説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】バイポーラトランジスタの高速化に伴うMOSトランジスタの分離特性の低下を抑制する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1000aは、第一導電型のバイポーラトランジスタ100及びMOSトランジスタ200を備え、MOSトランジスタ200は、第二導電型の半導体基板1と半導体基板1上に形成された第一導電型のエピタキシャル層2との界面付近に形成された、半導体基板1上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つ第一導電型埋込層16と、第一導電型埋込層16上に形成された第二導電型埋込層17及びウェル層18と、第二導電型ウェル層18に形成された第一導電型のソース層19及びドレイン層20と、第一の深さより浅い第二の深さに不純物濃度のピークを持つ第一導電型埋込層27とを有し、第一導電型埋込層27は、第一導電型埋込層16と接し、かつ、第二導電型埋込層17の外縁部を囲むように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとが同一基板に形成された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体装置は、例えば、光ピックアップ装置に用いられるOEIC(Optical Electrical Integrated Circuit)等に利用されている。
光ピックアップ装置に用いられる一般的なOEICの構成の一例について説明する。OEICは、バイポーラトランジスタで構成されたオペアンプと、スイッチング素子として働く複数のMOSトランジスタと、複数のゲイン抵抗と、受光素子であるフォトダイオードとを備える。複数のMOSトランジスタと複数のゲイン抵抗とは、一対一で対応しており、対応するMOSトランジスタ及びゲイン抵抗はそれぞれ、直列に接続される。
【0003】
このようなOEICにおいて、光ディスクからの反射光がフォトダイオードに入射されると、光電流が発生し、オペアンプの入力電流となる。この入力電流は、ゲイン抵抗の大きさに応じて増幅されて出力される。
ところで近年、OEIC は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びBD(Blu-ray Disc)等の様々なディスクに対応する必要がある。光ディスクの種類によって光の波長や光ディスクでの反射率が異なるため、フォトダイオードに入射される光の強度及び波長が異なり、その結果、発生する光電流の大きさも異なる。
【0004】
そこで、各MOSトランジスタのゲート電圧を調整して、各MOSトランジスタのオンオフの切り替えを行うことで、複数のゲイン抵抗のうち最適なゲイン抵抗を選択して出力電圧を調整している。
続いて、OEIC等に用いられる、バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとが同一基板に形成された半導体装置(例えば、特許文献1参照)の一般的な構成について、図15を用いて説明する。
【0005】
図15は、半導体装置1000の構成を示す断面図である。図15では、バイポーラトランジスタとしてNPNトランジスタ1002を、MOSトランジスタとしてNチャネル型MOSトランジスタ(以下、「NMOSトランジスタ」という)1003を、半導体基板として低濃度p型のシリコン基板1001を例示している。図15に示すように、半導体装置1000は、NPNトランジスタ1002及びNMOSトランジスタ1003を同一の低濃度p型のシリコン基板1001に有する。
【0006】
より詳細には、半導体装置1000は、シリコン基板1001と、シリコン基板1001上に形成されたn型エピタキシャル層1004と、n型エピタキシャル層1004に選択的に形成されたLOCOS分離層1005と、n型エピタキシャル層1004及びLOCOS分離層1005上に形成された絶縁膜1006とを備えている。
また、n型エピタキシャル層1004には、高濃度のp型埋込分離層1026が選択的に設けられており、選択的に設けられたp型埋込分離層1026により画定された領域にトランジスタが設けられる。
【0007】
NPNトランジスタ1002は、自己整合ダブルポリエミッタ型NPNトランジスタであり、高速性能を有する構造である。
NPNトランジスタ1002は、具体的には、シリコン基板1001とn型エピタキシャル層1004との界面に形成された高濃度のn型埋込層1007と、n型埋込層1007上に選択的に形成された高濃度のn型コレクタコンタクト層1008と、n型コレクタコンタクト層1008上に形成され、ポリシリコンで構成されたn型コレクタポリ電極1009と、n型コレクタポリ電極1009上に形成されたコレクタ電極1010と、n型埋込層1007上のn型エピタキシャル層1004中に選択的に形成されたp型ベース層1011と、p型ベース層1011に形成され、ポリシリコンで構成されたp型ベースポリ電極1012と、p型ベースポリ電極1012上に形成され、p型ベース層1011と電気的に接続されたベース電極1013と、p型ベース層1011に選択的に形成された高濃度のn型エミッタ層1014と、n型エミッタ層1014上に形成され、ポリシリコンで構成されたn型エミッタポリ電極1015と、n型エミッタポリ電極1015上に形成されたエミッタ電極1016と、p型ベースポリ電極1012とn型エミッタポリ電極1015との間に形成され、両者を電気的に絶縁するスペーサ層1017とを備える。
【0008】
NMOSトランジスタ1003は、基板分離タイプの構造である。
NMOSトランジスタ1003は、具体的には、シリコン基板1001とn型エピタキシャル層1004との界面に形成された高濃度のn型埋込層1018と、n型埋込層1018上に選択的に形成されたp型ウェル層1019と、p型ウェル層1019にそれぞれ選択的に形成された高濃度のn型ソース層1020及びn型ドレイン層1021と、p型ウェル層1019上に選択的に形成されたゲート酸化膜1022と、ゲート酸化膜1022上に形成され、ポリシリコンで構成されたゲートポリ電極1023と、n型ソース層1020上に形成されたソース電極1024と、n型ドレイン層1021上に形成されたドレイン電極1025とを備える。
【0009】
n型埋込層1018は、シリコン基板1001とp型ウェル層1019とを電気的に分離するためのものであり、これによりp型ウェル層1019の電位を通常グラウンドであるシリコン基板1001に関係なく設定することができる。
NMOSトランジスタ1003のこのような分離特性を利用し、上述したOEICにおいては、オペアンプの入力電流に対する出力電圧の線形性を向上させるために、しばしばp型ウェル層1019とソースとが接続された状態で使用されている。NMOS1003トランジスタのオン抵抗は、電圧(Vds)依存性を有するので、Vdsが高くなるとオン抵抗も大きくなってしまうが、p型ウェル層1019とソースとを接続し、p型ウェル層1019の電圧をソースと同電位に上げることで、オン抵抗を低くすることができ、その結果、出力電圧の線形性を向上させるができるからである。
【特許文献1】特開2003‐234423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで近年、光ディスクを再生する再生装置における高倍速再生や、BDに代表される光ディスクの大容量化に伴い、バイポーラトランジスタのさらなる高速化が望まれている。バイポーラトランジスタを高速化するためには、コレクタの抵抗を下げる必要があるので、n型エピタキシャル層1004をより薄膜化しなければならない。
一方で、n型エピタキシャル層1004をより薄膜化すると、NMOSトランジスタ1003においてn型埋込層1018とn型ドレイン層1021とが近接してしまい、p型ウェル層1019がパンチスルーして、ドレイン‐ウェル間の耐圧が低下してしまうという問題がある。ドレイン‐ウェル間の耐圧を確保するためには、n型埋込層1018の不純物濃度のピーク位置を更に深くし、ウェル層を拡大することで、パンチスルーの発生を抑制する必要がある。
【0011】
