説明

アルミニウム相互接続部の制御された表面酸化

【課題】集積回路のためのアルミニウム相互接続部メタライゼーションを、所望によりアルゴンが追加されてもよい純粋な酸素雰囲気中で制御可能に酸化させる。
【解決手段】ウエハ32をアルミニウムスパッタリング中に生じる300℃を超える温度からアルミめっきを施したウエハをプラスチックカセット34に装填させることを可能にする100℃未満まで冷却させるので有利に行われる。酸化は高真空搬送チャンバ62と低真空搬送チャンバ40の間の通過チャンバ56、80内で制御可能に行うことができる。酸素分圧は有利には0.01〜1トール、好ましくは0.1〜0.5トールである。1トールを超える全圧にアルゴンを添加すると、ウエハが水冷却ペデスタル上に載置された場合にウエハ冷却が促進される。スパッタチャンバへの酸素逆流を防止するために冷却チャンバは冷却中に真空ポンプで排気されず最初にアルゴンが次に酸素が冷却チャンバにパルスされる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、一般的には、集積回路の形成におけるスパッタリングに関する。特に、本発明は、相互接続部の形成に用いられるスパッタされたアルミニウムの後処理に関する。
【背景技術】
【0002】
物理気相堆積(PVD)とも呼ばれるスパッタリングは、シリコン集積回路の製造において金属や関連物質の層を堆積させる最も普及している方法である。商業生産に最も用いられるDCマグネトロンスパッタリングの一タイプにおいて、スパッタ被覆すべきウエハは、真空チャンバ内にスパッタすべき金属ターゲットに対向して置かれる。アルゴンワーキングガスは、真空チャンバに通じている。ターゲットがチャンバ壁又はそのシールドに関して負にバイアスされたときに、アルゴンはプラズマに励起され、ターゲットから金属原子をスパッタし、それらの一部がウエハに衝突し、その上に金属のコーティングを形成する。ターゲットの後ろに置かれたマグネトロンは、ターゲットのスパッタ面に隣接したチャンバに電界を突出させてプラズマ密度とスパッタ速度を増大させる対向する極性の磁極を含む。ウエハは、深いバイアや狭いバイアへのコーティングを援助するために電気的にバイアスされるのがよい。他の形態のスパッタリングも可能であり、RF誘導コイル、補助磁石、複雑な形状のターゲットが含まれてもよい。
【0003】
スパッタされたアルミニウムは、縦と横の相互接続部双方を形成するメタライゼーションとして用いられ続けている。アルミニウムが合金であってもよいことは理解される。意図した典型的な合金は、銅、マグネシウム、シリコンであり、約10at%未満、通常は5at%未満の量で存在させるのがよい。半導体製造における標準のアルミニウム合金には、0.5wt%の銅が含まれている。他の金属は、通常は1at%を超えない。
【0004】
アルミニウムメタライゼーションを用いる簡単なバイア構造を図1の断面図に示す。下部誘電体層10は、例えば、その表面に形成され、電気的な接続を必要とするアルミニウムのような、導電性特徴部12を持つ。上部誘電体層14は、下部誘電体層14とその導電性特徴部12の上に堆積され、バイアホール16は、上部誘電体層14を通って下の導電性特徴部12までエッチングされる。アルミニウム層18は、バイアホール16を充填するとともに上部誘電体層14の最上面のフィールド領域20の最上部にほぼ平坦な層を形成するためにスパッタされる。アルミニウムスパッタリングには、異なるスパッタリングステップと異なる副層のための別々のスパッタリングチャンバさえ含まれてもよいが、最も典型的にはアルミニウムスパッタリングの最後の部分は、アルミニウムのリフローを促進させてバイアホール16を充填するとともにアルミニウム層18の上面を平坦化する適度に高い温度、例えば、400℃に保持されたシリコンウエハで行われる。バイアが最低レベルのメタライゼーションに形成される場合には、下部誘電体層10はシリコン層と取り替えられ、導電性特徴部は、典型的にはシリコン導電性特徴部12とアルミニウム充填バイア16の間に形成されるコンタクト、バリヤ、又はゲート酸化物の領域が追加されたドープされたシリコン領域であるのがよい。
【0005】
