説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】Finの高さを必要以上に高くすることなく、実質的なチャネル幅を増大し得るFin−FETの構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板11をFin状に加工して形成されたチャネル形成用半導体層11aの上面、左右両側面及び底面にゲート電極22が形成され、ゲート電極22により4面を囲まれるチャネル領域を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、詳しくは、Fin構造電界効果トランジスタ(以下、Fin−FETともいう)の新規な構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の微細化が進むにつれて、トランジスタのパンチスルー防止のためにチャネル領域の不純物濃度も増加してきている。しかし、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のセルアレイに用いている選択トランジスタの場合、チャネル領域の不純物濃度を上げると、ソース・ドレイン接合部近傍の電界が強くなり、接合リーク電流が増大することによって、リフレッシュ特性が悪くなってしまうという副作用がある。従来のプレーナ型のMOSトランジスタでは、Ionに寄与するチャネル面がゲート下の1面のみであるため、Ionを増大させる為にはゲート幅を広げる必要があり、トランジスタのレイアウト面積が増大することによるチップコストの増大の問題がある。
【0003】
対策としてRCAT(Recess−Channel−Array−Transistor)という基板を掘り込んでLgateを長くすることにより、チャネル領域の不純物濃度を下げ、リフレッシュ特性を向上させるという技術が開発されている。この方法にもチャネル抵抗増加によるオン電流(Ion)減少及びワード線容量の増加という問題があり、さらなる微細化にあたり、適用の困難が予想される。
【0004】
そこで、Ion減少及びワード線容量の増加の問題を解決するために、Fin構造のセルアレイ用トランジスタの開発が進められている。Finトランジスタはダブルゲート構造となっており、プレーナー型トランジスタと比較して、ゲートコントロール性が良い。また、ゲート幅(W)を空乏層の幅の2倍よりも狭くすることにより、チャネル領域をほぼ完全に空乏化させることができ、優れたオフ電流(Ioff)を得ることができる。このためFinトランジスタは、サブスレッショールド特性の優れた完全空乏化トランジスタとして使用できることが期待される。
【0005】
ところで、従来のFinトランジスタでは、図33に示すように、基板上に形成したFin構造の半導体層101に対して、ゲート電極102aを交差するようにかぶせてコンフォーマルに形成する方法(同図(a))と、Fin構造の半導体層101間をゲート電極材料102bで埋めてフォーマルに形成する方法(同図(b))、さらに、Fin構造の半導体層101の側面にスリットを設け、該スリットを埋めてゲート電極材料102cを絶縁膜(不図示)上に形成する方法(同図(c))が知られている。なお、図33では、ゲート絶縁膜や素子分離絶縁膜等は省略している。同図(a)、(b)ではゲート電極が基板と接触することからSOIなどの高価な基板が必要となっている。あるいは、Fin構造の半導体層間に素子分離絶縁膜を埋め込むことで、基板との絶縁を図る方法も知られている。一方、図33(c)ではゲート電極と基板とが直接接触しないことから、通常の半導体基板を用いて形成できる。(c)に示すゲート構造は半導体層の外側側面に形成した状態を示しているが、特許文献1に開示されているように、半導体層中に溝(リセス)を形成してゲート構造を形成する方法も知られている。
【0006】
一方、セルトランジスタは通常2つのセルトランジスタのビット線側のコンタクトを共有させるのが一般的であるが、一つのトランジスタでセルを構成する1トランジスタDRAM(1TRDRAMという)が例えば、非特許文献1に開示されている。ここでは、1TRDRAMを形成するのに、SOI基板が用いられている。
【特許文献1】特開2007−27678
【非特許文献1】IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL,52, NO.10, OCTOBER 2005 P2220-2226
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
DRAMのセル面積を縮小した場合、通常のプレーナ型トランジスタでは電流駆動能力を決めるトランジスタの幅が縮小され、セル面積縮小と共に電流駆動能力が低下するという問題が生じている。これを解決するためにFin−FETが用いられるが、従来のFin−FETでは、ゲート電極で挟まれた半導体層の両側面の2面あるいは上面を加えた3面がチャネル領域となるが、チャネル幅をさらに増大させるためにはFinの高さを高くする必要があり、限界がある。
