説明

半導体装置の製造装置および半導体装置の作製方法

【課題】大面積を有する基板を用いて半導体装置の大量生産を行う場合、ステッパを製造プロセスに用いない半導体装置の製造装置を提供する。
【解決手段】絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜に対して、光制御手段、具体的には電気光学装置を介してレーザ光の照射を選択的に行ってアブレーションを生じさせることで薄膜を部分的に除去し、残存させた領域の薄膜を所望の形状とする。電気光学装置は、半導体装置の設計CADデータに基づく電気信号を入力することで可変のマスクとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置の製造装置および半導体装置の作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置や有機発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
【0004】
一般的に、絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜の加工は、リソグラフィ技術が用いられている。リソグラフィ技術を用いるプロセスは、レジストコート工程、フォトマスクを用いたレジスト露光工程、レジスト現像工程、レジストパターンを利用したエッチング工程、レジスト除去工程等の一連のプロセスを経て、薄膜の加工をしている。そのため、リソグラフィ技術を用いるプロセスが多くの工程と時間を占め、製造コストを増大する原因となっている。例えば、アモルファスシリコンを用いたTFTなどを作製する場合、リソグラフィ技術を用いるプロセスが5回行われ、5枚の異なるフォトマスクが必要となってしまう。
【0005】
また、リソグラフィ技術に用いられるフォトマスクは、線膨張係数が小さく、且つ、湿度による変化も小さい透光性基材、具体的にはガラスや石英が用いられ、透光性基材上に微細なマスクパターンが遮光材料で形成されている。このフォトマスクを用いた露光により精度の高いレジストパターンが実現できるが、フォトマスクの製造コストが非常に高価であるという問題点がある。フォトマスク製造にかかる所要日数も長いため、短い製品開発サイクルが望まれる分野においては不利である。また、従来のフォトマスクは一つの種類のパターンしか形成することができなかった。また、フォトマスク設計を僅かに一部だけ変更したい場合でも、フォトマスク製造にかかる所要日数を短くすることは困難である。
【0006】
また、半導体装置の大量生産を行う上で、基板面積を大きくすることで製造コストの低下を図る手法が取られる。しかしながら、フォトマスクのサイズを大きくすればフォトマスク製造のコストが高価となる。
【0007】
また、縮小投影露光装置(ステッパ)も、非常に高価な装置であり、大型サイズになればなるほど高価となり、大面積の基板を用いる場合に複雑な光学系が必要とされ、露光装置の占めるフットプリントも増大する。
【0008】
また、レジストコート工程やレジスト現像工程においては、これらの工程の際に大量の廃液が生じる。こうして生じた大量の廃液を搬送するための配管や、貯蔵するためのタンクを設置する必要がある。また、レジスト材料は、変質しやすいため、常に新鮮なレジスト材料をプロセスに用いる材料品質管理も大変である。
【0009】
このように、半導体装置の大量生産を行う上で、基板面積を大きくすることで製造コストの低下を図ろうとしても、製造工程にリソグラフィ技術を用いてしまうと設備投資額が増大する問題や工程数が増大する問題がある。
【0010】
本出願人は、400nm以下の波長を有するレーザ光を用いて、線状のビームを透光性導電膜に照射し、開溝を形成する薄膜加工方法を特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載している。
【特許文献1】米国特許第4861964号明細書
【特許文献2】米国特許第5708252号明細書
【特許文献3】米国特許第6149988号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、大面積を有する基板を用いて半導体装置の大量生産を行う場合、ステッパを製造プロセスに用いない半導体装置の製造装置を提供する。また、大量生産を行う装置の数を削減し、フットプリントを小さくすることが可能な半導体装置の製造装置を提供する。さらに、レジスト材料も使用せずに薄膜の加工を行うことのできる半導体装置の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜に対して、光制御手段、具体的には電気光学装置を介してレーザ光の照射を選択的に行ってアブレーションを生じさせることで薄膜を部分的に除去し、残存させた領域の薄膜を所望の形状とする。レーザ光の光源と、絶縁表面を有する基板との間の光路上に配置される電気光学装置は、光シャッター、または光リフレクターとして機能させる。本明細書で開示する作製方法は、基板上に第1材料層、第2材料層の順に積層し、矩形状または線状のレーザビームを電気光学装置に通過させ、前記第1材料層または前記第2材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、前記第1材料層または前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層の除去、或いは、前記第1材料層及び前記第2材料層の除去を選択的に行う半導体装置の作製方法である。なお、前記レーザ光の走査の間、前記電気光学装置における光の通過する位置を複数回変化させる。また、3層用いる場合、基板上に第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層し、矩形状または線状のレーザビームを電気光学装置に通過させ、前記第1材料層、前記第2材料層、または前記第3材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う半導体装置の作製方法である。
