説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】本発明は、ゲート電極と半導体基板との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層を形成可能な半導体装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ゲート絶縁膜27を介して、ピラー26の側面26a,26bに設けられたゲート電極61,62と、ピラー26の上端26−1に形成されたシリサイド層38と、ゲート電極61,62を覆うと共に、ピラー26の側面を囲むように配置され、かつシリサイド層38の側面を露出する絶縁膜と、シリサイド層38の側面を覆うように設けられ、かつピラー26の上端26−1に含まれるシリコンをシリサイド化させる金属膜39と、シリサイド層38の下面38bと接触するように、ピラー26に形成された上部不純物拡散領域36と、シリサイド層38の上面38aに設けられたキャパシタ52と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置(具体的には、半導体素子)の微細化が進められている。そのため、半導体装置としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を用い、DRAMのメモリセルを微細化した場合、メモリセルを構成する選択トランジスタ及びキャパシタが縮小化されるため、キャパシタの容量を十分に確保することが困難になってきている。
【0003】
この問題を解決する1つの方法として、キャパシタを立体化して、キャパシタを構成する電極の表面積を増加させると共に、キャパシタの構造をMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造からMIM(Metal Insulation Metal)構造に移行させることが行なわれている。
【0004】
特許文献1には、下部電極、容量絶縁膜、及び上部電極よりなるMIMキャパシタと、該MIMキャパシタが接続される容量コンタクトプラグとの間の抵抗を低くするために、下部電極と容量コンタクトプラグとの間にシリサイド層を形成することが開示されている。
【0005】
ここで、特許文献1に記載されたMIMキャパシタ及びシリサイド層の形成方法について、簡単に説明する。
始めに、トランジスタを構成する不純物拡散領域(ソース領域)と電気的に接続され、不純物含有多結晶シリコン膜よりなる容量コンタクトプラグを形成する。
次いで、容量コンタクトプラグ上に層間絶縁膜を形成する。次いで、異方性エッチングにより、層間絶縁膜に、容量コンタクトプラグの上面に達するシリンダ孔を形成する。
【0006】
次いで、シリンダ孔から露出された容量コンタクトプラグの上端面、及びシリンダ孔の内周面を覆うチタン(Ti)膜と、チタン(Ti)膜の表面を覆う窒化チタン(TiN)膜とを順次積層することで、下部電極を形成する。
この際、下部電極を構成するチタン(Ti)膜に含まれるTiと、容量コンタクトプラグに含まれるシリコンとを反応させることで、容量コンタクトプラグにシリサイド層を形成する。
その後、下部電極の表面を覆う容量絶縁膜と、容量絶縁膜の表面を覆う上部電極とを順次形成することで、MIMキャパシタが形成される。
【0007】
特許文献2,3には、DRAMのメモリセルを微細化する技術として、半導体基板の主面に対して垂直に伸びるピラーに、トランジスタを形成した縦型トランジスタ(「3次元トランジスタ」ともいう)が開示されている。
特許文献3に記載の縦型トランジスタは、容量コンタクトプラグを介して、縦型トランジスタの上方に配置されたMIMキャパシタと接続されている。
上記構成とされた縦型トランジスタは、占有面積が小さく、かつ完全空乏化によって大きなドレイン電流が得られるという利点を有しており、4F(Fは最小加工寸法)の最密レイアウトの実現も可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−192650号公報
【特許文献2】特開2008−300623号公報
【特許文献3】特開2009−10366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
DRAMのセルを上記縦型トランジスタで構成した場合、キャパシタはその容量を十分に確保するため、ピラーの上端に形成された上部不純物拡散領域(ソース領域)上に直接コンタクトするように形成する。
この場合、下部電極と上部不純物拡散領域との間のコンタクト抵抗を低減するために、下部電極を構成するTi膜、及びシリコンよりなる上部不純物拡散領域の一部をシリサイド化させて、シリサイド層を介して、キャパシタと上部不純物拡散領域とを電気的に接続する。
【0010】
ところで、半導体装置のさらなる微細化が進んだ場合、シリンダ孔の直径がさらに小さくなるため、キャパシタと上部不純物拡散領域との間のコンタクト抵抗が上昇する。そこで、コンタクト抵抗の上昇を抑制するために、従来よりもシリサイド層の厚さを厚くする必要がある。
【0011】
しかしながら、アスペクト比(=シリンダ孔の深さ/シリンダ孔の径)の高いシリンダ孔の底面から露出された上部不純物拡散領域の上面に、チタン(Ti)膜を成膜した場合、チタン(Ti)膜の厚さばらつきが大きくなり、複数のピラーに形成されるシリサイド層の厚さを均一にすることが困難となる。
【0012】
そのため、シリサイド層の成長を促進してシリサイド層の厚さを厚くする場合、他のピラーよりもシリサイド層が厚く形成されたピラーでは、ゲート電極とシリサイド層との距離が近くなりすぎることで、シリサイド層がピラーの側面に形成されたゲート絶縁膜に到達してゲート絶縁膜が侵食破壊され、ゲート電極と半導体基板との間でショートが発生してしまう。
したがって、アスペクト比の高いシリンダ孔を介して下部電極を成膜することでシリサイド層を形成する従来の方法では、ゲート電極と半導体基板とのショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層を形成することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一観点によれば、シリコン(Si)を含む半導体基板に設けられ、前記半導体基板を母材とするピラーと、前記ピラーの上端に形成されたシリサイド層と、前記シリサイド層の側面を覆うように設けられ、かつ前記ピラーの上端に含まれるシリコン(Si)をシリサイド化させる金属膜と、ゲート絶縁膜を介して、前記シリサイド層よりも下方に位置する前記ピラーの側面に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を覆うと共に、前記シリサイド層よりも下方に位置する前記ピラーの側面を囲むように配置され、かつ前記シリサイド層及び前記金属膜を露出する絶縁膜と、前記シリサイド層の下面と接触するように、前記ピラーに配置された上部不純物拡散領域と、前記シリサイド層の上面に設けられたキャパシタと、を有することを特徴とする半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の半導体装置によれば、シリコン(Si)を含む半導体基板に設けられ、半導体基板を母材とするピラーと、ピラーの上端に形成されたシリサイド層と、シリサイド層の側面を覆うように設けられ、かつピラーの上端に含まれるシリコン(Si)をシリサイド化させる金属膜と、ゲート絶縁膜を介して、シリサイド層よりも下方に位置するピラーの側面に設けられたゲート電極と、ゲート電極を覆うと共に、シリサイド層よりも下方に位置するピラーの側面を囲むように配置され、かつシリサイド層及び金属膜を露出する絶縁膜と、シリサイド層の下面と接触するように、ピラーに配置された上部不純物拡散領域と、シリサイド層の上面に設けられたキャパシタと、を有することにより、金属膜に囲まれたピラーの上端のみにシリサイド層を形成することが可能になるため、シリサイド層とゲート電極との間の距離を十分に確保して、ゲート電極と半導体基板との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの概略を示す平面図である。
【図2A】図1に示すメモリセルアレイのA−A線方向の断面図である。
【図2B】図1に示すメモリセルアレイのB−B線方向の断面図である。
【図3A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その1)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図3B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その1)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図4A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その2)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図4B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その2)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図5A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その3)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図5B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その3)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図6A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その4)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図6B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その4)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図7A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その5)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図7B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その5)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図8A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その6)