説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】案内経路中における注意要因あるいは注意事象を示した運転支援に関連する情報を運転者に対して通知することができるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置100の制御回路190は、案内経路上の各リンクの走行予定時刻を算出し(ステップS10)、情報提供装置200に対する運転支援関連情報の送信要求として、各リンクの始端・終端ノード座標の情報と、各リンクの走行予定時刻の情報とを含む送信要求情報を情報提供装置200へ送信する(ステップS40)。情報提供装置200では、送信要求情報に対応した運転支援関連情報を選択し(ステップS120)、選択した運転支援関連情報をナビゲーション装置100に送信する(ステップS130)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報を通知するナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者に対して種々の情報を提供するナビゲーション装置として、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。これは、VICS(Vehicle Information and Communication System)と称される道路交通情報通信システムセンタが運営する交通情報提供サービスによって渋滞情報、交通規制情報等の交通情報を取得し、設定された案内経路上に渋滞や事故が認められる場合には、その旨を通知するとともに、自動的に迂回経路の探索をするものである。
【0003】
従って、運転者は案内経路上の渋滞区間や交通規制区間等の交通情報を事前に把握することができる。これにより、迂回経路の探索を行ったり、走行時間をずらしたりというように運行上の対応について事前に検討することができる。
【特許文献1】特開平10−269496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のナビゲーション装置において、目的地までの案内経路が設定されるのは、その目的地までの経路を走行したことがない場合や、過去に数回の走行経験しかない場合が多い。従って、運転者は設定された案内経路中の道路の状況を把握していない場合が多い。従って、運転者にとっては未知の道路を走行することとなるため、安全上、案内経路を走行する前に、この経路を直行する際の注意要因あるいは注意事象をさらに把握し、運転上の対応を事前に検討したいという要望がある。
【0005】
また、道路環境や、各道路の状況は日々変化するので、案内経路を設定していない場合であっても、各道路を走行する際の注意要因あるいは注意事象が把握できれば安全性の向上に寄与できる場合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両が走行する可能性のある走行エリアにおける注意要因/注意事象を運転者に対して通知することができるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、車両に搭載されるナビゲーション装置と外部局に設けられる情報提供装置とが通信接続されるナビゲーションシステムであって、情報提供装置は、ナビゲーション装置との間で通信を行なう外部局通信手段と、走行エリアにおける注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援に関する情報(運転支援関連情報)を保有する運転支援データベース手段と、ナビゲーション装置からの送信要求に応じて運転支援関連情報を送信する外部局制御手段とを備え、ナビゲーション装置は、情報提供装置との間で通信を行なうナビ通信手段と、情報提供装置に対して車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段が取得した運転支援関連情報を画像表示又は/及び音声案内により通知する通知手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、走行する可能性のある走行エリアにおける注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援関連情報を運転者に通知することができるため、運転者は、各走行地点/各走行区間の注意要因/注意事象への対処が容易となる。
【0009】
請求項2の発明では、車両の現在位置を検出する位置検出手段を備え、情報取得手段は、車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、車両の現在位置の周辺領域における運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明によれば、運転者に対して自車の現在位置周辺の運転支援関連情報を把握させることができる。従って、例えば、運転者の運転技術等の観点から安全に走行することができる道路を選択したり、あるいは、運転時の負担がより少ない道路を選択することができる。
【0011】
請求項3の発明では、出発地から前記目的地までの案内経路を設定する経路設定手段とを備え、情報取得手段は、車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、案内経路における運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明によれば、案内経路における注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援関連情報を運転者に通知することができるため、運転者は、案内経路中における注意要因/注意事象への対処を事前に検討することができる。
【0013】
請求項4の発明では、案内経路の走行予定時刻を算出する時刻算出手段を備え、情報取得手段は、案内経路の走行予定時刻における運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得することを特徴としている。
【0014】
時刻によって注意要因あるいは注意事象が変わったり、あるいは、これらが発生・消滅する場合には、車両が案内経路を走行する時刻に応じた運転支援関連情報を運転者に対して通知する必要がある。本構成では、案内経路の走行予定時刻における運転支援関連情報を取得するようにしているから、実際の経路走行中において必要となる注意要因/注意事象を確実に通知することができる。