【0013】
本発明の製造装置は、レーザ光の光源と、レーザ光を矩形ビームに形成する光学系と、光シャッターまたは光リフレクターとして機能する電気光学装置と、基板を保持する手段(例えばステージ)と、制御装置とを少なくとも有する。薄膜のアブレーションを行う強度のレーザビームを得るために、一括で基板全面を照射する広い面積の面状のビームよりも集光しやすい矩形状または線状ビームとすることが好ましい。薄膜のアブレーションを行う強度のレーザビームとは、1μJ/cm〜100J/cmのエネルギー密度範囲内とすればよい。なお、矩形状ビームまたは線状ビームの長手方向の長さは、基板の一辺と等しい、もしくはそれ以上とすると、基板全面に処理を行う走査経路を単純なものとすることができるため、好ましい。ただし、光学系の収差の大きさを考慮して高精細な薄膜の加工を行う場合には、矩形状ビームの長手方向の長さは短いほうがよく、薄膜のアブレーションを行う強度が確保できれば、正方形とすることが好ましい。
【0014】
レーザ光の光源としては、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。特に、パルス幅を1フェムト秒〜10ピコ秒で発振されるパルスレーザから射出されるレーザビームは、高強度のレーザ光が得られ、非線形光学効果(多光子吸収)が生じ、透光性を有する材料層もアブレーションすることができる。パルス幅を1フェムト秒〜10ピコ秒で発振されるパルスレーザから射出されるレーザビームを用いる場合、1μJ/cm〜1mJ/cmであっても十分アブレーションを生じさせることができる。また、レーザ媒体が固体である固体レーザを用いると、メンテナンスフリーの状態を長く保てるという利点や、出力が比較的に安定している利点を有している。
【0015】
また、制御装置は、半導体装置の設計データを格納する記憶部(RAM、ROM等)や、CPU等を含むマイクロプロセッサを有し、電気光学装置に半導体装置の設計CADデータに基づく電気信号を入力することで、レーザ光が電気光学装置を通過して照射される薄膜表面の位置をコントロールする。例えば、被処理基板を固定したステージを移動させる場合、レーザ光の光源の射出タイミングと、電気光学装置に入力する電気信号と、ステージの移動速度を同期させる。
【0016】
また、電気光学装置は、半導体装置の設計CADデータに基づく電気信号を入力することで可変のマスクとして機能する。光シャッターとなる電気光学装置に入力する電気信号を変更することで、薄膜の加工パターンの変更を可能とする。このような電気光学装置としては、選択的に光透過する面積を調節できる素子、例えば、液晶材料、エレクトロクロミック材料を有する素子、或いは、選択的に光反射が調節できる素子、例えばデジタルマイクロミラーデバイス(DMDとも呼ぶ)が挙げられる。DMDとは空間光変調器の一種であり、静電界作用などによって固定軸周りに回転するマイクロミラーと呼ばれる複数の小型ミラーがSi等の半導体基板にマトリクス状に配置されたデバイスである。DMDは、レーザビームを空間的に変調させることができる。
【0017】
また、他の電気光学装置としては、電気光学効果により透過光を変調する光学素子であるPLZT素子を用いることができる。なお、PLZT素子とは、鉛、ランタン、ジルコン、チタンを含む酸化物セラミックスで、それぞれの元素記号の頭文字からPLZTと呼ばれているデバイスである。PLZT素子は、透明なセラミックで光を透過するが、電圧をかけると光の偏向の向きを変えることができ、偏光子と組み合わせることによって光制御装置が構成される。このPLZT素子をマトリクス状に配置してそれぞれ電圧を印加できるように電極やスイッチング素子を設けた電気光学装置とし、電気光学効果によりレーザ光の通過する面積を制御する。PLZT素子も、レーザビームを空間的に変調させることができる。
【0018】
また、電気光学装置において、ビームが通過できる領域が被処理基板と同じ、もしくはそれより小さい形状となっている。電気光学装置において、ビームが通過できる領域が被処理基板と同じ場合、被処理基板と電気光学装置の位置合わせをしてそれぞれの位置を固定したままレーザ光を走査する。なお、この場合、1回の薄膜の加工において、電気光学装置に入力する電気信号は1回とする。
【0019】