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図8B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その6)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図9A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その7)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図9B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その7)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図10A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その8)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図10B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その8)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図11A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その9)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図11B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その9)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図12A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その10)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図12B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その10)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図13A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その11)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図13B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その11)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図14A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その12)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図14B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その12)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図15A】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その13)であり、図2Aに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【図15B】本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図(その13)であり、図2Bに示すメモリセルアレイの切断面に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0017】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの概略を示す平面図である。図2Aは、図1に示すメモリセルアレイのA−A線方向の断面図であり、図2Bは、図1に示すメモリセルアレイのB−B線方向の断面図である。
図1において、X方向はワード線29の延在方向を示しており、Y方向はワード線29と交差するビット線21の延在方向を示している。また、図1では、説明の便宜上、図2A及び図2Bに示すメモリセルアレイ11の構成要素のうち、ビット線21、ワード線29、シリサイド層38、金属膜39、及び他の金属膜41、及びキャパシタ52のみを図示する。
図2A及び図2Bにおいて、図1に示すメモリセルアレイ11と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図1、図2A、及び図2Bでは、本実施の形態の半導体装置の一例としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)を挙げて以下の説明を行う。
【0018】
本実施の形態の半導体装置10は、図1、図2A、及び図2Bに示すメモリセルアレイ11が形成されるメモリセル領域と、メモリセル領域の周囲に配置された周辺回路(図示せず)が形成される周辺回路領域とを有する。周辺回路領域には、図示していない周辺回路用トランジスタ(例えば、プレーナー型トランジスタ)が形成されている。
【0019】
次に、図1、図2A、及び図2Bを参照して、メモリセルアレイ11の構成について説明する。
メモリセルアレイ11は、半導体基板13と、素子分離領域(図示せず)と、ビット線形成用溝15と、第1の絶縁膜16と、ビットコンタクト18と、下部不純物拡散領域19と、ビット線21と、第2の絶縁膜23と、ワード線形成用溝25と、ピラー26と、ゲート絶縁膜27と、ワード線29と、第1の埋め込み絶縁膜31と、溝32と、ライナー膜33と、第2の埋め込み絶縁膜35と、上部不純物拡散領域36と、凹部37と、シリサイド層38と、金属膜39、他の金属膜41と、第1のエッチングストッパ膜46と、第1の層間絶縁膜47と、第2のエッチングストッパ膜48と、サポート膜51と、キャパシタ52と、第3の層間絶縁膜53と、配線55と、第4の層間絶縁膜56と、を有する。
【0020】
図2A及び図2Bを参照するに、半導体基板13は、シリコン(Si)を含むと共に、所定の濃度の不純物とされた基板である。半導体基板としては、例えば、p型のシリコン基板を用いることができる。以下、半導体基板13としてp型のシリコン基板を用いた場合を例に挙げて説明する。
半導体基板13には、素子分離用溝(図示せず)及び該素子分離用溝を埋め込む素子分離用絶縁膜(図示せず)により構成された素子分離領域(図示せず)と、該素子分離領域の内側に形成され、矩形とされた素子形成領域とを有する。
上記素子分離用絶縁膜としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いる。上記素子分離領域の構造は、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれる。また、上記素子形成領域は、素子分離領域によって絶縁分離された活性領域である。
【0021】
図2Aを参照するに、ビット線形成用溝15は、半導体基板13に形成されている。ビット線形成用溝15は、Y方向に延在するように、X方向に対して複数配置されている。ビット線形成用溝15の底部には、ビット線21が形成される。
第1の絶縁膜16は、ビット線形成用溝15の内面のうち、ビット線21の形成領域に対応する面(具体的には、ビット線形成用溝15の側面の一部及び底面)に設けられている。第1の絶縁膜16は、ビットコンタクト18が形成される開口部16Aを有する。開口部16Aは、ピラー26の側面の一部を露出するように形成されている。第1の絶縁膜16としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いることができる。
【0022】
ビットコンタクト18は、第1の絶縁膜16に形成された開口部16Aを充填するように設けられている。ビットコンタクト18の材料としては、例えば、n型不純物(例えば、ヒ素(As))を含有した多結晶シリコン膜を用いることができる。
下部不純物拡散領域19は、n型不純物(例えば、ヒ素(As))を含んだ不純物拡散領域であり、ドレイン領域として機能する。下部不純物拡散領域19は、上部不純物拡散領域36の下方に位置するピラー26に形成されており、ビットコンタクト18と接触している。下部不純物拡散領域19は、ビットコンタクト18を介して、ビット線21と電気的に接続されている。
【0023】
図2Aを参照するに、ビット線21(埋め込みビット線)は、第1の絶縁膜16を介して、ビット線形成用溝15の底部に形成されている。つまり、ビット線21は、半導体基板13に対して電気的に絶縁された状態で、後述するゲート電極61,62よりも下方に配置されている。
ビット線21の上面21aは、平坦な面とされている。ビット線21は、ワード線29と交差しており、Y方向に延在している。ビット線21は、X方向に複数配置されている(図1参照)。ビット線21は、ビットコンタクト18と接触しており、ビットコンタクト18を介して、下部不純物拡散領域19と電気的に接続されている。
ビット線21は、導電膜により構成されている。ビット線21を構成する導電膜としては、例えば、チタン(Ti)膜と、窒化チタン(TiN)膜と、タングステン(W)膜とを順次積層した積層膜を用いることができる。
【0024】
図2Aを参照するに、第2の絶縁膜23は、ビット線21の上面21a、及びビット線21よりも上方に位置するビット線形成用溝15の側面(言い換えれば、上部不純物拡散領域36の側面及びシリサイド層38dを含むピラー26の側面26c,26d)を覆うように形成されている。第2の絶縁膜23の上面23aは、シリサイド層38の下面38bに対して略面一とされている。第2の絶縁膜23としては、例えば、SiON膜を用いることができる。
図2A及び図2Bを参照するに、ワード線形成用溝25は、ビット線形成用溝15と交差するように、半導体基板13に形成されている。ワード線形成用溝25は、X方向に延在しており、Y方向に対して複数配置されている。
【0025】
図2A及び図2Bを参照するに、ピラー26は、ビット線形成用溝15及びワード線形成用溝25に囲まれており、柱状形状とされている。ピラー26は、シリコンを含む半導体基板13を母材としており、半導体基板13の主面13aを部分的にエッチングして、ビット線形成用溝15及びワード線形成用溝25を加工することで複数形成される。
ピラー26の上端26−1には、シリサイド層38が形成されており、シリサイド層38の下方にはシリサイド層38と接触する上部不純物拡散領域36が形成されている。ピラー26のうち、上部不純物拡散領域36の下方に位置する部分は、チャネルとして機能する。
【0026】
