説明

プラズマ処理装置

【課題】比較的簡単な構成で、ワークの処理面の形状に拘わらず、その形状に対応してプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】プラズマ処理装置1は、第1の電極2と、ワーク設置部21の第1の電極2の対向側に位置し、外周面が前記ワーク設置部21に設置されたワーク10の処理面11に対面するように設置され、中心軸を回動軸として回転可能な円筒状の第2の電極3とを有し、発生したプラズマにより処理面11を処理するものであり、第2の電極3は、その外周面に、周方向に沿って、有効電極領域31aの幅が変化している部分を有し、この第2の電極3を、その中心軸を回動軸として回転させることにより、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅が変化するよう構成され、ガス供給手段5により、有効電極領域31aの幅の大きさに応じて、処理ガスを供給する幅も変化するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークをプラズマ処理するプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを発生させ、そのプラズマにより被処理物であるワークの表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置が知られている。
このようなプラズマ処理装置は、対向配置される電極を有しており、対をなす電極同士の間に形成される間隙内に所定のガスを供給しつつ、これらの電極間に電圧を印加して放電を生じさせ、プラズマを発生させる。発生したプラズマ中では、電界により加速された電子がガス分子と衝突し、励起分子、ラジカル原子、正イオン、負イオンなどの活性種を生成する。これら活性種をワークの表面に供給すると、この活性種の一部によりワークの表面や表面付近で各種反応が生じることとなり、ワークの表面(処理面)が分解・除去等されるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、図6に示すように、それぞれ円筒状に形成された第1の電極102および第2の電極103を備え、互いに対向する電極102、103間に電圧を印加しつつ、プラズマを発生させる処理ガスを供給した状態で、電極102、103間にワーク110、110’を通過させることにより、ワーク110、110’の処理面にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置が提案されている。
【0004】
このようなプラズマ処理装置では、ワークの表面により電極102、103のほぼ全体が覆われた状態で処理するために、幅が広いワーク110の表面をプラズマ処理する場合、互いに対向する電極102、103を図6(a)に示すような位置に配置した状態で、図中の矢印方向にワーク110を移動させてワーク110の表面に処理が施され、さらに、幅が狭いワーク110’の表面をプラズマ処理する場合、電極102、103を図6(b)に示すような位置に配置した状態で、図中の矢印方向にワーク110’を移動させてワーク110’の表面に処理が施される。
このように、ワークの表面により電極102、103のほぼ全体が覆われた状態で処理する構成とすることにより、ワークの処理面の品質向上および処理速度の向上等を実現している。
【0005】
ところが、この特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、ワークの形状に対応して電極102、103を位置合わせするのに時間を要するという問題がある。特に、円形状のワークのように、湾曲面を有するワークに対して、電極102、103を位置合わせするには、ワークの移動に伴って、電極102、103を経時的に位置合わせする必要が有り、困難を極める。
さらには、図6に示したように、電極102、103は、ワークの長手方向に対して傾斜するように配置されることから、これら電極102、103の両端部において、ワークの表面により電極102、103が覆われない部分が必然的に生じることとなり、その結果、電極102、103に供給された電力の無駄が生じるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−22899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、比較的簡単な構成で、ワークの処理面の形状に拘わらず、その形状に対応してプラズマ処理を施すことができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のプラズマ処理装置は、ワークを設置するワーク設置部と、
第1の電極と、
前記ワーク設置部の前記第1の電極の対向側に位置し、外周面が前記ワーク設置部に設置されたワークの処理面に対面するように設置され、中心軸を回動軸として回転可能な円筒状の第2の電極と、
前記第2の電極と前記ワークとの間隙にプラズマを生成するための処理ガスを供給するガス供給手段と、
前記間隙に供給された処理ガスがプラズマ化するように前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電圧を印加する電源を備えた電源回路とを有し、
発生したプラズマにより、前記ワークの処理面を処理するプラズマ処理装置であって、
前記第2の電極は、前記外周面に、周方向に沿って、有効電極領域の幅が変化している部分を有し、
当該第2の電極を、前記中心軸を回動軸として回転させることにより、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅が変化するよう構成され、
前記ガス供給手段により、前記処理ガスの前記有効電極領域の幅方向に対する供給領域が可変となっており、前記有効電極領域の幅の大きさに応じて、前記処理ガスを供給する幅も変化するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、比較的簡単な構成で、ワークの処理面の形状に拘わらず、その形状に対応してプラズマ処理を施すことができる。
【0009】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ガス供給手段は、前記処理ガスを噴出させるノズルを複数有し、前記処理ガスが噴出される前記ノズルを選択することにより、前記処理ガスを供給する幅が変化することが好ましい。
かかる構成とすることにより、前記処理ガスを供給する幅を確実に変化させることができ、無駄となる処理ガス量の削減を図ることができる。
【0010】
本発明のプラズマ処理装置では、複数の前記ノズルは、前記処理ガスを噴出する開口部が前記ワークと前記第2の電極との間に向けて開口するように設けられており、
前記ガス供給手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に対応して位置する前記ノズルから、前記処理ガスを噴出させることが好ましい。
これにより、前記処理ガスを供給する幅を変化させることができる。
【0011】
本発明のプラズマ処理装置では、複数の前記ノズルは、前記処理ガスを噴出する開口部が前記有効電極領域で開口するように前記第2の電極に設けられており、
前記ガス供給手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に位置する前記ノズルから、前記処理ガスを噴出させることが好ましい。
かかる構成とすることにより、前記処理ガスを供給する幅を確実に変化させることができるとともに、プラズマ処理装置の装置構成の簡略化を図ることができる。
【0012】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ノズルからの前記処理ガスの噴出を阻止する被覆部を有し、
当該被覆部により、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に位置する以外の前記ノズルが覆われていることが好ましい。
これにより、ワークの処理面と対面する有効電極領域に位置するノズルから処理ガスが噴出することから、前記処理ガスを供給する幅が変化することとなる。
