説明

GPS探索装置

【課題】グローバルポジショニングシステム(GPS)データをキーとして使用して、データベースからオーディオビジュアルデータを自動的に検索するためのポータブル情報システムを提供する。
【解決手段】GPSにより旅行中のユーザの位置データを得て、ユーザにとって興味のある場所、目印、及びすぐ近くの建物の歴史を識別して説明するとともに、現在位置から所定の半径以内のホテル、病院、店及び製品の場所を示す。音声によるメニュー及びボイスコマンドによって、ドライブ中、飛行中、セイリング中、または歩行中に、手及び眼とは無関係な制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)データをキーとして使用し、データベースまたは放送からオーディオビジュアル情報を探索するポータブル情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行する多くの人は、訪問する場所に関する情報を必要とする。しかしながら、人によって必要なこと、興味のあることは様々で、コマーシャル情報を必要とする人もいれば、製品を購入したい人もいる。また、土地の歴史を知りたい人もいれば、旅に飽きて旅がもっと面白くなることを望む人もいる。
【0003】
データベースの大きさが非常に大きくなると、必要なときに関連するデータを検出することが困難になる。電話帳、イエローページ、ガイドブック、情報システム等を通じて、情報を探す時間、気力、忍耐力を有している人はほとんどいない。長旅をしていると、帰るときになって初めて、見損なったものに気付く場合がある。家に居てさえも、今日興味のある分野で何が起こったのかを発見することは困難である。
【0004】
歩いている時、ドライブしている時、セイリングしている時、または飛行している時に、我々は、情報を依然として必要としているにも拘らず、手作業をしているために、その情報を探すための能力はかなり制限されてしまう。しばしば、我々は、自動車/飛行機/ボート/バス/馬の背/歩行の中から旅のモードを切り替える必要がある。
【0005】
今日市場に出回っているポータブルGPS受信機の多くは、ナビゲーション用に設計されており、緯度及び経度または方位及び既知の地点からの距離によってユーザの位置が提供される。これら2つの方法は、使いずらいものである。GPS移動マップディスプレイは、単に位置を明確に表示するものであるが、これらの応用範囲は、スクリーンを必要とする事、及び歩行またはドライブ時に注意散漫となるリスクがあるために、どちらかというと限られたものである。これら2つのタイプのGPSシステムは、ユーザに他の情報をほとんど提供できない。
【0006】
CD−ROMディスクを使用している話をする本は、上記ナビゲーションシステムに欠けている情報を提供し得る物である。しかし、ユーザの位置が自動的にモニタされないので、所定の情報をユーザが手動で抽出しなければならず、手間がかかっていた。
【0007】
ポータブルコンピュータ及びペンコンピューティングシステムは、本質的に、動いている時にテキストベースの情報を提供する。しかしながら、これは、ユーザ位置、高度、姿勢、速度、時間、視界の方向、一定のニーズ及び興味に基づき、自動的且つ動的に検索されたオーディオ(及びビデオ)データを用いて、ユーザに親切な、手及び眼と無関係な動作を提供する物ではない。馬の背に乗ったり、歩いたりしている時に、ポータブルPC(パーソナルコンピュータ)等を使用することは容易なことではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
GPS探索装置は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)データをキーとして使用し、データベースまたは放送データから音声及び画像を探索するポータブル情報システムに関する。ユーザは、彼にとって最も興味のあるデータのタイプを予め選択することができ、ユーザの位置、方位、速度、高度または姿勢が変化するにつれて、且つ時刻
が変化するにつれて、このことはGPS受信機によって検出され、そして当該システムはデータベースから好適なデータを自動的に検索する。装置は、コンパクトディスクとして内部に交換可能なデータベースを備えるとともに、外部データベース及び放送データにもアクセスできる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
