説明

ポリアミド樹脂及びポジ型感光性樹脂組成物並びにそれらを用いた半導体装置及び表示素子

【課題】 本発明は、リフロ−耐性や密着性に優れるポリアミド樹脂、及び当該樹脂を用いた現像特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた高信頼性の半導体装置、表示素子及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】
下記式で表される構造単位(I)及び(II)を含むポリアミド樹脂による。
【化47】


(式中、Y1がシロキサン結合を有する有機基、Y2が不飽和結合を有する有機基である。Xは2〜4価の有機基、Y1、Y2は2〜6価の有機基を表す。樹脂中のX、Y1及びY2はそれぞれ同一でも異なっても良い。aは0〜2の整数、bは0〜4の整数である。R1は水酸基、または−O−R3を表す。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3 、−COO−R3 のいずれかを表す。R3は炭素数1〜15の有機基を表す。R1、R2は繰り返しにおいて、それぞれ同一であっても異なってもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂及びポジ型感光性樹脂組成物並びにそれらを用いた半導体装置及び表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には、耐熱性に優れ又卓越した電気特性、機械特性等を有するポリベンゾオキサゾ−ル樹脂やポリイミド樹脂が用いられている。一方、プロセスを簡略化するため、それらポリベンゾオキサゾ−ル樹脂やポリイミド樹脂に感光材のジアゾキノン化合物と組み合わせたポジ型感光性樹脂も使用されている(特許文献1)。
近年、半導体素子の小型化、高集積化による多層配線化、チップサイズパッケ−ジ(CSP)、ウエハ−レベルパッケ−ジ(WLP)への移行等により、ウエハ−プロセス工程において様々な薬液で処理される様になってきた。これら新しいパッケ−ジでは従来のワイヤ−ボンディングからバンプを用いた形態へと移ってきている。
【特許文献1】特公平1−46862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
第一に、通常バンプを搭載する際には、フラックスを使用してリフロ−を通すが、この時、先のポジ型感光性樹脂の硬化膜とフラックスが直接接することになり、その際、しばしば皺やクラックがポジ型感光性樹脂の硬化膜に発生するという問題があり、リフロ−耐性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を開発する必要があるという課題が生じていた。
【0004】
第二に、WLPではバリアメタル等にTiを使用するが、その際Tiのエッチング液にフッ化水素酸が使われることが多く、しばしばエッチング中にこれらポジ型感光性樹脂が基板から剥がれるという問題があった。そこで、その剥がれを解決するためにシランカップリング剤や密着助剤を加えることが検討されているが、効果は弱く、更なるフッ化水素酸に対する耐性を有するポジ型感光性樹脂が望まれていた。
【0005】
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、その目的とするところはリフロ−耐性に優れるポリイミド樹脂、及び当該樹脂を用いた現像特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。また本発明の別な目的は密着性に優れるポリイミド樹脂、及び当該樹脂を用いた現像特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記[1]〜[15]に記載の発明により達成される。
[1]下記式で表される構造単位(I)及び(II)を含むポリアミド樹脂。
【0007】
【化5】

(式中、Y1がシロキサン結合を有する有機基、Y2が不飽和結合を有する有機基である。Xは2〜4価の有機基、Y1、Y2は2〜6価の有機基を表す。樹脂中のX、Y1及びY2はそれぞれ同一でも異なっても良い。aは0〜2の整数、bは0〜4の整数である。R1は水酸基、または−O−R3を表す。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3 、−COO−R3 のいずれかを表す。R3は炭素数1〜15の有機基を表す。R1、R2は繰り返しにおいて、それぞれ同一であっても異なってもよい。)
[2]式(1)で表される構造で表されるポリアミド樹脂。
【0008】
【化6】

(式中、Y1がシロキサン結合を有する有機基、Y2が不飽和結合を有する有機基、Y3がシロキサン結合も不飽和結合も有しない有機基であるポリアミド樹脂である。Xは2〜4価の有機基、Y1、Y2及びY3は2〜6価の有機基を表す。樹脂中のX、Y1、Y2及びY3はそれぞれ同一でも異なっても良い。l、m、nは構造単位のモル比であって、l+m+n=100、l、m>0、n≧0である。aは0〜2の整数、bは0〜4の整数である。R1は水酸基、または−O−R3を表す。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3 、−COO−R3 のいずれかを表す。R3は炭素数1〜15の有機基を表す。R1、R2は繰り返しにおいて、それぞれ同一であっても異なってもよい。)
[3]
前記シロキサン結合が下記式で表される構造である[1]または[2]記載のポリアミド樹脂。
【0009】
【化7】