【0013】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ガス供給手段は、単位時間あたりに供給される処理ガスの供給量を可変し得るガス調整手段を有することが好ましい。
本発明のプラズマ処理装置では、前記ガス調整手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅に応じて処理ガスの供給量を変化させることが好ましい。
これにより、過剰な量の処理ガスを供給することなく、処理面と有効電極領域との間に、プラズマを確実に発生させることができる。その結果、無駄となる処理ガス量の削減を図ることができる。
【0014】
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極は、前記中心軸の一方向の回転に伴って、前記ワークの処理面に対面する前記有効電極領域の幅が漸減または漸増するよう構成されていることが好ましい。
これにより、有効電極領域の幅が連続的に変化することとなる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極は、回転させたとき、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の中心が、前記第2の電極の回動軸方向に変位しないことが好ましい。
【0015】
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の中心が、前記ワークの処理面の幅の中心に対応することが好ましい。
これにより、ワークの処理面と対面する有効電極領域の幅を、ワークの処理面の幅に対応するように、第2の電極を位置させることができる。
【0016】
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極は、前記外周面において、前記有効電極領域が前記有効電極領域以外の部分に対して突出することにより、前記処理面に対する距離が近くなるよう構成されていることが好ましい。
これにより、有効電極領域においてプラズマを優先的に発生させることができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極は、前記外周面において、前記有効電極領域が前記有効電極領域以外の部分よりも導電性が高くなるよう構成されていることが好ましい。
これにより、有効電極領域においてプラズマを優先的に発生させることができる。
【0017】
本発明のプラズマ処理装置では、前記第2の電極の回転を制御する制御手段を有することが好ましい。
これにより、ワークの処理面と対面する有効電極領域の幅を、制御手段により調整することができる。
本発明のプラズマ処理装置では、前記制御手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅が、前記ワークの処理面の幅に対応するように、前記第2の電極の回転を制御することが好ましい。
これにより、処理面を、その幅に対応してプラズマ処理することができる。
【0018】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ワークの処理面の幅が変化する前記ワークを、前記第2の電極に対して相対的に移動させて処理するに際し、
前記制御手段により、前記第2の電極を回転させつつ、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅を前記ワークの処理面の幅に対応させて、前記ワークの処理面を処理することが好ましい。
これにより、円形状のように湾曲部を有する処理面に対しても、処理面の幅に対応してプラズマ処理することができ、処理面のほぼ全面に対してプラズマ処理を施すことができる。
【0019】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の大きさが変化することにより生じる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電力密度の大きさの変化を緩和するように、前記ワークの前記第2の電極に対する相対移動速度を調整することが好ましい。
これにより、処理面の処理レートに差が生じるのが抑制され、その結果、処理面の処理ムラが緩和される。
【0020】
本発明のプラズマ処理装置では、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の大きさが変化することにより生じる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電力密度の大きさの変化を緩和するように、前記電源回路により前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電力の大きさを調整することが好ましい。
これにより、処理面の処理レートに差が生じるのが抑制され、その結果、処理面の処理ムラが緩和される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のプラズマ処理装置について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を模式的に示す斜視図(一部ブロック図を含む)、図2は、図1に示すプラズマ処理装置が備える第2の電極の構成を示す斜視図(一部展開図を含む)、図3は、第1実施形態のプラズマ処理装置により、幅広のワークを処理する場合を模式的に示す斜視図(一部ブロック図を含む)である。なお、以下の説明では、図1および図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すプラズマ処理装置1は、ワーク10に対して、エッチング処理、アッシング処理、親水処理、撥水処理および成膜処理等の各種プラズマ処理を施すものである。
以下では、このプラズマ処理装置1により、ワーク10の処理面11に対してプラズマ処理を施し、その処理面11を分解・除去するエッチング処理を一例に説明する。
【0022】
図1に示すプラズマ処理装置1は、発生させた大気圧(常圧)プラズマの作用により、ワークに対してエッチング加工を施すプラズマ処理装置であり、ワーク10を支持し、搬送する第1の電極2と、ワーク10を介して第1の電極2の上方に設置された第2の電極3と、第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加する電源回路4と、ワーク10と第2の電極3との間に処理ガスを供給するガス供給部(ガス供給手段)5とを有する。
【0023】
また、このプラズマ処理装置1は、プラズマ処理装置1の各部の作動を制御する制御手段6と、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)7とを備えている。
以下、各部について詳細に説明する。
ここで、プラズマ処理装置1の説明に先立って、プラズマ処理装置1によりエッチング加工を施すワーク10について説明する。
【0024】
ワーク10は、プラズマ処理装置1により、上面(以下、「処理面」とも言う。)11にエッチング加工を施されるものである。
このようなワーク10を構成する材料としては、後に詳述するプラズマ中に含まれる活性化原子(ラジカル)と反応し得る材料が挙げられる。
かかる材料としては、例えば、Si、SiO、SiN、Siのようなシリコン系材料、Al、Au、Cr、Cu、Ga、Mo、Nb、Ta、Ti、V、W、またはこれらの金属を含む合金のような各種金属系材料、ポリオレフィン、ポリイミドのような有機系材料、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料、C、GaAs等が挙げられる。
【0025】
ワーク10の形状(平面視での形状)は、特に限定されず、例えば、長方形、正方形、円形、長円形等とされるが、本実施形態では、図1に示すように長方形をなしている場合を一例に説明する。
ワーク10の厚さは、特に限定されないが、通常は、0.03〜1.2mm程度であるのが好ましく、0.05〜0.7mm程度であるのがより好ましい。
【0026】
第1の電極2は、この上面に設けられたワーク10を設置するワーク設置部21において、ワーク10の下面(後述する処理面11と反対側の面)全体を支持している。これにより、ワーク10の全体にわたって電界を付与することができる。