しかしながら、n型埋込層1018の不純物濃度のピーク位置を更に深くすると、ドレイン‐ウェル間の耐圧を確保することはできるが、一方で、p型ウェル層1019とシリコン基板1001とが近接するため、n型エピタキシャル層4がパンチスルーして、p型ウェル層1019−n型エピタキシャル層1004−シリコン基板1001で構成された寄生PNPトランジスタがオンし易くなる。寄生PNPトランジスタがオンすると、p型ウェル層1019からシリコン基板1001にリーク電流が流れ、その結果、p型ウェル層1019とシリコン基板1001との間の分離特性が低下してしまう。p型ウェル層1019の電位がシリコン基板1001に依存してしまうので、p型ウェル層1019の電位を独立に設定できなくなる。これにより、例えば、上述したOEICにおいて、p型ウェル層1019の電圧をソースと同電位に上げることが不可能になり、オン抵抗を低くすることができず、その結果、オペアンプの出力電圧の線形性を損なう。
【0012】
本発明は、バイポーラトランジスタの高速化に伴うMOSトランジスタの分離特性の低下を抑制する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態である半導体装置は、第一導電型のMOSトランジスタと、第一導電型のバイポーラトランジスタとを備え、前記MOSトランジスタは、第二導電型の半導体基板と当該半導体基板上に形成された第一導電型のエピタキシャル層との界面付近に形成された、前記半導体基板上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つ第一の第一導電型埋込層と、前記第一の第一導電型埋込層上に形成された第二導電型ウェル層と、前記第二導電型ウェル層に形成された第一導電型のソース層及びドレイン層と、前記第一の深さより浅い第二の深さに不純物濃度のピークを持つ第二の第一導電型埋込層とを有し、前記第二の第一導電型埋込層は、前記第一の第一導電型埋込層と接し、かつ、前記第二導電型ウェル層の外縁部を囲むように形成されている。
【発明の効果】
【0014】
上記の構成により、第二導電型ウェル層の外縁部を不純物濃度のピークを持つ第二の第一導電型埋込層で囲むことができる。第二導電型の半導体基板と第二導電型ウェル層との間に第二の第一導電型埋込層によるポテンシャルバリアが形成されるので、エピタキシャル層でのパンチスルーを抑制することができる。パンチスルーが抑制されることで、寄生トランジスタの動作も抑制され、その結果、MOSトランジスタの分離特性の低下を抑制することができる。
【0015】
ここで、前記バイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面に形成された第三の第一導電型埋込層と、前記第三の第一導電型埋込層上に形成され、コレクタとして作用する前記エピタキシャル層と、前記エピタキシャル層に形成された第二導電型ベース層と、前記第二導電型ベース層に形成された第一導電型エミッタ層とを有しており、前記第二の第一導電型埋込層及び前記第三の第一導電型埋込層の深さが等しいとしてもよい。
【0016】
前記第二の第一導電型埋込層及び前記第三の第一導電型埋込層の深さが等しいので、これらを同一工程で形成してもよく、その場合には、工程数を増加させることなく、前記第二の第一導電型埋込層を形成することができる。
なお、製造誤差の範囲内のずれであれば、前記第二の第一導電型埋込層及び前記第三の第一導電型埋込層の深さは等しいものとする。
【0017】
ここで、前記MOSトランジスタは、前記第二の第一導電型埋込層上に前記第二導電型ウェル層の外縁部を囲むように形成された、前記エピタキシャル層に不純物濃度のピークを持つ第四の第一導電型拡散層をさらに有するとしてもよい。
これにより、第二導電型の半導体基板と第二導電型ウェル層との間に第四の第一導電型拡散層によるポテンシャルバリアがさらに形成されるので、エピタキシャル層でのパンチスルーの抑制をさらに効果的に行うことができる。
【0018】
ここで、前記半導体装置は、前記エピタキシャル層の上面に選択的に形成された素子分離層を備えており、前記第四の第一導電型拡散層の上端は、前記素子分離層と接するとしてもよい。
前記第四の第一導電型拡散層の上端が前記素子分離酸化膜と接するので、第二導電型ウェル層の外縁部の全体が、前記第二の第一導電型埋込層及び第四の第一導電型拡散層により囲まれることになる。したがって、第二導電型の半導体基板と第二導電型ウェル層とを第一導電型埋込層により完全に分離ことができる。
【0019】
ここで、前記半導体装置は、第二導電型のバイポーラトランジスタをさらに備え、前記第二導電型のバイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面付近に形成された、前記第一の深さに不純物濃度のピークを持つ第五の第一導電型埋込層と、前記第五の第一導電型埋込層上に形成された第二導電型コレクタ層と、前記第二導電型コレクタ層に形成された第一導電型ベース層と、前記第一導電型ベース層に形成された第二導電型エミッタ層と、前記第二の深さに不純物濃度のピークを持つ第六の第一導電型埋込層とを有し、前記第六の第一導電型埋込層は、前記第五の第一導電型埋込層と接し、かつ、前記第二導電型コレクタ層の外縁部を囲むように形成されているとしてもよい。
【0020】
これにより、第五の第一導電型埋込層の不純物濃度のピーク位置が、第二の第一導電型埋込層の不純物濃度のピーク位置より深くなるため、前記第五の第一導電型埋込層と前記第一導電型ベース層との距離を確保することができる。したがって、第二導電型のバイポーラトランジスタの耐圧を向上させることができる。
また、第二導電型コレクタ層と第二導電型ウェル層とを同一工程で作成してもよく、その場合は、工程数を増加させることなく、第二導電型コレクタ層を形成することができる。
【0021】
ここで、前記半導体装置は、第二導電型のMOSトランジスタをさらに備え、前記第二導電型のMOSトランジスタは、前記第一の第一導電型埋込層上に形成された第一導電型ウェル層と、前記第一導電型ウェル層に形成された第二導電型のソース層及びドレイン層とを有するとしてもよい。
これにより、第二導電型のMOSトランジスタと第一導電型のMOSトランジスタとの境界領域に分離層を別途設ける必要がないため、素子面積を縮小できる。また、素子面積の縮小により、半導体装置の設計におけるレイアウトの自由度が大きくなる。
【0022】
ここで、前記半導体装置は、第二の第一導電型のバイポーラトランジスタをさらに備え、前記第二の第一導電型のバイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面に形成された、前記第一の第一導電型埋込層と深さが等しい第七の第一導電型埋込層と、前記第七の第一導電型埋込層上に形成され、コレクタとして作用する前記エピタキシャル層と、前記エピタキシャル層に形成された第二の第二導電型ベース層と、前記第二の第二導電型ベース層に形成された第二の第一導電型エミッタ層とを有するとしてもよい。
【0023】
第七の第一導電型埋込層は、第三の第一導電型埋込層より深く形成されるので、第二の第二導電型ベース層と第七の第一導電型埋込層との距離を確保することができる。したがって、前記第二の第一導電型のバイポーラトランジスタの耐圧を、前記第一導電型のバイポーラトランジスタの耐圧より向上させることができる。つまり、高速性能を有する第一導電型のバイポーラトランジスタと高耐圧の第二の第一導電型のバイポーラトランジスタとを、同一基板上に集積化できる。
【0024】
また、第七の第一導電型埋込層と第一の第一導電型埋込層とは、同一工程で形成されるとしてもよく、その場合には、工程を新たに追加することなく第七の第一導電型埋込層を形成することができる。
ここで、前記半導体装置は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面付近に形成された受光素子をさらに備えるとしてもよい。
【0025】
当該半導体装置は、例えば、OEICに利用することができる。
ところで、当該半導体装置において、半導体基板で吸収されたキャリアの一部は、近接した素子まで拡散し、素子内部に侵入する場合がある。このとき侵入したキャリアはノイズ成分になり、特性低下や回路の動作異常の原因となる。
当該半導体装置では、第二導電型の半導体基板と第二導電型ウェル層とが、第一及び第二の第一導電型埋込層により基板分離されているため、不要なキャリアの侵入を防止することができる。その結果、ノイズの増大を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