(式中、R4 、R5 は2価の有機基、R6 、R7 は1価の有機基をそれぞれ表す。nは0〜20を示す。)
[4]前記不飽和結合が三重結合である[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、当該樹脂の両末端が、不飽和結合を有する酸無水物によって封止されていることを特徴とするポリアミド樹脂。
[6] [1]乃至[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、当該樹脂の両末端が、
分子内に二重結合を有する酸無水物、及び、
分子内に三重結合を有する酸無水物、
によって封止されていることを特徴とするポリアミド樹脂。
[7](A)[1]乃至[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂、
(B)感光性ジアゾキノン化合物、
を含んでなるポジ型感光性樹脂組成物。
[8] [7]記載のポジ型感光性樹脂組成物が、更に(C)フェノ−ル性水酸基を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
[9]前記(C)フェノ−ル性水酸基を有する化合物が、下記式で表される構造である[8]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0010】
【化8】

(式中、R8、R9、はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、
シクロアルキル基、シクロアルコキシ基の内から選ばれた1つを表す。m=0〜5、
n=0〜5である。R8、R9は同じでも異なっても良い。
p=0〜3の整数、q=0〜3の整数であり、p+q≧2である。
R10 は単結合、メチレン基、アルキレン基、酸素原子、カルボニル基、
カルボニルエ−テル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基の内から
選ばれた1つを表す。)
[10] [7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
前記活性エネルギ−線照射後の樹脂層に現像液を接触させ、次いで当該樹脂層を加熱する工程、
を含むことを特徴とするパタ−ン形成方法。
[11]半導体チップと、その回路面側に積層された保護膜を備える半導体装置であって、
前記保護膜が[7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物により構成された半導体装置。
[12]表示素子用基板と、その表面を覆う平坦化膜を備える表示素子であって、
前記平坦化膜が[7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を含むものである表示素子。
[13]前記表示素子が、更に絶縁膜を備えるものであって、当該絶縁膜が[7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を含むものである[12]記載の表示素子。
[14]半導体チップと、その回路面側に積層された保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、
前記半導体チップ上に[7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
前記活性エネルギ−線照射後の当該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記保護膜を形成する工程、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
[15]表示素子用基板とその表面を覆う平坦化膜を備える表示素子の製造方法であって、
前記表示素子用基板上に[7]乃至[9]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
活性エネルギ−線照射後の当該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記平坦化膜を形成する工程、
を含むことを特徴とする表示素子の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、リフロ−耐性や密着性に優れるポリアミド樹脂、及び当該樹脂を用いた現像特性に優れるポジ型感光性樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いた高信頼性の半導体装置、表示素子及びその製造方法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第一の形態は、下記式で表される構造単位(I)及び(II)を含むポリアミド樹脂である。なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。以下に本発明のポリアミド樹脂について詳細に説明する。
【0013】
【化9】

【0014】
一般式(1)で表されるポリアミド樹脂は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などを含むものとする。一般式(1)のXは、2〜4価の有機基であり、例えば下記の構造のものが挙げられる。
【0015】
【化10】

(式中A3は、−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、又は単結合である。R12はアルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。r=0〜2の整数である。また、R13は水素原子、アルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子から選ばれた1つを表す。)
【0016】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記の構造のものであり、これらは2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0017】
【化11】

(式中A4は、−C(CH3)2−、−O−、−SO2−、−C(CF3)2−又は単結合である。R14はアルキル基、アルキルエステル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。 r=0〜2の整数である。)
【0018】
本発明に用いられる一般式(1)中のY1(シロキサン結合を有する有機基)で示される構造として、例えば下記の構造のものが挙げられる。
【0019】
【化12】

【0020】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記で示される構造を有するものが挙げられる。
【0021】
【化13】

