説明

オレキシン受容体のアンタゴニストとしてのベンズアミド誘導体

【課題】特定のベンズアミド誘導体および医薬としてのその使用法を提供する。
【解決手段】例えば下式で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。


Arは、フェニル、ナフチル等である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンズアミド誘導体および医薬としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医学的に重要な生物学的プロセスは、G−蛋白質および/またはセカンドメッセンジャーを含むシグナル変換経路に関与する蛋白質によって媒介されている。
【0003】
ヒト7回膜貫通型G−蛋白質結合ニューロペプチド受容体、オレキシン−1(HFGAN72)をコードしているポリペプチドおよびポリヌクレオチドが同定され、EP−A−875565、EP−A−875566およびWO96/34877に開示された。第2のヒトオレキシン受容体、オレキシン−2(HFGANP)をコードしているポリペプチドおよびポリヌクレオチドが同定され、EP−A−893498に開示された。
【0004】
オレキシン−1受容体のリガンド、例えば、オレキシン−A(Lig72A)であるポリペプチドおよびポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドが、EP−A−849361に開示された。
【0005】
オレキシン受容体は、哺乳動物宿主中に見出され、限定するものではないが、鬱病;不安;沈溺;強迫障害;情動性神経症/障害;鬱性神経症/障害;不安神経症;気分変調障害;行動障害;気分障害;性的機能不全;精神性的機能不全;性障害;性的障害;精神分裂症;躁鬱;せん妄;痴呆;ハンチントン病およびジル・ド・ラ・トゥレット症候群のような重篤な精神遅滞および運動異常;摂食障害、例えば、食欲不振、病的飢餓、カヘキシーおよび肥満;糖尿病;食欲/味覚障害;飽満;嘔吐/吐き気;喘息;癌;パーキンソン病;クッシング症候群/病;好塩基性腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体低下症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部性疾患;フレーリッヒ症候群;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;下垂体腫瘍/腺腫;下垂体成長ホルモン;副腎下垂体機能低下;副腎下垂体機能亢進;視床下部性性機能低下症;カルマン症候群(無嗅覚症、嗅覚障害);機能性または心因性無月経;下垂体低下症;視床下部性甲状腺低下症;視床下部−副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏の視床下部障害;特発性成長ホルモン欠乏;こびと症;巨人症;先端巨大症;概日リズム;および神経学的障害、ニューロパシー痛および下肢静止不能症候群、心臓および肺病のような疾患に関連する睡眠障害;急性および鬱血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性または出血性発作;くも膜下出血;外傷性頭部創傷を伴うくも膜下出血のような頭部創傷;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎機能不全;腎疾患;耐糖能異常;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛に対する感受性増加または悪化、例えば、痛覚過敏、灼熱痛および異痛;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;ニューロパシー痛;背痛;複合性局所疼痛症候群IおよびII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;感染に関連する疼痛、例えば、HIV、ポリオ後症候群およびヘルペス後神経痛;幻想肢痛;陣痛;癌痛;化学療法後の疼痛;発作後の疼痛;手術後の疼痛;神経痛;過敏性大腸症候群、偏頭痛およびアンギナを包含する内臓痛を伴う状態;膀胱失禁、例えば、急迫性尿失禁;麻薬または麻薬からの離脱に対する耐性;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;睡眠時異常行動;ジェット機症候群;および脱抑制−痴呆−パーキンソン症候群−筋萎縮複合;淡蒼球−橋−黒質変性(pallido−ponto−nigral−degeneration)、癲癇および発作性障害のような疾病分類学的存在を包含する神経変性障害を包含する病理を包含する多くの生物学的機能の原因となりうる。
【0006】
実験は、リガンド オレキシン−A(より詳細に下記する)の中枢投与は、4時間の間、自由摂食性ラットにおける食物摂取を刺激することが示された。この増加は、ビヒクルを与えられた対照ラットの約4倍であった。これらのデータは、オレキシン−Aが食欲の内在性レギュレーターでありうることを示唆する。したがって、その受容体のアンタゴニストは、肥満および糖尿病の治療に有用でありうる(Cell,1998,92,573−585参照)。
【0007】
西欧化社会には肥満の有意な発病率がある。WHO定義によると、39の研究のうち平均35%の対象が体重過剰であり、さらに22%が臨床的に肥満であった。USAにおいて全健康管理費用の5.7%が肥満の結果であると推測される。2型糖尿病の約85%が肥満であり、食餌および運動は全ての糖尿病において価値がある。西欧化諸国において診断された糖尿病の発病率は、典型的に5%であり、同数の診断されていない個体があると推測される。両疾患の発病率は上昇しており、効果的でないか、または心血管影響を包含する毒性リスクを有しうる現行の治療の不足を示している。スルホニル尿素またはインスリンを用いる糖尿病の治療は低血糖症を引き起こすことができ、一方、メトホルミンはGI副作用を引き起こす。2型糖尿病の非薬物治療は、該疾患の長期の合併症を減少させることが示された。インスリン感作薬は多くの糖尿病に有用であるが、それらは抗−肥満効果を有さない。
【0008】
ラット睡眠/EEG研究もまた、オレキシン−A、オレキシン受容体のアゴニストの中枢投与が、正常睡眠期間の開始時に投与する場合、主として逆説睡眠および徐波睡眠2の減少を犠牲にして、用量に関連して覚醒の増加を引き起こすことを示した。したがって、その受容体のアンタゴニストは、不眠症を包含する睡眠障害の治療に有用でありうる。
【0009】
本発明は、ヒトオレキシン受容体、特にオレキシン−1受容体およびオレキシン−2受容体の非ペプチドアンタゴニストであるベンズアミド誘導体を提供する。特に、これらの化合物は、2型(非インスリン依存性)糖尿病患者において観察される肥満を包含する肥満、胃腸障害および/または睡眠障害の治療に使用できる可能性がある。そのうえ、これらの化合物は、発作、特に、虚血性または出血性発作、および/または催吐性応答を遮断するのに有用である。すなわち、該化合物は、吐き気および嘔吐の治療に有用である。
【0010】
国際特許出願WO99/09024、WO99/58533、WO00/47577およびWO00/47580は、フェニル尿素誘導体を開示し、WO00/47576はオレキシン受容体アンタゴニストとしてのキノリニルシンナミド誘導体を開示する。WO01/96302は、N−アロイル環状アミン誘導体を開示し、WO02/44172はオレキシン受容体アンタゴニストとしてのモルホリン誘導体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP−A−875565
【特許文献2】EP−A−875566
【特許文献3】WO96/34877
【特許文献4】EP−A−893498
【特許文献5】EP−A−849361
【特許文献6】WO99/09024
【特許文献7】WO99/58533
【特許文献8】WO00/47577
【特許文献9】WO00/47580
【特許文献10】WO00/47576
【特許文献11】WO01/96302
【特許文献12】WO02/44172
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Cell,1998,92,573−585
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によると、式(I):
【化1】