1.(実施の形態1)
1‐1.半導体装置の構成
図1は、バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとが同一基板に形成された半導体装置1000aの構成を示す断面図である。図1では、バイポーラトランジスタとしてNPNトランジスタ100を、MOSトランジスタとしてNチャネル型MOSトランジスタ(以下、「NMOSトランジスタ」という)200を、半導体基板として低濃度p型のシリコン基板1を例示している。
【0027】
半導体装置1000aは、図1に示すように、シリコン基板1と、シリコン基板1に形成されたn型エピタキシャル層2と、n型エピタキシャル層2上に選択的に形成されたLOCOS分離層3と、n型エピタキシャル層2及びLOCOS分離層3上に形成された絶縁膜4とを備えている。
また、n型エピタキシャル層2には、高濃度のp型埋込分離層25及びp型分離層26が選択的に設けられており、選択的に設けられたp型埋込分離層25及びp型分離層26により画定された領域にトランジスタが設けられる。
【0028】
以下、半導体装置1000aに設けられる各トランジスタの構成について詳細に説明する。
NPNトランジスタ100は、自己整合ダブルポリエミッタ型NPNトランジスタであり、高速性能を有する構造である。
NPNトランジスタ100は、図1に示すように、シリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面に形成された高濃度のn型埋込層5と、n型埋込層5上に選択的に形成された高濃度のn型コレクタコンタクト層6と、n型コレクタコンタクト層6上に形成され、ポリシリコンで構成されたn型コレクタポリ電極7と、n型コレクタポリ電極7上に形成されたコレクタ電極8と、n型コレクタ埋込層5上のn型エピタキシャル層2に選択的に形成されたp型ベース層9と、p型ベース層9上に形成され、ポリシリコンで構成されたp型ベースポリ電極10と、p型ベースポリ電極10上に形成され、p型ベース層9と電気的に接続されたベース電極11と、p型ベース層9に選択的に形成された高濃度のn型エミッタ層12と、n型エミッタ層12上に形成され、ポリシリコンで構成されたn型エミッタポリ電極13と、n型エミッタポリ電極13上に形成されたエミッタ電極14と、p型ベースポリ電極10とn型エミッタポリ電極13との間に形成され、両者を電気的に絶縁するスペーサ層15とを備える。
【0029】
NMOSトランジスタ200は、基板分離タイプの構造である。
NMOSトランジスタ200は、図1に示すように、シリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面付近に形成された高濃度のn型埋込層16と、n型埋込層16上に選択的に形成されたp型埋込層17と、p型埋込層17上に形成されたp型ウェル層18と、p型ウェル層18にそれぞれ選択的に形成された高濃度のn型ソース層19及びn型ドレイン層20と、p型ウェル層18上に選択的に形成されたゲート酸化膜21と、ゲート酸化膜21上に形成され、ポリシリコンで構成されたゲートポリ電極22と、n型ソース層19上に形成されたソース電極23と、n型ドレイン層20上に形成されたドレイン電極24とを備える。
【0030】
NMOSトランジスタ200は、さらに、高濃度のn型埋込層27と当該n型埋込層27上に形成される高濃度のn型拡散層28とを備える。図1に示すように、n型埋込層27は、n型埋込層16上のp型埋込層17周辺に形成されている。p型埋込層17周辺のn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制するために、高濃度のn型層をp型埋込層17周辺に形成する必要があるからである。
【0031】
n型拡散層28は、p型ウェル層18周辺に形成されている。p型ウェル層18周辺のn型エピタキシャル層2を高濃度化して、素子分離特性をさらに向上させるためである。 なお、n型拡散層28の上端は、LOCOS分離層3と接する。
次に、n型埋込層27及びn型拡散層28とp型埋込層17及びp型ウェル層18との具体的な位置関係について説明する。
【0032】
図2は、半導体装置1000aのNMOSトランジスタ200を上から見た図である。図
2に示すように、n型埋込層27及びn型拡散層28は、p型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部を囲むように形成されている。
ここで、“p型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部”とは、p型埋込層17及びp型ウェル層18の外側面であり、p型埋込層17及びp型ウェル層18の上面部及び底面部は含まない。したがって、“n型埋込層27及びn型拡散層28がp型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部を囲むように形成されている”とは、n型埋込層27及びn型拡散層28が、p型埋込層17及びp型ウェル層18の外側面にリング状に形成されていることをいう。
【0033】
このように、NMOSトランジスタ200において、n型埋込層16とn型埋込層27及びn型拡散層28とにより、p型埋込層17及びp型ウェル層18とシリコン基板1とが分離するよう形成されている。
続いて、n型埋込層16とn型埋込層27との位置及び不純物濃度の関係について説明する。n型埋込層16とn型埋込層27とは別工程で形成され、それぞれのn型埋込層は、不純物濃度のピークを持つ。n型埋込層16及びn型埋込層27は、n型埋込層16の不純物濃度のピーク位置が、n型埋込層27の不純物濃度のピーク位置より深くなるように形成されている。
【0034】
n型埋込層27は、例えば、シリコン基板1上面から1.0μmの深さに、n型埋込層16は、シリコン基板1上面から2.0μmの深さに形成される。
また、n型埋込層27の不純物(例えば、不純物:Sb)のピーク濃度は1×1019cm−3、n型埋込層16の不純物(例えば、不純物:P)のピーク濃度は1×1017cm−3とする。
【0035】
図3は、図1の微小領域Sでの不純物濃度のプロファイルの一例を示す図である。図中の横軸は、シリコン基板1からの深さを示し、縦軸は、不純物濃度を示す。また、図中の点線は、NMOSトランジスタ200がn型埋込層27及びn型拡散層28を含まない場合の不純物濃度のプロファイルを示す。太線は、NMOSトランジスタ200がn型埋込層27及びn型拡散層28を含む場合の不純物濃度のプロファイルを示す。
【0036】
図3に示すように、シリコン基板1上面から1.4μmまでの深さにおいて、n型埋込層27及びn型拡散層28の不純物濃度は、n型エピタキシャル層2及びn型埋込層16よりも高濃度である。このように、n型埋込層27及びn型拡散層28が形成されることで、p型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部におけるn型層の不純物濃度を高濃度化することができるので、p型埋込層17周辺のn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制することができる。
【0037】
図1に戻って、NMOSトランジスタ200においてn型埋込層16とp型ウェル層18との間には、p型埋込層17が形成されている。これは、n型エピタキシャル層2の厚さに対してp型ウェル層18が薄く、かつ、n型埋込層16が深く形成されることで、当該n型埋込層16の上端部とn型エピタキシャル層2とが離間する場合には、p型ウェル層18の下部にn型エピタキシャル層2が残ってしまうからである。n型埋込層16とp型ウェル層18との間にp型埋込層17が形成されることにより、p型ウェル層18の下部をp型化し、p型ウェル層18の拡大による効果を保持している。
【0038】
1‐2.半導体装置の製造方法
続いて、半導体装置の製造方法について説明する。図4は、製造方法における各工程での半導体装置1000aの構成を示す断面図である。
