説明

半導体光装置

【課題】半導体光装置において温度が変化しても出力光の変動を抑制する。
【解決手段】半導体光装置1は、半導体光増幅器2と光波長選択素子3とを有し、光波長選択素子3は第1の光導波路21と、第1の光導波路21の結合導波路32に光学的に結合されるリング共振器22を有する。さらに、リング共振器22と光学的に結合される結合導波路41を含む第2の光導波路23が設けられており、第2の光導波路23には、波長選択反射鏡24が形成されている。波長選択反射鏡24は、垂直回折格子25からなり、リング共振器22で選択された共振モードのピークのうち、1つの共振モードのピークの波長を有する光を反射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ通信や光インターコネクトにおいては、発光素子とシリコン(Si)光導波路をハイブリッド積層した半導体光装置が光源などとして用いられる。このような半導体光装置では、低い消費電力で動作できると共に、モジュールを小型化できるという利点を有する。
【0003】
これまでに開発されている半導体光装置としては、発光素子から出力される光の波長を複数のリング共振器を有する多重リング共振器を用いて選択し、発振させる外部共振型レーザがある。
【0004】
ここで、多重リング共振器としては、特定の波長の光に共振する波長固定用リング状導波路と、共振波長を調整可能な波長可変用リング状導波路とを有するものが知られている。波長可変用リング状導波路には、膜状ヒータが取り付けられており、膜状ヒータで導波路の屈折率を変化させることで、波長可変用リング状導波路の共振波長を変化させている。このような多重リング共振器では、2つのリング状導波路の共振波長を僅かに異ならせることにより生じるバーニア効果によって発振波長を厳密に選択できる。
【0005】
また、半導体光装置の他の例としては、3つのリング共振器を直列に光結合した波長フィルタと、リング共振器型の光変調器とを備えるものがある。光変調器には、導波路の屈折率を変化させるための電極が設けられている。波長フィルタと光変調器のそれぞれは、リング状導波路を有し、同一の基板上に集積され、実質的に同一の導波路構造を形成している。これにより、波長フィルタと光変調器の各光導波路の屈折率が一致し易くなり、光変調器の発振波長と発光素子の発振波長とを合わせ易くなる。なお、波長フィルタでは、複数のリング共振器が直列に光結合されるので、波長フィルタを通過する光の狭帯域化が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−245344号公報
【特許文献2】特開2010−27664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の半導体光装置では、外部環境などにより温度が変化したときに、光導波路の屈折率が変化し、出力光の強度が大きく変動し易かった。即ち、複数のリング共振器を用いたときに得られるバーニア効果を用いて発振波長を厳密に選択する従来の半導体光装置では、温度変化によって各リング共振器の共振モードがずれると、全てのリング共振器を通過する光の光量が減少するので出力強度が大きく変動してしまう。このため、この半導体光装置では、リング共振器の温度を常にモニタしながら共振波長を調整する必要があった。
【0008】
また、リング共振器を用いた波長フィルタと光変調器を有する従来の半導体光装置では、波長フィルタを構成する3つのリング共振器に温度調整機能がないため、各リング共振器を高い精度で製造しなければ、温度が変化したときに、波長フィルタの3つのリング共
振器の共振モードがずれて出力が変動し易かった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、温度が変化しても出力光の変動を抑制する半導体光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の一観点によれば、光を増幅する第1の光素子と、前記第1の光素子に接続される第2の光素子と、を有し、前記第2の光素子は、前記第1の光素子の一端に光学的に結合される第1の光導波路と、前記第1の光導波路に光学的に結合されるリング共振器と、前記リング共振器に光学的に結合される第2の光導波路と、前記第2の光導波路に導かれた光が入射する波長選択反射鏡と、前記第1の光素子の他端に設けられ、前記波長選択反射鏡と共振器を形成する反射膜と、を含む半導体光装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本願の半導体光装置では、リング共振器を介して第2の光導波路に伝播した光のうち、波長選択反射鏡で選択された光を共振させることで特定の波長の光を出力することが可能になる。温度変化によってリング共振器の透過率特性と波長選択反射鏡の反射率特性が変化しても、リング共振器を透過した光を波長選択反射鏡で安定して反射させることができ、出力の変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る図1のI−I線に沿った断面図であって、第1の光素子の構成を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る図1のII−II線に沿った断面図であって、第2の光素子の構成を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る図1の一部拡大図であって、波長選択反射鏡の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る図1のIII−III線に沿った断面図であって、波長選択反射鏡の構成を示す図である。