【0014】
[式中、
は水素であり;
は(C1−3)アルキルであり;および
は水素または(C1−3)アルキルであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素と一緒になって、(C3−5)シクロアルキル基を形成し;
または
は(C1−3)アルキルであり;Rは水素であり;およびRは水素または(C1−3)アルキルであり;
およびRは独立して、水素、ハロゲン、NC−、置換されていてもよい(C1−6)アルキルCO、置換されていてもよい(C1−6)アルキル、置換されていてもよい(C1−6)アルコキシ、置換されていてもよい(C1−6)アルキルOCO−、および置換されていてもよい(C1−6)アルキルNHCO−から選択され;但し、RおよびRがどちらも水素であることはなく;
は水素またはハロゲンであり;
Arは、置換されていてもよいアリールまたはN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する置換されていてもよい5−もしくは6−員の芳香族複素環式基を示すか;またはArは、N、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する置換されていてもよい二環式ヘテロアリール基を示し;
Xは−CH−または結合であり;
Yは−NHCO−または結合である]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
基Arは、1〜5個、好ましくは1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
Arがアリールである場合、それは適当には、フェニルまたはナフチルである。
N、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する5−または6−員の芳香族複素環式基の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニルまたはピラゾリルを包含する。
【0016】
Arが二環式ヘテロアリールである場合、それは、例えば、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルまたはナフチリジニルである。
好ましくは、Arは、フェニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリルまたはピラゾリルを示し、そのいずれもが置換されていてもよい。
【0017】
Arのための任意の置換基は、ハロゲンによって置換されていてもよいフェニル;(C1−4)アルキルによって置換されていてもよいN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する5−または6−員の芳香族複素環式基;ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、アリール(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルカノイル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルスルホニルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニル(C1−4)アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールスルホニル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルスルホンアミド、(C1−4)アルキルアミド、(C1−4)アルキルスルホンアミド(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルアミド(C1−4)アルキル、アリールスルホンアミド、アリールカルボキサミド、アリールスルホンアミド(C1−4)アルキル、アリールカルボキサミド(C1−4)アルキル、アロイル、アロイル(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルカノイル基;基RN−、ROCO(CH、RCON(R)(CH、RNCO(CH、RN(CHO、RNSO(CHまたはRSONR(CHを包含し、ここに、RおよびRの各々は独立して、水素原子または(C1−4)アルキル基を示すか、またはここに、適当なRは、(C3−6)アザシクロアルカンまたは(C3−6)(2−オキソ)アザシクロアルカン環の一部を形成し、rは0または1〜4の整数を示す。さらに、Arがフェニルである場合、隣接する炭素原子上の2つの置換基がそれらが結合している環と一緒になって、二環式または三環式複素環式または炭素環式環系、例えば、フルオレニル、1,3−ベンゾジオキソリルまたはジヒドロベンゾフリルを形成してもよく、そのいずれもがハロゲンまたはオキソによって置換されていてもよい。
【0018】
基RおよびRのための任意の置換基はハロゲンを包含する。
基Arのための好ましい任意の置換基は、ハロゲンで置換されていてもよいフェニル;(C1−4)アルキルで置換されたオキサジアゾリル;ハロゲン、シアノ、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルアミド、RN(CHOを包含し、ここに、RおよびRの各々は、独立して、水素原子または(C1−4)アルキル基を示し、rは0または2〜4の整数を示す。さらに、Arがフェニルである場合、隣接する炭素原子上の2つの置換基は、それらが結合している環と一緒になって、フルオレニル、1,3−ベンゾジオキソリル、またはジヒドロベンゾフリル環系を形成していてもよく、そのいずれもがハロゲンまたはオキソによって置換されていてもよい。
【0019】
基Arのためのより好ましい任意の置換基は、独立して:ハロゲン、例えば、Fで置換されていてもよいフェニル;メチルで置換されていてもよいオキサジアゾリル;Br、Cl、F、NC−、CH−、CF−、CHO−、CFO−、(CHNCHCHO−、CHCONH−およびCHSO−から選択されるか、またはArがフェニルである場合、隣接する炭素上の2つの置換基は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、9−フルオレノン−4−イル、1,3−ベンゾジオキソール−5−イルおよび5−ブロモジヒドロベンゾフル−7−イルから選択される基を形成する。
【0020】
好ましくは、基Ar上の置換基は、アミドリンカーに対してオルトおよび/またはメタである。
およびRの例は、水素、ハロゲン、NC−、置換されていてもよい(C1−4)アルコキシ、置換されていてもよい(C1−4)アルキルOCO−および置換されていてもよい(C1−4)アルキルCO−である。
およびRのさらなる例は、水素、ハロゲン、NC−、置換されていてもよい(C1−4)アルコキシおよび置換されていてもよい(C1−4)アルキルCO−である。
【0021】
が水素である場合、RおよびRは好ましくは、メチル/水素、エチル/水素またはメチル/メチルの組合せである。
が(C1−3)アルキルであって、RおよびRが水素である場合、R−エナンチオマーが好ましい。
が(C1−3)アルキルであって、RおよびRが水素である場合、S−エナンチオマーが好ましい。
【0022】
ハロゲン原子が式(I)の化合物に存在する場合、それは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であってもよい。
好ましい化合物は、(R)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミドまたはその医薬上許容される誘導体である。
さらに好ましい化合物は、(R)−2−シアノ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド)またはその医薬上許容される誘導体である。
【0023】
式(I)の化合物がアルキル基を含有する場合、単独であっても、またはより大きな基、例えば、アルコキシまたはアルキルチオの一部を形成していても、該アルキル基は、直鎖、分子鎖または環状、またはその組合せであってもよく、好ましくは、メチルまたはエチルである。
式(I)の化合物がRまたはSエナンチオマーとして存在しうることは明らかであろう。本発明は、混合物を包含するかかる異性体の全てをその範囲内に包含する。さらなるキラル中心が式(I)の化合物に存在する場合、本発明は、その混合物を包含する全ての可能なジアステレオ異性体をその範囲内に包含する。異なる異性形態は、通常の方法によって、1つを他から分離または分割してもよく、またはいずれか所定の異性体を通常の合成法または立体特異的もしくは不斉合成によって得てもよい。
【0024】
本発明が、式(I)の化合物の医薬上許容される誘導体を包含すること、およびこれらが本発明の範囲内に包含されることは理解されよう。
本発明の特定の化合物は、実施例に記載のものおよびその医薬上許容される誘導体を包含する。
【0025】
本明細書中で使用される場合、「医薬上許容される誘導体」なる語は、レシピエントへの投与時に、式(I)の化合物またはその活性代謝物もしくは残渣を(直接または間接的に)提供することができる、式(I)の化合物のいずれかの医薬上許容される塩、溶媒和物、エステルまたはかかるエステルの塩もしくは溶媒和物を包含する。本発明の好ましい医薬上許容される誘導体は、いずれかの医薬上許容される塩および溶媒和物である。
【0026】
医薬における使用の場合、式(I)の化合物の塩は、医薬上許容されるべきであることが明らかであろう。適当な医薬上許容される塩は、当業者に明らかであり、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸;および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸と形成された酸付加塩を包含する。他の塩、例えば、シュウ酸塩は、例えば、式(I)の化合物の単離に使用してもよく、本発明の範囲内に包含される。また、式(I)の化合物の溶媒和物および水和物も本発明の範囲内に包含される。
【0027】
式(I)の化合物のある特定のものは、1当量以上の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明は、全ての可能な化学量論的および非化学量論的形態をその範囲内に包含する。
式(I)の化合物は医薬組成物においての使用が意図されるので、それらが各々、好ましくは、実質上純粋な形態、例えば、少なくとも60%純度、より適当には少なくとも75%純度、好ましくは少なくとも85%純度、特に少なくとも98%純度(%は重量/重量である)で提供されることは、容易に理解されよう。該化合物の不純な調製物は、医薬組成物で使用されるより純粋な形態を調製するために使用してもよい。
【0028】
本発明のさらなる特徴によると、式(I)の化合物およびその塩の製法が提供される。下記のスキームは、本発明の化合物への合成経路を詳述する。
【0029】
式(I)の化合物は、当該分野でよく知られた合成手法を適用することによって、好都合な出発材料から調製されうる。好ましくは、最終段階は、式(II)の化合物と式(III)の化合物:
【化2】

[式中、Ar、R、R、R、R、R、R、XおよびYは、式(I)の化合物について上記で定義されたとおりであり、Zは脱離基またはイン・サイトゥで脱離基に変換される基である]
との間のアミド結合の形成、ついで、必要ならば、または所望ならば、その医薬上許容される誘導体への変換を含む。
【0030】
Zは適当には、ハロゲン、ヒドロキシ、OC(=O)アルキルまたはOC(=O)Oアルキルであり、特に、ハロゲン、例えば、クロロである。
アミド結合形成条件は、当該分野でよく知られており、ジクロロメタンのような不活性溶媒中、所望により、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、適当な酸クロリドとアミンの反応を包含する。別法では、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールと共に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ−イミドまたはトリエチルアミンもしくはN,N−ジイソプロピルエチルアミンのような塩基と共にO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などの試薬を用いて、アミンを直接、適当なカルボン酸とカップリングさせてもよい。
【0031】
式(II)および(III)の化合物は、文献において既知であるか、または既知の方法によって調製できる。式(II)の化合物は、還元剤の存在下、式(IV)の化合物と式(V)の化合物:
【化3】

[式中、R、R、R、R、R、R、XおよびYは、上記のとおりである]
との反応によって調製してもよい。使用されうる適当な還元剤は、酸性条件下での水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムまたは水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、または接触水素化を包含する。該反応は、好都合には、エタノールまたはジクロロエタンなどの溶媒中で行われてもよい。
【0032】
=Hである式(II)の化合物は、また、還元剤の存在下、式(VI)の化合物と式(VII)の化合物:
【化4】

[式中、R、R、R、R、R、XおよびYは式(I)の化合物について上記で定義されたとおりである]
の反応によって調製されうる。使用されうる還元剤は、還元剤の存在下での式(IV)の化合物と式(V)の化合物との反応について上記で定義されたものを包含する。
【0033】
式(II)の化合物は、また、式(VIII)のアミドまたはR=Hの場合、式(IX)のアミド:
【化5】

