説明

運転支援システム

【課題】多数の地域の最新の環境情報を取得することができると共に、ユーザーに知らせることができるようにする。
【解決手段】運転支援システム1は環境情報配信センター2と車載装置3とを備えて構成されている。前記環境情報配信センター2は、多数の地域での最新の環境情報が記憶されている。車載装置3は、制御回路8、表示装置11、送受信機16を備え、制御回路8は環境情報配信センター2から入手した前記環境情報を表示装置11に表示し、また環境情報に応じてルート探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境情報を考慮して運転を支援することが可能な運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境情報例えば大気汚染情報を考慮したルート探索を行う技術として、特許文献1に記載の技術がある。このものでは、車載装置が備えたセンサにより大気汚染情報を取得し、車両用空調制御装置の運転を車内空気循環運転としたり、外気導入運転としたりするようにしている。
【特許文献1】特開2002−211231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来のものでは、車両が備えたセンサにより大気汚染情報を集める必要があり、未走行エリアを走行する場合では役立たなかったり、前回の走行から日数が経過していると大気汚染情報が古くて情報として役立たないなどの問題がある。また、上記従来のものでは、前記大気汚染情報を車内空気循環運転と外気導入運転との切り替えや、車間距離案内、車線変更などの制御に主眼がおかれており、大気汚染情報をリアルタイムで知ることができるが、目的地を設定してルート探索を行う場合にはルート上やルート周辺の大気汚染情報を考慮したルート探索ができないといった不具合があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、多数の地域の最新の環境情報を取得することができると共に、ユーザーに知らせることができ、もって、最新の環境情報に基づいて適正な車両走行ルートの判断やルート探索を行うことが可能となる運転支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明によれば、車載装置が、多数地域の環境情報を収集して常時新しい環境情報を保有する情報センターと通信が可能であって、そして、通信手段を介して前記情報センターから入手した前記環境情報を、表示制御手段により表示手段に表示するようにしたから、多数の地域の最新の環境情報を取得することができると共に、ユーザーに知らせることができ、もって、最新の環境情報に基づいて適正な車両走行ルートの判断やルート探索を行うことが可能となる。
【0006】
この場合、前記車載装置は、さらに、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、前記表示制御手段が、自車位置検出手段により検出した自車位置を基点とした所定範囲の地域領域の環境情報を表示手段に表示するようにしても良い(請求項2の発明)。このようにすると、走行時において自車位置周辺やさらに遠くの最新の環境情報を参考にしながら走行できる。
【0007】
また、前記車載装置は、さらに、目的地までのルートを探索するルート探索手段を備え、前記ルート探索手段は、前記通信手段を介して前記情報センターから入手した前記環境情報を考慮して目的地までのルートを探索し、前記表示制御手段は、自車位置を基点とした該ルート上あるいはその周辺の地域領域の環境情報を表示手段に表示するようにしても良い(請求項3の発明)。
【0008】
このようにすると、環境情報を考慮したルート探索を行うことができ、しかも該ルート上あるいはその周辺の環境情報も確認することができる。
また、この場合、ルート探索条件として、距離優先や時間優先などの主条件と、各主条件に付加され環境情報に応じて前記各主条件の距離延長許容度や時間延長許容度などの許容度を示す付加条件とが設定可能で、前記車載装置は、さらに、前記主条件を選択する条件選択手段を備え、前記ルート探索手段は、最初に前記条件選択手段により選択された主条件に基づいてルートを探索し、次に環境情報と該主条件に付加された付加条件の範囲内で該ルートを再探索するようにしても良い(請求項4の発明)。
【0009】
このようにすると、距離優先や時間優先などの主条件でルート探索できると共に、許容度を示す付加条件の範囲で該主条件を維持しながら環境情報に基づいてルートを探索でき、実用上便利である。