【0008】
又、1TRADRAMを形成するのに、従来は高価なSOI基板が必要であり、製造コストの軽減が望まれている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、Finの高さを必要以上に高くすることなく、実質的なチャネル幅を増大し得るFin−FETの構造及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、高価なSOI基板を用いることなく1TRDRAMを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は、Fin構造電界効果トランジスタ(Fin−FET)を有する半導体装置であって、
前記Fin−FETは、半導体基板をFin状に加工して形成されたチャネル形成用半導体層の上面、左右両側面及び底面にゲート電極が形成され、前記ゲート電極により4面を囲まれるチャネル領域を有することを特徴とする半導体装置に関する。
【0012】
また、本発明は、Fin−FETを有する半導体装置の製造方法であって、
(A)半導体基板をエッチングし、Fin状のチャネル形成用半導体層を形成すると共に各チャネル形成用半導体層間を分離する溝を形成する工程、
(B)前記各チャネル形成用半導体層間を分離する溝に素子分離絶縁膜を形成する工程、
(C)前記チャネル形成用半導体層に対向する2つのスリット部を形成する工程、
(D)前記チャネル形成用半導体層の上面及びスリット部内に絶縁膜を形成する工程、
(E)前記スリット部底面の絶縁膜を除去する工程、
(F)前記スリット部底面より露出した半導体層を等方的にエッチングして、スリット部下に空隙部を形成する工程、
(G)少なくとも残存するスリット部内の絶縁膜を除去した後、露出する半導体層全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び
(H)全面にゲート電極材料を前記スリット部及び空隙部を埋めて成膜し、ゲート電極形状に成形する工程、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、Fin底面部に酸化膜をマスクとしたSi等方エッチを用いることによりFin下面にもゲート電極を形成し、当該部もチャネル領域として機能させることにより実質的なチャネル幅を増大させたことによるIonが向上したトランジスタを形成することができる。
【0014】
また、ゲート電極に囲まれたチャネル領域(BOX構造)をn個(nは2以上)重ねて配置することによりn倍のIonを有するトランジスタを形成することができる。
【0015】
さらに、形成したBOX構造にホットキャリア等で形成されたキャリアを閉じ込めることにより、実質的な基板バイアスを変化させることによる閾値電圧の変化を応用した1トランジスタのDRAMが形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
従来のFin−FETが、ゲート電極により上面と両側面で囲まれた領域にチャネルが形成されていたのに対し、本発明では両側面に形成したスリット部からさらに下に基板シリコンを等方性エッチングにより掘り下げ、底面となる空隙部を設け、該空隙部及びスリット部を埋めてゲート電極用ポリシリコンを形成することで、上面、両側面及び底面の4面で囲まれたチャネル領域を形成したことにより、Finの高さを必要以上に高くすることなく、実質的なチャネル幅を増大することが可能となるものである。
【0017】
このような構造を製造するためには、従来のFin−FETの製造と同様に、まず、基板シリコンをエッチングしてFin状のチャネル形成用半導体層(以下、Finという)を形成し、各Fin間を分離するため、素子分離用絶縁膜を形成する。
【0018】
次に、Finに対向する2つのスリット部を形成する。該スリット部はFinの幅にもよるが、Finの両側面近傍、すなわち、Finを画定する素子分離絶縁膜との境界に形成することが好ましい。スリット部の形成には、例えば、素子分離絶縁膜とFin上面との段差を利用し、この段差にコンフォーマルに形成したシリコン窒化膜上にシリコン酸化膜を積層した後、シリコン窒化膜をエッチングストッパとしてシリコン窒化膜を段差内に埋込み、スリットの長さに相当するレジストパターンを形成して、これをマスクに選択的にシリコン窒化膜をパターニングすることで、シリコン窒化膜の膜厚に相当する幅のスリット開口が形成される。その後、素子分離絶縁膜及びシリコン酸化膜をマスクとしてFinのシリコン層を異方性エッチングすることでスリット部を形成することができる。このようにスリット部の幅は段差の高さとシリコン窒化膜の膜厚を調整することで調節することができる。スリット部の深さは、後工程で形成するスリット下の空隙部の形成時に、空隙部上部に十分な厚さのチャネル形成用半導体層が残るように、スリット間の間隔やスリットの形状に応じて適宜設定すればよい。
