パターニング方法、積層体、並びにアレイ基板および電子デバイス
【課題】微細なパターンを有する膜の形成を実現するパターニング方法と、このパターニング方法を用いて製造した積層体、アレイ基板ならびに微細化された電子デバイスを提供する。
【解決手段】本発明に係るパターニング方法は、金属含有層からなり、所望のパターンの開口17が設けられたマスクM1を基板10の上に形成する工程と、前記基板10上の前記開口17が設けられた領域および前記マスクM1の上に被パターニング膜20を形成する工程と、前記マスクM1を前記基板10から剥離する工程と、を含み、前記基板側10の開口17の面積は、他方の開口17の面積と同一であるか、または他方の開口17の面積より小さいことを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るパターニング方法は、金属含有層からなり、所望のパターンの開口17が設けられたマスクM1を基板10の上に形成する工程と、前記基板10上の前記開口17が設けられた領域および前記マスクM1の上に被パターニング膜20を形成する工程と、前記マスクM1を前記基板10から剥離する工程と、を含み、前記基板側10の開口17の面積は、他方の開口17の面積と同一であるか、または他方の開口17の面積より小さいことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターニング方法、特に高温の熱処理を経て形成される膜のパターニング方法、このパターニング方法を適用した積層体、アレイ基板および電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体デバイスの形成においては、酸化物半導体デバイスを構成する酸化物膜の形成およびパターニングを繰り返すことにより形成される。このような酸化物膜のパターニングには、従来からフォトリソグラフィ法が広く用いられている。フォトリソグラフィ法は大別してトップダウン手法とボトムアップ手法とに分けることができる。
【0003】
まずトップダウン手法においては、レジストをレーザーにより加工し、レジストに穴を開け、そこから薬液を流し込み、パターンのないところのみを除去する。しかし、酸化物膜に対してフォトリソグラフィとウェットケミカルエッチングとを行うフォトリソグラフィ法の適用はシリコン基板ほど容易ではなく、その分解能は、1μm程度である。これは、レジストと酸化物膜との密着性が悪く、レジストパターンの下までエッチングが進んでしまうからであると考えられる。また膜種によってはPZTのように薬液によって除去することができない膜もある。
【0004】
ボトムアップ手法のうち、代表的なものとして、リフトオフ法を挙げることができる。リフトオフ法によれば、フォトリソグラフィ法などにより反転パターンのレジストを形成した後、このレジストの上に所望の膜を形成し、レジストを除去することで形成される。この手法では、レジストパターンの形がほぼ正確に反映される点で、微細加工法として優れている。しかし、レジストは高温に耐えることができないため、このリフトオフ法では金属酸化膜などの、高温条件下での形成を必要とする膜をパターニングすることができないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1には、反転パターンのマスクとしてレジストではなくNaClを用いてMgO層をパターニングする方法が開示されている。また、特許文献2には、反転パターンのマスクとして電気メッキ法により形成したメッキ層を用い、強誘電体薄膜をパターニングする方法が開示されている。
【特許文献1】特開平05−335638号公報(平成5年12月17日公開)
【特許文献2】特開平06−260478号公報(平成6年9月16日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のようにNaCl、CaOなどをマスクとした場合には、高温での熱処理を要する膜を形成する方法に適用することができない。NaCl、CaOは高温での熱処理に耐えることができず、昇華してしまい、マスクとしての役割を果たすことができないためである。また、特許文献2に開示の技術では、マスクとなるメッキ層を電気メッキで形成しており、メッキ層は、開口の上方に向かって径が小さくなるようオーバーハング形状を維持している。そのため、微細なパターンを形成したい場合には、所望のパターンよりもさらに小さい開口端を有するメッキ層を形成しなくてはならず、開口中にパターニングされる膜を形成することが困難となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細なパターンを有する膜の形成を実現するパターニング方法と、このパターニング方法を用いた積層体、アレイ基板ならびに電子デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパターニング方法は、金属含有層からなり、所望のパターンの開口が設けられているマスクを基板の上に形成する工程と、前記基板上の前記開口が設けられた領域および前記マスクの上に被パターニング膜を形成する工程と、前記マスクを前記基板から剥離する工程と、を含み、前記開口は、前記基板側の開口端の面積が他方の開口端の面積と同一であるか、または他方の開口端の面積より小さいことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、第1マスクの開口は、基板から離れた開口端面の面積がそれ以外の部分の平面面積と比べて同一または大きい。つまり、マスクの開口上端は、形成したい膜のパターンとほぼ同一の幅を有する。そのため、開口内に被パターニング膜の形成を良好に行うことができる。その結果、形状の崩れなどがなく、所望のパターンの膜を形成することができる。なお、本発明において金属含有層とは、金属含有化合物、合金層などを含む。
【0010】
本発明に係るパターニング方法では、前記基板側の開口端の幅は、10nm以上、1000nm以下であることが好ましい。
【0011】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜は多層膜であることが好ましい。この構成によれば、被パターニング膜が多層膜であっても、形状の崩れがなく所望の形状の積層体を得ることができる。また、マスクの開口が所望の形状を有することで、多層膜を形成した場合には、その側面が面一となった積層体を形成することができる。
【0012】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜を形成する工程が、200℃以上、800℃以下の熱処理を含むことが好ましい。この構成では、マスクは金属含有層からなるため、高温の熱処理を経て形成される場合であっても、形状の崩れなどを起こすことがない。その結果、膜のパターニングを良好に行うことができる。
【0013】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜は金属酸化物からなる膜であることが好ましい。
【0014】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファス層であることが好ましい。この構成によれば、結晶質の金属層を用いる場合と比してマスクの除去を容易に行うことができる。そのため、マスク除去時に、被パターニング膜が劣化することを抑制することができる。
【0015】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファスMgOであることが好ましい。本願出願人は、マスクとして最適な材質について鋭意研究の結果、アモルファスMgOが水に可溶であることを見出した。このアモルファスMgOをマスクとして用いることで、被パターニング膜および基板にダメージを与えることなく良好なパターニングを実現できる。
【0016】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファスMoであってもよい。このアモルファスMoは過酸化水素またはアルカリ水溶液によって除去することができる。これをマスクとして用いることで、被パターニング膜および基板にダメージを与えることなく良好なパターニングを実現できる。
【0017】
また、アモルファスMoを用いたパターニング方法では、被パターニング膜の形成温度が400℃を超える場合、Moが結晶化して除去しにくくなるという問題点がある。この場合は前記基板と前記マスクとの間にSiO2、TiO2などのアモルファス層が形成されていることが好ましい。この構成によれば、アモルファスMoマスクを結晶化させることなくマスクの除去を容易に行うことができる。
【0018】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクが水溶性の金属含有層からなることが好ましい。この構成によれば、水によりマスクを基板から剥離できるため被パターニング膜へ与えるダメージを最小限にすることができる。
【0019】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクを形成する工程は、前記基板の上に前記開口が設けられる位置に凸部を形成すること、前記凸部が形成されていない前記基板の上および前記凸部の上に金属含有層を形成すること、および、前記凸部を前記基板から剥離することを含むことが好ましい。
【0020】
本発明に係るパターニング方法では、前記凸部は、前記基板の上にレジスト層を形成し、該凸部に対応する凹部を有する型を押圧することで形成されることが好ましい。この構成によれば、いわゆるインプリント法により凸部を形成することができる。インプリント法は大面積のパターニングを良好に行うことができるため、例えば、パターニングされた膜(積層体を含む)が規則的に配列したアレイ基板を提供することができる。
【0021】
本発明に係る積層体は、上述の本発明に係るパターニング方法により形成されたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るアレイ基板は、上述の本発明に係るパターニング方法により形成された膜が基板内に配列されていることを特徴とする。この構成によれば、微細なパターンの膜(被パターニング膜が多層膜である場合には積層体となる)が規則的に配列されたアレイ基板を提供することができる。
【0023】