【0010】
また、車載装置は、さらに、ユーザーにより操作される許可入力手段を備え、前記ルート探索手段は、環境情報に変化があったときには、ルートを探索しなおし、前記表示制御手段は該探索しなおしたルートを前記表示手段に表示し、前記許可入力手段により許可入力がなされたときに該探索しなおしたルートでルート案内を実行するようにしても良い(請求項5の発明)。
【0011】
このようにすると、環境情報に変化があったときには、ユーザーの意思を確認して、環境情報変化に応じて再探索したルートで案内することができる。
また、前記環境情報の入手タイミングは、ルート探索開始時、所定距離走行時、ユーザー希望時、前記情報センターでデータ更新された時としても良い(請求項6の発明)。このようにすると、ルート探索開始時、所定距離走行時、ユーザー希望時、前記情報センターでデータ更新された時に常に新しい環境情報を得ることができる。
【0012】
また、前記車載装置は、さらに、車内空気循環運転及び外気導入運転を択一的に実行可能な空調制御装置と、該空調制御機器を制御する機器制御手段とを備え、前記機器制御手段は前記環境情報の環境レベルが低い時には、前記空調制御装置の車内空気循環運転を実行し、前記環境情報の環境レベルが高いときには外気導入運転を実行するようにしても良い(請求項7の発明)。
【0013】
このようにすると、環境情報の環境レベルに応じて車内空気循環運転及び外気導入運転を適正に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図8を参照しながら説明する。
図1は、運転支援システムの構成を示している。この図1に示すように、この運転支援システム1は情報センターたる環境情報配信センター2と、ナビゲーション機能を備えた車載装置3とを備えて構成されている。
【0015】
前記環境情報配信センター2は、広域に多数設けられた基地局4及び携帯電話通信網などの広域通信網を介して車載装置3と通信可能である。この環境情報配信センター2は、前記基地局4と通信するための通信部5、制御部6、環境情報データベース7a、配信履歴データベース7bを記憶した記憶部7を備えて構成されている。配信履歴データベースには、車両個々に対する配信履歴を記憶している。
【0016】
この環境情報配信センター2には、広域通信網を介して多数の地域で観測された環境情報(排気ガス情報や、黄砂情報など)がアップロードされており、この環境情報としては、図6に示すように、汚染種と、汚染レベルと、汚染中心座標と、半径(範囲)と、データ作成時刻と、データ有効時間などが記憶されている。
【0017】
前記環境情報レベルとしての汚染レベルとしては例えば5段階に区分されており、例えば汚染レベル2超を非爽快レベルとして車内空気(以下内気と称する)循環運転を奨励し、汚染レベル2以下を爽快レベルとして外気導入運転を奨励する。
【0018】
前記車載装置3は、制御回路8を備え、当該制御回路8に対して、位置検出器9、地図データ入力部10、表示装置11、操作スイッチ群12、音声入出力回路13、リモコンセンサ14、記憶装置15、送受信機16などを接続して構成されている。
【0019】
制御回路8は、CPU(図示せず)やメモリ(RAMやROM)などを備えており、表示制御手段、ルート探索手段、機器制御手段として機能する。制御回路8のメモリにはナビゲーション用のプログラムなどが記憶され、当該プログラムのほか、プログラム実行時の処理データや地図データ入力部10から取得した道路地図データ(道路情報)などが一時的に格納されるようになっている。
【0020】
位置検出器9は、自車位置検出手段に相当し、例えば、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からのGPS信号を受信するGPS受信機18、ヨーレート(角速度)を検出するためのジャイロスコープ(角速度センサ)19、車両の相対速度を検出するための車速センサ20を備えて構成されており、自車位置を検出できるものである。
【0021】
尚、位置検出器9としては、その検出精度等に応じて、互いに直交する3軸方向の加速度を検出するための加速度センサや、車両のピッチング方向の傾斜角を検出するための傾斜センサを前述構成要素の一部に代えて適用しても良いし、付加して構成することもある。位置検出器9は、これらの構成要素の検出信号を補間しながら高精度に位置検出するようになっている。また制御回路8は、この位置検出要素18〜20によって常に車両の進行方向の算出を行うことができる。
