説明

パターン形成された基板上のナノワイヤの配向した成長のための方法

ケイ素前駆体の組み合わせを用いたエピタキシャルに配向したナノワイヤを成長させる方法、および配向したナノワイヤを成長させるためのパターン形成された基板の使用を含む、ナノワイヤを成長させ、ドープし、収集するシステムおよび方法が提供される。犠牲成長層を使用することによってナノワイヤの質が向上する。ナノワイヤを1つの基板から別の基板に移動する方法も提供される。本発明のプロセスで使用される基板材料は、結晶またはアモルファスであってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(合衆国政府の支援を受けた研究に関する言及)
本発明の一部分は、the National Science Foundationからの助成金(助成金番号IIP−0620589)の下で、米国政府支援によって行われたものがある。したがって、米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ナノワイヤに関し、より特定的には、ナノワイヤの成長および収集に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ナノ構造、特にナノワイヤは、新世代のあらゆる電子機器を容易にする能力を有する。ナノ構造に基づく新世代の電子機器の出現に対する主な妨げは、一貫した性能を有するナノワイヤおよび他のナノ構造を効率よく成長させ、収集する能力である。ナノワイヤを成長させ、収集するための既存のアプローチでは大量生産が容易ではなく、一貫した性能を有するナノワイヤが得られない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一貫した性能を有するナノワイヤを成長させ、収集するシステムおよび方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、ナノワイヤを製造する方法を提供する。一実施形態では、1つ以上の核形成粒子が基板材料に堆積する。次いで、核形成粒子は第1温度まで加熱され、第1前駆体ガス混合物と接触して液体アロイ滴を作製し、ナノワイヤ成長を開始する。次いで、アロイ滴が第2温度まで加熱され、第2前駆体ガス混合物と接触し、これによりナノワイヤがアロイ滴部位で成長する。本発明のプロセスで使用される基板材料は、結晶またはアモルファスであってよい。適切には、基板材料は、多結晶または単結晶の結晶性ケイ素を含む。他の実施形態では、基板は、アモルファスSiO、Siまたはアルミナであってよい。
【0006】
ナノワイヤ(例えばSiナノワイヤ)を製造する別の方法も本発明で提供される。例えば、このような方法は、1つ以上の核形成粒子(例えば、金ナノ粒子などの金属触媒)を基板材料に堆積させる工程(または(例えば、基板表面で金膜コーティング層を加熱することによって)基板表面にナノ粒子を核形成させる工程)を含む。次いで、核形成粒子を第1前駆体ガスが分解する第1温度まで加熱し、核形成粒子と共晶相を形成し、次いで核形成粒子が第1前駆体ガス混合物と接触する。ここで、第1前駆体ガス混合物は第1前駆体ガスを含み、第1前駆体ガスは、(例えば、以下に詳細に記載されるエッチングによって)成長するナノワイヤの配向を助ける少なくとも1つの原子種(例えばCl)を含む。次いで、ナノワイヤの成長が開始した後、核形成粒子が第2前駆体ガス混合物と接触する。ここで、第2前駆体ガス混合物は、分解して第1温度より低い第2温度で核形成粒子との共晶相を形成する前駆体ガスを含み、次いで、核形成粒子を第2温度まで加熱する。
【0007】
上述の方法はナノワイヤ成長プロセスをより低い温度で前駆体ガスを用いて開始し、次いでより高い温度で第2前駆体ガス(例えば、ナノワイヤの配向を助ける反応性エッチャント種を有するガス、例えば塩素)を用いてナノワイヤの成長を続けるように、可逆性であってよい。使用される第1前駆体ガスは、好ましくは、第1温度での解離の際にSiおよびClを含有するSiHまたはSiHClである。Si原子はナノワイヤを成長させ、Cl原子は、ケイ素基板の自然酸化物層をエッチングする結果、結晶性基板に成長する場合に<111>方向でのワイヤ成長を可能にする。ナノワイヤの成長が開始すると、SiHまたはSiなどの前駆体ガスを含む第2前駆体ガス混合物を導入し、第2前駆体ガス混合物は、分解して第1前駆体ガスよりも低い温度で核形成粒子との共晶相を形成する。第2温度でSiHまたはSiから解離したSi原子によって、Siナノワイヤの成長が続く。従って、ナノワイヤの成長が開始される温度よりも低い温度で遊離Si原子を用いてナノワイヤを成長させ続けることができる(例えば、成長するナノワイヤへの金属触媒の拡散を最小限にしつつ、所望の長さまで配向したワイヤを成長させることができる)。
【0008】
これらの方法で使用される基板材料は、結晶であってもアモルファスであってもよい。適切には、基板材料は、多結晶または単結晶の結晶性ケイ素を含む。他の実施形態では、基板は、アモルファスSiO、Siまたはアルミナであってよい。
【0009】
結晶基板が使用される実施形態では、基板材料に成長するワイヤは、好ましくは、エピタキシャル方向に成長することができる。本発明のプロセスにしたがって製造されるナノワイヤは、基板材料平面の外側に成長し、電荷を移動させることができる。
【0010】
本発明の方法の特定の適切な実施形態では、核形成粒子を加熱する第1温度は、アロイ滴を加熱する第2温度よりも高い。適切には、第1温度は、第2温度よりも少なくとも約50℃高い。本発明を実施する際に使用される核形成粒子は、金属触媒が適しており、第1前駆体ガス混合物および第2前駆体ガス混合物の両方と反応し(すなわち、第1および第2前駆体ガス混合物を分解させ)、共晶を形成する金属を含み、該共晶からSiが析出してよい。適切な金属触媒は、Au、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含み、特定のこのような実施形態では、AuコロイドまたはAu膜であってよい。
【0011】
本発明のプロセスで使用される第1前駆体ガス混合物および第2前駆体ガス混合物は、適切にはSiH、Si、SiClまたはSiHClを含んでおり、さらに、B、トリメチルホウ素(TMB)、POClまたはPH(例えばドーパント材料として)を含んでよい。本発明のプロセスの別の実施形態は、成長するナノワイヤを1つ以上のさらなる前駆体ガス混合物と接触させる工程をさらに含んでよく、該1つ以上のさらなる前駆体ガス混合物は、SiH、Si、SiClまたはSiHClを含み、ナノワイヤを所望の長さまで成長させるために、B、TMB、POClまたはPHをさらに含んでもよい。本発明のプロセスで使用される前駆体ガスを、適切にはプラズマ強化型スパッタ堆積(plasma enhanced sputter deposition)によって導入してもよい。
【0012】
本発明の別の実施形態では、より低い(例えば、約800℃よりも低い)温度でプラズマ強化型スパッタ堆積(またはプラズマ強化型化学気相堆積(PECVD))を用いてナノワイヤを成長させることによって、異なる温度でナノワイヤを成長させる必要性をなくすことができる。該実施形態では、核形成粒子を前駆体ガス混合物と接触させ、該前駆体ガス混合物は、好ましくは、例えば、成長するナノワイヤの配向を助ける反応種(例えばCl)を含む前駆体ガス、例えばSiClまたはSiHClを含む。代替的には、前駆体ガス混合物は、上述の1つ以上の前駆体ガス(例えば、SiH、Si、SiClまたはSiHCl)と組み合わせて供給可能な別々の独立した供給源由来の塩素ガス(またはプラズマ)を含んでよい。前駆体ガス混合物がSiClまたはSiHClを含む場合、SiClまたはSiHClは、キャリアガス(例えば、H、HAr)の存在下でSiおよびClに分解し、HClを形成する。以下に詳細に考察されるように、HClによるエッチングとSi蒸気による成長とが競争する。塩素は、Si基板の界面にある酸化物を除去するのに役立ち、これにより配向したナノワイヤの成長をもたらす。独立した塩素ガス供給源を添加すると、プラズマで反応種SiおよびClを独立して制御し、ナノワイヤ成長を促すのに必要なエッチングを促進または抑制できるという利点がある。スパッタ堆積は、当業者に既知の任意の方法、例えば、ダイオード、高周波および直流による堆積によって達成することができる。
【0013】
本発明は、金属触媒が関与しないナノワイヤを製造する方法も提供する。例えば、該方法は、基板材料にヒドロキシル基を導入する工程と、基板材料を第1前駆体ガス混合物と接触させる工程と、基板材料表面に1つ以上の核(例えばナノ粒子)を形成させる工程と、核を第2前駆体ガス混合物と接触させる工程と、1つ以上の核の部位でナノワイヤを成長させる工程とを含む。
【0014】
本発明の別の態様では、ナノワイヤ合成のためのさらなる方法が提供される。一実施形態では、ナノワイヤ合成のための方法は、ある温度で容器の一端に顆粒前駆体材料を配置する工程と、別の温度で容器の他端に触媒粒子を配置する工程とを含む。次いで、材料を容器の一端から他端に移動させる。移動剤を顆粒ナノワイヤ前駆体材料と反応させナノワイヤを作製する。代替的な実施形態では、ナノワイヤをドープする類似の方法が提供される。
【0015】
本発明のさらなる態様では、製造中にナノワイヤの品質を高める方法が提供される。特に、ナノワイヤ構造のダングリングボンドによる表面状態を減らす方法が提供される。一実施形態では、該方法は、ナノワイヤ構造を作製する工程と、ナノワイヤ構造体に犠牲層を堆積させる工程と、ナノワイヤ構造体を犠牲層で不活性化する工程と、犠牲層を化学的に除去してナノワイヤを遊離させる工程とを含む。
【0016】
別の実施形態では、ナノワイヤデバイスを製造する方法が開示されており、該方法は、垂直方向に表面に接続したナノワイヤを備える基板を提供する工程と、ナノワイヤの表面に誘電層を堆積させる工程と、ナノワイヤに1つ以上のナノワイヤ接点を堆積させる工程と、ナノワイヤを覆って材料を堆積させてナノワイヤコンポジットを形成させる工程と、ナノワイヤコンポジットを基板から分離する工程とを含む。
【0017】
一連の方法は、ナノワイヤを収集する方法も提供する。一実施形態では、方法は、所望の部分および犠牲部分でナノワイヤを成長させる工程を含む。所望の部分は、犠牲部分とは異なる性質を有している。一例では、犠牲部分はアロイであり、所望の部分はアロイではない。別の例では、犠牲部分は所望の部分とは異なる状態にドープされている。ウェットエッチャントを使用し、ナノワイヤの犠牲部分を別個に除去する。この例のウェットエッチャントは、所望の部分よりもナノワイヤの犠牲部分を非常に速くエッチングする。その結果、ナノワイヤを一貫した長さで製造することができる。
【0018】
別の実施形態では、ケイ素ナノワイヤは、ケイ素基板に成長する。ここで、ナノワイヤ中のケイ素の配向は、基板のケイ素の配向とは異なっている。例えば、ケイ素ナノワイヤ中の原子はミラー指数111を有し、基板中のケイ素原子はミラー指数100を有することができる。上の場合のように、ウェットエッチャントを使用してケイ素基板の一部分を別個に除去し、ナノワイヤを遊離させることができる。
【0019】
本発明の別の態様では、ナノワイヤを1つの基板から別の基板に移動させる方法が提供される。該方法は、例えば、ナノワイヤ成長基板からデバイス基板にナノワイヤを移動させるのに使用することができる。一実施形態では、該方法は、非粘着性コーティング(例えばTEFLON)で移動面をコーティングする工程を含む。次いで、ナノワイヤ成長基板に取り付けられたナノワイヤに対してテフロン(登録商標)表面を押しつけることができる。ナノワイヤは、非粘着性コーティングを有する移動面に固定する。次いで、移動面をデバイス基板より上に配置し、移動面の裏側に圧力を適用してデバイス基板上にナノワイヤを放出させる。代替的な実施形態では、移動面は、デバイス基板上のナノワイヤが配置されている領域に合うように非粘着性コーティングでパターンを形成することができる。類似する代替的な実施形態では、非粘着性コーティングを移動面全体に分布させておき、パターン形成された様式で移動面の裏側に圧力を適用し、デバイス基板の特定の領域にナノワイヤを放出させることができる。
【0020】
さらなる実施形態では、ナノワイヤを収集し、移動させる方法が開示され、該方法は、上面に付着した1つ以上のナノワイヤを有する基板材料を提供する工程を含む。次いで、移動基板を提供し、基板の上面の上に配向させる。移動基板に圧力を適用し、移動基板を1つ以上のナノワイヤと接触させる。次いで、1つ以上のナノワイヤを基板から移動基板に移し、移動基板を除去する。この実施形態では、移動基板は可撓性ポリマーであってよく、圧力を適用するのにプローブを使用してよい。これらの実施形態では、プローブを加熱してもよく、または基板を加熱してもよい。
【0021】
さらなる実施形態では、本発明は、パターン形成された基板にナノワイヤを製造する方法を提供する。適切な実施形態では、該方法は、基板材料を少なくとも部分的に覆うように触媒反発性材料の層を形成させる工程を含む。次いで、1つ以上の核形成粒子を基板材料に堆積させる。次いで、核形成粒子を第1温度まで加熱し、第1前駆体ガス混合物と接触させて液体アロイ滴を作製し、ナノワイヤ成長を開始させる。次いで、アロイ滴を第2温度まで加熱し、アロイ滴を第2前駆体ガス混合物と接触させ、これによりナノワイヤを上記アロイ滴の部位に成長させる。適切には、基板材料は結晶材料(例えばSi)を含み、核形成粒子は金属膜またはコロイド(例えばAu、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含む膜またはコロイド)を含む。触媒反発性材料の例としては、限定されないが、SiOまたは陽極アルミナが挙げられる。上に記載されるように、成長プロセス中に温度および前駆体ガスを変えることができ、適切には最初はより高い温度で開始し、ナノワイヤ成長を継続するためにより低い温度を用いることができる。本発明の方法で使用するための前駆体ガス混合物の例としては、限定されないが、SiH、SiClまたはSiHClが挙げられる。本発明は、本発明の方法によって製造されるナノワイヤ、およびそのようなナノワイヤを含む電子機器も提供する。
【0022】
パターン形成された基板にナノワイヤを製造するさらなる方法も提供される。適切には、基板材料を少なくとも部分的に覆うように触媒反発性材料を提供する。次いで、1つ以上の核形成粒子を基板材料に適用する。次いで、核形成粒子を加熱し(例えば、約400℃を超える温度まで)、前駆体ガス混合物と接触させて(例えば、約0.5torrよりも高い圧力下で)アロイ滴を作製し、これによりナノワイヤをアロイ滴の部位で成長させる。適切には、触媒反発性材料(例えばSiOまたは陽極アルミナ)は、基板材料(例えばケイ素または他の結晶性基板)を覆わない少なくとも1つの空隙を備えている。例示的な実施形態では、核形成粒子を触媒反発性材料に堆積させる(例えば、膜またはコロイドの形態で堆積し、次いで加熱する)。ここで、核形成粒子は少なくとも1つの空隙の部位で基板材料に堆積する。
【0023】
例示的な実施形態では、本発明の方法は、約5〜約200torr、適切には約45torrの圧力下で、約450℃〜約700℃の温度まで加熱する工程を含む。例示的な核形成粒子としては、全体に開示されているものが挙げられ、例えば、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含む金属が挙げられる。例示的な前駆体ガス混合物としては、全体に開示されているものが挙げられ、例えば、SiH、Si、SiClまたはSiHClを含むガス混合物が挙げられる。
【0024】
本発明は、ナノワイヤを製造するさらなる方法も提供する。例えば、1つ以上の核形成粒子(例えば、金属コロイドまたは膜)を基板材料に適用する。次いで、核形成粒子を約400℃よりも高い温度(適切には約450℃〜約700℃)まで加熱し、約0.5torrより大きな圧力(適切には約5〜約200torr、より適切には約45torr)下で前駆体ガス混合物と接触させて液体アロイ滴を作製し、これによりナノワイヤをアロイ滴の部位に成長させる。
【0025】
例示的な核形成粒子としては、全体に開示されているものが挙げられ、例えば、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含む金属が挙げられる。例示的な前駆体ガス混合物としては、全体に開示されているものが挙げられ、例えば、SiH、Si、SiClまたはSiHClを含むガス混合物が挙げられる。
【0026】
本発明のさらなる実施形態、特徴および利点、ならびに本発明の種々の実施形態の構造および操作を、添付の図面を参照して以下に詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明の詳細な説明)
本明細書に示され、記載される特定の実施内容は本発明の一例であり、本発明の範囲をいかなる様式にも限定するものではないことが理解されるべきである。実際に、わかりやすくするために、常套の電子機器、製造、半導体デバイスおよびナノワイヤ(NW)、ナノロッド、ナノチューブおよびナノリボンの技術およびシステムの他の機能的態様(システムの部品を個々に操作する部品)は本明細書で詳しくは述べていないことがある。さらに、わかりやすくするために、本発明は、その多くをナノワイヤに注目して記載している。
【0028】
ナノワイヤが頻繁に参照されているが、本明細書に記載の技術は他のナノ構造(例えば、ナノロッド、ナノチューブ、ナノテトラポッド、ナノリボンおよび/またはこれらの組み合わせ)にも適用可能であることは理解されたい。さらに、本明細書に記載の製造技術を任意の種類の半導体デバイスおよび他の種類の電子部品を作製するのに使用することができることも理解されたい。さらに、これらの技術は、電気システム、光学システム、家庭用電化製品、産業用電子機器、ワイヤレスシステム、宇宙での適用、または任意の他の適用に適している。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アスペクト比」は、ナノ構造の第1軸方向の長さを、ナノ構造の第2および第3軸方向の長さの平均で割ったものであり、第2および第3軸は、軸の長さが互いにほぼ同じになるような2つの軸である。例えば、完全なロッドのアスペクト比は、長軸の長さを長軸に対して垂直な(法線方向にある)断面の直径で割ったものである。
【0030】
用語「ヘテロ構造」は、ナノ構造を参照して使用される場合、少なくとも2種類の異なる材料および/または区別できる材料によって特徴付けられるナノ構造を指す。典型的には、ナノ構造の一領域が第1の種類の材料を含み、ナノ構造の第2領域が第2の種類の材料を含む。特定の実施形態では、ナノ構造は、第1材料のコアと、第2(または第3などの)材料の少なくとも1つのシェルとを含み、これらの異なる種類の材料は、例えば、ナノワイヤの長軸の周囲、分枝したナノ結晶のアームの長軸の周囲、またはナノ結晶の中央周辺に半径方向に分布している。隣接する材料を完全に覆っていなければ、シェルであるとみなされないわけではなく、ナノ構造がヘテロ構造であるとみなされないわけでもない。例えば、ある材料のコアが第2材料の小さな島で覆われていることによって特徴付けられるナノ結晶はヘテロ構造である。他の実施形態では、異なる種類の材料は、ナノ構造中の異なる位置に分布している。例えば、この種の材料は、ナノワイヤの主要軸(長軸)に沿って分布するか、または分枝したナノ結晶の主要軸(長軸)に沿って分布することができる。ヘテロ構造中の異なる領域は、完全に異なる材料を含むことができ、または、異なる領域はベース材料を含むことができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ナノ構造」は、約500nm未満、例えば約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、または約20nm未満の少なくとも1つの領域または特徴的な寸法を有する構造である。典型的には、該領域または特徴的な寸法は、該構造の最も短い軸に沿ったものである。このような構造の例としては、ナノワイヤ、ナノロッド、ナノチューブ、分枝ナノ結晶、ナノテトラポッド、トライポッド、バイポッド、ナノ結晶、ナノドット、量子ドット、ナノ粒子、分枝テトラポッド(例えば無機デンドリマー)などが挙げられる。ナノ構造は、材料の性能が実質的に均質であってよく、または特定の実施形態では、不均質であってよい(例えばヘテロ構造)。ナノ構造は、例えば、実質的に結晶であってよく、実質的に単結晶、多結晶、アモルファス、またはこれらの組み合わせであってよい。一態様では、ナノ構造の三方向の寸法は、それぞれ約500nm未満、例えば約200mn未満、約100mn未満、約50nm未満、または約20mn未満である。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「ナノワイヤ」は、概して、少なくとも1つの断面寸法が500nm未満、好ましくは100nm未満で、アスペクト比(長さ:幅)が10を超え、好ましくは50を超え、さらに好ましくは100を超える任意の細長い導電性材料または半導電性材料(または本明細書に記載される他の材料)を指す。