このピラー26に、下部不純物拡散領域19、上部不純物拡散領域36、ゲート絶縁膜27、及び後述する一対のゲート電極61,62が形成されることで、縦型トランジスタ66が形成される。つまり、メモリセルアレイ11には、マトリックス状に複数の縦型トランジスタ66が形成されている。
縦型トランジスタ66は、占有面積が小さく、かつ完全空乏化によって大きなドレイン電流が得られるという利点がある。したがって、メモリセルアレイ11では、上記縦型トランジスタ66を複数備えることにより、4F(Fは最小加工寸法)の最密レイアウトが実現可能である。
【0027】
図2Bを参照するに、ゲート絶縁膜27は、X方向に配置された複数のピラー26の側面26a,26b(上部不純物拡散領域36の側面及びシリサイド層38の側面38cも含む)、及びワード線形成用溝25の底面25aを覆うように形成されている。
ゲート絶縁膜27としては、例えば、単層のシリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン酸化膜を窒化した膜(SiON膜)、積層されたシリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)上にシリコン窒化膜(SiN膜)を積層させた積層膜等を用いることができる。
【0028】
図1を参照するに、ワード線29は、一対のゲート電極61,62と、電極端接続部63と、接続部65とを有する。
図1及び図2Bを参照するに、ゲート電極61は、X方向に延在しており、ゲート絶縁膜27を介して、シリサイド層38よりも下方に位置する複数のピラー26の側面26aに設けられている。ゲート電極62は、X方向に延在しており、ゲート絶縁膜27を介して、シリサイド層38よりも下方に位置する複数のピラー26の側面26bに設けられている。ゲート電極62は、ゲート絶縁膜27及び複数のピラー26を介して、ゲート電極61と対向配置されている。
図1を参照するに、電極端接続部63は、ゲート電極61,62の両端にそれぞれ設けられており、ゲート電極61,62の端部と一体に構成されている。
【0029】
図1及び図2Aを参照するに、接続部65は、第2の絶縁膜23を介して、ゲート電極61,62間に位置するビット線形成用溝15に設けられている。接続部65の一方の端部は、ゲート電極61と一体に構成されており、接続部65の他方の端部は、ゲート電極62と一体に構成されている。接続部65は、X方向におけるワード線29の電気抵抗の差を小さくするための部材である。
上記ワード線29は、導電膜により構成されている。ワード線29を構成する導電膜としては、例えば、チタン(Ti)膜と、窒化チタン(TiN)膜と、タングステン(W)膜とが順次積層された積層膜を用いることができる。
【0030】
図2Aを参照するに、第1の埋め込み絶縁膜31は、接続部65の上面を覆うように、ビット線形成用溝15を埋め込んでいる。第1の埋め込み絶縁膜31の上面31aは、平坦な面とされており、シリサイド層38の下面38bに対して面一とされている。言い換えれば、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31aは、半導体基板13の主面13a(後述する図4A及び図4Bに示すピラー26の上端面26−1e)よりも低い位置に配置されている。
第1の埋め込み絶縁膜31としては、例えば、埋め込み特性に優れ、緻密な膜質を有した絶縁膜を用いるとよい。具体的には、第1の埋め込み絶縁膜31としては、例えば、HDP(High Density Plasma)法により形成されたシリコン酸化膜(SiO膜)を用いるとよい。
【0031】
図2Bを参照するに、溝32は、X方向に延在しており、ワード線形成用溝25内に形成されている。溝32のY方向の幅は、ワード線形成用溝25のY方向の幅よりも狭い。溝32は、ワード線形成用溝25に埋め込まれ、ワード線29の母材となる導電膜(図示せず)を2つに分離することで、一対のゲート電極61,62を形成するための分離用溝である。そのため、溝32の深さは、ワード線29の母材となる導電膜を確実に2つに分離できるように、ワード線形成用溝25の深さよりも深くなるように形成されている。
【0032】
図2Bを参照するに、ライナー膜33は、ワード線形成用溝25内に設けられており、ゲート電極61,62上にサイドウォール状に形成されている。ライナー膜33は、絶縁性を有した膜である。ライナー膜33としては、例えば、SiON膜を用いることができる。ライナー膜33の上面33aは、平坦な面とされており、シリサイド層38の下面38bに対して面一とされている。
図2Bを参照するに、第2の埋め込み絶縁膜35は、溝32を充填するように設けられている。第2の埋め込み絶縁膜35の上面35aは、平坦な面とされており、シリサイド層38の下面38bに対して面一とされている。
なお、本実施の形態において、ゲート電極61,62を覆うと共に、シリサイド層38よりも下方に位置するピラー26の側面を囲むように配置され、かつシリサイド層38及び金属膜39を露出する絶縁膜は、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35により構成されている。
【0033】
図2A及び図2Bを参照するに、上部不純物拡散領域36は、ピラー26の上部に形成されており、シリサイド層38の下面38bと接触している。これにより、上部不純物拡散領域36は、シリサイド層38と電気的に接続されている。
上部不純物拡散領域36は、n型不純物(例えば、ヒ素(As))を含んだ不純物拡散領域であり、ソース領域として機能する。
本実施の形態の場合の縦型トランジスタ66(「3次元トランジスタ」ともいう)は、ピラー26に、ビットコンタクト18、下部不純物拡散領域19、ゲート絶縁膜27、ゲート電極61,62、及び上部不純物拡散領域36が形成された構成とされている。
【0034】
図2A及び図2Bを参照するに、凹部37は、同一平面上に配置された第2の絶縁膜23の上面23a、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a、ライナー膜33の上面33a、及び第2の埋め込み絶縁膜35の上面35aを半導体基板13の主面13aよりも下方に配置することで形成されている。凹部37の底面は、平坦な面とされており、第2の絶縁膜23の上面23a、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a、ライナー膜33の上面33a、及び第2の埋め込み絶縁膜35の上面35aにより構成されている。
【0035】
凹部37は、金属膜39、他の金属膜41、及び第1のエッチングストッパ膜46を配置するための溝であり、シリサイド層38の側面38c,38dを露出するように形成されている。
なお、実際に、メモリセルを形成する場合、後述する図4A及び図4Bに示すように、凹部37は、金属膜39が形成される複数のピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1dを露出するように形成される。金属膜39は、複数のピラー26の上端26−1にシリサイド層38を形成するための膜である。
なお、側面26−1aは、ピラー26の側面26aの一部であり、側面26−1bは、ピラー26の側面26bの一部である。また、側面26−1cは、ピラー26の側面26cの一部であり、側面26−1dは、ピラー26の側面26dの一部である。
【0036】
このように、金属膜39が形成される複数のピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1dを露出する凹部37を設けることにより、凹部37の深さを変えることで、シリサイド層38の厚さを容易に制御することができると共に、複数のピラー26に形成されるシリサイド層38の厚さばらつきを小さくすることができる。
半導体基板13の主面13aを基準とした際の凹部37の深さは、例えば、50nmとすることができる。
【0037】
図2A及び図2Bを参照するに、シリサイド層38は、凹部37から露出され、かつ金属膜39に囲まれたピラー26の上端26−1に形成されている。
シリサイド層38の上面38aは、半導体基板13の主面13aに対して略面一とされており、キャパシタ52となる下部電極71と接触している。また、シリサイド層38の下面38bは、上部不純物拡散領域36と接触している。これにより、シリサイド層38は、キャパシタ52の下部電極71と上部不純物拡散領域36とを電気的に接続している。
シリサイド層38は、キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を小さくするための層である。
【0038】
シリサイド層38は、ピラー26の上端26−1に含まれるシリコンと金属膜39に含まれる後述する金属とが反応して、ピラー26の上端26−1がシリサイド化することで形成される。
シリサイド層38としては、チタンシリサイド層(具体的には、TiSi層等)、コバルトシリサイド層等を用いることができる。
【0039】
シリサイド層38としては、TiSi層を用いるとよい。TiSi層は、シリサイド層のなかで電気抵抗が最も低く、かつ多結晶シリコン及び上部不純物拡散領域の表面に自然酸化膜(シリコン酸化膜(SiO膜))が形成された場合でも安定な固相反応が進行する(Tiはシリコン酸化膜を還元して反応する)からである。
シリサイド層38の厚さは、凹部37の深さの値と等しく、例えば、50nmとすることができる。
【0040】
図2A及び図2Bを参照するに、金属膜39は、凹部37の内壁に設けられており、第1の金属膜67と、第2の金属膜68とが順次積層された構成とされている。
第1の金属膜67は、第2の絶縁膜23の上面23a、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a、及びライナー膜33の上面33aに、シリサイド層38の側面38c,38dを覆うように配置されている。
第1の金属膜67の上面67aは、シリサイド層38の上面38aに対して略面一とされている。第1の金属膜67の上面67aは、キャパシタ52の下部電極71と接触している。これにより、第1の金属膜67は、下部電極71と電気的に接続されている。
【0041】
第1の金属膜67は、ピラー26の上端26−1に含まれるシリコンと反応することで、シリサイド層38を形成する金属を含む膜である。つまり、第1の金属膜67は、第1の金属膜67の成膜時の熱により、ピラー26の上端26−1をシリサイド化させることで、ピラー26の上端26−1にシリサイド層38を形成するための膜である。そのため、シリサイド層38は、第1の金属膜67により囲まれた部分のみに形成される。第1の金属膜67は、CVD法により形成することができる。
【0042】
