説明

スイッチング素子の駆動回路

【課題】dv/dt耐量を満足するレベルシフト回路を提供し、高信頼性のインバータ回路を提供すること。
【解決手段】主電源23の両端に、上アーム232のスイッチング素子IGBT24及び下アーム233のスイッチング素子であるIGBT25が、トーテムポール接続され、ハーフブリッジを構成している。上アーム232のIGBT24を駆動制御する駆動回路のパルス発生回路31はパルス状のオン、オフ信号を発生させ、レベルシフト用の高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のゲート電極に与えられる。高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のドレイン電極はそれぞれレベルシフト用抵抗34及び35の一方端に接続されるとともに、抵抗34と高耐圧nMOS33,抵抗35と高耐圧nMOS32の接続点の電位は、それぞれセット用の差分回路11及びリセット用の差分回路12に入力され正規の信号レベルか否かを判断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力半導体スイッチング素子の駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
主電源端子間に接続される低圧側ア−ム(以下下アームという)へ、第1のスイッチング素子を、高圧側アーム(以下、上ア−ムという)へ第2のスイッチング素子をそれぞれ配置し、第1及び第2のスイッチング素子をト−テムポ−ル接続(直列接続)したインバ−タ装置は良く知られている。
【0003】
このような装置においては、上アームに接続される第2のスイッチング素子は、基準電位に対して電位的に浮動の状態で駆動され、その駆動回路には、トランスによって外部と絶縁された電源が用いられる。また、低圧側回路から高圧側回路へ駆動信号を伝達するには、浮動電位の状態においても信号伝達が可能なレベルシフト(以下、昇圧レベルシフトという)装置が必要である。
【0004】
一方、高圧側回路から低圧側回路へ信号伝達を行なうレベルシフトを降圧レベルシフトと呼んでいる。これらを内蔵した集積回路(IC)は、一般的にゲートドライバICと呼ばれている。このような昇圧レベルシフト回路は、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−172366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図3は、特許文献1の図2に示された従来技術の半導体装置の駆動回路構成を示す回路図である。図3において、主電源23の両端に、上アーム232のスイッチング素子であるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)24及び下アーム233のスイッチング素子であるIGBT25が、トーテムポール接続(直列接続)され、ハーフブリッジを構成している。主電源23の陰極側は接地電位になっている。
【0007】
IGBT24及びIGBT25には、フリーホイールダイオード26及び27が逆並列接続されている。そして、IGBT24とIGBT25との接続点251には負荷(モータなどの誘導性負荷)28が接続される。
【0008】
上アーム232のIGBT24は、上アーム232と下アーム233との接続点251の電位を基準電位として、スイッチング動作する。上アーム用の駆動回路、保護回路39に電力を供給する上アーム用制御電源21は、図示しないトランスによって外部と絶縁されている。
【0009】
下アーム233のIGBT25は、接地電位を基準電位としてスイッチング動作する。
下アーム用の駆動回路、保護回路40は、トランスによって外部と絶縁された下アーム用制御電源22に接続されている。
【0010】
次に、上アーム232のIGBT24を駆動する回路について説明する。パルス発生回路31は、外部に設けられたマイクロコンピュータ(図示しない)などから与えられる入力信号に応じて、パルス状のオン、オフ信号を発生させる。その2つの出力端子は、レベルシフト用の高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のゲート電極へそれぞれ接続されている。
【0011】
高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のドレイン電極はそれぞれ、抵抗35および34の一方の端部に接続されるとともに、インバータ回路41および45の入力側にも接続されている。抵抗34および35には、並列にツェナーダイオード36,37が接続されている。
【0012】
インバータ回路41,45の出力は、さらにインバータ回路42,46を経て、抵抗43,47,キャパシタ44,48で構成されるフィルタを介してフリップフロップ回路38のセット(S)入力及びリセット(R)入力に接続されている。フリップフロップ回路38の出力(Q)は、駆動回路・保護回路39に接続される。上アーム232のIGBT24は、この駆動回路・保護回路39により駆動される。
【0013】
このような上アーム232の駆動回路では、下アーム233のIGBT25のスイッチング動作により、上アーム232のIGBT24は、下アーム233のIGBT25との接続点251の電位を基準電位として(上アーム232の制御電源21の基準電位)、0Vから主電源23の定格電圧以上まで、急激に変化する。
【0014】
高耐圧nMOS32、及び33のドレイン−ソース間には寄生静電容量Cが存在するので、特に速いdv/dt過渡信号が発生すると、寄生静電容量Cとdv/dt過渡信号との乗算で得られる電流(以後dv/dt電流と呼称する)が、高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33に同時に流れる。