【0019】
このように形成したスリット部内の露出したシリコン表面に絶縁膜、例えばシリコン酸化膜を熱酸化法などにより形成する。さらに、スリット部底の絶縁膜を異方性ドライエッチングなどにより除去し、スリット部底に基板シリコンを露出させる。
【0020】
次に、スリット部を介して露出した基板シリコンを等方エッチ、例えば、エッチャントガスを用いた化学ドライエッチ(CDE:Chemical Dry Etch)などにより等方的にエッチングして、スリット下に空隙部を形成する。対向する2つのスリット部から等方的にエッチングすると、2つの空隙部が形成され、エッチングをさらに進めることで、2つの空隙部がつながる。本発明では、2つの空隙部がつながっていなくともチャネル幅の拡大が図れるが、つながるように形成することが望ましい。このような等方エッチ面を有する空隙部で形成されるチャネル半導体層の下面は、その上面に比べて長くなり、大きくチャネル幅の増大が図れる。
【0021】
その後、スリット部に形成した絶縁膜やハードマスク用の絶縁膜などを除去し、露出するFinのシリコン層上にゲート絶縁膜を形成し、その後、ゲート電極材料、例えば、ポリシリコンをCVD法などにより空隙部及びスリット部を埋めて成膜し、ゲート電極形状に成形する。ゲート電極は、ポリシリコン層上に金属膜を形成したポリメタル構造としても良い。
【0022】
最後に、通常のMOSFETと同様にソース及びドレイン領域を形成してFin−FETが得られる。
【0023】
上記のように形成した空隙部の底面に第2のスリット部を形成し、その下にさらに第2の空隙部を設け、ゲート電極で囲まれたチャネル形成用半導体層(チャネル領域)を2段に形成することができる。さらにこの工程を繰り返して、チャネル領域を多段に形成することもできる。但し、段数を重ねるためにはその分Finの高さを高くする必要があり、目的に応じて適宜所望の段数とすればよい。また、ゲート電極材料のカバレッジ性等の諸因により自ずと重ねられる段数には限界があることはいうまでもない。しかしながら、将来的にこのような諸因が解決される場合はこの限りではない。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0025】
実施例1
図1から図17を参照して本発明の第1の実施例を説明する。
【0026】
図1は本発明のFin−FETの平面レイアウト図である。図1において、1は活性層、2はソース用コンタクト、3はドレイン用コンタクト、4はゲート電極、5はゲート電極用コンタクトである。以下の図2〜30において、(a)、(b)、(c)はそれぞれ、図1のA−A’線、B−B’線、C−C’線での断面構造図を示している。
【0027】
まず、基板シリコン11上に熱酸化により13nmのシリコン酸化膜12を形成する。この後にシリコン窒化膜13を形成し、この後に通常ホトリソグラフィ技術により活性層領域をパターニングし、レジスト(不図示)をマスクとしてシリコン窒化膜13を加工した(図2)。
【0028】
次にシリコン窒化膜13をマスクとしてシリコン酸化膜12と基板シリコン11を異方性のドライエッチングにより200nmの深さまで掘り下げる加工をし、チャネル形成用半導体層(Fin)11aを形成した(図3)。次に、HDP(high density plasma)酸化膜を350nm堆積させ、CMP(Chemical mechanical Polishing)法によりシリコン窒化膜13上の酸化膜を除去することにより図4に示めすように素子分離用絶縁膜14を形成した。
【0029】
次に、熱リン酸を用いて、シリコン窒化膜13を除去した(図5)。続いて、15nmの厚さのシリコン窒化膜15を堆積させ(図6)、その上に20nmのシリコン酸化膜16を堆積させ、CMP法によりシリコン窒化膜15をストッパ膜として平坦化加工を行った(図7)。
【0030】
この次にチャネル形成領域がオープンとなっているレジストパターン17を通常のリソグラフィ技術を用いて形成した(図8)。レジストパターン17とシリコン酸化膜16をマスクとしてシリコン窒化膜15をドライエッチングにより異方性にエッチングした(図9)。
【0031】
次に、レジストを除去し、シリコン酸化膜17とシリコン窒化膜16をマスクとして基板シリコン11を120nmの深さにドライエッチング技術により異方性エッチングを行い、図10に示すようにスリット部18を形成した。露出しているスリット内部に5nmのシリコン酸化膜19を成長させる(図11)。
【0032】