この点で、アルミニウム層18は、パターン形成されてなく、画成されてなく、且つほぼ平坦な上面であり、平面性からのずれは下に横たわる特徴部への等角堆積から生じる。誘電体層14の上面20の上のアルミニウム層18のフィールドの厚さは、水平の相互接続部の厚さを決定し、典型的には160〜1000nmの範囲にある。図2の断面図に示されるように、バイアホール16の外側のアルミニウム層18は、誘電体層14の上面20又はその上面20上の薄いバリヤ層へ選択的にエッチングされている。フォトリソグラフィエッチングのパターン形成は、複数のアルミニウム充填バイア又は次のレベルのメタライゼーションに接続された通常は長くて狭い水平な電気的相互接続部を形成する。エッチングのパターン形成を画成するフォトリソグラフィを援助するために、例えば、窒化チタン(TiN)の反射防止コーティング(ARC)22が、図1のパターン形成されていないアルミニウム層18上に堆積される。
【0006】
アルミニウムは、多くの異なるチャンバとプラットフォームにスパッタすることができる。例えば、図3に概略平面図で示したアルミニウム堆積システム30は、カリフォルニア州サンタクララのAppliedMaterials社から入手できるEnduraプラットフォームに基づいている。ウエハ32は、適度に低い圧力に保持された内部搬送チャンバ40からスリットバルブによって分離された二つのロードロックチャンバ36、38内に配置されたカセット34、例えば、プラスチックFOUPで運搬される。カセット34をロードロックチャンバ36、38に装填し、ロードロックチャンバ36、38がポンプダウンされると、内部搬送チャンバ40内の内部ロボット42が、内部搬送チャンバ40の周りに位置するロードロックチャンバ36、38のどちらかといくつかのプロセスチャンバ46、48、50、52のいずれものカセットの間でウエハ32を搬送させることができる。これらの内部チャンバは、典型的には、超高真空を必要としない前処理、例えば、方向づけ、脱ガス、前洗浄を行う。従って、内部搬送チャンバ40は、わずか約1ミリトールのベース圧にポンプを作動させることを必要とするのがよい。内部ロボット42は、ウエハ32を、二つの通過チャンバ54、56内外に搬送することもできる。外部搬送チャンバ62内の外部ロボット60もまた、ウエハ32を、二つの通過チャンバ54、56内外に搬送することができる。図示されていないスリットバルブは、内部と外部の搬送チャンバ40、62から通過チャンバ54、56のそれぞれを分離し、それにより、外部搬送チャンバ62が内部搬送チャンバ42より低いベース圧、例えば、約1×10-8トールに保持することが可能になる。低いベース圧は、主に、スパッタ堆積膜の酸化を防止するために必要とされる。アルミニウムPVDチャンバ64と、例えば、チタンをスパッタする、バリヤPVDチャンバ66は、外部搬送チャンバ62の周りに配置され、各々のスリットバルブによってそれから分離される。他の処理チャンバ68、70、例えば、アルミニウム充填よりアルミニウムシードのためのアルミニウムスパッタチャンバ、又は高処理能力のための二重アルミニウムスパッタリングチャンバの異なるタイプが、外部搬送チャンバ62の周りに配置されてもよい。これらのチャンバ64、66、68、70のすべてが、外部搬送チャンバ62によって得られた高真空レベルから利益を得ることができる。
【0007】
通過チャンバ54、56は、二つの搬送チャンバ40、62の間でウエハの二方向の流れを与える。更に、それらは、二次処理の一部を行うように適合されてもよい。最後のアルミニウムスパッタ堆積後のウエハ32は、約400℃の比較的高い温度であるのがよく、カセット34の一つに戻る前に実質的な処理を必要としなくてもよい。ロボット42、60に取り付けられたブレードは、これらの高温に耐えるように設計されている。しかしながら、カセット34は、典型的には、カセット34に挿入されたウエハ32が、例えば、100℃を超えない比較的低い温度でなければならないようにプラスチック材料から構成される。従って、外部方向の通過チャンバ56は、搬送チャンバ40、62と一体になった真空チャンバ82内に形成された、図4の断面図に概略図で示された冷却チャンバ80として作用するように適合されている。ウエハ32は、スパッタ後にカセット34に戻される前に冷却チャンバ80内でより低い温度に冷却される。ウエハ32が通るのに十分な横幅のウエハポート84、86は、搬送チャンバ40、62の隣の対向する壁に形成される。ウエハポート84、86は、アクチュエータ96、98によって駆動するシャフト92、94に接続された伸長したバルブヘッド88、90によって選択的にシールされて、それぞれのスリットバルブを形成する。同様のスリットバルブは、搬送チャンバ40、62とプロセスチャンバ46、48、50、52、64、66、68、70とロードロックチャンバ36、38の間に形成される。
【0008】
