ハイブリッド自動車
【課題】モータ,バッテリの容量を大きくすることなく、高効率運転を可能とするエンジン−電気モータのハイブリッド車の提供を課題とする。
【解決手段】上記課題は、リーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転領域を低減する。
【解決手段】上記課題は、リーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転領域を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン及び電気モータを有するハイブリッド自動車の制御装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンと電気モータを用いるハイブリッド自動車では、エンジンで発生させた動力を直接又は発電機によって電気エネルギに変換し、電気エネルギをモータによって機械エネルギに変換又はバッテリに貯蓄する。バッテリのみでエネルギを供給する電気自動車に比べて走行距離を長くできるなどメリットがある。
【0003】
特開平9−37410号公報ではエンジン,動力分配機構,モータジェネレータを備えた構成を開示している。このようなハイブリッド車では、要求駆動トルクが大きいときには、エンジンで駆動すると共に、エンジンの動力の一部を車速アシスト用のモータジェネレータに分配し、ジェネレータとして作用させ、その発電電力によって駆動用モータからトルクのアシストを行い、駆動トルクを大きくしている。
【0004】
一方、駆動トルクが小さく、車速が大きいときには、エンジンの駆動トルクの一部を駆動トルクアシスト用のモータジェネレータから回収し、その電力によって差動モータジェネレータをモータとして動作させ、高車速での運転を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−37410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成では車速が小さく、要求駆動トルクが小さい運転を行う(要求駆動出力が小さい)ときには、エンジントルクの小さい領域で運転することが必要である。エンジントルクが小さい領域では、絞り弁を閉じた運転をするので、ポンピング損失が大きくなり、燃費が悪化しやすい。
【0007】
また、ポンピング損失が大きい領域での運転を制限するとエンジンで運転する運転域が小さくなり、加速時にトルクをアシストするためにモータが大きくなるという問題点がある。
【0008】
低速,低トルクのときにエンジンの運転を止めるとバッテリでの運転が多くなり、バッテリ容量が大きくなったり、バッテリの充電,放電制御を頻繁に行う必要が生ずるという問題点があった。
【0009】
高効率運転を実現するにはエンジンと変速機を組み合わせ、変速段(無段変速比なら変速比)を小さく選べ、なるべくエンジントルクの大きい領域での運転を行うことによって実現できる。しかし、すでに最大トルク近傍の運転をしているので、加速時の余裕トルクがなく、加速感が悪く、運転性が低下するという問題点もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の第1目的は、モータ,バッテリの容量を大きくすることなく、高効率運転を可能とするエンジン−電気モータのハイブリッド車を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は高効率運転時の運転性を確保することにある。
【0012】
この第1の目的を達成するためには、リーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転を低減することにより実現できる。
【0013】
リーンバーンでは絞り弁を開くので、ポンピング損失を低減できるメリットがある。この場合、低トルク時のエンジンのポンピング損失を低減する方法として、吸気バルブタイミングを制御し、吸入空気量を制御してもよい。
【0014】
第2の目的は要求エンジン出力で運転するのに、エンジン回転数の大きな領域を選定し、余裕トルクを確保することによって実現できる。
【0015】
たとえば、アクセル開度の変化によって、運転者が燃費を重視しているのか、運転性を重視しているのか判定し、運転性を重視するときには余裕トルクの大きいエンジン運転域を選定する。エンジン回転数の高い領域は最高効率点よりは燃費が悪化するが、運転性を優先する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、モータ,バッテリの容量を大きくすることなく、高効率運転を可能とするエンジン−電気モータのハイブリッド車を提供することでき、かつ高効率運転時の運転性を確保することが可能である。
【0017】
これらはリーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転を低減することにより実現できる。リーンバーンでは絞り弁を開くので、ポンピング損失を低減できるメリットがある。この場合、低トルク時のエンジンのポンピング損失を低減する方法として、吸気バルブタイミングを制御し、吸入空気量を制御してもよい。
【0018】
また要求エンジン出力で運転するのに、エンジン回転数の大きな領域を選定し、余裕トルクを確保することによって実現できる。たとえば、アクセル開度の変化によって、運転者が燃費を重視しているのか、運転性を重視しているのかを判定し、運転性を重視するときには余裕トルクの大きいエンジン運転域を選定する。エンジン回転数の高い領域は最高効率点よりは燃費がわずかに悪化するが、運転性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に本発明の構成を示す。エンジン80と駆動アシスト用モータジェネレータ81,差動モータジェネレータ83,動力分配機構82,バッテリ87,インバータ84,85から構成される。エンジン81は空燃比によってエンジンの出力を制御できる筒内噴射エンジンが望ましい。筒内噴射エンジンは筒内に燃料を直接噴射し、混合気分布を制御できるので、超リーンバーン運転が可能である。駆動車輪88はエンジン81及び駆動アシスト用モータジェネレータ81,差動用モータジェネレータ83により駆動される。エンジンの効率を最大にするように駆動トルクの分配を制御する。エンジン,モータは制御用コントロールユニット(図示せず)により、最適に制御される。
【0021】
図2に動力分配機構82の構成例を示す。はずば歯車の82a−82hにより出力の分配を行う。エンジンの出力は歯車82aを介して82fに伝わり、82g,82hによって、駆動車輪88を駆動する。モータジェネレータ(以下MG)81の軸は、歯車82hと同軸になっており、MGに電気が加えられていないときには歯車の出力がそのまま伝わる。MG83がモータとして動作し、歯車82cを駆動すると、歯車82gでの回転が加算され、駆動軸の回転が高くなり、高車速での運転が可能となる。バッテリ87の電気はインバータ81を介して、駆動アシスト用のMG81を駆動したり、インバータ85を介して、差動用のMGを駆動する。
【0022】
図3に本発明の基本動作を車速アシストする場合について示す。エンジン80からの出力は歯車82a,82e,82d,82gを通って、駆動車輪88に伝わる。駆動トルクが小さく、車速が高いような高速平地走行などでは、駆動アシストMG81を発電機として作用させ、発電電力で車速アシスト用の差動MG83をモータとして作用させる。MG83が歯車82cを回転させると歯車82gの出力回転を増速することができる。
【0023】
図4に本発明の基本動作を駆動トルクアシストする場合について示す。エンジン80からの出力は歯車82a,82e,82d,82gを通って、駆動車輪88に伝わる。駆動トルクが大きく、車速が高く、駆動トルクの小さな高速走行運転時には、エンジントルクの一部を動力分配機構82によって分配し、車速アシスト用の差動MG83を駆動し、トルクをアシストする。このように、動力分配機構82によってエンジンの動力を分配し、トルクアシスト用MG81,車速アシスト用MG83を最適制御することにより、駆動トルクを制御することができる。
