説明

EGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置

【課題】 EGRガスの排熱エネルギを有効に利用しつつ排気タービン過給機の駆動力不足、すなわち過給圧不足を補うことができるようにする。
【解決手段】 排気ガスをEGRガス路(18)を通してEGRガスとして再吸気させるEGRシステムと、エンジン排気ガス路(10)を通して排気される排気ガスにより回転駆動されて吸気を過給する排気タービン過給機(12)とを備えたエンジン(2)に使用されるものであって、EGRガス路を通るEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換システム(20)と、この熱電変換システムによって発生した電気を用いて上記排気タービン過給機の過給圧を高める過給機補助システム(36)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGRシステムと排気ガス駆動の排気タービン過給機とを備えたエンジンに使用されて好適な、EGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、トラック等の車両に搭載されるエンジンのEGRシステムは、エンジンの排気ガスの一部を再度エンジンに吸気させ、吸気中の酸素濃度を低下させることによりエンジンの燃焼温度を下げて、エンジンにNOX の低減を図るものである。
【0003】
特に、近年におけるディーゼルエンジン等のNOX 低減対策として極めて重要なシステムであり、排気ガスのうちEGRガスとしてエンジンに再給気させる割合はますます増大している。将来的には、最大時にエンジンの排気ガスの約60%がEGRガスとしてエンジンに再吸気されるようになることも想定される。
【0004】
しかしながら、このEGRガスは、エンジン吸気前にEGRクーラによってエンジン冷却水との熱交換を行い、適温にまで冷却される。この場合、EGRガスから排出される多量の熱エネルギをエンジンラジエータによって放出しなければならず、将来の高EGR化を考えた場合、エンジンラジエータを大型化しなければならないという問題が生じる。この高EGR化に伴うラジエータの大型化は、エンジン収納スペースとの関係で、特に車両用エンジンにおいて極めて重要な問題である。
【0005】
また、エンジンラジエータからの排熱は大気への無駄な熱エネルギの放出であり、環境問題としても重要である。このため、EGRガスの熱エネルギを単に大気へ放出するのではなく、それを他のシステムの熱源等として有効利用するため、種々の装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
この一方、エンジンの排気ガス駆動の排気タービン過給機を備えたエンジンでは、エンジンの排気ガスの熱エネルギを利用して吸気圧を高め、それによってエンジン出力の増大を図るものである。しかしながら、上述のように、将来的には最大時にエンジンの排気ガスの約60%がEGRガスとしてエンジンに再吸気されることを考慮すると、この過給機を駆動させるエネルギが減少して駆動力不足、すなわち過給圧不足が発生する恐れがある。
【特許文献1】特開平7−180620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、高EGR化に伴う排気タービン過給機の駆動力不足及びエンジンラジエータの大型化の問題を同時に解決するものであって、EGRガスの排熱エネルギを有効に利用しつつ排気タービン過給機の駆動力不足、すなわち過給圧不足を補うことができる、EGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、排気ガスをEGRガス路を通してEGRガスとして再吸気させるEGRシステムと、エンジン排気ガス路を通して排気される排気ガスにより回転駆動されて吸気を過給する排気タービン過給機とを備えたエンジンに使用されるものであって、EGRガス路を通るEGRガスの熱エネルギを電気エネ
ルギに変換する熱電変換システムと、この熱電変換システムによって発生した電気を用いて上記排気タービン過給機の過給圧を高める過給機補助システムとを備えたEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置を提供することである。
【0009】
このように、本発明のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置によれば、熱電変換システムがEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換し、過給機補助システムがこの発生した電気を用いて排気タービン過給機の過給圧を高めるから、例えば、高EGR化によって過給機の駆動力不足が発生した場合にも、多量に使用するEGRガスがその熱エネルギによって過給機の駆動力不足、すなわち過給圧不足を補うという、いわば自己完結型の優れた作用を奏する。
【0010】
これと共に、EGRガスは熱電変換システムによって電気エネルギに変換されるときに温度が低下するから、EGRガスのエンジン冷却水による冷却が不要になり、あるいは、仮にEGRガスのエンジン冷却水による追加冷却が必要になった場合にも、エンジンラジエータへの負担が大幅に減少し、その大型化が確実に防止される。
【0011】
好ましくは、上記過給機補助システムは、エンジンと排気タービン過給機との間のエンジン排気ガス路に配設されて上記電気によりエンジン排気ガス路を通る排気ガスを加熱する電気加熱器を備える。このように、電気加熱器がエンジン排気ガス路を通る排気ガスを加熱することにより、この排気ガス温度が上昇して過給機の過給圧を高めることができる。
【0012】