本発明に係る電子デバイスは、上述の本発明に係るパターニング方法により形成された膜を含むことを特徴とする。この構成によれば、微細化が図られた各種電子デバイス(電界効果型トランジスタ、MRAMおよびPRAMなど)を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るパターニング方法によれば、形成したい膜の幅に合わせた開口を有し、化学的および物理的に安定した第1マスクが形成された状態で、開口を埋め込む被パターニング膜を形成する。その後、不要な被パターニング膜を第1マスクと共に除去することで膜をパターニングすることができる。そのため、金属酸化物膜のように高温の熱処理を経て形成される膜であっても、微細なパターンの膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
1.パターニング方法
図1から図6に、本発明の実施形態に係るパターニング方法を示す。なお、以下の説明では、本実施形態に係るパターニング方法を基板の上にパターニングされた膜が規則的に配列されたアレイ基板に適用した場合を例として説明する。
【0027】
(1)基板10の上に第1パターンの凸部16(図2参照)を形成する。本実施形態では、基板10としては、シリコン基板、ガリウムヒ素基板など公知の各種基板を用いることができる。中でも結晶性基板を用いると、基板上にエピタキシャル成長法により被パターニング膜を良好に形成することができるという利点がある。凸部16の形成は、以下に示す方法で行うことができる。まず、図1に示すように、基板10の上にレジスト層12を形成する。基板10と離間した位置であって、レジスト層12の上方に所定のパターンの凹部15を有する型14を配置する。型14としては、石英モールドを用いることができる。その後、型14をレジスト層12に押圧する。これにより、図2に示すように、レジスト層12には、型14の凹部15に対応する凸部16が形成される。この凸部16を有するレジスト層12は、後述のマスクM1を形成するためのマスクの役割を果たす。
【0028】
(2)次に、図3に示すように、凸部16が形成されていない基板10および凸部16の上に金属含有層18を形成する。金属含有層18は、後述する被パターニング膜の形成条件に曝された場合であっても、その形状、基板10との密着度が変化することのない層を用いる。金属含有層18としては、単一の金属からなる金属層の他、金属酸化物に例示される金属を含有する化合物、合金層などを用いることができる。具体的には、アルカリ土類金属の酸化物、モリブデン、タングステン、ハロゲン化金属などを挙げることができる。そして、金属含有層18はアモルファス層であることが好ましい。金属含有層18がアモルファスの層であるとき、後述のマスクの除去を容易に行うことができる。中でも、アモルファスMgOが水に溶けやすいことを本願出願人は見出した。このアモルファスMgOを後述のマスクに用いることで、マスクを基板10から容易に剥離することができる。アモルファスMgOは、紫外光パルスレーザー蒸着法などの公知の形成方法により形成することができる。また、アモルファス状態のモリブデン、タングステンも、金属含有層18の材料として好適に用いることができる。これらの膜は、過酸化水素やアルカリ溶液のように酸化物に損傷を与えない条件で除去することが可能である。さらには、酸素雰囲気で昇華させることも可能である。つまり、アモルファス状態のモリブデン、タングステンは、アセトン等の有機溶媒に対して非常に安定であり、酸化物基板との密着性が良く、硬度、安定性、除去の容易性という点で優れた材料である。
【0029】
(3)次に、凸部16と、凸部16の上に形成されている金属含有層18とを除去する。この工程は、凸部16の材質に応じて、凸部16を基板10から剥離するのに必要な薬液に浸すことで行われる。凸部の材料としてレジスト層を用いたため、薬液としては、アセトンなどの公知のレジスト除去液を使用することができる。これにより、図4に示すように、基板10に所定のパターンを有する金属含有層18を残存させることができる。この残存した金属含有層18は、マスクM1となり、型14の凹部15のパターンと対応する位置に開口17を有している。
【0030】
ここで、マスクM1の開口17の形状についてさらに説明する。開口17は、基板10側の開口端と、他方の開口端の平面面積が同一の大きさを有する。つまり、図4に示すように、開口17の側面は基板10の上面に対して好ましくは垂直となる形状を有する。そのため、特許文献2に開示されているように、電解メッキにより形成されたマスクのようにオーバーハング形状を有することがなく、開口17の幅が微細であっても、被パターニング膜の埋め込みを良好に行うことができる。
【0031】
(4)次に、図5に示すように、基板10の露出面とマスクM1との上に被パターニング膜20を形成する。被パターニング膜20としては、形成したい膜によって各種様々な膜を形成することができる。特に、本実施形態では、高温での熱処理を経て形成される膜に好適に用いることができる。高温の熱処理を要する膜に適用した場合であっても、マスクM1が金属含有層18からなるため、熱処理による形状の崩れや化学的性質の変化を起こすことがないためである。高温の熱処理を必要とする膜としては、金属酸化物からなる膜を例示することができる。たとえば、PZT系膜、SBT系膜、BSTO系膜、ペロブスカイト構造マンガン酸化物膜、Niフェライト系膜、フェライト系膜、酸化亜鉛膜、酸化ニッケル膜を例示することができる。これらの膜は、強誘電体膜や強磁性体膜とし用いることができ、トランジスタやメモリなどの電子デバイスに好適に用いることができる。そのため、これらの膜の微細パターンを形成できることにより、電子デバイスの微細化にも寄与することができる。
【0032】
(5)次に、図6に示すように、マスクM1およびマスクM1の上に形成された被パターニング膜20を除去する。これにより、基板10の上に所定のパターンを有する膜22を形成することができる。マスクM1およびマスクM1の上に形成された被パターニング膜20の除去は、マスクM1の材質に応じて適宜選択される。薬液としては、マスクM1を除去することができ、被パターニング膜20を劣化させることのない薬液を使用する。たとえば、マスクM1として、アモルファスのMgO層を使用した場合には、薬液として水を用いることができる。また、モリブデン層、タングステン層を使用した場合には、薬液として過酸化水素水、アルカリ水溶液を用いることができる。以上の工程により、本実施形態に係るパターニングを行うことができる。
【0033】
本実施形態に係るパターニング方法によれば、マスクM1の開口17は、基板10と離れた側の開口端の平面形状が基板10側の開口端の平面面積と比べて同一または大きい。そのため、開口17内に被パターニング膜20の形成を良好に行うことができる。その結果、形状の崩れなどがなく、所望のパターンの膜を形成することができる。特に、本実施形態に係るパターニング方法では、マスクM1は金属含有層18で形成されているため、高温の熱処理を経て形成される強誘電体膜、強磁性体膜など金属酸化物膜のパターニングに適用することが好ましい。これは、マスクM1が高温の熱処理に曝されても形状の維持・化学的性質の安定性を有すると共に、被パターニング膜にダメージを与えることがなく除去できるという特性を有するためである。以上のように、本実施形態のパターニング方法によれば従来困難とされていた微細なパターンの金属酸化物膜を実現することができる。
【0034】
2.積層体
次に、本発明に係る積層体の実施形態の一例について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、まず構造について説明した後に形成方法について説明する。図7は、本実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態では、一の基板上の積層体が規則的に配列されたアレイ基板の場合を例として説明する。
【0035】
図7に示すように、本実施形態に係る積層体30は、第1の層32、第2の層34および第3の層36が順次積層されている。そして、この積層体30は断面が面一となった微細なパターンを有し、そのサイズは10nm以上、1000nm以下である。第1の層32、第2の層34および第3の層36は、互いに異なる膜質の層である。本実施形態の積層体では、3種の層が積層されている場合を図示したが、これに限定されない。2種以上の層が積層されていれば、本実施形態の積層体30に該当する。
【0036】
次に、本実施形態に係る積層体30の形成方法について図8を参照しつつ説明する。図8は、積層体30の形成工程を示す断面図である。なお、以下の説明では、1.の項で説明したパターニング方法と共通する工程については詳細な説明を省略する。
【0037】
まず、パターニング方法の工程(1)〜(3)を行い、基板10の上にマスク層M1を形成する。ついで、図8に示すように、基板10の露出面と、マスクM1との上に、被パターニング膜20を形成する。本実施形態では、第1の層20a、第2の層20bおよび第3の層20cとが順次積層された被パターニング膜20を形成する。その後、マスクM1を基板10から剥離することにより、マスクM1およびマスクM1の上に形成されている被パターニング膜20を除去する。基板10に残存した被パターニング膜20が積層体30となる。つまり、第1の層20a、第2の層20bおよび第3の層20cはそれぞれパターニングされて、第1の層30、第2の層32および第3の層34となる。
【0038】
本実施形態に係る積層体30は、上述のパターニング方法を適用して形成される。そのため、マスクM1の開口17内に被パターニング膜20の形成を良好に行うことができる。膜種の異なる層を積層した後にフォトリソグラフィ法などより一括してエッチングする場合、各膜のエッチングレートの違いが原因で良好なエッチングを実現できないことがある。しかし、本実施形態によれば、リフトオフ法によりパターンが形成されるため上記問題を回避することができ、所望の形状の積層体を形成することができる。
【0039】
さらに、多層膜の一部に強誘電体などの金属酸化物膜を用いた場合であっても、金属酸化物膜の結晶化に必要な温度に耐えることができるマスクM1を使用することで各層が所望の結晶状態を有する積層体30を形成することができる。例えば、マスクM1の代わりにレジスト層を用いて強誘電体を含む積層体を形成する場合に以下問題が起こることがある。レジスト層が結晶化の温度に耐えられないため、強誘電体材料層を仮焼成し乾燥させレジスト層を剥離した後(パターンを形成した後)に、結晶化熱処理を行うと強誘電体材料層と他の層が混合してしまうのである。しかし、本実施形態によれば結晶化された金属酸化膜が形成された後にマスクM1の剥離を行うことができるため、上記問題を回避することができる。
【0040】
3.実験例