GPS探索装置は、動いている時に情報を提供できるように設計されている。考案された適用例の多くの場合において、ユーザは、自己の位置を知りたい場合はほとんどなく、すぐ近くのビルの歴史または製品を買う場所等の、ユーザにとって最も興味のある場所に関する情報を単に必要としている。ユーザが必要としている情報が、GPSにおける位置、速度、高度または時間をキーとして使用し、データベースにアクセスすることによって得られるということは、ユーザにとって無関係であり、また自明なことである。
【0010】
ユーザが、ドライブしている時、飛行している時、セイリングしている時、馬に乗っている時、または歩行している時に、システムを手及び眼とは無関係に作動させるために、システムは、音響メニュー及びボイスコマンドを用いて制御される。電話の呼出は、データベースから検索された数字を用いて、一体化されたセル電話機またはサテライト電話機を介して自動的に行うこともできる。
【0011】
例えば、旅行中、システムは、ユーザが好む場所を自動的に識別できるように設定され、すぐ近くのビルの歴史または最も好ましいルートを示すことができる。ユーザは、必ずしも当てはまることではないが、一般的にユーザの現在位置を中心とする所定半径内の、目印、ホテル、病院、店または製品等の、ユーザにとって興味のある特定の事項に関するデータベースの自動検索を開始することもできる。
【0012】
基本装置は、GPSデータをキーとして使用し、装置内に格納されているデータベース若しくは所定の手段によってこれに取り付けられているデータベース、または電話、ラジオ若しくはテレビ放送などの所定の手段によって受信されるデータベースからディジタル音声を検索するポータブルオーディオ情報システムである。
【0013】
装置が、スクリーンを有している場合、またはスクリーンに取り付けられている場合には、装置内に格納されているデータベース若しくは所定の手段によって装置に取り付けられているデータベース、または電話、ラジオ若しくはテレビ放送などの所定の手段によって受信されるデータベースから静止画像シーケンス及び動画像シーケンスを検索する能力も有している。システムは、ディスプレイに接続されている場合には、旅行を見せるのにも使用される。
【0014】
システムは、バーチャルリアリティーディスプレイを用いて、GPSによる測位シミュレーションを提供できる。ユーザが最初の領域に存在している間、GPSによって得られる位置、高度、見る方向、及び時刻によって、シミュレートされた構造、ビル、ダム、道路、及び土地の特徴が、ユーザの視界に供給され、指定された位置の回りの全ての角度から調査される。
【0015】
装置は、当該装置内に設けられているGPS受信機または所定の手段によって装置に接続されているGPS受信機によって、その位置、速度、移動方向、時刻及び同様の所定のデータを常にモニタする。装置は、位置または時刻の変化等の、所定のGPSパラメータの変化を検出する度毎に、新しいGPSデータをキーとして使用して、受信された放送データを含むデータベースをサーチし、前記新しいGPSパラメータと直接的または非直接的に適合または関連する任意のデータ記録を検索する。前記検索されたデータは、音声として出力または表示される前に、装置の動作モード及び他の選択基準に対してチェックされ、検索されたデータの中のどのデータをユーザに提供するかを決定する。メッセージの経過を記録し、不必要な繰り返しを避ける。
【0016】
装置は、ボイスコマンドによって、またはキーボード、スイッチ若しくはジョイスティックによって、直接的または遠隔的に制御される。ユーザは、装置の動作モード、データ検索基準及び他の動作基準を選択することができる。
【0017】
装置は、可聴メニューシステムを備え、当該システムは、ボイスコマンドによって使用された場合、手及び眼とは無関係に装置を使用することができる。フィードバック保護によって、音声出力がボイス入力システムを作動させないようにしている。
【0018】
装置に電話インターフェイスを設け、データベースまたは放送データから検索された番号に電話をかけれるように構成できる。装置に、光、磁気、無線等による装置を取り付けるためのインターフェイスを設け、場所、製品、人物、車両、システム、温度、または所定の環境変数を識別するように構成することもできる。
【0019】
