説明

GalR1のアゴニストとしてのビススルホンアミド化合物、組成物、及び使用法

本発明の実施の形態は、GalR1のアゴニストであるビススルホンアミド化合物を提供する。本発明はさらに、GalR1のアゴニストであるビススルホンアミド化合物を含む組成物、並びにこのような化合物及び組成物の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、GalR1のアゴニストとしてのビススルホンアミド化合物及び組成物、並びにそのような化合物及び組成物の使用法に関する。
【0002】
[関連出願の記載]
本願は、米国特許仮出願第60/620,699号(2004年10月21日出願)及び米国特許仮出願第60/670,752号(2005年4月13日)の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
[背景]
ガラニンは、脳、脊髄、及び腸を含む組織で広く分布し、ヒトではアミノ酸30個から成るニューロペプチド(齧歯動物ではアミノ酸29個)である(1)。ガラニンは、痛覚、神経再生、摂食、記憶、神経内分泌放出、腸分泌及び収縮性を含む多数のプロセスを調節する(2,3)。3つのガラニン受容体サブタイプ(GalR1、GalR2、及びGalR3)がクローン化されており、それは7回膜貫通型Gタンパク共役型受容体のスーパーファミリーに属する(4,5)。これらの受容体は、第二メッセンジャー活性を調節する種々のGタンパク質系に共役することが示されている。GalR1のガラニン刺激は、百日咳毒素(Gi/o型Gタンパク質に対する共役に整合)に対して感受性を有する(6)。
【0004】
3種類のガラニン受容体サブタイプの全てが、後根神経節(DRG)及び脊髄で発現する(7)。ガラニン及びその受容体の解剖学的場所並びに神経損傷に反応するガラニンの上方制御は、ガラニン−GalR経路が脊髄の侵害受容伝達の調節で重要な役割を演じる可能性があることを示唆する(8−10)。ガラニンのくも膜下投薬は、モルヒネに対する脊髄の抗侵害受容反応を高めて、オピエート離脱(opiate withdrawal)の身体的徴候を低下させた(11,12)。GalR1は、抗侵害受容伝達のための重要なガラニン受容体である可能性がある。GalR1選択性を有するガラニン・ペプチド類似体のくも膜下投与は、神経障害性疼痛モデルで、疼痛閾値を改善した(13,14)。
【0005】
最近の研究において、GalR1の発現、細胞分裂機能、及びシグナル伝達機構が正常及び悪性口腔上皮細胞で調べられた。GalR1の競合阻害の際に、不死化悪性ケラチノサイトで増殖の上方制御が起こった。研究によって、GalR1がMAPK経路を不活性化することによって不死化悪性ケラチノサイトの増殖を阻害することも示された(15)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の概要]
本明細書中に述べられるように、本発明は式(I)の化合物を提供する、ここでは、式(I)の化合物はGalR1アゴニストである。別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物の調製方法も提供する。
【0007】
本発明はまた、式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物を含む医薬組成物の調製方法を提供する。医薬組成物は、
薬学的に許容される担体、賦形剤及び/又は希釈剤を含んでもよい。
【0008】
別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物の使用法及び式(I)の化合物を含む医薬組成物の使用法を提供する。本発明の化合物及び医薬組成物を、ヒト又は動物の障害の治療に使用することが可能である。
【0009】
ヒト又は動物の障害の治療に用いられる場合、式(I)の化合物及び式(I)の化合物を含む医薬組成物は、多くの利点を提供することが可能である。一実施の形態では、本発明の化合物及び医薬組成物は種々の治療選択肢を提供することが可能である。低分子治療として、本発明の化合物及び医薬組成物の例示的な実施の形態は、経口、局所、又は非経口での投与が可能である。また、本発明の化合物及び医薬組成物が、一次療法を含むものであってもよく、又は他の治療の補助剤として使われてもよい。
【0010】
別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。ここで、式(I)の化合物はGalR1アゴニストであり、式(I)の化合物はGalR1受容体の活性を高めるのに十分な量で存在する。別の実施の形態では、医薬組成物は式(I)の化合物を含み、ここでは、式(I)の化合物がGalR1アゴニストであり、式(I)の化合物が被験体でGaIR1を刺激するのに十分な量で存在する。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、GaIR1受容体の活性化によって改善される障害を有する受療者に対して、受療者のGaIR1の活性を高めるのに十分な量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。例えば、本発明の化合物及び医薬組成物は、神経障害性疼痛又は癌の治療に有用であり得る。さらに、鎮痛効果が観察可能な用量で、本発明の化合物は、血液脳関門を越えることが実質的にできない一方で、少なくとも1つの末梢GalR1と結合可能である。本発明の化合物を脳から部分的又は完全に排除することで、化合物又は医薬組成物に関連した1つ又は複数の中枢媒介副作用(centrally-mediated side effect)のリスク又は重症度を減らすことが可能である。
【0012】
本発明のさらなる特徴を以下に述べる。理解されることは、本発明は前述又は後述の説明に述べられている詳細へのその適用に制限されるものではなく、他の実施の形態が可能であり、あるいは種々の方法で実施又は実行が可能である、ということが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[詳細な説明]
この出願全体を通して、種々の刊行物を参照する。これらの刊行物についての完全な引用は、特許請求の範囲の直後に見出される。
【0014】
疼痛は、複雑な一連の機構から構成される感覚及び知覚である。その最も単純な構成において、疼痛は末梢での痛覚、触覚、及び圧受容器の発射からの信号であり、該信号は、脊髄、最終的には低位又は高位の脳中枢に伝達される。しかし、この信号を疼痛経路の各段階で多数の方法により改変することができる(16)。
【0015】
生理的疼痛は、外部環境からの潜在的に有害な刺激から危険を警告するように設計された重要な防御機構である。この系は、一次感覚神経の特定の組み合わせを通って作動し、末梢伝達(peripherally transducing)機構を介して有害刺激によってもっぱら起動される(16)。これらの感覚繊維は侵害受容器として知られ、伝導速度が遅い小径の軸索によって特徴づけられる。侵害受容器は、有害刺激の強度、期間、及び質をコード化する。侵害受容器はまた、脊髄に対して位置特異的に組織化された投射によって刺激の位置をコード化する。侵害受容器は、2つの主要な型、すなわちAデルタ線維(有髄)及びC線維(無髄)の侵害受容神経線維で見いだされる。侵害受容器入力によって発生する活動は、
後角での複雑な処理の後に、直接又は脳幹中継核を経て、視床腹側基底に移り、その後に痛覚が発生する皮質に移る。
【0016】
主に3種類の疼痛が存在する。急性の痛み(痛覚と称す)は、侵害刺激に反応した痛みを伴う感覚が瞬間的に発生するものである。生物が自身の損傷を防ぐことができるので、適応性であると考えられる。例えば、疼痛が感知されるとすぐに、熱風炉から手を退けることで重い熱傷を防止する。
【0017】
疼痛の第2の型は、持続性の痛みである。急性の痛みとは異なり、それは通常遅延性発生を呈するが、その痛みは数時間から数日に及ぶ。これは主に適応性であると考えられる。なぜなら、損傷後の持続性の痛みが生ずることで組織がさらに損傷を受けるのを防ぐことができるからである。例えば、捻挫した足首にかかわる疼痛によって、患者はその足を使うのを防ぐことでさらなる外傷を予防でき、回復が促される。
【0018】
疼痛の最後のカテゴリーは、慢性疼痛である。この痛みは遅延性発生を有し、数ヶ月から数年にわたって持続することがある。急性の痛み及び持続性の痛みとは対照的に、慢性疼痛は不適応性であると考えられ、関節炎、神経損傷、エイズ、及び糖尿病等の症状と関係している。
【0019】
慢性的又は神経障害性疼痛は、様々な形で起こり、自発痛(外部の刺激のない痛みを伴う感覚)、アロディニア(異痛症)(通常無害な刺激に反応した痛みを伴う感覚)、及び痛覚過敏(少し痛みを伴うような刺激に対する強い痛みを伴う感覚)が挙げられる。この状態を臨床的に治療することを難しくしているのは、このような症状の多様性であり得る。実際に、現在の治療は、主に抗うつ薬及び鎮痙薬の適応外使用である。抗うつ薬及び鎮痙薬はいずれも、患者にとって問題を生じる恐れがある。
【0020】
三環系抗うつ薬には神経障害性疼痛の治療で、最も長く使用された歴史を有する。そのような薬は、セロトニン作動系及びノルアドレナリン作動系を概して標的とし、セロトニン及びノルエピネフリンの両方の利用可能な細胞外濃度を上昇させる。ノルエピネフリンによるアルファ2−アドレナリン受容体の後シナプス活性化は、これらの化合物が神経障害性疼痛を軽減する機構である可能性があると提案された。抗うつ薬は血液脳関門を容易に越えられることから、セロトニン及びノルエピネフリンの濃度を増加させるそれらの能力は、中枢媒介副作用の高いリスクを生じる他の受容体の不必要な活性化を生じ可能性がある。抗うつ薬の副作用は、軽いが刺激性の症状(例えば口渇及び鎮静)から重くて生命を脅かすような副作用(例えば体位性低血圧及び心不整脈)まで様々であり得る。多数の神経障害性患者を代表する年輩者は、特に抗うつ薬のより重い副作用の影響を受けやすいと考えられる。
【0021】
種々の疼痛状態(神経障害性疼痛を含む)を治療する際の鎮痙薬の効果が最近評価された(17)。抗うつ薬と同様で、副作用はこれらの薬物でしばしば起こると考えられる。
【0022】
抗うつ薬及び鎮痙薬による副作用が一般的に生ずること、並びに副作用によりこれらの化合物の使用が制限されることから、中枢媒介副作用を回避すると思われる神経障害性疼痛に対する治療が必要である。
【0023】
一つの態様では、本発明は式(I):Ar2−SO2NH−Ar1−NHSO2−Ar3(I)の化合物、薬学的に許容される塩類又はそのプロドラッグを提供し、ここでは、式(I)の化合物は、GalR1アゴニストである。
【0024】
Ar1は、1〜4回任意に置換される、アリーレン、ヘテロアリーレン、縮合シクロア
ルキルアリーレン、縮合ヘテロシクリルアリーレン、縮合シクロアルキルヘテロアリーレン、又は、縮合ヘテロシクリルヘテロアリーレン基を含む。一実施の形態では、Ar1は、1〜4回任意に置換されるアリーレン基を含む。様々な実施の形態では、Ar1の置換基は、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−パーハロアルキル;
f)−アルキル;
g)−アリール;
h)−ヘテロアリール;
i)−シクロアルキル;
j)−L−アリール;
k)−L−アリーレン−アリール;
1)−L−アリーレン−アルキル;
m)−Q−アルキル;
n)−Q−アリール;
o)−Q−アルキレン−アリール;
p)−Q−アリーレン−アルキル;
q)−L−Q−アルキレン−アリール;
r)−アリーレン−Q−アルキル;
s)−L−Q−アルキル;
t)−L−Q−アリール;
u)−L−Q−ヘテロアリール;
v)−L−Q−シクロアルキル;
w)−L−Q−アリーレン−アルキル;
x)−D4−アルキレン−NR12
y)−D4−NR12
z)−D4−アルキル;又は
aa)−D4−Hを含んでもよく;
式中、D4は、直接結合、−CH2−、−O−、−N(R4)−、−C(O)−、−CON(R4)−、−N(R4)C(O)−、−N(R4)CON(R4')−、−N(R4)C(O)O−、−OC(O)N(R4)−、−N(R4)SO2−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R4)SO2N(R4')−、又は−N=N−を含み、
式中、R4及びR4'は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み;
1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、ここで、R1及びR2がひとまとめになって、R1及びR2が結合する窒素原子に結合した式−(CH2o−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)− 、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、−N(C(O)NR3132)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−を含み;
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、
又は−アルキレン−アリールを含み;
Lは、直接結合、−アルキレン、−アルケニレン,又は−アルキニレンを含み;
Qは、直接結合、−CH2−、−O−,又は−S−を含む。
【0025】
別の実施の形態では、−NHSO2−Ar2及び−NHSO2−AR3基がAr1環内の隣接した原子上に位置している。さらなる実施の形態では、Ar1
【化1】

であり、式中、J及びKはそれぞれ独立して、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−パーハロアルキル;
f)−アルキル;
g)−アリール;
h)−ヘテロアリール;
i)−シクロアルキル;
j)−L−アリール;
k)−L−アリーレン−アリール;
1)−L−アリーレン−アルキル;
m)−Q−アルキル;
n)−Q−アリール;
o)−Q−アルキレン−アリール;
p)−Q−アリーレン−アルキル;
q)−L−Q−アルキレン−アリール;
r)−アリーレン−Q−アルキル;
s)−L−Q−アルキル;
t)−L−Q−アリール;
u)−L−Q−ヘテロアリール;
v)−L−Q−シクロアルキル;
w)−L−Q−アリーレン−アルキル;
x)−D4−アルキレン−NR12
y)−D4−NR12
z)−D4−アルキル;又は
aa)−D4−Hを含み、
式中、D4は、直接結合、−CH2−、−O−、−N(R4)−、−C(O)−、−CON(R4)−、−N(R4)C(O)−、−N(R4)CON(R4')−、−N(R4)C(O)O−、−OC(O)N(R4)−、−N(R4)SO2−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R4)SO2N(R4')−、又は−N=N−を含み、ここで、
4及びR4'は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み、
1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、R1及び
2がひとまとめになって、R1及びR2が結合した窒素原子に結合した式−(CH2o−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO− 、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、N(C(O)NR3I32)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−を含み、
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
Lは、直接結合、−アルキレン、−アルケニレン、又は−アルキニレンを含み、
Qは、直接結合、−CH2−、−O−、又は−S−を含む。
【0026】
さらなる実施の形態では、J及びKがそれぞれ独立して、水素、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、アミド、−D4−アルキル、−D4−アルキレン−NR12、−D4−NR12、−D4−アルキル、−D4−Hを含み、式中、D4は、−C(O)−、−CON(R4)−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−を含み、式中、R4は、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み、
式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、ここでR1及びR2がひとまとめになって、R1及びR2が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、−N(C(O)NR3132)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−を含み、
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
ここで、J及びKの少なくとも1つは、水素以外の基である。
【0027】
さらなる実施の形態では、Ar1が、
【化2】

であり、式中J及びKは上記で定義されていて、Ar2及びAr3は、非置換ベンゾチオフェン基である。
【0028】
別の実施の形態では、Ar1は、非置換フェニレン基を含む。他の実施の形態では、Ar1は、非置換フェニレン基を含み、−NHSO2−Ar2及び−NHSO2−Ar3置換基がAr1環内の隣接した炭素原子上に位置する。
【0029】
別の実施の形態では、式(I)の化合物は、平面の反対側にあるAr2及びAr3によってAr1を分割する平面に対してC2対称ではない。
【0030】
Ar2及びAr3は、それぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、縮合シクロアルキルアリール、縮合シクロアルキルヘテロアリール、縮合ヘテロシクリルアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基(任意に1ないし5回置換)を含み、ここで、Ar2及びAr3の少なくとも1つが、−NHSO2−基に対する結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含む。種々の実施の形態で、Ar2及びAr3の置換基は、それぞれ独立して
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−アルキル;
f)−アリール;
g)−シクロアルキル;
h)−ヘテロシクリル;
i)−アルキレン−シクロアルキル;
j)−パーハロアルキル;
k)ヘテロアリール;
l) −アルキレン−アリール;
m) −D1−H;
n) −D1−R3
o) −D1−アルキル;
p) −D 1−アリール;
q) −D 1−パーハロアルキル;
r) −D 1−アルキレン−R3
s) −D 1−アルキレン−アリール;
t) −D 1−アルキレン−D2−R3
u) −D 1−シクロアルキル;
v) −D 1−ヘテロシクリル;
w) −D 1−アリール;
x) −D 1−ヘテロアリール;
y) −D 1−アリーレン−D2−R3
z) −D 1−ヘテロアリーレン−D2−R3
aa) −D 1−アルキレン−ヘテロアリール;
bb) −D 1−アルキレン−ヘテロシクリル;
cc) −D 1−アルキレン−アリール;
dd) −D 1−アルキレン−アリーレン−D2−R3
ee) −D 1−アルキレン−ヘテロアリーレン−D2−R3
ff) −D 1−アルキレン−NR56
gg) −D 1−アリーレン−NRsR6;又は
hh) −酸同配体(acid isostere);
を含んでもよく、
式中、D 1は直接結合、−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(O)−、−CON(R7)−、−N(R7)C(O)−、−N(R7)CON(R8)−、−N(R7)C(O
)O−、−OC(O)N(R7)−、−N(R7)SO2−、−SO2N(R7)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R7)SO2N(R8)−、又は−N=N−を含み;
式中、R7及びR8はそれぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン− アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキルを含み、
3は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は−ヘテロアリールを含み、
5及びR6はそれぞれ独立して水素、アルキル、又はアリールを含み、R5及びR6と一緒になって、R5及びR6が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z1−(CH2P−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
1は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R9)−、−N(C(O)R9)−、−N(C(O)NHR9)−、−N(C(O)NR910)−、−N(S(O)2NHR9)−、−N(SO29)−、又は−N(C(O)OR9)−を含み;
式中、R9及びR10は、それぞれ独立して−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み;
2は、−アルキレン−、−アルケニレン−、−アルキレン−S−、−S−アルキレン−、−アルキレン−O−、−O−アルキレン−、−アルキレン−S(O)2−、−S(O)2−アルキレン、−O−、−N(R11)−、−C(O)−、−CON(R11)−、−N(R11)C(O)−、−N(R11)CON(R12)−、−N(R11)C(O)O−、−OC(O)N(R11)−、−N(R11)SO2−、−SO2N(R11)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、− S(O)−、−S(O)2−、又は−N(R11)SO2N(R12)−を含み、
式中、R11及びR12 は、それぞれ独立して−水素、−アルキル、又は−アリールを含む。
【0031】
一実施の形態では、Ar2及びAr3はそれぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、縮合シクロアルキルアリール、縮合シクロアルキルヘテロアリール、縮合ヘテロシクリルアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基(任意に1ないし5回置換されている)を含み、Ar2及びAr3の少なくとも1つが、−NHSO2−基に対する結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含み、またAr2及びAr3が異なる。
【0032】
別の実施の形態では、Ar2及びAr3はそれぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基(任意に1ないし5回置換されている)を含み、Ar2及びAr3の少なくとも1つが−NHSO2−基に対する結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含む。
【0033】
別の実施の形態では、Ar2及びAr3はそれぞれ独立してアリール、ヘテロアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基(任意に1ないし5回置換されている)を含み、Ar2及びAr3の少なくとも1つが−NHSO2−基に対する結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含み、Ar2及びAT3が異なる。
【0034】
別の実施の形態では、Ar2及びAr3がそれぞれ独立して、任意に置換された又は非置換のフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、又は4、5,6,7−テトラヒド
ロチエノ[3,2−c]ピリジニルを含み、ここでAr2及びAr3の少なくとも1つは、−NHSO2−基への結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含む。
【0035】
別の実施の形態では、Ar2及びAr3がそれぞれ独立して、任意に1ないし5回置換されたアリール、ヘテロアリール、縮合シクロアルキルアリール、縮合シクロアルキルヘテロアリール、縮合ヘテロシクリルアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基を含み、Ar2及びAr3の少なくとも1つが、
【化3】

