説明

サブフレーム機構および該サブフレーム機構に用いられるゴムマウント

【課題】 自動車の車輪に作用する外力をより正確且つ迅速に検出し得る機構を簡易に実現せしめ得る、新規な構造のサブフレーム機構およびかかるサブフレーム機構に採用され得るサブフレーム用防振装置を提供すること。
【解決手段】 サスペンション部品14と車両ボデー26を弾性的に連結するサブフレーム機構10を構成するサブフレーム12と、車両ボデー26との間に作用する荷重に応じた出力信号を得ることの出来る検出手段46を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に装着されるサブフレーム用防振装置とそれを用いたサブフレーム機構に係り、特に、自動車の走行状態を制御するシステムにおいて制御用の検出信号として利用され得る信号を提供する検出手段を備えたサブフレーム機構および該サブフレーム機構に採用され得るゴムマウントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の走行安定性を向上させるために、ドライバーの操作にメカニズム的な補助を与えてスリップ等の不安定な車体挙動を抑えることが研究されている。具体的には、ブレーキング時における車輪のロックを抑えるアンチロックブレーキングシステム(ABS)が実用化されている他、急加速時における車輪の空転を抑えるトラクション制御,車両の挙動安定化を総合的に制御するビークルスタビリティ制御等の車両制御システムが検討されている。
【0003】
ところで、このような自動車の車両制御は、自動車の走行状態に対応した各種の検出信号を利用して行われることとなり、かかる信号を検出するための一つの機構として、車輪に作用する外力(路面摩擦力,垂直効力)や路面摩擦係数等を検出するための機構が幾つか提案されている。例えば、特許文献1,2,3に記載のものがそれである。
【0004】
【特許文献1】特許第2628444号公報
【特許文献2】特開2001−191767号公報
【特許文献3】特開2002−316502号公報
【0005】
ところが、特許文献1に記載されているように、車軸に孔を設けて歪ゲージを埋め込む構造の機構では、車軸の強度や構造,製作性等を考慮すると実用化が難しく、実際には複数方向で検出するために複数の孔を車軸上に設ける必要があることから、実用化が一層困難であるという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載されているように、タイヤに被検出部を設けて外部からタイヤの変形や回転等をセンシングする構造の機構では、タイヤに付加的に被検出物を設けることでタイヤの性能が低下するおそれがあることに加えて、路面からの石や泥等の飛び跳ねによって損傷し易いという問題があり、また、車輪の回転数は検出容易であるものの、車輪に及ぼされる外力を検出値から演算で求めることが極めて難しいという問題がある。
【0007】
更にまた、特許文献3に記載されているように、リムホイールをディスク部に対して弾性連結して、リムホイールのディスクに対する変位を位置センサ等で検出するようにした構造の機構では、リムホイールをディスク部に対して弾性的に連結する必要があることから車輪自体の剛性が低下して走行安定性に悪影響を及ぼすおそれがある。しかも、タイヤに極めて近い位置にセンサが配設されることから、路面から飛び跳ねた石や泥等によって損傷し易いという問題もある。
【0008】
そこで、本出願人はこのような従来の機構の問題点に鑑みて、先に、特願2003−063584号を出願して、車両ボデーと車輪の間に作用する荷重を検出する検出手段を設けたサスペンション用防振装置を提案した。このようなサスペンション用防振装置は、例えばサスペンションブッシュに対して荷重や変位量の検出用センサを装着することによって実現することが可能であり、それによって、車軸の強度や車輪の剛性,タイヤの性能等に悪影響を及ぼすこともなく、またタイヤの変形等に基づいて荷重検出するよりも高い精度での荷重検出が可能となるのである。
【0009】
ところが、本出願人が更なる実験と検討を加えたところ、かかる先願の発明を採用した機構においても、未だ、改良すべき余地のあることが判明した。
【0010】
すなわち、車輪は複数のサスペンションブッシュを介して車体に取りつけられており、サスペンションブッシュに検出手段を設けると、各サスペンションブッシュに車輪に加わる荷重の分力に対する応答が検出されることとなる。それ故、車輪に作用する外力を検出された信号から推定するためには、各サスペンションブッシュから検出された信号によって算出される分力を元に、合力を車輪に作用する荷重として演算する必要がある。そのために、必要とされる検出位置が多くなって、コスト的に不利となってしまうと共に、演算が難しいという問題があった。
【0011】
また、タイヤの挙動は複雑であると共に、タイヤの挙動に応じてサスペンション部品も比較的に大きく変位してサスペンションブッシュへの荷重入力方向が変化してしまい、場合によってはブッシュ軸方向や軸直角方向だけでなく、ブッシュこじり方向やねじり方向の荷重入力となる場合もあること等から、車輪に作用する外力を推定した演算結果にも比較的に大きな誤差が生ずるおそれがあったのである。
【0012】