又は、上記過給機補助システムは、排気タービン過給機の上流側のエンジン吸気路に配設されると共に上記電気により回転駆動されてこのエンジン吸気路を通る吸気を加圧して排気タービン過給機へ送る電動過給機を備える。このように、電動過給機が吸気を予め一定程度加圧しておくことにより、排気タービン過給機の過給圧を高めることができる。
【0013】
又は、上記過給機補助システムは、その回転軸が排気タービン過給機の回転軸に連結されると共に上記電気により回転駆動されてこの排気タービン過給機の回転軸を回転駆動させる電動モータを備える。このように、電動モータが排気タービン過給機の回転軸を回転駆動させることにより、その過給圧を高めることができる。
【0014】
又は、上記過給機補助システムは、電気により回転駆動されて油圧を発生させる電動油圧ポンプと、回転軸が排気タービン過給機の回転軸に連結されると共に電動油圧ポンプにより発生した油圧によって回転駆動されるオイルタービンとを備える。このように、オイルタービンが排気タービン過給機の回転軸を回転させることにより、その過給圧を高めることができる。
【0015】
好ましくは、上記熱電変換システムは、EGRガス路に配設されてEGRガスの熱エネルギを用いて蒸気を発生させる蒸気発生システムと、この蒸気発生システムによって発生した蒸気により回転駆動される蒸気タービンと、蒸気タービンによって回転駆動されて電気を発生させる発電機とを備える。このように、蒸気発生システムがEGRガスの熱エネルギを用いて蒸気を発生させ、蒸気タービンがこの蒸気によって回転し、発電機が蒸気タービンによって回転駆動されることにより、上記過給機補助システムが使用する電気をEGRガスの熱エネルギから発生させることができる。
【0016】
又は、上記熱電変換システムは、EGRガス路に配設されてEGRガスの熱エネルギによって電気を発生させる熱電素子を備える。このように、熱電素子を用いることにより、簡単な構成によりEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置は、排気ガスをEGRガス路を通してEGRガスとして再吸気させるEGRシステムと、エンジン排気ガス路を通して排気される排気ガスにより回転駆動されて吸気を過給する排気タービン過給機とを備えたエンジンに使用されるものであって、EGRガス路を通るEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換システムと、熱電変換システムによって発生した電気を用いて上記排気タービン過給機の過給圧を高める過給機補助システムとを備えるから、高EGR化に伴う排気タービン過給機の駆動力不足及びエンジンラジエータの大型化の問題を同時に解決するものであって、EGRガスの排熱エネルギを有効に利用しつつ排気タービン過給機の駆動力不足、すなわち過給圧不足を補うことができる、という優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置の発明を実施するための最良の形態を、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に示すように、エンジン2の吸気側にインテークマニホールド4が、排気側にはエクゾーストマニホールド6がそれぞれ接続される。インテークマニホールド4はエンジン吸気路8に、エクゾーストマニホールド6はエンジン排気ガス路10にそれぞれ接続される。
【0020】
エンジン2には、吸気を加圧するのため排気タービン過給機12が配設され、過給機12のコンプレッサ14が上述のエンジン吸気路8に介挿され、タービン16が上述のエンジン排気ガス路10に介挿される。コンプレッサ14とタービン16は、回転軸15により連結される。
【0021】
すなわち、排気タービン過給機12は、エンジン排気ガス路10を通して排気されるエンジン2の排気ガスによりそのタービン16が回転駆動され、その回転軸15を介してタービン16に連結されるコンプレッサ14が吸気を過給する。一方、過給機12のタービン16を出たエンジン2の排気ガスは、図示しない大気汚染物質除去のための後処理装置や消音のためのマフラー等を通して大気中へ排気される。
【0022】
エンジン2には、エクゾーストマニホールド6から排気されるエンジン2の排気ガスの一部を、インテークマニホールド4に戻して再吸気させるためのEGRシステムが配設されている。
【0023】
このEGRシステムは、上述のようにエンジン2の排気ガスの一部を再度エンジン2に吸気させ、吸気中の酸素濃度を低下させることによりエンジンの燃焼温度を下げて、エンジンにNOX の低減を図るものである。特に、エンジン2の一例としてのディーゼルエンジン等のNOX 低減対策として極めて重要なシステムであり、EGRガスとしてエンジン2に再吸気させる割合は、最大時に排気ガス総量の約60%にも達する。
【0024】
具体的には、エクゾーストマニホールド6とインテークマニホールド4との間にEGRガス路18が配設され、EGRガス路18には、EGRガス路18を通るEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換装置(熱電変換システム)20、及びEGRガスの流量調節を行なう流量調節弁34等が、エクゾーストマニホールド6側からこの順にそれぞれ配設される。
【0025】
また、エンジン2のエクゾーストマニホールド6と排気タービン過給機12のタービン16との間のエンジン排気ガス路10には、電気加熱器(過給機補助システム)36が介
挿され、この電気加熱器36は、熱電変換装置20が発生させた電気を用いてエンジン排気ガス路10を通る排気ガスを加熱する。このように、電気加熱器36がエンジン排気ガス路10を通る排気ガスを加熱することにより、過給機12のタービン16の入口ガス温度が上昇して、その過給圧を高めることができる。
【0026】