以下に本実施形態に係るパターニング方法を適用した形成したアレイ基板の実験例を示す。
【0041】
(実験例1)
まず、シリコン基板上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(800nm×800nm〜3μm×3μm、深さ100nmの穴)を形成した。その後、この上にパルスレーザー蒸着法により室温に於いてアモルファスMgO(膜厚20nm)を形成した。この様子を図19(a)に示す。アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMgOからなるマスク(マスクM1に相当する)を形成する。この様子を図19(b)に示す。さらに、パルスレーザー蒸着法により、基板温度360℃、酸素ガス圧10−4Paにおいて(Fe,Zn)3O4薄膜(7nm)を積層した。この様子を図19(c)に示す。その後純水中超音波洗浄によりアモルファスMgO層からリフトオフした。その結果、図19(d)に示すように、(Fe,Zn)3O4薄膜中にホールアレイを形成できたこと確認された。なお、図19は、光学顕微鏡により観察される様子示す図である。
【0042】
(実験例2)
まず、シリコン基板上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(700nm×700nm〜10μm×10μm、高さ100nmのドット)を形成した。その後、この上にマグネトロンスパッタリング法により室温においてアモルファスMo(膜厚50nm)を形成した。その後、アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMoパターンを形成した。ついで、パルスレーザー蒸着法により、基板温度360℃、酸素ガス圧10−4-Paにおいて(Fe,Mn)3O4の薄膜(10nm)を積層した。その後、10vol%過酸化水素水中で超音波洗浄によりアモルファスMo層をリフトオフ法により除去した。その結果、(Fe,Mn)3O4ナノドットアレイを形成できたことが確認された(図20(a)(b))。
【0043】
(実験例3)
まず、シリコン基板上に熱酸化膜を形成し、その上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(800nm×800nm〜3μm×3μm、深さ100nmの穴)を形成した。その後、この上にパルスレーザー蒸着法により室温に於いてアモルファスMgO(膜厚25nm)を形成した。アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMgOからなるマスクを形成する。さらに、パルスレーザー蒸着法により、基板温度500℃、酸素ガス圧10−1PaにおいてZnO薄膜(15nm)を形成した。つづけて、パルスレーザー蒸着法により、基板温度450℃、酸素ガス圧10−4Paにおいて(Fe,Zn)3O4薄膜(10nm)を積層した。その後純水中超音波洗浄によりアモルファスMgO層をリフトオフした。その結果、図21に示すように、(Fe,Zn)3O4/ZnO二層薄膜中にホールアレイを形成できたことが確認された。
【0044】
なお、本実験例によって得られた(Fe,Zn)3O4薄膜は、エピタキシャル成長していることが、X線回折測定によりわかった。シリコン基板上の熱酸化膜はアモルファスであるため、本来その上に成長させた膜はエピタキシャル成長しない。しかしながら、本実験例においては、シリコン熱酸化膜の上にZnO薄膜が形成されていることにより(Fe,Zn)3O4薄膜をエピタキシャル成長できることが確認された。
【0045】
4.電子デバイス
次に、本発明の実施形態に係る電子デバイスについて図面を参照しつつ説明する。
【0046】
4.1.電界効果型トランジスタ
(第1の例)
図9は、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Aを模式的に示す断面図である。図9に示すように、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Aは、基板10の上に、強誘電体層(ゲート絶縁層)102と、ゲート電極104と、ソース領域106およびドレイン領域108とを含んで構成される。ゲート電極104は、ゲート絶縁層102の上に設けられている。ソース領域106およびドレイン領域108は、基板10中であって、強誘電体層102を挟む位置に設けられる。ソース領域106およびドレイン領域108には、ソース電極106aおよびドレイン電極108aが設けられ、これを介して配線と接続される。
【0047】
次に、第1の例に係る電界効果型トランジスタの製造方法を図10(a)〜図10(c)を参照しつつ説明する。
【0048】
図10(a)に示すように、基板100の上にマスクM2を形成する。基板10としては、導電型はp型であるシリコン、ガリウムヒ素などを使用することができる。マスクM2は、強誘電体層102を形成したくない領域、具体的にはソース領域およびドレイン領域が形成される領域を覆う。マスクM2の形成方法は、フォトリソグラフィ法、AFMリソグラフィ、集束イオンビーム法、電子ビームリソグラフィなどを用いることができる。マスクM2の形状、材質は、1.の項で説明したパターニング方法のマスクM1と同様にすることができる。
【0049】
次に、図10(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、強誘電体層102aを形成する。強誘電体層102aの形成では、結晶化のため高温での熱処理が必要となる。本実施形態では、マスクM2は金属層であるため、このような高温の熱処理に耐えることができる。その後、強誘電体層102aの上に保護膜109を形成する。保護膜109は後述の不純物注入工程において、強誘電体層102a中に不純物が注入されることを防止する役割を果たす。保護膜109は、イオン注入の際にマスクの役割を果たし、さらに、後述のマスクM2を除去するための薬液に溶解することのない材質の膜を形成する。保護膜109としては、例えばモリブデンを使用することができる。
【0050】
ついで、マスクM2およびマスクM2の上に形成された強誘電体層102aと保護膜109とを除去する。この工程により、基板10の上に、保護膜109に覆われた強誘電体層102が形成されることとなる(図10(c)参照)。マスクM2の除去は、保護膜109を溶解することのない薬液に浸すことで行われる。本実施形態のように、マスクM2としてアモルファスMgOを用い、保護膜109としてモリブデンを用いた場合は、除去液として水を用いることができる。
【0051】
次に、図10(c)に示すように、所定の導電型の不純物を基板10内に注入する。不純物の注入は、例えばイオン注入法により行うことができる。その後、ゲート電極104、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100を製造することができる。本実施形態によれば、数10nm〜数100nmと微細化された電界効果型トランジスタを提供することができる。
【0052】
(第2の例)
次に、第2の例に係る電界効果型トランジスタについて図11を参照しつつ説明する。図11(a)は、第2の例に係る電界効果型トランジスタ100Bを模式的に示す断面図である。図11(b)は、電界効果型トランジスタ100Bを模式的に示す平面図であり、図11(a)は、図11(b)のX−X線に沿った断面である。
【0053】
図11に示すように、電界効果型トランジスタ100Bは、基板10の上に、ゲート電極104と、強誘電体層102と、強磁性体103とが設けられて構成されている。強磁性体103の上にはソース電極106aおよびドレイン電極108aとが設けられている。ゲート電極104と強誘電体102と、強磁性体103とは、それぞれ同一の平面形状を有する層が積層された積層体である。
【0054】
次に、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法を図12(a)および図12(b)を参照しつつ説明する。
【0055】
図12(a)に示すように、基板100の上にマスクM2を形成する。マスクM2、ゲート電極104を形成する領域に開口を有する。マスクM2の形成方法は、第1の例と同様の方法で行うことができる。
【0056】
図12(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、導電層104a、強誘電体層102aおよび強磁性体103aを順次形成する。この工程でマスクM2の開口には、積層体が形成されることとなる。導電層104aは、後にパターニングされてゲート電極104となる。ついで、マスクM2およびマスクM2の上に形成された導電層104a、強誘電体102aおよび強磁性体103aを除去する。この工程は、マスクM2の材質に応じて、マスクM2を溶解することはでき、強磁性体103aを劣化させることのない薬液を用いて行う。マスクM2としてアモルファスMgOを適用した場合には、水を除去用の薬液として用いることができる。この工程により、本実施形態に係る積層体30に相当するゲート電極104、強誘電体層102および強磁性体103の積層構造を形成することができる。
【0057】
ついで、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100Bを製造することができる。本実施形態によれば、電界効果型トランジスタ100Bの構成に必要な積層体を簡易な工程で良好に形成することができる。
【0058】
(第3の例)
次に、第3の例に係る電界効果型トランジスタについて図13を参照しつつ説明する。図13(a)は、第3の例に係る電界効果型トランジスタ100Cを模式的に示す断面図である。図13(b)は、電界効果型トランジスタ100Cを模式的に示す平面図であり、図13(a)は、図13(b)のX−X線に沿った断面である。
【0059】
図13に示すように、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Cは、基板10の上に、ゲート電極104と、強誘電体層102と、強磁性体層103とが設けられて構成されている。強磁性体103の上にはソース電極106aおよびドレイン電極106bとが設けられている。強誘電体層102と、強磁性体層103とは、基板10の面内で水平方向にヘテロ接合している。つまり、これらの層は同一の基板10の面上に設けられ、その高さが同じである。
【0060】
次に、電界効果型トランジスタ100Cの製造方法を図14(a)および図14(b)を参照しつつ説明する。
【0061】
