説明

インコンフォーマルな堆積を用いて半導体プロセス技術において基板を垂直にパターニングする方法

典型的には半導体ウェーハである基板(1)の、レリーフ状にパターニングされた基板表面(101)上に、堆積方法(ADL;atomic layer deposition:原子層堆積)を用いて、基板表面(101)に対して傾斜し、および/または垂直である処理表面(2)に、被覆層(3)が提供される。被覆層(3)は、前駆材料の少なくとも1つの処理量の制限によって、および/または堆積方法の時間的制限によって、簡易な方法において、基板表面(101)に対して垂直な方向にパターニングされ、後続のプロセス工程のための機能層あるいはマスクとして形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板表面からレリーフ深度まで延びるレリーフを有する基板における、水平方向の基板表面に対して傾斜し、および/または垂直であって、かつ基板表面からレリーフ深度まで延びる処理表面の、そのつど、レリーフ深度と基板表面との間において設定される被覆深度に関連する、パターニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセス技術において、ウェーハ表面に垂直である、平坦な基板表面のパターニングは、選択的エッチングプロセスとフォトリソグラフィプロセスとの組み合わせによって行われる。集積回路の処理の間に、ウェーハあるいは基板の表面上に、公表された構造によってレリーフが生成される。そのようなレリーフは、また、基板表面対して垂直あるいは傾斜した表面を有する。集積回路のさらなる縮小化(shrinking)の経過において、垂直の拡張におけるパターニングを機能的に区別するために、垂直のあるいは傾斜した処理表面のパターニングする必要性が生じる。そのための例は、深いトレンチキャパシタ、スタックキャパシタ、および縦型トランジスタである。基板表面に対して垂直方向のレリーフのパターニングは、フォトリソグラフィ法によって、直接には可能ではない。
【0003】
そのような垂直のパターニングは、従来の方法においては、適切な充填材料を用いて行われる。その充填材料は、マスクされない領域の処理の間、マスクとして、被覆深度の下方に位置するレリーフ領域を被覆する。
【0004】
基板表面と垂直方向のレリーフのパターニングは、基板表面とレリーフ深度との間において選択された被覆深度に関係して行われ、そのとき、通常、以下の2つの方法に従う:
例えば、酸化物が、排他的に(ausschliesslich)、被覆深度とレリーフ深度との間に配置されたレリーフ領域の下方に、堆積される場合、第1の工程において、酸化物はレリーフ上の全面に堆積あるいは形成される。その後、レリーフは、まず適切な充填材料によって充填され、続いて充填材料は被覆深度までエッチバックされる。続いて、酸化物の露出部分が除去され、最後の工程として、残留した充填材料の部分が完全に除去される。
【0005】
酸化物が、排他的に、基板表面とレリーフ深度との間に配置されたレリーフの上部領域に堆積あるいは生成される場合、まず、全レリーフの上方において、全面的にエッチストップ層、例えば窒化物層が提供される。再び、適切な充填材料、例えばポリシリコンを用いてパターンの充填が行われ、また、充填材料が被覆深度までエッチバックされる。ここで、マスクされない部分において、窒化物層が除去され、露出された領域において、酸化物が堆積、あるいは熱的に生成される。続いて、酸化物が異方性エッチングされる。続いて充填材料が除去され、また、最後の工程として、エッチストップ層が完全に除去される。
【0006】
さらに、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition;プラズマCVD)が知られている。その際、レリーフの表面上に、薄い層が形成され、その厚さは、増加する深度に伴って、基板表面に対して傾斜したあるいは垂直の表面上において、減る。勿論、この方法において、深さにおいて、生成された層の推移の制御は困難である。さらに、そのような層は、深度の端部と基板の近傍領域との間に大きな厚さの相違を有する。
【0007】
同様に、テトラエチルオルトシラン(TEOS)を用いた酸化シリコンの拡散制限堆積において、酸化シリコンは、基板表面に対して傾斜したあるいは垂直の表面上において、レリーフ深度に向かって少ないレートで成長するため、そのように生成された酸化シリコンの層厚は、レリーフ深度の方向に減少する。
【0008】
そのため、これまで単に労力のかかる方法が知られている。その方法によって、基板の、基板表面に対して傾斜したあるいは垂直の表面上において、排他的に、被覆深度の上側あるいは下側において、同一の層厚の被覆層が配置あるいは生成され得た。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのため、本発明の課題は、簡易な方法を用いて、基板表面に対して傾斜し、または垂直である処理表面上に、実質的に等しい層厚を有する被覆層を、排他的に、所定の被覆深度の上側に提供できる方法を、利用可能にすることである。本発明のさらなる課題は、基板内に形成されたトレンチの下部および上部領域において、酸化物層の配置のための方法、およびキャパシタ構造の製造方法を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、導入部の態様の方法において、請求項1の特徴部分に示された特徴によって解決される。本発明の方法による、有利なさらなる形態は、従属請求項から生ずる。
【0011】
水平方向の基板表面に対して傾斜し、および/または垂直であって、かつ基板表面からレリーフ深度まで延びる処理表面を含むレリーフを有する基板の、そのつど、レリーフ深度と基板表面との間において設定される被覆深度(Bedeckungstief)に関連する、本発明による垂直なパターニング方法に従って、
処理チャンバ内におけるALD堆積法を用いて、基板表面からレリーフ深度(Relieftief)の方向に構成される被覆層を、前駆材料から生成する工程と、
その際、前駆材料の少なくとも1つの堆積は、完全な被覆層に対して制限され、
それによって、被覆層は、ほぼ排他的に、実質的に同一の厚さを有して、基板表面と被覆深度との間に配置された、処理表面の上位部分に提供される。
【0012】
その際、レリーフの上側部分間上に、堆積プロセス、例えばALD(atomic layer deposition:原子層堆積)プロセスを用いて、実質的に同一の層厚を有する被覆層が提供される。その際、堆積プロセスのプロセスパラメータ、例えば堆積時間、堆積プロセスの経過において堆積される先駆材料の量、および/またはプロセスチャンバ内のチャンバ圧力は、レリーフの不完全な(unvollstaendig)被覆となるような方法で制御される。
【0013】
そのような本発明に従って生成された不完全でインコンフォーマルな被覆層(inconformal liner)は、排他的にレリーフの被覆深度の上方を覆う。