【0033】
本発明のナノワイヤは、材料の性質が実質的に均一であってよく、または特定の実施形態では、不均一であってもよい(例えばヘテロ構造)。ナノワイヤは、任意の便利な材料から本質的に加工することができ、例えば、実質的に結晶であってよく、実質的に単結晶、多結晶、アモルファスであってもよい。ナノワイヤは、種々の直径を有することができ、または実質的に均一な直径を有していてもよく、つまり、直径の分散が、最も変動の大きな領域で約20%未満(例えば、約10%未満、約5%未満、または約1%未満)であり、線寸法が少なくとも5nm(例えば、少なくとも10nm、少なくとも20nm、または少なくとも50nm)である。典型的には、ナノワイヤ末端から離れて(例えば、ナノワイヤの中央部20%、40%、50%または80%)直径を評価する。ナノワイヤは、長軸またはその一部分の全長にわたって直線であってよく、または例えば曲線もしくは曲がっていてもよい。特定の実施形態では、ナノワイヤまたはその一部分は、2方向または3方向の量子閉じ込め状態であってもよい。本発明のナノワイヤは、明らかにカーボンナノチューブを除外することができ、特定の実施形態では、「ウィスカー」または「ナノウィスカー」、特に直径が100nmより大きいか、または約200nmより大きなウィスカーを除外することができる。
【0034】
このようなナノワイヤの例としては、半導体ナノワイヤ(国際特許出願公開第WO02/17362号、WO02/48701号およびWO01/03208号に記載される)、カーボンナノチューブおよび同等の寸法を有する他の細長い導電性構造または半導電性構造が挙げられ、上述の刊行物は本明細書に参考により組み込まれる。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「ナノロッド」は、概して、ナノワイヤと似ているが、アスペクト比(長さ:幅)がナノワイヤよりも小さい任意の細長い導電性材料または半導電性材料(または本明細書に記載される他の材料)を指す。2つ以上のナノロッドが、結合したナノロッドが電極間に広がっていくように長手方向の軸に沿って結合することができることを注記しておく。代替的には、2つ以上のナノロッドを結合しないまま長手方向の軸に沿って実質的に整列させることができるが、その結果、2つ以上のナノロッドの末端と末端との間に小さなギャップが存在する。この場合には、電子が1つのナノロッドから別のナノロッドへと飛び越えて小さなギャップを越えることによって、あるナノロッドから別のナノロッドに電子が流れることができる。2つ以上のナノロッドは実質的に整列されていてよく、その結果、これらが経路を形成し、経路によって電子が電極間を動く。
【0036】
ナノワイヤ、ナノロッド、ナノチューブおよびナノリボンには、例えば、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、B−C、B−P(BP)、B−Si、Si−C、Si−Ge、Si−SnおよびGe−Sn、SiC、BN/BP/BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、AgF、AgCl、AgBr、AgI、BeSiN、CaCN、ZnGeP、CdSnAs、ZnSnSb、CuGeP、CuSi、(Cu,Ag)(Al,Ga,In,Ti,Fe)(S,Se,Te)、Si、Ge、Al、(Al,Ga,In)(S,Se,Te)、AlCO、および2つ以上のそのような半導体の適切な組み合わせから選択される半導体材料を含め、多種類の材料を使用することができる。
【0037】
ナノワイヤは、他の材料、例えば、金、ニッケル、パラジウム、イリジウム、コバルト、クロム、アルミニウム、チタン、スズなどの金属、金属アロイ、ポリマー、導電性ポリマー、セラミックおよび/またはこれらの組み合わせから作製することもできる。他の現在既知または今後開発される導電性材料または半導電性材料を使用することもできる。
【0038】
特定の態様では、半導体は、周期表III族のp型ドーパント、周期表V族のn型ドーパント、B、AlおよびInからなる群から選択されるp型ドーパント、P、AsおよびSbからなる群から選択されるn型ドーパント、周期表II族のp型ドーパント、Mg、Zn、CdおよびHgからなる群から選択されるp型ドーパント、周期表IV族のp型ドーパント、CおよびSiからなる群から選択されるp型ドーパント、またはSi、Ge、Sn、S、SeおよびTeからなる群から選択されるn型ドーパントからなる群からのドーパントを含んでよい。他の現在既知または今後開発されるドーパント材料も使用することができる。
【0039】
さらに、ナノワイヤまたはナノリボンは、カーボンナノチューブ、または導電性もしくは半導電性の有機ポリマー材料(例えば、ペンタセンおよび遷移金属酸化物)から作製されたナノチューブを含むことができる。
【0040】
従って、用語「ナノワイヤ」は、説明のために本明細書の記載全体で参照されるが、本明細書の記載は、ナノチューブ(例えば、軸方向に形成された中空管を有するナノワイヤ状構造)の使用を含めることが意図される。ナノチューブは、ナノワイヤ単独または組み合わせでナノワイヤについて本明細書で記載されるように、ナノチューブの組み合わせまたは薄膜として作製し、本明細書に記載の性質および利点を付与することができる。
【0041】
位置関係を示す記載(例えば、「〜の上(above)」、「〜の下(below)」、「上方(up)」、「下方(down)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」など)は、説明のためのみの記載であり、本発明のデバイスを任意の配向または様式で空間的に配置することができる。加えて、加工を容易にするために、デバイス中に中間層または材料が存在してもよい。
【0042】
ナノワイヤの種類および合成
図1Aは、単結晶半導体ナノワイヤコア(以下「ナノワイヤ」)100を示す。図1Aは、均一にドープされた単結晶ナノワイヤであるナノワイヤ100を示す。このような単結晶ナノワイヤは、適正に制御された様式でp型またはn型の半導体にドープすることができる。ドープされたナノワイヤ(例えばナノワイヤ100)は、改良された電気特性を示す。例えば、このようなナノワイヤは、バルクな単結晶材料に匹敵するキャリア移動度を有するようにドープすることができる。
【0043】
図1Bは、コアシェル構造に従ってドープされたナノワイヤ110を示す。図1Bに示されるように、ナノワイヤ110は、ドープされた表面層112を有し、該層は種々の厚みを有することができ、例えばナノワイヤ110の表面にある分子単層も含む。
【0044】
絶縁シェルの価電子帯は、p型のドープされたワイヤのコアの価電子帯よりも小さくてもよく、またはシェルの伝導帯は、n型のドープされたワイヤのコアの伝導帯よりも大きくてもよい。概して、コア−ナノ構造は、任意の金属材料または半導体材料から製造することができ、シェルは、同じまたは異なる材料から製造することができる。例えば、第1コア材料は、II〜VI族半導体、III〜V族半導体、IV族半導体およびこれらのアロイからなる群から選択される第1半導体を含むことができる。同様に、シェルの第2材料は、第2半導体を含むことができ、第2半導体は第1半導体と同じであっても異なっていてもよく、例えば、II〜VI族半導体、III〜V族半導体、IV族半導体およびこれらのアロイからなる群から選択される。半導体の例としては、限定されないが、CdSe、CdTe、InP、InAs、CdS、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InSb、Si、Ge、AlAs、A1Sb、PbSe、PbSおよびPbTeが挙げられる。上述のように、コア材料として金、クロム、スズ、ニッケル、アルミニウムなどおよびこれらのアロイなどの金属材料を使用することができ、金属コアを二酸化ケイ素または他の絶縁材料などの適切なシェル材料で覆うことができる。
【0045】
異なる材料に適応可能な多くの簡便な方法のいずれかによってナノ構造を作ることができ、大きさを制御することができる。例えば、種々の組成物のナノ結晶の合成は、例えば、Pengら(2000)「Shape Control of CdSe Nanocrystals」、Nature 404、59−61;Puntesら(2001)「Colloidal nanocrystal shape and size control:The case of cobalt」Science 291,2115−2117;米国特許第6,306,736号(Alivisatosら(2001年10月23日)、名称「Process for forming shaped group III−V semiconductor nanocrystals,and product formed using process」);米国特許第6,225,198号(Alivisatosら(2001年5月1日)、名称「Process for forming shaped group II−VI semiconductor nanocrystals,and product formed using process」);米国特許第5,505,928号(Alivisatosら(1996年4月9日)、名称「Preparation of III−V semiconductor nanocrystals」);米国特許第5,751,018号(Alivisatosら(1998年5月12日)、名称「Semiconductor nanocrystals covalently bound to solid inorganic surfaces using self−assembled monolayers」);米国特許第6,048,616号(Gallagherら(2000年4月11日)、名称「Encapsulated quantum sized doped semiconductor particles and method of manufacturing same」);および米国特許第5,990,479号(Weissら(1999年11月23日)、名称「Organo luminescent semiconductor nanocrystal probes for biological applications and process for making and using such probes」に記載されている。
【0046】
種々のアスペクト比を有し、直径が制御されたナノワイヤの成長は、例えば、Gudiksenら(2000)「Diameter−selective synthesis of semiconductor nanowires」、J.Am.Chem.Soc.122,8801−8802;Cuiら(2001)「Diameter−controlled synthesis of single−crystal silicon nanowire」、Appl.Phys.Lett.78,2214−2216;Gudiksenら(2001)「Synthetic control of the diameter and length of single crystal semiconductor nanowires」、J.Phys.Chem.B 105,4062−4064;Moralesら(1998)「A laser ablation method for the synthesis of crystalline semiconductor nanowires」、Science 279,208−211;Duanら(2000)「General synthesis of compound semiconductor nanowires」、Adv.Mater.12,298−302;Cuiら(2000)「Doping and electrical transport in silicon nanowires」、J.Phys.Chem.B 104,5213−5216;Pengら(2000)「Shape control of CdSe nanocrystals」、Nature 404,59−61;Puntesら(2001)「Colloidal nanocrystal shape and size control:The case of cobalt」、Science 291,2115−2117;米国特許第6,306,736号(Alivisatosら(2001年10月23日)、名称「Process for forming shaped group III−V semiconductor nanocrystals,and product formed using process」);米国特許第6,225,198号(Alivisatosら(2001年5月1日)、名称「Process for forming shaped group II−VI semiconductor nanocrystals,and product formed using process」);米国特許第6,036,774号(Lieberら(2000年3月14日)、名称「Method of producing metal oxide nanorods」);米国特許第5,897,945号(Lieberら(1999年4月27日)、名称「Metal oxide nanorods」);米国特許第5,997,832号(Lieberら(1999年12月7日)「Preparation of carbide nanorods」);Urbauら(2002)「Synthesis of single−crystalline perovskite nanowires composed of barium titanate and strontium titanate」、J.Am.Chem.Soc.,124,1186;およびYunら(2002)「Ferroelectric Properties of Individual Barium Titanate Nanowires Investigated by Scanned Probe Microscopy」、Nanoletters 2,447に記載されている。
【0047】
分枝ナノワイヤ(例えば、ナノテトラポッド、トライポッド、バイポッドおよび分枝テトラポッド)の成長は、例えば、Junら(2001)「Controlled synthesis of multi−armed CdS nanorod architectures using monosurfactant system」、J.Am.Chem.Soc.123,5150−5151;およびMannaら(2000)「Synthesis of Soluble and Processable Rod−.Arrow−.Teardron−.and Tetraood−Shaped CdSe Nanocrystals」、J.Am.Chem.Soc.122,12700−12706に記載されている。
【0048】
ナノ粒子の合成は、例えば、米国特許第5,690,807号(Clark Jr.ら(1997年11月25日)、名称「Method for producing semiconductor particles」);米国特許第6,136,156号(El−Shallら(2000年10月24日)、名称「Nanoparticles of silicon oxide alloys」);米国特許第6,413,489号(Yingら(2002年7月2日)、名称「Synthesis of nanometer−sized particles by reverse micelle mediated techniques」);およびLiuら(2001)「Sol−Gel Synthesis of Free−Standing Ferroelectric Lead Zirconate Titanate Nanoparticles」、J.Am..Chem.Soc.123,4344に記載されている。ナノ粒子の合成は、ナノ結晶、ナノワイヤおよび分枝ナノワイヤの成長について上に記載した引用文献にも記載されており、得られたナノ構造は、約1.5未満のアスペクト比を有している。
【0049】
コア−シェルナノ構造へテロ構造(すなわちナノ結晶およびナノワイヤ(例えばナノロッド)のコア−シェルヘテロ構造)の合成は、例えば、Pengら(1997)「Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS core/shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、J.Am.Chem.Soc.119,7019−7029;Dabbousiら(1997)「(CdSe)ZnS,core−shell quantum dots:Synthesis and characterization of a size series of highly luminescent nanocrysallites」、J.Phys.Chem.B 101,9463−9475;Mannaら(2002)「Epitaxial growth and photochemical annealing of graded CdS/ZnS shells on colloidal CdSe nanorods」、J.Am.Chem.Soc.124,7136−7145;およびCaoら(2000)「Growth and properties of semiconductor core/shell nanocrystals with InAs cores」、J.Am.Chem.Soc.122,9692−9702に記載されている。同様のアプローチを適用して他のコア−シェルナノ構造を成長させることができる。
【0050】
ナノワイヤの長軸に沿って異なる材料が異なる位置に分布したナノワイヤへテロ構造の成長は、例えば、Gudiksenら(2002)「Growth of nanowire superlattice structures for nanoscale photonics and electronics」、Nature 415,617−620;Bjorkら(2002)「One−dimensional steeplechase for electrons realized」、Nano Letters 2,86−90;Wuら(2002)「Block−by−block growth of single−crystalline Si/SiGe superlattice nanowires」、Nano Letters 2,83−86;および米国特許出願第60/370,095号(2002年4月2日)(Empedociesら、名称「Nanowire heterostructures for encoding information」に記載されている。同様のアプローチを適用して他のヘテロ構造を成長させることができる。
【0051】
ケイ素前駆体の組み合わせを用いたエピタキシャルに配向したナノワイヤの成長
図2は、本発明の一実施形態に係る、Si前駆体の組み合わせを用いてナノワイヤを調製する方法200のフローチャートである。方法200はステップ202から始まる。ステップ202では、1つ以上の核形成粒子(適切には金属触媒)を基板材料に堆積させ、ナノワイヤを成長させるための核形成部位を作製する。ステップ204に示されているように、核形成粒子を第1温度まで加熱し、核形成粒子を第1前駆体ガス混合物と接触させ、液体アロイ滴を作製し、ナノワイヤ成長を開始させる(206で示される)。ステップ208では、アロイ滴を第2温度まで加熱し、該アロイ滴を第2前駆体ガス混合物と接触させると、所望の大きさおよび配向になるまで、ステップ214で示すように、ナノワイヤをアロイ滴の部位に成長させる(ラベル210で示す)。
【0052】
適切な実施形態では、ナノワイヤが成長する基板材料は、結晶性基板である。用語「結晶性基板」は、大きな原子間距離にわたって(典型的には10オングストローム(Å)以上のオーダーで)繰り返し配置または周期的な配置の原子を含む任意の基板材料を含む。このような結晶性基板は、多結晶であってもよいし、単結晶を含んでいてもよい。適切には、本発明のプロセスで利用される結晶性基板はケイ素(Si)である。他の適切な結晶性材料としては、限定されないが、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、サファイヤ、水晶およびケイ素ゲルマニウム(SiGe)が挙げられる。本発明の他の実施形態では、基板材料はアモルファス材料を含んでいてよい。本発明を実施するのに使用可能な適切なアモルファス基板材料としては、限定されないが、SiO、Siおよびアルミナが挙げられる。さらなる実施形態では、基板材料は、複数の層(例えばシリコンオンインシュレータ(SOI)表面)で構成される。
【0053】
図2に概略が示されるように、特定の実施形態では、本発明の方法は、最初に、基板材料に核形成粒子を堆積させることを含む。本発明を実施するのに使用可能な核形成粒子としては、金属触媒が挙げられ、第1前駆体ガス混合物とも第2前駆体ガス混合物とも反応し(すなわち、第1および第2前駆体ガス混合物を分解させ)、共晶相を形成する任意の金属であってもよい。このような混合物は、全成分が溶液になる最小の融点を有する。前駆体ガス分子(例えばケイ素)の添加および分解の際に、共晶の相状態図上の飽和点に到達し、半導体粒子(例えばSi)が金属溶液の外側に析出し始め、ナノワイヤが成長していく。前駆体ガスを連続的に添加すると、ガスが分解するにつれて、共晶を飽和し続け、これによりナノワイヤ成長のための追加の材料を生成する。