図14(a)に示すように、基板100の上に強誘電体層102aが形成される。ついで、その上に、マスクM2を形成する。マスクM2は、強磁性体を形成する領域に開口を有する。マスクM2の形成方法は、第1の例と同様の方法で行うことができる。その後、マスクM2の開口に設けられている強誘電体層102aを除去する。つまり、マスクM2をマスクに強誘電体層102がパターニングされ、開口では、基板10の上面が露出することとなる。
【0062】
次に、図14(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、強磁性体103aを形成する。この工程でマスクM2の開口には、強磁性体が形成され、基板10の上で、強誘電体102と強磁性体103とが接合することとなる。つまり、基板10の面に水平な方向にヘテロ接合を形成することができる。その後、マスクM2と、マスクM2上の強磁性体を除去する。この除去は、強誘電体102および強磁性体103を劣化させない条件で行う。ゲート電極104、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100Cを製造することができる。
【0063】
以上の工程を経ることで、電界効果型トランジスタ100Cを製造することができる。本実施形態によれば、電界効果型トランジスタ100Cの構成に基板10の面内方向におけるヘテロ接合を簡易な工程で良好に形成することができる。また、所望の開口形状を有するマスクM2を用いたリフトオフ法により形成していることで微細化が図られた電界効果型トランジスタ100Cを提供することができる。
【0064】
4.2.MRAM
(第1の例)
図15および図16は、第1の例に係るMRAMを模式的に示す断面図である。第1の例では電界変調型MRAMを示す。まず、図15に示すMRAMについて説明した後、図16に示すMRAMについて説明する。
【0065】
図15に示すMRAM130Aでは、基板の上に下部電極132、強誘電体134、強磁性体136、非磁性体138、強磁性体140が順次積層された積層体と、強磁性体140の上に上部電極142とを含んで構成される。
【0066】
図15に示すMRAM130Aを製造する際には、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図12(b)に示すマスクM2の開口に3層の積層体を形成する工程において、下部電極132、強誘電体134、強磁性体136、非磁性体138、強磁性体140の5層からなる積層体を形成すればよい。
【0067】
図16に示すMRAM130Bは、基板10の上に下部電極132と、下部電極132を覆うように基板10の上に形成された強磁性体136と、同様に基板10の上方であって強磁性体136と接合する位置に設けられた強誘電体134とを含む。つまり、強磁性体136と強誘電体134とは水平方向にヘテロ接合をしている。さらに、強磁性体136の上には、非磁性体138、強磁性体140および上部電極142が設けられている。
【0068】
MRAM130Bを製造する際には、電界効果型トランジスタ100Cの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図14(b)に示すマスクM2の開口に強磁性体136、非磁性体138、および強磁性体140からなる積層体を形成すればよい。
【0069】
(第2の例)
第2の例に係るMRAM150を図17に示す。第2の例ではスピン注入型酸化物MRAMを示す。図17は、MRAM150を模式的に示す断面図である。MRAM150は、基板10の上に、下部電極152、参照層磁性層154、非磁性層156、記憶層磁性層158、上部電極160の積層体から構成される。
【0070】
図15に示すMRAM150を製造する際には、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図12(b)に示すマスクM2の開口に3層の積層体を形成する工程において、下部電極152、参照層磁性層154、非磁性層156、記憶層磁性層158、上部電極160の5層からなる積層体を形成すればよい。
【0071】
4.3.PRAM
次に、電子デバイスの一例として、PRAM170について図18を参照しつつ説明する。PRAM170は、図18に示すように基板10の上に形成された下部電極172、PRAM素子174、上部電極176とを含んで構成される。RRAM素子(相変化層)174の材料としては、Pr0.7Ca0.3MnO3、Cr‐SrTiO3やLaCoO3などを用いることができる。また、これらに限られるものではない。上部電極172と下部電極176との間に電圧パルスを引加することによってPRAM素子174の抵抗が変わり、非揮発性メモリとして働くことができる。
【0072】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
例えば、パターニング方法の説明において、アレイ基板を形成する場合を説明したが、これに限定されることはない。また、マスクの形成では、インプリント法を用いる例について説明したが、これに限定されることなく、フォトリソグラフィ法、AFMリソグラフィ、集束イオンビーム法および電子ビームリソグラフィなどを利用することができるが、インプリント法を用いた場合には、微細なパターンの膜(積層体)のアレイ基板を容易に形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係るパターニング方法は、例えば高機能であり微細な電子デバイスの形成に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る積層体の形成方法(パターニング方法)の一工程を模式的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る積層体の形成方法(パターニング方法)の一工程を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る電界効果型トランジスタ(電子デバイス)を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、図9に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図11】(a)は、本実施形態に係る第2の例の電界効果型トランジスタを模式的に示す断面図であり、(b)はその平面図である。
【図12】(a)、(b)は、図11に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図13】(a)は、本実施形態に係る第3の例の電界効果型トランジスタを模式的に示す断面図であり、(b)はその平面図である。
【図14】(a)、(b)は、図11に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図15】本実施形態に係る第1の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図16】本実施形態に係る第1の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図17】本実施形態に係る第2の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図18】本実施形態に係るPRAMを模式的に示す断面図である。
【図19】実験例1の結果を示す図である。
【図20】実験例2の結果を示す図である。
【図21】実験例3の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10 基板
12 レジスト層
14 型
15 凹部
16 凸部
18 金属含有層
20 被パターニング膜
22 膜(パターニング後)
30 積層体
32 第1の層
34 第2の層
36 第3の層
M1、M2 マスク層
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターニング方法、特に高温の熱処理を経て形成される膜のパターニング方法、このパターニング方法を適用した積層体、アレイ基板および電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化物半導体デバイスの形成においては、酸化物半導体デバイスを構成する酸化物膜の形成およびパターニングを繰り返すことにより形成される。このような酸化物膜のパターニングには、従来からフォトリソグラフィ法が広く用いられている。フォトリソグラフィ法は大別してトップダウン手法とボトムアップ手法とに分けることができる。
【0003】
まずトップダウン手法においては、レジストをレーザーにより加工し、レジストに穴を開け、そこから薬液を流し込み、パターンのないところのみを除去する。しかし、酸化物膜に対してフォトリソグラフィとウェットケミカルエッチングとを行うフォトリソグラフィ法の適用はシリコン基板ほど容易ではなく、その分解能は、1μm程度である。これは、レジストと酸化物膜との密着性が悪く、レジストパターンの下までエッチングが進んでしまうからであると考えられる。また膜種によってはPZTのように薬液によって除去することができない膜もある。
【0004】
ボトムアップ手法のうち、代表的なものとして、リフトオフ法を挙げることができる。リフトオフ法によれば、フォトリソグラフィ法などにより反転パターンのレジストを形成した後、このレジストの上に所望の膜を形成し、レジストを除去することで形成される。この手法では、レジストパターンの形がほぼ正確に反映される点で、微細加工法として優れている。しかし、レジストは高温に耐えることができないため、このリフトオフ法では金属酸化膜などの、高温条件下での形成を必要とする膜をパターニングすることができないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、特許文献1には、反転パターンのマスクとしてレジストではなくNaClを用いてMgO層をパターニングする方法が開示されている。また、特許文献2には、反転パターンのマスクとして電気メッキ法により形成したメッキ層を用い、強誘電体薄膜をパターニングする方法が開示されている。
【特許文献1】特開平05−335638号公報(平成5年12月17日公開)