まず、シリコン基板1においてNPNトランジスタ100の領域にn型埋込層5を、NMOSトランジスタ200の領域にn型埋込層27をイオン注入(例えば、不純物をSb、ドーズ量を1×1014cm−2とする)等により形成する。その後、NMOSトランジスタ200の領域においてn型埋込層27の内側に、n型埋込層16を高エネルギーによるイオン注入(例えば、不純物をP、ドーズ量を1×1013cm−2、エネルギーを2MeVとする)等により形成する(図3(a))。ここで、n型埋込層16の不純物濃度のピーク位置が、n型埋込層5及びn型埋込層27の不純物濃度のピーク位置より深くなるようにそれぞれのn型埋込層を形成する。
【0039】
次に、素子の境界領域にp型埋込層25を、NMOSトランジスタ200領域においてn型埋込層16上で、かつ、n型埋込層27の内側に、p型埋込層17をイオン注入(例えば、不純物をB、ドーズ量を1×1014cm−2とする)等により形成する(図3(b))。
次に、シリコン基板1上にn型エピタキシャル層2(例えば、膜厚を1.0μm、濃度を1×1016cm−3とする)を形成する(図3(c))。n型エピタキシャル層2の形成の際、n型埋込層5及び27、並びにp型埋込層25及び17は、n型エピタキシャル層2の内部まで拡散する。
【0040】
次に、n型エピタキシャル層2のNPNトランジスタ100の領域にn型コレクタコンタクト層6を、NMOSトランジスタ200の領域のn型埋込層27上にn型拡散層28を、素子境界領域のp型埋込層25上にp型拡散層26を、p型埋込層17上にp型ウェル層18をそれぞれ形成する。その後、n型エピタキシャル層2の上面部の少なくとも素子境界領域に、LOCOS分離層3を形成する(図3(d))。ここで、n型コレクタコンタクト層6とn型拡散層28とを同一工程で形成してもよい。
【0041】
次に、NPNトランジスタ100の領域にp型ベース層9及びn型エミッタ層12を、NMOSトランジスタ200の領域にゲート酸化膜21、ゲートポリ電極22、n型ソース層19、及びn型ドレイン層20を形成する(図3(e))。
最後に、n型エピタキシャル層2及びLOCOS分離層3上に、絶縁膜4をCVD法等により形成した後、コンタクト部を開口して、コレクタ電極8、エミッタ電極14、ベース電極11、ソース電極23、及びドレイン電極24を形成する(図3(f))。
【0042】
以上の各工程を経ることにより、NPNトランジスタ100及びNMOSトランジスタ200を形成することができる。
以上のように本実施の形態によれば、n型埋込層16とn型埋込層27及びn型拡散層28とにより、p型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部が囲まれているため、p型埋込層17及びp型ウェル層18とシリコン基板1との間には、n層のポテンシャルバリアが形成される。このポテンシャルバリアにより、シリコン基板1とp型埋込層17及びp型ウェル層18とを電気的に分離することができるので、n型埋込層16の周辺部に隣接したn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制でき、p型埋込層17−n型エピタキシャル層2−シリコン基板1で構成された寄生PNPトランジスタの動作も抑制できる。
【0043】
寄生PNPトランジスタの動作が抑制されると、p型ウェル層18からシリコン基板1へのリーク電流が低減されるので、その結果、シリコン基板1とp型ウェル層18との間の分離特性が向上する。
ゆえに、p型ウェル層18の電位を通常グラウンドであるシリコン基板1に関係なく設定することができる。
【0044】
また、半導体装置1000aにp型埋込層17及びp型ウェル層18の外縁部を囲むようにn型埋込層27及びn型拡散層28が形成されることにより、n型埋込層16の周辺部に隣接したn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制できるので、NPNトランジスタ100の高速化に伴い、n型埋込層16の不純物濃度のピーク位置をさらに深くなるように形成することができる。
【0045】
これにより、NMOSトランジスタ200においてウェル層が拡大するので、ウェル層でのパンチスルーの発生を抑制でき、耐圧を向上させることができる。
よって、NMOSトランジスタ200の高速化とNMOSトランジスタ200の高耐圧化とを両立することができる。
2.(実施の形態2)
2‐1.半導体装置の構成
図5は、半導体装置1000bの構成を示す断面図である。図5に示すように、半導体装置1000bは、実施の形態1で説明したNPNトランジスタ100及びNMOSトランジスタ200に加え、縦型PNPトランジスタ300を備える。
【0046】
PNPトランジスタ300は、図5に示すように、シリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面付近に形成された高濃度のn型埋込層301と、n型埋込層301上に選択的に形成された高濃度のp型コレクタ埋込層302と、p型コレクタ埋込層302上に形成されたp型コレクタ層303と、p型コレクタ層303上に選択的に形成された高濃度のp型コレクタコンタクト層304と、p型コレクタコンタクト層304上に形成され、ポリシリコン等で構成されたp型コレクタポリ電極305と、p型コレクタポリ電極305上に形成されたコレクタ電極306と、p型コレクタ層303上に選択的に形成されたn型ベース層307と、n型ベース層307と電気的に接続され、ポリシリコン等で構成されたn型ベースポリ電極308と、n型ベースポリ電極308上に形成されたベース電極309と、n型ベース層307上に選択的に形成された高濃度のp型エミッタ層310と、p型エミッタ層310上に形成され、ポリシリコン等で構成されたp型エミッタポリ電極311と、p型エミッタポリ電極311上に形成されたエミッタ電極312とを備える。
【0047】
PNPトランジスタ300は、さらに、高濃度のn型埋込層313と当該n型埋込層313上に形成される高濃度のn型拡散層314とを備える。図5に示すように、n型埋込層313は、n型埋込層301上のp型コレクタ埋込層302周辺に形成されている。p型コレクタ埋込層302周辺のn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制するために、高濃度のn型層をp型コレクタ埋込層302周辺に形成する必要があるからである。
【0048】
n型拡散層314は、p型コレクタ層303周辺に形成されている。p型コレクタ層303周辺のn型エピタキシャル層2を高濃度化して、素子分離特性をさらに向上させるためである。なお、n型拡散層314の上端は、LOCOS分離層3と接する。
次に、n型埋込層313及びn型拡散層314とp型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303との具体的な位置関係について説明する。
【0049】
図6は、半導体装置1000bのPNPトランジスタ300を上から見た図である。図
6に示すように、n型埋込層313及びn型拡散層314は、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外縁部を囲むように形成されている。
ここで、“p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外縁部”とは、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外側面であり、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の上面部及び底面部は含まない。したがって、“n型埋込層313及びn型拡散層314がp型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外縁部を囲むように形成されている”とは、n型埋込層313及びn型拡散層314が、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外側面にリング状に形成されていることをいう。
【0050】
このように、PNPトランジスタ300において、n型埋込層301とn型埋込層313及びn型拡散層314とにより、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303とシリコン基板1とが分離するよう形成されている。