【0054】
適切な実施形態では、核形成粒子は金属触媒であり、周期表の任意の遷移金属を含むことができる。ここで、遷移金属としては、限定されないが、銅、銀、アルミニウム、金、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、スズ、オスミウム、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよびガリウムが挙げられる(これらの1つ以上の金属の混合物を含む)。本発明の好ましい実施形態では、金属触媒は、金(Au)コロイド(すなわち、Auナノ粒子)またはAu膜を含むことができる。特定のこのような実施形態では、直径60ナノメートル(nm)の金コロイドを使用することができる。1平方マイクロメートル(μm)あたり2〜4個の粒子密度があれば、金ナノ粒子をターゲットに均一に堆積させることができる。ポイントは金粒子クラスターの形成を最小限にすることである。クラスターは、望ましくないより直径の大きいナノワイヤを成長させてしまうことがある。堆積に関してスピンコーティングおよび自己集合法が研究されている(例えば、米国特許出願第10/674,060(2003年9月30日出願、本明細書にその全体が参考により組み込まれる)を参照)。
【0055】
スピンコーティングは、適正で直接的なプロセスである。前駆体コロイド中の金粒子の濃度を変え、シリコンウェハの表面化学を操作し、スピン速度を変えることによって堆積密度を制御することができる。スピンコーティングの欠点は、金コロイド溶液の利用効率が低い場合があることである。必要であれば製造段階に回収プロセスを組み込むことができる。
【0056】
自己集合法は、十分に確立された化学をいくらか利用する。4インチの酸化ケイ素コーティングされたウェハの表面を(3−アミノプロピル)−トリメトキシシラン(APTMS)または(3−メルカプトプロピル)−トリメトキシシラン(MPTMS)のいずれかで官能基化し、60nm金コロイド溶液と接触させる。金粒子が表面に集合する。2つの異なる化学物質での差を比較し、接触時間および接触溶液中の金粒子濃度を制御することによって金粒子の密度を制御できる可能性を利用することができる。
【0057】
金膜コーティング層を基板上で加熱することによって、本発明を実施するのに使用される核形成粒子を基板表面に形成させることもできる。
【0058】
一実施形態では、本発明は、第1前駆体ガス混合物を(1)ガスが遊離成分の原子に解離する温度まで加熱することと、(2)核形成粒子(例えば金属触媒)が融解して液体になる温度まで加熱することとを含む。次いで、遊離したガス分子を金属触媒に拡散させ、液体アロイ滴を作製することができる。該プロセスは、当業者には化学気相堆積法(CVD)として一般的に知られている。
【0059】
本発明の適切な実施形態では、第1前駆体ガスは、ナノワイヤの成長を促進する少なくとも1つの原子種(例えばSi)および成長中にナノワイヤの配向を助ける少なくとも1つの原子種(例えばCl原子)を含むガスを含んでよい。例えば、第1前駆体ガスは、限定されないが、Si、SiH、SiClまたはSiHClガスから選択されてよく、好ましくはSiClまたはSiHClである。
【0060】
これらのSi前駆体ガスを、ガス分子間の結合エネルギーを破壊するのに十分な熱エネルギーである温度を超えて加熱して、遊離Si原子を生成する(例えば、Si−H結合:93kcal/mole、Si−Cl結合:110kcal/mole、Si−Si結合;77kcal/mole、M.T.SwihartおよびR.W.Carr,J.Phys Chem A 102:1542−1549(1998)を参照)。該温度が金属触媒を液化するほど高温であると、遊離Si原子は金属中に拡散し、共晶相を生成する。SiHおよびSi、およびSiClおよびSiHClガスの解離温度は、約300℃〜500℃(SiおよびSiHの場合)であり、それぞれ約800℃を超える(SiClおよびSiHClの場合)。SiClおよびSiHClの場合、Cl原子も生成する。SiClまたはSiHClは、キャリアガス(例えば、H、HAr)の存在下でSiおよびClに分解し、HClを形成する。
【0061】
以下に詳細に考察されるように、HClによるエッチングとSi蒸気による成長とが競争する。塩素は、Si基板の界面にある酸化物を除去するのに役立ち、これにより配向されたNWの成長をもたらす。しかし、SiClおよびSiHClは比較的高温(例えば約800℃を超える温度)でSiおよびClに分解するため、約800℃より高い温度に長時間維持される場合、成長するナノワイヤへの金属触媒の拡散はより起こりやすい。
【0062】
さらに、これより高い温度では、触媒の溶融が増え、ナノワイヤの成長を促進するのに利用可能な触媒があまり残らない(または全く残らない)ため、金属触媒の損失がより起こりやすく、ナノワイヤが成長可能な長さが制限されてしまう。従って、ナノワイヤの成長が開始し、SiClまたはSiHClを用いて配向した後、金属触媒と接触させるために別の前駆体ガス混合物(例えば、SiまたはSiHを含む)を導入することが好ましい。ここで、ガス混合物は、第1前駆体ガスよりも低い温度で(しかし、金属触媒と共晶相を形成するのに十分高い温度で)Si原子に分解する前駆体ガスを含む。
【0063】
本発明の全ての実施形態では、ナノワイヤ成長プロセスのいずれかの間に使用される前駆体ガス混合物は、1つ以上のドーピングガスをさらに含んでよい。本発明を実施するのに使用可能な適切なドーピングガスの例としては、限定されないが、B、トリメチルホウ素(TMB)、POClおよびPHが挙げられる。
【0064】
本発明の一実施形態では、第1前駆体ガスはSiClを含むことができ、適切には、キャリアガス(例えば、He、Arまたは他の不活性ガス)を含むことができる。該ガス混合物を十分に高い温度(約800℃を超える温度)まで加熱して、遊離Si原子およびCl原子を生成する。このような適切な実施形態では、第1前駆体ガスは、本明細書全体に記載されるものから選択される1つ以上のドーパントガスを含んでよい。第1前駆体ガス混合物は、核形成粒子を通り、適切には、基板材料に堆積した金属触媒粒子(例えば金ナノ粒子)を合計圧約20〜約50Torrで通りつつ、核形成粒子は約800℃の温度まで加熱される。本発明の他の実施形態では、ガス圧を上下させてもよく、それにともなって前駆体ガス混合物を解離させるのに必要な温度を変える必要がある。
【0065】
例えば、SiClを適切な温度まで加熱すると、遊離Si原子およびCl原子に分解する。前駆体ガス混合物中にBが存在する場合、B原子も生成する。SiおよびBが金属触媒内に拡散し、液体アロイ滴が生成する。金属触媒および前駆体ガスの共晶相は、前駆体ガスとして存在し続け、金属触媒中に可溶化する。過飽和に到達すると、Si/B原子は析出し、ナノワイヤが成長し始める。ナノワイヤが成長し続けるために、Si前駆体ガスおよびドーピングガスを連続して供給することが必要である。しかし、長時間にわたって約800℃を超える温度に維持すると、金属触媒が成長するナノワイヤに拡散し、トラップ状態を作り出し、全体のナノワイヤの直径および長さが小さくなる場合がある。
【0066】
本発明の特定の実施形態では、(例えば、SiClまたはSiHClを用いて)ナノワイヤが成長し始めると、第2前駆体ガスが置換され(例えばSiH)、ナノワイヤを成長させ続けることができる。第2前駆体ガスをシステムに導入するポイントは、当業者によって実験的に決定することができる。本発明の他の実施形態では、SiHによってナノワイヤの成長が開始され、次いで第2前駆体ガスとしてSiClまたはSiHClを用い、Clによるエッチングを可能にする。このような特定の実施形態では、第1前駆体ガス混合物を添加してナノワイヤの成長を開始させる第1温度と、第2前駆体ガス混合物を用いてナノワイヤを成長させ続ける第2温度とは、これらの温度が、ガスを解離させ、Siおよびドーパントを液体金属触媒に拡散させるのに十分高い温度であれば、同じ温度であってよい。他の実施形態では、ナノワイヤの成長を開始させるのに使用される第1温度は、ナノワイヤを成長させ続けるのに使用される第2温度よりも高い。これらの温度には、ガスを解離させ、Siおよびドーパントを液体金属触媒に拡散させるのに十分高い温度であれば、任意の温度差があってもよい(例えば、数℃〜約数十℃〜約数百℃)。
【0067】
本発明の特定の実施形態では、ナノワイヤの成長が始まると、適切には約800℃の温度で、第1前駆体ガスとしてSiClまたはSiHClを用いて、第2前駆体ガスが置換され、ナノワイヤを成長させ続けるために温度を変えることができる。第2前駆体ガスをシステムに導入するポイントは、当業者によって実験的に決定することができる。特定のこのような実施形態では、ナノワイヤの成長を開始させるのに使用される第1温度は第2温度よりも高く、該温度でナノワイヤが成長し続ける。適切な実施形態では、第2前駆体ガスはSiHを含み、約300℃〜約500℃で成長が続く。特定の実施形態では、第1温度は、第2温度よりも少なくとも約50℃高い。低い温度でナノワイヤを成長させ続けると、金属触媒が成長するナノワイヤに拡散できる可能性が小さくなる。
【0068】
本発明は、ナノワイヤを成長させるプロセスで任意の数の前駆体ガスを使用することを包含する。例えば、SiClを含む第1前駆体ガスを用いて、適切には約800℃でナノワイヤの成長を開始させ、次いでSiHClを含む第2前駆体ガスを用いて、適切には約750℃で成長させ続けることができる。他の実施形態では、SiHClを第1前駆体ガスとして使用することができる。次いで、ワイヤを第3前駆体ガス(例えばSiHまたはSiを含む)と適切には約300〜500℃で接触させることができる。図2のステップ212に示すように、本発明の他の実施形態では、開始プロセスおよび成長プロセス中に、ナノワイヤが所望の大きさおよび配向になる(ステップ214で示す)まで、任意の数の前駆体ガスをナノワイヤに導入することができる。前駆体ガスを金属触媒と接触させる温度がガス混合物の解離温度よりも高く、金属触媒が液化するのに必要な温度よりも高いと、Si(または全体で考察している他の適切な半導体材料)およびドーパントが金属触媒アロイ滴の外側に析出し続けるにつれて、ワイヤが成長し続ける。
【0069】
特定の実施形態では、SiHまたはSiを用いてナノワイヤの成長を開始させ、次いでSiClまたはSiHClを用いて成長させ続け、基板表面の望ましくない位置および配向に成長するSiをClによってエッチングすることができる。次いで、所望の場合には前駆体ガス混合物をSiHまたはSiと交換してもよい。このような特定の実施形態では、3種のガスが保持される温度は、遊離Si原子を液化金属触媒と混合することができる限り、同じであるか、または必要な場合には変えることもできる。本発明の他の実施形態では、必要な場合、成長を助け(例えばSi)、エッチングを助け(例えばCl)またはガス解離を助ける(例えばH)ために、遊離のSi原子、Cl原子またはH原子を成長するナノワイヤに供給してよい。
【0070】
全体で考察するように、本発明のプロセスで使用される前駆体ガス混合物は、ドーパントをさらに含んでよい。本発明の適切な実施形態では、それぞれの前駆体ガス混合物について同じドーピングガスを用いてワイヤを成長させることができる。このような実施形態では、得られた全ワイヤは、ドーパントの選択に依存してp型またはn型のどちらかである。本発明の他の実施形態では、異なるドーピングガスを異なる前駆体ガスの成分としてプロセス中に導入することができる。例えば、n型ドーパント(例えばP、AsまたはSb)を含む前駆体ガスを用いてワイヤの成長を開始させ、次いでp型ドーパント(例えば、B、AlまたはIn)を用いた前駆体ガスを用いて成長させ続けることができる。他の実施形態では、p型ドーピングガスを開始中に使用し、成長中にn型ドーピングガスを使用する。
【0071】
他の実施形態では、ドーピングガスの種類は、前駆体ガスの切り替えに伴って成長プロセス全体で複数回切り替えることができる。それ故に、得られたナノワイヤは、その長さ全体にわたっていくつかの異なるドーパント部分を含むことができる。例えば、本発明によって製造されたナノワイヤは、当業者が想定するように、n型の底部、p型の中央部、およびn型の上部、または任意の適切な組み合わせを含んでいてよい。本発明のこのような実施形態は、p型基板上にn型ワイヤが成長することを可能にし、逆も可能にする。
【0072】
第2前駆体ガス混合物(および第3、第4、第5など)を連続的に供給すると、局所的な条件変化によって引き起こされる要望(desire)または死(death)によって終了するまで、ナノワイヤを成長させ続けることができる。ナノワイヤの質は、金ナノ粒子の質、基板への金ナノ粒子分布の制御、および成長条件(温度、ドーパントと前駆体ガスとの比率、前駆体ガスの分圧、および反応器中に前駆体ガスが残存する時間を含む)に依存する。本発明の適切な実施形態では、本発明のプロセスは、コンピューター制御された8インチ半導体炉を用いて達成することができる。
【0073】
適切な実施形態では、本発明の任意のプロセスに導入される種々の前駆体ガス混合物は、プラズマ強化型スパッタ堆積(またはプラズマ強化型化学気相堆積(PECVD))および低温で行なわれるプロセスによって導入されてもよい。(Hofmannら,「Gold Catalyzed Growth of Silicon Nanowires by Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition」J.Appl.Phys.94:6005−6012(2003)参照)。キャリアガス(例えば、H、HAr)の存在下でSiClまたはSiHClをSiおよびClに分解してHClを生成する。これにより、HClによるエッチングとSi蒸気による成長とが競争する。塩素は、Si基板の界面にある酸化物を除去するのに役立ち、これにより配向されたNWの成長をもたらす。金属触媒(例えばAu)がなくなると、生成可能なAuClのエッチングまたは熱による蒸発が起こることがある。成長するNWに約800℃よりも低い温度でPECVDを使用し、SiClまたはSiHCl由来の塩素ガスを添加し、および/またはSiClまたはSiHClの供給源とは別の供給源由来の塩素ガスを添加すると、プラズマで反応種SiおよびClを独立して制御し、必要なだけエッチングを促進または抑制し、ナノワイヤ成長を促進することができる。スパッタ堆積は、当業者に既知の任意の方法、例えば、ダイオード、高周波および直流による堆積によって達成することができる。
【0074】
本発明のこれらの特定の実施形態によるケイ素ナノワイヤの直径分布は、核形成粒子、例えば金属(適切には金)ナノ粒子の直径分布によって決定される。市販の60nm金コロイドは、±10%の直径分布を有し得る。ナノワイヤでも同じ分布を得ることができる。金ナノ粒子は、より小さなものに分けることができ、成長条件に依存してより小さい直径のナノワイヤを得ることがある。成長条件を最適化して、この事象を最少にすることができる。一定の成長条件では、ナノワイヤの長さは、成長時間を変えることによって制御することができる。ケイ素ナノワイヤの結晶度およびドーパントの濃度も成長条件に依存する。これらの性質は、他の重要なナノワイヤの特徴とともに最適化することができる。
【0075】
本発明の任意のプロセスによって製造されるナノワイヤは、基板材料平面の外側に適切に成長する。このような成長は、基板材料平面から任意の角度で外側に突出するナノワイヤを含む。例えば、基板材料平面に対して約1°〜約90°の角度、およびこの間の任意の角度でナノワイヤを成長させることができる。本明細書に記載されるプロセスによって製造されたナノワイヤが基板平面から外側に突出していることは、本発明の必要事項である。すなわち、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、基板材料平面から外側に単分子の寸法より長い距離延びていなければならない。この場合、本発明によって製造されるナノワイヤは、基板材料表面に広がる薄膜および量子ドットなどの構造とは区別され、基板平面から外側に、例えば1個のSi分子の原子直径を超える距離を突出するように成長する。
【0076】
適切には、本発明の任意のプロセスによって製造されるナノワイヤは、最終的な長さが約100nm〜約1μm未満になるように基板材料表面の外側に突出する。このような適切な実施形態では、本発明によって製造されるナノワイヤは、最終長さが数百nmになることがある。本発明のナノワイヤは、適切には、直径が少なくとも約1nm〜約1μm未満である。電子機器で使用するには、本発明のナノワイヤは、収集可能にするために、適切には、導電性媒体として作用するようにプラスチック基板にワイヤを配置することによって電子機器で利用可能にするために、約数nm〜数100nmの直径を有する(米国特許出願第60/491,979号(2003年8月4日出願、ナノワイヤの収集に関する記載は、本明細書に参考により組み込まれる)。
【0077】
本発明の適切な実施形態では、ナノワイヤが結晶性基板(多結晶または単結晶)に成長する場合、好ましくはエピタキシャル配向で成長する。しかし、本発明は、ナノワイヤがエピタキシャル配向で成長しない結晶性基板への成長も包含する。本明細書で使用される場合、エピタキシャルという用語は、ナノワイヤの成長を指す場合、ナノワイヤが、成長する基板材料と同じ結晶性特性を有することを意味する。例えば、基板材料の配向は、当業者に既知の任意の結晶性配向、例えば、限定されないが、<111>、<110>、<100>および<211>を有することができる。適切な実施形態では、本発明のプロセスによって製造されたナノワイヤを任意の結晶性配向で成長させることができ、適切には、全体で考察している配向および当業者に既知の配向を含む、基板材料と同じ配向で成長させることができる。
【0078】
全体で考察するように、本発明のプロセスで使用可能な適切な前駆体ガスは、SiClおよびSiHClを含む。これらのガスが解離すると、ガス相で遊離塩素イオン(Cl)が生成する。これらのClイオンおよび/または別々の塩素ガス供給源から導入されるさらなる塩素イオンは、優先的に<111>配向である配向で成長するSiナノワイヤをエッチングするように作用する。
【0079】
本発明の他の適切な実施形態では、基板材料の結晶性平面は、0°の水平面とずれた軸を有することができる。このような基板材料表面に成長するナノワイヤは、ワイヤが結晶性平面に対して法線方向になり得る(すなわち結晶性平面に対して90°に)角度に基板材料の外側に突出することができるか、または0°水平面に対して法線方向になる結晶性平面に対してずれた軸を有することができる。
【0080】
アモルファス基板を使用する本発明の実施形態では、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、アモルファス材料が結晶性配向を有さないため、エピタキシャルに成長しない。しかし、上述のように、このような基板に成長するナノワイヤは、水平面に対して任意の角度で基板平面から外側に突出していてよい。
【0081】
本発明のプロセスは、空間上の2点間に電子を伝え、電荷を移動させるように作用するナノワイヤを製造する。この様式で、本発明のナノワイヤは、ナノドットとは区別され、その大きさおよび配向で半導体膜とは区別される。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、図3で概説されているように、出発金属触媒を必要としないナノワイヤを製造するプロセスを提供する。図3は、本発明の一実施形態に係る、出発金属触媒を必要とせず、Si前駆体の組み合わせを使用するナノワイヤを調製する方法のフローチャートである。
【0083】
方法300はステップ302から始まる。ステップ302では、基板材料にヒドロキシル基が導入され、核形成部位が作られる。ステップ304では、基板材料を第1前駆体ガス混合物と接触させ、基板材料表面に1つ以上の核を作製する(ラベル306で示す)。ステップ308では、核を第2前駆体ガス混合物と接触させ、所望の大きさおよび配向になるまで(ステップ314で示す)、1つ以上の核部位でナノワイヤを成長させる(ラベル310で示す)。
【0084】
本発明の該プロセスは、ナノワイヤの核形成部位を得るのに金属触媒を使用する必要はなく、これにより、成長するナノワイヤに金属が拡散することによって生じる問題および注意点を排除することができる。類似のプロセスは、De Salvoらのナノドット形態のナノ結晶の製造(「How far will Silicon nanocrystals push the scaling limits of NVMs technologies?」、IEEE Proceeding,Session 26,p.1(2003))に記載されているが、本発明のようなナノワイヤの製造にまで拡張されてはいない。