【特許文献2】特開平06−260478号公報(平成6年9月16日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のようにNaCl、CaOなどをマスクとした場合には、高温での熱処理を要する膜を形成する方法に適用することができない。NaCl、CaOは高温での熱処理に耐えることができず、昇華してしまい、マスクとしての役割を果たすことができないためである。また、特許文献2に開示の技術では、マスクとなるメッキ層を電気メッキで形成しており、メッキ層は、開口の上方に向かって径が小さくなるようオーバーハング形状を維持している。そのため、微細なパターンを形成したい場合には、所望のパターンよりもさらに小さい開口端を有するメッキ層を形成しなくてはならず、開口中にパターニングされる膜を形成することが困難となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細なパターンを有する膜の形成を実現するパターニング方法と、このパターニング方法を用いた積層体、アレイ基板ならびに電子デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るパターニング方法は、金属含有層からなり、所望のパターンの開口が設けられているマスクを基板の上に形成する工程と、前記基板上の前記開口が設けられた領域および前記マスクの上に被パターニング膜を形成する工程と、前記マスクを前記基板から剥離する工程と、を含み、前記開口は、前記基板側の開口端の面積が他方の開口端の面積と同一であるか、または他方の開口端の面積より小さいことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、第1マスクの開口は、基板から離れた開口端面の面積がそれ以外の部分の平面面積と比べて同一または大きい。つまり、マスクの開口上端は、形成したい膜のパターンとほぼ同一の幅を有する。そのため、開口内に被パターニング膜の形成を良好に行うことができる。その結果、形状の崩れなどがなく、所望のパターンの膜を形成することができる。なお、本発明において金属含有層とは、金属含有化合物、合金層などを含む。
【0010】
本発明に係るパターニング方法では、前記基板側の開口端の幅は、10nm以上、1000nm以下であることが好ましい。
【0011】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜は多層膜であることが好ましい。この構成によれば、被パターニング膜が多層膜であっても、形状の崩れがなく所望の形状の積層体を得ることができる。また、マスクの開口が所望の形状を有することで、多層膜を形成した場合には、その側面が面一となった積層体を形成することができる。
【0012】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜を形成する工程が、200℃以上、800℃以下の熱処理を含むことが好ましい。この構成では、マスクは金属含有層からなるため、高温の熱処理を経て形成される場合であっても、形状の崩れなどを起こすことがない。その結果、膜のパターニングを良好に行うことができる。
【0013】
本発明に係るパターニング方法では、前記被パターニング膜は金属酸化物からなる膜であることが好ましい。
【0014】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファス層であることが好ましい。この構成によれば、結晶質の金属層を用いる場合と比してマスクの除去を容易に行うことができる。そのため、マスク除去時に、被パターニング膜が劣化することを抑制することができる。
【0015】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファスMgOであることが好ましい。本願出願人は、マスクとして最適な材質について鋭意研究の結果、アモルファスMgOが水に可溶であることを見出した。このアモルファスMgOをマスクとして用いることで、被パターニング膜および基板にダメージを与えることなく良好なパターニングを実現できる。
【0016】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクは、アモルファスMoであってもよい。このアモルファスMoは過酸化水素またはアルカリ水溶液によって除去することができる。これをマスクとして用いることで、被パターニング膜および基板にダメージを与えることなく良好なパターニングを実現できる。
【0017】
また、アモルファスMoを用いたパターニング方法では、被パターニング膜の形成温度が400℃を超える場合、Moが結晶化して除去しにくくなるという問題点がある。この場合は前記基板と前記マスクとの間にSiO2、TiO2などのアモルファス層が形成されていることが好ましい。この構成によれば、アモルファスMoマスクを結晶化させることなくマスクの除去を容易に行うことができる。
【0018】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクが水溶性の金属含有層からなることが好ましい。この構成によれば、水によりマスクを基板から剥離できるため被パターニング膜へ与えるダメージを最小限にすることができる。
【0019】
本発明に係るパターニング方法では、前記マスクを形成する工程は、前記基板の上に前記開口が設けられる位置に凸部を形成すること、前記凸部が形成されていない前記基板の上および前記凸部の上に金属含有層を形成すること、および、前記凸部を前記基板から剥離することを含むことが好ましい。
【0020】
本発明に係るパターニング方法では、前記凸部は、前記基板の上にレジスト層を形成し、該凸部に対応する凹部を有する型を押圧することで形成されることが好ましい。この構成によれば、いわゆるインプリント法により凸部を形成することができる。インプリント法は大面積のパターニングを良好に行うことができるため、例えば、パターニングされた膜(積層体を含む)が規則的に配列したアレイ基板を提供することができる。
【0021】
本発明に係る積層体は、上述の本発明に係るパターニング方法により形成されたことを特徴とする。
【0022】
本発明に係るアレイ基板は、上述の本発明に係るパターニング方法により形成された膜が基板内に配列されていることを特徴とする。この構成によれば、微細なパターンの膜(被パターニング膜が多層膜である場合には積層体となる)が規則的に配列されたアレイ基板を提供することができる。
【0023】
本発明に係る電子デバイスは、上述の本発明に係るパターニング方法により形成された膜を含むことを特徴とする。この構成によれば、微細化が図られた各種電子デバイス(電界効果型トランジスタ、MRAMおよびPRAMなど)を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るパターニング方法によれば、形成したい膜の幅に合わせた開口を有し、化学的および物理的に安定した第1マスクが形成された状態で、開口を埋め込む被パターニング膜を形成する。その後、不要な被パターニング膜を第1マスクと共に除去することで膜をパターニングすることができる。そのため、金属酸化物膜のように高温の熱処理を経て形成される膜であっても、微細なパターンの膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
1.パターニング方法
図1から図6に、本発明の実施形態に係るパターニング方法を示す。なお、以下の説明では、本実施形態に係るパターニング方法を基板の上にパターニングされた膜が規則的に配列されたアレイ基板に適用した場合を例として説明する。
【0027】
(1)基板10の上に第1パターンの凸部16(図2参照)を形成する。本実施形態では、基板10としては、シリコン基板、ガリウムヒ素基板など公知の各種基板を用いることができる。中でも結晶性基板を用いると、基板上にエピタキシャル成長法により被パターニング膜を良好に形成することができるという利点がある。凸部16の形成は、以下に示す方法で行うことができる。まず、図1に示すように、基板10の上にレジスト層12を形成する。基板10と離間した位置であって、レジスト層12の上方に所定のパターンの凹部15を有する型14を配置する。型14としては、石英モールドを用いることができる。その後、型14をレジスト層12に押圧する。これにより、図2に示すように、レジスト層12には、型14の凹部15に対応する凸部16が形成される。この凸部16を有するレジスト層12は、後述のマスクM1を形成するためのマスクの役割を果たす。
【0028】
(2)次に、図3に示すように、凸部16が形成されていない基板10および凸部16の上に金属含有層18を形成する。金属含有層18は、後述する被パターニング膜の形成条件に曝された場合であっても、その形状、基板10との密着度が変化することのない層を用いる。金属含有層18としては、単一の金属からなる金属層の他、金属酸化物に例示される金属を含有する化合物、合金層などを用いることができる。具体的には、アルカリ土類金属の酸化物、モリブデン、タングステン、ハロゲン化金属などを挙げることができる。そして、金属含有層18はアモルファス層であることが好ましい。金属含有層18がアモルファスの層であるとき、後述のマスクの除去を容易に行うことができる。中でも、アモルファスMgOが水に溶けやすいことを本願出願人は見出した。このアモルファスMgOを後述のマスクに用いることで、マスクを基板10から容易に剥離することができる。アモルファスMgOは、紫外光パルスレーザー蒸着法などの公知の形成方法により形成することができる。また、アモルファス状態のモリブデン、タングステンも、金属含有層18の材料として好適に用いることができる。これらの膜は、過酸化水素やアルカリ溶液のように酸化物に損傷を与えない条件で除去することが可能である。さらには、酸素雰囲気で昇華させることも可能である。つまり、アモルファス状態のモリブデン、タングステンは、アセトン等の有機溶媒に対して非常に安定であり、酸化物基板との密着性が良く、硬度、安定性、除去の容易性という点で優れた材料である。
【0029】
(3)次に、凸部16と、凸部16の上に形成されている金属含有層18とを除去する。この工程は、凸部16の材質に応じて、凸部16を基板10から剥離するのに必要な薬液に浸すことで行われる。凸部の材料としてレジスト層を用いたため、薬液としては、アセトンなどの公知のレジスト除去液を使用することができる。これにより、図4に示すように、基板10に所定のパターンを有する金属含有層18を残存させることができる。この残存した金属含有層18は、マスクM1となり、型14の凹部15のパターンと対応する位置に開口17を有している。
【0030】