製造装置の小型化を図るために、電気光学装置を少なくとも矩形ビームが通過または反射できるような細長い矩形としてもよい。例えば、細長いDMDを用いる場合、反射の角度を制御するマイクロミラーの個数を少なくすることができるため、変調速度を速くすることができる。1回の薄膜に対する加工において、DMDに入力する電気信号を変更する回数は複数回とし、レーザ光の走査の間、前記デジタルマイクロミラーデバイスにおける光の反射する位置を複数回変化させる。また、細長い液晶光シャッターを用いる場合にも、走査線や信号線が少なくなり駆動速度を速くすることができるので、同様の効果を得ることができる。また、電気光学装置を細長い矩形とした場合、1回の薄膜に対する加工において、電気光学装置に入力する電気信号を変更する回数は複数回とし、レーザ光の走査の間、電気光学装置における光の通過する位置を複数回変化させる。矩形ビームの走査に同期するように、電気光学装置に入力する電気信号を順次変更させることで、薄膜の加工が連続的に行われる。矩形ビームの走査方法は、例えば、レーザ光源を固定し、電気光学装置において通過または反射するレーザビームの形状を矩形とする光学系も固定し、照射領域の長手方向と垂直な方向に基板ステージを移動させる。
【0020】
また、基板を保持するステージに代えて、ガスを吹きつけて基板を浮上させる方法で基板を移動させてもよい。大面積の基板サイズとしては、590mm×670mm、600mm×720mm、650mm×830mmが製造ラインで使用されており、680mm×880mm、730mm×920mm、またはこれら以上のサイズが使用されることになると推測される。一辺が1mを越えるガラス基板を用いる場合には、基板の自重による撓みを軽減できる搬送方法、例えばガスを吹きつけて基板を浮上させる方法で基板を移動させることが好ましい。ガスを吹きつけて基板を浮上させる方法は、吹きつけるガスで基板の冷却を行い、過剰な加熱による基板へのダメージを低減することもできる。
【0021】
また、レーザ光の光源と、絶縁表面を有する基板との間の光路上に複数の電気光学装置を配置し、さらに微細な加工を行ってもよい。
【0022】
また、大面積基板を処理する際、一枚の基板に対して上記電気光学装置及びレーザ光源をそれぞれ複数台用いて処理時間を短縮してもよい。例えば、電気光学装置及びレーザ光源をそれぞれ2台用いる場合、1枚の基板の半分を1台が担当して薄膜の加工を行いつつ、もう半分をもう1台が担当して薄膜の加工を行って、最終的に基板全面の薄膜の加工を終了させてもよい。なお、制御装置は、CAD装置で設計されたデータを共通とすることができるため、複数のレーザ光源に対して一つの制御装置とすることができる。特に、レーザ光源をそれぞれ複数台用いる構成は、基板全面積に対して大部分の面積に相当する薄膜をレーザ光のアブレーションで除去する場合に有効である。
【0023】
また、制御装置に電気的に接続する位置アライメント手段を設置することが好ましい。照射位置のアライメントは、CCDカメラ等の撮像素子を設置し、撮像素子から得られるデータを基にレーザ照射を行うことで高精度に行うことができる。また、本製造装置で所望の位置にレーザ光を照射して位置マーカを形成することもできる。
【0024】
また、レーザアブレーションによって粉塵が生じる場合、粉塵が被処理基板表面に付着しないようにするためのブロー手段、または粉塵のバキューム手段をさらに製造装置に設置することが好ましい。レーザアブレーションを行いながら、同時にブロー、または粉塵のバキュームを行うことで粉塵が被処理基板表面に付着することを防止できる。また、レーザアブレーションを行いながら、同時にブロー、または粉塵のバキュームを行うことで基板の冷却を行い、過剰な加熱による基板へのダメージを低減することもできる。
【0025】
本明細書で開示する発明の構成は、レーザ光を射出する光源ユニットと、前記レーザ光を矩形状または線状のレーザビームに成形する光学系と、前記矩形状または線状のレーザビームを選択的に遮光制御する光制御手段と、前記光制御手段を通過したレーザビームを被照射体の表面上に走査する走査手段とを有し、前記光制御手段を通過したレーザビームは、前記被照射体の照射された領域を除去する製造装置である。なお、本構成は、上述した課題の少なくとも一つを解決する。
【0026】
上記構成において、光制御手段は、入力された電気信号で光制御手段の遮光部分と光透過部分とを切り替える電気光学装置、所謂、光シャッターを用いることができる。ただし、光制御手段の遮光部分でレーザビームを必ずしも完全に遮光する必要はなく、光制御手段の遮光部分を通過したレーザビームが被照射面に照射されても被照射領域のアブレーションが生じない程度に光強度を低減できればよい。代表的な光シャッターとしては液晶素子が挙げられる。また、レーザビームを通過させるため、レーザビームの通過に耐えることのできる液晶素子を用いることが好ましい。
【0027】
また、上記構成において、光制御手段は、入力された電気信号で前記光制御手段の偏向部分と光透過部分とを切り替える電気光学装置を用いることができる。この電気光学装置としては、例えば、マトリクス状に配置したPLZT素子が挙げられる。PLZT素子は、酸化物セラミックスであるため、耐熱性が高く、レーザビームの通過に耐えることのできる素子であるため、本発明に適した光制御手段と言える。
【0028】
また、他の発明の構成は、レーザ光を射出する光源ユニットと、前記レーザ光を矩形状または線状のレーザビームに成形する光学系と、前記矩形状または線状のレーザビームを選択的に反射制御する光制御手段と、前記光制御手段を反射したレーザビームを被照射体の表面上に走査する走査手段とを有し、前記光制御手段を反射したレーザビームは、前記被照射体の照射された領域を除去する製造装置である。なお、本構成は、上述した課題の少なくとも一つを解決する。
【0029】