【図6A】図6Aは、本発明の第1の実施の形態に係る第2の光素子の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図6B】図6Bは、本発明の第1の実施の形態に係る第2の光素子の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係るリング共振器の透過率特性と、波長選択反射鏡の反射率特性を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施の形態に係る波長選択反射鏡の凸部の幅と3dB帯域の関係を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態に係る波長選択反射鏡の凸部の幅と反射率の関係を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施の形態に係るリング共振器に合わせた結合導波路の形状を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施の形態に係る結合長と透過率の関係を示す図である。
【図12】図12は、本発明の第1の実施の形態に係るリング共振器の1つの共振モードのピーク位置の温度依存性を調べた結果を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第1の実施の形態に係る波長選択反射鏡の反射率プロファイルの温度依存性を調べた結果を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る半導体光装置の概略構成を示す図である。
【図15】図15は、本発明の第1の実施の形態の別の変形例に係る半導体光装置の概略構成を示す図である。
【図16】図16は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体光装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解すべきである。
【0013】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
(第1の実施の形態)
図1に第1の実施の形態に係る半導体光装置の概略構成を示す。
図1の平面図に示すように、第1の実施の形態の半導体光装置1は、第1の光素子である半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)2と、第2の光素子である光波長選択素子3とを有する。
【0014】
最初に、図1と、図1のI−I線に沿った断面図である図2を参照して、半導体光増幅器2の構成の一例について説明する。
図2に示すように、半導体光増幅器2は、基板10上に第1のクラッド層11と、第1の光閉じ込め層12と、光導波路となる活性層13と、第2の光閉じ込め層14と、第2のクラッド層15とが順番に積層された光導波路構造を有する積層体16を有する。
【0015】
ここで、基板10には、III−V族の化合物半導体、例えば、n型InPが用いられており、基板10上の第1のクラッド層11には、n型InPが用いられている。第1の光閉じ込め層12には、アンドープのInGaAsPが用いられる。活性層13は、アンドープのInGaAsからなり、半導体光増幅器2の発光波長が例えば1.55μm付近になるように、組成及び膜厚が調整されている。また、第2の光閉じ込め層14には、アンドープInGaAsPが用いられ、第2の光閉じ込め層14の上にはp型InPからなる第2のクラッド層15と、p型InGaAsからなるコンタクト層15Aとが順次形成されている。そして、コンタクト層15A上には、p側電極17が設けられ、基板10の下面にはn側電極18が形成されている。
【0016】
さらに、上記の積層体16は、エッチングによって半導体光増幅器2の軸方向に延びるメサストライプ形状を形成している。図1に示すように、メサストライプ状の積層体16は、光波長選択素子3に接続される半導体光増幅器2の一方の端面2Aに垂直な方向に対して、7°の角度で斜交するように形成されており、一方の端面2Aから活性層13への光の反射による帰還を抑制している。
【0017】