このように、ピラー26の上端26−1を露出する凹部37を設け、ピラー26の上端26−1の側面を覆うように、シリコンと反応する金属を含む第1の金属膜67を形成することにより、第1の金属膜67により囲まれた領域のみにシリサイド層38を形成することが可能となる。これにより、シリサイド層38とゲート電極61,62との間の距離を十分に確保して、ゲート電極61,62と半導体基板13との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層38を設けることができると共に、複数のピラー26に形成されるシリサイド層38の厚さばらつきを小さくすることができる。
【0043】
第1の金属膜67としては、例えば、チタン(Ti)膜、コバルト(Co)膜等を用いることができる。第1の金属膜67としてチタン(Ti)膜を用いた場合、シリサイド層38としてTiSi層を形成することができる。
第1の金属膜67としてチタン(Ti)膜を用いる場合、シリサイド層38の側面38c,38dに対して直交する方向における第1の金属膜67の厚さは、例えば、7nmとすることができる。
【0044】
第2の金属膜68は、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a及びライナー膜33の上面33aに、第1の金属膜67の外周側面67bを覆うように設けられている。第2の金属膜68の上面68aは、下部電極71と接触している。これにより、第2の金属膜68は、下部電極71と電気的に接続されている。
【0045】
第2の金属膜68としては、第1の金属膜67と他の金属膜41との間の密着性を向上可能な膜が好ましい。第2の金属膜68としては、例えば、窒化チタン(TiN)膜、或いは、チタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とを順次積層した積層膜等を用いることができる。
第2の金属膜68として窒化チタン(TiN)膜を用いる場合、シリサイド層38の側面38c,38dに対して直交する方向における第2の金属膜68の厚さは、例えば、5nmとすることができる。
図1に示すように、上記構成とされた金属膜39は、ピラー26に形成されたシリサイド層38を囲むような形状とされている。
なお、本実施の形態では、一例として、第1の金属膜67としてチタン(Ti)膜を用い、第2の金属膜68として窒化チタン(TiN)膜を用いた場合を例に挙げて、以下の説明を行う。
【0046】
図2A及び図2Bを参照するに、他の金属膜41は、第2の金属膜68の外周側面68bを覆うように、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a及びライナー膜33の上面33aに設けられている。
他の金属膜41は、金属膜39と共に、凹部37内に配置されている。他の金属膜41は、金属膜39と比較して、抵抗値の低い膜である。他の金属膜41の上面は、下部電極71と接触している。これにより、他の金属膜41は、下部電極71と電気的に接続されている。
【0047】
他の金属膜41としては、例えば、タングステン(W)膜を用いることができる。他の金属膜41としてタングステン(W)膜を用いる場合、シリサイド層38の側面38c,38dに対して直交する方向における他の金属膜41の厚さは、例えば、10nmとすることができる。
図1に示すように、上記構成とされた他の金属膜41は、金属膜39を介して、ピラー26に形成されたシリサイド層38を囲むような形状とされている。
【0048】
図2A及び図2Bを参照するに、第1のエッチングストッパ膜46は、シリサイド層38の上面38a、第1の金属膜67の上面67a、第2の金属膜68の上面68a、及び他の金属膜41の上面41aのうち、下部電極71と接触していない面を覆うと共に、金属膜39及び他の金属膜41が形成された凹部37を埋め込むように形成されている。これにより、第1のエッチングストッパ膜46は、他の金属膜41の外周側面41bを覆っている。第1のエッチングストッパ膜46の上面は、平坦な面とされている。
第1のエッチングストッパ膜46としては、シリコン窒化膜(SiN膜)を用いる。この場合、第1のエッチングストッパ膜46の厚さは、例えば、50nmとすることができる。
第1の層間絶縁膜47は、第1のエッチングストッパ膜46上に設けられている。第1の層間絶縁膜47としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いる。この場合、第1の層間絶縁膜47の厚さは、例えば、400nmとすることができる。
【0049】
第2のエッチングストッパ膜48は、第1の層間絶縁膜47上に設けられている。第2のエッチングストッパ膜48としては、シリコン窒化膜(SiN膜)を用いる。この場合、第2のエッチングストッパ膜48の厚さは、例えば、50nmとすることができる。
【0050】
サポート膜51は、第2のエッチングストッパ膜48の上方に配置されている。サポート膜51としては、シリコン窒化膜(SiN膜)を用いる。サポート膜51は、後述する複数の下部電極71の上端側の外周側面57aと接触している。これにより、サポート膜51は、複数の下部電極71を連結している。
図2Bに示すように、サポート膜51には貫通部76が形成されている。貫通部76は、ウエットエッチングにより、後述する図11A及び図11Bに示す第2の層間絶縁膜78を除去するためのエッチング液の導入口である。半導体装置10において、第2の層間絶縁膜78は、図示していない周辺回路領域に形成されている。
【0051】
上記第2の層間絶縁膜78が除去されることにより、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51と間には、空間77が形成される。サポート膜51と第2のエッチングストッパ膜48との間隔は、図11A及び図11Bに示す第2の層間絶縁膜78の厚さと等しく、例えば、900nmとすることができる。
また、サポート膜51の厚さは、例えば、100μmとすることができる。なお、図2Bでは、1つの貫通部76のみ図示しているが、実際には、サポート膜51には複数の貫通部76が形成されている。
【0052】
キャパシタ52は、MIMキャパシタであり、複数のピラー26に対してそれぞれ1つ設けられている。つまり、メモリセルアレイ11は、複数のキャパシタ52を有する。
キャパシタ52は、1つの下部電極71と、複数の下部電極71に亘るように形成された容量絶縁膜72(言い換えれば、複数の下部電極71に対して共通の容量絶縁膜)と、容量絶縁膜72の表面を覆う上部電極73(言い換えれば、複数の下部電極71に対して共通の上部電極)とを有する。
下部電極71は、王冠形状とされている。下部電極71は、サポート膜51により他の下部電極71と連結されている。下部電極71としては、金属膜を用いる。具体的には、下部電極71としては、例えば、チタン(Ti)膜と、窒化チタン(TiN)膜とが順次積層された積層膜を用いるとよい。下部電極71の底部は、金属膜39の上面39aと接続されている。
【0053】
このように、金属膜よりなる下部電極71の底部と金属膜39とを接続することにより、下部電極71の底部とシリサイド層38の外周部及び金属膜39とが接続されるため、下部電極71の底部がシリサイド層38の上面38aの中央のみと接触した場合と比較して、キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を低減できる。
【0054】
また、下部電極71の底部は、第2の金属膜68の外周側面68bを覆うように配置された他の金属膜41の上面41aと接続されている。
このように、第2の金属膜68の外周側面68bを覆うように配置され、金属膜39よりも抵抗値の低い他の金属膜41の上面41aと金属膜よりなる下部電極71の底部とを接続させることにより、キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗をさらに低減できる。
【0055】
容量絶縁膜72は、複数の下部電極71の内面、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51との間に位置する複数の下部電極71の外周側面71a、第2のエッチングストッパ膜48の上面48a、サポート膜51の上面51a及び下面51b、及び貫通部76を構成するサポート膜51の側面を覆うように設けられている。
容量絶縁膜72としては、例えば、酸化アルミニウム膜(Al膜)と酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)とを順次積層した積層膜を用いることができる。
【0056】
上部電極73は、容量絶縁膜72の表面を覆うように設けられており、容量絶縁膜72を介して、複数の下部電極71内、貫通部76、及び空間77を充填している。
上部電極73の上面73aは、平坦な面とされている。上部電極73としては、ルテニウム(Ru)膜、タングステン(W)膜、窒化チタン(TiN)膜等の金属膜、或いは多結晶シリコン膜等を用いることができる。
【0057】
第3の層間絶縁膜53は、上部電極73の上面73aに設けられている。第3の層間絶縁膜53としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いることができる。
配線55は、第3の層間絶縁膜53上に設けられている。配線55は、下層に配置された上部電極73と電気的に接続されている。
第4の層間絶縁膜56は、配線55を覆うように、第3の層間絶縁膜53上に設けられている。第4の層間絶縁膜56としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いることができる。
【0058】
本実施の形態の半導体装置によれば、ゲート絶縁膜27を介して、ピラー26の側面26a,26bに設けられたゲート電極61,62と、ピラー26の上端26−1に形成されたシリサイド層38と、ゲート電極61,62を覆うと共に、ピラー26の側面26a,26b,26c,26dを囲むように配置され、かつシリサイド層38の側面38c,38dを露出する絶縁膜(具体的には、第2の絶縁膜23、第1の埋め込み絶縁膜31、及びライナー膜33により構成された絶縁膜)と、シリサイド層38の側面38c,38dを覆うように設けられ、かつピラー26の上端26−1に含まれるシリコンをシリサイド化させる金属膜39と、シリサイド層38の下面38bと接触するように、ピラー26に形成された上部不純物拡散領域36と、シリサイド層38の上面38aに設けられたキャパシタ52と、を有することにより、金属膜39に囲まれた部分のみにシリサイド層38を形成することが可能になるため、シリサイド層38とゲート電極61,62との間の距離を十分に確保して、ゲート電極61,62と半導体基板13との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層38を設けることができる。
【0059】
これにより、シリンダ孔の径が小さい場合でも、下部電極52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を低減することができる。
【0060】
図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、図12B、図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、及び図15Bは、本発明の実施の形態に係る半導体装置に設けられたメモリセルアレイの製造工程を示す図である。