上記構成において、前記光制御手段は、入力された電気信号で前記光制御手段の反射方向を切り替える素子、所謂、DMDを用いることができる。また、レーザビームを反射させるため、レーザビームの照射に耐えることのできるマイクロミラーを用いることが好ましい。
【0030】
また、上記各構成において、さらに光源ユニット及び光制御手段を制御する制御装置を備えてもよい。光源ユニット及び光制御手段を制御する制御装置によってそれぞれを同期させることができ、光源ユニットから射出されるレーザ光によって光制御手段にダメージを与えてしまう恐れを防ぐことができる。
【0031】
また、上記各構成において、さらに光源ユニット、光制御手段、及び走査手段を制御する制御装置を備えてもよい。光源ユニット、光制御手段、及び走査手段を制御する制御装置によってそれぞれを同期させることができる。光源ユニット、光制御手段、及び走査手段を制御する制御装置によってレーザビームを効率よく走査して、所望の領域のアブレーションを行うことができる。
【0032】
また、上記各構成において、前記矩形状または線状のレーザビームの長手方向は、前記走査手段で走査する方向と直交するように設定すると、帯状の照射領域とすることができ、被照射面全体を一括、または分割してレーザビームの走査を行うことができる。
【0033】
また、被照射体も特徴があり、被照射体は、基板上に形成された第1材料層、第2材料層の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して前記第1材料層または前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層の除去、或いは、前記第1材料層及び前記第2材料層の除去を行う。或いは、被照射体は、基板上に形成された第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う。3層の材料層を被照射体とする場合、基板上に第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層し、矩形状または線状のレーザビームを電気光学装置に通過させ、前記第1材料層、前記第2材料層、または前記第3材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う半導体装置の作製方法とする。
【0034】
なお、基板は透光性を有する基板、例えばガラス基板や石英基板である。特に大面積、具体的には一辺が1mを越える基板を用いれば、大量生産に有用である。
【0035】
レーザビームを照射して被照射体の照射された領域が除去される現象をアブレーションと呼び、その行為を行う処理をアブレーション処理と呼ぶ。
【0036】
なお、本明細書において、アブレーションとは、レーザ光の照射により照射領域及びその周辺の材料層が固体状態から気体状態に変化する昇華と、材料層が固体状態から液体状態を経由して気体状態に変化する蒸発とを両方含む。レーザ光を照射する材料層の材料によって昇華するアブレーションか、蒸発するアブレーションかが決定される。
【発明の効果】
【0037】
本発明によりフォトマスクを作製する手間を省け、さらにレジスト材料を用いることなく薄膜の加工ができる。
【0038】
また、CAD装置で設計されたデータを用いて光制御手段の制御を行うことができるため、高精度で、且つ、安価に所望の薄膜加工が行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
(実施の形態1)
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0040】
図1は本発明の製造装置の一例を示す斜視図である。射出されるレーザ光はレーザ発振装置103(YAGレーザ装置、エキシマレーザ装置など)から出力され、ビーム形状を矩形状とするための第1の光学系104と、整形するための第2の光学系105と、平行光線にするための第3の光学系106とを通過し、反射ミラー107で光路が基板100に対して垂直となる方向に曲げられる。その後、選択的に光透過する面積及び位置を調節する電気光学装置108にレーザビームを通過させて被照射面に照射する。
【0041】
電気光学装置108は、コンピュータなどの制御装置116でレーザ光を透過する面積及び位置を調節する。電気光学装置108に入力する電気信号を変更することで、レーザ光を透過する面積及び位置を変更し、アブレーションさせる領域をコントロールする。ただし、電気光学装置108は、レーザ光を通過させてもレーザ光に耐えうるデバイスを用いる。
【0042】
製造装置の小型化を図るため、図1においては、電気光学装置108をレーザビームとほぼ同じ矩形状として基板100よりも小さいサイズとしているが、特に限定されず、電気光学装置108を基板100と同じサイズとしてもよい。
【0043】
また、照射面に照射されるレーザスポットの形状は、矩形状または線状とすることが好ましく、具体的には、短辺が1mm〜5mm、且つ長辺が10mm〜50mmの矩形状とすればよい。レーザはパルス幅が数十nsのエキシマレーザを用いる場合、その適正範囲は、1J/cm〜10J/cmのエネルギー密度範囲内とすればよい。また、連続発振レーザを用いる場合、1ms程度で100J/cmのエネルギー密度を得ることができるため、条件を適宜設定する必要がある。収差の少ないレーザスポットとしたい場合には、5mm×5mm〜50mm×50mmの正方形としてもよい。また、大面積基板を用いる場合には、処理時間を短縮するため、レーザスポットの長辺を20cm〜100cmとすることが好ましい。また、図1に示すレーザ発振装置及び光学系を複数設置して大面積の基板を短時間に処理してもよい。具体的には、基板ステージの上方に2つの電気光学装置を設置して、それぞれに対応するレーザ発振装置からレーザビームをそれぞれ照射して基板1枚における処理面積を分担してもよい。