半導体光増幅器2の一方の端面2Aと、その反対側の他方の端面2Bとは、基板10をへき開させることによりそれぞれ形成されている。半導体光増幅器2の一方の端面2Aは、図示を省略するゲル状のマッチングオイルを介して光波長選択素子3に接続されている。半導体光増幅器2の他方の端面2Bには、高反射膜19が形成されている。高反射膜19は、例えば、電子ビーム蒸着により形成されている。
【0018】
次に、図1と、図1のII−II線に沿った断面図である図3を参照して光波長選択素子3の構成について説明する。
図1及び図3に示すように、光波長選択素子3は、例えばSiからなる基板20を有す
る。基板20の上には、第1の光導波路21と、リング共振器22と、第2の光導波路23とが設けられている。さらに、第2の光導波路23には、波長選択反射鏡24が形成されている。第1、第2の光導波路21,23、及びリング共振器22の幅は、それぞれ、例えば、0.5μmになっている。
【0019】
図3に示すように、第1の光導波路21は、基板20上のSiOからなるクラッド層26A,26Bに周囲を囲まれたコア27Aを有する。コア27Aには、クラッド層26A,26Bよりも大きな屈折率を有する材料、例えばSiが用いられる。
図1に示すように、第1の光導波路21は、光波長選択素子3の一方の端面3Aから他方の端面3Bまで延び、その途中でリング共振器22の形状に沿って一部が湾曲している。第1の光導波路21の湾曲部分は、リング共振器22と光結合される結合導波路32になっている。
【0020】
さらに、第1の光導波路21において、光波長選択素子3の他方の端面3Bから湾曲部分である結合導波路32までの間が、半導体光増幅器2からの光が入力される入力ポート31になっている。入力ポート31の入力端31Aは、他方の端面3Aに垂直な方向に対して15°の角度で斜交している。入力端31Aを他方の端面3Aに対して斜交させることで、第1の光導波路21を伝播する光が端面3Bでの反射により入力ポート31に帰還することを抑制できる。
【0021】
さらに、結合導波路32から光波長選択素子3の一方の端面3Aまでがスルーポート33になっている。スルーポートの一方の端面3Aは、光を外部に出力する出力端33A(第1の出力端)になっている。出力端33Aは、光波長選択素子3の一方の端面3Aに垂直な方向に対して、15°の角度で斜交させており、端面3Aの反射による第1の光導波路21への光の帰還を抑制している。なお、光波長選択素子3の一方の端面3Aには、無反射膜35が電子ビーム蒸着によって形成されている。
【0022】
リング共振器22は、第1の光導波路21の結合導波路32に光学的に結合可能な位置に形成されている。
リング共振器22は、閉ループのリング状光導波路36を有する。図3に示すように、リング状光導波路36のコア27Bの断面形状は、第1の光導波路21のコア27Aと同様になっている。すなわち、リング状光導波路36は、基板20上のクラッド層26A,26Bに周囲を囲まれたコア27Bを有する。図1に示すように、リング状光導波路36は、平面視で円形になっており、その半径Rは、例えば8μmである。
【0023】
また、第2の光導波路23は、リング共振器22を挟んで第1の光導波路21と対向する位置に形成されている。第2の光導波路23は、リング共振器22に近接して配置される円弧状の結合導波路41を有し、結合導波路41より光波長選択素子3の一方の端面3A側がアッドポート42になっている。アッドポート42の端面3A近傍は、光を外部に出力する出力端42A(第2の出力端)になっている。出力端42Aは、光波長選択素子3の一方の端面3Aに垂直な方向に対して15°の角度で斜交させており、端面3Aの反射による第1の光導波路21への光の帰還を抑制している。
【0024】
さらに、第2の光導波路23の結合導波路32からは、ドロップポート43がアッドポート42とは反対側に延びている。ドロップポート43は、光波長選択素子3の他方の端面3Bに向かって延び、円弧状に湾曲し、再び光波長選択素子3の一方の端面3Aまで延びて出力端43Aを形成するような、略U字形状を有する。出力端43Aは、光波長選択素子3の一方の端面3Aに垂直な方向に対して、15°の角度で斜交させており、端面3Aから第1の光導波路21への反射による光の帰還を抑制している。なお、ドロップポート43の出力端43Aを無反射膜35を設けた端面3Aに導波することで、出力端43A
における出力が迷光として光波長選択素子3内部に留まることが防止される。
【0025】
ここで、第2の光導波路23の結合導波路32とドロップポート43の湾曲部分の間には、波長選択反射鏡24が形成されている。
図4の拡大平面図と、図1のIII−III線に沿った断面図である図5に示すように、波長選択反射鏡24には、第2の光導波路23に形成された垂直回折格子25が用いられている。垂直回折格子25は、第2の光導波路23のコア27Cの両側に突出する凸部25Aが、第2の光導波路23の長手方向に周期的に設けられた櫛波形を有する。凸部25Aは、第2の光導波路23の側部のそれぞれの同じ位置に、同じ形状で、かつ同一の周期で配置されている。
【0026】