【0015】
高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33に流れるdv/dt電流は、通常のスイッチング時に流れる電流と同レベルであり、抵抗34および35に同時に電圧降下が生じる。このために、フリップフロップ回路38のセット入力およびリセット入力に、同時にセット信号、リセット信号が与えられることになる。
【0016】
一般に、フリップフロップ回路38のセット入力およびリセット入力には、同時にセット信号、リセット解除信号を入力するのは禁止されており、予測のつかない動作、つまり誤動作を発生させることになる。
【0017】
このような誤動作を防止するためにdv/dt過渡信号による抵抗34及び35の電圧降下とパルス発生回路31からの信号による電圧降下を区別できるように抵抗34及び35の抵抗値と、インバータ41及び42の初段の閾値を設定すればよいが非常に高精度の設定が必要となり、その誤動作防止能力にも限界がある。特許文献1には、高dv/dtの場合には、抵抗43及び47、コンデンサ44及び48で構成するパルスフィルタによって、dv/dtの誤動作対策を施すことが示唆されている。
【0018】
特許文献1に示すように、抵抗43及び47、コンデンサ44及び48で構成するパルスフィルタによって、dv/dtの誤動作対策を施しているが、このパルスフィルタでは、抵抗43及びコンデンサ44で決まる時定数よりもノイズ幅が小さいときにだけ、除去可能である。
【0019】
この構成によれば、高いdv/dt過渡特性については、過渡時間が短く、誤動作対策は可能である。しかし、低いdv/dt過渡特性、すなわち過渡時間が抵抗43及びコンデンサ44で決まる時定数より大きい場合には、誤動作防止能力にも限界がある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のスイッチング素子の駆動回路は、主電源端子間に直列に接続された第1及び第2スイッチング素子と、第1スイッチング素子の接地側電位を基準とする第1制御電源と、第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする第2制御電源と、第1スイッチング素子の電位を基準電位として、セットパルス信号及びリセットパルスを発生するパルス発生器と、セットパルス信号及びリセットパルス信号を、第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする電位側へレベルシフトし、そのセットパルス信号及びリセットパルス信号をフリップフロップに供給し、第2のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するレベルシフト装置とを備え、
レベルシフト装置は、第1および第2のスイッチング素子の接続点の電位を基準電位とする電位側へレベルシフトされた、セットパルス信号及びリセットパルス信号の差分を出力する差分回路と、差分回路の出力を積分する積分回路と、積分回路の出力である積分値が設定値以上のときに、正規のオン・オフ状態を制御する制御信号として第2スイッチング素子のゲートへ伝達する比較回路を備える。
【0021】
またレベルシフト装置は、スイッチング素子と抵抗がそれぞれ直列接続されたセットパルス信号用及びリセットパルス信号用のレベルシフト回路を備え、差分回路は、レベルシフト回路のスイッチング素子と抵抗との接続点の電位を入力とするのがよい。
【0022】
本発明のスイッチング素子の駆動回路は、主電源端子間に直列に接続された第1及び第2スイッチング素子と、第1スイッチング素子の接地側電位を基準とする第1制御電源と、第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする第2制御電源と、第1スイッチング素子の接地電位を基準電位として、セットパルス信号及びリセットパルスを発生するパルス発生器と、セットパルス信号及びリセットパルス信号を、第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする電位側へレベルシフトし、そのセットパルス信号及びリセットパルス信号をフリップフロップに供給し、第2のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するレベルシフト装置とを備え、
レベルシフト装置は、スイッチング素子と抵抗が直列接続されたレベルシフト回路と、第1および第2スイッチング素子の接続点の電位を基準電位とする電位側へレベルシフトされた、セットパルス信号及びリセットパルス信号の差分を出力する差分回路と、差分回路の出力を積分する積分回路と、積分回路の出力である積分値が設定値以上のときに、正規のオン・オフ状態を制御する制御信号として第2スイッチング素子のゲートへ伝達する比較回路を備え、差分回路は、レベルシフト回路のスイッチング素子と抵抗との接続点の電位を入力とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、dv/dt耐量を向上することによってレベルシフト回路の高信頼化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例の回路ブロック図である。
【図2】本発明の実施形例のレベルシフト回路部の詳細図である。
【図3】従来技術の回路ブロック図である。
【図4】比較例と本発明の実施例との信号波形を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態例を、以下図面を使用して詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、実施例である電力半導体スイッチング素子の駆動用半導体装置であるドライバIC30の駆動回路を示すブロックダイアグラムである。主電源23の両端に、上アーム232の電力半導体スイッチング素子である(以下スイッチング素子と略称する)IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)24及び下アーム233のスイッチング素子であるIGBT25が、トーテムポール接続され、ハーフブリッジを構成している。主電源23の陰極側は接地されている。
