説明

ナビゲーション装置、燃料供給支援装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよび記録媒体

【課題】自動車専用道路上の停車に適した箇所に誘導すること。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、位置取得部101、燃料残量情報取得部102、距離算出部103、判断部104、検索部105、探索部106、誘導部107、通信部108および提示部109を備えている。位置取得部101は、車両の現在位置の情報を取得する。燃料残量情報取得部102は、車両の燃料残量の情報を取得する。距離算出部103は、車両の走行可能距離を算出する。判断部104は、車両がガソリンスタンドに到達可能であるか否かを判断する。検索部105は、車両が自動車専用道路を走行している場合、路肩を検索する。探索部106は、路肩までの経路を探索する。誘導部107は、路肩まで誘導する。通信部108は、燃料供給支援装置150に給油の要請を行う。提示部109は、燃料供給支援装置150の連絡先と通知すべき情報を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置、燃料供給支援装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明は、上述したナビゲーション装置、燃料供給支援装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよび記録媒体に限られない。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車専用道路を走行中に次のガソリンスタンドまで到達できない場合に、次の一般道路への出口から最寄りのガソリンスタンドまでの経路を探索して案内するナビゲーション装置が公知である。例えば、自動車専用道路上の1つ先のガソリンスタンドまでの距離が、エネルギー残量に対応する走行可能距離よりも大である場合に、次の自動車専用道路からの出口の最寄りのガソリンスタンドを検索する検索手段と、その検索手段が検索したガソリンスタンドまでの経路を探索する経路探索手段と、その経路探索手段により探索された経路を表示する表示手段と、そのガソリンスタンドでの給油の必要性を報知するエネルギー補給案内手段とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−46572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、一般道路にある最寄りのガソリンスタンドへの案内を行うだけである。そのため、ユーザ(運転者)がその案内に従わずに、自動車専用道路上を走行し続けると、自動車専用道路上の1つ先のガソリンスタンドに到達する前に、燃料切れによって自動車専用道路上の適当でない箇所で停車してしまうという事態を招くおそれがある。本発明が解決しようとする課題には、このような問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明にかかるナビゲーション装置は、車両の位置の情報を取得する位置取得手段と、前記車両の燃料残量の情報を取得する燃料残量情報取得手段と、前記燃料残量の情報に基づいて前記車両の走行可能距離を算出する距離算出手段と、前記車両の位置および前記走行可能距離に基づいて前記車両が燃料を補給可能な補給施設に到達可能であるか否かを判断する判断手段と、前記車両が自動車専用道路を走行している場合において、前記判断手段によって前記車両が前記補給施設に到達不可であると判断されたときに、前記車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の停車推奨位置を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された停車推奨位置までの経路を探索する探索手段と、前記探索手段によって探索された経路に基づいて誘導を行う誘導手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項6の発明にかかる燃料供給支援装置は、請求項3〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置の通信手段から送信された前記停車推奨位置の情報を受信する受信手段と、ロードサービス車両に対して前記停車推奨位置に燃料供給のために向かうよう指示する指示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項8の発明にかかるナビゲーション方法は、車両の燃料残量の情報に基づいて前記車両の走行可能距離を算出するステップと、前記車両の現在位置および前記走行可能距離に基づいて前記車両が燃料を補給可能な補給施設に到達可能であるか否かを判断するステップと、前記車両が自動車専用道路を走行している場合において、前記車両が前記補給施設に到達不可であると判断されたときに、前記車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の停車推奨位置を検索するステップと、検索された停車推奨位置までの経路を探索し、該経路に基づいて誘導を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項9の発明にかかるナビゲーションプログラムは、請求項8に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項10の発明にかかるコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項9に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置、燃料供給支援装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(ナビゲーション装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の内容について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーション装置100は、例えば車両(四輪車、二輪車を含む)に搭載され、位置取得部101、燃料残量情報取得部102、距離算出部103、判断部104、検索部105、探索部106および誘導部107を備えている。また、ナビゲーション装置100は、通信部108および提示部109のいずれか一方または両方を備えている。
【0012】
位置取得部101は、車両の現在位置の情報(以下、現在地点情報とする)を取得する。現在地点情報とは、GPS等から取得した緯度・経度・高度等の情報に基づく車両の現在位置を示す情報のことをいう。なお、GPSとは、Global Positioning Systemの略称であり、4つ以上の衛星からの電波を受信することによって地上での位置を正確に求めるシステムである。
【0013】
燃料残量情報取得部102は、車両の燃料残量の情報(以下、燃料残量情報とする)を取得する。燃料残量情報とは、車両のガソリンタンクに残っているガソリンや軽油等の燃料の量を示す情報のことである。この情報は、ガソリンタンクに取り付けられている燃料残量センサから燃料残量情報取得部102に与えられる。
【0014】