また、第1の電極2は、第1の電極2に接続された搬送手段(図示せず)の作動により、図1中の矢印方向、すなわちX軸方向に移動することができる。
【0027】
第1の電極2の構成材料としては、導電性および非磁性を有していればよく、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、金、鉄、銀のような金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金のような各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等の導電性が良好な導電性材料が挙げられる。
一方、第2の電極3は、ワーク10を介して、第1の電極2と対向して配置されている。換言すれば、第2の電極3は、ワーク設置部21の第1の電極2の対向側(と反対側)に配置されている。
この第1の電極2と第2の電極3との間には、後述する電源回路4により高周波電圧が印加される。これらの電極2、3間に高周波電圧が印加されると、ワーク10と第2の電極3との間に存在するガス分子が電離して、プラズマを発生させることができる。
なお、第2の電極3の構成については、後に詳述する。
【0028】
電源回路4は、第1の電極2と第2の電極3との間に高周波電圧を印加する。これにより、第1の電極2と第2の電極3との間隙には、高い周波数で向きが反転する電界が誘起される。
このような電源回路4は、高周波電源41と、インピーダンスの整合を行う整合器(マッチングボックス)44と、電源回路4を開閉するスイッチ45と、高周波電源41と第1の電極2とをスイッチ45を介して接続する配線42と、高周波電源41と第2の電極3とを整合器44を介して接続する配線43とを有する。また、この電源回路4は、その一部、すなわち、本実施形態では、第1の電極2側の配線42がアース(接地)されている。
【0029】
高周波電圧の周波数は、特に限定されないが、1kHz〜100MHz程度であるのが好ましく、10〜60MHz程度であるのがより好ましい。これにより、プラズマを安定して発生させることができる。
また、高周波電源の出力は、第1の電極2および第2の電極3の面積に応じて異なるが、10W〜10kW程度であるのが好ましく、50W〜1kW程度であるのがより好ましい。これにより、プラズマをより安定して発生させることができる。
【0030】
ガス供給部(ガス供給手段)5は、ワーク10と第2の電極3との間に、処理ガスを供給する機能を有するものである。
図1に示すガス供給部5は、ワーク10の処理面11と第2の電極3とが対向する位置に対して、処理ガスを噴出する開口部を備えた10本のノズル510〜519と、これらのノズル51の上流端側に接続され、処理ガスを充填し供給する共通のガスボンベ(ガス供給源)52と、各ノズル510〜519に対応して設けられ、ガスボンベ52から各ノズル510〜519に対して供給されるガスの単位時間あたりに供給されるガスの流量(供給量)を可変し得るレギュレータ(ガス調整手段)53と、これら各部51、52、53を接続する供給管55とを有している。
【0031】
各レギュレータ53は、ガスボンベ52より各ノズル510〜519の開口部側(下流側)に配置されている。また、各ノズル510〜519と各レギュレータ53との間には、それぞれ、ノズル510〜519内への処理ガスの流路を開閉するバルブ(流路開閉手段)54が設けられている。
各ノズル510〜519は、それぞれ、それらの開口部から処理ガスを噴出し、各ノズル510〜519が対応する、ワーク10の処理面11と第2の電極3とが対向する位置に対して処理ガスを供給するものであり、本実施形態では、図1に示すように、ワーク10の処理面11に対して平行となるように、それぞれが隣接した状態で、並んで設けられている。
【0032】
かかる構成のガス供給部5において、例えば、ノズル510に対応(連結)するバルブ54が開かれると、ガスボンベ52から処理ガスが送出される。そして、この処理ガスは、ノズル510に連結する供給管55内を流れ、レギュレータ53で流量が調節された後、供給管55の下流端に形成されたガス流出口から、ノズル510内に供給され開口部から噴出される。これにより、ノズル510が対応する、第2の電極3とワーク10の処理面11との間に、処理ガスを導入(供給)することができる。
【0033】
そのため、各ノズル510〜519に対応するバルブ54のうち、開くバルブ54を適宜選択することにより、第2の電極3とワーク10の処理面11との間の所望の位置に処理ガスを供給することができる。したがって、上述したように、各ノズル510〜519は、それぞれが隣接した状態で、並んで設けられているので、処理ガスが噴出されるノズル510〜519を選択することにより、第2の電極3とワーク10の処理面11との間に供給される処理ガスの、有効電極領域31aの幅方向(図1中のY軸方向)の幅を変化させることができる。すなわち、ガス供給部5により、処理ガスの有効電極領域31aの幅方向に対する供給領域を可変とすることができる。これにより、過剰な量の処理ガスが第2の電極3とワーク10の処理面11との間に供給されてしまうのを確実に防止することができる。
なお、各ノズル510〜519を構成する材料としては、特に限定されないが、電気伝導性の低い材料が好ましい。これにより、第1の電極2と第2の電極3との間にプラズマを発生させる際に、各ノズル510〜519に火花放電が生じるのを防止することができる。その結果、プラズマ処理装置1に不具合が生じるのを防止することができる。
【0034】
電気伝導性の低い材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素のような各種セラミックス材料、ポリオレフィン、ポリイミドのような各種樹脂材料等が挙げられ、中でも、特に、セラミックス材料であるのが好ましい。セラミックス材料は、電気伝導性が極めて低いため火花放電を確実に防止するとともに、耐熱性および耐候性にも優れるため、たとえ各ノズル510〜519に火花放電が起きたとしても、これらの変質・劣化を好適に抑制または防止することができる。
【0035】
また、各ノズル510〜519の内径は、それぞれ50μm〜20mm程度であるのが好ましく、300μm〜3mm程度であるのがより好ましい。これにより、処理ガスが供給される、有効電極領域31aの幅方向の幅を、所望の大きさに変化させることができる。
なお、このようなノズル510〜519は、本実施形態のように、10本設けられている場合に限定されず、有効電極領域31aの幅方向の幅を所望の大きさに変化させ得るように複数設けられていればよく、10本以上であってもよいし、それ以下であってもよい。
以上のようなガス供給部(ガス供給手段)5により、本発明のプラズマ処理装置1では、後述する有効電極領域31aの幅Wの大きさの変化に応じて、処理ガスを供給する幅も変化するよう構成されている。
【0036】
ガス供給部5で供給される処理ガスは、高周波電圧の作用により、含まれるガス分子が電離してプラズマを生じるものである。
このような処理ガスには、処理目的により種々のガスを用いることができる。本実施形態のようなエッチング処理を目的とする場合の他、ダイシング処理を目的とする場合には、例えば、CF、C、C、C、CClF、SF等のフッ素原子含有化合物ガスやCl、BCl、CCl等の塩素原子含有化合物ガスなどの各種ハロゲン系ガスが用いられる。
【0037】
また、その他の処理目的の場合には、目的別に以下示すような処理ガスを用いることができる。
(a)ワーク10の処理面11を加熱することを目的とする場合、例えば、N、O等が用いられる。
(b)ワーク10の処理面11を撥水(撥液)化することを目的とする場合、例えば、前記フッ素原子含有化合物ガスが用いられる。
【0038】
(c)ワーク10の処理面11を親水(親液)化することを目的とする場合、例えば、O、HO、空気等の酸素原子含有化合物、N、NH等の窒素原子含有化合物、SO、SO等の硫黄原子含有化合物が用いられる。これにより、ワーク10の処理面11にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を堆積(形成)することもできる。
【0039】
(d)ワーク10の処理面11に電気的、光学的機能を付加することを目的とする場合、SiO、TiO、SnO等の金属酸化物薄膜をワーク10の処理面11に形成するために、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコキシド(有機金属化合物)等が用いられる。