【0022】
地図データ入力部10は、CD−ROMやDVD−ROMあるいはハードディスクドライブ、不揮発性の半導体メモリなどのような大容量の情報記憶媒体を利用して地図データ(地図情報)を入力するための装置である。この地図データとしては、地図表示のための地図描画用データ、マップマッチングやルート(経路)探索、ルート誘導などの種々の処理に必要な道路データ、交差点の詳細データからなる交差点データ、背景レイヤを表示するための背景データ、地名、地域などの地点を表示するための地名データのほかに、施設名称を例えば50音順に並べた施設名称データ、電話番号と施設との対応を示す電話番号データ、高速道路等のサービスエリア、パーキングエリア、駐車場等の地点データなど、地図に対応したデータを対象としている。
【0023】
前記表示装置11は、表示手段に相当し、地図画面などを表示するための例えばカラー液晶ディスプレイ等により構成されており、車両の運転席近傍に設置される。この表示装置11の画面には、通常時において縮尺を複数段階に変更可能な道路地図が表示されると共に、その表示に重ね合わせて車両の現在位置および進行方向を示すポインタが表示されるようになっている。
【0024】
また、目的地までの最適なルートを設定するための計算は周知のダイクストラ法等により行われる。このとき、目的地までのルート計算結果に基づいて行われるルート案内機能の実行時には、道路地図に重ね合わせた状態で進むべき案内ルートが表示装置11の画面に表示されるようになっている。さらにユーザー(一般には車両の運転者)による目的地や経由地などの地点検索およびこの地点を入力するための各種のメニュー画面および入力画面、並びに各種のメッセージ、インフォメーションやヘルプ画面なども表示されるようになっている。
【0025】
操作スイッチ群12は、表示装置11の周辺に配設されたメカニカルスイッチや、当該表示装置11の表示画面上に形成されたタッチパネルなどからなり、各種データや設定事項などの操作に係るコマンド等を制御回路8に与えるために設けられている。
【0026】
音声入出力回路13は、音声合成回路等を備え、スピーカ21およびマイク22を接続しており、制御回路8からの音声情報に応じた音声出力を発生してスピーカ21に出力したり、マイク22からの音声情報を入力する構成となっている。該マイク22からの音声情報には、制御回路8に対してユーザーが指令を入力するための音声情報が含まれており、前記音声入出力回路13は、該指令を認識して制御回路8に与える構成とあっている。
【0027】
リモコンセンサ14は、リモコン23からの操作信号を受信して制御回路8に与えるようになっている。
前記操作スイッチ群12、リモコン23、マイク22などはユーザーの入力手段として機能するものであり、条件選択手段、許可入力手段、環境情報を自動的に取得するための自動アクセス入力手段として機能する。
【0028】
前記記憶装置15は、ハードディスクドライブなどの大容量記憶装置から構成されており、前記環境情報配信センター2からダウンロードした環境情報などを一時記憶したり、走行履歴を記憶したりする。
【0029】
送受信機16は、通信手段に相当し、前記環境情報配信センター2と広域通信網を介して通信するための送受信機である。
さらに前記制御回路8は、車内LAN24を介して空調制御装置25を制御可能となっている。この空調制御装置25は、車内空気循環運転と外気導入運転とを切り替えて行い得るようになっている。
【0030】
前記制御回路8における表示制御手段及びルート探索手段の機能などについて図2及び図3を参照して説明する。図2には、目的地設定が無い(ルートガイドがなされていない)状態において車両が走行している状態を示している。車載装置3においては、ステップS1で、自動アクセス入力手段により自動アクセスモード(環境情報を自動アクセスするモード)となっているか否かを判定し、なっていなければステップS2で自動アクセス入力手段により自動アクセスに切替操作がなされたか否かを判断する。
【0031】
上記ステップS1あるいはステップS2で「YES」の時には、ステップS3で、前記位置検出器9で検出した自車位置情報と環境情報要求とを環境情報配信センター2に送信する。環境情報配信センター2では、車載装置3から前記環境情報要求があると、ステップT1で示すように、自車位置を基点として所定範囲(例えば半径10kmの範囲)の地域領域の環境情報(環境レベルに相当する前記汚染レベルを含む)を応答する。
【0032】