ここで、マスクM1の開口17の形状についてさらに説明する。開口17は、基板10側の開口端と、他方の開口端の平面面積が同一の大きさを有する。つまり、図4に示すように、開口17の側面は基板10の上面に対して好ましくは垂直となる形状を有する。そのため、特許文献2に開示されているように、電解メッキにより形成されたマスクのようにオーバーハング形状を有することがなく、開口17の幅が微細であっても、被パターニング膜の埋め込みを良好に行うことができる。
【0031】
(4)次に、図5に示すように、基板10の露出面とマスクM1との上に被パターニング膜20を形成する。被パターニング膜20としては、形成したい膜によって各種様々な膜を形成することができる。特に、本実施形態では、高温での熱処理を経て形成される膜に好適に用いることができる。高温の熱処理を要する膜に適用した場合であっても、マスクM1が金属含有層18からなるため、熱処理による形状の崩れや化学的性質の変化を起こすことがないためである。高温の熱処理を必要とする膜としては、金属酸化物からなる膜を例示することができる。たとえば、PZT系膜、SBT系膜、BSTO系膜、ペロブスカイト構造マンガン酸化物膜、Niフェライト系膜、フェライト系膜、酸化亜鉛膜、酸化ニッケル膜を例示することができる。これらの膜は、強誘電体膜や強磁性体膜とし用いることができ、トランジスタやメモリなどの電子デバイスに好適に用いることができる。そのため、これらの膜の微細パターンを形成できることにより、電子デバイスの微細化にも寄与することができる。
【0032】
(5)次に、図6に示すように、マスクM1およびマスクM1の上に形成された被パターニング膜20を除去する。これにより、基板10の上に所定のパターンを有する膜22を形成することができる。マスクM1およびマスクM1の上に形成された被パターニング膜20の除去は、マスクM1の材質に応じて適宜選択される。薬液としては、マスクM1を除去することができ、被パターニング膜20を劣化させることのない薬液を使用する。たとえば、マスクM1として、アモルファスのMgO層を使用した場合には、薬液として水を用いることができる。また、モリブデン層、タングステン層を使用した場合には、薬液として過酸化水素水、アルカリ水溶液を用いることができる。以上の工程により、本実施形態に係るパターニングを行うことができる。
【0033】
本実施形態に係るパターニング方法によれば、マスクM1の開口17は、基板10と離れた側の開口端の平面形状が基板10側の開口端の平面面積と比べて同一または大きい。そのため、開口17内に被パターニング膜20の形成を良好に行うことができる。その結果、形状の崩れなどがなく、所望のパターンの膜を形成することができる。特に、本実施形態に係るパターニング方法では、マスクM1は金属含有層18で形成されているため、高温の熱処理を経て形成される強誘電体膜、強磁性体膜など金属酸化物膜のパターニングに適用することが好ましい。これは、マスクM1が高温の熱処理に曝されても形状の維持・化学的性質の安定性を有すると共に、被パターニング膜にダメージを与えることがなく除去できるという特性を有するためである。以上のように、本実施形態のパターニング方法によれば従来困難とされていた微細なパターンの金属酸化物膜を実現することができる。
【0034】
2.積層体
次に、本発明に係る積層体の実施形態の一例について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、まず構造について説明した後に形成方法について説明する。図7は、本実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態では、一の基板上の積層体が規則的に配列されたアレイ基板の場合を例として説明する。
【0035】
図7に示すように、本実施形態に係る積層体30は、第1の層32、第2の層34および第3の層36が順次積層されている。そして、この積層体30は断面が面一となった微細なパターンを有し、そのサイズは10nm以上、1000nm以下である。第1の層32、第2の層34および第3の層36は、互いに異なる膜質の層である。本実施形態の積層体では、3種の層が積層されている場合を図示したが、これに限定されない。2種以上の層が積層されていれば、本実施形態の積層体30に該当する。
【0036】
次に、本実施形態に係る積層体30の形成方法について図8を参照しつつ説明する。図8は、積層体30の形成工程を示す断面図である。なお、以下の説明では、1.の項で説明したパターニング方法と共通する工程については詳細な説明を省略する。
【0037】
まず、パターニング方法の工程(1)〜(3)を行い、基板10の上にマスク層M1を形成する。ついで、図8に示すように、基板10の露出面と、マスクM1との上に、被パターニング膜20を形成する。本実施形態では、第1の層20a、第2の層20bおよび第3の層20cとが順次積層された被パターニング膜20を形成する。その後、マスクM1を基板10から剥離することにより、マスクM1およびマスクM1の上に形成されている被パターニング膜20を除去する。基板10に残存した被パターニング膜20が積層体30となる。つまり、第1の層20a、第2の層20bおよび第3の層20cはそれぞれパターニングされて、第1の層30、第2の層32および第3の層34となる。
【0038】
本実施形態に係る積層体30は、上述のパターニング方法を適用して形成される。そのため、マスクM1の開口17内に被パターニング膜20の形成を良好に行うことができる。膜種の異なる層を積層した後にフォトリソグラフィ法などより一括してエッチングする場合、各膜のエッチングレートの違いが原因で良好なエッチングを実現できないことがある。しかし、本実施形態によれば、リフトオフ法によりパターンが形成されるため上記問題を回避することができ、所望の形状の積層体を形成することができる。
【0039】
さらに、多層膜の一部に強誘電体などの金属酸化物膜を用いた場合であっても、金属酸化物膜の結晶化に必要な温度に耐えることができるマスクM1を使用することで各層が所望の結晶状態を有する積層体30を形成することができる。例えば、マスクM1の代わりにレジスト層を用いて強誘電体を含む積層体を形成する場合に以下問題が起こることがある。レジスト層が結晶化の温度に耐えられないため、強誘電体材料層を仮焼成し乾燥させレジスト層を剥離した後(パターンを形成した後)に、結晶化熱処理を行うと強誘電体材料層と他の層が混合してしまうのである。しかし、本実施形態によれば結晶化された金属酸化膜が形成された後にマスクM1の剥離を行うことができるため、上記問題を回避することができる。
【0040】
3.実験例
以下に本実施形態に係るパターニング方法を適用した形成したアレイ基板の実験例を示す。
【0041】
(実験例1)
まず、シリコン基板上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(800nm×800nm〜3μm×3μm、深さ100nmの穴)を形成した。その後、この上にパルスレーザー蒸着法により室温に於いてアモルファスMgO(膜厚20nm)を形成した。この様子を図19(a)に示す。アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMgOからなるマスク(マスクM1に相当する)を形成する。この様子を図19(b)に示す。さらに、パルスレーザー蒸着法により、基板温度360℃、酸素ガス圧10−4Paにおいて(Fe,Zn)3O4薄膜(7nm)を積層した。この様子を図19(c)に示す。その後純水中超音波洗浄によりアモルファスMgO層からリフトオフした。その結果、図19(d)に示すように、(Fe,Zn)3O4薄膜中にホールアレイを形成できたこと確認された。なお、図19は、光学顕微鏡により観察される様子示す図である。
【0042】
(実験例2)
まず、シリコン基板上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(700nm×700nm〜10μm×10μm、高さ100nmのドット)を形成した。その後、この上にマグネトロンスパッタリング法により室温においてアモルファスMo(膜厚50nm)を形成した。その後、アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMoパターンを形成した。ついで、パルスレーザー蒸着法により、基板温度360℃、酸素ガス圧10−4-Paにおいて(Fe,Mn)3O4の薄膜(10nm)を積層した。その後、10vol%過酸化水素水中で超音波洗浄によりアモルファスMo層をリフトオフ法により除去した。その結果、(Fe,Mn)3O4ナノドットアレイを形成できたことが確認された(図20(a)(b))。
【0043】
(実験例3)
まず、シリコン基板上に熱酸化膜を形成し、その上にPMMA膜(レジスト層)を塗布法により形成した。ついで、PMMA膜に石英モールドを押圧することで、アレイパターン(800nm×800nm〜3μm×3μm、深さ100nmの穴)を形成した。その後、この上にパルスレーザー蒸着法により室温に於いてアモルファスMgO(膜厚25nm)を形成した。アセトン中超音波洗浄により、PMMA層を除去しアモルファスMgOからなるマスクを形成する。さらに、パルスレーザー蒸着法により、基板温度500℃、酸素ガス圧10−1PaにおいてZnO薄膜(15nm)を形成した。つづけて、パルスレーザー蒸着法により、基板温度450℃、酸素ガス圧10−4Paにおいて(Fe,Zn)3O4薄膜(10nm)を積層した。その後純水中超音波洗浄によりアモルファスMgO層をリフトオフした。その結果、図21に示すように、(Fe,Zn)3O4/ZnO二層薄膜中にホールアレイを形成できたことが確認された。
【0044】
なお、本実験例によって得られた(Fe,Zn)3O4薄膜は、エピタキシャル成長していることが、X線回折測定によりわかった。シリコン基板上の熱酸化膜はアモルファスであるため、本来その上に成長させた膜はエピタキシャル成長しない。しかしながら、本実験例においては、シリコン熱酸化膜の上にZnO薄膜が形成されていることにより(Fe,Zn)3O4薄膜をエピタキシャル成長できることが確認された。
【0045】
4.電子デバイス
次に、本発明の実施形態に係る電子デバイスについて図面を参照しつつ説明する。
【0046】
4.1.電界効果型トランジスタ
(第1の例)