(e)レジスト処理や有機物汚染の除去を目的とする場合は、例えば酸素系ガスが用いられる。
【0040】
このような処理ガスは、一般に、この処理ガスに、キャリアガスを添加して用いられる。なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言う。
この場合、ガスボンベ52内に、処理ガスおよびキャリアガスを充填して用いてもよいし、処理ガスとキャリアガスとがそれぞれ別のガスボンベに充填され、供給管55の途中でこれらが所定の混合比で混合されるような構成であってもよい。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。
【0041】
キャリアガスを添加したガス中における処理ガスの占める割合(混合比)は、処理の目的によっても若干異なり、特に限定されないが、例えば、処理ガスの占める割合が0.1〜10%程度であるのが好ましく、0.3〜4%程度であるのがより好ましい。これにより、効率的に放電が開始され、処理ガスにより、所望のプラズマ処理を施すことができる。
【0042】
処理ガスの流量は、ガスの種類、処理の目的、処理の程度等に応じて適宜決定される。通常は、30SCCM〜2SLM程度であるのが好ましい。これにより、ワーク10の処理面11を効率的にプラズマ処理することができる。
操作部7は、操作者等が入力等の各操作を行うものである。
この操作部7としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部7は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)も兼ねる。
【0043】
また、記憶手段8は、操作部7から入力されたワーク10の処理面11の幅の大きさ等の各種の情報、データ、演算式、テーブル、プログラム等が記憶(記録とも言う)される記憶媒体(記録媒体とも言う)を有しており、この記憶媒体は、例えば、RAM等の揮発性メモリー、ROM等の不揮発性メモリー、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー等の書き換え可能(消去、書き換え可能)な不揮発性メモリー等、各種半導体メモリー、ICメモリー、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等で構成される。この記憶手段8における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、制御部6によりなされる。
【0044】
さらに、制御部6は、例えば、演算部やメモリー等を内蔵するマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されており、制御部6には、操作部7からの信号(入力)が、それぞれ、随時入力される。そして、制御部6は、操作部7からの信号等に基づき、予め設定されたプログラムに従って、プラズマ処理装置1の各部の作動(駆動)、例えば、駆動源33、レギュレータ53および搬送手段等の作動をそれぞれ制御する。
このようなプラズマ処理装置1では、制御部6が操作部7により入力されたワーク10の幅の大きさに応じて、処理面11のプラズマ処理を実行するように後述する駆動源33の作動を制御するよう構成されている。
【0045】
さて、本発明のプラズマ処理装置1では、第2の電極3は、ワーク設置部21の第1の電極2と反対側に位置し、その外周面がワーク設置部21に対面するように設置され、その中心軸を回動軸として回転可能な円筒状をなしている。そして、この第2の電極3は、その外周面に、周方向に沿って、有効電極領域31aの幅が変化している部分を有し、第2の電極3を、その中心軸を回動軸として回転させることにより、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wが変化するよう構成されている。
【0046】
本実施形態では、第2の電極3の外周面に形成された有効電極領域31aは、図2(a)に示すように、第2の電極3の外周面から、有効電極領域31aの幅が最大となっている位置で幅方向に切断して展開すると、辺311、辺312および辺313の三辺で構成され、辺312と辺313との長さが等しくなっている。すなわち、有効電極領域31aは、頂点314が第2の電極3の幅の中心に位置する二等辺三角形をなしている。
【0047】
また、プラズマ処理装置1は、図1に示すように、第2の電極3を回転させ得る回動軸32と、回動軸32を回動駆動する駆動源33とを有している。
回動軸32は、その一端部が第2の電極3の端部に連結されており、その中心軸が第2の電極3の中心軸と一致するように設けられている。そして、回動軸32の他端部には、駆動源33が接続されている。そのため、第2の電極3は、駆動源33の作動により、その中心軸を回動軸として回転可能となっている。
【0048】
かかる構成のプラズマ処理装置1において、第2の電極3を中心軸の一方向に回転させると、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aは、図2に示す、辺311の位置から頂点314の位置まで変化することとなる。すなわち、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wは、第2の電極3の幅からゼロ近傍となるまで、漸減または漸増して、連続的に変化することとなる。
【0049】
ここで、本実施形態では、長方形状のワーク10の処理面11の幅の中心と、有効電極領域31aの幅の中心とが対応するように配置されている。さらに、前述したように、有効電極領域31aは、頂点314が第2の電極3の幅の中心に位置する二等辺三角形をなしていることから、処理面11に対面する有効電極領域31aの幅の中心は、辺311の中心315と頂点314とを結ぶ線分上に位置する。そのため、第2の電極3を回転させたとしても、処理面11に対面する有効電極領域31aの幅の中心は、第2の電極3の中心軸(回動軸)方向に変位しないこととなる。
そのため、本実施形態のように、ワーク10の処理面11が長方形状をなし、処理面11の幅が一定である場合には、第2の電極3を回転させた後、所定の位置で停止すると、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wを、ワーク10の処理面11の幅に対応するように、第2の電極3を位置させることができる。
【0050】
そこで、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wが、ワーク10の処理面11の幅に対応した状態で、処理面11と第2の電極3との間に処理ガスを供給し、第1の電極2と第2の電極3との間に高周波電圧を印加すると、高周波電圧の作用により、有効電極領域31aと処理面11との間でプラズマが発生する。このプラズマやプラズマ中のラジカルは、処理面11(ワーク10)と反応して反応生成物を生成する。そして、この反応生成物が気化等によって処理面11から脱離することにより、ワーク10が処理面11の幅に対応してエッチング加工が施される。
すなわち、非有効電極領域31bと処理面11との間でプラズマが発生することなく、有効電極領域31aと処理面11との間で優先的にプラズマが発生することから、ワーク10は、その処理面11の幅に対応してエッチング加工が施される。
【0051】
そして、処理面11の幅に対応してエッチング加工が施されているワーク10を、図1中のX軸方向(すなわち、ワーク10の幅方向とほぼ垂直をなす方向)に移動させると、処理面11が、その幅を維持した状態で長方形状にプラズマ処理されることとなる。その結果、ワーク10の処理面11の形状に対応して処理面11にプラズマ処理を施すことができる。
【0052】
以上のように、本発明のプラズマ処理装置1によれば、第2の電極3を回転させるという比較的簡単な構成で、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wを変化させることができることから、ワーク10に対する第2の電極3の位置合わせを、ワーク10の処理面11の幅に応じて、比較的容易に行うことができる。