【0027】
IGBT24及びIGBT25には、フリーホイールダイオード26及び27が逆並列接続されている。そして、IGBT24とIGBT25との接続点251には負荷(モータなどの誘導性負荷)28が接続されている。
【0028】
上アーム232のIGBT24は、下アーム233のIGBT25との接続点251の電位を基準電位として、スイッチング動作する素子であり、上アーム用の駆動回路、保護回路39の電源は、トランスによって絶縁された上アーム用制御電源21が用いられる。
したがって、上アーム用制御電源21の基準電位は、接続点251の電位である。
【0029】
また、下アーム233のIGBT25は、接地電位を基準電位として、スイッチング動作する素子であり、下アーム用の駆動回路、保護回路40へ電源を供給する下アーム用制御電源22は、トランスによって絶縁されている。したがって、下アーム用制御電源22の基準電位は、接地電位である。
【0030】
次に、上アーム232のIGBT24を駆動制御する駆動回路について説明する。パルス発生回路31は、外部に設けられたマイクロコンピュータなどから与えられる入力信号に応じて、パルス状のオン、オフ信号を発生させる。その2つの出力は、レベルシフト用の高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のゲート電極に与えられる。
【0031】
高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33のドレイン電極はそれぞれレベルシフト用抵抗34及び35の一方端に接続されるとともに、抵抗34と高耐圧nMOS33,抵抗35と高耐圧nMOS32の接続点の電位は、それぞれセット用の差分回路11及びリセット用の差分回路12に入力される。
【0032】
この差分回路11,12では、セット信号とリセット信号の差分を出力し、正常信号に対しては、次段のセット用積分回路13、及びリセット用積分回路14により積分される。さらに次段のセット用比較回路15、及びリセット用比較回路16において、正規の信号レベルと判断し、正常信号を出力し、フリップフロップ回路38のセット(S)入力及びリセット(R)に、信号入力する。
【0033】
上記フリップフロップ回路38の出力(Q)は、駆動回路・保護回路39に接続され、この駆動回路・保護回路39により、上アーム232のIGBT26を駆動している。なお、本実施例では図1のドライバIC30は、パルス発生回路31,レベルシフト回路、比較回路15、フリップフロップ回路38,駆動回路29が同じシリコン半導体基板の上に形成されている。さらに、IGBT24,IGBT25も同じシリコン半導体基板上に形成することも可能である。
【0034】
図2は、図1に示した実施例のレベルシフト回路部の詳細を示す回路図の一例である。
差分回路11,12は、それぞれオペアンプ510、511、入力抵抗512,513,514,515,基準抵抗516,517、帰還抵抗541,542を備えている。
【0035】
積分回路13,14は、オペアンプ55、入力抵抗552、553、帰還抵抗554,555、帰還抵抗554,555と並列接続された積分用コンデンサ556,557を備えている。オペアンプ550,551の正入力端子には、基準電位558,559が与えられている。
【0036】
比較回路15,16は、オペアンプ630,631を備え、その一方の入力端には基準電圧633,634が供給される。オペアンプ631,632の出力は、それぞれ図1に示したフリップフロップ回路38へセット信号、リセット信号として与えられる。
【0037】
図1の高耐圧nMOS32、及び33のドレイン−ソース間には寄生静電容量Cが存在する。下アームのIGBT25のスイッチング動作により、上アーム232のIGBT24と、下アーム233のIGBT25との接続点251の電位を基準電位(上アームの制御電源21の基準電位)が、短時間で急激に変化するdv/dt過渡信号が発生する。
【0038】
そのために、寄生静電容量Cとdv/dt過渡信号との乗算で得られる電流(以後dv/dt電流と呼ぶ)が、高耐圧nMOS32、及び高耐圧nMOS33に同時に流れ、抵抗34および35に同じレベルの電圧降下を発生する。
【0039】
しかしながら、セット用の差分回路11、及びリセット用の差分回路12では、上記のように、同時に流れる電流によって発生する電圧の差分を取っているため、差分回路11,12の出力はほぼ零になる。
【0040】
このため、フリップフロップ回路38のセット入力及びリセットに、同時に信号入力することがなくなり、予測のつかない動作、つまり誤動作を発生させることが防止でき、dv/dt耐量の高いレベルシフト回路を達成することができる。
【0041】
図4(A)は、比較例の信号波形の変化を示す図である。(a)は、入力信号、(b)は、高耐圧nMOS33の出力波形、(c)は、高耐圧nMOS32の出力波形、(d)、(e)は、インバータ41,45の出力波形、(f)、(g)は、セットパルス、リセットパルス波形、(h)は、IGBT24のゲート制御端子に与えられるゲート信号の波形である。図4(A)に示すように侵入した雑音がセット信号、リセット信号に含まれていることが明らかである。
【0042】