図3A、図4A、図5A、図6A、図7A、図8A、図9A、図10A、図11A、図12A、図13A、図14A、及び図15Aは、図2Aに示すメモリセルアレイ11の切断面に対応する断面図である。
【0061】
また、図3B、図4B、図5B、図6B、図7B、図8B、図9B、図10B、図11B、図12B、図13B、図14B、及び図15Bは、図2Bに示すメモリセルアレイ11の切断面に対応する断面図である。
図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、図12B、図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、及び図15Bにおいて、図2A及び図2に示すメモリセルアレイ11と同一構成部分には同一符号を付す。
【0062】
次に、図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、図7B、図8A、図8B、図9A、図9B、図10A、図10B、図11A、図11B、図12A、図12B、図13A、図13B、図4A、図14B、図15A、及び図15Bを参照して、本発明の実施の形態に係る半導体装置10(具体的には、メモリセルアレイ11)の製造方法について説明する。
【0063】
始めに、図3A及び図3Bに示す工程では、シリコン(Si)を含む半導体基板13に、図示していない素子分離用溝を形成し、次いで、該素子分離用溝を埋め込む素子分離用絶縁膜(シリコン酸化膜(SiO膜))を形成することで、素子分離領域(図示せず)を形成する。これにより、該素子分離領域の内側に配置された素子形成領域(活性領域)を形成する。
半導体基板13としては、例えば、p型のシリコン基板を用いることができる。以下、半導体基板13としてp型のシリコン基板を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0064】
次いで、ホトリソグラフィ技術及びドライエッチング法により、半導体基板13の主面13aにシリコン窒化膜よりなるハードマスク(図示せず)を形成する。次いで、該ハードマスク(図示せず)をマスクとするドライエッチングにより、半導体基板13の主面13aを部分的にエッチングすることで、Y方向に延在する複数のビット線形成用溝15を形成する。次いで、複数のビット線形成用溝15の内面のうち、ビット線21の形成領域に対応する面を覆うように第1の絶縁膜16を形成する。この段階では、第1の絶縁膜16には、開口部16Aは形成されていない。
【0065】
次いで、第1の絶縁膜16を介して、開口部16Aの形成領域よりも低い位置にあるビット線形成用溝15を埋め込むように、ヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)を形成する。次いで、第1の絶縁膜16のうち、ビットコンタクト18の形成領域に対応する部分を選択的にエッチングすることで、半導体基板13を露出する開口部16Aを形成する。
【0066】
次いで、ヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)上に、ヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)を成長させることで、複数のビット線形成用溝15内を埋め込む。
次いで、エッチバックにより、複数のビット線形成用溝15に形成されたヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)を除去して、開口部16Aのみにヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)を残存させることで、開口部16Aにヒ素(As)を含有した多結晶シリコン膜(図示せず)よりなるビットコンタクト18を形成する。
【0067】
次いで、CVD法により、所定の温度(例えば、650℃)に加熱された雰囲気内で、ビット線21の母材となる導電膜を成膜する。具体的には、ビット線21の母材となる導電膜として、チタン(Ti)膜と、窒化チタン(TiN)膜と、タングステン(W)膜とを順次積層する。
このとき、上記導電膜の成膜時の熱により、ビットコンタクト18に含まれるヒ素(As)がピラー26の形成領域に対応した半導体基板13に熱拡散する。これにより、ピラー26の側壁に対応する部分に下部不純物拡散領域19が形成される。
次いで、上記導電膜をエッチバックして、ビット線形成用溝15の底部に導電膜を残存させることで、Y方向に延在するビット線21を形成する。
【0068】
次いで、ビット線21の上面21a、及びビット線21よりも上方に位置するビット線形成用溝15の側面(言い換えれば、複数のピラー26の側面26c,26dの一部)を覆う第2の絶縁膜23を形成する。第2の絶縁膜23としては、例えば、SiON膜を用いることができる。
次いで、ビット線形成用溝15を埋め込むように、SOG(Spin On Glass)法により、図示していない塗布系のシリコン酸化膜(SiO膜)を塗布し、その後、該塗布系のシリコン酸化膜(SiO膜)をエッチバックすることで、接続部65の形成領域に対応するビット線形成用溝15のみに、塗布系のシリコン酸化膜(SiO膜)を残存させる。
次いで、HDP(High Density Plasma)法により、塗布系のシリコン酸化膜(SiO膜)上に位置するビット線形成用溝15を埋め込むシリコン酸化膜(SiO膜)を成膜することで、第1の埋め込み絶縁膜31を形成する。
【0069】
次いで、半導体基板13の主面13aを部分的にエッチングすることで、ビット線形成用溝15と交差し、かつX方向に延在するワード線形成用溝25を複数形成する。ワード線形成用溝25は、先に説明したビット線形成用溝15と同様な手法により形成する。このとき、ワード線形成用溝25は、SOG法により形成された塗布系のシリコン酸化膜(図示せず)を完全に露出するように形成する。
これにより、シリコンを含む半導体基板13よりなり、ビット線形成用溝15及びワード線形成用溝25に囲まれた複数のピラー26が形成される。言い換えれば、半導体基板13の主面13aを部分的にエッチングすることで、複数のピラー26を形成する。
【0070】
次いで、ウエットエッチングにより、塗布系のシリコン酸化膜(図示せず)を選択的に除去する。その後、ワード線形成用溝25の内面(具体的には、ワード線形成用溝25の底面25a、及び複数のピラー26の側面26a,26b)を覆うゲート絶縁膜27を形成する。
【0071】
ゲート絶縁膜27としては、例えば、単層のシリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン酸化膜を窒化した膜(SiON膜)、積層されたシリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン酸化膜(SiO膜)上にシリコン窒化膜(SiN膜)を積層させた積層膜等を用いることができる。
【0072】
次いで、CVD法により、接続部65の形成領域に対応するビット線形成用溝15、及びワード線形成用溝25を埋め込むように、ワード線29の母材となる導電膜を成膜する。
具体的には、チタン(Ti)膜と、窒化チタン(TiN)膜と、タングステン(W)膜とを順次成膜することで、チタン(Ti)膜、窒化チタン(TiN)膜、及びタングステン(W)膜よりなる導電膜を形成する。
これにより、ビット線形成用溝15に、該導電膜よりなる複数の接続部65が形成される。このとき、図示していない電極端接続部63(図1参照)も同時に形成する。
次いで、ワード線形成用溝25に形成された導電膜をエッチバックして、ワード線形成用溝25内に残存する導電膜の厚さを所定の厚さとする。ワード線形成用溝25内に残存する導電膜は、一対のゲート電極61,62の母材となる。
【0073】
次いで、ワード線形成用溝25内に、ワード線形成用溝25よりも幅が狭く、かつX方向に延在し、ワード線形成用溝25内に残存する導電膜を2分割する溝32を形成する。
これにより、ゲート絶縁膜27を介して、複数のピラー26の側面26aにゲート電極61が形成されると共に、ゲート絶縁膜27を介して、複数のピラー26の側面26bにゲート電極62が形成される。
つまり、この段階で、電極端接続部63、接続部65、及びX方向に延在する一対のゲート電極61,62を備えたワード線29が形成される。
【0074】
次いで、ゲート電極61,62上に、ゲート絶縁膜27と接触するように、ライナー膜33を形成する。ライナー膜33としては、例えば、SiON膜を用いることができる。
次いで、ワード線形成用溝25及び溝32を第2の埋め込み絶縁膜35で埋め込む。第2の埋め込み絶縁膜35としては、SOG法により形成された塗布系のシリコン酸化膜(SiO膜)を用いるとよい。
次いで、図示していないハードマスク(ビット線形成用溝15を形成する際に使用するマスク)を除去する。これにより、複数のピラー26の上端面(半導体基板13の主面13a)が露出される。
【0075】
次いで、複数のピラー26の上端面26−1e(半導体基板13の主面13a)に、n型不純物としてヒ素(As)をドーピングし、その後、ヒ素(As)を熱拡散させることで、複数のピラー26の上部(ピラー26の上端26−1を含む)に上部不純物拡散領域36を形成する。
なお、この段階では、ピラー26の上端26−1にも上部不純物拡散領域36が形成されており、後述する図5A及び図5Bに示す工程において、シリサイド層38を形成することで、図2A及び図2Bに示す上部不純物拡散領域36が形成される。
【0076】
その後、絶縁膜(具体的には、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35)のうち、複数のピラー26の上端面26−1eから突出した部分を研磨により除去することで、図3A及び図3Bに示すように、上面が平坦化された構造体を形成する。
これにより、ゲート絶縁膜27を介して、ピラーの側面26a,26b,26c,26dを囲むと共に、ゲート電極61,62を覆う絶縁膜(この場合、第2の絶縁膜23、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35よりなる絶縁膜)が形成される。
【0077】
次いで、図4A及び図4Bに示す工程では、第2の絶縁膜23、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35よりなる絶縁膜、及びゲート絶縁膜27をエッチバックすることにより、上部不純物拡散領域36が形成された複数のピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1dを露出する凹部37を形成する。
このとき、第2の絶縁膜23の上面23a、第1の埋め込み絶縁膜31の上面31a、ライナー膜33の上面33a、及び第2の埋め込み絶縁膜35の上面35aにより構成される凹部37の底面が、平坦な面となるようにエッチバックを行なう。