また、ワーク10の幅に応じて、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wを変化させる構成となっていることから、第1の電極2と有効電極領域31aとが対面している領域に、ワーク10の処理面11が存在しない部分が生じないことから、電力の無駄が生じてしまうのを確実に防止することができる。
【0053】
上述したように、非有効電極領域31bにおいてプラズマが発生することなく、有効電極領域31aにおいて優先的にプラズマが発生する第2の電極3の構成としては、例えば、以下のような構成のものが挙げられる。
すなわち、第2の電極3としては、その外周面に、例えば、I)その外周面において、有効電極領域31aがそれ以外の部分である非有効電極領域31bに対して突出することにより、ワーク10の処理面11に対する距離が近くなるよう構成されているものや、II)その外周面において、有効電極領域31aが非有効電極領域31bよりも導電性が高くなるよう構成されているものが挙げられる。I)の構成とすることにより、有効電極領域31aおよび第1の電極2間の離間距離と、非有効電極領域31bおよび第1の電極2間の離間距離とに差が生じ、この離間距離の差に起因して、有効電極領域31aにおいて優先的にプラズマが発生することとなる。またII)の構成とすることにより、有効電極領域31aと非有効電極領域31bとの導電性の高さの差に起因して、有効電極領域31aにおいて優先的にプラズマが発生することとなる。
【0054】
具体的には、I)の構成の第2の電極3は、例えば、図2(a)に示すように、導電性を有する芯材316の外周面の有効電極領域31aとなる位置に対応するように、導電性を有する凸部317を形成することにより得ることができる。
また、II)の構成の第2の電極3は、例えば、図2(b)に示すように、導電性を有する芯材316の外周面の非有効電極領域31bとなる位置に対応するように、絶縁性材料で構成される凸部318を形成すること、すなわち有効電極領域31aから導電性を有する芯材316の外周面を露出させることにより得ることができる。
【0055】
芯材316の構成材料としては、前述した第1の電極2の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
また、凸部317の構成材料としても、第1の電極2の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
さらに、凸部318の構成材料としては、絶縁性を有していればよく、特に限定されないが、例えば、セラミック(アルミナ)、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリイミド等の絶縁性に優れた絶縁性材料が挙げられる。
【0056】
また、凸部317の高さ(厚さ)は、凸部317の構成材料や芯材316の構成材料の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、1〜30mm程度であるのが好ましく、2〜12mm程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、非有効電極領域31bにおいてプラズマを発生させることなく、有効電極領域31aにおいて確実にプラズマを発生させることができる。
【0057】
凸部318の厚さも、凸部318の構成材料や芯材316の構成材料の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、1〜20mm程度であるのが好ましく、2〜6mm程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、非有効電極領域31bにおいてプラズマを発生させることなく、有効電極領域31aにおいて確実にプラズマを発生させることができる。
なお、芯材316は、中空体で構成されていてもよいし、中実体で構成されていてもよい。
【0058】
また、有効電極領域31aの外周面は、有効電極領域31aにおいて優先的にプラズマが発生する範囲の厚さで、誘電体層(図示せず)で覆われているものであってもよい。かかる構成とすることにより、第2の電極3に火花放電が生じるのを防止することができる。その結果、火花放電により、プラズマ処理装置1に不具合が生じるのを防止することができる。
【0059】
誘電体層を構成する材料としては、できるだけ誘電率の高い材料であるのが好ましく、例えば、アルミナ、ジルコニアのような各種セラミックス材料や、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのような各種ガラス材料等が挙げられる。
また、誘電体層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜10mm程度であるのが好ましく、1〜3mm程度であるのがより好ましい。
【0060】
なお、有効電極領域31aの形状は、上述した二等辺三角形に類似する形状をなしていても、上述のような作用・効果が同様に得られる。かかる形状は、具体的には、辺312および辺313の双方が、中心315と頂点314とを結ぶ線分に向かって同一の曲率半径で湾曲するものであってもよいし、これとは反対側に湾曲するものであってもよい。
なお、プラズマ処理装置1は、第1の電極2と有効電極領域31aとの離間距離を接近または離間させるように駆動する機能を有しているのが好ましい。プラズマ処理装置1をかかる機能を備えるものとすることにより、第1の電極2と有効電極領域31aとの離間距離を所望の大きさに設定できることから、第2の電極3の形状等に関係なく、第1の電極2と、処理面11と対面する有効電極領域31aとの間において、優先的にプラズマを発生させることができる。
【0061】
次に、上述したような構成のプラズマ処理装置1を用いてワーク10にエッチング加工を施す方法について説明する。
<1A> まず、操作者は、ワーク10の処理面11の幅の大きさ(広さ)等を、操作部7に入力する。これにより、処理面11の幅等のデータを記憶手段8に記録する。
<2A> 次に、操作者は、ワーク10を、その処理面11が上側になるようにして、第1の電極2に設けられたワーク設置部21に載置した後、プラズマ処理装置1を作動させる。
【0062】
<3A> プラズマ処理装置1が作動を開始すると、制御手段6は、記憶手段8が記憶しているワーク10の幅のデータに基づいて、まず、駆動源33を作動させて、図1に示すように、第2の電極3を回転させて、ワーク10の処理面11に対面する有効電極領域31aの幅Wを、ワーク10の処理面11の幅に対応させる。そして、処理面11に対面する有効電極領域31aの幅Wが、ワーク10の処理面11の幅に対応する位置で、制御手段6は、第2の電極3の回転を停止させる。
ここで、図1で示したワーク10の処理面11よりも、幅広の処理面11’を有するワーク10’を処理する場合には、図3に示すように、ワーク10’の処理面11’の幅に対応させるために、処理面11に対面する有効電極領域31aの幅Wが大きくなるように、第2の電極3を回転させた後、停止させる。
【0063】
<4A> 次に、制御手段6は、高周波電源41を作動させるとともに、スイッチ45を閉じる。この高周波電源41の作動により、第1の電極2と第2の電極3(処理面11と対面する有効電極領域31a)との間に高周波電圧が印加され、これらの間に電界が発生する。
また、このとき、制御手段6は、記憶手段8が記憶しているワーク10の幅のデータに基づいて、すなわちワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wの大きさに基づいて、各ノズル510〜519のうち、処理面11と対面する有効電極領域31aに対応して位置する4個のノズル513〜516に連結するバルブ54を開き、レギュレータ53によりガスの流量を調整することにより、ガスボンベ52から処理ガス(エッチング用の処理ガス)を送出する。これにより、ガスボンベ52から送出された処理ガスは、供給管55内を流れ、図1に示すように、4個のノズル513〜516の開口部から処理ガスが流出(噴出)される。その結果、処理ガスは、第2の電極3とワーク10との間のうち有効電極領域31aの幅Wに対応する領域に選択的に導入(供給)され、放電によって活性化されることによりプラズマが発生する。このように電界が発生している、第1の電極2と、処理面11と対面する有効電極領域31aとの間に選択的に処理ガスを供給する構成とすることにより、これらの間にプラズマを確実かつ選択的に発生させることができるとともに、過剰な量の処理ガスが供給されてしまうのを確実に防止することができる。