距離算出部103は、燃料残量情報取得部102で取得した燃料残量情報に基づいて、車両の走行可能距離を算出する。走行可能距離の算出にあたっては、まず車両の燃費を算出し、その燃費に現在の燃料残量を乗じることにより求める。燃費を算出するには、今回(現在)の燃費算出時の燃料残量と前回の燃費算出時の燃料残量との差分(減少量)を求め、その減少量をその間の走行距離で割ればよい。ここで、走行距離としては、車両のタイヤの回転数から求めた距離を車両から取得して用いてもよいし、ナビゲーション装置100で走行中の車両の現在地点情報を積分して求めた距離を用いてもよい。
【0015】
判断部104は、位置取得部101から取得した車両の現在位置と、距離算出部103で算出した走行可能距離に基づいて、車両が燃料を補給可能な補給施設に到達可能であるか否かを判断する。判断部104には、予め、あるいは必要に応じてその都度、外部から通信部108を介して、補給施設の位置を含む情報が与えられる。一般に、車両の燃料を補給可能な補給施設はガソリンスタンドと呼ばれている。従って、これ以降、本明細書では、この補給施設をガソリンスタンド等と呼ぶ。
【0016】
判断部104は、車両が自動車専用道路を走行している場合には、車両の現在位置から最寄りのガソリンスタンド等までの距離を算出し、その算出した距離が走行可能距離よりも大きければ、到達不可であると判断する。一方、走行可能距離の方が大きければ、到達可であると判断する。
【0017】
検索部105は、車両が自動車専用道路を走行している場合、判断部104が到達不可であると判断したときに、車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の停車推奨位置を検索する。検索部105には、予め、あるいは必要に応じてその都度、外部から通信部108を介して、停車推奨位置の位置を含む情報が与えられる。
【0018】
停車推奨位置とは、例えば自動車専用道路の路肩や路側帯やパーキングエリア(通常、ガソリンスタンドが併設されていない)等のように、自動車専用道路の本線車道や登坂車線や加速車線や減速車線を走行する他の車両の妨げにならずに車両を停車させることができる領域のことである。ナビゲーション装置100は、この停車推奨位置で停車して、燃料の補給を行うことを推奨する。以下、本明細書では、停車推奨位置を路肩等と呼び、通常、車両が走行する車線を本線等と呼ぶ。
【0019】
探索部106は、車両の現在位置から、検索部105から取得した路肩等までの経路を探索する。誘導部107は、探索部106によって探索された経路に基づいて誘導を行う。これら探索部106および誘導部107の機能は、目的地までの経路を探索して誘導するという、一般的なカーナビゲーション装置の機能と同じである。
【0020】
通信部108は、ロードサービス等の燃料供給支援サービスを行っている機関(以下、ロードサービス等とする)に対して、無線通信により給油の要請を行う。ロードサービス等と通信するための周波数の変調方式等の通信条件は、予め、あるいは必要に応じてその都度、外部から通信部108を介して、通信部108に与えられる。そして、通信部108は、検索部105により検索された路肩等の情報を送信する。路肩等の情報とは、その路肩等の位置を特定する緯度・経度等の情報を含む情報のことである。
【0021】
また、通信部108は、車両に関する情報を送信する。車両に関する情報とは、車両の燃費や燃料種別の情報等を含む情報のことである。燃費の情報として、距離算出部103が走行可能距離を算出する際に求めた燃費の情報を用いることができる。燃料種別の情報は、車両が使用している燃料の種別を表す情報であり、例えばオクタン価の高いガソリン、オクタン価の低いガソリンまたは軽油等の情報である。燃料種別の情報は、予めユーザによりナビゲーション装置100に入力されて記憶されている。
【0022】
さらに、通信部108は、車両が走行している自動車専用道路に関する情報を送信する。この情報は、車両が走行している本線等が上りであるか下りであるかという情報や、渋滞・規制等の交通状況の情報等である。渋滞・規制等の交通状況の情報は、例えばVICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)センターから提供される交通情報を受信することにより得られる。
【0023】
なお、通信部108からロードサービス等に送信される情報としては、上述した各種の情報のうち、少なくとも、検索部105により検索された路肩等の位置を特定する情報と、車両の燃費や燃料種別の情報が含まれていればよい。通信部108により給油の要請を行う構成である場合には、提示部109はあってもなくてもよい。通信部108を利用しないで、ユーザが直接、ロードサービス等に電話をかけて給油の要請を行う構成である場合には、提示部109が必要となる。
【0024】
提示部109は、ロードサービス等の情報を、音声で知らせたり、表示部に表示させる。ロードサービス等の情報とは、ロードサービス等の電話番号等の連絡先を含む情報である。提示部109には、予め、あるいは必要に応じてその都度、外部から通信部108を介して、ロードサービス等の情報が与えられる。この提示部109により提示された情報に基づいて、ユーザが例えば携帯電話機を用いてロードサービス等に電話をかけて、給油を要請することができる。
【0025】
電話で給油を要請する際には、ロードサービス等に、停車予定である路肩等の位置を教える必要がある。従って、提示部109は、検索部105により検索された路肩等の位置を特定する情報、例えば経度・緯度情報を提示する。ユーザは、提示部109により提示された情報をロードサービス等に伝えればよい。車両の燃費や燃料の種別については、通常、ユーザが知っている情報なので、特に提示部109により提示する必要はないが、提示部109により提示する構成であれば、車両の燃費や燃料の種別を間違って伝えることを防ぐことができるので好ましい。
【0026】
(燃料供給支援装置の機能的構成)
次に、この発明の実施の形態にかかる燃料供給支援装置の内容について説明する。ここでは、燃料供給支援対象である車両、すなわち給油を要請してきた車両のナビゲーション装置100から無線通信回線を介して給油の要請を受け付ける場合の構成について説明する。図1には、この発明の実施の形態にかかる燃料供給支援装置の機能的構成の一例が示されている。図1に示すように、燃料供給支援装置150は、ロードサービス等に備えられており、受信部151、施設記憶部152、施設検索部153、燃料算出部154および指示部155を備えている。
【0027】
受信部151は、ナビゲーション装置100から送られてきた給油の要請を受信する。その際、受信部151は、路肩等の情報および車両の燃費や燃料種別の情報を受信する。施設記憶部152には、自動車専用道路上に存在するガソリンスタンド等の情報が記憶されている。このガソリンスタンド等の情報とは、ガソリンスタンド等の位置を特定する経度・緯度情報を含む情報であり、営業時間等、位置以外の情報を含んでいてもよい。
【0028】
施設検索部153は、ナビゲーション装置100から送られてきた路肩等の情報に基づいて、その路肩等に最も近く、かつ、その路肩等から車両の進行方向の前方に存在するガソリンスタンド等を検索する。予め、ナビゲーション装置100が自車の進行方向の後方に位置するロードサービス等を指定して給油の要請を行うように構成されている場合には、停車予定の路肩等の位置とその指定されたロードサービス等の位置との関係に基づいて、その車両の進行方向を知ることができる。
【0029】