二つのロボット42、60のブレードは、ウエハ32をペデスタル100へ、また、ペデスタル100から搬送するためにそれぞれの開放されたウエハポート84、86に入ることができる。冷却装置102からの冷却水は、ペデスタル100内の冷却チャネル104を通過して、ウエハ32を冷却するのに適した低温に維持する。アルゴンは、ガスバルブ108を通ってアルゴンガス源106から冷却チャンバ80へ供給される。典型的には、アルゴンガス源106は、スパッタ動作の間、スパッタチャンバ62、66にもアルゴンを供給する。
【0009】
熱いウエハ32は、冷却されたペデスタル100への熱転写を促進させるためにアルゴン雰囲気中約1〜2トールの圧力で30〜60秒の冷却時間冷却されることができる。冷却チャンバ80が、粗引きポンプを作動させた後、継続してポンプを作動させないことは典型的である。代わりに、熱いウエハ32が外部搬送チャンバ62から冷却チャンバ80に搬送された後、中間スリットバルブ90が閉鎖され、アルゴンの必要な量がガスバルブ108を通って冷却チャンバ80に出入りし、その後、供給が中断又は減少され、冷却の間、アルゴンは冷却チャンバ80に残る。冷却の終わりに、内部搬送チャンバ40へのスリットバルブ88が開放する。冷却チャンバ80は、常に、約10マイクロトールの圧力に機械的(ドライラフ)ポンプによって粗引きポンプを作動させる。余分ないかなるアルゴンも、開放スリットバルブを通って搬送チャンバ40、62の一つへ放出され、クライオポンプによって連続してポンプを作動させる。
【0010】
上述されたプロセスは、長年その基本で実施されてきた。しかしながら、デバイスサイズの縮小につれて、水平の相互接続部を形成するアルミニウム層の厚さも縮小した。熱サイクルで生じるような固有応力と負荷応力の双方に耐えるこれらのより薄いアルミニウム層の能力が、膜の厚さと共に減少する。それにもかかわらず、現在の要求は、膜抵抗率と反射率を満足させなければならない。反射率の要求は、フォトリソグラフィを単純化することである。膜の表面形状に影響する膜応力から生じる欠陥としては、膜の平面から伸びて突き出ている図1と図2に示したヒロック110やアルミニウム膜面に形成される深い溝112であってもよいグレイン溝が挙げられる。膜堆積プロセス、膜コーティング、続いてのアニールの熱サイクルから生じる金属層又は誘電体の上の応力は、金属層の欠陥を生じ得る。これらの欠陥は、膜を所望の厚さに確実にエッチングされることを可能にするだけでなく続いてのデバイス金属と誘電体層を平面形態で堆積させるのに必要な膜平面性を譲歩することによってデバイス信頼性とデバイス歩留まりに著しく影響する。
【発明の概要】
【0011】
集積回路におけるアルミニウム相互接続部のためのアルミニウム膜を、活性化成分として酸素だけを含有する雰囲気中で制御可能に酸化する。基板を300℃を超えるようなスパッタ温度から100℃未満に冷却するにつれて、酸化が100℃を超える温度で起こるのがよい。より低い温度において、基板をプラスチックカセットに戻してもよい。
【0012】
酸素の分圧は、0.01〜1トールの範囲であるのがよい。好ましい下限は、0.1トールである。好ましい上限は、0.5トールである。更に、冷却を促進させるためにアルゴン又はヘリウムのような不活性ガスが添加されてもよい。全圧は、1〜5トール以上であるのがよい。
【0013】
酸化は、相互接続部を形成する複数の処理チャンバが位置する二つの搬送チャンバ間で分離可能な冷却チャンバ内で行われるのがよい。
【0014】
酸化する冷却チャンバへのアルゴンと酸素の供給は、アルゴンラインを通ってスパッタチャンバとそれと関連付けられた搬送チャンバへの酸素の逆流を防止するように制御されるのがよい。一実施形態において、冷却チャンバは、冷却前に真空ポンプを作動させるが、アルゴンと酸素の供給中又は冷却中に真空ポンプを作動させない。制御されたアルゴン量が、冷却チャンバに供給される。その供給を停止し、その後、制御された酸素量が供給される。
【0015】
酸素汚染は、搬送チャンバと冷却チャンバの間のスロットバルブが、搬送チャンバとアルミニウムスパッタチャンバの間のスリットバルブとして同時に開放しないことを確実にすることによって避けられる。
【好適実施形態の詳細な説明】
【0016】
さらされたアルミニウム膜を含有するウエハが冷却後にクリーンルーム雰囲気のカセットに戻されたとき、アルミニウム膜は近似組成Alの自然酸化物に直ちに酸化されることは理解される。アルゴンが約100℃に冷却された後、自然酸化物の厚さが約4.2nmであり、下に横たわるアルミニウムとの接合部がはっきりせず、波状の傾向があり、幾分不鮮明で段階的であると我々は決定した。このようnアルゴン冷却されたアルミニウム膜上で行われた原子間力顕微鏡(AFM)は、10ミクロンの範囲で図5に示した表面プロファイルを生じる。深い溝が明らかである。最高最低粗さの最大値はRmax=101nmであり、表面のRMS粗さはRrms=16.5nmである。電子顕微鏡は、表面の溝間の分離に相当する粒子サイズを示す。更に、個々の粒子の平面は平らでないように見える。
