説明

ハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムとその制御方法

【課題】回生制動装置と油圧制動装置の相互制御を通して運転者の目標制動力を得ることができるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムとその制御方法を提供する。
【解決手段】ハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムにおいて、回生制動力を発生する駆動モータ15と、ブレーキペダル21と前記ブレーキペダル21の踏力を倍加させるブースタ22およびマスターシリンダー23と、油圧供給部と、油圧制動調節器30と、ペダルストロークセンサー41と、マスターシリンダー23の油圧を感知する油圧センサー42とで構成され、運転者の目標制動力を感知する目標制動力感知部と、駆動モータ15の回転速などに従って最大回生制動トルクを算出して駆動モータ15を発電させ、算出された最大回生制動トルクを基に目標制動力に合わせて油圧制動トルクが変化されるように油圧制動調節器30を制御する制御部とにより構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムとその制御方法に係り、より詳しくは、回生制動装置にガソリン/ディーゼル車両などで使用される油圧制動装置を追加し、回生制動装置と油圧制動装置の相互制御を通して運転者の目標制動力を得ることができるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムとその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッドおよび電気車両は内燃機関であるエンジンとバッテリーに貯蔵された電気エネルギーで駆動される駆動モータが同時に装着されて走行する次世代環境車両である。
このようなハイブリッドおよび電気車両において駆動モータを停止させる時(特に、ブレーキペダルを加圧する時)には、駆動モータに印加される電源端子の方向を逆に変えることで回生制動力が発生する。
【0003】
即ち、ハイブリッドおよび電気車両の走行中に運転者がブレーキペダルを踏むと、駆動モータに供給されていた電源が遮断され、車両の進行慣性力により回転する駆動モータの電源印加端子で逆起電力を再び駆動モータに印加し、進行方向に対して駆動モータが逆方向にトルクが発生するようにすることで、制動力が発生する。このような制動力を“回生制動力”と言う。
従来のハイブリッドおよび電気車両では、一般的な油圧ブレーキ装置を使用しないため、ブースターの代りにペダルシミュレータとブレーキ油圧を生成するアクチュエータで構成された電子・油圧式ブレーキ制動装置(Electro−Hydraulic Brake、以下EHB装置と称す)を使用してブレーキ油圧を制御するようになっている。
【0004】
しかし、このようなEHB装置では、運転者が踏んだブレーキペダルの踏力が各ホイールシリンダーの油圧により伝達されず、電気的作動によりブレーキ油圧が生成されるため電気的誤作動の危険が常に存在し、このような電気的誤作動時には所望する制動力を得ることができないという問題点がある。
また、EHB装置を通して基準油圧ブレーキ装置と同一のペダル感を得るためには別途のペダルシミュレータが必要であり、これに対する開発期間および開発費が増加するという問題点がある。
【特許文献1】特開2007−022105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、回生制動装置にガソリン、ディーゼル車両などで使用される油圧制動装置を追加し、回生制動装置と油圧制動装置の相互制御を通して運転者の目標制動力を得ることができるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムとその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明は、ハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムにおいて、回生制動力を発生する駆動モータと、ブレーキペダルと前記ブレーキペダルの踏力を倍加させるブースタおよびマスターシリンダーと、前・後輪側の第1油圧ラインと前記第1油圧ラインに供給されるブレーキ液が貯蔵されたリザーブタンクとからなる油圧供給部と、前記油圧供給部でホイールシリンダーに供給される油圧制動を増圧または減圧して圧力を調節する油圧制動調節器と、前記ブレーキペダルのストロークを感知するペダルストロークセンサーと、前記マスターシリンダーの油圧を感知する油圧センサーとで構成され、運転者の目標制動力を感知する目標制動力感知部と、前記駆動モータの回転速などに従って最大回生制動トルクを算出して前記駆動モータを発電させ、前記算出された最大回生制動トルクを基に前記目標制動力に合わせて油圧制動トルクが変化されるように前記油圧制動調節器を制御する制御部とにより構成されることを特徴とする。
