のエラー音、エラー表示を出力してエラー報知を代行する。このようにすることで、エラー報知を発見したパチンコホールの店員等が、付近に設置されている他の遊技機に対するエラー報知であることを容易に認識でき、不正行為の早期発見に繋がる。エラー報知を代行した後は、「エラー報知処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1をリセットしたところで解除される。
【0159】
また、S580の処理によって「報知エラー信号」の転送先とされた遊技機1の演出制御基板200Aは、当該「報知エラー信号を受信する(S530)。そして、同様な「エラー代行処理(S550)」を行う。そして、当該遊技機1(例えば、台番号22の遊技機1)が、エラー報知代行を実行可能であれば(S555;NO、S560;NO、S570;YES)であれば、エラー報知代行を実行する。一方、エラー報知代行を実行不可能であれば(S555;YESか、S560;YESか、S570;NOの場合)、当該遊技機1(例えば、台番号22の遊技機1)の次の遊技機1(例えば、台番号23の遊技機1)に、「報知エラー信号」が転送される(S580)
【0160】
A−6実施例1の効果
本実施例の遊技機システムSを構成する遊技機1においては、エラーを発生すると、当該遊技機Sにおいてエラー報知を正常に実行可能であるか否かを判断する。次いで、当該遊技機1においてエラー報知を正常に実行できない場合は、遊技機システムSを構成する他の遊技機1に報知エラー信号が出力され、当該報知エラー信号を出力した遊技機1とは異なる遊技機1がその報知手段(スピーカ8、ランプ装置7)を用いてエラー報知を代行する。
【0161】
つまり、本実施例の遊技機システム1においては、例えば、不正行為者が特定の遊技機の報知手段を動作不能な状態(例えば、破壊した状態)とした後に、当該特定の遊技機1に不正行為を施した場合等にも、当該遊技機システムS内の他の遊技機1によってエラー報知を代行することになる。従って、本実施例の遊技機システムSによると、所定の遊技機1において不正行為が行われた場合にエラー報知を確実に実行することができる。更に、本遊技機システムSでは、外部制御装置(ホールコンピュータ、島コンピュータ)を頼りにせずに、当該遊技機システムSを構成する遊技機1によって「エラー報知の代行」を行う。つまり、外部制御装置に負担を与えることなく、「エラー報知の代行」を円滑に行うことができる。
【0162】
B.実施例2
次に、実施例2の遊技機システムS2について説明する。
【0163】
B−1遊技機システムの概要
本遊技機システムS2は、図18(a)及び(b)に示すように、18台の遊技機1B(ID=0番〜17番)を、伝送媒体(例えば、ワイヤ−ハーネス)Yを用いて接続して構成されている。尚、本実施例では、「ネットワークの接続形態」としてバス型を例示する。また、本遊技機システムS2を構成する18台の遊技機1Bは所定のパチンコホールの1つの島(島設備)に配置されている。
【0164】
この遊技機システムS2を構成する所定の一台の遊技機1B(ID=0)が、代行報知を統括するホスト遊技機1Bであり、その他の遊技機1B(ID=1〜17番)が、「ホスト遊技機(ID=0)の指令に従うゲスト遊技機1」である。尚、この遊技機システムS2においては、何れの遊技機1Bからも、他の遊技機1Bに対して双方向での通信が可能となっている。
【0165】
B−2遊技機の概要
次に、遊技機システムS2を構成する遊技機1B(ID=0〜17)の概要を説明する。この遊技機1Bはセブン機と称する弾球式の遊技機1Bであり、図19及び図20に示すように、外枠502と、本体枠503と、遊技盤(図示を省略)と、ガラス扉枠504と、上皿部材505と、下皿部材506等を備えている。
【0166】
外枠502は、島(島設備)に固定され、本体枠503は外枠502の左端側に開閉自在に取り付けられる。また、遊技盤は本体枠503の保持部によって、前面部を遊技者方向に向けた状態で、着脱自在な状態に保持されている。また、ガラス扉枠504は、遊技盤の前面部を覆うガラス板を具備しつつ左端側がヒンジ機構を介して本体枠503の左端側に支持され、本体枠503の前方に向かって開閉動作可能な状態とされている。更に、上皿部材505は、本体枠503の前面部側のうちでガラス扉枠504の装着位置よりも下方側の部位に開閉可能な状態で装着され、下皿部材506は、本体枠503の前面部側のうちで上皿部材505の下方の部位に配置される。
【0167】
遊技盤の前面部には、外側レールと内側レールとが前方に突出する状態に配置され、遊技盤の前面部側において外側レールと内側レールとが略円形状、略楕円形状、若しくは略長円形状に取り囲む部位が遊技領域と称される。また、遊技領域の最下部にアウト口が設けられ、この最下部よりも上方の位置に、各種の入賞装置(大入賞装置、始動入賞装置、その他の入賞装置等)、入球ゲート、中央表示装置27、障害釘等が配設されている。そして、発射装置から打ち出された遊技球が遊技領域内に放出され、この遊技領域を流下する構成とされている。
【0168】
この遊技機1Bでは、遊技領域を流下する遊技球が、始動入賞装置(始動口)に入賞すると、「当該遊技機1Bの遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態(つまり、特別遊技状態)に移行させるか否かの判定」を行い、この判定の結果を中央表示装置527(後述する)によって表示する。
【0169】
遊技領域に配設された大入賞装置は、入賞口(大入賞口)と入賞口の開閉を行うための開閉部材を具備している。このうち、開閉部材は扉型に構成され、遊技盤の前面部に設けられる取付部に取付られている。この開閉部材は、下端部側に傾動支点を設けつつ、前後に傾動可能(回動可能)な状態とされている。この開閉部材は、「入賞口を閉鎖する起立姿勢」及「入賞口を開放する前傾姿勢」の間で適宜、姿勢変更を行うことが可能とされている。そして、この開閉部材の姿勢は、入賞口の開放許容条件の不成立時に起立姿勢とされ、入賞口の開放許容条件の成立時に前傾姿勢とされる。
【0170】
ここで、「通常遊技状態」とは、入賞口の開放許容条件を継続的に不成立とし、「入賞口の閉鎖状態を継続する遊技状態」を指す。また、「大当り遊技状態」とは、入賞口の開放許容条件を所定回数に渡って間欠的に成立させ、「入賞口の開放状態を間欠的に実現させる遊技状態」を指す。また、以下の説明において、開閉部材の姿勢を、起立姿勢から前傾姿勢に変更し、再び、起立姿勢に戻す動作、つまり、入賞口を開閉する動作を、「単位動作」と称することがある。
【0171】
