説明

電気自動車用駆動装置

【課題】駆動装置に変速機構を設けることなく速度可変でありかつ高効率化を実現する。
【解決手段】アウタロータ型のロータ6とステータ8とを有するモータMにおいて、ステータをロータの軸線方向に移動可能にするアクチュエータ12を設け、ステータとロータとの対向磁極面を可変とする界磁可変型モータとする。そのロータと車輪WRとに固定変速比としたギア14a・14bをそれぞれ設けて両ギア間にチェーン15を掛けて、チェーン伝達機構を設ける。変速機による伝達損失がなく、高い伝達効率を確保し得ると共に、デューティ制御を行う場合のデューティ比が予め設定されたデューティ限度値に達したらステータおよびロータの距離を増大させて界磁を弱める制御を行う。モータの特性を高速型にすることができ、変速機構を用いた駆動装置と同等の可変速性能が可能となり、変速機構を設けることによる効率悪化を防止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを駆動源とする電気自動車用駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車として駆動装置に電動モータを用いた電動二輪自動車がある。その駆動装置として、例えばモータと車輪(減速機+駆動輪)との間に無段変速機を設け、モータの出力軸と減速機の入力軸とにそれぞれプーリを設け、両プーリ間にVベルトを巻き掛けたものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−221374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構造の駆動装置にあっては、変速機を設けていることから、モータ出力を低回転・高トルクから高回転・低トルクとして車輪に伝えることができる。しかしながら、上記したようにVベルトを使用したものでは、伝達効率が極めて悪く、内燃機関の代わりに電動モータを駆動源とした電気自動車に採用するには出力低下や消費電力が過大になるという問題があった。そこで、電気自動車(特に電動二輪自動車)にあっては、低回転になるほど高トルクとなるモータ特性を生かした変速機無しの1速固定型として伝達効率の悪化を防止することもできるが、変速機がないことから、モータ特性からみて運転に適した速度範囲が低速側か高速側に偏ってしまい、そのため変速機を用いた場合に比べて電動モータを効率よく使える速度範囲が狭くなるという問題がある。また、それを補うためにより大型の電動モータを使わざるを得ないという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このような課題を解決して、変速機構を設けることなく広範囲な速度調整が可能でありかつ高効率化を実現するために本発明に於いては、電動モータと、前記電動モータの駆動力を固定変速比で駆動輪に伝える駆動力伝達手段とを有し、前記電動モータが、ステータと、前記ステータに対して同軸かつ回転可能に設けられたロータと、前記ステータおよび前記ロータの磁束が通る面の対向面積を可変にするべく前記ステータおよび前記ロータのいずれか一方を前記ロータの軸線方向へ移動可能にする移動手段とを備え、前記ステータにコイル巻線が設けられ、前記コイル巻線がされたステータコアに対向して前記ロータに永久磁石が配設された可変界磁モータであり、前記コイル巻線に駆動電流を供給する駆動電流供給回路と、前記駆動電流供給回路に前記供給の基準となるパルス幅変調された制御信号を出力する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記電動モータに対する操作信号に応じた目標電流に基づいてパルス幅変調された制御信号のデューティ比を決定するデューティ信号決定手段と、前記デューティ決定手段による前記デューティ信号に基づいてパルス幅変調された制御信号を前記駆動電流供給回路に供給するパルス幅変調信号発生手段とを有し、前記デューティ比が予め設定されたデューティ限度値に達した場合には前記移動手段により前記ステータおよび前記ロータの前記対向面積を減少させる制御を行うものとした。
【0005】
特に、前記駆動力伝達手段が、チェーンまたはギアまたはベルトによるものであると良い。
【発明の効果】
【0006】