【0014】
知られたように、第1のプロセス段階におけるALDプロセスにおいて、基板が存在するプロセスチャンバ内に第1の先駆材料(Vorstufenmaterial)が導入される。化学吸着と呼ばれるプロセスによって、第1の先駆材料は、排他的に、基板表面の所定の(活性化された)部分に堆積される。その際、第1の先駆材料は通常、修正される。修正された先駆材料を有する全ての活性化された部分は、覆われ、そのため、堆積の第1のプロセス段階は終了し、修正された先駆材料からなる単一分子の部分的な単層が、基板表面上に堆積される。その後、第1の先駆材料の堆積されない部分は、不活性ガスおよび/または排出ポンプを用いたパージによって除去される。第2の段階において、第2の先駆材料がプロセスチャンバ内に導入され、第2の先駆材料は、ほぼ排他的に、第1の先駆材からなる部分的な単層の上に堆積される。その際、先駆材料は、層材料に変換される。生成される層の単一層(モノ層)が、生じる。プロセスチャンバから、第2の先駆材料の堆積されない部分の除去の後に、ALDプロセスのプロセスサイクルは終了する。プロセスサイクルは、各プロセスサイクルから堆積された単層が所定の層厚に生成されるまで、繰り返される。
【0015】
従来の方法では、ALDプロセスにおいて、自己制限する特徴が使用され、その際、先駆材料の十分な供給によって、供給される先駆材料の量、供給特性、ならびに先駆材料の拡散および反応のダイナミズムに依存せずに、ほぼ同一の層厚の完全な被覆層(conformal liner)が生成される。先駆材料の堆積は、大幅に、化学吸着によって制限され、ダイナミックで、拡散に決定されるプロセスに制限されないため、水平にパターニングされない基板表面上への堆積の際のALDプロセスのために、かなり良好な縁部被覆が生成される。
【0016】
パターニングされた表面上への堆積が、基板表面からレリーフの深度内に向けられた所定のプロセス制限のもとに、行われる。
【0017】
この事情は、本発明による方法によって使用される。その際、基板表面に向けられた、レリーフの上部の領域において、先駆材料の完全な層が生成され、しかしながら、下部領域においては、材料は堆積されないということは、本発明の本質である。被覆の傾斜が存在する、中間に位置する移行領域は、典型的なレリーフ深度に関連して減少する拡張を有する。先駆材料の少なくとも1つが、小さい脱着係数を有し、完全な被覆に必要な量に対して、低減された量が提供される場合、基板表面からレリーフ深度に向けての、レリーフのそのように方向づけられた、システマイックな覆いは、観察に応じて優先的に生じる。
【0018】
先駆材料は小さい脱着係数を有する場合、先駆材料の既に吸着された分子は、再び層から除去され、脱着される確立は、かなり小さい。ALDプロセスの経過において、高い粘着係数(sticking coefficient)に対応して、低い脱着係数を有する先駆材料が提供される場合、基板表面に上に形成されたレリーフは、基板表面から深度に向かって覆われる。その際、被覆は、短い移行領域を除いて、完全に、および同一の層厚において行われる。
【0019】
そのための前提は、先駆材料が単に制限された量で提供されるという前提、あるいは堆積プロセスが、完全な被覆の前に、適時に中断されるという前提、およびプロセスチャンバ内のチャンバ圧力が、先駆材料の十分に遅い拡散がレリーフに深度において保証されるように選定されるという前提である。
【0020】
そのために、特に有利なおよび簡易な方法によって、レリーフを有する基板表面が、垂直にパターニングされる。既に堆積された層が機能的な層である場合、いかなるマスクの必要がない。他方、堆積された層がマスクである場合、従来の方法に対して、少なくとも、マスクのパターニングのためのエッチバックは削減される。
【0021】
所定の被覆深度を得るための正確性は、所定のパラメータにおいて、基板表面上あるいはウェーハ表面上の、レリーフの被覆される全表面に依存する。その際、被覆される全表面が大きいほど、被覆深度の、供給される先駆材料の量、あるいは先駆材料の堆積時間への依存は減少する。基板表面上に実現されたパターンの密度の進行する増加に伴って、被覆される全表面は増大する。なぜなら、垂直方向への拡張におけるレリーフは、ますます微細におよびより高密度されてパターニングされ、ますます機能的な構造が垂直な表面に実現されるからである。
【0022】
本発明による方法の特に利点は、所定の被覆深度が実現され得る正確性が、集積回路の示された開発の際に、同一の方法において向上される点にある。
【0023】
プロセスパラメータに関して、被覆深度は、好ましくは、処理チャンバ内の前駆材料の1つの、生成物、量あるいは濃度、前駆材料の堆積時間、および堆積を生成する露光中の処理チャンバ内の処理圧力に依存して、設定される。
【0024】
本発明による好ましくは実施形態によれば、前駆材料の少なくとも1つの堆積プロセスの間において、完全な被覆が必要な場合には、好ましくは、高い粘着係数を有する前駆材料が削減された量あるいは濃度において供給される。そのつど、堆積プロセスのプロセスサイクルの少なくとも1つのプロセス段階は、削減された前駆材料を使用して終了する。それは、有利には、堆積経過の時間的監視を含む。生成された被覆層の1つは、全表面を覆い、その結果、被覆深度は、使用可能な前駆材料の量に関連する。
【0025】
堆積プロセスの特に正確な制御および操作は、液体注入を用いて、少なくとも1つの前駆材料を供給のする際に、生じる。この方法によって、供給される前駆材料の量、およびそれによる被覆深度が、かなり正確に設定され得る。
【0026】
本発明による方法のさらなる好ましい実施形態によれば、前駆材料の少なくとも1つ、好ましくは高い粘着係数を有する前駆材料の1つの堆積時間は、そのつど、堆積プロセスのプロセスサイクルの間、制御される。その際、被覆深度は、前駆材料の堆積時間によって設定される。
【0027】
好ましくは、本発明に方法の適用は、特に、高い粘着係数を有する前駆材料の堆積の間、処理チャンバ内のチャンバ圧力における、レリーフの様々なタイプに行われる。そのために、浅いレリーフ上へのインコンフォーマルな被覆層の堆積が要求された場合、低いアスペクト比、および/または表面に対して傾斜した処理表面の高い部分を有する構造は、同一の被覆深度にために、高いアスペクト比を有する構造の深いレリーフ上への堆積に比べて、より低いチャンバ圧力を有する。
【0028】
本発明による方法のさらなる好ましい実施形態によれば、全基板表面上への低減された前駆材料の少なくとも均一な分散のために、全基板表面上に広がった分散装置(shower head)が提供される。その結果、全基ウェーハ表面上に均一な被覆深度が得られる。
【0029】
被覆層において、既に機能層であり得る。しかしながら、上記方法において生成された被覆層は、そのサイドにおいてマスクとして利用できる。垂直パターニングのためのマスクを生成するための従来の方法に対して、少なくとも全面に堆積されたマスク材料のエッチバックおよびパターニングが削除される。