この遊技機1Bでは、中央表示装置527に「判定の結果が大当りであることを示す図柄」が表示されると、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態」から「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行する。そして、遊技機の遊技状態が「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行すると、開閉部材に、所定の回数(所謂、「ラウンド数」であって、例えば、14〜16回)に渡って「単位動作」が施される。つまり、遊技機の遊技状態が「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行すると、開閉部材の開放動作を行って、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させる。これにより、入賞口への遊技球の入賞が可能となる。この後、この入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開閉部材の閉鎖動作を行い(開閉部材の姿勢を起立姿勢に戻し)、大入賞装置を閉鎖状態とし、開閉部材に施される「1回の単位動作」を完了する。そして、この「開閉部材の単位動作」が、所定の回数(所謂、「ラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機の遊技状態は「大当り遊技状態」から「通常遊技状態」に戻される。
【0172】
次に、この遊技機1Bの「制御回路の構成」について、図21〜図24を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部210Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板210を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部210Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
【0173】
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(c)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部210Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
【0174】
これらの制御部(210A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(210、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図21〜図23中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図21においては、主制御基板210に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみが図示されており、主制御基板210に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
【0175】
主制御部210A(主制御基板210)は、遊技盤に装着された各種のスイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部220A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部210A(主制御基板210)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部210A(主制御基板210)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、ガラス扉枠504の開放はガラス枠スイッチ4sによって検出すること(開放時にONとなるものであってもよいし、OFFとなるものであってもよい。)ができる。
【0176】
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部210A(主制御基板210)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。
【0177】
この演出制御部220Aを構成する演出制御基板220には、演出表示制御基板222(中央表示装置(液晶表示装置)527を駆動する演出表示制御基板222)と、接続確認回路222Bとを介して中央表示装置(液晶表示装置)527が接続されている。また、この演出制御基板220には、アンプ基板224(スピーカSP1〜SP4を駆動するアンプ基板224)と、接続確認回路224Bとを介してスピーカSP1〜SP4が接続されている。更に、この演出制御基板220には、装飾駆動基板226(各種装飾用基板を駆動する装飾駆動基板226)と、「各種LED4b〜4h搭載された基板」等が接続されている。但し、エラー報知用のLED4g,4hが搭載された基板と、装飾駆動基板226との間には接続確認回路226Bが介在されている。
【0178】
ここで、これらの接続確認回路222B、224B、226Bは実施例1で示した接続確認回路8B、9Bと同様な構成と機能を備えている。つまり、対象となる演出装置(中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4、LED4e)と、演出制御基板220との間を結ぶ配線の接続状態を確認するための回路(換言すると、断線等を検出するための回路)である。つまり、これらの接続確認回路222B、224B、226Bは配線を流れる電流を検出し、電流の値に異常が生じた場合に演出制御基板220に検出信号を出力するものである。
【0179】
演出制御部220AのCPU220Bは、本遊技機システムSを構成する他の遊技機1Bとの通信の制御も行う。また、演出制御部220AのROM220Cには、本遊技機システムS2を構成する他の全ての遊技機1Bとの通信を制御するための通信制御プログラムが格納されている。更に、演出制御部220AのRAM220Dは本遊技機システムS2を構成する他の遊技機1Bとの通信時(送信時、受信時)のデータバッファとしても機能する。
【0180】
演出制御基板220には、通信用入出力ポート220Eが設けられており、この通信用入出力ポート220EはCPU220Bに双方向通信可能な状態に接続されている。この通信用入出力ポート220は、前述の伝送媒体(ワイヤーハーネス)Yを介して、本遊技機システムS2を構成する他の全ての遊技機1Bと、双方向通信可能な状態に接続されている。
【0181】
演出制御基板220には、ディップスイッチDと、ディップスイッチ(ロータリー式)dとが配設されている。これらのディップスイッチD、dは、例えば、演出制御基板220における既存の入出力ポート(図示を省略)に接続される。このうち、ディップスイッチDは、識別子設定手段を構成し、24(b)及び(c)に示すように、このディップスイッチDによって、本遊技機システムS2を構成する個々の遊技機1Bの「ID(識別子)」が設定される。また、演出制御基板220のCPU220Bが、各遊技機1Bの電源の立ち上げ時に、個々の遊技機1BのディップスイッチDに設定された「ID(識別子)」を読み込む「ID(識別子)読込手段」として機能し、演出制御基板220のRAM220Dが、この読み込まれた「ID(識別子)」を記憶する「ID(識別子)記憶手段」として機能する。
【0182】
また、ディップスイッチdは、台数設定手段を構成し、24(b)及び(c)に示すように、本遊技機システムS2を構成する個々の遊技機1Bの配下(指令に従う)の遊技機1Bの総台数が設定される。更に、演出制御基板220のCPU220Bが、が、各遊技機1Bの電源の立ち上げ時に、ディップスイッチdに設定された「台数」を読み込む「総台数読込手段」として機能し、演出制御基板220のRAM220Dが、この読み込まれた「総台数」を記憶する「台数記憶手段」として機能する。