【0064】
この電界が発生している部位、すなわち、処理面11と対面する有効電極領域31aと、ワーク10との間に発生したプラズマ(活性化された処理ガス)は、有効電極領域31aと対面する領域に位置する処理面11に接触し、その処理面11がエッチングされる。
このとき、処理ガスの供給量(各ノズル510〜519により供給される処理ガスの総量)は、各レギュレータ53により、ワークの処理面と対面する有効電極領域31aの幅Wの大きさに応じて調整されている。すなわち、レギュレータ53は、図1のように、図3で示した場合と比較して有効電極領域31aの幅Wが小さくなっている場合では、処理ガスの供給量を少なく設定する。このように、有効電極領域31aの幅に応じて処理ガスの供給量を調整する(変化させる)構成とすることにより、過剰な量の処理ガスが供給されることなく、処理面11と有効電極領域31aとの間に、プラズマを確実に発生させることができる。その結果、無駄となる処理ガス量の削減を図ることができる。
なお、図1で示したワーク10の処理面11よりも、図3に示すような幅広の処理面11’を有するワーク10’を処理する場合には、制御手段6は、8個のノズル511〜518に連結するバルブ54を開くことにより、これらのノズル511〜518の開口部から処理ガスを流出(噴出)するようにすればよい。
【0065】
<5A> 次に、制御手段6は、搬送手段を作動させることにより、第1の電極2を図1中のX軸方向に移動させる。これにより、第1の電極2上に載置されたワーク10も、X軸方向、すなわちワーク10の幅方向とほぼ垂直をなす方向に移動することとなる。その結果、前記工程<4A>において、処理面11と有効電極領域31aとの間に発生したプラズマにより、有効電極領域31aの幅Wすなわち処理面11の幅でX軸方向に向かって、順次、処理面11がプラズマによりエッチングされることとなる。このように、搬送手段によりワーク10を移動させる構成とすることにより、処理面11の全面にわたってプラズマ処理を施すことができるようになる。
<6A> 次に、処理面11の全面にプラズマ処理が施された時点で、制御手段6は、搬送手段、電源回路4およびガス供給部5の作動を停止させる。その後、操作者は、ワーク10をワーク設置部21から取り外す。
【0066】
以上のような工程を経て、ワーク10の処理面11のエッチングが行われる。
このようなプラズマ処理装置1によれば、第2の電極3を回転させるという比較的簡単な構成で、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wを変化させることができることから、ワーク10に対する第2の電極3の位置合わせを、ワーク10の処理面11の幅に応じて、比較的容易に行うことができる。
また、ワーク10の幅に応じて、処理面11と対面する有効電極領域31aの幅Wを変化させる構成となっていることから、第1の電極2と有効電極領域31aとが対面している領域に、ワーク10の処理面11が存在しない部分が生じないことから、電力の無駄が生じてしまうのを確実に防止することができる。
【0067】
さらに、有効電極領域31aの幅の大きさに応じて、処理ガスを供給する幅も変化するよう構成されていることにより、過剰な量の処理ガスが第2の電極3とワーク10の処理面11との間に供給されてしまうのを確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、ワーク10のほぼ全面が処理面11で構成される場合について説明したが、このような場合に限定されず、ワーク10は、その上面の一部が四角形状の処理面11で構成されるものであってもよい。かかる構成のワーク10のであっても、前記と同様にして、処理面11に対してプラズマ処理を施すことができる。
【0068】
<第2実施形態>
次に、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を模式的に示す斜視図(一部ブロック図を含む)である。なお、以下の説明では、図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0069】
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、処理するワークの形状が円形であることにより、第2の電極3が異なる動作をすること以外は、前記第1実施形態とほぼ同様である。
本実施形態では、長方形状をなすワーク10に代えて、円形状のワーク10’’がワーク設置部21に載置されており、以下、この円形状のワーク10’’の上面の全面すなわち円形状の処理面11’’を、プラズマ処理装置1を用いてエッチング加工を施す方法について説明する。
【0070】
<1B> まず、操作者は、ワーク10’’の処理面11’’の半径の大きさ等を、操作部7に入力する。これにより、処理面11’’の半径等のデータを記憶手段8に記録する。
<2B> 次に、操作者は、ワーク10’’を、その処理面11’’が上側になるようにして、第1の電極2に設けられたワーク設置部21に載置した後、プラズマ処理装置1を作動させる。
【0071】
<3B> プラズマ処理装置1が作動を開始すると、制御手段6は、まず、搬送手段を作動させて、処理面11’’の一端部が、有効電極領域31aに対面する位置までワーク10’’を移動させた後、停止させる。そして、制御手段6は、駆動源33を作動させて、処理面11’’に対面する有効電極領域31aの幅Wが、ゼロ近傍となる位置、すなわち処理面11’’に頂点314が対面する位置で、第2の電極3の回転を停止させる。
【0072】
<4B> 次に、前記工程<4A>と同様にすることにより、制御手段6は、電源回路4およびガス供給部5を作動させて、頂点314と処理面11’’との間にプラズマを発生させる。これにより、頂点314と対面する処理面11’’の一端部がエッチングされる。
なお、このとき、ガス供給部5により供給される処理ガスは、その有効電極領域31aの幅方向(図4中のY軸方向)の幅が頂点314の大きさに対応するように、各ノズル510〜519のうち1個のノズル514から供給されるように設定されている。
【0073】
<5B> 次に、制御手段6は、搬送手段を作動させることにより、第1の電極2を図4中のX軸方向に移動させる。これにより、第1の電極2上に載置されたワーク10’’も、X軸方向、すなわちワーク10’’の幅方向とほぼ垂直をなす方向に移動する。
この移動にともなって、第2の電極3(有効電極領域31a)と対面する処理面11の幅の大きさは、処理面11’’の一端部と対面してからその幅の大きさが直径と一致するまでの間では漸増し、その幅の大きさが直径と一致してからその他端部と対面するまでの間では漸減することとなる。
そのため、有効電極領域31aと対面する処理面11’’の幅が変化するにも拘わらず、処理面11’’の全面にプラズマ処理を施すには、処理面11’’の幅が漸増または漸減するに伴って、これに対応するように、有効電極領域31aの幅を漸増または漸減させる必要がある。
【0074】
そこで、本実施形態のプラズマ発生装置1では、制御手段6は、駆動源33を作動させて、有効電極領域31aが処理面11’’の一端部と対面してから、対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致するまでの間、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸増するように、図4中矢印Aで示す方向に、第2の電極3を回転させるよう構成されている。そして、制御手段6は、有効電極領域31aが対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致してから、処理面11’’の他端部と対面するまでの間、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸減するように、図4中矢印Bで示す方向に、第2の電極3を回転させるよう構成されている。すなわち、制御手段6は、第2の電極3を回転させることにより、有効電極領域31aの幅Wを、ワーク10’’の処理面11’’の幅に対応させるよう構成されている。