【0030】
本発明による方法のさらなる好ましい実施形態によれば、レリーフ深度と被覆深度との間に配置された、処理表面の下位部分を形成する材料に対して、高いエッチング抵抗を有する被覆層を形成する材料が提供される。処理表面の下位部分を形成する材料は、被覆層の堆積の後に、被覆層に対する高い選択性を有してエッチングされ、その際、エッチングは少なくとも部分的に被覆層によってマスクされる。
【0031】
本発明による方法の第2の好ましい実施形態によれば、被覆層のために、酸化プロセスに対して実質的に不活性の材料が提供される。続いて、レリーフ深度と被覆深度との間に配置された処理表面を形成する材料は、酸化プロセスによって酸化される。その際、酸化プロセスは、少なくとも部分的に被覆層によってマスクされる。
【0032】
本発明による方法の第3の好ましい実施形態によれば、被覆層は、注入プロセスに対してバリアとして提供される。レリーフ深度と被覆深度との間に配置された処理表面を形成する材料は、注入プロセスによって注入され、その際、該注入プロセスは、少なくとも部分的に被覆層によってマスクされる。マスクとしての使用後、被覆層は除去される。
【0033】
レリーフが生成されている基板は、半導体プロセス技術における通常の材料からなる1つ以上の層から形成されている。基板の通常の層材料は、例えば、結晶シリコン、ポリシリコン、エピタキシャル成長シリコン、あるいはシリコン化合物である。
【0034】
好ましくは、そのため、インコンフォーマルな被覆層の提供の前に、まずインコンフォーマルな被覆層によってマスクされる、さらなる層が提供される。続いて、インコンフォーマルな被覆層の材料の特性が不都合であるプロセス工程の前に、インコンフォーマルな被覆層は除去され、その下に位置する、さらなる層と取り替えられる。
【0035】
好ましくは、さらなる層の材料は、酸化シリコンあるいは窒化シリコンである。
【0036】
インコンフォーマルな被覆層の可能な材料は、機能的な、誘電体としてのあるいは導電性としての層、あるいはマスクとして適切なものである。そのために、Al、HfO、ZrO、TiO、TiN、WN、SiN、およびLaO、およびさらなる希土類の酸化物が挙げられる。その際、堆積は典型的には、その都度、25°Cから800°Cまでの温度において、0.13Paから1013hPaまでの圧力において行われる。選択された先駆材料に依存して、温度および圧力は、その都度、当業者に知られた方法において、制限される。
【0037】
既に記載したように、先駆材料として特に、高い粘着係数あるいは低い脱離係数を有するものが選択される。
【0038】
そのため、酸化アルミニウムのために、好ましい方法において、第1の前駆材料としてトリメチルアルミニウムが選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択される。
【0039】
被覆層のさらなる好ましい材料は、酸化ハフニウムであり、この場合、第1の前駆材料としてHfCl、Hf−t−ブトキシド、Hf−ジ−メチルアミド、Hf−エチル−メチルアミド、Hf−ジ−エチルアミドあるいはHf(MMP)が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択される。
【0040】
被覆層の材料として酸化ジルコニウムが選択された場合、第1の前駆材料として、好ましくはZrClあるいは有機Zr化合物が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択される。
【0041】
さらなる好ましい実施形態においては、被覆層の材料として、酸化チタンが第1の前駆材料であるTiCl、Ti(OC、Ti(OCH(CHから形成され、第2の前駆材料がHOおよび/またはOから形成される。
【0042】
被覆層のさらなる好ましい材料は、前駆材料としてTiClおよびNHから形成された窒化チタンである。
【0043】
本発明の方法によるさらなる好ましい実施形態によれば、窒化タングステンが、前駆材料であるWFおよびNHから形成される。
【0044】
同様に、好ましくは被覆層の材料として、SiHClあるいはNHおよび/またはNから、窒化シリコンが形成される。
【0045】
さらに、被覆層の材料としてSiOが選択され、第1の前駆材料としてSi(NCO)あるいはCHOSi(NCO)が導入され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが導入される。
【0046】
本発明による方法は、原理的に、レリーフの様々なタイプの垂直パターニングに好適である。しかしながら、特別な方法において、基板内において高いアスペクト比で形成されたトレンチのパターニングに好適である。正に、高いアスペクト比を有するトレンチ内において、削減された先駆材料の配置が、基板表面から明白に系統的に、拡散のために決定される。
【0047】
本発明の方法による特に好ましい実施形態において、その際、トレンチ機能はキャパシタに形成される。キャパシタが、トレンチの周囲に、ほぼ被覆深度の高さに終了する誘電体のカラー(collar)を有する場合、カラーは、マスクの既に調整された縁部としれ機能する。このとき、上部トレンチ領域に配置されたマスクのために、そのレリーフ深度の方向の拡張において、正確さの要求が低減される。本発明の方法に従って、被覆層が上部トレンチ領域に配置される場合、下部トレンチ領域の酸化プロセスの後に、トレンチ内壁を形成する材料は制御され、続いて被覆層が除去され、その結果、基板内に形成されたトレンチの下部トレンチ領域内に、被覆層として酸化物層を配置するための特に簡易な方法がもたらされる。他方、上部トレンチ領域内に被覆層として酸化物層を形成することによって、基板内に形成されたトレンチの上部トレンチ領域内に酸化物層を配置するための特に簡易な方法がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下において、本発明は、図面を参照して詳細に説明される。その際、互いに対応する部材および構成要素には同一の参照符号が使用される。
【0049】
図1a〜図1eは、基板1内に提供されたトレンチ4のトレンチ内壁43の連続するパターニング段階を示す。
【0050】
半導体基板11および該半導体基板11上に配置された補助層12からなる基板1は、水平の基板表面101を有し、トレンチ4は、基板表面101とは垂直な方向に、基板表面101から基板1内のレリーフ深度(Relieftiefe)103まで伸びている。トレンチ内壁43は、基板表面101に対して垂直な処理表面2を形成する。基板表面101とレリーフ深度103との間において、被覆深度102が設定され、そこまで、あるいはそこから、トレンチ4と介して形成されたレリーフが、続いて形成される被覆層3によって被覆される。被覆深度102は、基板表面101の方向に、トレンチ4を上部トレンチ領域41と下部トレンチ領域42とに分離する。トレンチ領域(41、42)に対応して、基板表面101と被覆深度102との間の処理表面2の上位部分21と、被覆深度102とレリーフ深度103の間の処理表面2の下位部分22とが配置される。