さらに、サスペンション部品のアライメント(取付角)によって、サスペンションブッシュの取付角度ひいては荷重入力方向も変化するため、衝撃的な荷重が車輪に作用する等してサスペンション部品のアライメントに狂いが生じると、サスペンションブッシュの荷重検出にも狂いが生じてしまい、車輪に作用する外力の推定に誤差を生じるおそれもあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、自動車の車輪に作用する外力をより正確且つ迅速に検出し得る機構を簡易に実現せしめ得る、新規な構造のサブフレーム機構およびかかるサブフレーム機構に採用され得るゴムマウントを提供することにある。
【0014】
特に、本発明は、自動車の走行安定性を向上させるために採用されるアンチロックブレーキングシステムやトラクション制御、ビークルスタビリティ制御などの車両制御システムにおいて制御用の信号を検出する機構として、そのような車両制御システムの構成要素として好適に採用され得るサブフレーム機構およびかかるサブフレーム機構に採用され得るゴムマウントを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0016】
(サブフレーム機構に関する本発明の第一の態様)
すなわち、サブフレーム機構に関する本発明の第一の態様は、自動車の車両ボデーに対してゴムマウントを介してサブフレームが取り付けられて、該サブフレームに対してロッドやリンク,アーム等のサスペンション部品が組み付けられることにより、該サスペンション部品が該サブフレームを介して該車両ボデーに連結支持せしめられているサブフレーム機構において、前記サブフレームと前記車両ボデーとの間に作用する荷重に応じた出力信号を得ることの出来る検出手段を設けたことを、特徴とする。
【0017】
このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、車輪を車両ボデーに対して懸架する複数のサスペンション部材のそれぞれに作用せしめられる合力を、サブフレームと車両ボデーの間に作用する荷重によって検出することが出来る。それ故、車輪に作用する外力の一部の分力が作用せしめられるに過ぎないサスペンションブッシュへの作用荷重を検出する場合に比して、車輪に作用する外力と直接的な相関性が高いデータを検出することが出来るのであり、目的とする車輪への外力を、より高精度に検出することが可能となる。
【0018】
さらに、サブフレームの部材寸法が十分に大きいため、検出手段の取付けが容易であると共に、その取付位置の設定自由度も大きく確保され得る。
【0019】
更にまた、複数のサスペンション部品の合力がサブフレームと車両ボデーの間に作用する荷重として検出することとなるから、個々のサスペンション部品のアライメントが検出結果に大きな影響を及ぼすこともない。また、サブフレーム自体は、サスペンション部品に比して十分に大型で強度も大きい安定部材であることから、サブフレームの車両ボデーへの取付状態の変化は殆ど問題となることがない。それ故、サスペンション部品のアライメントに狂いが生じた場合においても、目的とする検出精度を安定して保つことが出来るのであり、検出結果の狂いが生じにくく、高い信頼性をもって外力を推定することが可能となる。
【0020】
しかも、サブフレームは、サスペンション部品に比して、車輪から離れた車両ボデー側に装着されている部品であることから、サブフレームに検出手段を装着することにより、かかる検出手段を、車輪から適当に離れた位置に設定することが出来る。それ故、路面から飛び跳ねた石や泥等、或いは路面の凹凸等との干渉に起因する検出手段の損傷が効果的に防止され得て良好な耐久性と信頼性が確保され得る。
【0021】
(サブフレーム機構に関する本発明の第二の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るサブフレーム機構において、前記検出手段が、前記サブフレームにおける車両幅方向の両端部付近の少なくとも各一箇所に設けられていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、特に車輪からの荷重入力に際しての各方向での変位量が、特にサブフレームの車両幅方向両端部付近で大きく生ぜしめられ易いという特性を利用することにより、検出手段による検出結果の精度の一層の向上が図られ得る。
【0022】
(サブフレーム機構に関する本発明の第三の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るサブフレーム機構において、前記検出手段によって得られた出力信号に基づいて、自動車の前後方向と左右方向および上下方向の各方向において自動車の車輪に及ぼされる外力をそれぞれ求める演算手段が設けられたこと、を特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、前後,左右,上下の各方向において自動車の車輪に及ぼされる外力をそれぞれ求めることによって、例えばアンチロックブレーキングシステムやトラクション制御、ビークルスタビリティ制御等の様々な用途に使用することの出来る検出結果を得ることが出来る。
【0023】