凸部25Aが形成される周期Tは、反射する光の波長に応じて定められている。例えば、波長1.55μm帯の光を選択的に反射するときには、周期Tを300nmにする。また、凸部25Aの幅Wは、例えば、30nm〜150nmとする。さらに、各凸部25Aの長さL及び繰り返し数Nは、例えば、長さLが100nmで繰り返し数Nが200回になっている。ここで、長さLが長くなると、光の反射率が大きくなる。また、繰り返し数Nが多くなると、光の反射率が大きくなる。なお、凸部25Aの長さLを長くすると、反射される光の帯域を広くすることができる。
そして、このような波長選択反射鏡24と、半導体光増幅器2の高反射膜19を形成した他方の端面2Bとの間で、第1、第2の光導波路21,23及びリング共振器22により、共振器が形成される。
【0027】
次に、半導体光装置1の製造方法について説明する。
最初に、図2に示した半導体光増幅器2の形成方法について説明する。
まず、基板10上には、第1のクラッド層11としてn型InPをエピタキシャル成長させる。さらに、第1のクラッド層11の上に、第1の光閉じ込め層12として、アンドープInGaAsPをエピタキシャル成長させる。続いて、第1の光閉じ込め層12の上に、活性層13として、アンドープInGaAsをエピタキシャル成長させる。この上に、第2の光閉じ込め層14としてアンドープInGaAsPをエピタキシャル成長させた後、p型InPをエピタキシャル成長させて第2のクラッド層15を形成し、その上にp型InGaAsからなるコンタクト層15Aを形成する。そして、コンタクト層15A上にp側電極17を形成した後、基板10の下側主面上にn側電極18が形成される。
【0028】
続いて、第1の光閉じ込め層12から第2の光閉じ込め層14までの積層体16を、例えば、ドライエッチング法を用いてパターニングし、半導体光増幅器2の軸方向に延在し、かつ端面2Aに垂直な方向に対して7°で斜交するメサストライプを形成する。なお、メサストライプ状の積層体16の両側には、図示を省略する電流狭搾領域が再成長工程により形成される。
【0029】
次に、光波長選択素子3の形成方法について説明する。
図6Aに示すように、光波長選択素子3には、Siの基板20上にSiOからなるクラッド層26Aと、単結晶のSiの薄膜50とを積層させたSOI(Silicon On Insulator)基板51が用いられる。なお、クラッド層26Aの膜厚は、Siの薄膜50でコア27A〜27Cを形成したときに、コア27A〜27Cと基板20のSiとが光学的に結合されないような厚さに形成される。
【0030】
続いて、図6Bに示すように、SOI基板51のSiの薄膜50を例えばマスクを用いたドライエッチングにより加工し、第1、第2の光導波路21,23となるワイヤ状のコア27Aと、リング共振器22となる真円のコア27Bとを形成する。各コア27A〜27Cの幅は5μmとする。また、このとき、波長選択反射鏡24の形成位置には、コア2
7Aの両側に凸部25Aが周期的に複数形成された櫛歯を形成する。
【0031】
さらに、図3に示すように、クラッド層26A上にSiOからなるクラッド層26Bを、各コア27A〜27C及び凸部25Aを覆う膜厚に形成する。これにより、コア27A〜27Cがクラッド層26A,26Bに埋め込まれて、各光導波路21、23およびリンク共振器22が形成される。さらに、櫛歯状に形成された凸部25Aがクラッド層26A,26Bに埋め込まれることで、波長選択反射鏡24が形成される。
【0032】
この後、基板20をダイシングにより切断し、一方の端面3A及び他方の端面3Bをそれぞれ鏡面研磨する。さらに、一方の端面3Aに無反射膜35を電子ビーム蒸着により形成する。これにより、光波長選択素子3が形成される。そして、光波長選択素子3にマッチングオイルを介して半導体光増幅器2を取り付けると、半導体光装置1の製造が完了する。
【0033】
次に、半導体光装置1の動作について説明する。
まず、半導体光増幅器2の電極17,18間に駆動バイアスを印加する。これにより、活性層13で誘導放出が生じさせて、半導体光増幅器2が増幅された自然光の放出を開始する 。この光は、半導体光増幅器2の一方の端面2Aから光波長選択素子3の第1の光導波路21の入力端31Aに入射され、第1の光導波路21を伝播し、一部の光が結合導波路32によってリング共振器22に光学的に結合される。
【0034】
ここで、リング共振器22に光学的に結合される光の波長は、リング共振器22の共振波長に等しくなる。リング共振器22の共振波長は、リング共振器22に固有の共振モードのピークにより規定される。
【0035】
図7のラインL1に示すように、共振モードのピークは、単一ではなく、光路長に応じて規定されるフリー・スペクトラル・レンジ(FSR)の間隔で透過率のピークが複数現れる。FSR値は、リング共振器22のリング状光導波路36の周長Lと次の関係にある。
【0036】
FSR=c/n・L
なお、cは光速を示し、nは光導波路の屈折率を示す。
ここで、図7において、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示す。このリング共振器22において、共振モードのピークは、λ1、λ2、λ3、λ4、λ5というように、等間隔で現れ、その周期は例えば約10nmである。