このように本発明によれば、電動モータと駆動輪とを固定変速比となる駆動力伝達手段を介して連結したことから、駆動力伝達系において従来の無段変速機のような変速部分での伝達損失がなく、高い伝達効率を確保し得ると共に、デューティ制御を行う場合のデューティ比が予め設定されたデューティ限度値に達したらステータおよびロータの対向面積を減少させて有効磁束を減少させるいわゆる弱め界磁制御を行うことから、デューティ比がデューティ限度値のままでも電流をより大きく流すことができ、モータの特性を高速型にすることができる。これにより、何等かの変速機構を設けることなく、変速機構を用いた駆動装置と同等の可変速性能が可能となり、変速機構を設けることによる効率悪化を防止し得る。
【0007】
特に、駆動力伝達手段が、チェーンまたはギアまたはベルトによるものであることにより、簡単な構造で固定変速比とすることができ、単純な構造により機械効率の悪化も生じ難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。本駆動装置は例えば図1に示されるように電動自動二輪車の駆動装置として適用可能である。なお、本発明に基づく駆動装置にあっては、自動二輪車に限られるものではなく、4輪を含む自動車の駆動装置として適用し得る。
【0009】
図に示される自動二輪車にあっては、車体フレーム1と、車体フレーム1の進行方向前後に操舵輪となる前輪WF及び駆動輪となる後輪WRと、後輪WRを駆動するための駆動装置2とを有し、その駆動装置2が本発明に基づき構成された電動駆動装置によるものである。
【0010】
次に、図2を参照して駆動装置2について説明する。本駆動装置2にあっては、車体前後方向に長い箱型に形成されたケーシング3内に主要構成機構が収容されている。ケーシング3の車体後方部分には、ケーシング3の長手方向に延在しかつ互いに対峙する両側壁にそれぞれ設けられた両軸受を介して車軸4が回転可能に支持されており、その車軸4のケーシング3の外方に突出する部分にハブを固設された後輪WRが同軸に支持されている。
【0011】
ケーシング3の車体前方部分には、駆動源としての電動モータMが設けられている。図示例の電動モータMはアウタロータ型であるが、アウタロータ型に限定されるものではない。図に示されるように、ケーシング3の互いに対峙する両側壁間に架け渡されかつ固定された固定支持軸5が設けられており、その固定支持軸5にロータ6が同軸に設けられている。ロータ6は、固定支持軸5に一対の軸受を介して回転可能に支持された円筒状ボスと、その円筒状ボスを同軸に外囲する外周壁を有する扁平な有底円筒部分とを一体に有する形状に形成されている。
【0012】
ロータ6の上記有底円筒部分の外周壁の内周面には周方向にN・S極を並べた複数のマグネット(永久磁石)7が配設されている。また、ロータ6のボス状部分と有底円筒部分とにより囲まれた空間にあっては、有底円筒部分の底部とは相反する側が開放されており、その空間内にステータ8が設けられている。
【0013】
ケーシング3において上記ロータ6の開放面に対応する部分には、ロータ6の上記空間内に突入するようにされたガイド部材9が片持ち支持されるように固設されている。ガイド部材9には例えばセレーションにより固定支持軸5の軸線方向に移動自在にされたスライド部材10が支持されている。スライド部材10の外周面にステータ8が設けられている。ステータ8は、積層鋼板により形成された環状部分及びその環状部分から半径方向外向きに突出する複数のティースを有するコア8aと、それらティースに巻回されたコイル巻線としてのコイル11とを有し、上記したようにスライド部材10と一体のコア8aの環状部分が適所でねじ止めされている。このようにして構成されたステータ8と上記ロータ6とにより本発明が適用されるモータMとなる部分が構成されている。
【0014】
スライド部材10は、モータ回転型の電動アクチュエータ12により上記固定支持軸5の軸線方向に往復駆動されるようになっており、一体のステータ8も同様に往復移動する。図示例では、ケーシング3の固定支持軸5を支持する部分の裏側に一体的に設けられた小ケーシング3a内にアクチュエータ12が固定されており、アクチュエータ12の回転軸に設けられた大ギアと噛み合う小ギアを同軸に有する駆動軸13が、スライド部材10の移動方向に延在するようにケーシング3に固設された軸支部材により軸支されている。その駆動軸13のスライド部材10側には例えば台形ねじ部13aが設けられており、その台形ねじ部13aに螺合するナット部がスライド部材10に形成されている。このようにしてステータ8の移動手段が構成されている。
【0015】