【0183】
つまり、図24(a)に示すように、パチンコホールの始業時(遊技機1Bへの電源投入時)には、演出制御部220Aによって、「遊技機ID読込・記憶処理」が行われる。この遊技機ID読込・記憶処理においては、遊技機1に電源が投入されると、本遊技機システムS2を構成する各遊技機1B毎に、ディップスイッチDで設定されたIDが読み込まれた後(S1001)、この読み込まれたIDが、RAM220Dに記憶される(S1002)。次いで、ディップスイッチdで設定された総台数を読み込んだ後(S1004)、この総台数を220Dに記憶し(S1005)、「遊技機ID読込・記憶処理」を終了する。
【0184】
ここで、S1001で読み込んだIDが、「1〜17」のうちの何れかの場合、即ち、当該遊技機1Bがゲスト遊技機1Bである場合に、図24(c)に示すように、台数設定手段を構成する「ディップスイッチd」によって、配下の遊技機1の総台数が「0」台とされる。尚、図24(c)で具体的に例示するゲスト遊技機1BのIDは、識別子設定手段を構成する「ディップスイッチD」によって、「1」に設定されている。
【0185】
一方、S1001で読み込んだIDが「0」の場合、即ち、当該遊技機1Bがホスト遊技機1Bである場合には、図24(b)に示すように、「17台」とされる。つまり、図24(b)で具体的に例示するホスト遊技機1BのIDは、識別子設定手段を構成する「ディップスイッチD」によって、「0」に設定されていると共に、このホスト遊技機1のIDの配下の「ゲスト遊技機1の数」が、台数設定手段を構成する「ディップスイッチd」によって「17台」と設定されている。つまり、ホスト遊技機1B(ID=0)のディップスイッチdによって、このホスト遊技機1B(ID=0)の配下の遊技機1B(ID=1〜17)の数「17」が設定されている。また、図24(c)に示すように、各ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)ではその配下の遊技機1Bの数が「0」であるため、各ゲスト遊技機1Bのディップスイッチdによって「0」と設定される。
【0186】
操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。また、払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部材5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
【0187】
主制御部210A(主制御基板210)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部210A(主制御基板210)でも計数されている。
【0188】
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。尚、本実施例では、異常の報知を、中央表示装置(液晶表示装置)27やスピーカSP1〜SP4によって行うことも可能となっている。
【0189】
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。
【0190】
また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部210A(主制御基板210からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
【0191】
主制御部210A(主制御基板210)には、遊技機に関する情報(信号)を、遊技機1Bの外部に出力するための外部端子部(外部出力用端子基板)210Gが接続されている。この外部端子部210Gから出力される情報(信号)としては、大当り情報(大当り信号)、確率変動情報(確率変動信号)、賞球情報(賞球信号)等の遊技状態を示す情報(信号)を例示できる。そして、これらの情報(信号)は、ホールコンピュータHPCに送信され、「不正行為の監視」や「パチンコホールにおける営業上の集計」等のために利用される。つまり、パチンコホールは、ホールコンピュータHPCに送信される賞球情報(賞球信号)を利用しつつ、「不正行為(孔開けゴト等)」の監視を行っている。
【0192】
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
【0193】
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部210A(主制御基板210)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)中央表示装置(液晶表示装置)27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSPで出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、中央表示装置527の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、中央表示装置(液晶表示装置)527、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
【0194】
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED4b〜4hの駆動信号を出力することによって、各種LED4b〜4hやランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、受皿扉体5の表面側に設けられた操作スイッチSWを遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、中央表示装置(液晶表示装置)27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
【0195】
B−3エラー報知処理
次に、本遊技機システムS2を構成する各遊技機1Bの演出制御部220Aによって実行されるエラー報知処理について説明する。
a.エラーの概要
エラー信号としては、例えば、「球切れ時に発信されるエラー信号(検出信号)」、「下皿部6が遊技球で満タンとなったときにとき(下皿部6に貯留される遊技球の数(重さ)を計測するセンサが、下皿部6が遊技球で満タンであることを検出したとき)に発信されるエラー信号(検出信号)」、「大入賞口エラーのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「モータの空回りのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「ハーネスの断線又は抜けのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「原点センサエラーのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「ガラス扉枠504の開放がガラス枠スイッチ4sによって検出されることによって発信されるエラー信号(検出信号)」等を例示でき、これらのエラー信号は演出制御部220Aに向かって送信される。