【0015】
請求項5の発明では、情報取得手段は、運転支援関連情報の一種として、安全運転に関連する情報の送信要求を行うことを特徴としている。これによれば、安全運転の観点に基づいた注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者の安全運転意識を喚起することができる。
【0016】
請求項6の発明では、情報取得手段は、運転支援関連情報の一種として、道路状況に関連する情報の送信要求を行うことを特徴としている。これによれば、道路状況における注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者は道路状況に応じた対処を事前に検討することができる。
【0017】
請求項7の発明では、情報取得手段は、運転支援関連情報の一種として、地域事情に関連する情報の送信要求を行うことを特徴としている。これによれば、地域事情における注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者に対して地域事情に応じた対処を事前に検討することができる。
【0018】
請求項8の発明では、通知すべき運転支援関連情報の種類を利用者により設定可能な設定手段を備え、情報取得手段は、設定手段の設定結果に応じた種類の運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴としている。これによれば、利用者が必要とする(必要と思う)種類の運転支援関連情報を取得することができる。
【0019】
請求項9の発明では、運転支援関連情報の内容を示したシンボルマーク情報を記憶する記憶手段を備え、通知手段は、情報取得手段が取得した運転支援関連情報に対応するシンボルマークを画像表示することを特徴としている。このように、運転支援関連情報の内容をシンボルマークとして画像表示しているため、運転者にとってはその内容をより把握し易いものとなる。
【0020】
尚、請求項9から請求項18は、請求項1から請求項9に記載のナビゲーションシステムを備えるナビゲーション装置に関する発明であり、その作用効果は請求項1から請求項9と同一であるため、説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明を車両に搭載されるナビゲーション装置100と外部局に設けられる情報提供装置200とからなるナビゲーションシステムに関する。
【0022】
ナビゲーション装置100は、図1に示すように、位置検出器110、地図データ入力器120、操作デバイス130、送受信機140、記憶装置150、表示装置160、音声出力装置170、リモコンセンサ180及び制御回路190を備える。
【0023】
位置検出器110は、何れも周知である、衛星からのGPS信号に基づいて車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機110a、ジャイロスコープ110b、距離センサ110c、及び地磁気センサ110dから構成される。これらのセンサは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器1を上述した内の一部で構成してもよく、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
【0024】
地図データ入力器120は、道路データ、索引データ、描画データ等によって構成される地図データを入力するための装置であり、制御回路190からの要請により各種データを送信する。これら各種データを記憶する記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等の書き込み可能な記憶媒体を採用してもよい。ここで、道路データを構成するリンクデータとノードデータについて説明する。
【0025】
ノードデータは、地図上の各道路が交差・分岐・合流するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標(緯度・経度)、ノードコスト、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID等の各データから構成される。
【0026】
一方、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する地点等の複数のノードにて分割し、それぞれのノード間をリンクとして規定されるものである。リンクデータは、リンク毎の固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、リンク旅行時間、リンクコスト等の各データから構成される。
【0027】
操作デバイス130は、例えば、表示装置160と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、表示装置160の画面に表示される地図のスクロール操作や文字入力等の各種入力に使用される。
【0028】
ナビ通信手段である送受信機140は、情報提供装置20などとの間で行なう通信に用いるものであり、制御回路190から出力された信号を無線信号として、例えば情報提供装置200へ送信する送信機能と、情報提供装置200からの無線信号を受信して制御回路190に出力する受信機能とを有する。なお、送受信機5は、例えばVICS情報を受信する機能を備えるようにしても良い。
【0029】
記憶装置150は、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリにより構成されており、運転支援関連情報の内容を示したシンボルマーク情報及びメッセージ情報を記憶している。尚、運転支援関連情報については後述する。
【0030】
表示装置160は、例えば液晶ディスプレイによって構成され、このディスプレイ上には位置検出器110から入力された自車両の現在位置に対応する自車両位置マークと、地図データ入力器120より入力された地図データによって生成される自車両周辺の道路地図を表示することができる。また、音声出力装置170は、図示しないスピーカを備えており、制御回路190によって生成された合成音声や喚起音を出力する。
【0031】