【0044】
なお、図1は一例であり、レーザ光の光路に配置する各光学系や電気光学装置の位置関係は特に限定されない。例えば、レーザ発振装置103を基板100の上方に配置し、レーザ発振装置103から射出するレーザ光が基板面に垂直な方向となるように配置すれば、反射ミラーを用いずともよい。また、各光学系は、集光レンズ、ビームエキスパンダ、ホモジナイザ、または偏光子などを用いればよく、これらを組み合わせてもよい。また、各光学系としてスリットを組み合わせてもよい。
【0045】
被照射面上でレーザビームの照射領域を2次元的に、適宜、走査させることによって、基板の広い面積に照射を行う。走査するために、レーザビームの照射領域と基板とを相対的に移動させる。ここでは、基板を保持している基板ステージ109をXY方向に移動させる移動手段(図示しない)で走査を行う。
【0046】
また、制御装置116は、基板ステージ109をXY方向に移動させる移動手段も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置116は、レーザ発振装置103も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置116は、位置マーカを認識するための位置アライメント機構と連動させることが好ましい。
【0047】
また、レーザが照射される被照射体は、基板100上に形成された第1材料層101、第2材料層114、第3材料層115の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して第2材料層114をアブレーションさせることで、第2材料層114及び第3材料層115の除去、或いは、第1材料層101、第2材料層114、及び第3材料層115の除去を行う。なお、第2材料層114は、第1材料層101及び第3材料層115よりもアブレーションが生じやすい材料、例えば、沸点や昇華点の低い材料や、ガスが発生しやすい材料とする。
【0048】
また、第1材料層101は耐熱性金属を用いることが好ましく、例えばタングステンやタンタルなどを用いる。また、第2材料層は、比較的に沸点や昇華点の低い材料であるクロム(沸点2672℃)やアルミニウム(沸点2467℃)などを用いる。また、第3材料層は、無機絶縁膜、例えば、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜などを用いる。
【0049】
また、基板100がレーザ光のダメージを受けにくい場合や、レーザ光のエネルギー密度を小さくできる場合には、被照射体は3層に限定されず、2層であってもよい。
【0050】
ここで、図2(A)、図2(B)、及び図2(C)に被照射体を2層とした場合のレーザアブレーション処理前後の様子を示す。
【0051】
図2(A)はレーザアブレーション処理前の状態を示している斜視図である。
【0052】
基板ステージ上方に電気光学装置208が配置され、基板ステージ209上に基板200が設置されている。なお、図2(A)の電気光学装置208は図1の電気光学装置108に対応しており、簡略化のため光学系やレーザ発振装置を図2(A)では図示していない。
【0053】
基板200上には水素を含むアモルファスシリコン膜からなる第1材料層201と、酸化窒化珪素膜からなる第2材料層202とがPCVD法を用いて連続的に積層形成されている。
【0054】
まず、基板とレーザビームの位置アライメントを行った後、積層が形成された基板200を図2(A)中の矢印に示す走査方向210に移動させる。なお、図2(A)中の点線で示した領域211は、レーザアブレーション後に残存させたい積層のパターンの位置を示しており、このデータが電気光学装置に接続している制御装置に格納されている。
【0055】
次いで、レーザビーム212の走査を行って、電気光学装置208によって選択的にレーザアブレーション処理がなされる。図2(B)はレーザアブレーション処理の途中の斜視図を示す図である。ここでは基板を一括して処理するために線状のレーザビームとし、レーザビームの長辺が、基板一辺とほぼ等しいサイズとした例を示している。水素を含むアモルファスシリコン膜にレーザ光を照射すると脱ガス化によってアブレーションが生じやすく、その上の第2材料層202も一緒に除去される。電気光学装置208の透過部分を透過したレーザビーム212が積層を除去し、電気光学装置208の遮光部分に遮光された領域が残存して積層のパターンを形成する。なお、電気光学装置208の遮光部分は、完全に光を遮断する必要はなく、少なくともレーザビームの強度を弱めることができ、照射された領域がアブレーションしないようにできればよい。ここでは、制御装置により電気光学装置208に入力する電気信号を設計データに基づいて変更させ、電気光学装置208の遮光部分及び透過部分を変更しながら、レーザビーム212の走査を行う。
【0056】