【0017】
スパッタされたアルミニウム膜の表面形状は、高純度酸素雰囲気中で冷却を行い、図6の断面図に示されるようにアルミニウム層18の最上部に酸化アルミニウム物114を生じることによって改善することができる。酸化後のみ、フォトリソグラフィに備えて酸化物層114の上に窒化物層22が堆積されている。
【0018】
制御された熱酸化を達成する一実施形態において、図3と図4に示されるように、酸素ガス源120は、酸素ガス(O)を、ガスバルブ122を通って冷却チャンバに供給する。しかしながら、熱いウエハの高温での純粋な酸素は、厚すぎる酸化物層を生じることがある。従って、一実施形態において、アルゴンのような不活性ガスの実質量を酸素冷却の間にアルゴンガス源106から冷却チャンバ80に供給して、冷却の間の熱転写を促進させる。アルゴン/酸素ガス全圧は約2トールで酸素分圧が約0.01〜0.5トールであるが、約0.1トールの酸素分圧が有益であった。ウエハ32が、冷却の間、約22℃で水冷却ペデスタル32上に支持されるが、冷却は、主に、ペデスタル32への周囲ガスによる対流冷却であると思われる。この全圧における典型的な冷却速度は、約10℃/sである。
【0019】
冷却チャンバ80内の酸素分圧は、ほぼ平坦なパターン形成されていないアルミニウム層18の上面を酸化するとともに図6の断面図に示される酸化アルミニウム層114を形成させる。図5の比較データを生じる同様のアルミニウム堆積条件において、本発明の酸素冷却自然酸化物は、ウエハのアルゴン冷却の後の空気中で形成される従来の自然酸化物の4.2nmに比べて約2nmの厚さを持つことがわかる。アルミニウム層18の部分酸化は、酸化物厚さをアルミニウム層18のフィールド厚さの実質的に10%未満にさせるので、アルミニウム相互接続部の伝導度は実質的に影響されない。更に、酸化物層114と下に横たわるアルミニウム層18との接合部116は、ほぼ単一層全体にはっきりと切り立っている。熱成長した酸化物は、密度が高く、ウエハが100℃未満の周囲空気に戻されたときの酸化を防止すると思われる。周囲空気は、クリーンルームの乾いた空気中でさえ、大部分の窒素と有意量の水蒸気を含有する。双方の成分は、空気酸化に影響することがある。酸素冷却された酸化物のAFMプロファイルを図7に示す。最高最低溝の最大粗さは、Rmax=54.5nmにRMS粗さは、Rrms=11.6nmに低下した。従来のAFMプロファイルと比較すると、深い溝は、除去され、粗さは減少されている。粒子サイズはほぼ同じに見えるが、粒界はアルゴンのみの冷却とより異なっている。
【0020】
比較例のアルゴン冷却膜と本発明の酸素冷却膜の数値のデータを表1に示す。シート抵抗はほとんど変化していないが、抵抗率の均一性は著しく改善している。436nmと480nm双方の光学波長の反射率は、酸素冷却において増加している。
【0021】
【表1】

【0022】
酸素冷却は、アルミニウムスパッタリングが完了した後であるが、パターン形成された水平の相互接続部を形成するためのエッチング前に、また、アルミニウム酸化に影響するアルミニウム層18上に他の有意な層、例えば、反射防止膜22を堆積させる前に行われなければならない。酸化アルミニウム層114は、絶縁しており、アルミニウム層の上面へのいかなる電気的接触の前にも除去する必要があるが、除去は、自然酸化物の除去ほど難しくない。
【0023】
熱制御された酸化は、溝112の深さを減少させ、図1と図2のヒロック110を平らにするだけでなく粒子サイズを減少させる。正確なメカニズムは、完全に理解されていない。熱酸化は、おそらく酸化エネルギーによって活性化された初期の粒界に沿って表面拡散を促進させることにより、応力を取り除くと思われる。高度に純粋な酸素の酸化は、水蒸気と高い割合の窒素の双方を含有する空気での酸化より良好な酸化物を生成させる。酸化純度の一基準は、酸化雰囲気の活性成分、即ち、アルゴンやヘリウムのような不活性ガス以外の活性成分が99%の酸素を超えることである。酸素がオゾン(O)の形であってもよいことは言及すべきである。
【0024】
