説明

電子部品の実装構造、及び電子部品の実装方法

【課題】アウトガスによる影響を防止することで電子部品の特性の低下を防止できる、電子部品の実装構造、及び電子部品の実装方法を提供する。
【解決手段】内壁面に接続電極33,34が設けられた貫通孔31aを有する基材31と、所定の機能を有する機能片及び機能片に電気的に接続されるバンプ電極14を有するとともに基材31に実装される電子部品と、を備えた電子部品の実装構造である。基材31は、貫通孔31a内に金属或いは合金からなる導電部材15が埋め込まれており、電子部品は、バンプ電極14が貫通孔31aの一方側を塞ぐとともに導電部材15に当接するように基材31に実装され、バンプ電極14及び接続電極33,34が少なくとも導電部材15を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装構造、及び電子部品の実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子等の機能片を含む電子部品は、水晶振動子に設けられた励振電極と水晶振動子を駆動する駆動回路に接続するための接続電極がハンダ等の導電ペーストにより導電接触した状態で固定される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような導電ペーストを用いた場合、例えば落下衝撃などの衝撃が加わった際、水晶振動子と接続電極との接続部が破損するおそれがあり、接続信頼性を低下させる要因となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−261360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、弾性を有するコア部と、コア部の表面に設けられた導電膜と、から構成されるバンプ電極を上記励振電極に設け、接着材を介してバンプ電極と接続電極とを導電接触させる構造も考えられる。しかしながら、このようなバンプ電極を採用する場合においては、接着材から発生したアウトガスによって水晶振動子の振動特性が変化してしまい、信頼性を低下させる可能性がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、アウトガスによる影響を防止することで電子部品の特性の低下を防止できる、電子部品の実装構造、及び電子部品の実装方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電子部品の実装構造は、内壁面に接続電極が設けられた貫通孔を有する基材と、所定の機能を有する機能片及び該機能片に電気的に接続されるバンプ電極を有するとともに前記基材に実装される電子部品と、を備え、前記基材は、前記貫通孔内に金属或いは合金からなる導電部材が埋め込まれており、前記電子部品は、前記バンプ電極が前記貫通孔の一方側を塞ぐとともに前記導電部材に当接するように前記基材に実装され、前記バンプ電極及び前記接続電極が少なくとも前記導電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の電子部品の実装構造によれば、導電部材により接続電極とバンプ電極とが電気的機械的に接続されたものとなる。これにより、接着剤等の樹脂を用いることなく電子部品を基材上に実装することができ、樹脂からのアウトガスの発生が防止される。よって、アウトガスに起因する電子部品の特性の低下を防止することができる。また、電子部品がバンプ電極を介して実装されるので、外部からの衝撃による電気的接続部への付加が低減され、優れた導通信頼性を得ることができる。
【0009】
また、上記電子部品の実装構造においては、前記機能片が、水晶片であるのが好ましい。
本発明は、水晶片を備えた水晶振動子を構成することができる。よって、上述のようにアウトガスによる水晶振動子の振動特性の劣化が防止されるとともに高い導通信頼性を備えた水晶振動子を提供できる。
【0010】
また、上記電子部品の実装構造においては、前記接続電極が前記バンプ電極に当接しているのが好ましい。
この構成によれば、接続電極とバンプ電極とが直接接触することで導通信頼性を向上させることができる。
【0011】
また、上記電子部品の実装構造においては、前記接続電極は、前記貫通孔内から前記基材における前記電子部品の実装面と反対面側に引き出されているのが好ましい。
この構成によれば、電子部品の実装面と反対面側に引き出された接続電極を、実装構造を搭載する外部基板に対する実装用端子として用いることができる。
【0012】
また、上記電子部品の実装構造においては、前記バンプ電極は、前記貫通孔に対応する平面形状を有しており、前記電子部品は、前記バンプ電極が前記貫通孔に嵌合した状態で前記基材に実装されているのが好ましい。
この構成によれば、バンプ電極が貫通孔に嵌合することで電子部品と基材とが接近した状態となる。よって、実装構造の厚みを薄くすることができ、実装構造を小型化できる。また、バンプ電極が貫通孔に嵌合するため、実装時における基材と電子部品との位置合わせを容易に行うことができる。
【0013】
また、上記電子部品の実装構造においては、前記バンプ電極は、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有しており、前記電子部品は、前記コア部が弾性変形した状態で前記基材に実装されているのが好ましい。