【0051】
本発明の方法に従って、被覆層3が基板表面101上および処理表面2の上位部分21上に形成される。前段階の少なくとも1つの前段階材料の高い粘着係数によって制限されて、被覆層3は、基板表面101からレリーフ深度103の方向に成長する。これは、全ての分子の部分的な単層に有効である。被覆層3のレリーフ深度103方向への成長は、制限される。そのために、例えば、高い粘着係数を有する前段階材料の処理量が制限され、その結果、単層毎の被覆層3は、被覆深度102まで成長しない。さらに、被覆層3の各単層のために、堆積プロセスは、被覆深度102への到達の際に中断され得る。
【0052】
2つの場合において、図1bに示される被覆層3の形成される。被覆層3は、短いくさび状の移行領域31を除いて、被覆深度102の上側において同一形状および同一の厚さに広がる。被覆深度102の下側においては、ほぼいかなる堆積も行われない。
【0053】
続くプロセスステップにおいては、図1cに示されるように、被覆層3はエッチングおよびドーピングのマスクとして機能する。図1cに従って、まず下部トレンチ領域42においてエッチングが行われる(底部エッチング)。エッチングプロセスによって、トレンチ4は、下部トレンチ領域42において膨らむ。
【0054】
その結果として、図1dに概略的に示される、半導体基板11の領域13のガス相ドーピングが、適切な後続するエッチバックを用いた先行するHSG堆積(hemispherical silicon grain)の後に行われる。このように生成されたドープ領域13は、DT(deep trench)DRAMメモリセルの製造の際の使用において、外部電極の低抵抗端子(buried plate)に対応する。
【0055】
続いて、上記プロセス工程においてマスクとして機能した被覆層3が除去される。図1eに示されるレリーフが生成される。このレリーフは、下部トレンチ領域42のみに作用するエッチング工程、および同様に下部トレンチ領域42のみに作用するドーピング工程によって、基板表面101に対して垂直方向にパターニングされる。
【0056】
図2a〜図2cには、トレンチ4のパターニングのためのさらなる実施例が示される。図1のトレンチとの相違において、図2のトレンチ4は、上部トレンチ領域41に配置されたカラー(collar)44を有する。カラーは、半導体基板11内に埋め込まれ、トレンチ4を取り囲む。
【0057】
図2aには、上部トレンチ領域41にカラー44を有し、基板表面101から基板1内のレリーフ深度103まで提供されたトレンチ4が示されている。続くプロセス工程のために、トレンチ内壁43の部分411は、基板表面101とカラー44の上端との間においてマスクされねばならない。
【0058】
続いて、トレンチ内壁43を単に被覆深度102までしか被覆しないインコンフォーマル被覆層3(inconformal liner)が生成される。続くエッチングおよびドーピング工程のために、被覆層3およびカラー44はマスクとして機能する。エッチングおよびドーピング工程の上端の正確な位置が、カラー44の下端によって既に確定されているため、本発明による方法は、この例のために特に適正である。基板表面101とカラー44の上端の間位置するトレンチ内壁43の部分411のみが、上部トレンチ領域41において、被覆層3によって被覆される。堆積工程による、被覆深度102の正確な垂直方向の調整は、必要とされず、被覆層3がカラー44の領域に重なることが確保される。フラッシュエッチング(bottle etch)および続く気相ドーピングの後に、被覆層3は除去され、誘電体層(node dielectric)がトレンチ内壁43上に形成され、続いて、トレンチ4はポリシリコンによって充填される。
【0059】
図3a〜図3cには、本発明の方法によるさらなる実施例として、異なる段階のスタックキャパシタの処理の経過における電極および誘電体の配置が示される。
【0060】
その際、まず、半導体基板の内部および上部に、そのつどゲート誘電体51、ゲート電極52、およびドレイン電極とソース電極が形成されるドープ領域(53、54)を有するトランジスタ5のような電気的構造が形成される。スタックキャパシタは、図1のトレンチキャパシタとは異なり、半導体基板11の表面の上あるいは上方に提供される。そのために、まず、酸化シリコンのような補助層12が半導体基板11上に提供される。半導体基板11は、補助層12とともに基板1を形成し、基板1内において、基板表面101からトレンチ4が提供される。
【0061】
インコンフォーマルな被覆層の堆積のための本発明による方法を用いて、まず、インコンフォーマルな導電性被覆層31およびインコンフォーマルな誘電性被覆層32が続いて形成される。その際、インコンフォーマルな誘電性被覆層32は、インコンフォーマルな導電性被覆層31に比べてより深くトレンチ4内に伸びる。
【0062】
生成された構造が図3aに概略的に示される。
【0063】
続いて、インコンフォーマルな誘電性被覆層32は、ほぼトレンチ4の上端までエッチングバック(スペーサーエッチ)され、ほぼドープポリシリコンからなるコンフォーマルな導電性被覆層33が提供される。
【0064】
図3bは、生成された構造を示す。コンフォーマルな導電性被覆層33によって、スタックキャパシタは、電気的にトランジスタ5のドープ領域54に接続される。
【0065】
さらなる工程において、まず、コンフォーマルな導電性被覆層33は、ほぼトレンチ4の上端部までエッチバックされ、続いて、コンフォーマルな誘電性被覆層34および第2のコンフォーマルな導電性被覆層35が堆積される。図3cに示される構造が生成される。
【0066】
第1のコンフォーマルな導電性被覆層33は、トランジスタ5のドープ領域54に接続された、トレンチ4内で実行されたスタックキャパシタの第1の電極(ノード電極)、を形成する。インコンフォーマルに堆積された導電性被覆層31および第2のコンフォーマルな導電性被覆層35は、外側および内側の対向電極を形成する。は、インコンフォーマルあるいはコンフォーマルに堆積された誘電性被覆層(32、34)によって、第1のコンフォーマルな導電性被覆層33に対して絶縁されている。
【0067】
インコンフォーマルな被覆層を堆積するための本発明による方法によって、かなり実質的に簡易化されたプロセスの流れが生じる。従来の方法を用いた図3cに示された構造の実現に対して、2つのインコンフォーマルに堆積された被覆層のための、充填材料の堆積、充填材料のエッチバック、および充填材料の完全な除去からなる多段階のプロセスシーケンスが必要でなくなる。
【0068】
図4a〜図4cには、図1a〜図1eに示された本発明の方法による実施例の変形例が示される。ここでは、基板1上へのインコンフォーマルな被覆層3の堆積の前に、例えば、窒化シリコンあるいは酸化シリコンからなるコンフォーマルな、さらなる層7が、堆積によって、あるいは酸化または窒化によって、提供される。