図9は、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Aを模式的に示す断面図である。図9に示すように、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Aは、基板10の上に、強誘電体層(ゲート絶縁層)102と、ゲート電極104と、ソース領域106およびドレイン領域108とを含んで構成される。ゲート電極104は、ゲート絶縁層102の上に設けられている。ソース領域106およびドレイン領域108は、基板10中であって、強誘電体層102を挟む位置に設けられる。ソース領域106およびドレイン領域108には、ソース電極106aおよびドレイン電極108aが設けられ、これを介して配線と接続される。
【0047】
次に、第1の例に係る電界効果型トランジスタの製造方法を図10(a)〜図10(c)を参照しつつ説明する。
【0048】
図10(a)に示すように、基板100の上にマスクM2を形成する。基板10としては、導電型はp型であるシリコン、ガリウムヒ素などを使用することができる。マスクM2は、強誘電体層102を形成したくない領域、具体的にはソース領域およびドレイン領域が形成される領域を覆う。マスクM2の形成方法は、フォトリソグラフィ法、AFMリソグラフィ、集束イオンビーム法、電子ビームリソグラフィなどを用いることができる。マスクM2の形状、材質は、1.の項で説明したパターニング方法のマスクM1と同様にすることができる。
【0049】
次に、図10(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、強誘電体層102aを形成する。強誘電体層102aの形成では、結晶化のため高温での熱処理が必要となる。本実施形態では、マスクM2は金属層であるため、このような高温の熱処理に耐えることができる。その後、強誘電体層102aの上に保護膜109を形成する。保護膜109は後述の不純物注入工程において、強誘電体層102a中に不純物が注入されることを防止する役割を果たす。保護膜109は、イオン注入の際にマスクの役割を果たし、さらに、後述のマスクM2を除去するための薬液に溶解することのない材質の膜を形成する。保護膜109としては、例えばモリブデンを使用することができる。
【0050】
ついで、マスクM2およびマスクM2の上に形成された強誘電体層102aと保護膜109とを除去する。この工程により、基板10の上に、保護膜109に覆われた強誘電体層102が形成されることとなる(図10(c)参照)。マスクM2の除去は、保護膜109を溶解することのない薬液に浸すことで行われる。本実施形態のように、マスクM2としてアモルファスMgOを用い、保護膜109としてモリブデンを用いた場合は、除去液として水を用いることができる。
【0051】
次に、図10(c)に示すように、所定の導電型の不純物を基板10内に注入する。不純物の注入は、例えばイオン注入法により行うことができる。その後、ゲート電極104、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100を製造することができる。本実施形態によれば、数10nm〜数100nmと微細化された電界効果型トランジスタを提供することができる。
【0052】
(第2の例)
次に、第2の例に係る電界効果型トランジスタについて図11を参照しつつ説明する。図11(a)は、第2の例に係る電界効果型トランジスタ100Bを模式的に示す断面図である。図11(b)は、電界効果型トランジスタ100Bを模式的に示す平面図であり、図11(a)は、図11(b)のX−X線に沿った断面である。
【0053】
図11に示すように、電界効果型トランジスタ100Bは、基板10の上に、ゲート電極104と、強誘電体層102と、強磁性体103とが設けられて構成されている。強磁性体103の上にはソース電極106aおよびドレイン電極108aとが設けられている。ゲート電極104と強誘電体102と、強磁性体103とは、それぞれ同一の平面形状を有する層が積層された積層体である。
【0054】
次に、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法を図12(a)および図12(b)を参照しつつ説明する。
【0055】
図12(a)に示すように、基板100の上にマスクM2を形成する。マスクM2、ゲート電極104を形成する領域に開口を有する。マスクM2の形成方法は、第1の例と同様の方法で行うことができる。
【0056】
図12(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、導電層104a、強誘電体層102aおよび強磁性体103aを順次形成する。この工程でマスクM2の開口には、積層体が形成されることとなる。導電層104aは、後にパターニングされてゲート電極104となる。ついで、マスクM2およびマスクM2の上に形成された導電層104a、強誘電体102aおよび強磁性体103aを除去する。この工程は、マスクM2の材質に応じて、マスクM2を溶解することはでき、強磁性体103aを劣化させることのない薬液を用いて行う。マスクM2としてアモルファスMgOを適用した場合には、水を除去用の薬液として用いることができる。この工程により、本実施形態に係る積層体30に相当するゲート電極104、強誘電体層102および強磁性体103の積層構造を形成することができる。
【0057】
ついで、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100Bを製造することができる。本実施形態によれば、電界効果型トランジスタ100Bの構成に必要な積層体を簡易な工程で良好に形成することができる。
【0058】
(第3の例)
次に、第3の例に係る電界効果型トランジスタについて図13を参照しつつ説明する。図13(a)は、第3の例に係る電界効果型トランジスタ100Cを模式的に示す断面図である。図13(b)は、電界効果型トランジスタ100Cを模式的に示す平面図であり、図13(a)は、図13(b)のX−X線に沿った断面である。
【0059】
図13に示すように、本実施形態に係る電界効果型トランジスタ100Cは、基板10の上に、ゲート電極104と、強誘電体層102と、強磁性体層103とが設けられて構成されている。強磁性体103の上にはソース電極106aおよびドレイン電極106bとが設けられている。強誘電体層102と、強磁性体層103とは、基板10の面内で水平方向にヘテロ接合している。つまり、これらの層は同一の基板10の面上に設けられ、その高さが同じである。
【0060】
次に、電界効果型トランジスタ100Cの製造方法を図14(a)および図14(b)を参照しつつ説明する。
【0061】
図14(a)に示すように、基板100の上に強誘電体層102aが形成される。ついで、その上に、マスクM2を形成する。マスクM2は、強磁性体を形成する領域に開口を有する。マスクM2の形成方法は、第1の例と同様の方法で行うことができる。その後、マスクM2の開口に設けられている強誘電体層102aを除去する。つまり、マスクM2をマスクに強誘電体層102がパターニングされ、開口では、基板10の上面が露出することとなる。
【0062】
次に、図14(b)に示すように、基板10の露出面およびマスクM2の上に、強磁性体103aを形成する。この工程でマスクM2の開口には、強磁性体が形成され、基板10の上で、強誘電体102と強磁性体103とが接合することとなる。つまり、基板10の面に水平な方向にヘテロ接合を形成することができる。その後、マスクM2と、マスクM2上の強磁性体を除去する。この除去は、強誘電体102および強磁性体103を劣化させない条件で行う。ゲート電極104、ソース電極106aおよびドレイン電極108aを形成することで、電界効果型トランジスタ100Cを製造することができる。
【0063】
以上の工程を経ることで、電界効果型トランジスタ100Cを製造することができる。本実施形態によれば、電界効果型トランジスタ100Cの構成に基板10の面内方向におけるヘテロ接合を簡易な工程で良好に形成することができる。また、所望の開口形状を有するマスクM2を用いたリフトオフ法により形成していることで微細化が図られた電界効果型トランジスタ100Cを提供することができる。
【0064】
4.2.MRAM
(第1の例)
図15および図16は、第1の例に係るMRAMを模式的に示す断面図である。第1の例では電界変調型MRAMを示す。まず、図15に示すMRAMについて説明した後、図16に示すMRAMについて説明する。
【0065】
図15に示すMRAM130Aでは、基板の上に下部電極132、強誘電体134、強磁性体136、非磁性体138、強磁性体140が順次積層された積層体と、強磁性体140の上に上部電極142とを含んで構成される。
【0066】
図15に示すMRAM130Aを製造する際には、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図12(b)に示すマスクM2の開口に3層の積層体を形成する工程において、下部電極132、強誘電体134、強磁性体136、非磁性体138、強磁性体140の5層からなる積層体を形成すればよい。
【0067】
図16に示すMRAM130Bは、基板10の上に下部電極132と、下部電極132を覆うように基板10の上に形成された強磁性体136と、同様に基板10の上方であって強磁性体136と接合する位置に設けられた強誘電体134とを含む。つまり、強磁性体136と強誘電体134とは水平方向にヘテロ接合をしている。さらに、強磁性体136の上には、非磁性体138、強磁性体140および上部電極142が設けられている。
【0068】
MRAM130Bを製造する際には、電界効果型トランジスタ100Cの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図14(b)に示すマスクM2の開口に強磁性体136、非磁性体138、および強磁性体140からなる積層体を形成すればよい。
【0069】
(第2の例)
第2の例に係るMRAM150を図17に示す。第2の例ではスピン注入型酸化物MRAMを示す。図17は、MRAM150を模式的に示す断面図である。MRAM150は、基板10の上に、下部電極152、参照層磁性層154、非磁性層156、記憶層磁性層158、上部電極160の積層体から構成される。
【0070】
図15に示すMRAM150を製造する際には、電界効果型トランジスタ100Bの製造方法と同様に行うことができる。つまり、図12(b)に示すマスクM2の開口に3層の積層体を形成する工程において、下部電極152、参照層磁性層154、非磁性層156、記憶層磁性層158、上部電極160の5層からなる積層体を形成すればよい。
【0071】
4.3.PRAM