次に異方性のドライエッチングによりシリコン酸化膜19をエッチングしスリット底面のFin11aのシリコン層を露出させる(図12)。次に、NFのエッチングガスを主体としたSi等方エッチ(CDE:Chemical dry etch)を用いてFin11aをエッチングして空隙部20を形成する。このとき一方のスリット部から形成した等方エッチ面Aと他方のスリット部から形成した等方エッチ面Bは接して、空隙部20がつながった構造とすることが望ましい(図13)。次に、HFウエットエッチにより酸化膜を5nm以上除去し、さらにストッパ膜としてのシリコン窒化膜16及びシリコン酸化膜12も除去した(図14)。次に6nm厚のゲート絶縁膜21、80nm厚のゲート用ポリシリコン22、窒化タングステン(WN)5nmおよびタングステン(W)45nmの積層からなる金属膜23、140nm厚のキャップシリコン窒化膜24を順次堆積させる(図15)。以降は通常のMOSトランジスタ製造プロセスとなる。
【0033】
すなわち、キャップシリコン窒化膜24上に、通常のリソグラフィ技術を用いてレジストパターン25を形成し(図16)、ドライエッチングにより図15の工程で順次積層した積層構造をゲート電極形状に成形した(図17)。
【0034】
以降は通常のMOSトランジスタ製造プロセスによりソースおよびドレイン拡散層を形成する。
【0035】
6Fメモリセル構造に本発明を適用した場合のセルレイアウト図を図18に示す。本発明のトランジスタをDRAMのパストランジスタとして用いることにより、平面面積を増大させることなく、チャネル幅を増大させることが可能となる。これにより、パストランジスタの電流駆動能力が増加することから、キャパシタへの書き込み時間と読み出し時間を短縮することが可能となり、高性能のDRAMを製造することができる。図18に示すレイアウトでは、斜めレイアウトされたフィールド活性領域31(破線で表示)にそれぞれ2つのトランジスタが形成されており、2つのトランジスタに共有されるフィールド活性領域上にビット線とのコンタクト33が、両側にキャパシタへのコンタクト34が形成されている。この例では、コンタクト抵抗を低減するため、選択エピタキシャルシリコン32がコンタクト形成に先駆けて成長されている。35はゲート電極となるワード線であり、両側面にはLDDサイドウォール36が形成された状態を示す。
【0036】
また、実施例1で製造されたトランジスタの動作状態を図19に示す。ゲートポリシリコン45に囲まれた領域は、空乏層D(破線の領域)により分離されており、ドレイン44近傍で発生したエネルギーをもったホールがゲート電極に囲まれたキャリア保持領域Qに保持される。これにより、トランジスタの閾値電圧が下がることになる。実質的な基板バイアスを変化させることによるこの閾値電圧の差をデータとして読み取ることにより、1トランジスタのDRAMが実現できる。これにより、DRAMセルの面積を縮小することが可能となり、DRAMチップの面積が縮小され、製造コストを低減させることが可能となる。図19において、その他の符号は、41:基板シリコン、42:素子分離絶縁膜、43:ソース、46:ゲート絶縁膜、47:ゲート金属膜、48:キャップシリコン窒化膜、49:シリコン窒化膜からなるLDDサイドウォールである。
【0037】
実施例2
次に、本発明の第2の実施例の製造方法を図20〜図32を用いて説明する。素子分離のための基板エッチングを400nmとした以外は図2〜図11までの製造方法は上記と同様である。
【0038】
上記と同様に、スリット56内に5nmのシリコン酸化膜57を成長させ、この次に、異方性ドライエッチにより、スリット底面のシリコン酸化膜57を除去して基板シリコン51を露出させる(図20)。次に、実施例1と同様にNFのエッチングガスを主体としたSi等方エッチ(CDE)を用いて基板シリコン51をエッチングして第1の空隙58を形成し、HFウエットエッチにより酸化膜を5nm以上除去する(図21)。次に、スリット56及び第1の空隙58の露出したシリコン上に5nmのシリコン酸化膜59を成長させる(図22)。次に異方性のドライエッチングにより、スリット56を介してシリコン酸化膜59をエッチングすることにより空隙底面の基板シリコン51を露出させる(図23)。続いて異方性エッチングにより基板シリコン51をエッチングして第2のスリット60を形成する(図24)。この第2のスリット60内に露出する基板シリコン51上に5nmのシリコン酸化膜61を成長させる(図25)。前記同様に、異方性のドライエッチングによりシリコン酸化膜61をエッチングすることにより第2のスリット60底面の基板シリコン51を露出させる(図26)。前記同様に等方エッチ(CDE)を用いて基板シリコン51をエッチングして第2の空隙62を形成する(図27)。次にシリコン酸化膜を除去し、さらにストッパ膜としてのシリコン窒化膜54及びシリコン酸化膜52も除去する(図28)。続いて、ゲート絶縁膜62を形成し(図29)、80nmのゲート用ポリシリコン63、5nmのWNと45nmのWの積層からなる金属膜64、140nmのキャップシリコン窒化膜65を順次堆積させる(図30)。この次に、ゲート形成領域に通常のリソグラフィ技術を用いてレジストパターン66を形成する(図31)。次に、レジストパターン66をマスクとして、キャップシリコン窒化膜65をエッチングし、レジストを除去した後に金属膜64、ゲート用のポリシリコン63、ゲート絶縁膜62をドライエッチングすることによりゲート電極が形成される。以降は通常のMOSトランジスタ製造プロセスによりソースおよびドレイン拡散層を形成する。