この構成によれば、コア部が弾性変形することでバンプ電極が貫通孔内に良好に入り込んだ状態となる。よって、コア部の表面に設けられた導電膜と導電部材との接触面積が向上し、優れた導通信頼性を得ることができる。
【0014】
本発明の電子部品の実装方法は、内壁面に接続電極が設けられた貫通孔を有する基材に、所定の機能を有する機能片及び該機能片に電気的に接続されるバンプ電極を有する電子部品を実装する電子部品の実装方法であって、前記貫通孔の一方側を前記バンプ電極で塞ぐように前記基材に前記電子部品を配置する工程と、前記バンプ電極が前記貫通孔を塞いだ状態で、前記基材の他方面側から当該貫通孔内に金属或いは合金からなる導電部材を埋め込むことで当該導電部材を介して前記接続電極と前記バンプ電極とを電気的に接続させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の電子部品の実装方法によれば、導電部材により接続電極とバンプ電極とが電気的機械的に接続されるので、接着剤等の樹脂を用いることなく電子部品を基材上に実装することができ、樹脂からのアウトガスの発生を防止することができる。よって、アウトガスに起因する特性の低下が防止された電子部品の実装構造を提供できる。
【0016】
また、上記電子部品の実装方法によれば、前記バンプ電極は、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有しており、前記電子部品を前記基材に押圧した状態で前記接続電極と前記バンプ電極とを電気的に接続させるのが好ましい。
この構成によれば、コア部が弾性変形することでバンプ電極が貫通孔内に良好に入り込んだ状態となる。よって、コア部の表面に設けられた導電膜と導電部材との接触面積が向上し、優れた導通信頼性を得ることができる。
【0017】
また、上記電子部品の実装方法によれば、前記貫通孔に対応する平面形状を有する前記バンプ電極を当該貫通孔に嵌合させることで前記基材上に前記電子部品を配置するのが好ましい。
この構成によれば、バンプ電極が貫通孔に嵌合することで電子部品と基材とが接近した状態となるので、実装構造を小型化できる。また、バンプ電極を貫通孔に嵌合させることで電子部品と基材との位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
また、上記電子部品の実装方法によれば、前記基材の他方面側から前記貫通孔内を観察しつつ、前記基材への前記電子部品の配置を行うのが好ましい。
この構成によれば、前記基材の他方面側から前記貫通孔内を観察することでバンプ電極と貫通孔との位置合わせが容易となる。よって、基材に対する電子部品の位置合わせを簡便且つ確実に行うことができる。
【0019】
また、上記電子部品の実装方法によれば、無電解めっき法を用いて前記導電部材を形成するのが好ましい。
この構成によれば、無電解めっき法を用いることで導電部材を簡便且つ確実に形成できる。
【0020】
また、上記電子部品の実装方法によれば、前記電子部品を保持するとともに前記機能片を密閉した状態で前記基材に当接可能な治具を用い、前記電子部品の配置工程を行うのが好ましい。
このようにすれば、治具に保持された基材ごと無電解めっき浴に浸漬した場合でも、機能片に無電解めっき液が付着するのを防止することができる。よって、無電解めっき法によるプロセスを簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】水晶振動子パッケージの平面構成を示す図である。
【図2】図1のA−A´線矢視による断面構成を示す図である。
【図3】図1のB−B´線矢視による断面構成を示す図である。
【図4】水晶振動子を下方から視た図である。
【図5】水晶振動子の実装方法を説明するための図である。
【図6】電子デバイスの概略構成図である。
【図7】変形例に係る水晶振動子パッケージの概略構成を示す図である。
【図8】変形例に係る水晶振動子パッケージの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0023】
図1は本発明に係る電子部品の実装構造を適用した水晶振動子パッケージを示す図である。図1に水晶振動子パッケージの平面構成を示す図であり、図2は図1のA−A´線矢視による断面構成図、図3は図1のB−B´線矢視による断面構成図、図4は水晶振動子を下方から視た図である。
【0024】
水晶振動子パッケージ(電子部品の実装構造)2は、図1乃至3に示すように、水晶振動子(電子部品)1と、水晶振動子1を封止する容器3と、を備えている。水晶振動子1は、水晶片(機能片)11と、水晶片11を励振する一対の励振電極12、13と、バンプ電極14とを備えている。
【0025】
容器3は、詳細については後述するように水晶振動子1との電気的接続に用いられる接続電極33、34と、回路基板(図示略)などに実装する際の端子電極35、36が形成されている。
【0026】
水晶片11は、平面視でほぼU字状であって、基部21から2つの腕部22、23が同一方向に並列して延びる音叉型の平面形状を有する板状部材である。