[式中、R、R、R、R、R、R、XおよびYは式(I)の化合物について上記で定義されたとおりである]
から、アミドカルボニルの還元によって調製されうる。適当な還元剤は、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルなどの溶媒の存在下、水素化アルミニウムリチウムまたはジボランを包含する。
【0034】
式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)および(IX)の中間体は、商業上入手可能であるか、または商業上入手可能な材料から既知の経路によって作成されうる。
式(III)の化合物は、アシル基の調製のための当該分野で既知の製法、例えば、The Chemistry of Acyl Halides,S.Patai(Ed),Interscience,New York,1972にしたがって、調製されうる。
【0035】
式(IV)および式(VI)のアミンは、当業者に知られている方法、例えば、The Amino Group,S.Patai(Ed),Interscience,New York 1968に記載の方法によって作成されうる。
式(V)または式(VII)のアルデヒドは、当該分野で知られている方法、例えば、The Chemistry of the Carbonyl Group,S.Patai(Ed),Interscience,New York,1966に記載の方法によって作成されうる。
式(VIII)および式(IX)のアミドは、既知の方法、例えば、The Chemistry of Amides,J.Zabicky(Ed),Interscience,New York,1970に記載の方法によって作成されうる。
【0036】
式(I)の化合物は、単独で調製されてもよく、または少なくとも2個、例えば、5〜1000個、好ましくは10〜100個の式(I)の化合物を含む化合物ライブラリーとして調製されてもよい。化合物ライブラリーは、コンビナトリアル「スプリット・アンド・ミックス」アプローチによって、または液相もしくは固相化学のいずれかを用いるマルチプル・パラレル合成によって、当業者に既知の手法によって調製されうる。
【0037】
かくして、本発明のさらなる態様によると、少なくとも2つの式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を含む化合物ライブラリーが提供される。
医薬上許容される塩は、適当な酸または酸誘導体との反応によって常法により調製されうる。
【0038】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要な疾患または障害、例えば、肥満および糖尿病;プロラクチノーマ;低プロラクチン血症;成長ホルモン欠乏の視床下部性障害;特発性成長ホルモン欠乏;クッシング症候群/疾患;視床下部−副腎機能不全;こびと症;睡眠障害;睡眠時無呼吸;ナルコレプシー;不眠症;睡眠時異常行動;ジェット機症候群;神経学的障害、ニューロパシー痛および下肢静止不能症候群などの疾患に関連する睡眠障害;心臓および肺疾患;鬱病;不安;沈溺;強迫障害;情動性神経症/障害;鬱性神経症/障害;不安神経症;気分変調障害;行動障害;気分障害;性的機能不全;精神性的機能不全;性障害;性的障害;精神分裂症;躁鬱;せん妄;痴呆;病的飢餓;虚血性または出血性発作および下垂体低下症の治療に有用である。
【0039】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、特に、2型糖尿病に関連する肥満を包含する肥満、発作および睡眠障害の治療に有用である。
【0040】
本発明にしたがって治療されうる他の疾患または障害は、生物リズムおよび概日リズム障害;副腎下垂体疾患;下垂体疾患;下垂体腫瘍/腺腫;副腎下垂体機能低下;機能性または心因性無月経;副腎下垂体機能亢進;偏頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛に対する感受性増加または悪化、例えば、痛覚過敏、灼熱痛および異痛;急性疼痛;火傷痛;非定型顔面痛;ニューロパシー痛;背痛;複合性局所疼痛症候群IおよびII;関節炎痛;スポーツ傷害痛;感染に関連する疼痛、例えば、HIV、ポリオ後症候群およびヘルペス後神経痛;幻想肢痛;陣痛;癌痛;化学療法後の疼痛;発作後の疼痛;手術後の疼痛;神経痛;および麻薬または麻薬からの離脱に対する耐性を包含する。
【0041】
本発明は、また、治療または予防の必要な対象に、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを特徴とする、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療または予防法を提供する。
【0042】
本発明は、また、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療または予防に用いるための式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0043】
本発明は、また、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療または予防のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0044】
治療に使用する場合、本発明の化合物は、通常、医薬組成物として投与される。本発明は、また、式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0045】
式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、いずれかの常法によって、例えば、経口、非経口、バッカル、舌下、鼻腔、直腸または経皮投与によって投与されてもよく、それに応じて適応させた医薬組成物であってもよい。
【0046】
経口投与された場合に活性である式(I)の化合物およびその医薬上許容される誘導体は、液体または固体として、例えば、シロップ、懸濁、エマルジョン、錠剤、カプセルまたはロゼンジとして処方できる。
【0047】
液体処方は、一般に、適当な液体担体、例えば、水、エタノールまたはグリセリンなどの水性溶媒、またはポリエチレングリコールまたは油などの非水性溶媒中における活性成分の懸濁液または溶液からなるであろう。該処方は、また、懸濁化剤、保存料、フレーバー剤および/または着色料を含有していてもよい。
【0048】
錠剤形態の組成物は、固形処方の調製にルーチンに用いられるいずれか適当な医薬担体、例えば、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、シュークロースおよびセルロースを用いて調製できる。
【0049】
カプセル形態の組成物は、ルーチンなカプセル被包手法を用いて調製できる。例えば、活性成分を含有するペレットを標準的な担体を用いて調製し、次いで、ハードゼラチンカプセル中に充填でき;別法では、いずれかの適当な医薬担体、例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩または油を用いて、分散または懸濁を調製し、次いで、該分散または懸濁をソフトゼラチンカプセル中に充填できる。
【0050】
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油または胡麻油中における活性成分の溶液または懸濁液からなる。別法では、該溶液を凍結乾燥し、次いで、投与直前に、適当な溶媒で復元することができる。
【0051】
鼻腔内投与用組成物は、好都合には、エーロゾル、滴剤、ゲルおよび粉剤として処方されうる。エーロゾル処方は、典型的に、医薬上許容される水性または非水性溶媒中における活性成分の溶液または微細な懸濁よりなり、通常、噴霧装置で使用するためのカートリッジまたはリフィルの形態をとることのできる密閉容器中における滅菌形態で、単一または複数投与量で提供される。別法では、密閉容器は、使い捨ての分注装置、例えば、単一投与量鼻腔吸入器または計測バルブを備え付けたエーロゾル・ディスペンサーであってもよい。投与形態がエーロゾル・ディスペンサーよりなる場合、それは、圧縮ガス、例えば、空気であることのできるプロペラント、または有機プロペラント、例えば、フルオロクロロ炭化水素またはヒドロフルオロ炭素を含有するであろう。エーロゾル投与形態は、また、ポンプ−噴霧器の形態を取ることができる。
【0052】
バッカルまたは舌下投与に適当な組成物は、活性成分が糖およびアラビアゴム、トラガカントゴム、またはゼラチンおよびグリセリンのような担体と共に処方されている錠剤、ロゼンジ、および香錠を包含する。
【0053】
直腸投与用組成物は、好都合には、ココア脂などの通常の座剤基剤を含有する座剤の形態である。
【0054】
経皮投与に適当な組成物は、軟膏、ゲルおよびパッチを包含する。
【0055】
好ましくは、該組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルなどの単位投与形態である。
【0056】
上記の障害または疾患の治療または予防に使用される式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体の投与量は、通常、処理されるべき特定の障害または疾患、対象の体重および他の同様の因子によって変化するであろう。しかしながら、一般則として、適当な単位投与量は、0.05〜1000mg、より適当には0.05〜500mgでありうる。単位投与量は、全一日量が約0.01〜100mg/kgの範囲になるように、1日に1回以上、例えば、1日に2または3回投与してもよく;かかる治療は数週間または数ヶ月に及んでもよい。医薬上許容される誘導体の場合、上記の数字は、式(I)の親化合物として計算される。
【0057】
式(I)の化合物を上記の投与量範囲で投与する場合、毒物学的影響は示されず/予測されない。
【0058】
ヒトオレキシン−Aは、アミノ酸配列:
ピロGlu Pro Leu Pro Asp Cys Cys Arg Gln
1 5
Lys Thr Cys Ser Cys Arg Leu Tyr Glu Leu
10 15
Leu His Gly Ala Gly Asn His Ala Ala Gly
20 25
Ile Leu Thr Leu−NH
30
を有する。
【0059】
オレキシン−Aは、オレキシン−1受容体のリガンドの活性化を阻害する化合物についてのスクリーニング手法において使用できる。
【0060】
一般に、かかるスクリーニング手法は、その表面にオレキシン−1受容体を発現する適当な細胞を提供することを含む。かかる細胞は、哺乳動物、酵母、ドロソフィラ(Drosophila)またはイー・コリ(E.coli)由来の細胞を包含する。特に、オレキシン−1受容体をコードしているポリヌクレオチドを用いて、該受容体を発現するように細胞をトランスフェクトする。発現された受容体を次いで、試験化合物およびオレキシン−1受容体リガンドと接触させて、機能的応答の阻害を観察する。1のかかるスクリーニング手法は、WO92/01810に記載のように、オレキシン−1受容体を発現するようにトランスフェクトされるメラニン細胞の使用を含む。
【0061】
別のスクリーニング手法は、オレキシン−1受容体をコードしているRNAをツメガエル卵母細胞中に導入して該受容体を一時的に発現させることを含む。該受容体卵母細胞を次いで、受容体リガンドおよび試験化合物と接触させ、次いで、該リガンドによる該受容体の活性化を阻害すると考えられる化合物についてスクリーニングする場合、シグナルの阻害の検出を行う。
【0062】
別の方法は、オレキシン−1受容体をその表面に有する細胞への標識したオレキシン−1受容体リガンドの結合の阻害を決定することによる、該受容体の活性化を阻害する化合物についてのスクリーニングを含む。該方法は、細胞がその表面にオレキシン−1受容体を発現するように、該受容体をコードしているDNAで真核生物細胞をトランスフェクトし、オレキシン−1受容体リガンドの標識形態の存在下、該細胞または細胞膜調製物を化合物と接触させることを含む。該リガンドは、放射能標識を含有していてもよい。該受容体に結合した標識リガンドの量は、例えば、放射能を測定することによって測定される。
【0063】
また別のスクリーニング技術は、オレキシン−1受容体リガンドとオレキシン−1受容体の相互作用に影響を及ぼすことにより、細胞内カルシウムイオンまたは他のイオンの動員を阻害する試験化合物の高スループットスクリーニングのためのFLIPR装置の使用を含む。
【0064】
限定するものではないが、特許および特許出願を包含する本明細書に引用される全ての出版物は、あたかも、個々の出版物の各々が特別に、個々に、完全に示されるかのごとく、出典明示により本明細書の一部とされることを意図されたかのごとく、出典明示により本明細書の一部とされる。
下記の実施例は、本発明の薬理学上活性な化合物の製法を説明するものである。記載例は、本発明の化合物に対する中間体の製法を説明するものである。
【0065】
本明細書中で使用される略語は下記のとおりである:MDCはジクロロメタンであり、THFはテトラヒドロフランであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、EtOAcは酢酸エチルであり、DMSOはジメチルスルホキシドである。
下記の実施例は、本発明の薬理学上活性な化合物の製法を説明するものである。記載例D1−D22は、本発明の化合物に対する中間体の製法を説明するものである。H NMRは、別記しない限り、CDCl中において250MHzで測定されたものである。
【実施例】
【0066】
記載例1a
(R,S)−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン
3−ブロモ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(2.15g,10ミリモル)および(R,S)−1−アミノ−2−フェニルプロパン(1.35g,10ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(50ml)中溶液をアルゴン下、室温で0.5時間攪拌した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(2.97g,14ミリモル)を5分にわたって加え、次いで、攪拌をさらに16時間続けた。反応混合物をMDC(50ml)で希釈し、次いで、飽和水性KCOで洗浄した。水相をMDCで抽出し、次いで、合わせた有機相をブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、20−50% EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を無色油として得た(1.90g,57%)。
MS(API):実測値MH334 C172079BrNOは333を要する。
H NMRδ:1.25(3H,d,J=7Hz),2.75(2H,d,J=7Hz),2.96(1H,m),3.65(2H,m),3.88(3H,s),6.82(1H,d,J=8Hz),7.05−7.36(6H,m),7.42(1H,d,J=2Hz)
【0067】
下記の化合物は、記載例1aと同様に調製された。
記載例1b
(R,S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン
MS(API):実測値MH286 C1823NOは285を要する。
H NMRδ:1.25(3H,d,J=7Hz),2.77(2H,d,J=7Hz),2.96(1H,m),3.69(2H,m),3.84(3H,s),3.86(3H,s),6.77(3H,m),7.23−7.35(5H,m)
記載例1c
(R)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン
MS(API):実測値MH286 C1823NOは285を要する。
【0068】
記載例1d
(R,S)−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−ブチル)−アミン
2−フェニルブチルアミン(Maryanoffら,J.Org.Chem.,1341,51(8),1986)から調製された。
MS(API):実測値MH 348 C182279BrNOは347を要する。
H NMRδ:0.78(3H,t,J=7Hz),1.42−1.80(2H,m),2.62−2.88(3H,m),3.64(2H,m),3.87(3H,s),6.81(1H,d,J=8Hz),7.05−7.36(6H,m),7.40(1H,d,J=2Hz)
【0069】
記載例1e
(R,S)−(3−エトキシ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン
MS(API):実測値MH 300 C1925NOは299を要する。
H NMRδ:1.18(3H,d,J=7Hz),1.45(3H,t,J=7Hz),2.77(2H,d,J=7Hz),2.96(1H,m),3.69(2H,ABq),3.85(3H,s),4.05(2H,q,J=7Hz),6.75(3H,m),7.25(5H,m)
記載例1f
(R,S)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン
2−フェニル−プロピオンアルデヒドおよび2−(3,4−ジメトキシフェニル)−エチルアミンから調製した。
MS(API):実測値MH 300 C1925NOは299を要する。
H NMRδ:1.24(3H,d,J=7Hz),2.65−2.93(7H,bm),3.82(3H,s),3.85(3H,s),6.64(2H,m),6.74(1H,d,J=8Hz),7.15(3H,m),7.25(2H,m)
【0070】
記載例1g
(R,S)−2−メトキシ−5−[(2−フェニル−プロピルアミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステル
H NMRδ:1.26(3H,d,J=7Hz),2.76(2H,d,J=7Hz),2.94(1H,m),3.70(2H,ABq),3.89(6H,s),6.91(1H,d,J=9Hz),7.15−7.40(6H,m),7.66(1H,d,J=2Hz)
【0071】
記載例2
N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−2−フェニル−イソブチルアミド
2−メチル−2−フェニルプロピオン酸(3.28g,20ミリモル)のDMF(50ml)中溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.09g,80ミリモル)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(7.60g,20ミリモル)、次いで3,4−ジメトキシベンジルアミン(3.34g,20ミリモル)で連続的に処理し、次いで、アルゴン下、室温で24時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、次いで、水(3X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をジエチルエーテル/ペンタンでトリチュレートして標題化合物をベージュ色の固体として得た(5.95g,95%)。
MS(API):実測値MH314 C1923NOは313を要する。
H NMRδ:1.60(6H,s),3.80(3H,s),3.84(3H,s),4.32(2H,d,J=6Hz),5.44(1H,bs),6.65(2H,m),6.76(1H,d,J=8Hz),7.20−7.44(5H,m)
【0072】
記載例3
(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−アミン
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−2−フェニル−イソブチルアミド(D2,4.00g,12.8ミリモル)のTHF(30ml)中溶液を、アルゴン下、水素化アルミニウムリチウム(25.6ミリモル)のTHF(75ml)中氷冷溶液に滴下した。反応混合物を室温で1時間、次いで還流温度で8時間攪拌した。反応混合物を氷冷し、次いで、発泡が止むまで水性THFで処理し、次いで、水性40%NaOH(2ml)を加えた。さらに0.5時間攪拌後、混合物を珪藻土でろ過し、ジエチルエーテルで洗浄した。ろ液をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc中に溶解し、0.5N HClで洗浄した。水相を水性KCOで塩基性化し、次いで、EtOAc(2X)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去して標題化合物を無色油として得た(1.23g,32%)。
MS(API):実測値MH300 C1925NOは299を要する。
H NMRδ:1.35(6H,s),2.69(2H,s),3.66(2H,s),3.83(3H,s),3.87(3H,s),6.75(3H,m),7.14−7.38(5H,m)
【0073】
記載例4
3−ブロモ−4−メトキシベンジルアミン
3−ブロモ−4−メトキシ−ベンゾニトリル(1.00g,4.7ミリモル)のTHF(30ml)中攪拌溶液をボラン−THF(14.2ml,THF中の1M溶液,14.2ミリモル)で滴下処理した。混合物をアルゴン下で5時間熱還流した。冷却した反応混合物に、MeOH(20ml)を用心深く加えた。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を2N HCl(20ml)で処理した。0.45時間熱還流し、室温に冷却後、混合物を固形KCOの添加によって塩基性化した。該塩基性溶液をジエチルエーテル(2X)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去して標題化合物を無色油として得た(64%)。
H NMRδ:1.48(2H,bs),3.79(2H,s),3.88(3H,s),6.86(1H,d,J=8.4Hz),7.21(1H,dd,J=2および8Hz),7.51(1H,d,J=2Hz)
【0074】
記載例5
N−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−2−フェニル−イソブチルアミド
2−メチル−2−フェニルプロピオン酸(1.51g,9.2ミリモル)のDMF(30ml)中溶液を、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.76g,9.2ミリモル)、3−ブロモ−4−メトキシベンジルアミン(D4,2.00g,9.3ミリモル)、次いで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.20g)で連続的に処理した。アルゴン下、室温で16時間攪拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水(2X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をジエチルエーテル/ペンタンでトリチュレートして標題化合物をオフホワイト色の固体として得た(2.3g,70%)。
MS(API):実測値MH362 C182079BrNOは361を要する。
H NMRδ:1.60(6H,s),3.86(3H,s),4.28(2H,d,J=6Hz),5.44(1H,bm),6.79(1H,d,J=8Hz),7.05(1H,dd,J=2,8Hz),7.26(2H,m),7.36(4H,m)
【0075】
記載例6
(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−アミン
N−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−2−フェニル−イソブチルアミド(D5,2.30g,6.4ミリモル)のTHF(50ml)中攪拌溶液をボラン−THF(12.8ml,THF中の1M溶液,12.8ミリモル)で滴下処理した。混合物をアルゴン下で3.5時間、熱還流した。冷却した反応混合物に、MeOH(35ml)を用心深く加えた。揮発性物質を真空下で除去し、残渣を2N HCl(70ml)で処理した。0.5時間熱還流し、室温に冷却後、混合物をNaOHペレットの添加によって塩基性化した。該塩基性溶液をMDC(2X)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−7.5% MeOH−MDC)に付して標題化合物を無色油として得た(1.92g,86%)。
MS(API):実測値MH348 C182279BrNOは347を要する。
H NMRδ:1.34(6H,s),2.67(2H,s),3.62(2H,s),3.87(3H,s),6.81(1H,d,J=8Hz),7.10(1H,dd,J=2,8Hz),7.20(1H,m),7.32(4H,m),7.39(1H,d,J=2Hz)
【0076】
記載例7
(S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−アミン
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(1.06g,6.4ミリモル)、(S)−1−メチル−2−フェニルエチルアミン硫酸塩(1.18g,6.4ミリモル)およびトリエチルアミン(0.89ml,6.4ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(50ml)中溶液をアルゴン下、室温で15分間攪拌した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(2.97g,14ミリモル)を5分にわたって加え、次いで、さらに16時間攪拌を続けた。反応混合物をMDC(50ml)で希釈し、次いで、飽和水性KCOで洗浄した。水相をMDCで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−100% EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を無色油として得た(1.20g,67%)。
MS(API):実測値MH286 C1823NOは285を要する。
H NMRδ:1.10(3H,d,J=6Hz),2.70(2H,m),2.91(1H,m),3.70(2H,m),3.82(3H,s),3.86(3H,s),2.75(3H,m),7.20(5H,m)
【0077】
記載例8
(S)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−アミン
標題化合物は、記載例7と同様に、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアルデヒド(Krausら,J.Org.Chem.,1720,64,1999)から調製された。
MS(API):実測値MH300 C1925NOは299を要する。
H NMRδ:1.07(3H,d,J=6Hz),2.55−3.00(7H,m),3.84(3H,s),3.96(3H,s),6.70(3H,m),7.10(2H,m),7.25(3H,m)
【0078】
記載例9
(R,S)−[2−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]−(3,4,ジメトキシ−ベンジル)−アミン
標題化合物は、記載例7と同様に、2−(4−クロロ−フェニル)−プロピルアミン塩酸塩から調製された。
MS(API):実測値MH320 C182235ClNOは319を要する。
H NMRδ:1.23(3H,d,J=7Hz),2.80(2H,m),3.00(1H,m),3.75(2H,ABq),3.84(3H,s),3.86(3H,s),5.60(1H,bs),6.78(3H,m),7.10(2H,m),7.25(2H,m)
【0079】
記載例10
(R,S)−2−メトキシ−5−[(2−フェニル−プロピルアミノ)−メチル]−N−プロピルベンズアミド
(R,S)−2−メトキシ−5−[(2−フェニル−プロピルアミノ)−メチル]−安息香酸メチルエステル(D1g,1.16g,3.7ミリモル)のn−プロピルアミン(5ml)中溶液を室温で12日間静置した。揮発性物質を真空下で除去して標題化合物を得た(1.26g,100%)。