車載装置3では、上記環境情報を受け取ると、ステップS4に示すように、自車位置周辺(前述の半径10kmの範囲)の汚染レベルを表示装置11に表示する(図7参照)。この場合、汚染レベルは5段階で環境情報配信センター2から提供されるが、車載装置3では、この5段階を前述した「爽快」、「非爽快」で表示する。さらにステップS5では、この汚染レベルをスピーカ21から音声により案内し、内気循環及び外気導入のいずれを推奨するかを案内する。
【0033】
さらにステップS6では、ユーザーが該案内に対する応答操作(音声による応答入力、あるいはスイッチによる応答操作)に応じて、空調制御装置25の内気循環及び外気導入のいずれかを切替制御する。
【0034】
次に図3においては、目的地設定が有る場合を示している。車載装置3においては、ステップS11で、音声入力やスイッチ操作(条件選択手段による選択操作)に応じてルート探索条件を設定する。この場合、ルート探索条件として、図4に示すように、主条件と、各主条件に付加される付加条件とがある。主条件としては、時間優先や、距離優先、走行距離優先、有料道路料金優先、消費燃料優先などがあり、そして、付加条件は、環境情報の環境レベルが低い時に有効化されるものであり、時間延長許容度(例えば0.5時間)、距離延長許容度(例えば10km)、料金増加許容度(例えば500円)、消費燃料増加許容度(例えば2リットル)などがある。
【0035】
ステップS12では、ステップS11で設定された主条件でルート探索を実施する。この場合環境情報は考慮しない。
ステップS13では、自動アクセスモードとなっているか否かを判定し、なっていなければステップS14で自動アクセス入力手段により自動アクセスに切替操作がなされたか否かを判断する。
【0036】
上記ステップS13あるいはステップS14で「YES」の時には、ステップS16で、ルート探索結果と環境情報要求とを環境情報配信センター2に送信する。
すると、上記環境情報要求を受信した環境情報配信センター2では、ステップT11に示すように、ルート上とその周辺の環境情報の配信準備を実行し、そして、ステップT12に示すように、ルート上とその周辺の環境情報を車載装置3に送信する。
【0037】
車載装置3では、ステップS17に示すように、環境情報配信センター2から提供された環境情報を考慮してルート探索を再度行う。この場合、ステップS12で探索したルート上及びその周辺に、汚染度レベル「爽快」、「非爽快」があった場合に、前記「非爽快」を通ったとしても、前記付加条件の許容度を超えたときには、該「非爽快」を通るルートを選択することになる。
【0038】
この後、ステップS18に示すようにルート上とその周辺の汚染レベルを表示装置11に表示する(図8参照)。
この後、ステップS19に示すように、ルート案内機能によりルート案内を実行する。この場合、上記汚染レベルを音声案内し、内気循環/外気導入の切替推奨案内をし、ユーザーからの音声要求あるいは操作に応じて内気循環/外気導入を切り替える。
【0039】
このルート案内時において、ステップS20に示すように、所定のタイミング例えば所定走行距離、ユーザー希望時などに自車位置情報と環境情報要求とを環境情報配信センター2に送信する。
【0040】
環境情報配信センター2では、ステップT13に示すように、ルート上とその周辺の環境情報の配信準備を実行し、そして、ステップT14に示すように、ルート上とその周辺の環境情報を車載装置3に送信する。このほか、環境情報配信センター2では、該環境情報配信センター2のデータ更新時などのタイミングでも環境情報を車載装置3に送信するようにしている。
【0041】
車載装置3ではステップS21に示すように、環境情報が変化(汚染エリア又はレベルが変化)したか否かを判断し、変化が有れば、ステップS22に示すように、再度ルート探索を実行する。この場合図5に示すように、主条件はそのまま踏襲し、付加条件は、先のルート探索時での環境情報で換算した時の例えば半分の許容度に設定し、この条件でルート探索を再度行うものである。
【0042】
そして、次のステップS23に示すように、再探索したルート案を提示(表示及び音声報知)を行なうと共に、該ルート案結果(主条件の変動の差(図5参照))を提示する。例えば、時間優先の場合には「プラスマイナス15分です」といった案内を提示する。
【0043】
この後、次のステップS24に示すように、前記許可入力手段により許可入力がなされたか(ユーザーが該探索しなおしたルートを受け入れたか)否かを判断し、許可入力がなされたときにはステップS25に示すように、ルート案内機能によりルート案内を実行する。この場合、上記汚染レベルを音声案内し、内気循環/外気導入の切替推奨案内をし、ユーザーからの音声要求あるいは操作に応じて内気循環/外気導入を切り替える。