さらに、制御手段6は、ワーク10’’の処理面11’’に対面する有効電極領域31aの幅Wの大きさに対応するように、処理ガスが噴出されるノズルを選択することにより、有効電極領域31aの幅方向に対して処理ガスを供給する幅が変化するように構成されている。
【0075】
かかる構成とすることにより、処理面11’’と有効電極領域31aとの間に発生するプラズマは、処理面11’’の幅の大きさに対応して発生することとなる。その結果、有効電極領域31aの幅Wすなわち処理面11’’の幅でX軸方向に向かって、順次、処理面11’’をプラズマによりエッチングすることができることから、処理面11’’の全面にわたってプラズマ処理を施すことができる。
【0076】
ところで、本実施形態のように、処理面11’と対面する有効電極領域31aの幅Wの大きさが変化する構成とすると、第1の電極2と第2の電極3(有効電極領域31a)との間の電力密度の大きさが変化する。このように電力密度の大きさが変化した状態で、被処理面11’’にプラズマ処理を施すと、処理面11’’のエッチングにムラが生じることとなる。
そのため、第1の電極2と第2の電極3との間の電力密度の大きさが変化する場合には、この電力密度の大きさの変化を緩和するような構成とするのが好ましい。これにより、処理面11’’のエッチングレートに差が生じるのが抑制され、その結果、処理面11’’のエッチング(処理)のムラが緩和される。
【0077】
この電力密度の大きさの変化を緩和する方法としては、特に限定されないが、例えば、ワーク10の第2の電極3に対する相対移動速度を調整する方法が挙げられる。具体的には、本実施形態では、有効電極領域31aが処理面11’’の一端部と対面してから、対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致するまでの間のように、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸増する場合には、ワーク10の移動速度を減速するように構成する。そして、有効電極領域31aが対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致してから、処理面11’’の他端部と対面するまでの間のように、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸減する場合には、ワーク10の移動速度を加速するように構成すればよい。
【0078】
その他、電力密度の大きさの変化を緩和する方法としては、例えば、電源回路4により第1の電極2と第2の電極3との間に印加される電力の大きさを調整する方法が挙げられる。具体的には、本実施形態では、有効電極領域31aが処理面11’’の一端部と対面してから、対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致するまでの間のように、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸増する場合には、高周波電源41により印加される電力の大きさが漸増するように構成する。そして、有効電極領域31aが対面する処理面11’の幅の大きさが直径と一致してから、処理面11’’の他端部と対面するまでの間のように、処理面11’’と対面する有効電極領域31aの幅Wが漸減する場合には、高周波電源41により印加される電力の大きさが漸減するように構成すればよい。
【0079】
<6B> 次に、処理面11’’の全面にプラズマ処理が施された時点で、制御手段6は、搬送手段、電源回路4およびガス供給部5の作動を停止させる。その後、操作者は、ワーク10’’をワーク設置部21から取り外す。
以上のような工程を経て、円形状のワーク10’’の処理面11’’のエッチングが行われる。
【0080】
以上のような構成とすることにより、本実施形態のプラズマ処理装置1は、円形状の処理面11’’に対してプラズマ処理を施すことができ、前記第1実施形態のプラズマ処理装置1と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、有効電極領域31aの形状が二等辺三角形をなす場合について説明したが、このような場合の他、ワーク10’’の処理面11’’の形状に対応するように形成されていてもよい。かかる構成とする場合、ワーク10’’の移動および第2の電極3の回転を、それぞれの形状が対応するようにして行うことにより、処理面11’’の全面にプラズマ処理を施すことができ、上述のような作用・効果が同様に得られる。
【0081】
<第3実施形態>
次に、本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態について説明する。
図5は、本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態を模式的に示す斜視図(一部ブロック図を含む)である。なお、以下の説明では、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のプラズマ処理装置は、ガス供給部5が有するノズルの構成が異なり、カバー34を有すること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0082】
本実施形態では、図5に示すように、ノズル51の開口部が第2の電極3の有効電極領域31aで開口するように複数設けられている。このように、有効電極領域31aでノズル51が開口する構成とすることにより、有効電極領域31aから選択的に処理ガスが噴出することとなる。
さらに、第2の電極3に、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aに位置する以外のノズル51を被覆するカバー(被覆部)34が設けられている。
【0083】
このカバー34は、カバー34により被覆した有効電極領域31aに位置するノズル51からの処理ガスの噴出を阻止する機能を有するものである。このようなカバー34を第2の電極3に設ける構成とすることにより、ワーク10の処理面11と対面する有効電極領域31aに位置するノズル51から、選択的に処理ガスを噴出させることができる。
そのため、第2の電極3を回転させることにより、ワーク10の処理面11に対面する有効電極領域31aの幅Wを変化させることができるとともに、この幅Wの変化に応じて、第2の電極3と処理面11との間に供給される処理ガスの幅をも変化させることができる。
【0084】
本実施形態のように、第2の電極3の回転により、処理面11に対面する有効電極領域31aの幅Wと、第2の電極3と処理面11との間に供給される処理ガスの幅との双方が変化する構成とすることにより、制御手段6は、第2の電極3の作動を制御することにより、これらの双方の大きさを変化させることができるため、プラズマ処理装置1の装置構成の簡略化を図ることができる。
なお、カバー34の構成材料としては、特に限定されないが、ノズル510〜519の構成材料で説明したのと同様のものを用いることができる。
このような本実施形態のプラズマ処理装置1によっても、前記第1実施形態で説明したプラズマ処理装置1と同様の作用・効果が得られる。
【0085】
以上、本発明のプラズマ処理装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、プラズマ処理装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成と置換することができ、または、任意の構成のものを付加することもできる。