【0037】
また、リング共振器22は、リング共振器22に近接して配置された第2の光導波路23の結合導波路41に光学的に結合される。これにより、第1の光導波路21に入力された光のうち、リング共振器22の共振波長と同じ波長の光は、リング共振器22から結合導波路41を通して第2の光導波路23に伝播される。具体的には、図7のラインL1に示す櫛歯型のスペクトルを有する光が第2の光導波路23に伝播される。このように、リング共振器22は、光周波数フィルタとしての作用を示す。
【0038】
さらに、リング共振器22から第2の光導波路23に伝播した光は、波長選択反射鏡24に入射する。波長選択反射鏡24は、図7のラインL2に示すような反射率特性を有する。波長選択反射鏡24の反射率特性は、中心波長が垂直回折格子25の凸部25Aの周期Tによって定まり、3dB帯域が凸部25Aの幅Wで決まる。
【0039】
さらに、図8及び図9を参照して、図4及び図5に示す垂直回折格子25の反射率特性の詳細について説明する。なお、図8の横軸は、垂直回折格子25の凸部25Aの幅Wを
示し、縦軸は垂直回折格子25の反射波長の3dB帯域の大きさを示す。また、図9の横軸は、垂直回折格子25の凸部25Aの幅Wを示し、縦軸は垂直回折格子25の反射率を示す。なお、図8及び図9は、図4に示す周期Tが300nm、長さLが100nm、繰り返し数Nが200回の垂直回折格子25についての結果が示されている。
【0040】
図8に示すように、垂直回折格子25の反射率の3dB帯域は、凸部25Aの幅Wが100nm付近が最も広く、それより幅Wが減少又は増大するにつれて、徐々に減少する。図8からは、凸部25Aの幅Wを30nmから150nmにすれば、反射波長の3dB帯域を10nmから15nmに納められることがわかる。
また、図9に示すように、垂直回折格子25の反射率は、凸部25Aの幅Wが100nm付近で最も大きく、それよりも凸部25Aの幅Wが小さくなると減少する。また、凸部25Aの幅が大きくなると反射率は減少する。そして、凸部25Aの幅Wを30nmから150nmにすれば、−1dB以上の反射率が得られることがわかる。
【0041】
ここで、図7に示すように、リング共振器22の共振モードのピークは、ラインL1に示すように10nm以下の間隔で周期的に現れる。これに対し、ラインL2に示すように、波長選択反射鏡24は、3dB帯域が10nm〜15nmで、共振モードのピークのプロファイルよりブロードな反射率プロファイルを有する。その結果、波長選択反射鏡24は、ターゲットとなる波長付近の1つの共振モードのピークとそのピークを中心にした3dB帯域の波長の光のみを反射する。具体的には、波長選択反射鏡24では、第2の光導波路23に伝播した光のうち、波長λ3に相当する波長の光のみが反射される。
【0042】
このように、リング共振器22の共振モードのピークの発生間隔である10nmに対し、波長選択反射鏡24の反射率の3dB帯域を10nm〜15nm、つまり1倍〜1.5倍にすることで、いずれか1つの共振モードのピークの光を確実に反射することが可能になる。
【0043】
なお、3db帯域が共振モードのピークの発生間隔より小さいと、共振モードのピークと反射率特性がずれたときには光の反射量が減少してしまうので、出力が不安定になり易い。また、3db帯域が共振モードのピークの発生間隔の1.5倍より大きいと、共振モードのピークと反射率特性がずれたときなどに、波長の異なる複数の共振モードのピークの光が反射されてしまい、1つの共振モードのピークを選択できなくなる。
【0044】
そして、波長選択反射鏡24で選択的に反射された光は、第2の光導波路23の結合導波路41からリング共振器22に伝播すると共に、出力端42Aに導かれる。
リング共振器22に伝播した反射光は、第1の光導波路21の結合導波路32に伝播され、第1の光導波路21から半導体光増幅器2に入射する。さらに、反射光は、半導体光増幅器2の他方の端面2Bにおいて高反射膜19で反射される。
【0045】
このようにして、波長λ3を中心波長とした3dB帯域の光が、高反射膜19と波長選択反射鏡24との間で繰り返して折り返されることで、この波長帯域の光の強度が強められ、レーザ発振を起こす。このようにして発振させた光は、第1、第2の光導波路21,23の出力端33A,42Aから半導体光装置1の外部に出力される。
【0046】
ここで、図10及び図11を参照して、光導波路21,23とリング共振器22の結合長と透過率の関係について説明する。
まず、図10に示すように、この実施の形態では、各光導波路21,23の結合導波路32,41は、リング共振器22の形状に倣って円弧状になっている。例えば、第1の光導波路21とリング共振器22の結合長さCL1は、第1の光導波路21とリング共振器22の間のギャップGPが一定となる部分の長さ、つまり対応する結合導波路32の長さ
に等しい。
【0047】
さらに、図11に光導波路21,23とリング共振器22の結合長と透過率の関係について計算した結果を示す。なお、図11の横軸は、光導波路21,23とリング共振器22の結合長(μm)を示し、縦軸は光導波路21,23とリング共振器22の間で伝播される光の透過率を示す。