冷却中の酸素の好ましい分圧は0.1〜0.5トールであるが、プロセス条件によっては酸素分圧のより幅広い許容範囲が0.1〜1トールである。ウエハが熱いときの著しく高い酸素圧は、過度の厚さの酸化物膜を生じやすい。比較的高いアルゴンの分圧、少なくとも酸素の2倍は、全圧が2トールのときに速い冷却速度を可能にする。全圧は、1トールを超える範囲であってもよいが、5トール以下であることが好ましい。アルゴンの量は酸化に対する直接の作用がほとんどなく減少させるか又は除去することさえもできると予想される。しかしながら、アルゴンが減少するにつれて、冷却速度が低下するので、酸化がより高い温度でより長い時間継続し、処理能力も減少する。ヘリウムは、対流冷却ガスとしてアルゴンを置き換えることができる。
【0025】
酸素ベースの冷却は、通過チャンバ以外でスパッタチャンバとも関連する搬送チャンバと関連する他のバルブのあるチャンバで行われ得るので、堆積と酸化の間の空気圧が1マイクロトール未満であることが理解される。
【0026】
アルミニウム酸化は、酸化が制御され且つスパッタ温度からの冷却によらないように設計されたチャンバ内で行うことができることも理解される。
【0027】
半導体スパッタリング装置における酸素の使用は、普通ではなく、問題を引き起こす可能性がある。従来、通過チャンバを含むEnduraプラットフォーム上のすべてのチャンバは、プラットフォームに隣接したガス分配パネルに接続された一組の共通のガス源から供給されている。酸素がスパッタチャンバへ又は高真空搬送チャンバへさえアルゴンガスラインに沿って逆に拡散することを防止することは非常に望ましいことである。経験により、アルミニウムスパッタリングチャンバ内に配置される前に高真空搬送チャンバ内での残留酸素にさらされたウエハが、高アスペクト比のバイアを充填するのに厳しいボイドを示すことがわかった。
【0028】
プラットフォーム制御のためのソフトウエアは、スパッタチャンバと関連した高真空搬送チャンバと間のスリットバルブが、冷却チャンバと高真空搬送チャンバ間のスリットバルブが開放するときと同じときに開放することを防止するインターロックを含まなければならない。
【0029】
アルゴンが共通の供給源から冷却チャンバやスパッタチャンバへ供給される場合には、冷却チャンバへのアルゴンと酸素の供給のためのバルブは同時に開放されてはならない。即ち、アルゴンと酸素は、それぞれ別々に冷却チャンバへパルスされ、好ましくはアルゴンが最初にパルスされる。冷却の間、冷却チャンバをポンプで排気しない場合には、冷却チャンバへ最初にパルスされるアルゴンと酸素の量が、冷却全体での冷却チャンバ内のアルゴンと酸素の分圧を決定する。冷却チャンバ80へのガス供給システムの図8の概略図で一実施形態を示す。アルゴンは、アルゴンライン132から供給され、その流れは、手動ニードルバルブ134によって定量され、電空バルブ136によって開閉される。同様に、酸素は、酸素供給ライン138から供給され、その流れは、手動ニードルバルブ140によって定量され、電空バルブ142によって開閉される。電空バルブ136、142の出力は、冷却チャンバへ供給される。
【0030】
電空(electronic-pneumatic)バルブ136、142は、それぞれ、二つのバルブ段階を持つ。典型的には電気的に駆動するソレノイドによって作動させる第一バルブは、清浄な乾式送気管144からゲートバルブ146を通って供給される清浄な乾燥空気(CDA)の供給を開閉する。開閉された清浄な乾燥空気によって作動させる第二バルブは、電空バルブを通ってアルゴン又は酸素の流れを開閉する。電空バルブ136、142自体は、有効な定量を行わない。コントローラ148は、CDAゲートバルブ146を通って清浄な乾燥空気の供給を開放するために、また、二つの電空バルブ136、142を開閉するために、電気制御シグナルを出す。既知のアルゴンと酸素の圧力で、冷却チャンバに供給されるアルゴン又は酸素の量は、コントローラ148がそれぞれの電空バルブ136、142を開放する時間の量によって決定される。前述したように、コントローラ148は、電空バルブ136、142が同時に開放しないことを確実にしなければならない。また、コントローラ148は、最初に、酸素電空バルブ142を開放する前にアルゴン電空バルブ136を開閉しなければならない。ガス供給のトグリングは、実質的に、酸素がアルゴン空気バルブ136とニードルバルブ134を通ってアルゴン源に向かってスパッタチャンバへ逆に流れることを防止する。アルゴン電空バルブ136は、冷却チャンバ80が酸素パージされるまで再開放してはならない。
【0031】
酸素分離は、冷却チャンバ専用であり、ゲートバルブ152によってそれに接続されている粗引きポンプ150によって更に改善され得る。粗引きポンプ150は、スパッタリングチャンバ又は高真空搬送チャンバをおおまかにポンプで排気するのには用いられない。コントローラ148は、ゲートバルブ152を閉じ、アルゴンと酸素が冷却チャンバ80に、続いての冷却中に注入される。粗引きポンプは、冷却後冷却チャンバ80を排気する。搬送チャンバと関連付けられたクライオポンプは、冷却チャンバ80を開放されたスロットバルブを通って超高真空へ作動させる。