また、本発明のプラズマ処理装置は、各前記実施形態のうち任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の第1実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置が備える第2の電極の構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のプラズマ処理装置により、幅広のワークを処理する場合を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明のプラズマ処理装置の第2実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明のプラズマ処理装置の第3実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図6】従来のプラズマ処理装置によりワークを処理する際のワークと電極との位置関係を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1……プラズマ処理装置 2……第1の電極 21……ワーク設置部 3……第2の電極 31a……有効電極領域 31b……非有効電極領域 311、312、313……辺 314……頂点 315……中心 316……芯材 317、318……凸部 32……回動軸 33……駆動源 34……カバー 4……電源回路 41……高周波電源 42、43……配線 44……整合器 45……スイッチ 5……ガス供給部 51、510、511、512、513、514、515、516、517、518、519……ノズル 52……ガスボンベ 53……レギュレータ 54……バルブ 55……供給管 6……制御手段 7……操作部 8……記憶手段 10、10’、10’’……ワーク 11、11’、11’’……処理面 102……第1の電極 103……第2の電極 110、110’……ワーク W……幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを設置するワーク設置部と、
第1の電極と、
前記ワーク設置部の前記第1の電極の対向側に位置し、外周面が前記ワーク設置部に設置されたワークの処理面に対面するように設置され、中心軸を回動軸として回転可能な円筒状の第2の電極と、
前記第2の電極と前記ワークとの間隙にプラズマを生成するための処理ガスを供給するガス供給手段と、
前記間隙に供給された処理ガスがプラズマ化するように前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電圧を印加する電源を備えた電源回路とを有し、
発生したプラズマにより、前記ワークの処理面を処理するプラズマ処理装置であって、
前記第2の電極は、前記外周面に、周方向に沿って、有効電極領域の幅が変化している部分を有し、
当該第2の電極を、前記中心軸を回動軸として回転させることにより、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅が変化するよう構成され、
前記ガス供給手段により、前記処理ガスの前記有効電極領域の幅方向に対する供給領域が可変となっており、前記有効電極領域の幅の大きさに応じて、前記処理ガスを供給する幅も変化するよう構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記ガス供給手段は、前記処理ガスを噴出させるノズルを複数有し、前記処理ガスが噴出される前記ノズルを選択することにより、前記処理ガスを供給する幅が変化する請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
複数の前記ノズルは、前記処理ガスを噴出する開口部が前記ワークと前記第2の電極との間に向けて開口するように設けられており、
前記ガス供給手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に対応して位置する前記ノズルから、前記処理ガスを噴出させる請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
複数の前記ノズルは、前記処理ガスを噴出する開口部が前記有効電極領域で開口するように前記第2の電極に設けられており、
前記ガス供給手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に位置する前記ノズルから、前記処理ガスを噴出させる請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記ノズルからの前記処理ガスの噴出を阻止する被覆部を有し、
当該被覆部により、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域に位置する以外の前記ノズルが覆われている請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記ガス供給手段は、単位時間あたりに供給される処理ガスの供給量を可変し得るガス調整手段を有する請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記ガス調整手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅に応じて処理ガスの供給量を変化させる請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記第2の電極は、前記中心軸の一方向の回転に伴って、前記ワークの処理面に対面する前記有効電極領域の幅が漸減または漸増するよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記第2の電極は、回転させたとき、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の中心が、前記第2の電極の回動軸方向に変位しない請求項1ないし8のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記第2の電極は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の中心が、前記ワークの処理面の幅の中心に対応する請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記第2の電極は、前記外周面において、前記有効電極領域が前記有効電極領域以外の部分に対して突出することにより、前記処理面に対する距離が近くなるよう構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記第2の電極は、前記外周面において、前記有効電極領域が前記有効電極領域以外の部分よりも導電性が高くなるよう構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記第2の電極の回転を制御する制御手段を有する請求項1ないし12のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅が、前記ワークの処理面の幅に対応するように、前記第2の電極の回転を制御する請求項13に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記ワークの処理面の幅が変化する前記ワークを、前記第2の電極に対して相対的に移動させて処理するに際し、
前記制御手段により、前記第2の電極を回転させつつ、前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅を前記ワークの処理面の幅に対応させて、前記ワークの処理面を処理する請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の大きさが変化することにより生じる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電力密度の大きさの変化を緩和するように、前記ワークの前記第2の電極に対する相対移動速度を調整する請求項15に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記ワークの処理面と対面する前記有効電極領域の幅の大きさが変化することにより生じる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電力密度の大きさの変化を緩和するように、前記電源回路により前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される電力の大きさを調整する請求項15に記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−147536(P2008−147536A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335373(P2006−335373)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】