次に、電子デバイスの一例として、PRAM170について図18を参照しつつ説明する。PRAM170は、図18に示すように基板10の上に形成された下部電極172、PRAM素子174、上部電極176とを含んで構成される。RRAM素子(相変化層)174の材料としては、Pr0.7Ca0.3MnO3、Cr‐SrTiO3やLaCoO3などを用いることができる。また、これらに限られるものではない。上部電極172と下部電極176との間に電圧パルスを引加することによってPRAM素子174の抵抗が変わり、非揮発性メモリとして働くことができる。
【0072】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0073】
例えば、パターニング方法の説明において、アレイ基板を形成する場合を説明したが、これに限定されることはない。また、マスクの形成では、インプリント法を用いる例について説明したが、これに限定されることなく、フォトリソグラフィ法、AFMリソグラフィ、集束イオンビーム法および電子ビームリソグラフィなどを利用することができるが、インプリント法を用いた場合には、微細なパターンの膜(積層体)のアレイ基板を容易に形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係るパターニング方法は、例えば高機能であり微細な電子デバイスの形成に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るパターニング方法の一工程を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る積層体の形成方法(パターニング方法)の一工程を模式的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る積層体の形成方法(パターニング方法)の一工程を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る電界効果型トランジスタ(電子デバイス)を模式的に示す断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、図9に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図11】(a)は、本実施形態に係る第2の例の電界効果型トランジスタを模式的に示す断面図であり、(b)はその平面図である。
【図12】(a)、(b)は、図11に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図13】(a)は、本実施形態に係る第3の例の電界効果型トランジスタを模式的に示す断面図であり、(b)はその平面図である。
【図14】(a)、(b)は、図11に示す電界効果型トランジスタ(電子デバイス)の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図15】本実施形態に係る第1の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図16】本実施形態に係る第1の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図17】本実施形態に係る第2の例のMRAMを模式的に示す断面図である。
【図18】本実施形態に係るPRAMを模式的に示す断面図である。
【図19】実験例1の結果を示す図である。
【図20】実験例2の結果を示す図である。
【図21】実験例3の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10 基板
12 レジスト層
14 型
15 凹部
16 凸部
18 金属含有層
20 被パターニング膜
22 膜(パターニング後)
30 積層体
32 第1の層
34 第2の層
36 第3の層
M1、M2 マスク層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属含有層からなり、所望のパターンの開口が設けられているマスクを基板の上に形成する工程と、
前記基板上の前記開口が設けられた領域および前記マスクの上に被パターニング膜を形成する工程と、
前記マスクを前記基板から剥離する工程と、を含み、
前記開口は、前記基板側の開口端の面積が、他方の開口端の面積と同一であるか、または他方の開口端の面積より小さいことを特徴とするパターニング方法。
【請求項2】
前記基板側の開口端の幅は、10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のパターニング方法。
【請求項3】
前記被パターニング膜は多層膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のパターニング方法。
【請求項4】
前記被パターニング膜を形成する工程が、200℃以上、850℃以下の熱処理を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項5】
前記被パターニング膜は金属酸化物からなる膜であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項6】
前記マスクは、アモルファス層であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項7】
前記マスクは、アモルファスMgOであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項8】
前記基板と前記マスクとの間にアモルファス酸化物層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項9】
前記マスクが水溶性の金属含有層からなることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項10】
前記マスクを形成する工程は、
前記基板の上に前記開口が設けられるべき位置に凸部を形成すること、
前記凸部が形成されていない前記基板の上および前記凸部の上に金属含有層を形成すること、および、
前記凸部を前記基板から剥離することを含む請求項1〜9の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項11】
前記凸部は、
前記基板の上にレジスト層を形成し、該凸部に対応する凹部を有する型を押圧することで形成されることを特徴とする請求項10に記載のパターニング方法。
【請求項12】
請求項3〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された積層体。
【請求項13】
請求項1〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された膜が基板内に配列されていることを特徴とするアレイ基板。
【請求項14】
請求項1〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された膜を含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項1】
金属含有層からなり、所望のパターンの開口が設けられているマスクを基板の上に形成する工程と、
前記基板上の前記開口が設けられた領域および前記マスクの上に被パターニング膜を形成する工程と、
前記マスクを前記基板から剥離する工程と、を含み、
前記開口は、前記基板側の開口端の面積が、他方の開口端の面積と同一であるか、または他方の開口端の面積より小さいことを特徴とするパターニング方法。
【請求項2】
前記基板側の開口端の幅は、10nm以上、1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のパターニング方法。
【請求項3】
前記被パターニング膜は多層膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のパターニング方法。
【請求項4】
前記被パターニング膜を形成する工程が、200℃以上、850℃以下の熱処理を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項5】
前記被パターニング膜は金属酸化物からなる膜であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項6】
前記マスクは、アモルファス層であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項7】
前記マスクは、アモルファスMgOであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項8】
前記基板と前記マスクとの間にアモルファス酸化物層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項9】
前記マスクが水溶性の金属含有層からなることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項10】
前記マスクを形成する工程は、
前記基板の上に前記開口が設けられるべき位置に凸部を形成すること、
前記凸部が形成されていない前記基板の上および前記凸部の上に金属含有層を形成すること、および、
前記凸部を前記基板から剥離することを含む請求項1〜9の何れか1項に記載のパターニング方法。
【請求項11】
前記凸部は、
前記基板の上にレジスト層を形成し、該凸部に対応する凹部を有する型を押圧することで形成されることを特徴とする請求項10に記載のパターニング方法。
【請求項12】
請求項3〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された積層体。
【請求項13】
請求項1〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された膜が基板内に配列されていることを特徴とするアレイ基板。
【請求項14】
請求項1〜11の何れか1項に記載のパターニング方法により形成された膜を含むことを特徴とする電子デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−53473(P2008−53473A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228382(P2006−228382)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
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