次いで、基板端面または位置マーカを認識する位置アライメント機構によりレーザアブレーション処理の終了を判断して、レーザ発振装置のレーザ光の射出を停止、またはシャッターによって基板へのレーザ照射を終了させる。この段階での斜視図を示す図が図2(C)である。
【0057】
図2(C)に示すように、レーザアブレーション処理のみを行うことで、基板200上に島状の第1の材料層213と、島状の第2の材料層214とを形成することができる。島状の第1の材料層213は水素を含むアモルファスシリコン膜であり、この島状の第1の材料層213を活性層とするアモルファスシリコンTFTを作製することができる。また、島状の第1の材料層213のサイズを小さくするために、島状の第2の材料層214をマスクとしてウェットエッチングしてもよい。
【0058】
なお、図2(C)では、図を分かりやすくするために2個のパターンを示した例を示したが、実際に半導体装置を大量生産する場合には、一枚の基板上に無数のパターンを形成する。
【0059】
また、第1の材料層201としてクロム膜を用い、第2の材料層202として酸化窒化珪素膜を用いた場合も、同様にレーザアブレーション処理を行って所望の形状の積層を残存させることができる。この処理をLAPP(Laser Ablation Patterning Process)と呼ぶ。こうして形成したクロム膜は配線に用いることができる。
【0060】
このように、図1に示す製造装置を用いることで、フォトマスクを用いることなく半導体層のパターニングや配線のパターニングを行うことができる。従って、フォトマスクを用いることなく、半導体装置の作製プロセスの一部または全部を実行することができる。
【0061】
また、基板主表面を水平面と平行な方向に設置することに限定されず、基板主表面を水平面に対して斜め若しくは垂直としてもよい。大面積の基板の基板主表面を斜めにしたままレーザビームを走査することも、適宜、光学系の設計や基板搬送システムを設定すれば可能である。基板主表面を水平面に対して斜め若しくは垂直とすることで、さらに製造装置のフットプリントを縮小することができる。また、基板主表面を水平面に対して斜め若しくは垂直の状態で成膜可能な装置、例えばスパッタ装置などと本発明の製造装置を連結することで基板搬送をスムーズに行い、成膜処理(スパッタ処理)と膜の加工処理(アブレーション処理)とを連続的に行うこともできる。
【0062】
(実施の形態2)
本実施の形態では、レーザ発振装置からのレーザビームの光路上に複数の電気光学装置を配置する例を図3に示す。
【0063】
射出されるレーザ光はレーザ発振装置303(YAGレーザ装置、エキシマレーザ装置など)から出力され、ビーム形状を矩形状とするための第1の光学系304と、整形するための第2の光学系305と、平行光線にするための第3の光学系306とを通過し、第1の電気光学装置308aを通過した後、反射ミラー307で光路が基板300に対して垂直となる方向に曲げられる。その後、第2の電気光学装置308b及び第3の電気光学装置にレーザビームを通過させて被照射面に照射する。第1の電気光学装置308a、第2の電気光学装置308b、及び第3の電気光学装置308cは、選択的に光透過する面積及び位置をそれぞれ独立して調節することができる。
【0064】
レーザビームを複数の電気光学装置を用いることで、高精度に光透過する面積及び位置を制御することができる。例えば、第2の電気光学装置308bとして120×30個のマトリクス状に液晶シャッターが配置された透過型液晶素子を用い、第3の電気光学装置308cとして、1024×768個のマトリクス状に液晶シャッターが配置された透過型液晶素子を用いることで遮光する面積を分担できる。具体的には、設計パターンのうち、大きな面積を遮光したい部分には第2の電気光学装置308bで遮光し、小さな面積及び位置を正確に遮光したい部分には、第3の電気光学装置308cで遮光を行い、組み合わせることができる。
【0065】
また、レーザ発振装置から距離が近く他の電気光学装置よりもレーザ光の強度が大きいため、第1の電気光学装置308aは、PLZT素子を用いることが好ましい。PLZT素子は液晶素子よりも高速でシャッター制御を行うことができる。このように異なる種類の電気光学装置を組み合わせることもできる。
【0066】
3つの電気光学装置は、コンピュータなどの制御装置316でレーザ光を透過する面積及び位置を調節する。3つの電気光学装置に入力する電気信号をそれぞれ変更することで、レーザ光を透過する面積及び位置を変更し、アブレーションさせる領域をコントロールする。
【0067】
実施の形態1に示す製造装置と同様に、被照射面上でレーザビームの照射領域を2次元的に、適宜、走査させることによって、基板の広い面積に照射を行う。走査するために、レーザビームの照射領域と基板とを相対的に移動させる。ここでは、基板を保持している基板ステージ309をXY方向に移動させる移動手段(図示しない)で走査を行う。また、制御装置316は、基板ステージ309をXY方向に移動させる移動手段も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置316は、レーザ発振装置303も制御できるように連動させることが好ましい。さらに、制御装置316は、反射ミラー307も制御できるように連動させることが好ましい。
【0068】