図11において、ラインL11は、光導波路21,23とリング共振器22の間のギャップGPが100nmのときの結合長CL1と透過率の関係を示す。同様に、ラインL12と、ラインL13は、ギャップGPがそれぞれ200nmと、300nmのときの結合長CL1と透過率の関係を示す。
【0048】
ラインL11に示すように、ギャップGPを100nmにすると、結合長CL1が5μmのときに透過率が約−1.7dBになり、結合長CL2が10μmのときには透過率が約9dBになる。さらに、ラインL12〜L13から、ギャップGPが変わっても同様な傾向を示す。そして、同じ結合長CL1では、ギャップGPが大きいほど、透過率が小さくなる傾向にある。このように、光導波路21,23とリング共振器22の間の透過率は、ギャップGPの大きさと結合長CL1によって制御することができる。
【0049】
なお、第1の光導波路21とリング共振器22との間のギャップGPの長さと、第2の光導波路23とリング共振器22との間のギャップGPの長さとは、同じ大きさであっても良いし、異ならせても良い。また、各光導波路21,23のそれぞれの出力端33A,42Aからの出力が略等しくなるように、各光導波路21,23とリング共振器22のギャップGPの長さと結合長CL1を決定することが好ましい。
【0050】
以上のような半導体光装置1では、特定の波長の光を選択して出力させることができ、特に温度に対して光の出力を安定させることが可能である。これは、図12に示すリング共振器22の共振波長の温度依存性と、図13に示す垂直回折格子25の反射スペクトルの温度依存性とに基づいて説明できる。なお、各図の横軸は入力波長を示し、図12の縦軸が透過率を、図13の縦軸が反射率をそれぞれ示す。
【0051】
図12は、図7の波長λ3のピーク位置の温度依存性について調べた結果を示している。リング共振器22は、温度が15℃から85℃までの温度範囲において温度が高くなるほど、共振モードのピークが長波長側にシフトする。そのシフト量は、0.07nm/℃であった。
【0052】
また、図13に示すように、垂直回折格子25は、温度が15℃から85℃までの温度範囲において温度が高くなるほど、反射率プロファイルが全体的に長波長側にシフトする。反射率プロファイルの中心波長のシフト量は、0.07nm/℃であった。なお、垂直回折格子25の繰り返し数Nは200回、周期Tは300nm、凸部25Aの長さLは100nm、幅Wは50nmとした。
【0053】
図12及び図13の結果から、リング共振器22の透過率の温度依存性と、垂直回折格子25の反射率の温度依存性が等しく、両者の温度依存性の整合性が良好であることがわかる。このため、温度が変化しても、リング共振器22を透過する光の波長と、垂直回折格子25で反射される光の波長との相対的な位置がずれ難い。つまり、温度が変化しても、リング共振器22を通過した光のうち少なくとも1つの波長の光を垂直回折格子25で反射することができ、半導体光装置1から安定して光を出力できる。
【0054】
このように、この実施の形態の半導体光装置1は、リング共振器22と波長選択反射鏡24とを有するので、リング共振器22が有する共振モードのうち、波長選択反射鏡24
によって任意の共振モードを1つ選択してレーザ発振させることができる。また、光波長選択素子3は、2つの出力端33A,42Aを有するので、高出力のレーザ光が得られる。
【0055】
また、波長選択反射鏡24には、導波路のコア27Aの両側に周期的に凹凸を形成した垂直回折格子25を用いたので、凸部25Aの周辺における屈折率の差を大きし、かつ反射波長帯域の広い反射鏡を形成できる。即ち、垂直回折格子25や、凸部25Aの形状や数、周期を制御することで反射率プロファイルを調整できるので、リング共振器22の共振モードから1つのモードを容易に選択できる。
【0056】
光波長選択素子3は、1つの基板20上に各光導波路21,23と、リング共振器22と、波長選択反射鏡24とが集積して形成されるので、導波路部分の屈折率を一致させ易く、透過特性や反射特性のばらつきを抑えることができる。
【0057】
さらに、1つの基板20上にリング共振器22と波長選択反射鏡24とを集積させることで、リング共振器22の共振モードのピークの温度による波長シフトと、波長選択反射鏡24の反射率プロファイルの温度による波長シフトを略一致させることができるので、温度が変動したときの波長シフトの不一致による出力変動を抑制できる。
【0058】
なお、リング共振器22の透過率の温度依存性と、垂直回折格子25の反射率の温度依存性が一致しない場合でも、垂直回折格子25の反射率プロファイルをリング共振器22の1つの共振モードのピークに対してブロードに設計することで、1つの共振モードのピークの波長の光を安定して出力することが可能になる。
【0059】
ここで、図14及び図15に本実施の形態の半導体光装置の変形例を示す。