それに対して、ナビゲーション装置100が自車の進行方向の後方に位置するロードサービス等を指定せずに最寄りのロードサービス等に給油の要請を行うように構成されている場合には、給油を要請されたロードサービス等がその車両の現在位置よりも進行方向の後方に存在するとは限らない。従って、給油を要請してきた車両の進行方向を知るには、ナビゲーション装置100が自車の走行している本線等が上りであるか下りであるかという情報を、通信部108を介して送信してくる必要がある。
【0030】
この場合、ナビゲーション装置100は、経路の探索や誘導を行う際に用いる道路形状データから、自車の走行している本線等が上りであるか下りであるかという情報を得ることができる。なお、ナビゲーション装置100がロードサービス等にこの上り/下りの情報を通知するように構成されていれば、施設検索部153は、この上り/下りの情報を用いて、給油を要請してきた車両の進行方向を知ることができる。つまり、上述したように、停車予定の路肩等の位置とロードサービス等の位置との関係から車両の進行方向を割り出す必要はない。
【0031】
燃料算出部154は、給油を要請してきた車両の停車予定の路肩等から施設検索部153によって検索されたガソリンスタンド等までの距離を求め、その距離をその車両の燃費で割ることにより、その車両が施設検索部153によって検索されたガソリンスタンド等に到達するのに必要な燃料の量を算出する。この燃料の量は、施設検索部153によって検索されたガソリンスタンド等に丁度、到達できる程度の最小限の量であってもよいし、それよりも多い量であってもよい。
【0032】
指示部155は、ロードサービス車両に対して、燃料算出部154によって算出された燃料の量と、燃料の種別を指示する。そして、燃料供給のために、給油を要請してきた車両の停車予定の路肩等に向かうよう指示する。
【0033】
(ナビゲーション装置によるナビゲーション手順)
次に、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順について説明する。図2は、この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順の一例を説明するフローチャートである。
【0034】
図2に示すように、燃料残量情報取得部102によって、車両から燃料の残量を取得する。そして、距離算出部103によって、車両の燃費を求め、その燃費に現在の燃料の残量を乗じることにより、走行可能距離を算出する(ステップS201)。
【0035】
次いで、判断部104によって、位置取得部101から取得した車両の現在位置と、ステップS201で算出した走行可能距離に基づいて、車両が最寄りの補給施設に到達可能であるか否かを判断する(ステップS202)。車両の現在位置から最寄りのガソリンスタンド等までの距離が、走行可能距離よりも大きい場合には、到達不可であると判断される。走行可能距離の方が大きい場合には、到達可であると判断される。
【0036】
車両が自動車専用道路を走行している状況で、到達不可である場合(ステップS202:No)には、検索部105によって、車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の路肩等を検索する。そして、探索部106によって、車両の現在位置からその路肩等までの経路を探索し、誘導部107によって、その経路に基づいて路肩等への誘導を行う(ステップS203)。
【0037】
また、通信部108によって、ロードサービス等に対して、検索部105により検索された路肩等において給油を行うよう、無線通信により給油の要請を行う(ステップS204)。あるいは、通信部108による無線通信を利用せずに、提示部109により提示された情報を参照しながら、ユーザが携帯電話機等の通信手段を利用してロードサービス等に給油を要請してもよい。誘導部107による誘導に従って車両が路肩等に到達したら、上述した一連の処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS202の判断の結果、最寄りのガソリンスタンド等に到達可である場合(ステップS202:Yes)には、車両の現在位置からそのガソリンスタンド等までの経路を探索し、その経路に基づいて誘導を行う(ステップS205)。そして、その誘導に従って車両が最寄りのガソリンスタンド等に到達したら、上述した一連の処理を終了する。
【0039】
(燃料供給支援装置による燃料供給支援手順)
次に、この発明の実施の形態にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順について説明する。図3は、この発明の実施の形態にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順の一例を説明するフローチャートである。
【0040】
図3に示すように、受信部151は、常に給油の要請通知を受信可能な状態で待機する(ステップS301:No)。受信部151によって給油の要請通知があった場合(ステップS301:Yes)、施設検索部153によって、給油の要請を通知してきた車両の停車予定位置よりも進行方向の前方に存在するガソリンスタンド等を施設記憶部152から検索する(ステップS302)。
【0041】
次いで、燃料算出部154によって、当該車両が、その停車予定位置から施設検索部153により検索されたガソリンスタンド等まで走行するのに要する燃料の量、すなわち必要給油量を決定する(ステップS303)。次いで、指示部155によって、ロードサービス車両に補給作業を指示する(ステップS304)。具体的には、たとえば、ロードサービス車両に対して、給油を要請してきた車両に適合した種別の燃料を必要な量だけ積んで、当該車両の停車予定位置へ向かうよう指示する。これにより、上述した一連の処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、実施の形態にかかるナビゲーション装置100によれば、位置取得部101および燃料残量情報取得部102により車両の現在位置と燃料の残量を取得し、それらの情報に基づいて、距離算出部103により車両の走行可能距離を算出し、その走行可能距離と車両の現在位置に基づいて、判断部104により車両が最寄りのガソリンスタンド等に到達可能であるか否かを判断し、自動車専用道路を走行中に到達不可であると判断されたときに、検索部105により車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の路肩等を検索し、探索部106および誘導部107によりその路肩等まで誘導するので、燃料切れになる前に路肩等に停車させることができる。従って、燃料切れにより本線等で停車してしまうのを防ぎ、路肩等に停車してロードサービス車両が到着するのを待つことができる。
【0043】
また、実施の形態にかかるナビゲーション装置100によれば、路肩等への誘導に従って走行している間に、通信部108により、あるいは提示部109による提示情報に基づいて携帯電話機等の通信手段を利用して、ロードサービス等に給油を要請するので、路肩等でロードサービス車両の到着を待つ時間を短縮することができる。従来は、燃料切れにより停車してから、その停車位置を確認してロードサービス等に給油を要請するため、停車してから給油が終了して走行可能な状態に復帰するまでに相当な時間がかかるが、実施の形態によれば、迅速に走行可能な状態に復帰することができる。
【0044】
また、実施の形態にかかる燃料供給支援装置150によれば、受信部151によりナビゲーション装置100から停車予定の路肩等の情報と燃費や燃料の種別の情報を受信し、施設検索部153により、給油を要請した車両が給油を行うためのガソリンスタンド等を施設記憶部152から検索し、そのガソリンスタンド等に到達するのに必要な燃料の量を燃料算出部154により求め、指示部155により燃料の種別と量と停車予定の路肩等の位置の情報をロードサービス車両に指示するので、給油を要請した車両に適した種別の燃料を適当な量だけ積載して、停車する予定の路肩等に向けて迅速にロードサービス車両を出発させることができる。従って、迅速かつ正確な給油を実現することができる。