H NMRδ:0.96(3H,t,J=7Hz),1.24(3H,d,J=7Hz),1.60(2H,m),2.76(2H,dd,J=1,7Hz),2.96(1H,m),3.42(2H,m),3.73(2H,s),3.94(3H,s),6.91(1H,d,J=8Hz),7.15−7.40(6H,bm),7.87(1H,bt),8.06(1H,d,J=2Hz)
【0080】
記載例11
(R)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−N−(2−フェニル−プロピル)−アセトアミド
標題化合物は、記載例2と同様に、(R)−1−アミノ−2−フェニルプロパンから調製された。
MS(API):実測値MH314 C1923NOは313を要する。
H NMRδ:1.20(3H,d,J=7Hz),2.80(1H,m),3.15(1H,m),3.43(2H,s),3.60(1H,m),3.80(3H,s),3.88(3H,s),5.23(1H,bt),6.60(2H,m),6.75(1H,d,J=8Hz),7.06(2H,m),7.20(3H,m)
【0081】
記載例12
(R)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン
標題化合物は、記載例6と同様に、(R)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−N−(2−フェニル−プロピル)−アセトアミド,D11から調製された。
MS(API):実測値MH300 C1925NOは299を要する。
H NMRδ:1.24(3H,d,J=7Hz),2.60−3.05(7H,bm),3.83(3H,s),3.85(3H,s),6.65(2H,m),6.74(1H,d,J=9Hz),7.10−7.35(5H,m)
【0082】
記載例13
(R,S)−(2−アミノ−プロピル)−カルバンミン酸tert−ブチルエステル
ジ−tert−ブチルジカルボネート(13.9g,0.064mol)の1,4−ジオキサン(100ml)中溶液を、(R,S)−プロパン−1,2−ジアミン(37.4g,0.51モル)の1,4−ジオキサン(200ml)中攪拌溶液に滴下した。アルゴン下、室温で16時間攪拌後、揮発性物質を真空下で除去した。残渣を水に溶解し、得られた溶液をMDC(3X)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去して標題化合物を黄色油として得た(11.1g,100%)。
MS(API):実測値MH175 C18は174を要する。
H NMRδ:1.07(3H,d,J=6Hz),1.29(2H,bs),1.44(9H,s),2.80−3.20(3H,bm),5.56(1H,bt)
【0083】
記載例14
(R,S)−{2−[(1−フェニル−メタノイル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(R,S)−(2−アミノ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D13,1.00g,5.75ミリモル)のMDC(30ml)中溶液をトリエチルアミン(0.88ml,6.32ミリモル)、次いで塩化ベンゾイル(0.74ml,6.32ミリモル)で処理した。アルゴン下、室温で16時間攪拌後、反応混合物を飽和水性NaHCO、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして標題化合物を白色固体として得た(1.15g,72%)。
MS(API):実測値MH279 C1522は278を要する。
H NMRδ:1.26(3H,d,J=7Hz),1.40(9H,s),3.12−3.52(2H,m),4.20(1H,m),5.00(1H,bt),7.10(1H,bd),7.45(3H,m),7.82(2H,m)
【0084】
記載例15
(R,S)−N−(2−アミノ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド
(R,S)−{2−[(1−フェニル−メタノイル)−アミノ]−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(D14,1.15g,4.14ミリモル)のMDC(45ml)中攪拌氷冷溶液をTFA(5ml)で処理した。5分後、氷浴を取り除き、反応混合物をアルゴン下、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を、最小限の水性KCOの用心深い添加によって塩基性化した。水層をMDC(2X)、次いでMDC/10%MeOH(2X)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去して標題化合物を無色ゴムとして得た(0.37g,50%)。水性抽出物を蒸発乾固させ、クロマトグラフィー(シリカゲル,85:14.9:0.1 MDC:MeOH:アンモニア)に付して標題化合物のさらなるバッチを粘着性の白色固体として得た(0.28g,38%)。
MS(API):実測値MH179 C1014Oは178を要する。
【0085】
記載例16
(R,S)−N−[2−(3,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−1−メチル−エチル]−ベンズアミド
3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒド(1.97g,1.2ミリモル)および(R,S)−N−(2−アミノ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド(D15,2.11g,1.2ミリモル)の1,2−ジクロロエタン(60ml)中溶液をアルゴン下、室温で0.5時間攪拌した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(3.77g,1.8ミリモル)を5分にわたって加え、次いで、さらに16時間攪拌を続けた。反応混合物をMDC(50ml)で希釈し、次いで、飽和水性KCOで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−20% MeOH−EtOAc)に付して標題化合物を無色ゴムとして得た。
MS(API):実測値MH329 C1924は328を要する。
H NMRδ:1.27(3H,d,J=7Hz),2.77(2H,d,J=5Hz),3.76(2H,s),3.82(3H,s),3.86(3H,s),4.30(1H,s),6.64(1H,bs),6.55(3H,m),7.45(3H,m),7.76(2H,m)
【0086】
記載例17
(R,S)−N−{2−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−1−メチル−エチル}−ベンズアミド
標題化合物は、記載例16と同様に、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアルデヒド(Krausら,J.Org.Chem.,1720,64,1999)から調製した。
MS(API):実測値MH343 C2026は342を要する。
【0087】
記載例18
(R,S)−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド
標題化合物は、記載例2と同様に、2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオン酸および3,4−ジメトキシベンジルアミンから調製された。EtOAcよりもむしろ、ジエチルエーテルを後処理溶媒として用い、生産物をジエチルエーテルでのトリチュレーションによって精製した。
MS(API):実測値MH318 C1820FNOは317を要する。
H NMRδ:1.53(3H,d,J=7Hz),3.55(1H,q,J=7Hz),3.78(3H,s),3.85(3H,s),4.33(2H,m),5.60(1H,bs),6.65−6.79(3H,m),6.97−7.06(2H,m),7.24−7.31(2H,m)
【0088】
記載例19
(R,S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−[2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]−アミン
標題化合物は、記載例6と同様に、(R,S)−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド,D18から調製された。
H NMRδ:1.23(3H,d,J=7Hz),2.68−2.81(2H,m),2.93(1H,m),3.69(2H,ABq),3.85(3H,s),3.86(3H,s),6.73−6.87(3H,m),6.95−7.03(2H,m),7.12−7.20(2H,m)
【0089】
記載例20
(R,S)−2−メトキシ−5−[(2−フェニル−プロピルアミノ)−メチル]−ベンゾニトリル
(R,S)−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D1a,2.18g,6.53ミリモル)およびシアン化銅(I)(1.16g,13.1ミリモル)の1−メチル−2−ピロリジノン(75ml)中溶液をアルゴン下で5時間、熱還流した。冷却した反応混合物を珪藻土でろ過し、EtOAcおよび水で洗浄した。有機相を分離し、水(2X)、次いでブライン(2X)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−100% EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を茶色ゴムとして得た(0.23g,12%)。
MS(API):実測値MH281 C1820Oは280を要する。
H NMRδ:1.26(3H,d,J=7Hz),2.74(2H,d,J=7Hz),2.93(1H,m),3.68(2H,s),3.90(3H,s),6.88(1H,dd,J=1および9Hz),7.18−7.42(7H,m)
【0090】
記載例21
(R,S)−1−{2−メトキシ−5−[(2−フェニル−プロピルアミノ)−メチル]−フェニル}−エタノン
(R,S)−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D1a,1.50g,4.50ミリモル)、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(1.81ml,5.36ミリモル)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.26g,0.22ミリモル)の1,4−ジオキサン(20ml)中混合物を100℃で16時間加熱した。冷却した反応混合物を2N HCl(5ml)で処理し、混合物を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3X)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−10% メタノール−EtOAc)に付して標題化合物を黄色ゴムとして得た(0.81g,61%)。
MS(API):実測値MH298 C1923NOは297を要する。
H NMRδ:1.36(3H,d,J=7Hz),2.58(3H,s),2.83−2.97(2H,m),3.29(1H,m),3.87(2H,s),3.89(3H,s),6.97(1H,d,J=9Hz),7.19−7.40(5H,m),7.62(1H,d,j=2Hz),7.70(1H dd,J=2および9Hz)
【0091】
記載例22
(S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン
標題化合物は、記載例1aと同様に、(S)−2−アミノ−フェニルプロパンから調製された。
MS(API):実測値MH286 C1823NOは285を要する。
【0092】
下記の実施例1−69の化合物は、適当なアミンおよび酸クロリドから、方法Aおよび方法Bと同様の方法を用いて調製された。
方法A
適当な酸クロリド(0.05ミリモル)のMDC(0.5ml)中溶液に、MDC(0.5ml)中における適当なアミン(0.10ミリモル)およびMDC(0.3ml)を加えた。反応物を16時間混合させた。過剰のアンバーライト(Amberlite)IRA−93、トリスアミン樹脂およびPol−イソシアネートを加え、16時間混合させた。混合物をプレパックしたSCX樹脂カラム(250mg)によってろ過した。溶媒を蒸発させて所望のアミドを得、それをLC−MS(>80%純度)によって分析した。類似体をコンビナトリアルアレイの成分として調製することのできる96ウェルRobbins Flex Chem Filtration Blocksにおいて、化学反応を行った。試薬のストック溶液を調製し、それをエッペンドルフピペットを用いて分注した。
【0093】
方法B
トリエチルアミン(0.036ミリモル)のMDC(0.50ml)中溶液に、MDC(0.25ml)中における適当なアミン(0.03ミリモル)の溶液を加え、次いで、MDC(0.25ml)中における適当な酸クロリド(0.036ミリモル)を加えた。反応物を16時間混合させた。過剰のアンバーライトIRA−93、トリスアミン(Trisamine)樹脂およびPol−イソシアネートを加え、18時間混合させた。スカベンジャー樹脂をろ過し、溶媒を除去し、残渣を、別の過剰なアンバーライトIRA−93で4時間処理した。該樹脂をろ過によって除去し、溶媒を蒸発させて所望のアミドを得、それをLC/MS(>80%純度)により分析した。類似体をコンビナトリアルアレイの成分として調製することのできる96ウェルRobbins Flex Chem Filtration Blocksにおいて、化学反応を行った。試薬のストック溶液を調製し、必要ならば、Hydra96またはエッペンドルフピペットのいずれかを用いて、それを96ウェルに同時に、または個々のウェルに分注した。
【0094】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0095】
【表2−1】