図14に示す第1の変形例に係る半導体光装置61は、半導体光増幅器2と、光波長選択素子62とを有する。光波長選択素子62は、基板20上の第1の光導波路21のスルーポート33の出力端に第1の変調器63が接続されており、第1の変調器63の出力は、基板20に形成された光導波路64に接続されている。光導波路64は、光波長選択素子62一方の端面62Aに出力端64Aを有する。
また、第2の光導波路23のアッドポート42の出力端には、第2の変調器65が接続されており、第2の変調器65の出力は、光導波路66に接続されている。光導波路66は、光波長選択素子62の一方の端面62Aに出力端66Aを有する。
【0060】
第1、第2の変調器63,65としては、例えば、マッハツェンダー干渉計を用いることができる。また、各光導波路21,23の出力端43A,64A,66Aは、それぞれ光波長選択素子62の端面62A,62Bに垂直な方向に対して15°の傾斜角度を有する。
【0061】
さらに、第2の光導波路23のドロップポート43は、光波長選択素子62の他方の端面62Bに出力端43Aを形成している。
この半導体光装置61では、それぞれの光導波路21,23から出力された光を変調器63,65で変調させて、光信号を生成することができる。その他の作用及び効果は、半導体光装置1と同様である。
【0062】
図15に示す第2の変形例に係る半導体光装置71は、半導体光増幅器2と、光波長選択素子72とを有する。光波長選択素子72は、第1の光導波路21のスルーポート33の出力端が第1の位相調整器73を介して光結合器74の入力端に接続されている。同様に、第2の光導波路23のアッドポート42の出力端が第2の位相調整器75を介して光結合器74の入力端に接続されている。
光結合器74の出力端は、基板20の上方に形成された光導波路76に接続されており、光導波路76は、光波長選択素子72の一方の端面72Aに出力端を形成している。光導波路76は、光波長選択素子72の一方の端面72Aに垂直な方向に対して15°の傾斜角度を有する。
【0063】
さらに、第2の光導波路23のドロップポート43は、波長選択反射鏡24を通過した後、光波長選択素子72の他方の端面72Bに出力端43Aを形成している。
【0064】
この半導体光装置72では、2つの光導波路21,23からの出力光が位相調整器73,75で位相調整された後、光結合器74に入力される。そして、光結合器74で2つの出力光が結合された後、光導波路76を通って一方の端面72Aから出力される。2つの出力光が結合されるため、高出力にできる。その他の作用及び効果は、半導体光装置1と同様である。
【0065】
なお、半導体光素子61,71では、半導体光増幅器2の高反射膜19と波長選択反射鏡24との間で、第1、第2の光導波路21,23及びリング共振器22を介して共振器が形成される。
【0066】
(第2の実施の形態)
図16に第2の実施の形態に係る半導体光装置の概略構成を示す。なお、図16において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付してある。
半導体光装置81は、波長選択反射鏡24として、ギャップを有して形成された複数の格子82からなる回折格子83を有する。回折格子83は、例えば、反射波長の3dB帯域が10nmから15nmの間に収まり、かつ反射率が−1dB以上になるように、導波路82の周期T1や、光導波路82の長さL1、光導波路82の繰り返し数N1が設定されている。
【0067】
この波長選択反射鏡24では、リング共振器22の共振モードのピークのうち、1つのピークを反射する。これにより、波長選択反射鏡24と、半導体光増幅器2の端面2Bの高反射膜19との間の共振器が形成され、光波長選択素子3の出力端33A,42Aからレーザ光が出力される。
【0068】
なお、波長選択反射鏡24は、図示を省略するバンドバスフィルタと、高反射膜を備える反射鏡とから構成しても良い。この場合のバンドパスフィルタは、図1又は図16と同様の構成を有し、かつ図7のラインL2と同様の透過プロファイルを有するものが用いられる。この波長選択反射鏡24では、バンドパスフィルタを透過した光が反射鏡で反射されることで、発振器が構成される。
【0069】
なお、前記の各実施の形態において、リング共振器22は、真円形に限定されない。例えば、レーストラック型であっても良い。
半導体光増幅器2の出力端の傾斜角度や、光波長選択素子3の入力端31Aや出力端33A,42A,43A,64A,66Aの傾斜角度は、7°や15°に限定されない。また、傾斜角度を設けないことも可能である。
【0070】
また、半導体光増幅器2の導波路の端部に、スポットサイズ変換器を配置しても良い。スポットサイズ変換器としては、例えば、導波路の幅を減少させた、テーパ導波路構成があげられる。これにより、半導体光発光素子1,61,71,81の外部に光を取り出すために光ファイバとの光結合率を調整できる。
さらに、光導波路21,23は、断面が四角形のSiを用いたチャンネル構造になっているが、リッジ構造であっても良い。
第1の光素子である半導体光増幅器2の材料や構成や、第2の光素子である光波長選択素子3の材料は前記の各実施の形態に限定されない。第1の光素子は、光導波路を有する構成であれば良く、図1及び図2に示すような半導体光増幅器に限定されない。