この移動手段によりモータMの有効磁束を調整することができる。すなわち、アクチュエータ12を回転駆動することにより駆動軸13が回転し、そのねじ部13aに螺合しているスライド部材10が駆動軸13の軸線方向に移動するため、スライド部材10と一体のコア8aが駆動軸13と平行である固定支持軸5の軸線方向に移動し得る。これにより、コア8aのティース突出端面のマグネット7の磁極面と対向する面積が変化し、マグネット7とコア8aとの間の磁束が増減するため、可変界磁型のブラシレスモータが構成される。尚、本図においてはブラシレスモータを構成するロータ位置検出のためのセンサ部は省略してある。
【0016】
そして、ロータ6の円筒状ボスの一端部が有底円筒状部分からステータ8側とは相反する側に突出しており、その突出部分の外周面には駆動ギア14aが一体に設けられていると共に、車軸4のケーシング3内の部分には被駆動ギア14bが固着されており、両ギア14a・14b間にはチェーン15が巻き掛けられている。したがって、図示例では、モータMと後輪WRとがチェーン15を介して回転力を授受するようになっているが、モータMと後輪WRとの間の回転力の伝達手段としては、図示例のチェーン15に限られるものではなく、プーリ及び無端ベルトを用いたものであっても良い。また、歯車列を介しても良い。
【0017】
次に、本発明に基づく制御要領について、図3のブロック回路図を参照して示す。なお、図示例のモータMの基本形にあっては3相のブラシレスモータと同様のものであって良い。
【0018】
図示例では、電源としての車載バッテリBTに、FETを用いたブリッジ回路が構成された駆動電流供給回路としてのインバータ21を介してモータMの各相コイル11が接続されている。なお、バッテリBTとインバータ21とを接続する電源線には電流検出センサ22が設けられており、それにより検出された電流検出信号が、制御手段を構成する制御回路ECUの電流検出回路25に入力するようになっている。モータMにはステータ8に対するロータ6の回転角度を検出する回転角度センサ24が設けられており、その回転角度信号が回転角度検出回路27に入力し、回転角度検出回路27ではロータ6の回転位置及び回転数(回転速度)を算出する。このようにして回転角度検出手段が構成されている。
【0019】
また、制御回路ECU内には、外部の例えばアクセル開度センサ(図示せず)からの信号であって良い運転操作信号が入力する運転操作入力回路28と、運転操作入力回路28からの出力信号が入力する出力電流指令回路29と、出力電流指令回路29および電流検出回路25からの各出力信号が入力する電流比較回路31と、電流比較回路31からの出力信号が入力するデューティ決定手段としての出力Duty決定回路33と、出力Duty決定回路33からの出力信号が入力するデューティ判定手段としてのDuty100%判定回路36と、出力Duty決定回路33からの出力信号に基づいてパルス幅変調されかつデューティ比に応じた制御信号としてのPWM信号をインバータ21に出力するパルス幅変調信号発生手段としてのPWM信号生成回路38と、運転操作入力回路28または電流比較回路31またはDuty100%判定回路36または外部のからのステータ位置操作手段(図示せず)からの各出力信号に基づいてステータ8の位置を決めるステータ位置制御回路39と、ステータ位置制御回路39からのステータ位置信号に基づいてアクチュエータ12に駆動信号を出力する移動制御手段としての位置駆動回路40と、ステータ位置制御回路39からのステータ位置信号に基づいて出力デューティ決定回路33によるデューティ比を変更する出力を禁止する禁止手段としての禁止回路42が設けられている。
【0020】
なお、上記Duty100%判定回路36にあっては、出力Duty決定回路33からの出力信号によるデューティ比がデューティ限度値としての100%に達したと判定したらその結果をステータ位置制御回路39に出力する。また、ステータ位置制御回路39では、各入力信号の優先順位または組み合わせを設定して、それに応じてステータ位置信号を出力するようにして良い。また、各回路はICを用いて構成されるものと、CPUのプログラム制御により構成されるものとを含むものであって良い。また、図示された回路名称及び信号線により理解される部分についてはその詳しい説明を省略する。
【0021】
上記ステータ位置制御回路39にてステータ8(コア8a)の設定位置(目標位置)を算出し、それに応じた位置制御信号が位置駆動回路40からアクチュエータ12に出力され、アクチュエータ12によりステータ8(コア8a)を駆動しかつ上記目標位置で停止状態にする。これにより、上記したようにマグネット7の磁極面とコア8aのティース突出端面との対向面積が増減し、対向面積を通ることになる有効磁束が増減するため、モータMの特性を、対向面積を大きくした場合には低回転・高トルク型とし、対向面積を小さくした場合には高回転・低トルク型とすることができる。