励振電極12、13は、水晶片11の両面の腕部22に形成されている。また、励振電極12、13は、基部21から腕部22、23に亘って形成される引き回し配線層27,28を介して、基部21に設けられるバンプ電極14に接続されている。また、引き回し配線層27,28は、水晶片11の側面を経て該水晶片11の他方面側(上面側)に引き回されている(図1では省略)。これにより、励振電極12、13は、水晶片11を挟んで互いが対向するように配置されたものとなっている(図2参照)。
【0027】
励振電極12、13および引き回し配線層27,28は、例えばAl(アルミニウム)やAu(金)などの導電材料で形成されている。また、励振電極12、13および引き回し配線層27,28は、スパッタ法によって形成したAu/Cr層をパターニングすることで形成された導電膜25により覆われている。
上記バンプ電極14は、突起状の樹脂コア部(コア部)24と、樹脂コア部24の表面に形成された上記導電膜25とを備えている。すなわち、バンプ電極14は、励振電極12、13および引き回し配線層27,28と電気的に接続されたものとなっている。
【0028】
樹脂コア部24は、例えばフォトリソグラフィ技術やエッチング技術によって樹脂材料をパターニングした後、樹脂パターンを融解または熱収縮させることで断面形状が略半円状または台形形状とされている。樹脂コア部24は、例えばポリイミド樹脂やアクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの感光性絶縁樹脂や熱硬化性絶縁樹脂から構成されている(本実施形態では、エポキシ樹脂から構成されている)。
【0029】
なお、導電膜25は、例えばAu(金)、TiW(チタン/タングステン)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti、W、NiV(ニッケル/バナジウム)、Al、Pd(パラジウム)、鉛フリーハンダなどの金属や合金、これらの単層、或いは複数種を積層したもので形成してもよい。
【0030】
上記容器3は、容器本体(基材)31と、容器本体31を覆う蓋体32とを備えている。
容器本体31は、例えばセラミックスなどの絶縁材料で形成されている。そして、容器本体31には、貫通孔31aが形成されている。貫通孔31aの内壁面には、接続電極33、34が形成されている。接続電極33、34は、例えばNiめっき層上にAu膜を積層することで構成されている。接続電極33、34は、貫通孔31a内から容器本体31における水晶振動子1の実装面と反対面側に引き出されており、回路基板(図示略)等に実装する際の端子電極35に接続されている。すなわち、接続電極33、34が水晶振動子パッケージ2自体を回路基板等に実装する際の実装用端子として用いられている。
【0031】
蓋体32は、容器本体31と同様に、例えばセラミックスなどの絶縁材料で形成されている。そして、容器本体31は、蓋体32の開口部にロウ付けなどにより接合されており、容器本体31との間に形成される空間内に水晶振動子1を封止している。
【0032】
本実施形態に係る水晶振動子パッケージ2においては、水晶振動子1のバンプ電極14が貫通孔31aの一方側を塞ぐように配置されている。すなわち、バンプ電極14は貫通孔31a内に一部が入り込んだ状態となっており、接続電極33、34に当接している。このように接続電極33、34とバンプ電極14とが直接当接することで導通信頼性を向上させることができる。また、容器本体31に形成されている貫通孔31aには、金属或いは合金からなる導電部材15が埋め込まれており、この導電部材15が上記バンプ電極14に当接している。導電部材15としては、無電解めっきやAuナノペースト等により形成される(本実施形態では無電解めっきを用いた)。これにより、バンプ電極14は導電部材15を介して接続電極33、34に電気的に接続されたものとなっている。
【0033】
上述したように本実施形態に係る水晶振動子パッケージ2は、導電部材15を用いることでバンプ電極14と接続電極33、34との間の接触面積を実質的に拡大することで良好な導通状態を保持することができる。また、導電部材15はバンプ電極14を貫通孔31aに対して機械的に接続する機能も有している。よって、導電部材15は、バンプ電極14と貫通孔31a内に形成されている接続電極33、34とを電気的機械的に接続している。また、本実施形態では、接着剤などの樹脂材料を用いることなく、水晶振動子1が容器3に実装されるため、樹脂材料から発生するアウトガスが水晶振動子1(水晶片11)の振動特性を低下させるといった不具合が生じるのを防止できる。また、水晶振動子1は、弾性を有するバンプ電極14(樹脂コア部24)を介して実装されるので、外部からの衝撃による電気的接続部への付加が低減され、優れた導通信頼性を得ることができる。また、フォトリソグラフィ技術を用いることでバンプ電極14を微細な形状に形成することができ、パッケージの小型化することができる。
【0034】
次に、次に、水晶振動子1の実装方法について、図5を参照しつつ説明する。ここで、図5は、水晶振動子1の容器本体31への実装時における図3に対応するバンプ電極14の断面図である。
【0035】