【0069】
図4aにはトレンチ4に内張りされた、さらなる層7が示され、さらなる層7の上には、本発明による、被覆深度102まで堆積されたインコンフォーマルな被覆層3が配置されている。
【0070】
続いて、被覆深度102より下部のさらなる層7は除去され、被覆深度102より下部に配置されたトレンチ領域42内のトレンチ4は、エッチング(ウエットボトルエッチング)によって拡大される。続いて、インコンフォーマルに堆積された被覆層3によってマスクされて、気相ドーピングが実行される。
【0071】
図4bに示される構造が形成され、ここで、トレンチ4は、被覆深度102より上部の上部トレンチ領域41内において、さらなる層7およびその上に位置するインコンフォーマルな被覆層3によって内張りされている。下部トレンチ領域42に接続された領域13において、半導体基板11はドーピングされる。
【0072】
その後、インコンフォーマルな被覆層3は除去され、HSG形成が続くエッチバックを用いて実行され、それによって図4cに示された構造が形成される。
【0073】
トレンチ4は、上部トレンチ領域41において、さらなる層7によって内張りされ、下部トレンチ領域42においてHSG構造を有する。続いて、さらなる層7が除去され、誘電体が堆積される。
【0074】
図1に基づいて示された方法に対する相違において、図4に示された方法に従ったHSG形成は、インコンフォーマルな被覆層の除去後において初めて実行される。それにより、インコンフォーマルな被覆層の上へのHSG構造の形成が回避される。被覆層は、例えば被覆層3の材料として例えばAlが選択された場合、強化されたと見なされる。
【0075】
図5は、基板1内に配置されたキャパシタ構造を示す。示されたキャパシタ構造は、本発明によるインコンフォーマルな被覆層の繰り返しの堆積によって実現可能である。このキャパシタ構造に基づくキャパシタは、高信頼性、少ないリーク電流、体積に関連した高い特別の容量を有する。示されたキャパシタ構造によって、本発明による方法を使用してトレンチ内にくし状に形成された2つ以上の電極を用いて、キャパシタは、高い特別の容量を、簡易かつコスト的に有利に実現し得る。
【0076】
そのために、まず、ドライエッチあるいはマクロポールによって、基板1内に、高アスペクト比を有するトレンチ4が提供される。トレンチ4は、表示断面に垂直な方向に長さ拡張を有する。このとき、キャパシタ構造は、1つあるいは多数の並行に互いに配置されたトレンチ4上に広がる。
【0077】
その後、例えばキャパシタ構造の電極の接続のための構造を含む、基板1内に提供される機能的なシリコン構造がドープされる。
【0078】
続いて、第1のインコンフォーマルな誘電性被覆層32およびインコンフォーマルな導電性被覆層31が堆積される。その際、インコンフォーマルな導電性被覆層31は、その下に配置された第1のインコンフォーマルな誘電性被覆層32に対して短く提供される。第2のインコンフォーマルな誘電性被覆層32´は、外部電極を形成するインコンフォーマルな導電性被覆層31を完全に被覆し、第1のインコンフォーマルに堆積された誘電性被覆層32に接続するように、提供される。
【0079】
最後に、コンフォーマルに堆積された導電性被覆層33が、内部電極として提供される。内部電極の接続は、基板1のドープ領域によって、あるいは例えば基板1の表面に堆積された被覆層のパターンによって行われる。容量の増加のために、キャパシタ構造が、上記堆積工程の繰り返しのために準備される場合、十分なトレンチ幅においては、図5に示された被覆層の部分構造は、トレンチ4において繰り返し可能である。その場合、有利には、全ての各内部電極33は、トレンチ底部において、さらなる処置を伴わず、導電性を有して接続される。コンフォーマルに堆積された導電性被覆層33および誘電性被覆層32´の適切なエッチバックによって、同様にさらなる処置を伴わずに、繰り返された部分構造の各外部電極31間の導電性接続が形成される。
【0080】
(実施例1)
トレンチパワートランジスタおよびIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のような縦型トランジスタ構造の処理において、ドレインゾーンのドーピングは、有利には、ドーピングバリアとして機能する本発明によるインコンフォーマルに堆積された被覆層を用いて、簡素化される。そのために、まず基板内にトレンチが提供され、そのトレンチ内に、後のプロセス経過において、各々ゲート電極が提供される。トレンチは、上部領域において、本発明によるインコンフォーマルに堆積されたドーピングバリアによって内張りされている。トレンチの上部領域は、基板内の完成された構造内に形成されたソースゾーンおよびチャネルゾーンに対向している。その後、トレンチの下部領域に接続するドレインゾーンがドーピングされ、続いてドーピングバリアが除去される。
【0081】
(実施例2)
集積回路の増大する集積密度は、この処理の間に、基板表面から、既に形成された導電性領域を介して、貫通接続を上位層の下方に配置された深い層の構造へ提供することの必要性を導く。その際、導電性領域はドープ半導体領域あるいはメタライズ領域である。そのために、基板内に、開口部(チャネル)が深い層までエッチングされ、続いて導電性材料によって充填される。
【0082】
開口部の形成の際の製造許容差によって、上位層の導電性領域の部分は、開口部によって露出されるため、上位層の導電性領域と深部層との間のほぼ予定されない電気的結合が生成される。
【0083】
本発明に従って、開口部の形成の後、および開口部の充填の前に、必要に応じて上部層の導電性領域の露出された部分を覆う、インコンフォーマルな誘電性被覆層が、チャネルの上部層内の開口部の内壁に提供される。深部層の導電性領域が接続される開口の底部は、被覆されずに留まる。2つの導電性領域間の所望しない電気的短絡が、回避される。
【0084】
本発明による方法のそのような利用の典型例は、スタックキャパシタ構造にある。スタックキャパシタ構造においては、トランジスタ構造が、キャパシタ構造および信号線(ビット線)が形成される、半導体基板とその上に位置する酸化膜との間の深部層に沿って、配置され、基板表面から酸化層を介して接続されねばならない。スルーホールのための開口のエッチングの際に、信号線は開口に対して露出され得る。本発明による方法に従うインコンフォーマルな誘電性被覆層による、信号線の下方までの領域内の開口部の内張りによって、信号線への短絡がない欠陥フリーの構造の歩留まりが、著しく向上される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明による方法の第1の実施例の経過における、基板の一部の概略的な断面図を示す。
【図2】本発明による方法の第2の実施例の経過における、基板の一部の概略的な断面図を示す。
【図3】本発明による方法の第3の実施例の経過における、基板の一部の概略的な断面図を示す。