【0022】
次に、本発明に基づく駆動制御要領を図4を参照して以下に示す。なお、二輪自動車におけるアクセル操作量に応じて運転操作入力回路28から操作信号を出力電流指令回路29に出力し、その操作信号に応じてデューティ比による加減速制御を行う点については、公知のPWM制御と同じであって良く、その詳しい説明を省略する。
【0023】
上記運転操作入力回路28において駆動(加速)制御を行うとした場合には、図4のステップST1で電流検出センサ22による電流値の読み込みを行い、次のステップST2では電流比較回路31により目標駆動電流(出力電流指令回路29の出力値)と現在駆動電流(電流検出回路25の出力値)との比較を行い、目標値が現在値よりも大きいと判定された場合にはステップST3に進む。ステップST3ではDuty判定回路36によりデューティ比(以後DUTYと記す)がデューティ限度値としての値MAXに達したか否かを判別する。図示例では第1の値MAXを100%とするが、モータの特性や使用環境に応じて必ずしも100%である必要はない。また、DUTYは、出力Duty決定回路33で決定された値であるが、図3のブロック図に示されるように、操作量に基づいて設定された出力電流指令値と電流検出値との比較(例えば差分)に応じて決定される。
【0024】
上記ステップST3でDUTYがデューティ限度値MAXに達したと判定された場合にはステップST4に進む。このステップST4に進んできた場合には、デューティ比が最大(100%)でありかつ駆動電流を増やしたい場合である。デューティ比の増加による電流を増やす制御が頭打ちになった場合には有効磁束を減少させることにより電流を増大することができる。デューティ比が最大になっている場合には高速回転している場合があり、そのような高速回転では逆起電力の増大により、電流をより多く流すことができなくなる。しかしながら、図示例のようにステータ8とロータ6との対向面積を減らす、すなわち有効磁束を減らすことにより逆起電力が減少して、電流をより多く流すことができるようになる。なお、電流の増減制御に対しては進角を変える進角制御でも可能であるが、コア8aの挿抜による方が、効率が良い。これにより、より高速回転が可能となる。
【0025】
そのため、ステップST4ではコア8aを抜く制御を行うが、同時に例えばコア移動制御中の信号を用いて禁止回路42により出力Duty決定回路33に対してデューティ制御を禁止し、ステップST1に戻る。このように、コア8aの移動制御を行う場合にはデューティ制御を確実に禁止することにより、制御対象が明確になり、制御プログラムを簡略化することができ、上記したような効果的な駆動制御を低コストで提供し得る。また、デューティ限度値MAXが100%である場合、スイッチング損失の少ない100%デューティの動作領域が広がり、高効率な駆動が可能となる。
【0026】
なお、コア8aが図2の実線で示されるように位置する方向にコア8aが入ると表現し、ステータ8が二点鎖線で示される(一部のみ表示)ように位置する方向に対してはコア8aを抜くと表現するものとする。また、目標位置とは、ステータ位置制御回路39により設定したコア8aの位置である。界磁弱め制御を行わない場合には最大に入れておくものとする(図1の実線)。
【0027】
また、ステップST3でデューティ比がデューティ限度値MAXに達していないと判定された場合にはステップST5に進む。ステップST5では、電流比較回路31の比較結果に基づいて出力Duty決定回路33により決定されたデューティ比になるように、PWM信号生成回路38による駆動DUTYを増やす制御を行って、ステップST1に戻る。その増加されたDUTYでインバータ21が制御され、モータMの駆動力が増加する。
【0028】
上記ステップST2で目標値が現在値以下と判定された場合にはステップST6に進む。ステップST6ではコア8aが最も入った位置(有効磁束が最大となる位置)であるか否かを判別し、最も入った位置ではない(少しでも抜けた位置にある)と判定された場合にはステップST7に進む。ステップST7では、この場合には現在の駆動電流が目標値に対して多過ぎることになるため、電流を減らすべくコア8aを入れる制御を行う。このステップST7に進んだ場合とは、コア8aが抜けている状態であり、それは上記ステップST3・4を経た場合にコア8aが抜かれるため、デューティ比がデューティ限度値MAXに達している場合である。その状態で目標電流を下げる制御を行うというのは高回転側から低回転側に回転速度を落とす制御となり、上記ステップST4とは逆にコア8aを入れてステップST1に戻る。この場合もデューティ制御を禁止する状態にする。