【0024】
図5に車速と駆動トルクの関係を示す。同一のエンジン出力において、エンジントルクよりも大きな駆動トルクが必要な場合にはトルクアシストMGをモータとして動作させ、エンジントルクとモータトルクを合成し、駆動トルクを大きくする。一方、車速が必要な場合には、トルクアシストMGを発電機として動作させ、車速アシスト用の差動MGをモータとして動作させて、車速をアシストする。これにより、エンジンの運転点を一つでも駆動トルクと車速を同一出力において変化させることができる。
【0025】
以上の説明は動力分配機構として差動歯車を例に説明したが、遊星歯車機構など他の機構を用いても構わない。
【0026】
図6にエンジンの構成の一例を示す。空気は空気量検出センサ7,絞り弁10,吸気管11,吸気弁16を介して、エンジン13へ吸入される。空気量は絞り弁10の開度、吸気弁16の開度を変化させることによって制御できる。空気量は空気量検出センサ7によって計量される。必要に応じて、吸気管内圧力センサ31,筒内圧力センサ42によって、吸気管,気筒内の圧力をそれぞれ検出する。吸気弁はたとえば電磁ソレノイド18,
19へ駆動回路30より電圧を印加することによって可動部22が電磁力の作用によって動き、それにつながった吸気弁16が開閉動作する。駆動回路はエンジン制御ユニット
12に内蔵してもよい。排気弁17についても同様な作用をする。燃料は筒内に直接燃料を噴射できるインジェクタ1より供給される。インジェクタは駆動回路32によって駆動される。絞り弁はモータ9によって開閉動作し、その開度はスロットルセンサ8により検出される。アクセル開度αはアクセル開度センサ(図示せず)によって検出され、少なくともアクセル開度センサ信号に基づき、吸排気弁が制御される。制御装置12は上記センサの信号に基づき、絞り弁,吸排気弁などを制御する。
【0027】
このような構成では、燃料を気筒内に直接噴射しているので、気筒内の混合気を直接制御でき、空燃比の大きな混合気での運転すなわちリーンバーン運転が可能である。これにより絞り弁を開いた運転が可能になり、ポンピング損失を低減することができる。さらに、上記のように吸排気バルブの開閉時期,期間を制御することによって、気筒内の吸入空気量を制御できるので、絞り弁によらず空気量の調整が可能であり、ポンピング損失低減に一層の効果がある。
【0028】
図7にエンジンのトルク,燃料消費率特性を示す。エンジン軸トルクの大きな領域で燃料消費率が小さくなり、燃費がよい。これは軸トルクが大きくなると絞り弁の開度が大きくなり、ポンピング損失が低減するためである。絞り弁全開よりも低いところに燃費最良点があるのはこのエンジンでは空燃比が濃く設定されているためである。中高負荷領域となるようにエンジンを運転することによってエンジンの効率を高めることができる。一方、エンジンのトルクが小さくなるとポンピング損失が増加するので、モータによる運転を行っている。このため、従来のハイブリッドシステムではモータによる運転が多くなり、モータに充放電制御を頻繁に行ったり、バッテリを大きくする必要がある。さらに高いトルクまでモータで運転するので、大きなモータを備える必要が生じる。モータ,バッテリにより車体が重くなるため、エンジン,モータによる高効率運転により燃費を改善しても、車重の増加分で燃費が悪化し、全体として燃費改善の効果が少なくなってしまう。
【0029】
図8に本発明におけるエンジンの運転方法を示す。空燃比をストイキ(14.7 )に対して、20,40のように大きくすると、全開運転のときのトルクが小さくなる。このとき絞り弁の開度は大きくなり、ポンピング損失を低減できるので、エンジントルクが低い運転領域でも燃費を向上することができる。このため、モータでの運転が少なくなり、小型のモータでの使用が可能で、バッテリも小さくできるので、軽量化が可能である。例えば、空燃比40で運転し、さらにエンジン出力が必要になったときには空燃比を小さくするように変化させ、トルクを増大する。空燃比を20より小さくしたときにはストイキ
(14.7 )で運転し、さらにエンジン出力が必要なときにはエンジン回転数を増大させる。
【0030】
図9にエンジントルクとエンジン回転数に対する目標空燃比,EGRの付加を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比40以上の超リーンバーン運転を行い、燃費低減を図る。負荷の増大と共に空燃比20〜40でEGRを付加した運転、空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転、さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態にする。EGRを加えることによってNOxを低減することができる。絞り弁全開ではエンジン出力を大きくするため、EGRを止めて、空気を多く気筒内に吸入し、より多くの燃料を燃焼させる。
【0031】
図10にエンジン内の空気流動パターンの制御例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比40以上の超リーンバーン運転では、点火プラグ付近に混合気を集中させること(成層化)が必要である。エンジン内に逆タンブル流を形成し、空気流によって、点火プラグ方向に燃料を搬送する。負荷の増大したときの空燃比20〜40でEGRを付加した運転では、点火プラグ周囲に混合気を集中しすぎると、酸素不足となり、スモークを発生しやすくなる。そこで、気筒内の流動をスワールとして、比較的気筒内の混合気が集中しすぎないようにする。スワール流はピストンが圧縮上死点に近づいたときでも、流動が保存されやすいので、空気と燃料の混合の促進に有効である。また、EGRを付加した場合、EGRと混合気の混合を良くし、燃焼を安定化させる効果もある。混合気の空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転でもスワール流とする。さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態では出力を大きくするために、多くの空気を導入することが必要で、吸気弁,吸気管などに抵抗を設けることなく、吸気管の形状できまる流動とする。出力を向上するには気筒内で空気と燃料の混合を促進し、空気利用率を大きくすることが大切である。順タンブルによって、ピストンキャビテイ内にある燃料もかき出し、空気と燃料の混合を促進する。
【0032】
図11にエンジントルクとエンジン回転数に対する目標空燃比,EGRの付加する場合の他の実施例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比80から40の超リーンバーン運転を行い、燃費低減を図る。負荷の増大と共に空燃比20〜40でEGRを付加した運転、空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転、さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態にする。EGRを加えることによってNOxを低減することができる。絞り弁全開ではエンジン出力を大きくするため、EGRを止めて、空気を多く気筒内に吸入し、より多くの燃料を燃焼させる。
【0033】
図12に燃焼の制御例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には点火プラグからの火炎伝播でなく、ピストンの圧縮熱によって圧縮着火させる。この場合には混合気が各箇所で点火されるので、伝播距離が短くなり空燃比80のような非常に薄い混合気での燃焼が可能となる。さらに空燃比が小さくなる運転域では点火プラグ周囲に混合気を集める成層燃焼、さらに空燃比を小さくするときには気筒内で空気と燃料を均質に混合する均質混合気による燃焼を行う。