装置は、ベアリング、アジマス角及び距離によって、ユーザの向き、移動方向、速度、ピッチ並びにロール、高度、上昇並びに下降速度、及びユーザの視線方向を決定する。システムは、光学的入力または他の形態の入力を受信して、GPS受信不能となり得るビル内の位置を識別できるように構成することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
1.以下図面を参照して、本発明による装置のオーディオ(音声)のみのバージョンを説明する。
【0021】
図1は、オーディオ受話器口1、マイクロフォン2、GPS受信機3、CDドライブ4及びプロセッサ5を備えている装置の音声のみのバージョンを示している。
【0022】
図2は、ユーザの位置をモニタして、好適な音声を検索して再生するのに使用される基本的なロジックを示している。
【0023】
図3は、ある地図を示しており、この中で、大きなドットはGPSによって決定される位置を示し、各ドットで、特定の音声フレーズがデータベースまたはラジオ放送から選択されて再生される。典型的なオーディオフレーズのサンプルに、1〜6の番号を付している。
【0024】
歴史的な建物、城、村、公園、湖、山、全景の見渡せる地点等の興味ある場所のGPS用の緯度/経度座標が、地図からまたは位置調査によってディジタル化される。その後、興味のある場所のそれぞれを説明する音声が、対応するGPS座標と共に、コンパクトディスク(GPS−CD)のデータベースに、圧縮された形態で記録格納される。
【0025】
その後、ポータブルGPS探索装置は、このようなGPS−CDデータベースとともに使用され、以下に例示する装置の多くの動作モードの少なくとも一つを選択するユーザに情報を提供することができる。
【0026】
設定経路(イーエヌルート:en route)モード
図3は、主要な道に沿っての車による一般的な旅を示している。GPSデータを常にモニタすることによって、装置は、場所1−6のそれぞれに何時到達したかを決定し、その後、対応する音声フレーズがGPS−CDデータベースまたは放送データから検索され、受話器口またはスピーカーを介してユーザに再生される。
【0027】
北、南、東または西からある村に到達するような場合、いくつかの場所で、広く同様なメッセージを適用できる場合がある。この場合、好適なオーディオメッセージが、ユーザの向きなどによって決定され、挿入される左・右等の変数と共に、いくつかのフレーズからアセンブル化される。このようにして、より経済的にデータベース空間を利用することができる。
【0028】
ツアー(Tour)モード
ユーザは、メインメニューから、または提供される場合にはオプションのイーエヌルートから所定のツアーを選択することができる。そして、システムは、ツアー案内を提供し、興味のある物を提供する。例えば、過去の歴史的な建物または他の名所を歩いたりドライブしたりする場合、各建物に関する情報が提供される。それは、情報が公開されている場合には、建造日、そこに住んでいた人、どの様に建築されたかに関する情報である。ダイアログ(dialogue)は、歴史上有名なサウンド、御者のむちの音、子供の遊んでいる声、空気に漂っている音楽を含み、これら全てが過ぎ去った時代の雰囲気を醸し出す。
【0029】
ハザードワーニング(Hazard Warning)モード
このモードが選択された場合、このモードは、ツアーモードなどの他のモードよりも優先する。危険に近づくと、システムは、他の音声メッセージを中断し、ユーザに警告を発する。例えば、道路では、危険な曲がり角、学校、または急勾配の丘を対象にする。飛行中の場合、規定された領空の警告モードである。
【0030】
ガイダンス(誘導)モード
道路の交差点に関するGPS緯度/経度位置がディジタル化され、各交差点に接近する各方向に対する音声を記録する。装置は、GPSデータを参照して、ユーザ位置及びある交差点に接近する際の移動方向を認識し、その後、前もって交差点に関する好適な音声を検索し、音声道標として機能する。音声道標は、場所の名前のみに限定されるものではなく、道路の種類、興味のある設定経路の場所、50マイルに対して燃料が不足している場合の警告などの多くの情報を含めることができる。
【0031】
目的値誘導モード
このモードが最初に選択されると、ユーザは、目的値を選択するように支持される。現在位置から目的値までのルートは、ルートデータから決定される。その後、装置は、各接続点において必要とされる一つの方向のみを提供し、不要な方向を示すことなく、目的値に到達できるようにしている。
【0032】
オンモードとは何か?