【表2−2】

【0096】
【表3】

【0097】
【表4−1】

【表4−2】

【0098】
【表5】

【0099】
【表6】

【0100】
【表7】

【0101】
【表8】

【0102】
【表9】

【0103】
【表10】

【0104】
実施例70
5−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−アミド
標題化合物は、実施例1−69における方法Aと同様に調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH524 C283079BrNOは523を要する。
【0105】
実施例71
(R,S)−3−アセチルアミノ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド
3−アセチルアミノ−安息香酸(99mg,0.55ミリモル)のDMF(5ml)中溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.26ml,1.5ミリモル)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(209mg,0.55ミリモル)、次いで(R,S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D1b,143mg,0.5ミリモル)で連続的に処理し、次いで、アルゴン下、室温で48時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、次いで、飽和水性KCO、水(3X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去して標題化合物をオレンジ色のゴムとして得た(187mg,76%)。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH447 C2730は446を要する。
【0106】
実施例72
(R,S)−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド
標題化合物は、実施例71と同様に調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH447 C2626Sは446を要する。
【0107】
実施例73
3−アセチルアミノ−N−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−N−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド
標題化合物は、実施例71と同様に調製された。クロマトグラフィー(シリカゲル,20−50% EtOAc−ペンタン)による精製により、標題化合物を得た。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH509 C272979BrNは508を要する。
【0108】
実施例74
(R,S)−ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド
標題化合物は、実施例71と同様に調製された。完了させるために、反応混合物を50℃で加熱した。実施例71に記載した水性後処理の前に、反応していないアミンをイソシアネート樹脂で取り除いた。クロマトグラフィー(シリカゲル,0−20% EtOAc−ペンタン)による精製により、標題化合物を得た。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH432 C2525は431を要する。
【0109】
実施例75
(R,S)−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド
標題化合物は、実施例71と同様に調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH448 C2525Sは447を要する。
【0110】
実施例76
(R,S)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)アミド
塩化ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニル(138mg,0.75ミリモル)のMDC(5ml)中攪拌溶液を、MDC(2ml)中における(R,S)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D1f,224mg,0.75ミリモル)およびトリエチルアミン(0.16ml)の予め混合した溶液で処理した。アルゴン下、室温で2時間攪拌後、反応混合物を水、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,20−80% EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を無色ゴムとして得た(301mg,90%)。
MS(API):実測値MH448 C2729NOは447を要する。
【0111】
実施例77
(R,S)−3−ブロモ−N−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド
標題化合物は、実施例76と同様に調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH516 C242379BrNOは515を要する。
【0112】
実施例78
(R,S)−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)アミド
2,2−ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸(152mg,0.75ミリモル)のDMF(5ml)中溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.45ml)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(285mg,0.75ミリモル)、次いで(R,S)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D1f,224mg,0.75ミリモル)で連続的に処理し、次いで、アルゴン下、室温で24時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、次いで、水(3X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−60%EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を黄色ゴムとして得た(300mg,83%)。
MS(APILC/MS):実測値MH484 C2727NOは483を要する。
【0113】
実施例79
(S)−3−ブロモ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド
標題化合物は、実施例76と同様に、塩化3−ブロモベンゾイルおよび(S)−(3,4−ジメトキシベンジル)−(1−メチル−2−フェニルエチル)アミン,D7から調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH468 C252679BrNOは467を要する。
【0114】
実施例80
(S)−3−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド
標題化合物は、実施例76と同様に、塩化3−ブロモベンゾイルおよび(S)−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−(1−メチル−2−フェニルエチル)アミンD8から調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH482 C262879BrNOは481を要する。
【0115】
実施例81
(S)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−アミド
標題化合物は、実施例76と同様に、塩化ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニルおよび(S)−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]−(1−メチル−2−フェニルエチル)アミン,D8から調製された。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH448 C2729NOは447を要する。
【0116】
実施例82
(R)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミド
塩化ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボニル(151mg,0.82ミリモル)のMDC(5ml)中攪拌溶液を、MDC(2ml)中における(R)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D12,245mg,0.75ミリモル)およびトリエチルアミン(0.17ml)の予め混合した溶液で処理した。アルゴン下、室温で72時間攪拌後、溶媒を真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−40%EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を無色ゴムとして得た(250mg,68%)。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH448 C2729NOは447を要する。
H NMR T=360K(D−DMSO)δ:1.20(3H,d,J=7Hz),2.66(2H,t,J=7Hz),3.17(1H,m),3.28(1H,m),3.42(1H,m),3.48(1H,m),3.56(1H,m),3.71(3H,s),3.73(3H,s),6.0(2H,s),6.48(1H,d),6.56(1H,d),6.59(2H,m),6.83(1H,d,J=8Hz),6.85(1H,d,J=8Hz),7.22(3H,m),7.30(2H,m)
【0117】
実施例83
(R)−2−シアノ-N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド)
2−シアノ−安息香酸(120mg,0.82ミリモル)のMDC(5ml)中攪拌溶液を塩化オキサリル(0.22ml,2.5ミリモル)およびDMF(1滴)で処理した。2時間後、揮発性物質を真空下で除去し、残渣をトルエン(2X)でトリチュレートした。残渣をMDC(5ml)中に溶解し、MDC(5ml)中における(R)−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミン(D12,245mg,0.82ミリモル)およびトリエチルアミン(0.17ml)の予め混合した溶液で処理した。アルゴン下、室温で72時間攪拌後、溶媒を真空下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−40% EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を無色ゴムとして得た(220mg,63%)。
MS(エレクトロスプレーLC/MS):実測値MH429 C2728は428を要する。
H NMRδ:1.14(1.5H,d,J=7Hz),1.42(1.5H,d,J=7Hz),2.56(1H,m),2.87−3.10(2H,bm),3.16−3.42(2H,bm),3.52(0.5H,m),3.60−4.00(7.5H,bm),6.25(0.5H,d,J=2Hz),6.39(0.5H,dd,J=2および10Hz),6.72(1H,m),6.85(2H,m),6.92(1H,m),7.25(2H,m),7.32−7.52(4H,m),7.65(1H,m)
【0118】
実施例84−91における下記の化合物は、実施例76と同様に調製された。
【表11】