リモコンセンサ180は、操作デバイス130のかわりに操作信号を制御回路190に入力するためのものであり、赤外線受信部などを備える。このリモコンセンサ180は、リモコン185から送信される赤外線信号を受信すると、受信した赤外線信号に応じてナビゲーション装置100が実行する現在位置から目的地までの案内経路の設定などの機能に対応付けられた操作信号を制御回路190に入力する。
【0032】
制御回路190は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周辺のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示せず)が備えられている。ROMには、カーナビゲーション装置100が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0033】
具体的には、操作デバイス130あるいはリモコンセンサ180から目的地の設定及びルート探索指示を示す操作信号が制御回路190に入力されると、制御回路190は、地図データを用いて現在位置から目的地までの案内経路の設定を行う。
【0034】
案内経路を設定する場合、現在位置から設定された目的地までの経路を形成するノードデータ、リンクデータに付与されたコストを用いてダイクストラ法などにより経路コスト計算する。そして、目的地までの全ての経路コストの計算が終了すると、経路コストが最小となるリンクを接続して現在位置から目的地までの案内経路を設定する。
【0035】
案内経路を設定した後、情報提供装置200に運転支援関連情報の送信要求を行い、受信した運転支援関連情報に対応するシンボルマーク、メッセージを表示装置160に表示し、又はメッセージを音声出力装置170により音声案内する。なお、運転支援関連情報の受信・通知に関しては後に詳述する。
【0036】
一方、情報提供装置200は、ナビゲーション装置100に対して運転支援関連情報を提供するものであり、図2に示すように、制御部21、送受信機22、及び記憶部23から構成されている。
【0037】
制御部210は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周辺のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(何れも図示せず)が備えられている。ROMには、この情報提供装置200が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0038】
送受信機220は、ナビゲーション装置100との間で行なう通信に用いるものであり、制御部210から出力された信号を無線信号として、ナビゲーション装置100へ送信する送信機能と、ナビゲーション装置100からの無線信号を受信して制御部210に出力する受信機能とを有する。
【0039】
記憶部230は、例えばCD−ROM、DVD−ROM、又はハードディスクから構成されており、走行エリアにおける注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援関連情報の集合である運転支援データベースを保有している。この運転支援データベースは、安全運転関連テーブル、道路状況関連テーブル及び地域事情関連テーブルに分類されており、各テーブルが保持するレコードには、走行地点の座標/走行区間の始端・終端座標、発生時刻、及び注意要因/注意事象の各項目が示されている。即ち、これらのレコードは、走行エリアにおいて注意要因/注意事象が発生する時刻を示したものである。
【0040】
これらのレコードのうち、注意要因/注意事象が特定の月日あるいは曜日に発生する場合には、発生時刻に月日及び曜日をも追加する。また、発生時刻に示す月日、曜日、及び時刻は、特定の月日、曜日、及び時刻に限らず、例えば、12月〜2月、月曜日〜金曜日、12時〜3時といったように、これらの範囲を示したものであっても良い。
【0041】
ここで、安全運転関連テーブルは、例えば、事故多発情報、わき見注意情報、路面凍結情報等の安全運転の観点に基づく注意要因/注意事象を示した安全運転関連情報群からなる。また、道路状況関連テーブルは、例えば狭路情報、工事情報等の道路状況における注意要因/注意事象を示した道路状況関連情報群からなる。また、地域事情関連テーブルは、例えば、スクールゾーン情報、地域イベント情報等の地域上の注意要因/注意事象を示した地域事情関連情報群からなる。尚、図3には、運転支援関連情報として、安全運転関連テーブルの内容を示している。
【0042】
本実施形態の構成は以上であり、続いてその動作について説明する。ナビゲーション装置100の制御回路190は、案内経路が設定されると、この案内経路上の各リンクの走行予定時刻を算出する(ステップS10)。ここで、各リンクにおける走行予定時刻は、例えば、リンクへの進入時刻、リンクからの退出時刻、あるいは、リンク中心への到達時刻等にを算出することができる。
【0043】
そして、運転支援関連情報を構成する安全運転関連情報、道路状況関連情報、及び地域事情情報のうちずれの情報取得を要望するかを表示装置160にて表示し、利用者の操作デバイス130又はリモコン185による情報選択を要求する(ステップS20)。
【0044】
ここで、いずれかの情報が選択された場合には(ステップS30でYes)、情報提供装置200に対する運転支援関連情報の送信要求として、選択された情報の種別情報と、各リンクの始端・終端ノード座標の情報と、各リンクの走行予定時刻の情報とからなる送信要求情報を送受信機5を介して情報提供装置200へ送信する(ステップS40)。尚、送信要求情報は図4に示すようである。
いずれの情報も選択されなかった場合には(ステップS30でNo)、当該処理を終了する。
【0045】
一方、情報提供装置200では、ナビゲーション装置100からの送信要求情報を受信すると(ステップS110)、ナビゲーション装置100から運転支援関連情報の送信要求がなされたとみなして、この送信要求に対応した運転支援関連情報を選択する(ステップS120)。
【0046】
運転支援関連情報の選択は、以下のようにして行う。まず、ナビゲーション装置100からの送信要求情報に含まれている種類情報と一致するテーブルを選択する。そして、選択したテーブル内において、送信要求情報に含まれている各リンクの始端及び終端ノード座標が走行区間の座標と一致あるいは始端及び終端ノード座標に走行地点の座標が含まれ、かつ、走行予定時刻が発生時刻と一致あるいは走行予定時刻が発生時刻内に含まれるレコードを選択するのである。