【0085】
全体で考察するように、本発明のプロセスに任意の適切な基板材料を使用してよい。適切には、基板材料は結晶性であり、多結晶および単結晶の基板を含む。特定の実施形態では、本発明の該実施形態で利用される基板材料はケイ素を含む。本発明の他の適切な実施形態では、基板材料はアモルファス材料であり、限定されないが、SiO、Siおよびアルミナが挙げられる。
【0086】
本発明のこれらの実施形態での基板材料には、当業者に既知の任意の適切なプロセスによってヒドロキシル基を導入することができる。例えば、本発明の基板材料には、基板材料を希HF溶液で化学処理することによってヒドロキシル基を導入することができる。基板材料表面にヒドロキシル基を生成させることにより、Siまたは他の半導体材料に対する核形成点を生成させて堆積し、ナノワイヤの成長を開始する。
【0087】
ヒドロキシル基を導入した後、基板材料を1つ以上の前駆体ガス混合物と接触させ、核形成させ、ナノワイヤの成長を開始させる。当業者に既知の任意の前駆体ガス混合物を本発明のプロセスで使用することができ、適切にはドーパントを含むことができる。本発明を実施するのに有用な前駆体ガスの例は、限定されないが、SiHおよびSi、SiClおよびSiHCl、好ましくはSiHまたはSiを含み、これらは基板表面に粒子を核形成させ、適切な実施形態では、例えば、限定されないが、B、TMB、POClおよびPHなどのドーパントをさらに含んでもよい。解離し、ナノワイヤの核が形成する温度は、全体で考察するように、前駆体ガス混合物の解離温度に依存する。適切な実施形態では、該温度は少なくとも約300℃であるが、全体で考察しているような前駆体ガス混合物の解離温度に基づいて最適化される。特定のこのような実施形態では、第1前駆体ガス混合物はSiHを含む。
【0088】
核形成させ、成長が始まった後、基板材料を全体で記載しているような1つ以上の第2前駆体ガス混合物と接触させ、適切には、第2前駆体ガス混合物は、SiHおよびSi、SiClまたはSiHCl、好ましくはSiClまたはSiHClを含むことができ、さらにB、TMB、POClおよびPHを含んでもよい。特定の実施形態では、第2前駆体ガス混合物はSiClまたはSiHClを含む。このような前駆体ガスを使用することにより、結晶性基板に成長する場合、上述のような解離したClによってエッチングされ、その結果<111>配向で成長させることができる。本発明の他の実施形態では、図3のステップ312に示されるように、開始プロセスおよび成長プロセス中に任意の数の前駆体ガスをナノワイヤに導入してもよい。ただし、1つ以上の前駆体ガスが基板表面に粒子を核形成可能であり、1つ以上の前駆体ガスが成長プロセス中に(例えばエッチングによって)ナノワイヤの配向を助ける場合に限る。さらに、ワイヤを金属触媒に接触する温度がガス混合物の解離温度よりも高ければ、ワイヤは成長し続ける。他の実施形態では、遊離H、ClまたはSi原子を添加して、全体で考察されるようなナノワイヤを成長させることができる。全体で考察されるように、本発明のプロセスを使用して、ナノワイヤの長さ全体に種々のドーパントおよび該ドーパントの異なる領域を含むナノワイヤを製造することができる。
【0089】
結晶性基板を使用する本発明の実施形態では、製造されるナノワイヤは、好ましくはエピタキシャル配向で成長するが、本発明は、結晶性基板での成長がエピタキシャルでははい実施形態も包含する。本発明のプロセスは、全体で考察するように、基板材料平面から成長し、基板材料平面の外側に突出するナノワイヤを製造する。このように、本発明のナノワイヤは、このような配向で成長せず、基板材料平面にあるナノロッドとは区別される。本発明は、基板材料平面から外側に突出するSi構造を提供することによって、全体で考察するような電荷を移動させるのに使用可能なナノワイヤを製造することができる。
【0090】
一実施形態では、ナノワイヤを製造する方法は、基板材料にヒドロキシル基を導入する工程と、基板材料を基板材料表面に1つ以上の核形成した粒子を形成可能な第1前駆体ガスを含む第1前駆体ガス混合物と接触させる工程と、1つ以上の核形成した粒子を、成長するナノワイヤの配向を助ける少なくとも1つ以上の原子種を含む第2前駆体ガス混合物と接触させる工程と、1つ以上の核形成した粒子の部位でナノワイヤを成長させる工程とを含む。該実施形態の一態様では、第1前駆体ガス混合物はSiHまたはSiを含む。該実施形態の別の態様では、第2前駆体ガス混合物はSiClまたはSiHClを含む。該実施形態の別の態様では、第2前駆体ガス混合物は、SiClまたはSiHClガスとは別の独立した塩素ガス供給源由来の塩素ガスを含む。該方法によってナノワイヤを製造することができる。該方法によって製造されるナノワイヤを備える電子回路を製造することもできる。
【0091】
本発明は、本発明の任意のプロセスによって製造されるナノワイヤも提供する。全体で考察するように、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、適切には、長さが少なくとも約100nmであり、直径が少なくとも約1nm〜約1μm未満であり、長さ全体に種々のドーパント(すなわち、p型領域およびn型領域)を含んでよい。
【0092】
本発明は、本発明の任意のプロセスによって製造されるナノワイヤを備える電子回路も提供する。適切には、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤの集合体は、高性能電子機器の有用なビルディングブロックである。実質的に同じ方向に配向したナノワイヤの集合体は、高い移動値を有する。さらに、ナノワイヤは、安価な製造を可能にするために、溶液中で柔軟に製造することができる。ナノワイヤの集合体を、溶液から任意の種類の基板上に容易に集合させ、ナノワイヤの薄膜を作製することができる。例えば、半導体デバイスで使用されるナノワイヤの薄膜は、高性能電子機器で使用するために、2個、5個、10個、100個およびこれらの数の間の任意の個数またはそれ以上の任意の個数含むように作製することができる。
【0093】
本発明のナノワイヤを使用し、ポリマー/有機半導体材料などの材料と組み合わせると、高性能コンポジット材料を製造することができ、該材料は、任意の種類の基板に柔軟にスピン注型することができる。ナノワイヤ/ポリマーコンポジットは、純粋なポリマー材料よりも優れた特性を与えることができる。ナノワイヤ/ポリマーコンポジットに関するさらなる詳細を以下に示す。
【0094】
本発明のナノワイヤの集合体または薄膜は、互いに実質的に平行に整列させることができ、または整列していないかもしくはランダムな状態にしておくことができる。整列していないナノワイヤの集合体または薄膜は、ポリシリコン材料に匹敵するかまたはそれ以上の電気特性を有し、典型的には1〜10cm/V・sの範囲の移動値を有する。
【0095】
本発明のナノワイヤの整列した薄膜は、種々の様式で得ることができる。例えば、ナノワイヤの整列した薄膜は、以下の技術を用いることによって製造することができる。(a)ラングミュアブロジェット(Langmuir−Blodgett)膜の整列;(b)流量アプローチ(fluidic flow approach)、例えば、米国特許出願第10/239,000号(2002年9月10日出願(代理人整理番号01−000540)、その全体が本明細書に参考により組み込まれる)に記載されるもの;および(c)機械的せん断力の適用。例えば、第1表面と第2表面との間にナノワイヤを配置し、次いでナノワイヤを整列させるために第1表面と第2表面とを反対方向に移動させることによって、機械的せん断力を利用することができる。ナノワイヤ/ポリマーコンポジットの整列した薄膜は、これらの技術を用いた後、ナノワイヤで作製した薄層表面に所望のポリマーをスピン注型して得ることができる。例えば、ナノワイヤを液体ポリマー溶液に堆積させ、これらまたは他の整列プロセスの1つによって整列させ、次いで整列したナノワイヤを硬化(例えば、UV硬化、架橋など)させることができる。ナノワイヤ/ポリマーコンポジットの整列した薄膜は、ランダムに配向しているナノワイヤ/ポリマーコンポジットの薄膜を機械的に伸ばすことによって得ることもできる。
【0096】
本発明のプロセスによって製造されるpドープされたナノワイヤおよびnドープされたナノワイヤを別々に製造し、表面(例えば、マクロエレトロニック基板(macroelectronic substrate))に均質な混合物で堆積させることができる。肉眼で見えるレベルで、得られた材料は、nドーパントおよびpドーパントを両方とも高濃度で含有しているように見える。このようなpドープされたナノワイヤおよびnドープされたナノワイヤの混合物を作製することによって、nドープされたものとしてもpドープされたものとしても応答するマクロエレクトロニクスデバイスを製造することができる。例えば、nドープされたナノワイヤとpドープされたナノワイヤとの両方を含む得られたナノワイヤの薄膜は、nドープされたナノワイヤとpドープされたナノワイヤとの両方の特性を示すことができる。例えば、ダイオード、トランジスタおよび他の既知の電気機器は、pドープしたナノワイヤとnドープしたナノワイヤとの組み合わせを含むように製造することができる。
【0097】
本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、本明細書に記載されるようなナノワイヤへテロ構造を用いて、p−nダイオード、トランジスタおよび他の種類の電気機器などの電気機器を製造するのに使用することもできる。ナノワイヤヘテロ構造は、ナノワイヤの長さに沿って複数のp−n接合を含み、別個にドープされた長さに沿った部分またはセグメントを交互に含むことができる。
【0098】
ナノワイヤの合成方法
図4は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤ合成方法400のフローチャートである。方法400は、図4Aに示されるように、合成容器455を用いてナノワイヤを合成する方法を提供する。一実施形態では、合成容器455は密閉した石英管である。合成容器455は、限定されないが、管、ピペットなどであってよい。合成容器455の寸法は、使用者の特定の製造要望を満たすように変えることができる。実験室規模の操作では、合成容器455の寸法は、典型的には、長さが6〜18インチであり、直径が0.5〜1インチである。方法400はステップ410から始まる。ステップ410では、顆粒前駆体材料を合成容器の一端に温度T1で配置する。例えば、図4Aを参照すると、前駆体材料470を合成容器455の末端460に配置する。顆粒前駆体材料の例としては、限定されないが、Si、CdSおよびGaNを挙げることができる。T1は、顆粒前駆体材料の種類の関数である。例えば、顆粒前駆体材料がCdSである場合、T1は約800〜950℃の範囲であり得る。この例では、T2はT1よりも約50℃低く、本明細書の教示に基づいて関連技術の当業者によって知られるように、この関係は移動機構および移動剤の種類によって若干変動する。
【0099】
ステップ420では、基板に担持された触媒粒子を合成容器の他端に温度T2で配置する。例えば、図4Aを参照すると、基板470に担持された触媒粒子を合成容器455の末端465に配置する。例示的な実施形態では、顆粒前駆体材料としてSiが使用される場合、触媒粒子はAuを含むことができる。顆粒前駆体材料としてGaNが使用される場合、触媒粒子はNiを含むことができる。
【0100】
ステップ430では、合成容器の一端から他端に材料を移動させる。一実施形態では、熱による蒸発を利用して顆粒前駆体材料(例えば顆粒前駆体材料470)を容器の他端に移動させる。別の実施形態では、化学気相移動剤を使用して顆粒前駆体材料を移動させることができる。化学気相移動剤としては、限定されないが、塩素、ヨウ素および臭素を挙げることができる。
【0101】
ステップ440では、移動剤を顆粒前駆体材料と反応させナノワイヤを作成する。特に、移動剤をT1で顆粒前駆体材料と反応させて揮発性化合物を形成し、これがT2で触媒粒子表面に拡散し、分解してナノワイヤを成長させる。同時に、移動剤が再生し、さらなるナノワイヤを製造する別のサイクルの準備が完了する。成長サイクルは、プロセスが終了するまで続く。
【0102】
ナノワイヤのドープ方法
図5は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤをドープする方法500のフローチャートである。方法500は方法400と類似しており、方法400でなされるナノワイヤの合成の代わりに、方法400の該合成と類似したアプローチをナノワイヤのドープのために使用する。方法500はステップ510から始まる。ステップ510では、ドーパント前駆体材料を合成容器の一端に温度T1で配置する。ドーパント前駆体材料の例としては、限定されないが、Mg、BおよびPOを挙げることができる。
【0103】
ステップ520では、ナノワイヤを合成容器の他端に温度T2で配置する。ナノワイヤの例としては、限定されないが、GaNナノワイヤおよびSiナノワイヤを挙げることができる。ステップ530では、材料を合成容器の一端から他端に移動させる。一実施形態では、熱による蒸発を利用してドーパント前駆体材料を容器の他端に移動させる。別の実施形態では、化学気相移動剤を使用してドーパント前駆体材料を移動させることができる。化学気相移動剤としては、限定されないが、塩素および臭素を挙げることができる。前駆体ドーパント材料としてホスフェートを使用する場合、ホスフェートは化学気相移動剤としても役立ち得る。
【0104】
ステップ540では、移動剤を顆粒前駆体材料と反応させナノワイヤを作成する。特に、移動剤をT1で顆粒前駆体材料と反応させて揮発性化合物を形成し、これがT2でナノワイヤ表面に拡散し、分解してナノワイヤを成長させる。同時に、移動剤が再生し、さらなるナノワイヤをドープする別のサイクルの準備が完了する。成長サイクルは、プロセスが終了するまで続く。
【0105】
上述の方法は、顆粒ドーパント前駆体材料を第1温度で容器の一端に配置する工程と、第2温度で容器の他端にナノワイヤを配置する工程と、顆粒ドーパント前駆体材料を容器の一端から容器の他端に移動させる工程と、顆粒ドーパント前駆体材料をナノワイヤと反応させてドープされたナノワイヤを作製する工程とを含む、ナノワイヤをドープする方法としてまとめることができる。熱による蒸発を利用して顆粒ナノワイヤ前駆体材料を移動させることができる。化学気相移動剤を使用して顆粒ナノワイヤ前駆体材料を移動させることができる。化学気相移動剤は、塩素、ヨウ素および臭素のうちの1つであってよい。顆粒ドーパント前駆体材料はMgであることができ、ナノワイヤはGaNであることができる。ナノワイヤはSiであることができ、顆粒ドーパント前駆体材料はBであることができる。
【0106】
ナノワイヤの質を高める方法
図6は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ構造のダングリングボンドによる表面状態を減らす方法600のフローチャートである。ナノワイヤ(例えばSiナノワイヤ)の成長では、ダングリングSiボンドは、Siナノワイヤと、ナノワイヤの性能を阻害する誘電体との界面で生成することが多い。この問題に対処するために、Siナノワイヤ加工中に水素によって不動態化し、ダングリングボンドによる表面状態を減らすことが多い。しかし、水素プラズマは、加工中に表面に損傷を与えることがある。方法600は、ダングリングボンドの表面状態を減らすために不動態化を利用しつつ、犠牲層を使用してナノワイヤを保護するアプローチを記載する。
【0107】
方法600はステップ610から始まる。ステップ610では、ナノワイヤ構造を作製する。ステップ620では、ナノワイヤ構造体に犠牲層を堆積させる。例えば、図7は、本発明の一実施形態に係る、犠牲層でコーティングされたナノワイヤ構造の図である。ナノワイヤ構造は、ナノワイヤ710と、誘電体720と、ゲート730と、犠牲層740とを備える。誘電体720はナノワイヤ710を覆っており、ゲート730は誘電体720を覆っている。犠牲層740はゲート730を覆っている。ナノワイヤ構造全体が基板750に作製されている。代替的な実施形態では、ナノワイヤ構造は、基板750に形成されたナノワイヤ(例えばナノワイヤ710)のみを備えることもできる。犠牲層740は、限定されないが、SiOまたはSiNを含むことができる。誘電体720は、限定されないが、SiOまたはSiNを含むことができる。ゲート730は、ドープされたアモルファスSiを含むことができるが、ドープされたアモルファスSiに限られない。さらに、基板750はSiを含むことができるが、Siに限られない。
【0108】
ステップ630では、犠牲層(例えば犠牲層640)を備えるナノワイヤ構造が不動態化される。一実施形態では、水素による不動態化を利用することができる。ステップ640では、犠牲層を化学的に除去する。一実施形態では、本明細書の教示に基づいて関連分野の当業者によって知られるように、ウェットエッチャントを用いた選択的なエッチングを利用して犠牲層を化学的に除去することができる。使用される特定のウェットエッチャントは、犠牲層内の特定の材料およびナノワイヤの種類に基づいて選択される。
【0109】
デバイス調製のために基板でナノワイヤを直接修飾する方法
別の実施形態では、本発明は、デバイス調製のために基板表面でナノワイヤを直接修飾可能なプロセスを提供する。好ましくは、該プロセスで使用されるナノワイヤは、実質的に垂直なナノワイヤである。垂直なナノワイヤは、ナノワイヤが成長または堆積する基板表面に対して実質的に垂直なナノワイヤを包含する。適切には、垂直なナノワイヤは、基板の水平面に対して約45°〜約90°に、より適切には約60°〜約90°に、最も適切には約80°〜約90°になるように配向する。このようなナノワイヤは、当該技術分野で既知の任意の適切なナノワイヤ成長プロセス(本明細書に開示されるものを含む)を用いて製造することができる。本明細書に開示される任意の基板材料をナノワイヤ成長の土台として使用することができるが、適切には基板材料は単結晶または多結晶であり、その結果、基板からの成長によって、配向した、まっすぐな単結晶の寸法のワイヤ(適切にはエピタキシャルに配向したナノワイヤ)が生成する。他の実施形態では、ナノワイヤは水平であることもでき、例えば、米国仮特許出願第60/632,337号(2004年12月2日出願、開示内容全体は本明細書に参考により組み込まれる)に開示されている。さらなる実施形態では、成長基板表面でナノワイヤを加工した後、ナノワイヤをポリマーでコーティングしてコンポジットを生成させ、次いでナノワイヤを基板から取り外すことによって、ナノワイヤを基板から取り外すことができる。
【0110】
一実施形態では、本発明は、垂直配向で表面に付着したナノワイヤを備える基板を提供する工程と、ナノワイヤ表面に誘電体を堆積させる工程と、1つ以上のナノワイヤ接点をナノワイヤ表面に堆積させる工程と、ナノワイヤを覆うように材料を堆積させてナノワイヤコンポジットを形成する工程と、ナノワイヤコンポジットを基板から分離する工程とを含む、ナノワイヤデバイスを製造するプロセスを提供する。次いで、ナノワイヤコンポジットを第2基板に移し、第2基板でナノワイヤを金属化することができる。
【0111】
当業者に既知かまたは必要とされる任意の基板上での加工は、実質的に垂直なナノワイヤで行なうことができる。別個に配向した垂直のナノワイヤを提供することによって、ワイヤのデバイス加工が単純化され、改良される。特定の実施形態では、誘電層をワイヤに直接成長させるかまたは堆積させることができる。ナノワイヤを酸化するか、または誘電層を形成することによって誘電層を形成することができる。本発明で使用するポリマー誘電体としては、例えば、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。本発明で使用する誘電体としては、SiO、Ta、TiO、ZrO、HfO、Alおよび類似の材料が挙げられる。窒化物の誘電体としては、AlNおよびSiNが挙げられる。ワイヤが実質的に個々に分離している場合、ワイヤの重複部分がコーティングされないという恐れもなく、各ワイヤを誘電材料で完全にコーティングすることができる。加えて、さらなる加工としては、ナノワイヤの酸化または窒化を挙げることができる。ナノワイヤの窒化は、ナノワイヤの酸化で使用されるプロセスと同様のプロセスで達成することができる。化学気相堆積(CVD)、液層オーバーコーティングによって、または適切な前駆体を基板上にスピンコーティングすることによって、これらの材料をナノワイヤに適用することができる。例えば、スパッタリングなどの他の既知の技術を使用することができる。
【0112】
他の実施形態では、インプラント(例えばゲート電極)をナノワイヤに追加することができる。ナノワイヤ接点(ソース、ドレインおよびゲートを含む)は、例えば標準的なフォトリソグラフィ、インクジェット印刷またはマイクロコンタクト印刷プロセスを用いて、または例えば全体で記載するような他のプロセスによって基板表面にパターン形成することができる。
【0113】