【0022】
また、本発明に用いられる一般式(1)中のY2(不飽和結合を有する有機基)としては、例えば下記の構造のものが挙げられる。
【0023】
【化14】

(Rは、水素又は炭素数1から15の炭化水素で表される有機基の中から選ばれる一価の基を示す。
式中のA1は、−O−、−SO2−、−C(CH3)2−又は−C(CF3)2−である。)
【0024】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記で示される構造を有するものが挙げられる。
【0025】
【化15】

(Rは、水素又は炭素数1から15の炭化水素で表される基の中から選ばれる一価の有機基を示す 。)
【0026】
本発明に用いられる一般式(1)中のY2(不飽和結合を有する有機基)として、上記の他に二重結合を有する有機基を使用してもよい。
【0027】
本発明に用いられる一般式(1)中のY3(シロキサン結合も不飽和結合も有しない有機基)で示される構造として、例えば下記の構造のものが挙げられる。
【0028】
【化16】

(式中A5は、−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−又は単結合である。R15はアルキル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。r=0〜2の整数である。)
【0029】
【化17】

(R16はアルキル基、ハロゲン原子の内から選ばれた1つを表し、それぞれ同じでも異なっていてもよい。r=0〜2の整数である。)
【0030】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記の構造のものであり、これらは2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0031】
【化18】

【0032】
シロキサン結合を有する有機基を含むジカルボン酸とジアミンの構造単位(I)と、不飽和結合を有する有機基を含むジカルボン酸とジアミンの構造単位(II)の合計が、樹脂中のすべてのジアミンとジカルボン酸の構造単位に対して、0.1モル%以上70モル%以下であることが好ましい。上記比率が0.1モル%以上であると本発明の特徴であるリフロ−耐性、フッ化水素酸に対する耐性の効果、耐薬品性が向上し、70.0モル%以下であると、硬化膜の引っ張り伸度が充分な強度に達する。
【0033】
本発明のポリアミド樹脂は、ジカルボン酸(テトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸等の誘導体を含む)とジアミン(ビス(アミノフェノ−ル)、2,4−ジアミノフェノ−ル等のアミノフェノ−ル類を含む)の反応によって得られる。
【0034】
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としての−O−R3およびY1、Y2、Y3の置換基としての−O−R3、−COO−R3は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基であるR3で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R3の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、タ−シャリ−ブチル基、タ−シャリ−ブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
【0035】
本発明のポリアミド樹脂を約250〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド樹脂、又はポリベンゾオキサゾ−ル樹脂、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
【0036】
また本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止には、不飽和結合を有するカルボン酸化合物(カルボン酸の誘導体を含むものとする)または不飽和結合を有するアミン化合物を一般式(1)で示されるポリアミドの末端に反応させてアミド結合を介して導入することができる。
【0037】
不飽和結合を有するカルボン酸化合物の誘導体としては、テトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体などが挙げられる。
【0038】
不飽和結合を有するカルボン酸化合物の好ましい末端構造としては、例えば下記の構造のものが挙げられる。下記式で表される末端は、ポリアミド樹脂の両末端のアミノ基とアミド結合を介して結合している。
【0039】
【化19】

【0040】
【化20】

【0041】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記の構造のものであり、これらは2種類以上組み合わせて用いても良い。
【化21】

【0042】
不飽和結合を有するアミン化合物の好ましい末端構造としては、例えば下記の構造のものが挙げられる。下記式で表される末端は、ポリアミド樹脂の両末端のカルボキシル基とアミド結合を介して結合している。
【0043】
【化22】

(R17 、R18 、R19は、水素又は炭素数1から15の炭化水素で表される基の中から選ばれる一価の有機基を示す 。)
【0044】
これらの中で特に好ましいものとしては、下記の構造のものであり、これらは2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0045】
【化23】

【0046】
本発明の末端封止剤として、分子内に二重結合を有する化合物と、分子内に三重結合を有する化合物の両方を併用してもよい。分子内に二重結合を有する化合物を封止剤として用いると、耐薬品性が向上し、分子内に三重結合を有する化合物を封止剤として用いると、耐リフロ−性が向上する。従ってこれらを併用することで、耐薬品性と耐リフロ−性の両方に優れるポリアミド樹脂を得ることができると考えられる。
【0047】
本発明の第二の形態としては、(A)本発明のポリアミド樹脂、(B)感光性ジアゾキノン化合物を含んでなるポジ型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0048】
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)は、1,2−ベンゾキノンジアジドあるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。合成方法としては、フェノール化合物と1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドあるいは1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドを反応させることによって得られる。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)の具体例として、下記のものが挙げられる。
【0049】
【化24】