又は
【化4】

を含み、式中、
13は、アルキル、アルキレン−シクロアルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、又はシクロアルキルを含み、
14は、
a)−ハロゲン;
b)−シアノ;
c)−ニトロ;
d)−パーハロアルキル;
e)−D1−R17
f)−D1−アルキル;
g)−D1−アルキレン−R17
h)−D1−アルキレン−D2−R17
i)−D1−アリール;
J)−D1−ヘテロアリール;
k)−D1−アリーレン−D2−R17
1)−D1−ヘテロアリーレン−D2−R17
m)−D1−アルキレン−ヘテロアリール;
n)−D1−アルキレン−ヘテロシクリル;
o)−D1−アルキレン−アリール;
p)−D1−アルキレン−アリーレン−D2−R17
q)−D1−アルキレン−ヘテロアリーレン−D2−R17
r)−D1−アルキレン−NR1819
s)−D1−アリーレン−NR1819;又は
t)−酸同配体を含み、
式中、D1は、直接結合、−S(O)2−、−CON(R20)−、−SO2N(R20)−、−C(O)−O−、−S−、−S(O)−を含み、
式中、R20は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は−ヘテロアリールを含み、
17は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は −ヘテロアリールを含み、
18及びR19は、それぞれ独立して、水素、アリール、又はアルキルであり、R18及びR19がひとまとめになって、R18及びR19が結合した窒素原子に結合した式−(CH2o−Z2−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
2は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R20)−、−N−(C(O)R20)−、−N(C(O)NHR20)−、−N(C(O)NR2021)−、−N−(S(O)2NHR20)−、−N(SO220)−、又は−N(C(O)OR20)−を含み、ここで、
20及びR21は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
2は、−アルキレン−、−アルケニレン−、−アルキレン−S−、−S−アルキレン−、−アルキレン−O−、−O−アルキレン−、−アルキレン−S(O)2−、−S(O)2−アルキレン、−O−、−N(R22)−、−C(O)−、−CON(R22)−、−N(R22)C(O)−、−N(R22)CON(R23)−、−N(R22)C(O)O−、−OC(O)N(R22)−、−N(R22)SO2−、−SO2N(R22)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、又は−N(R22)SO2N(R23)−を含み、式中、
22及びR23は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、又は−アリールを含み、
15及びR16は、それぞれ独立して、
a)−水素;
b)−ハロゲン;
c)−シアノ;
d)−アルキル;
e)−アリール;
f)−アルキレン−アリール;
g)−D3−H;
h)−D3−アルキル;
i)−D3−アリール;
j)−D3−アルキレンアリール;
k)−Y−アルキル;
1)−Y−アリール;
m)−Y−アルキレン−アリール;
n)−Y−アルキレン−NR2425;又は
o)−Y−アルキレン−W−R26を含み、
式中、
3は、−O−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−SO2−、−SO2−NH−、又は−C(O)−を含み、
Y及びWは、それぞれ独立して、−CH2−、−O−、−N(H)、−S−、SO2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO2−、−SO2N(H)−、−C(O)−O−、−NHSO2NH−、又は−O−CO−を含み、
26は、アリール、アルキル、アルキレン−アリール、アルコキシ、及びアルコキシアリールを含み、
24及びR25は、それぞれ独立して、水素、アリール、又はアルキルを含み、R24及びR25がひとまとめになって、R24及びR25が結合した窒素原子に結合した式−(CH2o−Z3−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
3は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R29)−、−N(C(O)R29)−、−N(C(O)NHR29)−、−N(C(O)NR2930)−、−N(S(O)2NHR29)−、−N(SO229)−、又は−N(C(O)OR29)−を含み、式中、
29及びR30は、それぞれ独立して、水素、アリール、アルキル、又はアルキルアリールを含み、
26は水素、アルキル、アリール、及びアルキレン−アリールを含み、
Xは、イオウ又は酸素を含み、
m及びnは、それぞれ独立して0、1、又は2である。
【0036】
別の実施の形態では、Ar2
【化5】

を含み、式中、R14は、
a)−D−パーハロC2−C6アルキル;
b)−D−アルキレン−ヘテロアリール;
c)−D−アルキレン−ヘテロシクリル;
d)−D1−アルキレン−NR1819;又は
e)−酸同配体
を含み、ここでR13、R15、R18、R19及びD1は上記のように定義される。
【0037】
別の実施の形態では、Ar2が基:
【化6】

を含み、またAr3
【化7】

を含み、ここではR13、R14、R15、R16、X、m及びnは上記のように定義される。
【0038】
他の実施の形態では、Ar2が基:
【化8】

を含み、またAr3が1ないし5回置換されたフェニル基を含み、Ar2及びAr3が異なり、R13、R14、R15、及びmは上記のように定義される。さらなる実施の形態では、Ar3が少なくとも1つのハロ基で置換されたフェニル基を含む。
【0039】
別の実施の形態では、Ar2が基:
【化9】

を含み、またAr3が任意に1ないし5回置換されたフェニル、ベンゾチオフェニル、又はベンゾフラニル基を含み、Ar2及びAr3が同一又は異なり、R16及びnは上記で定義される。
【0040】
別の実施の形態では、Ar2が非置換ベンゾチオフェン基を含む。
【0041】
別の実施の形態では、Ar2及びAr3は異なる。
【0042】
J、K、Ar2、Ar3、及びR1ないしR32のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、及びヘテロアリール基を、
a) −水素;
b) −ハロ;
c) −シアノ;
d) −ニトロ;
e) −パーハロアルキル;
f) −A−パーハロアルキル;
g) −A−R40
h) −A−アルキル;
i) −A−アリール;
j) −A−アルキレン−アリール;
k) −A−アルキレン−NR4142;又は
1) −A−アルキル−E−R43
を含む置換基によって任意に1ないし4回置換してもよく、
式中、A及びEはそれぞれ独立して、−CH2−、−O−、−N(R44)−、−C(O)−、−CON(R44)−、−N(R44)C(O)−、−N(R44)CON(R45)−、−N(R44)C(O)O−、−OC(O)N(R44)−、−N(R44)SO2−、−SO2N(R44)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、又は−N(R44)SO2N(R45)−を含み、
式中、R44及びR45がそれぞれ独立して−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキルを含み;
40及びR43がそれぞれ独立して−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキルを含み;
41及びR42がそれぞれ独立して水素、アリール、又はアルキルを含み、R41及びR42は一緒になって、R41及びR42が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2P−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して1、2、3、又は4であり、o+pは6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R46)−、−N(C(O)R46)−、−N(C(O)NHR46)−、−N(C(O)NR4647)−、−N(S(O)2NHR46)−、−N(SO246)−、又は−N(C(O)OR46)−を含み;
式中、R46及びR47はそれぞれ独立して、水素、アリール、アルキル、又は−アルキレン−アリールを含む。
【0043】
本発明の式(I)の化合物の例を表1及び実施例のセクションに示す。
【0044】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【0045】
特に明記しない限り、酸素及び窒素等のヘテロ原子について空の結合性(vacant connectivity)を有する式(I)の化合物の例の構造は、それに水素原子が結合していると推定される。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「低級」という用語は1〜6個の炭素を有する基を指す。
【0047】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした「アルキル」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)、又はS(O)2原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「アルキル」の例としては、メチル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、及びイソプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書中で使用される場合、「アルキレン」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の2価炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置
換が許容される。こうした「アルキレン」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)、又はS(O)2原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「アルキレン」の例には、メチレン、エチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした「アルケニル」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)、又はS(O)2原子を含み得る。
【0050】
本明細書中で使用される場合、「アルケニレン」という用語は、2〜10個の炭素原子及び1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の2価炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした「アルケニレン」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)、又はS(O)2原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「アルケニレン」の例としては、エテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、メチレン−1,1−ジイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書中で使用される場合、「アルキニル」という用語は、2〜10個の炭素及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群から選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした「アルキニル」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)又はS(O)2原子を含み得る。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「アルキニレン」という用語は、2〜10個の炭素原子及び1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の2価炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群から選択される置換基で任意に置換され、複数度の置換が許容される。こうした「アルキニレン」基は、1つ又は複数のO、S、S(O)又はS(O)2原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「アルキニレン」の例としては、エチン−1,2−ジイル、プロピン−1,3−ジイ
ルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキル」とは、任意に不飽和度が1又はそれ以上で3〜12個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルなどが挙げられる。
【0054】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキレン」という用語は、3〜12個の炭素原子を有し、任意に不飽和度が1又はそれ以上の非芳香族脂環式2価炭化水素ラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。本明細書中で使用される場合、「シクロアルキレン」の例としては、シクロプロピル−1,1−ジイル、シクロプロピル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイル、シクロヘプチル−1,4−ジイル、又はシクロオクチル−1,5−ジイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書中で使用される場合、「複素環式」又は「ヘテロシクリル」という用語は、任意に不飽和度が1又はそれ以上で、S、SO、SO2、O、又はNから選択される1つ又は複数のヘテロ原子置換を有する3〜12員の複素環を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした環は、1つ又は複数の別の「複素環式」環(複数可)又はシクロアルキル環(複数可)と任意に縮合できる。「複素環式」の例としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロシクリレン」という用語は、任意に不飽和度が1又はそれ以上で、S、SO、SO2、O、又はNから選択される1つ又は複数のヘテロ原子を有する3〜12員の複素環ジラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。こうした環は、1つ又は複数のベンゼン環又は1つ又は複数の別の「複素環式」環やシクロアルキル環と任意に縮合できる。「ヘテロシクリレン」の例としては、テトラヒドロフラン−2,5−ジイル、モルホリン−2,3−ジイル、ピラン−2,4−ジイル、1,4−ジオキサン−2,3−ジイル、1,3−ジオキサン−2,4−ジイル、ピペリジン−2,4−ジイル、ピペリジン−1,4
−ジイル、ピロリジン−1,3−ジイル、モルホリン−2,4−ジイル、ピペラジン−1,4−ジイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書中で使用される場合、「アリール」という用語は、ベンゼン環、又は1つ又は複数の任意に置換されたベンゼン環と縮合した任意に置換されたベンゼン環系を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。アリールの例としては、フェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、1−アントラセニルなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0058】
本明細書中で使用される場合、「アリーレン」という用語は、ベンゼン環ジラジカル、又は1つ又は複数の任意に置換されたベンゼン環と縮合したベンゼン環系ジラジカルを指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。「アリーレン」の例としては、ベンゼン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、5〜7員の芳香環、又は1つ又は複数の窒素、酸素、又は硫黄ヘテロ原子を有する多環式複素環式芳香族環(ここで、N−酸化物及び一酸化硫黄及び二酸化硫黄が許容できる複素環式芳香族置換基である)を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。多環式芳香族環系については、1つ又は複数の環は、1つ又は複数のヘテロ原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリール」の例としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、及びインダゾールなどが挙げられる。
【0060】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリーレン」という用語は、5〜7員の芳香環ジラジカル、又は1つ又は複数の窒素、酸素、又は硫黄ヘテロ原子を有する多環式複素環
式芳香族環ジラジカル(ここで、N−酸化物及び一酸化硫黄及び二酸化硫黄が許容できる複素環式芳香族置換基である)を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルで任意に置換可)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルで任意に置換可)、アミノスルホニル(アルキルで任意に置換可)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、シリルオキシ(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、シリル(アルコキシ、アルキル、又はアリールで任意に置換可)、ニトロ、シアノ、ハロゲン、又は低級ペルフルオロアルキルから成る群より選択される置換基で任意に置換され、また複数度の置換が許容される。多環式芳香族環系ジラジカルについては、1つ又は複数の環には、1つ又は複数のヘテロ原子を含み得る。本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリーレン」の例としては、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,4−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3−チアゾール−2,4−ジイル、1,3−チアゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,4−ジイル、ピリジン−2,3−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル、キノリン−2,3−ジイルなどが挙げられる。
【0061】
本明細書中で使用される場合、「縮合シクロアルキルアリール」という用語は、アリール基に縮合したシクロアルキル基を指し、アリール基及びシクロアルキル基は2個の原子を共有し、ここで、アリール基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合、「縮合シクロアルキルアリール」の例としては、5−インダニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、
【0062】
【化10】

【0063】
などが挙げられる。
【0064】
本明細書中で使用される場合、「縮合シクロアルキルアリーレン」という用語は、縮合シクロアルキルアリールを指し、ここで、アリール基は2価である。例としては、
【0065】
【化11】

【0066】
などが挙げられる。
【0067】
本明細書中で使用される場合、「縮合アリールシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル基に縮合したアリール基を指し、シクロアルキル基及びアリール基は2個の原子を共有し、ここで、シクロアルキル基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合、「縮合アリールシクロアルキル」の例としては、1−インダニル、2−インダニル、1−(1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)、
【0068】
【化12】

【0069】
などが挙げられる。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「縮合アリールシクロアルキレン」という用語は、縮合アリールシクロアルキルを指し、ここで、シクロアルキル基は2価である。例としては、9,1−フルオレニレン、
【0071】
【化13】

【0072】
などが挙げられる。
【0073】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロシクリルアリール」という用語は、アリール基に縮合したヘテロシクリル基を指し、アリール基及びヘテロシクリルアリール基は2個の原子を共有し、ここで、アリール基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合「縮合ヘテロシクリルアリール」の例としては、3,4−メチレンジオキシ−1−フェニル、
【0074】
【化14】

【0075】
などが挙げられる。
【0076】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロシクリルアリーレン」という用語は、縮合ヘテロシクリルアリールを指し、ここで、アリール基は2価である。例としては、
【0077】
【化15】

【0078】
などが挙げられる。
【0079】
本明細書中で使用される場合、「縮合アリールヘテロシクリル」という用語は、ヘテロシクリル基に縮合したアリール基を指し、ヘテロシクリル基及びアリール基は2個の原子を共有し、またここで、ヘテロシクリル基が置換のポイントである。本明細書中で使用さ
れる場合「縮合アリールヘテロシクリル」の例としては、2−(1,3−ベンゾジオキソリル)、
【0080】
【化16】

【0081】
などが挙げられる。
【0082】
本明細書中で使用される場合、「縮合アリールヘテロシクリレン」という用語は、縮合アリールヘテロシクリルを指し、ここで、ヘテロシクリル基は2価である。例としては、
【0083】
【化17】

【0084】
などが挙げられる。
【0085】
本明細書中で使用される場合、「縮合シクロアルキルヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリール基に縮合したシクロアルキル基を指し、ヘテロアリール基及びシクロアルキル基は2個の原子を共有し、ここで、ヘテロアリール基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合「縮合シクロアルキルヘテロアリール」の例としては、5−アザ−6−インダニル、
【0086】
【化18】

【0087】
などが挙げられる。
【0088】
本明細書中で使用される場合、「縮合シクロアルキルヘテロアリーレン」という用語は、縮合シクロアルキルヘテロアリールを指し、ここで、ヘテロアリール基は2価である。例としては、
【0089】
【化19】

【0090】
などが挙げられる。
【0091】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロアリールシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル基に縮合したヘテロアリール基を指し、シクロアルキル基及びヘテロアリール基は2個の原子を共有し、ここで、シクロアルキル基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合「縮合ヘテロアリールシクロアルキル」の例としては、5−アザ−1−インダニル、
【0092】
【化20】

【0093】
などが挙げられる。
【0094】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロアリールシクロアルキレン」という用語は、縮合ヘテロアリールシクロアルキルを指し、ここで、シクロアルキル基は2価である。例としては、
【0095】
【化21】

【0096】
などが挙げられる。
【0097】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロシクリルヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリール基に縮合したヘテロシクリル基を指し、ヘテロアリール基及びヘテロシクリル基は2個の原子を共有し、ここで、ヘテロアリール基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合「縮合ヘテロシクリルヘテロアリール」の例としては、1,2,3,4−テトラヒドロ−ベータ−カルボリン−8−イル、6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン、
【0098】
【化22】

【0099】
などが挙げられる。
【0100】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロシクリルヘテロアリーレン」という用語は、縮合ヘテロシクリルヘテロアリールを指し、ここで、ヘテロアリール基は2価である。例としては、
【0101】
【化23】

【0102】
などが挙げられる。
【0103】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロアリールヘテロシクリル」という用語は、ヘテロシクリル基に縮合したヘテロアリール基を指し、ヘテロシクリル基及びヘテロアリール基は2個の原子を共有し、ここで、ヘテロシクリル基が置換のポイントである。本明細書中で使用される場合「縮合ヘテロアリールヘテロシクリル」の例としては、−5−アザ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル、
【0104】
【化24】

【0105】
などが挙げられる。
【0106】
本明細書中で使用される場合、「縮合ヘテロアリールヘテロシクリレン」という用語は、縮合ヘテロアリールヘテロシクリルを指し、ここで、ヘテロシクリル基は2価である。例としては、
【0107】
【化25】