【0045】
次に、この発明の実施の形態にかかる実施例について説明する。ここでは、まず、燃料切れの可能性を検知した段階で、自動車専用道路上のガソリンスタンド等への誘導を試み、そこへ到達できそうもないときに一般道路上のガソリンスタンド等への誘導を試み、ユーザがその誘導に従わずに自動車専用道路上を走行し続ける場合を例にして説明する。
【実施例】
【0046】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
まず、この発明の実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成について説明する。図4は、この発明の実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図4に示すように、ナビゲーション装置400は、ナビゲーション制御部401と、ユーザ操作部402と、表示部403と、位置取得部404と、記録媒体405と、記録媒体デコード部406と、音声出力部407と、通信部408と、経路探索部409と、経路誘導部410と、音声生成部411と、スピーカ412とから構成されている。
【0048】
ナビゲーション制御部401は、ナビゲーション装置400全体を制御する。ナビゲーション制御部401は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、およびCPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)等によって構成されるマイクロコンピュータ等によって実現することができる。
【0049】
また、ナビゲーション制御部401は、経路誘導に際し、経路探索部409、経路誘導部410および音声生成部411との間で経路誘導に関する情報の入出力を行い、その結果得られる情報を表示部403および音声出力部407へ出力する。
【0050】
ユーザ操作部402は、文字、数値、各種指示等、ユーザによって入力操作された情報をナビゲーション制御部401に対して出力する。このユーザ操作部402は、例えば、押しボタン式スイッチ、タッチパネル、リモコン等である。また、ユーザ操作部402は、外部からの音声を入力するマイクを用いて、音声によって入力操作を行う形態としてもよい。
【0051】
表示部403は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を含む。表示部403は、具体的には、例えば、映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。
【0052】
映像I/Fは、具体的には、例えば、ディスプレイ装置全体の制御を行うグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)等のバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御IC等によって構成される。この表示部403には、地図データや経路誘導に関する情報、その他各種情報が表示される。
【0053】
位置取得部404は、GPSレシーバおよび各種センサから構成され、車両の位置(ナビゲーション装置400の位置)の情報を取得する。そして、取得した位置情報をナビゲーション制御部401に出力する。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求める。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ、受信した電波を復調するチューナおよび復調した情報に基づいて現在位置を算出する演算回路等によって構成される。
【0054】
各種センサは、速度センサや角速度センサ、加速度センサ等車両またはナビゲーション装置400に搭載されたセンサであり、これらのセンサから出力される情報から、車両の移動変位、移動速度、移動方向、傾斜角等を算出する。このように、GPSレシーバの受信電波から得られた情報と合わせて、上記各種センサの出力情報を用いることによって、より高い精度で車両の位置の認識を行うことができる。
【0055】
記録媒体405には、各種制御プログラムや各種情報がコンピュータに読み取り可能な状態で記録されている。この記録媒体405は、例えば、HD(Hard Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)、メモリカード等によって実現することができる。なお、記録媒体405は、記録媒体デコード部406による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録するようにしてもよい。
【0056】
また、記録媒体405には、経路探索および経路誘導に用いられる地図データが記録されている。記録媒体405に記録されている地図データは、建物、河川、地表面等の地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、表示部403の表示画面において2次元または3次元に描画される。
【0057】
ナビゲーション装置400が経路誘導中の場合は、記録媒体デコード部406によって記録媒体405から読み取られた地図データと、位置取得部404によって取得された車両の位置を示すマークとが、ナビゲーション制御部401によって表示部403の表示画面に重ねて表示されることとなる。
【0058】
背景データは、背景の形状をあらわす背景形状データと、背景の種類をあらわす背景種別データとを有する。背景形状データは、例えば地物の代表点・ポリライン・ポリゴン・地物の座標等を含んでいる。また、背景種別データは、例えば地物の名称や住所・電話番号をあらわすテキストデータ、建物・河川・地表面等の地物の種別データを含んでいる。背景データには、ガソリンスタンド等やロードサービス等の情報も含まれている。
【0059】
道路形状データは、複数のノードおよびリンクを有する道路ネットワークに関するデータである。ノードは、三叉路・十字路・五叉路等複数の道路が交差する交差点を示している。リンクは、ノード間を連結する道路を示している。リンクには、形状補間点を有するものもあり、この形状補間点によって曲線道路の表現が可能となる。
【0060】
なお、道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、例えば各ノードについて、信号や横断歩道等の有無、高速道路の出入口やジャンクションの有無、各リンクの長さ(距離)、車幅、進行方向、通行禁止、道路種別(高速道路や有料道路等の自動車専用道路、一般道路等)等の情報が含まれている。また、この交通条件データは、過去の渋滞情報を季節・曜日・大型連休・時刻等を基準に統計処理した過去渋滞情報を記憶している。また、道路形状データには、路肩等の情報も含まれている。
【0061】
なお、本実施例では地図データを記録媒体405に記録するようにしたが、これに限るものではない。地図データは、ナビゲーション装置400のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置400外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置400は、例えば通信部408を通じて、ネットワークを介して地図データを取得する。取得された地図データはRAM等に記憶される。