装置は、中間領域において、興味のある特定の場所全てに関する座標試験し、現在のGPS位置から徐々に作業していく。その後、装置は、各行動に対して、短い音声フレーズを再生し、ユーザの興味を迅速に喚起する。ユーザは、その後、所定の行動を選択し、慎重を期するため更に詳細な事項を入手し、その後、GPSの案内がリクエストに応じて現場に供給される。自動ダイヤル電話番号が電話インターフェイスを介してユーザに供給され、筆記してから電話番号をダイヤルする必要なくして、ホテル、劇場などの予約できる。
【0033】
歩行モード・ドライブモード・飛行モード等
装置は、ユーザが選択した旅行モード及びGPSによって計算された速度に適合するように、メッセージの表示を調整する。例えば、町中をゆっくりと歩行している場合、ユーザには、町中をドライブしている時または上空を飛行している時よりも更に詳細な情報が提供される。
【0034】
応用特定モード
所定の応用例では、特別な動作モードを必要とし、例えば、以下に示す場合などに、所定のデータにユーザの注意を向ける。
【0035】
制約のない国を歩いて旅行する場合
地図は限られた情報のみを提供するものであるが、歩くデータベースを用いると、GPS探索装置は、向き、方位に関する案内を提供するとともに、目印を名前で識別することができる。GPS探索装置は、詩、音楽、風景の説明を楽しんでいる暢気な歩行者も、適切な地点を歩行できる様にしている。個々の無線受話器口を用いて、電線による接続をしないで、またスピーカーによるノイズ汚染なくして、グループで音声を共有することができる。
【0036】
装置は、コンパス、ベアリングまたは左回り/右回りコマンドによってユーザを所定の方向へ誘導し、ユーザを細い道へ導いたり、安全に導いたりする。例えば装置に丘を指示すると、装置は、その丘の名前、その高さ及び断崖等の危険を検索する。
【0037】
歩行のデータベースを用いて距離及び時刻を得て、システムは、GPSの現在位置及び時刻から、残された日中の時間数が、選択された歩行が安全に終了するのに十分であるか否かを計算する。
【0038】
緊急の場合、遭難の電話は、セルラー(cellular)またはサテライト電話を介して行われ、GPS位置データを音声メッセージに組み込み、レスキューサービスを補助する。
【0039】
一般的な航空応用例
例えば、一般的な航空モードを選択した場合、システムは、空港、規定された領域、危険領域、軽飛行機ルート、上空交通制御境界等の航空関連ポイントとの関連で、GPSによる位置、高度及び速度をユーザに識別させる。装置は、その後、音声案内、領空警報、またはボイスコマンドによる情報検索をパイロットに供給し、ボイスコマンドによって、またはうるさいコップピット内でボタンを押すことによってパイロットの応答を受け取る。
【0040】
コールアヘッド(Call ahead)
移動している時に電話番号を発見することは難しい場合がある。このシステムは、補助となるいくつかの機能を提供する。いづれのモードにおいても、ユーザは音声機能メニューにアクセスし、ホテル、エアライン等のリストを提供する。ユーザによって選択が行われた場合、システムは、データベース内に記憶されている電話番号を用いて、電話を自動的にかける。
【0041】
システムは、GPSによる位置、移動方向及びユーザの予め決まっている好みを用いて、可能な選択子を論理シーケンスに命令し、ユーザに表示する。例えば、ユーザが道路上を南に向かって高速で進んでおり、4つ星のレストラン及びアメックス(AMEX)による支払を望む場合、選択子は減少する。その後、選択子は、現在位置からの距離でランク付けされる。その後、システムは、正しい電話番号を検索し、ユーザが自動ダイヤル電話をリクエストし、部屋を予約できるようにしている。
【0042】
システムは、ユーザが好むクレジットカードの詳細をファイルに保有し、運転中または飛行中にポケットからカードを探す必要がないようにしている。ユーザは、電話でただ「私のアメックスの番号は」と告げれば良く、システムは、カード番号データを検索して、例えばユーザのセンテンス「1234 3456 567 有効期限 0695」を完了する。
【0043】
設定経路報告も、特定の地点でツアーに挿入され、前もって電話してディナーのテーブルを予約したり、花を注文したり、ホテルの部屋を予約したり、フェリーを予約できる機能をユーザに提供している。
【0044】
音声(オーディオ)コマンド
装置は、ユーザによって選択される音声コマンドによって制御され、基本的な情報記憶及び検索機能の範囲を実行する。ユーザは、ユーザにとって快適なコマンドを選択する必要がある。これらの例としては、以下のものが挙げられる。
メニュー − メインメニューを再生する
オーケー(OK) − 最後に告げられたオプションを選択する
リピート − 最後の音声フレーズを再度再生する
Xモード − 特定のモードを選択する
ストップ − 音声を停止する
スタート − 音声を開始させる
受話器口 − 受話器口に切換る
スピーカー − スピーカーに切換る
スキップ − 現在の音声フレーズにスキップさせる
ポジション − …からポジション(位置)を提供する
ディスタンス − 開始から…までの距離を提供する
ログ・オン − ポジションデータのログを開始させる
ログ・オフ − ログを停止させる
【0045】
2.以下の図面を参照して、本発明による装置のオーディオビジュアルバージョンを説明する。
【0046】