【0071】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈するものであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができる。
【0072】
以下に、実施の形態の特徴を付記する。
(付記1) 光を増幅する第1の光素子と、前記第1の光素子に接続される第2の光素子と、を有し、前記第2の光素子は、前記第1の光素子の一端に光学的に結合される第1の光導波路と、前記第1の光導波路に光学的に結合されるリング共振器と、前記リング共振器に光学的に結合される第2の光導波路と、前記第2の光導波路に導かれた光が入射する波長選択反射鏡と、前記第1の光素子の他端に設けられ、前記波長選択反射鏡と共振器を形成する反射膜と、を含む半導体光装置。
(付記2) 前記第1の光導波路と、前記リング共振器と、前記第2の光導波路と、前記波長選択反射鏡とが、同じ基板上に形成されている付記1に記載の半導体光装置。
(付記3) 前記波長選択反射鏡は、導波路に両側部に凹凸を周期的に設けた垂直回折格子である付記1又は付記2に記載の半導体光装置。
(付記4) 前記波長選択反射鏡の反射率スペクトルの3dB帯域は、前記リング共振器の共振モードの複数のピークの発生間隔以上で、かつ前記発生間隔の1.5倍以下である付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の半導体光装置。
(付記5) 前記波長選択反射鏡の反射スペクトルの3dB帯域は、10nm〜15nmの範囲内にある付記4に記載の半導体光装置。
(付記6) 前記リング共振器は、リング状の光導波路を有し、前記第1の光導波路、及び前記第2の光導波路は、それぞれが前記リング状の光導波路に沿って湾曲する結合導波路を有する付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の半導体光装置。
(付記7) 前記第2の光導波路の前記結合導波路は、前記第2の光導波路から外部に光を出力する出力端と前記波長選択反射鏡との間に形成されている付記6に記載の半導体光装置。
(付記8) 前記第1の光素子内の光導波路と前記第1の光導波路が光学的に結合されるそれぞれの端面において、前記第1の光素子内の前記光導波路と前記第1の光導波路はそれぞれ異なる角度で光学的に結合されている付記1乃至付記7のいずれか一項に記載の半導体光装置。
(付記9) 前記第1の光導波路と前記第2の光導波路は、外部に光を出力する出力端がそれぞれ前記第2の光素子の同じ端面に形成されている付記1乃至付記7のいずれか一項に記載の半導体光装置。
【符号の説明】
【0073】
1,61,71,81 半導体光装置
2 半導体光増幅器(第1の光素子)
3,62,72 光波長選択素子(第2の光素子)
13 活性層
21 第1の光導波路
22 リング共振器
23 第2の光導波路
24 波長選択反射鏡
25 垂直回折格子
31A 入力端
32,41 結合導波路
33A,42A 出力端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を増幅する第1の光素子と、
前記第1の光素子に接続される第2の光素子と、
を有し、
前記第2の光素子は、
前記第1の光素子の一端に光学的に結合される第1の光導波路と、
前記第1の光導波路に光学的に結合されるリング共振器と、
前記リング共振器に光学的に結合される第2の光導波路と、
前記第2の光導波路に導かれた光が入射する波長選択反射鏡と、
前記第1の光素子の他端に設けられ、前記波長選択反射鏡と共振器を形成する反射膜と、
を含む半導体光装置。
【請求項2】
前記第1の光導波路と、前記リング共振器と、前記第2の光導波路と、前記波長選択反射鏡とが、同じ基板上に形成されている請求項1に記載の半導体光装置。
【請求項3】
前記波長選択反射鏡は、導波路の両側部に凹凸を周期的に設けた垂直回折格子である請求項1又は請求項2に記載の半導体光装置。
【請求項4】
前記波長選択反射鏡の反射率スペクトルの3dB帯域は、前記リング共振器の共振モードの複数のピークの発生間隔以上で、かつ前記発生間隔の1.5倍以下である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体光装置。
【請求項5】
前記リング共振器は、リング状の光導波路を有し、前記第1の光導波路、及び前記第2の光導波路は、それぞれが前記リング状の光導波路に沿って湾曲する結合導波路を有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−253930(P2011−253930A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126663(P2010−126663)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】