【0047】
そして、選択したレコード内の走行エリアの座標、発生時刻、及び注意要因/注意事象の内容を示した運転支援関連情報をナビゲーション装置100に送信する(ステップS130)。
【0048】
ナビゲーション装置100では、情報提供装置200からの運転支援関連情報を受信し(ステップS50)、この運転支援関連情報に対応するシンボルマーク情報/メッセージ情報を読み出して、表示装置160に表示された地図画像の上にシンボルマーク/メッセージを重ねて表示する(ステップS60)。
【0049】
運転支援関連情報の表示態様は、図6に示すように、表示装置160の画面に表示された地図画像300の中の案内経路Pにおいて、運転支援関連情報が存在する走行エリアをメッシュ画像310を重畳表示し、さらに、各運転支援関連情報の内容を示したシンボルマーク320/メッセージ画像330A〜330Cを各メッシュ画像310に対応する表示枠340の中に表示するようにしている。また、必要に応じて、音声出力装置170を用いて音声案内するようにしてもよい。尚、図6では、地図画像中に、狭路区間を示すシンボル320/メッセージ画像330A、事故多発地点を示すメッセージ画像330B、及びスクールゾーンを示すメッセージ画像330Cが表示されている。
【0050】
尚、運転支援関連情報の取得に際して、案内経路中におけるすべての運転支援関連情報を記憶するための記憶容量が確保されていないときには、記憶可能な分だけこの情報を記憶しておき、経路通過後には、この通過経路に対応する運転支援関連情報を消去して、再度運転支援関連情報の送信要求を行なうようにする。
【0051】
本実施形態によれば、案内経路における運転支援関連情報を取得し、これを運転者に通知することができるため、運転者に対して、案内経路中における注意要因/注意事象を事前に把握させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、車両が案内経路の各走行エリアを走行する時刻に応じた運転支援関連情報を運転者に対して通知するようにしているため、時刻によって注意事項/注意事象が変わったり、あるいは、これらが発生・消滅する場合であっても、経路走行中において必要となる注意要因/注意事象を正確に通知することができる。
【0053】
また、安全運転関連情報により、安全運転の観点に基づく注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者の安全運転意識を喚起することができる。また、道路状況関連情報により、道路状況における注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者は道路状況に応じた対処を事前に検討することができる。また、地域事情関連情報により、地域上の注意要因/注意事象を把握させることができるため、運転者は地域事情に応じた対処を事前に検討することができる。
【0054】
また、運転者により、運転支援関連情報の種類を選択することができるようにしているため、運転者が必要とする(必要と思う)種類の運転支援関連情報のみを取得することができる。
【0055】
また、運転支援関連情報の内容をシンボルマーク/メッセージとして画像表示しているため、運転者にとって運転支援関連情報の内容をより把握し易いものとなる。
【0056】
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態について説明する。尚、上記実施形態と同一の部分についてはその説明を省略し、相違点のみを述べる。本実施形態では、経路案内を行わず、自車位置を含んだ地図画像300を表示装置160に表示し、自車の現在位置の周辺領域における運転支援関連情報を地図画像300に重畳表示するものである。
【0057】
ここで、運転支援関連情報は、地図画像300が、所定の縮尺で自車の現在位置周辺を詳細表示している場合に表示装置160に表示する。従って、ナビゲーション装置100は、地図画像300が詳細表示されていることを条件として、この地図画像300の中の道路に対応する運転支援関連情報の送信要求を行い、情報提供装置200から受信した運転支援関連情報を地図画像300に重畳表示するのである。
【0058】
また、ナビゲーション装置100は、自車の移動に伴う地図画像300の表示範囲が変更された場合には、地図画像300中に新たに表示された道路に対応する運転支援関連情報の送信要求を行う。
【0059】
これにより、運転者は自車位置周辺の運転支援関連情報を把握することができる。従って、例えば、運転者の運転技術等の観点から安全に走行することができる道路を選択したり、あるいは、運転時の負担がより少ない道路を選択することができる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0061】
上記第1の実施形態では、案内経路における運転支援情報を取得表示し、第2の実施形態では、自車位置の周辺領域の運転支援関連情報を取得表示するようにしていたが、これらを組み合わせた構成としても良い。即ち、詳細表示した地図画像中に、案内経路及び自車位置周辺領域の運転支援関連情報を取得表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】情報提供装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】運転支援関連データベースの内容を示した概念図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムの動作を示すフローチャートである。
【図5】送信要求情報の内容を示した概念図である
【図6】運転支援関連情報の表示態様を示した概念図である。
【符号の説明】
【0063】
100…ナビゲーション装置
110…位置検出器(位置検出手段)
120…地図データ入力器
130…操作デバイス
140…送受信機(ナビ通信手段)
150…記憶装置(記憶手段)
160…表示装置(通知手段)
170…音声出力装置(通知手段)
180…リモコンセンサ
190…制御回路(目的地設定手段、経路設定手段、情報取得手段、時刻算出手段)
200…情報提供装置
210…制御部(外部局制御手段)
220…送受信機(外部局通信手段)
230…記憶部(運転支援関連データベース手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるナビゲーション装置と外部局に設けられる情報提供装置とが通信接続されるナビゲーションシステムであって、