【0078】
また、凹部37は、凹部37の深さCがシリサイド層38の所望の厚さの値と等しくなるように形成する。このように、凹部37の深さを設定することで、シリサイド層38を形成したい領域に金属膜39(シリコンと反応することでシリサイド層38を形成する膜)を精度良く形成することが可能となるので、シリサイド層38の厚さを容易に制御することができると共に、複数のピラー26に形成されるシリサイド層38の厚さばらつきを低減することができる。
半導体基板13の主面13aを基準とした際の凹部37の深さCは、例えば、50nmとすることができる。
【0079】
次いで、図5A及び図5Bに示す工程では、図4A及び図4Bに示すピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1d及び上端面26−1eを覆うように、第1及び第2の金属膜68,68よりなる金属膜39を成膜して、第1の金属膜67に含まれる金属とピラー26の上端26−1に含まれるシリコンとを反応させることで、図4A及び図4Bに示す上部不純物拡散領域36のうち、第1の金属膜67で囲まれたピラー26の上端26−1にシリサイド層38を形成する。
これにより、シリサイド層38の下面38bが上部不純物拡散領域36と接触する。つまり、シリサイド層38と上部不純物拡散領域36とが電気的に接続される。
【0080】
具体的には、CVD法により、所定の温度(例えば、650℃)に加熱された雰囲気中において、図4A及び図4Bに示すピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1d及び上端面26−1eを覆うように、第1の金属膜67としてチタン(Ti)膜(例えば、厚さ7nm)を成膜すると共に、チタン(Ti)膜を成膜する際の熱により、チタン(Ti)膜に含まれるチタン(Ti)と、ピラー26の上端26−1に含まれるシリコン(Si)とを反応させることで、ピラー26の上端26−1にシリサイド層38としてTiSi層を形成する。
【0081】
このとき、第1の金属膜67は、図4A及び図4Bに示す構造体の上面全体に形成される。言い換えれば、凹部37の底面にも第1の金属膜67が成膜される。
また、実際には、チタン(Ti)膜のうち、ピラー26の上端26−1と接触している部分のほとんどがシリサイド化されてTiSi層となる。
さらに、シリサイド層38を形成することで、複数のピラー26に、ビットコンタクト18、下部不純物拡散領域19、ゲート絶縁膜27、ゲート電極61,62、及び上部不純物拡散領域36を備えた縦型トランジスタ66(「3次元トランジスタ」ともいう)が形成される。
【0082】
このように、ゲート絶縁膜27を介して、ピラー26の側面26a,26b,26c,26dを囲むと共に、ゲート電極61,62を覆う絶縁膜(第2の絶縁膜23、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35よりなる絶縁膜)を形成し、次いで、ゲート絶縁膜27及び該絶縁膜をエッチバックすることで、上部不純物拡散領域36が形成されたピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1dを露出し、その後、ピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1d及び上端面26−1eを覆うように金属膜39を成膜して、金属膜39に含まれる金属(例えば、チタン(Ti))とピラー26の上端に含まれるシリコンとを反応させることで、上部不純物拡散領域36のうち、金属膜39で囲まれたピラー26の上端26−1にシリサイド層38を形成することにより、金属膜39に囲まれたピラー26の上端26−1のみにシリサイド層38を形成することが可能となるので、シリサイド層38とゲート電極61,62との間の距離を十分に確保して、ゲート電極61,62と半導体基板13との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層38を形成できる。
【0083】
また、シリサイド層38として、他のシリサイド層(例えば、WSi層)と比較して抵抗が低いTiSi層を形成することにより、他のシリサイド層を用いた場合と比較して、コンタクト抵抗を低くできる。
なお、第1の金属膜67としてチタン(Ti)膜の替わりに、コバルト(Co)膜を形成してもよい。この場合、シリサイド層38としてコバルトシリサイド層が形成される。
【0084】
次いで、第1の金属膜67及びシリサイド層38を形成後に、第1の金属膜67の表面を覆う第2の金属膜68を形成する。具体的には、CVD法により、第2の金属膜68として窒化チタン(TiN)膜(例えば、厚さ5nm)を形成する。
なお、第2の金属膜68として窒化チタン(TiN)膜の替わりに、チタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜とが順次積層された積層膜を形成してもよい。
【0085】
次いで、図6A及び図6Bに示す工程では、金属膜39の表面(具体的には、第2の金属膜68の表面68a)を覆うように、金属膜39よりも抵抗値の低い他の金属膜41を成膜する。具体的には、CVD法により、他の金属膜41としてタングステン(W)膜(例えば、厚さ10nm)を成膜する。
【0086】
次いで、図7A及び図7Bに示す工程では、図6A及び図6Bに示す金属膜39及び他の金属膜41をエッチバックすることで、シリサイド層38の上面38a及び凹部37の底面に形成された金属膜39及び他の金属膜41を選択的に除去することで、シリサイド層38の側面38c,38dを覆うように、金属膜39及び他の金属膜41を残存させる。
これにより、サイドウォール状とされ、かつシリサイド層38の側面38c,38dを囲む金属膜39及び他の金属膜41(先に説明した図2A及び図2Bに示す金属膜39及び他の金属膜41)が形成される。
【0087】
上記エッチバックにより、エッチバック後における金属膜39の上面39a(第1及び第2の金属膜68,68の上面67a,68a)及び他の金属膜41の上面41aは、シリサイド層38の上面38aに対して面一となる。
次いで、図示していない周辺回路領域に、周知の手法により周辺回路用トランジスタとしてプレーナー型トランジスタ(図示せず)を形成する。
【0088】
次いで、シリサイド層38の上面38a、第1の金属膜67の上面67a、第2の金属膜68の上面68a、及び他の金属膜41の上面41aを覆うと共に、金属膜39及び他の金属膜41が形成された凹部37を埋め込むように、第1のエッチングストッパ膜46を形成する。これにより、他の金属膜41の外周側面41bは、第1のエッチングストッパ膜46により覆われる。第1のエッチングストッパ膜46は、厚さ50nmのシリコン窒化膜(SiN膜)を成膜することで形成する。
【0089】
第1のエッチングストッパ膜46は、異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、第2のエッチングストッパ膜48、層間絶縁膜である第1及び第2の層間絶縁膜47,78、及びサポート膜51を貫通するシリンダ孔79(図9A及び図9B参照)を形成する際のエッチングストッパ膜として機能する。
【0090】
次いで、図8A及び図8Bに示す工程では、図7A及び図7Bに示す第1のエッチングストッパ膜46上に、第1の層間絶縁膜47と、第2のエッチングストッパ膜48(エッチングストッパ膜)と、第2の層間絶縁膜78と、サポート膜51とを順次成膜する。
【0091】
具体的には、例えば、第1の層間絶縁膜47として厚さ400nmのシリコン酸化膜(SiO膜)と、第2のエッチングストッパ膜48として厚さ50nmのシリコン窒化膜(SiN膜)と、第2の層間絶縁膜78として厚さ900nmのシリコン酸化膜(SiO膜)と、サポート膜51として厚さ100nmのシリコン窒化膜(SiN膜)と、を順次成膜する。
【0092】
第2のエッチングストッパ膜48は、後述する図12A及び図12Bに示す工程において、ウエットエッチングにより、メモリセル領域に形成された第2の層間絶縁膜78を除去する際、第2のエッチングストッパ膜48よりも下層に配置された構成(例えば、第1の層間絶縁膜47及び縦型トランジスタ66等)がエッチングされることを防ぐ機能を有する。つまり、第2のエッチングストッパ膜48は、ウエットエッチング時のストッパ膜として機能する。
【0093】
また、第2のエッチングストッパ膜48は、複数の下部電極71の下部を連結することで、後述する図12A及び図12Bに示す工程において、メモリセル領域に形成された第2の層間絶縁膜78を除去した際、複数の下部電極71を連結する機能を有する。
また、この段階でのサポート膜51には、先に説明した図2Bに示す貫通部76はまだ形成されていない。つまり、図8A及び図8Bに示すサポート膜51は、パターニングされていない膜である。
【0094】
次いで、図9A及び図9Bに示す工程では、異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、サポート膜51、第2の層間絶縁膜78、第2のエッチングストッパ膜48、第1の層間絶縁膜47、及び第1のエッチングストッパ膜46をエッチングすることで、上部不純物拡散領域36の上面36a、金属膜39の上面39a、及び他の金属膜41の上面41aを露出するシリンダ孔79を形成する。
【0095】
具体的には、図8A及び図8Bに示すサポート膜51の上面44aに、ホトリソグラフィ技術により、シリンダ孔79の形成領域に対応するサポート膜51の上面51aを露出する開口部(図示せず)を有したホトレジスト(図示せず)を形成する。
【0096】
次いで、第1のステップとして、サポート膜51及びシリコン窒化膜(SiN膜)よりなる第2のエッチングストッパ膜48と、シリコン酸化膜(SiO膜)よりなる第1及び第2の層間絶縁膜47,78とが同じようにエッチングされる条件を用いて、第1及び第2の層間絶縁膜47,78、サポート膜51、及び第2のエッチングストッパ膜48をドライエッチングすることで、サポート膜51、第1の層間絶縁膜47、及び第2のエッチングストッパ膜48を貫通し、かつ底面が第2のエッチングストッパ膜48と第1のエッチングストッパ膜46との間に位置する第1の孔(図示せず)を複数形成する。第1の孔は、シリンダ孔79の一部となる孔である。
【0097】
次いで、第2のステップとして、シリコン酸化膜(SiO膜)よりなる第1の層間絶縁膜47を選択的にエッチングする条件(言い換えれば、シリコン窒化膜(SiN膜)に対して選択比がある条件)を用いて、第1のエッチングストッパ膜46の上面が露出するまで第1の層間絶縁膜47をドライエッチングする。
これにより、第1の孔(図示せず)の形成領域、及び該第1の孔の下方に形成され、第1の孔よりも深さの深い第2の孔(図示せず)を複数形成する。
【0098】
次いで、第3のステップとして、シリコン窒化膜(SiN膜)よりなる第1のエッチングストッパ膜46を選択的にエッチングする条件を用いて、上部不純物拡散領域36の上面36a、金属膜39の上面39a、及び他の金属膜41の上面41aが露出するまで第1のエッチングストッパ膜46をドライエッチングする。