図2に、熱電変換装置20の一例が示される。熱電変換装置20は、EGRガス路18に配設されてEGRガスの熱エネルギを用いて蒸気を発生させる蒸気発生器22と、この蒸気発生器22によって発生した蒸気により回転駆動される蒸気タービン24と、連結軸26を介してこの蒸気タービン24によって回転駆動されて電気を発生させる発電機28と、蒸気タービン24から排気された蒸気を水に戻す復水器30と、復水器30から供給される水を加圧して再び蒸気発生器22へ送る加圧ポンプ32と、その他図示しない必要な構成要素とからなる。
【0027】
上述の復水器30としては、例えば、冷却水を通して蒸気タービン24から排気された蒸気を水に戻す水冷式のものや、空気により蒸気を冷却して水に戻す空冷式のもの等がある。
【0028】
なお、蒸気を発生させるための装置としては、上述のようにEGRガスの熱エネルギを用いて直接蒸気を発生させる蒸発器型の熱交換器のほか、EGRガス路に配設されてEGRガスの熱エネルギによって高温水を発生させるヒータ型の熱交換器と、このヒータ型の熱交換器により発生した高温水を他の熱源を追加利用して蒸気を発生させる蒸発器との組み合わせ等、さまざまな構成のものが考えられる。
【0029】
また、熱電変換装置20として、EGRガス路の配管内に配設されてEGRガスの熱エネルギによって直接電気を発生させる、図示しない熱電素子を用いることもできる。この熱電素子を用いれば、簡単な構成によってEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換することができる。
【0030】
以上のように、本発明のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置によれば、熱電変換装置20がEGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換し、電気加熱器36が、必要時に熱電変換装置20が発生させた電気を用いて過給機12の過給圧を高める。
【0031】
したがって、例えば、高EGR化によって排気タービン過給機12の駆動力不足が発生した場合にも、多量に使用するEGRガスがその熱エネルギによって過給機12の駆動力不足を補い、その過給圧不足を解消する。なお、過給圧が充分であり、電気加熱器36による排気ガスの加熱が不要な場合には、熱電変換装置20が発生した電気は図示しない蓄電池等に蓄えられる一方、この蓄電池等に蓄えられた電気は必要時にこの電気加熱器36の加熱に使用されたり、あるいは他のシステムで使用される。
【0032】
この一方、EGRガスは熱電変換装置20を通過することにより、その熱エネルギが電気エネルギに変換されて温度低下する。このため、本実施の形態では、エンジン冷却水によってEGRガスを冷却するためのEGRガス熱交換器が装備されていない。これにより、エンジン冷却水システム、特にその配管等が単純化され、大幅なコスト削減を図ることができると共に、エンジンラジエータの負担が大幅に減少し、その大型化が確実に防止される。また、仮にEGRガスのエンジン冷却水による追加冷却が必要になった場合にも、エンジンラジエータの負担の大幅軽減という点では同様である。
【0033】
このように、本発明のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置は、高EGR化による排気タービン過給機12の駆動力不足を、この多量のEGRガスが有する熱
エネルギを用いて補い、いわば自己完結型の解決を行なうと共に、これまで問題となっていたエンジンラジエータへの負担の増大という問題も併せて解決するという、極めて優れたものである。
【0034】
図3を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3に示されるように、第2の実施の形態では、上述の第1の実施の形態の電気加熱器36に代えて、排気タービン過給機40の上流側のエンジン吸気路42に、電動過給機(過給機補助システム)44が配設される。
【0035】
電動過給機44は、そのコンプレッサ46が電動モータ48により回転駆動され、この電動モータ48は熱電変換装置(熱電変換システム)50によって発生した電気によって回転駆動される。すなわち、EGRガスの有する熱エネルギを熱電変換装置50が電気エネルギに変換し、この熱電変換装置50が発生した電気によって電動過給機44が吸気を予め一定程度加圧することにより、排気タービン過給機40で駆動力不足が発生した場合にも、その過給圧を所望の圧力にまで高めることができる。その他は、上述の第1の実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
【0036】
図4を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4に示されるように、第3の実施の形態では、上述の第1の実施の形態の排気タービン過給機12及び電気加熱器36に代えて、電動モータ補助の排気タービン過給機60が配設される。
【0037】
排気タービン過給機60は、その回転軸が過給機60の回転軸62に一体に連結された電動モータ(過給機補助システム)64を有し、この電動モータ64の回転軸が熱電変換装置(熱電変換システム)66により発生した電気によって回転駆動されて、過給機60の回転軸62を回転駆動させる。これにより、排気タービン過給機60の過給圧を高めることができる。
【0038】
これと共に、エンジン排気ガス路68を通る排気ガスが多量にあり、排気タービン過給機60の過給圧が充分に得られている場合には、この電動モータ64を過給機60の駆動による発電機として使用して、電気を発生させることもできる。その他は、上述の第1の実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
【0039】