【0034】
加速運転時のエンジンの制御方法を図13に示す。要求エンジン出力を満足する場合、たとえば点Aまたは点Bを選ぶことができる。燃費をよくするためにはポンピング損失の少ない、点Aでの運転を行う。このときに加速をするときにはエンジンの最大トルクまでの余裕がないので、モータによりトルクをアシストする必要がある。このときにはモータが大きくなるという問題点がある。点Bで運転をすると絞り弁開度が小さいので、ポンピング損失が大きくなり、燃費が悪化する。このときには最大トルクまでの余裕があるので、モータのアシストがなく(または小さくても)十分な加速感が得られる。すなわち、燃費と加速感を両立するためにはモータを大きくする必要がある。
【0035】
図14に本発明での制御例を示す。空燃比40で運転することにより点Bにおいても絞り弁開度が大きくできるので、ポンピング損失が小さくでき、燃費を向上できる。このときには最大エンジントルクまでの余裕があるので、加速感をうることができる。点Aに比べて、点Bは燃費が若干悪いが、運転性を重視するような運転領域では点Bを選ぶ。運転者の指向は例えばアクセル開度の変化の頻度が多いときには運転性を重視していると判断、アクセル開度の変化が少なく、定常運転しているときには燃費を重視していると判断するなど少なくともアクセル開度のデータを用いて判定することができる。
【0036】
図15に本発明の他の動作例を示す。空燃比として、40,20,15という空燃比をリニアに変化させることなく、ステップ状に変化させる。この場合には空燃比の制御が簡単になるメリットがある。また、空燃比20から15の間でNOxがでる空燃比を避けることができるので、排気対策上、有効である。しかし、空燃比をステップ的に変化させるとエンジントルクも変化するので、運転性に問題を生ずるため、スロットル開度をモータなどで制御して、トルク段差をなくす。
【0037】
本発明では駆動軸にモータを備えているので、図16に示すように、アクセル開度に合わせて、駆動トルクを制御しようとする場合、まずモータによりトルクの制御を精密に行い、あるトルク以上になったときにエンジンの空燃比を40から20に切り替える。このときトルクの段差があるので、モータのトルクを調整し、駆動トルクに段差が生じないようにすることが可能である。この場合、エンジン及びモータにおいて、目標トルクに対する応答性が異なるので、動的なエンジン,モータモデルにより、過渡時のトルクの応答を制御する。
【0038】
図17に本発明のブロック図を示す。アクセル開度,車速,バッテリ容量,ブレーキ,エアコンなどの信号から目標駆動トルクを演算する。目標駆動トルクは分配駆動トルク演算手段によりエンジントルクとモータトルクを配分し、スロットル開度,空燃比,車速アシストMG制御,トルクアシストMG制御を行う。このような構成では上記の説明以外にも、アイドル時にはエンジンを止めたり、減速時にはトルクアシストMGによりエネルギを積極的に回収し、バッテリに蓄える。リーンバーン運転では絞り弁開度が大きいので、エンジンブレーキの効きが悪くなりやすいので、トルクアシストMGによりブレーキをかけ、運転者に違和感を与えないようにする。バッテリが一杯でトルクアシストMGからエネルギ回収できないときには、エンジンの絞り弁または吸気弁を閉じて、エンジンブレーキを効かせるようにしてもよい。
【0039】
図18に他の実施例を示す。アクセル開度,車速などのデータから運転状態を判定し、燃費重視であるか、運転性重視であるかを判定し、エンジントルク制御を行う。燃費重視であるときには、余裕トルクのあまりない、燃費のよい運転を行う。運転性重視では、若干燃費が悪化するが、余裕トルクのある運転をする。
【0040】
図19に本発明の他の実施例を示す。駆動モータの出力に変速機(有段または無段)を備える。目標駆動トルク演算手段の結果に基づき、エンジントルク,モータトルクの分配を決めるとともに変速比を演算する。
【0041】
図20に示すように、駆動トルクは変速比で制御するとともに各変速段の間のトルクを前述のトルクアシストMG、車速アシスト用の差動MGにより制御する。これにより、
MGの容量が小さくても駆動トルクの制御を行うことが可能であり、駆動トルクの制御範囲を広くすることができるので、伝達効率の低いトルクコンバータや流体継手を用いずに、運転が可能である。これによって有段ギアとMGによって駆動トルクの制御が可能となる。
【0042】
図22に本発明の他の実施例を示す。リーンバーン燃焼の時のNOxを浄化させるためにリーンNOx触媒35aを用いる。リーンバーン運転時には排気管の中が酸素過剰、すなわち酸化雰囲気であるため、通常の三元触媒ではNOxを還元することができない。リーン触媒はNOxを触媒に吸着させ、リッチ運転時に排気中の未燃焼炭化水素により酸化雰囲気でも還元することができる。本実施例ではエンジンとして、筒内噴射、可変吸排気バルブを装着しているが、吸気ポート噴射によるリーンバーンに対しても有効である。
【0043】
図23に経過時間に対するリーンNOx触媒の浄化率の変化を示す。時間と共にNOx浄化率が低下している。これはリーン運転を続けると触媒にNOxを吸着した量が多くなり、吸着できずに放出されるためである。空燃比を13のようにリッチ運転を行うと未燃炭化水素により吸着NOxが還元され、再び浄化率が向上する。
【0044】
さらに図24に示すようにさらに長い経過時間とともに、特に燃料中に硫黄分の多い燃料を用いると、触媒の表面にSOxが付着し、浄化率が低下する。しかしこの場合でもリッチ運転を行うことにより浄化率を向上することができる。この場合にはNOx吸着量の放出に比べて長い時間のリッチ運転が必要となる。いずれの場合においても、リッチ運転が必要であり、エンジンの効率が低下し、燃費が悪化する。
【0045】
そこで、図25に示すように空燃比、吸入空気量,エンジン回転数,燃料噴射タイミングなどのデータよりNOx吸着量を推定し、さらに運転時間の長さなどからSOx劣化の程度を推定する。またはNOx触媒の出口にNOxセンサまたは入口と出口にNOxセンサや酸素濃度センサを装着してNOx触媒の吸着,SOx劣化度を求めて、再生運転を行い、そのときにエンジン及びモータトルクの制御を行う。
【0046】
図26にフローチャートを示す。上記のようにNOx吸着量及びSOx劣化度を推定して、再生制御を行うか判定する。再生制御が必要な場合にはエンジンのトルクを小さくして、エンジンで消費される燃料量を、再生制御ができる範囲で少なくする。エンジンのトルクが低下すると駆動軸のトルクが低下し、運転性が悪化するので、トルク段差がないように、駆動モータのトルクを増加させる。その後リッチ運転を行い、再生制御を実施する。これによって、エンジンのトルクが少ない、すなわち燃料消費量が少ない状態で、リッチにするので、車全体として燃費の悪化が少ない。再生制御が終了すると再びエンジンのトルクを増加させ、トルク段差がないように駆動モータのトルクを調整し、リーン運転を行う。
【0047】
図27に駆動トルクに占めるエンジン及びモータの分担を示す。通常運転時にはエンジンで主に運転を行う。一方、再生制御時にはエンジンのトルクを少なくして、トルク段差がないように、モータトルクの調整を行う。
【0048】
これにより、図28に示すように通常運転のまま、再生制御を行ったのに比べて、エンジンのリッチ化による燃費の悪化代が少なくなり、燃費を悪化させることなく、触媒の再生を行うことができる。
【0049】
吸着量の還元のために比べて、SOx再生時は比較的長い時間のリッチ運転が必要になるので、燃費への悪化分が大きいので、SOx再生時のみ本発明のような制御を行ってよい。
【0050】