(サブフレーム機構に関する本発明の第四の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係るサブフレーム機構において、前記検出手段が、前記サブフレームと前記車両ボデーの一方の側に対して位置固定に取り付けられた永久磁石と、それら該サブフレームと該ボデーの他方の側に対して位置固定に取り付けられたホール素子とを含んで構成されていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、磁場を形成する永久磁石と、ホール効果によって磁場の磁束密度の変化を電気量に変換して出力するホール素子によって、永久磁石とホール素子の相対距離の変化を測定することが出来る。即ち、永久磁石とホール素子の相対距離が変化することによってホール素子で検出される永久磁石の磁場の磁束密度が変化するため、ホール素子が出力する電気量が変動する。そして、永久磁石とホール素子をサブフレーム側と車両ボデー側にそれぞれ装着したことによって、サブフレームと車両ボデーの相対距離の変化を容易に且つ効率よく出力することが出来る。また、検出手段は、多くの場合、屋外で使用される車両に取り付けられるため、赤外線を用いた検出手段等は、泥水等による汚れによって検出が不能になったり、大きな誤差を生じる場合がある。しかしながら、磁場の変化によって変位量を検出する本態様に従えば、汚れなどの影響を受けることなく安定して検出を行うことが可能となる。
【0024】
(サブフレーム機構に関する本発明の第五の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係るサブフレーム機構において、前記検出手段が、前記サブフレームと前記車両ボデーとの相対的な変位量を、それらの軸方向と互いに直交する軸直角方向二方向との合計3方向で検出する相対位置検出手段であることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、軸方向と、互いに直交する軸直角方向二方向で検出することによって、車輪において車両の前後方向と左右方向および上下方向に作用する外力を、確実に検出することが出来る。
【0025】
(サブフレーム機構に関する本発明の第六の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係るサブフレーム機構において、前記検出手段が、前記サブフレームを車両ボデーに対して防振連結せしめる前記ゴムマウントに装着されていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、かかるゴムマウントが、車両ボデーに対するサスペンション部品の取付部位に装着されるものであることから、検出手段の取付部位が車両ボデーに対して固定的に設定され得るのであり、それ故、取付部位の変位による作動の不安定化が問題となることはなく、安定した作動特性が発揮され得る。特に、車輪に検出手段を設ける場合に比して、車輪がロックした状態下でも車輪に及ぼされる外力を継続して検出することが可能であるという利点がある。また、検出手段をゴムマウントに装着したことによって、サブフレームや車両ボデー等の大型部材に特別な改造を要することなく、従来から採用されているサブフレームや車両ボデーをそのまま採用することも可能となり、実用化が一層容易となる。
【0026】
(サブフレーム機構に関する本発明の第七の態様)
また、サブフレーム機構に関する本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係るサブフレーム機構において、前記ゴムマウントが、車両ボデーに固定されるインナ軸部材と、該インナ軸部材の外周側に離隔して外挿状態で配設されて、前記サブフレームに固定されるアウタ筒部材と、それらインナ軸部材とアウタ筒部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の相対的な変位量を検出する相対位置検出手段とを含んで構成されていることを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされたサブフレーム機構においては、車両ボデーに取り付けられるインナ軸部材と、サブフレームに取り付けられるアウタ筒部材との相対的な変位量を検出することによって、実質的にサブフレームと車両ボデーの相対的な変位量を検出することが出来る。また、ゴムマウントに相対位置検出手段を予め設けておくことにより、ゴムマウントのサブフレーム等への装着作業時に特別に相対位置検出手段の取付工程を設ける必要がなく、通常のゴムマウントの装着と略同じ作業によって、相対位置検出手段をサブフレームに取り付けることも可能となる。
【0027】
(ゴムマウントに関する本発明の第一の態様)
一方、ゴムマウントに関する本発明の第一の態様は、サブフレーム機構に関する本発明の前記第七の態様に従う構造とされたサブフレーム機構に用いられるゴムマウントであって、車両ボデーに固定されるインナ軸部材と、該インナ軸部材の外周側に離隔して外挿状態で配設されて、前記サブフレームに固定されるアウタ筒部材と、それらインナ軸部材とアウタ筒部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の相対的な変位量を検出する相対位置検出手段とを有することを、特徴とする。
【0028】