【0196】
b.エラーの報知処理の内容
各遊技機1Bの演出制御部220Aは、図25〜図28に従ってエラーの報知処理を行う。以下の説明においては、ホスト遊技機1B(ID=0)の行う「エラー報知基本処理」と、ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)の行う「エラー報知基本処理」と、ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)の行う「エラー報知代行処理」等について説明する。
【0197】
c.ホスト遊技機1Bの「エラー報知基本処理」
図24を用いて、ホスト遊技機1B(ID=0)の演出制御部220が実行する「エラー報知基本処理」について説明する。先ず、ホスト遊技機1B(ID=0)の演出制御部220は、自らが「エラー信号」を発生させているか否かを判断し(S602)、発生させていない場合(S602;NO)、S630以降の処理に移行する。
【0198】
自らが「エラー信号」を発生させている場合(S602;YES)、演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の確認を行う(S605、S610)。つまり、報知手段と演出制御基板220Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路222B、224B、226Bによって確認する。すなわち、配線に断線を生じているか否か又は、ショートしているか否かを検出する(S605、S610)。尚、S605及びS610の処理によって「エラー報知判断手段」の具体例を構成する。
【0199】
演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の正常な場合(S610;YES)、報知手段にエラー報知信号(エラーの内容に応じて異なる。)を出力し(S615)、自らの報知手段によってエラー報知を開始した後(S620)、「エラー報知処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。
【0200】
演出制御基板210Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の正常でない場合(S610;NO)、ホスト遊技機1B(ID=0)の演出制御部220は、「報知エラー信号の出力元ID」として、「0」を自己(ホスト遊技機1B)の演出制御部220AのRAM220Dに記憶する。そして、「報知エラー信号送信・転送処理(S700)」を行った後、「エラー報知基本処理」を終了する。尚、「報知エラー信号送信・転送処理(S700)」については後述する。尚、S620の処理によって「エラー報知実行手段」の具体例を構成する。
【0201】
各遊技機1Bの演出制御部210が、自らが「エラー信号」を発生させていないと判断すると(S602;NO)、ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)の発信した報知エラー信号を受信していないか否かを判断する(S630)。そしてS630の処理で否定的な判断がなされると(S630;NO)、「エラー報知基本処理」を終了する。一方、S630の処理で肯定的な判断がなされると(S630;YES)、「報知エラー信号の出力元ID(出力元のゲスト遊技機1BのID)」を自己(ホスト遊技機1B)の演出制御部220AのRAM220Dに記憶する(S623)。そして、「報知エラー信号送信・転送処理(S700)を行った後、「エラー報知基本処理」を終了する。
【0202】
d.ゲスト遊技機1Bの「エラー報知基本処理」
次に、図26を用いて、ゲスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「エラー報知基本処理」について説明する。先ず、ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)の演出制御部220は、自らが「エラー信号」を発生させているか否かを判断し(S802)、発生させていない場合(S802;NO)、エラー報知基本処理を終了する。
【0203】
自らが「エラー信号」を発生させている場合(S802;YES)、演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の確認を行う(S805、S810)。そして、演出制御基板220Aと、報知手段との接続状態の正常な場合(S810;YES)、報知手段にエラー報知信号(エラーの内容に応じて異なる。)を出力し(S815)、自らの報知手段によってエラー報知を開始した後(S820)、「エラー報知処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。
【0204】
演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の正常でない場合(S810;NO)、ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)の演出制御部220は、「報知エラー信号」をホスト遊技機1Bに向かって送信する。この信号には出力元の遊技機1Bに関する情報(ID)が含まれる。この出力元の遊技機1Bに関する情報、つまり、「ID」は前述のように、ホスト遊技機1Bの演出制御部220AのRAM220Dに記憶される(S825)。
【0205】
e.ホスト遊技機1Bの「報知エラー信号送信・転送処理」及びゲスト遊技機1Bの「応答処理」
次に、図26を用いてホスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「報知エラー信号送信・転送処理」と、ゲスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「応答処理」について説明する。
【0206】
先ず、ホスト遊技機1Bは、自身のID(0)が「報知エラー信号の出力元の遊技機1BのID(以下、「元ID」という。)に最も近いIDに相当するか否か」を判断する(S710)。つまり、「元ID」が「1」若しくは「17」である場合、S710で肯定的な判断がなされる。
【0207】
S710の処理で肯定的な判断がなされると(S710;YES)、ホスト遊技機1Bは自身が「空き状態」であるか否かが判断する(S715)。つまり、遊技機1Bが代行報知を実行可能な状態にあるか否かを判断する(S715)。より具体的には、遊技機1Bが特別遊技状態(大当り遊技状態)にある場合と、自信が報知エラー信号の出力元の遊技機である場合、「空き状態でない」と判断され(S715;NO)、遊技機1Bが通常遊技状態にある場合と、遊技機1Bにおいて遊技が行われていない場合、「空き状態である」と判断される(S715;YES)。尚、遊技機1Bにおいて遊技が行われていない場合とは、ハンドル9に遊技者の手が触れていない場合を指し、タッチスイッチ9a(図19、図20、図23を参照)が「OFF」になっている場合、遊技が行われていないと判断される。
【0208】