続いて、n型埋込層301とn型埋込層313との位置及び不純物濃度の関係について説明する。n型埋込層301とn型埋込層313とは別工程で形成され、それぞれのn型埋込層は、不純物濃度のピークを持つ。n型埋込層301及びn型埋込層313は、n型埋込層301の不純物濃度のピーク位置が、n型埋込層313の不純物のピーク位置より深くなるように形成されている。
【0051】
これにより、n型埋込層301とn型ベース層307との距離を確保することができるので、縦型PNPトランジスタ300の耐圧を向上させることができる。
また、ここでは図示しないが、微小領域S2での不純物濃度に関しては、図3と同様に、シリコン基板1上面から1.4μmまでの深さにおいて、n型埋込層313及びn型拡散層314の不純物濃度が、n型エピタキシャル層2及びn型埋込層301よりも高濃度になる。n型埋込層313及びn型拡散層314が形成されることで、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外縁部におけるn型層の不純物濃度を高濃度化することができるので、p型コレクタ埋込層302周辺のn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制することができる。
【0052】
図5に戻って、PNPトランジスタ300においてn型埋込層301とp型コレクタ層との間には、高濃度のp型コレクタ埋込層302が形成されている。これにより、p型コレクタ層303の下部にn型エピタキシャル層2が残るのを防止することができるとともに、コレクタ抵抗が低減されるので、PNPトランジスタ300をさらに高速化することができる。
【0053】
なお、p型コレクタ埋込層302とp型埋込層17とは、同一工程で作成してもよく、その場合には、工程を増加することなくp型コレクタ埋込層302を形成することができる。
2‐2.製造方法
続いて、半導体装置の製造方法について説明する。図7、8は、製造方法における各工程での半導体装置1000bの構成を示す断面図である。
【0054】
まず、シリコン基板1においてNPNトランジスタ100の領域にn型埋込層5を、NMOSトランジスタ200の領域にn型埋込層27を、縦型PNPトランジスタ300の領域にn型埋込層313をイオン注入等により形成する。その後、NMOSトランジスタ200の領域においてn型埋込層27の内側にn型埋込層16を、縦型PNPトランジスタ300の領域においてn型埋込層313の内側にn型埋込層301を、高エネルギーによるイオン注入等により形成する(図7(a))。n型埋込層5、27、313は同一工程で形成される。ここで、n型埋込層16、301の不純物濃度のピーク位置が、n型埋込層5、27、313の不純物濃度のピーク位置より深くなるようにそれぞれのn型埋込層を形成する。
【0055】
次に、素子の境界領域にp型埋込層25を、NMOSトランジスタ200領域においてn型埋込層16上で、かつ、n型埋込層27の内側にp型埋込層17を、縦型PNPトランジスタ300領域においてn型埋込層301上で、かつ、n型埋込層313の内側にp型コレクタ埋込層302を、イオン注入等により形成する(図7(b))。
次に、シリコン基板1上にn型エピタキシャル層2を形成する(図7(c))。
【0056】
次に、n型エピタキシャル層2のNPNトランジスタ100の領域にn型コレクタコンタクト層6を、NMOSトランジスタ200の領域のn型埋込層27上にn型拡散層28を、PNPトランジスタ300の領域のn型埋込層313上にn型拡散層314を、素子境界領域のp型埋込層25上にp型拡散層26を、p型埋込層17上にp型ウェル層18を、p型コレクタ埋込層302上にp型コレクタ層303を、それぞれ形成する。その後、n型エピタキシャル層2の上面部の少なくとも素子境界領域に、LOCOS分離層3を形成する(図8(d))。ここで、p型ウェル層18とp型コレクタ層303とは、同一工程で形成してもよい。
【0057】
次に、NPNトランジスタ100の領域にp型ベース層9及びn型エミッタ層12を、NMOSトランジスタ200の領域にゲート酸化膜21、ゲートポリ電極22、n型ソース層19、及びn型ドレイン層20を、縦型PNPトランジスタ300領域にn型ベース層307及びp型エミッタ層310を形成する(図8(e))。
最後に、n型エピタキシャル層2及びLOCOS分離層3上に、絶縁膜4をCVD法等により形成後、コンタクト部を開口して、コレクタ電極8、エミッタ電極14、ベース電極11、ソース電極23、ドレイン電極24、コレクタ電極306、エミッタ電極312、及びベース電極309を形成する(図8(f))。
【0058】
以上の各工程を経ることにより、NPNトランジスタ100、NMOSトランジスタ200、及びPNPトランジスタ300を形成することができる。
以上のように本実施の形態によれば、n型埋込層301とn型埋込層313及びn型拡散層314とにより、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303の外縁部が囲まれているため、p型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303とシリコン基板1との間には、n層のポテンシャルバリアが形成される。このポテンシャルバリアにより、シリコン基板1とp型コレクタ埋込層302及びp型コレクタ層303とを電気的に分離することができるので、n型埋込層301の周辺部に隣接したn型エピタキシャル層2でのパンチスルーを抑制でき、p型コレクタ埋込層302−n型エピタキシャル層2−シリコン基板1で構成された寄生PNPトランジスタの動作も抑制できる。
【0059】
寄生PNPトランジスタの動作が抑制されると、p型コレクタ層303からシリコン基板1へのリーク電流が低減されるので、その結果、シリコン基板1とp型コレクタ層303との間の分離特性が向上する。
3.(実施の形態3)
3‐1.半導体装置1000cの構成
図9は、半導体装置1000cの構成を示す断面図である。図9に示すように、半導体装置1000cは、半導体装置1000bの構成に加え、PMOSトランジスタ400をさらに備える。
【0060】
PMOSトランジスタ400は、n型埋込層16上に形成された高濃度のn型埋込層401と、n型埋込層401の上方に接するように形成されたn型ウェル層402と、n型ウェル層402上に選択的に形成されたp型ソース層403及びp型ドレイン層404と、n型ウェル層402上に選択的に形成されたゲート酸化膜405と、ゲート酸化膜405上に形成され、ポリシリコンで構成されたゲートポリ電極406と、p型ソース層403上に形成されたソース電極407と、p型ドレイン層404上に形成されたドレイン電極408とを備える。
【0061】
半導体装置1000cにおける他の構成は、半導体装置1000bの構成と同一であるので説明を省略する。
図9に示すように、PMOSトランジスタ400は、埋込構造としてシリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面に、n型埋込層401及びn型埋込層16の2層が積層された構造を有する。n型埋込層401とn型埋込層16とが形成されていない場合であっても、PMOSトランジスタ400は動作するが、n型埋込層401及びn型埋込層16は、n型ウェル層402よりも高濃度であるため、n型埋込層401及びn型埋込層16を形成することにより、ポテンシャルバリアが形成されることになる。
【0062】
これにより、ラッチアップを抑制できるとともに、基板からの浮遊キャリアの侵入を低減することが可能となるので、低ノイズ特性を実現することができる。
また、n型埋込層401及びn型埋込層16の何れか一方でも存在すれば、上述のラッチアップの抑制や低ノイズ特性を実現可能であるが、PMOSトランジスタ400とNMOSトランジスタ200とが隣接する場合には、n型埋込層401及びn型埋込層16の2層が存在することで、素子の境界領域に分離層を別途設ける必要がないため、素子面積を縮小でき、半導体装置の設計におけるレイアウトの自由度も大きくなる。
【0063】
なお、n型埋込層401は、n型埋込層5と同一工程で作成されるとしてもよい。
3‐3.半導体装置1000cの製造方法
続いて、半導体装置1000cの製造方法について説明する。図10、11は、製造方法の各工程での半導体装置1000cの構成を示す断面図である。