(ゴムマウントに関する本発明の第二の態様)
また、ゴムマウントに関する本発明の第二の態様は、前記ゴムマウントに関する本発明の第一の態様に係るゴムマウントにおいて、前記相対位置検出手段が、前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材の相対的な変位量を、それらの軸方向と互いに直交する軸直角方向二方向との合計3方向で検出することを、特徴とする。
【0029】
(ゴムマウントに関する本発明の第三の態様)
また、ゴムマウントに関する本発明の第三の態様は、前記ゴムマウントに関する本発明の第一又は第二の態様に係るゴムマウントにおいて、前記相対位置検出手段が、前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材の一方に対して位置固定に取り付けられた永久磁石と、それらインナ軸部材とアウタ筒部材の他方に対して位置固定に取り付けられられたホール素子とを含んで構成されていることを、特徴とする。
【0030】
このようなゴムマウントに関する本発明の第一乃至第三の態様の何れかに従う構造とされたゴムマウントを採用することにより、上述の如きサブフレーム機構を有利に実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたサブフレーム機構および該サブフレーム機構に用いるゴムマウントにあっては、サブフレームに着目して車輪に作用する外力の推定を行うことによって、誤差や取付位置や取付角度の狂い等の外的要因に影響されることなく、容易な態様によって高精度且つ確実な推定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0033】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのサブフレーム機構10が示されている。かかるサブフレーム機構10は、サブフレーム12を含んで構成されており、このサブフレーム12を介して、自動車の車両ボデーに対して、ロッドやリンク,アーム等のサスペンション部品14が連結支持されている。
【0034】
かかるサブフレーム12は、高い剛性を備えた鋼材によって形成された、全体として略矩形枠体形状の部材であって、各車輪16を支持するサスペンション部品14がサブフレーム12に取り付けられる一方、サブフレーム12が複数(本実施形態では4つ)のゴムマウントとしてのサブフレームマウント18,18,68,68を介して車両ボデーに取り付けられている。
【0035】
このサブフレームマウント18は、図2,図3に示すように、インナ軸部材としての内筒金具20とアウタ筒部材としての外筒金具22が本体ゴム弾性体24によって弾性連結された構造を有しており、内筒金具20が車両ボデー26に固定されると共に、外筒金具22がブラケット28を介してサブフレーム12に取り付けられる。
【0036】
より詳細には、内筒金具20は、小径の円筒形状を有する剛性材によって形成されており、その内孔30に挿通されるボルトによって、車両ボデー26又はサブフレーム12に対して固着されるようになっている。かかる取付ボルト32はその中央付近より先端部がねじ山の形成されていないロッド部34とされている。また、内筒金具20の下端部には、ストッパ当接部材36が取り付けられている。かかるストッパ当接部材36は、金属製の略円板形状の部材であって、径方向中央部には、取付ボルト32が挿通せしめられるボルト挿通孔が形成されている。
【0037】
一方、外筒金具22は、剛性材によって形成されており、内筒金具20に比して大径とされた薄肉の略円筒形状を有している。また、その下端部が径方向外側に屈曲せしめられており、全周に亘ってアウタフランジ38が形成されている。なお、本実施形態においては、アウタフランジ38の外径寸法とストッパ当接部材36の外径寸法が略同じとされている。
【0038】
そして、内筒金具20の径方向外方に、外筒金具22が略同一軸上で配置されると共に、それら内外筒金具20,22の対向面間に、本体ゴム弾性体24が充填されて、内筒金具20と外筒金具22が弾性的に連結されている。
【0039】
この本体ゴム弾性体24は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その車両前後方向に相当する径方向には、軸方向に貫設された一組の肉抜部40,40が周方向に所定長さで延びて形成されている。また、肉抜部40,40よりも外周側の部分の底面には、全周に亘って延びて、下方に突出する下ストッパゴム42が本体ゴム弾性体24と一体形成されており、下ストッパゴム42がストッパ当接部材36に当接することによって、内筒金具20と外筒金具22の相対変位量を制限するようにされている。
【0040】
そして、かかる本体ゴム弾性体24の内周面が内筒金具20の外周面に加硫接着されると共に、その外周面が外筒金具22の内周面に加硫接着されており、もって、内外筒金具20,22を備えた一体加硫成形品44として形成されている。
【0041】
このようにして形成された一体加硫成形品44に対して、サブフレーム12の変位を計測するための検出手段としての変位センサ46を配設することにより、検出手段を備えたサブフレームマウント18が構成されている。特に、本実施形態においては、図3に示すように、かかる変位センサ46として、ホール素子48,50,52と永久磁石54,56が採用されている。