【0062】
記録媒体デコード部406は、記録媒体405に対する情報のリード/ライトの制御を行う。例えば、記録媒体405としてHDを用いた場合には、記録媒体デコード部406は、HDD(Hard Disk Drive)となる。
【0063】
音声出力部407は、接続されたスピーカ412への出力を制御することによって、案内音等の音声を再生する。スピーカ412は、一つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、音声出力部407は、例えば音声ディジタル情報のD/A変換を行うD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器とから構成することができる。
【0064】
通信部408は、例えばFM多重チューナ、VICS/ビーコンレシーバ、無線通信機器およびその他の通信機器によって構成され、他の通信機器との通信を行う。また、通信部408は、携帯電話機、PHS、通信カードおよび無線LAN等の通信媒体を介して通信を行う構成としてもよい。
【0065】
本実施例において、通信部408によって取得される情報として、例えばVICSセンターから配信される渋滞や交通規制等の道路交通情報が挙げられる。また、全国の道路交通情報を蓄積しているサーバに対しネットワークを介して所望の地域の道路交通情報を要求し、要求した道路交通情報を取得するようにしてもよい。さらに、通信部408から送信される情報として、ロードサービス等に対する給油の要請およびそれに必要な諸情報が挙げられる。
【0066】
経路探索部409は、記録媒体405から記録媒体デコード部406を介して取得される地図データや、通信部408を介して取得するVICS情報等を利用して、出発地から目的地までの最適な経路を探索する。ここで、最適な経路とは、ユーザが指定した条件に最も合致する経路である。一般に、出発地から目的地までの経路は無数存在する。このため、経路探索に当たって考慮される事項を設定し、条件に合致する経路を探索するようにしている。
【0067】
例えば、経路探索部409が探索する経路の出発地には、位置取得部404によって取得される車両の現在位置(ナビゲーション装置400の現在位置)、またはユーザ操作部402からユーザによって指定される出発地等が設定される。また、目的地には、ユーザによって入力された目的地の他、ジャンル検索等に基づいて、地図データから検索された施設等を目的地として設定してもよい。また、目的地として、ユーザに給油を促す際のガソリンスタンド等の施設や、ロードサービス車両を待つ際の路肩等が地図データから検索されて設定される。
【0068】
経路誘導部410は、経路探索部409によって探索された最適経路情報、位置取得部404によって取得された車両の位置情報および記録媒体405から記録媒体デコード部406を経由して得られた地図データに基づいて、ユーザを目的地まで誘導するための経路誘導情報の生成を行う。
【0069】
このとき、経路誘導部410によって生成される経路誘導情報は、通信部408によって受信した渋滞情報を考慮したものであってもよい。経路誘導部410で生成された経路誘導情報は、ナビゲーション制御部401を介して表示部403へ出力される。
【0070】
音声生成部411は、案内音等の各種音声の情報を生成する。すなわち、経路誘導部410で生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成を行い、これをナビゲーション制御部401を介して音声出力部407へ出力する。
【0071】
スピーカ412は、音声出力部407から出力されるナビゲーションの案内音やナビゲーション制御部401から音声出力部407を介して出力される音声を再生(出力)する。また、例えばこのスピーカ412にヘッドフォン等を設け、車両内部全体が出力される案内音や音声の音場とならないように、案内音や音声の出力形態を適宜変更するように構成してもよい。
【0072】
図1に示すナビゲーション装置100の各機能部は、図4に示すナビゲーション装置400の各部によってその機能を実現する。具体的には、位置取得部101は、例えば位置取得部404等によってその機能を実現する。燃料残量情報取得部102および距離算出部103は、例えばナビゲーション制御部401等によってその機能を実現する。判断部104および検索部105は、例えばナビゲーション制御部401と、ガソリンスタンド等や路肩等の位置を含む情報が予め与えられる構成の場合には記録媒体405および記録媒体デコード部406、それらの情報が外部から通信部108を介して与えられる場合には通信部408等によってその機能を実現する。探索部106は、例えば経路探索部409等によってその機能を実現する。
【0073】
誘導部107は、例えば経路誘導部410等によってその機能を実現する。通信部108は、例えば通信部408とユーザ操作部402と、通信条件が予め与えられる構成の場合には記録媒体405および記録媒体デコード部406等によってその機能を実現する。提示部109は、例えばナビゲーション制御部401、表示部403、音声出力部407、音声生成部411およびスピーカ412と、ロードサービス等の情報が予め与えられる構成の場合には記録媒体405および記録媒体デコード部406、それらの情報が外部から通信部108を介して与えられる場合には通信部408等によってその機能を実現する。
【0074】
(燃料供給支援装置のハードウェア構成)
次に、この発明の実施例にかかる燃料供給支援装置のハードウェア構成について説明する。図5は、この発明の実施例にかかる燃料供給支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0075】
図5に示すように、燃料供給支援装置500は、燃料供給支援制御部501と、ユーザ操作部502と、表示部503と、記録媒体504と、記録媒体デコード部505と、音声出力部506と、通信部507と、音声生成部508と、スピーカ509とから構成されている。
【0076】
燃料供給支援制御部501は、燃料供給支援装置500全体を制御する。燃料供給支援制御部501は、例えば所定の演算処理を実行するCPUや各種制御プログラムを格納するROM、およびCPUのワークエリアとして機能するRAM等によって構成されるマイクロコンピュータ等によって実現することができる。
【0077】
また、燃料供給支援制御部501は、ロードサービス車両に対して補給作業を指示する際に、ユーザ操作部502、記録媒体デコード部505および通信部507と音声生成部508との間で補給作業に関する情報の入出力を行い、その結果得られる情報を表示部503および音声出力部506へ出力する。
【0078】
ユーザ操作部502は、例えば、一般的なコンピュータで用いられるキーボードや、マウス等のポインティングデバイスである。また、ユーザ操作部502は、例えば押しボタン式スイッチやタッチパネル等でもよい。また、ユーザ操作部502は、外部からの音声を入力するマイクを用いて、音声によって入力操作を行う形態としてもよい。
【0079】
表示部503は、例えば、CRT、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を含む。表示部503は、具体的には、例えば、映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。映像I/Fは、具体的には、例えば、ディスプレイ装置全体の制御を行うグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM等のバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御IC等によって構成される。