【0007】
前記油圧制動調節器は前記リザーブタンクのブレーキ液をポンピングする油圧ポンプを含めて構成され、前記制御部は前記最大回生制動トルクが減少した場合、前記油圧制動トルクを増加させるために前記油圧ポンプを駆動させて前記ホイールシリンダーにブレーキ液を供給し、前記最大回生制動トルクが増加した場合、前記油圧制動トルクを減少させるために前記油圧ポンプを停止させて前記ホイールシリンダーのブレーキ液を前記リザーブタンクに帰還させることを特徴とする。
【0008】
前記油圧制動調節器は第1電磁弁および第2電磁弁を更に含めて構成され、前記制御部は前記油圧ポンプが駆動される場合、前記第1電磁弁を開放して前記リザーブタンクと前記ホイールシリンダー間に第2油圧ラインを形成し、前記ホイールシリンダーの油圧を下げようとする場合、前記第2電磁弁を開放して第3油圧ラインを形成することを特徴とする。
【0009】
エンジン非稼動時、前記ブースタに負圧を供給するためのブースタ負圧供給装置を更に含み、前記ブースタ負圧供給装置は前記ブースタの真空圧を感知する真空圧センサーと、前記真空圧センサーのシグナルを基に前記制御部により制御される真空ポンプと、連続制動時に前記ブースタ内の負圧が急速に減少することを防止するために所定の容積を有する真空タンクを更に含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ペダルストロークセンサーおよび油圧センサーで感知されたシグナルを基にして目標制動トルクを判断する段階と、前記目標制動トルクを前・後輪側の各ホイールシリンダーに配分する段階と、駆動モータの回転速、バッテリーの充電状態、車両状態などを基にして回生制動トルクの最大値を演算する段階と、前記最大回生制動トルクを基にして前記目標制動トルクに合わせて油圧制動トルクを演算する段階と、前記演算された回生制動トルクおよび油圧制動トルクを発生するために駆動モータおよび油圧制動調節器を各々駆動させる段階とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記最大回生制動トルクが減少した場合、前記油圧制動トルクを増加させるために前記油圧調節器の油圧ポンプを駆動させ、リザーブタンクから前記ホイールシリンダーにブレーキ液を供給する段階を更に含み、前記最大回生制動トルクが増加した場合、前記油圧制動トルクを減少させるために前記油圧調節器の油圧ポンプを停止させ、前記ホイールシリンダーからリザーブタンクにブレーキ液を帰還させる段階を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ペダルストロークセンサーおよび油圧センサーから感知されて算出された目標制動力は、駆動モータまたはバッテリーなどの状態に応じて変化する回生制動トルクにより油圧制動トルクを可変的に調節するため、即ち、回生制動装置のエラーなどにより回生制動トルクが円滑に行われなかったり、回生制動トルクが変動(増減)する時、目標制動力に合わせて油圧制動装置の油圧制動トルクで補完が可能であるため、運転者が所望する制動感を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照にして詳しく説明する。
【実施例】
【0014】
図1は本発明によるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムを表す概略図である。本発明によるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムは大きく回生制動力を発生する回生制動装置と、ブレーキペダル21の踏力によりホイールシリンダー7に供給される油圧を利用して制動力を発生する油圧制動装置と、目標制動力感知部41,42のシグナルを基にして回生制動トルクおよび油圧制動トルクが発生するように回生制動装置および油圧制動装置を制御する制御部50を含めて構成される。
【0015】
回生制動装置は制御部50の回生制動制御部54により制御され、回生制動力を発生させる駆動モータ15を含めて構成される。この時、駆動モータ15はバッテリー制御部55により制御されるバッテリー56から電気の供給を受けて駆動される。
【0016】
油圧制動装置はブレーキペダル21と、ブレーキペダル21の踏力を倍加させるブースタ22と、ブースタ22の倍力により油圧を発生させるマスターシリンダー23と、マスターシリンダー23で発生した油圧を前・後輪3,5側に伝達する第1油圧ライン71(図2参照)と、マスターシリンダー23の上側に装着されて第1油圧ライン71に供給されるブレーキ液が貯蔵されたリザーブタンク25とからなる油圧供給部と、リザーブタンク25からホイールシリンダー7に供給される油圧制動を増圧または減圧して圧力を調節する油圧制動調節器30で構成される。