ホスト遊技機1Bが「空き状態である」と判断されると(S715;YES)、自らの報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)によって「エラー報知(エラー報知代行)」を開始した後(S718)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。一方、「空き状態でない」と判断されると(S715;NO)、S720以降の処理に移行する。
【0209】
S710の処理で否定的な判断がなされるか、S715の処理で否定的な判断がなされる場合、S720の処理に移行する。このS720の処理において、ホスト遊技機1Bは配下の全遊技機1B(ID;1〜17のゲスト遊技機1B)に空き状況の問い合わせを行う(S720)。つまり、ホスト遊技機1Bは配下の全遊技機1B(ID;1〜17のゲスト遊技機1B)に空き状況の問い合わせるための「問い合わせ信号」を送信する(S720)。
【0210】
これに対して、各ゲスト遊技機1B(ID;1〜17)は「問い合わせ信号」を受信すると(S840)、自信の空き状態を示す信号をホスト遊技機1Bに送信する(S845)。つまり、自信が特別遊技状態(大当り遊技状態)にある場合と、自信が報知エラー信号の出力元の遊技機である場合、「空き状態でない」旨の情報がホスト遊技機1Bに送信され(S845)、自信が通常遊技状態にある場合と、遊技機1Bにおいて遊技が行われていない場合に「空き状態である」旨の情報がホスト遊技機1Bに送信される(S845)。尚、S845の処理において送信される信号には出力元の遊技機1Bに関する情報(ID)が含まれる。
【0211】
ホスト遊技機1Bは、S720の処理の後、全ゲスト遊技機1BがS720の問い合わせに応答するか、所定時間(T)が経過すると(S725;YES)、S730の処理に移行する。尚、所定時間(T)は、全ゲスト遊技機1Bが、ホスト遊技機1Bに対して、S845の信号を送信する上で十分な時間に設定される。但し、本実施例では、遊技機システムS2を構成する遊技機1B間の通信網が破壊されたり、通信エラーを生じ得ることも想定して、S725の処理に制限時間を設けている。
【0212】
ホスト遊技機1Bは、空き状態の遊技機1Bが発見されない場合(S730;NO)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。一方、空き状態の遊技機1Bを発見した場合(S730;YES)、この空き状態の遊技機1Bのうちで、「元ID」に最も近いIDを有する遊技機1Bに、「元IDに係る遊技機1Bから送信された報知エラー信号」を転送し(S735)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。但し、「元ID」に最も近いIDは、2つ存在する場合と、1つの場合がある。例えば、「元ID」が「11」であり、「ID=10」の遊技機1B及び「ID=12」の遊技機1Bが空き状態である場合、最も近いIDは、2つ存在し、「ID=10」の遊技機1Bが空き状態で、「ID=12」の遊技機1Bが空き状態でない場合、1つ存在することになる。
【0213】
f.ゲスト遊技機1Bの「エラー報知代行処理」
次に、図28を用いて、ゲスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「エラー報知代行処理」について説明する。先ず、各ゲスト遊技機1B(ID=1〜17)は「報知エラー信号を受信したか否か」、つまり、「ホスト遊技機1B(ID=0)から転送されてくるか否か」を常時監視している(S850)。そして、報知エラー信号を受信すると(S850;YES)、自らの報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)によって「エラー報知(エラー報知代行)」を開始した後(S860)、「エラー報知代行処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。
【0214】
B−4実施例2の効果
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2では、エラー報知の代行を実際に不正行為が行われた遊技機1Bに隣接して配置される遊技機1Bに優先して行わせることができる。つまり、不正行為者に近接する遊技機1Bを優先してエラー報知の代行を行うため、パチンコホールの店員等が「不正行為が行われた遊技機1B」を把握することが容易である。また、不正行為者に近接する遊技機1Bによってエラー報知の代行が行われるため、このエラー報知の代行によって「不正行為者」に強いインパクトを与えることができる。
【0215】
C.実施例3
次に、実施例3の遊技機システムS3について説明する。
【0216】
C−1遊技機システムの概要
本遊技機システムS3は、図29に示すように、18台の遊技機1B(ID=0番〜17番)と、ホールコンピュータHPCとを構成されている。尚、各遊技機1Bと、ホールコンピュータHPCとは伝送媒体(例えば、ワイヤ−ハーネス)Y3を用いて双方向通信が可能な状態に接続されている。尚、本実施例においても、「ネットワークの接続形態」としてバス型を例示する。また、本遊技機システムS3を構成する18台の遊技機1Bは、実施例2と同様に、所定のパチンコホールに配置される。
【0217】
この遊技機システムS3を構成する各遊技機1B(ID=0〜18)には主従の関係はなく、何れも、ホールコンピュータHPCと伝送媒体(例えば、ワイヤ−ハーネス)Y3を用いて双方向通信が可能とされている。その他の点に関しては、実施例2の遊技機1Bと同様であるため、説明を省略する。尚、実施例2と同様な構成部分については、同一の符号を付してその説明を省略することがある。
【0218】
C−2エラー報知処理
次に、本遊技機システムS3を構成する各遊技機1Bの演出制御部220Aと、ホールコンピュータHPCとによって実行されるエラー報知処理について説明する。
【0219】
a.エラーの概要
エラー信号としては、例えば、「球切れ時に発信されるエラー信号(検出信号)」、「下皿部6が遊技球で満タンとなったときにとき(下皿部6に貯留される遊技球の数(重さ)を計測するセンサが、下皿部6が遊技球で満タンであることを検出したとき)に発信されるエラー信号(検出信号)」、「大入賞口エラーのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「モータの空回りのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「ハーネスの断線又は抜けのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「原点センサエラーのときに発信されるエラー信号(検出信号)」、「ガラス扉枠504の開放がガラス枠スイッチ4sによって検出されることによって発信されるエラー信号(検出信号)」等を例示でき、これらのエラー信号は演出制御部220Aに向かって送信される。
【0220】
b.エラーの報知処理の内容
各遊技機1Bの演出制御部220Aは、図30〜図32に従ってエラーの報知処理を行う。以下の説明においては、各遊技機1B(ID=0〜17)の行う「エラー報知基本処理」と、ホールコンピュータHPCの行う「報知エラー信号転送処理」等について説明する。
【0221】
c.遊技機1Bの「エラー報知基本処理」