【0080】
この表示部503には、給油を要請してきた車両の停車予定位置や燃料の種別や必要な給油量等の補給作業に必要な情報が表示される。当該車両の停車予定位置を、ロードサービス担当区域の地図データに重畳して表示部503に表示するようにしてもよい。
【0081】
記録媒体504には、各種制御プログラムや各種情報がコンピュータに読み取り可能な状態で記録されている。この記録媒体504は、例えば、HDやDVD、CD、メモリカード等によって実現することができる。なお、記録媒体504は、記録媒体デコード部505による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録するようにしてもよい。
【0082】
記録媒体504には、自動車専用道路上に存在するガソリンスタンド等の情報が記録されている。また、上述したように表示部503に地図データを表示する場合には、記録媒体504に地図データが記録されている。記録媒体デコード部505は、記録媒体504に対する情報のリード/ライトの制御を行う。例えば、記録媒体504としてHDを用いた場合には、記録媒体デコード部505は、HDDとなる。
【0083】
音声出力部506は、接続されたスピーカ509への出力を制御することによって、補給作業内容を指示する音声を再生する。スピーカ509は、一つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、音声出力部506は、例えば音声ディジタル情報のD/A変換を行うD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器とから構成することができる。
【0084】
通信部507は、例えば一般的な無線通信機器によって構成されており、他の通信機器との通信を行う。本実施例では、給油を要請してくる車両に搭載されたナビゲーション装置400との通信を行う。なお、通信部507は、携帯電話機、PHS、通信カードおよび無線LAN等の通信媒体を介して通信を行う構成としてもよい。
【0085】
音声生成部508は、補給作業内容を指示する音声の情報を生成する。すなわち、燃料供給支援制御部501、ユーザ操作部502、記録媒体デコード部505および通信部507によって設定された補給作業内容に基づいて、仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成を行い、これを燃料供給支援制御部501を介して音声出力部506へ出力する。スピーカ509は、燃料供給支援制御部501から音声出力部506を介して出力される音声を再生(出力)する。
【0086】
図1に示す燃料供給支援装置150の各機能部は、図5に示す燃料供給支援装置500の各部によってその機能を実現する。具体的には、受信部151は、例えば通信部507等によってその機能を実現する。施設記憶部152は、例えば記録媒体504および記録媒体デコード部505等によってその機能を実現する。施設検索部153および燃料算出部154は、例えば燃料供給支援制御部501等によってその機能を実現する。指示部155は、例えば燃料供給支援制御部501、表示部503、音声出力部506、音声生成部508およびスピーカ509等によってその機能を実現する。
【0087】
(ナビゲーション装置によるナビゲーション手順)
次に、この発明の実施例にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順について説明する。図6は、この発明の実施例にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順の一例を説明するフローチャートである。ここでは、ガソリンスタンド等の位置を含む情報、路肩等の位置を含む情報、ロードサービス等との通信条件およびロードサービス等の情報が予め記録媒体405に記録されているものとする。
【0088】
図6に示すように、ナビゲーション制御部401によって、車両から燃費情報[A]を取得し(ステップS601)、燃料の残量情報[B]を取得する(ステップS602)。また、位置取得部404によって車両の現在位置を取得する。ナビゲーション制御部401によって、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から進行方向情報を読み出し、車両の進行方向を認識する。
【0089】
そして、ナビゲーション制御部401によって、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上のガソリンスタンド等を検索し、現在位置からその検索されたガソリンスタンド等までの経路計算を行い、到達距離[C]を取得する(ステップS603)。ステップS601〜ステップS603の処理順序は、相互に入れ代わってもよい。
【0090】
次いで、ナビゲーション制御部401によって、ステップS601、S602で取得した燃費に燃料の残量を乗じることにより、走行可能距離([A]×[B])を算出し、ステップS603で取得した到達距離と比較する(ステップS604)。走行可能距離([A]×[B])が到達距離[C]よりも大きい場合(ステップS604:No)には、ナビゲーション制御部401によって、ステップS603で検索されたガソリンスタンド等に到達可能であると判断し、ステップS601に戻る。
【0091】
一方、ステップS604で走行可能距離が到達距離よりも小さい場合(ステップS604:Yes)には、ナビゲーション制御部401によって、ステップS603で検索されたガソリンスタンド等に到達できないと判断する。そして、ナビゲーション制御部401によって、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から、車両の進行方向の前方に存在する最も近い自動車専用道路の出口と、その出口の付近にある一般道路上のガソリンスタンド等を検索し、経路探索部409によって、その検索されたガソリンスタンド等までの経路を設定し、経路誘導部410によってその経路の誘導を開始する(ステップS605)。このとき、例えば、「給油が必要です。高速を一旦降りて、最寄りのガソリンスタンドをご案内します。」というメッセージを、表示部403に表示したり、スピーカ412からの音声出力により、ユーザに知らせる。
【0092】
一般道路上にあるガソリンスタンド等への誘導を行っている間、位置取得部404によって車両の現在位置を取得し、ナビゲーション制御部401によって、ステップS603で検索された出口への誘導に従って走行しているか否かを監視する(ステップS606)。ナビゲーション制御部401によって、出口への誘導に従わずに自動車専用道路を走行し続けていることを検知したら(ステップS606:Yes)、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から、車両の進行方向の前方に存在する最も近い路肩等を検索する。
【0093】
経路探索部409によって、その路肩等までの経路を設定し、経路誘導部410によってその経路の誘導を開始する(ステップS607)。このとき、例えば、「走行中に停車してしまう危険があります。速やかに路肩に寄せて停車してください。」というメッセージを、表示部403に表示したり、スピーカ412からの音声出力により、ユーザに知らせる。