図8は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤ加工を示す図である。図8に示すように、実質的に垂直なナノワイヤ804には、例えば、その上に誘電層812および/または金属接点808を堆積させてよい。次いで、ナノワイヤをポリマー806で包み込み、ポリマーとナノワイヤとを含むコンポジットを製造することができる。ナノワイヤ全体または一部分を覆うことによって、種々の密度のナノワイヤを含むコンポジットを製造することができる。垂直に成長したナノワイヤは、適切には、成長時間および条件を制御するために、最終的な長さが同じである。加えて、垂直なナノワイヤは成長中にすでに実質的に整列しており、配向しているため、特に、多結晶または単結晶の基板802から成長させる場合には、ナノワイヤをさらに整列させる必要はない。ポリマーコンポジットを作製すると、いくつかのナノワイヤを一緒に取り外し、次いで第2、第3、第4などの基板材料に移動することができ、その場所で金属接点を追加するか、またはさらなる加工を行なうことができる。
【0114】
ナノワイヤコンポジットを作製するのに使用する適切なポリマーとしては、限定されないが、エラストマー、熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性樹脂が挙げられる。有用なポリマーとしてはオリゴマーが挙げられ、限定されないが、モノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー、オクタマー、ノナマー、デカマー、ウンデカマーおよびドデカマー、ならびにポリマーの分枝形態、超分枝形態、デンドリマーおよび他の非線形構造、フェノキシおよびエポキシプレポリマーなどのプレポリマー、相互貫入および半貫入網状ポリマーなどの網状ポリマー、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、およびランダム、統計学的、交互、ブロックおよびグラフトコポリマーを含む他のコポリマー、および2つ以上の異なるポリマーのブレンドが挙げられる。ナノワイヤコンポジットに使用するポリマーの特定の例としては、限定されないが、ポリアルカン、ポリハロアルカン、ポリアルケン、ポリアルキン、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリーレン、ポリアリールビニレン、ポリヘテロアリーレン、ポリヘテロアリールビニレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリベンズイミダゾール、ポリスルフィド、ポリシロキサン、ポリスルホン、多糖、ポリペプチド、ポリホスファゼン、ポリホスフェート、フェノール樹脂およびフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシおよびフェノキシ樹脂、尿素−およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。このようなコンポジットおよびその調製方法は、米国特許出願第10/910,800号(2004年8月4日出願、本明細書に内容全体が参考により組み込まれる)に開示されている。
【0115】
適切な実施形態では、ポリマーコンポジットは、少なくとも2つの異なるポリマーの混合物を含み、特定の実施形態では、少なくとも2つのエポキシポリマーの混合物を含む。
【0116】
基板802からのポリマー−ナノワイヤコンポジット810の除去は、任意の適切な方法、例えば、機械的な分離(例えば、刃で切断またはナノワイヤを基板から引き剥がす)、ウェットまたはドライエッチングを含む化学的分離、または機械化学的研磨によって達成することができる。適切なエッチング剤としては、限定されないが、KOH、XeFおよびフッ化水素酸が挙げられ、これらをHNOまたはHSOなどの酸化剤と組み合わせることができる。本発明の他の実施形態では、除去可能な層によって基板材料からナノワイヤを分離することができる。ポリマー−ナノワイヤコンポジットを作製した後、除去可能な層を取り外すことができる。例えば、除去可能な層を溶媒によって溶かすことができる。該溶媒は、除去可能な層を溶解するが、ポリマー−ナノワイヤコンポジットまたは除去可能な層の下にある基板を溶解しない。他の実施形態では、除去可能な層は光除去可能な層であることができ、紫外線または他の適切な波長の光を使用して除去可能な層を除去し、ポリマー−ナノワイヤコンポジットを基板から分離することができる。光除去可能な層の例は、紫外線存在下で破壊し、分解する基板である。適切には、ナノワイヤを包み込むのに使用されるコンポジット材料を硬化させた後、基板からナノワイヤを除去する。
【0117】
ポリマー−ナノワイヤコンポジットを除去した後、コンポジットを第2基板に移動させ、さらに加工することができる。例えば、第2基板は、ナノワイヤのドーピングを行うことができるほどの高温に耐えられるように選択することができる。ナノワイヤをドープする方法は当該技術分野で周知であり、該方法を使用して、本発明のナノワイヤおよびポリマー−ナノワイヤコンポジットをドープすることができる。
【0118】
図9は、本発明の一実施形態に係る移動後のナノワイヤの加工を示す図である。図9に示すように、ポリマー−ナノワイヤコンポジット810をさらなる基板902に移し、ナノワイヤを金属化し(904)、デバイス領域(例えば、ゲイン、ソース、ゲート)に導電性を与えることができる。このような実施形態では、ソース電極906とドレイン電極908との間を、ゲート電極910の一部分の上を通ってナノワイヤ804で接続することができる。他の実施形態では、ソース電極およびドレイン電極を加えることができ、抵抗接点をワイヤ表面に作製することができる。ワイヤが金属接点によってさらに「固定される」と、当該技術分野で知られるゲートアイソレーションおよび金属加工のステップを利用してナノワイヤの調製を終えることができる。このような加工によって、ウェハは、同じベース基板に複数の半導体デバイスを備えることができる。他の実施形態では、このような加工を成長基板802で直接行なうことができ、ナノワイヤコンポジットの除去後、ナノワイヤ加工の全てまたは実質的に全てを初期の成長基板802で調製する。
【0119】
本発明によって調製された半導体デバイスは、導電性を付与するように形成された任意の数の接点領域を有することができる。例えば、アノードおよびカソード電極は、ダイオードまたは他の二端子デバイスを用いて作製することができる。他の半導体デバイスには、さまざまな数の接点領域を形成することができる。本発明のプロセスおよびナノワイヤを用いて半導体デバイスを調製する適切な方法は、米国特許出願第10/674,060号(2003年9月30日出願、本明細書で内容全体が参考により組み込まれる)に開示されている。
【0120】
本発明に従って種々の接点領域を作製することができる。接点領域は抵抗接点であっても非抵抗接点であってもよい。例えば、非抵抗ショットキーダイオード障壁接点を電極として使用することができる。ショットキーダイオード障壁接点は、高品質のゲート誘電体を製造するのが困難な場合、一般的にIII〜V半導体材料に使用される。当業者にとっては明らかなように、ソース電極、ゲート電極およびドレイン電極を導電性材料(例えば、金属、アロイ、シリサイド、ポリシリコン、これらの組み合わせなど)から作製する。ゲート、ソースおよびドレインがパターン形成される順序を変えることができることを注記しておく。例えば、ゲート、ソースおよびドレインを同時にパターン形成してよく、または異なる時間にパターン形成してもよい。
【0121】
信頼性の高い抵抗接点をナノワイヤで製造することは、接点領域が小さく、界面状態が複雑であるため、困難である。金属接点とケイ素との界面の化学および物理学は、抵抗接点に関する重要な技術領域である。成功するポイントは、金属化プロセスと、金属化前の表面洗浄プロセスとを精密に制御することである。適切な金属化スキームは、電子線(e線)によるTi−Au、NiおよびAlの蒸発を含む。種々のさらなるプロセス(イオン銃による洗浄またはHFエッチングを含む)を利用して、ソース−ドレイン電極を金属化する前に表面誘電体を除去してもよい。
【0122】
本発明の一実施形態では、ナノワイヤデバイスを製造する方法は、基板に対して垂直な方向で表面に付着したナノワイヤを備える基板を提供する工程と、ナノワイヤ表面に誘電層を堆積させる工程と、ナノワイヤ表面に1つ以上のナノワイヤ接点を堆積させる工程と、ナノワイヤを覆うように材料を堆積させてナノワイヤコンポジットを作製する工程と、基板からナノワイヤコンポジットを分離する工程とを含む。該方法は、ナノワイヤコンポジットを第2基板に移す工程をさらに含んでもよい。該方法は、ナノワイヤを金属化する工程をさらに含んでもよい。該方法では、基板は、結晶または多結晶であることができる。該方法では、材料はポリマーであることができ、例えば、エラストマー、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であってもよい。該方法では、該材料は、少なくとも2つ以上の異なるポリマーの混合物を含むことができる。該方法では、該材料は、少なくとも2つのエポキシポリマーの混合物を含むことができる。該方法では、該材料は、ナノワイヤを覆うように材料を堆積させた後に硬化させてナノワイヤコンポジットを作製し、その後にナノワイヤコンポジットを基板から分離することができる。該方法では、ナノワイヤコンポジットを基板から分離する工程は、刃を用いる工程またはナノワイヤコンポジットを基板から化学的にエッチングする工程を含む。
【0123】
ナノワイヤを収集する方法
図10は、本発明の一実施形態に係る、犠牲部分を用いてナノワイヤを収集する方法1000のフローチャートである。ナノワイヤを、現時点で、ナノワイヤの成長を開始させるために触媒コロイドを用いて基板に成長させる。高品質のナノワイヤを安定して成長させ、収集する能力を制限する問題として、ワイヤを物理的に損傷(例えば破壊)せずに基板からナノワイヤを除去する能力がある。現在の除去方法は、超音波および機械的せん断力を利用する工程を含む。しかし、これらの工程は、ナノワイヤのランダムな破壊を引き起こし、ナノワイヤの長さの不均一な分布を生じてしまうという問題点がある。
【0124】
以下に提供する方法1000、1200、1300、1500および1600は、この問題に対処する方法について記載している。特に、方法1000は、ナノワイヤの犠牲部分を利用してナノワイヤを有効に除去する方法である。
【0125】
方法1000はステップ1010から始まる。ステップ1010では、ナノワイヤの所望の部分を成長させる。一実施形態では、Auコロイドを使用して、ナノワイヤの所望の部分を成長させる。ステップ1020では、所望の部分とは異なる性質を有するナノワイヤの犠牲部分を成長させる。図11は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤの所望の部分および犠牲部分を有するナノワイヤを示す。特に、図11は、以下に記載される犠牲部分1110と、所望の部分1120と、スタブ1130という3つの部分を備えるナノワイヤを示しており、該ナノワイヤは基板1140に成長している。
【0126】
一実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分および所望の部分に異なるアロイを使用することで性質の差をつけてもよい。例えば、犠牲部分はSiGeであり、所望の部分はSiであってもよい。
【0127】
別の実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分と所望の部分とでドーピングが異なっていてよい。例えば、犠牲部分をnドープし、所望の部分をpドープしてもよい。代替的には、犠牲部分をpドープし、所望の部分をnドープしてもよい。同様に、犠牲部分をドープせず、所望の部分をp−ドープまたはn−ドープしてもよい。
【0128】
ナノワイヤの所望の部分と犠牲部分とに異なるアロイを使用する実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分を成長させるためにAuアロイを使用することができる。Siナノワイヤを成長させ、収集する場合、Auアロイは、限定されないが、AuGeまたはAuSiGeを含んでいてもよい。一実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分はSiGeを含み、所望の部分はSiを含んでもよい。該実施形態では、例えば、Auをステップ1010で使用し、AuGeをステップ1020で使用してナノワイヤの成長を刺激する。
【0129】
ナノワイヤの犠牲部分がpドープされ、ナノワイヤの所望の部分がnドープされる実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分の成長中に、ホウ素NWSをドーパントとして使用することができる。
【0130】
ステップ1030では、ナノワイヤの所望の部分が保護される。一例では、フォトレジストをナノワイヤの所望の部分に適用し、ナノワイヤを保護することができる。代替的な実施形態では、ナノワイヤの所望の部分は保護されない。
【0131】
ステップ1040では、ナノワイヤの犠牲部分を別個に除去する。ナノワイヤの所望の部分内の材料よりも犠牲部分内の材料に対して顕著に速いエッチング速度を有するウェットエッチャントを用いて、ナノワイヤの犠牲部分を別個に除去することができる。例えば、所望の部分がSiである場合、フッ化水素−過酸化物−酢酸(1 HF:2 H:3 CHCOOH)を用いて、SiGeを含有する犠牲部分を除去することができる。該エッチャントを用いると、エッチャントがSiGeアロイを除去し、所望の部分のSi表面で効率よく停止する。本明細書の教示に基づいて関連分野の当業者にはわかるように、他のエッチャントを使用することができる。
【0132】
代替的な実施形態では、ナノワイヤの犠牲部分がドーパントとしてホウ素NWSを用いてpドープされ、ナノワイヤの所望の部分がnドープされる場合のエッチャントの例としては、限定されないが、水酸化カリウム(KOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)およびエチレンジアミン/ピロカテコール/水(EDP)を挙げることができる。これらのエッチャントは、例えばSiナノワイヤを使用する場合、所望の部分のエッチング速度と比較すると27:1から500:1より大きい範囲の速度で、ナノワイヤの犠牲部分をエッチングする。該範囲は、当業者には知られているように、特定のエッチャントおよび温度に依存する。
【0133】
ステップ1050では、ナノワイヤの先端のスタブを除去する。典型的には、該スタブは、ナノワイヤ成長を開始させるのに使用する触媒の残渣および望ましくない副生成物である。除去方法は、関連分野の当業者に既知である。ステップ1060で方法1000が終了する。
【0134】
図12は、本発明の一実施形態に係る、PN接合を監視しつつナノワイヤを収集する方法1200のフローチャートである。方法1200は、方法1000に記載されるのとは異なるドーピングレベルに関する実施形態に類似する。しかし、方法1200では、ナノワイヤの犠牲部分と所望の部分との間に発生するPN接合を通るリーク電流を監視し、犠牲部分が首尾よくエッチングされるときを判断する。
【0135】
方法1200はステップ1210から始まる。ステップ1210では、ナノワイヤの所望の部分を成長させる。ステップ1220では、ナノワイヤの犠牲部分を成長させる。所望の部分を成長させ、所望の部分を犠牲部分とは別個にドープする。ステップ1230では、ナノワイヤの所望の部分を保護する。一実施形態では、フォトレジストをナノワイヤの所望の部分に適用することができる。ステップ1240では、ナノワイヤの犠牲部分を方法1000のステップ1040に記載されたのと類似の様式で別個にエッチングする。ステップ1250では、ナノワイヤの所望の部分と犠牲部分との間に発生するPN接合のリーク電流を監視する。ステップ1240および1250は同時進行する。ステップ1260では、電流が急に上昇することは、犠牲部分が首尾よくエッチングされたことを示すので、この時点でエッチングを終了する。ステップ1270で方法1200が終了する。
【0136】
図13は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ成長基板上の犠牲金属層を用いてナノワイヤを収集する方法1300のフローチャートである。図14は、例えば、ナノワイヤ(例えば、犠牲金属層1430に成長したナノワイヤ1410)の成長を示す。酸化ケイ素層1420の上部に犠牲金属層1430を積層させる。
【0137】
方法1300はステップ1310から始まる。ステップ1310では、ナノワイヤ成長基板を選択する。ステップ1320では、ナノワイヤ成長基板に酸化物層または窒化物層(例えば酸化ケイ素層1320)を配置する。ステップ1330では、金属層(例えば金属層1430)を窒化物層または酸化物層に配置する。金属層は、限定されないが、Au、Al、TiまたはCrを含むことができる。
【0138】
ステップ1340では、本明細書の教示に基づいて関連分野の当業者には知られているように、金属層表面にナノワイヤを成長させる。ステップ1350では、金属層を除去する。一実施形態では、金属触媒を除去するが、ナノワイヤに影響を与えない金属エッチャントを使用する。ステップ1360では、窒化物層または酸化物層を除去する。金属層を除去する場合と同様に、窒化物層または酸化物層を除去するが、ナノワイヤに影響を与えないエッチャントを使用する。該層を除去することによって、ナノワイヤを放出させ、収集することができる。ステップ1370で方法1300が終了する。
【0139】
図15は、本発明の一実施形態に係る、非Si基板を用いてSiナノワイヤを成長させる場合にSiナノワイヤを収集する方法1500のフローチャートである。方法1500はステップ1505から始まる。ステップ1505では、非Si基板を選択する。非Si基板として使用可能な材料の例としては、高温金属、Geおよび石英が挙げられる。ステップ1510では、非Si基板でSiナノワイヤを成長させる。ステップ1520では、Siナノワイヤが保護される。一実施形態では、Siナノワイヤをフォトレジストでコーティングする。代替的な実施形態では、Siナノワイヤは保護されない。ステップ1530では、非Si基板を選択的にウェットエッチングしてSiナノワイヤを放出させる。ステップ1540で方法1500が終了する。
【0140】
図16は、本発明の一実施形態に係る、異なる配向を有するナノワイヤ成長基板を用いる場合に、1つの配向を有するナノワイヤを収集する方法1600のフローチャートである。図17は、本発明の一実施形態に係る、異なる配向を有するナノワイヤ成長基板1710に成長する1つの配向を有するナノワイヤ1720の図を提供する。図17は、エッチングしてナノワイヤ1720を遊離させる、ナノワイヤ成長基板1710の一部分1730を示す。一実施形態では、ナノワイヤ1720は、ミラー指数が<111>であるように原子が配向したSiであってよい。ナノワイヤ成長基板は、ミラー指数が<100>であるように原子が配向したSiであってもよい。代替的な実施形態では、Si原子は、ナノワイヤ1710内ではミラー指数が<111>であり、Siナノワイヤ成長基板内のSi原子はミラー指数が<110>であってもよい。
【0141】
方法1600はステップ1610から始まる。ステップ1610では、ナノワイヤ成長基板は、第1配向を有するように選択される。例えば、<100>または<111>の配向を有するナノワイヤ成長基板1710を使用することができる。ステップ1620では、ナノワイヤ成長基板でナノワイヤを成長させる。ステップ1620で成長したナノワイヤは、ナノワイヤ成長基板の配向とは異なる配向を有する。例えば、<111>の配向を有するナノワイヤ1720を成長させることができる。ステップ1630では、ナノワイヤが保護される。一実施形態では、フォトレジストをナノワイヤ(例えばナノワイヤ1720)に適用してよい。ステップ1640では、ナノワイヤ成長基板を別個にエッチングしてナノワイヤを遊離させる。例えば、一実施形態では、ウェットエッチャント(限定されないが、KOHまたはTMAHを含む)を使用してナノワイヤ成長基板1610を別個にエッチングすることができる。ステップ1650で方法1600が終了する。
【0142】
本発明の別の実施形態では、ナノワイヤを収集する方法は、ナノワイヤの所望の部分を成長させる工程と、ナノワイヤの所望の部分とは異なる性質を有するナノワイヤの犠牲部分を成長させる工程と、ナノワイヤの犠牲部分を別個に除去する工程と、ナノワイヤの所望の部分から成長スタブを除去する工程とを含む。該方法は、ナノワイヤの所望の部分を保護する工程をさらに含んでよい。該方法では、Auアロイ(例えばAuGeまたはAuSiGe)を使用してナノワイヤの犠牲部分を成長させることができる。該方法では、ナノワイヤの犠牲部分はSiGeを含んでいてよく、所望の部分はSiを含んでいてよい。該方法では、ナノワイヤの犠牲部分を別個に除去する工程は、ウェットエッチャントを用いて選択的に化学的にエッチングしてナノワイヤの犠牲部分を除去する工程をさらに含んでよい。一実施形態では、ウェットエッチャントはフッ化水素−過酸化物−酢酸(1 HF:2 H:3 CHCOOH)であってよい。