【0044】
そして、この後ステップS26に示すようにルート案内終了を判断し、終了していなければ、ステップS20に戻る。
このような本実施例によれば、車載装置3が、多数地域の環境情報を収集して常時新しい環境情報を保有する環境情報配信センター2と通信が可能であって、そして、送受信機16を介して前記環境情報配信センター2から入手した環境情報を、表示制御手段として機能する制御回路8により表示装置11に表示するようにしたから、多数の地域の最新の環境情報を取得することができると共に、ユーザーに知らせることができ、もって、最新の環境情報に基づいて適正な車両走行ルートの判断やルート探索を行うことが可能となる。
【0045】
さらに本実施例によれば、前記車載装置3が、さらに、自車位置を検出する位置検出器9を備え、制御回路8における表示制御手段が、前記検出した自車位置を基点とした所定範囲の地域領域の環境情報を表示装置11に表示するようにしたから、走行時において自車位置周辺やさらに遠くの最新の環境情報を参考にしながら走行できる。
【0046】
また、本実施例によれば、前記車載装置3が、さらに、目的地までのルートを探索するルート探索手段(制御回路8がその機能を有する)を備え、該ルート探索手段は、前記送受信機16を介して前記環境情報配信センター2から入手した環境情報を考慮して目的地までのルートを探索し、制御回路8が有する表示制御手段が、自車位置を基点とした該ルート上あるいはその周辺の地域領域の環境情報を表示装置11に表示するようにしたから、環境情報を考慮したルート探索を行うことができ、しかも該ルート上あるいはその周辺の環境情報も確認することができる。
【0047】
さらに本実施例によれば、ルート探索条件として、距離優先や時間優先などの主条件と、各主条件に付加され環境情報に応じて前記各主条件の距離延長許容度や時間延長許容度などの許容度を示す付加条件とが設定可能で、前記車載装置3が、さらに、前記主条件を選択する条件選択手段を備え、前記ルート探索手段が、最初に前記条件選択手段により選択された主条件に基づいてルートを探索し、次に環境情報と該主条件に付加された付加条件の範囲内で該ルートを再探索するようにしたから、距離優先や時間優先などの主条件でルート探索できると共に、許容度を示す付加条件の範囲で該主条件を維持しながら環境情報に基づいてルートを探索でき、実用上便利である。
【0048】
また、本実施例によれば、車載装置3が、さらに、ユーザーにより操作される許可入力手段を備え、前記ルート探索手段は、環境情報に変化があったときには、ルートを探索しなおし、前記制御回路8における表示制御手段が該探索しなおしたルートを前記表示装置11に表示し、前記許可入力手段により許可入力がなされたときに該探索しなおしたルートでルート案内を実行するようにしたから、環境情報に変化があったときには、ユーザーの意思を確認して、環境情報変化に応じて再探索したルートで案内することができる。
【0049】
また、本実施例によれば、環境情報の入手タイミングを、ルート探索開始時、所定距離走行時、ユーザー希望時、前記環境情報配信センター2でデータ更新された時としたから、常に新しい環境情報を得ることができる。
【0050】
また、本実施例によれば、前記車載装置3が、さらに、車内空気循環運転及び外気導入運転を択一的に実行可能な空調制御装置25と、該空調制御機器25を制御する機器制御手段(制御回路8がその機能を有する)とを備え、前記機器制御手段は環境情報の環境レベルが低い時には、前記空調制御装置25の車内空気循環運転を実行し、前記環境情報の環境レベルが高いときには外気導入運転を実行するようにしたから、環境情報の環境レベルに応じて車内空気循環運転及び外気導入運転を適正に実行することができる。
【0051】
本発明は、上述した第1の実施例に限定されるものではなく、次のように変更して実施しても良い。本発明の第2の実施例として示す図9のように、自車位置のごく近傍の環境情報を表示するようにしても良い。また、前記主条件としては、時間優先、走行距離優先、有料道路料金優先、消費燃料優先に限られず、国道優先や、道幅優先などでも良い。また、情報センターは、環境情報が更新されたときには、その情報を逐次各車両に配信するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施例を示す運転支援システムの概略構成図
【図2】目的地設定無しの場合の制御内容を示すフローチャート