【0099】
これにより、第2の孔(図示せず)の形成領域、及び該第2の孔の下方に形成され、第2の孔よりも深さの深いシリンダ孔79が複数形成される。
シリンダ孔79は、下部電極71が形成される孔であり、上部不純物拡散領域36の上面36a、金属膜39の上面39a、及び他の金属膜41の上面41aを露出するように形成する。その後、ホトレジスト(図示せず)を除去する。
【0100】
第1のエッチングストッパ膜46の厚さが50nm、第1の層間絶縁膜47の厚さが400nm、第2のエッチングストッパ膜48の厚さが50nm、第2の層間絶縁膜78の厚さが900nm、サポート膜51の厚さが100nmの場合、シリンダ孔79の直径Rは、例えば、60nmとすることができる。この場合、シリンダ孔79の深さDは、1500nmとすることができる。
なお、上記シリンダ孔79を形成する際に、メモリセル領域を囲むリング形状とされたガード壁用溝(図示せず)を形成する。ガード壁用溝は、少なくともサポート膜51、第2の層間絶縁膜78、及び第2のエッチングストッパ膜48を貫通するように形成する。
【0101】
次いで、図10A及び図10Bに示す工程では、シリンダ孔79の内面を覆うと共に、王冠形状とされ、金属膜よりなる下部電極71を形成する。これにより、下部電極71の底部は、上部不純物拡散領域36の上面36a、金属膜39の上面39a、及び他の金属膜41の上面41aと接続される。したがって、下部電極71は、上部不純物拡散領域36、金属膜39、及び他の金属膜41と電気的に接続される。
【0102】
このように、金属膜よりなる下部電極71の底部と金属膜39の上面39aとを接続することにより、下部電極71の底部とシリサイド層38の外周部及び金属膜39とが接続されるため、下部電極71の底部がシリサイド層38の上面38aの中央のみと接触した場合と比較して、キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を低減できる。
また、金属膜よりなる下部電極71の底部と金属膜39よりも抵抗値の低い他の金属膜41の上面41aとを接続することにより、キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗をさらに低減できる。
【0103】
具体的には、下部電極71は、CVD法により、図9A及び図9Bに示す構造体の上面側から、シリンダ孔79の内面を覆うチタン(Ti)膜と、チタン(Ti)膜の表面を覆う窒化チタン(TiN)膜とを順次成膜する。次いで、チタン(Ti)膜及び窒化チタン(TiN)膜が成膜された複数のシリンダ孔71をホトレジストで充填し、その後、異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、サポート膜51の上面51aに成膜された不要なチタン(Ti)膜及び窒化チタン(TiN)膜を除去することで、複数の下部電極71を形成する。その後、ホトレジストを除去する。
【0104】
なお、図10A及び図10Bに示す工程では、ガード壁用溝(図示せず)の内面にもチタン(Ti)膜及び窒化チタン(TiN)膜を成膜し、ガード壁用溝(図示せず)の内面にチタン(Ti)膜及び窒化チタン(TiN)膜を残存させる。ガード壁用溝(図示せず)に形成されたチタン(Ti)膜及び窒化チタン(TiN)膜は、ガード壁(図示せず)として機能する。
該ガード壁は、後述する図12A及び図12Bに示す工程において、エッチング液により、メモリセル領域に形成された第2の層間絶縁膜78を除去する際、周辺回路領域に形成された第2の層間絶縁膜78にエッチング液が到達することを防止する機能を有する。
【0105】
次いで、図11A及び図11Bに示す工程では、図10A及び図10Bに示すサポート膜51に、サポート膜51の下層に形成された第2の層間絶縁膜78を露出する貫通部76を形成することで、複数の下部電極71の上端の外周面71aと接触し、複数の下部電極71を連結する図2Bに示すサポート膜51を形成する。
【0106】
具体的には、貫通部76は、図10A及び図10Bに示すサポート膜51の上面51aに、ホトリソグラフィ技術により、貫通部76の形成領域に対応するサポート膜51の上面51aを露出する開口部(図示せず)を有したホトレジスト(図示せず)を形成し、次いで、該ホトレジストをマスクとする異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、第2の層間絶縁膜78の上面が露出するまでサポート膜51をエッチングすることで形成する。その後、ホトレジスト(図示せず)を除去する。
なお、図11A及び図11Bでは、1つの貫通部76のみ図示しているが、図11A及び図12Bに示す工程では、実際には複数の貫通部76を形成する。
【0107】
次いで、図12A及び図12Bに示す工程では、貫通部76を介して、メモリセル領域に形成された第2の層間絶縁膜78に、第2の層間絶縁膜78を選択的にエッチング可能なウエットエッチング液を供給することで、ガード壁(図示せず)に囲まれた第2の層間絶縁膜78を選択的に除去する。これにより、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51との間に空間77を形成する。
上記ウエットエッチング液としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を選択的にエッチングするエッチング液(言い換えれば、第2のエッチングストッパ膜48及びサポート膜51に対して選択比があるエッチング液)を用いる。具体的には、上記ウエットエッチング液としては、例えば、フッ化水素酸(HF)を用いる。
【0108】
また、空間77は、第2のエッチングストッパ膜48の上面48a、サポート膜51の下面51b、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51との間に位置する複数の下部電極71の外周側面71a、及び図示していないガード壁の内壁を露出するように形成する。
この際に、ストッパ膜23によって、メモリセル領域11の下層へのウエットエッチング液の浸透が防止されるため、第1の層間絶縁膜47及び既に形成済みのトランジスタ(例えば、縦型トランジスタ66)等にダメージが及ぶことは無い。
【0109】
次いで、図13A及び図13Bに示す工程では、図12A及び図12Bに示す構造体の上面側から、貫通部76を介して、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積)法により、空間77を区画する面を覆う容量絶縁膜72を形成する。
これにより、容量絶縁膜72は、第2のエッチングストッパ膜48の上面48aと、サポート膜51の上面51a及び下面51bと、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51との間に位置する複数の下部電極71の外周側面71aとを覆うように形成される。
容量絶縁膜72としては、例えば、酸化アルミニウム膜(Al膜)と酸化ジルコニウム膜(ZrO膜)とよりなる積層膜を用いることができる。
【0110】
次いで、図14A及び図14Bに示す工程では、図13A及び図13Bに示す構造体の上面側から、貫通部76を介して、CVD法により、容量絶縁膜72の表面を覆うと共に、空間77を充填する導電膜を成膜する。
該導電膜は、上部電極73の母材となる膜であり、例えば、ルテニウム(Ru)膜、タングステン(W)膜、窒化チタン(TiN)膜等の金属膜、或いは多結晶シリコン膜等を用いることができる。
【0111】
次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により該導電膜を研磨することで、該導電膜よりなり、かつ上面73aが平坦な面とされた上部電極73を形成する。
これにより、上部不純物拡散領域36上に、下部電極71、容量絶縁膜72、及び上部電極73よりなるキャパシタ52(MIMキャパシタ)が形成される。このキャパシタ52は、上部不純物拡散領域36、金属膜39、及び他の金属膜41と電気的に接続されている。
【0112】
また、第2のエッチングストッパ膜48とサポート膜51との間に、第2のエッチングストッパ膜48の上面48a、サポート膜51の下面51b、及び複数の下部電極71の外周側面71aを露出する空間77を形成し、次いで、空間77を区画する面を覆う容量絶縁膜72を形成し、その後、容量絶縁膜72の表面に空間77を充填する上部電極73を形成することにより、キャパシタ52の容量を大きくすることができる。
【0113】
次いで、図15A及び図15Bに示す工程では、上部電極73の上面73aに第3の層間絶縁膜53を形成する。第3の層間絶縁膜53は、CVD法により形成することができる。また、第3の層間絶縁膜53としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いる。
【0114】
次いで、第3の層間絶縁膜53上に、周知の手法により、上部電極73と電気的に接続される配線55を形成する。次いで、第3の層間絶縁膜53上に、配線55を覆うように第4の層間絶縁膜56を形成する。第4の層間絶縁膜56は、CVD法により形成することができる。また、第4の層間絶縁膜56としては、シリコン酸化膜(SiO膜)を用いる。これにより、本実施の形態の半導体装置10が製造される。
【0115】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、ピラー26の上端26−1を含むピラー26の上部に上部不純物拡散領域36を形成し、次いで、ゲート絶縁膜27を介して、ピラー26の側面26a,26b,26c,26dを囲むと共に、ゲート電極61,62を覆う絶縁膜(具体的には、第2の絶縁膜23、第1の埋め込み絶縁膜31、ライナー膜33、及び第2の埋め込み絶縁膜35により構成される絶縁膜)を形成し、次いで、ゲート絶縁膜27及び該絶縁膜をエッチバックすることで、ピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1dを露出し、次いで、ピラー26の上端26−1の側面26−1a,26−1b,26−1c,26−1d及び上端面26−1eを覆う金属膜39を成膜して、金属膜39に含まれる金属(例えば、チタン(Ti))とピラー26の上端26−1に含まれるシリコン(Si)とを反応させることで、金属膜39で囲まれたピラー26の上端26−1にシリサイド層38を形成し、次いで、シリサイド層38の上面38aに形成された金属膜39を選択的に除去し、その後、シリサイド層38の側面38c,38dのみに金属膜39を残存させ、次いで、シリサイド層38上に、シリサイド層38の上面38a及びシリサイド層38の側面38c,38dに残存する金属膜39の上面39aと接触するキャパシタ52を形成することにより、金属膜39に囲まれたピラー26の上端26−1のみにシリサイド層38を形成することが可能となるので、シリサイド層38とゲート電極61,62との間の距離を十分に確保して、ゲート電極61,62と半導体基板13との間のショートの発生を抑制した上で、厚さが厚く、かつ均一な厚さとされたシリサイド層38を形成できる。