【図4】本発明による方法の第4の実施例の経過における、基板の一部の概略的な断面図を示す。
【図5】本発明によって生成されたキャパシタ構造の概略的な断面図を示す。
【符号の説明】
【0086】
1 基板
101 基板表面
102 被覆深度
103 レリーフ深度
11 半導体基板
12 補助層
13 ドープ領域
2 処理表面
21 上位部分
22 下位部分
3 被覆層
31 インコンフォーマルな導電性被覆層
32、32´ インコンフォーマルな誘電性被覆層
33 コンフォーマルな導電性被覆層
34 コンフォーマルな誘電性被覆層
35 第2のコンフォーマルな導電性被覆層
4 トレンチ
41 上部トレンチ領域
411 部分
42 下部トレンチ領域
43 トレンチ内壁
44 カラー
5 トランジスタ
51 ゲート誘電体
52 ゲート電極
53 ドープ領域
54 ドープ領域
6 HSG構造
7 さらなる層










【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面(101)からレリーフ深度(103)まで延びるレリーフを有する基板(1)における、水平方向の基板表面(101)に対して傾斜し、および/または垂直であって、かつ該基板表面(101)からレリーフ深度(103)まで延びる処理表面(2)の、そのつど、該レリーフ深度(103)と該基板表面(101)との間において設定される被覆深度(102)に関連する、パターニング方法において、
処理チャンバ内におけるALD堆積法を用いて、該基板表面(101)から該レリーフ深度(103)の方向に構成される被覆層(3)を、前駆材料から生成する工程と、
その際、該前駆材料の少なくとも1つの堆積は、完全な被覆層(3)に対して制限され、
それによって、被覆層(3)は、ほぼ排他的に、実質的に同一の厚さを有して、該基板表面(101)と該被覆深度(102)との間に配置された、該処理表面(2)の上位部分(21)に提供されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記堆積法はALD堆積法として制御され、その際、少なくとも1つの高い粘着係数を有する前記前駆材料が選定され、該高い粘着係数を有する前駆材料の吸収された分子は、本質的でない範囲において脱着され、前記被覆層(3)は、注入制御されて、前記基板表面(101)から前記レリーフ深度(103)の方向に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被覆深度(102)は、堆積中の、前記前駆材料の1つの濃度、該前駆材料の堆積時間、および堆積を生成する露光中の前記処理チャンバ内の処理圧力に依存して、設定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要な量に対して低減された前記前駆材料の少なくとも1つの量が供給されることにより、前記堆積は該前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの前駆材料は、液体注入によって提供されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要な堆積時間に対して前記前駆材料の堆積時間が低減されることにより、前記堆積は該前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要なチャンバ圧力に対して前記処理チャンバ内のチャンバ圧力が低減されることにより、前記堆積は前記前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記堆積プロセスの間、前記各提供される前駆材料は、分散装置を用いて前記基板表面(101)上に同一に分散されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料に対して、高いエッチング抵抗を有する前記被覆層(3)を形成する材料が提供され、
該処理表面(2)の該下位部分(22)を形成する材料は、該被覆層(3)に対する高い選択性を有してエッチングされ、その際、該エッチングは少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆層(3)のために、酸化プロセスに対して実質的に不活性の材料が提供され、
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料は、該酸化プロセスによって酸化され、その際、該酸化プロセスは、少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記被覆層(3)のために、注入プロセスに対してバリアとして適正な材料が提供され、
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料は、該注入プロセスによって注入され、その際、該注入プロセスは、少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記被覆層(3)は、少なくともマスクの一部として使用された後に除去されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記被覆層(3)の堆積の前に、少なくとも1つのさらなる層(7)が前記基板(1)上に提供されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記さらなる層(7)の材料は、酸化シリコンあるいは窒化シリコンが提供されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被覆層(3)の材料として、1つの材料が、Al、HfO、ZrO、TiO、TiN、WN、SiN、SiOおよびLaOよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記被覆層(3)の材料としてAlが選択され、第1の前駆材料としてトリメチルアルミニウムが選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被覆層(3)の材料としてHfOが選択され、第1の前駆材料としてHfCl、Hf−t−ブトキシド、Hf−ジ−メチルアミド、Hf−エチル−メチルアミド、Hf−ジ−エチルアミドあるいはHf(MMP)が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記被覆層(3)の材料としてZrOが選択され、第1の前駆材料としてZrClあるいは有機Zr化合物が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記被覆層(3)の材料としてTiOが選択され、第1の前駆材料としてTiCl、Ti(OC、Ti(OCH(CHが選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