【0108】
などが挙げられる。
【0109】
本明細書中で使用される場合、「酸同配体」という用語は、生理学的pHでイオン化し、正味負電荷を保有する置換基を指す。このような「酸同配体」の例としては、イソオキサゾール−3−オール−5−イル、1H−テトラゾール−5−イル又は2H−テトラゾール−5−イル(これらに限定されない)等のヘテロアリール基が挙げられるが、これに限定されない。このような酸同配体としては、イミダゾリジン−2,4−ジオン−5−イル、イミダゾリジン−2,4−ジオン−1−イル、1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン−5−イル、又は5−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン−2−イル(これらに限定されない)等のヘテロシクリル基が挙げられるが、これに限定されない。
【0110】
本明細書中で使用される場合、「直接結合」という用語は、構造可変部分(variable)規格の一部である場合、「直接結合」と解釈される可変部分の側面に位置する(先行し、そして後続する)置換基の直接連結を指す。
【0111】
本明細書中で用いられるように、用語「パーハロアルキル」とは、1ないし10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖炭化水素を指し、置換のための各位置は、ハロゲン原子によって置換される。パーハロアルキル基は、1つ又は複数の種類のハロゲン原子によって置換されてもよい。本明細書中で用いられるような「パーハロアルキル」の例として、限定されるものではないが、トリフルオロメチル基及び1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
【0112】
本明細書中で用いられるように、用語「ジェミナル(geminal)」とは、同一原子に結合した同一又は異なる2つの個々の原子、化学基、又は置換基を指す。そのような「ジェミナルの」関係は、複数の原子から成る1本の鎖又は環系に生ずる。例として、2−メトキシピリジンでは、窒素原子及びメトキシ基は「ジェミナルの」関係にある。
【0113】
本明細書中で用いられるように、用語「ビシナル(vicinal)」とは、同一又は異なる2つの個々の原子、化学基、又は置換基を指し、隣接した原子に結合している。そのような2つの「ビシナルの」原子、置換基、又は化学基が、複数の原子から成る1本の鎖内又は環系にある連続する隣接した原子を置換することが可能である。例として、カテコールでは、2つのフェノールヒドロキシ基が「ビシナルの」関係にあるといわれる。
【0114】
本明細書中で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、RaO−基を指し、ここでRaはアルキルである。
【0115】
本明細書中で使用される場合、「アルケニルオキシ」という用語は、RaO−基を指し、ここでRaはアルケニルである。
【0116】
本明細書中で使用される場合、「アルキニルオキシ」という用語は、RaO−基を指し、ここでRaはアルキニルである。
【0117】
本明細書中で使用される場合、「アルキルスルファニル」という用語は、RaS−基を指し、ここでRaはアルキルである。
【0118】
本明細書中で使用される場合、「アルケニルスルファニル」という用語は、RaS−基を指し、ここでRaはアルケニルである。
【0119】
本明細書中で使用される場合、「アルキニルスルファニル」という用語は、RaS−基を指し、ここでRaはアルキニルである。
【0120】
本明細書中で使用される場合、「アルキルスルフェニル」という用語は、RaS(O)−基を指し、ここでRaはアルキルである。
【0121】
本明細書中で使用される場合、「アルケニルスルフェニル」という用語は、RaS(O)−基を指し、ここでRaはアルケニルである。
【0122】
本明細書中で使用される場合、「アルキニルスルフェニル」という用語は、RaS(O)−基を指し、ここでRaはアルキニルである。
【0123】
本明細書中で使用される場合、「アルキルスルホニル」という用語は、RaSO2−基を
指し、ここでRaはアルキルである。
【0124】
本明細書中で使用される場合、「アルケニルスルホニル」という用語は、RaSO2−基を指し、ここでRaはアルケニルである。
【0125】
本明細書中で使用される場合、「アルキニルスルホニル」という用語は、RaSO2−基を指し、ここでRaはアルキニルである。
【0126】
本明細書中で使用される場合、「アシル」という用語は、RaC(O)−基を指し、ここでRaはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルである。
【0127】
本明細書中で使用される場合、「アロイル」という用語は、RaC(O)−基を指し、ここでRaはアリールである。
【0128】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアロイル」という用語は、RaC(O)−基を指し、ここでRaはヘテロアリールである。
【0129】
本明細書中で使用される場合、「アルコキシカルボニル」という用語は、RaOC(O)−基を指し、ここでRaはアルキルである。
【0130】
本明細書中で使用される場合、「アシルオキシ」という用語は、RaC(O)O−基を指し、ここでRaはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、又はヘテロシクリルである。
【0131】
本明細書中で使用される場合、「アロイルオキシ」という用語は、RaC(O)O−基を指し、ここでRaはアリールである。
【0132】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアロイルオキシ」という用語は、RaC(O)O−基を指し、ここでRaはヘテロアリールである。
【0133】
本明細書中で使用される場合、「任意に」という用語は、その後に記述される事象(複数可)が発生する場合と発生しない場合が挙げられることを意味し、発生する事象と発生しない事象のどちらをも含む。
【0134】
本明細書中で使用される場合、「置換(された)」という用語は、名称を挙げた置換基(複数可)による置換を指し、別途明記のない限り複数度の置換が許容される。
【0135】
本明細書中で使用される場合、「含む」又は「含んでいる」という用語は、上記に定義したアルキル置換基、アルケニル置換基、アルキニル置換基又はシクロアルキル置換基に沿って任意の位置で、1つ又は複数の任意のO、S、SO、SO2、N、又はN−アルキル、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2−SO2−CH2−、−CH2−NH−CH3等でのインライン置換を指すことが挙げられる。
【0136】
「アルキル」や「アリール」又はそれらの接頭語の語幹(prefix roots)のいずれかが置換基の名称中にある場合(例えばアリールアルコキシアリールオキシ)には常に、「アルキル」及び「アリール」について上記に定めた制限事項を含めるものとして解釈される。指定された数の炭素原子(例えばC110等)は個々に、アルキル、アルケニル、又はアルキニル、若しくは環状アルキル部分にある炭素原子の数を、或いは「アルキル」という用語がその接頭語の語幹として現れるより規模の大きい置換基のアルキル部分を指すもの
とする。
【0137】
本明細書中で使用される場合、「オキソ」という用語は、置換基=Oを指すものとする。
【0138】
本明細書中で使用される場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、ヨウ素、臭素、塩素及びフッ素を含むものとする。
【0139】
本明細書中で使用される場合、「メルカプト」という用語は、置換基−SHを指すものとする。
【0140】
本明細書中で使用される場合、「カルボキシ」という用語は、置換基−COOHを指すものとする。
【0141】
本明細書中で使用される場合、「シアノ」という用語は、置換基−CNを指すものとする。
【0142】
本明細書中で使用される場合、「アミノスルホニル」という用語は、置換基−SO2NH2を指すものとする。
【0143】
本明細書中で使用される場合、「カルバモイル」という用語は、置換基−C(O)NH2を指すものとする。
【0144】
本明細書中で使用される場合、「スルファニル」という用語は、置換基−S−を指すものとする。
【0145】
本明細書中で使用される場合、「スルフェニル」という用語は、置換基−S(O)−を指すものとする。
【0146】
本明細書中で使用される場合、「スルホニル」という用語は、置換基−S(O)2−を指すものとする。
【0147】
式(I)の化合物は、以下の反応スキームに従い(スキームの可変部分は既に定義済み又は以下に定義される通りである)調製できる。これらの反応において、当業者に一般的に知られている改変体を使用することも可能であるが、それについては詳しくは言及していない。
【0148】
スキーム1は、式(2)の化合物の調製を説明する。このスキームでは、Ar1及びAr3は式(I)と同様の意味を有する。R51は、限定されるものではないが、アルキル、アリール、へテロアリール、アルコキシ、又はハロゲン等の置換基を表す。
【0149】
【化26】

【0150】
ビススルホンアミド(2)は、温度0℃ないし100℃でジクロロメタン又はDMF等のアプロティック溶媒中、ピリジン又はトリエチレンアミン等の塩基の存在下で、フェニレンジアミン(1)を、アリール又はヘテロアリールスルホニルクロリドで処理することによって調製してもよい。
【0151】
スキーム2は、式(4)の化合物の合成を説明する。
【0152】
【化27】

【0153】
フェニレンジアミン(1)を、塩基(例えば、ピリジン又はトリエチルアミン)の存在下、温度0℃ないし100℃で、限定されるものではないが、ジクロロメタン又はDMF等のアプロティック溶媒中、アリール又はヘテロアリールスルホニルクロリドによりモノスルホン化することで、スルホンアミドアニリン(3)を得ることができる。そのようなモノスルホン化を、好ましくは、0.5ないし1.5モル等量のスルホニルクロリドを用いる場合に、行うことが可能である。得られたスルホンアミドアニリン(3)を、温度0℃ないし100℃で、ジクロロメタン又はDMF等のアプロティック溶媒中で、ピリジン又はトリエチルアミン等の塩基の存在下、アリール又はヘテロアリールスルホニルクロリドによって、さらにスルホン酸化して、ビススルホンアミド(4)を得ることが可能である。
【0154】
スキーム3は、式(4)の化合物の別の合成を説明する。
【0155】
【化28】

【0156】
非置換又は置換基R51で置換された2−ニトロアニリン(5)を、温度0℃ないし100℃且つピリジン又はトリエチルアミン等の塩基の存在下で、溶媒としてのピリミジン、任意にDMF又はアセトニトリルのようなアプロティック共溶媒中のアリール又はヘテロアリールスルホニルクロリドで、スルホニル化することで、2−スルホンアミドニトロアリール中間体を得ることが可能である。このようにして得られた2−スルホンアミドニト
ロアレンを、限定されるものではないが、炭素上パラジウム等の貴金属触媒による水素化又はEtOH中SnCl2(あるいはLiAIH4)による還元等の方法を用いて還元することで、2−スルホンアミドアニリン(6)を得ることが可能である。このアニリン(6)を既に述べたようにしてスルホニル化することで(4)を提供することが可能である。
【0157】
スキーム4は、スルホニルクロリド(8)の調製を説明する。R52は、限定されるものではないが、アルキル、アリール、アルコキシ、又はアルキルアリール等の置換基である。
【0158】
【化29】

【0159】
スルホニルクロリド(8)は、アレン又はヘテロアレン(7)をクロロスルホン酸と、温度0℃ないし100℃でDCM又はDCE等の溶媒中で反応させることで調製でき、所望のスルホニルクロリド(8)を得ることが可能である。
【0160】
スキーム5は、スルホニルクロリド(8)の別の合成法を説明する。Xは、Br又はIである。Mは−MgX又はLiである。
【0161】
【化30】