【0119】
【表12】

【0120】
実施例92−104は、方法Cまたは方法Dにしたがって、適当なアミンおよびカルボン酸から調製された。
【0121】
方法C
カルボン酸のDMF(2m1/ミリモル)中溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3当量)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(1当量)、次いで20分後に、適当なアミン(1当量)で処理し、次いで、アルゴン下、室温で16時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、次いで、水(2X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。必要により、シリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製を行った。
【0122】
方法D
カルボン酸のMDC(10ml/ミリモル)中溶液を塩化オキサリル(3当量)、次いでDMF(1滴)で処理した。室温で2.5時間攪拌後、揮発性物質を真空下で除去した。残渣をトルエンと共沸し、次いで、MDC(10ml/ミリモル)中に再溶解した。MDC(5ml/ミリモル)中におけるトリエチルアミン(1.1当量)および適当なアミン(1当量)を加え、溶液を室温で16時間攪拌した。反応混合物をMDCで希釈し、次いで、水性NaHCO(2X)、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。必要ならば、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製を行った。
【0123】
【表13】

【0124】
【表14−1】

【表14−2】

【0125】
【表15】

【0126】
実施例105
(R,S)−N−(2−ベンゾイルアミノ−プロピル)−3−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド
塩化3−ブロモベンゾイル(0.042ml,0.32ミリモル)のMDC(5ml)中攪拌溶液を、MDC(7ml)中における(R,S)−N−{2−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−1−メチル−エチル}−ベンズアミド,D17(100mg,0.32ミリモル)およびトリエチルアミン(0.045ml,0.32ミリモル)の予め混合した溶液で処理した。アルゴン下、室温で72時間攪拌後、反応混合物を水性NaHCO、次いでブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル,0−50%EtOAc−ペンタン)に付して標題化合物を黄色ゴムとして得た(60mg,39%)。
MS(APILC/MS):実測値MH527 C272981BrNは526を要する。
【0127】
実施例106
(R,S)−N−(2−ベンゾイルアミノ−プロピル)−5−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−2−メトキシ−ベンズアミド
標題化合物は、実施例105と同様に、(R,S)−N−{2−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−1−メチル−エチル}−ベンズアミド,D17から調製された。
MS(APILC/MS):実測値MH557 C283181BrNは556を要する。
【0128】
実施例107
(S)−3−ブロモ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド
標題化合物は、実施例76と同様に、(S)−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミン,D22から調製された。
MS(APILC/MS):実測値MH468 C252679BrNOは467を要する。
【0129】
本発明は、本明細書中において上記した特定の好ましいサブグループの全ての組み合わせを包含することが理解されるべきである。
【0130】
オレキシン−1受容体アンタゴニスト活性の測定
式(I)の化合物のオレキシン−1受容体アンタゴニスト活性は、下記の実験方法にしたがって測定された。
【0131】
実験方法
ヒトオレキシン−1受容体を発現しているHEK293細胞を、2mM L−グルタミン、0.4mg/mL G418硫酸塩(GIBCO BRL)および10%熱不活性化胎仔ウシ血清(Gibco BRL)を含有する細胞培地(Earl’s塩を有するMEM培地)中で培養した。細胞を20,000細胞/100μl/ウェルにて、10μg/ウェルのポリ−L−リジン(SIGMA)で予め被覆した96−ウェル黒色透明底滅菌プレート(Costar)中に播種した。播種したプレートを37℃にて、5%CO中で一晩インキュベートした。
【0132】
アゴニストは、水:DMSO(1:1)中の1mMストックとして調製された。プロベネシッドを含有するTyrodeバッファー(145mM NaCl、10mMグルコース、2.5mM KCl、1.5mM CaCl、1.2mM MgClおよび2.5mMプロベネシッドを含有する10mM HEPES;pH7.4)中における11x半対数単位希釈(Biomek2000,Beckman)を用いて、EC50値(最大応答の50%を生じるのに必要な濃度)を評価した。アンタゴニストは、DMSO(100%)中における10mMストックとして調製された。アンタゴニストIC50値(アゴニスト応答の50%を阻害するために必要な化合物の濃度)は、10%DMSOおよびプロベネシッドを含有するTyrodeバッファー中の11x半対数単位希釈を用いて、3.0nMヒトオレキシン−Aに対して決定した。
【0133】
アッセイ日に、プロベネシッド(Sigma)およびFluo3AM(Texas Fluorescence Laboratories)を含有する50μlの細胞培地を各ウェルに加えて(Quadra, Tomtec)、各々、2.5mMおよび4μMの最終濃度を得た。96−ウェルプレートを5%CO中37℃で90分間インキュベートした。次いで、染料を含有するローディング溶液を吸引し、プロベネシッドおよび0.1%ゼラチンを含有する4x150μlのTyrodeバッファーで細胞を洗浄した(Denley Cell Wash)。各ウェルに残ったバッファーの量は125μlであった。アンタゴニストまたはバッファー(25μl)を穏やかに振盪させた細胞プレートに加え(Quadra)、5%CO中37℃にて30分間インキュベートした。次いで、細胞プレートを蛍光イメージング・プレート・リーダー(FLIPR,Molecular Devices)装置に移し、湿気中、37℃で維持した。薬物添加前に、細胞プレートの単一画像を得て(シグナルテスト)、染料負荷コンシステンシーを評価した。作業プロトコールは、1秒間隔で得られた60画像、次いで、5秒間隔でさらに24画像を用いた。20秒後に(連続的な読み取りの間)、アゴニストを加えた(FLIPRにより)。各ウェルから、全アッセイ期間にわたりピーク蛍光を決定し、1−19(両端を含む)の読み取りの平均を該数字から減じた。蛍光におけるピーク増加を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・ロジスティック・フィットを用いて、繰り返して曲線をフィットさせて(BowenおよびJerman,TiPS,1995,16,413−417に記載のように)、濃度作用値を求めた。アンタゴニストKb値は、等式:
=IC50/(1+([3/EC50])
(式中、EC50は、アッセイにおいて決定されたヒトオレキシン−Aの強度(nM)であり、IC50はモルで表される)
を用いて計算された。
【0134】
オレキシン−2受容体アンタゴニスト活性の測定
式(I)の化合物のオレキシン−2受容体アンタゴニスト活性は、下記の実験方法にしたがって測定された。
実験方法
ヒトオレキシン−2受容体を発現しているCHO−DG44細胞を、2mM L−グルタミン、0.4mg/mL G418硫酸塩(GIBCO BRL)および10%熱不活性化胎仔ウシ血清(Gibco BRL)を含有する細胞培地(Earl’s塩を有するMEM培地)中で培養した。細胞を20,000細胞/100μl/ウェルにて、10μg/ウェルのポリ−L−リジン(SIGMA)で予め被覆した96−ウェル黒色透明底滅菌プレート(Costar)中に播種した。播種したプレートを37℃にて、5%CO中で一晩インキュベートした。
【0135】
アゴニストは、水:DMSO(1:1)中の1mMストックとして調製された。プロベネシッドを含有するTyrodeバッファー(145mM NaCl、10mMグルコース、2.5mM KCl、1.5mM CaCl、1.2mM MgClおよび2.5mMプロベネシッドを含有する10mM HEPES;pH7.4)中における11x半対数単位希釈(Biomek2000,Beckman)を用いて、EC50値(最大応答の50%を生じるのに必要な濃度)を評価した。アンタゴニストは、DMSO(100%)中における10mMストックとして調製された。アンタゴニストIC50値(アゴニスト応答の50%を阻害するために必要な化合物の濃度)は、10%DMSOおよびプロベネシッドを含有するTyrodeバッファー中の11x半対数単位希釈を用いて、10.0nMヒトオレキシン−Aに対して決定した。
【0136】
アッセイ日に、プロベネシッド(Sigma)およびFluo3AM(Texas Fluorescence Laboratories)を含有する50μlの細胞培地を各ウェルに加えて(Quadra, Tomtec)、各々、2.5mMおよび4μMの最終濃度を得た。96−ウェルプレートを5%CO中、37℃で60分間インキュベートした。次いで、染料を含有するローディング溶液を吸引し、プロベネシッドおよび0.1%ゼラチンを含有する4x150μlのTyrodeバッファーで細胞を洗浄した(Denley Cell Wash)。各ウェルに残ったバッファーの量は125μlであった。アンタゴニストまたはバッファー(25μl)を穏やかに振盪させた細胞プレートに加え(Quadra)、5%CO中37℃にて30分間インキュベートした。次いで、細胞プレートを蛍光イメージング・プレート・リーダー(FLIPR,Molecular Devices)装置に移した。薬物添加前に、細胞プレートの単一画像を得て(シグナルテスト)、染料負荷コンシステンシーを評価した。作業プロトコールは、1秒間隔で得られた60画像、次いで、5秒間隔でさらに24画像を用いた。20秒後に(連続的な読み取りの間)、アゴニストを加えた(FLIPRにより)。各ウェルから、全アッセイ期間にわたりピーク蛍光を決定し、1−19(両端を含む)の読み取りの平均を該数字から減じた。蛍光におけるピーク増加を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・ロジスティック・フィットを用いて、繰り返して曲線をフィットさせて(BowenおよびJerman,TiPS,1995,16,413−417に記載のように)、濃度作用値を求めた。アンタゴニストKb値は、等式:
=IC50/(1+([3/EC50])
(式中、EC50は、アッセイにおいて決定されたヒトオレキシン−Aの強度(nM)であり、IC50はモルで表される)
を用いて計算された。
【0137】
これらの方法にしたがって試験された実施例1−107の全化合物は、ヒトクローン化オレキシン−1受容体およびヒトクローン化オレキシン−2受容体のうち1つまたは両方にて、少なくとも7.0のpKb値を有した。
【0138】
(本発明の)化合物が上記の投与量範囲で投与される場合、毒物学的影響は示されない/予測されない。
【0139】
明細書および請求の範囲の全体を通して、別記しないかぎり、「含む(comprise)」なる用語、および「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」などのバリエーションは、記載の整数または工程あるいは整数の群を含むことを意味するが、いずれか他の整数または工程あるいは整数または工程の群を除外することを意味するものではないと理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は水素であり;
は(C1−3)アルキルであり;および
は水素または(C1−3)アルキルであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素と一緒になって、(C3−5)シクロアルキル基を形成し;
または
は(C1−3)アルキルであり;Rは水素であり;およびRは水素または(C1−3)アルキルであり;
およびRは独立して、水素、ハロゲン、NC−、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルCO、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルコキシ、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルOCO−、およびハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルNHCO−から選択され;但し、RおよびRがどちらも水素であることはなく;
は水素またはハロゲンであり;
Arは、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、またはナフチリジニルであって、そのいずれもが、ハロゲンによって置換されていてもよいフェニル;(C1−4)アルキルによって置換されていてもよいN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する5−または6−員の芳香族複素環式基;ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、アリール(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルカノイル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルスルホニルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニル(C1−4)アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールスルホニル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルスルホンアミド、(C1−4)アルキルアミド、(C1−4)アルキルスルホンアミド(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルアミド(C1−4)アルキル、アリールスルホンアミド、アリールカルボキサミド、アリールスルホンアミド(C1−4)アルキル、アリールカルボキサミド(C1−4)アルキル、アロイル、アロイル(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルカノイル基;基RN−、ROCO(CH、RCON(R)(CH、RNCO(CH、RN(CHO、RNSO(CHまたはRSONR(CHによって置換されていてもよく、ここに、RおよびRの各々は独立して、水素原子または(C1−4)アルキル基を示すか、またはここに、適当なRは、(C3−6)アザシクロアルカンまたは(C3−6)(2−オキソ)アザシクロアルカン環の一部を形成し、rは0または1〜4の整数を示し;または
Arがフェニルである場合、隣接する炭素原子上の2つの置換基がそれらが結合している環と一緒になって、フルオレニル、1,3−ベンゾジオキソリルおよびジヒドロベンゾフリルから選択される二環式または三環式複素環式または炭素環式環系を形成してもよく、そのいずれもがハロゲンまたはオキソによって置換されていてもよく;
Xは−CH−または結合であり;
Yは−NHCO−または結合である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
が水素であって、RおよびRが、メチル/水素、エチル/水素およびメチル/メチルの組み合わせから選択される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Arがフェニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリルまたはピラゾリルであり、そのいずれもが置換されていてもよい請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
【化2】