【0143】
本発明の別の実施形態では、ナノワイヤを収集する方法は、nドープまたはpドープされたナノワイヤの犠牲部分を成長させる工程と、ドープされていないか、またはナノワイヤの犠牲部分とは反対にドープされたナノワイヤの所望の部分を成長させ、ナノワイヤの犠牲部分とナノワイヤの所望の部分との接点でナノワイヤ内にPN接合を作製する工程と、ナノワイヤの犠牲部分を別個にエッチングする工程と、ナノワイヤの犠牲部分と所望の部分との間のPN接合でのリーク電流を監視する工程と、PN接合を流れるリーク電流が急に上昇したらエッチングを終了する工程とを含む。
【0144】
本発明の一実施形態では、ナノワイヤを収集する方法は、ナノワイヤ成長基板を構築する工程と、ナノワイヤ成長基板に窒化物層または酸化物層を形成する工程と、酸化物層または窒化物層の上部に金属層を形成する工程と、ナノワイヤを成長させる工程と、金属層を除去する工程と、酸化物層または窒化物層を除去してナノワイヤを遊離させる工程とを含む。該方法では、Au、Al、TiまたはCrを用いて金属層を形成することができる。該方法では、ナノワイヤをエッチングしない金属エッチャントを使用する。該方法では、酸化物層または窒化物層を除去する場合、ナノワイヤをエッチングしないエッチャントを使用する。
【0145】
本発明の一実施形態では、第1材料のナノワイヤを収集する方法は、第2材料の基板を構築する工程と、第2材料の基板に第1材料のナノワイヤを形成する工程と、第1材料のナノワイヤを保護する工程と、第2材料の基板を選択的にウェットエッチングして、第1材料のナノワイヤを除去する工程とを含む。該方法では、第1材料はSiであり、第2材料は高温金属であってよい。該方法では、第2材料はゲルマニウムであってよい。該方法では、ナノワイヤはSiであり、SiGeスタブが成長開始時に生成し、エッチング後のナノワイヤの長さを制御する。該方法では、第2材料は石英であってよい。
【0146】
本発明の一実施形態では、第1配向を有する第1材料を有するナノワイヤを収集する方法は、第2配向を有する第2材料の基板を構築する工程と、第2配向を有する第2材料の基板で第1配向を有する第1材料のナノワイヤを成長させる工程と、第1配向を有する第1材料のナノワイヤを保護する工程と、第2配向を有する第2材料の基板の配向に基づいて選択的にウェットエッチングし、第1配向を有する第1材料のナノワイヤを遊離させる工程とを含む。該方法では、第1材料はSiであり、第2材料もSiであってよく、第1結晶配向は<111>であり、第2配向は<100>である。該方法では、第2配向を有する第2材料の基板を選択的にウェットエッチングする工程は、水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用する工程を含む。
【0147】
テフロン(登録商標)様のコーティング表面を用いて第1基板から第2基板にナノワイヤを移動させる方法
図18は、本発明の一実施形態に係る、第1基板から第2基板にナノワイヤを移動する方法1800のフローチャートである。図20Aおよび20Bを参照しながら方法1800を記載する。図20Aは、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ2020を備える第1基板2010と、非粘着性コーティング2030を備える移動基板2040との図である。図20Bは、本発明の一実施形態に係る、デバイス基板2050と、ナノワイヤ2020を移動させるための非粘着性コーティング2030を備える移動基板2040との図である。デバイス基板2050は、ナノワイヤ配置領域(例えばナノワイヤ配置領域2060)を備えており、この領域にナノワイヤが配置される。他の実施形態では、ナノワイヤは、デバイス基板2050の全体に配置されていてよい。
【0148】
図18を参照すると、方法1800はステップ1810から始まる。ステップ1810では、移動面を非粘着性コーティング(例えばTEFLON)でコーティングする。例えば、移動基板2040を非粘着性コーティング2030でコーティングすることができる。他の実施形態では、非粘着性表面を有するTEFLON様物質を使用してよい。
【0149】
ステップ1820では、非粘着性コーティングを有する移動面を、第1基板に固定されたナノワイヤに押しつける。十分な圧力を適用してナノワイヤを非粘着性コーティングに固定し、第1基板から除去する。例えば、非粘着性コーティング2030を備える移動基板2040をナノワイヤ成長基板2010に押しつけ、ナノワイヤ2020を除去することができる。
【0150】
ステップ1830では、移動基板を第2基板の上に配置する。例えば、図20Bを参照すると、ナノワイヤ2020を含有する非粘着性コーティング2030を備える移動基板2040をデバイス基板2050の上に配置する。ステップ1840では、圧力を移動面の裏側に適用してナノワイヤを放出させる。一実施形態では、移動面(例えば移動基板2040)の裏側に均一に圧力を適用する。別の実施形態では、ナノワイヤが第2基板に配置されるべき領域に合わせたパターン形成された様式で圧力を適用してよい。例えば、移動基板2040の裏側でナノワイヤ配置領域2060上にのみに圧力を適用してナノワイヤを放出させ、この領域内にナノワイヤを配置してよい。ステップ1850で方法1800が終了する。
【0151】
図19は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成されたコーティングを有する第1基板から第2基板にナノワイヤを移動させる方法1900のフローチャートである。方法1900は方法1800と類似しているが、非粘着性コーティングが、ナノワイヤが移動する第2基板のナノワイヤ配置領域に対応する移動基板の特定の領域のみに適用される点が異なっている。
【0152】
方法1900はステップ1910から始まる。ステップ1910では、移動面に非粘着性コーティング(例えばTEFLONまたはTEFLON様材料)を用いてパターンを形成させる。上述のように、パターン形成された領域は、ナノワイヤが堆積すべき第2基板のナノワイヤ配置領域に対応していてよい。
【0153】
ステップ1920では、ナノワイヤ成長基板に固定されたナノワイヤに移動面を押しつける。ステップ1930では、移動面を第2基板の上に配置する。ステップ1940では、移動面の裏側に圧力を均一に適用し、ナノワイヤを放出させる。代替的な実施形態では、移動面のパターン形成された領域にのみ圧力を適用してもよい。ステップ1950で方法1900が終了する。
【0154】
加熱加圧技術を用いて第1基板から第2基板にナノワイヤを移動させる方法
別の実施形態では、本発明は、成長基板から移動基板にナノワイヤを移動させる方法を提供する。例えば、これらの実施形態は、適切な可撓性ポリマー材料の移動基板にナノワイヤを移動させるのに有用である。全体で述べるように、実質的に配向した別個のナノワイヤを作製し、さらに電子機器用に加工可能なナノワイヤ加工が望まれている。該実施形態では、ナノワイヤは、移動プロセス中に独立して配向していてよく、またはワイヤは移動前に配向していてよく、全体としてデバイス加工が容易になるように移動させることができる。
【0155】
図21は、本発明の一実施形態に係るプローブナノワイヤ移動スキームを描写したものである。一実施形態では、図21にすように、本発明は、例えば、プローブ2108でさけた圧力を用いてナノワイヤを成長基板2102から第2基板2106に移動させる、移動スキーム2100に示すようなプロセスを提供する。任意の適切な当該技術分野で既知の方法(本明細書に記載されるものを含む)を用いてナノワイヤを成長させることができる。図21に示すように、ナノワイヤ2104を基板2102に成長させる。基板2102に加え、ナノワイヤを成長させるために使用する装置は、基板2102とナノワイヤ2104との間に除去可能な層または別個の分離層をさらに備えていてよい。プローブ2108で圧力を適用することによって、ナノワイヤ2104を基板2102表面から移動基板2106上に移動させる。本発明を実施するのに任意の移動基板を使用してもよい。適切には、移動基板2106は可撓性ポリマーシートまたはポリマー膜(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の膜)である。移動基板2106として使用可能なさらなるポリマーとしては、限定されないが、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリカーボネート、熱硬化性樹脂、エラストマーなどが挙げられる。移動基板2106の可撓性は、堅い状態から変形可能な材料まで、さらにはきわめて展性の高い材料とさまざまであってよい。ナノワイヤを移動基板に移動させるのに必要な熱(以下を参照)および圧力の量は、移動基板の選択に依存する。例えば、展性の高い移動基板を選択した場合、移動基板の表面を粘着性にするためには中程度の熱量しか必要とされない。しかし、堅い移動基板を選択した場合、移動基板を粘着性にするだけではなく、所望の領域で変形して基板とナノワイヤとを接触させるためにはかなり多くの熱量が必要となる場合がある。
【0156】
プローブ2108は、適切には、プローブ先端2110で直径が約数ミリメートル〜約数センチメートルであり、概して円錐形または針状形であるが、任意の適切な形を使用することができる。プローブ2108およびプローブ先端2110は、適用される圧力(および必要な場合には熱)に耐え得る任意の適した材料から製造することができ、該材料としては、例えば、ポリマー、プラスチックおよび金属が挙げられる。特定の実施形態では、プローブ先端2110での圧力の添加は、基板2102から移動基板2106上でナノワイヤ2104を移動させるのに十分な圧力である。他の実施形態では、プローブ2108によって圧力を適用した後、ナノワイヤ2104が移動基板2106に接着し、接着したままになり、移動するように、移動基板2106の表面に接着剤を適用することができる。移動基板をコーティングするのに使用可能な適切な接着剤としては、限定されないが、ポリイミド、エポキシドおよび他のポリマー接着剤が挙げられる。
【0157】
さらなる実施形態では、移動基板2106の表面がわずかに溶融し、粘着性になるかまたはべとつき、例えば接着剤のように作用するように、プローブ2108およびプローブ先端2110を加熱してよい。このような実施形態では、プローブ2108およびプローブ先端2110は、適切には、適用される熱に耐え得る金属から製造される。プローブ2108を加熱するのに必要な温度は、移動基板2106が粘着性になるかまたはべとつく温度に依存するが、該温度は、移動基板2106が適用される圧力下で過剰に変形するかまたは流動状態になるほどは高くない。適切には、該温度は、移動基板2106として選択される材料に依存して約40℃〜約100℃である。適切には、PETを移動基板として使用する場合、使用される温度は約60℃である。プローブ2108およびプローブ先端2110に適用される圧力の量は、主として移動基板2106の可撓性および安定性に依存する。基板がナノワイヤの移動が望ましい領域でのみナノワイヤ2104と接触するように加圧すべきである。適切な実施形態では、プローブ2108およびプローブ先端2110に適用される圧力は、約数十ポンド/平方インチ(psi)である。
【0158】
プローブ先端2110の加熱と組み合わせ、ナノワイヤ2104に圧力を適用すると、ナノワイヤ2104を基板2102から移動基板2106に移動させ、圧力および/または熱を減らせばナノワイヤ2104を移動基板2106表面に維持させておくことができる。本発明のプロセスを用いて、1本のワイヤまたは一群のワイヤの上部に熱および/または圧力を選択的に適用することによって、ナノワイヤを移動基板2106に個々に整列させることができ、その結果、これらのワイヤは移動基板2106に移動するが、別のワイヤ(おそらく別の方向に配向したワイヤ)は接触せず、移動しない。加熱したプローブを使用する実施形態では、移動基板を冷却するにつれて、ナノワイヤは、移動基板に付着し、および/または埋め込まれたままになる。接着剤が移動基板の表面をコーティングする実施形態では、プローブ2108に適用された圧力が取り除かれると、ナノワイヤと接着剤との間の接着によってナノワイヤが移動基板に付着したままになる。
【0159】
本発明の他の実施形態では、プローブ2108およびプローブ先端2110を加熱するのではなく、またはこれらの加熱に加えて基板2102を加熱することができる。このような実施形態では、基板2102は、移動スキーム2100の熱発生部分として役立ち、プローブ2108で適用された圧力によって移動基板2106を伝導加熱することができ、その結果、ナノワイヤ2104が移動し、移動基板2106に付着したままになる。
【0160】
本発明のプロセスを使用して、移動基板2106の領域を選択するためにナノワイヤを移動させることができる。移動基板2106とナノワイヤ2104との間で接点がある領域でのみナノワイヤが移動する。本発明のこのような実施形態は、本明細書では、ナノワイヤ移動の「タッピング」法と称される。このような実施形態では、プローブ先端を移動基板周囲に移動させ、ナノワイヤを下方向に「タッピング」し、基板2102から移動基板2106への移動を促進することができる。他の実施形態では、プローブを固定し、基板および移動基板をその下で移動させ、ナノワイヤの移動が起こる場所と移動基板のナノワイヤの配向を制御することができる。上述のように、このような実施形態では、基板2102およびプローブ2108/プローブ先端2110のいずれかまたは両方を加熱することができる。本発明のこのような実施形態では、本明細書に記載される方法(例えば、ラングミュアブロジェット(Langmuir Blodget)、電界、エピタキシャルな成長、水平成長など)を用いて、基板2102表面ですでに配向しているワイヤを選択的に移動させることによって、移動基板2106でナノワイヤを直接配向させることができる。または移動基板2106表面でワイヤを配向させることによって、個々のワイヤまたは一群のワイヤを移動させ、ワイヤが移動時に移動基板で配向するように移動基板2106に配置する(例えば回転させる)ことによって達成することもできる。
【0161】
図22は、本発明の一実施形態に係る全体的なナノワイヤ移動を描写したものである。本発明の他の実施形態では、図22に示すように、(例えば大きな面積の圧縮デバイス2202または減圧機を用いて)基板の大きな面積全体に実質的に均一に圧力を適用することによって、基板2102から移動基板2106にナノワイヤを移動させることができる。本明細書で使用される場合、実質的に均一な圧力とは、移動基板2106の全面積の約50%よりも大きな面積に適用される圧力が同じであることを示す。適切には、移動基板2106の全面積の約90〜100%に同じ圧力が適用される。特定のこのような実施形態では、移動基板2106の表面は、接着層と接触して、ナノワイヤが付着し、付着したままになるように、接着層を備えていてよい。本発明の他の実施形態では、基板2102を加熱し、移動基板2106を伝導加熱することができ、これにより粘着性であるかまたはべとつく移動基板2106にナノワイヤ2104が移動するのを助けることができる。このような実施形態では、基板2102から移動基板2106へのナノワイヤ2104の全体的な移動が起こり、大部分のナノワイヤが移動基板に移動する。
【0162】
ワイヤの全体的な移動が望ましい本発明の実施形態では、減圧の適用によって基板2102と移動基板2106との間に圧力を適用することができる。このような実施形態では、移動基板2106と基板2102との間に減圧が生じ、移動基板2106全体で実質的に均一な圧力であり、移動基板2106とナノワイヤ2104との実質的に全ての接点でナノワイヤを移動させることができる。適切な減圧は、当業者によって容易に決定することができ、一般的には数十psiであり、適切には約40psi〜約100psiである。
【0163】
この全体的な移動技術が使用される本発明の実施形態では、ナノワイヤ2104を最初に基板2102であらかじめ整列させておき、その後に移動基板2106に移動させてよい。任意の適切なナノワイヤ整列プロセスを使用することができる。特定の実施形態では、電界による整列を用いて、ナノワイヤを基板2102であらかじめ整列させる。図23A〜23Cは、電界によって整列したワイヤの移動を示す。図23Aは、移動前に電界によって整列させたナノワイヤを示す。図23Bは、全体的な移動後に基板2102に残ったナノワイヤ2104を示す。図23Cは、移動基板2106に移動したナノワイヤを示す。全体的な移動技術および上述のプローブ技術の1つのさらなる利点は、基板2102表面で成長したナノワイヤを移動基板に移動させた後、基板2102をナノワイヤ成長および移動に繰り返し使えることである。
【0164】
本発明の任意の実施形態で使用される移動基板2106には、ナノワイヤ移動前または移動後に、その表面に種々のデバイス接点を堆積させることもできる。例えば、本明細書で記載される場合、ソース、ドレインおよびゲート電極を移動基板2106に追加し、本明細書に記載のプローブ移動プロセス2100または全体的な移動プロセス2200を用いて移動基板2106の特定の領域にナノワイヤを移動させることができる。全体的な移動プロセスを使用する実施形態では、デバイスを移動基板に直接集合させることができるように、移動前にワイヤを適切に整列させる。
【0165】
例示的なデバイスおよび用途での本発明のナノワイヤの使用
多くの電子機器およびシステムには、本発明の方法によって製造されるナノワイヤの薄膜を備える半導体または他の種類のデバイスを組み込むことができる。本発明のいくつかの用途を以下に記載するか、またはここで説明のために記載するが、これらに限定されない。本明細書に記載の用途は、ナノワイヤの整列した薄膜または整列していない薄膜を含むことができ、ナノワイヤのコンポジットまたはコンポジットではない薄膜を含むことができる。
【0166】
半導体デバイス(または他の種類のデバイス)を他の電子回路の信号に接続し、および/または他の電子回路と一体化することができる。半導体デバイスを大きな基板に作製することができ、これをより小さな基板に分割またはダイスカットすることができる。さらに、大きな基板(すなわち、常套の半導体ウェハよりもかなり大きな基板)で、基板で作製される半導体を相互接続することができる。
【0167】
本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤを、1個の半導体デバイスを必要とする用途、および複数の半導体デバイスに組み込むこともできる。例えば、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、特に、複数の半導体デバイスが形成される大きな面積のマクロエレクトロニック基板に適用可能である。このような電子機器は、アクティブマトリックス型液晶ディスプレイ(LCD)、有機LEDディスプレイ、電界放出ディスプレイ用のディスプレイ駆動回路を備えていてよい。他のアクティブディスプレイは、ナノワイヤ−ポリマー、量子ドット−ポリマーコンポジット(該コンポジットは、エミッタおよびアクティブ駆動マトリックスの両方として機能することができる)から作製することができる。本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、スマートライブラリ、クレジットカード、大きな面積用のアレイセンサおよび無線IC(RFID)タグ(スマートカード、スマートインベントリタグを含む)などに適用することもできる。
【0168】
本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、デジタル回路用途およびアナログ回路用途にも適用することができる。特に、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤは、大きな面積の基板で超大スケールの集積化を必要とする用途に有用である。例えば、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤの薄膜を、論理回路、記憶回路、プロセッサ、増幅器ならびに他のデジタル回路およびアナログ回路に実装することができる。
【0169】
本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤを光発電用途に適用することができる。このような用途では、特定の光発電デバイスの光発電特性を高めるために透明な導電性基板を使用する。例えば、このような透明な導電性基板を、可撓性の大きな面積の代替品として酸化スズインジウム(ITO)などの代わりに使用することができる。大きな(すなわち、可視光よりも大きい)バンドギャップを有し、非吸収性であるが、その上部に形成される光発電デバイスの活性材料とHOMOバンドまたはLUMOバンドのいずれかが一致するように作製されたナノワイヤの薄膜で基板をコーティングすることができる。透明導電体を吸収性光発電材料の両側に配置し、光発電デバイスから発生した電流を外に伝えることができる。光発電材料のHOMOバンドと一致するHOMOを有する材料と、光発電材料のLUMOバンドと一致するLUMOを有する材料とを有する2つの異なるナノワイヤ材料を選択することができる。2つのナノワイヤ材料のバンドギャップは、光発電材料のバンドギャップよりもかなり大きくなるように選択することができる。該実施形態に係るナノワイヤは、基板に吸収性をほとんど付与しないまま、軽くドープしてナノワイヤの薄膜の抵抗を下げることができる。