また、レーザが照射される被照射体は、基板300上に形成された第1材料層301、第2材料層314、第3材料層315の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して第2材料層314をアブレーションさせることで、第2材料層314及び第3材料層315の除去、或いは、第1材料層301、第2材料層314、及び第3材料層315の除去を行う。なお、第2材料層314は、第1材料層301及び第3材料層315よりもアブレーションが生じやすい材料、例えば、沸点や昇華点の低い材料や、ガスが発生しやすい材料とする。
【0069】
また、基板300がレーザ光のダメージを受けにくい場合や、レーザ光のエネルギー密度を小さくできる場合には、被照射体は3層に限定されず、2層であってもよい。
【0070】
図3では3つの電気光学装置を用いる例を示したが、レーザアブレーション処理が可能であれば特に個数は限定されず、2つの電気光学装置を用いてもよいし、4つ以上の電気光学装置を用いてもよい。また、3つの電気光学装置のそれぞれのサイズを異ならせることもでき、その場合には適宜、拡大レンズや投影レンズや縮小レンズなどをレーザビームの光路に配置すればよい。
【0071】
また、本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
【0072】
(実施の形態3)
本実施の形態では、レーザビームの光路にDMDを配置する例を示す。
【0073】
レーザ発振装置からの光は、光学系により矩形状のレーザビームとし、DMDに照射する。DMDにはマトリクス状に配置されているマイクロミラー群のうち、所定の姿勢にあるマイクロミラーのみにより反射されて被処理面上に導く。このDMDの各マイクロミラーの姿勢はコンピュータなどの制御装置によって制御する。制御装置に入力された設計データを基に被処理面上に照射領域のパターンが制御され、照射領域に対してレーザアブレーション処理が行われる。
【0074】
上記レーザアブレーション処理が行えるように適宜、集光レンズ、ビームエキスパンダ、ホモジナイザ、スリット、または偏光子などを用いて光学系を設計し、DMDを配置すればよい。
【0075】
DMDはレーザ光を透過するのではなく反射させるので、透過型液晶素子に比べてレーザ光に対するダメージは少なく、エネルギーのロスも小さいため、有用である。ただし、レーザ光の照射でマイクロミラーの反射材料がアブレーションしないように光学系を設計する、或いはアブレーションしにくい反射材料をマイクロミラーに用いることが好ましい。
【0076】
また、本実施の形態は実施の形態1及び実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
【0077】
例えば、実施の形態2と組み合わせる場合、反射ミラー307に代えてDMDを用いることで選択的に反射を行い、さらに電気光学装置308aを通過したレーザビームでレーザアブレーションを行うこともできる。この場合、電気光学装置に加えDMDも制御装置316によって制御することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
レジスト塗布装置やレジスト材料の廃液処理装置やステッパのスペースを必要としないため、フットプリントを小さくでき、小型の製造装置を実現することができる。
【0079】
本発明に係る製造装置は、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレーなどの表示装置の製造装置として利用することができる。また、半導体集積回路の製造装置として利用することができる。すなわち、従来、半導体装置及び表示装置の微細加工技術として広く利用されてきたフォトリソグラフィー工程に換えて本発明に係る製造装置を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の製造装置の一例を示す斜視図。
【図2】本発明の製造装置を用いた工程を示す模式図。
【図3】本発明の製造装置の他の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0081】
100:基板
101:第1材料層
103:レーザ発振装置
104:第1の光学系
105:第2の光学系
106:第3の光学系
107:反射ミラー
108:電気光学装置
109:基板ステージ
114:第2材料層
115:第3材料層
116:制御装置
201:第1材料層
202:第2材料層
208:電気光学装置
209:基板ステージ
210:走査方向
212:レーザビーム
213:島状の第1の材料層
214:島状の第2の材料層
300:基板
301:第1材料層
303:レーザ発振装置
304:第1の光学系
305:第2の光学系
306:第3の光学系
307:反射ミラー
308a:第1の電気光学装置
308b:第2の電気光学装置
308c:第3の電気光学装置
309:基板ステージ
314:第2材料層
315:第3材料層
316:制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を射出する光源ユニットと、
前記レーザ光を矩形状または線状のレーザビームに成形する光学系と、
前記矩形状または線状のレーザビームを選択的に遮光制御する光制御手段と、
前記光制御手段を通過したレーザビームを被照射体の表面上に走査する走査手段とを有し、
前記光制御手段を通過したレーザビームは、前記被照射体の照射された領域を除去する製造装置。
【請求項2】