前記情報提供装置は、
前記ナビゲーション装置との間で通信を行なう外部局通信手段と、
走行エリアにおける注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援に関する情報(運転支援関連情報)を保有する運転支援データベース手段と、
前記ナビゲーション装置からの送信要求に応じて運転支援関連情報を送信する外部局制御手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記情報提供装置との間で通信を行なうナビ通信手段と、
前記情報提供装置に対して前記車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記運転支援関連情報を画像表示又は/及び音声案内により通知する通知手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
車両の現在位置を検出する位置検出手段を備え、
前記情報取得手段は、
前記車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、前記車両の現在位置の周辺領域における運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
出発地から目的地までの案内経路を設定する経路設定手段とを備え、
前記情報取得手段は、前記車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、前記案内経路における運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記案内経路の走行予定時刻を算出する時刻算出手段を備え、
前記情報取得手段は、前記案内経路の走行予定時刻における運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、安全運転に関連する情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、道路状況に関連する情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、地域事情に関連する情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項8】
通知すべき運転支援関連情報の種類を利用者により設定可能な設定手段を備え、
前記情報取得手段は、前記設定手段の設定結果に応じた種類の運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記運転支援関連情報の内容を示したシンボルマーク情報を記憶する記憶手段を備え、
前記通知手段は、前記情報取得手段が取得した前記運転支援関連情報に対応するシンボルマークを画像表示することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
【請求項10】
走行エリアにおける注意要因又は/及び注意事象の内容を示した運転支援に関する情報(運転支援関連情報)を保有した外部局に設けられる情報提供装置から当該運転支援関連情報を取得するナビゲーション装置であって、
前記情報提供装置と情報通信を行うナビ通信手段と、
前記情報提供装置に対して車両が走行する予定がある又は/走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記運転支援関連情報を画像表示又は/及び音声案内により通知する通知手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
前記車両の現在位置を検出する位置検出手段を備え、
前記情報取得手段は、
前記車両が走行する可能性のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、前記車両の現在位置の周辺領域における運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
出発地から目的地までの案内経路を設定する経路設定手段とを備え、
前記情報取得手段は、前記車両が走行する予定のある走行エリアにおける運転支援関連情報として、前記案内経路の運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記案内経路の走行予定時刻を算出する時刻算出手段を備え、
前記情報取得手段は、前記案内経路の走行予定時刻における運転支援関連情報の送信要求を行うとともに、この運転支援関連情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、安全運転に関連する情報を取得することを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、道路状況に関連する情報を取得することを特徴とする請求項10乃至請求項14に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記情報取得手段は、前記運転支援関連情報の一種として、地域事情に関連する情報を取得することを特徴とする請求項10又は請求項14に記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
通知すべき運転支援関連情報の種類を利用者により設定可能な設定手段を備え、
前記情報取得手段は、前記設定手段の設定結果に応じた種類の運転支援関連情報の送信要求を行うことを特徴とする請求項10乃至請求項16のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記運転支援関連情報の内容を示したシンボルマーク情報を記憶する記憶手段を備え、
前記通知手段は、前記情報取得手段が取得した前記運転支援関連情報に対応するシンボルマークを画像表示することを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−171126(P2007−171126A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372809(P2005−372809)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】