【0042】
ホール素子48,50,52は、ホール効果に基づいて磁場の強さを検出する際に用いられる素子であって、磁場の大きさに応じた電気量を出力することにより、周囲に形成された磁場の変化を検出するものであり、ゲルマニウム,アンチモン化インジウム,ヒ化インジウムのような半導体薄片が好適に用いられる。
【0043】
かかるホール素子48,50,52は、外筒金具22の内周面において、車両前後方向及び左右方向に相当する方向にホール素子48,50がそれぞれ取り付けられていると共に、径方向の一箇所において、アウタフランジ38の下面にはホール素子52が取り付けられている。
【0044】
そして、ホール素子48,50の取付位置に対して径方向で対向位置する内筒金具20の外周面には、永久磁石54が取り付けられている。更に、ホール素子52の取付位置に対して軸方向で対向位置するストッパ当接部材36の上面には、永久磁石56が取り付けられている。
【0045】
本実施形態において、永久磁石54は、内筒金具20の外周面の略4分の1周に亘って延びており、内筒金具20の下端部外周面に固着せしめられている。また、永久磁石56は、略平板形状でストッパ当接部材36の上面において外周部に取り付けられている。
【0046】
なお、本実施形態においては、サブフレームマウント18の車両ボデー26及びサブフレーム12への取付状態下において、ホール素子48,50,52と永久磁石54,56の対向方向が車両の前後方向と左右方向,上下方向にそれぞれ位置するように、ホール素子48,50,52及び永久磁石54,56が配設されている。
【0047】
ところで、略矩形枠体形状とされたサブフレーム12の4角付近には、サブフレームマウント18,18,68,68を取り付けるマウント取付孔58がそれぞれ形成されており、かかるマウント取付孔58には、全体として略逆カップ形状とされたブラケット28がそれぞれ固設されている。かかるブラケット28の上底部中央には、インナ挿通孔60が貫通形成されていると共に、下端が、サブフレーム12に沿って径方向外方へ屈曲せしめられてフランジ状とされている。
【0048】
かかるブラケット28の上底部の上面には、略円環形状とされた上ストッパ部材62が取り付けられている。上ストッパ部材62は、金属製で略円環板形状を有する支持部材64と、支持部材64の上面に固着形成された上ストッパゴム66によって構成されている。
【0049】
そして、サブフレーム12の4箇所に形成されたマウント取付孔58にそれぞれ取り付けられた4つのブラケット28のうち、車両前方に取り付けられた二つのブラケット28,28に対して、変位センサ46を配設したサブフレームマウント18が圧入されると共に、車両後方の二つのブラケットには、変位センサ46が配設されていないサブフレームマウント68が圧入される。これによって、図2に示されているように、外筒金具22がブラケット28を介してサブフレーム12に固定されると共に、ブラケット28に形成されたインナ挿通孔60に内筒金具20が挿通せしめられて、内孔30に挿通された取付ボルト32におけるロッド部34が、車両ボデー26に突設せしめられたボルト固定部70に圧入され、必要に応じて溶接等されることにより、内筒金具20が車両ボデー26に固定せしめられており、もって、サブフレーム12と車両ボデー26がサブフレームマウント18,18,68,68を介して弾性的に連結されている。
【0050】
ここにおいて、変位センサ46を備えたサブフレームマウント18では、ホール素子48,50,52が固設された内筒金具20及びストッパ当接部材36を車両ボデー26に固定すると共に、永久磁石54,56が固設された外筒金具22をサブフレーム12に固定することにより、ホール素子48,50,52と永久磁石54,56とが、車両の前後,左右,上下の各方向においてそれぞれ互いに対向位置することとなる。それ故、サブフレーム12と車両ボデー26の前後,左右,上下の各方向への相対変位量がホール素子48,50,52と永久磁石54,56によって計測されて、出力される。
【0051】
すなわち、永久磁石54,56によって形成される磁場の磁束密度を、永久磁石54,56にそれぞれ対向位置して配設されたホール素子48,50,52が検出することが出来るようにされており、サブフレーム12と車両ボデー26との相対的な変位がサブフレームマウント18に入力されることによって、サブフレームマウント18の内筒金具20と外筒金具22或いはアウタフランジ38とストッパ当接部材36との相対距離が変化すると、各ホール素子48,50,52で検出される磁束密度が変化することとなり、各ホール素子48,50,52からの出力としての電気量が変化することとなる。かかる検出結果の変化によって、サブフレーム12と車両ボデー26の相対的な変位量を測定することが出来る。
【0052】