図29に本発明の他の実施例を示す。空燃比を可変にできるエンジン80に無段階に変速比が可変できる無段変速機100及びトルクアシストモータジェネレータ81を備える。エンジンはリーンバーンによってポンピング損失を低減できる。筒内噴射がリーンバーン時の空燃比を大きくできるので望ましいが、吸気ポート噴射でもよい。エンジン停止時にモータ運転をするために、モータジェネレータ81とエンジン80を切り離すための、クラッチ150を設ける。
【0051】
図30に無段変速機100とモータジェネレータ81の構成を示す。モータアシストするために駆動軸にモータを一体化することも可能である。これによりモータの配置をコンパクトにできる。
【0052】
図31に車速と駆動軸トルクの関係を示す。無段変速機100の場合、連続的に変速比を変えることができるので、駆動軸トルクを連続的に変化できる。これにより、有段変速機のようにトルクコンバータによるトルク増倍が不要であり、トルクコンバータでの伝達効率の悪化を避けることができる。また、エンジントルクに対し、連続的に駆動トルクを制御することができる。
【0053】
図32に本発明のブロック図を示す。目標駆動トルクに対して、変速比,分配駆動トルクを演算し、エンジントルク及びモータトルクを演算する。エンジントルク,回転数に応じて、効率のよくなる空燃比,スロットル開度を計算する。エンジントルクが低いときにはクラッチを切り離し、トルクアシストモータの制御を行う。目標変速比に基づき、無段変速機の変速比を制御する。
【0054】
エンジンは図8,図15のようにエンジントルク,回転数に基づき効率のよい空燃比を選択する。ポート噴射では空燃比25程度がリーン運転限界である。
【0055】
図33に本発明の他の実施方式を示す。空燃比を変化させる変わりに、吸気弁のタイミングを変化させ、吸入空気量を変えて、エンジン運転を行うことによりポンピング損失を低減できるので、吸気弁制御を行ってもよい。さらに排気ガスの環流(EGR)によりポンピング損失を低減させてもよい。
【0056】
図34に本発明の他の実施例を示す。筒内噴射エンジン80と変速機100の間にモータジェネレータ300を設ける。変速機は駆動車輪88に接続される。モータジェネレータ300はモータとしてエンジンの始動,加速時の駆動力アシスト,エンジンのトルク変動を吸収するトルク変動抑制機能をもつ。また、発電機として動作させ、減速運転時のエネルギ回収やエンジン駆動により発電させ、必要電力を供給することが可能である。モータジェネレータ300はインバータ84を介して、バッテリ303に接続される。バッテリ303は例えば42Vの電圧である。バッテリ303には降圧用のDC−DCコンバータ303を接続し、バッテリ309に接続する。バッテリ309は例えば14Vである。バッテリ309には他の電動補機304−306を接続する。また、バッテリ303に昇圧用のDC−DCコンバータ308を設け、電磁式吸気,排気弁の駆動回路30を駆動してもよい。
【0057】
また、バッテリ303には例えば燃料噴射弁302の駆動回路301を接続し、燃料噴射弁を、駆動する。通常、筒内噴射の場合、燃料圧力を100気圧として、1ms以下の弁の開閉時間の応答性を要求されるので、40V以上の電圧を供給する必要がある。このため、14Vのバッテリのみを備えた場合ではDC−DCコンバータを燃料噴射弁の駆動のために設ける必要があり、コストアップになる。42Vのバッテリを用いることによって、燃料噴射弁の駆動回路にDC−DCコンバータが不要になり、回路が簡素化され、エンジンコントロールユニットと同じ基盤に回路を形成できるようになる。また、電圧を高くすることによって、14Vに比べて、他の電気アクチュエータを駆動する場合でも、電流を少なくすることができ、アクチュエータの小型化にも有効である。
【0058】
本発明のようにアイドルストップと筒内噴射エンジンを組み合わせることによって、アイドルストップによるアイドル時に燃費低減、筒内噴射のリーンバーンにより走行時に燃費低減を図ることができる。また、アイドルストップを繰り返すとポート噴射では始動クランキング時の燃料が吸気管に付着し、排気が悪化しやすいが、筒内噴射により吸気管への燃料付着を防止し、排気を向上するメリットもある。
【0059】
図35に本発明の他の実施例を示す。エンジンに例えば42Vを発生させるオルタネータ84を設ける。スタータ321は別個に設ける。このような構成では従来のエンジンのレイアウトを大幅に変更することなく、42Vの供給が可能である。
【0060】
図36にモータジェネレータ300の構成の一例を示す。エンジン80,変速機100の間にロータ403を接続する。ロータには永久磁石401が取り付けられる。ステータ402のコイルにはインバータ84,バッテリ303が接続され、インバータを制御することによって、モータ又は発電機として、動作する。
【0061】
図37に噴射弁の駆動回路の一例を示す。噴射弁のコイル410はバッテリ303からの電圧をスイッチ(MOS−FETなど)409,408によって制御する。図38に示すように噴射の駆動信号(開閉信号)に応じて、駆動電流を制御することによって、噴射弁の開弁時間短縮,開弁中のホールド電流削減を図ることができる。
【0062】
図39に本発明の他の実施例を示す。発電電圧の異なる2つのオルタネータ320,
323を設ける。これによって、例えば14V及び42Vの電圧を発生することができ、降圧用のDC−DCコンバータなど削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のシステム図を示す。
【図2】本発明のシステム図を示す。
【図3】本発明の動作説明図を示す。
【図4】本発明の動作説明図を示す。
【図5】本発明の動作説明図を示す。
【図6】エンジンの構成を示す。
【図7】従来システムの動作説明図を示す。
【図8】本発明の動作説明図を示す。
【図9】空燃比,EGR制御の一例を示す。
【図10】空気流動制御方法の一例を示す。
【図11】空燃比,EGR制御の一例を示す。
【図12】燃焼制御方法の一例を示す。
【図13】従来システムの動作説明図を示す。
【図14】本発明の動作説明図を示す。
【図15】本発明の他の実施例を示す。
【図16】過渡時の駆動トルク制御を示す。
【図17】本発明のブロック図を示す。
【図18】本発明の他のブロック図を示す。
【図19】本発明のシステムの他の実施例を示す。
【図20】本発明のブロック図を示す。
【図21】本発明の動作説明図を示す。
【図22】本発明の他の実施例を示す。
【図23】NOx触媒の動作例を示す。
【図24】NOx触媒の動作例を示す。
【図25】本発明のブロック図を示す。
【図26】本発明のフローチャートを示す。
【図27】本発明の動作説明図を示す。
【図28】本発明の効果を示す。
【図29】本発明の他の実施例を示す。
【図30】本発明の他の実施例を示す。
【図31】無段変速機の動作を示す。
【図32】本発明のブロック図を示す。
【図33】本発明の動作説明図を示す。
【図34】本発明の他の実施例を示す。
【図35】本発明の他の実施例を示す。
【図36】本発明の動作説明図を示す。
【図37】噴射弁の駆動回路を示す。
【図38】駆動電流波形を示す。
【図39】本発明の他の実施例を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン及び電気モータを有するハイブリッド自動車の制御装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンと電気モータを用いるハイブリッド自動車では、エンジンで発生させた動力を直接又は発電機によって電気エネルギに変換し、電気エネルギをモータによって機械エネルギに変換又はバッテリに貯蓄する。バッテリのみでエネルギを供給する電気自動車に比べて走行距離を長くできるなどメリットがある。
【0003】