図30を用いて、各ホスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「エラー報知基本処理」について説明する。先ず、各遊技機1B(ID=0〜17)の演出制御部220は、自らが「エラー信号」を発生させているか否かを判断し(S902)、発生させていない場合(S902;NO)、エラー報知基本処理を終了する。
【0222】
自らが「エラー信号」を発生させている場合(S902;YES)、演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の確認を行う(S905、S910)。つまり、報知手段と演出制御基板220Aとの間が正常に接続されているか否かを接続確認回路222B、224B、226Bによって確認する。すなわち、配線に断線を生じているか否かやショートしているか否かを検出する(S905、S910)。尚、S905及びS910の処理によって「エラー報知判断手段」の具体例を構成する。
【0223】
演出制御基板220Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の正常な場合(S910;YES)、報知手段にエラー報知信号(エラーの内容に応じて異なる。)を出力し(S915)、自らの報知手段によってエラー報知を開始した後(S920)、「エラー報知処理」を終了する。尚、S920の処理によって「エラー報知実行手段」の具体例を構成する。また、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。
【0224】
演出制御基板210Aと、報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)との接続状態の正常でない場合(S910;NO)、演出制御部220は、「報知エラー信号」をホールコンピュータHPCに向かって送信し(S925)、「エラー報知処理」を終了する。この信号には出力元の遊技機1Bに関する情報(ID)が含まれる。
【0225】
d.ホールコンピュータHPCの「報知エラー信号転送処理」及び各遊技機1Bの応答処理
次に、図31を用いてホールコンピュータHPCの演出制御部220が実行する「報知エラー信号送信・転送処理」と、各遊技機1Bの演出制御部220が実行する「応答処理」について説明する。
【0226】
ホールコンピュータHPCは「報知エラー信号」を受信すると(S955;YES)、「出力元の遊技機1Bに関する情報」、つまり、「ID」を自信の記憶手段に記憶する(S956)。次いで、ホールコンピュータHPCは配下の全遊技機1B(ID;0〜17の遊技機1B)に空き状況の問い合わせるための「問い合わせ信号」を送信する(S960)。
【0227】
これに対して、各遊技機1B(ID;0〜17)は「問い合わせ信号」を受信すると(S980;YES)、自信の空き状態を示す信号をホールコンピュータHPCに送信する(S985)。つまり、自信が特別遊技状態(大当り遊技状態)にある場合と、自信が報知エラー信号の出力元の遊技機である場合、「空き状態でない」旨の情報がホールコンピュータHPCに送信され(S985)、自信が通常遊技状態にある場合と、遊技が行われていない場合とに、「空き状態である」旨の情報がホスト遊技機1Bに送信される(S985)。尚、S985の処理において送信される信号には出力元の遊技機1Bに関する情報(ID)が含まれる。
【0228】
ホールコンピュータHPCは、S960の処理の後、全遊技機1BがS955の問い合わせに応答するか、所定時間(T)が経過すると(965;YES)、S970の処理に移行する。尚、所定時間(T)は、全ゲスト遊技機1Bが、ホスト遊技機1Bに対して、S985の信号を送信する上で十分な時間に設定される。但し、本実施例では、遊技機システムS3を構成する遊技機1B間の通信網が破壊されたり、通信エラーを生じ得ることも想定して、S965の処理に制限時間を設けている。
【0229】
ホールコンピュータHPCは、空き状態の遊技機1Bが発見されない場合(S970;NO)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。一方、空き状態の遊技機1Bを発見した場合(S970;YES)、この空き状態の遊技機1Bのうちで、「元ID」に最も近いIDを有する遊技機1Bに、「元IDに係る遊技機1Bから送信された報知エラー信号」を転送し(S975)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。
【0230】
但し、「元ID」に最も近いIDは、2つ存在する場合と、1つの場合がある。例えば、「元ID」が「11」であり、「ID=10」の遊技機1B及び「ID=12」の遊技機1Bが空き状態である場合、最も近いIDは、2つ存在し、「ID=10」の遊技機1Bが空き状態で、「ID=12」の遊技機1Bが空き状態でない場合、1つ存在することになる。
【0231】
e.各遊技機1Bの「エラー報知代行処理」
図32(a)を用いて、各ホスト遊技機1Bの演出制御部220が実行する「エラー報知基本処理」について説明する。
【0232】
各遊技機1B(ID=0〜17)は「報知エラー信号を受信したか否か」、つまり、「ホールコンピュータHPCから転送されてくるか否か」を常時監視している(S990)。そして、報知エラー信号を受信すると(S990;YES)、自らの報知手段(エラーLED4g,4h、中央表示装置527、スピーカSP1〜SP4)によって「エラー報知(エラー報知代行)」を開始した後(S992)、「報知エラー信号送信・転送処理」を終了する。尚、エラー報知の終了はパチンコホールの店員等が、当該遊技機1Bをリセットしたところで解除される。
【0233】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0234】
つまり、各実施例においては、遊技機システムSを構成する「ネットワークの接続形態」として、本実施例では、「リング型」、バス型を例示した(特に、一本の回線に全遊技機1が対等な状態で接続される接続形態を例示した)が、各請求項に係る発明において、「ネットワークの接続形態」はこれらに限定されない。例えば、図32(b)に示すように、ホスト遊技機1B(ID=0)やホールコンピュータHPCをネットワークの中心に配置した「スター型」であってもよいし、全ての遊技機同士が回線を結び合うメッシュ型や、スター型を階層化した形態のツリー型等を例示することもできる。
【0235】
また、各実施例では、「報知エラー信号」を出力した遊技機により近接する遊技機において、代行報知を行う態様を例示したが、代行報知の態様はこれに限定されない。例えば、代行報知はパチンコホールの店員にとって、より目に付き易い位置の遊技機によって代行報知を行ってもよい。例えば、パチンコホールのカウンターに最も接近する遊技機によって代行報知を行ってもよい。
【0236】
更に、図33に示す変形例のように、各請求項の発明の遊技機が、主制御部(メイン制御部)210Aと、演出制御部(サブ制御部)220Aとは別に「エラー報知制御部800A」を備えてもよい。尚、実施例2の変形例、つまり、弾球式の遊技機についての具体例であるが、変形例は回胴式の遊技機に対しても同様に適用できる。
【0237】