まず、シリコン基板1においてNPNトランジスタ100の領域にn型埋込層5を、NMOSトランジスタ200の領域にn型埋込層27を、PNPトランジスタ300の領域にn型埋込層313を、PMOSトランジスタ400の領域にn型埋込層401を、それぞれイオン注入等により形成する。その後、NMOSトランジスタ200及びPMOSトランジスタ400の領域にn型埋込層16を、PNPトランジスタ300の領域にn型埋込層301を、それぞれ高エネルギーによるイオン注入等により形成する(図10(a))。ここで、n型埋込層16、301の不純物濃度のピーク位置が、n型埋込層5、27、313、401の不純物濃度のピーク位置より深くなるよう形成する。また、PNPトランジスタ300及びNMOSトランジスタ200の領域において、n型埋込層16、301は、n型埋込層27、313の内側に形成する。その際、n型埋込層16は、PMOSトランジスタ400の領域にも形成される。具体的には、図10(a)に示すように、n型埋込層401の底面に接するように、n型埋込層16が形成される。
【0064】
次に、素子の境界領域にp型埋込層25を、NMOSトランジスタ200の領域にp型埋込層17を、PNPトランジスタ300の領域にp型埋込層302を、それぞれイオン注入等により形成する(図10(b))。
その後、シリコン基板1上にn型エピタキシャル層2を形成する(図10(c))。
次に、n型エピタキシャル層2のNPNトランジスタ100の領域にn型コレクタコンタクト層6を、NMOSトランジスタ200の領域のn型埋込層27上にn型拡散層28を、PNPトランジスタ300の領域のn型埋込層313上にn型拡散層314を、素子境界領域のp型埋込層25上にp型拡散層26を、p型埋込層17上にp型ウェル層18を、p型埋込層302上にp型コレクタ層303を、PMOSトランジスタ400の領域のn型埋込層401上にn型ウェル層402を、それぞれ形成する。その後、n型エピタキシャル層2の上面部の少なくとも素子境界領域に、LOCOS分離層3を形成する(図11(d))。
【0065】
次に、NPNトランジスタ100の領域にp型ベース層9及びn型エミッタ層12を、PNPトランジスタ300の領域にn型ベース層307及びp型エミッタ層310を、NMOSトランジスタ200の領域にゲート酸化膜21、ゲートポリ電極22、n型ソース層19、及びn型ドレイン層20を、PMOSトランジスタ400の領域に、ゲート酸化膜405、ゲートポリ電極406、p型ソース層403、p型ドレイン層404を形成する(図11(e))。
【0066】
最後に、n型エピタキシャル層2及びLOCOS分離層3上に、絶縁膜4をCVD法等により形成した後、コンタクト部を開口して、コレクタ電極8、エミッタ電極14、ベース電極11、ソース電極23、ドレイン電極24、コレクタ電極306、エミッタ電極312、ベース電極309、ソース電極407、及びドレイン電極408を形成する(図11(f))。
【0067】
以上の各工程を経ることにより、NPNトランジスタ100、PNPトランジスタ300、NMOSトランジスタ200、及びPMOSトランジスタ400を形成することができる。
4.(実施の形態4)
4‐1.半導体装置1000dの構成
図12は、半導体装置1000dの構成を示す断面図である。図12に示すように、半導体装置1000dは、半導体装置1000bの構成に加え、シリコン基板1上に形成された高耐圧のNPNトランジスタ500をさらに備える。
【0068】
NPNトランジスタ500は、シリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面に形成されたn型埋込層501と、コレクタとして作用するn型エピタキシャル層2上に選択的に形成されたp型ベース層502と、p型ベース層502に選択的に形成された高濃度のn型エミッタ層503と、n型コレクタコンタクト層507とn型コレクタポリ電極508とを介して電気的に接続されたコレクタ電極504と、p型ベース層502とp型ベースポリ電極509とを介して電気的に接続されたベース電極505と、n型エミッタ層503とn型エミッタポリ電極510とを介して電気的に接続されたエミッタ電極506とを備える。
【0069】
半導体装置1000dにおける他の構成は、半導体装置1000bの構成と同一であるので説明を省略する。
NPNトランジスタ500のn型埋込層501は、n型埋込層5より深く形成される。そのため、p型ベース層502とn型埋込層501との距離が長くなるので、NPNトランジスタ100よりも耐圧を向上させることができる。つまり、高速性能を有するNPNトランジスタ100と高耐圧のNPNトランジスタ500とを、同一基板上に集積化できる。
【0070】
なお、n型埋込層501は、n型埋込層16と同一工程で形成されるとしてもよい。これにより、工程を新たに追加することなくn型埋込層501を形成することができる。
5.(実施の形態5)
5‐1.半導体装置1000eの構成
図13は、半導体装置1000eの構成を示す断面図である。図13に示すように、半導体装置1000eは、半導体装置1000bの構成に加え、フォトダイオード600をさらに備える構成であり、シリコン基板1からなるアノードとn型エピタキシャル層2からなるカソード層601とにより形成されるPN接合を利用している。
【0071】
半導体装置1000eは、受光素子であるフォトダイオード600と電子素子であるトランジスタ100、200、300とを同一基板上に集積した、いわゆるOEICである。以下、フォトダイオード600の詳細な構成について説明する。
フォトダイオード600は、n型エピタキシャル層2からなるカソード層601と、カソード層601上に選択的に形成されたカソードコンタクト層602と、シリコン基板1とn型エピタキシャル層2との界面に選択的に形成されたアノード埋込層603と、アノード埋込層603上に形成されたアノードコンタクト層604と、アノードコンタクト層604上に形成されたアノード電極605と、カソードコンタクト層602上に形成されたカソード電極606と、カソードコンタクト層602上に絶縁膜4を選択的に開口することにより形成された受光面607とを備える。
【0072】
半導体装置1000eにおける他の構成は、半導体装置1000bの構成と同一であるので説明を省略する。
フォトダイオード600において、受光面607に光が入射すると、電子‐正孔対が形成される。フォトダイオード600には逆方向電圧が印加されているため、電子は、カソード層601、カソードコンタクト層602を通ってカソード電極606から電流として取り出される。一方、正孔は、アノード埋込層603、アノードコンタクト層604を通ってアノード電極605から電流として取り出される。
【0073】
シリコン基板1で吸収されたキャリアの一部は、近接した素子まで拡散し、素子内部に侵入する場合がある。このとき侵入したキャリアはノイズ成分になり、特性低下や回路の動作異常の原因となる。NMOSトランジスタ200では、n型埋込層16及びn型埋込層27、28により基板分離されているため、不要なキャリアの侵入を防止することができる。その結果、ノイズの増大を抑制することができる。
5‐2.OEICの回路構成
図14は、OEICの回路構成の一例を示す図である。OEICは、バイポーラトランジスタで構成されたオペアンプ100aと、スイッチング素子として働くNMOSトランジスタ200a、200bと、フォトダイオード600と、ゲイン抵抗700a、700bとを備える。
【0074】
NMOSトランジスタ200aとゲイン抵抗700aとは、直列に接続される。また、NMOSトランジスタ200bとゲイン抵抗700bとは、直列に接続される。
このようなOEICにおいて、光ディスクからの反射光がフォトダイオード600に入射されると、光電流が発生し、オペアンプ100の入力電流となる。この入力電流は、ゲイン抵抗700aあるいはゲイン抵抗700bの大きさに応じて増幅されて出力される。
(補足)
以上、本発明に係る半導体装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限られないことは勿論である。
(1)上記実施の形態では、半導体基板としてシリコン基板を用いたが、シリコン基板に限定されるものではなく、ゲルマニウム基板や化合物半導体等であってもよい。
(2)上記実施の形態では、半導体基板としてp型を用いたが、n型を用いても適用可能であることは言うまでもない。