【0170】
それ故に、広範囲の軍事用品および消費財に、本発明のプロセスによって製造されるナノワイヤを組み込むことができる。例えば、このような用品には、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、ネットワークデバイス、携帯用電子機器、例えば、PDAおよびパームパイロット、電話(例えば、携帯および標準)、ラジオ、テレビ、コンピュータゲームおよびゲームシステム、ホームセキュリティシステム、自動車、飛行機、船舶、他の家庭用機器および商業用機器などを挙げることができる。
【0171】
パターン形成された基板でのナノワイヤの配向した成長
別の実施形態では、本発明は、パターン形成された基板にナノワイヤを製造する方法を提供する。図24は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成された基板を用いて配向したナノワイヤの成長を示す図である。図24は縮尺ではなく、本発明の一実施形態に係る、パターン形成された基板を用いて配向したナノワイヤ成長の特定の態様を単に説明するだけのものであることを注記しておく。図25は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成された基板を使用してナノワイヤを調製する方法を記載するフローチャート2500を示す。
【0172】
図24に示すように、基板材料2402(適切には結晶性基板、例えばケイ素材料または他の半導体材料)が提供されている。フローチャート2500のステップ2502では、触媒反発性材料2404が、基板材料2402を少なくとも部分的に覆うように、基板材料2402表面に適用される。本明細書で使用される場合、用語「適用する」または「適用された」は、基板材料2402で触媒反発性材料2404を調製する任意の適切な方法を指し、該方法としては、層形成、堆積、噴霧、コーティングなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、句「基板材料を少なくとも部分的に覆う」は、触媒反発性材料2404が基板材料2404の表面積の少なくとも1%を覆うことを意味する。適切には、触媒反発性材料2404は、基板材料2402の表面積の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または少なくとも約95%を覆う。
【0173】
本明細書で使用される場合、用語「触媒反発性材料」は、触媒材料と実質的に結合せず、固定せず、相互作用せず、または付着しない任意の材料を含む。本発明で使用する触媒反発性材料は、適切には、核形成触媒粒子がその表面に結合または付着せず、反発効果を生じる。これにより、核形成粒子は、触媒反発性材料によって覆われていない基板材料の領域で起こるような結合が起こらないか、または起こり得ない。他の実施形態では、核形成触媒粒子は、例えば、触媒材料の適用(蒸発)中または加熱中に、触媒反発性材料から反発するか、または離れる。触媒反発性材料の例としては、限定されないが、SiOおよび陽極アルミナが挙げられる。図24に示すように、適切な実施形態では、触媒反発性材料2404は、パターン形成されるか、または該材料が基板材料2402を少なくとも部分的に覆うような方法で調製される。
【0174】
適切な実施形態では、触媒反発性材料2404は、材料中に空隙2410を備えており、その下にある基板材料2402が露出している。用語「空隙」は、本明細書で使用される場合、穴、開口部、亀裂、または基板材料2402の少なくとも一部分を覆いつつ、基板材料2402の一部分が露出する他のパターンを含む。適切には、空隙2410は、ナノワイヤが空隙部位から成長する場合、互いに十分間隔をあけ、他の成長するナノワイヤと接触したり妨害したりしないように、触媒反発性材料2404全体に間隔をあけて存在する。任意の適切な配向の空隙2410を使用することができる。加えて、空隙2410は任意の望ましい形状であってもよく、例えば、円状、四角形、ランダムな形状などであってよい。適切な実施形態では、空隙2410は、触媒反発性材料2404にランダムに間隔をあけて配置されており、種々の形状および間隔が形成されている。他の実施形態では、空隙2410は、均等な間隔で配置されており、配向したパターンでは、触媒反発性材料2404全体に、例えば、市松模様または他の用途に特定的なパターンで配置されている。初期の適用中に単に形成することによって(すなわち、空隙開口部または「型」の周囲に形成することによって)、空隙2410を触媒反発性材料2404中に作製することができる。または、これらを、例えば、図25のフローチャート2500のステップ2514に示すように作製することができる。例えば、任意の適切な方法(例えば、エッチング、切断、剥離、穿孔または類似の方法)によって触媒反発性材料2404を除去し、基板材料2402を露出させることによって、空隙2410をステップ2514で作製することができる。触媒反発性材料2404は、該材料で覆われていることが望ましい領域で核形成粒子が基板表面と接触することを防ぐ任意の適切な厚みを有することができる。適切には、触媒反発性材料2404は、数ナノメートル〜数ミクロンの厚みを有するが、これよりも厚い材料を使用してもよい。
【0175】
フローチャート2500のステップ2504では、1つ以上の核形成粒子2406を基板材料2402に適用する。核形成粒子2406が触媒反発性材料2404と接触すると、粒子は反発し、基板材料2402が露出しているむき出しの空隙2410に移動するか、または基板から離れる(例えば、蒸発堆積プロセス中)。適用後に最初に基板材料と接触した(すなわち、空隙部位で接触した)核形成粒子は、基板材料にとどまる。本明細書で記載される場合、核形成粒子は、適切には、全体で記載するように、分解した前駆体ガス混合物と反応して共晶を形成する金属触媒であり、該共晶からSiが析出する。例えば、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを堆積させることができる。核形成粒子2406をコロイド滴として基板表面2404の表面に直接堆積させることができる。さらなる実施形態では、コロイド滴を触媒反発性材料2404に堆積させることができ、この時、滴は液体状態であると考えられ、これらが溶液に戻り、続いて触媒反発性材料から空隙2410に移動することができ、基板材料2402と接触する。
【0176】
さらなる実施形態では、核形成粒子は、金属膜、例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)または全体で記載するような他の金属膜を含む。触媒反発性材料2404に金属膜を堆積させると、金属触媒が材料中のむき出しの空隙2410に移動し、空隙に入り込み、次いで基板材料2402と接触するか、または基板から離れる(例えば、蒸発堆積プロセス中)。適用後に最初に基板材料と接触した(すなわち、空隙部位で接触した)核形成粒子は、基板材料にとどまる。金属コロイドおよび金属膜の場合には、触媒材料は、パターン形成された触媒反発性材料2404中のむき出しの領域に移動するか、または触媒反発性材料から離れる。このとき、該触媒は液体状態であるとする。触媒材料は液体状態で堆積するか、固体状態で堆積することができ、フローチャート2500のステップ2512に示すように、溶融する温度まで加熱され、流動/移動するか、または離れる/蒸発することができる。該加熱温度で、触媒反発性材料2404と接触する金属触媒は、むき出しの空隙2410に移動し、基板材料2402と接触することができる。または、該加熱温度で、触媒反発性材料と接触する金属触媒は、離れ(例えば蒸発し)、その下にある基板(すなわち空隙中の基板)と接触する金属触媒は、基板とアロイを生成可能な金属粒子に合着する。核形成粒子の移動および/または合着は、ナノワイヤ成長プロセスの直前または開始時に起こることがある。
【0177】
適切な実施形態では、金属膜(例えば、Al、Auまたは他の適切な材料)を基板上で蒸発させることによって、核形成粒子2406を触媒反発性材料2404および基板材料2402に適用/堆積させる。適切には、核形成粒子の適用(例えば、金属膜の蒸発による)は、室温(例えば約20〜28℃)、減圧下で(すなわち、減圧機で約10−7torr未満、例えば、約5×10−8〜約10−7torrの圧力で)行なわれる。さらなる実施形態では、核形成粒子の適用(例えば、膜蒸発による)は、高温減圧下で行なうことができる。例えば、約600℃を超える温度、例えば、約650℃を超える温度、約700℃を超える温度、約750℃を超える温度、約760℃を超える温度、約770℃を超える温度、約775℃、約780℃、約790℃、または約800℃を超える温度で膜を蒸発させることができる。
【0178】
触媒反発性材料2404および基板2402に堆積した金属膜の厚みは、適切には、数ナノメートル〜数十ナノメートル、例えば約3〜50nm、適切には約5〜10nmである。膜の適用(例えば、蒸発させて金属膜を形成)後、膜を加熱し(例えば、フローチャート2500のステップ2512)、蒸発および/または触媒反発性材料2404の空隙に流すことによって触媒反発性材料2404から除去し、これにより核形成粒子が合着し、基板2402とアロイを形成する。適切には、約500℃〜約900℃まで膜を加熱し、空隙2410に流す。例えば、膜を適切には約600℃〜約800℃、約650℃〜約800℃、約700℃〜約800℃、約725℃、約750℃、約760℃、約770℃、約775℃、約780℃、約790℃または約800℃まで加熱する。適切な実施形態では、加熱ステップ2512を減圧下(例えば、約5×10−8〜約10−7torr)で行なう。膜を加熱した後、基板を適切に冷却し、CVD反応器または他の適切な装置に移動し、ナノワイヤを成長させる。一般的に、核形成粒子の適用(例えば、ナノ粒子の堆積または触媒膜の蒸発、次いで加熱)およびナノワイヤと前駆体ガス混合物との接触(すなわち、成長)は、別個の反応チャンバで行うが、同じチャンバで行なってもよい。適切には、核形成粒子の適用は高減圧チャンバで行なうが、成長は別個のCVD反応器で行う。
【0179】
直接的に、または触媒反発性材料を蒸発させた後に、または触媒反発性材料2404から移動させた後に核形成粒子2406が基板材料2402に堆積すると、核形成粒子2406をフローチャート2500のステップ2506で加熱し、ステップ2508で前駆体ガス混合物と接触させ(例えば、CVD反応器中で)、液体アロイ滴2412を作製し、これにより、ステップ2510でナノワイヤ2408が液体アロイ滴部位で成長する。適切な成長条件(温度および時間を含む)を本明細書に記載する。適切な前駆体ガスとしては、本明細書に記載されるものが挙げられ、限定されないが、SiH、SiClおよびSiHClが挙げられる。触媒反発性材料2404の使用は、核形成粒子の堆積を助けることに加え、核形成粒子2406がナノワイヤ成長中に移動するのも助ける。核形成粒子2406を触媒反発性材料2404の不在下で加熱すると、基板材料2402に移動し、大きな核形成粒子に合着することが多い。これによりナノワイヤの直径および構造が悪影響を受けることがある。合着の問題に加え、触媒反発性材料2404は、核形成粒子2406と、成長するナノワイヤ2408とを適切に間隔を空けて配向させ続けるのに役立ち、それによりタングリングおよび他の厄介な問題を減らす。
【0180】
図25のフローチャート2500に示すように、適切には、1種類の前駆体ガスを使用してナノワイヤを成長させる。さらなる実施形態では、全体で記載するように、第2前駆体ガスを使用してよい。例えば、第1前駆体ガスと接触させた後、アロイ滴2412を第2温度まで加熱し、第2前駆体ガス混合物と接触させ、アロイ滴の部位でナノワイヤを成長させ続けることができる。第2前駆体ガスとして使用する適切なガスとしては、本明細書に記載されるものが挙げられ、限定されないが、SiH、Si、SiClおよびSiHClが挙げられる。さらなる実施形態では、第3、第4、第5などの前駆体ガス混合物を提供してナノワイヤを成長させ続けることができる。このような実施形態では、成長するナノワイヤ2408およびアロイ滴2412の温度は、前駆体ガスが解離し、ナノワイヤが成長できる適切な温度に維持される。従って、適切な実施形態では、本発明は、連続して変化する成長プロセスを提供し、ナノワイヤの成長温度および使用する前駆体ガスを、最終的なナノワイヤ組成および特徴(すなわち、長さ、直径)が得られるまで、成長プロセス全体で連続して変えることができる。適切には、ナノワイヤ成長方法に使用する第1温度は、第2温度よりも、例えば約50℃高い。任意の適切な方法を使用して、ナノワイヤ成長プロセスのためのガスを導入することができる。例えば、プラズマ強化型スパッタ堆積を使用して前駆体ガス混合物を導入することができる。当該技術分野で既知の任意の方法によって、チャンバおよび基板チャンバを迅速に制御することができる。例えば、超高減圧(UHV)反応器中の冷却壁を使用することができる。
【0181】
1種類の前駆体ガス混合物を利用してナノワイヤを成長させる実施形態(および2つ以上の前駆体ガス混合物を使用する場合)では、接触/成長の圧力条件および温度条件は、適切には、約400℃(例えば、約450℃〜約700℃)で約0.5torrより大きい(例えば、約5torr〜約200torr)。例えば、本発明を実施するのに使用する適切な成長温度は、約475℃〜約675℃、約500℃〜約650℃、約550℃〜約650℃、約575℃〜約625℃、または約580℃、約590℃、約600℃、約610℃、または約620℃である。本発明を実施するのに使用する適切な前駆体ガス混合物の圧力は、約5torr〜約175torr、約10torr〜約150torr、約20torr〜約150torr、約40torr〜約150torr、約45torr、約50torr、約55torr、約60torr、約65torr、約70torr、約75torr、約80torr、約85torr、約90torr、約95tott、約100torr、約105torr、約110torr、約115torrまたは約120torrである。
【0182】
全体で記載するように、本発明は、本発明のこのようなプロセスによって製造されるナノワイヤ、およびこのようなナノワイヤを備える電子回路も提供する。
【0183】
パターン形成された基板を組み合わせ、適切な実施形態では温度/前駆体ガス成長条件を変えることによって、本発明の方法によって製造されるナノワイヤは、実質的に垂直に配向したナノワイヤである。適切には、該方法は、基板材料平面に対して実質的に法線方向に成長する、エピタキシャルに配向したナノワイヤを製造する。核形成粒子の堆積を制御し、基板材料での移動を制御することによって、ナノワイヤの厚みが制御される。1種類の前駆体ガス混合物(例えば、1種類の温度および圧力)の使用および変動する成長条件(異なる温度および圧力で2つ以上の前駆体ガス混合物)の使用は、長さ全体でテーパー状を示さず、全体的に実質的に均一性を示すナノワイヤを製造するのに実質的に役立つ。適切には、本発明の種々の方法を用いて製造されるナノワイヤは、ナノワイヤの長さあたり約0.1nmテーパー/μm未満のテーパー度を示す。さらなる実施形態では、ナノワイヤ成長前、成長中、または成長後に反応物にエッチャントガスを導入することによって、ナノワイヤがテーパー状になるのを制御し、排除するかまたは実質的に排除することもできる。例えば、米国仮特許出願第60/857,450号(2006年11月7日出願(開示内容は本明細書に参考により組み込まれる)に開示されるように、HClを導入し、成長中のナノワイヤがテーパー状になるのを制御し、排除するか、または実質的に排除することができる。
【0184】
さらなる実施形態では、本発明は、ナノワイヤを製造する方法を提供する。適切には、ケイ素基板を少なくとも部分的に覆うように触媒反発性材料をケイ素基板に適用し、触媒反発性材料は、ケイ素基板を覆わない少なくとも1つの空隙を備えている。次いで1つ以上の金属核形成粒子を触媒反発性材料に適用し、触媒反発性材料からの選択的な蒸発および/または少なくとも1つの空隙への移動を介して、金属核形成粒子を堆積させ、ケイ素基板で合着させる。次いで、金属核形成粒子を第1温度まで加熱し、第1前駆体ガス混合物と接触させて液体アロイ滴を作製し、ナノワイヤの成長を開始させる。次いで、アロイ滴を第2温度まで加熱し、第2前駆体ガス混合物と接触させ、これによりナノワイヤがアロイ滴の部位で成長する。適切には、核形成粒子は金属触媒であり、例えば、金属膜またはコロイド(例えば、AuまたはAlの膜またはコロイド)である。結晶性基板(例えば、Si<111>基板(および他の結晶配向および他の基板材料)を使用し、実質的に一定の直径を有し、ほとんどテーパー状ではない、実質的に配向した(適切にはエピタキシャルに配向した)垂直なナノワイヤを得ることができる。本明細書に記載するように、適切には、触媒反発性材料はSiOまたは陽極アルミナを含む。前駆体ガスの例としては、本明細書に記載されるものが挙げられ、例えば、SiH、SiClおよびSiHClが挙げられる。さらなる実施形態では、さらなる前駆体ガス組成物および条件を使用して、成長プロセスを連続して変えることができる。
【0185】
ナノワイヤを製造するさらなる方法も提供される。例えば、さらなる実施形態では、ケイ素基板を少なくとも部分的に覆うように触媒反発性材料をケイ素基板に適用する。ここで、触媒反発性材料は、ケイ素基板を覆わない少なくとも1つの空隙を備えている。1つ以上の金属核形成粒子を触媒反発性材料表面に適用し、触媒反発性材料からの選択的な蒸発および/または少なくとも1つの空隙への移動を介して、金属核形成粒子を堆積させ、ケイ素基板で合着させる。次いで、金属核形成粒子を加熱する(例えば、約400℃より高い温度まで)。次いで、金属核形成粒子を前駆体ガス混合物と接触させ(例えば、約0.5torrより大きな圧力下で)、アロイ滴を作製し、これによりナノワイヤがアロイ滴の部位に成長する。
【0186】
核形成粒子を適用するための適切な条件(温度および圧力条件を含む)を全体に記載する。例えば、適用プロセスは、金属膜を室温(例えば、約20℃〜28℃)、または高温(例えば、約600℃よりも高い温度)で、減圧下で(例えば、約5×10−8〜約10−7torrの圧力で)蒸発させる工程を含むことができる。適切には、核形成粒子の適用および前駆体ガス混合物との接触は、異なる反応チャンバで行われる。
【0187】
例示的な触媒反発性材料、核形成粒子および前駆体ガス混合物を全体に記載する。適切には、加熱温度は約450℃〜約700℃であり、圧力は約5torr〜約200torr、適切には約45torrである。適切な実施形態では、核形成粒子を適用する工程は、金属膜が溶融する温度(例えば約450〜900℃)まで加熱し、触媒反発性材料に多くの金属核形成粒子を作製する工程をさらに含む。ここで、金属核形成粒子は、触媒反発性材料からの選択的な蒸発および/または少なくとも1つの空隙への移動を介して、堆積し、基板で合着する。
【0188】
さらなる実施形態では、本発明は、1種類の前駆体ガス混合物を利用してナノワイヤを製造する方法を提供する。例えば、図26のフローチャート2600に示すように、ステップ2602では、1つ以上の核形成粒子を基板材料に適用する。次いでステップ2604では、核形成粒子を約550℃よりも高い温度まで加熱する。ステップ2606では、核形成粒子を約0.5torrより大きな圧力下で前駆体ガス混合物と接触させて液体アロイ滴を作製し、これによりステップ2608でナノワイヤがアロイ滴の部位に成長する。
【0189】
例示的な基板材料(例えばSi)、核形成粒子(例えばAuまたはAl)および前駆体ガス混合物(例えばSiH)を全体に記載する。適切には、核形成粒子を約600℃〜約700℃(例えば約600℃)の温度まで加熱し、約5torr〜約200torr(適切には約45torr)で前駆体ガス混合物と接触させる。全体で考察しているように、適用プロセスは、金属膜を室温(例えば、約20℃〜28℃)、または高温(例えば、約600℃よりも高い温度)で、減圧下で(例えば、約5×10−8〜約10−7torrの圧力で)蒸発させる工程を含むことができる。適切には、核形成粒子の適用および前駆体ガス混合物との接触は、異なる反応チャンバで行われる。
【0190】
結論
本発明の例示的な実施形態が示された。本発明は、これらの実施例に限定されない。これらの実施例は、説明のために本明細書に記載されており、限定するためのものではない。代替例(本明細書に記載されるものの等価物、拡張物、変形例、変更例などを含む)は、本明細書に含まれる教示に基づいて関連分野の当業者には明らかである。このような代替例は、本発明の範囲および精神の範囲内にある。