【0162】
ハロゲン置換基(9)を有するアレン又はヘテロアレンを、温度−20℃ないし100℃で、エーテル又はTHF等の溶媒中、マグネシウム金属で処理することで金属化(metallated)し、有機金属試薬(10)(式中、Mは−MgXである)を得ることが可能である。あるいは、温度−78℃ないし0℃で、エーテル又はTHF等の溶媒中、不活性雰囲気下で(9)をn−ブチルリチウムで処理することで、(10)(式中、MはLiである)が得られる。あるいは、温度−78℃ないし0℃で、エーテル又はTHF等の溶媒中、不活性雰囲気下で(9)を2等量のtert−ブチルリチウムで処理することで、(10)(式中、MはLiである)が得られる。このようにして形成されたメタロアレン又はメタロヘテロアレン中間体(10)に対して、エーテル溶媒(例えばTHF)中で二酸化硫黄による処理を行うことで、スルフィン酸塩を得ることが可能であり、該スルフィン酸塩を続けてN−クロロスクシニミド又は塩化スルフリルで処理することで所望の塩化スルホニル(8)が得られる。
【0163】
本発明はまた、式(I)の化合物の調製法に従って式(I)の化合物の調製で中間体と
して有用な化合物の合成法を提供する。
【0164】
手順A
0℃のDCM(4mL)およびピリジン(1mL)中のO−フェニレンジアミン(1mmol)の溶液に対して、0℃で少しずつ0℃のアリールスルホニルクロリド(2.2mmol)を添加した。次に、反応混合物を撹拌しながら徐々に室温(RT)まで温め、TLC又はLC−MSで判断されるようにこの反応が完了するまで、撹拌を続ける。場合によっては、この反応を一晩続けて反応の完了を確実にしてもよく、あるいは/又は触媒量のDMAPを添加して反応を補助することも可能である。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈する。有機相を10%HCl水溶液(5mL),水(5mL)、及び5mLのブラインで洗浄した。この有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、DCM/EtOAc系により溶離を行うフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製することで、必要なビススルホンアミドが得られる。
【0165】
手順B
0℃のDCM(4mL)およびピリジン(1mL)中のO−フェニレンジアミン(1mmol)の溶液に対して、0℃で、少しずつ0℃のアリールスルホニルクロリド(1.1mmol)を添加した。次に、反応混合物を撹拌しながら徐々に室温(RT)まで温め、TLC又はLC−MSで判断されるようにこの反応が完了するまで、撹拌を続ける。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈する。有機相を水(2×5mL)及び5mLのブラインで洗う。この有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、DCM/EtOAc系により溶離を行うフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製することで、スルホンアミドが得られる。
【0166】
上記のように得られたモノスルホンアミド(1mmol)をDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に溶解する。アリールスルホニルクロリド(1.1mmol)を次に室温(RT)で添加し、この反応混合物を一晩又はTLC若しくはLC−MSで判断されるように反応が完了するまで室温(RT)で撹拌した。場合によっては、この反応を一晩進行させて確実に完了させ、及び/又は触媒量のDMAPを添加することで反応を補助してもよい。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈する。有機相を10%HCl水溶液(5ml)、水(5ml)、及び5mlのブラインで洗う。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、DCM/EtOAc系により溶離を行うフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製することで、必要とするビススルホンアミドが得られる。
【0167】
手順C
ピリミジン(4mL)中のニトロアニリン(2mmol)の撹拌溶液(室温(RT))に対して、スルホニルクロリド(2.2mmol)を添加した後、結果として得られる反応混合物を、TLC又はLC−MSで判断されるように反応が完了するまで、100℃で加熱する。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、10%HCl水溶液(2×10mL)、H2O(2×10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。さらに精製することなく生成物を用いてもよく、あるいはEtOAc/ヘキサンを溶離液として用いたシリカゲル・カラムクロマトグラフィで精製を行ってもよい。
【0168】
水素化は、1atm下で10%Pd/C(湿潤)を用いてMeOH中で行う。あるいは、水素化が適さない場合、Fe/AcOHを用いて還元を以下のように行う。すなわち、上記のスルホンアミド(2mmol)が含まれるAcOH(2mL)にFe粉末(20mmol)を添加する。次に、この反応混合物を、TLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで、100℃で加熱する。次に、反応混合物を室温(RT)まで冷やし、強く撹拌しながらEtOAc(20mL)で希釈する。次に、懸濁液をセライ
ト(Celite)パッド上で濾過し、ろ液を真空中(in vacuo)で濃縮することで、酢酸の大部分を除去する。得られた残渣をEtOAc(20mL)に溶解し、飽和重炭酸塩水溶液(20mL)で洗浄し、続いて水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。この生成物を用いて、精製することなくさらに変換を進めてもよい。
【0169】
上記のように得られたモノスルホンアミド(1mmol)をDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に溶解する。次に、室温(RT)でアリールスルホニルクロリド(1.1mmol)を添加した後、反応混合物を室温(RT)で一晩、あるいはTLC又はLC−MSで判断されるように反応が完了するまで撹拌する。場合によっては、反応を一晩進行させて確実に完了させてもよく、及び/又は触媒量のDMAPを添加することで反応を補助してもよい。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及び5mLブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、DCM/EtOAc系により溶離を行うフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製し、必要とするビススルホンアミドを得る。
【0170】
用語「医薬組成物」は、本明細書中では哺乳類宿主に、従来の無毒性担体、希釈剤、アジュバント、媒体等を含む単位投薬量製剤の形で投与(例えば、経口投与、局所投与、非経口投与、吸入による投与、噴霧による投与、あるいは直腸投与)可能な組成物を意味するのに用いられる。
【0171】
本明細書中で用いられる用語「非経口」として、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、大槽内注射、あるいは輸液法が挙げられる。
【0172】
本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、経口使用に好適な形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、乳液、硬カプセル剤若しくは軟カプセル剤、又はシロップ若しくはエリキシルであり得る。経口使用を意図した組成物は、任意の既知の方法に従って調製されてよく、このような組成物は、薬学的に優れており且つ口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香料剤、着色剤及び保存剤から成る群より選択される1つ又は複数の作用物質を含有してもよい。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に好適な、無毒性の薬学的に許容可能な賦形剤との混合物中に含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;例えばコーンスターチ又はアルギン酸等の造粒剤及び崩壊剤;例えばスターチ、ゼラチン又はアカシア等の結合剤;及び例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク等の平滑剤を含み得る。錠剤はコーティングされてなくてよいし、又は錠剤は既知の技法によりコーティングされて、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延させて、それにより長期間にわたる持続作用を提供してもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質が利用され得る。錠剤はまた、米国特許第4,356,108号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載される技法によりコーティングされ、放出を制御する浸透性治療用錠剤を形成し得る。
【0173】
また、経口用途の調製物は、有効成分が不活性固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合される場合は硬質ゼラチンカプセル剤として、有効成分が水又は油性媒質(例えばピーナッツ油、液体パラフィン又はオリーブ油)と混合される場合は軟質ゼラチンカプセル剤として提示され得る。
【0174】
水性懸濁液は、活性化合物を、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に含有し得る。このような賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロ
リドン、トラガカントゴム及びアカシアゴム等の懸濁剤の他に、レシチン等の天然に存在するホスファチド、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチル−エンオキシセタノール(eneoxycetanol))、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合産物(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール等)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)等の分散剤又は湿潤剤であり得る。また、この水性懸濁液は、1つ又は複数の着色剤、1つ又は複数の香料剤、及び1つ又は複数の甘味剤(スクロース又はサッカリン等)を含有してもよい。
【0175】
油性懸濁液は、有効成分を植物油中(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油)又は液体パラフィン等の鉱物油中に懸濁することにより調製され得る。この油性懸濁液は、増粘剤(例えばミツロウ、固形パラフィン又はセチルアルコール)を含有し得る。上記で説明されたような甘味剤、及び香料剤は、口当たりのよい経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することにより保存され得る。
【0176】
水を添加することにより水性懸濁液を調製するのに好適な分散性粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ又は複数の保存料との混合物として、活性化合物を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記ですでに言及されたものによって例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、香料剤及び着色剤)も存在し得る。
【0177】
また、本発明の薬学的組成物は、水中油型乳液の形態であってもよい。油相は、植物油(例えば、オリーブ油又は落花生油)又は鉱物油(例えば、液体パラフィン)、又はこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム類(例えば、アカシアゴム又はトラガカントゴム)又は天然に存在するホスファチド類(例えば、ダイズ、レシチン、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン))、及び上記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。乳液は、甘味剤及び香料剤も含有してよい。
【0178】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース)と共に調製され得る。このような調製物は、粘滑剤、保存料並びに香料及び着色剤も含有し得る。薬学的組成物は、滅菌された注射用の水性又は油性の懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、既知の方法に従って、上記で説明された好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて調製され得る。また滅菌注射用調製物は、無毒性の経皮的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用の溶液又は懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)でもあり得る。許容可能なベヒクル及び溶媒の中で利用され得るものは、水、リンガー液、及び等張性の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した固定油は、溶媒又は懸濁媒質として従来から利用される。この目的で、任意の無刺激固定油が利用され、合成モノジグリセリド類又はジグリセリド類を使用し得る。さらに、オレイン酸等の脂肪酸は、注射液の調製において使用される。
【0179】
また組成物は、本発明の化合物の直腸投与において座薬の形態であってもよい。これらの組成物は、薬剤を、常温では固体であるが、直腸内温度では液体であり、したがって直腸内で溶けて薬剤を放出する、好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、例えば、カカオバター及びポリエチレングリコールを含む。
【0180】
局所的用途としては、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、懸濁液の溶液等が意図される。この投与の目的として、局所投与は、マウスウォッシュ及びうがい薬を含むであろう。
【0181】
また本発明の化合物は、小さな単層ベシクル、大きな単層ベシクル及び多層ベシクル等のリポソーム送達系の形態として投与されてもよい。リポソームは、さまざまなリン脂質(例えばコレステロール、ステアリルアミン又はホスファチジルコリン類)から形成され得る。
【0182】
本明細書中で用いられるように、用語「溶媒和物」とは、溶質(本発明では式(I)の化合物)と溶媒とによって形成される可変化学量論の複合体である。本発明の目的のためのそのような溶媒は、溶質の生物活性に実質的に干渉しなくてもよい。溶媒の例として、水、エタノール、又は酢酸が挙げられる。
【0183】
本明細書中に用いられるように、用語「生体加水分解性エステル」とは、(a)親物質の生物学的活性に干渉しないが、作用持続時間、作用開始等の生体内で有利な性質を物質に与えるか、あるいは(b)生物学的に不活性であるが、被験体によって生体内で生物学的に活性な成分に直ちに変わる製剤原料(本発明では式(I)の化合物)のエステルである。利点は、例えば、生体加水分解性エステルが腸から経口的に吸収され、血漿中で式(I)の化合物に変換されることである。そのような物質として当該技術分野では多くの例が知られており、例えば低級アルキルエステル(例、C1〜C4)、低級アシルオキシアルキルエステル、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、及びコリンエステルが挙げられる。
【0184】
本明細書中に用いられるように、用語「生体加水分解性アミド」とは、(a)親物質の生物学的活性に干渉しないが、作用持続時間、作用開始等の生体内で有利な性質を物質に与えるか、あるいは(b)生物学的に不活性であるが、被験体によって生体内で生物学的に活性な成分に直ちに変わる製剤原料(本発明では一般式(I)の化合物)のアミドである。生体加水分解性アミドは腸から経口的に吸収され、血漿中で式(I)の化合物に変換され得る。そのような物質として当該技術分野では多くの例が知られており、例えば低級アルキルアミド、アルファ−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。
【0185】
本発明の化合物のプロドラッグもまた、本発明の範囲内である。本明細書中で用いられるように、用語「プロドラッグ」には、生体加水分解性アミド及び生体加水分解性エステルが含まれ、(a)そのようなプロドラッグの生体加水分解性機能性が式(I)の化合物で含まれる化合物、及び(b)所定の官能基で生物学的に酸化又は還元可能であり、式(I)の製剤原料を生成する化合物が包含される。これらの官能基の例として、限定されるものではないが、1,4−ジヒドロピリジン、N−アルキルカルボニル−1,4−ジヒドロピリジン、1,4−シクロヘキサジエン、tert−ブチル等が挙げられる。
【0186】
用語「薬理学的に有効な量」とは、研究者又は臨床医によって求められている組織、動物又はヒトの生物学的又は医学的な反応を誘発する薬又は医薬品の量を意味するものとする。この量は、治療有効量であり得る。
【0187】
用語「治療有効量」は、求められている動物又はヒトの治療的な反応を誘発する薬又は医薬品の量を意味するように本明細書中に用いられる。
【0188】
本明細書中で用いられるように用語「治療」とは、患者が苦しんでいる所与の障害のた
めのあらゆる種類の治療を指し、特定の障害の完治又は障害の発症の予防のために、その障害から生じる1つの、すべての症状の大部分の緩和が含まれる。
【0189】
また、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、塩基性基又は酸性基が、その構造中に存在する場合に、本発明の範囲内に包含される。「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本発明の化合物の無毒性の塩類を指し、その塩類は、一般に遊離の塩基を適当な有機酸若しくは無機酸と反応させることにより、又は酸を適当な有機塩基若しくは無機塩基と反応させることにより調製される。代表的な塩類としては、以下の塩類が挙げられる:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシラート、カーボネート、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシラート、エストラート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトアート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、マレイン酸一カリウム、ムチン酸塩、ナプシラート、硝酸塩、N−メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモエート(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、カリウム、サリチル酸塩、ナトリウム、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム及び吉草酸塩。−COOH等の酸性置換基が存在する場合、アンモニウム塩、モルホリニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、バリウム塩、カルシウム塩等が投与形態としての使用のために形成され得る。アミノ、又はピリジル等の塩基性ヘテロアリールラジカル等の塩基性基が存在する場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩(oxlate)、マレイン酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ピクリン酸塩等の酸性塩は、Journal of Pharmaceutical Science,
66, 2 (1977) p.1-19に記載の薬学的に許容可能な塩類に関連する酸を含む。
【0190】
薬学的に許容可能ではない他の塩類が、本発明の化合物の調製において有用であり得、これらは本発明のさらなる態様を形成する。
【0191】
さらに、本発明の式(I)の化合物のいくつかは、水又は一般的な有機溶媒と溶媒和物を形成し得る。このような溶媒和物もまた、本発明の範囲内に包含される。
【0192】
用語「無痛」、「抗侵害受容」、及び「抗アロディニア」は、神経障害性疼痛と多くの場合に関連したアロディニアと同様に、疼痛減少及び神経障害性疼痛と関連した疼痛の減少を述べるのに用いられる。
【0193】
本明細書中で用いられるように、「血液脳関門を越えることが実質的にできない」又は、「部分的又は完全に脳から排除される」化合物とは、受療者の末梢部における拡散速度よりも低い速度で血管脳関門を超えて拡散する化合物のことをいう。
【0194】
一実施の形態では、被験体の末梢部でGalR1受容体を刺激することが可能である服用レベルで、「血液関門を越えることが実質的にできない」又は「部分的又は完全に脳から排除される」化合物は、検出限界近く又はそれよりも低いレベルで受療者の脳に存在してもよい。
【0195】
別の実施の形態では、被験体で鎮痛作用が観察される服用レベルで、「血液関門を越えることが実質的にできない」又は「部分的又は完全に脳から排除される」化合物は、検出
限界近く又はそれよりも低いレベルで受療者の脳に存在してもよい。
【0196】
本明細書中で用いられるように、用語「受療者」は、哺乳類の受療者(例えば、限定されるものではないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、及び他の農業用家畜)を含む。一実施の形態では、受療者は、上記した疾患、疾患状態の1つ又は複数に罹患したもの、あるいは上記した疾患、若しくは疾患状態の1つ又は複数に罹患するリスクを負うものを含み得る。
【0197】
本明細書中で用いられるように、GalR1アゴニストは、(1)ヒトのGalR1受容体を発現するボーズ(Bowes)細胞でGalR1受容体に結合し、フォルスコリン誘導サイクリックAMP産生を抑制することが可能であり、また(2)GalR1受容体を発現しない細胞系ではフォルスコリン誘導サイクリックAMP産生を抑制しない化合物を含む。一実施の形態では、GalR1アゴニストは、リガンド無しに比べて、機能性アッセイでより大きな有効性を示す化合物である。
【0198】
別の実施の形態では、式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
Ar2−SO2NH−Ar1−NHSO2−Ar3 (I)
式中、Ar1、Ar2、及びAr3は上記定義通り、また式(I)の化合物はGalR1アゴニストである。
【0199】
別の実施の形態において、本発明は式(I)と、薬学的に適切な担体の化合物、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物とを含む医薬組成物を提供する。
【0200】
別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物を含む医薬組成物も提供する。ここで、式(I)の化合物はGalR1アゴニストであり、式(I)の化合物はGalR1受容体の活動を増加させるのに十分な量で存在する。別の実施の形態において、医薬組成物は式(I)の化合物を含む。ここで、式(I)の化合物はGalR1アゴニストであり、式(I)の化合物は受療者中のGalR1を刺激するのに十分な量で存在する。
【0201】
別の実施の形態において、本発明は式(I)の化合物の治療有効量を含む医薬組成物を提供する。ここで、上記治療有効量は受療者で少なくとも部分的にGalR1受容体を活性化させることができる量の式(I)の化合物あるいは少なくとも1つのGalR1媒介疾患の少なくとも部分的な改善ができる量の式(I)の化合物を含む。
【0202】
GalR1アゴニストによって改善可能と思われる疾患又は障害として、発作疾患、神経内分泌障害、胃腸病、筋骨格障害、精神分裂症等の精神病的行動、片頭痛、モルフィン耐性、薬物嗜癖、特にアヘン剤中毒、疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛、慢性疼痛、睡眠障害、過食症、神経性過食症、及び神経性食欲不振症等の食物/体重障害、悪液質等の代謝性摂食障害、神経病理学的障害、糖尿病、異脂肪血症、高血圧、記憶障害、鬱病、不安、脳出血、下痢、並びに限定されるものではないが扁平上皮癌等の1つ又は複数の癌が挙げられる。したがって、そのような障害の治療は、GalR1アゴニストの投与による影響を受ける可能性がある。本発明の範囲内であると意図されることは、式(I)の化合物と式(I)の化合物を含む医薬組成物の化合物とを、GalR1受容体に対するガラニンの結合(又はその欠如)と関係していないが障害の症状がGalR1アゴニストによって媒介される可能性がある障害を治療するために処方することが可能であるということである。
【0203】
別の実施の形態において、医薬組成物は経口投薬の形態である。別の実施の形態において、医薬組成物は非経口投薬単位の形態である。
【0204】
他の態様において、本発明は式(I)の化合物と1つ又は複数の付加的な治療薬とを含む医薬組成物を提供する。別の実施の形態において、医薬組成物は、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、糖質コルチコイド、スルホニル尿素、ビグアナイド、アカルボース、PPARアゴニスト、DPP−IV阻害剤、GKアクチベータ、インシュリン、インシュリン模倣物、インシュリン分泌促進薬、インシュリン感作物質、GLP−1、GLP−1模倣物、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬、鎮痙薬、HMG CoA還元酵素阻害剤、コレスチラミン、及びフィブレートから成る群から選択される1つ又は複数の治療薬をさらに含んでもよい。別の実施の形態において、医薬組成物は抗癌剤等の治療薬を1つ又は複数さらに含むものであってもよく、該抗癌剤として、限定されるものではないが、シクロホスファミド、ニトロソ尿素類、カルボプラチン、シスプラチン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドクソルビシン、メトトレキサート、シトラビン、フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、パクリタクセル、タモキシフェン、オクレオチド・アセテート、フィナステリド、フルタミド、インターフェロン、インターロイキン、抗腫瘍抗体、並びに抗血管新生化合物及びタンパク質が挙げられる。
【0205】
別の実施の形態では、本発明は、受療者に対して式(I)の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、該式(I)の化合物はGalR1アゴニストである。
【0206】
別の実施の形態において、本発明は、GalR1受容体の活性化によって改善される障害を持つ受療者に医薬組成物を投与することを含む方法を提供し、該医薬組成物は、受療者でのGalR1の活性を増加させるのに十分な量で式(I)の化合物を含む。GalR1アゴニストを用いて治療可能である疾患又は障害として、発作疾患、神経内分泌障害、胃腸病、筋骨格障害、精神分裂症等の精神病的行動、片頭痛、モルフィン耐性、薬物嗜癖、特にアヘン剤中毒、疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛、慢性疼痛、睡眠障害、過食症、神経性過食症、及び神経性食欲不振等の食物/体重障害、悪液質等の代謝性消耗性障害、神経病理学的障害、糖尿病、異脂肪血症、高血圧、記憶障害、鬱病、不安、脳出血、下痢、並びに限定されるものではないが扁平上皮癌等の1つ又は複数の癌が挙げられる。
【0207】
例えば、GalR1アゴニストを含む本発明の化合物及び医薬組成物は、神経障害性疼痛を治療する上で有用であると考えられる。さらに、鎮痛効果が観察可能と思われる用量で、本発明の化合物は、血液脳関門を越えることが実質的にできない一方で、少なくとも1つの末梢GalR1に結合することが可能である。脳からのGalR1アゴニストの部分的又は完全な排除は、受療者に対するGalR1アゴニストの投与に関連した1つ又は複数の中枢媒介副作用のリスク又は重症度を減らすことが可能である。
【0208】
本発明の範囲内と考えられることは、式(I)の化合物及び式(I)の化合物を含む医薬組成物を、GaIR1受容体にガラニンの結合(又はその欠如)を伴わないが、障害の症状がGalR1アゴニストによって媒介可能であり得る障害を治療することを目的として処方することが可能であるということである。
【0209】
本発明の化合物を、治療されている受療者の体重1kgあたり約1,000mg以下の投薬量レベルで、投与可能である。別の実施の形態では、本発明の化合物を、約100mg/kg以下の投薬量レベルで投与可能である。別の実施の形態では、本発明の化合物を、1日あたり約10mg/kg体重又はそれより低い投薬レベルで投与可能である。別の実施の形態では、本発明の化合物を、1日あたり約0.01mg/kg体重又はそれよりも高い投薬レベルで投与可能である。別の実施の形態では、本発明の化合物を、1日あたり約0.5mg/kg体重又はそれより高い投薬レベルで投与可能である。
【0210】
一回の投薬量を得る担体材料と併用可能な活性成分の量は、治療を受ける宿主と投与の特定の方法とによって変化する。例えば、ヒトへの経口投与を目的とする製剤は、式(I)の化合物の1mg〜2gを、全組成物の約5ないし95パーセントの範囲で変わり得る適当且つ簡便な量の担体材料とともに含むことが可能である。用量単位形態は、一般に約5mgないし約500mgの活性成分を含む。投薬量を、治療を受ける受療者の特定の臨床状態に基づいて臨床医によって個別化することが可能である。このように、任意の特定の患者のための特定の投薬量レベルが使用される特定化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性、食事、投与の時間、投与経路、排出率、薬剤の組合せ、及び治療を受けている特定の疾患の重症度を含む種々の因子によることが理解されよう。
【0211】
別の実施の形態において、式(I)の化合物を含む医薬組成物を1つ又は複数の治療薬と併用して受療者に投与してもよく、該治療薬は、生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、糖質コルチコイド、スルホニル尿素、ビグアナイド、アカルボース、PPARアゴニスト、DPP−IV阻害剤、GKアクチベータ、インシュリン、インシュリン模倣物、インシュリン分泌促進薬、インシュリン感作物質、GLP−1、GLP−1模倣物、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬、鎮痙薬、HMG CoA還元酵素阻害剤、コレスチラミン及びフィブレートから成る群から選択される。別の実施の形態では、式(I)の化合物を含む医薬組成物を1つ又は複数の治療薬と併用して受療者に投与することが可能であり、該治療薬は、抗癌剤、例えば、限定されるものではないが、シクロホスファミド、ニトロソ尿素類、カルボプラチン、シスプラチン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドクソルビシン;メトトレキサート、シトラビン、フルオロウラシル;ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、パクリタクセル;タモキシフェン、オクテロチド・アセテート、フィナステリド、フルタミド、インターフェロン、インターロイキン、及び抗腫瘍抗体、並びに抗血管新生化合物及びタンパク質から成る群から選択される。
【0212】
神経障害性疼痛は、少なくとも部分的には、受療者の末梢GaIR1受容体に対するGalR1アゴニスト結合によって改善される可能性がある。ここではGalR1アゴニストは、血液脳関門を通過するのを部分的に又は完全に防止され、中枢媒介された中枢神経系(CNS)副作用を誘発する危険は減少又は回避され得る。一実施の形態では、本発明は、受療者の神経障害性疼痛を治療する方法を提供し、受療者は該受療者の中枢媒介副作用の危険を回避又は減少することが可能である。この方法は、血液脳関門を越えることが実質的にできない任意のGalR1アゴニストで行われてもよい。神経障害性疼痛の末梢GalR1受容体がアロディニアと関係している場合もあることから、この発見は、血液脳関門を越えることが実質的にできない式(I)のGalR1アゴニストを受療者に対して投与することによりアロディニアの軽減を必要とする受療者を治療する新規の方法を提供する。アロディニアを治療するこの方法は、1つ又は複数の中枢媒介CNS副作用のリスクを低下又は除去可能である。
【0213】
別の実施の形態において、本発明は神経障害性疼痛を患っている受療者にGalR1アゴニストを投与することを含む方法を提供し、GalR1アゴニストの量は、受療者の末梢GalR1受容体を刺激することができ、またGalR1アゴニストは、部分的又は完全に脳から排除される。この方法のさらなる実施の形態において、GalR1アゴニストは、式(I)の化合物を含む。
【0214】
別の実施の形態において、本発明は、末梢GalR1受容体を刺激して受療者に鎮痛効果を誘導することが可能な量で、アロディニアを患っている受療者にGalR1アゴニストを投与することを含む方法を提供し、該GalR1アゴニストは、鎮痛効果が受療者で観察される用量では血液脳関門を越えることが実質的にできない。この方法のさらなる実施の形態において、GalR1アゴニストは、式(I)の化合物を含む。
【0215】
別の実施の形態において、本発明は、神経障害性疼痛を罹患した受療者に対してGalR1アゴニストを投与すること、後根神経節(DRG)のレベルで、受療者の末梢GalR1受容体を調整することを含む方法を提供し、GalR1アゴニストは、鎮痛効果が受療者で観察される用量で受療者の血液脳関門を越えることが実質的にできない。この方法のさらなる実施の形態において、GalR1アゴニストは式(I)の化合物を含む。
【0216】
別の実施の形態では、本発明は、癌を患っている受療者に式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。処理方法の別の実施の形態では、癌は扁平細胞癌である。処理方法の別の実施の形態では、式(I)の化合物を受療者の癌細胞増殖を阻害するのに有効な量で投与する。処理の別の実施の形態では、式(I)の化合物は、受療者の癌細胞内のMAPK経路を阻害又は不活性化するのに有効な量で投与される。
【0217】
[実施例]
平行MUX(登録商標)システム上で勾配溶離を用い、Mux−UV 2488 マルチチャネルUV−Vis検出器(215及び254nMで記録)とウオーターズ・エックステラ(Waters Xterra)MS C18(4.6x50mm)カラムを用いるリープ・テクノロジーズ(Leap Technologies)HTS PALオート・サンプラーを備える4本のウオーターズ(Waters)1525バイナリーHPLCポンプを稼働して、LC−MSデータを得た。25% B (97.5%アセトニトリル,2.5%水,0.05%TFA)及び75% A (97.5%水,2.5%アセトニトリル,0.05%TFA)から100%Bになるまで3分の勾配を実行した。システムは、電気スプレー電離を使用するウオーターズ・マイクロマス(Waters Micromass)ZQ質量分析器に連結されている。すべてのMSデータは、特に別途明記しない限り正のモードで得られた。1H NMRデータは、バリアン(Varian)400MHzスペクトロメータ上で得られた。
【0218】
実施例で使用される省略形は以下の通りである:
APCI =大気圧化学電離
BOC =tert−ブトキシカルボニル
BOP =(1−ベンゾトリアゾリルオキシ)トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェイト
d =日
DIAD =ジイソプロピル・アゾジカルボン酸塩
DCC =ジシクロヘキシルカロボジイミド
DCM =ジクロロメタン
DIC =ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA =ジイソプロピルエチルアミン
DMA =N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP =ジメチルアミノピリジン
DME =1,2−ジメトキシエタン
DMF =N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU =1,3−ジメチルプロピレン尿素
DMSO =ジメチルスルホキシド
EDC =1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミドヒドロクロリド
EDTA =エチレンジアミン四酢酸
ELISA =酵素連結免疫吸着アッセイ
ESI =電気スプレー電離
ether =ジエチルエーテル
EtOAc =酢酸エチル
FBS =ウシ胎児血清
g =グラム
h,hr =時間
HBTU =O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェイト
HMPA =ヘキサメチル燐酸トリアミド
HOBt =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Hz =ヘルツ
i.v.=静脈
kD =キロダルトン
L =リットル
LAH =水素化リチウムアルミニウム
LDA =リチウムジイソプロピルアミド
LPS =リポポリサッカリド
M =モル
m/z =質量対電荷比
mbar =ミリバール
MeOH =メタノール
mg =ミリグラム
min =分
mL =ミリリットル
mM =ミリモル
mmol =ミリモル
mol =モル
mp =融点
MS =質量分析法
N =正常
NMM =N−メチルモルホリン,4−メチルモルホリン
NMR =核磁気共鳴スペクトル測定法
p.o. =経口
PBS =燐酸緩衝生理食塩水
PMA =酢酸ミリスチン酸ホルボール
ppm =百万分の1
psi =平方インチ当たりの重量ポンド
f =相対的なTLCの移動度
rt、RT =室温
s.c. =皮下
SPA =シンチレーション近接検定
TEA =トリエチルアミン
TFA =トリフルオロ酢酸
THF =テトラヒドロフラン
THP =テトラヒドロピラニル
TLC =薄層クロマトグラフィー
TMSBr =ブロモトリメチルシラン,トリメチルシリルブロミド
r =保持時間
【0219】
[実施例A]
N−(2−アミノフェニル)−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル・ベンゼンスルホンアミド
無水ジクロロメタン(10mL)に含まれた2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル−1−ベンゼンスルホニルクロリド(5g)の溶液に対して、ベンゼン−1,2−ジアミン(5g)を添加し、続けて0℃で無水ピリジン(10mL)を添加した。その結果得られる深紅色の反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を、ジクロロメタン(250mL)で希釈した。内容物を、飽和塩化ナトリウム溶液(50mL)及び飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュ・カラムクロマトグラフィによって精製した。この際、DCM/EtOAc(7:1ないし4:1)で溶離を行うことで、N−(2−アミノフェニル)−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミド(6g)が得られた。LC: Tr 0.95 min,MS: 411 (M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.18(bs,2H),4.21(s,3H),6.43 (m,2H),6.57 (bs,1H),6.75(dd,1H),7.02(t,1H),7.35(d,1H),8.22 (dd,1H),8.40(d,1H)ppm。
【0220】
[実施例B]
2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリド
1,2−ジクロロエタン(20mL)に含まれた4−ニトロアニソール(3.1g;20mmol)の溶液に対して、2mLのクロロスルホン酸を0℃で添加した。結果として得られる反応混合物を徐々に室温まで温めた後、全てのアニソールが消費される時間である2時間にわたって、加熱して還流させた。次に、反応混合物を室温まで冷やし、クロロホルム(30mL)で希釈した。次に、内容物を分液漏斗に移し、水(50mL)で洗浄し、相を分離した。次に水層をクロロホルム(30mL)で抽出した。合わせられた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、続いて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣を、酢酸エチル/ヘキサンを溶離液(1:5ないし1:1勾配)を用いてシリカゲル・フラッシュカラムクロマトグラフィによって精製して、濃褐色の固形分として、2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリドが得られた。1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.21(s,3H),7.28(d,1H),8.59(dd,1H),8.88(d,1H)ppm。
【実施例1】
【0221】
DCM(25mL)及びピリジン(5mL)に含まれたo−フェニレンジアミン(5mmol)の溶液(0℃)に対して、少しずつベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド(5.5mmol)を添加した。次に、反応混合物を、撹拌しながら徐々にRTまで温め、TLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで攪拌を続けた。次に、反応混合物をDCM(25mL)で希釈した。有機相を水(2×25mL)及びブライン(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮させた。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィにより精製した。この際、DCM/EtOAcを用いて溶離を行い、1.2gのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸(2−アミノフェニル)−アミドが得られた。Tr 0.94 min,MS: 305.7(M+1)+1H NMR(DMSO−d6,400 MHz): δ 6.40(t,1H),6.60(d,1H),6.78(d,1H),6.89(t,1H),7.45(t,1H),7.50(t,1H),7.80(s,1H),7.90(d,1H),8.80(d,1H)ppm。
【0222】
上記のようにして得られたモノスルホンアミド(2mmol)をDCM(4mL)及びピリジン(4mL)に溶解した。2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホルニルクロリド(2.2mmol)を次にRTで添加し、続いて反応混合物をRTで一晩あるいはTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(1
0mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュ・クロマトグラフィ(DCM/EtOAcによる溶離)により精製し、710mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。Tr− 1.2 min, MS: 547.6(M+1)+1H NMR(DMSO−d6, 400 MHz): δ 7.0−7.2(m,4H), 7.48(dd,1H), 7.53(dd,1H), 7.90(d,1H)5 7.92(d,1H), 7.98(d,1H), 8.02−8.06(m,3H), 9.74(bs,1H), 9.88(bs,1H)ppm。
【実施例2】
【0223】
無水THF(50mL)に含まれた4−メトキシベンゼンチオール(10mmol)の溶液に対して、固形t−BuOK(12mmol)を0℃で少しずつ添加した。反応混合物を30分間撹拌した後、0℃の2−ブロモプロパン(1.6g)を滴加した。反応混合物を次に1時間、室温で撹拌し、60℃で1時間加熱した。室温まで冷やした後、反応物を酢酸エチル(250ml)で希釈した。有機相を水(50mL)で洗浄し、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗1−イソプロピルスルファニル−4−メトキシベンゼン(10mmol)を、なんら精製することなくさらなる変換に用いた。
【0224】
DCM(20ml)に含まれた上記の粗1−イソプロピルスルファニル−4−メトキシベンゼン(約10mmol)の溶液に対して、32%エタンペルオキソ酸水溶液(7mL)を0℃で添加した。反応混合物を次に室温で2時間にわたり撹拌した後、酢酸エチル(150mL)で希釈した。有機相を水(50mL)及び1%KOH水溶液(75mL)で洗浄した。有機相を次に無水炭酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮することで、淡い黄色の油として、2gの粗1−メトキシ−4−(プロパン−2−スルホニル)−ベンゼンを得た。1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 1.28(d,6H),3.16(m,1H),3.89(s,3H),7.02(d,2H),7.80(d,2H)ppm。
【0225】
無水ジクロロメタン(20mL)に含まれた粗1−メトキシ−4−(プロパン−2−スルホニル)ベンゼン(8mmol)の溶液に対して、クロロスルホン酸(1mL)を0℃で滴加した。反応混合物を室温まで温めた後、PCI5(0.5g)の添加を行った。結果として得られた反応混合物を1時間、還流した。室温まで冷やした後、反応混合物を強く撹拌しながら氷水(50mL)に注いだ。次に、水層をEtOAc(2×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(2×50mL)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、さらに真空下で濃縮した。残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc(3:1)で溶離)によって精製することで、1.25gの2−メトキシ−5−(プロパン−2−スルホニル)ベンゼンスルホニルクロリドを得た。1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 1.31(d,1H),3.23(m,1H),4.18(s,3H),7.30(d,1H),8.18(dd,1H). 8.46(d,H)ppm。
【0226】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸(2−アミノフェニル)−アミド(1mmol)(実施例1と同様に調製)の溶液に対して、2−メトキシ−5−(プロパン−2−スルホニル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.1mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ
(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、460mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(プロパン−2 スルホニル)ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル−アミドを得た。 Tr−1.09 min; MS: 581.4(M+1)+1H NMR(DMSO−d6,400 MHz): δ 0.97(d,6H),3.58(m,1H),4.02(s,3H),6.84(dd,1H),7.96(td,1H),7.10(td,1H),7.23(dd,1H),7.44−7.54(m,3H),7.86(d,1H),7.90(s,1H),7.96(d,1H),8.03(dd,2H),9.22(bs,1H),9.79(s,1H)ppm。
【実施例3】
【0227】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸(2−アミノフェニル)−アミド(1mmol)の溶液に対して、メチル3−(クロロスルホニル)−4−メトキシベンゾエート(1.1mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、350mgの3−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)フェニルスルファモイル]−4−メトキシ安息香酸メチルエステルを得た。Tr 1.10
min,MS: 533.7(M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 3.84(s,3H),4.18(s,3H),7.0 − 7.2(m,5H),7.4 −7.6(m,3H),7.66(s,1H),7.80(d,1H),7.83(d,1H),8.22(dd,1H),8.34(d,1H)ppm。
【実施例4】
【0228】
THF(10mL)及びメタノール(10mL)に含まれた3−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ−安息香酸メチルエステル(5mmol、実施例3と同様に得る)の溶液に対して、4MのNaOH水溶液(5mL)をRTで添加した。反応混合物を、反応が完了するまで室温で撹拌した。次に反応混合物を真空下で濃縮し、10%HCl水溶液で約pH3まで酸性化させた。白色の沈殿物が生じ、それを濾過した。エーテルによる洗浄と乾燥を行い、2.5gの3−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ安息香酸を得た。MS: 519.8(M+1)+1H NMR(DMSO−d6,400 MHz): δ 4.05(s,3H),6.89(d,1H),6.99(dd,1H),7.11(dd,1H),7.25 (d,1H),7.38(d,1H),7.48(dd,1H),7.53(dd,1H),7.91(s,1H),7.98(d,1H),8.65(d,1H),8.13(dd,1H),8.16(dd,1H)ppm。
【実施例5】
【0229】
DCM(4mL)及びピリジン(4mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミド (2mmol、実施例Aと同様に調製した)の溶液に対して、3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド
(2.2mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで撹拌した。次に、反応混合物をDCM(20mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(20mL)、水(20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、1.04gの2−メトキシ−N−[2−(3−ニトロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−トリフルオロメタンスルホニルベ
ンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.17 min,MS: 596.6 (M+M)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.27(s,3H),6.76(d,1H),6.78(bs,1H),7.05(m,1H),7.16(m,2H),7.34(d,1H),7.68(bs,1H),7.72(t,1H),8.01(dd,1H),8.20(dd,1H),8.25(d,1H),8.46(dd,1H),8.55(d,1H)ppm。
【0230】
AcOH(5ml)に含まれた、上記のようにして得たビススルホンアミド(1mmol)の溶液に対して、鉄粉末(300mg)を添加し、結果として得られる反応混合物を100℃で30分間加熱した。反応混合物を、セライト(Celite)のショート・パッドで濾過し、このパッドをメタノール(50mL)及びジクロロメタン(25mL)により洗浄した。濾液を真空下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(50ml)に溶解し、1%KOH水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を取り除き、真空中で乾燥させることで、155mgの粗N−[2−(3−アミノ−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル− ベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.09 min; MS: 566.4(M+1)+
【0231】
AcOH(2mL)に含まれた、上記のようにして得たアミノ中間体(0.5mmol)の溶液に対して、NH4OAc(10mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液(2mL)、及び40%グリオキサル水溶液(1mL)を添加した。反応混合物を100℃で1.5時間にわたり加熱した。室温まで冷やした後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機相を水(25mL)及び1%KOH水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(EtOAcで溶離)で精製し、その後酢酸エチル/メタノール(100:2ないし100:10)で溶離させ、155mgのN−[2−(3−イミダゾール−1−イル−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 0.90 min; MS: 617.7(M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.15(s,3H),6.75(d,1H),7.01(bs,1H),7.05(t,1H),7.17(t,1H),7.30(m,5H),7.53(m,3H),7.73(d,2H),8.04(dd,1H),8.25(d,1H)ppm。
【実施例6】
【0232】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミド(1mmol、実施例3と同様に調製)の溶液に対して、4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド (1.1mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、446mgの2−メトキシ−N−[2−(4−ニトロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.15 min,MS: 596.8(M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ4.27(s,3H),6.79(d,1H),6.83(bs,1H),7.07(m,1H),7.17(m,2H),7.34(d,1H),7.59(bs,1H),7.90 (d,2H),8.20(t,1H),8.25(d,1H),8.30(d,2H)ppm。
【0233】
AcOH(5mL)に含まれた2−メトキシ−N−[2−(4−ニトロベンゼンスルホ
ニルアミノ)フェニル]−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミド (1mmol)の溶液に対して、鉄粉末(300mg)を添加し、結果として得られた混合物を100℃で30分加熱した。反応混合物をセライト(Celite)のショート・パッドで濾過し、このパッドをメタノール(50mL)及びジクロロメタン(25mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(50mL)に溶解し、1%KOH水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を除去して真空中で乾燥させることで、486mgの粗N−[2−(4−アミノベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.09 min; MS: 566.7(M+1)+
【0234】
AcOH(2ml)に含まれた、上記のようにして得られたアミノ中間体(0.5mmol)の溶液に対して、NH4OAc(10mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液(2mL)、及びグリオキサル水溶液(1mL)を添加した。反応混合物を100℃で1.5時間にわたり加熱した。室温まで冷やした後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機相を水(25mL)及び1%KOH水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(EtOAcで溶離)で精製し、続いて酢酸エチル/メタノール(100:2ないし100:10)で溶離を行うことで、200mgのN−[2−(4−イミダゾール−1−イル−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミドが得られた。LC: Tr 0.90 min; MS: 617.6(M+1)+1H NMR(CDCl3, 400 MHz): δ 4.16(s,3H), 6 .81(d, 1H), 7.05(m, 2H), 7.14(m, 2H), 7.24(m, 3H), 7.43(d, 2H), 7.55(bs, 1H), 7.75(d, 2H), 7.83(s, 1H), 8.06(dd, 1H), 8.25(d, 1H)ppm。
【実施例7】
【0235】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルベンゼンスルホンアミド(0.5mmol、実施例Aと同様に調製)の溶液に対して、5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド(0.55mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に反応混合をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、202mgの5−クロロ−3−メチルベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−メトキシ−5−
トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.32 min,MS:655.4(MH+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 2.14(s,3H),4.29(s,3H),6.33(bs,1H),6.54(d,1H),6.98(t,1H),7.24(t,1H),7.35(d,1H),7.45(dd,1H),7.49(dd,1H),7.70(d,1H),7.75(d,1H),8.14(bs,1H),8.17(dd,1H),8.3l(d,1H)ppm。
【実施例8】
【0236】
0℃でDCM(25mL)及びピリジン(5mL)に含まれたo−フェニレンジアミン(5mmol)の溶液に対して、5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(5.5mmol)を少しずつ添加した。次に、反応混合物を徐々にRTまで温めるとともに、撹拌をTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで続けた
。反応混合物を次にDCM(25mL)で希釈した。次に、有機相を水(2×25mL)及びブライン(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、1.07gのN−(2−アミノフェニル)−5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホンアミドを得た。1H NMR(CDCl3,400MHz): δ 4.08(s,3H),4.22(bs,2H),6.52(m,2H),6.75(m,2H),7.01(d,1H),7.03(m,1H),7.65(dd,1H),7.88(d,1H)ppm。
【0237】
上記のようにして得られたモノスルホンアミド(1mmol)をDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に溶解した。次にベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド(1.1mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、390mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.19 min,MS: 553.5 (M+)+1
NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.11(s,3H),7.00(d,1H),7.1 − 7.2(m,5H),7.47(m,2H),7.62(d,1H),7.64(d,1H),7.68(s,1H),7.78(d,1H),7.84(dd,2H)ppm。
【実施例9】
【0238】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホンアミド(0.5mmol、実施例7と同様に調製)の溶液に対して、4,5−ジクロロチオフェン−2−スルホニルクロリド(0.55mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL),及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、214mgの4,5−ジクロロチオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミドを得た。LC: Tr,1.30 min,MS: 572.8(M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.12(s,3H),7.00(d,1H),7.10(d,1H),7.12(dd,1H),7.22(dd,1H),7.23−7.32(m,3H),7.66(dd,1H),7.70(d,1H)ppm。
【実施例10】
【0239】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホンアミド(0.5mmol;実施例7と同様に調製)の溶液に対して、5−イソキサゾール−3−イル−チオフェン−2−スルホニルクロリド(0.55mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、140mgの5−イソキサゾール−3−イル−チオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.15 min, MS: 572.0(MH+I)+1H NMR(CDCl3, 400 MHz): δ4.10(s, 3H), 6.51(s, 1H), 6.99(d, 1H), 7.04(d, 1H), 7.11(dd, 1H), 7.18(dd, 12H), 7.25(dd, 1H), 7.40(d, 1H), 7.46(d, 1H), 7.54(dd, 1H), 7.64(dd, 1H), 7.75(dd, 1H), 8.31(s, 1H)ppm。