【0032】
熱酸化の制御は、図9の概要図に示されるように、酸素ニードルバルブ140をコントローラ148によって電気的に制御されたマスフローコントローラ154で置き換えることによって改善され得る。他の電空バルブ156は、マスフローコントローラ154を分離させることを可能にする。マスフローコントローラは、アルゴンニードルバルブ134に置き換えることができるが、一般に、冷却のためのアルゴン流と圧力は綿密な制御又は調整を必要としない。
【0033】
従って、本発明は、装置の複雑性とコストの増加が小さく且つ処理能力にほとんど影響しないアルミニウムメタライゼーションの品質の著しい改善を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、水平の相互接続部にエッチングする前の従来の技術におけるアルミニウムメタライゼーションの断面図である。
【図2】図2は、エッチング後の図1のアルミニウムメタライゼーションの断面図である。
【図3】図3は、アルミニウムスパッタシステムの概略平面図である。
【図4】図4は、本発明と用いうる図3のシステムの冷却チャンバの概略断面図である。
【図5】図5は、従来のスパッタされたアルミニウム膜のプロファイルである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態の制御可能な酸化アルミニウムメタライゼーションの断面図である。
【図7】図7は、本発明の制御可能な酸化されたスパッタアルミニウム膜のプロファイルである。
【図8】図8は、本発明と用いうる冷却チャンバのための電気ラインとガスラインを含む供給システムの一実施形態の概略図である。
【図9】図9は、供給システムの他の実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0035】
10…誘電体層、12…導電性特徴部、14…誘電体層、16…バイアホール、18…アルミニウム層、20…上面、22…反射防止コーティング、30…堆積システム、32…ウエハ、34…カセット、36、38…ロードロックチャンバ、40…内部搬送チャンバ、42…内部ロボット、46、48、50、52…処理チャンバ、54、56…通過チャンバ、60…外部ロボット、62…外部搬送チャンバ、64…アルミニウムPVDチャンバ、66…バリヤPVDチャンバ、68、70…処理チャンバ、80…冷却チャンバ、82…真空チャンバ、84、86…ウエハポート、88、90…バルブヘッド、100…ペデスタル、102…冷却装置、104…冷却チャネル、106…アルゴンガス源、108…ガスバルブ、110…ヒロック、112…溝、114…酸化アルミニウム層、116…インタフェース、120…酸素ガス源、122…ガスバルブ、132…アルゴンライン、134…ニードルバルブ、136…電空バルブ、138…酸素ライン、140…ニードルバルブ、142…電空バルブ、144…清浄な乾式送気管、146…ゲートバルブ、148…コントローラ、150…粗引きポンプ、152…ゲートバルブ、154…マスフローコントローラ、156…電空バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路の相互接続部にアルミニウムを堆積させる方法であって:
パターン形成されていないアルミニウム層を高温に保持された基板にスパッタ堆積させるステップと;
その後、該パターン形成されていないアルミニウム層を実質的に酸素からなる活性ガスを含有する雰囲気中で部分的に酸化させるステップと;
を含む、前記方法。
【請求項2】
該酸化が、該基板が冷却される冷却ステップにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該雰囲気が、5トール以下のアルゴンと酸素の全圧までアルゴンを更に含有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該雰囲気が、酸素よりアルゴンを更に多く含有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
まず、アルゴンを供給し、その後、アルゴンの供給を終了するステップと、その後、該基板が冷却されるチャンバに酸素を供給し始めるステップと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