【図3】目的地設定有りの場合の制御内容を示すフローチャート
【図4】主条件及び付加条件を説明するための図
【図5】ルート再探索のときの主条件及び付加条件を説明するため、及びルート案の提示内容を説明するための図
【図6】環境情報データベースを説明するための図
【図7】目的地設定無しの場合の環境情報表示例を示す図
【図8】目的地設定有りの場合の環境情報表示例を示す図
【図9】本発明の第2の実施例を示す図7相当図
【符号の説明】
【0053】
図面中、1は運転支援システム、2は環境情報配信センター(情報センター)、3は車載装置、8は制御回路(表示制御手段、ルート探索手段、機器制御手段)、9は位置検出器(自車位置検出手段)、11は表示装置(表示手段)、12は操作スイッチ群(条件選択手段、許可入力手段)、16は送受信機(通信手段)、22はマイク(条件選択手段、許可入力手段)、23はリモコン(条件選択手段、許可入力手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数地域の環境情報を収集して常時新しい環境情報を保有する情報センターと通信が可能な車載装置を備えた運転支援システムであって、
前記車載装置は、
前記情報センターと無線通信する通信手段と、
表示手段と、
前記通信手段を介して前記情報センターから入手した前記環境情報を前記表示手段に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
前記車載装置は、さらに、
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記自車位置検出手段により検出した自車位置を基点とした所定範囲の地域領域の環境情報を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記車載装置は、さらに、
目的地までのルートを探索するルート探索手段を備え、
前記ルート探索手段は、前記通信手段を介して前記情報センターから入手した前記環境情報を考慮して目的地までのルートを探索し、
前記表示制御手段は、自車位置を基点とした該ルート上あるいはその周辺の地域領域の環境情報を前記表示手段に表示させすることを特徴とする請求項2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
ルート探索条件として、距離優先や時間優先などの主条件と、各主条件に付加され環境情報に応じて前記各主条件の距離延長許容度や時間延長許容度などの許容度を示す付加条件とが設定可能で、
前記車載装置は、さらに、
前記主条件を選択する条件選択手段を備え、
前記ルート探索手段は、最初に前記条件選択手段により選択された主条件に基づいてルートを探索し、次に環境情報と該主条件に付加された付加条件の範囲内で該ルートを再探索することを特徴とする請求項3に記載の運転支援システム。
【請求項5】
車載装置は、さらに、ユーザーにより操作される許可入力手段を備え、
前記ルート探索手段は、環境情報に変化があったときには、ルートを探索しなおし、前記表示制御手段は該探索しなおしたルートを前記表示手段に表示し、前記許可入力手段により許可入力がなされたときに該探索しなおしたルートでルート案内を実行することを特徴とする請求項4に記載の運転支援システム。
【請求項6】
前記環境情報の入手タイミングは、ルート探索開始時、所定距離走行時、ユーザー希望時、前記情報センターでデータ更新された時であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の運転支援システム。
【請求項7】
前記車載装置は、さらに、
車内空気循環運転及び外気導入運転を択一的に実行可能な空調制御装置と、
該空調制御機器を制御する機器制御手段とを備え、
前記機器制御手段は前記環境情報の環境レベルが低い時には、前記空調制御装置の車内空気循環運転を実行し、前記環境情報の環境レベルが高いときには外気導入運転を実行することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の運転支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−229397(P2009−229397A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78096(P2008−78096)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】