【0050】
【化25】

【0051】
【化26】

【0052】
これらの内で、特に好ましいものは、フェノ−ル化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルである。これらについては例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは2種類以上用いても良い。
【0053】
【化27】

【0054】
【化28】

【0055】
【化29】

【0056】
【化30】

【0057】
【化31】

【0058】
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物(B)の添加量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。1重量部を超えるとパタ−ンがより良好になり、50重量部未満だと感度がより向上する。
【0059】
更に本発明では、高感度で更に、現像時に現像残り(スカム)無く高解像度でパタ−ニングできるようにフェノ−ル性水酸基を有する化合物(C)を併用することが好ましい。フェノ−ル性水酸基を有する化合物の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましい。好ましいフェノ−ル化合物としては下記式で示されるものである。
【0060】
【化32】

【0061】
上記式の具体的な構造としては下記のもの等を挙げることができる。
【0062】
【化33】

【0063】
【化34】

【0064】
【化35】

【0065】
【化36】

【0066】
【化37】

【0067】
【化38】

【0068】
【化39】

【0069】
これらの中で好ましくは、下記構造で示されるものである。
【0070】
【化40】

【0071】
本発明のポリアミド樹脂は溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N´−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−ト、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコ−ルアセテ−ト、1,3−ブチレングリコ−ル−3−モノメチルエ−テル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネ−ト等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
【0072】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウェハ−、セラミック基板、アルミ基板等に塗布する。塗布量は、半導体装置の場合、硬化後の最終膜厚が0.1〜50μmになるよう塗布する。膜厚が下限値未満だと、半導体素子の保護表面膜としての機能を十分に発揮することが困難となり、上限値を越えると、微細な加工パタ−ンを得ることが困難となるばかりでなく、加工に時間がかかりスル−プットが低下する。塗布方法としては、スピンナ−を用いた回転塗布、スプレ−コ−タ−を用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロ−ルコ−ティング等がある。次に、60〜130℃でプリベ−クして塗膜を乾燥後、所望のパタ−ン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜500nmの波長のものが好ましい。
【0073】
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリ−フパタ−ンを得る。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ類水溶液、およびこれにメタノ−ル、エタノ−ルのごときアルコ−ル類等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレ−、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。
【0074】
次に加熱処理を行い、オキサゾ−ル環及び/又はイミド環を形成し、耐熱性に富む最終パタ−ンを得る。
【0075】
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁膜やフレキシブル銅張板のカバ−コ−ト、ソルダ−レジスト膜や液晶配向膜、表示素子における素子の層間絶縁膜等としても有用である。
【0076】
半導体用としての具体的用途の例としては、半導体素子上に上述のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによるパッシベ−ション膜、また半導体素子上に形成されたパッシベ−ション膜上に上述のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによるバッファコ−ト膜、半導体素子上に形成された回路上に上述のポジ型感光性樹脂組成物膜を形成することによる層間絶縁膜などを挙げることができる。
【0077】
その中で、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を半導体装置に用いた応用例の1つとして、バンプを有する半導体装置への応用について図面を用いて説明する。図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。図1に示すように、シリコンウェハ−1には入出力用のAlパッド2上にパッシベ−ション膜3が形成され、そのパッシベ−ション膜3にビアホ−ルが形成されている。更に、この上にポジ型感光性樹脂(バッファコ−ト膜)4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成され、その金属膜5は配線6の周辺をエッチングすることにより、各パッド間を絶縁する。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ9が形成されている。
【0078】
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、半導体用途のみならず、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバ−コ−ト、ソルダ−レジスト膜や液晶配向膜、表示素子における素子の層間絶縁膜等としても有用である。その他の半導体装置の製造方法は公知の方法を用いることができる。
【0079】
表示体装置用途としての例は、TFT用層間絶縁膜、TFT素子平坦化膜、カラ−フィルタ−平坦化膜、MVA型液晶表示装置用突起、有機EL素子用陰極隔壁がある。その使用方法は、半導体用途に順じ、表示体素子やカラ−フィルタ−を形成した基板上にパタ−ン化されたポジ型感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによる。表示体装置用途、特に層間絶縁膜や平坦化膜には、高い透明性が要求されるが、このポジ型感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
【実施例1】
【0080】
(実施例1)
[ポリアミド樹脂の合成]
ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸10.6g(41.0ミリモル)、5−フェニルエチニルイソフタル酸9.3g(35.0ミリモル)、1,3−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1’,3,3’−テトラメチルジシロキサン0.02g(6.0ミリモル)と1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル19.5g(164.0ミリモル)とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物(82.0ミリモル)と2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.6g(100.0ミリモル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)254.6gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。次にNMP21.1gに溶解させた4−エチニルイソフタル酸無水物4.3g(25.0ミリモル)を加え1時間攪拌させた後、NMP12.3gに溶解させた5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物2.40g(14.6ミリモル)を加え更に3時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノ−ル=3/1(容積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、ポリアミド樹脂(A−1)を得た。
【0081】
(A−1)の構造は下記式のように推測される。このポリアミド樹脂(A−1)のNMRスペクトルとIRスペクトルを図2、3にそれぞれ示した。図3中の2214.1cm−1はモノマーである5-フェニルエチニル−ジ(1-ベンゾトリアゾイル)イソフタル酸エステルの三重結合由来のピークである。1700cm−1付近はアミド結合由来のピークである。3300cm−1付近はモノマーである2,2'-ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンの水酸基に由来するものである。
【0082】
【化41】