【実施例11】
【0240】
0℃でDCM(20mL)及びピリジン(4mL)に含まれたo−フェニレンジアミン
(4 mmol)の溶液に対して、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド (4.4
mmol)を少しずつ添加した。次に、反応混合物をRTまで徐々に温めるとともに、TLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで撹拌し続けた。次に、反応混合物DCM(20mL)で希釈した。有機相を水(2×20mL)及び20mLのブラインによって洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、960mgのN−(2−アミノフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミドを得た。LC : Tr− 0.92 min, MS: 284.0 (M+1)+
【0241】
上記のように得られたモノスルホンアミド(1mmol)をDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に溶解した。2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリド (1.1 mmol、実施例Bと同様に調製)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、325mgのN−[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.2 min, MS: 498.1 (M+1)+
【実施例12】
【0242】
−40℃の乾燥THF(15mL)に含まれたベンゾフラン(10mmol)の溶液に対して、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、4.4mL、11mmol)を滴加した。反応混合物を−40℃で30〜40分間にわたり撹拌した。約5〜10分間にわたり、針の先端を反応混合物の真上に保った状態で、二酸化硫黄ガスを反応混合物に通す。白色沈殿物が形成された。次に、反応混合物をRTにして、1時間にわたり撹拌をし続け、続いて混合物をヘキサン(20mL)に希釈することで、白色沈殿物としてベンゾフラン−2−スルフィン酸リチウム塩を得た。固形物を濾過し、真空中で乾燥させて塩を得た。
【0243】
上記のようにして得た固形物をDCM(50mL)に懸濁し、0℃でN−クロロスクシンイミド(11mmol)で処理した。次に、結果として得られる懸濁液をRTにするとともに、一晩強く撹拌を続けた。濃褐色の反応産物をろかしてDCMで洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、得られた残渣をシリカゲル・カラムクロマトグラフィ(溶離液としてEtOAc/ヘキサンを用いる)で精製することで、1.19gのベンゾフラン−2−スルホニルクロリドを淡褐色の固形物として得た。
【0244】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド (0.5 mmol,実施例11と同様に調製)の溶液に対して、上記のようにして調製されたベンゾフラン−2−スルホニルクロリド (0.55 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩あるいはTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで、撹拌した。次に反応混合物をDCM
(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮させた。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、92mgのベンゾフラン−2−スルホン酸 [2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.13 min,MS: 464.0 (M+1)+
【実施例13】
【0245】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれた、N−(2−アミノフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド(0.5 mmol、実施例11と同様に調製)の溶液に対して、上記のように調製されたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド
(0.55 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩あるいはTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで、撹拌した。次に、反応混合物をDCM(5mM)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、180mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr− 1.23 min,MS: 479.8 (M+1)+
【実施例14】
【0246】
DCM(20mL)に含まれた1−メトキシ−4−メチルスルファニルベンゼン (10 mmol)の溶液に対して、32%エタンペルオキソ酸水溶液(7mL)を0℃で添加した。次に、反応混合物を室温で2時間撹拌させた後、酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機相を水(50mL)及び1%KOH水溶液(75ml)で洗浄した。次に有機相を無水炭酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮することで、灰色かかった固形物として、1.5gの粗1−メタンスルホニル−4−メトキシベンゼンを得た。
【0247】
無水ジクロロメタン(20mL)に含まれた粗の1−メタンスルホニル−4−メトキシベンゼン(8mmol)の溶液に対して、クロロスルホン酸(1mL)を0℃で滴加した。反応混合物を室温にまで温めた後、PCI5 (0.5 g)を添加した。結果として得られる反応混合物を1時間にわたって再還流した。室温まで冷した後、反応混合物を撹拌氷水(50mL)に注いだ。次に、水層をEtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をつぎに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(2×40mL)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮する。残渣は、ヘキサン/EtOAc(3:1)によって溶離を行うフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製することで、1.6gの5−メタンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリドを得た。
【0248】
DCM(1mL)及びピリジン(1mL)に含まれたN−(2−アミノフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド (0.5 mmol, 実施例11と同様に調製)の溶液に対して、上記のように調製された5−メタンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.55 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、160mgのN−[2−(4− クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−メタンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホンアミドを得た。 LC: Tr 1.05 min,MS: 531.9
(M+1)+
【実施例15】
【0249】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノフェニル) アミド (1 mmol, 実施例1と同様に調製)の溶液に対して、4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド (1.1 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応混合物を次にDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、348mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(4−メトキシ−2−ニトロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドが得られた。 LC: Tr 1.09 min; MS: 520.7 (M+1)+
【実施例16】
【0250】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノフェニル)−アミド(1 mmol、実施例1と同様に調製)の溶液に対して、5−メタンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(1.1 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)によって希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、330mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(4−メタンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.06 min; MS: 553.8
(M+1)+
【実施例17】
【0251】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノフェニル)−アミド (1 mmol, 実施例1と同様に調製)の溶液に対して、2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルクロリド (1.1 mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、390mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸
[2−(2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.25 min; MS: 489.1 (M+1)+
【実施例18】
【0252】
ジオキサン(5mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミド (0.5 mmol)の溶液に対して、固形ナトリウム・メトキシド(2mmol)を一部添加し、得られた反応混合物を次に加熱して、約4hにわたって還流した。反応が完了した後に、反応混合物をRTまで冷やし、真空中で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(10mL)に再度溶解し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸アンモニウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、204mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.20 min; MS: 544.1 (M+1)+
【実施例19】
【0253】
無水DCM(20mL)に含まれた2−(4−メトキシベンゼンスルホニル)エタノール(20mmol)の溶液に対して、トリエチルアミン(4mL)を添加した。反応混合物を0℃まで冷やし、その後にメタンスルホニルクロリド(3mL)を滴加した。次に、12時間にわたって室温で反応混合物を撹拌した後に、DCM(150mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc(3:1又は1:1)で溶離)で精製し、5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼン(3g)を得た。
【0254】
無水ジクロロメタン(30mL)に含まれた、上記のようにして得た5−エタンスルホニル−2−メトキシベンゼン(3g)の溶液に、クロロスルホン酸(3mL)を0℃で滴加した。反応混合物を室温まで温め、さらに3部でPCI5(3g)を添加した。結果として得られる反応混合物を2時間にわたって還流した。室温まで冷やした後、反応混合物を氷水(100mL)に撹拌しながら添加した。含有物をEtOAc(2×150mL)で抽出した。上記合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン(1:4ないし1:1)で溶離)で精製することによって、5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(3g)を得た。
【0255】
DCM(20mL)及びピリジン(20mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノフェニル)−アミド(10 mmol,実施例1と同様に調製)の溶液に対して、5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(11mmol)をRTで添加し、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(100mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(100mL)、水(100mL)、及びブライン(100mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル] アミド (2.8 g)を得た。LC: Tr 1.15 min; MS: 565.9 (M+1)+1H NMR(CDCl3,400 MHz): δ 4.17
(s,3H),6.03 (d,1H),6.42 (d,1H),6.56 (dd,1H),6.81 (dd,1H),6.97 (t,1H),7.13 (t,1H),7.18 (d,1H),7.32 (d,1H),7.42−7.52 (m,2H),7.62 (s,1H),7.80 (d,1H),7.83 (d,1H),8.04 (dd,1H),8.19 (d,1H) ppm。
【0256】
無水THF(10mL)に含まれた、上記のように調製されたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−エテンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド (0.5 mmol)の溶液に対して、Me2NH−THF溶液 (2.5 mL; 2 M Me2NH 含有THF溶液)を添加した。結果として得られる反応混合物を室温で30分間にわたり撹拌した。真空下での溶媒の除去後、得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィによって精製した。この際、EtoAcによる溶離の後、DCM/メタノール(100:2ないし100:10)による溶離を行うことで、290mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[5−(2−ジメチルアミノエタンスルホニル)−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}−アミドを得た。LC: Tr0.99 min; MS: 610.7 (M+1)+
【実施例20】
【0257】
無水DMF(3mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミド (0.2 mmol,実施例19と同様に調製)の溶液に対して、2H−テトラゾール(25mg)を添加した。結果として得られる反応混合物を密閉した試験管内で2時間にわたり110℃で撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム溶液(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、EtoAcによる溶離の後、DCM/メタノール/AcOH(100:2:1ないし100:10:2)による溶離を行うことで、2つの分離可能な位置異性体(regio-isomers)が得られた。極性が弱いほうは、ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 {2−[2−メトキシ−5−(2−テトラゾール−2−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]−フェニル}−アミド (51 mg)である. LC: Tr 1.08 min; MS: 635.6 (M+1)+
【実施例21】
【0258】
無水THF(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミド (0.2 mmol, 実施例19と同様に調製)の溶液に対して、0.2mLのピロリジンを添加した。結果として得られる反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、EtOAcによる溶離の後、DCM/メタノール/AcOH(100:2:1ないし100:10:2)による溶離を行うことで、121mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 {2−[2−メトキシ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}アミドを得た。LC: Tr0.94 min; MS: 636.8 (M+1)+1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 1.68 (m, 4H), 2.38 (m, 4H), 2.78(t, 2H), 3.28 (t, 2H),
4.20 (s, 3H), 6.76 (d, 1H), 6.96 (d, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.41 (t, 1H), 7.49(t, 1H), 7.60 (s,
1H), 7.79 (d, 1H), 7.83 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 8.26 (d, 1H) ppm。
【実施例22】
【0259】
無水THF(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−エテンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル] アミド(0.2 mmol、実施例19と同様に調製)の溶液に対して、0.2mLの1−メチルピペラジンを添加した。結果として得られる反応混合物を室温で1時間にわたり撹拌した。反応混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、EtOAcにより溶離を行い、その後にDCM/メタノール/AcOH(100:2:1ないし100:10:2)で溶離を行うことで、118mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]−フェニル]−アミドを得た。LC: Tr0.84 min; MS: 666.0 (M+1)+
【実施例23】
【0260】
1,2−ジクロロエタン(10mL)に含まれた4’−メトキシ−2,2,2−トリフルオロアセトフェノン(5mmol)の溶液に対して、0.5mLのクロロスルホン酸を0℃で添加した。結果として得られる反応混合物を徐々に室温まで高めた後、加熱して還流を4時間行った。次に、反応混合物を室温まで冷却し、クロロホルム(30mL)で希釈した。次に、内容物を分液漏斗に移し、水(50mL)で洗浄し、さらに層を分離した。次に、水層をクロロホルム(30mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空中で除去し、得られた残渣をシリカゲル・フラッシュカラムクロマトグラフィによって精製した。この際、溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(1:10ないし1:2勾配)を用いることで、440mgの5−(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)-2-メトキシベンゼンスルホニルクロリドを得た。1H NMR (CDCl3,400 MHz): δ 4.14 (s,3H),7.14 (d,1H),8.14 (dd,1H),8.44 (d,1H) ppm。
【0261】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノフェニル)−アミド (1 mmol, 実施例1と同様に調製)の溶液に対して、5−(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド (1.1 mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(20mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(20mL)、水(20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、374mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(5−(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエチル)−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.40 min; MS: 625.8 (M+1)。
【実施例24】
【0262】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたN−(2−アミノ−フェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド (1.0 mmol、実施例11と同様に調製)の溶液に、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド(1.1
mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、419mgの 2−クロロ−N−[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.25 min; MS: 525.9 (M+1)。
【0263】
ジオキサン(5mL)に含まれた2−クロロ−N−[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド(0.5 mmol)の溶液に対して、固形ナトリウムメトキシド(2mmol)を一部添加し、続いて結果として得られた反応混合物を加熱して、約4hにわたり還流させた。反応終了後、反応混合物をRTまで冷やし、真空中で濃縮した。得られた残渣を再びEtOAc(10ml)に溶かし、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAc溶離)で精製することで、160mgのN−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.22 min; MS: 5
21.8 (M+1)+
【実施例25】
【0264】
DCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれたベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノ−フェニル)−アミド (1 mmol, 実施例1と同様に調製)の溶液に対して、2−メトキシ−4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド (1.1
mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩あるいはTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで撹拌した。次に、反応混合物をDCM(20mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(20mL)、水(20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、353mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(2−メトキシ−4−ニトロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 1.21 min; MS: 520.7.7 (M+1)+1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 4.24 (s, 3H), 6.72 (bs, 1H), 6.88 (d, 1H), 7.03 (t, 1H),
7.16 (t, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.52 (t, 1H), 7.51 (t, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.67−7.88
(m, 5H), 7.92 (s, 1H) ppm。
【0265】
酢酸エチル(5mL)及びメタノール(5mL)に含まれた上記のベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(2−メトキシ−4−ニトロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド (0.5 mmol)の溶液に対して、活性炭素上パラジウム(10%、湿潤、約20mg)を添加した。反応混合物を真空下で5分間にわたり脱気し、水素雰囲気下(1atm)で20分間にわたり撹拌した。反応混合物をセライトのショート・パッドで濾過し、パッドをメタノール(20mL)及びジクロロメタン(20mL)で洗浄した。合わせた有機相を真空下で濃縮し、238mgのアミノ中間体を得た。LC: Tr 1.13 min, MS: 490.9 (M+1)+1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): δ 3.82 (s, 3H), 6.03 (dd, 1H), 6.06 (bs, 2H), 6.21(d, 1H), 6.90
(m, 2H), 7.05 (td, 1H), 7.20 (dd, 1H), 7.46 (td, 1H), 7.52 (td, 1H), 7.88(s, 1H), 7.97(dd, 1H), 8.06 (dd, 1H), 8.66 (bs, 1H), 9.78 (bs, 1H) ppm。
【0266】
AcOH(2mL)に含まれた、上記のようにして得られたアミノ中間体(0.3mmol)の溶液にNH4OAc (10 mmol)、37% ホルムアルデヒド水溶液(2mL)、及び40% グリオキサル溶液 (1 mL)を添加した。反応混合物を100℃で1.5時間にわたり加熱した。室温で冷やした後、反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。有機相を水(25mL)及び1%KOH水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、ヘキサン/EtOAc (1:1)で溶離し、続いてDCM/メタノール(100:2 ないし100:10)で溶離することで、98mgの ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 [2−(4−イミダゾール−1−イル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−アミドを得た。LC: Tr 0.87 min; MS: 541.6 (M+1)+1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): δ 4.06 (s, 3H), 6.80 (dd, 1H), 6.95 (td, 1H), 7.06 (m, 2H), 7.13 (s, 1H), 7.23(dd, 1H), 7.29 (d, 1H),
7.52−7.42(m, 3H), 7.67 (d, 1H), 7.88 (s
, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 8.02 (d, 1H), 8.46 (s, 1H), 9.06 (bs, 1H) ppm。
【実施例26】
【0267】
0℃のDCM(4mL)及びピリジン(1mL)に含まれたベンゼン−1,2−ジアミン(1 mmol)の溶液に対して、ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド
(2.2 mmol)を0℃で少しずつ(10〜15分間にわたって)添加した。次に、反応混合物をRTまで徐々に温めるとともに、6時間撹拌を続けた。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、DCMで溶離し、続いてEtOAc/DCM (1% ないし3%)で溶離することで、425mgのN−[2−(ベンゾチオフェン−2−スルホニル)アミノ]フェニル−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミドを得た。LC: Tr 1.18 min; MS: 501.7 (M+1)+1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): δ 7.14 (A22, 4H), 7.48 (dd, 2H), 7.54 (dd, 2H), 7.95 (s, 2H), 7.97 (d, 2H), 8.03 (d, 2H) ppm。
【実施例27】
【0268】
0℃のDCM(2mL)及びピリジン(0.5mL)に含まれたベンゼン−1,2−ジアミン(0.5 mmol)の溶液に対して、ベンゾフラン−2−スルホニルクロリド (1.1 mmol; 実施例12と同様に調製)を0℃で少しずつ(10〜15分間にわたって)添加した。反応混合物をRTまで徐々に温めるととに、6時間撹拌を続けた。次に、反応混合物をDCM(5mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、DCMで溶離し、続いてEtOAc/DCM (1%ないし3%)で溶離することで、117mgのN−{2−[(1−ベンゾフラン−2−イルスルホニル)アミノ]フェニル}−1−ベンゾフラン−2−スルホンアミドを得た。Tr 1.18
min; MS: 469.7 (M+1)+
【実施例28】
【0269】
0℃のDCM(20mL)及びピリジン(4mL)に含まれたo−フェニレンジアミン(4mmol)の溶液に対して、3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド (4.4 mmol)を少し添加した。反応混合物をRTまで徐々に温め、TLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで撹拌し続けた。次に、反応混合物をDCM(20mL)で希釈した。有機相を水(2×20mL)、及び20mLのブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣を、フラッシュ・カラムクロマトグラフィで精製した。この際、DCM/EtOAcで溶離し、760mgのΝ−(2−アミノ−フェニル)−3,4−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 0.98 min, MS: 317.0 (M+1)+
H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 4.95 (bs, 2H), 6.45(t, 1H), 6.11 (d, 1H), 6.72 (d, 1H), 6.92 (t, 1H), 7.59 (dd, 1H), 7.80 (d,
3H) ppm。
【0270】
上記のように得られたモノスルホンアミド(1mmol)をDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に溶解させた。5−フルオロ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリ
ド(1.1mmol)をRTで添加した後、反応混合物をRTで一晩撹拌した。次に、反応混合物をDCM(10mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(10mL)、水(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、302mgのN−[2−(3,4−ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−5−フルオロ−2−メトキシベンゼンスルホンアミドが得られた。LC : Tr 1.19 min; MS: 505.5 (M+1)+1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): δ 3.92
(s, 3H), 6.85 (dd, 1H), 7.02 (m, 1H), 7.08 (m, 2H), 7.28 (dd, 1H), 7.40 (dd,1H), 7.50 (m, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.82 (s, 1H), 9.11 (bs, 1H), 9.56 (bs, 1H) ppm。
【実施例29】
【0271】
DME (10 mL)に含ませたピリジン−4−ホウ酸 (3 mmol)、4−ブロモ−2−ニトロフェニルアミン(2 mmol)、及びPd(PPh34 (20 mg)の混合物に対して、2MのNa2CO3 水溶液を添加した。次に、懸濁液を窒素下で36時間還流した。室温まで冷やした後、反応混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、さらに真空下で濃縮した。得られた残渣をカラム・クロマトグラフィにより精製した。この際、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)を用いて溶離した後に酢酸エチル / メタノール (10:1)で溶離することで、516mgの2−ニトロ−4−ピリジン−4−イルフェニルアミンが得られた。1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): LC: Tr 0.44 min, MS: 216.1 (M+1)+1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz): δ 7.13 (d, 1H), 7.60 (d,
2H), 7.69 (bs, 2H), 7.88 (dd, 1H), 8.37
(d, 1H), 8.55 (d, 2H) ppm。
【0272】
ピリジン(3mL)に含まれた2−ニトロ−4−ピリジン−4−イルフェニルアミン(1mmol)の溶液に対して、4−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリド (1.2 mmol)を添加し、結果として生じる混合物を室温で24時間にわたり撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した。内容物をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィで精製した。この際、ヘキサン/酢酸エチル (1:1)で溶離を行った後、酢酸エチルで溶離することで、156mgの4−クロロ−N−(2−ニトロ−4−ピリジン−4−イルフェニル)ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0273】
酢酸エチル(10mL)に含まれた4−クロロ−N−(2−ニトロ−4−ピリジン−4−イルフェニル)ベンゼンスルホンアミド (0.2 mmol)の溶液に対して、活性炭素上パラジウム (10%、湿潤、10 mg)を添加した。反応混合物を真空下で5分間脱気し、水素雰囲気下(1atm)で30分間撹拌した。反応混合物をセライトのショート・パッドで濾過し、パッドをメタノール(10mL)及び酢酸エチル(15mL)で洗浄した。合わせた有機相を真空下で濃縮し、58mgのN−(2−アミノ−4−ピリジン−4−イルフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミドを得た。
【0274】
ピリジン(0.5mL)に含まれたN−(2−アミノ−4−ピリジン−4−イルフェニル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド(0.1mmol)の溶液に対して、5−ブロモ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド (0.12 mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間にわたり撹拌し、続いて酢酸エチル(10mL)で希釈した。
内容物をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィによって精製した。この際、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶離を行い、続いて酢酸エチルで溶離を行うことで、49mgの5−ブロモ−N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−5−ピリジン−4−イルフェニル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミドが得られた。 LC: Tr0.94
min, MS: 610.8 (M+1)+
【実施例30】
【0275】
ピリジン(3mL)に含まれた4−フルオロ−2−ニトロアニリン(1mmol)の溶液に対して、5−ブロモ−2−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(1.2 mmol)を添加し、反応混合物を室温で24時間にわたり撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した。内容物を10%HCl水溶液(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチルで溶離)で精製し、223mgの5−ブロモ−N−(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミドを得た。
【0276】
上記のニトロ中間体(0.5mmol)をEtOH(10mL)に溶解し、塩化スズ(II)(2.5mmol)で処理した。反応混合物を加熱して12時間にわたり還流を行った。内容物をRTまで冷やし、反応混合物のpHが沈殿物を生ずる8〜9の範囲になるまで1MのNaOH水溶液で処理した。次に沈殿物を濾過し、メタノール(10mL)及びDCM(10mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(溶離液としてDCM/酢酸エチルを使用して溶離)を行って精製し、115mgの5−ブロモ−N−(4−フルオロ−2−アミノフェニル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミドを得た。
【0277】
ピリジン(0.5 mL)及び DCM(2 mL)に含まれた5−ブロモ−N−(4−フルオロ−2−アミノフェニル)−2−メトキシベンゼンスルホンアミド(0.1 mmol)の溶液に対して、4−クロロベンゼンスルホニルクロリド(0.12 mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間にわたり撹拌した後、酢酸エチル(10mL)で希釈した。内容物を10% HCl水溶液 (10mL)及びブライン(10 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、さらに真空下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィで精製した。この際、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶離を行い、続いて酢酸エチルで溶離を行うことで、43mgの5−ブロモ−N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミドを得た。LC: Tr 1.10 min, MS: 551.8 (M+1)+
【実施例31】
【0278】
0℃のDCM(2mL)及びピリジン(2mL)に含まれた4−フルオロベンゼン−l, 2−ジアミン (1 mmol)の溶液に対して、ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロリド (2.2 mmol)を少し添加した。次に、反応混合物をTLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまでRTで撹拌した。次に、反応混合物をDCM(15mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(5mL)、水(5mL)、及び5mLのブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製することで、 192mgのN,N’−(4−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド)を固形物として得た。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 6.8−6.9 (m, 1H), 7.0−7.2 (m, 2H), 7.4−7.6 (m, 4H), 7.83 (s, 1H), 7.9−8.0 (m, 4H), 8.04 (s, 1H
), 9.7−10.1 (br s, 2H) ppm.
【実施例32】
【0279】
ピリジン(4mL)に含まれた4−シアノベンゼン−1,2−ジアミン(1mmol)の溶液に対して、ベンゾチオフェン−2−スルホニルクロリド (2.2 mmol)を少し添加した。次に、反応混合物を80℃で温めるとともに、TLC又はLC−MSによって判断されるように反応が完了するまで、撹拌を続けた。次に、反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した。有機相を10%HCl水溶液(15mL)、水(15mL)、及びブライン(5mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュ・カラムクロマトグラフィ(DCM/EtOAcで溶離)で精製し、184mgのN,N’−(4−シアノ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) を固形物として得た。
1H NMR (CDCl3; 300 MHz) δ 7.31 (s, 1H); 7.4−7.6 (m, 6H), 7.65 (s, 1H), 7.7−7.9 (m, 5H) ppm。
【実施例33】
【0280】
N,N’−(4−クロロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド)(310 mg)を、実施例31に従って、4−クロロベンゼン−1,2−ジアミン、及びベンゾチオフェン−2−スルホニルクロリドを必須開始物質として用いて調製した。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 7.18 (s, 2H),
7.22 (s, 1H), 7.4−7.6 (m, 4H), 7.9−8.1 (m, 6H), 9.8−10.1 (br s, 2H) ppm.
【実施例34】
【0281】
N,N’−(4−ブロモ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) (255 mg)を、実施例31に従って、4−ブロモベンゼン−1,2−ジアミン及びベンゾチオフェン−2−スルホニルクロリドを必須開始物質として用いて調製した。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 7.06 (d, 1H),
7.2−7.4 (m, 2H), 7.4−7.7 (m, 4H), 7.9−8.1 (m, 6H), 9.8−10.2 (br s, 2H) ppm。
【実施例35】
【0282】
N,N’−(4−メトキシ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド)(472mg)を、実施例31に従って、4−メトキシベンゼン−1,2−ジアミン及びベンゾチオフェン−2−スルホニルクロリドを必須開始物質として用いて調製した。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 3.58 (s, 3H), 6.62 (dd, 1H), 6.81 (d, 1H), 6.88 (d, 1H), 7.4−7.6 (m, 4H), 7.83 (s, 1H), 7.9−8.2 (m, 5H), 9.65 (br s, 2H) ppm。
【実施例36】
【0283】
無水DMF(4mL)に含まれた3−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ安息香酸 (1mmol、実施例4参照)の溶液に対して、DIEA(1.5mmol)及びHBTU(1.2mmol)をRTで添加し、この混合物を30分間撹拌した。次に、tert−ブチルアミン(1.2mmol)をRTで添加するとともに、さらに60分間にわたって撹拌を続けた。反応
混合物を水(20mL)で希釈し、形成された沈殿物を濾過し、さらに水で洗浄した。白色固形物(488mg)が得られ、これを精製することなくさらなる変換に用いた。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 1.36 (s, 9H), 4.05 (s, 3H), 6.90 (d, 1H), 6.98 (t, 1H), 7.12 (t, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.30 (d,
1H), 7.4−7.6 (m, 2H), 7.85−8.05 (m, 3H), 8.05−8.15 (m, 3H), 9.10 (s, 1H), 9.82 (s, 1H) ppm。
【0284】
上記のもの(0.5mmol)由来のアミド生成物を無水ベンゼン(10mL)に懸濁し、オキシ塩化燐(1mL)で処理した。この反応混合物を3時間還流し、その後に反応が完了した。溶媒及び過剰なPOCl3を真空中で除去し、得られた残渣をイソプロパノールから再結晶化させることで、125mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸
[2−(5−シアノ−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミドを淡黄色の固形物として得た。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 4.05 (s, 3H), 6.90 (d, 1H), 7.02 (t, 1H), 7. 14 (t, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.4−7.6 (m, 3H), 7.91
(s, 1H), 7.95−8.05 (m, 2H), 8.06−8.14 (m, 2H), 9.18 (br s, 1H), 9.82 (br s, 1H)
ppm。
【実施例37】
【0285】
無水DMF(4mL)に含まれた3−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ安息香酸(1mmol、実施例4参照)の溶液に対して、DIEA (4.5 mmol)及びHBTU (1.2 mmol) をRTで添加し、この混合物を30分間にわたって撹拌した。次に、N−ヒドロキシアセトアミジン(2.0mmol)をRTで添加するとともに、さらに60分間にわたって撹拌を続けた。反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(2×20mL)で洗浄し、さらに無水Na2SO4上で乾燥させた。真空中での溶媒の除去後、385mgのオキサメートエステルを白色の固形物として得た。これ以上精製することなくさらなる変換に用いた。
【0286】
上記のように得られたオキサメート(0.35mmol)は、キシレン(6mL)に懸濁されると共に粉末4Å分子ふるい(1g)によって処理した。反応混合物を加熱して、反応が完了するまでの6時間、還流させた。次に、内容物を濾過し、溶媒を真空除去し、それによって、29mgのベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 {2−[2−メトキシ−5−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}−アミドを灰色がかった白色の固形物として得た。
1H NMR (DMSO−d6; 300 MHz) δ 2.38 (s, 3H), 4.05 (s, 3H), 6.90 (d, 1H), 6.98 (t, 1H), 7.12 (t, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.30 (d,
1H), 7.4−7.6 (m, 2H), 7.85−8.05 (m, 3H), 8.05−8.15 (m, 3H), 9.10 (s, 1H), 9.82 (s, 1H) ppm。
【実施例38】
【0287】
エタノール(10mL)に含まれた2−チオフェンエチルアミン(1.5g、11.8mmol)及び37%含水ホルムアルデヒド(3.9ml、47.2mmol)の溶液に対して、濃塩酸(3.9mL)を添加し、その結果として得られる溶液を50℃、6時間
加熱した。減圧下で全ての揮発性成分を除去した。残渣をジオキサン(13mL)及び2NのNaOH水溶液(12.8mL)に取り、0℃に冷やした。反応混合物をジ−t−ブチルジカーボネート(2.24g、10.28mmol)で処理し、室温で10 にわたって撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、水層を酢酸エチル(10mL)で抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、生成物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィ(3%EtOAc/ヘキサンで溶離させる)で精製することで、1.7gの6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステルを得た。
【0288】
2−クロロスルホニル−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸 tert−ブチルエステル (0.25 g) は、 6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸 tert−ブチルエステル (1.6 g, 6.69 mmol) から、実施例12に記載されているn−BuLi及び N−クロロスクシンイミドを用いて、調製される。
【0289】
2−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸 tert−ブチルエステル (280 mg) は、2−クロロスルホニル−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸 tert−ブチルエステル (0.049 g, 0.148 mmol) と、ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸 (2−アミノ−フェニル)−アミド (0.045 g, 0.148 mmol, 実施例1と同様に調製)とから、ピリジン含有DCMを実施例2に記載されているような方法で使用することによって、調製される。
1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.48 (s, 9H), 2.76−2.85 (m, 2H), 3.65−3.75 (m, 2H) 4.39 (s, 2H), 7.06−7.24 (m, 5H), 7.36−7.52 (m, 4H), 7.71 (s, 1H), 7.78−7.86 (m, 2H) ppm.
【実施例39】
【0290】
N,N’−(4,5−ジクロロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) (120 mg) は、4,5−ジクロロ−ベンゼン−1,2−ジアミン (0.06 g,0.33 mmol) 及びベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド (0.157 g,0.67 mmol)を用いて調製され、実施例32の手順に従った。
1HNMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.34 (s, 2H), 7.41−7.57 (m, 4H), 7.93−8.20 (m, 6H), 9.60−10.50 (br s, 2H) ppm。
【実施例40】
【0291】
N,N’−(4−トリフルオロメチル−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) (100 mg)は、4−トリフルオロメチル−ベンゼン−1,2−ジアミン (0.06 g, 0.33 mmol)及びベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド (0.157 g, 0.67 mmol)を用いて調製され、実施例32のような方法に従って行った。
1HNMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.48 (s, 1H), 7.42−7.55 (m, 6H), 7.89−8.08 (m, 6H), 9.90−10.40 (m, 2H) ppm。
【実施例41】
【0292】
N,N’−(4−クロロ−5−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) (0.108 g) の調製は、4−クロロ−5−フルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン (0.054 g, 0.33 mmol)及びベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド (0.157 g, 0.67 mmol) を用いて、実施例32のような方法に従って行った。
1HNMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.15−7.26 (dd,
2H), 7.42−7.56 (m, 4H), 7.90−8.09 (m, 6H), 9.60−10.30 (br s, 2H) ppm。
【実施例42】
【0293】
N,N’−(4,5−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド) (0.095 g) の調製は、4,5−ジフルオロ−ベンゼン−1,2−ジアミン (0.048 g, 0.33 mmol)及びベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルクロリド (0.157 g, 0.67 mmol)を用いて、実施例32のような方法に従って行った。
1HNMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.16 (t, 2H), 7.44−7.56 (m, 4H), 7.93−8.30 (m, 6H), 9.80−10.02 (br s, 2H) ppm。
【0294】
生物学的研究
GalR1結合アッセイ
GalR1に関する化合物の親和性を、[125I]ガラニン置換結合アッセイによって調べた。ボーズ・メラノーマ細胞膜をGalR1結合アッセイに用いた。化合物を40%DMSO/水で希釈した。4%最終DMSO濃度における最終アッセイ濃度範囲0.1nMないし10μMを用いた。最終結合アッセイ条件は、25mMTris−HCL、pH7.4の緩衝液であり、10 mM MgCl2、1〜10μgの膜、 300 pM [I25I]ガラニン (SA=2200 Ci/mmoL, (Perkin Elmer part no. NEX333)、最終DMSO濃度が4%(最終アッセイ容量100μl)の化合物を含んだ。陽性対照ウェル(C+)は、化合物を欠いたウェルであった。また、陰性対照ウェル(C−)は化合物を欠いており、また過剰な非放射性ガラニン(1マイクロモル)を含む。反応は、室温で60ないし90分間行った。結合[125I]ガラニンリガンドを含む膜を単離し、その後に細胞回収装置を用いて、ユニフィルタ−96GF/Cフィルター・プレート(Unifilter-96 GF/C filter plates (PerkinElmer part no. 6005177))上で濾過を行った。0.05%牛血清アルブミン(BSA)を含む冷25mMTris−HCL(pH7.5)によりプレートを5回洗浄した。濾過後、50μLのMicroscint PS (PACKARD part no. 6013631)を添加し、プレートをトップシールA粘着シール(TopSeal-A adhesive seals (Packard part no. 6005185))によって密封した。ユニフィルタ−96GF/Cプレートに対する125I同位体結合を、トップカウント・インスツルメント(TopCount instrument (Packard)を用いてカウントした。
【0295】
データ分析
生データ変換
125I]ガラニン結合の阻害率を、式[100 x 1−{(試料cpm − C−cpm)/C+cpm − C−cpm)}]に従って計算した。[125I]ガラニン結合の阻害率(Y)対化合物濃度(X)データを生成した。
【0296】
曲線適合
IC50値は、以下の式に従って、S字用量応答、可変傾斜非線形回帰 (GraphPAD Prizm, San Diego, CA)に関するパラメータを用いてデータを適合することにより計算される。Y=底部+(上部−底部)/(1+10^((LogEC50−X)*勾配));X
は、濃度の対数である。Yは、レスポンスである。Yは、底部で開始され、S字曲線を描いて上部に移動する。これは「4つのパラメータ・ロジスティック方程式」に等しい。
【0297】
表1の式(I)の化合物は、以下の説明する結合アッセイにおける約10マイクロモル又はそれ以下のIC50値を示した。
【0298】
機能細胞にもとづくアッセイ
ボーズ細胞における化合物のアゴニスト機能的活性はフォルスコリン刺激細胞内cAMPを測定することで決定された。cAMPを、cAMP検出キットを使用して定量化した。ボーズ細胞は、イーグル最小必須培地で増殖した。この培地は、イーグル塩、L−グルタミン酸、及び重炭酸ナトリウムを含み、10%牛胎児血清が補充されている。細胞の回収は、95%O2及び5%CO2を含む湿度調整された37℃インキュベータで20分間、15mLPBS(Ca2+、Mg2+、なし)で細胞単層を培養することで、行った。フラスコを軽くたたくことで細胞を剥がすことができ、細胞懸濁液を5分(4℃)、600xgで遠心分離した。細胞数は、血球計を用いて計数し、刺激混合物(抗cAMP抗体及びイソブチルメチルキサンチンを含む)で希釈した。希釈は、最終細胞密度が1ないし5x106細胞/mLとなるようにした。一般に、アッセイでは、1つのウェル毎に10,000〜50,000細胞となるようにした。化合物を、1%DMSO/PBSで希釈し、最終アッセイ濃度の範囲を、0.1nMないし10μM、及び5μLがコスター・ブラック384ウェルプレートに分注された。フォルスコリンの希釈は、1%のDMSO/PBSで行った。ガラミンの希釈は、完全プロテアーゼ抑制剤カクテル(Complete Mini, EDTA-free, Roche Diagnostics)を含むPBSで行った。細胞(10μL)を化合物と15分間プレインキュベートした後、フォルスコリン(5ないし20μL)及びガラニン(0.1ないし10nM)を添加して最終アッセイ容量を20μMとした。湿度調整された37℃インキュベータ(95%O2及び5%CO2)で細胞を30分間インキュベートした後、Alexa Fluor 594−cAMP検出ミックスを添加(20μL)し、プレートを室温で1時間振とうさせながらインキュベートした。蛍光偏光の程度(mP単位で表す)を、Envision (Perkin Elmer)蛍光プレートリーダーを使用して測定した。cAMP(1〜100 nM)の標準曲線を、cAMP量を定量化するのに用いた。
【0299】
表1の式(I)の化合物は、上記した機能的細胞ベースのアッセイでEC50値が約10マイクロモル又はそれ以下であることを示し、またGalR1アゴニストであると決定された。
【0300】
行動アセスメント
動物
オスSD(Sprague Dawley)ラット(100〜150g、神経結紮について)を、Charles River(Portage, Mich)から購入した。手術前、動物を体温調整環境(午前7時00分〜午後8時00分の間照明をつける)下で群収容して管理した。手術後2週間で、動物が250〜350gの範囲内である場合、実験を開始した。ラットは餌及び水を自由に摂取した。
【0301】
神経障害性疼痛を評価するために、坐骨神経結紮を受けた動物の影響を受けた脚の機械的アロディニアを、フォン・フレイフィラメント(von Frey filament)を用いて評価した。既に述べられているように(Chaplan他著「Quantitative assessment of tactile allodynia in the rat paw. J Neurosci Meth, 1994; 53:55-62)、手術後2週間でラットは試験箱に慣れた。この試験箱は、ワイヤメッシュ床の入ったプレキシグラスから作られ、後ろ脚のプランター表面にアクセスするのを可能にする。ディクソン・アップ・ダウン(Dixons Up-Down)法を用いて、アロディニアのベースライン・レベルは、4g未満の退
薬閾値(withdrawal threshold)と定義されるアロディニアを起こした。次いで、試験化合物を投与し、それに続く退薬閾値を測定した。
【0302】
表1の実施例1ないし30の化合物を約15ないし100mg/kgの範囲内で投与した場合、坐骨神経を損傷している動物の退薬閾値は、坐骨神経を損傷している、媒体治療をうけている動物の退薬閾値と比較すると増加していた。
【0303】
本発明がその特定の実施の形態に関して述べられて、例示される一方で、当業者は、種々の変更、改変、及び置換が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその範囲内でなされることが可能であることを理解するであろう。例えば、本明細書で先に述べたように投薬量以外の有効薬量は治療を受けている哺乳類の反応の変動の結果として適用可能である。同様に、観察される特異的な薬理学応答は、選択される特定の活性体によって、またそれに応じて、あるいは医薬品担体(並びに使用される投与の製剤化及び方法の種類)が存在するかどうかによって、変化し、そのような予期されるバリエーション又は結果の相違は、本発明の目的及び実施に従って意図される。
【0304】
【表2−1】