(3)上記実施の形態では、NPNトランジスタ100としてダブルポリエミッタ型のトランジスタを用いたが、拡散型、ポリエミッタ型、及びトレンチ分離等、他の構造のトランジスタであってもよい。
(4)上記実施の形態では、NMOSトランジスタ300においてn型埋込層27上にn型拡散層28が形成される構成としたが、n型拡散層28は、p型ウェル層18周辺のn型エピタキシャル層2を高濃度化して、素子分離特性をさらに向上させるためのものであり、必ずしも必要ではなく、n型埋込層27だけであってもよい。
(5)また、n型埋込層27あるいはn型拡散層28の上端が、必ずしもLOCOS分離層3と接していなくてもよい。
(6)また、n型埋込層27は、n型埋込層16上に形成されるとしたが、n型埋込層27の一部がn型埋込層16と接していればよい。
(7)また、p型埋込層17上にp型ウェル層が形成される構成としたが、p型ウェル層18の下部にn型エピタキシャル層2が残らない場合には、p型ウェル層18だけでもよい。同様に、PNPトランジスタ300において、p型コレクタ埋込層302上にp型コレクタ層303が形成される構成としたが、p型コレクタ層303だけでもよい。
(8)また、NPNトランジスタ100において、n型埋込層5上に高濃度のn型コレクタコンタクト層6が選択的に形成される構造としたが、n型コレクタコンタクト層6は、コレクタ抵抗を下げるために形成されるものであるので、NPNトランジスタ100の動作に関しては、必ずしも必要ない。
(9)半導体装置1000cのPMOS400において、n型ウェル層402とn型埋込層401とn型埋込層16とが形成される構造としたが、n型ウェル層402だけでもよい。
【0075】
上記実施の形態及び上記補足をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとが同一基板上に形成された半導体装置に広く適用可能であり、特に、OEICにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施の形態1における半導体装置1000aの構成を示す断面図である。
【図2】半導体装置1000aのNMOSトランジスタ200を上から見た図である。
【図3】図1の微小領域Sでの不純物濃度のプロファイルの一例を示す図である。
【図4】半導体装置1000aの製造工程を示す図である。
【図5】実施の形態2における半導体装置1000bの構成を示す断面図である。
【図6】半導体装置1000bのPNPトランジスタ300を上から見た図である。
【図7】半導体装置1000bの製造工程の一部分を示す図である。
【図8】半導体装置1000bの製造工程のうち図7で示す部分に後続する部分を示す図である。
【図9】実施の形態3における半導体装置1000cの構成を示す断面図である。
【図10】半導体装置1000cの製造工程の一部分を示す図である。
【図11】半導体装置1000cの製造工程のうち図10で示す部分に後続する部分を示す図である。
【図12】実施の形態4における半導体装置1000dの構成を示す断面図である。
【図13】実施の形態5における半導体装置1000eの構成を示す断面図である。
【図14】OEICの構成を示す図である。
【図15】半導体装置1000の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 シリコン基板
2 n型エピタキシャル層
3 LOCOS分離層
4 絶縁膜
5 n型埋込層
6 n型コレクタコンタクト層
7 n型コレクタポリ電極
8 コレクタ電極
9 p型ベース層
10 p型ベースポリ電極
11 ベース電極
12 n型エミッタ層
13 n型エミッタポリ電極
14 エミッタ電極
15 スペーサ層
16 n型埋込層
17 p型埋込層
18 p型ウェル層
19 n型ソース層
20 n型ドレイン層
21 ゲート酸化膜
22 ゲートポリ電極
23 ソース電極
24 ドレイン電極
25 p型埋込層
26 p型分離層
27 n型埋込層
28 n型拡散層
100 NPNトランジスタ
200 NMOSトランジスタ
300 PNPトランジスタ
301 n型埋込層
302 p型コレクタ埋込層
303 p型コレクタ層
304 p型コレクタコンタクト層
305 p型コレクタポリ電極
306 コレクタ電極
307 n型ベース層
308 n型ベースポリ電極
309 ベース電極
310 p型エミッタ層
311 p型エミッタポリ電極
312 エミッタ電極
313 n型埋込層
314 n型拡散層
400 PMOSトランジスタ
401 n型埋込層
402 n型ウェル層
403 p型ソース層
404 p型ドレイン層
405 ゲート酸化膜
406 ゲートポリ電極
407 ソース電極
408 ドレイン電極
500 NPNトランジスタ
501 n型埋込層
502 p型ベース層
503 n型エミッタ層
504 コレクタ電極
505 ベース電極
506 エミッタ電極
507 n型コレクタコンタクト層
508 n型コレクタポリ電極
509 p型ベースポリ電極
510 エミッタポリ電極
600 フォトダイオード
601 カソード層
602 カソードコンタクト層
603 アノード埋込層
604 アノードコンタクト層
605 アノード電極
606 カソード電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電型のMOSトランジスタと、第一導電型のバイポーラトランジスタとを備え、前記MOSトランジスタは、第二導電型の半導体基板と当該半導体基板上に形成された第一導電型のエピタキシャル層との界面付近に形成された、前記半導体基板上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つ第一の第一導電型埋込層と、前記第一の第一導電型埋込層上に形成された第二導電型ウェル層と、前記第二導電型ウェル層に形成された第一導電型のソース層及びドレイン層とを有する半導体装置であって、
前記MOSトランジスタは、前記第一の深さより浅い第二の深さに不純物濃度のピークを持つ第二の第一導電型埋込層を有し、
前記第二の第一導電型埋込層は、前記第一の第一導電型埋込層と接し、かつ、前記第二導電型ウェル層の外縁部を囲むように形成されている
半導体装置。
【請求項2】
前記バイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面に形成された第三の第一導電型埋込層と、前記第三の第一導電型埋込層上に形成され、コレクタとして作用する前記エピタキシャル層と、前記エピタキシャル層に形成された第二導電型ベース層と、前記第二導電型ベース層に形成された第一導電型エミッタ層とを有しており、
前記第二の第一導電型埋込層及び前記第三の第一導電型埋込層の深さが等しい
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記MOSトランジスタは、前記第二の第一導電型埋込層上に前記第二導電型ウェル層の外縁部を囲むように形成された、前記エピタキシャル層に不純物濃度のピークを持つ第四の第一導電型拡散層をさらに有する
請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体装置は、前記エピタキシャル層の上面に選択的に形成された素子分離層を備えており、
前記第四の第一導電型拡散層の上端は、前記素子分離層と接する
請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体装置は、第二導電型のバイポーラトランジスタをさらに備え、
前記第二導電型のバイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面付近に形成された、前記第一の深さに不純物濃度のピークを持つ第五の第一導電型埋込層と、前記第五の第一導電型埋込層上に形成された第二導電型コレクタ層と、前記第二導電型コレクタ層に形成された第一導電型ベース層と、前記第一導電型ベース層に形成された第二導電型エミッタ層と、前記第二の深さに不純物濃度のピークを持つ第六の第一導電型埋込層とを有し、
前記第六の第一導電型埋込層は、前記第五の第一導電型埋込層と接し、かつ、前記第二導電型コレクタ層の外縁部を囲むように形成されている
請求項2記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体装置は、第二導電型のMOSトランジスタをさらに備え、