【0094】
また、路肩等への誘導と同時に、ナビゲーション制御部401によって、車両の燃費情報[A]を取得し(ステップS608)、予めユーザによりユーザ操作部402から入力されてナビゲーション装置400の不揮発性のメモリに記憶されている燃料の種別情報[D]を取得する(ステップS609)。また、ナビゲーション制御部401によって、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から、ステップS607で検索された路肩等の経度緯度情報[E]を取得する(ステップS610)。
【0095】
さらに、ナビゲーション制御部401によって、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から、自車の走行車線が上り線であるか下り線であるかという情報(上下線情報[F])を取得する(ステップS611)。そして、ナビゲーション制御部401によって、ステップS611で取得した上下線情報[F]に基づいて、記録媒体デコード部406を介して記録媒体405から、ステップS607で検索された路肩等よりも進行方向の後方に存在する最も近いロードサービス拠点[G]を検索する(ステップS612)。
【0096】
そして、通信部408によって、ステップS612で検索されたロードサービス拠点[G]へ、給油の要請通知とともに、車両の燃費情報[A]と燃料の種別情報[D]と停車予定の路肩等の経度緯度情報[E]を送信する(ステップS613)。その際、ステップS611で取得した上下線情報を含めて送信してもよい。ロードサービス等の拠点への送信が終了したら、例えば、「ロードサービスへ給油要請を行いました。しばらくお待ちください。」というメッセージを、表示部403に表示したり、スピーカ412からの音声出力により、ユーザに知らせる。そして、ステップS607で検索された路肩等で停車したら、上述した一連の処理を終了する。
【0097】
なお、ステップS607で路肩等に誘導している際に、その路肩等で停車しないで自動車専用道路を走行し続けている場合に、再びその次の路肩等を検索し、その新たに設定した路肩等で停車するように誘導してもよい。また、ナビゲーション装置400がロードサービス等のセンターに対して給油の要請を通知し、そのセンターが、停車予定の路肩等よりも進行方向の後方に存在する最も近いロードサービス等の拠点に補給作業を指示するようにしてもよい。
【0098】
(燃料供給支援装置による燃料供給支援手順)
次に、この発明の実施例にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順について説明する。図7は、この発明の実施例にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順の一例を説明するフローチャートである。
【0099】
図7に示すように、通信部507は、常に給油の要請通知を受信可能な状態で待機する(ステップS701:No)。通信部507によって、給油の要請通知を受信すると(ステップS701:Yes)、その通知してきた車両の停車予定位置の経度緯度情報[E]を取得する(ステップS702)。
【0100】
次いで、燃料供給支援制御部501によって、記録媒体デコード部505を介して記録媒体504から、その車両の停車予定位置よりも進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の最も近いガソリンスタンド等を検索する。そして、燃料供給支援制御部501によって、停車予定位置からその検索されたガソリンスタンド等までの到達距離[H]を取得する(ステップS703)。
【0101】
また、通信部507によって、当該車両の燃費情報[A]を取得し(ステップS704)、燃料供給支援制御部501によって、ステップS703で取得した到達距離をその燃費で割って([H]/[A])、必要な給油量[I]を決定する(ステップS705)。次いで、通信部507によって、当該車両の燃料種別情報[D]を取得する(ステップS706)。次いで、燃料種別情報[D]、停車予定位置の経度緯度情報[E]および必要給油量[I]を表示部503に表示したり、スピーカ509からの音声出力により、ロードサービス車両に知らせて、補給作業を指示し(ステップS707)、上述した一連の処理を終了する。
【0102】
次に、車両に上述したナビゲーション装置400を搭載し、ロードサービス等に燃料供給支援装置500が備えられている構成において実現される燃料補給作業の概要について説明する。図8〜図13は、燃料の補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【0103】
図8に示すように、通常、自動車専用道路801の本線等802を走行しているときには、目的地までの経路を設定し、自車803はその経路の案内804に従って走行する。そして、図9に示すように、燃料の残量が少なくなり、自動車専用道路801上の次のガソリンスタンド(GS)等まで走行できそうもない場合には、自動車専用道路801の次の出口805と、その出口805の近くにあるガソリンスタンド等806を検索し、そのガソリンスタンド等806までの経路を新たに設定し、その経路の案内807を行う。このとき、例えば、「給油が必要です。高速を一旦降りて、最寄りのガソリンスタンドをご案内します。」というメッセージの表示や音声出力を行う。
【0104】
図10に示すように、一般道路にあるガソリンスタンド等806への誘導に従わずに、自動車専用道路801の本線等802を走行し続けている場合には、図11に示すように、自動車専用道路801の路肩等808を検索し、その路肩等808までの経路を新たに設定し、その経路の案内809を行う。このとき、例えば、「走行中に停車してしまう危険があります。速やかに路肩に寄せて停車してください。」というメッセージの表示や音声出力を行う。また、路肩等808への誘導中に、ロードサービス等に対して給油の要請を行う。
【0105】
図12に示すように、自車803が路肩等808に停車した段階で、例えば、「ロードサービスへ給油要請を行いました。しばらくお待ちください。」というメッセージの表示や音声出力を行う。この段階では、ロードサービス車両810は既にロードサービス拠点を出発し、路肩等808へ向かっている。そのため、図13に示すように、自車803が路肩等808で停車した後、あまり待たずに、ロードサービス車両810が路肩等808に到着する。そして、補給作業を行う。
【0106】
以上説明したように、実施例にかかるナビゲーション装置400によれば、位置取得部404およびナビゲーション制御部401により車両の現在位置と燃料の残量を取得し、それらの情報に基づいて、ナビゲーション制御部401により車両の走行可能距離を算出し、その走行可能距離と車両の現在位置に基づいて、ナビゲーション制御部401により車両が最寄りのガソリンスタンド等806に到達可能であるか否かを判断し、自動車専用道路801を走行中に到達不可であると判断されたときに、ナビゲーション制御部401により車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路801上の路肩等を検索し、経路探索部409および経路誘導部410によりその路肩等808まで誘導するので、燃料切れになる前に路肩等に停車させることができる。従って、燃料切れにより本線等802で停車してしまうのを防ぎ、路肩等808に停車してロードサービス車両810が到着するのを待つことができる。
【0107】