【表2−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
Ar2−SO2NH−Ar1−NHSO2−Ar3 (I)
の化合物であって、式中、Ar1は、1〜4回任意に置換される、アリーレン、ヘテロアリーレン、縮合シクロアルキルアリーレン、縮合ヘテロシクリルアリーレン、縮合シクロアルキルヘテロアリーレン、又は、縮合ヘテロシクリルヘテロアリーレン基を含み、ここで、Ar1の置換基は、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−パーハロアルキル;
f)−アルキル;
g)−アリール;
h)−ヘテロアリール;
i)−シクロアルキル;
j)−L−アリール;
k)−L−アリーレン−アリール;
1)−L−アリーレン−アルキル;
m)−Q−アルキル;
n)−Q−アリール;
o)−Q−アルキレン−アリール;
p)−Q−アリーレン−アルキル;
q)−L−Q−アルキレン−アリール;
r)−アリーレン−Q−アルキル;
s)−L−Q−アルキル;
t)−L−Q−アリール;
u)−L−Q−ヘテロアリール;
v)−L−Q−シクロアルキル;
w)−L−Q−アリーレン−アルキル;
x)−D4−アルキレン−NR12
y)−D4−NR12
z)−D4−アルキル;又は
aa)−D4−Hを含むことができ;
式中D4は、直接結合、−CH2−、−O−、−N(R4)−、−C(O)−、−CON(R4)−、−N(R4)C(O)−、−N(R4)CON(R4')−、−N(R4)C(O)O−、−OC(O)N(R4)−、−N(R4)SO2−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R4)SO2N(R4')−、又は−N=N−を含み、
式中、R4及びR4'は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み;
式中R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、ここで、R1及びR2がひとまとめになって、R1及びR2が結合する窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)− 、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(
O)2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、−N(C(O)NR3132)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−であり;
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み;
Lは、直接結合、−アルキレン、−アルケニレン,又は−アルキニレンを含み;
Qは、直接結合、−CH2−、−O−,又は−S−を含み;
Ar2及びAr3は、それぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、縮合シクロアルキルアリール、縮合シクロアルキルヘテロアリール、縮合ヘテロシクリルアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基を含み、ここで、Ar2及びAr3の少なくとも1つは、前記−NHSO2−基への結合点に対してビシナル又はジェミナルの酸素原子又はイオウ原子を含み、Ar2及びAr3は、置換基で1ないし5回任意に置換可能であり、該置換基は、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−アルキル;
f)−アリール;
g)−シクロアルキル;
h)−ヘテロシクリル;
i)−アルキレン−シクロアルキル;
j)−パーハロアルキル;
k)ヘテロアリール;
1)−アルキレン−アリール;
m)−D1−H;
n)−D1−R3
O)−D1−アルキル;
P)−D1−アリール;
q)−D1−パーハロアルキル;
r)−D1−アルキレン−R3
s)−D1−アルキレン−アリール;
t)−D1−アルキレン−D2−R3
u)−D1−シクロアルキル;
v)−D1−ヘテロシクリル;
W)−D1−アリール;
x)−D1−ヘテロアリール;
y)−D1−アリーレン−D2−R3
z)−D1−ヘテロアリーレン−D2−R3
aa)−D1−アルキレン−ヘテロアリール;
bb)−D1−アルキレン−ヘテロシクリル;
cc)−D1−アルキレン−アリール;
dd)−D1−アルキレン−アリーレン−D2−R3
ee)−D1−アルキレン−ヘテロアリーレン−D2−R3
ff)−D1−アルキレン−NR56
gg)−D1−アリーレン−NR56、又は
hh)−酸同配体を含み、
式中D1は、直接結合、−CH2−、−O−、−N(R7)−、−C(O)−、−CON(R7)−,−N(R7)C(O)−、−N(R7)CON(R8)−、−N(R7)C(O)O−、−OC(O)N(R7)−、−N(R7)SO2−、−SO2N(R7)−、−C
(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−,−N(R7)SO2N(R8)−、又は−N=N−を含み;
式中、R7及びR8は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキルを含み;
3は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は−ヘテロアリールを含み;
5及びR6は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、ここで、R5及びR6がひとまとめになって、R5及びR6が結合する窒素原子に結合した式−(CH20−Z1−(CH2)p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
1は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R9)−、−N(C(O)R9)−、−N(C(O)NHR9)−、−N(C(O)NR910)−、−N(S(O)2NHR9)−、−N(SO29)−、又は−N(C(O)OR9)−を含み、
式中、R9及びR10は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
2は、−アルキレン−、−アルケニレン−、−アルキレン−S−、−S−アルキレン−、−アルキレン−O−、−O−アルキレン−、−アルキレン−S(O)2−、−S(O)2−アルキレン、−O−、−N(R11)−、−C(O)−、−CON(R11)−、−N(R11)C(O)−、−N(R11)CON(R12)−、−N(R11)C(O)O−、−OC(O)N(R11)−、−N(R11)SO2−、−SO2N(R11)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、又は−N(R11)SO2N(R12)−を含み、
式中、R11及びR12は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、又は−アリールを含み、
ここで、Ar2、Ar3、R1ないしR32のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、及びヘテロアリールが任意に、置換基で1ないし4回置換可能であり、該置換基は、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−パーハロアルキル;
f)−A−パーハロアルキル;
g)−A−R40
h)−A−アルキル;
i)−A−アリール;
j)−A−アルキレン−アリール;
k)−A−アルキレン−NR4142;又は
l)−A−アルキル−E−R43を含み;
式中、A及びEは、それぞれ独立して、−CH2−、−O−、−N(R44)−、−C(O)−、−CON(R44)−、−N(R44)C(O)−、−N(R44)CON(R45)−、−N(R44)C(O)O−、−OC(O)N(R44)−、−N(R44)SO2−、−SO2N(R44)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、又は−N(R44)SO2N(R45)−であり、
式中、R44及びR45は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキルを含み、
40及びR43は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、−アルキレン−アリール、又は−アルキレン−アリーレン−アルキル;及び
41及びR42は、それぞれ独立して、水素、アリール,又はアルキルを含み、ここでR41及びR42がひとまとめになって、R41及びR42が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R46)−、−N(C(O)R46)−、−N(C(O)NHR46)−、−N(C(O)NR4647)−、−N(S(O)2NHR46)−、−N(SO246)−、又は−N(C(O)OR46)−を含み、
式中、R46及びR47は、それぞれ独立して、水素、アリール、アルキル、又は−アルキレン−アリール;あるいは薬学的に許容される塩又はそのプロドラッグを含み、且つ
GalR1アゴニストである、式(I)の化合物。
【請求項2】
前記Ar1の−NHSO2−Ar2及び−NHSO2−AR3置換基が前記Ar1環内の隣接した原子上に位置している、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Ar1
【化1】