図4は、標準的なポータブルパーソナルコンピュータに基づく、オーディオ/ビジュアルシステムの1つのバージョンを示している。静止画像シーケンス及び/または動画像シーケンスが、上記オーディオ(音声)の例で説明したGPS座標系に沿って、GPS−CDに記憶される。この視覚的データは、その後、いくつかのモードでアクセスされる。
【0047】
下見(プレ・ビュー:pre-view)モード
遠い場所を訪ねる前に、ユーザは装置を用いて訪問したいいくつかの場所を下見することができる。所定のビジュアルシーケンスが、単に、所望の場所の名前または緯度/経度を入力することによって、またはシステムによって提供されるリストから所望の場所を選択することによって、検索されて表示される。
【0048】
詳細(more detail)モード
オーディオモードの場合、場所の詳細がシステムによって音声で提供された時、データベースから画像情報も得られる場合には、ビープまたはプロンプトによってユーザに注意が喚起される。その後、ユーザは、必要ならば画像情報を選択することができる。
【0049】
シミュレーションモード
ユーザは、実際に場所に到着した場合、または下見モードでその場所を識別できた場合、データベースにアクセスして、その場所のいくつかの様子をコンピュータに基づきシミュレーションすることができる。例えば、提案された新しい道のルート、または提案された新しい建物のシミュレートされた外観を見ることができる。実際の場所の付近を歩くことによってGPSデータが変化すると、シミュレーションは、ユーザの向き、高さ、視点の方向、視線のアジマス角、及び時刻を考慮して、新しい実際の位置からシミュレートされた光景を描写する。シミュレーションは、バーチャルリアリティーヘルメットまたは他の装置等のディスプレイスクリーンまたは任意の形態の画像投射システムに表示される。ヘッドアップディスプレイとともに使用される場合、ユーザは、現在の画像とシミュレートされた将来の画像とを同時に見て比較することができる。
【0050】
3.以下に、本発明による装置のリアルタイムバージョンを説明する。
【0051】
ユーザがごく最近の情報にアクセスできるようにするために、装置は、オーディオまたはテレビジョン受信機を備え、特に放送領域データ伝送を受信する。このシステムは、選択された使用モード及びGPSによって計算された位置に基づく場所に関連する入力データを選択する。選択されたデータアイテムは、受信されると、装置のメモリに記憶され、その後、前記の他のデータベースデータと同様に処理される。
【0052】
リアルタイムデータシステムによって、ユーザが、広い範囲の情報源、すなわち、地方の天候、パイロット及びヨット操縦者様の天気予報、予定されたフライトの遅れ、特別なイベントの詳細、ホテルの部屋の利用可能性、道路の状態、音声案内された娯楽、経済的な市場の最新情報等にアクセスして自動的にサーチすることができる。
【0053】
4.以下に、本発明による装置のバーチャルリアリティー(仮想現実)バージョンを説明する。
【0054】
バーチャルリアリティーとは、コンピュータが作り出す3次元画像を説明するのに使用される言葉であり、特別仕様のプロジェクションシステムまたはヘルメットを使用して観察すると、現実の幻覚が作り出され、ユーザは、その幻覚を通過することができるとともに、コンピュータが作りだした物体に対して反応することができる。
【0055】
本発明は、現実の世界の画像を、コンピュータが作り出す画像と組み合わせるものである。装置は、そのGPSポジションから、その現実の世界の基準フレームを得ることができる。このことによって、装置は、仮想の物体を作り出すことができ、これら仮想の物体が観察者の現実の世界内に正確に配置される。最終的にコンピュータが作り出す画像は、その後、分割画像眼鏡を用いてユーザの視界に投射される。代案として、コンピュータが作り出す物体は、実際の世界のビデオ画像上に重ねられ、最終的な合成画像は、人工リアリティーヘルメットを着用している観察者に投射される。
【0056】
本発明による装置は、いわゆる石油削井を訪問する消防隊またはレスキュー隊が、構造的、電気的または危険に関するデータを、実際の構造の外形に重畳し、彼らに安全関連の情報及び音声による危険警報を提供する。
【0057】
本発明による装置によって、新しい建物の立っている場所を訪問するユーザが、風景に重畳されたコンピュータが作りだした新しい建物の画像を見ることができる。コンピュータが作り出す画像は、ユーザが所定の場所の周囲を歩行してユーザのGPSポジションが変化するにつれて、変化する。
【0058】
本発明の商業的な利用
GPS探索装置の販売、CDの応用、及びリアルタイムサービスによって収益が得られる。
【0059】
GPS探索装置のCDの販売は、当該システムの潜在的な応用範囲がほとんど限定されていないことから、最も成長の可能性がある。新しいそれぞれの応用例において、世界中の会社がその市場のために新しいCDを製造しなければならない。多くの探索装置のCD
は、どちらかと言うと対話式のイエローページのような、所定の分野におけるビジネスの詳細を有している。しかし、イエローページの場合には消費者が広告主の場所を見つけなければならないという問題を残しているが、GPS探索装置システムの場合、たとえ広告主の所在が発見しづらかったとしても、消費者を広告主の所に誘導することができる。また、当該システムは、電話番号を自動的にダイヤルして、ユーザがその場所に行く前に要件をチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】オーディオ受話器口、マイクロフォン、GPS受信機、CDドライブ及びプロセッサを備えている装置の音声のみのバージョンを示す図である。