【0017】
この時、油圧制動の増圧または減圧は、駆動モータ15の発電量に応じて変化する回生制動トルクに基づいて行われる。即ち、「目標制動トルク=油圧制動トルク+回生制動トルク」であり、駆動モータ15により生成される回生制動トルクが大きい場合は油圧制動トルクを小さくするように油圧制動制御部52が油圧制動調節器30を制御して油圧制動圧を減圧させ、回生制動トルクが小さい場合は油圧制動トルクを大きくするように油圧制動制御部52が油圧制動調節器30を制御して油圧制動圧を増圧させることで運転者が所望する制動力を具現することができる。
【0018】
このように、本発明の特徴は、駆動モータ15の発電量に応じて変化する回生制動トルクに合わせて油圧制動トルクを変化させることで運転者が所望する制動力を具現することができるという点にある。そこで、回生制動力のみで制動され、電気的誤作動時に所望する制動力を得ることができなかった従来のEHBシステムとは異なり、本発明によると電気的誤作動時、油圧制動装置がその制動力を補完するため、運転者が所望する制動力を得ることができるという利点がある。
【0019】
この時、運転者が所望する制動力を判断するために、ブレーキペダル21のストロークを感知するペダルストロークセンサー41と、マスターシリンダー23の油圧を感知する油圧センサー42とで構成された目標制動力感知部が設置されている。従って、制御部50はペダルストロークセンサー41と油圧センサー42から感知されたシグナルを基にして運転者が所望する目標制動力を演算して目標制動トルクを算出する。
【0020】
ここで、油圧制動調節器30の構成をより詳しく見てみると、図2〜図4に図示されるように、油圧制動調節器30はリザーブタンク25のブレーキ液をポンピングするための油圧ポンプ35と、油圧ポンプ35の駆動時、ホイールシリンダー7とリザーブタンク25間の第2油圧ライン72を開放する第1電磁弁31と、油圧ポンプ35の停止時にホイールシリンダー7とリザーブタンク25間の第3油圧ライン73を開放する第2電磁弁32とで構成される。
【0021】
図2はバッテリー56の充電が最高であるか、CAN通信エラーなどの理由により回生制動力が発生しない場合、油圧制動力のみで制動される場合を図示したものである。このような場合は一般的な油圧ブレーキのみで制動されるものであり、運転者がブレーキペダル21を踏むと第1油圧ライン71を通してリザーブタンク25のブレーキ液がマスターシリンダー23を経由して開放された第4電磁弁34および第1電磁弁31を経て前・後輪3,5側の各ホイールシリンダー7に供給されることで、油圧制動力のみで車両を制動させることができる。
この時、第1電磁弁31および第4電磁弁34は電磁弁駆動部53により開放するように制御され、ホイールシリンダー7からリザーブタンク25にブレーキ液が帰還する第3油圧ライン73に設置された第2電磁弁32および第3電磁弁33は閉鎖されるように制御される。
【0022】
図3は回生制動力が減少する場合に油圧制動力が増加する原理を表す構成図であり、駆動モータ15の回転速、バッテリー56の充電状態、車両状態に応じて可能最大に回生制動トルクが減少すると、目標制動トルクに合わせて油圧制動トルクを増加させる方向にブレーキシステムが駆動される。この場合、ポンプ駆動部51は油圧ポンプ35を駆動させて電磁弁駆動部53は第2油圧ライン72上の第1電磁部31および第3電磁弁33を開放してリザーブタンク25のブレーキ液をホイールシリンダー7に流入させて油圧を供給することで油圧制動トルクを増加させる。
【0023】
この時、電磁弁駆動部53は第1油圧ライン71上の第4電磁弁34を閉鎖状態に維持するが、このようにマスターシリンダー23側の第1油圧ライン71を経ずにリザーブタンク25から直接ホイールシリンダー7に油圧を形成することで、ブレーキペダル21が消えるのを防止することができる。一方、電磁弁駆動部53は第3油圧ライン73上の第2電磁弁32が閉鎖されるように制御するが、これは第2油圧ライン72を通してホイールシリンダ7に流入するブレーキ液が第3油圧ライン73側に分けられず、全てホイールシリンダー7に流入するためホイールシリンダー7側の油圧を迅速に上昇させることができる。
【0024】