【0191】
本明細書で述べられた全ての刊行物、特許および特許明細書は、本発明に関する当業者の知識レベルをあらわす指標であり、それぞれの刊行物、特許または特許明細書が特定的に、個々に参考として組み込まれているかのような程度まで、本明細書に参考により組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0192】
本発明を添付の図面を参照して記載する。図面では、同様の参照番号は同じ要素または機能的に類似した要素を示す。ある要素が初めて記載される図面は、対応する参照番号の左側の数字によって示される。
【図1A】図1Aは、単結晶半導体ナノワイヤの図である。
【図1B】図1Bは、コアシェル構造に従ってドープされたナノワイヤの図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る、Si前駆体の組み合わせを用いてナノワイヤを調製する方法のフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る、Si前駆体の組み合わせを用いてナノワイヤを調製する方法のフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤ合成法のフローチャートである。
【図4A】図4Aは、本発明の一実施形態に係るナノワイヤ合成容器の図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤをドープする方法のフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ構造のダングリングボンドによる表面状態を減らす方法のフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る、犠牲層でコーティングされたナノワイヤの図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤ加工を示す図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る移動後のナノワイヤ加工を示す図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に係る、犠牲部分を用いてナノワイヤを収集する方法のフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の一実施形態に係る、犠牲部分を備えるナノワイヤの図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態に係る、PN接合を監視することによってナノワイヤを収集する方法のフローチャートである。
【図13】図13は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ成長基板上の犠牲金属層を用いてナノワイヤを収集する方法のフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤ成長基板上の犠牲金属層に成長したナノワイヤの図である。
【図15】図15は、本発明の一実施形態に係る、非Si基板を用いる場合にSiナノワイヤを収集する方法のフローチャートである。
【図16】図16は、本発明の一実施形態に係る、異なる配向を有するナノワイヤ成長基板を用いる場合に、1つの配向を有するナノワイヤを収集する方法のフローチャートである。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に係る、異なる配向を有するナノワイヤ成長基板に成長する1つの配向を有するナノワイヤの図である。
【図18】図18は、本発明の一実施形態に係る、第1基板から第2基板にナノワイヤを移動する方法のフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成されたコーティングを有する第1基板から第2基板にナノワイヤを移動させる方法のフローチャートである。
【図20A】図20Aは、本発明の一実施形態に係る、ナノワイヤを備える第1基板および移動基板の図である。
【図20B】図20Bは、本発明の一実施形態に係る、デバイス基板およびナノワイヤを移動させる移動基板の図である。
【図21】図21は、本発明の一実施形態に係るプローブナノワイヤ移動スキームの描写である。
【図22】図22は、本発明の一実施形態に係る全体的なナノワイヤ移動の描写である。
【図23A】図23Aは、本発明の一実施形態に係る、移動前に電界によって配向させたナノワイヤを含む基板を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図23B】図23Bは、本発明の一実施形態に係る、移動後に基板に残ったナノワイヤを示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図23C】図23Cは、本発明の一実施形態に係る、移動後に移動基板上にあるナノワイヤを示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図24】図24は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成された基板を用いて配向したナノワイヤ成長を示す図である。
【図25】図25は、本発明の一実施形態に係る、パターン形成された基板にナノワイヤを調製する方法のフローチャートである。
【図26】図26は、本発明の一実施形態に係るナノワイヤを調製する方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノワイヤを製造する方法であって、該方法は、
(a)基板材料を少なくとも部分的に覆うように触媒反発性材料を該基板材料に適用する工程と、
(b)該基板材料に1つ以上の核形成粒子を適用する工程と、
(c)該核形成粒子を約400℃よりも高い温度まで加熱する工程と、
(d)約0.5torrより大きな圧力下で該核形成粒子を前駆体ガス混合物と接触させてアロイ滴を作製する工程と
を含み、これによりナノワイヤを該アロイ滴の部位に成長させる方法。
【請求項2】
工程(a)の前記適用する工程が、結晶基板材料上に触媒反発性材料の層を形成させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)の前記適用する工程が、ケイ素上に触媒反発性材料の層を形成させる工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の前記適用する工程が、触媒反発性材料の層を形成させる工程を含み、該触媒反発性材料が、前記基板材料を覆っていない少なくとも1つの空隙を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(b)の前記適用する工程が、前記触媒反発性材料上に核形成粒子を堆積させる工程を含み、該核形成粒子は、該少なくとも1つの空隙の部位で前記基板材料に堆積する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)の前記適用する工程が、約20℃〜約28℃の温度で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程(b)の前記適用する工程が、約600℃よりも高温で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(b)の前記適用する工程が、約10−7torr未満の圧力下で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)の前記適用する工程が、触媒反発性材料の層を形成させる工程を含み、該触媒反発性材料はSiOまたは陽極アルミナを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記成長する工程がエピタキシャルに起こる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記成長する工程が前記基板材料の平面の外側に成長する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記加熱する工程が約450℃〜約700℃の温度まで加熱する工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
工程(b)の前記適用する工程が、核形成粒子を堆積させる工程を含み、該核形成粒子は、前記前駆体ガス混合物と反応して共晶を形成する金属を含み、該共晶からSiが析出する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)の前記適用する工程が、核形成粒子を堆積させる工程を含み、該核形成粒子は、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程(b)の前記適用する工程が金属コロイドを堆積させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
工程(b)の前記適用する工程が、AuコロイドまたはAlコロイドを堆積させる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程(b)の前記適用する工程が、金属膜を堆積させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
工程(b)の前記適用する工程が、Au膜またはAl膜を堆積させる工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記前駆体ガス混合物と接触させる工程が、SiH、Si、SiClまたはSiHClを含むガス混合物と接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記接触させる工程が、プラズマ強化型スパッタ堆積を行なう工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記接触させる工程が約5〜約200torrの圧力下で起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記接触させる工程が約45torr下で起こる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
工程(b)の前記適用する工程および(d)の前記接触させる工程が別々の反応チャンバで起こる、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
請求項1に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤ。
【請求項25】
請求項1に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤを備える電子回路。
【請求項26】
ナノワイヤを製造する方法であって、該方法は、
(a)ケイ素基板を少なくとも部分的に覆うように該ケイ素基板上に触媒反発性材料を適用する工程であって、該触媒反発性材料が、該ケイ素基板を覆っていない少なくとも1つの空隙を含む工程と、
(b)該触媒反発性材料上に1つ以上の金属核形成粒子を適用する工程であって、該核形成粒子が該少なくとも1つの空隙の部位で該ケイ素基板に堆積する工程と、
(b)該金属核形成粒子を約400℃よりも高い温度まで加熱する工程と、
(d)約0.5torrより大きな圧力下で該金属核形成粒子を前駆体ガス混合物と接触させてアロイ滴を作製する工程と
を含み、これによりナノワイヤを該アロイ滴の部位に成長させる方法。
【請求項27】
工程(a)の前記適用する工程が、触媒反発性材料の層を形成させる工程を含み、該触媒反発性材料はSiOまたは陽極アルミナを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記成長する工程がエピタキシャルに起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記成長する工程が前記ケイ素基板の平面の外側に成長する工程である、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
工程(b)の前記適用する工程が、約20℃〜約28℃の温度で起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
工程(b)の前記適用する工程が、約600℃よりも高温で起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
工程(b)の前記適用する工程が、約10−7torr未満の圧力下で起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記加熱する工程が約450℃〜約700℃の温度まで加熱する工程である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
工程(b)の前記適用する工程が、金属核形成粒子を堆積させる工程を含み、該金属核形成粒子は、前記前駆体ガス混合物と反応して共晶を形成し、該共晶からSiが析出する、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
工程(b)の前記適用する工程が、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを堆積させる工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
工程(b)の前記適用する工程が金属コロイドを堆積させる工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
工程(b)の前記適用する工程が、AuコロイドまたはAlコロイドを堆積させる工程を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
工程(b)の前記適用する工程が金属膜を堆積させる工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
工程(b)の前記適用する工程が、Au膜またはAl膜を堆積させる工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
工程(b)の前記適用する工程が、前記金属膜が溶融する温度まで加熱することにより前記触媒反発性材料上に1つ以上の金属核形成粒子を生成する工程をさらに含み、該核形成粒子が、前記少なくとも1つの空隙の部位でケイ素基板に堆積する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記前駆体ガス混合物と接触させる工程が、SiH、Si、SiClまたはSiHClと接触させる工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記接触させる工程が、プラズマ強化型スパッタ堆積を行なう工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
前記接触させる工程が約5〜約200torrの圧力下で起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項44】
前記接触させる工程が約45torr下で起こる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
工程(b)の前記適用する工程および(d)の前記接触させる工程が別々の反応チャンバで起こる、請求項26に記載の方法。
【請求項46】
請求項26に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤ。
【請求項47】
請求項26に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤを備える電子回路。
【請求項48】
ナノワイヤを製造する方法であって、該方法は、
(a)基板材料上に1つ以上の核形成粒子を適用する工程と、
(b)該核形成粒子を約550℃よりも高い温度まで加熱する工程と、
(c)約0.5torrより大きな圧力下で該核形成粒子を前駆体ガス混合物と接触させて液体アロイ滴を作製する工程と
を含み、これによりナノワイヤを該アロイ滴の部位に成長させる方法。
【請求項49】
前記適用する工程が、約20℃〜約28℃の温度で起こる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記適用する工程が、約600℃よりも高温で起こる、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記適用する工程が、約10−7torr未満の圧力下で起こる、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記基板材料が結晶である、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記基板材料がケイ素を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記成長する工程がエピタキシャルに起こる、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記成長する工程が前記基板材料の平面の外側に成長する工程である、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記加熱する工程が約600℃〜約700℃の温度まで加熱する工程である、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記加熱する工程が約600℃の温度まで加熱する工程である、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
前記核形成粒子が、前記前駆体ガス混合物と反応して共晶を形成する金属を含み、該共晶からSiが析出する、請求項48に記載の方法。
【請求項59】
前記適用する工程が、該核形成粒子を堆積させる工程を含み、核形成粒子が、Au、Al、Pt、Fe、Ti、Ga、Ni、SnまたはInを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記適用する工程が、金属コロイドを堆積させる工程を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項61】
前記適用する工程が、AuコロイドまたはAlコロイドを堆積させる工程を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記適用する工程が、金属膜を堆積させる工程を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項63】
前記適用する工程が、Au膜またはAl膜を堆積させる工程を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記前駆体ガス混合物が、SiH、SiClまたはSiHClを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項65】
前記接触させる工程が、プラズマ強化型スパッタ堆積を行なう工程を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項66】
前記接触させる工程が約5〜約200torrの圧力下で起こる、請求項48に記載の方法。
【請求項67】
前記接触させる工程が約45torr下で起こる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
工程(a)の前記適用する工程および(c)の前記接触させる工程が別々の反応チャンバで起こる、請求項48に記載の方法。
【請求項69】
請求項48に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤ。
【請求項70】
請求項48に記載のプロセスによって製造されるナノワイヤを備える電子回路。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2009−522197(P2009−522197A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548610(P2008−548610)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/048457
【国際公開番号】WO2007/133271
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(504327085)ナノシス・インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】Nanosys, Inc.
【Fターム(参考)】