【図2】ユーザの位置をモニタして、好適な音声を検索して再生するのに使用される基本的なロジックを示す図である。
【図3】GPSによって決定される位置に関する地図を示す図である。
【図4】標準的なポータブルパーソナルコンピュータに基づく、オーディオ/ビジュアルシステムの1つのバージョンを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースと、
内蔵されていることが好ましい、GPS受信機または他の衛星測位システム受信機を用いて、ユーザに関連する位置データを決定するための手段と、
・位置
・向き
・進行方向
・視線の方向
・速度
・高度
・日付
・時間
の任意の組み合わせを有しているユーザポジションから得られるデータ検索キーを用いて、データベースから音声情報及び視覚情報またはこれらのいずれか一方を自動的に検索するための手段と、
ユーザが興味あるデータを選択またはプリセットするための手段と、
検索されたデータを出力するための手段と
を備えているポータブル情報システム。
【請求項2】
ラジオ、テレビジョン、セルラー電話、衛星電話、または他の形式の放送若しくは放送データを検索するとともに、これをデータベースに加えるための手段を備えている請求項1に記載のポータブル情報システム。
【請求項3】
データ検索または表示に関する種々のモードをユーザが選択し、種々のモードのトラベルに関する人間工学的な制約に適合させるための手段を備えている請求項1または2に記載のポータブル情報システム。
【請求項4】
ユーザの向きを決定するための手段が、見出し、移動方向、速度、加速度若しくは減速度、上昇若しくは下降の速度、上り若しくは下りの速度、ピッチ角度若しくは速度、ロール角度若しくは速度、または他の任意の変数のいずれか一つを有するように構成している請求項1〜3のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項5】
位置、製品、人物、車両、システム、温度または任意の環境変数を識別するためのデータを入力するための光学、磁気、無線等による手段を備えている請求項1〜4のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項6】
視界の方向を決定するための手段が、コンパス方位、アジマスまたはレンジを有するように構成している請求項1〜5のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項7】
ユーザが電話番号をダイヤルせずに、データベースまたは放送からの電話番号を用いて電話呼出を可能にするための手段とともに、電話または電話インターフェイスを備えている請求項1〜6のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項8】
オーディオデータまたはオーディオメニューに含まれている音声オプションから選択することによって、ユーザが装置を制御するための手段を備えている請求項1〜7のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項9】
ディスプレイスクリーンを備えている請求項1〜8のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項10】
オーディオコマンドによって制御される請求項1〜9のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項11】
キーボードによって、または任意の形式のジョイスティック若しくはスイッチによって制御される請求項1〜10のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項12】
グループユーザが同時に使用できるように、少なくとも2つのチャネルを有している請求項1〜11のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項13】
ユーザの時間的空間的位置、現実の世界における視界のオリエンテーション及び方位に基づき、音響的及び視覚的3次元環境または音響的若しくは視覚的3次元環境の、音響的及び視覚的シミュレーション若しくはそのいずれか一方、または部分的シミュレーションをユーザに提供するための手段を備えている請求項1〜12のいづれか一項に記載のポータブル情報システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいづれか一項に記載のポータブル情報システムを備えているポータブル娯楽システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−260552(P2006−260552A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46591(P2006−46591)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【分割の表示】特願2004−347193(P2004−347193)の分割
【原出願日】平成6年5月18日(1994.5.18)
【出願人】(504441163)
【Fターム(参考)】