図4は回生制動力が増加する場合の制動力が減少する原理を表す構成図であり、駆動モータ15の回転速度、バッテリー56の充電状態、車両状態に応じて可能最大に回生制動トルクが増加すると、目標制動トルクに到達するように油圧制動トルクを減少させる方向にブレーキシステムが駆動される。この場合、ポンプ駆動部51は油圧ポンプ35を停止させて電磁弁駆動部53は第3油圧ライン73上の第2電磁弁32および第3電磁弁33を開放してホイールシリンダー7からリザーブタンク25にブレーキ液が帰還されることで、ホイールシリンダー7内の油圧を低下させることができる。この時、第1電磁弁31を閉鎖してマスターシリンダー23内の油圧が同時に低下することを防止する。
【0025】
また、ブレーキシステムはブースタ22に負圧を供給するためのブースタ負圧供給装置60(図1参照)を更に含むことが好ましい。ブースタ22はエンジン45の吸気マニホールドに連結されてエンジン45の負圧を利用するが、ハイブリッドおよび電気車両の特性上、エンジン45が作動しない場合はエンジン45で負圧が生成されないため、負圧供給装置を通してブースタ22に負圧を生成させることができる。ブースタ負圧供給装置60はブースタ22の負圧を測定する真空圧センサー61と、真空圧センサー61のシグナルを基にポンプ駆動部51により制御される真空ポンプ62で構成される。そこで、真空圧センサー61で感知されたブースタ22の負圧が不足すると、ポンプ駆動部51は真空ポンプ62を駆動させてブースタ22内に負圧を供給するため制動が円滑に行われる。
【0026】
一方、ブースタ負圧供給装置60は、所定の容積を有する真空タンク63を更に含め、運転者がブレーキペダル21を連続的に踏む場合、ブースタ22内の負圧が急速に減少することを防止し、ブースタ22に安定的に負圧を供給することが好ましい。
上記の通り、ペダルストロークセンサー41および油圧センサー42から感知されて算出された目標制動力は、駆動モータ15またはバッテリー56などの状態に応じて変化する回生制動トルクによって油圧制動トルクを可変的に調節するため、回生制動装置のエラーなどにより回生制動トルクが円滑に行われなくても油圧制動装置の油圧制動トルクの補完が可能であり、運転者が所望する制動感を得ることができる。
【0027】
以下、本発明によるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムの制御方法を図5を参照にして説明する。
まず、ペダルストロークセンサー41で感知されたシグナルを基にして運転者が所望する目標制動トルクを算出し(S1)、算出された目標制動トルクを前・後輪3,5側のホイールシリンダー7に各々配分する(S2)。
その後、駆動モータ15の回転速、バッテリー56の充電状態、車両状態などを基にして可能最大な回生制動トルクを演算し(S3)、最大回生制動トルクを基に目標制動トルクに合せることのできる油圧制動トルクを演算する(S4)。
【0028】
最後に、駆動モータ15および油圧制動調節器30を各々駆動させて演算された回生制動トルクおよび油圧制動トルクを前・後輪3,5に発生させることで、運転者が所望する制動感を得ることができる(S5)。ここで、回生制動トルクを決定付けるいくつかの因子の変化により回生制動トルクの最大値が減少した場合は油圧制動トルクを増加させなければならないが、この時、ポンプ駆動部51はブレーキ液が図3のようにリザーブタンク25からホイールシリンダー7に第2油圧ライン72に沿って流入するように油圧ポンプ35を駆動させて油圧を増大させる。一方、回生制動トルクの最大値が増加した場合は、油圧制動トルクを減少させて目標トルクに合せなければならないが、この時、ポンプ駆動部51はブレーキ液が図4のようにホイールシリンダー7からリザーブタンク25に第3油圧ライン73に沿って帰還するように油圧ポンプ35を停止させて油圧を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるハイブリッドおよび電気車両のブレーキシステムを表す概略図である。
【図2】図1のブレーキシステムにおいて回生制動力が発生しない場合、油圧制動力のみで制動される原理を表す構成図である。
【図3】図1のブレーキシステムにおいて回生制動力が減少する場合、油圧制動力が増加する原理を表す構成図である。
【図4】図1のブレーキシステムにおいて回生制動力が増加する場合、油圧制動力が減少する原理を表す構成図である。
【図5】本発明によるブレーキシステムの制御フロー図である。
【符号の説明】
【0030】
7 ホイールシリンダー
15 駆動モータ
21 ブレーキペダル
22 ブースタ
23 マスターシリンダー
25 リザーブタンク
30 油圧制動調節器
31,32,33,34 電磁弁
35 油圧ポンプ
50 制御部
60 ブースタ負圧供給装置
71 第1油圧ライン
72 第2油圧ライン
73 第3油圧ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回生制動力を発生する駆動モータと、
ブレーキペダルと、
前記ブレーキペダルの踏力を倍加させるブースタおよびマスターシリンダーと、