【0116】
これにより、シリンダ孔の径が小さい場合でも、下部電極52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を低減することができる。
【0117】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0118】
例えば、本実施の形態では、金属膜39の上面39a及び他の金属膜41の上面41aが下部電極71の底部と接続されている場合を例に挙げて説明したが、少なくとも金属膜39を構成する第1の金属膜67の上面67aと下部電極71の底部とが接続されていればよい。
また、本実施の形態では、他の金属膜41を設けた場合を例に挙げて説明したが、金属膜39の上面39aの面積が十分に広い場合(キャパシタ52と上部不純物拡散領域36との間のコンタクト抵抗を十分に低減できる場合)には、他の金属膜41を設ける必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0120】
10…半導体装置、11…メモリセルアレイ、13…半導体基板、13a…主面、15…ビット線形成用溝、16…第1の絶縁膜、16A…開口部、18…ビットコンタクト、19…下部不純物拡散領域、21…ビット線、21a,23a,31a,33a,35a,38a,39a,41a,51a,67a,68a,73a…上面、23…第2の絶縁膜、25…ワード線形成用溝、25a…底面、26…ピラー、26−1…上端、26a,26b,26c,26d,26−1a,26−1b,26−1c,26−1d,38c,38d…側面、26−1e…上端面、27…ゲート絶縁膜、29…ワード線、31…第1の埋め込み絶縁膜、32…溝、33…ライナー膜、35…第2の埋め込み絶縁膜、36…上部不純物拡散領域、37…凹部、38…シリサイド層、38b,51b…下面、39…金属膜、41…他の金属膜、41b,67b,68b…外周側面、46…第1のエッチングストッパ膜、47…第1の層間絶縁膜、48…第2のエッチングストッパ膜、51…サポート膜、52…キャパシタ、53…第3の層間絶縁膜、55…配線、56…第4の層間絶縁膜、61,62…ゲート電極、63…電極端接続部、65…接続部、66…縦型トランジスタ、67…第1の金属膜、68…第2の金属膜、68a…表面、71…下部電極、71a…外周側面、72…容量絶縁膜、73…上部電極、76…貫通部、77…空間、78…第2の層間絶縁膜、79…シリンダ孔、C,D…深さ、R…直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン(Si)を含む半導体基板に設けられ、前記半導体基板を母材とするピラーと、
前記ピラーの上端に形成されたシリサイド層と、
前記シリサイド層の側面を覆うように設けられ、かつ前記ピラーの上端に含まれるシリコン(Si)をシリサイド化させる金属膜と、
ゲート絶縁膜を介して、前記シリサイド層よりも下方に位置する前記ピラーの側面に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆うと共に、前記シリサイド層よりも下方に位置する前記ピラーの側面を囲むように配置され、かつ前記シリサイド層及び前記金属膜を露出する絶縁膜と、
前記シリサイド層の下面と接触するように、前記ピラーに配置された上部不純物拡散領域と、
前記シリサイド層の上面に設けられたキャパシタと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記キャパシタとなる下部電極は、前記シリサイド層の上面及び前記金属膜の上面と接触することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記金属膜は、前記シリサイド層の側面を覆うチタン(Ti)膜を含み、
前記シリサイド層は、TiSi層であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記金属膜は、前記チタン(Ti)膜の外周側面を覆う窒化チタン(TiN)膜を有することを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属膜よりも抵抗値が低く、前記金属膜の外周側面を覆うように設けられ、かつ上面が前記下部電極と接触する他の金属膜を有することを特徴とする請求項2ないし4のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記他の金属膜は、タングステン(W)膜であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ゲート電極よりも下方に位置するように前記半導体基板に内設され、前記半導体基板に対して電気的に絶縁され、かつ前記ゲート電極の延在方向に対して交差する方向に延在するビット線を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ピラーのうち、前記上部不純物拡散領域の下方に位置する部分に形成され、前記ビット線と電気的に接続された下部不純物拡散領域を有することを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
シリコン(Si)を含む半導体基板を部分的にエッチングすることでピラーを形成する工程と、
ゲート絶縁膜を介して、前記ピラーの側面にゲート電極を形成する工程と、
前記ピラーの上端を含む前記ピラーの上部に上部不純物拡散領域を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜を介して、前記ピラーの側面を囲むと共に、前記ゲート電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜及び前記絶縁膜をエッチバックすることで、前記ピラーの側面のうち、前記上部不純物拡散領域が形成された前記ピラーの上端の側面を露出する工程と、
前記ピラーの上端の側面及び前記ピラーの上端面を覆うように金属膜を成膜することで、前記金属膜に含まれる金属と前記ピラーの上端に含まれるシリコン(Si)とを反応させ、前記上部不純物拡散領域のうち、前記金属膜で囲まれた部分にシリサイド層を形成する工程と、
前記シリサイド層の上面に形成された金属膜を選択的に除去することで、前記シリサイド層の側面のみに前記金属膜を残存させる工程と、
前記シリサイド層上に、該シリサイド層の上面、及び前記シリサイド層の側面に残存する前記金属膜の上面と接触するキャパシタを形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、前記ピラーの上端の側面を覆うように、前記金属膜となるチタン(Ti)膜を成膜すると共に、前記チタン(Ti)膜の成膜時の熱により、前記チタン(Ti)膜に含まれるチタン(Ti)と前記ピラーの上端に含まれる前記シリコン(Si)とを反応させることで、前記シリサイド層としてTiSi層を形成することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記金属膜を選択的に除去する前に、前記金属膜の表面を覆うように、前記金属膜よりも抵抗値の低い他の金属膜を成膜する工程を有し、
前記金属膜を選択的に除去する際に、前記金属膜を介して、前記ピラーの上端面に形成された前記他の金属膜を選択的に除去することで、前記シリサイド層の側面に形成された前記金属膜に前記他の金属膜を残存させることを特徴とする請求項9または10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記シリサイド層の上面、前記金属膜の上面、及び前記他の金属膜の上面を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜に、前記上部不純物拡散領域の上面、前記金属膜の上面、及び前記他の金属膜の上面を露出するシリンダ孔を形成する工程と、
前記シリンダ孔の内面を覆うように、前記キャパシタとなる下部電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記ピラーを形成する工程では、複数の前記ピラーを形成し、
前記下部電極は、複数の前記ピラーに対してそれぞれ1つ形成し、
前記層間絶縁膜中に、複数の前記下部電極を連結するエッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上に、複数の前記下部電極の上端を連結するサポート膜を形成する工程と、を含み、
前記シリンダ孔は、前記エッチングストッパ膜及び前記サポート膜を貫通するように形成することを特徴とする請求項12記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記下部電極を形成後に、前記サポート膜に、該サポート膜を貫通する貫通部を形成し、
前記エッチングストッパ膜及び前記サポート膜のエッチング速度が小さいエッチング液を前記貫通部から導入することにより、前記サポート膜と前記エッチングストッパ膜との間に配置された前記層間絶縁膜を選択的に除去することで、前記エッチングストッパ膜の上面、前記サポート膜の下面、及び複数の前記下部電極の外周側面を露出する空間を形成することを特徴とする請求項13記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記下部電極の内面と、前記サポート膜の上面及び下面と、前記空間により露出された前記下部電極の外周側面、及び前記エッチングストッパ膜の上面を覆うように、前記キャパシタとなる容量絶縁膜を形成することを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記容量絶縁膜の表面を覆うと共に、前記空間を充填するように、前記キャパシタとなる上部電極を形成することを特徴とする請求項15記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記ピラーのうち、前記上部不純物拡散領域の下方に位置する部分に、下部不純物拡散領域を形成する工程と、
前記ゲート電極よりも下方に位置する前記半導体基板に、前記ゲート電極の延在方向に対して交差する方向に延在し、かつ前記下部不純物拡散領域と電気的に接続されるビット線を形成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項9ないし16のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2012−38994(P2012−38994A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179460(P2010−179460)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】