特開平9−37410号公報ではエンジン,動力分配機構,モータジェネレータを備えた構成を開示している。このようなハイブリッド車では、要求駆動トルクが大きいときには、エンジンで駆動すると共に、エンジンの動力の一部を車速アシスト用のモータジェネレータに分配し、ジェネレータとして作用させ、その発電電力によって駆動用モータからトルクのアシストを行い、駆動トルクを大きくしている。
【0004】
一方、駆動トルクが小さく、車速が大きいときには、エンジンの駆動トルクの一部を駆動トルクアシスト用のモータジェネレータから回収し、その電力によって差動モータジェネレータをモータとして動作させ、高車速での運転を可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−37410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構成では車速が小さく、要求駆動トルクが小さい運転を行う(要求駆動出力が小さい)ときには、エンジントルクの小さい領域で運転することが必要である。エンジントルクが小さい領域では、絞り弁を閉じた運転をするので、ポンピング損失が大きくなり、燃費が悪化しやすい。
【0007】
また、ポンピング損失が大きい領域での運転を制限するとエンジンで運転する運転域が小さくなり、加速時にトルクをアシストするためにモータが大きくなるという問題点がある。
【0008】
低速,低トルクのときにエンジンの運転を止めるとバッテリでの運転が多くなり、バッテリ容量が大きくなったり、バッテリの充電,放電制御を頻繁に行う必要が生ずるという問題点があった。
【0009】
高効率運転を実現するにはエンジンと変速機を組み合わせ、変速段(無段変速比なら変速比)を小さく選べ、なるべくエンジントルクの大きい領域での運転を行うことによって実現できる。しかし、すでに最大トルク近傍の運転をしているので、加速時の余裕トルクがなく、加速感が悪く、運転性が低下するという問題点もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明の第1目的は、モータ,バッテリの容量を大きくすることなく、高効率運転を可能とするエンジン−電気モータのハイブリッド車を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は高効率運転時の運転性を確保することにある。
【0012】
この第1の目的を達成するためには、リーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転を低減することにより実現できる。
【0013】
リーンバーンでは絞り弁を開くので、ポンピング損失を低減できるメリットがある。この場合、低トルク時のエンジンのポンピング損失を低減する方法として、吸気バルブタイミングを制御し、吸入空気量を制御してもよい。
【0014】
第2の目的は要求エンジン出力で運転するのに、エンジン回転数の大きな領域を選定し、余裕トルクを確保することによって実現できる。
【0015】
たとえば、アクセル開度の変化によって、運転者が燃費を重視しているのか、運転性を重視しているのか判定し、運転性を重視するときには余裕トルクの大きいエンジン運転域を選定する。エンジン回転数の高い領域は最高効率点よりは燃費が悪化するが、運転性を優先する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、モータ,バッテリの容量を大きくすることなく、高効率運転を可能とするエンジン−電気モータのハイブリッド車を提供することでき、かつ高効率運転時の運転性を確保することが可能である。
【0017】
これらはリーンバーンにより高効率運転領域を拡大し、低トルク時のエンジンによる運転を多くし、バッテリによるモータ運転を低減することにより実現できる。リーンバーンでは絞り弁を開くので、ポンピング損失を低減できるメリットがある。この場合、低トルク時のエンジンのポンピング損失を低減する方法として、吸気バルブタイミングを制御し、吸入空気量を制御してもよい。
【0018】
また要求エンジン出力で運転するのに、エンジン回転数の大きな領域を選定し、余裕トルクを確保することによって実現できる。たとえば、アクセル開度の変化によって、運転者が燃費を重視しているのか、運転性を重視しているのかを判定し、運転性を重視するときには余裕トルクの大きいエンジン運転域を選定する。エンジン回転数の高い領域は最高効率点よりは燃費がわずかに悪化するが、運転性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に本発明の構成を示す。エンジン80と駆動アシスト用モータジェネレータ81,差動モータジェネレータ83,動力分配機構82,バッテリ87,インバータ84,85から構成される。エンジン81は空燃比によってエンジンの出力を制御できる筒内噴射エンジンが望ましい。筒内噴射エンジンは筒内に燃料を直接噴射し、混合気分布を制御できるので、超リーンバーン運転が可能である。駆動車輪88はエンジン81及び駆動アシスト用モータジェネレータ81,差動用モータジェネレータ83により駆動される。エンジンの効率を最大にするように駆動トルクの分配を制御する。エンジン,モータは制御用コントロールユニット(図示せず)により、最適に制御される。
【0021】
図2に動力分配機構82の構成例を示す。はずば歯車の82a−82hにより出力の分配を行う。エンジンの出力は歯車82aを介して82fに伝わり、82g,82hによって、駆動車輪88を駆動する。モータジェネレータ(以下MG)81の軸は、歯車82hと同軸になっており、MGに電気が加えられていないときには歯車の出力がそのまま伝わる。MG83がモータとして動作し、歯車82cを駆動すると、歯車82gでの回転が加算され、駆動軸の回転が高くなり、高車速での運転が可能となる。バッテリ87の電気はインバータ81を介して、駆動アシスト用のMG81を駆動したり、インバータ85を介して、差動用のMGを駆動する。
【0022】
図3に本発明の基本動作を車速アシストする場合について示す。エンジン80からの出力は歯車82a,82e,82d,82gを通って、駆動車輪88に伝わる。駆動トルクが小さく、車速が高いような高速平地走行などでは、駆動アシストMG81を発電機として作用させ、発電電力で車速アシスト用の差動MG83をモータとして作用させる。MG83が歯車82cを回転させると歯車82gの出力回転を増速することができる。
【0023】
図4に本発明の基本動作を駆動トルクアシストする場合について示す。エンジン80からの出力は歯車82a,82e,82d,82gを通って、駆動車輪88に伝わる。駆動トルクが大きく、車速が高く、駆動トルクの小さな高速走行運転時には、エンジントルクの一部を動力分配機構82によって分配し、車速アシスト用の差動MG83を駆動し、トルクをアシストする。このように、動力分配機構82によってエンジンの動力を分配し、トルクアシスト用MG81,車速アシスト用MG83を最適制御することにより、駆動トルクを制御することができる。
【0024】
図5に車速と駆動トルクの関係を示す。同一のエンジン出力において、エンジントルクよりも大きな駆動トルクが必要な場合にはトルクアシストMGをモータとして動作させ、エンジントルクとモータトルクを合成し、駆動トルクを大きくする。一方、車速が必要な場合には、トルクアシストMGを発電機として動作させ、車速アシスト用の差動MGをモータとして動作させて、車速をアシストする。これにより、エンジンの運転点を一つでも駆動トルクと車速を同一出力において変化させることができる。
【0025】
以上の説明は動力分配機構として差動歯車を例に説明したが、遊星歯車機構など他の機構を用いても構わない。
【0026】
図6にエンジンの構成の一例を示す。空気は空気量検出センサ7,絞り弁10,吸気管11,吸気弁16を介して、エンジン13へ吸入される。空気量は絞り弁10の開度、吸気弁16の開度を変化させることによって制御できる。空気量は空気量検出センサ7によって計量される。必要に応じて、吸気管内圧力センサ31,筒内圧力センサ42によって、吸気管,気筒内の圧力をそれぞれ検出する。吸気弁はたとえば電磁ソレノイド18,