前後輪側の第1油圧ラインと、前記第1油圧ラインに供給されるブレーキ液が貯蔵されたリザーブタンクとからなる油圧供給部と、
前記油圧供給部からホイールシリンダーに供給される油圧制動を増圧または減圧して圧力を調節する油圧制動調節器と、
前記ブレーキペダルのストロークを感知するペダルストロークセンサーと、前記マスターシリンダーの油圧を感知する油圧センサーとで構成され、運転者の目標制動力を感知する目標制動力感知部と、
前記駆動モータの回転速などにより最大回生制動トルクを算出して前記駆動モータを発電させ、前記算出された最大回生制動トルクを基に前記目標制動力に合わせて油圧制動トルクが変化するように前記油圧制動調節器を制御する制御部と
を含むことを特徴とするハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項2】
前記油圧制動調節器は前記リザーブタンクのブレーキ液をポンピングする油圧ポンプを含めて構成され、
前記制御部は前記最大回生制動トルクが減少した場合、前記油圧制動トルクを増加させるために前記油圧ポンプを駆動させて前記ホイールシリンダーにブレーキ液を供給し、前記最大回生制動トルクが増加した場合、前記油圧制動トルクを減少させるために前記油圧ポンプを停止させて前記ホイールシリンダーのブレーキ液を前記リザーブタンクに帰還させることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項3】
前記油圧制動調節器は第1電磁弁および第2電磁弁を更に含めて構成され、
前記制御部は前記油圧ポンプが駆動される場合、前記第1電磁弁を開放して前記リザーブタンクと前記ホイールシリンダー間に第2油圧ラインを形成し、前記ホイールシリンダーの油圧を下げようとする場合、前記第2電磁弁を開放して第3油圧ラインを形成することを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項4】
エンジン非稼動時、前記ブースタに負圧を供給するためのブースタ負圧供給装置を更に含むことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項5】
前記ブースタ負圧供給装置は前記ブースタの真空圧を感知する真空圧センサーと、前記真空圧センサーのシグナルを基に前記制御部により制御される真空ポンプを含むことを特徴とする請求項4記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項6】
前記ブースタ負圧供給装置は、連続制動時に前記ブースタ内の負圧が急速に減少することを防止するために所定の容積を有する真空タンクを更に含むことを特徴とする請求項5記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステム。
【請求項7】
ペダルストロークセンサーおよび油圧センサーで感知されたシグナルを基にして目標制動トルクを判断する段階と、
前記目標制動トルクを前・後輪側の各ホイールシリンダーに配分する段階と、
駆動モータの回転速、バッテリーの充電状態、車両状態などを基にして回生制動トルクの最大値を演算する段階と、
前記最大回生制動トルクを基にして前記目標制動トルクに合わせて油圧制動トルクを演算する段階と、
前記演算された回生制動トルクおよび油圧制動トルクを発生するために駆動モータおよび油圧制動調節器を各々駆動させる段階と
を含むことを特徴とするハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステムの制御方法。
【請求項8】
前記最大回生制動トルクが減少した場合、前記油圧制動トルクを増加させるために前記油圧調節器の油圧ポンプを駆動させ、リザーブタンクから前記ホイールシリンダーにブレーキ液を供給する段階を更に含むことを特徴とする請求項7記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステムの制御方法。
【請求項9】
前記最大回生制動トルクが増加した場合、前記油圧制動トルクを減少させるために前記油圧調節器の油圧ポンプを停止させ、前記ホイールシリンダーからリザーブタンクにブレーキ液を帰還させる段階を更に含むことを特徴とする請求項7記載のハイブリッド車両および電気車両のブレーキシステムの制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−56228(P2008−56228A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195823(P2007−195823)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】