であり、式中、J及びKはそれぞれ独立して、
a)−水素;
b)−ハロ;
c)−シアノ;
d)−ニトロ;
e)−パーハロアルキル;
f)−アルキル;
g)−アリール;
h)−ヘテロアリール;
i)−シクロアルキル;
j)−L−アリール;
k)−L−アリーレン−アリール;
1)−L−アリーレン−アルキル;
m)−Q−アルキル;
n)−Q−アリール;
o)−Q−アルキレン−アリール;
p)−Q−アリーレン−アルキル;
q)−L−Q−アルキレン−アリール;
r)−アリーレン−Q−アルキル;
s)−L−Q−アルキル;
t)−L−Q−アリール;
u)−L−Q−ヘテロアリール;
v)−L−Q−シクロアルキル;
w)−L−Q−アリーレン−アルキル;
x)−D4−アルキレン−NR12
y)−D4−NR12
z)−D4−アルキル;又は
aa)−D4−Hを含み、
式中、D4は、直接結合、−CH2−、−O−、−N(R4)−、−C(O)−、−CON(R4)−、−N(R4)C(O)−,−N(R4)CON(R4')−、−N(R4)C(O)O−、−OC(O)N(R4)−、−N(R4)SO2−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−N(R4)SO2N(R4')−、又は−N=N−を含み、ここで、
4及びR4'は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み、
1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、R1及びR2がひとまとめになって、R1及びR2が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO− 、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、N(C(O)NR3132)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−を含み、
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
Lは、直接結合、−アルキレン、−アルケニレン、又は−アルキニレンを含み、
Qは、直接結合、−CH2−、−O−、又は−S−
を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
J及びKがそれぞれ独立して、水素、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、カルボキシ、アミド、−D4−アルキル、−D4−アルキレン−NR12、−D4−NR12、−D4−アルキル、−D4−Hを含み、式中、D4は、−C(O)−、−CON(R4)−、−SO2N(R4)−、−C(O)−O−を含み、式中、R4は、−水素、−アルキル、−アリール、−アリーレン−アルキル、又は−アルキレン−アリールを含み、
式中R1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル、又はアリールを含み、ここでR1及びR2がひとまとめになって、R1及びR2が結合した窒素原子に結合した式−(CH20−Z4−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
4は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O
2NH−、−OC(O)−、−N(R31)−、−N(C(O)R31)−、−N(C(O)NHR31)−、−N(C(O)NR3132)−、−N(S(O)2NHR31)−、−N(SO231)−、又は−N(C(O)OR31)−を含み、
式中、R31及びR32は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
ここで、J及びKの少なくとも1つは、水素以外の基である、請求項3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
Ar2及びAr3が、非置換ベンゾチオフェン基である、請求項3に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
Ar1が、非置換フェニレン基を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
Ar1が、非置換フェニレン基を含み、前記−NHSO2−Ar2及び−NHSO2−Ar3置換基が前記Ar1環内の隣接した炭素原子上に位置する、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
Ar2及びAr3が異なる、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
Ar2及びAr3がそれぞれ独立して、アリール、ヘテロアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
Ar2及びAr3がそれぞれ独立して、任意に置換された又は非置換のフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、又は4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジニル基を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
Ar2及びAr3がそれぞれ独立して、任意に1ないし5回置換されたアリール、ヘテロアリール、縮合シクロアルキルアリール、縮合シクロアルキルヘテロアリール、縮合ヘテロシクリルアリール、又は縮合ヘテロシクリルヘテロアリール基を含み、Ar2及びAr3の少なくとも1つが、
【化2】