前記第二導電型のMOSトランジスタは、前記第一の第一導電型埋込層上に形成された第一導電型ウェル層と、前記第一導電型ウェル層に形成された第二導電型のソース層及びドレイン層と
を有する請求項2及び5の何れかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体装置は、第二の第一導電型のバイポーラトランジスタをさらに備え、
前記第二の第一導電型のバイポーラトランジスタは、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面に形成された、前記第一の第一導電型埋込層と深さが等しい第七の第一導電型埋込層と、前記第七の第一導電型埋込層上に形成され、コレクタとして作用する前記エピタキシャル層と、前記エピタキシャル層に形成された第二の第二導電型ベース層と、前記第二の第二導電型ベース層に形成された第二の第一導電型エミッタ層と
を有する請求項2及び5の何れかに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体装置は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面付近に形成された受光素子をさらに備える
ことを特徴とする請求項2及び5の何れかに記載の半導体装置。
【請求項9】
第一導電型のバイポーラトランジスタと第一導電型のMOSトランジスタとを備える半導体装置の製造方法であって、
前記第一導電型のバイポーラトランジスタの領域及び前記第一導電型のMOSトランジスタの領域の各々に、第二導電型の半導体基板上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つように第一の第一導電型埋込層を形成する工程(a)と、
前記第一導電型のMOSトランジスタの領域における前記第一の第一導電型埋込層の内側に、前記第一の深さより深い第二の深さに不純物濃度のピークを持つように第二の第一導電型埋込層を形成する工程(b)と、
前記半導体基板上に、第一導電型のエピタキシャル層を形成する工程(c)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第一導電型のバイポーラトランジスタの領域に第二導電型ベース層を選択的に形成する工程(d)と、
前記第二導電型ベース層に第一導電型エミッタ層を選択的に形成する工程(e)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第一導電型のMOSトランジスタの領域において、前記第二の第一導電型埋込層上で、かつ、前記第一の第一導電型埋込層の内側に、第二導電型ウェル層を形成する工程(f)と、
前記第二導電型ウェル層上にゲート酸化膜及びゲート電極を選択的に形成する工程(g)と、
前記第二導電型ウェル層に第一導電型のソース層及びドレイン層を選択的に形成する工程(h)と
を含む製造方法。
【請求項10】
第一導電型及び第二導電型のバイポーラトランジスタと第一導電型のMOSトランジスタとを備える半導体装置の製造方法であって、
前記第一導電型及び前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域、並びに前記第一導電型のMOSトランジスタの領域の各々に、第二導電型の半導体基板上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つように第一の第一導電型埋込層を形成する工程(a)と、
前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域及び前記第一導電型のMOSトランジスタの領域における前記第一の第一導電型埋込層の内側にそれぞれ、前記第一の深さより深い第二の深さに不純物濃度のピークを持つように第二の第一導電型埋込層を形成する工程(b)と、
前記半導体基板上に、第一導電型のエピタキシャル層を形成する工程(c)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第一導電型のバイポーラトランジスタの領域に第二導電型ベース層を選択的に形成する工程(d)と、
前記第二導電型ベース層に第一導電型エミッタ層を選択的に形成する工程(e)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第二導電型のバイポーラトランジスタ及び前記第一導電型のMOSトランジスタの領域において、前記第二の第一導電型埋込層上で、かつ、前記第一の第一導電型埋込層の内側に、第二導電型ウェル層をそれぞれ形成する工程(f)と、
前記第二導電型ウェル層上にゲート酸化膜及びゲート電極を選択的に形成する工程(g)と、
前記第二導電型ウェル層に第一導電型のソース層及びドレイン層を選択的に形成する工程(h)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域に第一導電型ベース層を選択的に形成する工程(i)と、
前記第一導電型ベース層に第二導電型エミッタ層を選択的に形成する工程(j)と
を含む製造方法。
【請求項11】
第一導電型及び第二導電型のバイポーラトランジスタ、並びに第一導電型及び第二導電型のMOSトランジスタを備える半導体装置の製造方法であって、
前記第一導電型及び前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域、並びに前記第一導電型及び前記第二導電型のMOSトランジスタの領域の各々に、第二導電型の半導体基板上面から第一の深さに不純物濃度のピークを持つように第一の第一導電型埋込層を形成する工程(a)と、
前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域、及び前記第一導電型のMOSトランジスタの領域における前記第一の第一導電型埋込層の内側、並びに前記第二導電型のMOSトランジスタの領域にそれぞれ、前記第一の深さより深い第二の深さに不純物濃度のピークを持つように第二の第一導電型埋込層を形成する工程(b)と、
前記半導体基板上に、第一導電型のエピタキシャル層を形成する工程(c)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第一導電型のバイポーラトランジスタの領域に第二導電型ベース層を選択的に形成する工程(d)と、
前記第二導電型ベース層に第一導電型エミッタ層を選択的に形成する工程(e)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第二導電型のバイポーラトランジスタ及び前記第一導電型のMOSトランジスタの領域において、前記第二の第一導電型埋込層上で、かつ、前記第一の第一導電型埋込層の内側に、第二導電型ウェル層をそれぞれ形成する工程(f)と、
前記第一導電型のMOSトランジスタの領域において前記第二導電型ウェル層上にゲート酸化膜及びゲート電極を選択的に形成する工程(g)と、
前記第二導電型ウェル層に第一導電型のソース層及びドレイン層を選択的に形成する工程(h)と、
前記エピタキシャル層のうち前記第二導電型のバイポーラトランジスタの領域に第一導電型ベース層を選択的に形成する工程(i)と、
前記第一導電型ベース層に第二導電型エミッタ層を選択的に形成する工程(j)と、
前記第二導電型のMOSトランジスタの領域において前記第一の第一導電型埋込層上に第一導電型ウェル層を形成する工程(k)と、
前記第一導電型ウェル層上にゲート酸化膜及びゲート電極を選択的に形成する工程(l)と、
前記第一導電型ウェル層に第二導電型のソース層及びドレイン層を選択的に形成する工程(m)と
を含む製造方法。
【請求項12】
前記第一の第一導電型埋込層及び前記第二の第一導電型埋込層は、イオン注入により形成され、
前記第二の第一導電型埋込層を形成する際のイオン注入の加速エネルギーは、前記第一の第一導電型埋込層を形成する際のイオン注入の加速エネルギーより大きい
請求項9〜11の何れかに記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−219416(P2010−219416A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66339(P2009−66339)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】