【0083】
[樹脂組成物の作製]
合成したポリアミド樹脂(A−1)100g、感光性ジアゾキノン(B−1)17g、γーブチロラクトン500gに溶解した後、0.2μmのフッ素樹脂製フィルタ−で濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0084】
【化42】

【0085】
[現像性評価]
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ−上にスピンコ−タ−を用いて塗布した後、ホットプレ−トにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャ−トNo.1:幅0.88〜50μmの残しパタ−ン及び抜きパタ−ンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパNSR−4425iを用いて、露光量を200mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に80秒浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。パタ−ンを観察したところ、露光量500mJ/cm2で、7μmのパタ−ンまで良好に開口していることが確認できた。
【0086】
[リフロ−耐性評価]
上記パタ−ン加工したウエハ−をクリ−ンオ−ブンにて酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+350℃/30分で硬化を行った。次にこのウエハ−にタムラ化研(株)製フラックス、BF−30をスピンナ−で500rpm/5秒+1000rpm/30秒の条件で塗布した。リフロ−炉で140〜160℃/100秒(プレヒ−ト)、350℃/30秒の条件で立て続けに連続2回通した。次に40℃に加熱したキシレンで10分洗浄した後、イソプロピルアルコ−ルでリンスして乾燥させた。フラックスを除去した膜表面を金属顕微鏡で観察したところ、クラック、しわ等の発生はなく良好であった。
耐リフロ−試験の評価は表面のシワの発生の有無を顕微鏡で観察することによって行った。
○:シワ全面に無し △:シワ一部に有り ×:シワ全面に有り
【0087】
[フッ酸水溶液耐性評価]
上記パタ−ン加工したウエハ−をクリ−ンオ−ブンにて酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+350℃/30分で硬化を行った。次に、得られたパタ−ンをクリ−ンオ−ブンで酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+350℃/30分で硬化を行った。次に室温の1%のフッ化水素酸溶液に硬化したウエハ−を15分浸漬してもパタ−ンの剥離は観察されなかった。
【0088】
[耐薬品性評価]
上記パタ−ン加工したウエハ−をクリ−ンオ−ブンにて酸素濃度1000ppm以下で、150℃/30分+350℃/30分で硬化を行った。次に室温にて東京応化製STRIPPER−106中に硬化後のウエハを5分間浸漬した。次に、室温のイソプロピルアルコ−ルにてリンスして乾燥させた。表面を金属顕微鏡で観察したところ、シワ、剥離などの発生は無く良好であった。
耐薬品性試験の評価は表面の外観変化を顕微鏡で判断することによって行った。
○:変化無し △ シワ一部有り × シワ全面有り又は剥離
【0089】
[表示素子の作成]
ガラス基板上にITO膜を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィ−法によってこのITO膜をストライプ状に分割した。この上に、実施例1で得られたポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、厚さ約2μmの樹脂層を形成した。次に平行露光機(光源:高圧水銀灯)を使用して露光強度25mW/cmで10秒間ガラスマスクを介し露光を行った。その後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に樹脂層を20秒間浸漬現像することにより、各ストライプ上のITOの縁以外の部分を露出し、ITOの縁部とITOの除去された部分の上にのみ樹脂層が形成されるよう加工を行った。その後、樹脂層全体に露光時に用いた平行露光機を使用して、露光強度25mW/cmで40秒間、後露光を行った後、熱風循環式乾燥器を使用して空気中230℃で1時間加熱硬化を行った。
【0090】
この基板上に、1×10−4Pa以下の減圧下で、正孔注入層として銅フタロシアニン、正孔輸送層としてビス−N−エチルカルバゾ−ルを蒸着した後、発光層としてN,N'−ジフェニル−N,N'−m−トルイル−4,4'−ジアミノ−1,1'−ビフェニル,電子注入層としてトリス(8−キノリノレ−ト)アルミニウムをこの順に蒸着した。さらに、この上に第二電極としてアルミニウム層を蒸着形成した後、フォトレジストを使用した通常のフォトリソグラフィ−法によって、このアルミニウム層を上記ITO膜のストライプと直交をなす方向のストライプ状となるように分割した。得られた基板を減圧乾燥した後、封止用ガラス板をエポキシ系接着剤を用いて接着し、表示体素子を作成した。この表示体素子を80℃で200時間処理した後両電極に電圧を掛け順次駆動を行ったが、何ら問題なく素子は発光した。
【0091】
配合する材料及び添加量を変えた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例1〜3の実験を行った。結果を表1のようにまとめた。
【0092】
【表1】