19へ駆動回路30より電圧を印加することによって可動部22が電磁力の作用によって動き、それにつながった吸気弁16が開閉動作する。駆動回路はエンジン制御ユニット
12に内蔵してもよい。排気弁17についても同様な作用をする。燃料は筒内に直接燃料を噴射できるインジェクタ1より供給される。インジェクタは駆動回路32によって駆動される。絞り弁はモータ9によって開閉動作し、その開度はスロットルセンサ8により検出される。アクセル開度αはアクセル開度センサ(図示せず)によって検出され、少なくともアクセル開度センサ信号に基づき、吸排気弁が制御される。制御装置12は上記センサの信号に基づき、絞り弁,吸排気弁などを制御する。
【0027】
このような構成では、燃料を気筒内に直接噴射しているので、気筒内の混合気を直接制御でき、空燃比の大きな混合気での運転すなわちリーンバーン運転が可能である。これにより絞り弁を開いた運転が可能になり、ポンピング損失を低減することができる。さらに、上記のように吸排気バルブの開閉時期,期間を制御することによって、気筒内の吸入空気量を制御できるので、絞り弁によらず空気量の調整が可能であり、ポンピング損失低減に一層の効果がある。
【0028】
図7にエンジンのトルク,燃料消費率特性を示す。エンジン軸トルクの大きな領域で燃料消費率が小さくなり、燃費がよい。これは軸トルクが大きくなると絞り弁の開度が大きくなり、ポンピング損失が低減するためである。絞り弁全開よりも低いところに燃費最良点があるのはこのエンジンでは空燃比が濃く設定されているためである。中高負荷領域となるようにエンジンを運転することによってエンジンの効率を高めることができる。一方、エンジンのトルクが小さくなるとポンピング損失が増加するので、モータによる運転を行っている。このため、従来のハイブリッドシステムではモータによる運転が多くなり、モータに充放電制御を頻繁に行ったり、バッテリを大きくする必要がある。さらに高いトルクまでモータで運転するので、大きなモータを備える必要が生じる。モータ,バッテリにより車体が重くなるため、エンジン,モータによる高効率運転により燃費を改善しても、車重の増加分で燃費が悪化し、全体として燃費改善の効果が少なくなってしまう。
【0029】
図8に本発明におけるエンジンの運転方法を示す。空燃比をストイキ(14.7 )に対して、20,40のように大きくすると、全開運転のときのトルクが小さくなる。このとき絞り弁の開度は大きくなり、ポンピング損失を低減できるので、エンジントルクが低い運転領域でも燃費を向上することができる。このため、モータでの運転が少なくなり、小型のモータでの使用が可能で、バッテリも小さくできるので、軽量化が可能である。例えば、空燃比40で運転し、さらにエンジン出力が必要になったときには空燃比を小さくするように変化させ、トルクを増大する。空燃比を20より小さくしたときにはストイキ
(14.7 )で運転し、さらにエンジン出力が必要なときにはエンジン回転数を増大させる。
【0030】
図9にエンジントルクとエンジン回転数に対する目標空燃比,EGRの付加を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比40以上の超リーンバーン運転を行い、燃費低減を図る。負荷の増大と共に空燃比20〜40でEGRを付加した運転、空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転、さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態にする。EGRを加えることによってNOxを低減することができる。絞り弁全開ではエンジン出力を大きくするため、EGRを止めて、空気を多く気筒内に吸入し、より多くの燃料を燃焼させる。
【0031】
図10にエンジン内の空気流動パターンの制御例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比40以上の超リーンバーン運転では、点火プラグ付近に混合気を集中させること(成層化)が必要である。エンジン内に逆タンブル流を形成し、空気流によって、点火プラグ方向に燃料を搬送する。負荷の増大したときの空燃比20〜40でEGRを付加した運転では、点火プラグ周囲に混合気を集中しすぎると、酸素不足となり、スモークを発生しやすくなる。そこで、気筒内の流動をスワールとして、比較的気筒内の混合気が集中しすぎないようにする。スワール流はピストンが圧縮上死点に近づいたときでも、流動が保存されやすいので、空気と燃料の混合の促進に有効である。また、EGRを付加した場合、EGRと混合気の混合を良くし、燃焼を安定化させる効果もある。混合気の空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転でもスワール流とする。さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態では出力を大きくするために、多くの空気を導入することが必要で、吸気弁,吸気管などに抵抗を設けることなく、吸気管の形状できまる流動とする。出力を向上するには気筒内で空気と燃料の混合を促進し、空気利用率を大きくすることが大切である。順タンブルによって、ピストンキャビテイ内にある燃料もかき出し、空気と燃料の混合を促進する。
【0032】
図11にエンジントルクとエンジン回転数に対する目標空燃比,EGRの付加する場合の他の実施例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には空燃比80から40の超リーンバーン運転を行い、燃費低減を図る。負荷の増大と共に空燃比20〜40でEGRを付加した運転、空燃比ストイキ(14.7 )でEGRを付加した運転、さらに負荷が大きくなるとEGRを付加しない運転状態にする。EGRを加えることによってNOxを低減することができる。絞り弁全開ではエンジン出力を大きくするため、EGRを止めて、空気を多く気筒内に吸入し、より多くの燃料を燃焼させる。
【0033】
図12に燃焼の制御例を示す。エンジントルク,エンジン回転数が小さい、いわゆる低負荷時には点火プラグからの火炎伝播でなく、ピストンの圧縮熱によって圧縮着火させる。この場合には混合気が各箇所で点火されるので、伝播距離が短くなり空燃比80のような非常に薄い混合気での燃焼が可能となる。さらに空燃比が小さくなる運転域では点火プラグ周囲に混合気を集める成層燃焼、さらに空燃比を小さくするときには気筒内で空気と燃料を均質に混合する均質混合気による燃焼を行う。
【0034】
加速運転時のエンジンの制御方法を図13に示す。要求エンジン出力を満足する場合、たとえば点Aまたは点Bを選ぶことができる。燃費をよくするためにはポンピング損失の少ない、点Aでの運転を行う。このときに加速をするときにはエンジンの最大トルクまでの余裕がないので、モータによりトルクをアシストする必要がある。このときにはモータが大きくなるという問題点がある。点Bで運転をすると絞り弁開度が小さいので、ポンピング損失が大きくなり、燃費が悪化する。このときには最大トルクまでの余裕があるので、モータのアシストがなく(または小さくても)十分な加速感が得られる。すなわち、燃費と加速感を両立するためにはモータを大きくする必要がある。
【0035】
図14に本発明での制御例を示す。空燃比40で運転することにより点Bにおいても絞り弁開度が大きくできるので、ポンピング損失が小さくでき、燃費を向上できる。このときには最大エンジントルクまでの余裕があるので、加速感をうることができる。点Aに比べて、点Bは燃費が若干悪いが、運転性を重視するような運転領域では点Bを選ぶ。運転者の指向は例えばアクセル開度の変化の頻度が多いときには運転性を重視していると判断、アクセル開度の変化が少なく、定常運転しているときには燃費を重視していると判断するなど少なくともアクセル開度のデータを用いて判定することができる。