【0039】
以上により、ゲートポリシリコン64で囲まれたBOX構造のチャネル領域が2段に積み重ねられたFin−FETが形成される。
【0040】
また、図23から28の製造プロセスを複数回繰り返すことにより、さらに多数段のBOX構造を積み重ねた構造が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例になるFin−FETの平面レイアウト図である。
【図2】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図3】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図4】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図5】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図6】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図7】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図8】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図9】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図10】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図11】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図12】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図13】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図14】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図15】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図16】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図17】本発明の一実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図18】本発明のFin−FETを用いたメモリセルアレイのレイアウト図である。
【図19】本発明のFin−FETの動作状態を説明する概念図である。
【図20】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図21】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図22】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図23】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図24】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図25】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図26】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図27】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図28】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図29】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図30】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図31】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図32】本発明の他の実施例になるFin−FETの製造方法を説明する工程断面図である。
【図33】従来のFin−FETの構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 活性層
2 ソース用コンタクト
3 ドレイン用コンタクト
4 ゲート電極
5 ゲート電極用コンタクト
11 基板シリコン
11a チャネル形成用半導体層(Fin)
12 シリコン酸化膜
13 シリコン窒化膜
14 素子分離絶縁膜
15 シリコン窒化膜
16 シリコン酸化膜
17 レジストパターン
18 スリット
19 シリコン酸化膜
20 空隙部
21 ゲート絶縁膜
22 ゲート電極用ポリシリコン
23 金属膜
24 キャップシリコン窒化膜
25 レジストパターン
31 フィールド活性領域
32 選択エピタキシャルシリコン
33 ビットコンタクト
34 キャパシタコンタクト
35 ワード線
36 LDDサイドウォール
37 ビット線
41 基板シリコン
42 素子分離絶縁膜
43 ソース領域
44 ドレイン領域
45 ゲート電極用ポリシリコン
46 ゲート絶縁膜
47 金属膜
48 キャップシリコン窒化膜
49 LDDサイドウォール
D 空乏層
Q キャリア保持領域
51 基板シリコン
52 シリコン酸化膜
53 素子分離絶縁膜
54 シリコン窒化膜
55 シリコン酸化膜
56 第1のスリット
57 絶縁膜
58 第1の空隙部
59 絶縁膜
60 第2のスリット
61 絶縁膜
62 第2の空隙部
63 ゲート絶縁膜
64 ゲート電極用ポリシリコン
65 金属膜
66 キャップシリコン窒化膜
67 レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fin構造電界効果トランジスタ(Fin−FET)を有する半導体装置であって、
前記Fin−FETは、半導体基板をFin状に加工して形成されたチャネル形成用半導体層の上面、左右両側面及び底面にゲート電極が形成され、前記ゲート電極により4面を囲まれるチャネル領域を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート電極に囲まれるチャネル領域が少なくとも2段に積み重ねられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ゲート電極に囲まれるチャネル領域の底面が等方エッチ面で構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記Fin−FETが、DRAMのパストランジスタに用いられてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体装置は、前記ゲート電極に囲まれるチャネル領域内にキャリアを閉じ込め、実質的な基板バイアスを変化させることによる閾値電圧の変化を記憶データとして読み込む1トランジスタDRAMであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
Fin構造電界効果トランジスタ(Fin−FET)を有する半導体装置の製造方法であって、
(A)半導体基板をエッチングし、Fin状のチャネル形成用半導体層を形成すると共に各チャネル形成用半導体層間を分離する溝を形成する工程、
(B)前記各チャネル形成用半導体層間を分離する溝に素子分離絶縁膜を形成する工程、
(C)前記チャネル形成用半導体層に対向する2つのスリット部を形成する工程、
(D)前記チャネル形成用半導体層の上面及びスリット部内に絶縁膜を形成する工程、
(E)前記スリット部底面の絶縁膜を除去する工程、
(F)前記スリット部底面より露出した半導体層を等方的にエッチングして、スリット部下に空隙部を形成する工程、
(G)少なくとも残存するスリット部内の絶縁膜を除去した後、露出する半導体層全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び
(H)全面にゲート電極材料を前記スリット部及び空隙部を埋めて成膜し、ゲート電極形状に成形する工程、
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記(F)工程において形成した空隙部内に絶縁膜を形成した後、前記スリット部を介して投射される部分の前記空隙部内の絶縁膜を除去した後、異方性エッチングにより空隙部下に第二のスリット部を形成する工程、該第二のスリット部内に絶縁膜を形成した後、該第二のスリット部底の絶縁膜を除去する工程、及び前記第二のスリット部底面より露出した半導体層を等方的にエッチングして、第二のスリット部下に第二の空隙部を形成する工程、を少なくとも1回行うことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−21503(P2009−21503A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184549(P2007−184549)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】