【0093】
表1中に記載された商品の詳細は以下の通りである。
(1)6FAP;2,2'−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子)
(2) E1;5−フェニルエチニル−イソフタル酸と1−ヒドロキシ―1,2,3−ベンゾトリアゾールを反応させてなるカルボン酸誘導体
(3) E2;5−エチニルイソフタル酸と1−ヒドロキシ―1,2,3−ベンゾトリアゾールを反応させてなるカルボン酸誘導体
(4) E3;1,3−ビス(カルボニルフェニル)−1,1',3,3'−テトラメチルジシロキサンと1−ヒドロキシ―1,2,3−ベンゾトリアゾールを反応させてなるカルボン酸誘導体
(5) E4;1,3−ビス(カルボニルブチル)−1,1',3,3'−テトラメチルジシロキサンと1−ヒドロキシ―1,2,3−ベンゾトリアゾールを反応させてなるカルボン酸誘導体
(6) E5;4,4'−ジカルボニルフェニルエ−テルと1−ヒドロキシ―1,2,3−ベンゾトリアゾールを反応させてなるカルボン酸誘導体
(7) ナジック酸;5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(アクロス)
(8) KK−1;4−エチニルフタル酸無水物(富士フィルム)
(9) TekOC−4HBPA;2,2'−ビス[4,4'−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキシル]プロパンと3−ジアゾ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−ナフタレン−1−スルホン酸からなる誘導体
(10) o,o'−BPF;2,2'−ジヒドロキシジフェニルメタン(東京化成)
【0094】
本発明の実施例で使用された化合物は下記のスキームにより合成される。
【0095】
【化43】

【0096】
【化44】

【0097】
【化45】

【0098】
【化46】

【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、リフロ−耐性及びフッ酸水溶液耐性に優れるポジ型感光性樹脂組成物及び半導体装置であって、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜に好適に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は本発明のバンプ構造を有する樹脂封止型半導体装置の断面図である。
【図2】図2は本発明のポリアミド樹脂(A−1)のNMRスペクトルである。
【図3】図3は本発明のポリアミド樹脂(A−1)のIRスペクトルである。
【符号の説明】
【0101】
1 シリコンウエハ
2 Alパッド
3 パッシベ−ション膜
4 バッファコ−ト膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 ハンダバンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表される構造単位(I)及び(II)を含むポリアミド樹脂。
【化1】