【0036】
図15に本発明の他の動作例を示す。空燃比として、40,20,15という空燃比をリニアに変化させることなく、ステップ状に変化させる。この場合には空燃比の制御が簡単になるメリットがある。また、空燃比20から15の間でNOxがでる空燃比を避けることができるので、排気対策上、有効である。しかし、空燃比をステップ的に変化させるとエンジントルクも変化するので、運転性に問題を生ずるため、スロットル開度をモータなどで制御して、トルク段差をなくす。
【0037】
本発明では駆動軸にモータを備えているので、図16に示すように、アクセル開度に合わせて、駆動トルクを制御しようとする場合、まずモータによりトルクの制御を精密に行い、あるトルク以上になったときにエンジンの空燃比を40から20に切り替える。このときトルクの段差があるので、モータのトルクを調整し、駆動トルクに段差が生じないようにすることが可能である。この場合、エンジン及びモータにおいて、目標トルクに対する応答性が異なるので、動的なエンジン,モータモデルにより、過渡時のトルクの応答を制御する。
【0038】
図17に本発明のブロック図を示す。アクセル開度,車速,バッテリ容量,ブレーキ,エアコンなどの信号から目標駆動トルクを演算する。目標駆動トルクは分配駆動トルク演算手段によりエンジントルクとモータトルクを配分し、スロットル開度,空燃比,車速アシストMG制御,トルクアシストMG制御を行う。このような構成では上記の説明以外にも、アイドル時にはエンジンを止めたり、減速時にはトルクアシストMGによりエネルギを積極的に回収し、バッテリに蓄える。リーンバーン運転では絞り弁開度が大きいので、エンジンブレーキの効きが悪くなりやすいので、トルクアシストMGによりブレーキをかけ、運転者に違和感を与えないようにする。バッテリが一杯でトルクアシストMGからエネルギ回収できないときには、エンジンの絞り弁または吸気弁を閉じて、エンジンブレーキを効かせるようにしてもよい。
【0039】
図18に他の実施例を示す。アクセル開度,車速などのデータから運転状態を判定し、燃費重視であるか、運転性重視であるかを判定し、エンジントルク制御を行う。燃費重視であるときには、余裕トルクのあまりない、燃費のよい運転を行う。運転性重視では、若干燃費が悪化するが、余裕トルクのある運転をする。
【0040】
図19に本発明の他の実施例を示す。駆動モータの出力に変速機(有段または無段)を備える。目標駆動トルク演算手段の結果に基づき、エンジントルク,モータトルクの分配を決めるとともに変速比を演算する。
【0041】
図20に示すように、駆動トルクは変速比で制御するとともに各変速段の間のトルクを前述のトルクアシストMG、車速アシスト用の差動MGにより制御する。これにより、
MGの容量が小さくても駆動トルクの制御を行うことが可能であり、駆動トルクの制御範囲を広くすることができるので、伝達効率の低いトルクコンバータや流体継手を用いずに、運転が可能である。これによって有段ギアとMGによって駆動トルクの制御が可能となる。
【0042】
図22に本発明の他の実施例を示す。リーンバーン燃焼の時のNOxを浄化させるためにリーンNOx触媒35aを用いる。リーンバーン運転時には排気管の中が酸素過剰、すなわち酸化雰囲気であるため、通常の三元触媒ではNOxを還元することができない。リーン触媒はNOxを触媒に吸着させ、リッチ運転時に排気中の未燃焼炭化水素により酸化雰囲気でも還元することができる。本実施例ではエンジンとして、筒内噴射、可変吸排気バルブを装着しているが、吸気ポート噴射によるリーンバーンに対しても有効である。
【0043】
図23に経過時間に対するリーンNOx触媒の浄化率の変化を示す。時間と共にNOx浄化率が低下している。これはリーン運転を続けると触媒にNOxを吸着した量が多くなり、吸着できずに放出されるためである。空燃比を13のようにリッチ運転を行うと未燃炭化水素により吸着NOxが還元され、再び浄化率が向上する。
【0044】
さらに図24に示すようにさらに長い経過時間とともに、特に燃料中に硫黄分の多い燃料を用いると、触媒の表面にSOxが付着し、浄化率が低下する。しかしこの場合でもリッチ運転を行うことにより浄化率を向上することができる。この場合にはNOx吸着量の放出に比べて長い時間のリッチ運転が必要となる。いずれの場合においても、リッチ運転が必要であり、エンジンの効率が低下し、燃費が悪化する。
【0045】
そこで、図25に示すように空燃比、吸入空気量,エンジン回転数,燃料噴射タイミングなどのデータよりNOx吸着量を推定し、さらに運転時間の長さなどからSOx劣化の程度を推定する。またはNOx触媒の出口にNOxセンサまたは入口と出口にNOxセンサや酸素濃度センサを装着してNOx触媒の吸着,SOx劣化度を求めて、再生運転を行い、そのときにエンジン及びモータトルクの制御を行う。
【0046】
図26にフローチャートを示す。上記のようにNOx吸着量及びSOx劣化度を推定して、再生制御を行うか判定する。再生制御が必要な場合にはエンジンのトルクを小さくして、エンジンで消費される燃料量を、再生制御ができる範囲で少なくする。エンジンのトルクが低下すると駆動軸のトルクが低下し、運転性が悪化するので、トルク段差がないように、駆動モータのトルクを増加させる。その後リッチ運転を行い、再生制御を実施する。これによって、エンジンのトルクが少ない、すなわち燃料消費量が少ない状態で、リッチにするので、車全体として燃費の悪化が少ない。再生制御が終了すると再びエンジンのトルクを増加させ、トルク段差がないように駆動モータのトルクを調整し、リーン運転を行う。
【0047】
図27に駆動トルクに占めるエンジン及びモータの分担を示す。通常運転時にはエンジンで主に運転を行う。一方、再生制御時にはエンジンのトルクを少なくして、トルク段差がないように、モータトルクの調整を行う。
【0048】
これにより、図28に示すように通常運転のまま、再生制御を行ったのに比べて、エンジンのリッチ化による燃費の悪化代が少なくなり、燃費を悪化させることなく、触媒の再生を行うことができる。
【0049】
吸着量の還元のために比べて、SOx再生時は比較的長い時間のリッチ運転が必要になるので、燃費への悪化分が大きいので、SOx再生時のみ本発明のような制御を行ってよい。
【0050】
図29に本発明の他の実施例を示す。空燃比を可変にできるエンジン80に無段階に変速比が可変できる無段変速機100及びトルクアシストモータジェネレータ81を備える。エンジンはリーンバーンによってポンピング損失を低減できる。筒内噴射がリーンバーン時の空燃比を大きくできるので望ましいが、吸気ポート噴射でもよい。エンジン停止時にモータ運転をするために、モータジェネレータ81とエンジン80を切り離すための、クラッチ150を設ける。
【0051】
図30に無段変速機100とモータジェネレータ81の構成を示す。モータアシストするために駆動軸にモータを一体化することも可能である。これによりモータの配置をコンパクトにできる。
【0052】
図31に車速と駆動軸トルクの関係を示す。無段変速機100の場合、連続的に変速比を変えることができるので、駆動軸トルクを連続的に変化できる。これにより、有段変速機のようにトルクコンバータによるトルク増倍が不要であり、トルクコンバータでの伝達効率の悪化を避けることができる。また、エンジントルクに対し、連続的に駆動トルクを制御することができる。
【0053】
図32に本発明のブロック図を示す。目標駆動トルクに対して、変速比,分配駆動トルクを演算し、エンジントルク及びモータトルクを演算する。エンジントルク,回転数に応じて、効率のよくなる空燃比,スロットル開度を計算する。エンジントルクが低いときにはクラッチを切り離し、トルクアシストモータの制御を行う。目標変速比に基づき、無段変速機の変速比を制御する。
【0054】
エンジンは図8,図15のようにエンジントルク,回転数に基づき効率のよい空燃比を選択する。ポート噴射では空燃比25程度がリーン運転限界である。