又は
【化3】

を含み、式中、
13は、アルキル、アルキレン−シクロアルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、又はシクロアルキルを含み、
14は、
a)−ハロ;
b)−シアノ;
c)−ニトロ;
d)−パーハロアルキル;
e)−D1−R17
f)−D1−アルキル;
g)−D1−アルキレン−R17
h)−D1−アルキレン−D2−R17
i)−D1−アリール;
J)−D1−ヘテロアリール;
k)−D1−アリーレン−D2−R17
1)−D1−ヘテロアリーレン−D2−R17
m)−D1−アルキレン−ヘテロアリール;
n)−D1−アルキレン−ヘテロシクリル;
o)−D1−アルキレン−アリール;
p)−D1−アルキレン−アリーレン−D2−R17
q)−D1−アルキレン−ヘテロアリーレン−D2−R17
r)−D1−アルキレン−NR1819
s)−D1−アリーレン−NR1819;又は
t)−酸同配体を含み、
式中、D1は、直接結合、−S(O)2−、−CON(R20)−、−SO2N(R20)−、−C(O)−O−、−S−、−S(O)−を含み、
式中、R20は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は−ヘテロアリールを含み、
17は、−水素、−アルキル、−アリール、−ヘテロシクリル、又は −ヘテロアリールを含み、
18及びR19は、それぞれ独立して、水素、アリール、又はアルキルを含み、R18及びR19がひとまとめになって、R18及びR19が結合した窒素原子に結合した式−(CH2o−Z2−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
2は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R20)−、−N−(C(O)R20)−、−N(C(O)NHR20)−、−N(C(O)NR2021)−、−N−(S(O)2NHR20)−、−N(SO220)−、又は−N(C(O)OR20)−を含み、ここで、
20及びR21は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル、−アリール、又は−アルキレン−アリールを含み、
2は、−アルキレン−、−アルケニレン−、−アルキレン−S−、−S−アルキレン−、−アルキレン−O−、−O−アルキレン−、−アルキレン−S(O)2−、−S(O)2−アルキレン、−O−、−N(R22)−、−C(O)−、−CON(R22)−、−N(R22)C(O)−、−N(R22)CON(R23)−、−N(R22)C(O)O−、−OC(O)N(R22)−、−N(R22)SO2−、−SO2N(R22)−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、又は−N(R22)SO2N(R23)−を含み、式中、
22及びR23は、それぞれ独立して、−水素、−アルキル,又は−アリールを含み、
15及びR16は、それぞれ独立して、
a)−水素;
b)−ハロゲン;
c)−シアノ;
d)−アルキル;
e)−アリール;
f)−アルキレン−アリール;
g)−D3−H;
h)−D3−アルキル;
i)−D3−アリール;
j)−D3−アルキレンアリール;
k)−Y−アルキル;
1)−Y−アリール;
m)−Y−アルキレン−アリール;
n)−Y−アルキレン−NR2425;又は
o)−Y−アルキレン−W−R26を含み、
式中、
3は、−O−、−C(O)−O−、−C(O)−NH−、−SO2−、−SO2−NH−、又は−C(O)−を含み、
Y及びWは、それぞれ独立して、−CH2−、−O−、−N(H)、−S−、SO2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHCON(H)−、−NHSO2−、−SO2N(H)−、−C(O)−O−、−NHSO2NH−、又は−O−CO−を含み、
26は、アリール、アルキル、アルキレン−アリール、アルコキシ、及びアルコキシアリールを含み、
24及びR25は、それぞれ独立して、水素、アリール、又はアルキルを含み、R24及びR25がひとまとめになって、R24及びR25が結合した窒素原子に結合した式−(CH2o−Z3−(CH2p−を有する環を形成してもよく、
式中、o及びpは、それぞれ独立して、1、2、3、又は4であり、o+pは、6以下であり、
3は、直接結合、−CH2−、−C(O)−、−O−、−N(H)−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−CON(H)−、−NHC(O)−、−NHC(O)N(H)−、−NH(SO2)−、−S(O)2N(H)−、−(O)CO−、−NHS(O)2NH−、−OC(O)−、−N(R29)−、−N(C(O)R29)−、−N(C(O)NHR29)−、−N(C(O)NR2930)−、−N(S(O)2NHR29)−、−N(SO229)−、又は−N(C(O)OR29)−を含み、式中、
29及びR30は、それぞれ独立して、水素、アリール、アルキル、又はアルキルアリールを含み、
26は水素、アルキル、アリール,及びアルキレン−アリールを含み、
Xは、イオウ又は酸素を含み、
m及びnは、それぞれ独立して0、1、又は2である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
Ar2
【化4】

を含み、式中、R14は、
a)−D−パーハロC2−C6アルキル;
b)−D−アルキレン−ヘテロアリール;
c)−D−アルキレン−ヘテロシクリル;
d)−D1−アルキレン−NR1819;又は
e)−酸同配体
を含む、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
Ar2が基:
【化5】

を含み、またAr3
【化6】

を含む、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
Ar2が基:
【化7】

を含み、またAr3が1ないし5回置換されたフェニル基を含み、Ar2及びAr3が異なる、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
Ar3が少なくとも1つのハロ基によって置換されたフェニル基を含む、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
Ar2が基:
【化8】

を含み、またAr3が任意に1ないし5回置換されたフェニル、ベンゾチオフェニル、又はベンゾフラニル基を含み、Ar2及びAr3が同一又は異なる、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
Ar2が非置換ベンゾチオフェン基を含む、請求項11に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル
ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(プロパン−2−スルホニル)ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}アミド;3−[2−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ−安息香酸メチルエステル;3−[2−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−4−メトキシ−安息香酸;N−[2−(3−イミダゾル−1−イル−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルフォニル−ベンゼンスルホンアミド;N−[2−(4−イミダゾル−1−イル−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルフォニル−ベンゼンスルホンアミド;5−クロロ−3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−メトキシ−5−トリフルオロメタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド;4,5−ジクロロチオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド;5−イソオキサゾ−ル−3−イル−チオフェン−2−スルホン酸[2−(5−ブロモ−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド;N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド;ベンゾフラン−2−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−クロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−5−メタンスルホニル−2−メトキシベンゼンスルホンアミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−メトキシ−2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−メタンスルホニル−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−メトキシ−5−メチルベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[5−(2−ジメチアミノエタンスルホニル)−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(2−テトラゾル−2−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}−アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}−アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(2−ピロリジン−1−イル−エタンスルホニル)−ベンゼンスルホニルアミノ]−フェニル}−アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−(5−(1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエチル)−2−メトキシ−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}−アミド;N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]−2−メトキシ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−イミダゾル−1−イル−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)フェニル]アミド;N−[2−(ベンゾチオフェン−2−スルホニル)アミノ]フェニルベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;N−[2−(ベンゾチオフェン−2−スルホニル)アミノ]フェニルベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;N−[2−(3,4−ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)フェニル」−5−フルオロ−2−メトキシベンゼンスルホンアミド;5−ブロモ−N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−5−ピリジン−4−イルフェニル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミド;5−ブロモ−N−[2−(4−クロロベンゼンスルホニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−2−メトキシベンゼンスルホンアミド;N,N’−(4−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアニド);N,N’−(4−シアノ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアニド);2−[2−(ベンゾ[b]チオフェン−2−ス
ルホニルアミノ)−フェニルスルファモイル]−6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−カルボン酸t−ブチルエステル;N,N’−(4,5−ジクロロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);N,N’−(4−トリフルロメチル−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);N,N’−(4−クロロ−5−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);N,N’−(4,5−フルオロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸[2−(5−シアノ−2−メトキシベンゼンスルホニルアミノ)−フェニル]−アミド;ベンゾ[b]チオフェン−2−スルホン酸{2−[2−メトキシ−5−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾル−5−イル)−ベンゼンスルホニルアミノ]フェニル}アミド;N,N’−(4−クロロ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);N,N’−(4−ブロモ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド);N,N’−(4−メトキシ−1,2−フェニレン)ビス(1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド); 及びそれらの薬学的に受容可能な塩の化合物から成る群から選択される、化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の式(I)の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項20】
薬学的に適当な担体、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物をさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記式(I)の化合物が、GalR1受容体の活性を高めるのに十分な量で存在する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記式(I)の化合物が、受療者のGalR1を刺激するのに十分な量で存在する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
式(I)の化合物を治療有効量含み、該治療有効量は受療者の前記GalR1受容体を少なくとも部分的に活性化することができる量の該式(I)の化合物を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
式(I)の化合物を治療有効量含み、該治療有効量は少なくとも1つのGalR1媒介疾患の少なくとも部分的な改善ができる量の該式(I)の化合物を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1つのGalRa1媒介疾患は、発作疾患、神経内分泌障害、胃腸病、筋骨格障害、精神分裂症等の精神病的行動、片頭痛、モルフィン耐性、薬物嗜癖、特にアヘン剤中毒、疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛、慢性疼痛、睡眠障害、過食症、神経性過食症、及び神経性食欲不振症等の食物/体重障害、悪液質等の代謝性摂食障害、神経病理学的障害、糖尿病、異脂肪血症(dyslipidimia)、高血圧、記憶障害、鬱病、不安、脳出血、又は下痢を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1つのGalR1媒介疾患が癌を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
経口投与単位の形態である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項28】
非経口投与単位の形態である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項29】
1つ又は複数の追加の治療薬をさらに含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項30】
生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、糖質コルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、アカルボース、PPARアゴニスト、DPP−IV抑制剤、GK活性薬、インシュリン、インシュリン模倣物、インシュリン分泌促進薬、インシュリン感作物質、GLP−1、GLP−1模倣物、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬、鎮痙薬、HMG−CoA還元酵素阻害剤、コレスチラミン、及びフィブレートから成る群から選択される1つ又は複数の治療薬をさらに含む、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
抗癌剤から成る群から選択される1つ又は複数の治療薬をさらに含む、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項32】
請求項1に記載の式(I)の化合物を含む医薬組成物を受療者に投与することを含み、鎮痛効果が該受療者で観察される用量で、血液脳関門を越えることが実質的にできないが、前記式(I)の化合物は少なくとも1つの末梢GalR1に結合可能である、方法。
【請求項33】
前記受療者の体重1kgあたり前記式(I)の化合物を約1,000mg又はそれ以下の投与レベルで投与する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、糖質コルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、アカルボース、PPARアゴニスト、DPP−IV抑制剤、GK活性薬、インシュリン、インシュリン模倣物、インシュリン分泌促進薬、インシュリン感作物質、GLP−1、GLP−1模倣物、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬、鎮痙薬、HMG CoA還元酵素阻害剤、コレスチラミン、及びフィブレートから成る群から選択される1つ又は複数の種類の治療薬を前記受療者に対して投与することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記受療者に対して、抗癌薬から成る群から選択される1つ又は複数の種類の治療薬を投与することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
GalP1受容体の活性化によって改善された疾患を有する受療者に医薬組成物を投与することを含み、該医薬組成物が、受療者のGalR1受容体の活性を高めるのに十分な量で請求項1に記載の式(I)の化合物を含む、方法。
【請求項37】
前記障害が、発作疾患、神経内分泌障害、胃腸病、筋骨格障害、精神分裂症等の精神病的行動、片頭痛、モルフィン耐性、薬物嗜癖、特にアヘン剤中毒、疼痛、特に神経障害性疼痛、炎症性疼痛、慢性疼痛、睡眠障害、過食症、神経性過食症、及び神経性食欲不振症等の食物/体重障害、悪液質等の代謝性摂食障害、神経病理学的障害、糖尿病、異脂肪血症、高血圧、記憶障害、鬱病、不安、脳出血、又は下痢を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記受療者の体重1kgあたり前記式(I)の化合物を約1,000mg又はそれ以下の投与レベルで投与する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
生物的反応修飾物質、鎮痛薬、NSAID、DMARD、糖質コルチコイド、スルホニル尿素、ビグアニド、アカルボース、PPARアゴニスト、DPP−IV抑制剤、GK活性薬、インシュリン、インシュリン模倣物、インシュリン分泌促進薬、インシュリン感作物質、GLP−1、GLP−1模倣物、コリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、抗うつ薬、鎮痙薬、HMG CoA還元酵素阻害剤、コレスチラミン、及びフィブレートから成る群から選択される1つ又は複数の種類の治療薬を前記受療者に対して投与することをさ
らに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記受療者に対して、抗癌薬から成る群から選択される1つ又は複数の種類の治療薬を投与することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
神経障害性疼痛を罹患している受療者に対して、末梢GalR1受容体を刺激することができる量のGalR1アゴニストを投与することを含み、該GalR1アゴニストは、部分的又は完全に脳から排除される、方法。
【請求項42】
前記GalR1アゴニストが請求項1に記載の式(I)の化合物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
アロディニアに罹患している受療者に対して、該受療者で鎮痛効果を誘導する末梢GaIRl受容体を刺激することができる量でGalR1アゴニストを投与することを含み、該GalR1アゴニストは、鎮痛効果が前記受療者で観察される用量で血液脳関門を越えることが実質的にできない、方法。
【請求項44】
前記GalR1アゴニストが請求項1に記載の式(I)の化合物を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
神経障害性疼痛を罹患した受療者に対して、GalR1アゴニストを投与すること、及び、後根神経節(DRG)のレベルで、前記受療者の末梢GalR1受容体を調整することを含み、前記GalR1アゴニストは、鎮痛効果が前記受療者で観察される用量で該受療者の血液脳関門を越えることが実質的にできない、方法。
【請求項46】
前記GalR1アゴニストが請求項1に記載の式(I)の化合物を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
癌に罹患した受療者に対して、請求項1に記載の式(I)の化合物を投与することを含む、治療法。
【請求項48】
前記癌が扁平細胞癌である、請求項47に記載の治療法。
【請求項49】
前記式(I)の化合物が受療者で癌細胞増殖を阻害するために有効な量で投与される、請求項47に記載の治療法。
【請求項50】
前記式(I)の化合物が前記受療者の癌細胞でMAPK経路を阻害又は不活性化するために有効量で投与される、請求項47に記載の治療法。

【公表番号】特表2008−517930(P2008−517930A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538071(P2007−538071)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/037932
【国際公開番号】WO2006/047302
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(502031821)トランス テック ファーマ,インコーポレイテッド (17)
【氏名又は名称原語表記】TRANSTECH PHARMA,INC.
【住所又は居所原語表記】4170 Mendenhall Oaks Parkway,Suite 110 High Point,NC 27265 U.S.A.
【Fターム(参考)】