図4(B)は、本実施例における信号波形の変化を示す図である。(j)は、入力信号、(k)は、高耐圧nMOS33の出力波形、(l)は、高耐圧nMOS33の出力波形、(m)、(n)は、差分回路11,12の出力波形、(0)、(p)は、積分回路13,14の出力波形、(q)は、駆動回路・保護回路39によりIGBT24へ与えられる駆動信号の波形である。(o)、(p)に示す波形は、比較回路15,16が、積分回路13,14の出力が設定した値を越えたときセット信号、リセット信号をフリップフロップ38へ与えることを示している。本実施例では侵入した雑音が除去されていることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、誤動作を引き起こす可能性を低くすることができるので広い範囲の電源回路に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
11、12…差分回路、13、14…積分回路、15、16…比較回路、21…上アーム用制御電源、22…下アーム用制御電源、23…主電源電圧、232…上アーム、233…下アーム、24…上アームIGBT、25…下アームIGBT、26…上アームフリーホイルダイオード、27…下アームフリーホイルダイオード、28…負荷、30…ドライバIC、31…パルス発生回路、32、33…高耐圧nMOS、34、35…レベルシフトアップ用抵抗、36、37…ツェナーダイオード、38…フリップフロップ、39…上アーム用駆動回路・保護回路、40…下アーム用駆動回路・保護回路、41、42、45、46…インバータ、43、47…フィルタ用抵抗、44、48…フィルタ用コンデンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源端子間に直列に接続された第1及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子の接地側電位を基準とする第1制御電源と、前記第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする第2制御電源と、前記第1スイッチング素子の電位を基準電位として、セットパルス信号及びリセットパルスを発生するパルス発生器と、前記セットパルス信号及びリセットパルス信号を、前記第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする電位側へレベルシフトし、そのセットパルス信号及びリセットパルス信号をフリップフロップに供給し、前記第2のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するレベルシフト装置とを備えるスイッチング素子の駆動回路において、
前記レベルシフト装置は、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点の電位を基準電位とする電位側へレベルシフトされた、セットパルス信号及びリセットパルス信号の差分を出力する差分回路と、前記差分回路の出力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力である積分値が設定値以上のときに、正規のオン・オフ状態を制御する制御信号として前記第2スイッチング素子のゲートへ伝達する比較回路を備えることを特徴とするスイッチング素子の駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載したスイッチング素子の駆動回路において、前記レベルシフト装置は、スイッチング素子と抵抗がそれぞれ直列接続されたセットパルス信号用及びリセットパルス信号用のレベルシフト回路を備え、前記差分回路は、前記レベルシフト回路のスイッチング素子と抵抗との接続点の電位を入力とするスイッチング素子の駆動回路。
【請求項3】
主電源端子間に直列に接続された第1及び第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子の接地側電位を基準とする第1制御電源と、前記第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする第2制御電源と、前記第1スイッチング素子の接地電位を基準電位として、セットパルス信号及びリセットパルスを発生するパルス発生器と、前記セットパルス信号及びリセットパルス信号を、前記第1及び第2スイッチング素子の接続点電位を基準電位とする電位側へレベルシフトし、そのセットパルス信号及びリセットパルス信号をフリップフロップに供給し、前記第2のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するレベルシフト装置とを備えるスイッチング素子の駆動回路において、
前記レベルシフト装置は、スイッチング素子と抵抗が直列接続されたレベルシフト回路と、前記第1および第2スイッチング素子の接続点の電位を基準電位とする電位側へレベルシフトされた、セットパルス信号及びリセットパルス信号の差分を出力する差分回路と、前記差分回路の出力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力である積分値が設定値以上のときに、正規のオン・オフ状態を制御する制御信号として前記第2スイッチング素子のゲートへ伝達する比較回路を備え、前記差分回路は、前記レベルシフト回路のスイッチング素子と抵抗との接続点の電位を入力とするスイッチング素子の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−94020(P2010−94020A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272998(P2009−272998)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【分割の表示】特願2004−113026(P2004−113026)の分割
【原出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】