記被覆層(3)の材料としてTiNが選択され、第1の前駆材料としてTiClが選択され、第2の前駆材料としてNHが選択されることを特徴とする、ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記被覆層(3)の材料としてWNが選択され、第1の前駆材料としてWFが選択され、第2の前駆材料としてNHが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記被覆層(3)の材料としてSiNが選択され、第1の前駆材料としてSiHClが選択され、第2の前駆材料としてNHおよび/またはNが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記被覆層(3)の材料としてSiOが選択され、第1の前駆材料としてSi(NCO)あるいはCHOSi(NCO)が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記基板(1)内のレリーフのために、高いアスペクト比を有するトレンチ(4)が形成されることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記トレンチ(4)は機能的にキャパシタに形成されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
基板(1)内に形成されたトレンチ(4)の下部トレンチ領域(42)内に、酸化層を配置する方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、上部トレンチ領域(41)内に被覆層(3)を形成することと、
該下部トレンチ領域(42)内にトレンチ壁(43)を形成する材料の酸化プロセスを制御することと、
該被覆層(3)を除去することと
を包含する、方法。
【請求項27】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、上部トレンチ領域(41)内に被覆層(3)を形成することによって、基板(1)内に形成されたトレンチ(4)の上部トレンチ領域(43)内に、酸化層を配置する方法。
【請求項28】
基板(1)内にキャパシタを製造する方法であって、
1)該基板(1)を準備する工程と、
2)該基板(1)内にトレンチ(4)を提供する工程と、
3)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、第1のインコンフォーマルな誘電体被覆層(32)を堆積する工程と、
4)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該第1のインコンフォーマルな誘電体被覆層(32)を完全に被覆しない、インコンフォーマルな導電性の被覆層(31)を堆積する工程と、
5)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該インコンフォーマルな導電性の被覆層(31)を完全に被覆する第2のインコンフォーマルな誘電体被覆層(32´)を堆積する工程と、
6)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、コンフォーマルな導電性の被覆層(33)を堆積する工程と
を包含する、方法。
【請求項29】
前記工程3から前記工程6までの連続する工程は、少なくとも1回繰り返されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面(101)からレリーフ深度(103)まで延びるレリーフおよびトレンチ(4)を有する基板(1)における、水平方向の基板表面(101)に対して傾斜し、および/または垂直であって、かつ該基板表面(101)からレリーフ深度(103)まで延びる処理表面(2)の、そのつど、該レリーフ深度(103)と該基板表面(101)との間において設定される被覆深度(102)に関連する、パターニング方法において、
処理チャンバ内におけるALD堆積法を用いて、該基板表面(101)から該レリーフ深度(103)の方向に構成される被覆層(3)を、前駆材料から生成する工程と、
その際、該前駆材料の少なくとも1つの堆積は、完全な被覆層(3)に対して制限され、
それによって、被覆層(3)は、ほぼ排他的に、移行領域(31)を除いて同一である層厚を有し、該基板表面(101)と該被覆深度(102)との間に配置された、該処理表面(2)の上位部分(21)に、該被覆深度(102)の下方に任意の堆積を生じさせることなく、提供されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記堆積法はALD堆積法として制御され、その際、少なくとも1つの高い粘着係数を有する前記前駆材料が選定され、該高い粘着係数を有する前駆材料の吸収された分子は、本質的でない範囲において脱着され、前記被覆層(3)は、注入制御されて、前記基板表面(101)から前記レリーフ深度(103)の方向に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記被覆深度(102)は、堆積中の、前記前駆材料の1つの濃度、該前駆材料の堆積時間、および堆積を生成する露光中の前記処理チャンバ内の処理圧力に依存して、設定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要な量に対して低減された前記前駆材料の少なくとも1つの量が供給されることにより、前記堆積は該前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの前駆材料は、液体注入によって提供されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要な堆積時間に対して前記前駆材料の堆積時間が低減されることにより、前記堆積は該前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記処理表面(2)の全体の被覆に必要なチャンバ圧力に対して前記処理チャンバ内のチャンバ圧力が低減されることにより、前記堆積は前記前駆材料の少なくとも1つに制限されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記堆積プロセスの間、前記各提供される前駆材料は、分散装置を用いて前記基板表面(101)上に同一に分散されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料に対して、高いエッチング選択性を有する前記被覆層(3)を形成する材料が提供され、
該処理表面(2)の該下位部分(22)を形成する材料は、該被覆層(3)に対する高い選択性を有してエッチングされ、その際、該エッチングは少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆層(3)のために、酸化プロセスに対して実質的に不活性の材料が提供され、