このようにして検出されたサブフレーム12と車両ボデー26の相対的変位量は、路面等から車輪16に入力される外力と密接な関係がある。即ち、車輪16に入力される外力は、サスペンション部品14に含まれる複数のサスペンションアーム等を介してサブフレーム12にその合力が作用することとなる。そして、かかる合力の作用の結果、サブフレーム12が車両ボデー26に対して、それらの間に介装されたサブフレームマウント18,18,68,68の変形に基づいて相対変位せしめられる。それ故、かかる外力の作用によって生じる、サブフレーム12と車両ボデー26との相対的な変位量は、車輪16に作用する外力との高い相関性を有するのである。従って、サブフレーム12の車両ボデー26に対する変位の測定結果より、車輪16に作用する外力を推定することが可能となる。以下の(1)〜(2)に、本実施形態において、サブフレーム12と車両ボデー26の相対的変位量の検出値から演算処理によって車輪16に及ぼされる外力を算出する方法の一例を、説明する。
【0053】
(1)先ず、自動車の走行中において、サブフレーム12の左右両端部付近に取り付けられたサブフレームマウント18,18の変位センサ46,46により、図4に示すような、車両前後方向(x方向),車両左右方向(y方向),車両上下方向(z方向)の各方向での相対的な変位量:Dx−LH,Dx−RH,Dy,Dz−LH,Dz−RHを検出する。
(2)次に、演算手段としてのタイヤ外力演算手段により、(1)で求められたサブフレーム12と車両ボデー26の相対変位量:Dx−LH,Dx−RH,Dy,Dz−LH,Dz−RHから、車輪16に及ぼされたx,y,zの各方向での外力:Fx−LH,Fx−RH,Fy,Fz−LH,Fz−RHを求める。なお、タイヤ外力演算手段としては、マイクロプロセッサ等、汎用の演算手段が用いられる。
【0054】
かかる(2)での処理は、予め実測した実験データ等によって得られた作用力と伝達力の相関をとった伝達関数を考慮した演算式を用いて、かかる演算式に実測データ(各変位量の検出値)を代入することによって行うことが出来る。より具体的には、以下のような演算式を用いることが出来る。なお、下式中、係数項や定数項は必要に応じてその値を書き換えることも可能であり、それによって、例えば伝達関数が経時的或いは条件的に変化するような場合にも、より高精度に対応することが可能となる。
【0055】
【数1】

【0056】
そして、このようにして得られた車輪に及ぼされる外力の推定値:Fx−LH,Fx−RH,Fy,Fz−LH,Fz−RHを、アンチロックブレーキングシステムやトラクション制御,ビークルスタビリティ制御等の車両制御システムの制御信号として利用することも可能である。
【0057】
ここにおいて、本実施形態に従う構造とされたサブフレーム機構10においては、サスペンション部品14と車両ボデー26を弾性的に連結支持するサブフレーム12に着目して変位センサ46をサブフレームマウント18に配設した。このサブフレーム12には、サスペンション部品14によって車輪16に作用した外力の合力が荷重として作用するため、サブフレーム12と車両ボデー26との相対的な変位量を検出することにより、車輪16に作用する外力との直接的な相関性が高い検出結果を、高精度で得ることが出来る。
【0058】
また、サブフレーム12の部材寸法が十分に大きいため、サブフレーム12における車両幅方向両端部と車両ボデー26との相対的な変位量が大きくなる。従って、サブフレーム12の幅方向両端部付近に取り付けられたサブフレームマウント18において、サブフレーム12と車両ボデー26との相対的な変位量を検出することにより、僅かな外力の作用に対しても十分な相対変位量を検出することが出来る。それ故、相対変位の検出結果が一層高精度且つ確実なものとなり得る。
【0059】
更にまた、サブフレーム12は、衝撃的な荷重の作用によってもその取付位置や取付角度が変化し難く、安定して初期の取付状態を維持することが出来る。それ故、サブフレーム12と車両ボデー26との相対変位量の検出結果には、経時的な狂いが生じにくく、確実に車輪16に作用する外力の推定を行うことが出来る。
【0060】
また、サブフレームマウント18は、車輪16や路面から適当に離れた位置に取り付けられており、サブフレームマウント18に装着された変位センサ46が、路面から跳ねた石や泥などによって破損したり、検出結果に悪影響を与えたりすることを防ぐことが出来て、優れた耐久性や良好な検出結果の取得を実現できる。しかも、サブフレームマウント18が、車輪16や路面から遠過ぎず、適当な位置に取り付けられていることにより、検出に時間差や誤差が生じ難く、高精度な検出結果を時間遅れなく得ることができ得る。
【0061】
また、本実施形態においては、変位センサ46を備えたサブフレームマウント18が、サブフレーム12における車両前方且つ車両幅方向の両端部に左右一つずつ取り付けられている。それ故、サブフレーム12に対して、ねじりやこじり方向の荷重が作用した場合においても、左右両端部に取り付けられた各サブフレームマウント18,18には、ねじりやこじりといった荷重が作用することはなく、そのような荷重の作用が、検出結果に悪影響を及ぼすおそれを回避することができ得る。
【0062】
さらに、本実施形態においては、変位センサ46をサブフレームマウント18に配設したことによって、サブフレーム12や車両ボデー26に対する特別な取付作業が必要とされず、従来のサブフレーム12の車両への取付工程と同程度の作業によって容易に変位センサ46を車両に取り付けることが出来て、車輪16に加わる外力の推定が可能となる。
【0063】