また、実施例にかかるナビゲーション装置400によれば、路肩等808への誘導に従って走行している間に、通信部408によりロードサービス等810に給油を要請するので、路肩等808でロードサービス車両810の到着を待つ時間を短縮することができる。従って、迅速に走行可能な状態に復帰することができる。
【0108】
また、実施例にかかる燃料供給支援装置500によれば、通信部507によりナビゲーション装置400から給油の要請通知を受信し、燃料供給支援制御部501により、給油を要請した車両が給油を行うためのガソリンスタンド等806を記録媒体デコード部505を介して記録媒体504から検索し、そのガソリンスタンド等806に到達するのに必要な燃料の量を燃料供給支援制御部501により求め、燃料供給支援制御部501により燃料の種別と量と停車予定の路肩等808の位置の情報をロードサービス車両810に指示するので、給油を要請した車両に適した種別の燃料を適当な量だけ積載して、停車する予定の路肩等808に向けて迅速にロードサービス車両810を出発させることができる。従って、迅速かつ正確な給油を実現することができる。
【0109】
なお、本実施の形態で説明したナビゲーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順の一例を説明するフローチャートである。
【図3】実施の形態にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順の一例を説明するフローチャートである。
【図4】実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】実施例にかかる燃料供給支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図6】実施例にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション手順の一例を説明するフローチャートである。
【図7】実施例にかかる燃料供給支援装置による燃料供給支援手順の一例を説明するフローチャートである。
【図8】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【図9】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【図10】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【図11】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【図12】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【図13】実施例にかかるナビゲーション装置および燃料供給支援装置による燃料補給作業の概要の一例を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0111】
100,400 ナビゲーション装置
101,404 位置取得部
102 燃料残量情報取得部
103 距離算出部
104 判断部
105 検索部
106 探索部
107 誘導部
108,408,507 通信部
109 提示部
150,500 燃料供給支援装置
151 受信部
152 施設記憶部
153 施設検索部
154 燃料算出部
155 指示部
401 ナビゲーション制御部
402 ユーザ操作部
403,503 表示部
405,504 記録媒体
406,505 記録媒体デコード部
407,506 音声出力部
409 経路探索部
410 経路誘導部
411,508 音声生成部
412,509 スピーカ
501 燃料供給支援制御部
801 自動車専用道路
808 路肩等
810 ロードサービス車両



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置の情報を取得する位置取得手段と、
前記車両の燃料残量の情報を取得する燃料残量情報取得手段と、
前記燃料残量の情報に基づいて前記車両の走行可能距離を算出する距離算出手段と、
前記車両の位置および前記走行可能距離に基づいて前記車両が燃料を補給可能な補給施設に到達可能であるか否かを判断する判断手段と、
前記車両が自動車専用道路を走行している場合において、前記判断手段によって前記車両が前記補給施設に到達不可であると判断されたときに、前記車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の停車推奨位置を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された停車推奨位置までの経路を探索する探索手段と、
前記探索手段によって探索された経路に基づいて誘導を行う誘導手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記停車推奨位置が検出された場合に、ロードサービスの情報を提示する提示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記停車推奨位置の情報をロードサービスに送信する通信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記通信手段は、前記停車推奨位置の情報とともに前記車両に関する情報をロードサービスに送信することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記通信手段は、前記停車推奨位置の情報とともに前記車両が走行している前記自動車専用道路に関する情報を送信することを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置の通信手段から送信された前記停車推奨位置の情報を受信する受信手段と、
ロードサービス車両に対して前記停車推奨位置に燃料供給のために向かうよう指示する指示手段と、
を備えることを特徴とする燃料供給支援装置。
【請求項7】
自動車専用道路上に存在する燃料補給が可能な補給施設を記憶する施設記憶手段と、
前記停車推奨位置に最も近く、かつ、前記停車推奨位置から前記車両の進行方向の前方に存在する補給施設を検索する施設検索手段と、
前記車両が前記施設検索手段によって検索された補給施設に到達するのに必要な燃料の量を算出する燃料算出手段と、
をさらに備え、
前記指示手段は、前記燃料算出手段によって算出された燃料の量を前記ロードサービス車両に指示することを特徴とする請求項6に記載の燃料供給支援装置。
【請求項8】
車両の燃料残量の情報に基づいて前記車両の走行可能距離を算出するステップと、
前記車両の現在位置および前記走行可能距離に基づいて前記車両が燃料を補給可能な補給施設に到達可能であるか否かを判断するステップと、
前記車両が自動車専用道路を走行している場合において、前記車両が前記補給施設に到達不可であると判断されたときに、前記車両の進行方向の前方に存在する自動車専用道路上の停車推奨位置を検索するステップと、
検索された停車推奨位置までの経路を探索し、該経路に基づいて誘導を行うステップと、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−93377(P2007−93377A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282868(P2005−282868)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】