図5を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図5に示されるように、第4の実施の形態では、上述の第1の実施の形態の排気タービン過給機12及び電気加熱器36に代えて、電動油圧ポンプ70(過給機補助システム)とオイルタービン72(過給機補助システム)と排気タービン過給機74とが配設される。
【0040】
オイルタービン72は、その回転軸が過給機74の回転軸76に一体に連結される。また、電動油圧ポンプ70は、熱電変換装置(熱電変換システム)78が発生した電気により回転駆動されて、油圧を発生させる。すなわち、オイルタービン72が、電動油圧ポンプ70が発生した油圧により回転駆動されて、過給機74の回転軸76を回転駆動させることにより、その過給圧を高める。その他は、上述の第1の実施の形態と同様であり、その説明を省略する。
【0041】
本発明は上述の4つの実施の形態に制約されるものでない。例えば、過給機補助システム及び熱電変換システムは、上述のものに限定されるものではなく、種々の形態のものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機補助装置の第1の実施の形態を示す模試図である。
【図2】図1の熱電変換装置の一例を示す模試図である。
【図3】同第2の実施の形態を示す模試図である。
【図4】同第3の実施の形態を示す模試図である。
【図5】同第4の実施の形態を示す模試図である。
【符号の説明】
【0043】
2 エンジン
4 インテークマニホールド
6 エクゾーストマニホールド
8 エンジン吸気路
10 エンジン排気ガス路
12 排気タービン過給機
14 コンプレッサ
15 回転軸
16 タービン
18 EGRガス路
20 熱電変換装置
22 蒸気発生器
24 蒸気タービン
26 連結軸
28 発電機
30 復水器
32 加圧ポンプ
34 流量調節弁
36 電気加熱器
40 排気タービン過給機
42 エンジン吸気路
44 電動補助過給機
46 コンプレッサ
48 電動モータ
50 熱電変換装置
60 排気タービン過給機
62 回転軸
64 電動モータ
66 熱電変換装置
68 エンジン排気ガス路
70 電動油圧ポンプ
72 オイルタービン
74 排気タービン過給機
76 回転軸
78 熱電変換装置
80 エンジン排気ガス路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスをEGRガス路(18)を通してEGRガスとして再吸気させるEGRシステムと、エンジン排気ガス路(10,68,80)を通して排気される排気ガスにより回転駆動されて吸気を過給する排気タービン過給機(12,40,60,74)とを備えたエンジン(2)に使用されるものであって、前記EGRガス路を通る前記EGRガスの熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電変換システム(20,50,66,78)と、前記熱電変換システムによって発生した前記電気を用いて前記排気タービン過給機の過給圧を高める過給機補助システム(36,44,64,70,72)とを備えたことを特徴とするEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項2】
前記過給機補助システムは、前記エンジン(2)と前記排気タービン過給機(12)との間の前記エンジン排気ガス路(10)に配設されて前記電気により前記エンジン排気ガス路を通る前記排気ガスを加熱する電気加熱器(36)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項3】
前記過給機補助システムは、前記排気タービン過給機(40)の上流側のエンジン吸気路(42)に配設されると共に前記電気により回転駆動されて前記エンジン吸気路を通る前記吸気を加圧して前記排気タービン過給機へ送る電動過給機(44)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項4】
前記過給機補助システムは、回転軸が前記排気タービン過給機(60)の回転軸(62)に連結されると共に前記電気により回転駆動されて前記排気タービン過給機の前記回転軸を回転駆動させる電動モータ(64)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項5】
前記過給機補助システムは、前記電気により回転駆動されて油圧を発生させる電動油圧ポンプ(70)と、回転軸が前記排気タービン過給機(74)の回転軸(76)に連結されて前記電動油圧ポンプにより発生した前記油圧によって回転駆動されるオイルタービン(72)とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項6】
前記熱電変換システムは、前記EGRガス路(18)に配設されて前記EGRガスの熱エネルギを用いて蒸気を発生させる蒸気発生システム(22)と、前記蒸気発生システムによって発生した前記蒸気により回転駆動される蒸気タービン(24)と、前記蒸気タービンによって回転駆動されて電気を発生させる発電機(28)とを備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。
【請求項7】
前記熱電変換システムは、前記EGRガス路に配設されて前記EGRガスの熱エネルギによって電気を発生させる熱電素子を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のEGRガスの排熱エネルギを利用した過給機の補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−239566(P2007−239566A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62074(P2006−62074)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】