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料は、該酸化プロセスによって酸化され、その際、該酸化プロセスは、少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記被覆層(3)のために、注入プロセスに対してバリアとして適正な材料が提供され、
前記レリーフ深度(103)と前記被覆深度(102)との間に配置された、前記処理表面(2)の下位部分(22)を形成する材料は、該注入プロセスによって注入され、その際、該注入プロセスは、少なくとも部分的に該被覆層(3)によってマスクされることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記被覆層(3)は、少なくともマスクの一部として使用された後に除去されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記被覆層(3)の堆積の前に、少なくとも1つのさらなる層(7)が前記基板(1)上に提供され、該被覆層(3)は少なくとも該さらなる層(7)の部分の上に提供されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記さらなる層(7)の材料は、酸化シリコンあるいは窒化シリコンが提供されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記被覆層(3)の材料として、1つの材料が、Al、HfO、ZrO、TiO、TiN、WN、SiN、SiOおよびLaOよりなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記被覆層(3)の材料としてAlが選択され、第1の前駆材料としてトリメチルアルミニウムが選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記被覆層(3)の材料としてHfOが選択され、第1の前駆材料としてHfCl、Hf−t−ブトキシド、Hf−ジ−メチルアミド、Hf−エチル−メチルアミド、Hf−ジ−エチルアミドあるいはHf(MMP)が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記被覆層(3)の材料としてZrOが選択され、第1の前駆材料としてZrClあるいは有機Zr化合物が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記被覆層(3)の材料としてTiOが選択され、第1の前駆材料としてTiCl、Ti(OC、Ti(OCH(CHが選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記被覆層(3)の材料としてTiNが選択され、第1の前駆材料としてTiClが選択され、第2の前駆材料としてNHが選択されることを特徴とする、ことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記被覆層(3)の材料としてWNが選択され、第1の前駆材料としてWFが選択され、第2の前駆材料としてNHが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記被覆層(3)の材料としてSiNが選択され、第1の前駆材料としてSiHClが選択され、第2の前駆材料としてNHおよび/またはNが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記被覆層(3)の材料としてSiOが選択され、第1の前駆材料としてSi(NCO)あるいはCHOSi(NCO)が選択され、第2の前駆材料としてHOおよび/またはOが選択されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記基板(1)内のレリーフのために、高いアスペクト比を有するトレンチ(4)が形成されることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記トレンチ(4)は機能的にキャパシタに形成されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
基板(1)内に形成されたトレンチ(4)の下部トレンチ領域(42)内に、酸化層を配置する方法であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、上部トレンチ領域(41)内に被覆層(3)を形成することと、
該下部トレンチ領域(42)内にトレンチ壁(43)を形成する材料の酸化プロセスを制御することと、
該被覆層(3)を除去することと
を包含する、方法。
【請求項27】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、上部トレンチ領域(41)内に被覆層(3)として酸化物層を形成することによって、基板(1)内に形成されたトレンチ(4)の上部トレンチ領域(43)内に、酸化物層を配置する方法。
【請求項28】
基板(1)内にキャパシタを製造する方法であって、
1)該基板(1)を準備する工程と、
2)該基板(1)内にトレンチ(4)を提供する工程と、
3)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該トレンチ(4)内に第1の誘電体被覆層(32)を堆積する工程と、
4)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該トレンチ(4)内に該第1の誘電体被覆層(32)を完全に被覆しない、導電性の被覆層(31)を堆積する工程と、
5)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該トレンチ(4)内に該導電性の被覆層(31)を完全に被覆する第2の誘電体被覆層(32´)を堆積する工程と、
6)請求項1から8のいずれか一項に記載の方法に従って、該トレンチ(4)内にコンフォーマルな導電性の被覆層(33)を堆積する工程と
を包含する、方法。
【請求項29】
前記工程3から前記工程6までの連続する工程は、少なくとも1回繰り返されることを特徴とする、請求項28に記載の方法。

【図5】
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【公表番号】特表2006−500763(P2006−500763A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−528398(P2004−528398)
【出願日】平成15年7月21日(2003.7.21)
【国際出願番号】PCT/DE2003/002438
【国際公開番号】WO2004/017394
【国際公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】