まず、バンプ電極14と貫通孔31aとを対向させるように、水晶振動子1を容器本体31上に配置する。本実施形態では、図5(a)に示すように、治具50を用いて水晶振動子1を保持し、水晶振動子1を容器本体31に実装するようにしている。このように治具50を用いることで水晶振動子1を確実に保持することができ、容器本体31の所定の位置に高い精度で実装可能となる。治具50は、水晶振動子1を密閉した状態で保持可能となっている。
【0036】
具体的に水晶振動子1は、バンプ電極14により貫通孔31aの一方側(実装面側)を塞ぐように容器本体31に実装される。このとき、CCDカメラ等の撮像手段40を用い、容器本体31の裏面39(実装面と反対)側から貫通孔31a内を観察しつつ、容器本体31への水晶振動子1の配置を行う。このように貫通孔31a内を観察することでバンプ電極14と貫通孔31aとの位置合わせを容易に行うことができる。よって、容器本体31に対する水晶振動子1の位置合わせを簡便且つ確実に行うことができる。
【0037】
続いて、バンプ電極14が貫通孔31aの一方側を塞いだ状態で、容器本体31の裏面39側から貫通孔31a内に金属或いは合金からなる導電部材を埋め込むことで当該導電部材を介してバンプ電極14と接続電極33、34とを電気的に接続する導電部を形成する。本実施形態では、無電解めっき法を用いて導電部を形成した。
まず、図5(b)に示すように、Au無電解めっき液61aが貯留されたケース61内に、治具50を当接させた状態の容器本体31を浸漬する。このとき、治具50は容器本体31に密着した状態となっている。また、貫通孔31aはバンプ電極14により一方側が塞がれた状態となっているため、水晶振動子1がめっき液に曝されることが防止される。よって、図5(c)に示すように、貫通孔31a内にバンプ電極14に当接する無電解Auめっきからなる導電部材15を形成することができる。よって、導電部材15は、バンプ電極14と貫通孔31a内に形成されている接続電極33、34とを電気的機械的に接続することができる。このように無電解めっき法を用いることで導電部材15を簡便且つ確実に形成することができる。また、上記治具50により容器本体31をめっき液に浸漬することで導電部材15を形成できるので、導電部材15の製造プロセスを簡略化することができる。
【0038】
続いて、図5(d)に示すように、治具50を容器本体31から取り外す。その後、容器本体31と蓋体32とを接合して水晶振動子1を封止する。このようにして、水晶振動子パッケージ2が形成される。
【0039】
このようにして形成された水晶振動子パッケージ2は、上述のようにバンプ電極14と接続電極33、34との接合部において従来のように樹脂材料が用いられていないため、アウトガスが水晶振動子1(水晶片11)の振動特性を低下させることが防止され、信頼性の高いものとなる。
【0040】
続いて、上記水晶振動子パッケージ2が実装された電子デバイス100(例えば、携帯電話)について説明する。図6は電子デバイス100の概略構成図を示すものである。図6に示されるように、電子デバイス100は、回路基板101と、この回路基板101に実装される上記水晶振動子パッケージ2とを備えている。回路基板101には、水晶振動子パッケージ2を実装するための実装端子103、104が形成されている。
【0041】
回路基板101の実装端子103、104と、水晶振動子パッケージ2の端子電極35、36とがロウ材105を介して接合されている。ここで、水晶振動子パッケージ2は、図6に示すように、導電部材15が貫通孔31a内に凹状となるように設けられているため、ロウ材105を貫通孔31aによる凹部に入り込ませることでロウ材105の異常な濡れ広がりが防止され、セルフアライメント性を向上できる。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、バンプ電極14が貫通孔31aの開口面積よりも大きい場合について説明したが、貫通孔に対応する平面形状を有したバンプ電極を用いてもよい。すなわち、水晶振動子パッケージ2は、図7に示されるように、バンプ電極114を貫通孔131aに嵌合させた状態で容器本体31に実装される。この構成によれば、バンプ電極114が貫通孔131aに嵌合することで水晶振動子1と容器本体31とが接近した状態となる。よって、水晶振動子パッケージ2の厚みを薄くすることでパッケージを小型化できる。また、バンプ電極114が貫通孔113aに嵌合するため、実装時に容器本体31と水晶振動子1との位置合わせを容易に行うことができる。
【0043】
さらに、バンプ電極14及び貫通孔31aの平面形状を矩形形状、三角形形状、十字形状とするようにしてもよい。このようにすれば、貫通孔にバンプ電極が嵌合した際、水晶振動子が容器本体に対して動き難くなる。よって、水晶振動子1の実装時における容器本体に対する位置ズレを防止することができる。
【0044】
また、上記実施形態において、図8に示すようにバンプ電極14の樹脂コア部24を弾性変形させた状態でバンプ電極14と接続電極33、34とを接続させるようにしてもよい。この構成によれば、樹脂コア部24が弾性変形することで貫通孔31a内にバンプ電極14が良好に入り込んだ状態となる。よって、樹脂コア部24の表面に設けられた導電膜25と導電部材15との接触面積が向上し、優れた導通信頼性を得ることができる。
【0045】
また、樹脂コア部24は、弾性を有していれば、樹脂材料以外の他の材料で形成されてもよい。