請求項1において、前記光制御手段は、入力された電気信号で前記光制御手段の遮光部分と光透過部分とを切り替える製造装置。
【請求項3】
請求項1において、前記光制御手段は、入力された電気信号で前記光制御手段の偏向部分と光透過部分とを切り替える製造装置。
【請求項4】
レーザ光を射出する光源ユニットと、
前記レーザ光を矩形状または線状のレーザビームに成形する光学系と、
前記矩形状または線状のレーザビームを選択的に反射制御する光制御手段と、
前記光制御手段を反射したレーザビームを被照射体の表面上に走査する走査手段とを有し、
前記光制御手段を反射したレーザビームは、前記被照射体の照射された領域を除去する製造装置。
【請求項5】
請求項4において、前記光制御手段は、入力された電気信号で前記光制御手段の反射方向を切り替える製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一において、さらに前記光源ユニット及び前記光制御手段を制御する制御装置を備えている製造装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一において、さらに前記光源ユニット、前記光制御手段、及び前記走査手段を制御する制御装置を備えている製造装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一において、前記矩形状または線状のレーザビームの長手方向は、前記走査手段で走査する方向と直交する製造装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一において、前記被照射体は、基板上に形成された第1材料層、第2材料層の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して前記第1材料層または前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層の除去、或いは、前記第1材料層及び前記第2材料層の除去を行う製造装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか一において、前記被照射体は、基板上に形成された第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層された積層であり、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う製造装置。
【請求項11】
基板上に第1材料層、第2材料層の順に積層し、
矩形状または線状のレーザビームを電気光学装置に通過させ、
前記第1材料層または前記第2材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、前記第1材料層または前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層の除去、或いは、前記第1材料層及び前記第2材料層の除去を選択的に行う半導体装置の作製方法。
【請求項12】
基板上に第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層し、
矩形状または線状のレーザビームを電気光学装置に通過させ、
前記第1材料層、前記第2材料層、または前記第3材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う半導体装置の作製方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12において、前記レーザ光の走査の間、前記電気光学装置における光の通過する位置を複数回変化させる半導体装置の作製方法。
【請求項14】
基板上に第1材料層、第2材料層の順に積層し、
矩形状または線状のレーザビームをデジタルマイクロミラーデバイスに照射させ、
前記第1材料層または前記第2材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、前記第1材料層または前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層の除去、或いは、前記第1材料層及び前記第2材料層の除去を選択的に行う半導体装置の作製方法。
【請求項15】
基板上に第1材料層、第2材料層、第3材料層の順に積層し、
矩形状または線状のレーザビームをデジタルマイクロミラーデバイスに照射させ、
前記第1材料層、前記第2材料層、または前記第3材料層に対して選択的にレーザ光の走査を行い、レーザビームを照射して前記第2材料層をアブレーションさせることで、前記第2材料層及び前記第3材料層の除去、或いは、前記第1材料層、前記第2材料層、及び前記第3材料層の除去を行う半導体装置の作製方法。
【請求項16】
請求項14または請求項15において、前記レーザ光の走査の間、前記デジタルマイクロミラーデバイスにおける光の反射する位置を複数回変化させる半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−78637(P2008−78637A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215736(P2007−215736)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】