(式中、Y1がシロキサン結合を有する有機基、Y2が不飽和結合を有する有機基である。Xは2〜4価の有機基、Y1、Y2は2〜6価の有機基を表す。樹脂中のX、Y1及びY2はそれぞれ同一でも異なっても良い。aは0〜2の整数、bは0〜4の整数である。R1は水酸基、または−O−R3を表す。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3 、−COO−R3 のいずれかを表す。R3は炭素数1〜15の有機基を表す。R1、R2は繰り返しにおいて、それぞれ同一であっても異なってもよい。)
【請求項2】
式(1)で表される構造で表されるポリアミド樹脂。
【化2】

(式中、Y1がシロキサン結合を有する有機基、Y2が不飽和結合を有する有機基、Y3がシロキサン結合も不飽和結合も有しない有機基であるポリアミド樹脂である。Xは2〜4価の有機基、Y1、Y2、及びY3は2〜6価の有機基を表す。樹脂中のX、Y1、Y2、及びY3はそれぞれ同一でも異なっても良い。l、m、nは構造単位のモル比であって、l+m+n=100、l、m>0、n≧0である。aは0〜2の整数、bは0〜4の整数である。R1は水酸基、または−O−R3を表す。R2は水酸基、カルボキシル基、−O−R3、−COO−R3 のいずれかを表す。R3は炭素数1〜15の有機基を表す。R1、Rは繰り返しにおいて、それぞれ同一であっても異なってもよい。)
【請求項3】
前記シロキサン結合が下記式で表される構造である請求項1または2記載のポリアミド樹脂。
【化3】

(式中、R4 、R5 は2価の有機基、R6 、R7 は1価の有機基をそれぞれ表す。nは0〜20を示す。)
【請求項4】
前記不飽和結合が三重結合である請求項1乃至3のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、当該樹脂の両末端が、不飽和結合を有する酸無水物によって封止されていることを特徴とするポリアミド樹脂。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、当該樹脂の両末端が、
分子内に二重結合を有する酸無水物、及び、
分子内に三重結合を有する酸無水物、
によって封止されていることを特徴とするポリアミド樹脂。
【請求項7】
(A)請求項1乃至6のいずれかに記載のポリアミド樹脂、
(B)感光性ジアゾキノン化合物、
を含んでなるポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項7記載のポジ型感光性樹脂組成物が、更に(C)フェノ−ル性水酸基を有する化合物を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記(C)フェノ−ル性水酸基を有する化合物が、下記式で表される構造である請求項8記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化4】

(式中、R8、R9、はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルエステル基、
シクロアルキル基、シクロアルコキシ基の内から選ばれた1つを表す。 m=0〜5、
n=0〜5である。R8、R9は同じでも異なっても良い。
p=0〜3の整数、q=0〜3の整数であり、p+q≧2である。
R10 は単結合、メチレン基、アルキレン基、酸素原子、カルボニル基、
カルボニルエ−テル基、硫黄原子、スルホニル基、アゾ基の内から選ばれた1つを表す。)
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
前記活性エネルギ−線照射後の樹脂層に現像液を接触させ、次いで当該樹脂層を加熱する工程、
を含むことを特徴とするパタ−ン形成方法。
【請求項11】
半導体チップと、その回路面側に積層された保護膜を備える半導体装置であって、
前記保護膜が請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物により構成された半導体装置。
【請求項12】
表示素子用基板と、その表面を覆う平坦化膜を備える表示素子であって、
前記平坦化膜が請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を含むものである表示素子。
【請求項13】
前記表示素子が、更に絶縁膜を備えるものであって、当該絶縁膜が請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を含むものである請求項12記載の表示素子。
【請求項14】
半導体チップと、その回路面側に積層された保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、
前記半導体チップ上に請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
前記活性エネルギ−線照射後の当該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記保護膜を形成する工程、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
表示素子用基板とその表面を覆う平坦化膜を備える表示素子の製造方法であって、
前記表示素子用基板上に請求項7乃至9のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布して樹脂層を形成する工程、
当該樹脂層の所望の部分に活性エネルギ−線を照射する工程、
活性エネルギ−線照射後の当該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記平坦化膜を形成する工程、
を含むことを特徴とする表示素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−225523(P2006−225523A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−41245(P2005−41245)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】