また、本実施例では、水晶振動子としては音さ型のものを使用して説明してきたがこれに限ることはなく、ATカット振動子やSAW振動子等どの水晶振動子を使用しても構わない。また、水晶片を機能片として用いることで水晶振動子を構成しているが、他の圧電材料を用いて水晶振動子以外の他の電歪素子を構成してもよい。さらに、水晶振動子は、本実施例で説明してきたような、片持ち型の構造に限らず、面接続型、両持ち構造など他の構造であってもよい。
また、本実施例では容器に水晶振動子が実装される例で説明してきたが。容器ではなく、配線パターンが形成された基板に実装されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…水晶振動子(電子部品)、2…水晶振動子パッケージ(電子部品の実装構造)、11…水晶片(機能片)、14,114…バンプ電極、15…導電部材、24…樹脂コア部(コア部)、25…導電膜、31…容器本体(基材)、33,34…接続電極、50…治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁面に接続電極が設けられた貫通孔を有する基材と、所定の機能を有する機能片及び該機能片に電気的に接続されるバンプ電極を有するとともに前記基材に実装される電子部品と、を備え、
前記基材は、前記貫通孔内に金属或いは合金からなる導電部材が埋め込まれており、
前記電子部品は、前記バンプ電極が前記貫通孔の一方側を塞ぐとともに前記導電部材に当接するように前記基材に実装され、
前記バンプ電極及び前記接続電極が少なくとも前記導電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする電子部品の実装構造。
【請求項2】
前記機能片が、水晶片であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装構造。
【請求項3】
前記接続電極が前記バンプ電極に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品の実装構造。
【請求項4】
前記接続電極は、前記貫通孔内から前記基材における前記電子部品の実装面と反対面側に引き出されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品の実装構造。
【請求項5】
前記バンプ電極は、前記貫通孔に対応する平面形状を有しており、
前記電子部品は、前記バンプ電極が前記貫通孔に嵌合した状態で前記基材に実装されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子部品の実装構造。
【請求項6】
前記バンプ電極は、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有しており、
前記電子部品は、前記コア部が弾性変形した状態で前記基材に実装されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ電子部品の実装構造。
【請求項7】
内壁面に接続電極が設けられた貫通孔を有する基材に、所定の機能を有する機能片及び該機能片に電気的に接続されるバンプ電極を有する電子部品を実装する電子部品の実装方法であって、
前記貫通孔の一方側を前記バンプ電極で塞ぐように前記基材に前記電子部品を配置する工程と、
前記バンプ電極が前記貫通孔を塞いだ状態で、前記基材の他方面側から当該貫通孔内に金属或いは合金からなる導電部材を埋め込むことで当該導電部材を介して前記接続電極と前記バンプ電極とを電気的に接続させる工程と、
を備えることを特徴とする電子部品の実装方法。
【請求項8】
前記バンプ電極は、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有しており、前記電子部品を前記基材に押圧した状態で前記接続電極と前記バンプ電極とを電気的に接続させることを特徴とする請求項7に記載の電子部品の実装方法。
【請求項9】
前記貫通孔に対応する平面形状を有する前記バンプ電極を当該貫通孔に嵌合させることで前記基材上に前記電子部品を配置することを特徴とする請求項7又は8に記載の電子部品の実装方法。
【請求項10】
前記基材の他方面側から前記貫通孔内を観察しつつ、前記基材への前記電子部品の配置を行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
【請求項11】
無電解めっき法を用いて前記導電部材を形成することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
【請求項12】
前記電子部品を保持するとともに前記機能片を密閉した状態で前記基材に当接可能な治具を用い、前記電子部品の配置工程を行うことを特徴とする請求項11に記載の電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−187133(P2010−187133A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29089(P2009−29089)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】