【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

および
【化3】

【表2−1】

【表2−2】

および
【化4】

【表3】

および
【化5】

【表4−1】

【表4−2】

および
【化6】

【表5】

および
【化7】

【表6】

および
【化8】

【表7】

および
【化9】

【表8】

および
【化10】

【表9】

および
【化11】

【表10】

および
【化12】

【表11】

および
【化13】

【表12】

および
【化14】

【表13】

および
【化15】

【表14−1】

【表14−2】

および
【化16】

【表15】

および
5−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−アミド;
(R,S)−3−アセチルアミノ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド;
(R,S)−ベンゾチアゾール−6−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド;
3−アセチルアミノ−N−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−N−(2−メチル−2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド;
(R,S)−ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド;
(R,S)−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−カルボン酸(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−(2−フェニル−プロピル)−アミド;
(R,S)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)アミド;
(R,S)−3−ブロモ−N−(3−ブロモ−4−メトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド;
(R,S)−2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)アミド
(S)−3−ブロモ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド;
(S)−3−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−ベンズアミド;
(S)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(1−メチル−2−フェニル−エチル)−アミド;
(R)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミド;
(R)−2−シアノ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド);
(R,S)−N−(2−ベンゾイルアミノ−プロピル)−3−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド;
(R,S)−N−(2−ベンゾイルアミノ−プロピル)−5−ブロモ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−2−メトキシ−ベンズアミド;および
(S)−3−ブロモ−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド;
またはその医薬上許容される塩または溶媒和物から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項5】
(R)−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−カルボン酸[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−(2−フェニル−プロピル)−アミド、および
(R)−2−シアノ−N−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−N−(2−フェニル−プロピル)−ベンズアミド)、またはその医薬上許容される塩または溶媒和物から選択される請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させることを特徴とし、
【化17】

[式中、
は水素であり;
は(C1−3)アルキルであり;および
は水素または(C1−3)アルキルであるか;またはRおよびRはそれらが結合している炭素と一緒になって、(C3−5)シクロアルキル基を形成し;
または
は(C1−3)アルキルであり;Rは水素であり;およびRは水素または(C1−3)アルキルであり;
およびRは独立して、水素、ハロゲン、NC−、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルCO、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキル、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルコキシ、ハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルOCO−、およびハロゲンで置換されていてもよい(C1−6)アルキルNHCO−から選択され;但し、RおよびRがどちらも水素であることはなく;
は水素またはハロゲンであり;
Arは、フェニル、ナフチル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、またはナフチリジニルであって、そのいずれもが、ハロゲンによって置換されていてもよいフェニル;(C1−4)アルキルによって置換されていてもよいN、OおよびSから選択される3個までのヘテロ原子を含有する5−または6−員の芳香族複素環式基;ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、(C1−4)アルキル、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルコキシ、アリール(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C3−6)シクロアルキル(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルカノイル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルスルホニルオキシ、(C1−4)アルキルスルホニル(C1−4)アルキル、アリールスルホニル、アリールスルホニルオキシ、アリールスルホニル(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルスルホンアミド、(C1−4)アルキルアミド、(C1−4)アルキルスルホンアミド(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルアミド(C1−4)アルキル、アリールスルホンアミド、アリールカルボキサミド、アリールスルホンアミド(C1−4)アルキル、アリールカルボキサミド(C1−4)アルキル、アロイル、アロイル(C1−4)アルキルまたはアリール(C1−4)アルカノイル基;基RN−、ROCO(CH、RCON(R)(CH、RNCO(CH、RN(CHO、RNSO(CHまたはRSONR(CHによって置換されていてもよく、ここに、RおよびRの各々は独立して、水素原子または(C1−4)アルキル基を示すか、またはここに、適当なRは、(C3−6)アザシクロアルカンまたは(C3−6)(2−オキソ)アザシクロアルカン環の一部を形成し、rは0または1〜4の整数を示し;または
Arがフェニルである場合、隣接する炭素原子上の2つの置換基がそれらが結合している環と一緒になって、フルオレニル、1,3−ベンゾジオキソリルおよびジヒドロベンゾフリルから選択される二環式または三環式複素環式または炭素環式環系を形成してもよく、そのいずれもがハロゲンまたはオキソによって置換されていてもよく;
Xは−CH−または結合であり;
Yは−NHCO−または結合であり;
Zは脱離基またはイン・サイトゥで脱離基に変換される基である]
その後、その医薬上許容される塩または溶媒和物に変換してもよい、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の製法。

【公開番号】特開2010−132662(P2010−132662A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295790(P2009−295790)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2003−540130(P2003−540130)の分割
【原出願日】平成14年10月30日(2002.10.30)
【出願人】(595047190)スミスクライン ビーチャム ピー エル シー (34)
【Fターム(参考)】