該冷却ステップが、該基板を100℃以下に冷却させる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該高温が、少なくとも300℃である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
その後に該アルミニウム層をフォトリソグラフィ的に画成するステップを更に含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該雰囲気が、0.01〜1トールの酸素分圧を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該酸素分圧が、少なくとも0.1トールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該酸素分圧が、0.5トール以下である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
該雰囲気が、1〜5トールの酸素とアルゴンの全圧のアルゴンを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第一ベース圧に保持された第一搬送チャンバに隣接して配置されたカセットから基板を装填するステップであって、
スパッタリングが、該第一ベース圧未満の第二ベース圧に保持された第二搬送チャンバに隣接したスパッタチャンバ内で行われ、
冷却が、該第一搬送チャンバと該第二搬送チャンバ双方から接近できる通過チャンバ内で行われる、
前記ステップを更に含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
冷却中の該ウエハを含有するチャンバが、スパッタリングが行われるスパッタチャンバの内部と同時に連通していることを防止するステップを更に含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
スパッタリングプラットフォームであって、
第一ロボットがその中に配置された第一搬送チャンバと;
複数の基板を運搬し該第一ロボットによって接近できるカセットを含有する該第一搬送チャンバにバルブによって結合されたロードロックチャンバと;
第二ロボットがその中に配置された第二搬送チャンバと;
該第二搬送チャンバにバルブによって結合されたアルミニウムをスパッタするように構成されたスパッタチャンバと;
それぞれのバルブによって該第一搬送チャンバと該第二搬送チャンバに結合され、該一該第一ロボットと該第二ロボットによって接近できる通過チャンバと;
該通過チャンバに制御可能に供給される酸素源と;
を備える、前記プラットフォーム。
【請求項16】
該通過チャンバに制御可能に供給されるアルゴン源を更に備える、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
該通過チャンバへのアルゴンと酸素の交互供給に対する制御手段を更に備える、請求項16に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
該通過チャンバが、冷却チャンバとして作用する、請求項15〜17のいずれか1項に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
該通過チャンバに接続され該スパッタチャンバに接続されていないポンプを更に備える、請求項18に記載のプラットフォーム。
【請求項20】
スパッタリングプラットフォームであって:
ロボットを含む搬送チャンバと;
第一バルブによって該搬送チャンバに接続され該ロボットによって接近できる基板にアルミニウムをスパッタするように構成されたスパッタチャンバと;
第二バルブによって該搬送チャンバに接続され、該ロボットによって接近できる、それを冷却するためにその中に該基板を含有する冷却チャンバと;
該冷却チャンバに制御可能に供給される酸素源と;
を備える、前記プラットフォーム。
【請求項21】
該冷却チャンバに制御可能に供給されるアルゴン源を更に備える、請求項20に記載のプラットフォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−65148(P2009−65148A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−212000(P2008−212000)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】