この変形例においても、各実施例と同様に、主制御部100から演出制御部210への通信を可能であるが、演出制御部210から主制御部100への通信不可能となるように、主制御部210Aと演出制御部222Aとを接続している。つまり、主制御部100から演出制御部210への「一方向通信」のみを可能な状態に接続されている。更に、演出制御部210と「エラー報知制御部800」とは双方向通信が可能な状態に接続されている。
【0238】
また、この変形例においては、スピーカSP1〜SP4のみを報知手段として利用するが、各実施例のように、エラー用のLED(エラー報知ランプ)や中央表示装置527をも報知手段として使用することもできる。
【0239】
エラー報知制御部800Aは、エラー報知制御基板800を用いて構成されている。このエラー報知制御基板800は、種々の制御プログラムを実行するCPU801と、ワークメモリ等として機能するRAM802と、制御プログラム等を格納したROM803と、通信用入出力ポート805を含む構成とされている。このCPU801は他の遊技機1Bとの通信の制御を行うとともに、「エラー報知実行手段」、「エラー報知判断手段」、「報知エラー信号出力手段」を構成している。
【0240】
また、ROM803には、本変形例に係る遊技機システムを構成する他の遊技機1Bとの通信を制御するための通信制御プログラムが格納されている。更に、RAM802は、本変形例に係遊技機システムを構成する他の遊技機1Bとの通信時(送信時、受信時)のデータバッファとしても機能する。更に、通信用入出力ポート805はCPU801に双方向通信可能な状態に接続されている。この通信用入出力ポート8001は、前述の伝送媒体(ワイヤーハーネス)を介して、本変形例に係る遊技機システムを構成する他の全ての遊技機1Bと双方向通信可能な状態に接続されている。
【0241】
この変形例において、演出制御部220Aを構成する演出制御基板220は、アンプ基板224と、「エラー報知制御800Aを構成するエラー報知制御基板800」と、接続確認回路222Bとを介してスピーカSP1〜SP4に接続されている。この接続確認回路222Bは、スピーカSP1〜SP4に接続される配線の接続状態を確認するための回路である。この接続確認回路222Bも配線に流れる電流を検出し、電流の値に異常が生じた場合に「エラー報知制御部800A(CPU801)に検出信号を出力するものである。
【0242】
本変形例においては、エラー報知制御部800が通信の制御も行うため、演出制御部220から「通信制御機能」が排除されている。その他の点に関しては実施例2の演出制御部220Aと同様である。また、エラー報知制御基板800には、識別子設定手段を構成するディップスイッチDと、台数設定手段を構成するディップスイッチ(ロータリー式)dとが配設されている。これらのディップスイッチD、dは、例えば、通信用入出力ポート805に接続される。
【0243】
ディップスイッチDによって、実施例2と同様に、遊技機システムを構成する個々の遊技機1Bの「ID(識別子)」が設定される。また、ディップスイッチdによって、実施例2と同様に、本遊技機システムSを構成する個々の遊技機1Bの配下(指令に従う)の遊技機1Bの総台数が設定される。
【0244】
この変形例においては、演出制御部220Aから通信機能を排除することで、演出制御部220Aの負担を軽減することができる。しかも、エラー報知制御部800を演出制御部220Aとの間の双方向通信を可能としつつ、演出制御部220Aから主制御部210Aへの通信を不能とするため、遊技機外部からの主制御部210Aに不正なアクセスを行うことができないような配慮がなされている。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】実施例1に係る遊技機システムの一具体例を示す説明図である。
【図2】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機の配置態様を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機を示す正面図である。
【図4】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機の側面図である。
【図5】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において前扉を開放した状態を示す斜視図である。
【図6】(a)は実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において図柄表示装置等の要部を説明するための説明図であり、(b)は実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において図柄表示装置で表示可能な図柄を説明するための説明図である。
【図7】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】図7の要部を示すブロック図である。
【図9】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において、一般遊技の際、成立が確定し得る図柄の組み合わせを説明するための説明図である。
【図10】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において、一般遊技処理を説明するためのフロー図である。
【図11】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において、RB遊技処理を説明するためのフロー図である。
【図12】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機において、BB遊技処理を説明するためのフロー図である。
【図13】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知処理を説明するためのフロー図である。
【図14】実例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知代行処理をを説明するためのフロー図である。
【図15】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知処理及びエラー報知代行処理を説明するための説明図である。
【図16】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知処理及びエラー報知代行処理を説明するための説明図である。
【図17】実施例1に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知処理及びエラー報知代行処理を説明するための説明図である。
【図18】(a)は実施例2に係る遊技機システムの一具体例を示す説明図であり、(b)は実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機の配置態様を示す説明図である。
【図19】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機の斜視図である。