【0055】
図33に本発明の他の実施方式を示す。空燃比を変化させる変わりに、吸気弁のタイミングを変化させ、吸入空気量を変えて、エンジン運転を行うことによりポンピング損失を低減できるので、吸気弁制御を行ってもよい。さらに排気ガスの環流(EGR)によりポンピング損失を低減させてもよい。
【0056】
図34に本発明の他の実施例を示す。筒内噴射エンジン80と変速機100の間にモータジェネレータ300を設ける。変速機は駆動車輪88に接続される。モータジェネレータ300はモータとしてエンジンの始動,加速時の駆動力アシスト,エンジンのトルク変動を吸収するトルク変動抑制機能をもつ。また、発電機として動作させ、減速運転時のエネルギ回収やエンジン駆動により発電させ、必要電力を供給することが可能である。モータジェネレータ300はインバータ84を介して、バッテリ303に接続される。バッテリ303は例えば42Vの電圧である。バッテリ303には降圧用のDC−DCコンバータ303を接続し、バッテリ309に接続する。バッテリ309は例えば14Vである。バッテリ309には他の電動補機304−306を接続する。また、バッテリ303に昇圧用のDC−DCコンバータ308を設け、電磁式吸気,排気弁の駆動回路30を駆動してもよい。
【0057】
また、バッテリ303には例えば燃料噴射弁302の駆動回路301を接続し、燃料噴射弁を、駆動する。通常、筒内噴射の場合、燃料圧力を100気圧として、1ms以下の弁の開閉時間の応答性を要求されるので、40V以上の電圧を供給する必要がある。このため、14Vのバッテリのみを備えた場合ではDC−DCコンバータを燃料噴射弁の駆動のために設ける必要があり、コストアップになる。42Vのバッテリを用いることによって、燃料噴射弁の駆動回路にDC−DCコンバータが不要になり、回路が簡素化され、エンジンコントロールユニットと同じ基盤に回路を形成できるようになる。また、電圧を高くすることによって、14Vに比べて、他の電気アクチュエータを駆動する場合でも、電流を少なくすることができ、アクチュエータの小型化にも有効である。
【0058】
本発明のようにアイドルストップと筒内噴射エンジンを組み合わせることによって、アイドルストップによるアイドル時に燃費低減、筒内噴射のリーンバーンにより走行時に燃費低減を図ることができる。また、アイドルストップを繰り返すとポート噴射では始動クランキング時の燃料が吸気管に付着し、排気が悪化しやすいが、筒内噴射により吸気管への燃料付着を防止し、排気を向上するメリットもある。
【0059】
図35に本発明の他の実施例を示す。エンジンに例えば42Vを発生させるオルタネータ84を設ける。スタータ321は別個に設ける。このような構成では従来のエンジンのレイアウトを大幅に変更することなく、42Vの供給が可能である。
【0060】
図36にモータジェネレータ300の構成の一例を示す。エンジン80,変速機100の間にロータ403を接続する。ロータには永久磁石401が取り付けられる。ステータ402のコイルにはインバータ84,バッテリ303が接続され、インバータを制御することによって、モータ又は発電機として、動作する。
【0061】
図37に噴射弁の駆動回路の一例を示す。噴射弁のコイル410はバッテリ303からの電圧をスイッチ(MOS−FETなど)409,408によって制御する。図38に示すように噴射の駆動信号(開閉信号)に応じて、駆動電流を制御することによって、噴射弁の開弁時間短縮,開弁中のホールド電流削減を図ることができる。
【0062】
図39に本発明の他の実施例を示す。発電電圧の異なる2つのオルタネータ320,
323を設ける。これによって、例えば14V及び42Vの電圧を発生することができ、降圧用のDC−DCコンバータなど削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のシステム図を示す。
【図2】本発明のシステム図を示す。
【図3】本発明の動作説明図を示す。
【図4】本発明の動作説明図を示す。
【図5】本発明の動作説明図を示す。
【図6】エンジンの構成を示す。
【図7】従来システムの動作説明図を示す。
【図8】本発明の動作説明図を示す。
【図9】空燃比,EGR制御の一例を示す。
【図10】空気流動制御方法の一例を示す。
【図11】空燃比,EGR制御の一例を示す。
【図12】燃焼制御方法の一例を示す。
【図13】従来システムの動作説明図を示す。
【図14】本発明の動作説明図を示す。
【図15】本発明の他の実施例を示す。
【図16】過渡時の駆動トルク制御を示す。
【図17】本発明のブロック図を示す。
【図18】本発明の他のブロック図を示す。
【図19】本発明のシステムの他の実施例を示す。
【図20】本発明のブロック図を示す。
【図21】本発明の動作説明図を示す。
【図22】本発明の他の実施例を示す。
【図23】NOx触媒の動作例を示す。
【図24】NOx触媒の動作例を示す。
【図25】本発明のブロック図を示す。
【図26】本発明のフローチャートを示す。
【図27】本発明の動作説明図を示す。
【図28】本発明の効果を示す。
【図29】本発明の他の実施例を示す。
【図30】本発明の他の実施例を示す。
【図31】無段変速機の動作を示す。
【図32】本発明のブロック図を示す。
【図33】本発明の動作説明図を示す。
【図34】本発明の他の実施例を示す。
【図35】本発明の他の実施例を示す。
【図36】本発明の動作説明図を示す。
【図37】噴射弁の駆動回路を示す。
【図38】駆動電流波形を示す。
【図39】本発明の他の実施例を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの動力を分配する動力分配機構と、
前記動力分配機構の出力軸に配置されるトルクアシストモータジェネレータと、
前記トルクアシストモータジェネレータに連結される駆動軸と、
前記動力分配機構の他の入力軸に連結される差動モータジェネレータと、
前記トルクアシストモータジェネレータ及び前記差動モータジェネレータにインバータを介して電気的に接続されたバッテリと、
前記エンジンの空燃比を可変にするエンジン制御装置とを有することを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの動力を分配する動力分配機構と、
前記動力分配機構の出力軸に配置されるトルクアシストモータジェネレータと、
前記トルクアシストモータジェネレータに連結される駆動軸と、
前記動力分配機構の他の入力軸に連結される差動モータジェネレータと、
前記トルクアシストモータジェネレータ及び前記差動モータジェネレータにインバータを介して電気的に接続されたバッテリと、
前記エンジンの空燃比を可変にするエンジン制御装置とを有することを特徴とするハイブリッド自動車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公開番号】特開2006−264685(P2006−264685A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79904(P2006−79904)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【分割の表示】特願2000−536965(P2000−536965)の分割
【原出願日】平成11年3月19日(1999.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【分割の表示】特願2000−536965(P2000−536965)の分割
【原出願日】平成11年3月19日(1999.3.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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