【0029】
ステップST6でコア8aが最も入った位置にあると判定された場合にはステップST8に進む。この場合にはコア8aを抜いた制御を行っていない場合デューティ制御の禁止を解除してデューティ制御を行っている状態とし、デューティ制御における電流減少制御としてデューティ比を減らす制御を行い、ステップST1に戻る。
【0030】
このように界磁の大きさを可変として制御することにより、変速機を用いることなく一般走行に耐え得る電動自動車用駆動装置を実現し得る。
【0031】
なお、上記図示例では伝達機構をチェーン14としたが、チェーン伝達機構に限られるものではなく、ギア列伝達機構としたり、ベルト伝達機構としたりしても良い。従来の可変界磁型ではない通常モータの場合に固定減速比の伝達機構を用いた場合にはモータのみで加減速を行うことから速度調整範囲が狭くまたモータの効率が悪い。
【0032】
それに対して、本発明によれば可変界磁型モータにより、可変界磁モータの特性として低回転・高トルクから高回転・低トルクに至る広範囲な特性変化となるため、減速を高効率化すると共に何等問題なく速度を可変とすることができる。その結果、小型・軽量で高効率でありかつ通常走行に支障を来すことがない広い速度変化が可能な電動自動車を実現し得る。
【0033】
なお、手動の変速機と組み合わせても良い。さらに、中間タップを利用した巻線切り換え方式のモータコイルとの組み合わせも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる電気自動車用駆動装置は、同一体格のモータに対して高出力化が可能となり、何等かの変速機構を設けることなく、変速機構を用いた駆動装置と同等の可変速性能が可能となり、電動二輪自動車や電動四輪自動車等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明が適用された電動自動二輪車を示す全体図である。
【図2】本発明に基づく駆動装置を示す断面図である。
【図3】本駆動装置に適する制御ブロックを示す図である。
【図4】制御要領を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0036】
2 駆動装置
6 ロータ
7 マグネット
8 ステータ
10 スライド部材
11 コイル
12 アクチュエータ
14a 駆動ギア
14b 被駆動ギア
15 チェーン
ECU 制御回路
M 電動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、前記電動モータの駆動力を固定変速比で駆動輪に伝える駆動力伝達手段とを有し、
前記電動モータが、ステータと、前記ステータに対して同軸かつ回転可能に設けられたロータと、前記ステータおよび前記ロータの磁束が通る面の対向面積を可変にするべく前記ステータおよび前記ロータのいずれか一方を前記ロータの軸線方向へ移動可能にする移動手段とを備え、前記ステータにコイル巻線が設けられ、前記コイル巻線がされたステータコアに対向して前記ロータに永久磁石が配設された可変界磁モータであり、
前記コイル巻線に駆動電流を供給する駆動電流供給回路と、前記駆動電流供給回路に前記供給の基準となるパルス幅変調された制御信号を出力する制御手段とを備え、
前記制御手段が、前記電動モータに対する操作信号に応じた目標電流に基づいてパルス幅変調された制御信号のデューティ比を決定するデューティ信号決定手段と、前記デューティ決定手段による前記デューティ信号に基づいてパルス幅変調された制御信号を前記駆動電流供給回路に供給するパルス幅変調信号発生手段とを有し、前記デューティ比が予め設定されたデューティ限度値に達した場合には前記移動手段により前記ステータおよび前記ロータの前記対向面積を減少させる制御を行うことを特徴とする電気自動車用駆動装置。
【請求項2】
前記駆動力伝達手段が、チェーンまたはギアまたはベルトによるものであることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車用駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−220108(P2008−220108A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56579(P2007−56579)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】