また、サブフレームマウント18における変位センサ46を、永久磁石54,56とホール素子48,50,52を車両ボデー26側とサブフレーム12側にそれぞれ対向位置するように配設して、永久磁石54,56とホール素子48,50,52の相対距離の変化をホール効果に基づく電気の発生量により検出する構成とした。それ故、サブフレーム12と車両ボデー26の相対距離の変化を容易に且つ効率よく出力することが出来ると共に、屋外で使用される車両に使用した場合においても、汚れ等による検出性能の低下を回避することが出来る。
【0064】
また、車両の前後,左右,上下方向の各方向において車輪16に及ぼされる外力をそれぞれ求めることにより、アンチロックブレーキングシステムやトラクション制御,ビークルスタビリティ制御等、種々の車両制御システムの制御信号として検出結果を用いることが出来る。
【0065】
しかも、前記実施形態においては、例示した演算式からも明らかなように、車輪16に及ぼされる外力を、各車輪毎に独立して推定することが出来る。それ故、サブフレーム機構10によって検出されたデータを、アンチロックブレーキングシステムやトラクション制御,ビークルスタビリティ制御等、種々の車両制御システムの制御信号として適用することにより、時間的な遅れを最小化した、各輪独立の制御が可能となり、制動距離の短縮や危険回避性能の向上を実現でき得る。なお、車両横方向入力となる左右力については、左右両輪の合計値のみが算出されることとなるが、左右力の検出結果は、主として車両の横滑りや回転を防ぐ制御に用いられるため、前後の車輪に作用する左右力の差が車両制御の観点から重要であって、左右の車輪別にデータを得る必要は必ずしもなく、本実施形態の検出結果であっても有効な車両の制御が実現できる。
【0066】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0067】
例えば、前記実施形態では、サブフレームマウント18に変位センサ46を設けた態様を示したが、変位センサ46は、サブフレーム12と車両ボデー26との相対距離の変化を検出できるように配設されていればよく、その設置位置は、前記実施形態のものに何等限定されない。具体的には、例えば、サブフレーム12の上面に永久磁石54,56を固着せしめると共に、車両ボデー26の下面にホール素子48,50,52を固着せしめて、サブフレーム12と車両ボデー26との相対距離の変化を直接検出することも出来る。
【0068】
また、前記実施形態においては、変位センサ46によってサブフレーム12と車両ボデー26の相対距離の変化を検出することにより、車輪16に作用する外力を推定したが、検出手段としては、必ずしも変位を検出する変位センサ46を採用する必要はなく、検出値も変位量である必要は必ずしもない。即ち、車輪16に作用する外力によってサブフレーム12と車両ボデー26の間に作用する荷重に応じた出力信号を得ることが出来ればよく、具体的には、例えば、荷重センサ等を用いて、荷重変化を検出しても良い。また、例えば、加速度センサ等を用いて、サブフレーム12と車両ボデー26との相対的な加速度を検出しても良い。
【0069】
さらに、前記実施形態においては、サブフレーム12の4箇所に配設されたサブフレームマウント18,18,68,68のうち、2つに変位センサ46を設けたサブフレームマウント18を適用した例を示したが、このような変位センサ46を備えたサブフレームマウント18は、幾つ採用しても良い。具体的には、例えば、サブフレームマウント18の車両ボデー26に対する相対変位量を、3点以上のポイントで検出するようにして、検出精度の更なる向上を図ることも可能である。
【0070】
また、前記実施形態では、3つのホール素子48,50,52と各ホール素子48,50,52と対向配置される2つの永久磁石54,56によって、車両前後方向,左右方向,上下方向の3方向でサブフレーム12と車両ボデー26との相対変位量を検出する変位センサ46を構成したが、必ずしも3方向の相対変位量を検出する必要はなく、必要に応じて、例えば、前後方向及び上下方向の2方向だけを検出すること等も出来る。
【0071】
なお、サブフレーム12は、サブフレームマウント18,18,68,68を介して車両ボデー26に防振連結されていることから、一般に車輪16への外力の作用に伴って、サブフレーム12と車両ボデー26との相対変位量は、外力検出に有効な大きさで生ぜしめられることとなる。それ故、変位センサ46によってサブフレーム12と車両ボデー26との相対変位量を高精度に検出することが出来る。
【0072】
前記実施形態においては、一実施形態として車両シャシーのリヤサスペンションに採用されるサブフレーム機構10に対して本発明を適用した例を示したが、本発明は、その他、各種の車両シャシーに採用される種々のサブフレーム機構に対して適用することが可能である。具体的には、例えば、図5に示すようにセミトレーリング式サスペンションに用いられるサブフレーム機構72に適用する等、各種サスペンション形式に適用することも可能であるし、図6に示すように、フロントサスペンションに用いられるサブフレーム機構74に適用することも可能である。なお、図5及び図6では、その理解を容易とするために、前記実施形態と略同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、前記実施形態と同一の符号を付しておく。