【図20】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機の正面図である。
【図21】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図22】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図23】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図24】(a)は実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機において、遊技機ID読込・記憶処理を示すフローチャートであり、(b)は実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機(ホスト)のディップスイッチを示す説明図であり、(c)は実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機(ゲスト)のディップスイッチを示す説明図である。
【図25】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機(ホスト遊技機)が実行するエラー報知基本処理を説明するためのフロー図である。
【図26】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機(ゲスト遊技機)が実行するエラー報知基本処理を説明するためのフロー図である。
【図27】実施例2に係る遊技機システムを構成するホスト遊技機の「報知エラー信号送信・転送処理」と、実施例2に係る遊技機システムを構成するゲスト遊技機の「応答処理」を説明するためのフロー図である。
【図28】実施例2に係る遊技機システムを構成するゲスト遊技機が実行するエラー報知代行処理を説明するための説明図である。
【図29】(a)は実施例3に係る遊技機システムの一具体例を示す説明図であり、(b)は実施例3に係る遊技機システムを構成する遊技機の配置態様を示す説明図である。
【図30】実施例3に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知基本処理を説明するためのフロー図である。
【図31】実施例3に係る遊技機システムを構成するホールコンピュータの「報知エラー信号送信・転送処理」と、実施例3に係る遊技機システムを構成する遊技機の「応答処理」を説明するためのフロー図である。
【図32】実施例2に係る遊技機システムを構成する遊技機が実行するエラー報知代行処理を説明するための説明図である。
【図33】変形例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0247】
S、S2、S3;遊技機システム、
1、1B;遊技機、
4g,4h;エラーLED(報知手段)
7;ランプ装置(報知手段)、
8、SP1〜SP4;スピーカ(報知手段)、
200、220A;演出制御部(エラー報知実行手段、報知エラー信号出力手段、代行可否判断手段)、
527;中央表示装置(報知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能に接続された複数台の遊技機を具備する遊技機システムであって、
各遊技機は、
エラー状態が発生したと判断すると所定の報知手段にエラー報知を実行させるエラー報知実行手段と、
前記エラー報知が正常に実行可能か否かを判断するエラー報知判断手段と、
前記エラー報知判断手段が否定判断したときに、外部に報知エラー信号を出力する報知エラー信号出力手段と、
を備え、
所定の遊技機が前記報知エラー信号を出力すると、前記報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の前記報知手段によって前記エラー報知を代行することを特徴とする遊技機システム。
【請求項2】
前記各遊技機の前記エラー報知実行手段は、
前記報知手段との間の接続状態を監視するとともに、前記報知手段との間の接続状態に前記エラー報知を実行不可能とする異常を生ずると、前記エラー状態が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載の遊技機システム。
【請求項3】
前記エラー報知の代行を、前記報知エラー信号を出力した遊技機に隣接して設置される遊技機が優先して行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機システム。
【請求項4】
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記報知エラー信号出力手段は、前記遊技機システムを構成する他の遊技機に前記報知エラー信号を出力し、
前記遊技機システムを構成する各遊技機は、前記報知エラー信号を受信したときに、前記エラー報知の代行の可否判断を行う代行可否判断手段を備えるとともに、該代行可否判断手段が肯定判断したときに、前記エラー報知を代行し、該代行可否判断手段が否定判断したときに、前記報知エラー信号を前記遊技機システムを構成する更に他の遊技機に出力することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機システム。
【請求項5】
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記代行可否判断手段は、当該遊技機において遊技がされていないとき、若しくは、特別遊技状態でないときに肯定判断を行うことを特徴とする請求項4に記載の遊技機システム。
【請求項6】
前記遊技機システムは、前記複数台の遊技機が接続された外部制御装置を備え、
前記遊技機システムを構成する各遊技機の前記報知エラー信号出力手段は、前記外部制御装置に前記報知エラー信号を出力し、
該外部制御装置は前記報知エラー信号を受信すると、前記報知エラー信号を出力した遊技機とは異なる遊技機の報知手段によって前記エラー報知を代行させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機システム。
【請求項7】
エラー状態が発生したと判断すると所定の報知手段にエラー報知を実行させるエラー報知実行手段と、
前記エラー報知が正常に実行可能か否かを判断するエラー報知判断手段と、
前記エラー報知判断手段が否定判断したときに、外部に報知エラー信号を出力する報知エラー信号出力手段と、
前記エラー報知実行手段と前記エラー報知判断手段と前記報知エラー信号出力手段とを具備する他の遊技機との通信を行うための通信手段と、
前記他の遊技機が出力した前記報知エラー信号を受信すると、前記エラー報知の代行の可否判断を行う代行可否判断手段と、を備え、
前記代行可否判断手段が肯定判断したときに、前記他の遊技機から受信した前記報知エラー信号に係るエラー報知を代行することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−297294(P2009−297294A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155710(P2008−155710)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】