【0073】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態としてのサブフレーム機構を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたサブフレーム機構において採用され得るサブフレームマウントの配設状態を示す断面図である。
【図3】図2に示されたサブフレームマウントにおける検出手段の配置を示す底面図である。
【図4】図1に示されたサブフレーム機構において車輪に前後力及び左右力が作用せしめられた際にサブフレームマウントにおいて検出される変位量を説明するための説明図である。
【図5】本発明の別の一実施形態としてのサブフレーム機構を示す斜視図である。
【図6】本発明のまた別の一実施形態としてのサブフレーム機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
10 サブフレーム機構
12 サブフレーム
14 サスペンション部品
16 車輪
18 サブフレームマウント
20 内筒金具
22 外筒金具
24 本体ゴム弾性体
26 車両ボデー
36 ストッパ当接部材
38 アウタフランジ
44 一体加硫成形品
46 変位センサ
48 ホール素子
50 ホール素子
52 ホール素子
54 永久磁石
56 永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車両ボデーに対してゴムマウントを介してサブフレームが取り付けられて、該サブフレームに対してロッドやリンク,アーム等のサスペンション部品が組み付けられることにより、該サスペンション部品が該サブフレームを介して該車両ボデーに連結支持せしめられているサブフレーム機構において、
前記サブフレームと前記車両ボデーとの間に作用する荷重に応じた出力信号を得ることの出来る検出手段を設けたことを特徴とするサブフレーム機構。
【請求項2】
前記検出手段が、前記サブフレームにおける車両幅方向の両端部付近の少なくとも各一箇所に設けられている請求項1に記載のサブフレーム機構。
【請求項3】
前記検出手段によって得られた出力信号に基づいて、自動車の前後方向と左右方向および上下方向の各方向において自動車の車輪に及ぼされる外力をそれぞれ求める演算手段が設けられた請求項1又は2に記載のサブフレーム機構。
【請求項4】
前記検出手段が、
前記サブフレームと前記車両ボデーの一方の側に対して位置固定に取り付けられた永久磁石と、
それら該サブフレームと該ボデーの他方の側に対して位置固定に取り付けられたホール素子と
を含んで構成されている請求項1乃至3の何れかに記載のサブフレーム機構。
【請求項5】
前記検出手段が、前記サブフレームと前記車両ボデーとの相対的な変位量を、それらの軸方向と互いに直交する軸直角方向二方向との合計3方向で検出する相対位置検出手段である請求項1乃至4の何れかに記載のサブフレーム機構。
【請求項6】
前記検出手段が、前記サブフレームを車両ボデーに対して防振連結せしめる前記ゴムマウントに装着されている請求項1乃至5の何れかに記載のサブフレーム機構。
【請求項7】
前記ゴムマウントが、
車両ボデーに固定されるインナ軸部材と、
該インナ軸部材の外周側に離隔して外挿状態で配設されて、前記サブフレームに固定されるアウタ筒部材と、
それらインナ軸部材とアウタ筒部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、
該インナ軸部材と該アウタ筒部材の相対的な変位量を検出する相対位置検出手段と
を含んで構成されている請求項6に記載のサブフレーム機構。
【請求項8】
請求項7に記載のサブフレーム機構に用いられるゴムマウントであって、
車両ボデーに固定されるインナ軸部材と、
該インナ軸部材の外周側に離隔して外挿状態で配設されて、前記サブフレームに固定されるアウタ筒部材と、
それらインナ軸部材とアウタ筒部材を弾性的に連結する本体ゴム弾性体と、
該インナ軸部材と該アウタ筒部材の相対的な変位量を検出する相対位置検出手段と
を有することを特徴とするゴムマウント。
【請求項9】
前記相対位置検出手段が、
前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材の相対的な変位量を、それらの軸方向と互いに直交する軸直角方向二方向との合計3方向で検出する請求項8に記載のゴムマウント。
【請求項10】
前記相対位置検出手段が、
前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材の一方に対して位置固定に取り付けられた永久磁石と、
それらインナ軸部材とアウタ筒部材の他方に対して位置固定に取り付けられられたホール素子と
を含んで構成されている請求項8又は9に記載のゴムマウント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−76433(P2006−76433A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262429(P2004−262429)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】